WO2023170908A1 - 訓練モデルの作成方法、レーザ装置及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

訓練モデルの作成方法、レーザ装置及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range

Abstract

訓練モデルの作成方法は、レーザ装置の電装系ハードウェアとソフトウェアとをモデル化したデジタルツイン上でレーザ装置内の部品を壊し、破壊した部品とデジタルツインが出力する不具合現象とを対応付けたデータを蓄積することによりデータベースを作成することと、不具合現象の情報の入力を受けて、入力に対応した故障箇所の情報を出力するように、データベース内のデータを機械学習の訓練用データとして用いて訓練モデルを訓練することと、を含む。

Description

訓練モデルの作成方法、レーザ装置及び電子デバイスの製造方法
 本開示は、訓練モデルの作成方法、レーザ装置及び電子デバイスの製造方法に関する。
 近年、半導体露光装置においては、半導体集積回路の微細化及び高集積化につれて、解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される光の短波長化が進められている。例えば、露光用のガスレーザ装置としては、波長約248nmのレーザ光を出力するKrFエキシマレーザ装置、並びに波長約193nmのレーザ光を出力するArFエキシマレーザ装置が用いられる。
 KrFエキシマレーザ装置及びArFエキシマレーザ装置の自然発振光のスペクトル線幅は、350~400pmと広い。そのため、KrF及びArFレーザ光のような紫外線を透過する材料で投影レンズを構成すると、色収差が発生してしまう場合がある。その結果、解像力が低下し得る。そこで、ガスレーザ装置から出力されるレーザ光のスペクトル線幅を、色収差が無視できる程度となるまで狭帯域化する必要がある。そのため、ガスレーザ装置のレーザ共振器内には、スペクトル線幅を狭帯域化するために、狭帯域化素子(エタロンやグレーティング等)を含む狭帯域化モジュール(Line Narrowing Module:LNM)が備えられる場合がある。以下では、スペクトル線幅が狭帯域化されるガスレーザ装置を狭帯域化ガスレーザ装置という。
米国特許第10990089号 特開2020-177276号公報 米国特許出願公開2020/0103842号
概要
 本開示の1つの観点に係る訓練モデルの作成方法は、レーザ装置の電装系ハードウェアとソフトウェアとをモデル化したデジタルツイン上でレーザ装置内の部品を壊し、破壊した部品とデジタルツインが出力する不具合現象とを対応付けたデータを蓄積することによりデータベースを作成することと、不具合現象の情報の入力を受けて、入力に対応した故障箇所の情報を出力するように、データベース内のデータを機械学習の訓練用データとして用いて訓練モデルを訓練することと、を含む。
 本開示の他の1つの観点に係るレーザ装置は、プロセッサと、プロセッサが状態を監視するセンサを含む監視対象と、プロセッサと監視対象とを接続する配線を含む機器と、を含む電装系ハードウェアと、不具合現象の情報の入力を受けて、入力に対応した故障箇所の情報を出力するように機械学習によって訓練された訓練モデルと、を備え、訓練モデルは、レーザ装置の電装系ハードウェアとソフトウェアとをモデル化したデジタルツイン上でレーザ装置内の部品を壊し、破壊した部品とデジタルツインが出力する不具合現象とを対応付けたデータを蓄積することにより作成されたデータベース内のデータを訓練用データとして用いて訓練されたモデルである。
 本開示の他の1つの観点に係る電子デバイスの製造方法は、プロセッサと、プロセッサが状態を監視するセンサを含む監視対象と、プロセッサと監視対象とを接続する配線を含む機器と、を含む電装系ハードウェアと、不具合現象の情報の入力を受けて、入力に対応した故障箇所の情報を出力するように機械学習によって訓練された訓練モデルと、を備えるレーザ装置であって、訓練モデルは、レーザ装置の電装系ハードウェアとソフトウェアとをモデル化したデジタルツイン上でレーザ装置内の部品を壊し、破壊した部品とデジタルツインが出力する不具合現象とを対応付けたデータを蓄積することにより作成されたデータベース内のデータを訓練用データとして用いて訓練されたモデルである、レーザ装置によってレーザ光を生成し、レーザ光を露光装置に出力し、電子デバイスを製造するために、露光装置内で感光基板にレーザ光を露光することを含む。
 本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、例示的なレーザ装置の構成を概略的に示す。 図2は、モニタモジュールから得られる情報に基づいてエラー情報を通知する構成を概略的に示す。 図3は、レーザ装置の不具合現象に対処するサービスエンジニアの対応を模式的に示す。 図4は、実施形態1に係る訓練モデルの作成方法を実施するシステムの概要を示す説明図である。 図5は、データベースに蓄積されるデータの例を示す図表である。 図6は、実施形態1に係る訓練モデルの作成方法を実施することにより作成された訓練済みモデルの使用方法の例を模式的に示す説明図である。 図7は、訓練モデルを用いて推定された故障箇所の推定リストの例を示す図表である。 図8は、実施形態2に係る訓練モデルの作成方法の概要を示す説明図である。 図9は、実施形態3に係る訓練モデルを備えるレーザ装置とその活用例の概要を示す説明図である。 図10は、露光装置の構成例を概略的に示す。
実施形態
 -目次-
1.レーザ装置の概要
 1.1 構成
 1.2 動作
 1.3 エラー情報の通知の例
 1.4 課題
2.実施形態1
 2.1 構成
 2.2 動作
