[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る緩衝器について、図1~図4Bを参照しつつ以下に説明する。
図1は、第1実施形態の緩衝器10を示す。この緩衝器10は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器であり、具体的には自動車のストラット型サスペンションに用いられる緩衝器である。
緩衝器10は、有底筒状の内筒部材12と、有底筒状の外筒部材14と、を有している。内筒部材12には、作動流体としての作動液体が封入される。外筒部材14は、内筒部材12よりも大径である。外筒部材14は、内筒部材12の外周側に配置される。外筒部材14は、内筒部材12との間にリザーバ室13を形成する。リザーバ室13には、作動流体としての作動液体および作動気体が封入される。
外筒部材14は、一体に継ぎ目なく形成された一体成形品である。外筒部材14は、熱や力により形が与えられた金属で構成されている。具体的には、外筒部材14は、アルミニウム合金から鋳造により成形されている。外筒部材14は、有底筒状の外筒17と、外筒17から外筒17の径方向における外側へ延びるブラケット18とを有している。
外筒17は、円筒状の側壁部21と、底部22と、突出部23と、開口25と、を有している。底部22は、側壁部21の軸方向の一端側を閉塞している。突出部23は、側壁部21の内周面の軸方向の底部22側から内筒部材12の径方向内方に向かって突出する。開口25は、側壁部21の軸方向の底部22とは反対側に位置する。よって、外筒17は、軸方向一端側に開口25を有しており、軸方向他端側に底部22を有している。突出部23は、外筒17の周方向に間隔をあけて断続的に複数形成されている。
ここでは、外筒17の中心軸線の延びる方向を外筒軸方向とする。外筒17の中心軸線に直交する方向を外筒径方向とする。外筒17の中心軸線を中心とする円周の方向を外筒周方向とする。外筒17の軸方向の開口25側を外筒軸方向第1端側とする。外筒17の軸方向の底部22側を外筒軸方向第2端側とする。
図2に示すように、ブラケット18は、一対の板状の延出部27,28を有している。一対の延出部27,28は、外筒17の外筒周方向に離間した異なる位置からそれぞれ外筒17の外筒径方向における外側へ延びる。一対の延出部27,28は、互いに略平行をなしている。一対の延出部27,28は、いずれも外筒軸方向に沿い且つ外筒径方向に沿って広がっている。
図3Aおよび図3Bに示すように、一対の延出部27,28の間には、ナックル30(取付部材)が配置される。延出部27には、ナックル30(取付部材)の取付穴31と対向する位置に孔部35が設けられており、ナックル30の取付穴32と対向する位置に孔部36が設けられている。ナックル30は、互いに反対に向く平行な一対の外面30a,30bを有している。ナックル30には、これら外面30a,30bを結ぶように、これら外面30a,30bに直交し貫通する取付穴31および取付穴32形成されている。取付穴31,32は、平行に形成されている。このように、ナックル30には2箇所の取付穴31,32が設けられている。延出部27にも、2箇所の孔部35,36が設けられている。これら孔部35,36は、延出部27を板厚方向に貫通している。図2に示すように、孔部35,36は、互いに外筒径方向における同位置に外筒軸方向に離間して設けられている。孔部35は、孔部36よりも外筒軸方向第1端側に配置されている。これら孔部35,36は、同形状であり、互いに平行に設けられている。
図3Aおよび図3Bに示すように、延出部28にも、取付穴31と対向する位置に孔部37が設けられており、取付穴32と対向する位置に孔部38が設けられている。このように延出部28にも、2箇所の孔部37,38が設けられている。これら孔部37,38は、延出部28を板厚方向に貫通している。図2に示すように、孔部37,38は、互いに外筒径方向における同位置に外筒軸方向に離間して設けられている。孔部37は、孔部38よりも外筒軸方向第1端側に配置されている。これら孔部37,38は、孔部35,36と同形状であり、互いに平行に設けられている。
延出部27の孔部35と、延出部28の孔部37とは、外筒軸方向における同位置に配置されており、外筒径方向における同位置に配置されている。孔部35は、延出部27の2箇所の孔部35,36のうち外筒軸方向第1端側の孔部である。孔部37は、延出部28の2箇所の孔部37,38のうちの外筒軸方向第1端側の孔部である。外筒軸方向第1端側の孔部35,37は、同一直線上に形成されている。
延出部27の孔部36と、延出部28の孔部38とは、外筒軸方向における同位置に配置されており、外筒径方向における同位置に配置されている。孔部36は、延出部27の2箇所の孔部35,36のうち外筒軸方向第2端側の孔部である。孔部38は、延出部28の2箇所の孔部37,38のうちの外筒軸方向第2端側の孔部である。外筒軸方向第2端側の孔部36,38は、同一直線上に形成されている。
延出部27には、2箇所の孔部35,36のうちの外筒軸方向第1端側の孔部35と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部35よりも外筒17側の所定の配設位置に、矩形状の凹部41(剛性低下部)が形成されている。延出部27は、延出部28に対向する対向面27aと、延出部28とは反対に向く非対向面27bと、を有する。凹部41は、延出部27の対向面27aから非対向面27b側に向けて凹む。言い換えれば、孔部35と凹部41とは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部35と凹部41とは、外筒軸方向における位置を一致させている。凹部41は、延出部27の対向面27a側に形成されている。凹部41は、外筒軸方向の長さが孔部35の外筒軸方向の長さ以上となっている。
延出部27には、2箇所の孔部35,36のうちの外筒軸方向第2端側の孔部36と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部36よりも外筒17側の所定の配設位置に、凹部41と同形状の凹部42(剛性低下部)が形成されている。凹部42は、延出部27の対向面27aから非対向面27b側に向けて凹む。言い換えれば、孔部36と凹部42とは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部36と凹部42とは、外筒軸方向における位置を一致させている。凹部42は、延出部27の対向面27a側に形成されている。凹部42は、外筒軸方向の長さが孔部36の外筒軸方向の長さ以上となっている。
これら2箇所の凹部41,42は、延出部27の対向面27aの外筒17側の端部位置に配置されており、互いに外筒径方向における同位置に外筒軸方向に離間して設けられている。延出部27は、外筒径方向における凹部41,42の配設位置が、外筒径方向におけるこの配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部27は、2箇所の凹部41,42が形成された外筒17側の端縁の付根部51と、付根部51に対して外筒径方向における外側に隣接する隣接部52と、を有する。付根部51は、隣接部52よりも剛性が低くなっている。言い換えれば、延出部27は、2箇所の凹部41,42が形成された、外筒17の外周面との境界となる付根部51が、付根部51よりも外筒径方向における外側の隣接部52よりも曲げ剛性が低くなっている。
図3Aおよび図3Bに示すように、延出部28には、2箇所の孔部37,38のうちの外筒軸方向第1端側の孔部37と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部37よりも外筒17側の所定の配設位置に、矩形状の凹部43(剛性低下部)が形成されている。延出部28は、延出部27に対向する対向面28aと、延出部27とは反対に向く非対向面28bと、を有する。凹部43は、延出部28の対向面28aから非対向面28b側に向けて凹む。言い換えれば、孔部37と凹部43とは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部37と凹部43とは、外筒軸方向における位置を一致させている。凹部43は、延出部28の対向面28a側に形成されている。凹部43は、凹部41と外筒軸方向における位置を一致させており、外筒径方向における位置を一致させている。凹部43は凹部41と鏡面対称形状をなしている。凹部43は、外筒軸方向の長さが孔部37の外筒軸方向の長さ以上となっている。
