JP7482361B1 - モータ制御装置およびモータ制御方法 - Google Patents

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Abstract

モータ制御装置は、モータと、電流制御部と、機能安全部と、判定部と、を備え、電流制御部は、前記モータに供給する駆動電流を制御し、記機能安全部は、前記電流制御部と別系統であって、前記駆動電流を遮断するためのSTO信号を出力し、前記判定部は、前記機能安全部から出力された前記STO信号を受信し、前記電流制御部から前記モータに対し送信する電流指令値と前記モータの電流実測値との電流差が第1の閾値以上である電流乖離状態か否かを判定し、前記電流乖離状態であると判定し(St101のYES)、かつ前記STO信号を受信した場合(St102のYES)に、機能安全に関する異常が発生していると判定する。

Description

本開示は、モータ制御装置およびモータ制御方法に関する。
特許文献1には、電動機の電流を推定する電流推定部と、電流の異常を検出する電流異常検出部と、電流異常検出部に基づいて電流異常時停止するまでの間、推定電流に基づいて電動機を停止させる停止処理部と、を備える電動機制御装置が開示されている。
特開2011-024295号公報
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、異常が発生した時に異常の要因を特定することを目的とする。
本開示は、モータと、電流制御部と、機能安全部と、判定部と、を備え、前記電流制御部は、前記モータに供給する駆動電流を制御し、前記機能安全部は、前記電流制御部と別系統であって、前記駆動電流を遮断するためのSTO信号を出力し、前記判定部は、前記機能安全部から出力された前記STO信号を受信し、前記電流制御部から前記モータに対し送信する電流指令値と前記モータの電流実測値との電流差が第1の閾値以上である電流乖離状態か否かを判定し、前記電流乖離状態であると判定し、かつ前記STO信号を受信した場合に、機能安全に関する異常が発生していると判定する、モータ制御装置を提供する。
また、本開示は、モータに供給する駆動電流を制御し、前記モータに供給される前記駆動電流を遮断するためのSTO信号を出力し、前記STO信号を受信し、前記モータに対し送信された電流指令値と前記モータの電流実測値との電流差が第1の閾値以上である電流乖離状態か否かを判定し、前記電流乖離状態であると判定し、かつ前記STO信号を受信した場合、機能安全に関する異常が発生していると判定する、モータ制御方法を提供する。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示によれば、異常が発生した時に異常の要因を特定することができる。
本実施の形態に係るモータ制御システムのシステム構成図 モータ制御CPUのブロック図 ブレーキの異常を説明する図 機能安全部の検出する異常を説明する図 異常の要因を判定する処理のフローチャート
(本実施の形態に至る経緯)
モータを駆動する方法として、モータに取付けられるエンコーダにより検出されたモータの位置、モータの速度とモータに流れる電流の実測値との各種のデータをフィードバックすることにより、モータを駆動するためのPWM(Pulse Width Modulation)指令を用いた制御方法が知られている。このPWM指令はモータに接続されるサーボアンプに送られ、サーボアンプ内のインバータによるスイッチングによりモータに流す電流値が制御されることで、モータが駆動される。
しかしながら、何かしらの要因により、モータにPWM指令通りの電流を流すことができなくなる場合がある。この場合、電流指令値とフィードバックにより得られる実測電流値とが乖離(いわゆる電流乖離)し、異常として検出される。なお、異常の検出手段には様々な手段が知られており、電流制御による異常手段によると早期に検出することができることが知られている。以下、電流乖離が起きている状態を電流乖離状態と称する。
特許文献1に開示されている電動機制御装置は、モータに流れる電流値を推定しておき、異常が発生した時には実測の電流値を用いず推定した電流値を用いてモータを停止する。しかしながら、特許文献1に開示されている電動機制御装置は、異常を検出した際に安全にモータを停止することが可能である一方で、発生した異常の要因を特定することが困難であるという課題がある。
以下、図面を適宜参照して、本開示に係るモータ制御装置およびモータ制御方法を具体的に開示した実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明および実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るモータ制御システム1のシステム構成について説明する。図1は、モータ制御システム1のシステム構成図である。
モータ制御システム1は、表示装置10、制御装置30、ブレーキBR、モータMTおよびエンコーダENを含む。
表示装置10は、表示・操作デバイス11、表示CPU12、第1のメモリ13および第1の通信I/F14を含む。表示装置10は、例えば、ティーチングペンダント、パーソナルコンピュータまたはスマートフォン等である。
表示・操作デバイス11は、表示CPU12から受信した信号を表示するデバイスである。以下、CPUは、Central Processing Unitの略である。表示・操作デバイス11は、例えば、タッチパネルディスプレイ等である。表示・操作デバイス11は、表示した画面に対しユーザ(例えば、モータを管理する人)から入力を受け付けてもよい。なお、表示・操作デバイス11は、制御装置30に組み込まれてもよい。
表示CPU12は、上位CPU31から受信した信号に基づき表示・操作デバイス11に表示させる画面を生成する。表示CPU12は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphical Processing Unit)もしくはFPGA(Field Programmable Gate Array)である。表示CPU12は、表示装置10の全体的な動作を司るコントローラとして機能する。表示CPU12は、表示装置10の各部の動作を統括するための制御処理、表示装置10の各部との間のデータの入出力処理およびデータの記憶処理を行う。表示CPU12は、第1のメモリ13に記憶されたプログラムに従って動作する。表示CPU12は、動作時に第1のメモリ13を使用し、表示CPU12が生成または取得したデータを第1のメモリ13に一時的に保存する。