  2.2.1 訓練用データの生成及び訓練フェーズ
  2.2.2 推論フェーズ
 2.3 作用・効果
3.実施形態2
 3.1 構成
 3.2 動作
 3.3 作用・効果
4.実施形態3
 4.1 構成
 4.2 動作
 4.3 作用・効果
5.レーザ装置の他の形態
6.情報処理システムの機能的役割
7.電子デバイスの製造方法について
8.その他
 以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
 1.レーザ装置の概要
 1.1 構成
 図1は、例示的なレーザ装置10の構成を概略的に示す。レーザ装置10は、KrFエキシマレーザ装置であって、狭帯域化モジュール(LNM)12と、チャンバ14と、インバータ16と、フロントミラー(出力結合ミラー)18と、モニタモジュール20と、充電器22と、パルスパワーモジュール(PPM)24と、プロセッサ26と、ガス供給装置28と、ガス排気装置30と、出射口シャッタ32と、を含む。
 チャンバ14は、ウィンドウ34、36と、クロスフローファン(CFF)38と、CFF38を回転させるモータ40と、1対の電極42a、42bと、電気絶縁物44と、圧力センサ46と、不図示の熱交換器と、を含む。
 PPM24はチャンバ14の電気絶縁物44中のフィードスルーを介して電極42aと接続される。PPM24は、半導体スイッチ48と、不図示の充電コンデンサと、パルストランスと、パルス圧縮回路と、を含む。
 フロントミラー18は部分反射ミラーであって、LNM12と共に光共振器を構成するように配置される。チャンバ14はこの光共振器の光路上に配置される。LNM12は、2個のプリズム50、52で構成されるビームエキスパンダと、回転ステージ54と、グレーティング56と、を含む。プリズム50、52は、チャンバ14のウィンドウ34から出射された光のビームをY方向に拡大し、グレーティング56に入射するように配置される。
 グレーティング56は、レーザ光の入射角と回折角とが一致するようにリトロー配置される。また、プリズム52は、回転ステージ54が回転したときに、レーザ光のグレーティング56への入射角と回折角とが変化するように回転ステージ54上に配置される。
 モニタモジュール20は、ビームスプリッタ60、62と、パルスエネルギ検出器64と、スペクトル検出器66と、を含む。ビームスプリッタ60はフロントミラー18から出力されたレーザ光の光路上であって、入射したレーザ光の一部を反射してビームスプリッタ62に入射させるように配置される。
 パルスエネルギ検出器64は、ビームスプリッタ62を透過したレーザ光が入射するように配置される。パルスエネルギ検出器64は、例えば、紫外線の光強度を計測するフォトダイオードであってもよい。ビームスプリッタ62は、入射したレーザ光の一部を反射してスペクトル検出器66に入射させるように配置される。スペクトル検出器66は、例えば、エタロンによって生成された干渉縞をイメージセンサで計測するモニタエタロン計測装置である。生成された干渉縞に基づいて、レーザ光の中心波長とスペクトル線幅とが計測される。
 ガス供給装置28は、不活性なレーザガスの供給源である不活性ガス供給源70及びハロゲンガスを含むレーザガスの供給源であるハロゲンガス供給源72のそれぞれと配管74、76を介して接続される。KrFエキシマレーザ装置の場合、不活性なレーザガスは、KrガスとNeガスとの混合ガスであり、ハロゲンガスを含むレーザガスは、F2ガスとKrガスとNeガスとの混合ガスである。ガス供給装置28は、チャンバ14に配管78を介して接続される。ガス供給装置28は、不活性なレーザガス及びハロゲンを含むレーザガスをそれぞれチャンバ14に所定量供給するための不図示の自動バルブと不図示のマスフローコントローラとをそれぞれ含む。
 ガス排気装置30は、チャンバ14と配管80を介して接続され、ハロゲンを除去する不図示のハロゲンフィルタと不図示の排気ポンプとを含み、ハロゲンを除去したレーザガスが外部に排気されるように構成される。
 出射口シャッタ32は、レーザ装置10から外部に出力されるレーザ光の光路上に配置される。
 インバータ16は、CFF38を駆動するモータ40の電源供給装置であって、プロセッサ26からモータ40に供給される電力の周波数を受信するように構成されている。本開示においてプロセッサ26とは、制御プログラムが記憶された記憶装置と、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)とを含む処理装置である。プロセッサ26は本開示に含まれる各種処理を実行するために特別に構成又はプログラムされている。プロセッサ26は、レーザ装置10の複数の構成と電気的に接続され、それらと通信したりそれらを制御したりできるように構成される。プロセッサ26に接続される構成は、不図示の構成も含む。プロセッサ26はさらに、露光装置90にも接続される。
 1.2 動作
 プロセッサ26は、チャンバ14内にあるガスを、ガス排気装置30を介して排気した後、ガス供給装置28を介して、Kr及びNeの混合ガスと、F2、Kr及びNeの混合ガスとを所望のガス組成及び全ガス圧となるようにレーザガスをチャンバ14内に充填する。
 プロセッサ26は、インバータ16を介して、所定の回転数でモータ40を回転させてCFF38を回転させる。その結果、電極42a、42b間にレーザガスが流れる。プロセッサ26は、露光装置90の露光制御部92から目標パルスエネルギEtを受信し、パルスエネルギがEtとなるように充電器22に充電電圧Vhvのデータを送信する。充電器22は、PPM24の充電コンデンサが充電電圧Vhvとなるように充電する。
