以下、図を参照しながら、この発明のシステムの一実施の形態について説明する。以下においては、同様の電子メール確認システムが構成された、例えば会社間で電子メールの送受を行う場合を例にして説明する。
[電子メール確認システムの構成例]
図1は、実施の形態の電子メール確認システムの全体構成の例を説明するための図である。図1に示すように、会社Aに構成された電子メール確認システムaと会社Bに構成された電子メール確認システムbとが、広域ネットワーク10を介して接続されている。広域ネットワーク10は、電話網11とIP網12とを含むものである。電話網11は、公衆交換電話網や携帯電話網などを含む。IP網12は、インターネット・プロトコル・スイート技術を利用して相互接続されたコンピュータネットワークを意味し、いわゆる「インターネット」と等価のものである。
図1に示すように、会社Aに構成された電子メール確認システムaは、UTM装置1Aと主装置2Aとを備え、これらはLAN3Aを通じて接続されている。UTM装置1Aは、コンピュータウイルスやハッキングなどの脅威から自社内に形成したコンピュータネットワークシステムを効率的かつ包括的に保護するものであり、統合脅威管理装置とも呼ばれるものである。主装置2Aは、内線と外線間や内線内の接続を制御する機能を実現する。すなわち、主装置2Aは、複数の内線電話端末を収容し、内線と外線間、内線内の通信の接続、変更、切断等のいわゆる呼制御を行うものであり、電話システムにおける内線電話端末の上位装置である電話制御装置として機能するものである。
なお、近年においては、IP電話が利用される場合もある。IP電話は、広い意味では電話網の一部もしくは全てにVoIP(Voice over Internet Protocol)技術を利用する電話サービスであり、この場合には、電話制御装置としてSIP(Session Initiation Protocol)サーバ機能を備えた電話制御装置が利用される場合もある。SIPサーバは、SIPに従って、2つ以上の相手に対して、音声や映像、テキストメッセージの交換などを行うために必要なセッション(通信路)の生成・変更・切断を行う装置を意味する。以下に説明する実施の形態では、UTM装置と主装置とが接続されてシステムを構成する場合を例にして説明する。しかし、主装置に替えて、SIPサーバ機能を備えた電話制御装置を用いる場合にも、同様の電子メール確認システムを構成することが可能である。
UTM装置1Aには、LAN4Aを通じてPC(Personal Computer)6A(1)、6A(2)、…が接続されている。PC6A(1)、PC6A(2)、…のそれぞれは、UTM装置1Aを通じてIP網12に接続が可能にされ、IP網12上に設けられたWebサーバに蓄積されているWebページを参照したり、電子メールの送信/受信を行ったりすることができる。主装置2Aには、内線網5Aを通じて電話端末7A(1)、7A(2)、…が接続されている。電話端末7A(1)、7A(2)、…のそれぞれは、主装置2A及び電話網11を介して、かかって来た電話に応答したり、電話をかけたりすることができる。なお、この実施の形態において、主装置2Aと配下の電話端末7A(1)、7A(2)、…は、デジタルデータの送受を行う構成になっている。
同様に、会社Bに構成された電子メール確認システムbは、UTM装置1Bと主装置2Bとを備え、これらはLAN3Bを通じて接続されている。UTM装置1Bは、会社Aの電子メール確認システムaのUTM装置1Aと同様の機能を有するものであり、主装置2Bは、会社Aの電子メール確認システムaの主装置2Aと同様の機能を有するものである。
UTM装置1Bには、LAN4Bを通じてPC6B(1)、6B(2)、…が接続されている。PC6B(1)、PC6B(2)、…のそれぞれは、UTM装置1Bを通じてIP網12に接続が可能にされ、IP網12上に設けられたWebサーバに蓄積されているWebページを参照したり、電子メールの送信/受信を行ったりすることができる。主装置2Bには、内線網5Bを通じて電話端末7B(1)、7B(2)、…が接続されている。電話端末7B(1)、7B(2)、…のそれぞれは、主装置2B及び電話網11を介して、かかって来た電話に応答したり、電話をかけたりすることができる。
一般に、会社においては、社員ごとにPCと電話端末とが割り当てられている場合が多い。すなわち、図1に示した例においては、会社Aの電子メール確認システムaでは、PC6A(1)と電話端末7A(1)とは社員SA(1)に割り当てられ、PC6A(2)と電話端末7A(2)とは社員SA(2)に割り当てられているものとする。同様に、会社Bの電子メール確認システムbにおいて、PC6B(1)と電話端末7B(1)とは社員SB(1)に割り当てられ、PC6B(2)と電話端末7B(2)とは社員SB(2)に割り当てられているものとする。
このように、社員ごとに使用するPCと電話端末とが決まっている場合が多く、PCと電話端末との対応付けが可能になる。この実施の形態において、電子メールは、PC6A(1)、6A(2)、…やPC6B(1)、6B(2)、…から送信するものである。このため、PC6A(1)、6A(2)、…やPC6B(1)、6B(2)、…と、電話端末7A(1)、7A(2)、…や電話端末7B(1)、7B(2)、…との対応付けは、電子メールアドレスと内線番号(内線電話番号)とによって可能になる。また、名刺には連絡先として電話番号と電子メールアドレスとが記載されていることからも分かるように、一般に、電子メールの受信者と当該受信者の電話番号とは対応付けて管理できる。逆に考えれば、電子メールの送信者の電子メールアドレスと、当該送信者の電話番号とは対応付けて管理できる。
このため、電子メール確認システムaでは、主装置2Aにおいて、PC6A(1)、6A(2)、…と、電話端末7A(1)、7A(2)、…との対応付けを管理する。同様に、電子メール確認システムbでは、主装置2Bにおいて、PC6B(1)、6B(2)、…と、電話端末7B(1)、7B(2)、…との対応付けを管理する。また、主装置2A、2Bでは、電子メールの受信者の電子メールアドレスと電話番号とを有するいわゆる電話帳データを管理する。電子メールの受信者は、電子メールを送信してくる電子メールの送信者ともなる。従って、主装置2A、2Bで管理される電話帳データは、電子メールの受信者や送信者となる相手先についての情報を示すものとなる。
UTM装置1A、1Bは、自機に接続されたPC6A(1)、6A(2)、…、PC6B(1)、6B(2)、…から送信する電子メール(送信メール)を、LAN4A、4Bを通じて受け付けたとする。UTM装置1A、1Bは、送信者(送信元)電子メールアドレスと受信者(送信先)電子メールアドレスとを抽出し、これらを自機に接続されている主装置2A、2Bに提供する。この場合、受け付けたのは自システムから送信する送信メールであるので、送信元は自システムで、送信先は相手システムである。
これにより、主装置2A、2Bにおいては、送信者電子メールアドレスに基づいて送信元(自システム)の使用者が使用する電話端末の内線番号を特定でき、また、受信者電子メールアドレスに基づいて、送信先(相手システム)の電話番号を特定できる。主装置2A、2Bは、特定した内線番号と特定した電話番号とを対応付けて管理する。これにより、主装置2A、2Bは、電話端末7A(1)、7A(2)、…、電話端末7B(1)、7B(2)、…からの要求に応じて、電子メールの受信者(送信先)の電話番号の一覧リストを提供することが可能になる。従って、送信した電子メールに対する応答がない場合などにおいて、電子メールの受信者に対して、電子メールとは異なる通信手段である電話を用いて連絡を取ることが容易になる。
また、UTM装置1A、1Bは、自機に接続されたPC6A(1)、6A(2)、…、PC6B(1)、6B(2)、…が受信する電子メール(受信メール)を、IP網12を通じて受け付けたとする。UTM装置1A、1Bは、送信者電子メールアドレスと受信者電子メールアドレスとを抽出し、これらを自機に接続されている主装置2A、2Bに提供する。この場合、受け付けたのは自システムが受信する受信メールであるので、送信者は相手システムであり、受信者が自システムである。
これにより、主装置2A、2Bにおいては、送信者電子メールアドレスに基づいて送信元(相手システム)の電話番号を特定でき、また、受信者電子メールアドレスに基づいて、送信先(自システム)の使用者が使用する電話端末の内線番号を特定できる。主装置2A、2Bは、特定した内線番号と特定した電話番号とを対応付けて管理する。これにより、主装置2A、2Bは、電話端末7A(1)、7A(2)、…、電話端末7B(1)、7B(2)、…からの要求に応じて、電子メールの送信者(送信元)の電話番号の一覧リストを提供することが可能になる。これにより、受信した電子メールに対して問い合わせをしたい場合において、電子メールの送信元に対して、電子メールとは異なる通信手段である電話を用いて連絡を取ることが容易になる。
以下においては、電子メール確認システムa、bを構成するUTM装置1A、1B、主装置2A、2B、電話端末7A(1)、7A(2)、…、7B(1)、7B(2)、…の構成例について説明する。なお、UTM装置1A、1Bは、同様の構成を有するものであるので、以下においては、特に区別して示す必要がある場合を除き、UTM装置1と総称する。また、主装置2A、2Bは、同様の構成を有するものであるので、以下においては、特に区別して示す必要がある場合を除き、主装置2と総称する。
