JP7479311B2 - 蓋材 - Google Patents

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Description

本開示は、蓋材に関する。
コンビニエンスストアで容器内に収容された食材を購入し、それをコンビニエンスストアに設置された電子レンジで温めることが日常的に行われている。容器を電子レンジで温めた際には、容器の開口部が蓋材で封止されていることによって容器内の蒸気圧が上昇する。このように容器内で上昇した蒸気圧を外部に逃がすために、容器を電子レンジで温める前に容器の開口部を封止している蓋材を部分的にコンビニエンスストアの店員が手で掴んで引き剥がすことがある。しかしながら、コンビニエンスストアの店員が蓋材を手で掴むことに対して抵抗がある消費者もいる。
そこで、電子レンジで加熱されることによって容器の内圧が上昇した際に自動的に容器内部で発生した蒸気を放出(蒸通)するように構成されている電子レンジ対応容器が知られている。
たとえば、特許文献1には、ヒートシールにより容器本体に密封される蓋体の容器本体との接触箇所に、マイクロ波により発熱可能な導電性の印刷インキまたはコーティング剤をコーティングすることにより、電子レンジによるマイクロ波照射に伴って上記印刷インキまたはコーティング剤付近のシーラント層を加熱融解して容器内部の食品の加熱によって上昇する内圧を逃がす電子レンジ対応容器において、印刷インキまたはコーティング剤を電気抵抗値が10-7Ωm以下の物質と電気抵抗値が104Ωm以上の物質のブレンドにより構成して、ブレンド比率により発熱温度を調整可能とすると共に、容器本体と蓋体との接触面を容器本体の上面に突設される環状突起箇所として、環状突起の幅の設定により内圧を逃がすのに必要なシーラント層の融解のための加熱容量を調整可能とし、上記の印刷インキまたはコーティング剤の構成物質のブレンド比率と環状突起の幅の設定により、シーラント層を加熱融解して内圧を逃がす作用を実現しながら、過剰加熱を防止することを特徴とする電子レンジ対応容器が開示されている。
特開2009-67418号公報
コンビニエンスストアに設置されている業務用の電子レンジの出力は1500W程度と高出力である。このような高出力の電子レンジで容器を加熱した場合でも、蓋材が予め設定された適切な位置から自動的に剥がれない、または蓋材自体や容器自体が軟化したり溶けたりすることによって、蒸通が適切に行われないことがあったため、その改善が求められていた。
ここで開示された実施形態によれば、シーラント層と、シーラント層上の発熱インキ層と、を備える蓋材であって、発熱インキ層は導電性カーボンを含み、発熱インキ層の誘電損失は350以上であり、蓋材の発熱インキ層の透過濃度が1.2以上2.8以下である蓋材を提供することができる。
ここで開示された実施形態によれば、高出力の電子レンジで加熱した場合に適切な位置で蒸通を行なうことが可能な蓋材を提供することができる。
実施形態1の蓋材の模式的な平面図である。 図1の発熱インキ層の設置箇所のII-IIに沿った模式的な断面図の一例である。 図1の発熱インキ層の非設置箇所のIII-IIIに沿った模式的な断面図の一例である。 実施形態1の蓋材のIV-IVに沿った模式的な断面図の一例である。 実施形態1の蓋材を備える容器の一例の模式的な断面図である。 実施形態1の蓋材の図1のIV-IVに沿った模式的な断面図の他の一例である。 実施形態1の蓋材の図1のIV-IVに沿った模式的な断面図の他の一例である。 実施形態1の蓋材の図1のIV-IVに沿った模式的な断面図の他の一例である。 実施形態1の蓋材の図1のIV-IVに沿った模式的な断面図の他の一例である。 実施形態2の蓋材の模式的な平面図である。 実施形態3の蓋材の模式的な平面図である。 図11のXII-XIIに沿った模式的な断面図である。 実施形態4の蓋材の模式的な平面図である。 実施形態5の蓋材の模式的な平面図である。 実施形態6の蓋材の模式的な平面図である。 実施形態7の蓋材の模式的な平面図である。
以下、ここで開示される実施形態の蓋材について説明する。なお、実施形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
[実施形態1]
図1に、実施形態1の蓋材の模式的な平面図を示す。実施形態1の蓋材100は発熱インキ層の設置箇所100aと発熱インキ層の非設置箇所100bとを備えている。本実施形態において、蓋材100の発熱インキ層の設置箇所100aにおける発熱インキ層は、ベタ部110を有している。また、図1の参照符号300は、後述する容器本体との溶着部となるシール部300を示している。
図2に、図1の発熱インキ層の設置箇所100aのII-IIに沿った模式的な断面図の一例を示す。図2に示すように、蓋材100の発熱インキ層の設置箇所100aは、基材101と、基材101の第1の表面101a上のシーラント層104と、基材101の第1の表面101aとは反対側の第2の表面101b上の発熱インキ層102と、発熱インキ層102上の保護層103とを備えている。
図3に、図1の発熱インキ層の非設置箇所100bのIII-IIIに沿った模式的な断面図の一例を示す。図3に示すように、蓋材100の発熱インキ層の非設置箇所100bは、基材101と、基材101の第1の表面101a上のシーラント層104と、基材101の第2の表面101b上の保護層103とを備えている。蓋材100の発熱インキ層の非設置箇所100bは、発熱インキ層102を備えていない点で、発熱インキ層の設置箇所100aとは異なっている。すなわち、蓋材100の発熱インキ層の設置箇所100a以外の箇所が、蓋材100の発熱インキ層の非設置箇所100bとなる。
