JP2021039944A - マイクロ波処理用基材及びマイクロ波処理用包装体 - Google Patents

マイクロ波処理用基材及びマイクロ波処理用包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】 マイクロ波処理時に確実に通気部を生じさせることができるマイクロ波処理用基材を提供する。【解決手段】 シート材2と、前記シート材2に設けられた発熱部3と、を有するマイクロ波処理用基材1において、前記発熱部3が、カーボンブラックを含む第1層部4と、前記第1層部4に重ねられた第2層部5であって、蒸着アルミニウム薄片を含む第2層部5と、を有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、マイクロ波処理時に対象物から生じる蒸気を外部へ良好に逃がすことができるマイクロ波処理用基材及びマイクロ波処理用包装体に関する。
従来、電子レンジなどのマイクロ波処理を行うことにより、対象物(食品など)を加熱するマイクロ波処理用包装体が知られている。
このうち、対象物を密封状に包装したマイクロ波処理用包装体にあっては、マイクロ波処理した際に生じる蒸気によって内圧が上昇し過ぎるため、自動的に通気部を生じるように工夫されている。
例えば、特許文献1には、熱可塑性フィルム層と熱接着性樹脂層を有する積層フィルムからなる包装容器において、熱可塑性フィルム層の内面に非金属性のマイクロウエーブ吸収粒子を非金属性樹脂中に分散したインキからなるマイクロウエーブ吸収層が所定の形状で部分的に形成された構成からなる加熱用包装容器が開示されている。
前記マイクロウエーブ吸収層として、黒鉛、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化錫などの非金属性のマイクロウエーブ吸収粒子とバインダー樹脂からなるインキ層が用いられている。
特開2001−139069号公報
しかしながら、特許文献1のように、カーボンブラックなどの非金属性のマイクロウエーブ吸収粒子を含むインキ層を用いた場合でも、マイクロ波処理時に通気部を形成できない場合がある。
本発明の目的は、マイクロ波処理時に確実に通気部を生じさせることができるマイクロ波処理用基材及びマイクロ波処理用包装体を提供することである。
本発明者らの研究によれば、カーボンブラックを含むインキを用いてインキ層を形成しても、マイクロ波処理時に十分に温度が上がらない場合或いは昇温するのに時間を要する場合があることが判ってきた。そこで、カーボンブラックを含むインキ層とアルミニウムを含むインキ層を併用した発熱部を検討したが、この場合でも、マイクロ波処理時に意図したほどに温度が上がらない場合があることも判ってきた。このような知見の下、本発明を完成した。
本発明のマイクロ波処理用基材は、シート材と、前記シート材に設けられた発熱部と、を有し、前記発熱部が、カーボンブラックを含む第1層部と、前記第1層部に重ねられ且つ蒸着アルミニウム薄片を含む第2層部と、を有する。
本発明の好ましいマイクロ波処理用基材は、前記第1層部が、カーボンブラックを含むインキから形成された印刷層部からなり、前記第2層部が、蒸着アルミニウム薄片を含むインキから形成された印刷層部からなる。
本発明の好ましいマイクロ波処理用基材は、前記第1層部と第2層部が重なった部分の、周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部が、400以上である。
本発明の好ましいマイクロ波処理用基材は、前記シート材が熱収縮性を有する。
本発明の別の局面によれば、マイクロ波処理用包装体を提供する。
本発明のマイクロ波処理用包装体は、マイクロ波により加熱可能な対象物と、前記対象物が入れられた凹部を有する容器と、前記容器に装着された上記何れかの基材と、を有する。
本発明のマイクロ波処理用基材及びマイクロ波処理用包装体は、マイクロ波処理時に確実に通気部を生じさせることができる。
第1実施形態のマイクロ波処理用基材の平面図。 図1のマイクロ波処理用基材に設けられた発熱部の拡大平面図。 図1のIII−III線で切断した拡大断面図。 第1実施形態のマイクロ波処理用包装体の正面図。 同マイクロ波処理用包装体の平面図。 同マイクロ波処理用包装体の底面図。 図4のVII−VII線で切断した断面図。 マイクロ波処理し、通気部が形成された包装体の正面図。 第1実施形態の変形例のマイクロ波処理用包装体の断面図。 第2実施形態のマイクロ波処理用包装体の断面図。 第3実施形態のマイクロ波処理用包装体の平面図。 図11のXII−XII線で切断した断面図。 第4実施形態の貼り付けラベルの平面図。 図13のXIV−XIV線で切断した断面図。 第4実施形態のマイクロ波処理用包装体の正面図。 (a)は、第5実施形態の第1例の発熱部の平面図、(b)は、同図(a)のXVIb−XVIb線で切断した断面図。 (a)は、第5実施形態の第2例の発熱部の平面図、(b)は、同図(a)のXVIIb−XVIIb線で切断した断面図。 (a)は、第5実施形態の第3例の発熱部の平面図、(b)は、同図(a)のXVIIIb−XVIIIb線で切断した断面図。 (a)は、第5実施形態の第4例の発熱部の平面図、(b)は、同図(a)のXIXb−XIXb線で切断した断面図。 (a)は、第5実施形態の第5例の発熱部の平面図、(b)は、同図(a)のXXb−XXb線で切断した断面図。 実施例で作製した印刷層部の平面図。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、「外面」は、マイクロ波処理用基材の使用時に、マイクロ波により加熱可能な対象物とは反対側となる面を指し、「内面」は、前記対象物側となる面を指す。本明細書において、「下限値X〜上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値〜任意の上限値」を設定できるものとする。
本発明のマイクロ波処理用基材は、シート材と、前記シート材に設けられた発熱部と、を有する。発熱部は、第1層部と、前記第1層部に重ねられた第2層部と、を有する。第2層部は、第1層部の外面側に重ねられていてもよく、或いは、内面側に重ねられていてもよい。
前記第1層部は、カーボンブラックを含み、好ましくは、カーボンブラックを含むインキから形成された印刷層部からなる。第2層部は、蒸着アルミニウム薄片を含み、好ましくは、蒸着アルミニウム薄片を含むインキから形成された印刷層部からなる。
本発明のマイクロ波処理用基材は、包装分野の様々な用途に適合するように、適宜加工される。
本発明のマイクロ波処理用基材は、マイクロ波により加熱可能な対象物の外側に設けられる。以下、マイクロ波により加熱可能な対象物を「加熱対象物」という。
例えば、本発明のマイクロ波処理用基材は、(a)マイクロ波により加熱可能な対象物が入れられた凹部を有する容器と共に、対象物を密封状に被覆する態様、(b)基材そのものがマイクロ波により加熱される対象物を密封状に被覆する態様、(c)マイクロ波により加熱可能な対象物を密封状に被覆した密封収納体に取り付ける態様、などに使用される。
なお、本明細書において、「密封状」は、空気が通過する部分(隙間や小孔など)を有することなく対象物を覆っている状態、又は、衛生上支障を来さない程度で空気が通過する部分を有しつつ対象物を覆っている状態をいう。