同様に、電話端末7A(1)、7A(2)、…、7B(1)、7B(2)、…は、同様の構成を有するものであるので、特に区別して示す必要がある場合を除き、電話端末7と総称する。また、LAN4A、4Bについても、システムを区別して示す必要がある場合を除き、LAN4と総称し、内線網5A、5Bについても、システムを区別して示す必要がある場合を除き、内線網5と総称する。なお、PC6A(1)、6A(2)、…、6B(1)、6B(2)、…のそれぞれは、ノートPC、ディスクトップPCなど、既存の種々のPCを用いることができるため、構成例についての説明は省略する。また、PC6A(1)、6A(2)、…、6B(1)、6B(2)、…についても、特に区別して示す必要がある場合を除き、PC6と総称する。
また、図1においては、2つの電子メール確認システムa、bが、広域ネットワーク10に接続されている場合を示している。しかし、電子メール確認システムa、bと同様に構成された電子メール確認システムを備えた複数の会社等が存在している場合もある。このため、以下に説明する実施の形態絵は、電子メール確認システムa、bと同様に構成された複数の電子メール確認システムが、広域ネットワーク10に接続されている場合も想定する。
[UTM装置1の構成例]
図2は、UTM装置1の構成例を説明するためのブロック図である。接続端101Tは、IP網12への接続を可能にする接続端部である。通信I/F101は、IP網12を通じて送信されてきたデータを自機において処理可能な形式のデータに変換して取り込む処理を行う。また、通信I/F101は、自機から送信するデータを送信する形式のデータに変換し、IP網12を通じて目的とする相手先に送信する処理を行う。IP網12に接続された通信装置との通信は、接続端101T及び通信I/F101とを通じて行うことになる。
制御部102は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリなどがバスを介して接続されて構成されたマイクロプロセッサである。制御部102は、UTM装置1の各部を制御する機能を実現する。記憶装置103は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)といった、記録媒体とそのドライバとからなる装置部であり、種々のデータの記録媒体への記録、変更、削除、読み出しなどを行う。記憶装置103は、必要となるデータやプログラムを記憶保持する他、種々の処理において生じる中間データを一時記憶する作業領域としても用いられる。
また、LAN接続端104Tは、LAN4への接続端部を構成する。LANI/F104は、LAN4を通じて送信されてきたデータを自機において処理可能な形式のデータに変換して取り込む処理を行う。また、LANI/F104は、自機から送出するデータを送信する形式のデータに変換し、LAN4を通じて自機に接続されたPC6などに送信する処理を行う。UTM装置1は、PC6と、LAN4を介して接続され、LANI/F104及びLAN接続端104Tを通じて通信を行う。
なお、UTM装置1においては、LAN4を通じて自機にどのような装置が接続されているのかを、例えば、制御部102の不揮発性メモリや記憶装置103において管理することができる。具体的に、UTM装置1においては、装置IDとしてIP(Internet Protocol)アドレスやMAC(Media Access Control address)アドレスなどの各端末を一意に特定可能な情報やポート番号などの情報を装置ごとに管理することができる。また、接続された装置がPCなどの場合には、当該PCなどで用いられる電子メールアドレスを対応付けて管理することもできる。
また、LAN接続端105Tは、LAN3への接続端部を構成する。LANI/F105は、LAN3を通じて送信されてきたデータを自機において処理可能な形式のデータに変換して取り込む処理を行う。また、LANI/F105は、自機から送出するデータを送信する形式のデータに変換し、LAN3を通じて自機に接続された主装置2に送信する処理を行う。この実施の形態において、UTM装置1は、主装置2と、LAN3を介して接続され、LANI/F105及びLAN接続端105Tを通じて通信を行う。
UTM装置1は、セキュリティチェックを行う機能部として、P2P対策部121と、HP(Home Page)アクセス制御部122と、ウィルス対策部123と、IPS/IDS部124と、ファイアウォール部125とを備える。UTM装置1は、電子メールに関してセキュリティチェック等を行う機能部として、メール対策部126とを備える。
P2P対策部121は、セキュリティ対策を行っていない相手や悪意のある相手とのP2P接続を禁止する機能を実現する。なお、「P2P」とは、「Peer to Peer」を意味し、インターネットを介して対等なもの同士が直接に接続して通信を行うことを意味する。P2P対策部121の機能により、例えば画像などのファイル交換を問題のある相手との間において1対1で行うことを防止し、相手からのウィルス感染を防止するなどの機能を実現する。
HPアクセス制御部122は、例えば、予め指定したホームページカテゴリを選択しておくことにより、当該カテゴリに該当するホームページへのアクセスを禁止する機能を実現する。例えば、違法薬物(麻薬等)、アダルト関連、ギャンブル関連といったカテゴリを指定しておくことにより、麻薬関連サイト、アダルトサイト、ギャンブルサイトといった不適切サイトへのURLフィルタリングが可能となる。
ウィルス対策部123は、Webページのレスポンスの検証(ウィルスチェック)を行う。具体的にウィルス対策部123は、Webページを閲覧するときの通信を監視し、閲覧しようとしている画像やダウンロードするファイルにウィルスが混入していないかを検証(チェック)する機能を実現する。
IPS/IDS部124は、不適切な侵入を防止したり、不適切な侵入を通知したりする機能を実現する。ここで、IPSは、侵入防止システム(Intrusion Prevention System)の略称であり、IDSは、侵入検知システム(Intrusion Detection System)の略称である。IPS/IDS部124は、ワームやトロイの木馬といったいわゆるマルウェアによる攻撃に対して防御を行うことができる。ファイアウォール部125は、データ通信の状況や利用するソフトウェアなどにより、LAN(社内ネットワーク)にデータを供給するか否かを判断し、外部のネットワークからの攻撃や不正なアクセスから自システムを防御する機能を実現する。
メール対策部126は、受信メール対策部1261と、アドレス等抽出部1262と、アドレス等提供部1263とを備える。受信メール対策部1261は、IP網12を通じて受信した電子メールに関し、不要な広告やウィルスが添付された電子メールをブロックする機能を実現する。
アドレス等抽出部1262は、供給された電子メールから、電子メール区分、送信者電子メールアドレス、受信者電子メールアドレス、送信日時、件名を抽出する。送信者電子メールアドレス、受信者電子メールアドレス、送信日時、件名のそれぞれは、供給された電子メールから抽出する。電子メール区分は、自システムから送信する送信メールなのか、自システムが受信する受信メールなのかを示す情報であり、アドレス等抽出部1262が、例えば、送受信の経路と電子メールアドレスから特定する。
アドレス等抽出部1262は、LAN4を通じて提供され、送信者電子メールアドレスが、LAN4を通じて自機に接続されたPC6のものであり、IP網12に送出する電子メールの電子メール区分は、「1:送信メール」であると特定する。また、アドレス等抽出部1262は、IP網12を通じて提供され、受信者電子メールアドレスが、LAN4を通じて自機に接続されたPC6のものであり、LAN4に送出する電子メールの電子メール区分は、「2:受信メール」であると特定する。
従って、LAN4に接続されたPC6間で送受される電子メールの場合には、IP網12上の電子メールサーバを経由した送信と受信とが行われることになる。このため、アドレス等抽出部1262においては、電子メール区分が「1:送信メール」のデータと、電子メール区分が「2:受信メール」のデータとの両方が形成される。この場合、電子メール区分以外のデータは同じものとなる。
なお、送信者電子メールアドレスと受信者電子メールとは、抽出する必須の情報である。しかし、送信日時と件名は、必須の情報ではなく、抽出しないようにすることも可能であるし、いずれか一方だけを抽出するようにすることも可能である。しかし、両方を抽出しておくことにより、いつ送信されたものか、また、電子メールのおおよその内容を把握することが可能である。また、送信日時と件名の他にも、電子メールに存在する情報であれば、抽出して利用することが可能である。例えば、電子メールの本文の先頭から20文字分などのように、電子メール本文の一部を抽出して利用することも可能である。
アドレス等提供部1263は、アドレス等抽出部1262において抽出された電子メールアドレス等の必要情報を送信用のデータにまとめ、これをLANI/F105及びLAN接続端105Tを通じてLAN3に送出し、主装置2に提供する処理を行う。このように、アドレス等抽出部1262とアドレス等提供部1263との機能によって、送信メールと受信メールとのそれぞれについて、必要情報を抽出し、自機に接続された主装置2に提供する機能が実現される。
[主装置2の構成例]