第1のメモリ13は、例えばRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを用いて構成され、表示装置10の動作に必要なプログラム、さらには、動作中に生成されたデータを一時的に保持する。RAMは、例えば、表示装置10の動作中に使用されるワークメモリである。ROMは、例えば、表示装置10を制御するためのプログラムを予め記憶して保持する。第1のメモリ13は、表示CPU12から受信した表示・操作デバイス11に表示させる画面の情報を一時的に保存してもよい。
第1の通信I/F14は、表示装置10と制御装置30との間で無線または有線で通信を行うインターフェース回路である。ここでI/Fは、インターフェースのことを表す。表示装置10と制御装置30との通信は、ネットワークを介してもよい。第1の通信I/F14による通信方式は、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、LTE(Long Term Evolution)、5G等の移動体通信、電力線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)または携帯電話用の通信等である。
制御装置30は、モータMTの制御を行う装置である。制御装置30は、上位CPU31、機能安全部32、モータ制御CPU33およびアンプ34を含む。
上位CPU31は、モータMTに異常が発生した際(つまり、電流乖離状態が発生した際)に機能安全部32またはモータ制御CPU33から電流乖離状態の要因に関する情報を受信する。上位CPU31は、モータMTに電流乖離状態の要因に関する情報を表示装置10に送信する。上位CPU31は、例えば、CPU、DSP、GPUもしくはFPGAである。上位CPU31は、第2のメモリ35に記憶されたプログラムに従って動作する。上位CPU31は、動作時に第2のメモリ35を使用し、上位CPU31が生成または取得したデータを第2のメモリ35に一時的に保存する。上位CPU31は、第2の通信I/F36を介して表示CPU12にデータを出力する。上位CPU31は、機能安全部32およびモータ制御CPU33に通信可能に接続される。
機能安全部32は、モータ制御CPU33とは別にモータMTの電流駆動を強制的に遮断する装置である。例えば、人と協働運転する産業用ロボットをモータMTで駆動する場合、機能安全部32は、産業用ロボットの安全規格に基づき、産業用ロボットと人との相対位置、動作速度および力出力が適切な状態でなくなった際にモータMTを停止させる。機能安全部32は、モータMTの位置および速度を監視しアンプ34からモータMTへの電流の供給を停止する。また、機能安全部32は、外部からのモータMTの停止を指示する入力またはインターロックに関する入力を受け付け、モータMTを停止させてもよい。機能安全部32は、例えば、少なくとも1つのCPUによって構成される。機能安全部32は、上位CPU31、アンプ34およびエンコーダENと通信可能に接続される。
モータ制御CPU33は、外部からのモータMTの位置の指令およびモータMTの位置のフィードバックに従ってモータMTを駆動する。モータ制御CPU33は、モータMTの回転制御をするためにモータMTに流す電流に関して、モータMTの保持する回転子(ロータ)が保持する永久磁石の磁束方向であるd軸とこのd軸に直交するq軸とからなるdq軸座標系に基づく電流ベクトル制御を行う。より具体的には、例えば、モータ制御CPU33は、d軸において入力をd軸電流値としてd軸に対する電圧指令(以下、d軸電圧指令と称する)を生成し、q軸において入力をq軸電流値としてq軸に対する電圧指令(以下、q軸電圧指令と称する)を生成する電流ベクトル制御に基づく電流制御を行う。なお、モータ制御CPU33の実行するモータMTの回転制御は、上述した例に限られず、d軸においては、入力をd軸電流値としてd軸電圧指令を生成する電流ベクトル制御に基づく電流制御を行い、q軸においては、入力を回転速度としてq軸電圧指令を生成する速度制御に基づく電圧制御を行う制御でもよい。モータ制御CPU33は、上位CPU31、機能安全部32、アンプ34、第2のメモリ35、ブレーキBRおよびエンコーダENに通信可能に接続される。モータ制御CPU33は、上述したベクトル制御を用いてモータMTに供給する電流の指令をアンプ34に出力する。モータ制御CPU33の詳しい内部構成に関しては図2で説明する。
アンプ34は、モータ制御CPU33からの電流指令値に基づきモータMTに電流を供給する。アンプ34は、例えば、サーボアンプ等である。アンプ34は、モータ制御CPU33からの電流指令値の通りにモータMTに電流を供給するため、電源部334(図2参照)から供給される電流を増幅し、増幅した電流をモータMTに供給する。アンプ34は、機能安全部32、モータ制御CPU33およびモータMTに接続される。
第2のメモリ35は、例えばRAMとROMとを用いて構成され、制御装置30の動作に必要なプログラム、さらには、動作中に生成されたデータを一時的に保持する。RAMは、例えば、制御装置30の動作中に使用されるワークメモリである。ROMは、例えば、制御装置30を制御するためのプログラムを予め記憶して保持する。第2のメモリ35は、モータ制御CPU33が算出したアンプ34に送信する電流指令値およびモータ制御CPU33が上位CPU31に出力する電流乖離状態の要因の情報を一時的に保存してもよい。
第2の通信I/F36は、表示装置10と制御装置30との間で無線または有線で通信を行うインターフェース回路である。表示装置10と制御装置30との通信は、ネットワークを介してもよい。第2の通信I/F36による通信方式は、例えば、WAN、LAN、LTE、5G等の移動体通信、電力線通信、近距離無線通信(例えばBluetooth(登録商標)通信)または携帯電話用の通信等である。
