JP7486886B2 - 電解質組成物、ゲルポリマー電解質、およびそれを含むリチウム二次電池 - Google Patents

電解質組成物、ゲルポリマー電解質、およびそれを含むリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本出願は、2021年7月15日付けの韓国特許出願第10-2021-0092618号および2022年7月13日付けの韓国特許出願第10-2022-0086457号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、電解質組成物、ゲルポリマー電解質、およびそれを含むリチウム二次電池に関する。
近年、情報社会の発達により、個人ITデバイスとコンピュータネットワークが発達しており、これに伴い、電気エネルギーに対する社会全体の依存度が高くなっている。そのため、高い安定性を有するリチウムイオン二次電池の需要が益々増加している。特に、これらの電子および通信機器の小型化および軽量化の傾向によって、この分野の核心部品であるリチウム二次電池の薄膜化および小型化が求められている。
リチウム二次電池は適用される電解質によって、液体電解質を用いるリチウムイオン電池と、ポリマー電解質を用いるリチウムポリマー電池とに分けられる。
リチウムイオン電池は、高容量を実現することができるという利点があるが、リチウム塩を含有した液体電解質を用いることによる漏液および爆発の危険性があり、これを改善するために、電池の設計が複雑になるという欠点がある。
リチウムポリマー電池は、電解質として固体ポリマー電解質や電解液が含有されたゲルポリマー電解質を用いるため、柔軟性が高く、漏液などが改善されるという利点があるが、ポリマー電解質中に形成された高分子マトリックスによりリチウムイオンの移動性が低下し、リチウムイオン電池に比べてイオン伝導度が相対的に低いという欠点がある。しかし、リチウムポリマー電池は、電極の表面と電解質との副反応を抑えることができ、安定性が高いという点から、その使用範囲が益々拡大している。
中でも、前記ゲルポリマー電解質を適用したリチウムポリマー電池は、(i)電解質塩が溶解された有機溶媒と重合開始剤、および重合可能な単量体またはオリゴマーを混合した電解液組成物を電極およびセパレータのうち1つの片面または両面にコーティングし、熱やUVを用いて硬化(ゲル化)させてゲルポリマー電解質膜を形成した後、前記ゲルポリマー電解質膜が形成された電極またはセパレータを巻き取りまたは積層することで電極組立体を製造し、それを電池ケースに挿入した後、液体電解液を再注液してゲルポリマー電解質膜に含浸させるステップを経て製造されるか、(ii)前記電解液組成物を電極組立体が収納された電池ケースの内部に注液した後、適切な温度を印加してゲル化(架橋)させるステップを経て製造される。
これに関連して、前記電解液組成物を電極組立体が収納された電池ケースの内部に注液する方法によりリチウムポリマー電池を製造する際に、常温における電解液組成物のプレゲル化(pre-gel)により、電解液組成物の表面張力が増加し、電極に対する濡れ性(wetting)が低下するという問題がある。かかる問題は、後で二次電池の諸性能の劣化をもたらす。
したがって、ゲルポリマー電解質を含む二次電池の製造時における濡れ性が向上した電解質組成物の技術開発が必要とされている状況である。
本発明は、電極に対する濡れ性が向上した電解質組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記電解質組成物の重合反応により形成されたポリマーネットワークを含むことで、難燃性だけでなく、高分子マトリックスの剛直性およびリチウムイオン伝導度が改善されたゲルポリマー電解質を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、前記ゲルポリマー電解質を含むことで、サイクル特性が向上したリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、
リチウム塩と、
非水性有機溶媒と、
下記化学式1で表される化合物と、
パーフルオロポリエーテルオリゴマーと、を含む、電解質組成物を提供する。
前記化学式1中、
は、水素または炭素数1~3のアルキル基であり、
nは、3~8の整数である。
また、本発明は、本発明の電解質組成物の重合反応により形成されたポリマーネットワークを含むゲルポリマー電解質を提供する。
また、本発明は、正極と、負極と、前記負極と正極との間に介在されるセパレータと、本発明のゲルポリマー電解質と、を含むリチウム二次電池を提供する。
本発明の電解質組成物は、パーフルオロポリエーテルオリゴマーおよび低分子量のフッ素系単量体を含むことで、電解質組成物の濡れ性を改善し、難燃性だけでなく、高分子マトリックスの剛直性およびリチウムイオンの移動特性が改善されたゲルポリマー電解質を製造することができる。さらに、サイクル特性が向上したリチウム二次電池を製造することができる。
本明細書に添付の次の図面は、本発明の好ましい実施形態を例示するためのものであって、上述の発明の内容とともに、本発明の技術思想をより理解させる役割をするものであるため、本発明は、この図面に記載の事項にのみ限定されて解釈されてはならない。
実験例1による二次電池の低温サイクル特性評価の結果を示したグラフである。 実験例2による二次電池の高温サイクル特性評価の結果を示したグラフである。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本明細書および特許請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念で解釈すべきである。
また、本明細書で用いられる用語は、ただ例示的な実施形態を説明するために用いられたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
本発明を説明するに先立ち、本明細書において、「含む」、「備える」、「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、ステップ、構成要素、またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、構成要素、またはこれらを組み合わせの存在または付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
一方、本明細書において、「炭素数a~b」の記載において、「a」および「b」は、具体的な官能基に含まれる炭素原子の個数を意味する。すなわち、前記官能基は、「a」~「b」個の炭素原子を含み得る。例えば、「炭素数1~5のアルキレン基」は、炭素数1~5の炭素原子を含むアルキレン基、すなわち、-CH-、-CHCH-、-CHCHCH-、-CH(CH)CH-、-CH(CH)CH-、-CH(CH)CHCH-などを意味する。
前記「アルキレン基」という用語は、分岐または非分岐の2価の不飽和炭化水素基を意味する。一態様において、前記アルキレン基は、置換されていても置換されていなくてもよい。前記アルキレン基は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン基、ペンチレン基、3-ペンチレン基などを含み得る。
また、本明細書において、「置換」とは、別に定義しない限り、炭素に結合された少なくとも1つの水素が、水素以外の元素で置換されることを意味し、例えば、炭素数1~6のアルキル基またはフッ素で置換されることを意味する。
電解質組成物
一実施形態によると、本発明は、