図3は、主装置2の構成例を説明するためのブロック図である。接続端201Tは、電話網11への接続端部を構成する。通信I/F(Interface)201は、電話網11を通じての通信処理を行う部分である。すなわち、通信I/F201は、電話網11を介して送信されて来る自機宛ての信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換してこれを取り込む。また、通信I/F201は、自機から目的とする相手先に送信する信号を、送信用の形式の信号に変換してこれを電話網11に送出して相手先に送信する。
制御部202は、図示しないがCPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどを備えたマイクロプロセッサであり、主装置2の各部を制御する。記憶装置203は、例えば、HDDやSSDなどの、記録媒体とそのドライバとからなる装置部であり、種々のデータの記録、変更、削除、読み出しなどを行う。記憶装置203は、必要となるデータやプログラムを記憶保持する他、種々の処理において生じる中間データを一時記憶する作業領域としても用いられる。
図4は、主装置2が備える情報ファイルである使用者情報ファイル204、相手先情報ファイル205、確認先情報ファイル206の格納データの例について説明するための図である。主装置2は、電子メールを送信したり、受信したりした場合に、相手先との間で電話による確認を容易に行えるようにするための情報ファイルとして、図3に示すように、使用者情報ファイル204、相手先情報ファイル205、確認先情報ファイル206を備える。
使用者情報ファイル204は、HDDやSSDなどの記録装置部に作成され、主装置2に接続された各電話端末7を使用する使用者に関する情報を記憶保持する。当該使用者に関する情報は、主装置2に接続された各電話端末7とUTM装置1に接続された各PC6との対応付け情報を含むものである。具体的に、使用者情報ファイル204は、図4(A)に示すように、主装置2に接続された各電話端末7の内線番号と、各電話端末7の使用者の氏名と、当該使用者に割り当てられた電子メールアドレスを記憶保持する。当該電子メールアドレスは、当該使用者が使用するPC6のメーラーに対して設定され、電子メールの送信、受信の際に用いられる。使用者情報ファイル204の内線番号と電子メールアドレスとによって、使用者である社員ごとに、使用する電話端末7とPC6との対応付けができる。
相手先情報ファイル205は、HDDやSSDなどの記録装置部に作成され、電子メールを送受する相手先に関する情報を記憶保持する。具体的に、相手先情報ファイル205は、図4(B)に示すように、自システムから送信する電子メールの受信者や自システムが受信する電子メールの送信者となる相手先の電話番号と、当該相手先の氏名(名称)と、当該相手先の電子メールアドレスとを記憶保持する。すなわち、この場合の電子メールの相手先は、自システムから電子メールを送信する場合の受信者(送信先)と、自システムが受信する電子メールの送信者(送信元)との両方を含む。
このように、相手先情報ファイル205は、連絡を取る可能性のある相手先に関する情報を記憶保持するものであり、従来から存在するいわゆる電話帳やアドレス帳等と呼ばれる情報ファイルに相当する。従って、相手先情報ファイル205に記憶保持されている情報に基づいて、例えば、電子メールアドレスから相手先の電話番号を特定したり、電話番号から相手先の電子メールアドレスを特定したりすることが可能になる。
確認先情報ファイル206は、HDDやSSDなどの記録装置部に作成され、電子メールを送信した場合の受信者(送信先)や電子メールを受信した場合の送信者(送信元)である確認先(相手先)に関する情報を記憶保持する。具体的に、確認先情報ファイル206は、図4(C)に示すように、区分と、内線番号と、相手先電話番号と、相手先氏名と、送信日時と、件名とを記憶保持する。区分は、自システムから送信した送信メールについての情報か、自システムが受信した受信メールについての情報かを示すものである。
内線番号は、電子メールを送信したり、電子メールを受信したりしたPC6に対応付けられる電話端末7の内線番号である。相手先電話番号は、送信した電子メールの受信者の電話番号や、受信した電子メールの送信者の電話番号である。相手先氏名は、送信した電子メールの受信者の氏名や、受信した電子メールの送信者の氏名である。送信日時は、電子メールを送信した日時を示すものであり、件名は電子メールの件名欄に付された情報である。確認先情報ファイル206に記憶保持されている情報により、電子メールを送信したり、受信したりした場合に、送信や受信に用いられたPC6に対応する電話端末7に対して、電子メールの受信者や送信者の電話番号等の情報を通知することができる。
接続端207Tは、内線網5への接続端を構成する。接続I/F(Interface)207は、主装置2と、内線網5を通じて主装置2に収容される電話端末7のそれぞれとの間の通信を可能にする。従って、主装置2から電話端末7への信号は、接続I/F207において送信用の形式の信号に変換されて、電話端末7に送信される。また、電話端末7からの信号は、接続I/F207において自機において処理可能な形式の信号に変換されて取り込まれる。なお、主装置2と各電話端末7とは、スター接続、バス接続、リング接続などの種々の接続方式で接続することが可能である。
接続端208Tは、LAN3への接続端を構成する。LANI/F(Interface)208は、主装置2と、LAN3を通じてUTM装置1との間の通信を可能にする。従って、主装置2からUTM装置1への信号は、LANI/F208において送信用の形式の信号に変換されて、UTM装置1に送信される。また、UTM装置1からの信号は、LANI/F208において自機において処理可能な形式の信号に変換されて取り込まれる。
呼制御部209は、制御部202の制御の下、例えば、使用者情報ファイル204の管理情報を用い、配下の電話端末7の発信、着信、応答、切断等の呼制御を行う。呼制御部209は、図3に示すように、発信制御部2091と、着信制御部2092とを備えている。呼制御部209は、配下の電話端末7から発信(発信要求)を受け付けると、発信制御部2091が機能して、指示された相手先を呼び出すようにし、当該相手先が応答してきたら通話回線を接続して通話を可能にする。
また、呼制御部209は、自機宛ての着信(相手先からの発信通知)を受け付けた場合には、着信制御部2092が機能して、配下の電話端末7に着信通知を行う。これにより、電話端末7では、呼び出し音が放音され、着信の発生が通知される。電話端末7において、着信に応答する操作(オフフック操作)がされると、着信制御部2092は、これを検知して、着信に応答し、オフフックがされた配下の電話端末7との間に通話回線を接続して通話を可能にする。
なお、この実施の形態の主装置2において、接続した通話回線を保留にしたり、転送したり、解放したりする処理は、配下の電話端末7からの要求に応じて、制御部202の制御の下に処理される。また、着信通知後に代理応答機能が用いるようにされた場合にも、配下の電話端末7からの要求に応じて、制御部202の制御の下に処理される。この他、制御部202は、配下の電話端末7が備えるLED(Light Emitting Diode)の点灯/消灯制御やディスプレイへの表示制御なども行う。従って、制御部202は、呼制御部209からの通知を受信して、通話回線の接続、保持、解放の状態についても適切に把握している。
内線番号特定部211、電話番号特定部212、確認先情報形成部213、確認先リスト形成部214、確認先リスト提供部215が、UTM装置1と協働して、電子メールの受信者や送信者に対する確認を、電話を用いて容易に行えるようにする機能を実現する。内線番号特定部211は、UTM装置1からの電子メールアドレス等の必要情報に基づいて、電子メールを送信したり、受信したりしたPC6の使用者が使用する電話端末7の内線番号を特定する。
内線番号特定部211は、自システムから送信した送信メールの場合には、UTM装置1からの必要情報の送信者電子メールアドレスに基づいて、使用者情報ファイル204を参照し、電子メールの送信者が使用する電話端末7の内線番号を特定する。また、内線番号特定部211は、自システムが受信した受信メールの場合には、UTM装置1からの必要情報の受信者電子メールアドレスに基づいて、使用者情報ファイル204を参照し、受信者が使用する電話端末7の内線番号を特定する。
電話番号特定部212は、UTM装置1からの電子メールアドレス等の必要情報に基づいて、送信したり受信したりした電子メールの相手先の電話番号や相手先氏名を特定する。電話番号特定部212は、自システムから送信した送信メールの場合には、UTM装置1からの必要情報の受信者電子メールアドレスに基づいて、相手先情報ファイル205を参照し、受信者の電話番号と氏名とを特定する。また、電話番号特定部212は、自システムが受信した受信メールの場合には、UTM装置1からの必要情報の送信者電子メールアドレスに基づいて、相手先情報ファイル205を参照し、送信者の電話番号と氏名とを特定する。
なお、自システム内(社内)、即ち、同じUTM装置1に接続されたPC6間で電子メールの送受信が行われる場合もある。同じ会社内であれば、送信者電子メールアドレスと受信者電子メールアドレスのドメイン名は同じである場合が多い。このため、電話番号特定部212は、送信者電子メールアドレスと受信者電子メールアドレスのドメイン名が同じである場合には、使用者情報ファイル204を参照し、受信者の内線番号や送信者の内線番号を相手先電話番号として特定する。この場合、使用者情報ファイル204に保持されている氏名を、相手先氏名として特定することになる。