図4に、実施形態1の蓋材100のIV-IVに沿った模式的な断面図の一例を示す。図4に示す例においては、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aでは保護層103と基材101との間に発熱インキ層102が位置しているため保護層103と基材101とはラミネートされていないが、発熱インキ層102の非設置箇所100bでは保護層103と基材101とがラミネートされている。
図5に、実施形態1の蓋材100を備える容器の一例の模式的な断面図を示す。図5に示される容器200においては、蓋材100が容器本体201の開口部を封止するとともに、シール部300において蓋材100のシーラント層104は容器本体201のフランジと溶着している。容器200は、たとえば、容器本体201の開口部を覆うように蓋材100を容器本体201のフランジ上に設置した後に、蓋材100を容器本体201のフランジにヒートシールすることによって作製することができる。
<基材>
基材101は、発熱インキ層102およびシーラント層104を支持可能な部材である。
基材101としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、またはナイロン(NY)フィルム等のプラスチックフィルムを用いることができる。基材101としてPETフィルムを用いた場合には蓋材100の剛性を向上させることができる。基材101としてNYフィルムを用いた場合には蓋材100にバリア(酸素透過防止)機能を向上させることができる。
<発熱インキ層>
発熱インキ層102は、電子レンジのマイクロ波が照射されることによって発熱可能な層である。
発熱インキ層102は、導電性カーボンを含む。導電性カーボンとしては、たとえば、カーボンブラック、ケッチェンブラック、またはアセチレンブラック等を用いることができる。
発熱インキ層102の導電性カーボン以外の成分としては、たとえば、バインダ樹脂を含み、必要に応じて、着色剤、溶剤、または添加剤等を含んでいてもよい。
バインダー樹脂としては、たとえば、乾燥型のバインダー樹脂、または紫外線硬化型等の光重合型等のバインダー樹脂等を用いることができる。
乾燥型のバインダー樹脂としては、たとえば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ニトロセルロース若しくはセルロース・アセテート・ブチレート等のセルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、またはポリエステル系樹脂等を挙げることができる。光重合型のバインダー樹脂としては、たとえば、アクリレート系等の光重合性樹脂と重合開始剤とを含むバインダー樹脂等を挙げることができる。
溶剤としては、たとえば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;トルエンなどの炭化水素類;水;これらの混合溶媒等を挙げることができる。着色剤としては、たとえば、公知の顔料または染料等を挙げることができる。添加剤としては、たとえば、分散剤、可塑剤、沈降防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、または難燃剤等を挙げることができる。
発熱インキ層102の誘電損失は350以上である。発熱インキ層102の誘電損失は周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部を意味する。本明細書において、複素比誘電率の虚数部は、標準状態下(23℃、1atm、相対湿度50%)、周波数2.45GHzで発熱インキ層102の誘電損失を測定した値のことを意味する。
発熱インキ層102の誘電損失は以下の測定方法によって測定される。発熱インキ層102が設けられたフィルム(縦×横=76mm×30mmの長方形)を測定サンプルとする。その測定サンプルの横方向が周方向となるように湾曲させて、以下の空洞共振器摂動法誘電率測定システムの円筒型空洞共振器の筒内にセットし、標準状態下(23℃、1atm、相対湿度50%)で下記のシステム構成、測定条件、厚みの測定、および発熱部の複素比誘電率の虚数部の算出にしたがい、評価サンプルの複素比誘電率の虚数部εを測定する。
(システム構成)
ネットワークアナライザ:Agilent製のE8361A
円筒型空洞共振器:株式会社関東電子応用開発製のCP481
測定周波数:2.45GHz
測定モード:TM020
計算プログラム:CPMA-PNA
(測定条件)
サンプル幅入力値:30mm
サンプル厚み入力値:サンプルの実測厚みt
(厚みの測定)
フィルムの厚み:株式会社ミツトヨ製のスプラインマイクロメータSPM2-25MX
発熱インキ層の厚み:オリンパス株式会社製の3D測定レーザー顕微鏡LEXT OLS4100。測定倍率は2160倍で、測定視野は128μmとする。
(発熱インキ層の複素比誘電率の虚数部の算出)
得られた測定値εから、式(1)を用いて発熱インキ層の複素比誘電率の虚数部εを算出する。なお、εは、ブランク(フィルムそのもの)を、上記測定システムおよび測定条件で測定した値である。
ε=(tε-tε)/t …式(1)
ε:発熱インキ層の複素比誘電率の虚数部
ε:サンプルの複素比誘電率の虚数部(測定値)
