JP7481000B2 - 移動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、線条体に沿って移動させながら構造物の測定や撮像等の点検を行う移動装置に関する。
張り渡したケーブル上を自走させて動画等の撮影を行うケーブルカムと呼ばれる装置が知られている。ケーブルカムの自走はケーブルカムが備えるプーリの駆動により行われ、撮影はケーブルカムに搭載したカメラにより行われる。ケーブルカムの移動範囲は、ケーブルが張り渡された範囲内に限られるが、墜落や衝突の恐れのない状態で撮影を行うことができる。
一方、ケーブルは剛体ではなく、揺れや撓みが生じ、ケーブルカムの安定した直線移動は困難であった。ケーブルカムの移動が不安定であると、ケーブルカムに搭載したカメラの姿勢も不安定になり、撮影画像が悪化する。
この点、特許文献1に記載のケーブルカム装置においては、ケーブルに垂直方向に設置された2個以上のローター(プロペラ)の推力差を使って装置の姿勢制御を行い、ケーブルの揺れを緩和するようにしている。
特開2020-11703号公報
しかしながら、特許文献1記載のケーブルカム装置のように、プロペラの推力差を使って装置の姿勢制御を行う場合、重量の大きな装置全体をプロペラの推力で姿勢制御を行うので、プロペラの推力が小さいと制御困難となってしまう。制御を容易にするため、プロペラの駆動力を高めようとすると、装置の大型化や重量増を招いてしまう。
また、同ケーブルカム装置においては、プロペラの固定軸が装置本体と一体になっており、姿勢制御により装置本体の姿勢も変化する。この姿勢変化によりケーブルにねじれが生じ、このねじれは装置本体の脱落防止には不利になる。
本発明は前記のような従来の問題を解決するものであり、姿勢制御が容易で、装置の脱落防止に有利な移動装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の移動装置は、線条体に沿って移動させる移動装置であって、前記線条体を挟む回転輪を有し、前記回転輪の回転で前記線条体に沿って移動可能な昇降体と、回転体を有し、前記回転体の回転による推進力又は反作用により、前記線条体回りに回転移動可能な姿勢制御体とを備え、前記回転体の回転数及び回転方向の制御により、前記姿勢制御体の姿勢制御が可能であり、前記姿勢制御体は前記昇降体から分離しており、前記昇降体から独立して前記姿勢制御体の前記姿勢制御が可能であることを特徴とする。
前記本発明の移動装置によれば、姿勢制御体は昇降体から分離しており、昇降体から独立して姿勢制御体の姿勢制御が可能であるので、姿勢制御の対象物の重量が移動装置全体の重量に比べ大幅に軽くなり、制御の応答性向上に有利になり、制御が容易になる。この場合、昇降体の姿勢が不安定であっても、姿勢制御により、カメラを搭載した姿勢制御体の姿勢が安定していれば、撮影画像が悪化することを防止することができる。また、昇降体は姿勢制御の対象物ではないので、姿勢制御によって、昇降体に設けた回転輪が挟んだ線条体にねじれが生じることはなく、姿勢制御による昇降体の脱落を防止することができる。
前記本発明の移動装置体においては、前記姿勢制御体と前記昇降体との間に、摺動体が介在していることが好ましい。この構成によれば、線条体回りの姿勢制御体の回転移動が滑らかになるので、姿勢制御の安定化に有利になる。
また、前記本発明の移動装置体においては、前記姿勢制御体を制御する姿勢制御用コンピュータと、前記昇降体を制御する昇降制御用コンピュータとを、それぞれ独立したコンピュータとして備えていることが好ましい。この構成によれば、各コンピュータを搭載する姿勢制御コントローラ及び昇降制御コントローラの一方に重量が偏ることが防止でき動作や制御が安定化するとともに、回路や配線が複雑化することも防止することができる。
また、前記本発明の移動装置体においては、前記回転体がプロペラであり、前記プロペラが水平に近い傾斜角度で配置されており、前記プロペラの回転による推進力に加え、前記プロペラの回転の反作用による前記姿勢制御体の回転を利用して前記姿勢制御を行うようにしたことが好ましい。この構成によれば、プロペラの回転による推進力に加え、プロペラの回転の反作用による姿勢制御体の回転を利用して姿勢制御を行うことができるので、姿勢制御の応答性が良好になる。