また、延出部28には、2箇所の孔部37,38のうちの外筒軸方向第2端側の孔部38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部38よりも外筒17側の所定の配設位置に、凹部43と同形状の凹部44(剛性低下部)が形成されている。凹部44は、延出部28の対向面28aから非対向面28b側に向けて凹む。言い換えれば、孔部38と凹部44とは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部38と凹部44とは、外筒軸方向における位置を一致させている。凹部44は、延出部28の対向面28a側に形成されている。凹部44は、凹部42と外筒軸方向における位置を一致させており、外筒径方向における位置を一致させている。凹部44は凹部42と鏡面対称形状をなしている。凹部44は、外筒軸方向の長さが孔部38の外筒軸方向の長さ以上となっている。
これら2箇所の凹部43,44は、延出部28の対向面28aの外筒17側の端部位置に配置されており、互いに外筒径方向における同位置に外筒軸方向に離間して設けられている。延出部28は、外筒径方向における凹部43,44の配設位置が、外筒径方向におけるこの配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部28は、2箇所の凹部43,44が形成された外筒17側の端縁の付根部53と、付根部53に対して外筒径方向における外側に隣接する隣接部54と、を有する。付根部53は、隣接部54よりも剛性が低くなっている。言い換えれば、延出部28は、2箇所の凹部43,44が形成された、外筒17の外周面との境界となる付根部53が、付根部53よりも外筒径方向における外側の隣接部54よりも曲げ剛性が低くなっている。
ナックル30への組み付け前の自然状態のブラケット18は、延出部27および延出部28の対向面27aおよび対向面28aが、外筒径方向外側ほど互いの間隔が広くなるように若干開いている。これは、ナックル30への組み付け性を向上するためである。対向面27aおよび対向面28aは対称状に傾斜している。
緩衝器10においては、ブラケット18が、ボルト61およびこのボルト61に螺合されるナット62と、ボルト63およびこのボルト63に螺合されるナット64とで、車輪側のナックル30に連結される。ボルト61は、外筒軸方向第1端側にある2箇所の孔部35,37に挿入される。ボルト63は、外筒軸方向第2端側にある2箇所の孔部36,38に挿入される。
その際に、ボルト61については、ネジ軸部65が、延出部27の孔部35、ナックル30の取付穴31および延出部28の孔部37に挿通される。このとき、頭部66のネジ軸部65側の座面66aが、延出部27の非対向面27bに対向する。その際に、ナット62は、ボルト61のネジ軸部65の延出部28の非対向面28bから突出する部分に螺合される。このとき、頭部66側に向く座面62aが、延出部28の非対向面28bに対向する。
ボルト63のネジ軸部67が、延出部27の孔部36、ナックル30の取付穴32および延出部28の孔部38に挿通される。このとき、頭部68のネジ軸部67側の座面68aが、延出部27の非対向面27bに対向する。ナット64は、ボルト63のネジ軸部67の延出部28の非対向面28bから突出する部分に螺合される。このとき、頭部68側に向く座面64aが、延出部28の非対向面28bに対向する。
この状態で、ボルト61とナット62とが締め付けられ、ボルト63とナット64とが締め付けられる。そうすると、ボルト61,63の頭部66,68の座面66a,68aが共に延出部27の非対向面27bに面接触で当接し、ナット62,64の座面62a,64aが共に延出部28の非対向面28bに面接触で当接する。加えて、延出部27の対向面27aがナックル30の外面30aに面接触で当接し、延出部28の対向面28aがナックル30の外面30bに面接触で当接する。このとき、延出部27,28は付根部51,53の曲げ剛性が下げられている。このため、主に付根部51,53が変形し、延出部27,28は比較的容易に変形して、各部の面接触を容易とする。
図1に示すように、外筒部材14の底部22には、内筒部材12が当接している。内筒部材12は、金属製の円筒状の内筒71と、内筒71に、その軸方向他端側を閉塞するように設けられる金属製のボディ72とを有している。内筒71のボディ72とは反対側は開口73となっている。ボディ72は、外周部が小径部分とこれより大径の大径部分とを有する段付形状をなしている。内筒71は、外筒軸方向第2端側の端部が、ボディ72の小径部分に嵌合している。
緩衝器10は、内筒部材12の開口73と、外筒部材14の開口25とを閉塞する閉塞部材81を有している。閉塞部材81は、円環状のロッドガイド82と、円環状のシール部材83とからなっている。ロッドガイド82は、外筒17の側壁部21と内筒71との両方に嵌合する。シール部材83は、ロッド82に対して底部22とは反対側に配置されて、外筒17の側壁部21に嵌合する。
ロッドガイド82は、外周部が小径部分とこれより大径の大径部分とを有する段付形状をなしている。内筒71のボディ72側が外筒部材14の複数の突出部23の内側に嵌合している。ボディ72が外筒部材14の底部22に当接している。内筒部材12の開口73がロッドガイド82の外周部の小径部分に嵌合している。ロッドガイド82が外周部の大径部分において外筒部材14の側壁部21の開口25側に嵌合している。これにより、内筒部材12は、ロッドガイド82を介して外筒部材14に支持されている。この状態で、内筒部材12は、外筒部材14に対し同軸配置されて径方向に移動不可に位置決めされる。
外筒部材14は、側壁部21の底部22とは反対側の端部に、カール加工によって径方向内方に塑性変形させられた加締部85が形成されている。内筒部材12のボディ72が外筒部材14の底部22に当接している。これにより、内筒部材12に嵌合するロッドガイド82が外筒部材14に対して軸方向に位置決めされる。シール部材83は、このように外筒部材14に対して軸方向に位置決めされたロッドガイド82と、外筒部材14の加締部85とに挟持される。シール部材83は、外筒部材14の開口25側を封止する。外筒17の内部には内筒71が挿入されて固定されている。
緩衝器10は、内筒部材12の内筒71内に設けられるピストン90(相対移動部材)を有している。ピストン90は、内筒71の軸方向一端の開口73から内筒71の内部に挿入される。ピストン90は、内筒71内に摺動可能に嵌装されており、内筒71に対して軸方向に相対移動する。ピストン90は、内筒部材12内に第1室91と第2室92とを画成している。第1室91は、内筒部材12内のピストン90とロッドガイド82との間に設けられ、第2室92は、内筒部材12内のピストン90とボディ72との間に設けられている。内筒部材12内の第2室92は、ボディ72によって、リザーバ室13と画成されている。第1室91および第2室92には作動液体である油液が充填されている。リザーバ室13には作動気体であるガスと作動液体である油液とが充填されている。
緩衝器10は、ロッド101(相対移動部材)を有している。ロッド101の軸方向の一端側は、内筒71内に配置されてピストン90に連結される。ロッド101の軸方向の他端側は、内筒71および外筒17から開口73,25を介して外部に延出する。ロッド101は、内筒71の軸方向一端の開口73から内筒71の内部に挿入されて、ピストン90に連結されている。ロッド101はピストン90と共に内筒71に対して軸方向に相対移動する。ロッド101は、ロッドガイド82およびシール部材83を通って内筒部材12および外筒部材14から外部へと延出している。ロッド101は、ロッドガイド82により径方向移動が規制されて、内筒部材12および外筒部材14に対して、ピストン90と一体に軸方向に移動する。シール部材83は、外筒部材14とロッド101との間を閉塞して、内筒部材12内の作動液体と、リザーバ室13内の作動気体および作動液体とが外部に漏出するのを規制する。緩衝器10は、ロッド101が車体側に連結される。
ピストン90には、軸方向に貫通する通路111および通路112が形成されている。通路111および通路112は、第1室91と第2室92とを連通可能である。緩衝器10は、円環状のディスクバルブ115を、ピストン90の軸方向の底部22とは反対側に有している。ディスクバルブ115は、ピストン90に当接することで通路111を閉塞可能である。また、緩衝器10は、円環状のディスクバルブ116を、ピストン90の軸方向の底部22側に有している。ディスクバルブ116は、ピストン90に当接することで通路112を閉塞可能である。
ロッド101が、内筒71および外筒17内への進入量を増やす縮み側に移動すると、ピストン90が、第2室92を狭める方向に移動する。そして、第2室92の圧力が第1室91の圧力よりも所定値以上高くなると、ディスクバルブ115は、通路111を開く。その際に、ディスクバルブ115は、減衰力を発生させる。ロッド101が、内筒71および外筒17からの突出量を増やす伸び側に移動すると、ピストン90が、第1室91を狭める方向に移動する。そして、第1室91の圧力が第2室92の圧力よりも所定値以上高くなると、ディスクバルブ116は、通路112を開く。その際に、ディスクバルブ116は、減衰力を発生させる。よって、ロッド101およびピストン90は、内筒71に対し軸方向に相対的に移動することによって減衰力が生じる。
