JP7482225B2 - レーザ装置及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、レーザ装置、パルス幅伸長装置及び電子デバイスの製造方法に関する。
近年、半導体露光装置においては、半導体集積回路の微細化及び高集積化につれて、解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される光の短波長化が進められている。例えば、露光用のガスレーザ装置としては、波長約248nmのレーザ光を出力するKrFエキシマレーザ装置、並びに波長約193nmのレーザ光を出力するArFエキシマレーザ装置が用いられる。
KrFエキシマレーザ装置及びArFエキシマレーザ装置の自然発振光のスペクトル線幅は、350~400pmと広い。そのため、KrF及びArFレーザ光のような紫外線を透過する材料で投影レンズを構成すると、色収差が発生してしまう場合がある。その結果、解像力が低下し得る。そこで、ガスレーザ装置から出力されるレーザ光のスペクトル線幅を、色収差が無視できる程度となるまで狭帯域化する必要がある。そのため、ガスレーザ装置のレーザ共振器内には、スペクトル線幅を狭帯域化するために、狭帯域化素子(エタロンやグレーティング等)を含む狭帯域化モジュール(Line Narrow Module:LNM)が備えられる場合がある。以下では、スペクトル線幅が狭帯域化されるガスレーザ装置を狭帯域化ガスレーザ装置という。
米国特許第5309456号 米国特許第6238063号
概要
本開示の1つの観点に係るレーザ装置は、パルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、パルスレーザ光の光路上に配置された第1の光学パルスストレッチャと、パルスレーザ光の光路上に配置された第2の光学パルスストレッチャと、パルスレーザ光の光路上に配置された第3の光学パルスストレッチャと、を含み、第1の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL1、第2の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL2、第3の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL3、nを2以上の整数とした場合に、L2は、L1の2以上の整数倍であり、L3は、(n-0.75)×L1≦L3≦(n-0.25)×L1を満たす。
本開示の他の1つの観点に係るパルス幅伸長装置は、パルスレーザ光のパルス幅を伸長させるパルス幅伸長装置であって、パルスレーザ光の光路上に配置される第1の光学パルスストレッチャと、第2の光学パルスストレッチャと、第3の光学パルスストレッチャとを含み、第1の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL1、第2の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL2、第3の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL3、nを2以上の整数とした場合に、L2は、L1の2以上の整数倍であり、L3は、(n-0.75)×L1≦L3≦(n-0.25)×L1を満たす。
本開示の他の1つの観点に係る電子デバイスの製造方法は、パルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、パルスレーザ光の光路上に配置された第1の光学パルスストレッチャと、パルスレーザ光の光路上に配置された第2の光学パルスストレッチャと、パルスレーザ光の光路上に配置された第3の光学パルスストレッチャと、を含み、第1の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL1、第2の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL2、第3の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL3、nを2以上の整数とした場合に、L2は、L1の2以上の整数倍であり、L3は、(n-0.75)×L1≦L3≦(n-0.25)×L1を満たす、レーザ装置によってパルス幅が伸長されたレーザ光を生成し、レーザ光を露光装置又はレーザ光照射装置に出力し、電子デバイスを製造するために、露光装置内で感光基板にレーザ光を露光すること、又はレーザ光照射装置内で被照射物にレーザ光を照射することを含む。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、スペクトル線幅を説明するための図である。 図2は、E95の定義を説明するための図である。 図3は、明暗の斑点からなるパターンを撮像したスペックル画像の一例を示す図である。 図4は、図3に示したスペックル画像の明暗のヒストグラムを示す図である。 図5は、比較例に係るエキシマレーザ装置の構成例を概略的に示す。 図6は、比較例に係るエキシマレーザ装置から出力されるパルスレーザ光のパルス波形を例示的に示す。 図7は、実施形態1に係るエキシマレーザ装置の構成を概略的に示す。 図8は、第1のOPS、第2のOPS及び第3のOPSのそれぞれの光路長L1,L2,L3の設定例を示す図表である。 図9は、図8に示す比較例1に係るOPSシステムを用いた場合に得られたパルス波形を示す。 図10は、図8に示す実施例Bに係るOPSシステムを用いた場合に得られたパルス波形を示す。 図11は、光路長係数に対するTIS/(L2+L3)の変化を示すグラフである。 図12は、実施形態2に係るエキシマレーザ装置の構成を概略的に示す。 図13は、第1のOPS、第2のOPS、第3のOPS及び第4のOPSのそれぞれの光路長L1,L2,L3,L4の設定例を示す図表である。 図14は、比較例2に係るOPSシステムを用いた場合に得られたパルス波形を示す。 図15は、実施例Gに係るOPSシステムを用いた場合に得られたパルス波形を示す。 図16は、光路長係数に対するTIS/(L3+L4)の変化を示すグラフである。 図17は、フリーランのエキシマレーザ装置を適用したレーザ照射システムの構成例を概略的に示す。 図18は、波長可変の固体レーザシステムをマスターオシレータとして含むエキシマレーザ装置の構成例を概略的に示す。 図19は、露光装置の構成例を概略的に示す。
実施形態
-目次-
1.用語の説明
1.1 E95の定義
1.2 コヒーレント長の定義
1.3 スペックルコントラストの定義
1.4 TISパルス時間幅の定義
2.比較例に係るレーザ装置の概要
2.1 構成
2.2 動作
2.3 課題
3.実施形態1
3.1 構成
3.2 動作
3.3 作用・効果
3.4 その他
4.実施形態2
4.1 構成
4.2 動作
4.3 作用・効果
4.4 その他
5.レーザ装置のバリエーション
5.1 フリーランのエキシマレーザ装置
5.1.1 構成
5.1.2 動作
5.1.3 作用・効果
5.2 固体レーザシステムをマスターオシレータとして含むエキシマレーザ装置
5.2.1 構成
5.2.2 動作
5.2.3 変形例
6.各種の制御部のハードウェア構成について
7.電子デバイスの製造方法について
8.その他
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.用語の説明
1.1 E95の定義