[第1実施形態]
第1実施形態は、上記(a)の態様であって、本発明のマイクロ波処理用基材が、加熱対象物が入れられた凹部を有する容器の外側に設けられ且つその容器を密封状に被覆するオーバーラップフィルムとして使用される形態に関する。
図1乃至図3は、第1実施形態のマイクロ波処理用基材1(以下、単に「基材1」という場合がある)を示す。
基材1は、シート材2と、シート材2の少なくとも一方面に設けられた発熱部3と、を有する。
<シート材>
本実施形態では、熱収縮性を有するシート材2(オーバーラップフィルム)が用いられている。
熱収縮性を有するシート材は、熱収縮性を有するフィルムを含む。
本明細書において、熱収縮性は、所定温度(例えば、70℃〜120℃)に加熱されることによって収縮する性質(熱収縮性)をいい、熱収縮性を有するフィルム(以下、熱収縮性フィルムと記す)は、前記性質を有するフィルムをいう。
材質の観点では、熱収縮性フィルムは、柔軟性及び熱収縮性を有し、熱によって溶融するフィルムであれば特に限定されず、ポリオレフィン系フィルム;ポリ塩化ビニル系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリ乳酸フィルム(生分解性フィルム)などのポリエステル系フィルム;ポリスチレン系フィルム;などの熱可塑性樹脂フィルムが挙げられ、好ましくは、ポリオレフィン系フィルムが用いられる。
ポリオレフィン系フィルムは、フィルムを構成する主成分樹脂がポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系フィルムとしては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレンで構成されたポリプロピレンフィルム;ポリエチレンで構成されたポリエチレンフィルムなどが挙げられ、ポリプロピレンフィルムが好ましい。前記ポリプロピレンとしては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体などが挙げられ、前記ポリエチレンとしては、ポリエチレン単独重合体、ポリエチレン共重合体などが挙げられる。
熱収縮性フィルムは、無色透明、有色透明又は不透明の何れでもよいが、容器を外部から明瞭に視認できることから無色透明なフィルムを用いることが好ましい。
熱収縮性フィルム(シート材2)は、収縮性の観点では、第1方向に主として熱収縮する一軸収縮フィルム、或いは、第1方向及び第2方向に主として熱収縮する二軸収縮フィルムの何れを用いてもよい。
なお、第1方向は、熱収縮性フィルムの面内の1つの方向をいい、第2方向は、熱収縮性フィルムの面内において第1方向と直交する方向をいう。
一軸収縮フィルム及び二軸収縮フィルムの第1方向の熱収縮率は、例えば、20%以上であり、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上である。一軸収縮フィルムの第2方向の熱収縮率は、例えば、0〜10%であり、好ましくは0〜5%である。二軸収縮フィルムの第2方向の熱収縮率は、例えば、10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上である。
ただし、本明細書において、熱収縮率は、フィルムの種類により、次の測定法に従う。
フィルムがポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィン系フィルムである場合には、そのフィルムの熱収縮率は、JIS Z 1709に準拠して100℃にて測定する。ポリオレフィン系フィルム以外のフィルムである場合には、そのフィルムの熱収縮率は、加熱前(23℃雰囲気下で24時間保存)のフィルムの長さ(元の長さ)と、90℃温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)と、を下記式に代入して求める。浸漬前後のフィルムの長さは、標準状態下で計測する。
熱収縮率(%)=[{(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)−((第1方向(又は第2方向)の浸漬後の長さ)}/((第1方向(又は第2方向)の元の長さ)]×100。
熱収縮性フィルム(シート材2)の厚みは、特に限定されず、例えば、6μm〜80μmであり、好ましくは、8μm〜40μmであり、より好ましくは9μm〜30μmである。
シート材2は、図1に示すように、例えば、長尺帯状に形成されている。前記長尺帯状は、1つの方向の長さが他の方向よりも十分に長い平面視略長方形状をいう。なお、特に図示しないが、シート材2は、縦横比の差が小さい平面視略長方形状、平面視略正方形状などに形成されていてもよい。収縮性の観点から、長尺帯状のシート材2の長手方向は、第1方向でもよく、或いは、第2方向でもよい。
<発熱部>
シート材2の一部分には、発熱部3が設けられている。本明細書において、発熱部3は、マイクロ波処理時に発熱する部分である。
発熱部3は、シート材2の1箇所に設けられていてもよく、幾つかの箇所に分散して設けられていてもよい。図示例では、発熱部3は、1つの包装体を形成する大きさ(範囲)当たり、1箇所設けられている。
発熱部3は、シート材2の外面若しくは内面に、又は、外面及び内面にそれぞれ設けられる。図示例では、シート材2の外面に、発熱部3が設けられている。
発熱部3の平面視形状は、特に限定されず、図示のように、平面視略長方形状でもよく、その他、図示しないが、略正方形状、略円形状、略楕円形状、略三角形状、略六角形状などの略多角形状などであってもよい。
なお、本明細書において「略」は、本発明の属する技術分野において許容される範囲を意味する。
発熱部3は、カーボンブラックを含む第1層部4と、前記第1層部4の全体に又は一部分に重ねられ且つ蒸着アルミニウム薄片を含む第2層部5と、を有する。図示例では、第2層部5は、第1層部4の一部分に重ねられている。
第1層部4及び第2層部5の平面視形状は、特に限定されず、平面視略長方形状、略正方形状、略三角形状、略六角形状などの略多角形状、略円形状、略楕円形状、その他任意の形状に形成される。
第1層部4は、例えば、平面視略長方形状に形成され、第2層部5は、例えば、前記第1層部4よりも小面積の平面視略長方形状に形成されている。
第1層部4は、シート材2の外面に直接的に設けられ、第2層部5は、第1層部4の外面に直接的に設けられている。
例えば、第1層部4及び第2層部5を有する発熱部3は、厚み12μm〜80μmのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリプロピレンフィルムのようなシート材2に印刷によって設けられる。
第2層部5は、その縁5aの一部分又は縁5aの全部が第1層部4の面内に含まれるように、第1層部4に重ねられていることが好ましい。換言すると、第1層部4が第2層部5の縁5aの一部分又は縁5aの全部から外側に延出するように、第1層部4と第2層部5が重ねられていることが好ましい。後述するように、マイクロ波処理時には、第1層部4と第2層部5の重なり部分のうち、第2層部5の縁5aに沿って通気部が生じ易いからである。