ε:フィルムの複素比誘電率の虚数部(測定値)
:発熱部の厚み(μm)
:サンプルの総厚み(μm)
:フィルムの厚み(μm)
図1に示す例において、発熱インキ層102は、ベタ部110を有している。本明細書において、ベタ部100とは、発熱インキ層102が面方向に延在して1つの連続した層を成していることを意味する。ただし、グラビア印刷法などの有版印刷法にて形成される層は、ドット状に付着したインキ固化物の集合から構成されるため、巨視的に見ると、そのインキ固化物が面方向に延在して1つの連続した層を成しているが、微視的に見ると、その面内に無数の微細な隙間が存在する場合がある。このような場合に、微視的に見ると、微細な隙間を有する場合でも、巨視的に1つの連続した層を成している場合には、ベタ部100の範疇に含まれるものとする。
発熱インキ層102のベタ部の厚さは、たとえば0.3μm以上3μm以下とすることができる。発熱インキ層102のベタ部の厚さが0.3μm以上3μm以下である場合には、電子レンジにより容器の内容物を十分に加熱することができるとともに、当該加熱によって発熱インキ層102の非設置箇所100bでは蓋材100が容器に固着されつつ、発熱インキ層102の設置箇所100aでは蓋材100が容器から自動的に剥がれて蒸通が適切に行われる傾向にある。
発熱インキ層102のベタ部の厚さが0.3μm未満である場合には、発熱インキ層102を形成する際に用いられる発熱インキの濃度にムラが生じやすくなるため、ベタ印刷できない、または発熱インキ層102のベタ部の厚さが薄すぎるために発熱インキ中の有効成分が均一な表面を形成しにくい傾向にある。
発熱インキ層102のベタ部の厚さが3μmよりも厚い場合には、発熱インキ層102が局所的に厚くなり、製造上、発熱インキ層102の裏写り(転移)等の不具合が生じる傾向にある。
なお、蒸通は、蓋材100のシーラント層104が軟化、その後、容器の内容物の水蒸気(内圧)により圧力がかかり蓋材100と容器の間に隙間が生じ蒸気が排出されることにより行われる。また、発熱インキ層102のベタ部の厚さは、蓋材100を、たとえば3000倍~5000倍に拡大して測定することができる。
蓋材100は、発熱インキ層102の設置箇所100aの外周の長さA2が、発熱インキ層102の設置箇所100aの内周の長さA1よりも長い箇所を有している。この場合には、発熱インキ層102の設置箇所100aを蓋材100の掴みやすい箇所の対角線上に設置させることができる。これにより、加熱後の蒸通により蒸気が排出されている発熱インキ層102の設置箇所100aからなるべく離れた位置に蓋材100の掴みやすい箇所を設けることができるため、蓋材100を容器本体201から剥がす際の蒸気によるユーザの火傷を低減することができる。
<シーラント層>
シーラント層104は、蓋材100の容器本体201への溶着を可能にするとともに、発熱インキ層102からの発熱により軟化して温められた容器200の内部からの蒸気圧により容器200から剥離可能な層である。
シーラント層104としては、たとえば、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)等を用いることができる。
<その他の層>
蓋材100は、発熱インキ層102およびシーラント層104を含んでいれば、その他の層を含んでいてもよい。
たとえば、図1に示される例の実施形態1の蓋材100は、その他の層として、基材101を含むとともに、発熱インキ層102上の保護層103を含んでいる。保護層103としては、たとえば、PETフィルム等のプラスチックフィルムを用いることができる。また、保護層103は、発熱インキ層102上に印刷で設けられる樹脂層であってもよい。保護層103は、少なくとも発熱インキ層102を外傷等から保護するための層である。また、保護層103は、蓋材100の容器本体201のフランジへのヒートシール時におけるインキの剥離を防止することもできる。
蓋材100は、また、たとえば、基材101と発熱インキ層102との間に白色ベタ印刷層等の他の層を含んでいてもよい。また、蓋材100は、たとえば、発熱インキ層102とシーラント層104との間に、発熱インキ層102とシーラント層104とのラミネートに用いられているラミネート剤層等の他の層を含んでいてもよい。
<蓋材の製造方法>
図1に示される蓋材100は、たとえば以下のようにして製造することができる。まず基材101の第1の表面101a上にシーラント層104を形成する。また、保護層103上に発熱インキ層102を形成する。シーラント層104の形成と発熱インキ層102の形成の順序は特に限定されない。
次に、保護層103の発熱インキ層102の設置側の表面上にラミネート剤を塗布する。
その後、保護層103のラミネート剤が塗布された表面と、基材101の第2の表面101bとをラミネートすることによって、基材101の第2の表面101bと発熱インキ層102とを貼り合わせる。以上により、図1に示される蓋材100を製造することができる。
<透過濃度>
蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度は、1.2以上2.8以下である。なお、本明細書において、透過濃度は、蓋材100の発熱インキ層102に光を入射させたときに入射光の強度と反射光の強度とによって、以下の式(2)により算出される値である。
蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度=log10((入射光の強度)/(反射光の強度)) …(2)
蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度は、たとえば、伊原電子工業株式会社製の透過濃度測定器「Ihac-T5(型番)」;ポータブル白黒透過濃度計を用いて以下のように測定することができる。
たとえば、上記の透過濃度測定器により測定された、保護層103/発熱インキ層102/白ベタ印刷層(図示せず)/基材101/シーラント層104の積層体を有する蓋材100全体の透過濃度が2.6であり、保護層103/白ベタ印刷層(図示せず)/基材101/シーラント層104の積層体の透過濃度が0.27であったとする。この場合に、蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度は、2.6から0.27を差し引いた2.33とされる。
実施形態1の蓋材100は、基材101と、基材101の第1の表面101a上のシーラント層104と、基材101の第1の表面101aとは反対側の第2の表面101b上の発熱インキ層102とを備えている。また、発熱インキ層102は導電性カーボンを含み、発熱インキ層102の誘電損失は350以上であり、ラミネート後の発熱インキ層102の透過濃度が1.2以上2.8以下となっている。
実施形態1の蓋材100は、少なくとも、シーラント層104と、シーラント層104上の発熱インキ層102とを備え、発熱インキ層102は導電性カーボンを含み、発熱インキ層102の誘電損失は350以上であり、蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度が1.2以上2.8以下である構成を有しているため、高出力の電子レンジで加熱した場合にも適切な位置で蒸通を行なうことが可能である。
[実施形態1の他の例]
図6に、実施形態1の蓋材100の図1のIV-IVに沿った模式的な断面図の他の一例を示す。図6に示す例においては、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aおよび非設置箇所100bのいずれにも保護層103が設けられていない点で図4に示す例と相違している。
図6に示されるように、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aおよび非設置箇所100bのいずれにも保護層103が設けられていない場合でも、発熱インキ層102は導電性カーボンを含み、発熱インキ層102の誘電損失は350以上であり、蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度が1.2以上2.8以下であるため、蓋材100を備えた容器200を高出力の電子レンジで加熱した場合にも蓋材100の適切な位置で蒸通を行なうことが可能である。
図7に、実施形態1の蓋材100の図1のIV-IVに沿った模式的な断面図の他の一例を示す。図7に示す例においては、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aおよび非設置箇所100bのいずれにも保護層103が設けられていないとともに、発熱インキ層102の設置箇所100aにおいて基材101が発熱インキ層102上に位置している点で図4に示す例と相違している。
図7に示す例の蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aにおいては、基材101とシーラント層104との間に発熱インキ層102が位置している。また、図7に示す例の蓋材100の発熱インキ層102の非設置箇所100bにおいては、基材101とシーラント層104とがラミネートされている。
図7に示される構成においても、発熱インキ層102は導電性カーボンを含み、発熱インキ層102の誘電損失は350以上であり、蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度が1.2以上2.8以下であるため、蓋材100を備えた容器200を高出力の電子レンジで加熱した場合にも蓋材100の適切な位置で蒸通を行なうことが可能である。
図8に、実施形態1の蓋材100の図1のIV-IVに沿った模式的な断面図の他の一例を示す。図8に示す例においては、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aにおいて基材101が発熱インキ層102上に位置しているとともに、発熱インキ層102とシーラント層104との間にも位置している点で図4に示す例と相違している。
図8に示す例の蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aにおいては、第1の基材101cと第2の基材101dとの間に発熱インキ層102が位置している。また、図8に示す例の蓋材100の発熱インキ層102の非設置箇所100bにおいては、第1の基材101cと第2の基材101dとがラミネートされている。
図8に示される構成においても、発熱インキ層102は導電性カーボンを含み、発熱インキ層102の誘電損失は350以上であり、蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度が1.2以上2.8以下であるため、蓋材100を備えた容器200を高出力の電子レンジで加熱した場合にも蓋材100の適切な位置で蒸通を行なうことが可能である。
