JP7483192B2 - 複合粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化ケイ素またはシリコンの製造に用いられる複合粒子およびその製造方法に関する。
近年、省エネ化・省電力化への意識が高まりシリコン、炭化ケイ素などを用いたパワー半導体の需要が高まっている。炭化ケイ素やシリコンは、シリカ(SiO)とカーボン(C)の混合物を焼成することで製造できる。なお、パワー半導体の用途や利用分野の広がりに対応し安価で高品質なシリカを大量に準備するためには、種々知られているシリカの製造方法のうち、ケイ酸アルカリから製造する方法が好ましい。
炭化ケイ素またはシリコンの製造方法には、以下のものがある。例えば、安価なシリカとコークスなどの炭素を1500~1900℃に加熱し、炭素とシリカとを還元反応させ、炭化ケイ素を製造する方法が知られている(特許文献3)。また、ケイ酸ナトリウムをキレート等で純化処理したシリカと可燃性ガスや炭素質物質から得た炭素とをサブマージドアーク炉で1700℃を上回る温度に加熱し、炭素とシリカとを還元反応させてシリコンを製造する方法が知られている(特許文献4)。
また、シリコンの原材料として用い得る純度の一酸化ケイ素を得るための方法が知られている(特許文献5)。一酸化ケイ素(SiO)からシリコンを製造する場合、通常はシリコンの純度は、原材料である一酸化ケイ素の純度に依存する。
特許文献5によれば、カーボンと二酸化ケイ素を主成分とする材料の混合物を、5000Pa以下の圧力のもとに1300℃以上1800℃以下の温度範囲で焼成し、一酸化ケイ素を回収する方法が提案されている。この方法では、混合物の両物質間の接触面における反応により一酸化ケイ素ガスおよび一酸化炭素ガスを生成させている。そして、このガスを冷却して一酸化ケイ素の一部をバルク状に固化して回収するとともに、他の一酸化ケイ素を排気している。
このようにパワー半導体の材料に至るまでには種々の方法があるが、特に炭化ケイ素の製造においてシリカをカーボンと混合する際には、原料の比重差や粒径などの影響で原料が分離しないように手当てすることが好ましい。そのためにシリカとカーボンとを複合化した粉末をあらかじめ製造する方法が知られている(特許文献1、特許文献2)。
国際公開第2013/005741号 特開2013-56792号公報 特開2000-044223号公報 特開2009-530218号公報 特開2005-206441号公報
しかしながら、上記の特許文献1、2記載のシリカとカーボンとを複合化した粉末は、軽くて嵩高く、破砕や解砕により材料が分離しやすい。また、複合化により不純物の含有率が低下するわけではない。
半導体等に用いられる炭化ケイ素およびシリコンには高い純度が求められる。その原料に含まれている不純物の量を同時に(同一プロセスで)減少できれば、製造工程を簡略化できる。
通常、シリカ粒子とカーボン粒子を乾式混合して得られる混合原料は、比重の異なる粒子が各々独立に存在しているため、特にこれらの粒子の径が大きい場合には材料分離が起きやすい。上記の特許文献1、2記載の複合化した粉末であっても、酸による洗浄で不純物を除去する際に洗浄効率を高めるために攪拌を強めると、複合化した粉末が破砕、解砕され、シリカとカーボンとが分離する。このようにシリカとカーボンとが分離すると、焼成時の反応性が低下する。
さらに、焼成時の反応性を高める目的で、混合原料中のシリカ粒子およびカーボン粒子を細粒化すると、粉砕機を構成する金属成分や、粉砕機内に残存していた不純物等が作業中に混合原料に混入することがある。
また、細粒化すると、かさ密度が小さくなって製造装置への原料充填量が少なくなる。例えば、一回あたりに洗浄できる量が少なくなったり、焼成炉に入れられる量が少なくなったりする、工程あたりの製造量が限られる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、不純物の含有率が小さく、かつ、焼成時のシリカとカーボンの反応性に優れ、比重が大きい複合粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の複合粒子は、ケイ酸塩粒子と、前記ケイ酸塩粒子を被覆し、非晶質のシリカおよびカーボンで形成された混合体と、を備え、前記ケイ酸塩粒子の真密度は、2.2g/cm以上2.7g/cm未満であり、前記混合体の真密度は、1.6g/cm以上2.3g/cm未満であり、不純物の含有率が200ppm以下であることを特徴としている。このように、複合粒子は不純物の含有率が小さく、かつ、焼成時のシリカとカーボンの反応性に優れ、比重が大きい。そのため、炭化ケイ素やシリコンの製造原料として好適である。