内筒部材12のボディ72には、軸方向に貫通する通路121および通路122が形成されている。通路121および通路122は第2室92とリザーバ室13とを連通可能である。緩衝器10は、円環状のディスクバルブ125と、円環状のディスクバルブ126と、を有している。ディスクバルブ125は、ボディ72の軸方向の底部22側に位置する。ディスクバルブ125は、ボディ72に当接することで通路121を閉塞可能である。ディスクバルブ126は、ボディ72の軸方向の底部22とは反対側に位置する。ディスクバルブ126は、ボディ72に当接することで通路122を閉塞可能である。
ロッド101が縮み側に移動すると、ピストン90が第2室92を狭める方向に移動する。そして、第2室92の圧力がリザーバ室13の圧力よりも所定値以上高くなると、ディスクバルブ125は、通路121を開く。その際に、ディスクバルブ125は、減衰力を発生させる。ロッド101が伸び側に移動すると、ピストン90が第1室91側に移動する。そして、第2室92の圧力がリザーバ室13の圧力より低下すると、ディスクバルブ126は、通路122を開く。その際に、ディスクバルブ126は、リザーバ室13から第2室92内に実質的に減衰力を発生させずに作動液体を流す。つまり、ディスクバルブ126は、サクションバルブである。
上記した特許文献1には、ブラケットのナックルへの締結用の2つの締結孔の間の位置に脆弱部を設けた緩衝器が記載されている。この緩衝器は、軽量化のためブラケットを鉄系材料からアルミニウム系材料にする際に、強度不足を補うため肉厚を厚くしても、脆弱部を設けることで、ブラケットの曲げを促すことができる。よって、ボルト・ナットの締結軸力を小さく設定しても、ボルト・ナットの座面の面圧を確保して締結の安定性を向上させることができる。これにより、緩衝器のナックルへの組み付け性の向上を図っている。しかしながら、2つの締結孔の間の位置に脆弱部を設ける構成では、ボルト・ナットの締結軸力を小さく設定しつつボルト・ナットの座面の面圧を確保することの効果が十分ではない可能性がある。この場合、ブラケットの付根側が軸力を十分に受けられなくなる可能性がある。
これに対し、シリンダの外側面から突出するブラケットの根元(シリンダ側面とブラケット部との境界部)のうち、取付部材への締結用の孔部とシリンダ軸線方向同位置にある部分の剛性を下げることが、ボルト・ナットの座面の面圧を確保するのに有効である。このため、第1実施形態の緩衝器10が有するブラケット18においては、一対の延出部27,28に、孔部35,37と、凹部41,43と、が設けられている。孔部35,37は、一対の延出部27,28の間に配置されるナックル30の取付穴31と対向する。凹部41,43は、孔部35,37と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部35,37よりも外筒17側の配設位置に配されている。凹部41,43は、これらの配設位置とは異なる位置よりも剛性が低い。また、ブラケット18においては、一対の延出部27,28に、孔部36,38と、凹部42,44と、が設けられている。孔部36,38は、一対の延出部27,28の間に配置されるナックル30の取付穴32と対向する。凹部42,44は、孔部36,38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部36,38よりも外筒17側の配設位置に配されている。凹部42,44は、これらの配設位置とは異なる位置よりも剛性が低い。これにより、ブラケット18の曲げを一層促すことができる。よって、ボルト61,63およびナット62,64の締結軸力を小さく設定しても、ボルト61,63およびナット62,64の座面66a,68a,62a,64aの面圧を確保して締結の安定性を一層向上させることができる。これにより、ボルト61,63およびナット62,64の締結軸力を小さく設定できるため、緩衝器10のナックル30への組み付け性の一層の向上を図ることができる。
また、第1実施形態の緩衝器10は、凹部41~44が、一対の延出部27,28の製品強度への寄与度が低い、孔部35~38よりも外筒17側に形成されている。このため、一対の延出部27,28の製品強度を満足しつつ、緩衝器10のナックル30への組み付け性の一層の向上を図ることができる。
また、第1実施形態の緩衝器10は、一対の延出部27,28に、孔部35,37と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部35,37よりも外筒17側の配設位置に凹部41,43を設ける構造である。そして、緩衝器10は、一対の延出部27,28に、孔部36,38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部36,38よりも外筒17側の配設位置に凹部42,44を設ける構造である。このため、ボルト61,63およびナット62,64の締結条件や相手部品であるナックル30の変更が不要である。また、外筒17にホースブラケットやハーネスブラケットを取り付ける場合でも、それらとの干渉を防ぐことができる。
また、第1実施形態の緩衝器10は、一対の延出部27,28に凹部41~44を設ける構造であるため、軽量化を図ることができる。
また、第1実施形態の緩衝器10は、凹部41~44が、一対の延出部27,28の内側の対向面27a,28a側に形成されている。このため、凹部41~44が外側の非対向面27b,28b側に形成される場合と比較して、曲げ負荷時の発生応力の上昇を抑制することができる。
また、第1実施形態の緩衝器10は、外筒17と一対の延出部27,28とが、熱や力により形が与えられた金属で一体に形成されている。このため、製造が容易となる。
なお、第1実施形態のブラケット18において、凹部41~44のうちの例えば凹部41,43のみを形成したり、凹部42,44のみを形成することが可能である。すなわち、凹部41~44のうちの少なくともいずれか一つを形成すれば良い。
また、第1実施形態のブラケット18の変形例として、凹部41~44のうちの少なくともいずれか一つの全体あるいは一部について、一対の延出部27,28を含む外筒部材14よりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。例えば、図4A、図4Bに示すように、凹部41,42の全体を低剛性材料140で埋めて剛性低下部141,142とすると共に、凹部43,44の全体を低剛性材料140で埋めて剛性低下部143,144とする等が可能である。この場合、凹部41,42が対向面27aと面一となってもよい。凹部43,44が対向面28aと面一となってもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について、主に図5,図6A,図6Bに基づいて、第1実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図5に示すように、第2実施形態においては、第1実施形態の外筒部材14にかえて、外筒部材14Aが用いられる。外筒部材14Aは、ブラケット18Aを有している。ブラケット18Aは、延出部27Aと、延出部28Aとを有している。
延出部27Aには、第1実施形態の延出部27と同様の孔部35,36が設けられており、延出部28Aにも、第1実施形態の延出部28と同様の孔部37,38が設けられている。
図6Aおよび図6Bに示すように、延出部27Aには、孔部35と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部35よりも外筒17側の所定の配設位置に、矩形状の凹部41A(剛性低下部)が形成されている。延出部27Aは、延出部28Aに対向する対向面27Aaと、延出部28Aとは反対に向く非対向面27Abと、を有する。凹部41Aは、延出部27Aの非対向面27Abから対向面27Aa側に向けて凹む。言い換えれば、孔部35と凹部41Aとは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部35と凹部41Aとは、外筒軸方向における位置を一致させている。凹部41Aは、延出部27Aの非対向面27Ab側に形成されている。凹部41Aは、外筒軸方向の長さが孔部35の外筒軸方向の長さ以上となっている。
また、延出部27Aには、孔部36と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部36よりも外筒17側の所定の配設位置に、凹部41Aと同形状の凹部42A(剛性低下部)が形成されている。凹部42Aは、延出部27Aの非対向面27Abから対向面27Aa側に向けて凹む。言い換えれば、孔部36と凹部42Aとは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部36と凹部42Aとは、外筒軸方向における位置を一致させている。凹部42Aも、延出部27Aの非対向面27Ab側に形成されている。凹部42Aは、外筒軸方向の長さが孔部36の外筒軸方向の長さ以上となっている。