ブレーキBRは、モータ制御CPU33から受信した制御信号に基づきモータMTの回転運動に停止させるブレーキをかける。ブレーキBRは、例えば、摩擦制動部材を有し、モータMTの回転子(ロータ)に摩擦制動部材を押し付けることでモータMTの回転運動を停止する。なお、ブレーキBRのモータMTにブレーキをかける方法は上述した例に限られない。
モータMTは、例えば永久磁石型同期モータ(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)等のブラシレスモータであり、シャフトを中心とした回転可能であって永久磁石(図示略)を保持した回転子(ロータ)と、3相分の巻線をステータコアに巻回した3相のコイルを含む固定子(ステータ)とを有する。回転子が固定子に対向するように回転自在に配置されている。モータMTでは、U相、V相、W相のそれぞれの巻線(コイル)にアンプ34から互いに120度位相が異なる交流電力が供給されることで、モータMTの回転子がシャフトを中心に回転動作する。図2では、U相、V相、W相とする3相の交流電力でモータMTが駆動される構成例を挙げている。
エンコーダENは、モータMTに取り付けられている。エンコーダENは、モータMTの回転子(図示略)の回転位置に応じた信号を機能安全部32およびモータ制御CPU33に出力する。このように、エンコーダENは、モータMTの回転子の回転位置を電気角として検出する。なお、回転子の回転位置または回転速度を推定によって検出できる場合には、エンコーダENの構成は省略してもよい。また、エンコーダENの代わりに、モータMTの回転位置を検出可能なホール素子が回転子の近辺に配置されても構わない。この場合、ホール素子により検出された位置情報を示す信号がフィードバック信号として機能安全部32およびモータ制御CPU33のそれぞれに入力される。
次に、図2を参照して、モータ制御CPUのブロック図について説明する。図2は、モータ制御CPUのブロック図である。
モータ制御CPU33は、ブレーキ制御部331、位置制御部332、速度制御部333、電源部334、電流制御部335、処理部336および異常検出部337を有する。
ブレーキ制御部331は、ブレーキBRのオンとオフとを切り替える制御を行う。ブレーキ制御部331は、制御CPU3311(図3参照)およびリレー3312(図3参照)を含む。ブレーキ制御部331は、モータMTに対しブレーキをかける(つまり、ブレーキをオンにする)もしくはブレーキを解除する(つまり、ブレーキをオフにする)信号をブレーキBRに出力する。ブレーキ制御部331は、現在ブレーキBRに対して出力している信号の情報を異常検出部337に出力する。現在ブレーキBRに対して出力している信号とは、ブレーキBRをオンにする信号もしくはブレーキBRをオフにする信号である。また、ブレーキ制御部331は、ブレーキ制御部331内で異常が発生していることを検知した場合、異常が発生している旨の信号を異常検出部337に出力する。ブレーキ制御部331内で発生する異常に関しては図3で説明する。
位置制御部332は、少なくとも外部からのモータMTの位置に関する指令値(以下、位置指令値と称する)θ*と処理部336からのモータMTの位置のフィードバック信号(以下、位置FBと称する)θとに基づいて速度に関する指令値(以下、速度指令値と称する)ω*を算出する。位置制御部332は、算出した速度指令値ω*を速度制御部333に出力する。なお、FBはFeedbackの略である。
速度制御部333は、位置制御部332から受信した速度指令値ω*と処理部336からのモータMTの速度のフィードバック信号(以下、速度FBと称する)ωとに基づいて、q軸に対する電流の目標値である電流指令値(以下、q軸電流指令値と称する)Iq*とd軸に対する電流の目標値である電流指令値(以下、d軸電流指令値と称する)Id*とを算出する。速度制御部333は、算出したd軸電流指令値Id*を第1のPI制御部3351に出力する。速度制御部333は、算出したq軸電流指令値Iq*を第2のPI制御部3352に出力する。
電流制御部335は、モータMTの界磁方向であるd軸とこのd軸に直交する方向であるq軸とのそれぞれへの電圧指令(後述するq軸電圧指令値Vd*およびd軸電圧指令値Vq*)を、モータMTのU相、V相、W相に与える3相電圧指令(PWM指令)に変換する2相-3相変換の処理を行う。電流制御部335は、第1のPI制御部3351、第2のPI制御部3352、PWM指令生成部3353およびdq変換部3354を有する。
第1のPI制御部3351は、速度制御部333からのd軸電流指令値Id*の値とdq変換部3354からのd軸電流Idとの差分である誤差がゼロとなるようにd軸電圧指令値Vd*を生成する。d軸電圧指令値Vd*は、d軸に対する電圧の目標値である。d軸電流Idに関しては後述する。例えば、第1のPI制御部3351は、d軸電流指令値Id*の値とd軸電流Idとの値との差分に対して比例積分処理を行い、その比例積分の結果をd軸電圧指令値Vd*とする。
第2のPI制御部3352は、速度制御部333からのq軸電流指令値Iq*の値とdq変換部3354からのq軸電流Iqとの差分である誤差がゼロとなるようにq軸電圧指令値Vq*を生成する。q軸電圧指令値Vq*は、q軸に対する電圧の目標値である。q軸電流Iqに関しては後述する。例えば、第2のPI制御部3352は、q軸電流指令値Iq*の値とq軸電流Iqとの値との差分に対して比例積分処理を行い、その比例積分の結果をq軸電圧指令値Vq*とする。
PWM指令生成部3353は、第1のPI制御部3351からのd軸電圧指令値Vd*と第2のPI制御部3352からのq軸電圧指令値Vq*と、エンコーダENにより検出された回転子(図示略)の電気角とから、モータMTの各相に与える駆動電圧に対応するPWM指令である電圧指令U1、U2、V1、V2、W1、W2を算出し、アンプ34に出力する。ここで、電圧指令U1,U2は、それぞれ、電源部334からアンプ34に供給される正電圧Vpと負電圧Vnとに対応し、U相に与える電圧指令である。電圧指令V1,V2は、それぞれ、電源部334からアンプ34に供給される正電圧Vpと負電圧Vnとに対応し、V相に与える電圧指令である。電圧指令W1,W2は、それぞれ、電源部334からアンプ34に供給される正電圧Vpと負電圧Vnとに対応し、W相に与える電圧指令である。