スペクトル線幅とは、図1に示すようなレーザ光のスペクトル波形の光量閾値における全幅である。本明細書では、光量ピーク値に対する各光量閾値の相対値を線幅閾値Thresh(0<Thresh<1)ということにする。例えばピーク値の半値を線幅閾値0.5という。なお線幅閾値0.5におけるスペクトル波形の全幅W/2を特別に半値全幅又はFWHM(Full Width at Half Maximum)という。
スペクトル純度、例えば95%純度E95とは、図2に示すように、全スペクトルエネルギのうち波長λを中心として95%を占める部分の全幅W95%であって、下記の式(1)が成り立つ。
Figure 0007482225000001
なお本明細書で特に何も述べない場合は、スペクトル純度をE95として説明する。
1.2 コヒーレント長の定義
レーザ光の中心波長をλ、スペクトル線幅をΔλとすると、レーザ光のコヒーレント長は下記の式(2)で表すことができる。
Figure 0007482225000002
1.3 スペックルコントラストの定義
スペックルとは、レーザ光がランダムな媒質で散乱したときに生じる明暗の斑点である。図3は、明暗の斑点からなるパターンを撮像したスペックル画像の一例を示す図である。また、図4は、図3に示したスペックル画像の明暗のヒストグラムを示す図である。
スペックル評価指標として、一般的にスペックルコントラストSCが使用される。スペックル画像の強度の標準偏差をσ、スペックル画像の強度の平均をIマクロン(Iの上にマクロンが記されたもの)とすると、スペックルコントラストSCは、下記の式(3)で表すことができる。
Figure 0007482225000003
パルスレーザ光のパルス幅を伸ばすと、コヒーレンスが低下しスペックルコントラストSCが小さくなる。
1.4 TISパルス時間幅の定義
レーザ光のパルス時間幅を表す指標の1つとしてTISパルス時間幅が用いられる。
TISパルス時間幅ΔTTISは、以下の式(4)によって定義される。
Figure 0007482225000004
ここで、tは時間である。I(t)は時間tにおける光強度である。本明細書において「TIS幅」とは、TISパルス時間幅を指す。
2.比較例に係るレーザ装置の概要
2.1 構成
図5は、比較例に係るエキシマレーザ装置10の構成例を概略的に示す。本開示の比較例とは、出願人のみによって知られていると出願人が認識している形態であって、出願人が自認している公知例ではない。
エキシマレーザ装置10は、発振器12と、光学パルスストレッチャ(Optical Pulse Stretcher:OPS)システム14と、モニタモジュール16と、シャッタ18と、レーザ制御部20とを含む。OPSシステム14は、第1のOPS100と、第2のOPS200とを含む。発振器12から出力されるパルスレーザ光の光路上に、第1のOPS100と、第2のOPS200と、モニタモジュール16と、シャッタ18とがこの順序で配置される。
第1のOPS100の遅延光路の光路長をL1、第2のOPS200の遅延光路の光路長をL2とすると、第2のOPS200の遅延光路の光路長L2は、L1に対して2以上の整数倍に設定される。例えば、光路長L2は、L1の2倍の長さに設定される。
発振器12は、チャンバ120と、充電器122と、パルスパワーモジュール(PPM)124と、狭帯域化装置126と、出力結合ミラー128とを含む。
狭帯域化装置126は、図示しないプリズムビームエキスパンダと、図示しないグレーティングとを含む。プリズムビームエキスパンダとグレーティングとは、入射角度と回折角度とが一致するようにリトロー配置される。
出力結合ミラー128は、反射率が40%~60%の反射ミラーである。出力結合ミラー128と狭帯域化装置126とは、光共振器を構成する。チャンバ120は、光共振器の光路上に配置される。
チャンバ120は、1対の電極130a,130bと、絶縁部材132と、フロント側ウインドウ134と、リア側ウインドウ136とを含む。チャンバ120の中には、ArF又はKrF又はXeCl又はXeFのレーザガスが収容される。
電極130aは、絶縁部材132を介してPPM124の高電圧の出力端子と接続される。電極130bはグランドに接続される。電極130aと電極130bとは、所定のギャップ間隔となるように配置される。電極130a,130bは放電電極であり、電極130a,130b間の空間が放電空間(放電領域)となる。
フロント側ウインドウ134とリア側ウインドウ136は、放電空間で発生したレーザ光が透過するように配置される。
PPM124は、スイッチ125と図示しない充電コンデンサとを含む。スイッチ125は、レーザ制御部20からのスイッチ125のON信号を伝送する信号ラインと接続される。
充電器122は、PPM124の充電コンデンサと接続される。充電器122は、レーザ制御部20からの充電電圧のデータを受信し、PPM124の充電コンデンサを充電する。
第1のOPS100は、ビームスプリッタBS1と、4枚の凹面ミラー101~104とを含む。ビームスプリッタBS1は、発振器12から出力されたパルスレーザ光の光路上に配置される。ビームスプリッタBS1は、入射したパルスレーザ光の一部を反射し、他の一部を透過する膜がコートされている。ビームスプリッタBS1の反射率は40%~70%であることが好ましく、約60%であることがより好ましい。
凹面ミラー101~104は、ビームスプリッタBS1の第1の面で反射されたパルスレーザ光の遅延光路を構成する。凹面ミラー101~104のそれぞれは、焦点距離が全て略同じf1の凹面ミラーである。
凹面ミラー101と凹面ミラー102とは、ビームスプリッタBS1の第1の面で反射されたパルスレーザ光を凹面ミラー101で反射し、凹面ミラー102に入射するように配置される。凹面ミラー103と凹面ミラー104とは、凹面ミラー102で反射されたパルスレーザ光を凹面ミラー103で反射し、凹面ミラー104に入射するように配置される。凹面ミラー104は、凹面ミラー104で反射されたパルスレーザ光がビームスプリッタBS1の第1の面とは反対側の第2の面に入射するように配置される。
凹面ミラー101と凹面ミラー102とは、ビームスプリッタBS1の第1の面で反射されたパルスレーザ光が、ビームスプリッタBS1の第1の面における像を第1の像として反転して結像させるように配置される。凹面ミラー103と凹面ミラー104とは、第1の像を、再びビームスプリッタBS1に戻し、ビームスプリッタBS1の第2の面に第2の像として正転して結像させるように配置される。この場合は、第1のOPS100の遅延光路の光路長L1は、L1=8×f1となる。光路長L1は、第1のOPS100の遅延光路の一周遅延光路長を指す。一例として、第1のOPS100の光路長L1は7mである。
ビームスプリッタBS1は、ビームスプリッタBS1の第1の面で反射されずに透過したパルスレーザ光を第2のOPS200に入射させるように配置される。
第2のOPS200は、第1のOPS100から出力されたパルスレーザ光の光路上に配置される。第2のOPS200は、ビームスプリッタBS2と、凹面ミラー201~204とを含む。ビームスプリッタBS2は、ビームスプリッタBS1と同様の構成であってよい。凹面ミラー201~204のそれぞれは、焦点距離が全て略同じf2の凹面ミラーである。焦点距離f2は、焦点距離f1よりも長い焦点距離である。
第2のOPS200におけるビームスプリッタBS2と凹面ミラー201~204とは、第1のOPS100におけるビームスプリッタBS1と凹面ミラー101~104と同様の配置関係に配置される。この場合は、第2のOPS200の遅延光路の光路長L2は、L2=8×f2となる。光路長L2は、第2のOPS200の遅延光路の一周遅延光路長を指す。一例として、第2のOPS200の光路長L2は14mである。