本発明の効果は前記のとおりであり、要約すれば、姿勢制御の対象物の重量が移動装置全体の重量に比べ大幅に軽くなり、制御の応答性向上に有利になり、制御が容易になる。また、昇降体は姿勢制御の対象物ではないので、姿勢制御によって、昇降体に設けた回転輪が挟んだ線条体にねじれが生じることはなく、姿勢制御による昇降体の脱落を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る移動装置の外観斜視図。 本発明の一実施形態に係る移動装置の走行状態における外観斜視図。 本発明の一実施形態に係る移動装置による点検の様子を示す概略図。 本発明の一実施形態に係る移動装置の制御の概要を示す図。 図4(a)の詳細を示したブロック図。 図4(b)の詳細を示したブロック図。 図4(b)の詳細の別の例を示したブロック図。 本発明の別の実施形態に係る移動装置の外観斜視図。 本発明のさらに別の実施形態に係る移動装置の外観斜視図。
本発明は点検に適した移動装置に関するものである。本発明に係る点検は、移動装置を例えば工場やゴミ焼却施設等の大型炉や煙突といった構造物の内部空間で移動させ、構造物の内部や内壁を点検するものであるが、点検の種類には特に限定はない。点検は、例えばカメラによる撮影であるが、これに限るものではなく、測定器による測定も含んでいる。
移動装置を移動させる構造物の内部空間は、地下鉄駅構内、地下街、地下施設、大型ドーム施設等の建造物の内部空間であってもよい。また、構造物の内部空間は、煙突等の内部空間のように閉じた空間に限るものではなく、例えば点検対象は構造物の外部や外壁であってもよい。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る移動装置1の外観斜視図を示している。移動装置1は昇降体2と姿勢制御体3とで構成されている。昇降体2と姿勢制御体3とは分離可能であり、図1では便宜のため、両者を分離した状態を示している。
昇降体2は、昇降体本体2aに、ガイドローラー4~6及び複数の摺動体7を取り付けたものである。ガイドローラー4~6は、回転輪であればよく、ローラーでもタイヤでもよい。昇降体本体2aの内部には、図示はしていないが、受信機、ガイドローラーの駆動用モータ、昇降制御用コンピュータ及びバッテリが内蔵されている。昇降制御用コンピュータは、昇降体2の上昇又は下降を制御するコンピュータである。
昇降体本体2aは延出部11を備えており、延出部11に摺動体7が取付けられている。摺動体7は回転輪8と支持具9で構成されている。回転輪8は特に限定はなく、ローラーでもベアリングでもよい。
姿勢制御体3は、点検機器の設置台20と左右一対のプロペラユニット21を備えている。設置台20とプロペラユニット21は支持体24を介して連結されている。図1の例では、点検機器としてカメラ15が設置台20上に搭載されている。プロペラユニット21は、回転体であるプロペラ22とプロペラ駆動用のモータ23を備えている。図1はプロペラユニット21を簡略化して図示しており、プロペラ22の外周を囲むケーシング等の図示は省略している。
設置台20には、制御ボックス26が設置されており、図示はしていないが、受信機、姿勢制御用コンピュータ、バッテリ及び各種センサが内蔵されている。姿勢制御用コンピュータは、姿勢制御体3の姿勢を制御するコンピュータである。図1では、延出部11に摺動体7が取付けられているが、設置台20に取り付けてもよい。
昇降体本体2aの延出部11にはガイド12が形成されている。図1の例では、ガイド12は切欠きであり、ガイド12をガイドワイヤ10が通過している。姿勢制御体3の載置台20にはガイド25が形成されている。図1の例では、ガイド25は孔であり、ガイド25をガイドワイヤ10が挿通している。
ガイド12及びガイド25は、ガイドワイヤ10に沿って移動装置1を案内させることができるものであればよく、別部品として設けた筒体やリング等の環状体でもよい。また、ガイドワイヤ10は線条体であればよく、糸でもロープでもよく、長いロッド状の棒状体でもよい。