確認先情報形成部213は、区分と、内線番号特定部211で特定した内線番号と、電話番号特定部212で特定した相手先電話番号及び相手先氏名と、送信日時と、件名とを対応付けて、確認先情報ファイル206に記録する。なお、区分は、UTM装置1から提供された上述の必要情報に含まれる情報であり、送信メールについての情報か受信メールについての情報かを示すものである。送信日時と件名もまた、UTM装置1から提供された上述の必要情報に含まれる情報である。
確認先リスト形成部214は、自機に接続された電話端末7からの受信者の一覧リストの提供要求に応じて、確認先情報ファイル206の格納情報を参照し、当該電話端末7の使用者が使用するPC6から送信した電子メールの受信者の一覧リストを形成する。この場合、区分が「送信」で、内線番号が当該電話端末の内線番号である情報に基づいて、受信者の一覧リストが形成される。当該受信者の一覧リストは、詳しくは後述もするが、電子メールの受信者の電話番号を含むものである。
また、確認先リスト形成部214は、自機に接続された電話端末7からの送信者の一覧リストの提供要求に応じて、確認先情報ファイル206の格納情報を参照し、当該電話端末7の使用者が使用するPC6が受信した電子メールの送信者の一覧リストを形成する。この場合、区分が「受信」で、内線番号が当該電話端末の内線番号である情報に基づいて、送信者の一覧リストが形成される。当該送信者の一覧リストは、詳しくは後述もするが、電子メールの送信者の電話番号を含むものである。
確認先リスト提供部215は、確認先リスト形成部214で形成された受信者の一覧リストや送信者の一覧リストを、要求元の電話端末7に提供するものである。これにより、要求元の電話端末7において、要求した一覧リストの提供を受けて、これに基づいて、送信した電子メールの受信者に電話をかけたり、受信した電子メールの送信者に電話をかけたりすることが容易に行えるようになる。
[電話端末7の構成例]
図5は、主装置2に接続される(収容される)電話端末7の構成例を説明するためのブロック図である。図6は、電話端末7の外観を説明するための図である。制御部710は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリなどを備えたマイクロプロセッサであり、電話端末7の各部を制御する。
接続端701Tは、内線網5への接続端を構成する。接続I/F701は、内線網5を通じた主装置2との接続を実現する。すなわち、接続I/F701は、自機宛てに送信されてきた信号を、自機において処理可能な形式の信号に変換して自機に取り込む処理を行う。また、接続I/F701は、自機から送信する信号を、送信用の信号に変換し、これを送出する処理を行う。電話端末7は、接続端701T及び接続I/F701を通じて主装置2に対して有線接続されている。
ハンドセット702は、スピーカ(受話器)とマイクロホン(送話器)とを備えたものである。また、電話端末7は、図6に示すように、ハンドセット702が電話端末7の筐体の定位置に置かれているときにはオンフック状態となり、電話端末7の筐体の定位置から取り上げるとオフフック状態となるようにさている。このため、電話端末7においては、これらのフック状態を制御部710が把握できる構成が整えられている。
コーデック703は、制御部710からのデジタル音声データの供給を受けて、これをアナログ音声信号に変換し、オフフック状態のハンドセット702のスピーカに供給する。これにより、相手先からの音声がハンドセット702のスピーカから放音される。また、コーデック703は、オフフック状態のハンドセット702のマイクロホンにより収音されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換し、これを制御部710に供給する。制御部710は、コーデック703からのデジタル音声データに対して必要なデータを付加して、これを接続I/F701及び接続端701Tを通じて相手先に送信する。
操作入力部704は、使用者からの操作入力を受け付けて、受け付けた情報を制御部710に提供する。操作入力部704には、図6に示すように、テンキーや複数のファンクションキーが設けられている他、外線キー、内線キー、パーク保留キーなどの設定が可能ないわゆるラインキーなどが設けられている。この実施の形態の電話端末7では、丸形状のキーとして示したテンキーの右横に、例えば保留キーなどの4つのファンクションキーが設けられている。また、電話端末7では、図6に示すように、6つのラインキーLK1~LK6が設けられている。ラインキーLK1~LK6には、例えば、外線1、外線2、パーク保留などといった従来からの機能の他、電子メールの受信者の一覧リストの要求機能や電子メールの送信者の一覧リストの要求機能などの種々の機能が割り付けられる。
制御部710は、電子メールの受信者の一覧リストの要求機能が割り付けられたラインキーが操作された場合には、受信者の一覧リストの提供要求を形成し、これを主装置2に提供する。また、制御部710は、電子メールの送信者の一覧リストの要求機能が割り付けられたラインキーが操作された場合には、受信者の一覧リストの提供要求を形成し、これを主装置2に提供する。この場合の提供要求には、受信者の一覧リストの提供要求か送信者の一覧リストの提供要求かを示す要求区分や要求元の電話端末7を特定するための情報として、例えば内線番号などを含むものである。
LED部705は、図6には図示して否が、電話端末7のラインキーLK1~LK6やファンクションキーなどに対応して設けられ、制御部710の制御により、点灯、点滅、消灯の制御がされる。例えば、外線キーが設定されたラインキーに対応するLEDは、当該ラインキーに対応付けて、通話回線が保留状態にされたら点滅するように制御される。また、パーク保留キーが設定されたラインキーに対応するLEDは、当該ラインキーに対応付けて、通話回線が保留状態にされたら点灯するように制御される。なお、ここで説明した制御の内容は、一例であり、点灯、点滅、消灯の制御は、種々の態様で行うことができる。
放音部(リンガ)706は、制御部710の制御の下、着信時において着信音を放音させるものである。放音部706は、その他にも、制御部710の制御の下、例えば、誤操作の場合の警告音を放音したり、音声メッセージなどを放音したりすることもできるものである。ディスプレイ707は、ディスプレイコントローラを備え、制御部710の制御の下、図6に示すように、電話端末7の前面の右上端側に設けられるディスプレイ707の表示画面に、種々の情報を表示する処理を行う。表示される情報には、入力した相手先の電話番号、発信元の電話番号、ガイダンスメッセージ、警告メッセージ、また、上述した電子メールの受信者の一覧リストや電子メールの送信者の一覧リストなど、種々の情報がある。
このような構成の電話端末7が、主装置2に収容され、主装置2を介して、外線電話を受けたり、外線電話を掛けたり、内線電話を受けたり、内線電話を掛けたりすることができるようになっている。そして、電話端末7では、要求した電子メールの受信者の一覧リストや送信者の一覧リストが、主装置2から提供されると、これを接続端701T及び接続I/F701を通じて受け付け、これを制御部710がディスプレイ707に供給する。これにより、要求した電子メールの受信者の一覧リストや送信者の一覧リストが、1件分ずつディスプレイ707の表示画面に表示されて確認可能にされる。
従って、要求した電子メールの受信者の一覧リストや送信者の一覧リストが、複数の受信者や送信者の情報を含む場合には、所定の操作キーを操作することによって、1件ずつスクロールして表示することができる。これにより、電話端末7の使用者は、受信者の一覧リストや送信者の一覧リストを1件ずつ確認しながら目的とする相手先に関する電話番号などの情報を特定することができる。
更に、この実施の形態の電話端末7では、受信者の一覧リストや送信者の一覧リストにおいて、目的とする相手先に関する電話番号などの情報が表示された状態で、ファンクションキーとして設けられている所定の発信キーを操作することにより発信できる。この場合、制御部710は、ディスプレイ707に表示されている相手先の電話番号を含む発信要求を形成し、主装置2に送信する。これにより、送信した電子メールの受信者や受信した電子メールの送信者に対して、電話によるコンタクトを簡単に、かつ、迅速にとることが可能になる。
すなわち、電子メールとは異なる通信手段である電話を用いて、電子メールに返信してこない電子メールの受信者に確認を入れたり、電子メールの送信者に即座に電話で回答したりするといったことが容易に行うことができるようにされる。なお、ここでは、表示された受信者の一覧リストや送信者の一覧リストの電話番号を用いて電話をかけることが可能であることを説明した。しかし、これに限るものではない。表示された受信者の一覧リストや送信者の一覧リストの電話番号を使用者がダイヤル入力することにより電話をかけるようにすることももちろん可能である。
[電子メール確認システムの処理概要]