モニタモジュール16は、OPSシステム14から出力されたパルスレーザ光の光路上に配置される。モニタモジュール16は、ビームスプリッタ162と光センサ164とを含む。光センサ164はレーザ制御部20と接続され、光センサ164の検出データはレーザ制御部20に送信される。シャッタ18は、モニタモジュール16を透過したパルスレーザ光の光路上に配置される。シャッタ18は、シャッタ開閉の信号を伝送する信号ラインを介してレーザ制御部20と接続される。
エキシマレーザ装置10から出力されたパルスレーザ光は、露光装置80に入力される。レーザ制御部20は、露光装置80の露光制御部82と接続される。レーザ制御部20と露光制御部82との間の信号ラインには、発光トリガ信号Trの信号ラインと、目標パルスエネルギEtのデータの信号ラインと、その他の信号の受け渡しを行う信号ラインとが含まれる。なお、発振器12とOPSシステム14との間に、図示しないレーザチャンバを含む増幅器を配置してもよい。
2.2 動作
レーザ制御部20は、露光制御部82から目標パルスエネルギEtと発振準備信号を受信すると、シャッタ18を閉じる信号を出力し、エキシマレーザ装置10の出射口を閉じる。レーザ制御部20は、所定の繰り返し周波数で発光トリガ信号Trに同期してPPM124のスイッチ125をONすると、発振器12の電極130a,130b間に高電圧が印加される。
電極130a,130b間で絶縁破壊が発生すると、電極130a,130b間で放電が発生し、レーザガスが励起される。その結果、狭帯域化装置126と出力結合ミラー128とから構成される光共振器でレーザ発振し、狭帯域化したパルスレーザ光が出力結合ミラー128から出力される。
出力結合ミラー128から出力されたパルスレーザ光は、OPSシステム14に入射する。OPSシステム14に入射したパルスレーザ光は、第1のOPS100のビームスプリッタBS1の第1の面に入射する。ビームスプリッタBS1の第1の面に入射したパルスレーザ光のうちの一部は、ビームスプリッタBS1を透過し、遅延光路を周回していない0周回光のパルスレーザ光として第1のOPS100から出力される。
ビームスプリッタBS1の第1の面に入射したパルスレーザ光のうち、第1の面で反射されたパルスレーザ光は、第1のOPS100の遅延光路に進入し、凹面ミラー101と凹面ミラー102とにより反射される。ビームスプリッタBS1の第1の面によって反射されたパルスレーザ光の光像は、凹面ミラー101と凹面ミラー102とにより、第1の転写像として結像される。そして第1の転写像は、凹面ミラー103と凹面ミラー104とによって、ビームスプリッタBS1の第2の面に第2の転写像として結像する。
凹面ミラー104からビームスプリッタBS1の第2の面に入射したパルスレーザ光の一部は、ビームスプリッタBS1の第2の面により反射され、第1のOPS100の遅延光路を1周回した1周回光のパルスレーザ光として第1のOPS100から出力される。この1周回光のパルスレーザ光は、0周回光のパルスレーザ光から遅延時間Δt1だけ遅れて出力される。このΔt1は、光速をcとすると、Δt1=L1/cと表すことができる。
第2の転写像としてビームスプリッタBS1の第2の面に入射したパルスレーザ光のうち、ビームスプリッタBS1を透過したパルスレーザ光は、さらに第1のOPS100の遅延光路に進入し、凹面ミラー101~104により反射されて、再びビームスプリッタBS1の第2の面に入射する。そして、ビームスプリッタBS1の第2の面により反射されたパルスレーザ光は、遅延光路を2周回した2周回光のパルスレーザ光として第1のOPS100から出力される。この2周回光のパルスレーザ光は、1周回光のパルスレーザ光から遅延時間Δt1だけ遅れて出力される。
この後、光の遅延光路の周回が繰り返されることにより、第1のOPS100からは、3周回光、4周回光、5周回光・・・のそれぞれのパルスレーザ光が出力される。第1のOPS100から出力されるパルス光は、遅延光路の周回数が多くなるほど光強度が低下する。
第1のOPS100の遅延光路を周回したパルスレーザ光は、0周回光のパルスレーザ光に対して遅延時間Δt1の整数倍だけ遅れて合成されて出力されることにより、それぞれの周回光のパルスレーザ光のパルス波形が重畳される。結果として、パルス幅が伸長される。
第1のOPS100から出力されたパルスレーザ光は、同様に、第2のOPS200によってパルス幅が伸長される。
こうして、発振器12の出力結合ミラー128から出力されたパルスレーザ光が第1のOPS100と第2のOPS200の各遅延光路を複数回通過することによって、パルスレーザ光のパルス幅が伸長される。
第1のOPS100及び第2のOPS200を通過したパルスレーザ光の一部は、ビームスプリッタ162によって反射され、光センサ164に入射する。光センサ164は入射したパルスレーザ光のパルスエネルギEを計測する。その計測結果を示すデータは光センサ164からレーザ制御部20に送信される。
レーザ制御部20は、目標パルスエネルギEtと、計測されたパルスエネルギEとの差ΔEが0に近づくように充電器122を設定する。
レーザ制御部20は、ΔEが許容範囲内に入ったら、露光制御部82に発振準備完了信号を送信し、シャッタ18を開ける。レーザ制御部20は、露光制御部82からの発光トリガ信号Trに同期して、PPM124のスイッチ125をONすることによって、発振器12からパルスレーザ光が出力され、OPSシステム14によってパルス伸長され、かつ、目標パルスエネルギEtに近いパルスエネルギのパルスレーザ光がエキシマレーザ装置10から出力される。
エキシマレーザ装置10から出力されたパルスレーザ光が露光装置80に入射し、図示しない半導体ウエハ等のレジストにパルスレーザ光が照射される。
2.3 課題
スペックルコントラストは、パルスレーザ光のパルス幅及びコヒーレント長と相関があり、パルスレーザ光のパルス幅を伸ばすと、コヒーレンスが低下しスペックルコントラストが小さくなる。スペックルコントラストを低減する目的でパルス幅を伸長するために、光路上にOPSを追加する必要があった。パルス幅を大きく伸長する例は特許文献1(米国特許第5309456号)等により知られている。また、光路上にOPSを3段以上に接続する例は特許文献2(米国特許第6238063号)等により知られている。
しかし、光路上に3段以上のOPSを直列に配置する場合の最適な遅延光路の光路長の組み合わせ条件は知られていなかった。
図6は、比較例に係るエキシマレーザ装置10から出力されるパルスレーザ光のパルス波形を例示的に示す。図6には、第1のOPS100の光路長L1が7m、第2のOPS200の光路長L2が14mである場合の例が示されている。7mの遅延光路を一周した場合の遅延時間は約23.3nsとなる。第2のOPS200の光路長L2は、パルス波形のピークが第1のOPS100のピークと重なるように、L1の整数倍、具体的には2以上の整数倍に設定される。
このようなOPSシステム14を備えるエキシマレーザ装置10の構成に対して、さらにパルス幅を伸長するために、OPSシステム14にさらなるOPSを追加する場合、比較的短い遅延光路長の追加によって効率よくパルス幅を伸長することが望まれる。
3.実施形態1
3.1 構成
図7は、実施形態1に係るエキシマレーザ装置10Aの構成を概略的に示す。図7に示すエキシマレーザ装置10Aについて、図5に示す構成と異なる点を説明する。実施形態1に係るエキシマレーザ装置10Aは、図5に示すOPSシステム14に代えて、第3のOPS300を含むOPSシステム14Aを備える。
