JP2019172371A - マイクロ波処理用包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マイクロ波処理時にオーバーラップフィルムに通気部を生じさせて蒸気を排出でき、マイクロ波処理後にオーバーラップフィルムを容易に除去できるマイクロ波処理用包装体を提供する。【解決手段】 マイクロ波処理用包装体1は、マイクロ波により加熱可能な対象物2と、前記対象物2が入れられ且つ下壁面部31及び側壁面部32を有する容器3と、前記容器3の全体を密封状に被包し且つ前記容器3に熱収縮装着されたオーバーラップフィルム4と、を有し、前記オーバーラップフィルム4には、前記側壁面部32に対応する位置に、マイクロ波を吸収して発熱する発熱部5が設けられている。【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ波処理時に対象物から生じる蒸気を外部へ良好に逃がすことができるマイクロ波処理用包装体に関する。
従来、電子レンジなどのマイクロ波処理を行うことにより、対象物(食品など)を加熱するマイクロ波処理用包装体が知られている。
このうち、対象物を密封状に包装したマイクロ波処理用包装体にあっては、マイクロ波処理した際に生じる蒸気によって内圧が上昇し過ぎるため、自動的に蒸気を逃がすように工夫されている。
例えば、特許文献1には、容器本体と、容器本体の開口部を封止する蓋材と、を有し、前記蓋材が、線状の脆弱加工部が設けられた特定の積層フィルムからなるマイクロ波処理用容器が開示されている。
前記マイクロ波処理用容器は、マイクロ波処理することにより、脆弱加工部において小孔が生じ、蓋材の小孔から蒸気を逃がすことができる。
特開2016−68416号公報
前記容器本体と蓋材からなるマイクロ波処理用容器は、悪戯などの防止及び発見のため、オーバーラップフィルムにて被包されることが多い。
オーバーラップフィルムにて被包された前記マイクロ波処理用容器を、そのままマイクロ波処理すると、脆弱加工部によって生じた小孔から排出された蒸気がオーバーラップフィルムと容器の間に溜まり、内圧が上昇する。このため、オーバーラップフィルムを取り外してから容器をマイクロ波処理することになる。
この点、オーバーラップフィルムを取り外さずに、そのままマイクロ波処理できる方が簡便である。
そこで、前記小孔を生じさせる蓋材に対応するオーバーラップフィルムに、マイクロ波を吸収して発熱する発熱部を設けることにより、マイクロ波処理時にオーバーラップフィルムを部分的に破断させて通気部を形成でき、蓋材の小孔から前記通気部を通じて蒸気を排出できる。
しかしながら、通常、容器の上面に配置される蓋材には比較的重要なデザイン表示が表されているところ、オーバーラップフィルムの、蓋材に対応する部分に発熱部を設けると、蓋材に表されたデザイン表示の一部が発熱部によって隠蔽される。
さらに、マイクロ波処理後には、前記通気部の周縁部が蓋材に密着している上、濡れているので、その通気部を利用してオーバーラップフィルムを開封除去し難い。
本発明の第1の目的は、容器の上面側を透視でき、マイクロ波処理時にオーバーラップフィルムに通気部を生じさせて良好に蒸気を排出できるマイクロ波処理用包装体を提供することである。
本発明の第2の目的は、マイクロ波処理時にオーバーラップフィルムに通気部を生じさせて蒸気を排出でき、マイクロ波処理後にオーバーラップフィルムを容易に除去できるマイクロ波処理用包装体を提供することである。
本発明のマイクロ波処理用包装体は、マイクロ波により加熱可能な対象物と、前記対象物が入れられ且つ下壁面部及び側壁面部を有する容器と、前記容器の全体を密封状に被包し且つ前記容器に熱収縮装着されたオーバーラップフィルムと、を有し、前記オーバーラップフィルムには、前記側壁面部に対応する位置に、マイクロ波を吸収して発熱する発熱部が設けられている。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記容器の上方開口部が、開放されており、その開放された上方開口部が、前記オーバーラップフィルムにて閉塞されている。