リチウム塩と、
非水性有機溶媒と、
下記化学式1で表される化合物と、
パーフルオロポリエーテルオリゴマーと、を含む、電解質組成物を提供する。
前記化学式1中、
は、水素または炭素数1~3のアルキル基であり、
nは、3~8の整数である。
(1)リチウム塩
先ず、リチウム塩について説明すると、次のとおりである。
前記リチウム塩は、リチウム二次電池用電解質に通常用いられるものなどが制限されずに使用でき、例えば、カチオンとしてLiを含み、アニオンとして、F、Cl、Br、I、NO 、N(CN) 、BF 、ClO 、B10Cl10 、AlCl 、AlO 、PF 、CFSO 、CHCO 、CFCO 、AsF 、SbF 、CHSO 、(CFCFSO、(CFSO、(FSO、BF 、BC 、PF 、PF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF 、(CFPF、(CF、CSO 、CFCFSO 、CFCF(CFCO、(CFSOCH、CF(CFSO 、およびSCNからなる群から選択される少なくとも何れか1つが挙げられる。
具体的に、前記リチウム塩は、LiCl、LiBr、LiI、LiBF、LiClO、LiB10Cl10、LiAlCl、LiAlO、LiPF、LiCFSO、LiCHCO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiCHSO、LiFSI(Lithium bis(fluorosulfonyl)imide、LiN(SOF))、LiBETI(lithium bis(pentafluoroethanesulfonyl)imide、LiN(SOCFCF)、およびLiTFSI(lithium bis(trifluoromethanesulfonyl)imide、LiN(SOCF)からなる群から選択される単一物または2種以上の混合物であってもよく、上述のリチウム塩の他にも、リチウム二次電池の電解液に通常用いられるリチウム塩が制限されずに使用可能である。具体的に、前記リチウム塩はLiPFを含んでもよい。
前記リチウム塩は、通常使用可能な範囲内で適宜変更することができるが、最適の電極表面の腐食防止用被膜の形成効果を得るために、電解液中に0.8M~3.0Mの濃度、具体的には1.0M~3.0Mの濃度で含まれてもよい。前記リチウム塩の濃度が上記の範囲を満たす場合、最適の含浸性を実現するように非水電解液の粘度を制御することができ、被膜形成の効果を改善することができ、リチウムイオンの移動性を向上させることで、リチウム二次電池の容量特性およびサイクル特性の改善効果を得ることができる。
(2)非水性有機溶媒
また、非水性有機溶媒についての説明は、次のとおりである。
前記非水性有機溶媒としては、リチウム電解質に通常用いられる種々の有機溶媒が制限されずに使用できるが、二次電池の充放電過程における酸化反応などによる分解が最小化され、添加剤とともに目的の特性を発揮することができるものであれば、その種類が制限されない。
具体的に、前記非水性有機溶媒としては、誘電率が高くて電解質中のリチウム塩をよく解離させる高粘度の環状カーボネート系有機溶媒、および低粘度および低誘電率を有する直鎖状カーボネート系有機溶媒のうち少なくとも1つが含まれてもよい。
前記環状カーボネート系有機溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブチレンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネート、2,3-ペンチレンカーボネート、およびビニレンカーボネートからなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒を含んでもよく、中でも、エチレンカーボネートを含んでもよい。
前記直鎖状カーボネート系有機溶媒としては、ジメチルカーボネート(dimethyl carbonate、DMC)、ジエチルカーボネート(diethyl carbonate、DEC)、ジプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート、およびエチルプロピルカーボネートからなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒を含んでもよく、具体的に、エチルメチルカーボネート(EMC)を含んでもよい。
本発明では、前記環状カーボネート系有機溶媒に直鎖状カーボネート系有機溶媒を混合して用いてもよく、前記環状カーボネート系有機溶媒および直鎖状カーボネート系有機溶媒の混合比は、10:90~80:20の体積比、具体的には50:50~70:30の体積比であってもよい。
前記環状カーボネート系有機溶媒と直鎖状カーボネート系有機溶媒の体積比が上記の範囲を満たす場合、より高い電気伝導率を有する電解質組成物を製造することができる。
また、本発明の電解質組成物は、環状カーボネート系有機溶媒に比べて相対的に高温および高電圧駆動時における安定性が高い直鎖状エステル系有機溶媒および/または環状エステル系有機溶媒をさらに含むことで、高電圧駆動時にガスの発生を引き起こす環状カーボネート系有機溶媒の欠点を改善するとともに、高いイオン伝導率を実現することができる。
前記直鎖状エステル系有機溶媒としては、その具体的な例として、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、およびブチルプロピオネートからなる群から選択される少なくとも1つを含んでもよく、具体的には、エチルプロピオネートおよびプロピルプロピオネートのうち少なくとも1つを含んでもよい。
また、前記環状エステル系有機溶媒としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、およびε-カプロラクトンからなる群から選択される少なくとも1つを含んでもよい。
一方、前記本発明の電解質組成物中において、非水性有機溶媒を除いた他の構成成分、例えば、リチウム塩、化学式1の化合物、およびオリゴマーを除いた残部は、別に断らない限り、何れも有機溶媒である。
(3)化学式1で表される化合物
本発明の電解質組成物は、低分子量のフッ素系単量体として、下記化学式1で表される化合物を含んでもよい。
前記化学式1中、
は、水素または炭素数1~3のアルキル基であり、
nは、3~8の整数である。
前記化学式1で表される化合物は、分子構造内に含まれた二重結合(C=C)官能基を含んでいるため、電気化学的分解反応時に、フッ素元素を含有した強固なSEI膜を負極の表面により容易に形成することができる。また、化学式1で表される化合物は、難燃性および不燃性に優れたフッ素原子を3個以上含んでいるため、優れた耐酸化性を確保することができる不動態皮膜を正極の表面に形成することができる。また、本発明の化学式1で表される化合物は、分子構造内に酸素原子を2個含んでいるため、分子構造内に酸素原子が3個以上含まれている化合物に比べて酸化安全性が高く、電極の表面に抵抗の低い強固なSEIを形成することができる。
特に、本発明の化学式1で表される化合物は、アクリレート官能基と末端フッ素置換のアルキル基とがエチレン基(-CH-CH-)を介して連結(結合)された構造的特徴を有しており、アクリレート官能基と末端フッ素置換のアルキル基とがメチレン基(-CH-)を介して連結された2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチルアクリレートのような化合物に比べて、連結基部分の分子鎖の増加により、高い柔軟性を確保することができる。よって、ゲルポリマー電解質の製造時に、前記化学式1で表される化合物が、後述のパーフルオロポリエーテルオリゴマーからなるポリマーマトリックス構造内に均一に分布され、柔軟な高分子マトリックス構造を形成することができ、機械的安定性およびリチウムイオンの移動性が向上したゲルポリマー電解質を製造することができる。