これら2箇所の凹部41A,42Aは、延出部27Aの外筒17側の端部位置に配置されており、互いに外筒径方向における同位置に外筒軸方向に離間して設けられている。延出部27Aは、外筒径方向における凹部41A,42Aの配設位置が、外筒径方向におけるこの配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部27Aは、2箇所の凹部41A,42Aが形成された外筒17側の付根部51Aと、付根部51Aに対して外筒径方向における外側に隣接する隣接部52Aと、を有する。付根部51Aは、隣接部52Aよりも剛性が低くなっている。
延出部28Aには、孔部37と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部37よりも外筒17側の所定の配設位置に、凹部43A(剛性低下部)が形成されている。延出部28Aは、延出部27Aに対向する対向面28Aaと、延出部27Aとは反対に向く非対向面28Abと、を有する。凹部43は、延出部28の非対向面28Abから対向面28Aa側に向けて凹む。言い換えれば、孔部37と凹部43Aとは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部37と凹部43Aとは、外筒軸方向における位置を一致させている。凹部43Aは、延出部28Aの非対向面28Ab側に形成されている。凹部43Aは、凹部41Aと外筒軸方向における位置を一致させており、外筒径方向における位置を一致させている。凹部43Aは凹部41Aと鏡面対称形状をなしている。凹部43Aは、外筒軸方向の長さが孔部37の外筒軸方向の長さ以上となっている。
延出部28Aには、孔部38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部38よりも外筒17側の所定の配設位置に、凹部43Aと同形状の凹部44A(剛性低下部)が形成されている。凹部44Aは、延出部28Aの非対向面28Abから対向面28Aa側に向けて凹む。言い換えれば、孔部38と凹部44Aとは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部38と凹部44Aとは、外筒軸方向における位置を一致させている。凹部44Aも、延出部28Aの非対向面28Ab側に形成されている。凹部44Aは、凹部42Aと外筒軸方向における位置を一致させており、外筒径方向における位置を一致させている。凹部44Aは凹部42Aと鏡面対称形状をなしている。凹部44Aは、外筒軸方向の長さが孔部38の外筒軸方向の長さ以上となっている。
これら2箇所の凹部43A,44Aは、延出部28Aの外筒17側の端部位置に配置されており、互いに外筒径方向における同位置に外筒軸方向に離間して設けられている。延出部28Aは、外筒径方向における凹部43A,44Aの配設位置が、外筒径方向におけるこの配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部28Aは、2箇所の凹部43A,44Aが形成された外筒17側の付根部53Aと、付根部53Aに対して外筒径方向における外側に隣接する隣接部54Aと、を有する。付根部53Aは、隣接部54Aよりも剛性が低くなっている。
ブラケット18Aは、第1実施形態のブラケット18と同様、ボルト61およびこのボルト61に螺合されるナット62と、ボルト63およびこのボルト63に螺合されるナット64とで、車輪側のナックル30に連結される。ボルト61は、外筒軸方向第1端側にある2箇所の孔部35,37に挿入される。ボルト63は、外筒軸方向第2端側にある2箇所の孔部36,38に挿入される。このとき、延出部27A,28Aは付根部51A,53Aの曲げ剛性が下げられている。このため、主に付根部51A,53Aが変形し、延出部27A、28Aは、第1実施形態の延出部27,28と同様、比較的容易に変形する。
第2実施形態のブラケット18Aにおいては、一対の延出部27A,28Aに、凹部41A,43Aが設けられている。凹部41A,43Aは、孔部35,37と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部35,37よりも外筒17側の配設位置に配されている。凹部41A,43Aは、これらの配設位置とは異なる位置よりも剛性が低い。また、一対の延出部27A,28Aに、凹部42A,44Aが設けられている。凹部42A,44Aは、孔部36,38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部36,38よりも外筒17側の配設位置に配されている。凹部42A,44Aは、これらの配設位置とは異なる位置よりも剛性が低い。これにより、ブラケット18Bの曲げを一層促すことができる。よって、ボルト61,63およびナット62,64の締結軸力を小さく設定しても、ボルト61,63およびナット62,64の座面66a,68a,62a,64aの面圧を確保して締結の安定性をより一層向上させることができる。これにより、ブラケット18Aのナックル30への組み付け性のより一層の向上を図ることができる。
なお、第2実施形態のブラケット18Aにおいて、凹部41A~44Aのうちの例えば凹部41A,43Aのみを形成したり、凹部42A,44Aのみを形成することも可能である。すなわち、凹部41A~44Aのうちの少なくともいずれか一つを形成すれば良い。
また、第2実施形態のブラケット18Aにおいて、第1実施形態で述べた変形例と同様に、凹部41A~44Aのうちの少なくともいずれか一つの全体あるいは一部について、一対の延出部27A,28Aを含む外筒部材14Aよりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。例えば、凹部41A,42Aの全体を低剛性材料で埋めて剛性低下部とすると共に、凹部43A,44Aの全体を低剛性材料で埋めて剛性低下部とする等が可能である。この場合、凹部41A,42Aが非対向面27Abと面一となってもよい。凹部43A,44Aが非対向面28Abと面一となってもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について、主に図7,図8A,図8Bに基づいて、第1実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図7に示すように、第3実施形態においては、第1実施形態の外筒部材14にかえて、外筒部材14Bが用いられる。外筒部材14Bは、ブラケット18Bを有している。ブラケット18Bは、延出部27Bと、延出部28Bとを有している。
延出部27Bには、第1実施形態の延出部27と同様の孔部35,36が設けられており、延出部28Bにも、第1実施形態の延出部28と同様の孔部37,38が設けられている。
延出部27Bには、孔部35と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部35よりも外筒17側の所定の配設位置に、貫通孔41B(剛性低下部)が形成されている。延出部27Bは、延出部28Bに対向する対向面27Baと、延出部28Bとは反対に向く非対向面27Bbと、を有する。貫通孔41Bは、延出部27Bの対向面27Baから非対向面27Bbまで貫通する。言い換えれば、孔部35と貫通孔41Bとは、外筒軸方向における位置を重ね合わせており、より具体的には外筒軸方向における位置を一致させている。孔部35と貫通孔41Bとは同内径となっている。
また、延出部27Bには、孔部36と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部36よりも外筒17側の所定の配設位置に、貫通孔41Bと同形状の貫通孔42B(剛性低下部)が形成されている。貫通孔42Bは、延出部27Bの対向面27Baから非対向面27Bbまで貫通する。言い換えれば、孔部36と貫通孔42Bとは、外筒軸方向における位置を重ね合わせており、より具体的には外筒軸方向における位置を一致させている。孔部36と貫通孔42Bとは同内径となっている。
これら2箇所の貫通孔41B,42Bは、延出部27Bの対向面27Baの外筒17側の端部位置に配置されており、互いに外筒径方向における同位置に外筒軸方向に離間して設けられている。延出部27Bは、外筒径方向における貫通孔41B,42Bの配設位置が、外筒径方向におけるこの配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部27Bは、2箇所の貫通孔41B,42Bが形成された外筒17側の端縁の付根部51Bと、付根部51Bよりも外筒径方向における外側に隣接する隣接部52Bと、を有する。付根部51Bは、隣接部52Bよりも剛性が低くなっている。