(2)また、本発明の複合粒子は、みかけ密度が1.1g/cm以上2.1g/cm以下であることを特徴としている。これにより、高密度で複合粒子をるつぼに入れることができ、効率的にSiCを製造できる。
(3)また、本発明の複合粒子の製造方法は、液分中のSi濃度が10質量%以上のケイ酸アルカリ水溶液に、カーボンおよびケイ酸塩粒子を混合して、カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液を得る第1工程と、前記カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸とを混合し、CおよびSiをシリカおよびカーボンからなる粒子として析出させ、粒子含有液状物を得る第2工程と、前記粒子含有液状物を固液分離する第3工程と、を含むことを特徴としている。これにより、不純物の含有率が小さく、かつ、焼成時のシリカとカーボンの反応性に優れ、比重が大きい複合粒子を得ることができる。
(4)また、本発明の複合粒子の製造方法は、前記第2工程で、前記鉱酸に対して前記カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液を添加することを特徴としている。このように、強酸にアルカリ水溶液を入れることで、析出した混合物を均一にし、不純物を酸に溶かすことができる。これにより、不純物を溶かし出すことができる。
(5)また、本発明の複合粒子の製造方法は、前記第2工程で、前記カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液と前記鉱酸とをpH1.0以下に保ちながら混合することを特徴としている。
(6)また、本発明の複合粒子の製造方法は、pHが3.0未満の酸水溶液を用いて前記固液分離による固形分の不純物を溶解させる第4工程をさらに含むことを特徴としている。これにより、さらに不純物を溶かし出すことができる。
(7)また、本発明の複合粒子の製造方法は、前記第2工程と前記第4工程で、前記酸水溶液に過酸化水素を添加することを特徴としている。これにより、さらに不純物を溶かし出すことができる。
本発明によれば、不純物の含有率が小さく、かつ、焼成時のシリカとカーボンの反応性に優れ、比重が大きい複合粒子を実現できる。その結果、簡易な方法で高純度の炭化ケイ素およびシリコンを大量に得ることができる。
本発明の複合粒子の断面(コア)の一例を表す模式図である。 本発明の複合粒子の断面(分散)の一例を表す模式図である。 本発明の複合粒子の製造方法を示すフローチャートである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、シリカとカーボンとケイ酸塩粒子からなり、不純物の含有率が小さく、かつ、焼成時の反応性に優れ、さらに、真密度(かさ密度)が大きい粒子を発明した。本発明の粒子は鉱酸に完全に沈降することため不純物の含有率が小さく、かつ、焼成時のシリカとカーボンの反応性に優れた粒子を、簡易にかつ低コストで製造できる。
また、本発明者らは、特定のケイ酸アルカリ水溶液と、ケイ酸塩粒子とカーボンを混合した後、得られた混合物と鉱酸を混合して、シリカとケイ酸塩粒子とカーボンからなる粒子を析出させ、次いで、複合粒子を含む液状物に対して固液分離を行い、複合粒子の集合体を含む固形分を得る方法を見出した。以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[複合粒子の構成]
図1および図2は、それぞれ複合粒子10の断面の一例を表す模式図である。複合粒子10は、ケイ酸塩粒子11および混合体12を備えている。複合粒子10のみかけ密度は、1.1g/cm以上2.1g/cm以下であることが好ましい。また、複合粒子10の集合体は、かさ密度は、0.8g/cm以上1.8g/cm以下であることが好ましい。なお、各密度は、みかけ密度は、JIS R 1620「ファインセラミックス粉末の粒子密度測定方法」の気体置換法、真密度は同JISのピクノメータ法、かさ密度はJIS R 1628「ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」のタップかさ密度測定法に基づいて測定する(以下同様)。