 露光装置90から発光トリガ信号Tr1が出力されると、発光トリガ信号Tr1に同期してプロセッサ26からトリガ信号Tr2がPPM24の半導体スイッチ48に入力される。半導体スイッチ48が動作するとPPM24の充電コンデンサから電流が流れ、磁気圧縮回路によってパルス圧縮されて電極42a、42b間に高電圧が印加される。その結果、電極42a、42b間で放電が発生し、放電空間においてレーザガスが励起される。
 放電空間の励起されたレーザガスが基底状態となるときに、エキシマ光が発生する。このエキシマ光はフロントミラー18とLNM12と間を往復して増幅されることによってレーザ発振する。その結果、フロントミラー18から狭帯域化されたパルスレーザ光が出力される。フロントミラー18から出力されたパルスレーザ光はモニタモジュール20に入射する。
 モニタモジュール20ではビームスプリッタ60によって、パルスレーザ光の一部がサンプルされ、ビームスプリッタ62を介して、パルスエネルギ検出器64とスペクトル検出器66とに入射される。パルスエネルギ検出器64によって、パルスレーザ光のパルスエネルギEが計測され、このデータがプロセッサ26に送信される。スペクトル検出器66によって、パルスレーザ光の中心波長λとスペクトル線幅Δλとが計測され、これらデータがプロセッサ26に送信される。
 プロセッサ26は、露光装置90から目標パルスエネルギEtと目標波長λtとを受信する。プロセッサ26は、パルスエネルギの制御と、波長の制御とを含む各種の制御を行う。パルスエネルギの制御は、パルスエネルギ検出器64によって計測されたパルスエネルギEと目標パルスエネルギEtとの差ΔEが0に近づくように充電電圧Vhvを制御する。波長の制御は、スペクトル検出器66によって計測された中心波長λと目標波長λtとの差δλが0に近づくように回転ステージ54の回転角を制御する。
 以上のようにプロセッサ26は、露光装置90から目標パルスエネルギEtと目標波長λtとを受信して、発光トリガ信号Tr1が入力される毎に、発光トリガ信号Tr1に同期してパルスレーザ光を出力させる。
 レーザ装置10は放電を繰り返すと、電極42a、42bが消耗し、レーザガス中のハロゲンガスが消費されると共に、不純物ガスが生成される。チャンバ14内のハロゲンガス濃度の低下や不純物ガスの増加は、パルスレーザ光のパルスエネルギEの低下やパルスエネルギ安定性に悪影響を及ぼす。プロセッサ26は、これらの悪影響を抑制するために以下のガス制御([1]~[3])を実行する。
 [1]ハロゲン注入制御
 ハロゲン注入制御は、レーザ発振中に、チャンバ14内で主に放電によって消費されたハロゲンガスを、チャンバ14内のハロゲンガスよりも高い濃度にハロゲンガスを含むガスを注入することによってハロゲンガスを補充するガス制御である。
 [2]部分ガス交換制御
 部分ガス交換制御は、レーザ発振中に、チャンバ14内の不純物ガスの濃度の増加を抑制するように、チャンバ14内のレーザガスの一部を新しいレーザガスに交換するガス制御である。
 [3]ガス圧制御
 ガス圧制御は、レーザ装置10から出力されるパルスレーザ光のパルスエネルギEの低下を、充電電圧Vhvの制御範囲では改善困難な場合に、チャンバ14内にレーザガスを注入してレーザガスの全圧を変化させることによって、パルスエネルギEを制御するガス制御である。
 チャンバ14からレーザガスを排気する時は、プロセッサ26は、ガス排気装置30を制御する。チャンバ14から排気されたレーザガスはハロゲンフィルタによってハロゲンガスは除去され、レーザ装置10の外部に排気される。
 プロセッサ26は、発振パルス数、充電電圧Vhv、チャンバ14のガス圧Pch、レーザ光のパルスエネルギE等のパラメータのデータを、不図示のレーザ装置用管理システムに送信する。
 1.3 エラー情報の通知の例
 図2は、モニタモジュール20から得られる情報に基づいてエラー情報を通知する構成を概略的に示す。レーザ装置10は、複数のセンサからの情報をディスプレイ84やコンピュータネットワークに出力することができる。例えば、モニタモジュール20のパルスエネルギ検出器64、スペクトル検出器66及びモジュール内温度を計測する温度センサ68は、プロセッサ26に接続される。プロセッサ26は、これらセンサの状態量を監視し、異常値を検出すると対応するエラーコードや各状態量を出力し得る。
 レーザ装置10の他のモジュールや機器も同様にプロセッサ26に接続され、プロセッサ26によって動作を監視されている。
 これらプロセッサ26に接続され状態量を監視される各種のセンサと、各種のセンサとプロセッサ26とを電気的に接続する信号線やインターフェイスあるいは中継機器と、プロセッサ26自体に含まれる電気素子や電子素子を総称して、電装系ハードウェアと呼ぶ。
 電装系ハードウェアは、プロセッサ26と、レーザ装置10内でプロセッサ26が状態を監視するセンサを含む監視対象と、プロセッサ26と監視対象とを接続する配線を含む機器とによって構成される。したがって、電装系ハードウェアには、エンコーダ付きアクチュエータ、近接スイッチ、イーサネットの中継器、シーケンサ、AD変換機、DA変換機及びプログラマブルコントローラ等も含まれる。
 1.4 課題
 プロセッサ26は、監視下のモジュールやセンサ等からの出力に異常を検出すると、エラーや状態量をディスプレイ84等によってサービスエンジニアFSEに通知する。故障や不具合の箇所によっては複数のエラーや状態量が表示され、原因の特定が容易でない場合がある。
 そのような場合、サービスエンジニアFSEはレーザ装置10のエラーや異常な挙動を、以前に発生した不具合現象をまとめた不具合リスト88に照らし合わせて対応方法や交換部品を検討及び決定し、調整や修理などを行っている(図3参照)。不具合リスト88は、過去に発生したエラーや状態量に対応する、不具合の原因及び/又は交換部品のリストである。なお、部品の交換は「修理」の概念に含まれる。部品の「交換」には、部品を新しいものに置き換えることの他、部品を洗浄するなどして部品の機能の維持及び/又は回復を図り、同じ部品を再配置することも含まれる。