図示例では、第2層部5の全体が第1層部4の面内に重ねられている。従って、第2層部5の縁5aの全部(平面視略長方形状にあっては、直線状の2つの長縁及び短縁)が、第1層部4の面内に存在している。
マイクロ波処理時に、第1層部4の面内に重なった第2層部5の縁5aに沿って通気部が生じ易いことから、前記平面視略長方形状の第2層部5の長縁は比較的長いことが好ましい。例えば、平面視略長方形状の第2層部5にあっては、その長縁の長さが10mm〜200mmであることが好ましく、20mm〜100mmであることがより好ましい。
<第1層部>
第1層部4は、カーボンブラックを含み、ベタ状に形成された薄い層からなる。
本明細書において、ベタ状は、形成材料が面方向に延在して1つの連続した層を成していることをいう。ただし、グラビア印刷法などの有版印刷法にて形成される層は、ドット状に付着したインキ固化物の集合から構成されるので、巨視的に見ると、そのインキ固化物が面方向に延在して1つの連続した層を成しているが、微視的に見ると、その面内に無数の微細な隙間が存在する場合があることに留意されたい。このように微視的に見ると、微細な隙間を有する場合でも、巨視的に1つの連続した層を成している場合には、ベタ状の範疇に含まれるものとする。
第1層部4は、カーボンブラック及びバインダー樹脂を含み、必要に応じて、各種添加剤を含む。
カーボンブラックとしては、例えば、ガスブラック、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどが挙げられる。
また、比表面積の観点では、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が300ml/100g以上のカーボンブラックを用いることが好ましく、DBP吸油量が350ml/100g以上のカーボンブラックを用いることがより好ましい。このようなDBP吸油量を有するカーボンブラックを含む第1層部4は、発熱し易くなる。
ただし、前記DBP吸油量は、ASTM D 2414に準拠して(サンプル量を9gとする)測定される値をいう。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、特に限定されないが、例えば、1nm〜30nmであり、好ましくは、5nm〜20nmである。
前記バインダー樹脂は、固化性能に従って分類すると、乾燥型、紫外線硬化型などの光重合型などが挙げられる。乾燥型のバインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ニトロセルロースやセルロース・アセテート・ブチレートなどのセルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。光重合型のバインダー樹脂としては、アクリレート系などの光重合性樹脂と重合開始剤などが挙げられる。添加剤として、例えば、着色剤、分散剤、可塑剤、沈降防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などが挙げられる。
第1層部4中のカーボンブラックの量は、特に限定されないが、余りに少ないと十分に発熱せず、余りに多いと第1層部4が脆くなるおそれがある。かかる観点から、第1層部4中のカーボンブラックは、例えば、第1層部4の全体を100重量%とした場合に、10重量%〜50重量%であり、好ましくは、20重量%〜40重量%である。
第1層部4の面積は、特に限定されないが、余りに小さいと、マイクロ波処理時に十分に発熱せず、意図した通気部を形成できないおそれがあることから、0.25平方cm以上が好ましく、1.0平方cm以上がより好ましい。
第1層部4の厚みは、特に限定されないが、余りに小さいと、マイクロ波処理時に十分に発熱しないおそれがあることから、例えば、0.3μm以上であり、好ましくは0.4μm以上であり、より好ましくは0.5μm以上である。一方、余りに大きいと、第1層部4を含む発熱部3がシート材2から脱落するおそれがあることから、前記第1層部4の厚みは、例えば、4μm以下であり、好ましくは1.5μm以下であり、より好ましくは1μm以下である。
また、誘電性の観点では、第1層部4の、周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部は、特に限定されないが、第2層部5と相乗して、大きく発熱する発熱部3を構成できることから、100以上が好ましく、300以上がより好ましく、600以上がさらに好ましい。
前記第1層部4の周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部は、標準状態下(23℃、1atm、相対湿度50%)、周波数2.45GHzでシート材2に形成された第1層部4(シート材+第1層部)を測定した値をいう。シート材2の複素比誘電率の虚数部は、零又は零に限りなく近い値を示すので、前記シート材+第1層部を測定した値は、第1層部4の複素比誘電率の虚数部と見做すことができる。複素比誘電率の虚数部の測定方法の詳細は、実施例を参照するものとする。なお、複素比誘電率の虚数部は、一般的に、誘電損失といわれることもある。
前記のように複素比誘電率の虚数部が比較的大きい第1層部4は、主としてカーボンブラックの種類及び量を設定することによって構成できる。例えば、DBP吸油量が300ml/100g以上のカーボンブラックを用いることにより、比較的大きい複素比誘電率の虚数部を有する第1層部4を構成できる。
第1層部4の形成方法は、特に限定されない。第1層部4は、カーボンブラック及びバインダー樹脂を含む形成材料(この形成材料には、必要に応じて、溶剤及び/又は添加剤をさらに含んでいてもよい)を公知の塗工法によってシート材2に塗工し、その形成材料を固化させることによって得られる。
前記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;トルエンなどの炭化水素類;水;これらの混合溶媒などが挙げられる。
第1層部4の形成材料の塗工方法は、特に限定されず、有版印刷法、インクジェット印刷などの無版印刷法、コーターを用いた塗工法などが挙げられる。
前記有版印刷法は、インクジェット印刷などの版を用いない印刷法とは異なり、印刷版を用いた印刷形式をいい、凹版印刷法、凸版印刷法、孔版印刷法、平版印刷法などが挙げられる。凹版印刷法としては、代表的には、グラビア印刷が挙げられ、凸版印刷法としては、代表的には、フレキソ印刷、凸版輪転印刷が挙げられ、孔版印刷法としては、代表的には、シルクスクリーン印刷が挙げられ、平版印刷法としては、代表的には、オフセット印刷法が挙げられる。
所定厚みの第1層部4を簡易に形成できることから、第1層部4は、印刷法(好ましくは有版印刷法)で形成されていることが好ましい。つまり、第1層部4は、カーボンブラック及びバインダー樹脂を含むインキから形成された印刷層部であることが好ましい。前記印刷層部は、カーボンブラック及びバインダー樹脂を含むインキ固化層である。
第1層部4は、インキの1回塗りで形成されていてもよく、或いは、インキを2回以上重ね塗りして形成されていてもよいが、1回塗りで形成されていることが好ましい。
<第2層部>
第2層部5は、蒸着アルミニウム薄片を含み、ベタ状に形成された薄い層からなる。