図9に、実施形態1の蓋材100の図1のIV-IVに沿った模式的な断面図の他の一例を示す。図9に示す例においては、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aおよび非設置箇所100bのいずれにも基材101および保護層103が設けられていない点で図4に示す例と相違している。
図9に示す例の蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aは、発熱インキ層102とシーラント層104との積層体のみから構成されている。また、図9に示す例においては、蓋材100の発熱インキ層102の非設置箇所100bはシーラント層104のみから構成されている。
図9に示される構成においても、発熱インキ層102は導電性カーボンを含み、発熱インキ層102の誘電損失は350以上であり、蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度が1.2以上2.8以下であるため、蓋材100を備えた容器200を高出力の電子レンジで加熱した場合にも蓋材100の適切な位置で蒸通を行なうことが可能である。
[実施形態2]
図10に、実施形態2の蓋材100の模式的な平面図を示す。図10に示される実施形態2の蓋材100においては、発熱インキ層の設置箇所100aの内周の長さA1と発熱インキ層102の設置箇所100aの外周の長さA2とが同一であることを特徴としている。
実施形態2の蓋材100においても、発熱インキ層102は導電性カーボンを含み、発熱インキ層102の誘電損失は350以上であり、蓋材100の発熱インキ層102の透過濃度が1.2以上2.8以下であるため、蓋材100を備えた容器200を高出力の電子レンジで加熱した場合にも蓋材100の適切な位置で蒸通を行なうことが可能である。ただ、蓋材100を容器本体201から剥がす際の蒸気によるユーザの火傷を低減する観点からは、実施形態1の蓋材100のように、蓋材100は、発熱インキ層102の設置箇所100aの外周の長さA2が、発熱インキ層102の設置箇所100aの内周の長さA1よりも長い箇所を有していることが好ましい。
実施形態2における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については省略する。
[実施形態3]
図11に、実施形態3の蓋材100の模式的な平面図を示す。図11には、実施形態3の蓋材100が台紙からカットされる前の状態の平面図が示されている。実施形態3の蓋材100は、カットライン1000に沿ってカットされて蓋材として用いられる。
実施形態3の蓋材100は、発熱インキ層102の設置箇所100aにおける発熱インキ層102が、ベタ部110かつ抜き部111を有することを特徴としている。ここで、発熱インキ層102のベタ部110には複数の抜き部111が形成されており、複数の抜き部111のそれぞれが曲線状に延在している。実施形態3の蓋材100においても、発熱インキ層102の設置箇所100aの内周の長さA1と発熱インキ層102の設置箇所100aの外周の長さA2とは同一である。
本明細書において、抜き部111は、発熱インキ層102が面方向に延在して1つの連続した層を成すベタ部110の間に発熱インキ層102が存在していない箇所を意味する。ただし、グラビア印刷法などの有版印刷法にて形成される層は、ドット状に付着したインキ固化物の集合から構成されるため、巨視的に見ると、そのインキ固化物が面方向に延在して1つの連続した層を成しているが、微視的に見ると、その面内に無数の微細な隙間が存在する場合がある。このような場合に、巨視的に見た場合でも、インキ固化物が面方向に連続して延在していない箇所が、抜き部111の範疇に含まれることになる。
このような抜き部111には発熱インキ層102が存在していないため、発熱インキ層102の設置箇所100aにおける発熱面積を低減することができる。また、仮に、実施形態3の蓋材100が加熱されて発熱インキ層102の設置箇所100aの全域が軟化した場合には、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aの伸びにつながることがある。しかしながら、発熱インキ層102の設置箇所100aのベタ部110の間に抜き部111が形成されていることによって、当該抜き部111は発熱しないため、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aの伸びを抜き部111で抑制することができる。
図12に、図11のXII-XIIに沿った模式的な断面図を示す。図12に示される発熱インキ層102の設置箇所100aは、発熱インキ層102は、発熱インキ層102が面方向に延在して1つの連続した層を成すベタ部110と、ベタ部110の間に発熱インキ層102が存在していない箇所である抜き部111とを備えている。
実施形態3における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については省略する。
[実施形態4]
図13に、実施形態4の蓋材100の模式的な平面図を示す。図13には、実施形態4の蓋材100が台紙からカットされる前の状態の平面図が示されている。実施形態4の蓋材100は、カットライン1000に沿ってカットされて蓋材として用いられる。
図13に示される実施形態4の蓋材100においては、発熱インキ層102の設置箇所100aの発熱インキ層102のベタ部110および抜き部111が蓋材100の点Cを中心として点Cから離れて放射状かつ直線状に延在しているとともに、ベタ部110が抜き部111を横切るように延在していることを特徴としている。ここで、抜き部111を横切るように延在するベタ部110は、曲線状に延在している。