延出部28Bには、孔部37と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部37よりも外筒17側の所定の配設位置に、貫通孔43B(剛性低下部)が形成されている。延出部28Bは、延出部27Bに対向する対向面28Baと、延出部27Bとは反対に向く非対向面28Bbと、を有する。貫通孔43Bは、延出部28Bの対向面28Baから非対向面28Bbまで貫通する。言い換えれば、孔部37と貫通孔43Bとは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部37と貫通孔43Bとは、外筒軸方向における位置を一致させている。貫通孔43Bは、貫通孔41Bと外筒軸方向における位置を一致させており、外筒径方向における位置を一致させている。貫通孔43Bは貫通孔41Bと対称形状をなしており、貫通孔41Bと同一直線上に配置されている。
延出部28Bには、孔部38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、この孔部38よりも外筒17側の所定の配設位置に、貫通孔43Bと同形状の貫通孔44B(剛性低下部)が形成されている。貫通孔43Bは、延出部28Bの対向面28Baから非対向面28Bbまで貫通する。言い換えれば、孔部38と貫通孔44Bとは、外筒軸方向における位置を重ね合わせている。より具体的には、孔部38と貫通孔44Bとは、外筒軸方向における位置を一致させている。貫通孔44Bは、貫通孔42Bと外筒軸方向における位置を一致させており、外筒径方向における位置を一致させている。貫通孔44Bは貫通孔42Bと対称形状をなしており、貫通孔42Bと同一直線上に配置されている。
これら2箇所の貫通孔43B,44Bは、互いに外筒径方向における同位置に外筒軸方向に離間して設けられている。延出部28Bは、外筒径方向における貫通孔43B,44Bの配設位置が、外筒径方向におけるこの配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部28Bは、2箇所の貫通孔43B,44Bが形成された外筒17側の端縁の付根部53Bと、付根部53Bに対して外筒径方向における外側に隣接する隣接部54Bと、を有する。付根部53Bは、隣接部54Bよりも剛性が低くなっている。
図8Aおよび図8Bに示すように、ブラケット18Bは、第1実施形態のブラケット18と同様に、ボルト61およびこのボルト61に螺合されるナット62と、ボルト63およびこのボルト63に螺合されるナット64とで、車輪側のナックル30に連結される。ボルト61は、外筒軸方向第1端側にある2箇所の孔部35,37に挿入される。ボルト63は、外筒軸方向第2端側にある2箇所の孔部36,38に挿入される。このとき、延出部27B,28Bは、付根部51B,53Bの曲げ剛性が低い。このため、主に付根部51B,53Bが変形し、延出部27B、28Bは、第1実施形態の延出部27,28と同様、比較的容易に変形する。
第3実施形態のブラケット18Bにおいては、一対の延出部27B,28Bに、貫通孔41B,43Bが設けられている。貫通孔41B,43Bは、孔部35,37と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部35,37よりも外筒17側の配設位置に配されている。貫通孔41B,43Bは、これらの配設位置とは異なる位置よりも剛性が低い。また、一対の延出部27B,28Bに、貫通孔42B,44Bが設けられている。貫通孔42B,44Bは、孔部36,38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部36,38よりも外筒17側の配設位置に配されている。貫通孔42B,44Bは、これらの配設位置とは異なる位置よりも剛性が低い。貫通孔41B,42Bは、延出部27Bを板厚方向に貫通しており、貫通孔43B,44Bは、延出部28Bを板厚方向に貫通している。これにより、ブラケット18Bの曲げを一層促すことができる。よって、ボルト61,63およびナット62,64の締結軸力を小さく設定しても、ボルト61,63およびナット62,64の座面66a,68a,62a,64aの面圧を確保して締結の安定性をより一層向上させることができる。これにより、ブラケット18Bのナックル30への組み付け性のより一層の向上を図ることができる。
また、第3実施形態のブラケット18Bは、貫通孔41B,42Bが、延出部27Bを板厚方向に貫通しており、貫通孔43B,44Bが、延出部28Bを板厚方向に貫通している。このため、一層の軽量化を図ることができる。
また、第3実施形態のブラケット18Bは、貫通孔41B,42Bが、延出部27Bを板厚方向に貫通しており、貫通孔43B,44Bが、延出部28Bを板厚方向に貫通している。このため、これら貫通孔41B~44Bを孔部35~38と同様、切削による穴開け加工によって形成することができる。よって、貫通孔41B~44Bの形成が容易となる。
なお、第3実施形態のブラケット18Bにおいて、貫通孔41B~44Bのうちの例えば貫通孔41B,43Bのみを形成したり、貫通孔42B,44Bのみを形成することも可能である。すなわち、貫通孔41B~44Bのうちの少なくともいずれか一つを形成すれば良い。
また、第3実施形態のブラケット18Bにおいて、第1実施形態で述べた変形例と同様に、貫通孔41B~44Bのうちの少なくともいずれか一つの全体あるいは一部について、一対の延出部27B,28Bを含む外筒部材14Bよりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。例えば、貫通孔41B,42Bの全体を低剛性材料で埋めて剛性低下部とすると共に、貫通孔43B,44Bの全体を低剛性材料で埋めて剛性低下部とする等が可能である。この場合、貫通孔41B,42Bが対向面27Baおよび非対向面27Bbと面一となってもよい。貫通孔43B,44Bが対向面28Baおよび非対向面28Bbと面一となってもよい。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について、主に図9,図10A,図10Bに基づいて、第1実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図9に示すように、第4実施形態においては、第1実施形態の外筒部材14にかえて、外筒部材14Cが用いられる。この外筒部材14Cは、ブラケット18Cを有している。ブラケット18Cは、延出部27Cと、延出部28Cとを有している。
延出部27Cには、第1実施形態の延出部27と同様の孔部35,36が設けられている。延出部28Cにも、第1実施形態の延出部28と同様の孔部37,38が設けられている。
延出部27Cには、孔部35,36と外筒軸方向における同位置であって、かつ、これら孔部35,36よりも外筒17側の所定の配設位置に、凹部41C(剛性低下部)が形成されている。延出部27Cは、延出部28Cに対向する対向面27Caと、延出部28Cとは反対に向く非対向面27Cbと、を有する。凹部41Cは、延出部27Cの対向面27Caから非対向面27Cb側に向けて凹む。凹部41Cは、延出部27Cを外筒軸方向に貫通している。言い換えれば、凹部41Cは、延出部27Cを外筒軸方向に一端から他端まで横断して形成されている。よって、凹部41Cは、孔部35,36と外筒軸方向における位置を重ね合わせており、外筒軸方向において孔部35,36の全体を跨いで形成されている。凹部41Cは、延出部27Cの対向面27Ca側に形成されている。
凹部41Cは、外筒軸方向に直線状に延びており、延出部27Cの対向面27Caの外筒17側の端部位置に配置されている。延出部27Cは、凹部41Cの配設位置が、この配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部27Cは、1箇所の凹部41Cが形成された外筒17側の端縁の付根部51Cと、付根部51Cに対して外筒径方向における外側に隣接する隣接部52Cと、を有する。付根部51Cは、隣接部52Cよりも剛性が低くなっている。
延出部28Cには、孔部37,38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、これら孔部37,38よりも外筒17側の所定の配設位置に、凹部43C(剛性低下部)が形成されている。延出部28Cは、延出部27Cに対向する対向面28Caと、延出部27Cとは反対に向く非対向面28Cbと、を有する。凹部43Cは、延出部28Cの対向面28Caから非対向面28Cb側に向けて凹む。凹部43Cは、延出部28Cを外筒軸方向に貫通している。言い換えれば、凹部43Cは、延出部28Cを外筒軸方向に一端から他端まで横断して形成されている。よって、凹部43Cは、孔部37,38と外筒軸方向における位置を重ね合わせており、外筒軸方向において孔部37,38の全体を跨いで形成されている。凹部43Cは、延出部28Cの対向面28Ca側に形成されている。凹部43Cは、凹部41Cと外筒径方向における位置を一致させている。凹部43Cは、凹部41Cと鏡面対称形状をなしている。