電子メールの送信態様には、大きく分けて3つの態様がある。すなわち、1の受信者(送信先)に1の電子メールを送信する場合と、複数の受信者(送信先)に1の電子メールを送信する場合と、1の受信者(送信先)に複数の電子メールを送信する場合とである。以下、そのそれぞれの場合の処理の概要についてまとめる。なお、以下の説明において、また、図7、図8、図9において、括弧内の文字n、m、p、rのそれぞれは、1以上の整数を意味している。
<1の受信者(送信先)に1の電子メールを送信する場合の処理の概要>
図7は、1の受信者に1の電子メールを送信する場合の電子メール確認システムにおける動作について説明するための図である。ここでは、図1を用いて説明したように、同様に構成された電子メール確認システムa、b間で、電子メールの送受信を行う場合について考える。なお、図7に示す例は、会社Aの電子メール確認システムaを送信側とし、会社Bの電子メール確認システムbを受信側とする場合の例である。
会社Aの社員SAが、会社Bの社員SBに対して電子メールを送信したとする。この場合、会社Aに構成された電子メール確認システムaの社員SAが使用するPC6A(n)から電子メールが送信され、UTM装置1Aを通じてIP網12に送出される。IP網は、会社A、Bのそれぞれが使用するメールサーバをも含むものである。この場合に、UTM装置1Aは、上述したメール対策部126のアドレス等抽出部1262とアドレス等提供部1263とが機能し、送信メールから必要情報を抽出して、主装置2Aに提供する。この場合の必要情報は、送信メールであることを示す区分、送信者電子メールアドレス、受信者電子メールアドレス、送信日時、件名等である。
主装置2Aでは、内線番号特定部211が機能して、送信者電子メールアドレスに基づいて使用者情報ファイル204を参照し、送信者である社員SAが使用する電話端末7A(n)の内線番号を特定する。更に、主装置2Aでは、電話番号特定部212が機能して、受信者電子メールアドレスに基づいて相手先情報ファイル205を参照し、受信者と電話連絡を可能にする電話番号(受信者の電話番号)と受信者氏名を特定する。
この後、主装置2Aでは、確認先情報形成部213が機能し、確認先情報を形成し、これを確認先情報ファイル206に記録する。確認先情報は、図4(C)を用いて説明したように、区分、内線番号、相手先電話番号、相手先氏名、送信日時、件名からなる。区分、送信日時、件名は、UTM装置1Aからの必要情報から抽出できる。また、内線番号は、内線番号特定部211で特定されたものであり、相手先電話番号と相手先氏名は、電話番号特定部212で特定されたものである。
電子メールを送信した社員SAは、例えば、受信者である会社Bの社員SBから応答がないなどのために、社員SBと電話連絡を取りたいと考えたとする。この場合、社員SAは、自分が使用する電話端末7A(n)を使用して、電子メールの受信者の一覧リストの提供要求を主装置2Aに提供する。これに応じて、主装置2Aは、受信者の電話番号情報を含む受信者の一覧リストを形成し、これを要求元の電話端末7A(n)に提供する。
これにより、電子メールの送信者である会社Aの社員SAは、電話端末7A(n)のディスプレイ707に当該一覧リストを表示し、電子メールの目的とする受信者の電話番号を即座に特定して、当該目的とする受信者に対して電話をかけることができる。すなわち、電子メールとは異なる通信手段である電話を用いて、電子メールの受信者との間で、簡単に、かつ、迅速に連絡を取ることが可能になる。
一方、会社Aの社員SAによってPC6A(n)から送信された電子メールの受信者である会社Bの社員SBは、自分の電子メールアドレス宛ての電子メールを取得することになる。具体的に、会社Bの社員SBは、自分が使用するPC6B(m)を使用し、IP網12上のメールサーバよりUTM装置1Bを通じて、自分宛の電子メールを取得する。この場合、UTM装置1Bは、メール対策部126の受信メール対策部1261が機能して、不要な広告やウィルスが添付された受信メールをブロックする。
ブロックされなかった問題のない受信メールについては、UTM装置1Bは、PC6B(m)に提供して利用可能にする。更に、UTM装置1Bは、上述したメール対策部126のアドレス等抽出部1262とアドレス等提供部1263とが機能し、受信メールから必要情報を抽出して、主装置2Bに提供する。この場合の必要情報は、受信メールであることを示す区分、送信者電子メールアドレス、受信者電子メールアドレス、送信日時、件名等である。
主装置2Bでは、内線番号特定部211が機能して、受信者電子メールアドレスに基づいて使用者情報ファイル204を参照し、受信者である社員SBが使用する電話端末7B(m)の内線番号を特定する。更に、主装置2Bでは、電話番号特定部212が機能して、送信者電子メールアドレスに基づいて相手先情報ファイル205を参照し、送信者と電話連絡を可能にする電話番号(送信者の電話番号)と送信者氏名を特定する。
この後、主装置2Bでは、確認先情報形成部213が機能し、確認先情報を形成し、これを確認先情報ファイル206に記録する。確認先情報は、図4(C)を用いて説明したように、区分、内線番号、相手先電話番号、相手先氏名、送信日時、件名からなる。区分、送信日時、件名は、UTM装置1Bからの必要情報から抽出できる。また、内線番号は、内線番号特定部211で特定されたものであり、相手先電話番号と相手先氏名は、電話番号特定部212で特定されたものである。
電子メールを受信した社員SBは、例えば、送信者である会社Aの社員SAに対して、電子メールを受信したことを通知するなどのために、社員SAと電話連絡を取りたいと考えたとする。この場合、図7において、電話端末7B(m)から主装置2Bへの点で示したように、社員SBは、自分が使用する電話端末7B(m)を使用して、電子メールの送信者の一覧リストの提供要求を主装置2Bに提供する。これに応じて、主装置2Bは、送信者の電話番号情報を含む送信者の一覧リストを形成し、これを要求元の電話端末7B(m)に提供する。
これにより、電子メールの受信者である会社Bの社員SBは、電話端末7B(m)のディスプレイ707に当該一覧リストを表示し、電子メールの目的とする送信者の電話番号を即座に特定して、当該目的とする送信者に対して電話をかけることができる。すなわち、電子メールとは異なる通信手段である電話を用いて、電子メールの送信者との間で、簡単に、かつ、迅速に連絡を取ることが可能になる。
<複数の受信者(送信先)に1の電子メールを送信する場合の処理の概要>
図8は、複数の受信者に1の電子メールを送信する場合の電子メール確認システムにおける動作について説明するための図である。図8に示す例の場合には、電子メール確認システムaと電子メール確認システムb、c、dとの間で、電子メールの送受信を行う場合を考える。なお、電子メール確認システムc、dは、図1等を用いて説明した電子メール確認システムa、bと同様に構成されたものである。すなわち、電子メール確認システムcは、PC6C(p)等が接続されたUTM装置1Cと、電話端末7C(p)等が接続された主装置2Cとが、相互に接続されたものである。また、電子メール確認システムdは、PC6D(r)等が接続されたUTM装置1Dと、電話端末7D(r)等が接続された主装置2Dとが、相互に接続されたものである。
なお、UTM装置1C、1Dは、上述したUTM装置1A、1Bと同様に構成されたものであり、主装置2C、2Dは、上述した主装置2A、2Bと同様に構成されたものである。また、PC6C(p)、PC6D(r)は、上述したPC6A(n)、PC6B(m)と同様のものであり、電話端末7C(p)、電話端末7D(r)は、上述した電話端末7A(n)、電話端末7B(m)と同様のものである。
図8に示す例は、会社Aの電子メール確認システムaを送信側とし、会社Bの電子メール確認システムbと会社Cの電子メール確認システムcと会社Dの電子メール確認システムdとを受信側とする場合の例である。図8に示す電子メール確認システムaにおいて行われる処理は、基本的には図7を用いて説明した電子メール確認システムaと同様の処理を行うことになる。しかし、図8に示す例の場合には、受信者(送信先)が、例えば、会社Bの社員SBと、会社Cの社員SCと、会社Dの社員SDというように異なる3者となる。この場合、受信者の電子メールアドレスは、電子メールソフトの宛先欄、CC(Carbon Copy)欄に入力されているものとなる。
このため、UTM装置1Aでは、送信者電子メールアドレスが同じで、受信者電子メールアドレスが異なる必要情報が3つ形成されることになる。このため、主装置2Aで形成され、相手先情報ファイル205に格納される相手先情報も、送信者電子メールアドレスが同じで、受信者電子メールアドレスが異なるものが3つ形成される。これにより、主装置2Aでは、受信者分(送信先分)の一覧リストを形成し、電話端末7A(n)に提供することが可能になる。
なお、UTM装置1Aは、受信者の電子メールアドレスが、宛先欄に記載されたものか、CC欄に記載されたものかを示す情報を、対応する必要情報に付加することも可能である。これに基づき、主装置2Aは、受信者の一覧リストにおいて、宛先欄に記載されたメインの受信者か、CC欄に記載された受信者かの区別を示す情報を含めることもできる。
また、受信側の電子メール確認システムb、c、dにおいては、図7を用いて説明した電子メール確認システムbにおいて行われた処理と同様の処理が行われる。このため、図8に示した受信側の電子メール確認システムb、c、dにおいて行われる処理の詳細は、図7を用いて説明したものと重複するので省略する。