第2層部5は、蒸着アルミニウム薄片及びバインダー樹脂を含み、必要に応じて、各種添加剤を含む。
蒸着アルミニウム薄片は、蒸着法により製造されたアルミニウム膜を粉砕することによって得られたアルミニウムフレークである。前記蒸着法によるアルミフレークの製造方法は、適宜な支持基材(フィルムなど)上にアルミニウムを蒸着して蒸着アルミニウム膜を作製した後、これを剥離、粉砕、必要に応じて、分級してフレーク状とする蒸着金属膜片の製造方法である。このような製造方法としては、例えば、特開2002−20668号公報などに記載されている。
前記蒸着アルミニウム薄片の平均厚みは、特に限定されないが、例えば、0.01μm〜0.1μmが好ましい。前記平均厚みは、第2層部5を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、視野内に観察された任意の10個の蒸着アルミニウム薄片の厚みを測定し、その平均により求めることができる。
前記蒸着アルミニウム薄片の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、1μm〜40μmが好ましく、より好ましくは5μm〜30μmである。前記平均粒径は、第2層部5を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、視野内に観察された任意の10個の蒸着アルミニウム薄片の粒径を測定し、その平均により求めることができる。
第2層部5のバインダー樹脂及び添加剤としては、それぞれ上記<第1層部4>で例示したようなものを適宜用いることができる。
第2層部5中の蒸着アルミニウム薄片の量は、特に限定されないが、余りに少ないと十分に発熱せず、余りに多いと第2層部5が脆くなるおそれがある。かかる観点から、第2層部5中の蒸着アルミニウム薄片は、例えば、第2層部5の全体を100重量%とした場合に、5重量%〜30重量%であり、好ましくは、10重量%〜25重量%である。
第2層部5の厚みは、特に限定されないが、余りに小さいと、マイクロ波処理時に十分に発熱しないおそれがあることから、例えば、0.3μm以上であり、好ましくは0.4μm以上であり、より好ましくは0.5μm以上である。一方、余りに大きいと、第2層部5を含む発熱部3がシート材2から脱落するおそれがあることから、前記第2層部5の厚みは、例えば、2μm以下であり、好ましくは1.5μm以下であり、より好ましくは1μm以下である。
また、誘電性の観点では、第2層部5の、周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部は、特に限定されない。
第1層部4と第2層部5の重なり部分において大きく発熱することから、第1層部4と第2層部5の重なり部分の、周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部は、400以上が好ましく、450以上がより好ましく、500以上がさらに好ましい。
前記第1層部4と第2層部5の重なり部分の周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部は、標準状態下(23℃、1atm、相対湿度50%)、周波数2.45GHzでシート材2に形成された第1層部4及び第2層部5の重なり部分(シート材+第1層部+第2層部)を測定した値をいう。上述のように、シート材2の複素比誘電率の虚数部は、零又は零に限りなく近い値を示すので、前記測定した値は、第1層部4と第2層部5の重なり部分の複素比誘電率の虚数部と見做すことができる。複素比誘電率の虚数部の測定方法の詳細は、実施例を参照するものとする。
第2層部5の形成方法は、特に限定されない。第2層部5は、蒸着アルミニウム薄片及びバインダー樹脂を含む形成材料(この形成材料には、必要に応じて、溶剤及び/又は添加剤をさらに含んでいてもよい)を公知の塗工法によって第1層部4(又はシート材2若しくは第1層部4及びシート材2に跨がって)に塗工し、その形成材料を固化させることによって得られる。
第2層部5の形成材料の塗工方法は、特に限定されず、有版印刷法、インクジェット印刷などの無版印刷法、コーターを用いた塗工法などが挙げられる。
所定厚みの第2層部5を簡易に形成できることから、第2層部5は、印刷法(好ましくは有版印刷法)で形成されていることが好ましい。つまり、第2層部5は、蒸着アルミニウム薄片及びバインダー樹脂を含むインキから形成された印刷層部であることが好ましい。前記印刷層部は、蒸着アルミニウム薄片及びバインダー樹脂を含むインキ固化層である。
第2層部5は、インキの1回塗りで形成されていてもよく、或いは、インキを2回以上重ね塗りして形成されていてもよいが、1回塗りで形成されていることが好ましい。
蒸着アルミニウム薄片は、そのままの市販品を用いてもよく、或いは、その薄片を含む分散液形態の市販品を用いることも可能である。前記蒸着アルミニウム薄片を含む分散液としては、例えば、BASFジャパン株式会社製の「メタシーン 71−0010」、「メタシーン 41−0010」、エカルト社製の「メタルアー A41010AE」などが市場で入手可能である。
<マイクロ波処理用包装体>
次に、図4乃至図7は、第1実施形態の包装体10を示す。
包装体10は、加熱対象物8と、前記加熱対象物8が入れられた凹部91を有する容器9と、前記凹部91の上方開口部を覆い且つ前記容器9の外側を被包するように装着された基材1(オーバーラップフィルム11)と、を有する。
前記基材1は、上述のように、熱収縮性フィルムからなるシート材2に発熱部3が設けられているものである。
熱収縮性フィルムを有する基材1は、加熱対象物8が入れられた容器9の外側に被せて熱収縮させることによって容器9に装着され、加熱対象物8を密封状に被覆している。
加熱対象物8は、電子レンジのマイクロ波によって昇温しつつ蒸気を生じるものであれば特に限定されず、代表的には、食品が挙げられるが、非食品であってもよい。
食品としては、特に限定されず、固形状食品、半固形状食品、液状食品などが挙げられる。固形状食品としては、米飯、肉類、パン類、冷凍品などが挙げられ、半固形状食品としては、グラタン、カレーなどが挙げられ、液状食品としては、スープ、お茶などが挙げられる。蓋材を用いない本実施形態においては、加熱対象物8は、固形状食品や半固形状食品が好ましい。
容器9は、加熱対象物8を入れる収納空間を有する凹部91と、前記凹部91の上端周囲から径外方向に突設されたフランジ部92と、を有する。
前記凹部91は、底壁面部911と、その底壁面部911の周囲から上方に立ち上げられた筒状の側壁面部912と、から画成され、凹部91(側壁面部912)の上方は、上面開口部とされている。側壁面部912は、直胴状でもよいが、図示例では、上方に向かうに従い内径が大きくなったすり鉢状に形成されている。フランジ部92は、側壁面部912の上端から径外方向に延設されている。
容器9は、材質の観点では、マイクロ波処理時にスパークを生じず且つ溶融しない耐熱性を有するものから形成されている。容器9の材質は、特に限定されず、代表的には、発泡樹脂、非発泡樹脂、紙、ガラス、陶器などが挙げられる。比較的安価であることから、樹脂製容器が好ましい。
樹脂製容器としては、シート成形品、射出成形品などが挙げられる。