実施形態4の蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aもベタ部110とともに抜き部111を備えているため、発熱インキ層102の設置箇所100aにおける発熱面積を低減することができるとともに、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aの伸びを抜き部111で抑制することができる。
また、実施形態4の蓋材100の容器本体201へのシール部300が図13に示される位置よりも内側(図13の左側)にずれた場合でも、放射状かつ直線状に延在するベタ部110がシール部300上に位置することになる。そのため、実施形態4の蓋材100の容器本体201への溶着を安定して行うことができる。
実施形態4における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については省略する。
[実施形態5]
図14に、実施形態5の蓋材100の模式的な平面図を示す。図14には、実施形態5の蓋材100が台紙からカットされる前の状態の平面図が示されている。実施形態5の蓋材100は、カットライン1000に沿ってカットされて蓋材として用いられる。
図14に示される実施形態5の蓋材100においては、発熱インキ層の設置箇所100aにおける発熱インキ層102の2つのベタ部110が互いに間隔を空けて向かい合うように位置していることを特徴としている。実施形態5の蓋材100においては、発熱インキ層102の設置箇所100aの内周の長さA1と発熱インキ層102の設置箇所100aの外周の長さA2とが同一である。
実施形態5の蓋材100の容器本体201へのシール部300が図14に示されるように左側にずれた場合でも、左側の発熱インキ層102の設置箇所100aがシール部300上に位置することになる。また、実施形態5の蓋材100の容器本体201へのシール部300が図14に示される位置よりも右側にずれた場合には、右側の発熱インキ層102の設置箇所100aがシール部300上に位置することになる。そのため、実施形態5の蓋材100の容器本体201への溶着を安定して行うことができる。また、実施形態5の蓋材100においては、たとえば図14の右側の発熱インキ層102の設置箇所100aがシール部300へはみ出す面積を最小にすることもできる。
実施形態5における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については省略する。
[実施形態6]
図15に、実施形態6の蓋材100の模式的な平面図を示す。図15には、実施形態6の蓋材100が台紙からカットされる前の状態の平面図が示されている。実施形態6の蓋材100は、カットライン1000に沿ってカットされて蓋材として用いられる。
図15に示される実施形態6の蓋材100においては、発熱インキ層の設置箇所100aにおける発熱インキ層102のベタ部110に直線状に延在する複数の抜き部111が互いに平行に間隔を空けて配置されていることを特徴としている。実施形態6の蓋材100においても、発熱インキ層の設置箇所100aの内周の長さA1と発熱インキ層102の設置箇所100aの外周の長さA2とが同一である。
実施形態6の蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aもベタ部110とともに抜き部111を備えているため、発熱インキ層102の設置箇所100aにおける発熱面積を低減することができるとともに、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aの伸びを抜き部111で抑制することができる。特に、実施形態6の蓋材100においては、抜き部111は蓋材100の内側から外側に直線状に延在しているため、蓋材100の内側から外側への伸びの力を当該方向に延在する抜き部111によって逃がしやすくなるため、加熱による蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aの伸びをより抑制することができる傾向にある。
また、実施形態6の蓋材100の容器本体201へのシール部300が図15に示される位置よりも内側(図15の左側)または外側(図15の右側)にずれた場合でも、ベタ部110がシール部300上に位置することになるため、実施形態4の蓋材100の容器本体201への溶着を安定して行うことができる。
実施形態6における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については省略する。
[実施形態7]
図16に、実施形態7の蓋材100の模式的な平面図を示す。図16には、実施形態7の蓋材100が台紙からカットされる前の状態の平面図が示されている。実施形態7の蓋材100は、カットライン1000に沿ってカットされて蓋材として用いられる。
図16に示される実施形態7の蓋材100においては、発熱インキ層102の設置箇所100aにおける発熱インキ層102の扇状のベタ部110が蓋材100の端部に配置されていることを特徴としている。