図2は移動装置1の走行状態における外観斜視図を示している。図2の状態では、図1の状態から姿勢制御体3は自重で降下し、姿勢制御体3の載置台20が昇降体2の摺動体7に当接している。移動装置1は、昇降体2が昇降することにより、ガイドワイヤ10に沿って移動可能である。昇降体2に設けたガイドローラー4~6は、ガイドローラー4とガイドローラー5及び6との間に、ガイドワイヤ10を挟むように配置されている。
この構成によれば、ガイドローラー4~6中の1輪を昇降体2の内部に設けた駆動用モータ(図示せず)で回転駆動させることにより、回転方向に応じて昇降体2が上昇又は下降する。昇降体2が上昇中(矢印e方向)は、昇降体2が姿勢制御体3を押し上げるので、載置台20の摺動体7への当接状態は保たれる。昇降体2が下降中(矢印d方向)は、姿勢制御体3は自重で降下するので、載置台20の摺動体7への当接状態は保たれる。したがって、昇降体2の昇降中においては、載置台20の摺動体7への当接状態は保たれ、昇降体2と姿勢制御体3とが一体になって、移動装置1が昇降する。
ガイドワイヤ10に揺れや撓みが生じると、移動装置1の安定した直線移動は困難になる。移動装置1の走行が不安定になると、設置台20に搭載したカメラ15の姿勢も不安定になり、撮影画像が悪化する。移動装置1の姿勢変化としては、図2に示したように、X軸(ロール軸)回りの回転(矢印a)、Y軸(ピッチ軸)回りの回転(矢印b)及びZ軸(ヨー軸)回りの回転(矢印c)が挙げられる。
本実施形態においては、姿勢制御体3は左右一対のプロペラユニット21を備えており、各種センサの検出値に応じて、プロペラ22の回転数及び回転方向を制御することにより、姿勢制御体3の姿勢の安定化を図るようにしている。姿勢制御の詳細は後に説明する。
本実施形態における姿勢制御は、移動装置1全体の姿勢制御ではなく、移動装置1の一部である姿勢制御体3の姿勢制御である。昇降体2の姿勢が不安定であっても、カメラ15を搭載した姿勢制御体3の姿勢が安定していれば、撮影画像が悪化することを防止することができる。移動装置1は、姿勢制御体3と昇降体2とが分離しているので、姿勢制御体3を昇降体2から独立して、姿勢制御することが可能である。
この姿勢制御によれば、姿勢制御の対象物が姿勢制御体3だけであるので、対象物の重量が移動装置1全体の重量に比べ大幅に軽くなり、制御の応答性向上に有利になり、制御が容易になる。
また、昇降体2に設けたガイドローラー4~6は、ガイドワイヤ10を挟んでいる。このため、移動装置1全体を姿勢制御した場合は、昇降体2がガイドワイヤ10を中心として回転すると、ガイドワイヤ10にねじれが生じ易くなる。ねじれが生じると、ガイドローラー4~6からガイドワイヤ10が外れて、昇降体2が脱落する可能性がある。本実施形態では、昇降体2は姿勢制御の対象物ではないので、姿勢制御によって、ガイドワイヤ10にねじれが生じることはなく、姿勢制御による昇降体2の脱落を防止することができる。
図3は、移動装置1による点検の様子を示す概略図である。煙突30の頂部にレバー31が取り付けられており、レバー31に固定用ワイヤ32が固定され、固定用ワイヤ32の端部にシャックル33を介してガイドワイヤ10が固定されている。ガイドワイヤ10は煙突30内に垂らされており、下端がガイドワイヤ固定冶具34で支持されている。
仮設のビティ足場35内の操縦者36はR/C(Radio Control)送信機40を操作して移動装置1を操縦する。図3における移動装置1は、図2に示した移動装置1と同一であり、昇降体2と姿勢制御体3とが一体になって、移動装置1がガイドワイヤ10に沿って昇降する。移動装置1が上昇又は下降しながら、カメラ15により煙突30の内部を撮影する。図3の例では点検対象は、煙突30の内壁のライニング(表面処理)である。点検対象は内壁に限るものではなく、構造物の内部全体が対象となり、例えば内壁に設けたマンホールや温度計等も点検対象になる。
図3において、操縦者36はR/C送信機40を操作して移動装置1が備えるカメラ15で煙突30内を撮影する。本実施形態では、カメラ15は暗所内でも撮影可能な高感度カメラを用いている。移動装置1にはカメラ15とは別に、360°カメラを装着してもよい。この場合は、カメラ15による撮影の前に360°カメラで煙突30内の全景を撮影し事前点検を行うことができる。