本実施形態の包装体10は、凹部91に加熱対象物8が収納された容器9の外側に、シート材2(熱収縮性フィルム)を有する基材1が密封状に熱収縮装着されている。
容器9に対する発熱部3の配置は、特に限定されない。例えば、発熱部3は、容器9の上面開口部に対応する位置に配置されていてもよく、容器9のフランジ部92に対応する位置に配置されていてもよく、容器9の側壁面部912に対応する位置に配置されていてもよい。
好ましくは、容器9との間に空間を有する位置に配置されていることが好ましく、そのような位置としては、容器9の上面開口部に対応する位置、或いは、容器9の側壁面部912に対応する位置などが挙げられる。
図示例では、発熱部3は、容器9の側壁面部912に対応する位置に配置されている。発熱部3は、その一部分が容器9の側壁面部912に対応する位置に配置されていてもよく、或いは、その全部が、容器9の側壁面部912に対応する位置に配置されていてもよい。
上記包装体10は、例えば、次のようにして得ることができる。
図1に示すような、長尺帯状の基材1を、発熱部3が容器9の所定箇所(例えば側壁面部912)に対応するように位置合わせしつつ容器9を包み込み、その長手方向に沿った両側端部の内面同士を重ね合わせて熱シールすることにより、長手方向に延びる熱シール部を形成すると共に、前記容器9を包みつつ筒状に形成した基材1を、その容器9の前後両側端部で短手方向に溶断熱シールすることにより、基材1を密封袋状に形成する。その後、前記密封袋状に形成した基材1を加熱して熱収縮させることにより、図4乃至図7に示すような、加熱対象物8入り凹部91を有する容器9を基材1(オーバーラップフィルム11)にて密封状に包装した包装体10が得られる。図4乃至図7において、符号Xは、長手方向の熱シール部を示し、Yは、短手方向の熱シール部を示す。本実施形態のように基材1をオーバーラップフィルムとして用いる場合には、袋状にした後のその袋内の空気を袋(オーバーラップフィルム)の熱収縮によって排出するために、直径約0.1mm〜0.5mm程度の小孔(図示せず)が基材1に複数形成されている。このような小孔を有する包装体10も対象物を密封状に被覆しているものである。
なお、発熱部3を有さないシート材2を用いて包装体10を作製することもできる。具体的には、発熱部3が設けられていないシート材2を用い、上記製法と同様にして、そのシート材2にて密封状に包装した収納密封体を得た後、熱収縮後のシート材2の外面の所定位置に、第1層部4の形成材料及び第2層部5の形成材料を塗工して発熱部3を形成することにより、図4乃至図7に示すような包装体10が得られる。
上記包装体10は、家庭用又は業務用電子レンジを用いてマイクロ波処理に供される。
マイクロ波処理すると、加熱対象物8から蒸気が発生し、内圧が徐々に上昇すると共に、発熱部3が発熱する。内圧上昇によって基材1が外側に押されると共に、発熱部3の発熱によって発熱部3が重なっている領域におけるシート材2が脆弱化し又は溶融することにより、シート材2に小穴が生じ、さらに溶融破断してその小穴が大きく拡がって通気部Aが生じる(図8参照)。特に、蒸気の熱と発熱部3の発熱によって、熱収縮性のシート材2が収縮するので、シート材2が部分的に破断し易くなる。
前記破断は、第1層部4と第2層部5の重なり部分の中の第2層部5の縁に対応した箇所で生じ易い。シート材2が破断して通気部Aが生じることにより、蒸気が排出され、包装体の内圧上昇が抑制される。
本発明のように、カーボンブラックを含む第1層部4と蒸着アルミニウム薄片を含む第2層部5とを有する発熱部3は、マイクロ波処理時に、比較的大きく発熱する。この理由は、明らかではないが、本発明者らは、次のように推定する。すなわち、蒸着アルミニウム薄片を含む第2層部5は、マイクロ波によって渦電流が生じ易く、かかる第2層部5と、誘電損失が大きく発熱し易いカーボンブラックを含む第1層部4とが重ねられていることによって、効率よく発熱していると推定する。
<第1実施形態の変形例>
上記包装体10は、加熱対象物8が入れられた凹部91の上方開口部が開放され、その上方開口部を覆うように基材1が装着されているが、例えば、図9に示すように、蓋材93が設けられた容器9に、基材1が装着されていてもよい。
具体的には、この第1変形例の包装体10は、加熱対象物8と、加熱対象物8が入れられた凹部91を有する容器9と、前記容器9の凹部91の上方開口部を閉塞する蓋材93と、前記蓋材93を含む容器9の外側に熱収縮装着されたシート材2と前記シート材2に設けられた発熱部3とを有する基材1(オーバーラップフィルム11)と、を有する。蓋材93は、熱シールなどの手段により容器9に剥離可能に接着されていてもよく、或いは、容器9に着脱可能に嵌合されていてもよい。図示例では、容器9のフランジ部92に着脱可能に嵌合された蓋材93を例示している。
容器9に接着されている蓋材93にあっては、マイクロ波処理時に加熱対象物8から生じる蒸気を蓋材93の外側に排出させるため、蓋材93と容器9の接着部位が蒸気で部分的に剥離するように弱く接着されている、或いは、蓋材93に部分的に通気孔を生じさせる別途の通蒸機構が設けられている、などの公知の通蒸手段が具備されている。容器9に嵌合されている蓋材93にあっては、蓋材93と容器9の隙間から蒸気が蓋材93の外側に排出される。
かかる変形例の包装体10も同様に、発熱部3が設けられているので、マイクロ波処理時に基材1の一部分が溶融破断して通気部が形成され、蓋材93の外側に排出された蒸気が前記通気部から包装体の外部に排出される。
また、上記包装体10は、平面視略円形状の容器9が用いられているが、例えば、平面視略四角形状の容器9、平面視略楕円形状、平面視略六角形状などの略多角形状などの容器を用いてもよい。
以下、本発明の別の実施形態を説明するが、その説明に於いては、主として上述の実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成などについては、用語又は符号をそのまま援用し、その構成の説明を省略する場合がある。
[第2実施形態]
第2実施形態は、上記(a)の態様であって、本発明のマイクロ波処理用基材1が、加熱対象物8が入れられた凹部91を閉塞する蓋シートとして使用される形態に関する。
図10は、本実施形態の包装体10の断面図である。
この包装体10は、加熱対象物8を入れる収納空間を有する凹部91と前記凹部91の上端周囲から径外方向に突設されたフランジ部92とを有する容器9と、前記凹部91に入れられた加熱対象物8と、凹部91を密封状に塞ぐ基材1(蓋シート12)と、を有する。
この蓋シート12として、本発明の発熱部3を有する基材1が用いられている。
本実施形態の基材1も、上記第1実施形態と同様に、シート材2に第1層部4及び第2層部5を有する発熱部3が設けられている。もっとも、蓋シート12として用いられる本実施形態の基材1は、そのシート材2が、実質的に熱収縮性を有さないフィルムで構成されている点、多層構造である点、比較的厚みが大きい点において、上記第1実施形態と異なる。