凹部43Cは、外筒軸方向に直線状に延びており、延出部28Cの対向面28Caの外筒17側の端部位置に配置されている。延出部28Cは、凹部43Cの配設位置が、この配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部28Cは、1箇所の凹部43Cが形成された外筒17側の端縁の付根部53Cと、付根部53Cに対して外筒径方向における外側に隣接する隣接部54Cと、を有する。付根部53Cは、隣接部54Cよりも剛性が低くなっている。
図10Aおよび図10Bに示すように、ブラケット18Cは、第1実施形態のブラケット18と同様、ボルト61およびこのボルト61に螺合されるナット62と、ボルト63およびこのボルト63に螺合されるナット64とで、車輪側のナックル30に連結される。ボルト61は、外筒軸方向第1端側にある2箇所の孔部35,37に挿入される。ボルト63は、外筒軸方向第2端側にある2箇所の孔部36,38に挿入される。このとき、延出部27C,28Cは付根部51C,53Cの曲げ剛性が下げられている。このため、主に付根部51C,53Cが変形し、延出部27C,28Cは、第1実施形態の延出部27,28と同様、比較的容易に変形する。
第4実施形態のブラケット18Cにおいては、一対の延出部27C,28Cに、凹部41C,43Cが設けられている。凹部41C,43Cは、孔部35~38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部35~38よりも外筒17側の配設位置に配されている。凹部41C、43Cは、これらの配設位置とは異なる位置よりも剛性が低い。凹部41Cは延出部27Cを外筒軸方向に一端から他端まで横断しており、凹部43Cは延出部28Cを外筒軸方向に一端から他端まで横断している。これにより、ブラケット18Cの曲げを一層促すことができる。よって、ボルト61,63およびナット62,64の締結軸力を一層小さく設定しても、ボルト61,63およびナット62,64の座面66a,68a,62a,64aの面圧を確保して締結の安定性をより一層向上させることができる。これにより、緩衝器10のナックル30への組み付け性のより一層の向上を図ることができる。
また、第4実施形態のブラケット18Cは、凹部41Cが延出部27Cを外筒軸方向に一端から他端まで横断しており、凹部43Cが延出部28Cを外筒軸方向に一端から他端まで横断している。このため、外筒部材14Cの鋳造時に凹部41C,43Cを鋳型で鋳出しすることができ、ブラケット18Cは、生産性に優れる。
また、第4実施形態のブラケット18Cは、凹部41Cが延出部27Cを外筒軸方向に一端から他端まで横断しており、凹部43Cが延出部28Cを外筒軸方向に一端から他端まで横断しているため、一層の軽量化を図ることができる。
また、第4実施形態のブラケット18Cは、凹部41C,43Cが、一対の延出部27C,28Cの内側の対向面27Ca,28Ca側に形成されている。このため、凹部41C,43Cが外側の非対向面27Cb,28Cb側に形成される場合と比較して、曲げ負荷時に発生する応力の上昇を抑制することができる。
なお、第4実施形態のブラケット18Cにおいて、凹部41C,43Cのうちの例えば凹部41Cのみを形成したり、凹部43Cのみを形成することも可能である。すなわち、凹部41C,43Cのうちの少なくともいずれか一つを形成すれば良い。
また、第4実施形態のブラケット18Cにおいて、第1実施形態で述べた変形例と同様に、凹部41C,42Cのうちの少なくともいずれか一つの全体あるいは一部について、一対の延出部27C,28Cを含む外筒部材14Cよりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。例えば、凹部41Cの全体を低剛性材料で埋めて剛性低下部とすると共に、凹部43Cの全体を低剛性材料で埋めて剛性低下部とする等が可能である。この場合、凹部41Cが対向面27Caと面一となってもよい。凹部43Cが対向面28Caと面一となってもよい。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について、主に図11,図12A,図12Bに基づいて、第1実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図11に示すように、第5実施形態においては、第1実施形態の外筒部材14にかえて、外筒部材14Dが用いられる。この外筒部材14Dは、ブラケット18Dを有している。ブラケット18Dは、延出部27Dと、延出部28Dとを有している。
延出部27Dには、第1実施形態の延出部27と同様の孔部35,36が設けられており、他方の延出部28Dにも、第1実施形態の延出部28と同様の孔部37,38が設けられている。
延出部27Dには、孔部35,36と外筒軸方向における同位置であって、かつ、これら孔部35,36よりも外筒17側の所定の配設位置に、凹部41D(剛性低下部)が形成されている。延出部27Dは、延出部28Dと対向する対向面27Daと、延出部28Dとは反対に向く非対向面27Dbと、を有する。凹部41Dは、延出部27Dの非対向面27Dbから対向面27Da側に向けて凹む。凹部41Dは、外筒軸方向に直線状に延びており、延出部27Dを外筒軸方向に貫通している。言い換えれば、凹部41Dは、延出部27Dを外筒軸方向に一端から他端まで横断して形成されている。よって、凹部41Dは、孔部35,36と外筒軸方向における位置を重ね合わせており、外筒軸方向において孔部35,36の全体を跨いで形成されている。凹部41Dは、延出部27Dの非対向面27Db側に形成されている。
延出部27Dは、凹部41Dの配設位置が、この配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部27Dは、1箇所の凹部41Dが形成された外筒17側の付根部51Dと、付根部51Dに対し外筒径方向における外側に隣接する隣接部52Dと、を有する。付根部51Dは、隣接部52Dよりも剛性が低くなっている。
延出部28Dには、孔部37,38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、これら孔部37,38よりも外筒17側の所定の配設位置に、凹部43D(剛性低下部)が形成されている。延出部28Dは、延出部27Dに対向する対向面28Daと、延出部27Dとは反対に向く非対向面28Dbと、を有する。凹部43Dは、延出部28Dの非対向面28Dbから対向面28Da側に向けて凹む。凹部43Dは、外筒軸方向に直線状に延びており、延出部28Dを外筒軸方向に貫通している。言い換えれば、凹部43Dは、延出部28Dを外筒軸方向に一端から他端まで横断して形成されている。よって、凹部43Dは、孔部37,38と外筒軸方向における位置を重ね合わせており、外筒軸方向において孔部37,38の全体を跨いで形成されている。凹部43Dは、延出部28Dの非対向面28Db側に形成されている。凹部43Dは、凹部41Dと外筒径方向における位置を一致させている。凹部43Dは、凹部41Dと鏡面対称形状をなしている。
延出部28Dは、凹部43Dの配設位置が、この配設位置とは異なる位置よりも減肉されて剛性が低くなっている。延出部28Dは、1箇所の凹部43Dが形成された外筒17側の付根部53Dと、付根部53Dに対して外筒径方向における外側に隣接する隣接部54Dと、を有する。付根部53Dは、隣接部54Dよりも剛性が低くなっている。
図12Aおよび図12Bに示すように、第5実施形態のブラケット18Dは、第1実施形態のブラケット18と同様、ボルト61およびこのボルト61に螺合されるナット62と、ボルト63およびこのボルト63に螺合されるナット64とで、車輪側のナックル30に連結される。ボルト61は、外筒軸方向第1端側にある2箇所の孔部35,37に挿入される。ボルト63は、外筒軸方向第2端側にある2箇所の孔部36,38に挿入される。このとき、延出部27D,28Dは付根部51D,53Dの曲げ剛性が下げられている。このため、主に付根部51D,53Dが変形し、延出部27D,28Dは、第1実施形態の延出部27,28と同様、比較的容易に変形する。
第5実施形態のブラケット18Dにおいては、一対の延出部27D,28Dに、凹部41D,43Dが設けられている。凹部41D,43Dは、孔部35~38と外筒軸方向における同位置であって、かつ、孔部35~38よりも外筒17側の配設位置に配されている。凹部41D,43Dは、これらの配設位置とは異なる位置よりも剛性が低い。凹部41Dは延出部27Dを外筒軸方向に一端から他端まで横断しており、凹部43Dは延出部28Dを外筒軸方向に一端から他端まで横断している。これにより、ブラケット18Dの曲げを一層促すことができる。よって、ボルト61,63およびナット62,64の締結軸力を一層小さく設定しても、ボルト61,63およびナット62,64の座面66a,68a,62a,64aの面圧を確保して締結の安定性をより一層向上させることができる。これにより、緩衝器10のナックル30への組み付け性のより一層の向上を図ることができる。