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記オーバーラップフィルムのうち前記発熱部が設けられている部分と前記容器の側壁面部との間に、空間が設けられている。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記オーバーラップフィルムが、前記容器の側面壁部の外縁から下壁面部の周縁において緊張されており、前記発熱部の上下方向中間点が前記側壁面部の外縁と側壁面部の上下方向中間点との間に位置するように、前記発熱部が設けられている。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記発熱部が、容器の左右方向に延びる第1延在部と、前記第1延在部の両端部において前記容器の上下方向に延びる第2延在部と、を有する。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記発熱部が、マイクロ波吸収性を有するインキ層から構成されている。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記インキ層が、金属粒子を含む第1インキ層と、前記第1インキ層の周囲を取り囲むように設けられたインキ層であって前記第1インキ層よりも周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部が大きい第2インキ層と、を含む。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記発熱部が、周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部が100以上のインキ層を有する。
本発明の好ましいマイクロ波処理用包装体は、前記インキ層の厚みが、0.3μm〜20μmである。
本発明のマイクロ波処理用包装体は、発熱部が容器の側壁面部に対応する位置に設けられているので、発熱部によって容器の上面側が隠されず、上方から容器を全体的に透視できる。
また、本発明のマイクロ波処理用包装体は、マイクロ波処理時にオーバーラップフィルムに通気部を生じさせて蒸気を排出でき、マイクロ波処理後にはオーバーラップフィルムを容易に除去できる。
第1実施形態のマイクロ波処理用包装体の正面図。 同マイクロ波処理用包装体の上面図。 同マイクロ波処理用包装体の下面図。 図1のIV−IV線で切断した断面図。 容器の斜視図。 マイクロ波処理し、オーバーラップフィルムの一部分が破断し始めたときの包装体の正面図。 マイクロ波処理し、通気部が形成された包装体の斜視図。 図7のVIII−VIII線で切断した断面図。 第2実施形態のマイクロ波処理用包装体の正面図。 (a)は、第3実施形態の第1例の発熱部の正面図、(b)は、図10(a)のXb−Xb線で切断した断面図。 (a)は、図10の発熱部を有するオーバーラップフィルムが容器に熱収縮装着されたマイクロ波処理用包装体の正面図、(b)は、その包装体をマイクロ波処理した後の状態を示す正面図。 (a)は、第3実施形態の第2例の発熱部の正面図、(b)は、第3実施形態の第3例の発熱部の正面図。 (a)は、第3実施形態の第4例の発熱部の正面図、(b)は、第3実施形態の第5例の発熱部の正面図。 (a)は、第3実施形態の第6例の発熱部の正面図、(b)は、第3実施形態の第7例の発熱部の正面図。 第3実施形態の第8例の発熱部の正面図。 (a)は、第3実施形態の第9例の発熱部の正面図、(b)は、その発熱部を有する包装体をマイクロ波処理したときに生じる通気部の状態を示す正面図。 第4実施形態のマイクロ波処理用包装体の正面図。 同実施形態の包装体に用いるラベルの上面図。 図18のXIX−XIX線で切断した拡大断面図。 第5実施形態のマイクロ波処理用包装体の断面図。 第6実施形態のマイクロ波処理用包装体の上面図。 第7実施形態のマイクロ波処理用包装体の正面図。 同マイクロ波処理用包装体の上面図。 図23のXXIV−XXIV線で切断した断面図。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