実質的に熱収縮性を有さないフィルム(以下、非熱収縮性フィルムという)は、第1方向及び第2方向の各熱収縮率が5%以下のフィルムを含み、好ましくは2%以下である。また、多層構造のシート材2は、外面側に耐熱層及び内面側にシーラント層を有する多層の積層フィルムであり、必要に応じて前記耐熱層とシーラント層の間に中間層を有する。前記耐熱層としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリアミドフィルムなどの熱可塑性樹脂層が挙げられ、前記シーラント層としては、ポリエチレンフィルムなどの熱可塑性樹脂層や易剥離製の多層フィルムなどが挙げられ、前記中間層としては、エチレンビニルアルコール(EVOH)や酸化ケイ素を蒸着したポリエステルフィルムなどのバリア層などが挙げられる。多層構造のシート材2の厚みは、特に限定されないが、例えば、30μm〜200μmであり、好ましくは40μm〜150μmである。
上記基材1(蓋シート12)は、シーラント層において容器9のフランジ部92に熱シールされ、容器9の凹部91を密封している。
本実施形態の包装体10も、マイクロ波処理により、発熱部3が発熱してシート材2(蓋シート)の一部分が溶融破断して通気部が形成され、内圧が高くなる前に蒸気が排出される。
本発明の発熱部3は、大きく発熱するので、蓋シート12として用いられる際の比較的厚みの大きいシート材2であってもマイクロ波処理時に破断させることもできる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、上記(b)の態様であって、本発明のマイクロ波処理用基材1が、加熱対象物8を密封状に被覆する包装フィルムとして使用される形態に関する。
図11は、本実施形態の包装体10の平面図であり、図12は、その断面図である。
本実施形態の包装体10は、加熱対象物8と、それを密封状に被覆した基材1(包装フィルム13)と、を有する。
この包装フィルム13として、本発明の発熱部3を有する基材1が用いられている。
本実施形態の基材1も、上記第1実施形態と同様に、シート材2に第1層部4及び第2層部5を有する発熱部3が設けられている。もっとも、包装フィルムとして用いられる本実施形態の基材1は、そのシート材2が非熱収縮性フィルムで構成されている点、多層構造である点において、上記第1実施形態と異なる。本実施形態の多層構造のシート材2は、例えば、外面側に熱収縮しない二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み9μm〜25μm)や二軸延伸ポリアミドフィルム(厚み10μm〜30μm)などの耐熱層、及び、内面側に直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)などのシーラント層を有する多層の積層フィルムであり、必要に応じて中間層を有する。
このような包装体10は、シート材2に発熱部3が形成された基材1(包装フィルム13)にて加熱対象物8を包み込むようにして、シート材2を両側端部の内面同士を重ね合わせて熱シールすることにより、長手方向に延びる熱シール部を形成すると共に、筒状に形成したシート材2を、その加熱対象物8の前後両側端部で短手方向に所定幅で熱シールすることによって得られる。このような包装形態は、いわゆるピロー包装と呼ばれる。
なお、本実施形態において、図11ではピロー包装による包装体を例示したが、ピロー包装以外に4方シール袋やスタンディングパウチの包装体であってもよい(図示せず)。また、積層フィルムを用いる場合には、外面側フィルム(耐熱層)の内面に発熱部3を印刷して形成してもよい。
本実施形態の包装体10も、マイクロ波処理により、発熱部3が発熱してシート材2(包装フィルム)の一部分が溶融破断して通気部を生じ、内圧が高くなる前に蒸気が排出される。
[第4実施形態]
第4実施形態は、上記(c)の態様であって、本発明のマイクロ波処理用基材1が、貼り付けラベルとして使用される形態に関する。
図13は、本実施形態の貼り付けラベル14の平面図であり、図14は、その断面図である。
本実施形態の貼り付けラベル14は、シート材2とシート材2に設けられた発熱部3とを有する基材1と、その基材1の内面に設けられた粘着剤層29と、を有する。
本実施形態の基材1も、上記第1実施形態と同様に、シート材2に第1層部4及び第2層部5を有する発熱部3が設けられている。本実施形態において、シート材2は、熱収縮性フィルムで構成されていてもよいが、好ましくは、非熱収縮性フィルムで構成される。
基材1の平面視形状は、特に限定されず、図示のような略四角形状のほか、略円形状、略楕円形状、略三角形状や略六角形状などの略多角形状、略星形状、その他任意の形状でもよい。
粘着剤層29は、公知の粘着剤で形成される。粘着剤層29の厚みは、特に限定されないが、余りに厚いと発熱部3の熱がシート材2に伝わり難くなることから、10μm〜30μmが好ましく、10μm〜20μmがより好ましい。
図15は、本実施形態の貼り付けラベル14(基材1)が密封収納体7に取り付けられた包装体10の正面図である。
本実施形態の密封収納体7は、加熱対象物(図示せず)が入れられた凹部を有する容器9(この容器9には、必要に応じて蓋材が設けられていてもよい)と、この容器9を密封状に覆うオーバーラップフィルム71(ただし、オーバーラップフィルム71には、発熱部が形成されていない)と、を有する。
本実施形態の包装体10は、前記密封収納体7のオーバーラップフィルム71の任意の箇所に、貼り付けラベル14(基材1)が粘着剤層29を介して貼り付けられている。
本実施形態の包装体10も、マイクロ波処理により、発熱部3が発熱してシート材2(貼り付けラベル14)及びオーバーラップフィルム71が破断し、オーバーラップフィルム71の一部分に通気部が生じ、内圧が高くなる前に蒸気が排出される。
[第5実施形態]
第5実施形態は、発熱部3の様々な形態に関する。
上記各実施形態では、第2層部5は、第1層部4の外面に重ねられているが、例えば、図16に示すように、第2層部5がシート材2の外面(又は内面でもよい)に直接的に設けられ且つ第1層部4が第2層部5の外面(又は内面でもよい)及びシート材2の外面(又は内面でもよい)に跨がって設けられていてもよい。
また、上記各実施形態では、第2層部5の全体が第1層部4に重ねられているが、例えば、図17に示すように、第1層部4の一部分に第2層部5の一部分が重ねられていてもよい。この場合、発熱部3は、第1層部4のみからなる部分と、第2層部5のみからなる部分と、第1層部4と第2層部5が重ねられた重なり部分と、からなる。
また、上記各実施形態では、所定の平面視形状の1つの第1層部4に対して、1つの第2層部5が全体的又は部分的に重ねられているが、例えば、1つの第1層部4に、複数の第2層部5が重ねられていてもよい。
このような発熱部3としては、例えば、図18に示すように、平面視略長方形状などの所定形状に形成された第1層部4の外面に、複数の第2層部5が分散して設けられている。前記複数の第2層部5は、不規則に又は一定間隔を開けて設けられている。なお、図示例では、第1層部4がシート材2の外面に直接的に設けられ且つその第1層部4の外面に複数の第2層部5が互いに独立して設けられているが、複数の第2層部5がシート材2の外面に設けられ、その複数の第2層部5の外面及びシート材2の外面に第1層部4が設けられていてもよい(図示せず)。前記複数の第2層部5は、例えば、平面視で複数のスポット状に設けられている。図示例では、第2層部5は、例えば直径3mm〜5mm程度の平面視略円形状で、縦横に等間隔(例えば、1.5mm〜3mmの間隔)を開けて形成されている。