一方、前記化学式1中、Rは水素であり、nは4~8の整数であってもよく、具体的に、nは5~8の整数であってもよい。
前記化学式1中、nの整数値が上記の範囲を満たす場合、化合物自体の熱的特性を高めることができ、それから形成される被膜の安定性を期待することができる。具体的に、前記化学式1中、nが3以上であると、フッ素原子がある程度以上で含まれることにより、電解質組成物の難燃性および高温耐久性が向上し、高温貯蔵時におけるガスの発生および膨潤現象を抑えることができる。また、前記化学式1中、nが8以下であると、過量のフッ素元素によって電解質組成物の粘度および非極性が増加することを防止することができ、電解質組成物に対する化合物の溶解度を改善することができるため、二次電池の性能劣化を防止することができる。
具体的に、前記化学式1で表される化合物は、下記化学式1-1および1-2で表されるオリゴマーの少なくとも1つを含んでもよい。
(4)パーフルオロポリエーテルオリゴマー
本発明の電解質組成物は、パーフルオロポリエーテルオリゴマーを含んでもよい。
前記パーフルオロポリエーテルオリゴマーは、下記化学式2で表されるオリゴマーを含んでもよい。
前記化学式2中、
Rは、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数1~4のアルキレン基であり、
およびR’は、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキレン基または-(CF-O-(oは1~3の整数である)であり、
およびR’は、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキレン基または-(Ro2-O-(Rは、置換されているかまたは置換されていない炭素数1~5のアルキレン基であり、o2は1~3の整数である)であり、
は、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、
Ra、Rb、Rc、およびRdは、それぞれ独立して、水素または炭素数1~3のアルキル基であり、
n、m、およびm’は、それぞれ独立して、1~10の整数であり、
kは、10~1,000の整数であり、
pおよびp’は、それぞれ独立して、0または1の整数であり、
cおよびc1は、それぞれ独立して、1~3の整数であり、
dおよびd1は、それぞれ独立して、1または2の整数である。
前記化学式2で表されるパーフルオロポリエーテルオリゴマーは、構造の両末端にそれ自体が架橋結合を形成できる親水性基であるアクリレート基を含み、主鎖に疎水性部分であるパーフルオロポリエーテル基を含み、構造内にウレタン基および/または尿素基を含むことで、親水性部分である正極またはセパレータと、疎水性部分である負極またはセパレータ原反とのバランスの取れた親和性を確保することができるため、電解質組成物の粘度および表面張力を低くすることができる。これは、電解質組成物中にリチウム塩が1.5M以上の高濃度で含まれる場合にも、電解質組成物の濡れ性を確保させ、界面抵抗を低くすることができる。よって、電極およびセパレータに対する電解液組成物の含浸性を向上させることができる。
さらに、前記パーフルオロポリエーテルオリゴマーは、電気化学的に安定であり、還元安全性が高い化合物であって、リチウム塩を解離する能力を有しているため、負極表面における還元反応を最小にし、リチウムイオンの移動性を向上させることができる。
したがって、かかるパーフルオロポリエーテルオリゴマーを含む電解質組成物を用いて製造されたゲルポリマー電解質は、従来のエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのアルキレンオキシド骨格を有するポリマー;またはジアルキルシロキサン、フルオロシロキサン、またこれらのユニットを有するブロック共重合体およびグラフト重合体などを用いて製造されたゲルポリマー電解質に比べて、電極との副反応が減少し、電極と電解質との界面抵抗が減少することで、サイクル寿命特性などの諸性能が向上したリチウム二次電池を製造することができる。
一方、前記化学式2中、前記脂肪族炭化水素基は、炭素数1~20のアルキレン基;イソシアネート基(NCO)を含有する炭素数1~20のアルキレン基;炭素数1~20のアルコキシレン基;炭素数2~20のアルケニレン基;または炭素数2~20のアルキニレン基であってもよい。
また、前記化学式2中、前記脂環族炭化水素基は、炭素数4~20のシクロアルキレン基;炭素数4~20のシクロアルケニレン基;および炭素数2~20のヘテロシクロアルキレン基であってもよい。
また、前記化学式2中、前記芳香族炭化水素基は、炭素数6~20のアリーレン基;または炭素数2~20のヘテロアリーレン基であってもよい。
具体的に、前記化学式2中、Rは、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数2~4のアルキレン基であり、RおよびR’は、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキレン基または-(CF-O-(oは1~3の整数である)であり、RおよびR’は、それぞれ独立して、炭素数2~5のアルキレン基または-(Ro2-O-(Rは、置換されているかまたは置換されていない炭素数2~5のアルキレン基であり、o2は1~3の整数である)であり、Rは脂環族炭化水素基であり、Ra、Rb、Rc、およびRdは、それぞれ独立して、水素、炭素数1または2のアルキル基であってもよい。
前記化学式2で表されるオリゴマーは、下記化学式2-1または化学式2-2で表されるオリゴマーを含んでもよい。
前記化学式2-1中、
n1は、1~10の整数であり、
k1は、10~1,000の整数である。
前記化学式2-2中、
n2、m1、およびm1’は、それぞれ独立して、1~10の整数であり、
k2は、10~1,000の整数である。
具体的に、前記化学式2で表されるオリゴマーは、化学式2-2で表されるオリゴマーを含んでもよい。
すなわち、前記化学式2で表されるオリゴマーは、主鎖構造内に、リチウム塩の解離を助けることができ、リチウムイオンの移動(transfer)がより容易であり、高分子主鎖の柔軟性(flexible)を付与することができるポリプロピレンオキシド単位が繰り返し単位として含まれることで、電解質中で移動可能なリチウムイオンの数が増加し、リチウムイオン自体の移動性が増加し、高分子運動性が増加することにより、二次電池の低温サイクルおよび出力特性をより改善させることができる。
一方、前記パーフルオロポリエーテルオリゴマーは、電解質組成物中に0.1重量%~10重量%、具体的には0.1重量%~15重量%で含まれてもよい。
前記パーフルオロポリエーテルオリゴマーの含量が上記の範囲を満たす場合、電解質組成物の表面張力を低くして電極に対する含浸性を向上させることができ、ゲル化による安定な機械的物性を確保することができる。尚、過量のオリゴマーの添加による抵抗増加と、それによる容量低下およびリチウムイオンの移動制限、例えば、イオン伝導度の減少などの欠点を防止することができる。