本明細書において、「上」及び「下」並びに「上下方向」は、容器の下壁面部を載置面に載せて容器を自立させたときの方向性をいい、「左右方向」は、前記上下方向に対して直交する方向をいう。
本明細書において、「下限値X〜上限値Y」で表される数値範囲は、下限値X以上上限値Y以下を意味する。前記数値範囲が別個に複数記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「任意の下限値〜任意の上限値」を設定できるものとする。
[第1実施形態]
図1乃至図4において、本発明のマイクロ波処理用包装体1は、マイクロ波により加熱可能な対象物2と、前記対象物2が入れられた容器3と、前記容器3の全体を密封状に被包した透明なオーバーラップフィルム4と、を有する。前記透明とは、オーバーラップフィルム4の外側からオーバーラップフィルム4を通じてその内側を視認できる状態をいい、有色透明及び無色透明が含まれる。
前記オーバーラップフィルム4には、容器3の側壁面部32に対応する位置に、マイクロ波を吸収して発熱する発熱部5が設けられている。
以下、マイクロ波により加熱可能な対象物を「加熱対象物」という。
加熱対象物2は、電子レンジのマイクロ波によって昇温しつつ蒸気を生じるものであれば特に限定されず、代表的には、食品が挙げられるが、非食品であってもよい。
食品としては、特に限定されず、固形状食品、半固形状食品、液状食品などが挙げられる。固形状食品としては、米飯、肉類、パン類、冷凍品などが挙げられ、半固形状食品としては、グラタン、カレーなどが挙げられ、液状食品としては、スープ、お茶などが挙げられる。蓋材を用いない本実施形態においては、加熱対象物2は、固形状食品や半固形状食品が好ましい。
容器3は、図5も参照して、加熱対象物2を入れる収納空間を有する凹部を有する。
前記凹部は、下壁面部31と、その下壁面部31の周縁全体から上方に立ち上げられた筒状の側壁面部32と、から構成されている。容器3は、下壁面部31を載置面などの上に置いて自立可能である。
前記側壁面部32は、上面視略円形状に形成されている。側壁面部32には、径外方向に延設されたフランジ部33が設けられている。フランジ部33が設けられている場合、フランジ部33の外縁33aが、側壁面部32の外縁に相当する。
フランジ部33は、側壁面部32の一部分から延設されていてもよいが、図示例では側壁面部32の周縁全体から延設されている。側壁面部32の周縁全体から延出されたフランジ部33の外縁33aは、上面視略円形状を成している。
フランジ部33の突出長さは、特に限定されないが、余りに小さいと後述する空間を十分に確保できないおそれがあるので、例えば、2mm以上であり、好ましくは3mm以上である。フランジ部33の突出長さの好ましい上限は特にないが、現実的には、概ね20mm以下である。
凹部(側壁面部32)の上方は、下壁面部31に対向して、上方開口部34とされている。側壁面部32は、直胴状でもよいが、図示例では、上方に向かうに従い内径が大きくなったすり鉢状に形成されている。
なお、容器3は、複素比誘電率の虚数部(誘電損失ともいう)が極めて小さく、マイクロ波処理時に容器そのものが溶融して通気部を生じるほどに、それ自身が発熱するものではない。
容器3は、材質の観点では、マイクロ波処理時にスパークを生じず且つ溶融しない耐熱性を有するものから形成されている。容器3の材質は、特に限定されず、代表的には、発泡樹脂、非発泡樹脂、ガラス、陶器などが挙げられる。比較的安価であることから、発泡樹脂又は非発泡樹脂などからなる樹脂製容器が好ましい。
樹脂製容器としては、シート成形品、射出成形品、ブロー成形品などが挙げられる。
加熱対象物2を収納した容器3の外側に、オーバーラップフィルム4が熱収縮装着されている。
オーバーラップフィルム4は、熱収縮性を有するフィルムから構成されている。
本明細書において、熱収縮性フィルムは、所定温度(例えば、70℃〜100℃)に加熱されることによって収縮する性質(熱収縮性)を有するフィルムをいう。
材質の観点では、熱収縮性フィルムは、柔軟性及び熱収縮性を有し、熱によって溶融するフィルムであれば特に限定されず、ポリオレフィン系フィルム;ポリ塩化ビニル系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリ乳酸フィルム(生分解性フィルム)などのポリエステル系フィルム;ポリスチレン系フィルム;などの熱可塑性樹脂フィルムが挙げられ、好ましくは、ポリオレフィン系フィルムが用いられる。