dq変換部3354は、第1の電流検出部DT(図示略)1によって検出されたU相電流Iuと、第2の電流検出部DT2(図示略)によって検出されたV相電流Ivと、エンコーダENにより検出された回転子(図示略)の電気角とから、d軸およびq軸の検出電流であるd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。U相電流Iuは、U相に流す電流値のフィードバックである。V相電流Ivは、V相に流す電流値のフィードバックである。d軸電流Idは、d軸電流のフィードバックとして第1のPI制御部3351に入力される。q軸電流Iqは、q軸電流のフィードバックとして第2のPI制御部3352に入力される。
電源部334は、アンプ34に交流の電源電圧Edを供給する。電源部334は、交流電源3341、ダイオード3342、コンデンサ3343および検出部3344が並列に接続され、アンプ34に対し正の交流電圧Vpおよび負の交流電圧Vnを供給する。電源電圧取得部の一例である検出部3344は、電源電圧Edを検出し異常検出部337に出力する。
処理部336は、エンコーダENにより検出された電気角(つまり、位置FBθ)を位置制御部332に出力する。処理部336は、エンコーダENにからの位置FBθの単位時間当たりの変化量からモータMTの回転子の回転速度である速度FBωを算出し速度制御部333に出力する。
判定部の一例として異常検出部337は、モータMTに実際に流している電流実測値と電流指令値とを監視し、電流実測値と電流指令値とに乖離がある場合に、電流乖離状態として何らかの異常が発生していると推定する。異常検出部337は、dq変換部3354からのq軸電流Iqと速度制御部333からのq軸電流指令値Iq*との値の差Δiqを算出する。異常検出部337は、ブレーキ制御部331から現在ブレーキBRに対して出力している信号またはブレーキ制御部331内で発生している異常に関する信号を受信する。異常検出部337は、処理部336から位置FBθおよび速度FBωを受信する。異常検出部337は、検出部3344から電源電圧Edを受信する。異常検出部337は、機能安全部32からSTO信号を受信する。STOは、Safe Torque Offの略である。STO信号は、機能安全部32が何らかの異常を検出した場合にモータMTを停止させる信号のことである。
アンプ34は、PWM指令生成部3353から受信した電圧指令U1、U2、V1、V2、W1、W2に基づき、電源部334から供給される正の交流電圧Vpおよび負の交流電圧VnをU相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwに変換しモータMTに供給する。
次に、図3を参照して、ブレーキBRの異常を説明する。図3は、ブレーキBRの異常を説明する図である。
ブレーキ制御部331は、制御CPU3311とリレー3312とを有する。制御CPU3311は、リレー3312に対してブレーキBRをオンにするまたはオフにする旨の信号を出力する。
リレー3312は、制御CPU3311からの信号に基づき電気回路のオンとオフとを切り替える。リレー3312は、例えば、有接点リレーであるメカニカルリレーまたは無接点リレーであるMOS FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)リレー等である。なお、リレー3312は、上述した例に限られない。リレー3312がオンになると、ブレーキBRがオンになり、リレー3312がオフになるとブレーキBRがオフになる。
ブレーキBRの異常として考えられるものとして、ブレーキ制御部331内で発生している異常とブレーキBRそのものが壊れている異常とが挙げられる。
ブレーキ制御部331内で発生している異常について説明する。制御CPU3311は、制御CPU3311からリレー3312に送られる信号と、リレー3312から制御CPU3311に対するリレーの状態を示すリレーフィードバック信号とが一致するか否かを判定する。制御CPU3311は、リレー3312に対してブレーキBRをオンにする信号を送信しリレー3312がオフである旨のフィードバック信号をリレー3312から受信した場合、リレー3312が制御信号通りにオンできておらずリレー3312の回路の不具合もしくは誤配線を検出する。
また、制御CPU3311は、リレー3312に対してブレーキBRをオフにする信号を送信しリレー3312がオンである旨のフィードバック信号をリレー3312から受信した場合、リレー3312が制御信号通りにオフできておらずリレー3312の接点が溶着していることを検出する。
制御CPU3311は、ブレーキ制御部331内での異常を検知した際、発生した異常の内容に関する信号を異常検出部337に出力する。なお、制御CPU3311は、リレー3312に出力した信号とリレー3312からのフィードバック信号とを異常検出部337(図2参照)に出力してもよい。この場合、異常検出部337は、制御CPU3311から受信した信号に基づき電流乖離状態が発生した要因を判定する。
次に、ブレーキBRそのものが壊れている異常について説明する。ブレーキBRそのものの異常として、例えば、モータMTの回転子に押し当てる摩擦制動部材が摩耗しモータMTの回転を止めることができない、摩擦制動部材が破損しているまたは摩擦制動部材が回転子から適切に離すことができずブレーキを解除できない等が挙げられる。
異常検出部337は、ブレーキ制御部331から現在ブレーキBRに対し出力している信号と処理部336から位置FBθとを受信する。異常検出部337は、ブレーキ制御部331からの信号と位置FBθとに基づきブレーキBRに異常があるか否かを判定する。異常検出部337は、ブレーキ制御部331から受信した信号がブレーキBRをオンにする信号であり、位置FBθからモータMTが停止していないことが判別される場合、ブレーキBRに異常があると判定する。
以下、ブレーキBRに関する異常のことをブレーキ異常と称する。
次に、図4を参照して、機能安全部の検出する異常を説明する。図4は、機能安全部の検出する異常を説明する図である。