第1のOPS100及び第2のOPS200の構成は図5に示す構成と同様である。第3のOPS300は、第2のOPS200とモニタモジュール16との間の光路上に配置される。すなわち、第1のOPS100、第2のOPS200及び第3のOPS300はパルスレーザ光の光路上に直列に配置される。
エキシマレーザ装置10Aは本開示における「レーザ装置」の一例である。発振器12は本開示における「レーザ発振器」の一例である。OPSシステム14Aは本開示における「パルス幅伸長装置」の一例である。第1のOPS100は本開示における「第1の光学パルスストレッチャ」の一例である。第2のOPS200は本開示における「第2の光学パルスストレッチャ」の一例である。第3のOPS300は本開示における「第3の光学パルスストレッチャ」の一例である。
第3のOPS300は、ビームスプリッタBS3と、凹面ミラー301~304とを含む。ビームスプリッタBS3は、パルスレーザ光の光路上に配置され、パルスレーザ光の一部を反射し、一部を透過する膜がコートされている。ビームスプリッタBS3の反射率は約60%が好ましい。
凹面ミラー301~304のそれぞれは、焦点距離が全て略同じf3の凹面ミラーである。焦点距離f3は、焦点距離f1よりも長い焦点距離である。ビームスプリッタBS3と凹面ミラー301~304とは、第1のOPS100におけるビームスプリッタBS1と凹面ミラー101~104と同様の配置関係に配置される。この場合、第3のOPS300の遅延光路の光路長L3は、L3=8×f3となる。光路長L3は、第3のOPS300の遅延光路の一周遅延光路長を指す。
第1のOPS100、第2のOPS200及び第3のOPS300の3段のOPSを含む構成において、これらのうち最も短い光路長を持つ第1のOPS100の光路長L1に対し、追加された第3のOPSの光路長L3を、L1の整数倍からずれた値に設定する。具体的には、第1のOPS100の光路長をL1とすると、第3のOPS300の遅延光路の光路長L3を、次式(5)で表される条件を満たすように設定する。
[条件1]
(n-0.75)×L1 ≦L3≦(n-0.25)×L1 (5)
式(5)中のnは2以上の整数である。例えば、n=5であってもよい。
光路長L3は、式(6)を満たすことが、さらに望ましい。
(n-0.65)×L1 ≦L3≦(n-0.35)×L1 (6)
3.2 動作
以下、条件1を満たすように、OPSシステム14Aの光路長を設定する場合の例を説明する。既述のとおり、第1のOPS100の光路長L1が7mの場合、第1のOPS100を一周した場合の遅延時間は約23.3nsとなる。ここで、第1のOPS100の光路長L1を7mに設定した理由は次のとおりである。すなわち、発振器12から出力されるパルスレーザ光のパルス幅は、およそ40nsである。このパルスレーザ光に対して、1段の、なるべく短い光路長のOPSでパルス幅を効率よく伸長するために、第1のOPS100を一周した場合の遅延時間を、40nsの約半分の23.3nsとするように、光路長L1が設定されている。
第2のOPSの光路長L2は、第2のOPS200の遅延光路を経由したパルスのパルス波形のピークが第1のOPS100から出たパルス波形のピークと重なるように設定される。すなわち、L2は、L1の2以上の整数倍に設定される。ここでの「整数倍」という記載は、厳密な整数倍に限定されず、おおむね整数倍であればよく、例えば、ある整数に対して±0.25以内の許容範囲が含まれてもよい。
第2のOPS200の光路長L2の一例として、第2のOPS200の遅延光路を一周した場合の遅延時間が、ほぼ23.3×2=46.6nsとなるように、L2=12.25m~15.75m(40.8ns~52.4ns)とする。
第3のOPSの遅延光路の光路長L3は、パルス波形のピークが第1のOPSのピーク間の谷を埋めるように設定される。すなわち、L3は、L1に対して「2以上の整数+0.5」倍に設定される。ここでの「0.5倍」という記載は、厳密な0.5倍に限定されず、おおむね0.5倍であればよく、例えば、0.5に対して±0.25以内の許容範囲が含まれてもよい。第3のOPS300の光路長L3の一例として、第3のOPS300を一周した場合の遅延時間が、ほぼ23.3×4.5=104.9nsとなるように、L3=29.75m~33.25m(99.0ns~110.7ns)とする。
図8は、第1のOPS100、第2のOPS200及び第3のOPS300のそれぞれの光路長L1,L2,L3の設定例を示す図表である。ここでは、光路長L1と光路長L2をそれぞれ7mと14mに固定し、光路長L3の設定を変えた場合に実現されるパルス幅(TIS幅)が示されている。
図8中の「比較例1」は、L3をL1の整数倍(ここでは5倍を例示)に設定したものである。比較例1では、パルス幅が298.1nsとなり、TIS/(L2+L3)は6.08である。TIS/(L2+L3)の値は、遅延光路の光路長の増加量に対するパルス幅の増加割合を示しており、OPSの効率を示す指標である。TIS/(L2+L3)の値が大きいほど、効率よくパルス幅を伸長できていることを表す。
実施例A~Eは、式(5)の条件1に基づいて光路長L3を設定する場合の例である。実施例Aは、L3=33.25m=5×L1-0.25×L1の例である。実施例Aは比較例1と比べて、短い光路長で、より大きなパルス幅を実現できている。
実施例Bは、L3=32.55m=5×L1-0.35×L1の例である。実施例Bは実施例Aよりもさらに好ましい構成であり、実施例Aと比べて、さらに短い光路長で、より大きなパルス幅を実現できている。
図9は、比較例1に係るOPSシステムを用いた場合に得られたパルス波形を示す。図10は、実施例Bに係るOPSシステム14Aを用いた場合に得られたパルス波形を示す。これらの図面から明らかなように、実施例Bによれば、比較例1に比べて、パルスの山と谷の差が小さくなり、比較例1よりも短い光路長で、効率よくパルス幅を伸長できている。
図8の図表に示される実施例A~Eのうち、TIS/(L2+L3)が最も大きくなるのは、実施例Dである。実施例Dは比較例1に比べてパルス幅が大きく、かつ、TIS/(L2+L3)も大きい。
実施例Eは、比較例1に比べてパルス幅は僅かに小さくなるものの、TIS/(L2+L3)は大きく、効率よくパルス幅を伸長できている。
光路長L3は、2以上の整数nと、光路長係数kとを用いて、L3=n×L1-k×L1=(n-k)×L1と表すことができる。kは0≦k<1を満たす値である。比較例1は、k=0の場合であり、実施例Bはk=0.35の場合である。
図11は、光路長係数に対するTIS/(L2+L3)の変化を示すグラフである。横軸は光路長係数を表し、縦軸はTIS/(L2+L3)を表す。図11には、比較例1及び実施例A~Eのそれぞれの光路長係数とTIS/(L2+L3)とがプロットされている。図11から明らかなように、なるべく短い光路長で効率よくパルス幅を伸長する観点から、光路長係数kは0.25≦k≦0.75であることが好ましく、さらに好ましくは0.35≦k≦0.65であり、0.5≦k≦0.65を満たすことが特に好ましい。
3.3 作用・効果
実施形態1に係るOPSシステム14Aによれば、比較的短い光路長で効率よくパルス幅を伸長することができる。また、OPSシステム14Aを備えたエキシマレーザ装置10Aによれば、比較例1に係るOPSシステムを備えた構成と比較してTIS/(L2+L3)が大きくなる。
エキシマレーザ装置10Aによれば、パルス幅が伸長されたレーザ光を生成することができ、スペックルを低減できる。
3.4 その他
パルスレーザ光の光路上における第1のOPS100、第2のOPS200及び第3のOPS300の並び順は、図7の例に限らず、適宜に入れ替え可能である。光路長L1、L2及びL3の数値の組み合わせが同じであれば、光路上における第1のOPS100、第2のOPS200及び第3のOPS300の配置順序によらず、同等のパルス幅が実現される。