ポリオレフィン系フィルムは、フィルムを構成する主成分樹脂がポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系フィルムとしては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレンで構成されたポリプロピレンフィルム;ポリエチレンで構成されたポリエチレンフィルムなどが挙げられ、ポリプロピレンフィルムが好ましい。前記ポリプロピレンとしては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体などが挙げられ、前記ポリエチレンとしては、ポリエチレン単独重合体、ポリエチレン共重合体などが挙げられる。
熱収縮性フィルムは、無色透明又は有色透明の何れでもよいが、容器3を外部から明瞭に視認できることから無色透明なフィルムを用いることが好ましい。
熱収縮性フィルムは、収縮性の観点では、第1方向に主として熱収縮する一軸収縮フィルム、或いは、第1方向及び第2方向に主として熱収縮する二軸収縮フィルムの何れを用いてもよい。好ましくは二軸収縮フィルムが用いられる。
なお、第1方向は、熱収縮性フィルムの面内の1つの方向をいい、第2方向は、熱収縮性フィルムの面内において第1方向と直交する方向をいう。
一軸収縮フィルム及び二軸収縮フィルムの第1方向の熱収縮率は、例えば、30%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは50%以上である。一軸収縮フィルムの第2方向の熱収縮率は、例えば、0〜10%であり、好ましくは0〜5%である。二軸収縮フィルムの第2方向の熱収縮率は、例えば、10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上である。
ただし、本明細書において、熱収縮率は、加熱前(23℃雰囲気下で24時間保存)のフィルムの長さ(元の長さ)と、90℃温水中に10秒間浸漬した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)と、を下記式に代入して求められる。各フィルムの長さは、標準状態下で計測する。
熱収縮率(%)=[{(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)−((第1方向(又は第2方向)の浸漬後の長さ)}/((第1方向(又は第2方向)の元の長さ)]×100。
オーバーラップフィルム4の厚みは、特に限定されず、例えば、8μm〜80μmであり、好ましくは、10μm〜60μmであり、より好ましくは12μm〜40μmである。オーバーラップフィルム4の厚みが余りに小さいと、強度不足となり、余りに大きいと、マイクロ波処理時に発熱部5の発熱でオーバーラップフィルム4に通気部が生じないおそれがある。
なお、オーバーラップフィルム4は、複素比誘電率の虚数部が極めて小さく、マイクロ波処理時にオーバーラップフィルムそのものが破断するほどに、それ自身が発熱するものではない。
容器3に装着する前(熱収縮前)のオーバーラップフィルムは、例えば、長尺帯状に形成されている。前記長尺帯状は、1つの方向の長さが他の方向よりも十分に長い上面視略長方形状をいう。長尺帯状のオーバーラップフィルムにおいて、その長手方向が、第1方向或いは第2方向であり、好ましくは、第2方向である。なお、熱収縮前のオーバーラップフィルムは、縦横比の差が小さい上面視略長方形状、上面視略正方形状などに形成されていてもよい。
例えば、長尺帯状のオーバーラップフィルムにて加熱対象物入りの容器3を包み込みながら、その長手方向に沿った両側端部の内面同士を重ね合わせて熱シールすることにより、長手方向に延びる熱シール部を形成すると共に、前記容器3を包みつつ筒状に形成したオーバーラップフィルムを、その容器3の前後両側端部で短手方向に溶断熱シールすることにより、熱収縮前のオーバーラップフィルムを密封袋状に形成する。その後、前記密封袋状に形成したオーバーラップフィルムを加熱して熱収縮させることにより、図1乃至図4に示すような、加熱対象物入りの容器3をオーバーラップフィルム4にて密封状に包装できる。図1乃至図4において、符号Xは、長手方向の熱シール部を示し、Yは、短手方向のシール部を示す。