また、第5実施形態のブラケット18Dは、凹部41Dが延出部27Dを外筒軸方向に一端から他端まで横断しており、凹部43Dが延出部28Dを外筒軸方向に一端から他端まで横断している。このため、外筒部材14Dの鋳造時に凹部41D,43Dを鋳型で鋳出しすることができ、ブラケット18Dは、生産性に優れる。
また、第5実施形態のブラケット18Dは、凹部41Dが延出部27Dを外筒軸方向に一端から他端まで横断しており、凹部43Dが延出部28Dを外筒軸方向に一端から他端まで横断しているため、一層の軽量化を図ることができる。
なお、第5実施形態のブラケット18Dにおいて、凹部41D,43Dのうちの例えば凹部41Dのみを形成したり、凹部43Dのみを形成することも可能である。すなわち、凹部41D,43Dのうちの少なくともいずれか一つを形成すれば良い。
また、第5実施形態のブラケット18Dにおいて、第1実施形態で述べた変形例と同様に、凹部41D,43Dのうちの少なくともいずれか一つの全体あるいは一部について、一対の延出部27D,28Dを含む外筒部材14Dよりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。例えば、凹部41Dの全体を低剛性材料で埋めて剛性低下部とすると共に、凹部43Dの全体を低剛性材料で埋めて剛性低下部とする等が可能である。この場合、凹部41Dが非対向面27Dbと面一となってもよい。凹部43Dが非対向面28Dbと面一となってもよい。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について、主に図13に基づいて、第1実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第6実施形態においては、第1実施形態の外筒部材14にかえて、外筒部材14Eが用いられる。この外筒部材14Eは、第1実施形態と同様の外筒17と、外筒17とは別体のブラケット18Eとの2部品からなっている。ブラケット18Eは、円筒状の嵌合部151Eと、嵌合部151Eから延出する第1実施形態と同様の一対の延出部27,28とを有している。嵌合部151Eは、外筒17の外周に嵌合されて固定される。ブラケット18Eは、嵌合部151Eと一対の延出部27,28とが一体に継ぎ目なく形成された一体成形品である。ブラケット18Eは、熱や力により形が与えられた金属で構成されている。具体的には、ブラケット18Eは、アルミニウム合金から鋳造により成形されている。
ブラケット18Eは、嵌合部151Eにおいて外筒17の側壁部21の外筒軸方向第2端側の外周に嵌合されて溶接等で固定される。これにより、外筒部材14Eとなる。外筒部材14Eは、第1実施形態と同様の一対の延出部27,28を有している。外筒部材14Eにおいては、一対の延出部27,28が外筒17に対して第1実施形態と同様の位置関係となる。外筒部材14Eにおいては、一対の延出部27,28が嵌合部151E側の端部に凹部41~44すなわち付根部51,53を有している。
第6実施形態においては、ブラケット18Eが、外筒17の外周に嵌合される嵌合部151Eと、嵌合部151Eに一体的に形成される一対の延出部27,28と、からなる。このため、ブラケット18Eと外筒17とを別の材料や別の成形方法で成型することができる。
第6実施形態のブラケット18Eにおいても、凹部41~44のうちの少なくともいずれか一つを形成すれば良い。また、凹部41~44のうちの少なくともいずれか一つについて、ブラケット18Eよりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態について、主に図14に基づいて、第2実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第2実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第7実施形態においては、第2実施形態の外筒部材14Aにかえて、外筒部材14Fが用いられる。この外筒部材14Fは、第2実施形態と同様の外筒17と、外筒17とは別体のブラケット18Fとの2部品からなっている。ブラケット18Fは、円筒状の嵌合部151Fと、嵌合部151Fから延出する第2実施形態と同様の一対の延出部27A,28Aとを有している。嵌合部151Fは、外筒17の外周に嵌合されて固定される。ブラケット18Fは、嵌合部151Fと一対の延出部27A,28Aとが一体に継ぎ目なく形成された一体成形品である。ブラケット18Fは、熱や力により形が与えられた金属で構成されている。具体的には、ブラケット18Fは、アルミニウム合金から鋳造により成形されている。
ブラケット18Fは、嵌合部151Fにおいて外筒17の側壁部21の外筒軸方向第2端側の外周に嵌合されて溶接等で固定される。これにより、外筒部材14Fとなる。外筒部材14Fは、第2実施形態と同様の一対の延出部27A,28Aを有している。外筒部材14Fにおいては、一対の延出部27A,28Aが外筒17に対して第2実施形態と同様の位置関係となる。外筒部材14Fにおいては、一対の延出部27A,28Aが嵌合部151F側の端部に凹部41A~44Aすなわち付根部51A,53Aを有している。
第7実施形態のブラケット18Fにおいても、凹部41A~44Aのうちの少なくともいずれか一つを設ければ良い。また、凹部41A~44Aのうちの少なくともいずれか一つについて、ブラケット18Fよりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態について、主に図15に基づいて、第3実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第3実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第8実施形態においては、第3実施形態の外筒部材14Bにかえて、外筒部材14Gが用いられる。この外筒部材14Gは、第3実施形態と同様の外筒17と、外筒17とは別体のブラケット18Gとの2部品からなっている。ブラケット18Gは、円筒状の嵌合部151Gと、嵌合部151Gから延出する第3実施形態と同様の一対の延出部27B,28Bとを有している。嵌合部151Gは、外筒17の外周に嵌合されて固定される。ブラケット18Gは、嵌合部151Gと一対の延出部27B,28Bとが一体に継ぎ目なく形成された一体成形品である。ブラケット18Gは、熱や力により形が与えられた金属で構成されている。具体的には、ブラケット18Gは、アルミニウム合金から鋳造により成形されている。
ブラケット18Gは、嵌合部151Gにおいて外筒17の側壁部21の外筒軸方向第2端側の外周に嵌合されて溶接等で固定される。これにより、外筒部材14Gとなる。外筒部材14Gは、第3実施形態と同様の一対の延出部27B,28Bを有している。外筒部材14Gにおいては、一対の延出部27B,28Bが外筒17に対して第3実施形態と同様の位置関係となる。外筒部材14Gにおいては、一対の延出部27B,28Bが嵌合部151G側の端部に貫通孔41B~44Bすなわち付根部51B,53Bを有している。
第8実施形態のブラケット18Gにおいても、貫通孔41B~44Bのうちの少なくともいずれか一つを設ければ良い。また、貫通孔41B~44Bのうちの少なくともいずれか一つについて、ブラケット18Gよりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態ついて、主に図16に基づいて、第4実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第4実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第9実施形態においては、第4実施形態の外筒部材14Cにかえて、外筒部材14Hが用いられる。この外筒部材14Hは、第4実施形態と同様の外筒17と、外筒17とは別体のブラケット18Hとの2部品からなっている。ブラケット18Hは、円筒状の嵌合部151Hと、嵌合部151Hから延出する第4実施形態と同様の一対の延出部27C,28Cとを有している。嵌合部151Hは、外筒17の外周に嵌合されて固定される。ブラケット18Hは、嵌合部151Hと一対の延出部27C,28Cとが一体に継ぎ目なく形成された一体成形品である。ブラケット18Hは、熱や力により形が与えられた金属で構成されている。具体的には、ブラケット18Hは、アルミニウム合金から鋳造により成形されている。
ブラケット18Hは、嵌合部151Hにおいて外筒17の側壁部21の外筒軸方向第2端側の外周に嵌合されて溶接等で固定される。これにより、外筒部材14Hとなる。外筒部材14Hは、第4実施形態と同様の一対の延出部27C,28Cを有している。外筒部材14Hにおいては、一対の延出部27C,28Cが外筒17に対して第4実施形態と同様の位置関係となる。外筒部材14Hにおいては、一対の延出部27C,28Cが嵌合部151H側の端部に凹部41C,43Cすなわち付根部51C,53Cを有している。