一方、前記パーフルオロポリエーテルオリゴマーの重量平均分子量(MW)は、1,000g/mol~100,000g/mol、具体的には1,000g/mol~50,000g/mol、より具体的には1,000g/mol~10,000g/molであり、さらに具体的には1,000g/mol~5,000g/molであってもよく、繰り返し単位の数によってその範囲を調節することができる。前記オリゴマーの重量平均分子量が上記の範囲内である場合、それを含む非水電解液の機械的強度を効果的に制御することができる。
例えば、前記パーフルオロポリエーテルオリゴマーの重量平均分子量が1,000g/mol以上であると、機械的強度を改善することができる。また、前記パーフルオロポリエーテルオリゴマーの重量平均分子量が100,000g/mol以下であると、オリゴマーの物性自体が硬直(rigid)になることを防止し、電解質溶媒に対する親和性を高めて溶解されやすくすることで、均一なゲルポリマー電解質の形成が期待できる。
前記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)を用いて測定することができる。例えば、一定濃度のサンプル試料を準備した後、GPC測定システムalliance 4機器を安定化させる。機器が安定になると、機器に標準試料とサンプル試料を注入してクロマトグラムを得た後、分析方法により分子量を算出することができる(システム:Alliance 4、カラム:Ultrahydrogel linearX2、eluent:0.1M NaNO(pH7.0 phosphate buffer、flow rate:0.1mL/min、temp:40℃、injection:100μL)
一方、本発明の電解質組成物中において、前記化学式1で表される化合物は、前記パーフルオロポリエーテルオリゴマー100重量部に対して0.1~50重量部、具体的には0.5~40重量部、より具体的には1~30重量部で含まれてもよい。
前記パーフルオロポリエーテルオリゴマーの重量に対する、下記化学式1で表される化合物の重量の割合が上記の範囲を満たす場合、パーフルオロポリエーテルオリゴマーからなるポリマーマトリックス構造内に、化学式1で表される化合物由来の単位が均一に分布され、柔軟な構造のポリマーマトリックスを形成することができ、さらには、機械的安定性およびリチウムイオンの移動性が向上したゲルポリマー電解質を製造することができる。すなわち、前記化学式1で表される化合物の含量が0.1重量部以上であると、適切な高分子化反応により均一なゲルポリマーマトリックスを形成することができ、前記化学式1で表される化合物の含量が50重量部未満であると、重合反応速度を制御し、低分子量のポリマーマトリックスが形成されることを防止することができるため、ゲルポリマー電解質の機械的強度を確保することができる。
(5)重合開始剤
本発明の電解質組成物は、重合反応のために重合開始剤をさらに含んでもよい。
前記重合開始剤は、ゲルポリマー電解質の製造時に求められるラジカル反応を行うために含まれる成分であって、熱によって分解されてラジカルを形成し、フリーラジカル重合により、化学式1で表される化合物と化学式2で表されるオリゴマーの重合反応を起こすことができる。
かかる重合開始剤としては、当業界で知られた通常の熱または光重合開始剤が使用可能であり、非制限的な例として、ベンゾイルパーオキシド(benzoyl peroxide)、アセチルパーオキシド(acetyl peroxide)、ジラウリルパーオキシド(dilauryl peroxide)、ジ-tert-ブチルパーオキシド(di-tert-butyl peroxide)、t-ブチルパーオキシ-2-エチル-ヘキサノエート(t-butyl peroxy-2-ethyl-hexanoate)、クミルヒドロパーオキシド(cumyl hydroperoxide)、過酸化水素(hydrogen peroxide)などの有機過酸化物類やヒドロ過酸化物類、2,2’-アゾビス(2-シアノブタン)、2,2’-アゾビス(メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN;2,2’-Azobis(iso-butyronitrile))、2,2’-アゾビスジメチル-バレロニトリル(AMVN;2,2’-Azobisdimethyl-Valeronitrile)などのアゾ化合物類を含んでもよい。
前記重合開始剤は、電池内で、熱、非制限的な例として、30℃~100℃の熱によって分解されるか、常温(25℃~30℃)で分解されてラジカルを形成し、フリーラジカル重合により、重合性オリゴマーがアクリレート系化合物と反応してゲルポリマー電解質を形成することができる。
前記重合開始剤は、前記化学式2で表されるオリゴマー100重量部を基準として、0.01~10重量部、具体的には0.1~5重量部で含まれてもよい。
前記重合開始剤の含量が上記の範囲を満たす場合、ゲルポリマー転換率を高め、ゲルポリマー電解質の特性を確保することができ、プレゲル反応を防止し、電極に対する電解液の濡れ性を向上させることができる。
ゲルポリマー電解質
また、本発明は、本発明の電解質組成物の重合反応により形成されたポリマーネットワークを含むゲルポリマー電解質を提供することができる。
前記重合反応としては、通常の重合方法を用いることができる。
具体的に、本発明のゲルポリマー電解質は、本発明の電解質組成物を電極組立体が収納された電池ケース内に注液した後、熱、電子ビーム(e-ビーム)またはガンマ線を加えながら重合反応を行うことで製造されることができる。
具体的に、前記重合反応は、熱重合により行われることができ、約50℃~100℃の熱を加えながら、1時間~8時間反応させることで行われることができる。
リチウム二次電池
また、本発明は、正極と、負極と、前記正極と負極との間に介在されたセパレータと、前述の本発明のゲルポリマー電解質と、を含むリチウム二次電池を提供することができる。
この際、前記ゲルポリマー電解質については上述のとおりであるため、これについての説明は省略し、以下では、他の構成要素について説明する。
(1)正極
本発明に係る正極は、正極活物質を含む正極活物質層を含み、必要に応じて、前記正極活物質層は、導電材および/またはバインダーをさらに含んでもよい。
前記正極活物質は、リチウムの可逆的なインターカレーションおよびデインターカレーションが可能な化合物であって、具体的には、コバルト、マンガン、ニッケル、またはアルミニウムなどの1種以上の金属とリチウムを含むリチウム複合金属酸化物を含んでもよい。
具体的に、前記正極活物質は、電池の容量特性および安定性を高めることができる点から、リチウム-コバルト系酸化物(例えば、LiCoOなど)および下記化学式3で表されるリチウム-ニッケル-マンガン-コバルト系酸化物のうち少なくとも1つを含んでもよい。
[化学式3]
Li(NiCoMn)O
(化学式3中、0<x<1、0<y<1、0<z<1、x+y+z=1)
具体的には、前記リチウム-ニッケル-マンガン-コバルト系酸化物は、好ましくは、ニッケルを50atm%以上含んでもよく、その代表例として、Li(Ni0.5Mn0.3Co0.2)O、Li(Ni0.5Mn0.2Co0.3)O、Li(Ni0.6Mn0.2Co0.2)O、Li(Ni0.7Mn0.15Co0.15)O、およびLi(Ni0.8Mn0.1Co0.1)Oのうち少なくとも1つを含んでもよい。