また、図7では、第1のOPS100、第2のOPS200及び第3のOPS300のそれぞれについて、4つの凹面ミラーを用いて遅延光路を形成する例を示したが、OPSの構成はこの例に限らない。OPSは、5つ以上の凹面ミラーを含む構成であってもよく、例えば6枚以上の凹面ミラーを含む構成であってもよい。また、OPSは、凹面ミラー以外のミラーを含んで構成されてもよい。
4. 実施形態2
4.1 構成
図12は、実施形態2に係るエキシマレーザ装置10Bの構成を概略的に示す。図12に示す構成について、図7に示すエキシマレーザ装置10Aと異なる点を説明する。図12に示すエキシマレーザ装置10Bは、図7におけるOPSシステム14Aに代えて、第4のOPS400を含むOPSシステム14Bを備える。第1のOPS100、第2のOPS200、第3のOPS300及び第4のOPS400は、パルスレーザ光の光路上に直列に配置される。他の構成は図7の構成と同様であってよい。エキシマレーザ装置10Bは本開示における「レーザ装置」の一例である。OPSシステム14Bは本開示における「パルス幅伸長装置」の一例である。第4のOPS400は本開示における「第4の光学パルスストレッチャ」の一例である。
第4のOPS400は、第3のOPS300とモニタモジュール16との間の光路上に配置される。第4のOPS400は、ビームスプリッタBS4と、凹面ミラー401~404とを含む。
ビームスプリッタBS4は、ビームスプリッタBS1と同様の構成であってよい。凹面ミラー401~404のそれぞれは、焦点距離が全て略同じf4の凹面ミラーである。焦点距離f4は、焦点距離f1よりも長い焦点距離である。
第4のOPS400におけるビームスプリッタBS4と凹面ミラー401~404とは、第1のOPS100におけるビームスプリッタBS1と凹面ミラー101~104と同様の配置関係に配置される。この場合は、第4のOPS400の遅延光路の光路長L4は、L4=8×f4となる。光路長L4は、第4のOPS400の遅延光路の一周遅延光路長を指す。
第1のOPS100、第2のOPS200、第3のOPS300及び第4のOPS400を含む4段のOPSを含む構成の場合に、これらのうち最も短い光路長を持つ第1のOPS100の光路長L1に対し、第3のOPSの光路長L3及び第4のOPSの光路長L4のそれぞれを、下記の条件を満たすように設定する。
[条件1]
(n-0.75)×L1 ≦L3≦(n-0.25)×L1 (5)
光路長L3は、既述の式(6)を満たす方がさらに望ましい。
[条件2]
(m-0.25)×L1 ≦L4≦(m+0.25)×L1 (7)
式中のnとmは、それぞれ2以上の整数である。nとmは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよく、例えば、n=5、m=6であってもよい。nとmとは互いに独立に定めることができる。
第3のOPS300の光路長L3が条件1を満たすことで、第3のOPS300の遅延光路を周回したパルスレーザ光は、光路長L1の遅延光路によって生じるパルス波形の谷の部分を埋める。また、第4のOPS400の光路長L4が条件2を満たすことで、第4のOPS400の遅延光路を周回したパルスレーザ光は、光路長L1の遅延光路によって生じるパルス波形のピークと重なる。
4.2 動作
第1のOPS100の光路長L1と、第2のOPS200の光路長L2と、第3のOPS300の光路長L3との各光路長の設定条件は実施形態1と同様であってよい。
第3のOPS300の光路長L3は、パルス波形のピークが第1のOPS100、第2のOPS200及び第4のOPS400のピーク-ピーク間の谷を埋めるように設定される。例えば、光路長L3は、第3のOPS300を一周した場合の遅延時間が、ほぼ23.3×4.5=104.9[ns]となるように、L3=29.75[m]~33.25[m](99.0[ns]~110.7[ns])とする。
第4のOPS400の光路長L4は、第4のOPS400の遅延光路を経由したパルスのパルス波形のピークが第1のOPS100から出たパルス波形のピークと重なるように設定される。すなわち、光路長L4は、L1の2以上の整数倍に設定される。ここでの「整数倍」という記載は、L2の場合と同様に、厳密な整数倍に限定されず、おおむね整数倍であればよく、例えば、ある整数に対して±0.25以内の許容範囲が含まれてもよい。
第4のOPS400の光路長L4の一例として、第4のOPS400を一周した場合の遅延時間が、ほぼ23.3×6=139.8[ns]となるように、L4=40.25[m]~43.75[m](134.0[ns]~145.6[ns])とする。
図13は、第1のOPS100、第2のOPS200、第3のOPS300及び第4のOPS400のそれぞれの光路長L1,L2,L3,L4の設定例を示す図表である。ここでは、光路長L1と光路長L2をそれぞれ7mと14mに固定し、光路長L3及び光路長L4の設定を変えた場合に実現されるパルス幅(TIS幅)の例が示されている。
図13中の「比較例2」は、L3をL1の5倍に設定し、L4をL1の6倍に設定した構成である。比較例2では、伸長後のパルス幅が467.3nsとなり、TIS/(L3+L4)は6.07である。TIS/(L3+L4)の値は、光路長の増加量に対するパルス幅の増加割合を示しており、OPSの効率を示す指標である。TIS/(L3+L4)の値が大きいほど、効率よくパルス幅を伸長できていることを表す。
実施例F~Lは、式(5)の条件1及び式(7)の条件2に基づいて光路長L3及び光路長L4を設定する場合の例である。実施例Fは、L3=33.25[m]=5×L1-0.25×L1、L4=42[m]=6×L1の例である。実施例Fは、L3+L4=75.25mの光路増加によって、525.6nsのパルス幅が実現されており、TIS/(L3+L4)は、6.98である。実施例Fは比較例2と比べて、短い光路長で、より大きなパルス幅を実現できている。
実施例Gは、L3=32.55[m]=5×L1-0.35×L1、L4=42[m]=6×L1の例である。実施例Gは実施例Fよりもさらに好ましい構成であり、実施例Fと比べて、さらに短い光路長で、より大きなパルス幅を実現できている。図13に例示した実施例F~Lのうち、パルス幅が最も大きくなるのは実施例Gである。
図14は、比較例2に係るOPSシステムを用いた場合に得られたパルス波形を示す。図15は、実施例Gに係るOPSシステム14Bを用いた場合に得られたパルス波形を示す。これらの図面から明らかなように、実施例Gによれば、比較例2に比べて、パルス波形の山と谷の差が小さくなり、比較例2よりも短い光路長で、パルス幅を伸長できている。
図13に例示した実施例F~Lのうち、TIS/(L3+L4)が最も大きくなるのは、実施例Iである。実施例Iは比較例2に比べてパルス幅が大きく、かつ、TIS/(L3+L4)も大きい。実施例Iは実施例Gに比べてパルス幅は小さいものの、TIS/(L3+L4)は大きく、効率よくパルス幅を伸長できている。
図16は、光路長係数に対するTIS/(L3+L4)の変化を示すグラフである。横軸は光路長係数を表し、縦軸はTIS/(L3+L4)を表す。図16には、比較例2及び実施例F~Jのそれぞれの光路長係数kとTIS/(L3+L4)とがプロットされている。図16から明らかなように、なるべく短い光路長で効率よくパルス幅を伸長する観点から、光路長係数kは0.25≦k≦0.75であることが好ましく、さらに好ましくは0.35≦k≦0.65であり、0.5≦k≦0.65を満たすことが特に好ましい。