なお、オーバーラップフィルム4には、通常、微細な空気抜き孔が形成されている。かかる微細な空気抜き孔を有することにより、前記容器3を包み且つ熱シール部及び前後両側端部の溶断熱シールを形成した袋状のオーバーラップフィルム4を加熱した際に、その内側から空気が抜け、オーバーラップフィルム4を良好に熱収縮させることができる。
熱収縮されたオーバーラップフィルム4は、容器3の最外点に接して収縮されているので、図4に示すように、オーバーラップフィルム4は、フランジ部33の上端面(側壁面部32の上端面にも相当)及び下壁面部31に略密着した状態で緊張されている。従って、オーバーラップフィルム4は、フランジ部33の外縁33a(側壁面部32の外縁)から下壁面部31の周縁の間において、上下方向に緊張されている。また、オーバーラップフィルム4は、フランジ部33の外縁33a(側壁面部32の外縁)から下壁面部31の周縁の間において側壁面部32の外面から離反しており、従って、オーバーラップフィルム4のうち側壁面部32に対応する領域は、側壁面部32との間に空間を有している。かかる空間の大きさは、フランジ部33の突出長さで調整できる。
図示例では、容器3の上方開口部34は、(別途の蓋材で密封されておらず)開放されているが、容器3を被包したオーバーラップフィルム4にて閉塞されている。
前記容器3を被包したオーバーラップフィルム4の一部分には、発熱部5が設けられている。
発熱部5は、容器3の側壁面部32に対応する位置に少なくとも設けられており、好ましくは、空間を有する位置に少なくとも設けられている。
また、発熱部5は、好ましくは、フランジ部33の外縁33a(側壁面部32の外縁)よりも下方に位置するように配置され、より好ましくは、発熱部5の上下方向中間点が前記側壁面部の外縁と側壁面部の上下方向中間点との間に位置するように配置される。
より好ましくは、発熱部5は、発熱部5の上下方向中間点が前記側壁面部の外縁と側壁面部のその外縁から1/4の地点(側壁面部を上下方向で4等分したときに、上方から1/4となる位置)との間に配置され、さらに好ましくは、発熱部5の上下方向中間点が前記側壁面部の外縁と側壁面部のその外縁から1/8の地点(側壁面部を上下方向で8等分したときに、上方から1/8となる位置)との間に配置される。
発熱部5は、オーバーラップフィルム4の外面若しくは内面に設けられていてもよく、或いは、外面及び内面にそれぞれ設けられていてもよい。通常、発熱部5は、オーバーラップフィルム4の外面に設けられている。
発熱部5は、オーバーラップフィルム4の所望の箇所に設けられ、1箇所でもよく、或いは、複数箇所に分散して設けてもよい。
発熱部5の正面視形状は、特に限定されず、図1のように、平面視略台形状でもよく、その他、図示しないが、略長方形状、略正方形状、略円形状、略楕円形状、略三角形状、略六角形状などの略多角形状、或いは、それらの形状が組合わされた形状などであってもよい。本明細書において「略」は、本発明の属する技術分野において許容される範囲を意味する。
好ましくは、発熱部5は、正面視で長軸と短軸を有する形状に形成されている。長軸と短軸を有する正面視形状としては、前記略台形状、略長方形状、略楕円形状などが挙げられる。
正面視で長軸と短軸を有する形状の発熱部5は、図1に示すように、その長軸が容器3の左右方向に沿って延在するように、長軸を左右方向に向けて配置される。
発熱部5の長軸方向の長さは、特に限定されないが、マイクロ波処理時にオーバーラップフィルム4の面内に比較的大きな通気部が生じることから、40mm〜200mmが好ましく、90mm〜150mmがより好ましい。
特に、容器3のフランジ部33の外縁33a(側壁面部32の外縁)の曲率半径が80〜120である場合には、発熱部5の長軸方向の長さは、60mm〜180mmが好ましく、90mm〜150mmとすることがより好ましい。長軸方向の長さが前記範囲の発熱部5を形成することにより、マイクロ波処理時に通気部を区画する上側のフィルム縁が容器3の上方開口部34へと至り易くなる。