また、前記正極活物質は、前記リチウム-コバルト系酸化物またはリチウム-ニッケル-マンガン-コバルト系酸化物の他にも、リチウム-マンガン系酸化物(例えば、LiMnO、LiMnなど)、リチウム-ニッケル系酸化物(例えば、LiNiOなど)、リチウム-ニッケル-マンガン系酸化物(例えば、LiNi1-YMn(ここで、0<Y<1)、LiMn2-zNi(ここで、0<Z<2)、リチウム-ニッケル-コバルト系酸化物(例えば、LiNi1-Y1CoY1(ここで、0<Y1<1)、リチウム-マンガン-コバルト系酸化物(例えば、LiCo1-Y2MnY2(ここで、0<Y2<1)、LiMn2-z1Coz1(ここで、0<Z1<2)、またはリチウム-ニッケル-コバルト-遷移金属(M)酸化物(例えば、Li(Nip2Coq2Mnr3S2)O(ここで、Mは、Al、Fe、V、Cr、Ti、Ta、Mg、およびMoからなる群から選択され、p2、q2、r3、およびs2は、それぞれ独立の元素の原子分率であって、0<p2<1、0<q2<1、0<r3<1、0<s2<1、p2+q2+r3+s2=1である))などをさらに含んでもよく、これらの何れか1つまたは2つ以上の化合物が含まれてもよい。かかる正極活物質は、LiMnO、LiNiO、またはリチウムニッケルコバルトアルミニウム酸化物(例えば、Li(Ni0.8Co0.15Al0.05)Oなど)などを含んでもよい。
前記正極活物質は、正極活物質層中の固形分の全重量を基準として、90重量%~99重量%、具体的には93重量%~98重量%で含まれてもよい。
前記導電材は、該電池に化学的変化を引き起こすことなく、且つ導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどの炭素粉末;結晶構造が非常に発達した天然黒鉛、人造黒鉛、グラファイトなどの黒鉛粉末;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン粉末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末などの導電性粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材が用いられてもよい。
前記導電材は、通常、正極活物質層中の固形分の全重量を基準として1~30重量%で添加される。
前記バインダーは、正極活物質粒子間の付着、および正極活物質と集電体との接着力を向上させる役割を果たす成分であって、通常、正極活物質層中の固形分の全重量を基準として1~30重量%で添加される。かかるバインダーの例としては、ポリビニリデンフルオライド(polyvinylidene fluoride、PVDF)またはポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)を含むフッ素樹脂系バインダー;スチレン-ブタジエンゴム(styrene butadiene rubber、SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴムを含むゴム系バインダー;カルボキシメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose、CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロースを含むセルロース系バインダー;ポリビニルアルコールを含むポリアルコール系バインダー;ポリエチレン、ポリプロピレンを含むポリオレフィン系バインダー;ポリイミド系バインダー;ポリエステル系バインダー;シラン系バインダーなどが挙げられる。
上記のような本発明の正極は、当技術分野において公知されている正極の製造方法により製造されることができる。例えば、前記正極は、正極活物質、バインダー、および/または導電材を溶媒中に溶解または分散させて正極スラリーを製造し、それを正極集電体上に塗布した後、乾燥および圧延することで正極活物質層を形成する方法、または、前記正極活物質層を別の支持体上にキャストした後、支持体を剥離して得られたフィルムを正極集電体上にラミネートする方法などにより製造されることができる。
前記正極集電体としては、該電池に化学的変化を引き起こすことなく、且つ導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレス鋼の表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したものが用いられてもよい。また、正極集電体の表面に微細な凹凸を形成することで、正極活物質の結合力を強化させてもよい。前記正極集電体は、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体などの様々な形態が可能である。
前記溶媒は、NMP(N-メチル-2-ピロリドン(N-methyl-2-pyrrolidone))などの有機溶媒を含んでもよく、前記正極活物質、および選択的にバインダーおよび/または導電材などを含んだ際に好適な粘度となる量で用いられてもよい。例えば、正極活物質、および選択的にバインダーおよび/または導電材を含む活物質スラリー中の固形分の濃度が10重量%~70重量%、好ましくは20重量%~60重量%となるように含まれてもよい。
(2)負極
次に、負極について説明する。
本発明に係る負極は、負極活物質を含む負極活物質層を含み、前記負極活物質層は、必要に応じて、導電材および/またはバインダーをさらに含んでもよい。
前記負極活物質は、リチウム金属、リチウムイオンを可逆的にインターカレーション/デインターカレーション可能な炭素物質、金属、またはこれらの金属とリチウムの合金、金属複合酸化物、リチウムをドープおよび脱ドープすることができる物質、および遷移金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1つを含んでもよい。
前記リチウムイオンを可逆的にインターカレーション/デインターカレーション可能な炭素物質としては、リチウムイオン二次電池で一般に用いられる炭素系負極活物質であれば特に制限されずに使用可能であり、その代表例としては、結晶質炭素、非晶質炭素、またはこれらをともに用いてもよい。前記結晶質炭素の例としては、無定形、板状、鱗片状(flake)、球状、または繊維状の天然黒鉛または人造黒鉛などの黒鉛が挙げられ、前記非晶質炭素の例としては、ソフトカーボン(soft carbon:低温焼成炭素)またはハードカーボン(hard carbon)、メソフェーズピッチ炭化物、焼成されたコークスなどが挙げられる。
前記金属またはこれらの金属とリチウムの合金としては、Cu、Ni、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Si、Sb、Pb、In、Zn、Ba、Ra、Ge、Al、およびSnからなる群から選択される金属またはこれらの金属とリチウムの合金が使用できる。
前記金属複合酸化物としては、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、Bi、LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、およびSnMe1-xMe’(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族の元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)からなる群から選択されるものが使用できる。