移動装置1をガイドワイヤ10に沿って移動させながら行なう点検は、無人小型飛行体を飛行させながら行う点検に比べ、次のような利点がある。移動装置1は、ガイドワイヤ10に沿って移動するので、移動コースが物理的に制限されて内壁との間に一定距離が保たれる。このことにより、内壁への接触を防止することができ、非GPS環境である構造物の内部空間においても安定した移動が可能になる。
より具体的には、通常、無人小型飛行体の飛行は、機体を三次元的に飛行させる操縦が必要であり、狭所空間での操縦ではより細かな操縦が必要となるが、本実施形態では、移動装置1はガイドワイヤ10に沿って移動するので、1方向に移動させる操縦で足り、操縦が容易になる。
また、煙突内等の狭所空間で無人小型飛行体を飛行させる場合、機体自体が発生させる風の影響を受け、慣性の法則によって機体が前後左右に移動してしまう。本実施形態では、移動装置1はガイドワイヤ10に沿って移動するので、ガイドワイヤ10によって前後左右の移動が規制され、移動装置1自体が発生させる風の影響を受けにくくなる。
さらに、本実施形態では、例えば図3において煙突20の中心付近にガイドワイヤ10を設置しているが、ガイドワイヤ10は干渉物のない位置に任意に設置できるので、内部構造物を避ける必要や、壁面に接近した撮影が必要な場合にでも、ガイドワイヤ10の設置位置を適宜変更することにより、移動装置1と内部構造物や壁面との距離を容易に調整することが可能になる。
以下、図4を参照しながら、移動装置1の制御について説明する。図4は移動装置1の制御の概要を示す図である。移動装置1の制御は、昇降体2の昇降制御と姿勢制御体3の姿勢制御に大別される。図4(a)は2台のR/C送信機40a、40bで各制御を分担する例を示しており、図4(b)は1台のR/C送信機40で各制御を行う例を示している。
図4(a)において、姿勢制御は、姿勢制御コントローラ41が制御対象43を制御することにより行われ、昇降制御は、昇降制御コントローラ42が制御対象44を制御することにより行われる。姿勢制御はR/C送信機40aを介して行われ、昇降制御はR/C送信機40bを介して行われる。
姿勢制御コントローラ41及び制御対象43は、図2に示した姿勢制御体3の設置台20上の制御ボックス26内に内蔵されている。昇降制御コントローラ42及び制御対象44は、図2に示した昇降体本体2a内に内蔵されている。
図4(a)のように、2台のR/C送信機40a、40bで各制御を分担する例では、2人の操縦者で移動装置1を制御することができ、2人の操縦者の一方が姿勢制御を担当し、他方の操縦者が昇降制御を担当することができる。このような役割分担により、姿勢制御を担当する操縦者がカメラ15(図2参照)の角度の微調整や撮影に専念できる一方、昇降制御を担当する操縦者により、異常時の緊急対応を行うことができる。
図4(b)においては、コントローラ側の構成は、図4(a)と同じである。図4(b)では1台のR/C送信機40で姿勢制御コントローラ41及び昇降制御コントローラ42の制御が行われる。この構成では、操縦者が1人であっても、移動装置1を制御することができる。
図5は、図4(a)の詳細を示したブロック図である。姿勢制御コントローラ41は、3軸ジャイロセンサ45、3軸加速度センサ46及び姿勢制御用コンピュータ50を備えている。3軸ジャイロセンサ45は、図2に示したX軸(ロール軸)、Y軸(ピッチ軸)及びZ軸(ヨー軸)を基準軸としたときの、基準軸回りの角速度を検出するセンサである。3軸加速度センサ46は、前記のX軸、Y軸及びZ軸の各軸の軸方向における加速度を検出するセンサである。
姿勢制御用コンピュータ50は、3軸ジャイロセンサ45及び3軸加速度センサ46の検出値に基づいて、制御対象43であるスラスターアンプを制御し、同アンプにより、図2に示したプロペラ駆動用のモータ23を制御する。スラスターアンプはESC(Electric Speed Controller)と呼ばれるものであり、モータ23の回転数及び回転方向の制御が可能である。
図2において、一対のプロペラユニット21のうち、一方のプロペラユニット21は、プロペラ22の回転方向に応じて時計回り(矢印f方向)にも反時計回り(矢印g方向)にも回転可能である。同様に他方のプロペラユニット21についても、プロペラ22の回転方向に応じて時計回り(矢印h方向)にも反時計回り(矢印i方向)にも回転可能である。