上記のように、比重が大きいことから、洗浄効率を高くすることができるとともに、高密度で複合粒子10をるつぼに入れることができ、効率的に炭化ケイ素やシリコンを製造できる。複合粒子10の不純物の含有率は、200ppm以下である。このように複合粒子10は不純物の含有率が小さいことから、半導体の製造原料として好適である。
ケイ酸塩粒子11は、複合粒子10に内包され、図1に示す例では、コア粒子を構成する。また、図2に示す例では、ケイ酸塩粒子11は、複合粒子10の内部に分散している。ケイ酸塩粒子11の真密度は、2.2g/cm以上である。ケイ酸塩粒子11を含むことで、複合粒子10は、みかけ密度1.1g/cm以上となる。
ケイ酸塩粒子11は、例えば珪石や珪砂である。ケイ酸塩粒子11は、不純物を含んでいてもよい。ケイ酸塩粒子11は、必ずしも結晶性の粒子である必要はなく、ケイ酸塩ガラスや溶融ケイ酸物であってもよい。
混合体12は、ケイ酸塩粒子11を被覆し、非晶質のシリカおよびカーボンで形成されている。図1に示す例では、混合体12は、コア粒子の周囲の層を形成している。また、図2に示す例では、混合体12は、分散粒子の間を埋める母材を形成している。
上記のように混合体12が各材料に分離されることなくケイ酸塩粒子11に密着することから、焼成時のシリカとカーボンの反応性が向上する。混合体12の真密度は、2.3g/cm未満である。また、このような構成により、複合粒子10の集合体の比重が高くなり、るつぼ等の容器に高い密度で充填可能になる。
[複合粒子の製造方法]
上記のように構成された複合粒子10の製造方法を説明する。図3は、複合粒子10の製造方法を示すフローチャートである。図3に示すように、液分中のSi濃度が10質量%以上のケイ酸アルカリ水溶液(水ガラス)に、カーボンおよびケイ酸塩粒子を混合して、スラリー状のカーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液を得る(第1工程)。この工程では、3つの材料を一度に混合することが好ましい。
次に、カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸とを混合し、CおよびSiをシリカおよびカーボンからなる粒子として析出させ、粒子含有液状物を得る(第2工程)。この工程により、3つの固形分が複合化する。なお、鉱酸としては例えば硫酸を用いるのが好ましい。
第2工程では、鉱酸に対してカーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液を添加することが好ましい。このように、強酸にアルカリ水溶液を入れることで、析出した混合物を均一にし、不純物を酸に溶かすことができる。また、第2工程では、カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸とをpH1.0以下に保ちながら混合することが好ましい。さらに、過酸化水素を添加することが好ましい。これにより、不純物を溶かしだすことができる。
そして、粒子含有液状物を固液分離する(第3工程)。固液分離により、シリカとカーボンの混合物を含む固形分と、不純物を含む液分とを得ることができる。これにより、不純物の含有率が小さく、かつ、焼成時のシリカとカーボンの反応性に優れ、比重が大きい複合粒子を得ることができる。
このようにして得られた固形分の不純物をpHが3.0未満の酸水溶液を用いて溶解させる(第4工程)。これにより、さらに不純物を溶かし出すことができる。第4工程では、酸水溶液に過酸化水素を添加してもよい。これにより、さらに不純物を溶かし出すことができる。その結果、簡易な方法で高純度の炭化ケイ素およびシリコンを大量に得ることができる。
この製造方法は、操作が簡易であり、処理効率が高いため、低い製造コストで複合粒子10を得ることができる。また、この製造方法により得られる複合粒子10は、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、ホウ素(B)、リン(P)等の不純物の含有率が小さいという特長がある。
[実施例、比較例]
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]天然の珪石30%添加
水ガラス溶液(富士化学(株)製:SiO/NaO(モル比)=3.20)100gに、水25gを加えて混合し、Si濃度10質量%の水ガラス溶液を得た。得られた水ガラス溶液に珪石(三菱商事建材、フラタリーサンド、平均粒径180μm、真密度2.6g/cm3)を12.2gとカーボン(東海カーボン社製、平均粒径:1mm、2mm以下の粒度の粒子の割合:90質量%以上)を27.0g加えて混合し、カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液を得た。
得られたカーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液66.2gを硫酸濃度10.7体積%の硫酸(水165.6mlに濃硫酸20mlを混合したもの)200g中に滴下し、常温(25℃)下でシリカとカーボンからなる粒子(カーボン含有沈降性シリカ)を析出させた後、減圧下でブフナー漏斗を用いて固液分離し、シリカとカーボンからなる粒子の集合体であるシリカとカーボンの混合物を含む固形分35.7gと、不純物を含む液分233.3gを得た。なお、pHは滴下終了時まで1.0以下に保った。
得られたシリカとカーボンの混合物を含む固形分に対して、常温(25℃)下で硫酸濃度10.7体積%の硫酸を200g添加してpHが3.0未満のスラリーとした(沈降したため攪拌なし)。このスラリーを固液分離した後に、得られた固形分を、蒸留水を用いて水洗した。その後、水洗した固形分を105℃で1日乾燥させ、真密度が1.9g/cm3となるシリカとカーボンの混合物27.5gを得た。
得られたシリカとカーボンの混合物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ホウ素(B)、リン(P)の濃度を測定した。その結果を表1に示す。また、得られたシリカとカーボンの混合物(C/SiOのモル比:3.5)を容積50cmのカーボンるつぼに入れて管状炉により1650℃で5時間、アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成前後の物量を表2に示す。
[実施例2]珪石10%添加
水ガラス溶液(富士化学(株)製:SiO/NaO(モル比)=3.20)126gに、水32gを加えて混合し、Si濃度10質量%の水ガラス溶液を得た。得られた水ガラス溶液に珪石(三菱商事建材、フラタリーサンド、平均粒径2mm、真密度2.6g/cm3)を4.1gとカーボン(東海カーボン社製、平均粒径:1mm、2mm以下の粒度の粒子の割合:90質量%以上)を27.0g加えて混合し、カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液を得た。
得られたカーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液66.2gを硫酸濃度10.7体積%の硫酸(水165.6mlに濃硫酸20mlを混合したもの)200g中に滴下し、常温(25℃)下でシリカとカーボンからなる粒子(カーボン含有沈降性シリカ)を析出させた後、減圧下でブフナー漏斗を用いて固液分離し、シリカとカーボンからなる粒子の集合体であるシリカとカーボンの混合物を含む固形分35.0gと、不純物を含む液分233.3gを得た。なお、pHは滴下終了時まで1.0以下に保った。
得られたシリカとカーボンの混合物を含む固形分に対して、常温(25℃)下で硫酸濃度10.7体積%の硫酸を200g添加してpHが3.0未満のスラリーとした(沈降したため攪拌なし)。このスラリーを固液分離した後に、得られた固形分を、蒸留水を用いて水洗した。その後、水洗した固形分を105℃で1日乾燥させ、真密度が1.6g/cm3となるシリカとカーボンの混合物23.7gを得た。
得られたシリカとカーボンの混合物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ホウ素(B)、リン(P)の濃度を測定した。その結果を表1に示す。また、得られたシリカとカーボンの混合物(C/SiOのモル比:3.5)を容積50cmのカーボンるつぼに入れて管状炉により1650℃で5時間、アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成前後の物量を表2に示す。
[実施例3]珪石70%添加
水ガラス溶液(富士化学(株)製:SiO/NaO(モル比)=3.20)42gに、水11gを加えて混合し、Si濃度10質量%の水ガラス溶液を得た。得られた水ガラス溶液に珪石(三菱商事建材、フラタリーサンド、平均粒径500μm、真密度2.6g/cm3)を28.4gとカーボン(東海カーボン社製、平均粒径:1mm、2mm以下の粒度の粒子の割合:90質量%以上)を27.0g加えて混合し、カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液を得た。
得られたカーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液66.2gを硫酸濃度10.7体積%の硫酸(水165.6mlに濃硫酸20mlを混合したもの)200g中に滴下し、常温(25℃)下でシリカとカーボンからなる粒子(カーボン含有沈降性シリカ)を析出させた後、減圧下でブフナー漏斗を用いて固液分離し、シリカとカーボンからなる粒子の集合体であるシリカとカーボンの混合物を含む固形分45.0gと、不純物を含む液分233.3gを得た。なお、pHは滴下終了時まで1.0以下に保った。
得られたシリカとカーボンの混合物を含む固形分に対して、常温(25℃)下で硫酸濃度10.7体積%の硫酸を200g添加してpHが3.0未満のスラリーとした(沈降したため攪拌なし)。このスラリーを固液分離した後に、得られた固形分を、蒸留水を用いて水洗した。その後、水洗した固形分を105℃で1日乾燥させ、真密度が2.2g/cm3となるシリカとカーボンの混合物41.2gを得た。
得られたシリカとカーボンの混合物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ホウ素(B)、リン(P)の濃度を測定した。その結果を表1に示す。また、得られたシリカとカーボンの混合物(C/SiOのモル比:3.5)を容積50cmのカーボンるつぼに入れて管状炉により1650℃で5時間、アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成前後の物量を表2に示す。
[比較例1]珪石なし
水ガラス溶液(富士化学(株)製:SiO/NaO(モル比)=3.20)140gに、水35gを加えて混合し、Si濃度10質量%の水ガラス溶液を得た。得られた水ガラス溶液にカーボン(東海カーボン社製、平均粒径:1mm、2mm以下の粒度の粒子の割合:90質量%以上)を27.0g加えて混合し、カーボン含有水ガラス溶液を得た。
得られたカーボン含有水ガラス溶液66.2gを硫酸濃度10.7体積%の硫酸(水165.6mlに濃硫酸20mlを混合したもの)200g中に滴下し、常温(25℃)下でシリカとカーボンからなる粒子(カーボン含有沈降性シリカ)を析出させた後、減圧下でブフナー漏斗を用いて固液分離し、シリカとカーボンからなる粒子の集合体であるシリカとカーボンの混合物を含む固形分35.8gと、不純物を含む液分232.3gを得た。なお、pHは滴下終了時まで1.0以下に保った。
得られたシリカとカーボンの混合物を含む固形分に対して、常温(25℃)下で硫酸濃度10.7体積%の硫酸を200g添加してpHが3.0未満のスラリーとしたがシリカとカーボンの混合物は大半が液面に浮上した。このスラリーを固液分離した後に、得られた固形分を、蒸留水を用いて水洗した。その後、水洗した固形分を105℃で1日乾燥させ、真密度が1.5g/cm3となるシリカとカーボンの混合物22.6gを得た。
得られたシリカとカーボンの混合物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ホウ素(B)、リン(P)の濃度を測定した。その結果を表1に示す。また、得られたシリカとカーボンの混合物(C/SiOのモル比:3.5)を容積50cmのカーボンるつぼに入れて管状炉により1650℃で5時間、アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成前後の物量を表2に示す。
[比較例2]珪石後添加30%
水ガラス溶液(富士化学(株)製:SiO/NaO(モル比)=3.20)140gに、水35gを加えて混合し、Si濃度10質量%の水ガラス溶液を得た。得られた水ガラス水溶液66.2gを硫酸濃度10.7体積%の硫酸(水165.6mlに濃硫酸20mlを混合したもの)200g中に滴下し、常温(25℃)下で沈降性シリカを析出させた後、減圧下でブフナー漏斗を用いて固液分離し、SiOを含む固形分(沈降性シリカ)28.9gと、不純物を含む液分237.3gを得た。なお、pHは滴下終了時まで1.0以下に保った。
得られたSiOを含む固形分に対して、常温(25℃)下で硫酸濃度10.7体積%の硫酸を200g添加してpHが3.0未満のスラリーとした。このスラリーを固液分離した後に、得られた固形分を、蒸留水を用いて水洗した。その後、水洗した固形分を105℃で1日乾燥させ、高純度シリカ18.5gを得た。
得られた高純度シリカ11.7gに珪石(三菱商事建材、フラタリーサンド、平均粒径180μm、真密度2.6g/cm3)4.9gとカーボン(東海カーボン社製、平均粒径:1mm、2mm以下の粒度の粒子の割合:90質量%以上)を10.9g加えて混合し、高純度シリカ、珪石とカーボンの混合物を得た。