実施形態7の蓋材100においては、蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aの外側(図16の右側)から内側(図16の左側)にかけて発熱インキ層102の面積が減少している。そのため、実施形態7の蓋材100の容器本体201へのシール部300が図16に示される位置よりも内側(図16の左側)にずれた場合には、発熱インキ層102の発熱面積を減少させることができることから、加熱による蓋材100の発熱インキ層102の設置箇所100aの伸びを抑制することができる。
実施形態7における上記以外の説明は、実施形態1と同様であるため、その説明については省略する。
[実験例1]
(蓋材の作製)
まず、厚さ12μmのPETフィルムまたは厚さ15μmのNYフィルムからなる基材の一方の表面上にLLDPEからなる厚さ30μmのシーラント層を形成することによって第1のフィルムを作製した。また、厚さ12μmのPETフィルムからなる保護層の一方の表面上に発熱インキ層を形成することによって第2のフィルムを作製した。なお、発熱インキ層は、保護層の一方の表面上に、導電性カーボン、バインダ樹脂および溶剤等を含む発熱インキをベタ印刷した後に溶剤を揮発させることによってベタ部として形成した。発熱インキ層は、ベタ部の厚さが1μmとなるように形成された。
次に、第2のフィルムの発熱インキ層の表面上にラミネート剤を塗布し、第1のフィルムのシーラント層が形成されていない側の基材を第2のフィルムの発熱インキ層とラミネート剤を介して貼り合わせた。以上のようにして、実験例1の蓋材を24種類作製した。
24種類の実験例1の蓋材は、それぞれ互いに、発熱インキ層の誘電損失の値と、ラミネート後の発熱インキ層の透過濃度の値とが異なっている。発熱インキ層の誘電損失の値は発熱インキ層に含まれる導電性カーボンの種類を変更することによって4パターン(889、356、260、8)に設定した。また、ラミネート後の蓋材の発熱インキ層の透過濃度の値は、第1のフィルムの基材がPETフィルムである場合には発熱インキ層を形成するためのインキ希釈率を変更して発熱インキ濃度を調整することによって4パターン(2.2、2.4、2.8、3.2)に設定し、第1のフィルムの基材がNYフィルムである場合には発熱インキ層を形成するためのインキ希釈率を変更して発熱インキ濃度を調整することによって2パターン(1.0、1.2)に設定した。なお、インキ希釈率の変更は、発熱インキを溶剤または樹脂で希釈することにより行なった。
なお、実験例1の蓋材の発熱インキ層の誘電損失の値およびラミネート後の発熱インキ層の透過濃度の値は、それぞれ、本明細書に記載の方法によって測定した値である。
(評価)
上記のようにして作製した発熱インキ層の透過濃度の値が4パターン(2.2、2.4、2.8、3.2)に設定されたそれぞれの実験例1の蓋材を、-18℃以下に冷凍された100g~200g程度の食材を内部に収容したポリプロピレンからなるトレー形状の容器(長さ135mm×幅105mm×深さ30mm)の開口部に設置した後に、当該容器の周縁のフランジに当該蓋材をヒートシールすることによって、当該容器の開口部が当該蓋材により封止された4種類の容器を作製した。
また、上記のようにして作製した発熱インキ層の透過濃度の値が2パターン(1.0、1.2)に設定されたそれぞれの実験例1の蓋材を、-18℃以下に冷凍された100g~200g程度の食材を内部に収容したポリプロピレンからなるカップ形状のインジェクション容器(天面最外径φ95.4mm、底面外径φ62mm、高さ95mm)の開口部に設置した後に、当該容器の周縁のフランジに当該蓋材をヒートシールすることによって当該容器の開口部が当該蓋材により封止された4種類の容器を作製した。
なお、上記の容器に対する蓋材のヒートシールは、容器のフランジと蓋材との間に所定の圧力を印加して180℃で2秒間実施することにより行われた。
次に、上記のように実験例1の蓋材により開口部が封止された容器を出力1500Wの電子レンジ内に設置した後に当該電子レンジで1分20秒間加熱することによって24種類の容器をそれぞれ加熱した。
その後、電子レンジにより加熱した後の24種類の容器のそれぞれの開口部を封止した実験例1の蓋材の発熱インキ層の設置箇所の剥離による蒸通について、以下のA~Dの基準により評価した。その結果を表1に示す。Aが最も高評価であり、Bが2番目の高評価であり、CおよびDが低評価であることを意味している。
(基準)
A…実験例1の蓋材の発熱インキ層の設置箇所が容器から自動的に剥れて、そこから適切に蒸通した。
B…実験例1の蓋材の発熱インキ層の設置箇所が伸びていたが、実験例1の蓋材の発熱インキ層の設置箇所が容器から自動的に剥れて、そこから適切に蒸通した。
C…実験例1の蓋材の発熱インキ層の設置箇所が容器から剥離せず、適切に蒸通が行われなかった。
D…容器が溶けてしまったために適切に蒸通が行われなかった。
表1に示すように、実験例1の蓋材の発熱インキ層の誘電損失の値が889である場合には、ラミネート後の発熱インキ層の透過濃度が1.0~2.8である場合に適切に蒸通することが確認された。
また、表1に示すように、実験例1の蓋材の発熱インキ層の誘電損失の値が356である場合には、ラミネート後の発熱インキ層の透過濃度が1.2~3.2である場合に適切に蒸通することが確認された。
また、表1に示すように、実験例1の蓋材の発熱インキ層の誘電損失の値が8または260である場合には、ラミネート後の発熱インキ層の透過濃度がいずれの値であっても適切に蒸通しないことが確認された。
以上の結果から、実験例1の蓋材においては、発熱インキ層の誘電損失が350以上であり、ラミネート後の発熱インキ層の透過濃度が1.2以上2.8以下である場合に、高出力である1500Wの電子レンジで加熱した場合に適切に蒸通が行われると考えられる。