したがって、一対のプロペラユニット21の回転方向と回転数を制御することにより、姿勢制御体3の姿勢制御が可能になる。図5において、姿勢制御は3軸ジャイロセンサ45及び3軸加速度センサ46の検出値に基づいて、姿勢制御体3の姿勢の安定状態を維持させるものであるが、R/C受信機1で受信したR/C送信機40aからの指令に応じて、姿勢を修正したり変更させることも可能である。
より具体的には、姿勢制御用コンピュータ50は、3軸ジャイロセンサ45及び3軸加速度センサ46の検出値に基づく姿勢情報をR/C受信機1に送ることが可能であり、R/C受信機1は同姿勢情報をR/C送信機40aに送ることが可能である。操縦者はR/C送信機40aで同姿勢情報を確認した上で、R/C送信機40aの操作により、姿勢を修正したり変更させることができる。
図5において、昇降制御コントローラ42は、昇降制御用コンピュータ51を備えている。昇降制御用コンピュータ51は、R/C受信機2で受信したR/C送信機40bからの指令に応じて、制御対象44であるモータアンプを制御し、同アンプにより、図2に示したローラー4~6中の駆動輪の駆動用のモータ(図示せず)を制御する。モータアンプにより、同モータの回転数及び回転方向の制御が可能である。
したがって、昇降制御用コンピュータ51による制御により、図2において、ガイドローラー4~6中の駆動輪の回転数及び回転方向を制御できるので、昇降体2の上昇(矢印e方向)と下降(矢印d方向)の切り換えや、上昇速度及び下降速度の設定が可能になる。また、昇降体2を移動停止状態にすることもできる。
また、本実施形態においては、ガイドローラー4~6中の駆動輪の回転量を検出可能なロータリーエンコーダ47を備えており、操縦者はR/C送信機40bで移動装置1の位置情報を確認することができる。ロータリーエンコーダ47を備えていることにより、移動装置1の上限位置をR/C送信機40bで予め設定しておき、上限位置に達したら、昇降体2の上昇を停止するようにすることもできる。ロータリーエンコーダ47は、ガイドローラー4~6中の駆動輪の駆動用モータに直接取り付けている。
図6は、図4(b)の詳細を示したブロック図である。本図の構成は図5と同様であるが、R/C送信機40が1台である点と、R/C送信機2を追加している点が図5の構成と異なっている。図6の構成においては、R/C送信機2とR/C受信機2との間で、信号のやり取りを行うようにすることにより、R/C送信機40が1台で足りるようにしている。
図7は、図4(b)の詳細の別の例を示したブロック図である。本図の構成は図6と同様であるが、R/C送信機1が昇降制御コントローラ42側に設けられている点が、図6の構成と異なっている。図7の構成においても、R/C送信機2とR/C受信機2との間で、信号のやり取りを行うようにすることにより、R/C送信機40が1台で足りるようにしている。
図5~図7のいずれにおいても、姿勢制御用コンピュータ50と昇降制御用コンピュータ51とを、それぞれ独立したコンピュータとして備えている。図2に示したように、移動装置1は昇降体2と姿勢制御体3とで構成されており、それぞれ独立した構造体であり、かつ分離している。このため、昇降体2及び姿勢制御体3を制御するコンピュータもそれぞれ独立していれば、各コンピュータを搭載する姿勢制御コントローラ41及び昇降制御コントローラ42の一方に重量が偏ることが防止でき動作や制御が安定化するとともに、回路や配線が複雑化することも防止することができる。
以下、本発明の別の実施形態について説明する。図8は本発明の別の実施形態に係る移動装置1aの外観斜視図を示している。図2に示した移動装置1は、プロペラユニット21が2個であるが、図8に示した移動装置1aは4個のプロペラユニット21a~21dを備えている。また、図2に示した移動装置1は、プロペラ21が垂直に配置されているが、図8に示した移動装置1aはプロペラ22a~22dは、水平に近い傾斜角度で配置されている。これら以外の外観構成は、図8に示した移動装置1aは、図2に示した移動装置1と共通している。