1つの発熱部5の面積は、特に限定されないが、余りに小さいと、マイクロ波処理時に良好な通気部を形成できないおそれがあるので、0.25平方cm以上が好ましく、1.0平方cm以上がより好ましい。
発熱部5は、マイクロ波処理時にマイクロ波を吸収して発熱する機能を有する。
発熱部5は、周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部が100以上の誘電特性を有していることが好ましい。周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部が100以上の発熱部5は、マイクロ波処理時に、オーバーラップフィルム4に通気部を確実に生じさせることができる。
本明細書において、複素比誘電率の虚数部は、標準状態下(23℃、1atm、相対湿度50%)、周波数2.45GHzでインキ層を測定した値をいう。
具体的には、次のような測定方法によって測定できる。
発熱部が設けられたフィルム(縦×横=76mm×30mmの長方形)を測定サンプルとする。そのサンプルの横方向が周方向となるように湾曲させて、以下の空洞共振器摂動法誘電率測定システムの円筒型空洞共振器の筒内にセットし、標準状態下(23℃、1atm、相対湿度50%)で下記測定方法に従い、評価サンプルの複素比誘電率の虚数部εを測定する。
<システム構成>
ネットワークアナライザ:Agilent製のE8361A
円筒型空洞共振器:株式会社関東電子応用開発製のCP481
測定周波数:2.45GHz
測定モード:TM020
計算プログラム:CPMA−PNA
<測定条件>
サンプル幅入力値:30mm
サンプル厚み入力値:サンプルの実測厚みt
<厚みの測定>
フィルムの厚み:株式会社ミツトヨ製のスプラインマイクロメータSPM2−25MX
発熱部の厚み:オリンパス株式会社製の3D測定レーザー顕微鏡LEXT OLS4100。測定倍率は2160倍で、測定視野は128μmとする。
<発熱部の複素比誘電率の虚数部の算出>
得られた測定値εから、式(1)を用いて発熱部の複素比誘電率の虚数部εを算出する。なお、εは、ブランク(フィルムそのもの)を、上記測定システム及び測定条件で測定した値である。
ε=(tε−tε)/t 式(1)
ε:発熱部の複素比誘電率の虚数部
ε:サンプルの複素比誘電率の虚数部(測定値)
ε:フィルムの複素比誘電率の虚数部(測定値)
:発熱部の厚み(μm)
:サンプルの総厚み(μm)
:フィルムの厚み(μm)
発熱部5は、マイクロ波処理時に発熱する機能を有していることを条件として特に限定されず、例えば、金属蒸着層を有するシート体などで構成されていてもよいが、適切な箇所に簡易に形成できることから、マイクロ波吸収性を有するインキ層で構成されていることが好ましく、周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部が100以上のインキ層で構成されていることがより好ましい。
発熱部5は、マイクロ波吸収性を有する1種のインキ層で構成されていてもよく、厚み方向に部分的に又は全体的に重ねられた2種以上のインキ層から構成されていてもよく、面方向に隣接して配置された2種以上のインキ層から構成されていてもよい。好ましくは、発熱部5は、マイクロ波吸収性を有する2種以上のインキ層(マイクロ波吸収性を有する2種のインキ層を、第1インキ層、第2インキ層という)で構成され、より好ましくは2種以上のインキ層のうち少なくとも1つのインキ層が100以上の複素比誘電率の虚数部を有し、さらに好ましくは、100以上の複素比誘電率の虚数部を有する少なくとも第1インキ層及び第2インキ層で構成されている。
本明細書において、インキ層は、インキが固化したインキ固化物から構成される。
マイクロ波吸収性を有するインキ層は、マイクロ波処理時に発熱する機能を有する。以下、このような機能を有するインキ層を特に「発熱インキ層」といい、発熱インキ層のうち前記第1インキ層を「第1発熱インキ層」、第2インキ層を「第2発熱インキ層」という。
また、断面図を除く各図において、発熱インキ層を判り易くするため、第1発熱インキ層に網掛けを付加し、第2発熱インキ層に無数のドットを付加している。