 図3は、レーザ装置10の不具合現象に対処するサービスエンジニアFSEの対応を模式的に示す。サービスエンジニアFSEは、ディスプレイ84等により通知されたレーザ装置10のエラーコードや異常な挙動などの不具合現象を確認し、原因の特定等が困難な場合に、不具合リスト88から対応方法や交換部品を参照し、機器や部品等の調整や修理を行う。
 このため、不具合リスト88に無い新規の不具合が発生すると対処方法が明らかでない場合があった。その場合、故障箇所を特定するための部分動作や特定データの取得を強いられ、作業時間が掛かっていた。それでも特定できない場合は、開発部門のメンバーが実機を調査する必要があり、解決に時間が掛かっていた。
 2.実施形態1
 2.1 構成
 図4は、実施形態1に係る訓練モデル106の作成方法を実施するシステムの概要を示す説明図である。サーバやクラウド等のデジタル空間DGSに、レーザ装置10の各種のセンサを含む電装系ハードウェアと、ソフトウェアとをモデル化したデジタルツイン100を構築する。デジタルツイン100は、レーザ装置10のデジタル複製である。このデジタルツイン100は、レーザ装置10の電装系ハードウェアや一部の部品等を物理モデル化したものを含んでもよい。デジタルツイン100は、ある部品が壊れた(故障した)という情報(以下、破壊部品情報という。)を入力すると、不具合現象としてエラーコードや状態量を現実空間のレーザ装置10と同様に出力するように構成される。
 デジタルツイン100にレーザ装置10内の部品を1つずつ又は複数の組み合わせで順次に壊した情報を入力して不具合現象を出力させ、破壊部品とその結果としての不具合現象(エラーコード、状態量等のレーザ装置10の挙動)とを対応付けてデータベース104に蓄積する。レーザ装置10内の部品を順次に壊す際の「部品」の概念には、信号線や電力供給線など伝送系の配線も含まれる。「壊す」とは、伝送系については配線を断線させることを含む。部品について「壊す」、あるいは「破壊」という表現は、「故障させる」、あるいは「故障」の概念を含む。
 デジタルツイン100に入力される破壊部品情報は、プログラムによって自動的に生成されてよい。デジタルツイン100上でレーザ装置10内の部品を1つずつ壊す、あるいは複数の部品を組み合わせて、組み合わせを変えて壊すことにより、デジタルツイン100から破壊部品に対応する不具合現象のデータが得られる。データベース104に蓄積されるデータは、例えば、図5に示すようなものであってよい。
 図5は、データベース104に蓄積されるデータの例を示す図表である。破壊部品は当該破壊部品が所属するモジュールやアセンブリと紐付けたデータとしてよい。アセンブリは、複数の部品が組み合わされたユニットである。図5に示す「所属モジュール」の項目は、破壊部品が所属するアセンブリであってもよい。「所属モジュール」は、メンテナンス時における部品交換の際の交換単位となる部品集合体であり、交換単位となるアセンブリ、機器及び検出器等の概念を含む。
 データベース104に蓄積されたデータは、機械学習のための訓練用データとして用いられる。すなわち、データベース104に蓄積されたデータ(デジタルツイン100によって作成されたデータ)を用いて機械学習を行うことによって訓練モデル106を訓練し、不具合現象の入力を受けて、故障箇所を出力するように訓練モデル106を作成する。
 訓練モデル106は、故障箇所の出力と共に、故障箇所が所属するモジュールやアセンブリ等を出力するようにしてもよい。訓練モデル106は、エキスパートシステムやベイジアン・ネットワークなどによる人工知能(AI)で構成されてもよいし、ニューラルネットワークを用いたものでもよい。
 データベース104及び訓練モデル106は、デジタル空間DGS上にネットワークからアクセス可能に構成される。ネットワークは、インターネットなどのワイドエリアネットワークであってもよい。
 デジタルツイン100とデータベース104とは、レーザ装置10の機種別に構築してもよい。レーザ装置10の機種別に構築されたデータベース104を用いて、機種別の訓練モデルが作成されてもよい。また、訓練モデル106は、複数のレーザ機種のデータベースによって訓練してもよい。
 デジタル空間DGSは、1つ以上の不図示のプロセッサと、1つ以上の不図示の記憶装置と、を含むコンピュータシステムを用いて実現される。記憶装置は、非一時的な有体物であるコンピュータ可読媒体であり、例えば、主記憶装置としてのメモリと、補助記憶装置としてのストレージと、を含む。デジタルツイン100の機能を実現するコンピュータと、データベース104の保存及び管理を行うコンピュータと、訓練モデル106を訓練する機械学習の処理機能を実現するコンピュータとがそれぞれ別々のハードウェアで構成されてもよいし、これらの処理機能の一部又は全部を実現するコンピュータが共通のハードウェアで構成されてもよい。
 2.2 動作
 2.2.1 訓練用データの生成及び訓練フェーズ
 デジタルツイン100は、現実空間におけるレーザ装置10の振る舞いをデジタル空間DGSにおいて仮想的に再現し得るシミュレーションモデルとして機能する。デジタルツイン100を用いることで、現実空間におけるレーザ装置10から実際にデータを収集することが困難な不具合現象、あるいは、現実にデータを収集するのに多大な時間がかかる不具合現象、さらには、過去に事例がない極めて稀な、若しくは想定外の不具合現象などについてのデータを人工的に作り出すことができる。