このような発熱部3も、マイクロ波処理時に、第2層部5が重ねられている部分(特に、第2層部5の縁)において大きく発熱し、シート材2の一部分を破断させて通気部を生じさせる。特に、本実施形態のように、1つの第1層部4に複数の第2層部5が設けられている場合、複数の第2層部5の、隣接する第2層部5,5の間でそれぞれ小穴が生じるので、恰もミシン目線のように断続的に連なった破断(通気部)が生じる。基材1がオーバーラップフィルム11として使用される場合には、前記断続的な破断が生じることにより、マイクロ波処理後に基材1(オーバーラップフィルム11)を容器9から除去し易くなるので好ましい。
さらに、第1層部4に前記複数のドット状の第2層部5を設ける形態に加えて、図19に示すように、第1層部4に帯状に延在する第2層部5をさらに設けてもよい。
具体的には、図19の発熱部3は、例えば、平面視略長方形状などの所定形状に形成された第1層部4と、第2層部5の外面(又は内面)に設けられた複数の第2層部5と、を有する。第2層部5は、不規則に又は一定間隔を開けて設けられた複数の平面視ドット状の第2層部51と、任意の1つの方向に延在する平面視帯状の第2層部52と、を含んでいる。帯状の第2層部52は、前記ドット状の第2層部51が設けられた領域を挟んで向かい合って一対設けられている。また、それぞれの帯状の第2層部52には、その第2層部52の内縁52a(向かい合った縁52a)に平面視凸状の第2層部53が連設されていてもよい。この凸状の第2層部53は、好ましくは複数設けられ、不規則に又は一定間隔を開けて帯状の第2層部52の内縁52aに連設される。
このような発熱部3は、一対の帯状の第2層部52の内縁52a及び凸状の第2層部5の縁53aにおいて大きく発熱し、さらに、その挟まれた領域に設けられたドット状の第2層部51の発熱が加わって、前記帯状の第2層部52にて挟まれた領域が容易に破断するので好ましい。
また、少なくとも2つの第2層部5の縁が向かい合って配置されていてもよい。好ましくは、第2層部5が平面視で略角縁を有する形状に形成され、少なくとも2つの第2層部5の略角縁が向かい合って配置される。なお、略角縁は、図示例のような角張った縁(尖った縁)のほか、角部分が弧状に丸められている縁を含む意味である。
具体的には、図20に示す発熱部3は、例えば、平面視略長方形状などの所定形状に形成された第1層部4と、第2層部5の外面(又は内面)に設けられた複数の第2層部5と、を有する。第2層部5は、前記第1層部4の面内に複数の箇所に分散して設けられている。かかる複数の第2層部5は、平面視において、2つ以上の第2層部5の縁54aが向かい合って配置され、好ましくは互いの縁を共有して配置されている。好ましくは、複数の第2層部5は平面視で角縁54a(第2層部5の縁の中で角張った縁)を有し、2つ以上の第2層部5の各角縁54aが向かい合って配置されている。なお、図示例では、第2層部5は、例えば平面視略三角形状に形成されて、それが連続的に並設されている。従って、第2層部5の向い合った縁54aが少なくとも1つの方向に断続的に並んでいる。
この例では、マイクロ波処理時に、前記第2層部5の向かい合った縁54a(特に略角縁)において大きく発熱するようになる。
このため、マイクロ波を照射すると、比較的短時間で、前記向かい合った縁54aの付近でシート材2が溶融して小穴が生じ、恰もミシン目線のように断続的に連なった破断(通気部)が生じ、さらに、マイクロ波照射時間が経過すると、そのミシン目線の如き破断が繋がって大きな通気部を生じるようになる。
[その他の実施形態]
本発明の基材1のシート材2に、必要に応じて、デザインなどを表した印刷層が設けられていてもよい。
その他、上記様々な実施形態から選ばれる2つ以上の構成を適宜組み合わせてもよく、或いは、上記様々な実施形態から選ばれる1つ又は2つ以上の構成を、それ以外の実施形態に置換してもよい。
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明をさらに詳述する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるわけではない。
[実施例1]
<墨インキの調製>
90重量部のメジウムインキ(DIC株式会社製、商品名「UNITAF メジューム(M)」)に、カーボンブラックAを10重量部添加することによりインキを作製した。グラビア印刷機で印刷できるように、前記インキを希釈液(DIC株式会社製、商品名「UNITAF レジューサーNO.2」)で粘度調整することにより、墨インキを調製した。
<銀インキの調整>
混合溶剤(酢酸エチルと酢酸イソプロピルの混合溶剤)に、顔料として蒸着アルミニウム薄片が分散された蒸着アルミニウム薄片分散液(BASFジャパン株式会社製、商品名「メタシーン71−0010」、不揮発成分(蒸着アルミニウム薄片):10重量%)を準備した。
バインダー樹脂としてウレタン系樹脂を含む酢酸エチル溶液(日本化工塗料(株)製、商品名「FS−8009−1」、不揮発成分(ウレタン系樹脂):37重量%)を準備した。
可塑剤(A)としてアセチルクエン酸トリブチル(旭化成ファインケム(株)製、商品名「ATBC」、不揮発分:100重量%)を準備した。
セルロース系樹脂としてCAB樹脂(イーストマンケミカル社製、商品名「CA381−20」、不揮発分:100重量%)を準備した。
前記蒸着アルミニウム薄片分散液を15重量部(不揮発成分:1.5重量部)、ウレタン系樹脂の酢酸エチル溶液を6.4重量部(不揮発性成分:2.4重量部)、アセチルクエン酸トリブチルを2重量部(不揮発成分:2重量部)、CAB樹脂を1.5重量部(不揮発成分:1.5重量部)、酢酸エチルを35.1重量部、及び、酢酸n−プロピルを40重量部、を混合することにより、銀インキを作製した。
銀インキ中の全不揮発分を100重量%としたとき、銀インキ中の蒸着アルミニウム薄片の含有量は約20重量%、バインダー樹脂(ウレタン系樹脂)の含有量は約32重量%、可塑剤(ATBC)の含有量は約27重量%、セルロース系樹脂の含有量は約20重量%であった。なお、銀インキ中の各不揮発分の含有量と、後述するアルミ印刷層部中の各成分の含有量とは同じである。
<基材の作製>
上記墨インキを、熱収縮性ポリプロピレンフィルム(興人フィルム&ケミカルズ株式会社製、商品名「コージンポリセットAS」)に、グラビア印刷機(グラビア版の線数:70L/cm、角度:0)を用いて、一度塗りでベタ状に印刷することにより、カーボン印刷層部を形成した。前記カーボン印刷層部は、平面視で縦×横=80mm×35mmの矩形状に形成した(図21参照)。
このカーボン印刷層部の上に、銀インキを、グラビア印刷機(グラビア版の線数及びセル角度は墨インキ印刷用と同じ)を用いて、一辺15mmの一対の正三角形が頂部で向かい合ったものを1組とし且つその4組がカーボン印刷層部の表面に並んだ形状に印刷することにより、アルミ印刷層部を形成した(図21参照。図21において、アルミ印刷層部の形成箇所に網掛けを付している)。
このようにしてポリプロピレンフィルム(シート材)の一部分に印刷層部が形成されたマイクロ波処理用基材を作製した。
[実施例2]