機能安全部32は、2つのCPU(第1のCPU321、第2のCPU322)を有する。なお、機能安全部32の有するCPUの数は2つに限られず3つ以上の複数であってもよい。
第1のCPU321および第2のCPU322は、エンコーダENからエンコーダデータとして、位置FBθを受信する。第1のCPU321および第2のCPU322は、位置FBθから算出したモータMTの位置が所定の設定領域外に出た場合、異常を検出する。第1のCPU321および第2のCPU322は、位置FBθから算出したモータMTの速度が異常な値(異常速度と称する)以上になった場合、異常を検出する。異常速度は、予め定められた閾値である。機能安全部32は、異常検出部337にモータMTの位置または速度が異常である旨のSTO信号を出力する。
また、第1のCPU321および第2のCPU322は、アンプ34に出力したSTO信号とアンプ34から取得したSTO信号に基づきモータMTへの電流の供給状態を示すフィードバック信号(以下、STO信号FBと称する)とが一致しているか否かを判定する。第1のCPU321および第2のCPU322は、STO信号とSTO信号FBとが一致しないと判定した場合、STO信号に基づきアンプ34がモータMTに電流の供給を停止していないとして異常を検出する。つまり、第1のCPU321および第2のCPU322は、アンプ34に異常があることを検出する。機能安全部32は、アンプ34に異常がある旨のSTO信号を異常検出部337に出力する。
また、第1のCPU321および第2のCPU322は、互いの状態を所定の時間間隔(例えば、10秒に1回等)で監視しCPU内に異常(障害)が発生していないかを監視する。例えば、第1のCPU321および第2のCPU322は、他方のCPUが動作不可能になっているまたは実行すべき処理ができていない等を監視する。第1のCPU321または第2のCPU322が、他方のCPUに異常が発生していることを検知した場合、異常検出部337に第1のCPU321または第2のCPU322に異常が発生している旨のSTO信号を出力する。
また、第1のCPU321および第2のCPU322は、外部から非常停止を指示する入力またはインターロックを指示する入力を受信した際、互いの状態を監視し受信した信号の状態が一致するか否かを判定する。第1のCPU321および第2のCPU322は、外部から受信した信号の状態が一致しないと判定した場合、CPUに異常が発生している旨のSTO信号を異常検出部337に出力する。
機能安全部32は、異常を検出した際にアンプ34にSTO信号を出力しアンプ34からモータMTへの電流の供給を停止させる。また、異常検出部337は、機能安全部32からSTO信号を受信した際、ブレーキ制御部331にブレーキBRをオンにさせる信号を出力しブレーキBRによりモータMTを機械的に停止させる。制御装置30は、モータMTへの電流の供給を停止させ、さらにブレーキBRも用いてモータMTを機械的に停止させることで、機能安全部32で異常が検出された際にモータMTを安全かつ確実に停止させることができる。
以下、機能安全部32が検出する異常のことをSTO異常と称する。
次に、図5を参照して、異常の要因を判定する処理について説明する。図5は、異常の要因を判定する処理のフローチャートである。図5のフローチャートの各処理は、異常検出部337によって実行される。
異常検出部337は、dq変換部3354からのq軸電流Iqと速度制御部333からのq軸電流指令値Iq*との値の差Δiqを算出する(ステップSt100)。ここでΔiqは、モータMTに実際に流している電流と指令値との差を表し、Δiqの絶対値が大きい程モータMTに実際に流している電流と指令値と間に電流乖離があることを表す。つまり、Δiqの絶対値が大きい程、指令通りにモータMTに電流が流れておらず、モータMTは電流乖離状態となる。なお、Δiqの値は正負どちらでもよい。例えば、Δiqが正の値の場合、指令値よりも小さい電流しかモータMTに流れていないことを表す。また、Δiqが負の値の場合、指令値よりも大きい電流がモータMTに流れていることを表す。
異常検出部337は、Δiqの絶対値が第1の閾値ALM1以上か否かを判定する(ステップSt101)。
異常検出部337は、Δiqの絶対値が第1の閾値ALM1より小さいと判定した場合(ステップSt101,NO)、異常は発生していないとして処理を終了する。
異常検出部337は、Δiqの絶対値が第1の閾値ALM1以上(つまり、電流乖離が発生している)と判定した場合(ステップSt101,YES)、機能安全部32のSTO信号の出力がオフになっているか否かを判定する(ステップSt102)。異常検出部337は、例えば、機能安全部32からSTO信号を受信しているか否かによって機能安全部32のSTO信号がオフになっているか否かを判定する。
異常検出部337は、機能安全部32のSTO信号の出力がオフになっていない(つまり、機能安全部32からSTO信号を受信した)と判定した場合(ステップSt102,YES)、STO異常を検出する(ステップSt103)。異常検出部337は、ステップSt103の処理のあとステップSt113の処理を実行する。
異常検出部337は、機能安全部32のSTO信号の出力がオフになっている(つまり、機能安全部32からSTO信号を受信していない)と判定した場合(ステップSt102,NO)、ブレーキBRは正常であるか否かを判定する(ステップSt104)。
異常検出部337は、ブレーキBRは正常ではない(つまり、ブレーキBRに異常が発生している)と判定した場合(ステップSt104,NO)、ブレーキ異常を検出する(ステップSt105)。異常検出部337は、ステップSt105の処理のあとステップSt113の処理を実行する。
異常検出部337は、ブレーキBRは正常であると判定した場合(ステップSt104,YES)、検出部3344から電源電圧Edを取得する(ステップSt106)。
異常検出部337は、電源電圧Edが第2の閾値ALM2に対して適切な値であるか否かを判定する(ステップSt107)。例えば、ステップSt100の処理でΔiqが正の値である場合、モータMTには指令値よりも小さい電流しか流れていないので、異常検出部337は、ステップSt107の処理で電源電圧Edが第2の閾値ALM2以上であるか否かを判定する。一方、ステップSt100の処理でΔiqが負の値である場合、モータMTには指令値よりも大きい電流が流れているので、異常検出部337は、ステップSt107の処理で電源電圧Edが第2の閾値ALM2より小さいか否かを判定する。