これにより、電子メールの送信者である会社Aの社員SAは、電子メールの受信者が複数の場合であっても、電話端末7A(n)のディスプレイ707に当該一覧リストを表示し、電子メールの目的とする受信者の電話番号を即座に特定できる。このようにした特定した目的とする受信者に対して、電話をかけてコンタクトを取ることができる。すなわち電子メールの受信者(送信先)が複数の場合であっても、電子メールとは異なる通信手段である電話を用いて、電子メールの目的とする受信者との間で、簡単に、かつ、迅速に連絡を取ることが可能になる。
<1つ受信者(送信先)に複数の電子メールを送信する場合の処理の概要>
図9は、1の受信者に複数の電子メールを送信する場合の電子メール確認システムにおける動作について説明するための図である。ここでは、図7を用いて説明した例の場合と同様に構成された電子メール確認システムa、b間で、電子メールの送受信を行う場合について考える。なお、図9に示す例においても、会社Aの電子メール確認システムaを送信側とし、会社Bの電子メール確認システムbを受信側とする場合の例である。
図9に示す電子メール確認システムa、bにおいて行われる処理は、基本的には図7を用いて説明した電子メール確認システムa、bと同様の処理を行うことになる。しかし、図9に示す例の場合には、会社Aの社員SAから会社Bの社員SBに対して、複数の電子メールが送信されている。
この場合には、送信された電子メールのそれぞれに対応して、送信側の電子メール確認システムaでは、同じ受信者についての相手先情報が複数形成され、これに応じた受信者の一覧リストも同じ受信者に対する情報が複数含まれることになる。しかし、この場合には、そのそれぞれを区別することができるように、例えば、送信日時や件名などの情報を一覧リストに含める。この実施の形態では、受信者の一覧リストに電子メールの送信日時を含める。
同様に、受信側の電子メール確認システムbでは、同じ送信者についての相手先情報が複数形成され、これに応じた送信者の一覧リストも同じ送信者に対する情報が複数含まれることになる。しかし、この場合には、そのそれぞれを区別することができるように、例えば、送信日時や件名などの情報を一覧リストに含める。この実施の形態では、送信者の一覧リストに電子メールの送信日時を含める。
このようにすれば、送信側と受信側の双方において、どの電子メールについて、相手先に対して電話による確認を求めるのかを特定することが可能になる。例えば、複数回行われた電子メールの送受信において、送信者は、例えば、3回目に送信した製品の価格についての電子メールについての回答が得られていない場合に、何日に送信した電子メールに記載した製品の価格について、回答をいただきたいといった電話を、即座に掛けることが可能になる。なお、電子メールの内容については、自己の電子メールの送信履歴を確認すれば分かるし、また、受信者の一覧リストに件名を含めて、その電子メールの内容を特定するように構成することも可能である。
また、例えば、複数回行われた電子メールの送受信において、受信者は、例えば、3回目に送信した製品の価格についての電子メールについての回答をしていなかったことに気が付いたとする。この場合に、何日に送信した電子メールに記載した製品の価格について、回答をしますといった電話を送信者に即座に掛けることが可能になる。なお、電子メールの内容に付いては、自己の電子メールの受信履歴を確認すれば分かるし、また、送信者の一覧リストに件名を含めて、その電子メールの内容を特定するように構成することも可能である。
[受信者情報一覧リストと送信者情報一覧リストの例]
図10は、受信者の一覧リストである受信者情報一覧リストの例と送信者の一覧リストである送信者情報一覧リストの例を説明するための図である。図7を用いて説明したように、電子メール確認システムaのPC6A(1)の使用者(鈴木太郎)が、電子メール確認システムbのPC6B(1)の使用者(田中三郎)に、2020年4月10日の午前10時23分に電子メールを送信したとする。
この場合、図4(A)に示した使用者情報ファイル204の情報により、PC6A(1)の使用者(鈴木太郎)の送信者電子メールアドレスに基づいて、当該使用者が使用する電話端末7A(1)の内線番号が「1001」であると特定される。また、図4(B)に示した相手先情報ファイルの情報により、受信者(田中三郎)の受信者電子メールアドレスに基づいて、受信者の電話番号「03-1234-5678」が特定される。これらの特定された情報と、UTM装置1Aからの必要情報に基づいて、図4(C)に示したように、確認先情報が形成され確認先情報ファイル206に記録される。
この確認先情報ファイル206の確認先情報に基づいて、受信者情報一覧リストが形成され、この場合には、内線番号が「1001」の電話端末7A(1)に提供される。当該受信者情報一覧リストでは、図10(A)の1番目に示すようにデータが示される。すなわち、内線番号「1001」についての受信者情報一覧リストにおいて、受信者電話番号が「03-1234-5678」の受信者氏名が「田中三郎」に対して、「2020年4月10日10時23分」に電子メールを送信したことが示される。
また、図8を用いて説明したように、電子メール確認システムaのPC6A(1)の使用者(鈴木太郎)が、「2020年4月10日午前10時30分」に、異なる3名の受信者(送信先)に電子メールを送信したとする。この場合の受信者が、電子メール確認システムbのPC6B(2)の使用者(○○○○)と、電子メール確認システムcのPC6C(1)の使用者(△△△△)と、電子メール確認システムdのPC6D(1)の使用者(□□□□)との3名であったとする。
上述もしたように、図4(A)に示した使用者情報ファイル204の情報により、送信者電子メールアドレスに基づいて、当該使用者が使用する電話端末7A(1)の内線番号が「1001」であると特定される。また、図4(B)に示した相手先情報ファイルの情報により、受信者である(○○○○)と、(△△△△)と、(□□□□)との3名のそれぞれの受信者電子メールアドレスに基づいて、それぞれの受信者電話番号と受信者氏名とが特定される。これらの特定された情報と、UTM装置1Aからの必要情報に基づいて、図4(C)に示したように、確認先情報が形成され確認先情報ファイル206に記録される。
この確認先情報ファイル206の確認先情報に基づいて、受信者情報一覧リストが形成され、この場合には、内線番号が「1001」の電話端末7A(1)に提供される。受信者情報一覧リストでは、図10(A)の2番目~4番目に示すようにデータが示される。すなわち、内線番号「1001」についての受信者情報一覧リストにおいて、受信者電話番号が「03-XXXX-XXXX」の受信者氏名が「○○○○」に対して、「2020年4月10日10時30分」に電子メールを送信したことが示される。
同様に、内線番号「1001」についての受信者情報一覧リストにおいて、受信者電話番号が「03-YYYY-YYYY」の受信者氏名が「△△△△」に対して、「2020年4月10日10時30分」に電子メールを送信したことが示される。更に、内線番号「1001」についての受信者情報一覧リストにおいて、受信者電話番号が「03-ZZZZ-ZZZZ」の受信者氏名が「□□□□」に対して、「2020年4月10日10時30分」に電子メールを送信したことが示される。このように、同時に3者に対して、電子メールが送信されたことが示される。
また、図9を用いて説明したように、電子メール確認システムaのPC6A(1)の使用者(鈴木太郎)が、電子メール確認システムbのPC6B(3)の使用者(吉田花子)に対して、2020年4月10日に3通の電子メールを送信したとする。具体的には、202年4月10日の午前11時12分と、同日午前11時35分と、同日午前11時50分の3回である。
この場合、上述もしたように、図4(A)に示した使用者情報ファイル204の情報により、送信者電子メールアドレスに基づいて、当該使用者が使用する電話端末7A(1)の内線番号が「1001」であると特定される。また、図4(B)に示した相手先情報ファイルの情報により、受信者(吉田花子)の受信者電子メールアドレスに基づいて、受信者の電話番号「03-9876-5432」が特定される。これらの特定された情報と、UTM装置1Aからの必要情報に基づいて、図4(C)に示したように、確認先情報が形成され確認先情報ファイル206に記録される。
この確認先情報ファイル206の確認先情報に基づいて、受信者情報一覧リストが形成され、この場合には、内線番号が「1001」の電話端末7A(1)に提供される。受信者情報一覧リストでは、図10(A)の5番目~7番目に示すようにデータが示される。すなわち、内線番号「1001」についての受信者情報一覧リストにおいて、受信者電話番号が「03-9876-5432」の受信者氏名が「吉田花子」に対して、「2020年4月10日11時12分」に電子メールを送信したことが示される。
同様に、内線番号「1001」についての受信者情報一覧リストにおいて、受信者電話番号が「03-9876-5432」の受信者氏名が「吉田花子」に対して、「2020年4月10日11時35分」に電子メールを送信したことが示される。更に、内線番号「1001」についての受信者情報一覧リストにおいて、受信者電話番号が「03-9876-5432」の受信者氏名が「吉田花子」に対して、「2020年4月10日11時50分」に電子メールを送信したことが示される。