前記リチウムをドープおよび脱ドープすることができる物質としては、Si、SiO(0<x<2)、Si-Y合金(前記Yは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族元素、14族元素、遷移金属、希土類元素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、Siではない)、Sn、SnO、Sn-Y(前記Yは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、13族元素、14族元素、遷移金属、希土類元素、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される元素であり、Snではない)などが挙げられ、また、これらの少なくとも1つとSiOを混合して用いてもよい。前記元素Yは、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、Rf、V、Nb、Ta、Db(ドブニウム(dubnium))、Cr、Mo、W、Sg、Tc、Re、Bh、Fe、Pb、Ru、Os、Hs、Rh、Ir、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、Sn、In、Ge、P、As、Sb、Bi、S、Se、Te、Po、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
前記遷移金属酸化物としては、リチウム含有チタン複合酸化物(LTO)、バナジウム酸化物、リチウムバナジウム酸化物などが挙げられる。
前記負極活物質は、負極活物質層中の固形分の全重量を基準として80重量%~99重量%で含まれてもよい。
前記導電材は、負極活物質の導電性をさらに向上させるための成分であって、負極活物質層中の固形分の全重量を基準として1~20重量%で添加されてもよい。このような導電材としては、該電池に化学的変化を引き起こすことなく、且つ導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン粉末、アルミニウム粉末、ニッケル粉末などの導電性粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材が用いられてもよい。
前記バインダーは、導電材、活物質および集電体間の結合を補助する成分であって、通常、負極活物質層中の固形分の全重量を基準として1~30重量%で添加される。このようなバインダーの例としては、ポリビニリデンフルオライドまたはポリテトラフルオロエチレンを含むフッ素樹脂系バインダー;スチレン-ブタジエンゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、スチレン-イソプレンゴムを含むゴム系バインダー;カルボキシメチルセルロース、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロースを含むセルロース系バインダー;ポリビニルアルコールを含むポリアルコール系バインダー;ポリエチレン、ポリプロピレンを含むポリオレフィン系バインダー;ポリイミド系バインダー;ポリエステル系バインダー;シラン系バインダーなどが挙げられる。
前記負極は、当技術分野において公知されている負極の製造方法により製造されることができる。例えば、前記負極は、負極活物質と、選択的にバインダーおよび導電材を溶媒中に溶解または分散させて負極活物質スラリーを製造し、それを負極集電体上に塗布して圧延および乾燥することで負極活物質層を形成する方法、または、前記負極活物質層を別の支持体上にキャストした後、支持体を剥離させて得たフィルムを負極集電体上にラミネートする方法により製造されることができる。
前記負極集電体は、一般に、3~500μmの厚さを有する。かかる負極集電体は、該電池に化学的変化を引き起こすことなく、且つ高い導電性を有するものであれば特に制限されず、例えば、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面に、カーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理を施したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが用いられてもよい。また、正極集電体と同様に、負極集電体の表面に微細な凹凸を形成することで負極活物質の結合力を強化させてもよく、フィルム、シート、箔、網、多孔質体、発泡体、不織布体などの様々な形態が可能である。
前記溶媒は、水またはNMP、アルコールなどの有機溶媒を含んでもよく、前記負極活物質、および選択的にバインダーおよび導電材などを含んだ際に好適な粘度となる量で用いられてもよい。例えば、負極活物質、および選択的にバインダーおよび導電材を含む活物質スラリー中の固形分の濃度が50重量%~75重量%、好ましくは50重量%~65重量%となるように含まれてもよい。
(3)セパレータ
本発明に係るリチウム二次電池は、前記正極と負極との間にセパレータを含む。
前記セパレータは負極と正極を分離し、リチウムイオンの移動通路を提供するものであって、リチウム二次電池でセパレータとして通常用いられるものであれば特に制限されずに使用可能であり、特に、電解質のイオンの移動に対して低抵抗であり、且つ電解質の含湿能力に優れたものが好ましい。
具体的には、セパレータとして、多孔性高分子フィルム、例えば、エチレン単独重合体、プロピレン単独重合体、エチレン/ブテン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、およびエチレン/メタクリレート共重合体などのようなポリオレフィン系高分子で製造した多孔性高分子フィルム、またはこれらの2層以上の積層構造体が使用可能である。また、通常の多孔性不織布、例えば、高融点のガラス繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などからなる不織布が用いられてもよい。また、耐熱性または機械的強度を確保するために、セラミック成分または高分子物質が含まれた、コーティングされたセパレータが用いられてもよく、選択的に、単層または多層構造として用いられてもよい。
上記のような本発明に係るリチウム二次電池は、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラなどの携帯用機器、およびハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle、HEV)などの電気自動車分野などに有用に用いられることができる。
これにより、本発明の他の実施形態によると、前記リチウム二次電池を単位セルとして含む電池モジュール、およびそれを含む電池パックが提供される。
前記電池モジュールまたは電池パックは、パワーツール(Power Tool);電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車、およびプラグインハイブリッド電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)を含む電気車;および電力貯蔵用システムの何れか1つ以上の中大型デバイスの電源として利用されることができる。
本発明のリチウム二次電池の外形は特に制限されないが、缶を用いた円筒形、角形、パウチ(pouch)形、またはコイン(coin)形などであってもよい。
本発明に係るリチウム二次電池は、小型デバイスの電源として用いられる電池セルに使用可能であるだけでなく、多数の電池セルを含む中大型電池モジュールにおける単位電池としても好適に使用可能である。
以下、具体的な実施例により本発明を具体的に説明する。
この際、本発明に係る実施例は、様々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下で詳述する実施例に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
実施例
実施例1.