異常検出部337は、電源電圧Edが第2の閾値ALM2に対して適切な値でないと判定した場合(ステップSt107,NO)、電源電圧Edに異常があることを検出する(ステップSt108)。電源電圧Edの異常として、具体的には、電源電圧Edを検出する検出部3344の破損または電源部334の異常等である。異常検出部337は、ステップSt108の処理のあとステップSt113の処理を実行する。
異常検出部337は、電源電圧Edが第2の閾値ALM2に対して適切な値であると判定した場合(ステップSt107,YES)、処理部336から速度FBωを取得する。なお、異常検出部337は、処理部336から位置FBθを取得して速度FBωを算出してもよい。異常検出部337は、速度制御部333から速度指令値ω*を取得する。異常検出部337は、速度指令値ω*から速度FBωを引いたΔωを算出する(ステップSt109)。なお、Δωは、正負どちらでもよい。Δωが正の場合、指令値よりもモータMTの回転速度が遅いことを表す。Δωが負の場合、指令値よりもモータMTの回転速度が速いことを表す。
異常検出部337は、Δωの絶対値が第3の閾値ALM3以上であるか否かを判定する(ステップSt110)。異常検出部337は、Δωの絶対値が第3の閾値ALM3以上であると判定した場合(ステップSt110,YES)、モータMTに電力を供給する動力線に異常があることを検出する(ステップSt111)。つまり、異常検出部337は、動力線に異常があり、モータMTに電流指令値通りに電流が供給できていないと推定する。異常検出部337は、ステップSt111の処理のあとステップSt113の処理を実行する。
異常検出部337は、Δωの絶対値が第3の閾値ALM3より小さいと判定した場合(ステップSt110,NO)、モータMTに対し過負荷がかかっていることを検出する(ステップSt112)。モータMTに対する過負荷は、例えば、モータMTが駆動する機械が他の機械と衝突する、重さがかかるまたは他の装置等により動きがロックされる等によってモータMTに負荷がかかることである。モータMTに負荷がかかると電流指令値を超えた電流がモータMTに流れることがある。
異常検出部337は、ステップSt103、St105、St108、St111およびSt112の処理の後、異常処理としてモータMTを停止させる(ステップSt113)。異常検出部337は、異常処理として、アンプ34に対しモータMTへの電流の供給を停止させる信号を送信する。また、異常検出部337は、ブレーキ制御部331に対しブレーキBRをオンにさせる信号を送信する。これにより、異常検出部337は、モータMTへの電流供給を停止させ、ブレーキBRを用いて機械的にモータMTを停止する。
異常検出部337は、ステップSt113の処理のあと、発生した異常の種類を上位CPU31に出力する。例えば、異常検出部337は、ステップSt103の処理でSTO異常を検出した場合、STO異常を検出した旨の信号を上位CPU31に出力する。なお、異常検出部337は、ステップSt105、St108、St111およびSt112の処理に関しても同様に検出した異常の内容を上位CPU31に出力する(ステップSt114)。上位CPU31は、異常検出部337から受信した異常の内容を表示装置10に出力し表示・操作デバイス11に表示させる。これにより、制御装置30は、異常が発生しモータMTを停止させた際に、発生した異常の要因をユーザに対し報知することができる。これにより、制御装置30は、ユーザの行う発生した異常を解消する作業を支援することができる。
以上により、制御装置30は、電流乖離状態を検出した際に、速やかかつ安全にモータMTを停止させ、かつ電流乖離状態が発生した要因を判別し、ユーザに報知することができる。
なお、電流乖離状態の要因を判別する順番は図5に示すフローチャートの順番に限られない。例えば、異常検出部337は、電流乖離状態が発生する可能性の高い要因から先に判別してもよい。例えば、機能安全部32に関する異常が発生している可能性が高いため、異常検出部337は、STO異常から判定する。
(本実施の形態のまとめ)
以上の本実施の形態の記載により、下記技術が開示される。
<技術1>
本実施の形態に係るモータ制御装置(例えば、制御装置30)は、モータ(例えば、モータMT)と、モータに供給する駆動電流を制御する電流制御部(例えば、電流制御部335)と、電流制御部と別系統であって、モータに供給される駆動電流を遮断するためのSTO信号を出力する機能安全部(例えば、機能安全部32)と、機能安全部から出力されたSTO信号を受信する判定部(例えば、異常検出部337)と、を備える。判定部は、電流制御部から前記モータに対し送信する電流指令値と前記モータの電流実測値との電流差が第1の閾値以上である電流乖離状態か否かを判定し、電流乖離状態であると判定し、かつSTO信号を受信した場合に、機能安全に関する異常が発生していると判定する。
これにより、本実施の形態に係るモータ制御装置は、モータに対する電流指令値と実測電流値との差から電流乖離状態を検出し、機能安全部からのSTO信号の受信に基づき電流乖離状態の要因を判別することができる。モータ制御装置は、電流乖離状態となった要因を判別することでユーザの行う電流乖離状態を解消するための作業を支援することができる。これにより、モータ制御装置は、電流乖離状態が発生した場合に、要因を解消し速やかに復旧することができる。
<技術2>
技術1に記載のモータ制御装置において、機能安全部は、モータに取付けられるエンコーダからモータの位置データを取得し、位置データが示す位置が所定の領域外にある異常位置状態か否かを判定し、異常位置状態であると判定した場合、STO信号を判定部に送信する。
これにより、本実施の形態に係るモータ制御装置は、電流乖離状態が検出された際、電流乖離状態がモータの位置の異常に起因するものであることを判別することができる。
<技術3>