 こうして、デジタルツイン100を用いて生成されたデータセットを訓練用データとして用いて教師あり学習を行うことにより、不具合現象の入力を受けて故障箇所を出力するように訓練された訓練モデル106が得られる。訓練フェーズにおける訓練モデル106への入力は、不具合現象を示すエラーコードを含んでもよい。また、訓練モデル106への入力は、センサの出力値を含んでもよい。訓練モデル106は、入力された不具合情報に基づき故障箇所を推定するクラス分類の処理を行い、推定した結果(分類結果)を出力する。訓練モデル106からの出力は、故障箇所の確信度を示す分類スコアであってもよい。
 訓練用データにおいて不具合現象に対応付けされた破壊部品は、入力に用いた不具合現象に対応する故障箇所の正解データとして用いられる。訓練モデル106からの出力として、故障箇所と共に、又は故障箇所の代わりに、故障箇所が所属するモジュールやアセンブリの推定結果を出力させてもよい。この場合、訓練用データにおいて不具合現象に対応付けされた破壊部品の所属モジュールは、入力に用いた不具合現象に対応する故障箇所が所属するモジュールやアセンブリの正解データとして用いられる。
 データベース104に蓄積されている多数のデータを用いて訓練モデル106を訓練することにより、訓練モデル106のパラメータが適切な値に更新され、訓練モデル106は目標とする推論性能を獲得し得る。こうして作成された訓練済みの訓練モデル106は、図3で説明した不具合リスト88に代わるツールとして活用され得る。
 2.2.2 推論フェーズ
 図6は、実施形態1に係る訓練モデル120の作成方法を実施することにより作成された訓練済みモデルの使用方法の例を模式的に示す説明図である。図6に示す訓練モデル120は、図4で説明した方法により訓練されて相応の推論性能を獲得した訓練済みのモデルである。
 訓練モデル120は、ネットワークを介してアクセス可能なサーバ等のコンピュータに組み込まれる。レーザ装置10が不具合現象の情報(以下、不具合情報という。)を出力すると、ネットワークを介して訓練モデル120に不具合情報が入力される。この際、レーザ装置10はネットワークに接続されていてもよい。あるいは、サービスエンジニアFSEがネットワーク接続可能な不図示の端末を用いて不具合情報を、ネットワークを介して訓練モデル120に入力してもよい。サービスエンジニアFSEが操作する端末は、ノート型パーソナルコンピュータであってもよいし、タブレット端末などであってもよい。
 訓練モデル120は、不具合情報から故障箇所の推定リストを現場のサービスエンジニアFSEにネットワークを介して提供する。この際、推定リストはレーザ装置10のディスプレイ84に表示させてもよいし、サービスエンジニアFSEが携行した端末のディスプレイに表示されるようにしてもよい。このとき、訓練モデル120によって推定される故障箇所を少なくとも1つ表示する。さらに、故障箇所が所属するモジュールを表示してもよい。
 図7は、訓練モデル120を用いて推定された故障箇所の推定リストの例を示す図表である。推定リストの表示順は、故障箇所を多く含むモジュールを優先するようにしてもよい(図7参照)。すなわち、推定リストは、故障箇所を多く含むモジュールほど優先順位を高めて表示できるように構成される。図7における「推定順位」は表示の優先順位に相当している。サービスエンジニアFSEは、推定リストを参照して速やかに部品交換や調整作業を実施することができる。サービスエンジニアFSEが現場に赴く前に推定リストを提供すれば、交換部品をあらかじめ携えて現場に向かうことができる。
 2.3 作用・効果
 実施形態1に係る方法によれば、訓練モデル120が推定リストを提供するので、故障箇所の特定に要する作業を大幅に短縮できる。また、あらかじめデジタルツイン100上で、想定されるすべての部品を壊した際の不具合現象が把握できる。このため、現実のレーザ装置10では過去に発生したことのないエラーや、発生頻度が非常に低い不具合にも即座に適切な対応策を導くことができる。
 実施形態1において説明した訓練モデル106、120を作成する方法(作成方法)は、訓練モデル106、120を生産する方法(製造方法)、並びに訓練モデル106、120を記録したコンピュータ可読媒体の製造方法と理解することができる。
 3.実施形態2
 3.1 構成
 図8は、実施形態2に係る訓練モデル106の作成方法の概要を示す説明図である。図8に示すデータベース104は、図4で説明したようにデジタルツイン100を用いて作成された人工的な不具合データを蓄積したものである。なお、図8ではデジタルツイン100の図示が省略されている。図8について、図4と異なる点を説明する。
 訓練モデル106は、データベース104内のデータを用いて訓練する他に、現実のレーザ装置10から得られた実際の不具合現象と、その対応する実際の故障箇所との対応関係を示すデータ(実例に基づく実際のデータ)を用いて訓練してもよい。実際の故障箇所に関する情報は、その故障箇所が属するモジュール(故障モジュール)の情報を含んでいることが好ましい。このようなレーザ装置10において現実に確認されている不具合事象に基づくデータは、ネットワークを介して訓練モデル106に提供されてよい。
 実際の不具合現象と実際の故障箇所とが対応付けされたデータは、レーザ装置10の稼働現場において発現した不具合事象から得られたものに限らず、開発部門などにおいて実験的に発現させた不具合事象から得られたものであってもよく、また、同種のレーザ機種についての不具合事例として蓄積された不具合リストのデータを含んでもよい。その他のシステム構成は、図4と同様であってよい。
 3.2 動作
 実際のデータを訓練用データとして活用する方法として、例えば、データベース104内のデータを用いて訓練モデル106を訓練して、許容される実用レベルの推論性能が得られる訓練モデル120を作成した後に、さらに、実際のデータを追加の訓練用データとして用いて訓練モデル120に対して追加の訓練を行い、推論性能を強化する方法がある。この場合、既に実用レベルの推論性能を持つ訓練モデル120をサービス現場で活用する一方で、現場のレーザ装置10から得られた実際のデータを基に、訓練モデル120の性能のさらなる改善・向上を図り、訓練モデル120を更新することが可能である。