(電解質組成物の製造)
エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、エチルプロピオネート(EP)、およびプロピルプロピオネート(PP)を20:10:20:50の体積比で混合した非水性有機溶媒97.68gに、LiPFが1.0Mとなるように溶解した後、化学式2-2で表されるオリゴマー(n2=5、m1=1、m1’=1、k2=4、重量平均分子量:3,000g/mol)2.0g、化学式1-1で表される化合物0.3g、および重合開始剤0.02gを添加して電解質組成物を製造した(下記表1参照)。
(正極の製造)
正極活物質(LiCoO)、導電材(カーボンブラック)、およびバインダー(ポリビニリデンフルオライド)を97.5:1:1.5の重量比で溶剤のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)に添加して正極活物質スラリー(固形分の濃度60重量%)を製造した。前記正極活物質スラリーを厚さ15μmの正極集電体(Al薄膜)に塗布および乾燥した後、ロールプレス(roll press)を行って正極を製造した。
(負極の製造)
蒸留水に、負極活物質(グラファイト)、導電材(カーボンブラック)、およびバインダー(ポリビニリデンフルオライド)を96:0.5:3.5の重量比で添加して負極活物質スラリー(固形分の濃度50重量%)を製造した。前記負極活物質スラリーを厚さ8μmの負極集電体(Cu薄膜)に塗布および乾燥した後、ロールプレス(roll press)を行って負極を製造した。
(二次電池の製造)
前述の方法により製造した正極と負極を、セパレータであるポリエチレン多孔性フィルムとともに積層して電極組立体を製造した後、これを電池ケースに入れ、前記電解質組成物6mLを注液して密封した後、2日間エージング(aging)した。その後、70℃で5時間硬化(curing)して熱重合反応を行うことで、ゲルポリマー電解質を含むパウチ形リチウム二次電池(4.45V、4100mAh)を製造した。
実施例2.
非水性有機溶媒98.84gに、化学式2-2で表されるオリゴマー1.0g、化学式1-1で表される化合物0.15g、および重合開始剤0.01gを添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例3.
化学式1-1で表される化合物の代わりに、化学式1-2で表される化合物を添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例4.
化学式1-1で表される化合物の代わりに、化学式1-2で表される化合物を添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例2と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例5.
非水性有機溶媒97.978gに、化学式2-2で表されるオリゴマー2.0g、化学式1-1で表される化合物0.002g、および重合開始剤0.02gを添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例6.
非水性有機溶媒96.98gに、化学式2-2で表されるオリゴマー2.0g、化学式1-1で表される化合物1.0g、および重合開始剤0.02gを添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例7.
非水性有機溶媒97.979gに、化学式2-2で表されるオリゴマー2.0g、化学式1-1で表される化合物0.001g、および重合開始剤0.02gを添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例8.
非水性有機溶媒96.78gに、化学式2-2で表されるオリゴマー2.0g、化学式1-1で表される化合物1.2g、および重合開始剤0.02gを添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例9.
化学式2-2で表されるオリゴマーを使用する代わりに、化学式2-1で表されるオリゴマー(n1=5、k2=7、重量平均分子量:4,000g/mol)を使用した点を除き、実施例1と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
実施例10.
化学式2-2で表されるオリゴマーを使用する代わりに、化学式2-1で表されるオリゴマーを使用した点を除き、実施例2と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
比較例1.
非水性有機溶媒100gにLiPFが1.0Mとなるように溶解させ、添加剤を添加せずに電解質組成物を製造した点を除き、実施例1と同様の方法によりリチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
比較例2.
非水性有機溶媒97.98gに、重合開始剤0.02gと化学式2-2で表されるオリゴマー2.0gのみを添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
比較例3.
非水性有機溶媒97.98gに、化学式1-1で表される化合物0.3gのみを添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
比較例4.
非水性有機溶媒97.68gに、下記化学式3で表される化合物0.3gと、化学式2-2で表されるオリゴマー2.0g、および重合開始剤0.02gを添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
比較例5.