[実験例2]
発熱インキ層の誘電損失の値を889に設定するとともに、ラミネート後の発熱インキ層の透過濃度の値を12パターン(1、1.2、1.4、1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3および3.2)に設定したこと以外は実験例1と同様にして実験例2の蓋材を12種類作製した。
実験例2の蓋材の発熱インキ層の透過濃度の値は、第1のフィルムの基材がPETフィルムである場合には発熱インキ層を形成するためのインキ希釈率を変更して発熱インキ濃度を調整することによって9パターン(1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2)に設定し、第1のフィルムの基材がNYフィルムである場合には発熱インキ層を形成するためのインキ希釈率を変更して発熱インキ濃度を調整することによって3パターン(1、1.2、1.4)に設定した。なお、インキ希釈率の変更は、発熱インキを溶剤または樹脂で希釈することにより行なった。
次に、実験例2のそれぞれの蓋材により開口部が封止された、食材を収容する12種類の容器を作製した。
具体的には、上記のようにして作製した発熱インキ層の透過濃度の値が9パターン(1.6、1.8、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3、3.2)に設定されたそれぞれの実験例1の蓋材を、-18℃以下に冷凍された100g~200g程度の食材を内部に収容したポリプロピレンからなるトレー形状の容器(長さ135mm×幅105mm×深さ30mm)の開口部に設置した後に、当該容器の周縁のフランジに当該蓋材をヒートシールすることによって、当該容器の開口部が当該蓋材により封止された9種類の容器を作製した。
また、上記のようにして作製した発熱インキ層の透過濃度の値が3パターン(1、1.2、1.4)に設定されたそれぞれの実験例1の蓋材を、-18℃以下に冷凍された100g~200g程度の食材を内部に収容したポリプロピレンからなるカップ形状のインジェクション容器(天面最外径φ95.4mm、底面外径φ62mm、高さ95mm)の開口部に設置した後に、当該容器の周縁のフランジに当該蓋材をヒートシールすることによって当該容器の開口部が当該蓋材により封止された3種類の容器を作製した。
次に、12種類の容器のそれぞれを出力600Wおよび出力1500Wのそれぞれの電子レンジ内に設置した後に出力600Wの電子レンジで3分30秒間加熱および出力1500Wの電子レンジで1分20秒間加熱することによって12種類の容器をそれぞれ加熱した。
その後、実験例1の蓋材と同一の評価方法で、適切に蒸通が行われているか否かについての評価を行なった。その結果を表2に示す。
表2に示すように、出力600Wの電子レンジで加熱した場合には、発熱インキ層の誘電損失の値が889である実験例2の蓋材のラミネート後の発熱インキ層の透過濃度が1.2~3.2である場合に適切に蒸通することが確認された。
また、表2に示すように、出力1500Wの電子レンジで加熱した場合には、発熱インキ層の誘電損失の値が889である実験例2の蓋材のラミネート後の発熱インキ層の透過濃度が1.0~2.8である場合に適切に蒸通することが確認された。
以上の結果から、実験例2の蓋材においては、低出力600Wの電子レンジおよび高出力1500Wの電子レンジのいずれで加熱した際でも、発熱インキ層の誘電損失が889以上であり、ラミネート後の発熱インキ層の透過濃度が1.2以上2.8以下である場合に適切に蒸通が行われると考えられる。なお、低出力600Wの電子レンジは家庭で用いられている電子レンジを想定しており、高出力1500Wの電子レンジはコンビニエンスストア等で用いられている業務用電子レンジを想定している。
今回開示された実施形態および実験例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 蓋材、100a 発熱インキ層の設置箇所、100b 発熱インキ層の非設置箇所、101 基材、101a 第1の表面、101b 第2の表面、102 発熱インキ層、103 保護層、104 シーラント層、110 ベタ部、111 抜き部、200 容器、201 容器本体、300 シール部、1000 カットライン。

Claims (4)

  1. シーラント層と、
    前記シーラント層上の発熱インキ層と、を備える蓋材であって、
    前記発熱インキ層は導電性カーボンを含み、
    前記発熱インキ層の誘電損失は350以上であり、
    前記蓋材の前記発熱インキ層の透過濃度が1.2以上2.8以下である、蓋材。
  2. 前記発熱インキ層は、ベタ部、または前記ベタ部かつ抜き部を有する、請求項1に記載の蓋材。
  3. 基材をさらに備え、
    前記基材は、前記発熱インキ層と前記シーラント層との間、前記発熱インキ層上、または前記発熱インキ層と前記シーラント層との間および前記発熱インキ層上の両方に位置する、請求項1または請求項2に記載の蓋材。
  4. 前記発熱インキ層の設置箇所の外周の長さは、前記発熱インキ層の設置箇所の内周の長さよりも長い、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蓋材。
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