 また、別の方法として、目標とする実用レベルの推論性能を達成する際の訓練の過程で、データベース104内のデータと共に、実際のデータを訓練用データとして用い、訓練モデル106を訓練する方法がある。
 3.3 作用・効果
 実施形態2に係る方法によれば、実例に基づく実際のデータを訓練モデル120に逐次入力することによって、訓練モデル120の推論を次第に強化できる。
 また、実施形態2に係る方法によれば、デジタルツイン100を用いて人工的に作成されたデータに加え、実例に基づく実際のデータを用いて訓練モデル106、120を訓練することにより、訓練モデル106、120の推論精度を高めることができる。
 4.実施形態3
 4.1 構成
 図9は、実施形態3に係る訓練モデル120を備えるレーザ装置10、10Bとその活用例の概要を示す説明図である。図9に示す構成について、図4及び図8と共通する要素には同一の符号を付す。データベース104内のデータを用いて訓練された訓練モデル120は、レーザ装置10に搭載されてもよい。訓練モデル120は、レーザ装置10以外の他のレーザ装置10Bに搭載されてもよい。訓練モデル120がレーザ機種別に作成されている場合、レーザ装置10、10Bは同じ機種である。訓練モデル120が複数のレーザ機種に対して推論可能な汎用性のあるモデルとして作成されている場合、レーザ装置10、10Bは異なる機種であってもよい。レーザ装置10Bは、各種情報を表示するディスプレイ84Bを備える。
 レーザ装置10、10Bは訓練モデル120を搭載して出荷されてもよいし、出荷設置後に、ネットワーク経由で訓練モデル120を装置内にダウンロードするようにしてもよい。訓練モデル120は、レーザ装置10、10Bのソフトウェアに組み込まれていてもよい。
 訓練モデル120は、実施形態1又は実施形態2と同様に、サーバやクラウド等のデジタル空間DGSで訓練されたものでよい。
 4.2 動作
 レーザ装置10内の訓練モデル120は、レーザ装置10の制御部やソフトウェア、メモリ等にアクセス可能に接続され、プロセッサ26から不具合現象に関するデータを受領してもよい。
 レーザ装置10内の訓練モデル120は、不具合現象に関するデータを受領すると、実施形態1と同様に、不具合原因と故障箇所との推定結果を含む推定リスト(図5参照)をディスプレイ84に表示させるなどの態様により、現場のサービスエンジニアFSEに提示する。あるいは、レーザ装置10は、不具合原因と故障箇所の推定リストをネットワーク経由でレーザ装置メーカやサービスエンジニアFSEの端末に送信してもよいし、FDC(Fault Detection and Classification)システムに出力してもよい。他のレーザ装置10B内の訓練モデル120の動作についても同様である。
 訓練モデル120は、ネットワーク経由で適宜アップデートされてもよい。例えば、実際に発現した不具合現象と対応する故障箇所とのデータを随時各レーザ装置10、10Bから収集し、収集した実際のデータを追加の訓練用データとして用いてデジタル空間DGS上で随時訓練されている訓練モデル106によって、訓練モデル120が更新されてもよい。モデルの更新は定期的に行われてもよいし、オペレータが更新時期を指定してもよい。
 4.3 作用・効果
 実施形態3の構成によれば、サービスエンジニアFSEが現場で速やかに、あるいは事前に解決策を入手できるので、不具合解消にかかる時間がさらに短縮できる。レーザ装置単体でも故障箇所の推定が可能となるので、例えば通信機能に不具合が発生した場合や、通信回線の状況が悪い場合でも即座に適切な対応策が提示できる。また、実際のデータを用いて訓練モデル106に追加の訓練を行うことで、訓練モデル120の推論精度をさらに高めることが可能であり、ネットワーク経由で訓練モデル120を最新の状態に保つことができる。
 5.レーザ装置の他の形態
 図1では、狭帯域化KrFエキシマレーザ装置の例を示したが、この例に限定されることなく、狭帯域化ArFエキシマレーザ装置であってもよい。また、図1では、シングルチャンバのレーザ装置10の例を示したが、この例に限定されることなく、狭帯域化されたパルスレーザ光を出力するマスターオシレータと、マスターオシレータから出力されたパルスレーザ光を、エキシマレーザガスを含むチャンバによって増幅する増幅器と、を含むレーザ装置であってもよい。
 また、マスターオシレータと増幅器とを含むレーザ装置において、マスターオシレータは、固体レーザと非線形結晶とを組み合わせた、ArFレーザ又はKrFレーザの増幅可能な波長域で狭帯域化されたレーザ光を出力する固体レーザ装置であってもよい。
 6.情報処理システムの機能的役割
 図4で説明したように、デジタルツイン100を用いて様々な不具合現象に関するデータを人工的に作り出す情報処理システムは、不具合データを自動生成するデータ生成装置として機能し得る。また、この情報処理システムは、自動生成したデータをデータベース化してデータベース104を作成し得る点でデータベース作成装置として機能し得る。デジタルツイン100を用いて作成されるデータベース104は、レーザ装置10において発生し得る全ての不具合現象を網羅した不具合データ群となり得る。厳密に全ての不具合現象を網羅できないまでも、想定される概ね全ての不具合現象を網羅した不具合データ群であることが好ましい。
 データベース104は、訓練モデル106に対して訓練用データを提供する役割の他に、例えば、検索キーの入力を受け付けて、データベース104内のデータの検索結果を返すという使い方もあり得る。