高純度シリカ、珪石とカーボンの粉末の混合により得られた高純度シリカ、珪石とカーボンの混合物は、みかけ密度、真密度およびかさ密度の測定中にそれぞれの粉末が分離をした。そのため、高純度シリカ、珪石とカーボンの混合物としてのみかけ密度、真密度およびかさ密度の測定はできなかった。
得られた高純度シリカとカーボンの混合物中のアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ホウ素(B)、リン(P)の濃度を測定した。その結果を表1に示す。また、得られた高純度シリカとカーボンの混合物(C/SiOのモル比:3.5)を容積50cmのカーボンるつぼに入れて管状炉により1650℃で5時間、アルゴン雰囲気下で焼成した。焼成前後の物量を表2に示す。
Figure 0007483192000001
Figure 0007483192000002
Figure 0007483192000003
表1は、各複合粒子の不純物量を示している。表1に示すように、珪石を混合体に内包させた複合粒子を形成した実施例1の方が、珪石を混合体とは別に添加した比較例2に比べて不純物量が低減している。
表2は、焼成前の原料(複合粒子の集合体またはシリカとカーボンの混合体)について、密度とるつぼに充填した重量とを示している。また、表2は、焼成後の製造物(SiC)の重量を示している。焼成前の重量は、るつぼに可能な限り充填したときの原料の重量を表している。
珪石を混合体に内包させた実施例1の方が、珪石なしの比較例1に比べ焼成後のSiC生成量が増加している。また、実施例1,2,3と比較例1とを比較すると、珪石を混合体に内包させることで、かさ密度が大きくなり、SiCの収量が増えることが分かる。
表3は、珪石の不純物の含有率を測定した結果を示している。複合粒子では、洗浄工程を経ているため、複合粒子の不純物量は、この不純物量を下回ることになる。また、複合粒子の不純物量は、比較例1の不純物量よりは多くなる。上記の通り、本発明の製造方法を行うことで、複合粒子の純度を高くするとともに、SiCの収率を高くすることができる。
10 複合粒子
11 ケイ酸塩粒子
12 混合体

Claims (7)

  1. ケイ酸塩粒子と、
    前記ケイ酸塩粒子を被覆し、非晶質のシリカおよびカーボンで形成された混合体と、を備え、
    前記ケイ酸塩粒子の真密度は、2.2g/cm以上2.7g/cm未満であり、
    全体の真密度1.6g/cm以上2.3g/cm未満であり、不純物の含有率が200ppm以下であることを特徴とする複合粒子。
  2. みかけ密度が1.1g/cm以上2.1g/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子。
  3. 液分中のSi濃度が10質量%以上のケイ酸アルカリ水溶液に、カーボンおよびケイ酸塩粒子を混合して、カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液を得る第1工程と、
    前記カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液と鉱酸とを混合し、CおよびSiをシリカおよびカーボンからなる粒子として析出させ、粒子含有液状物を得る第2工程と、
    前記粒子含有液状物を固液分離する第3工程と、を含むことを特徴とする複合粒子の製造方法。
  4. 前記第2工程では、前記鉱酸に対して前記カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液を添加することを特徴とする請求項3記載の複合粒子の製造方法。
  5. 前記第2工程では、前記カーボン含有ケイ酸アルカリ水溶液と前記鉱酸とをpH1.0以下に保ちながら混合することを特徴とする請求項3または請求項4記載の複合粒子の製造方法。
  6. pHが3.0未満の酸水溶液を用いて前記固液分離による固形分の不純物を溶解させる第4工程をさらに含むことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の複合粒子の製造方法。
  7. 前記第2工程と前記第4工程では、前記酸水溶液に過酸化水素を添加することを特徴とする請求項6記載の複合粒子の製造方法。
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