実施例1のカーボンブラックAに代えて、カーボンブラックB(アセチレンブラック)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、マイクロ波処理用基材を作製した。
[実施例3]
実施例1のカーボンブラックAに代えて、カーボンブラックC(ファーネスブラック)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、マイクロ波処理用基材を作製した。
Figure 2021039944
[比較例1]
アルミ印刷層部を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、マイクロ波処理用基材を作製した。従って、比較例1の基材は、シート材であるポリプロピレンフィルムに、カーボンブラックAを含むカーボン印刷層部のみが形成されている。
[比較例2]
アルミ印刷層部を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、マイクロ波処理用基材を作製した。従って、比較例2の基材は、シート材であるポリプロピレンフィルムに、カーボンブラックBを含むカーボン印刷層部のみが形成されている。
[比較例3]
アルミ印刷層部を形成しなかったこと以外は、実施例3と同様にして、マイクロ波処理用基材を作製した。従って、比較例3の基材は、シート材であるポリプロピレンフィルムに、カーボンブラックCを含むカーボン印刷層部のみが形成されている。
[比較例4]
カーボン印刷層部を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、マイクロ波処理用基材を作製した。従って、比較例4の基材は、シート材であるポリプロピレンフィルムの上に直接、アルミ印刷層部が形成されている。
[比較例5]
実施例1の銀インキに含まれる蒸着アルミニウム薄片に代えて、湿式ボールミル法により製造されたノンフィーリングタイプのアルミ粉(東洋アルミニウム株式会社製、商品名「4660NS」、不揮発成分70重量%)を用いたこと(なお、銀インキ中のアルミニウム顔料(不揮発成分)の含有量は、実施例1と同じ約20重量%となるようにした)以外は、実施例1と同様にして、マイクロ波処理用基材を作製した。
Figure 2021039944
[複素比誘電率の虚数部の測定]
各実施例及び比較例の基材について、それぞれ印刷層部が形成されている領域を縦×横=76mm×30mmの長方形に裁断することにより、評価サンプルを作製した。評価サンプルのフィルムの厚み及び印刷層部の厚みを下記機器を用いて測定した。
この評価サンプルの横方向が周方向となるように湾曲させて、次の空洞共振器摂動法誘電率測定システムの円筒型空洞共振器の筒内にセットし、そのシステムに前記フィルム及び印刷層部の厚みデータを入力した。標準状態下で(23℃、1atm、相対湿度50%)、下記測定方法に従い、この評価サンプルの複素比誘電率の虚数部εを測定した。その結果を表1及び表2に示す。
なお、実施例1乃至3及び比較例5は、カーボン印刷層部及びアルミ印刷層部が重なった部分の虚数部εであり、比較例1乃至3は、カーボン印刷層部の虚数部εであり、比較例4は、アルミ印刷層部の虚数部εである。前記虚数部の測定時には、印刷層部だけでなくポリプロピレンフィルム(シート材)も測定対象物に含まれているが、シート材の虚数部は零又は限りなく零に近いので、前記測定値(虚数部ε)は、実質的には印刷層部のみの値と言える。
<厚みの測定>
ポリプロピレンフィルムの厚み:株式会社ケツト科学研究所 電磁膜厚計 LE−370
印刷層部の厚み:株式会社ケツト科学研究所 電磁膜厚計 LE−370
<システム構成>
ネットワークアナライザ:Agilent製のE8361A
円筒型空洞共振器:株式会社関東電子応用開発製のCP481
測定周波数:2.45GHz
測定モード:TM020
計算プログラム:CPMA−PNA
<測定条件>
評価サンプルの幅の入力値:30mm。
評価サンプルの厚みの入力値:カーボン印刷層部及びアルミ印刷層部の合計厚み
[マイクロ波処理による通蒸試験]
上面開口部を有する容器の凹部に冷凍リゾットを入れ、実施例1で作製した基材にて前記容器を包み且つ基材の3箇所を熱シールすることにより、冷凍リゾット入り容器の外側を袋状に形成した基材で包んだ。これに熱風を当てて基材を熱収縮させることにより、図4乃至図7に示すような包装体(オーバーラップ包装)を作製した。
なお、基材にて容器を包む際には、熱収縮後に基材の印刷層部が容器の上面開口部の略中央に位置するように配慮した。
この包装体に対して、電子レンジ(周波数2.45GHz、定格高周波出力500W)を用いて5分間マイクロ波を照射した後、電子レンジから包装体を取り出し、基材に破断(通気部)が生じているか否かを確認した。その結果を表1及び表2に示す。
○:比較的長く且つ大きい破断が生じていた。
△:破断は生じていたが、その破断が比較的小さく且つ複数箇所に分散して生じていた。
×:破断が認められなかった。
上記試験結果から、カーボンブラックを含む印刷層部と蒸着アルミニウム薄片を含む印刷層部が重ねて設けられている、実施例1乃至3の基材は、5分程度の短いマイクロ波照射時間で、良好に蒸気を逃がすことができる破断(通気部)を生じた。特に、複素比誘電率の虚数部の大きい印刷層部が設けられている実施例1の基材は、実施例2及び3よりも大きな破断が生じていた。
一方、蒸着アルミニウム薄片を含む印刷層部を有さない比較例1、2、3及び5の基材、並びに、カーボン印刷層部を有さない比較例4の記載は、破断が生じない又は破断が生じてもそれが小さく、良好に蒸気を逃がすことができない可能性が高かった。
また、実施例2及び3と比較例1との対比から、単に複素比誘電率の虚数部が大きいというだけで破断の善し悪しが決まらなかった。
1 マイクロ波処理用基材
2 シート材
3 発熱部
4 第1層部
5 第2層部
9 容器
10 マイクロ波処理用包装体

Claims (5)

  1. シート材と、前記シート材に設けられた発熱部と、を有し、
    前記発熱部が、カーボンブラックを含む第1層部と、前記第1層部に重ねられ且つ蒸着アルミニウム薄片を含む第2層部と、を有する、マイクロ波処理用基材。
  2. 前記第1層部が、カーボンブラックを含むインキから形成された印刷層部からなり、前記第2層部が、蒸着アルミニウム薄片を含むインキから形成された印刷層部からなる、請求項1に記載のマイクロ波処理用基材。
  3. 前記第1層部と第2層部が重なった部分の、周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部が、400以上である、請求項1または2に記載のマイクロ波処理用基材。
  4. 前記シート材が、熱収縮性を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ波処理用基材。
  5. マイクロ波により加熱可能な対象物と、前記対象物が入れられた凹部を有する容器と、前記容器に装着された請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基材と、を有する、マイクロ波処理用包装体。
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