 図4及び図8で説明したように、データベース104内のデータを訓練用データとして用いて機械学習を行い、訓練モデル106を訓練する機械学習システム(機械学習装置)は、訓練モデル作成装置として機能する。訓練済みの訓練モデル120を用いて不具合現象から故障箇所を推定する情報処理システムは、故障箇所推定装置として機能する。また、訓練モデル120を用いて不具合現象から故障箇所が属する交換部品であるモジュールを推定する情報処理システムは、交換部品推定装置あるいは不具合対応策支援装置として機能する。訓練モデル120は、レーザ装置10、10Bや、サービスエンジニアFSEが携行する端末などに組み込まれる態様に限らず、クラウドサーバ等に展開され、ネットワーク経由で不具合現象の情報の入力を受け付け、故障箇所の推定結果を返すSaaS(Software as a Service)として適用されてもよい。
 また、コンピュータに、データ生成装置、機械学習装置、交換部品推定装置あるいは不具合対応策支援装置としての処理機能の一部又は全部を実現させるプログラムを非一時的な有体物であるコンピュータ可読媒体に記録してプログラムを配布することも可能である。
 7.電子デバイスの製造方法について
 図10は、露光装置90の構成例を概略的に示す。露光装置90は、照明光学系804と投影光学系806とを含む。レーザ装置10は、図8で説明したように、訓練モデル120を備える構成であってよい。レーザ装置10はパルスレーザ光を生成し、露光装置90に出力する。照明光学系804は、レーザ装置10から入射したレーザ光によって、レチクルステージRT上に配置された不図示のレチクルのレチクルパターンを照明する。投影光学系806は、レチクルを透過したレーザ光を、縮小投影してワークピーステーブルWT上に配置された不図示のワークピースに結像させる。ワークピースはフォトレジストが塗布された半導体ウエハ等の感光基板である。
 露光装置90は、レチクルステージRTとワークピーステーブルWTとを同期して平行移動させることにより、レチクルパターンを反映したレーザ光をワークピースに露光する。以上のような露光工程によって半導体ウエハにレチクルパターンを転写後、複数の工程を経ることで半導体デバイスを製造できる。半導体デバイスは本開示における「電子デバイス」の一例である。レーザ装置10の代わりに、図9に示す他のレーザ装置10Bであってもよいし、狭帯域化ArFエキシマレーザ装置であってもよく、また、マスターオシレータと増幅器とを含むレーザ装置などであってもよい。
 8.その他
 上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図している。したがって、特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかである。また、本開示の実施形態を組み合わせて使用することも当業者には明らかである。
 本明細書及び特許請求の範囲全体で使用される用語は、明記が無い限り「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」、「有する」、「備える」、「具備する」などの用語は、「記載されたもの以外の構成要素の存在を除外しない」と解釈されるべきである。また、修飾語「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。また、「A、B及びCの少なくとも1つ」という用語は、「A」「B」「C」「A+B」「A+C」「B+C」又は「A+B+C」と解釈されるべきである。さらに、それらと「A」「B」「C」以外のものとの組み合わせも含むと解釈されるべきである。

Claims (19)

  1.  レーザ装置の電装系ハードウェアとソフトウェアとをモデル化したデジタルツイン上で前記レーザ装置内の部品を壊し、破壊した部品と前記デジタルツインが出力する不具合現象とを対応付けたデータを蓄積することによりデータベースを作成することと、
     不具合現象の情報の入力を受けて、前記入力に対応した故障箇所の情報を出力するように、前記データベース内の前記データを機械学習の訓練用データとして用いて訓練モデルを訓練することと、
     を含む訓練モデルの作成方法。
  2.  請求項1に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記電装系ハードウェアは、
     プロセッサと、
     前記プロセッサが状態を監視するセンサを含む監視対象と、
     前記プロセッサと前記監視対象とを接続する配線を含む機器と、
     を含む訓練モデルの作成方法。
  3.  請求項1に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記デジタルツインは、前記レーザ装置内の前記部品の1つ又は複数の組み合わせが壊れたことを示す情報が入力されると、前記不具合現象としてエラーコード及び状態量のうち少なくとも1つの情報を出力する、
     訓練モデルの作成方法。
  4.  請求項1に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記デジタルツイン上で前記レーザ装置内の部品を1つずつ壊すことにより、前記破壊した部品と前記不具合現象とを対応付けた前記データが前記データベースに蓄積される、
     訓練モデルの作成方法。
  5.  請求項1に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記デジタルツイン上で前記レーザ装置内の複数の部品を組み合わせて壊し、破壊する前記複数の部品の組み合わせを変えることにより、前記破壊した部品と前記不具合現象とを対応付けた前記データが前記データベースに蓄積される、