4.3 作用・効果
実施形態2によれば、比較的短い光路長で効率よくパルス幅を伸長することができる。実施形態1に比べて、さらに効率良くパルス幅を伸長することができる。
4.4 その他
パルスレーザ光の光路上における第1のOPS100、第2のOPS200、第3のOPS300及び第4のOPS400の並び順は、図12の例に限らず、適宜に入れ替え可能である。光路長L1、L2、L3及びL4の数値の組み合わせが同じであれば、光路上における第1のOPS100、第2のOPS200、第3のOPS300及び第4のOPS400の配置順序によらず、同等のパルス幅が実現される。また、図12に例示した第4のOPS400の構成に限らず、第4のOPS400は、5つ以上の凹面ミラーを含む構成であってもよく、また、凹面ミラー以外のミラーを含んで構成されてもよい。
5.レーザ装置のバリエーション
5.1 フリーランのエキシマレーザ装置
5.1.1 構成
図17は、フリーランのエキシマレーザ装置10Cを適用したレーザ照射システムの構成例を概略的に示す。図17に示す構成について、図7と異なる点を説明する。
図7に示す発振器12は狭帯域化装置126を備えるのに対し、図17に示す発振器12Cは狭帯域化装置126に代えてリアミラー127を備える。リアミラー127は高反射ミラーであってよい。発振器12Cは本開示における「レーザ発振器」の一例である。
また、図17に示すレーザ照射システムは、図7の露光装置80に代えて、レーザ光照射装置90を備える。レーザ光照射装置90は、例えば、レーザ光で基板等を加工するレーザ加工機、又はアモルファスシリコンを多結晶化するレーザアニール装置などであってもよい。また、レーザ光照射装置90は、レーザドーピングを行うレーザドーピング装置であってもよい。
レーザ光照射装置90は、レーザ光照射制御部92を備える。レーザ光照射制御部92はプロセッサを含み、レーザ光照射装置90を制御する。レーザ光照射制御部92は、レーザ制御部20と接続される。レーザ光照射制御部92は、レーザ制御部20に対して、図7における露光制御部82と類似する役割を果たす。
5.1.2 動作
発振器12Cからはフリーランのスペクトル波形のパルスレーザ光が出力される。発振器12Cから出力されたパルスレーザ光はOPSシステム14Aによってパルス伸長される。エキシマレーザ装置10Cから出力されたパルスレーザ光はレーザ光照射装置90に入射する。
レーザ光照射装置90において、図示しない基板等の被照射物にパルスレーザ光が照射されることにより、材料の加工、アニール又はドーピング等が行われる。被照射物は、例えば、半導体、ガラス、セラミックなど、様々な材料があり得る。レーザ光照射装置90内で被照射物にパルスレーザ光を照射した後、複数の工程を経ることで様々な電子デバイスを製造できる。
5.1.3 作用・効果
エキシマレーザ装置10Cによれば、実施形態1と同様に、比較的短い光路長で効率よくパルス幅を伸長することができ、図17に示すレーザ光照射装置90においても、照射ビームのスペックルが低減される。なお、図17に示すエキシマレーザ装置10CのOPSシステム14Aを、図12におけるOPSシステム14Bに置き換える構成を採用することも可能である。
5.2 固体レーザシステムをマスターオシレータとして含むエキシマレーザ装置
5.2.1 構成
図18は、波長可変の固体レーザシステムをマスターオシレータとして含むエキシマレーザ装置12Dの構成例を概略的に示す。図7及び図12で説明した発振器12又は図17で説明した発振器12Cに代えて、図18に示すエキシマレーザ装置12Dを適用することができる。
エキシマレーザ装置12Dは、固体レーザシステム40とエキシマ増幅器50とを含むMOPA(Master Oscillator Power Amplifier)レーザである。固体レーザシステム40は、シード光を出力する半導体レーザ41と、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier:SOA)42と、シード光を増幅するチタンサファイヤ増幅器43と、波長変換システム46と、固体レーザ制御部48とを含む波長可変固体レーザシステムである。
半導体レーザ41は、波長約773.6nmのCWレーザ光を出力する分布帰還型(Distributed Feedback:DFB)の半導体レーザである。以後、半導体レーザ41を「DFBレーザ41」という。DFBレーザ41は、半導体レーザ素子の温度又は電流値を制御することによって、発振波長を可変する構成である。
SOA42は、半導体にパルス電流を流すことによって、CWもしくはパルスのシード光を所定のパルス幅のパルスレーザ光に変換する半導体素子である。SOA42は、DFBレーザ41から出力されたCWレーザ光をパルス化し、パルス増幅されたパルスレーザ光を出力する。
チタンサファイヤ増幅器43は、チタンサファイヤ結晶44と、ポンピング用パルスレーザ45とを含む。チタンサファイヤ結晶44は、SOA42でパルス増幅されたパルスレーザ光の光路上に配置される。ポンピング用パルスレーザ45は、例えば、YLFレーザの第2高調波光を出力するレーザ装置である。YLF(イットリウムリチウムフルオライド)は、化学式LiYFで表される固体レーザ結晶である。
波長変換システム46は、第4高調波を発生させる波長変換システムであって、図示しないLBO結晶及びKBBF結晶を含む。LBO結晶は化学式LiBで表される非線形光学結晶である。KBBF結晶は、化学式KBeBOで表される非線形光学結晶である。これらの非線形光学結晶のそれぞれは、図示しない回転ステージ上に配置され、結晶への入射角度が変化できるように構成されている。波長変換システム46は、773.6nmのパルスレーザ光を波長変換して、波長約193.4nmのパルスレーザ光を出力する。
エキシマ増幅器50は、チャンバ52と、PPM54と、充電器56と、凸面ミラー61と、凹面ミラー62とを含む。チャンバ52は、ウインドウ71,72と、1対の電極74a,74bと、電気絶縁部材75とを含む。チャンバ52の内部にはArFレーザガスが収容される。
エキシマ増幅器50は、電極74a,74b間の放電空間に、波長193.4nmのシード光を3回通して増幅を行う構成である。
凸面ミラー61と凹面ミラー62は、チャンバ52の外側において、固体レーザシステム40から出力されたパルスレーザ光が3パスしてビーム拡大するように配置される。
エキシマ増幅器50に入射した波長約193.4nmのシード光は、凸面ミラー61及び凹面ミラー62で反射することにより、電極74a,74b間の放電空間を3回通過する。これにより、シード光のビームが拡大されて増幅される。
5.2.2 動作
レーザ制御部20は、目標波長λtと目標パルスエネルギEtを受信すると、固体レーザ制御部48に目標波長λtを送信し、目標パルスエネルギEtとなるように充電電圧を充電器56に設定する。
固体レーザ制御部48は、レーザ制御部20から目標波長λtが入力されると、波長変換システム46から出力されるレーザ光の波長がλtとなるように、DFBレーザ41の目標発振波長λ1tを変更する。目標発振波長λ1tは、目標波長λtの4倍(λ1t=4λt)である。固体レーザ制御部48は、DFBレーザ41に流れる電流値の制御によって発振波長を高速に変更する。
また、固体レーザ制御部48は、波長変換システム46におけるLBO結晶及びKBBF結晶の波長変換効率が最大となるような入射角度となるように、それぞれの結晶の回転ステージを制御する。