このように、送信側の電子メール確認システムaでは、送信した電子メールごとに、確認先情報を形成して、確認先情報ファイル206に格納する。この確認先情報ファイル206の格納データに基づいて、送信側の電子メール確認システムaでは、受信者情報一覧リスト(図10(A))を形成し、電話端末7Aを通じて、電子メールの送信者に提供できる。
また、図7に示した例において、受信側の電子メール確認システムbでは、受信メールの受信者電子メールアドレスに基づいて、受信者(田中三郎)が使用する電話端末7B(1)の内線番号が特定される。特定された内線番号が「2001」であったとする。また、受信メールの送信者電子メールアドレスに基づいて、送信者(鈴木太郎)の電話番号が特定される。特定された電話番号が「03-AAAA-AAAA」であったとする。これら特定された情報と、UTM装置1Bからの必要情報に基づいて、確認先情報が形成され、主装置2Bの確認先情報ファイル206に格納される。
この確認先情報ファイル206の格納データに基づいて、送信者情報一覧リストが形成されて、この場合には、内線番号が「2001」の電話端末7B(1)に提供される。この例の場合、送信者情報一覧リストは、送信者電話番号が「03-AAAA-AAAA」で、送信者名称が「鈴木太郎」で、送信日時が「2020年4月10日の10時23分」とする情報を含むものとなる。
なお、図7、図8、図9を用いて説明した例の場合には、電子メール確認システムaが送信側となり、電子メール確認システムb、c、dが受信側となる場合を例にして説明した。しかし、電子メール確認システムaが受信側となり、電子メール確認システムb、c、dが送信側となる場合ももちろんある。この場合においては、電子メール確認システムaでは、図10(B)に示した態様の送信者情報一覧リストが形成され、電子メール確認システムb、c、dでは、図10(A)に示した態様の受信者情報一覧リストが形成される。すなわち、同様に構成される電子メール確認システムa、b、c、dのそれぞれは、送信メールに基づいて受信者情報一覧リストを形成する機能と、受信メールに基づいて送信者情報一覧リストを形成する機能とを備えたものである。
[UTM装置1で行われる処理のまとめ]
図11は、UTM装置1で行われる処理を説明するためのフローチャートである。UTM装置1では、送信メール(送信電子メール)が発生した場合と、受信メール(受信電子メール)が発生した場合とにおいて、異なる処理が実行される。UTM装置1では、自機に接続されたPC6より、電子メールが送信されることにより、送信メールが発生すると、図11(A)に示す送信メール処理ルーチンが、制御部102において実行される。
制御部102は、まず、メール対策部126のアドレス等抽出部1262を制御し、送信メールよりアドレス情報を抽出する(ステップS101)。ステップS101で抽出されるアドレス情報は、上述もしたように、送信者電子メールアドレス、受信者電子メールアドレスの他、電子メール区分、送信日時、件名を含む。この場合の電子メール区分は、送信メールが処理対象であるので「送信」ということになる。
次に、制御部102は、メール対策部126のアドレス等提供部1263を制御し、抽出したアドレス情報を送信メールアドレス情報として主装置に提供する(ステップS102)。この送信メールアドレス情報が、送信メールから形成された上述の必要情報に相当する。このようにして、UTM装置1の制御部102は、送信メールより必要情報(送信メールアドレス情報)を形成して、主装置2に提供した後に、当該送信メールをIP網12に送出して、相手先に送信する送信処理を実行する(ステップS103)。この後、制御部102は、図11(A)に示す処理を終了し、次の送信メールの発生を待つことになる。
また、UTM装置1では、UTM装置1では、自機に接続されたPC6からの要求に応じて、PC6に設定された電子メールアドレスへの電子メールの受信処理が実行されることより、受信メールが発生したとする。この場合、図11(B)に示す受信メール処理ルーチンが、制御部102において実行される。制御部102は、自機に接続されたPC6からの要求に応じて、所定のメールサーバより、要求元のPC6に設定された電子メールアドレス宛ての電子メール(受信メール)を取得する(ステップS201)。
次に、制御部102は、メール対策部126のアドレス等抽出部1262を制御し、受信メールよりアドレス情報を抽出する(ステップS202)。ステップS202で抽出されるアドレス情報は、上述もしたように、送信者電子メールアドレス、受信者電子メールアドレスの他、電子メール区分、送信日時、件名を含む。この場合の電子メール区分は、受信メールが処理対象であるので「受信」ということになる。
この後、制御部102は、メール対策部126のアドレス等提供部1263を制御し、抽出したアドレス情報を受信メールアドレス情報として主装置に提供する(ステップS203)。この受信メールアドレス情報が、受信メールから形成された上述の必要情報に相当する。このようにして、UTM装置1の制御部102は、受信メールより必要情報(受信メールアドレス情報)を形成して、主装置2に提供した後に、図11(B)に示す処理を終了し、次の受信メールの発生を待つことになる。
このように、UTM装置1は、送信メールが発生した場合には、当該送信メールから送信メールアドレス情報(送信メールに関する必要情報)を形成して、主装置2に提供する機能を備える。また、UTM装置1は、受信メールが発生した場合には、当該受信メールから受信メールアドレス情報(受信メールに関する必要情報)を形成して、主装置2に提供する機能を備える。
[主装置2で行われる処理のまとめ]
電子メールの受信者(送信先)や送信者(送信元)に対する確認処理のために、主装置2において行われる処理には、確認先情報の形成処理と、受信者情報一覧リストや送信者情報一覧リストの形成処理とがある。ここでは、そのそれぞれの処理について説明する。
<確認先情報の形成処理>
図12は、実施の形態の主装置2で行われる確認先情報の形成処理について説明するためのフローチャートである。この実施の形態において、図12に示す処理は、主装置2に電源が投入されて稼働している間においては、制御部202において、常時、実行されている。制御部202は、LANI/F208及び接続端208Tを通じて、UTM装置1からの情報を受信するようにし(ステップS301)、UTM装置1からの情報を受信したか否かを判別する(ステップS302)。ステップS302の判別処理において、受信していないと判別したときには、制御部202は、ステップS301からの処理を繰り返す。
ステップS302の判別処理において、UTM装置1からの情報を受信したと判別したときには、制御部202は、受信した当該情報は、送信メールアドレス情報(電子メール区分が「送信」である必要情報)か否かを判別する(ステップS303)。ステップS303の判別処理において、受信した当該情報は、送信メールアドレス情報であると判別したとする。この場合、制御部202は、内線番号特定部211を制御して、当該送信メールアドレス情報の送信者電子メールアドレスに基づき、使用者情報ファイル204の格納データを参照し、送信者が使用する電話端末7の内線番号を特定する(ステップS304)。
次に、制御部202は、電話番号特定部212を制御して、当該送信メールアドレス情報の受信者電子メールアドレスに基づき、相手先情報ファイル205の格納データを参照し、受信者の電話番号を特定する(ステップS305)。この後、制御部202は、確認先情報形成部213を制御し、受信した送信メールアドレス情報と、特定した送信者の内線番号及び受信者の電話番号とから送信メール用の確認先情報を形成して、確認先情報ファイル206に記録する(ステップS306)。ステップS306の処理の後において、制御部202は、ステップS301からの処理を繰り返す。
また、ステップS303の判別処理において、受信した当該情報は、送信メールアドレス情報ではない、すなわち、受信メールアドレス情報あると判別したとする。この場合、制御部202は、内線番号特定部211を制御して、当該受信メールアドレス情報の受信者電子メールアドレスに基づき、使用者情報ファイル204の格納データを参照し、受信者が使用する電話端末7の内線番号を特定する(ステップS307)。
次に、制御部202は、電話番号特定部212を制御して、当該受信メールアドレス情報の送信者電子メールアドレスに基づき、相手先情報ファイル205の格納データを参照し、送信者の電話番号を特定する(ステップS308)。この後、制御部202は、確認先情報形成部213を制御し、受信した受信メールアドレス情報と、特定した受信者の内線番号及び送信者の電話番号とから受信メール用の確認先情報を形成して、確認先情報ファイル206に記録する(ステップS309)。ステップS309の処理の後において、制御部202は、ステップS301からの処理を繰り返す。
このようにして、主装置2においては、送信メールに応じた送信メール用の確認先情報と、受信メールに応じた受信メール用の確認先情報とを形成して、確認先情報ファイル206に記録することができる。この確認先情報ファイル206に記録された情報に基づいて、受信者情報一覧リストと送信者情報一覧リストが形成される。
<一覧リストの形成処理>
図13は、実施の形態の主装置2で行われる一覧リストの形成処理について説明するためのフローチャートである。この実施の形態において、図13に示す処理は、主装置2に電源が投入されて稼働している間においては、制御部202において、常時、実行されている。制御部202は、接続I/F207及び接続端207Tを通じて、配下の電話端末7からの要求を受信するようにし(ステップS401)、電話端末7からの要求を受信したか否かを判別する(ステップS402)。ステップS402の判別処理において、受信していないと判別したときには、制御部202は、ステップS401からの処理を繰り返す。