非水性有機溶媒97.68gに、下記化学式4で表される化合物0.3gと、化学式2-2で表されるオリゴマー2.0g、および重合開始剤0.02gを添加して電解質組成物を製造した点を除き、前記実施例1と同様の方法によりパウチ形リチウム二次電池を製造した(下記表1参照)。
[実験例]
実験例1.低温(15℃)サイクル特性評価
実施例1~10で製造された二次電池と、比較例1~5で製造された二次電池をそれぞれ0.1C CCで活性化を行った。次いで、25℃で、PESC05-0.5充放電器(製造社:(株)PNEソリューション、5V、500mA)を用いて、定電流-定電圧(CC-CV)充電条件で4.45Vまで0.33C CCで充電した後、0.05 C Current cutを行い、CC条件で2.5Vまで0.33Cで放電した。上記の充放電を1サイクルとし、2サイクルを行った。
次に、15℃で0.33C/4.45Vの定電流-定電圧で充電(cut-off 0.05C)し、0.2C、2.5VのCCサイクルを1サイクルとして100サイクルを行った。この際、1サイクルと50サイクルで0.1C放電を実施して容量を確認し、その結果を図1に示した。
図1を参照すると、本発明の実施例1~10の二次電池に比べて、比較例1~5の二次電池の低温サイクル容量が低下していることが分かる。
一方、電解質組成物中に、パーフルオロポリエーテルオリゴマーに比べて化学式1で表される化合物がやや少なく含まれた実施例7の二次電池は、高分子ネットワーク構造内に、化学式1で表される化合物の含量が低くなることによりリチウムイオン伝導度が低くなり、実施例1~6の二次電池に比べて低温サイクル容量がやや低下していることが分かる。
また、電解質組成物中に、パーフルオロポリエーテルオリゴマーに比べて化学式1で表される化合物がやや多量で含まれた実施例8の二次電池は、速い重合反応速度により、マトリックス分子量の減少が引き起こされるだけでなく、電極の表面に厚い被膜が形成されて抵抗が増加し、実施例1~6の二次電池に比べて低温サイクル容量が相対的に低下していることが分かる。
実験例2.高温(45℃)サイクル特性評価
実施例1~10で製造された二次電池と、比較例1~5で製造された二次電池をそれぞれ0.1C CCで活性化を行った。次いで、25℃で、PESC05-0.5充放電器(製造社:(株)PNEソリューション、5V、500mA)を用いて、定電流-定電圧(CC-CV)充電条件で、4.45Vまで0.33C CCで充電した後、0.05C Current cutを行い、CC条件で、2.5Vまで0.33Cで放電した。上記の充放電を1サイクルとし、2サイクルを行った。
次に、45℃で、0.33C/4.45Vの定電流-定電圧で充電(cut-off 0.05C)し、0.5C、2.5VのCCサイクルを1サイクルとして100サイクルを行った。この際、1サイクルと50サイクルで0.1C放電を実施して容量を確認し、その結果を図2に示した。
図2を参照すると、本発明の実施例1~10の二次電池は、比較例1~5の二次電池に比べて高温サイクル容量が向上していることが分かる。
一方、電解質組成物中に、パーフルオロポリエーテルオリゴマーに比べて化学式1で表される化合物がやや少量で含まれた実施例7の二次電池は、高分子ネットワーク構造内に、化学式1で表される化合物の含量が低くなることによりリチウムイオン伝導度が低くなり、実施例1~6の二次電池に比べて、高温サイクル容量がやや低下していることが分かる。
また、電解質組成物中に、パーフルオロポリエーテルオリゴマーに比べて化学式1で表される化合物がやや多量で含まれた実施例8の二次電池は、速い重合反応速度により、マトリックス分子量の減少が引き起こされることにより、ゲルポリマー電解質の機械的強度が低下し、実施例1~6の二次電池に比べて高温サイクル容量が相対的に低下していることが分かる。

Claims (14)

  1. リチウム塩と、
    非水性有機溶媒と、
    下記化学式1で表される化合物と、
    パーフルオロポリエーテル基を含むオリゴマーと、を含
    前記パーフルオロポリエーテル基を含むオリゴマーが、構造の両末端にアクリレート基を含み、主鎖にパーフルオロポリエーテル基を含み、構造内にウレタン基および/または尿素基を含む、電解質組成物。
    (前記化学式1中、
    は、水素または炭素数1~3のアルキル基であり、
    nは、3~8の整数である。)
  2. 前記化学式1中、Rは水素であり、nは4~8の整数である、請求項1に記載の電解質組成物。
  3. 前記化学式1中、Rは水素であり、nは5~8の整数である、請求項1に記載の電解質組成物。
  4. 前記化学式1で表される化合物が、下記化学式1-1および1-2で表されるオリゴマーのうち少なくとも1つである、請求項1に記載の電解質組成物。
  5. 前記パーフルオロポリエーテル基を含むオリゴマーが、下記化学式2で表されるオリゴマーを含むものである、請求項1に記載の電解質組成物。
    (前記化学式2中、
    Rは、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数1~4のアルキレン基であり、
    およびR’は、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキレン基または-(CF-O-(oは1~3の整数である)であり、
    およびR’は、それぞれ独立して、炭素数1~5のアルキレン基または-(Ro2-O-(Rは、置換されているかまたは置換されていない炭素数1~5のアルキレン基であり、o2は1~3の整数である)であり、
    は、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、または芳香族炭化水素基であり、
    Ra、Rb、Rc、およびRdは、それぞれ独立して、水素または炭素数1~3のアルキル基であり、
    nは、2~10の整数であり、
    、およびm’は、それぞれ独立して、1~10の整数であり、
    kは、10~1,000の整数であり、
    pおよびp’は、それぞれ独立して、0または1の整数であり、
    cおよびc1は、それぞれ独立して、1~3の整数であり、
    dおよびd1は、それぞれ独立して、1または2の整数である。)
  6. 前記化学式2中、Rは、フッ素で置換されているかまたは置換されていない炭素数2~4のアルキレン基であり、RおよびR’は、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキレン基または-(CF-O-(oは1~3の整数である)であり、RおよびR’は、それぞれ独立して、炭素数2~5のアルキレン基または-(Ro2-O-(Rは、置換されているかまたは置換されていない炭素数2~5のアルキレン基であり、o2は1~3の整数である)であり、Rは脂環族炭化水素基であり、Ra、Rb、Rc、およびRdは、それぞれ独立して、水素、炭素数1または2のアルキル基である、請求項5に記載の電解質組成物。
  7. 前記化学式2で表されるオリゴマーが、下記化学式2-1および化学式2-2で表されるオリゴマーのうち少なくとも1つを含むものである、請求項5に記載の電解質組成物。
    (前記化学式2-1中、
    n1は、~10の整数であり、
    k1は、10~1,000の整数である。)
    (前記化学式2-2中、
    n2は、2~10の整数であり、
    1、およびm1’は、それぞれ独立して、1~10の整数であり、
    k2は、10~1,000の整数である。)
  8. 前記化学式2で表されるオリゴマーが、化学式2-2で表されるオリゴマーである、請求項5に記載の電解質組成物。
  9. 前記パーフルオロポリエーテル基を含むオリゴマーが、電解質組成物の全重量を基準として0.1重量%~10重量%で含まれる、請求項1に記載の電解質組成物。
  10. 前記化学式1で表される化合物が、前記パーフルオロポリエーテル基を含むオリゴマー100重量部に対して0.1~50重量部で含まれる、請求項1に記載の電解質組成物。
  11. 前記化学式1で表される化合物が、前記パーフルオロポリエーテル基を含むオリゴマー100重量部に対して0.5~40重量部で含まれる、請求項1に記載の電解質組成物。
  12. 重合開始剤をさらに含む、請求項1に記載の電解質組成物。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の電解質組成物の重合反応により形成されたポリマーネットワークを含む、ゲルポリマー電解質。
  14. 正極と、負極と、前記正極と負極との間に介在されるセパレータと、
    請求項13に記載のゲルポリマー電解質と、を含む、リチウム二次電池。
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