固体レーザ制御部48は、レーザ制御部20から発光トリガ信号Trが入力されると、SOA42とポンピング用パルスレーザ45とに信号を送信する。その結果、SOA42にパルス電流が入力され、SOA42からパルス増幅されたパルスレーザ光が出力される。そして、チタンサファイヤ増幅器43において、さらにパルス増幅される。チタンサファイヤ増幅器43によってパルス増幅されたパルスレーザ光は、波長変換システム46に入射する。その結果、波長変換システム46から目標波長λtのパルスレーザ光が出力される。
レーザ制御部20は、露光制御部82又はレーザ光照射制御部92から発光トリガ信号Trを受信すると、固体レーザシステム40から出力されたパルスレーザ光がエキシマ増幅器50のチャンバ52の放電空間に入射した時に放電が生じるように、PPM54のスイッチ55とポンピング用パルスレーザ45にそれぞれトリガ信号を与える。その結果、固体レーザシステム40から出力されたパルスレーザ光はエキシマ増幅器50で3パス増幅される。
エキシマ増幅器50で増幅されたパルスレーザ光は、図7におけるOPSシステム14A又は図12におけるOPSシステム14B又は図17におけるOPSシステム14Aに入射する。エキシマレーザ装置12Dは本開示における「レーザ発振器」の一例である。
OPSシステム14A又は14Bから出力されたパルスレーザ光は、モニタモジュール16のビームスプリッタ162によってサンプルされ、光センサ164によってパルスエネルギEが計測され、図示しない波長モニタによって波長λが計測される。
レーザ制御部20は、計測されたパルスエネルギE及び波長λと、目標パルスエネルギEt及び目標波長λtとの差がそれぞれ0に近づくように、それぞれ、充電器56の充電電圧とDFBレーザ41の目標発振波長λ1tを制御する。
モニタモジュール16のビームスプリッタ162を透過したパルスレーザ光は、シャッタ18を介して、露光装置80又はレーザ光照射装置90に入射する。
5.2.3 変形例
固体レーザシステムの実施形態として、図18の例に限定されることなく、例えば、波長1547.2nmのレーザ光を出力するDFBレーザと、SOAとを含む固体レーザシステムであって、波長変換システムが8倍高調波光(193.4nm光)を出力する固体レーザシステムであってもよい。
図18では、エキシマ増幅器50としてマルチパス増幅器の例を示したが、この例に限定されることなく、例えば、ファブリペロ共振器又はリング共振器を備えた増幅器であってもよい。また、図18に示すエキシマ増幅器50を省略した構成を採用してもよく、固体レーザシステム40から出力されたパルスレーザ光をOPSシステム14A又はOPSシステム14Bに入射させてパルス幅を伸長してもよい。この場合、固体レーザシステム40は本開示における「レーザ発振器」の一例である。
6.各種の制御部のハードウェア構成について
レーザ制御部20、露光制御部82、レーザ光照射制御部92、固体レーザ制御部48及びその他の各制御部は、プロセッサを用いて構成される。例えば、これらの各制御部は、プロセッサを含むコンピュータのハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実現することが可能である。ソフトウェアはプログラムと同義である。
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)及びメモリなどの記憶装置を含んで構成される。CPUはプロセッサの一例である。プログラマブルコントローラはコンピュータの概念に含まれる。記憶装置は、有体物たる非一時的なコンピュータ可読媒体であり、例えば、主記憶装置であるメモリ及び補助記憶装置であるストレージを含む。コンピュータ可読媒体は、例えば、半導体メモリ、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)装置、若しくはソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)装置又はこれらの複数の組み合わせであってよい。プロセッサが実行するプログラムはコンピュータ可読媒体に記憶されている。記憶装置はプロセッサに含まれていてもよい。
また、コンピュータの処理機能の一部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)に代表される集積回路を用いて実現してもよい。
また、複数の制御部の機能を1台のコンピュータで実現することも可能である。さらに本開示において、プロセッサを含む装置は、ローカルエリアネットワークやインターネットといった通信ネットワークを介して互いに接続されてもよい。分散コンピューティング環境において、プログラムユニットは、ローカル及びリモート両方のメモリストレージデバイスに保存されてもよい。
7.電子デバイスの製造方法について
図19は、露光装置80の構成例を概略的に示す。露光装置80は、照明光学系804と投影光学系806とを含む。照明光学系804は、エキシマレーザ装置10Aから入射したレーザ光によって、レチクルステージRT上に配置された図示しないレチクルのレチクルパターンを照明する。投影光学系806は、レチクルを透過したレーザ光を、縮小投影してワークピーステーブルWT上に配置された図示しないワークピースに結像させる。ワークピースはフォトレジストが塗布された半導体ウエハ等の感光基板である。
露光装置80は、レチクルステージRTとワークピーステーブルWTとを同期して平行移動させることにより、レチクルパターンを反映したレーザ光をワークピースに露光する。以上のような露光工程によって半導体ウエハにレチクルパターンを転写後、複数の工程を経ることで半導体デバイスを製造できる。半導体デバイスは本開示における「電子デバイス」の一例である。エキシマレーザ装置10Aに限らず、エキシマレーザ装置10B又は10Cなどを用いてもよい。
8.その他
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。従って、特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかである。また、本開示の実施形態を組み合わせて使用することも当業者には明らかである。
本明細書及び特許請求の範囲全体で使用される用語は、明記が無い限り「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」、「有する」、「備える」、「具備する」などの用語は、「記載されたもの以外の構成要素の存在を除外しない」と解釈されるべきである。また、修飾語「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。また、「A、B及びCの少なくとも1つ」という用語は、「A」「B」「C」「A+B」「A+C」「B+C」又は「A+B+C」と解釈されるべきである。さらに、それらと「A」「B」「C」以外のものとの組み合わせも含むと解釈されるべきである。

Claims (13)

  1. パルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第1の光学パルスストレッチャと、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第2の光学パルスストレッチャと、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第3の光学パルスストレッチャと、
    を含み、
    前記第1の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL1、前記第2の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL2、前記第3の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL3、nを2以上の整数とした場合に、