ステップS402の判別処理において、電話端末7からの要求を受信したと判別したときには、制御部202は、受信した要求は、受信者情報一覧リストの提供要求か否かを判別する(ステップS403)。ステップS403の判別処理において、受信した要求は、受信者情報一覧リストの提供要求であると判別したとする。この場合、制御部202は、確認先リスト形成部214を制御して、受信者情報一覧リストを形成して、要求元の電話端末7に提供する(ステップS404)。
具体的に、ステップS404において、確認先リスト形成部214は、確認先情報ファイル206から要求元の電話端末7の内線番号を有し、区分が「送信」である確認先情報を抽出し、受信者情報一覧リストを形成して提供することになる。受信者情報一覧リストなのに、区分が「送信」である確認先情報を抽出するのは、送信した電子メールについての受信者の一覧リストを形成するためである。
この後、制御部202は、要求元の電話端末7からの発信要求を受け付けるようにし(ステップS405)、発信要求を受け付けたか否かを判別する(ステップS406)。ステップS406の判別処理において、発信要求を受け付けていないと判別したときには、ステップS401からの処理を繰り返す。ステップS406の判別処理において、発信要求を受け付けたと判別したときには、当該発信要求に応じて、発信処理を行い(ステップS407)、相手先に電話をかけるようにする。この後、制御部202は、ステップS401からの処理を繰り返す。
また、ステップS403の判別処理において、受信した要求は、受信者情報一覧リストの提供要求ではないと判別したとする。この場合、制御部202は、受信した要求は、送信者情報一覧リストの提供要求か否かを判別する(ステップS408)。ステップS408の判別処理において、受信した要求は、送信者情報一覧リストの提供要求であると判別したとする。この場合、制御部202は、確認先リスト形成部214を制御して、送信者情報一覧リストを形成して、要求元の電話端末7に提供する(ステップS409)。
具体的に、ステップS409において、確認先リスト形成部214は、確認先情報ファイル206から要求元の電話端末7の内線番号を有し、区分が「受信」である確認先情報を抽出し、送信者情報一覧リストを形成して提供することになる。送信者情報一覧リストなのに、区分が「受信」である確認先情報を抽出するのは、受信した電子メールについての送信者の一覧リストを形成するためである。
この後、制御部202は、ステップS405からの処理を行う。すなわち、要求元の電話端末7からの発信要求を受け付けるようにし(ステップS405)、発信要求を受け付けたか否かを判別する(ステップS406)。ステップS406の判別処理において、発信要求を受け付けていないと判別したときには、ステップS401からの処理を繰り返す。ステップS406の判別処理において、発信要求を受け付けたと判別したときには、当該発信要求に応じて、発信処理を行い、相手先に電話をかけるようにし(ステップS407)、この後、ステップS401からの処理を繰り返すようにする。
なお、ステップS408の判別処理において、受信した要求は、送信者情報一覧リストの提供要求ではないと判別したときには、受信した要求に応じたその他の処理、例えば通常の発信処理等を行うようにする(ステップS410)。この後、ステップS401からの処理を繰り返す。
このようにして、主装置2は、配下の電話端末7からの要求に応じて、当該電話端末7の使用者が電子メールを送信したり、受信したりした場合に、UTM装置1と協働し、受信者情報一覧リストや送信者情報一覧リストを形成し、電話端末7に提供できる。電話端末7では、提供を受けた受信者情報一覧リストに基づいて、電子メールの送信先である受信者の電話番号を、簡単に特定して電話をかけることが可能になる。また、電話端末7では、提供を受けた送信者情報一覧リストに基づいて、電子メールの送信元である送信者の電話番号を、簡単に特定して電話をかけることが可能になる。
[実施の形態の効果]
上述した実施の形態の電子メール確認システムによれば、電子メールを送信した場合には、当該電子メールの受信者の電話番号を特定し、容易に、かつ、適切に受信者に対して電話をかけて確認を取ることができる。従って、受信者の電話番号を使用者が調べる必要もない。
また、上述した実施の形態の電子メール確認システムによれば、電子メールを受信した場合には、当該電子メールの送信者の電話番号を特定し、容易に、かつ、適切に送信者に対して電話をかけて確認を取ることができる。従って、送信者の電話番号を使用者が調べる必要もない。
このように、電子メールの送受信に伴って、相手先とコンタクトを取る必要が生じた場合に、電子メールとは異なる通信手段である電話を用いて、容易に、しかも適切に、目的とする相手先に電話をかけて連絡を取ることができる。電話を用いるため、リアルタイムに、目的とする相手先と直接にコンタクトすることが可能になる。
[変形例]
上述した実施の形態では、電子メールの送信側と受信側との双方が、同様に構成された電子メール確認システムを備えているものとして説明したが、これに限るものではない。この実施の形態の電子メール確認システムを備えていれば、相手先のシステムには依存することなく、受信者情報一覧リストや送信者情報一覧リストを形成して、これを利用することが可能である。
また、上述した実施の形態では、UTM装置1が、メール対策部を備えるものとして説明したが、これに限るものではない。IP網12とPC6との間に、メール対策部126の機能を備えた専用の電子メール対策装置を設け、当該電子メール対策装置と主装置2とを接続するようにしてもよい。また、IP網とPC6との間に設けられるいわゆるルーターなどのネットワーク装置に、メール対策部126の機能を設け、主装置2と接続するようにしてもよい。
また、図10に示した受信者情報一覧リストや送信者情報一覧リストには示さなかったが、これらのリストに件名を付加することも可能である。また、送信メールや受信メールの本文から抽出した本文の一部を付加することも可能である。
また、図10に示した受信者情報一覧リストや送信者情報一覧リストでは、相手先の電話番号、相手先の氏名、送信日時を示すものとして説明したが、これに限るものではない。少なくとも、相手先の電話番号と相手先の氏名との内の一方を示すようにすればよい。しかし、より確実に相手先を特定するために、相手先の電話番号と相手先の氏名との両方を表示対象とすることが好ましい。更に、送信日時や件名や本文の一部などを含めるようにすればよりよいが、電話端末のディスプレイの表示画面の大きさなどを考慮し、適宜の情報を表示するように構成することが可能である。
また、電話端末7において、受信者情報一覧リストや送信者情報一覧リストを用いて、相手先に電話をかけた場合には、受信者情報一覧リストや送信者情報一覧リストの当該データに使用フラグを更新するようにすることもできる。この処理は、電話端末7において、受信した受信者情報一覧リストや送信者情報一覧リストに付加することができる。また、電話端末7からの発信要求に基づいて、主装置2において、確認先情報ファイルに格納されている該当データに使用フラグを更新することも可能である。
当該使用フラグにより、既に電話連絡済みの相手先についての情報の表示において、識別可能にすることにより、必要のない繰り返しの電話連絡や電話のかけ間違いを防止することができる。
また、主装置2は、確認先情報ファイル206に格納されている確認先情報の相手先電話番号が示す相手先から電話がかかって来た場合には、当該相手先情報の内線番号に直接に着信させるようにすることもできる。また、主装置2は、確認先情報ファイル206に格納されている確認先情報の相手先電話番号が示す相手先から電話がかかって来て、電話端末が応答する前に発呼元から電話が切られたとする。この場合には、当該相手先情報の内線番号に、電子メールの受信者或いは送信者から電話があった旨の通知を行うこともできる。これらの機能は、主装置2の例えば制御部202の機能により実現できる。
[その他]
上述した実施の形態の説明からも分かるように、請求項の電子メール監視装置の抽出手段、提供手段の機能は、実施の形態のUTM装置1のアドレス等抽出部1262、アドレス等提供部1263が実現している。また、請求項の電話制御装置の第1の記憶手段、第2の記憶手段の機能は、実施の形態の主装置2の使用者情報ファイル204、相手先情報ファイル205が実現している。また、請求項の電話制御装置の第1の受付手段、第1の特定手段、第2の特定手段の機能は、実施の形態の主装置2の接続端208T及びLANI/F208、内線番号特定部211、電話番号特定部212が実現している。
また、請求項の電話制御装置の第3の記憶手段の機能は、実施の形態の主装置2の確認先情報ファイル206が実現している。また、請求項の電話制御装置の第2の受付手段、作成手段、一覧リスト提供手段の各機能は、実施の形態の主装置2の接続端207T及び接続I/F207、確認先リスト形成部214、確認先リスト提供部215が実願している。また、請求項の電話端末の提供要求提供手段、一覧リスト受付手段、出力手段の各機能は、電話端末7の制御部710、接続端701T及び接続I/F701、ディスプレイ707が実現している。