プロペラ22a~22dは、水平に近い傾斜角度で配置されているので、プロペラ22aが時計方向(矢印j)に回転すると、その反作用で姿勢制御体3は半時計方向(矢印k)に回転する。このため、プロペラ22aの回転による推進力に加え、プロペラ22aの回転の反作用による姿勢制御体3の回転を利用して姿勢制御を行うことができ、姿勢制御の応答性が良好になる。例えば、プロペラ22a~22dの回転方向を時計方向、半時計方向、時計方向、半時計方向とし、各プロペラの回転数を適宜調整することにより、姿勢制御体3の姿勢制御を行うことができる。
図9は本発明のさらに別の実施形態に係る移動装置1bの外観斜視図を示している。図2に示した移動装置1及び図8に示した移動装置1aは、回転体としてプロペラ22又はプロペラ22a~22dを用いていたが、回転体は推進力を発生させるものに限らない。図9に示した移動装置1bは、回転体としてフライホイール28a~28dを用いている。フライホイール28a~28dはモータ23で駆動され、フライホイールユニット27a~27dとして、支持体24に取り付けられている。図9に示した移動装置1bの構成は、フライホイールユニット27a~27d以外は、図8に示した移動装置1aと共通している。
フライホイール28a~28dは水平に配置されており、例えばフライホイール28aが時計方向(矢印j)に回転すると、その反作用で姿勢制御体3は半時計方向(矢印k)に回転する。すなわち、フライホイール28aが回転しても推進力は発生しないが、回転の反作用を利用して姿勢制御体3の姿勢制御を行うことができる。例えば、フライホイール28a~28dの回転方向を時計方向、半時計方向、時計方向、半時計方向とし、各フライホイールの回転数を適宜調整することにより、姿勢制御体3の姿勢制御を行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、前記実施形態は一例であり、適宜変更したものであってもよい。例えば、図1において、設置台20を上下2段構造とし、上下の設置台20の間に制御ボックス26を配置してもよい。また、図1において、ガイドローラー4~6はガイドワイヤ10を挟むように配置していればよく、個数に制限はない。
さらに、前記実施形態においては、回転体であるプロペラやフライホイールが複数の例を示したが、1個以上であればよい。回転体が1個だけの移動装置であっても、回転体の正転及び逆転を制御することにより、姿勢制御体3の姿勢制御を行うことができる。
1,1a,1b 移動装置
2 昇降体
2a 昇降体本体
3 姿勢制御体
4,5,6 ガイドローラー(回転輪)
7 摺動体
10 ガイドワイヤ
15 カメラ
20 設置台
21,21a,21b,21c,21d プロペラユニット
22,22a,22b,22c,22d プロペラ(回転体)
23 モータ
27a,27b,27c,27d フライホイールユニット
28a,28b,28c,28d フライホイール(回転体)
40,40a,40b R/C送信機
41 姿勢制御コントローラ
42 昇降制御コントローラ
50 姿勢制御用コンピュータ
51 昇降制御用コンピュータ

Claims (4)

  1. 線条体に沿って移動させる移動装置であって、
    前記線条体を挟む回転輪を有し、前記回転輪の回転で前記線条体に沿って移動可能な昇降体と、
    回転体を有し、前記回転体の回転による推進力又は反作用により、前記線条体回りに回転移動可能な姿勢制御体とを備え、
    前記回転体の回転数及び回転方向の制御により、前記姿勢制御体の姿勢制御が可能であり、
    前記姿勢制御体は前記昇降体から分離しており、前記昇降体から独立して前記姿勢制御体の前記姿勢制御が可能であることを特徴とする移動装置。
  2. 前記姿勢制御体と前記昇降体との間に、摺動体が介在している請求項1に記載の移動装置。
  3. 前記姿勢制御体を制御する姿勢制御用コンピュータと、前記昇降体を制御する昇降制御用コンピュータとを、それぞれ独立したコンピュータとして備えている請求項1又は2に記載の移動装置。
  4. 前記回転体がプロペラであり、前記プロペラが水平に近い傾斜角度で配置されており、前記プロペラの回転による推進力に加え、前記プロペラの回転の反作用による前記姿勢制御体の回転を利用して前記姿勢制御を行うようにした請求項1から3のいずれかに記載の移動装置。

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