    L2は、L1の2以上の整数倍であり、
    L3は、
    (n-0.75)×L1 ≦L3≦(n-0.25)×L1
    を満たし、
    前記レーザ発振器は、狭帯域化モジュールを含むエキシマレーザ装置である、レーザ装置。
  2. パルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第1の光学パルスストレッチャと、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第2の光学パルスストレッチャと、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第3の光学パルスストレッチャと、
    を含み、
    前記第1の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL1、前記第2の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL2、前記第3の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL3、nを2以上の整数とした場合に、
    L2は、L1の2以上の整数倍であり、
    L3は、
    (n-0.75)×L1 ≦L3≦(n-0.25)×L1
    を満たし、
    前記レーザ発振器は、固体レーザシステムである、レーザ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のレーザ装置であって、
    L3は、
    (n-0.65)×L1 ≦L3≦(n-0.35)×L1
    を満たす、レーザ装置。
  4. 請求項1又は2に記載のレーザ装置であって、
    前記第1の光学パルスストレッチャ、前記第2の光学パルスストレッチャ及び前記第3の光学パルスストレッチャのそれぞれは、ビームスプリッタと、4つ以上の凹面ミラーとを含む、レーザ装置。
  5. 請求項1又は2に記載のレーザ装置であって、
    前記第1の光学パルスストレッチャ、前記第2の光学パルスストレッチャ及び前記第3の光学パルスストレッチャが前記パルスレーザ光の光路上に直列に配置される、レーザ装置。
  6. 請求項1又は2に記載のレーザ装置であって、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第4の光学パルスストレッチャをさらに備える、レーザ装置。
  7. 請求項に記載のレーザ装置であって、
    前記第4の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL4、mを2以上の整数とした場合に、
    L4は、
    (m-0.25)×L1 ≦L4≦(m+0.25)×L1
    を満たす、レーザ装置。
  8. 請求項に記載のレーザ装置であって、
    前記第1の光学パルスストレッチャ、前記第2の光学パルスストレッチャ、前記第3の光学パルスストレッチャ及び第4の光学パルスストレッチャのそれぞれは、ビームスプリッタと、4つ以上の凹面ミラーとを含む、レーザ装置。
  9. 請求項に記載のレーザ装置であって、
    前記第1の光学パルスストレッチャ、前記第2の光学パルスストレッチャ、前記第3の光学パルスストレッチャ及び第4の光学パルスストレッチャが前記パルスレーザ光の光路上に直列に配置される、レーザ装置。
  10. 請求項に記載のレーザ装置であって、
    前記固体レーザシステムは、半導体レーザと、半導体光増幅器と、を含む、レーザ装置。
  11. 電子デバイスの製造方法であって、
    パルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第1の光学パルスストレッチャと、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第2の光学パルスストレッチャと、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第3の光学パルスストレッチャと、
    を含み、
    前記第1の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL1、前記第2の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL2、前記第3の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL3、nを2以上の整数とした場合に、
    L2は、L1の2以上の整数倍であり、
    L3は、
    (n-0.75)×L1 ≦L3≦(n-0.25)×L1
    を満たし、前記レーザ発振器は、狭帯域化モジュールを含むエキシマレーザ装置である、レーザ装置によってパルス幅が伸長されたレーザ光を生成し、
    前記レーザ光を露光装置又はレーザ光照射装置に出力し、
    電子デバイスを製造するために、前記露光装置内で感光基板に前記レーザ光を露光する
    こと、又は前記レーザ光照射装置内で被照射物に前記レーザ光を照射すること、を含む電子デバイスの製造方法。
  12. 電子デバイスの製造方法であって、
    パルスレーザ光を出力するレーザ発振器と、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第1の光学パルスストレッチャと、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第2の光学パルスストレッチャと、
    前記パルスレーザ光の光路上に配置された第3の光学パルスストレッチャと、
    を含み、
    前記第1の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL1、前記第2の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL2、前記第3の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL3、nを2以上の整数とした場合に、
    L2は、L1の2以上の整数倍であり、
    L3は、
    (n-0.75)×L1 ≦L3≦(n-0.25)×L1
    を満たし、前記レーザ発振器は、固体レーザシステムである、レーザ装置によってパルス幅が伸長されたレーザ光を生成し、
    前記レーザ光を露光装置又はレーザ光照射装置に出力し、
    電子デバイスを製造するために、前記露光装置内で感光基板に前記レーザ光を露光する
    こと、又は前記レーザ光照射装置内で被照射物に前記レーザ光を照射すること、を含む電子デバイスの製造方法。
  13. 請求項11又は12に記載の電子デバイスの製造方法であって、
    前記レーザ装置は、前記パルスレーザ光の光路上に配置された第4の光学パルスストレッチャをさらに備え、
    前記第4の光学パルスストレッチャの遅延光路の光路長をL4、mを2以上の整数とした場合に、
    L4は、
    (m-0.25)×L1 ≦L4≦(m+0.25)×L1
    を満たす、電子デバイスの製造方法。
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