第9実施形態のブラケット18Hにおいても、凹部41C,43Cのうちの少なくともいずれか一つを設ければ良い。また、凹部41C,43Cのうちの少なくともいずれか一つについて、ブラケット18Hよりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態について、主に図17に基づいて、第5実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第5実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第10実施形態においては、第5実施形態の外筒部材14Dにかえて、外筒部材14Iが用いられる。この外筒部材14Iは、第5実施形態と同様の外筒17と、外筒17とは別体のブラケット18Iとの2部品からなっている。ブラケット18Iは、円筒状の嵌合部151Iと、嵌合部151Iから延出する第5実施形態と同様の一対の延出部27D,28Dとを有している。嵌合部151Iは、外筒17の外周に嵌合されて固定される。ブラケット18Iは、嵌合部151Iと一対の延出部27D,28Dとが一体に継ぎ目なく形成された一体成形品である。ブラケット18Iは、熱や力により形が与えられた金属で構成されている。具体的には、ブラケット18Iは、アルミニウム合金から鋳造により成形されている。
ブラケット18Iは、嵌合部151Iにおいて外筒17の側壁部21の外筒軸方向第2端側の外周に嵌合されて溶接等で固定される。これにより、外筒部材14Iとなる。外筒部材14Iは、第5実施形態と同様の一対の延出部27D,28Dを有している。外筒部材14Iにおいては、一対の延出部27D,28Dが外筒17に対して第5実施形態と同様の位置関係となる。外筒部材14Iにおいては、一対の延出部27D,28Dが嵌合部151I側の端部に凹部41D,43Dすなわち付根部51D,53Dを有している。
第10実施形態のブラケット18Iにおいても、凹部41D,43Dのうちの少なくともいずれか一つが設けられていれば良い。また、凹部41D,43Dのうちの少なくともいずれか一つについて、ブラケット18Iよりも剛性の低い低剛性材料で埋めても良い。
[第11実施形態]
次に、第11実施形態を主に図18に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。また、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第11実施形態においては、第1実施形態の外筒部材14にかえて、外筒部材14Jが用いられる。この外筒部材14Jは、ブラケット18Jを有している。ブラケット18Jは、延出部27Jと、延出部28Jとを有している。
延出部27Jは、第1実施形態の延出部27に対して凹部41,42が設けられていない点が相違している。延出部28Jは、第1実施形態の延出部28に対して凹部43,44が設けられていない点が相違している。
ここで、孔部35~38(図18においては孔部35,37のみを図示)よりも外筒17側の一対の延出部27J,28J間の外筒17の周方向における長さをW1とする。孔部35~38よりも外筒17の径方向における外側の一対の延出部27J,28J間の外筒17の周方向における長さをW2とする。長さW1,W2は、一対の延出部27J,28Jの互いに対向する対向面27Ja,28Ja間の距離である。ブラケット18Jにおいては、ナックル30の組付け前の自然状態において、長さW2は、長さW1に比して大きくなっている。
ナックル30において、取付穴31,32(図18においては取付穴31のみを図示)よりも外筒17側となる一対の外面30a,30b間の外筒17の周方向における長さをW3とする。取付穴31,32よりも外筒17の径方向における外側となる一対の外面30a,30b間の外筒17の周方向における長さをW4とする。長さW2が長さW1に比して大きいのに対して、長さW3と長さW4とは、同等になっている。
そして、ブラケット18Jのナックル30への組み付け前の自然状態において、長さW1~W4の寸法関係は、W1<W3=W4<W2となっている。
これにより、ブラケット18Jの一対の延出部27J,28J間にナックル30を嵌合させると、一対の延出部27J,28Jの孔部35~38(図18においては孔部35,37のみを図示)よりも外筒17側の部分は締まり嵌めの関係となる。一方、一対の延出部27J,28Jの孔部35~38よりも外筒17とは反対側の部分は隙間嵌めの関係となる。
このように一対の延出部27J,28Jの孔部35~38よりも外筒17側の部分をナックル30に対して締まり嵌めの関係とすることで、ブラケット18Jおよびナックル30のボルト61,63(図18においてはボルト61のみを図示)を締結する位置の間隔が狭くなる。このため、ボルト61,63およびナット62,64(図18においてはナット62のみを図示)の締結軸力を小さく設定しても、ボルト61,63およびナット62,64の座面66a,68a,62a,64a(図18においては座面66a,62aのみを図示)の面圧を確保して締結の安定性を一層向上させることができる。これにより、ブラケット18Jのナックル30への組み付け性の一層の向上を図ることができる。
ブラケット18Jは、孔部35~38よりも外筒17側の一対の延出部27J,28J間の長さW1と比して、孔部35~38よりも外筒17とは反対側の一対の延出部27J,28J間の長さW2が大きい。このため、鋳造時の抜き勾配を利用することで一対の延出部27J,28Jの対向面27Ja,28Ja側の加工工程を削減できる。
ナックル30は、長さW3と長さW4とが同等になっているため、特に形状を変更する必要がなく、ブラケット18Jの形状変更のみで対応できる。
なお、長さW1~W4の寸法関係は、W1<W2であれば良く、W1≒W3<W2≒W4とすることも可能である。このような寸法関係とすれば、ナックル30の形状を変更する必要があるが、それ以外の上記効果は得られる。その上で、ナックル30とブラケット18Jとを組み付け性を損なわずに組み付けることができる。
以上に述べた本発明の第1の態様によれば、緩衝器は、筒状の内筒と、相対移動部材と、筒状の外筒と、一対の延出部を有するブラケットと、を備える。前記相対移動部材は、前記内筒の軸方向一端から該内筒の内部に挿入され、該内筒に対し軸方向に相対的に移動することによって減衰力が生じる。前記外筒は、開口を有し前記内筒が内部に挿入されて固定される。前記一対の延出部は、前記外筒の周方向に離間した異なる位置からそれぞれ該外筒の径方向における外側へ延びる。前記一対の延出部には、孔部と、剛性低下部が設けられる。前記孔部は、前記一対の延出部間に配置される取付部材の取付穴と対向する位置に設けられる。前記剛性低下部は、該孔部と前記外筒の軸方向における同位置であって、かつ、前記孔部よりも前記外筒側の配設位置に配される。前記剛性低下部は、該配設位置とは異なる位置よりも剛性が低い。これにより、組み付け性の向上を図ることができる。
第2の態様は、第1の態様において、前記剛性低下部は、前記一対の延出部の対向面側に形成される凹部である。
第3の態様は、第1の態様において、前記剛性低下部は、前記一対の延出部の非対向面側に形成される凹部である。
第4の態様は、第1の態様において、前記剛性低下部は、前記一対の延出部の材料よりも低剛性の材料である。
第5の態様は、第1の態様において、前記剛性低下部は、貫通孔である。
第6の態様は、第2または第3の態様において、前記凹部は、前記外筒の軸方向における前記延出部の一端から他端まで形成されている。
第7の態様は、第1乃至第6のいずれか一態様において、前記外筒と前記延出部とは、熱や力により形が与えられた金属で一体に形成される。
第8の態様は、第1乃至第7のいずれか一態様において、前記ブラケットは、前記外筒の外周に嵌合される嵌合部と、該嵌合部に一体的に形成される前記一対の延出部と、からなる。
第9の態様によれば、緩衝器は、筒状の内筒と、相対移動部材と、筒状の外筒と、一対の延出部を有するブラケットと、を備える。前記相対移動部材は、前記内筒の軸方向一端から該内筒の内部に挿入され、該内筒に対し軸方向に相対的に移動することによって減衰力が生じる。前記外筒は、開口を有し前記内筒が内部に挿入されて固定される。前記一対の延出部は、前記外筒の周方向に離間した異なる位置からそれぞれ該外筒の径方向における外側へ延びる。前記一対の延出部には、前記一対の延出部間に配置される取付部材の取付穴と対向する位置に孔部が設けられる。該孔部よりも前記外筒側の前記一対の延出部間の前記外筒の周方向における長さと比して、前記孔部よりも前記外筒の径方向における外側の前記一対の延出部間の前記外筒の周方向における長さが大きい。これにより、組み付け性の向上を図ることができる。