技術1または2に記載のモータ制御装置において、機能安全部は、モータに取付けられるエンコーダからモータの速度データを取得し、速度データが示す速度が異常速度以上である異常速度状態か否かを判定し、異常速度状態であると判定した場合、STO信号を前記判定部に送信する。
これにより、本実施の形態に係るモータ制御装置は、電流乖離状態が検出された際、電流乖離状態がモータの速度の異常に起因するものであることを判別することができる。これにより、モータ制御装置は、例えば、モータの速度に異常があることを検知することでモータの速度を司るアンプからの電流供給に異常がある可能性が高いことをユーザに報知することができる。
<技術4>
技術1から3のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、機能安全部は、駆動電流をモータに供給するアンプにSTO信号を出力し、アンプからSTO信号に基づきモータへの前記駆動電流の供給状態を示すSTOフィードバック信号を取得し、STO信号とSTOフィードバック信号とが一致しないアンプ異常状態か否かを判定し、アンプ異常状態であると判定した場合、STO信号を判定部に送信する。
これにより、本実施の形態に係るモータ制御装置は、電流乖離状態が検出された際、アンプに異常があることを判別することができる。これにより、モータ制御装置は、ユーザにアンプに異常があることを報知し早急に電流乖離状態から復旧することを支援することができる。
<技術5>
技術1から4のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、機能安全部は、STO信号を出力する第1プロセッサと第2プロセッサとを有し、第1プロセッサと第2プロセッサとは互いの処理動作を監視し、処理動作が一致しない場合、STO信号を判定部に送信する。
これにより、本実施の形態に係るモータ制御装置は、電流乖離状態の要因が機能安全部内のCPUの異常によるものであることを判別することができる。これにより、モータ制御装置は、ユーザに機能安全部内のCPUの異常を報知することでCPUの交換等により電流乖離状態を早急に解決することを支援することができる。
<技術6>
技術1から5のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、機能安全部は、第1プロセッサに入力された第1信号と第2プロセッサに入力された第2信号とが一致しない場合、STO信号を判定部に送信する。
これにより、本実施の形態に係るモータ制御装置は、電流乖離状態の要因が機能安全部内のCPUの異常によるものであることを判別することができる。
<技術7>
技術1から6のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、モータの駆動を制限するブレーキ(例えば、ブレーキBR)と、ブレーキを作動させるブレーキ信号をブレーキに供給し、ブレーキ信号の有無を示すブレーキ状態信号を出力するブレーキ制御部(例えば、ブレーキ制御部331)と、をさらに備え、電流乖離状態であると判定し、かつブレーキ状態信号を受信した場合に、ブレーキに関する異常が発生していると判定する。
これにより、本実施の形態に係るモータ制御装置は、電流乖離状態を検出した際、ブレーキからの信号を受信することで電流乖離状態がブレーキに関する異常によって引き起こされていると特定することができる。
<技術8>
技術1から7のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、ブレーキ制御部は、ブレーキの作動のオンおよびオフを制御するリレーを有し、リレーにブレーキをオンまたはオフにするリレー制御信号を出力し、リレーからリレーの状態を示すリレーフィードバック信号を取得し、リレー制御信号が示すリレーの状態とリレーフィードバック信号が示すリレーの状態とが一致しない場合、ブレーキに関する異常が発生していると判定する。
これにより、本実施の形態のモータ制御装置は、電流乖離状態を検出した際、電流乖離状態の要因がブレーキ制御部の有するリレーの異常であることを特定することができる。
<技術9>
技術1から8のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、電源電圧の値を取得する電源電圧取得部をさらに備え、判定部は、電流乖離状態であると判定し、かつ電源電圧取得部が取得した電源電圧の値が第2の閾値以上であると判定した場合に、電源電圧に関する異常が発生していると判定する。
これにより、本実施の形態のモータ制御装置は、電流乖離状態の要因が電源電圧の不具合によるものであると特定することができる。
<技術10>
技術1から9のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、判定部は、機能安全に関する異常が発生している旨の情報を表示デバイス(例えば、表示・操作デバイス11)に表示させる。
これにより、本実施の形態のモータ制御装置は、特定した電流乖離状態が発生した要因を表示デバイスに表示させることでユーザに報知することができる。これにより、モータ制御装置は、ユーザの行う電流乖離状態を解消する作業を支援しモータを早急に復旧することができる。
<技術11>
技術1から10のいずれか1つに記載のモータ制御装置において、判定部は、電流乖離状態の要因である可能性の高いものから電流乖離状態の要因を判定する。
これにより、本実施の形態のモータ制御装置は、発生する可能性の高い要因から判定を行うことで高効率に電流乖離状態の要因を特定することができる。
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示の技術は、異常が発生した時に異常の要因を特定するモータ制御装置およびモータ制御方法として有用である。
1 モータ制御システム
10 表示装置
11 表示・操作デバイス
12 表示CPU
13 第1のメモリ
35 第2のメモリ
14 第1の通信I/F
36 第2の通信I/F
30 制御装置
31 上位CPU
32 機能安全部
33 モータ制御CPU
34 アンプ
321 第1のCPU
322 第2のCPU
331 ブレーキ制御部
332 位置制御部
333 速度制御部
334 電源部