     訓練モデルの作成方法。
  6.  請求項1に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記データベースに蓄積される前記データは、前記破壊した部品が所属するモジュールの情報を含む、
     訓練モデルの作成方法。
  7.  請求項6に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記訓練モデルが出力する前記故障箇所の情報は、前記故障箇所が所属するモジュールの情報を含む、
     訓練モデルの作成方法。
  8.  請求項6に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記訓練モデルは、入力された前記不具合現象の情報から推定した前記故障箇所が所属するモジュールの情報を含む推定リストを出力し、
     前記推定リストは、前記故障箇所を多く含む前記モジュールほど優先順位を高めて表示できるように構成される、
     を含む訓練モデルの作成方法。
  9.  請求項1に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記デジタルツインと前記データベースとは、前記レーザ装置の機種別に構築される、
     訓練モデルの作成方法。
  10.  請求項9に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記訓練モデルは、前記機種別に構築された複数のレーザ機種の前記データベースに含まれるデータを用いて訓練される、
     訓練モデルの作成方法。
  11.  請求項1に記載の訓練モデルの作成方法であって、さらに、
     前記レーザ装置において発現した現実の故障箇所と不具合現象とが対応付けされた実際のデータを用いて、前記訓練モデルを訓練することを含む、
     訓練モデルの作成方法。
  12.  請求項11に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記実際のデータを追加の訓練用データとして用いて前記訓練モデルに対する追加の訓練を行うことを含む、
     訓練モデルの作成方法。
  13.  請求項12に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記実際のデータをネットワーク経由で取得して前記追加の訓練を行う、
     訓練モデルの作成方法。
  14.  請求項12に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記実際のデータを用いた前記追加の訓練を行うことにより前記訓練モデルを更新し、前記更新された前記訓練モデルをネットワーク経由で提供することを含む、
     訓練モデルの作成方法。
  15.  請求項11に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記訓練モデルは、複数のレーザ装置から得られた前記実際のデータを訓練用データに用いて訓練される、
     訓練モデルの作成方法。
  16.  請求項15に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記複数のレーザ装置から得られた前記実際のデータを追加の訓練用データとして用いて前記訓練モデルに追加の訓練を行い、前記訓練モデルを更新する、
     訓練モデルの作成方法。
  17.  請求項1に記載の訓練モデルの作成方法であって、
     前記データベース内のデータを用いて訓練された前記訓練モデルをレーザ装置に搭載することを含む、
     訓練モデルの作成方法。
  18.  レーザ装置であって、
     プロセッサと、
     前記プロセッサが状態を監視するセンサを含む監視対象と、
     前記プロセッサと前記監視対象とを接続する配線を含む機器と、を含む電装系ハードウェアと、
     不具合現象の情報の入力を受けて、前記入力に対応した故障箇所の情報を出力するように機械学習によって訓練された訓練モデルと、
     を備え、
     前記訓練モデルは、前記レーザ装置の前記電装系ハードウェアとソフトウェアとをモデル化したデジタルツイン上で前記レーザ装置内の部品を壊し、破壊した部品と前記デジタルツインが出力する不具合現象とを対応付けたデータを蓄積することにより作成されたデータベース内の前記データを訓練用データとして用いて訓練されたモデルである、
     レーザ装置。
  19.  電子デバイスの製造方法であって、
     プロセッサと、
     前記プロセッサが状態を監視するセンサを含む監視対象と、
     前記プロセッサと前記監視対象とを接続する配線を含む機器と、を含む電装系ハードウェアと、
     不具合現象の情報の入力を受けて、前記入力に対応した故障箇所の情報を出力するように機械学習によって訓練された訓練モデルと、
     を備えるレーザ装置であって、前記訓練モデルは、前記レーザ装置の前記電装系ハードウェアとソフトウェアとをモデル化したデジタルツイン上で前記レーザ装置内の部品を壊し、破壊した部品と前記デジタルツインが出力する不具合現象とを対応付けたデータを蓄積することにより作成されたデータベース内の前記データを訓練用データとして用いて訓練されたモデルである、前記レーザ装置によってレーザ光を生成し、
     前記レーザ光を露光装置に出力し、
     電子デバイスを製造するために、前記露光装置内で感光基板に前記レーザ光を露光することを含む電子デバイスの製造方法。
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