335 電流制御部
336 処理部
337 異常検出部
3311 制御CPU
3312 リレー
3341 交流電源
3342 ダイオード
3343 コンデンサ
3344 検出部
3351 第1のPI制御部
3352 第2のPI制御部
3353 PWM指令生成部
3354 dq変換部
DT1 第1の電流検出部
DT2 第2の電流検出部
MT モータ
BR ブレーキ
EN エンコーダ

Claims (12)

  1. モータと、電流制御部と、機能安全部と、判定部と、を備え、
    前記電流制御部は、前記モータに供給する駆動電流を制御し、
    前記機能安全部は、前記電流制御部と別系統であって、前記駆動電流を遮断するためのSTO信号を出力し、
    前記判定部は、
    前記機能安全部から出力された前記STO信号を受信し、
    前記電流制御部から前記モータに対し送信する電流指令値と前記モータの電流実測値との電流差が第1の閾値以上である電流乖離状態か否かを判定し、
    前記電流乖離状態であると判定し、かつ前記STO信号を受信した場合に、機能安全に関する異常が発生していると判定する、
    モータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記機能安全部は、
    前記モータに取付けられるエンコーダから前記モータの位置データを取得し、前記位置データが示す位置が所定の領域外にある異常位置状態か否かを判定し、
    前記異常位置状態であると判定した場合、前記STO信号を前記判定部に送信する、モータ制御装置。
  3. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記機能安全部は、
    前記モータに取付けられるエンコーダから前記モータの速度データを取得し、前記速度データが示す速度が異常速度以上である異常速度状態か否かを判定し、
    前記異常速度状態であると判定した場合、前記STO信号を前記判定部に送信する、モータ制御装置。
  4. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記機能安全部は、
    前記駆動電流を前記モータに供給するアンプに前記STO信号を出力し、
    前記アンプから前記STO信号に基づき前記モータへの前記駆動電流の供給状態を示すSTOフィードバック信号を取得し、
    前記STO信号と前記STOフィードバック信号とが一致しないアンプ異常状態か否かを判定し、
    前記アンプ異常状態であると判定した場合、前記STO信号を前記判定部に送信する、モータ制御装置。
  5. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記機能安全部は、
    前記STO信号を出力する第1プロセッサと第2プロセッサとを有し、
    前記第1プロセッサと前記第2プロセッサとは互いの処理動作を監視し、
    前記処理動作が一致しない場合、前記STO信号を前記判定部に送信する、モータ制御装置。
  6. 請求項5に記載のモータ制御装置において、
    前記機能安全部は、前記第1プロセッサに入力された第1信号と前記第2プロセッサに入力された第2信号とが一致しない場合、前記STO信号を前記判定部に送信する、モータ制御装置。
  7. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    ブレーキと、ブレーキ制御部と、をさらに備え、
    前記ブレーキは、前記モータの駆動を制限し、
    前記ブレーキ制御部は、前記ブレーキを作動させるブレーキ信号を前記ブレーキに供給し、前記ブレーキ信号の有無を示すブレーキ状態信号を出力し、
    前記判定部は、前記電流乖離状態であると判定し、かつ前記STO信号を受信せず、かつ前記ブレーキ状態信号を受信した場合に、前記ブレーキに関する異常が発生していると判定する、モータ制御装置。
  8. 請求項7に記載のモータ制御装置において、
    前記ブレーキ制御部は、リレーを有し、
    前記リレーは、前記ブレーキの作動のオンおよびオフを制御し、
    前記ブレーキ制御部は、前記リレーに前記ブレーキをオンまたはオフにするリレー制御信号を出力し、
    前記リレーから前記リレーの状態を示すリレーフィードバック信号を取得し、
    前記リレー制御信号が示す前記リレーの状態と前記リレーフィードバック信号が示す前記リレーの状態とが一致しない場合、前記ブレーキに関する異常が発生していると判定する、モータ制御装置。
  9. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    電源電圧取得部をさらに備え、
    前記電源電圧取得部は、電源電圧の値を取得し、
    前記判定部は、前記電流乖離状態であると判定し、かつ前記STO信号を受信せず、かつ前記電源電圧取得部が取得した前記電源電圧の値が第2の閾値以上であると判定した場合に、前記電源電圧に関する異常が発生していると判定する、モータ制御装置。
  10. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記判定部は、前記機能安全に関する異常が発生している旨の情報を表示デバイスに表示させる、モータ制御装置。
  11. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記判定部は、前記電流乖離状態の要因である可能性の高いものから前記電流乖離状態の要因を判定する、モータ制御装置。
  12. モータに供給する駆動電流を制御し、
    前記モータに供給される前記駆動電流を遮断するためのSTO信号を出力し、
    前記STO信号を受信し、
    前記モータに対し送信された電流指令値と前記モータの電流実測値との電流差が第1の閾値以上である電流乖離状態か否かを判定し、
    前記電流乖離状態であると判定し、かつ前記STO信号を受信した場合、機能安全に関する異常が発生していると判定する、
    モータ制御方法。
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