発熱インキ層は、ベタ状に設けられている。ベタ状とは、インキが面方向に延在して1つの連続した層を成していることをいう。ただし、グラビア印刷法などの有版印刷法にて形成される層は、ドット状に付着したインキ固化物の集合から構成されるので、巨視的に見ると、そのインキ固化物が面方向に延在して1つの連続した層を成しているが、微視的に見ると、その面内に無数の微細な隙間が存在する場合があることに留意されたい。このように微視的に見ると、微細な隙間を有する場合でも、巨視的に1つの連続した層を成している場合には、ベタ状の範疇に含まれるものとする。
発熱インキ層を形成する発熱性インキは、マイクロ波吸収剤及びバインダー樹脂を少なくとも含み、必要に応じて、着色剤、溶剤、添加剤を含んでいてもよい。
前記マイクロ波吸収剤としては、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、黒鉛、アルミペースト、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄などが挙げられる。
バインダー樹脂は、固化性能に従って分類すると、乾燥型、紫外線硬化型などの光重合型などが挙げられる。乾燥型のバインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ニトロセルロースやセルロース・アセテート・ブチレートなどのセルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。光重合型のバインダー樹脂としては、アクリレート系などの光重合性樹脂と重合開始剤などが挙げられる。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;トルエンなどの炭化水素類;水;これらの混合溶媒などが挙げられる。着色剤としては、公知の顔料又は染料が挙げられる。添加剤として、例えば、分散剤、可塑剤、沈降防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などが挙げられる。
マイクロ波吸収剤は、例えば、バインダー樹脂100重量部に対して、2重量部〜30重量部配合され、好ましくは、5重量部〜30重量部配合される。
発熱部5が2種以上の発熱インキ層から構成されている場合、金属粒子を含む第1インキ層61(第1発熱インキ層61)と、前記第1発熱インキ層61よりも複素比誘電率の虚数部が大きい第2インキ層62(第2発熱インキ層62)と、を含んでいることが好ましい。好ましくは、第2発熱インキ層62は、100以上の複素比誘電率の虚数部を有する。
前記第1発熱インキ層61及び第2発熱インキ層62の正面視形状は、特に限定されず、それぞれ独立して、上記発熱部5の正面視形状で例示したような任意の形状に形成できる。なお、発熱部5が第1発熱インキ層61及び第2発熱インキ層62から構成される場合、発熱部5の正面視形状は、第1発熱インキ層61及び第2発熱インキ層62の各形状及び両層の配置によって定まる。
前記第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62の配置は、特に限定されず、例えば、(a)厚み方向において互いに全体的に重なって積層される場合、或いは、(b)厚み方向において互いに重なる部分と互いに重ならない部分とを有して隣接配置される場合、或いは、(c)厚み方向において互いに重なる部分を有して面方向に隣接配置される場合、或いは、(d)互いに重ならず面方向に隣接される場合、などが挙げられる。なお、隣接とは、第1発熱インキ層61の縁と第2発熱インキ層62の縁が接している状態、又は、第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62が重なりつつ第1発熱インキ層61のみからなる部分の縁と第2発熱インキ層62の縁が隣合っている状態、又は、第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62が重なりつつ第1発熱インキ層61の縁と第2発熱インキ層62のみからなる部分の縁が隣合っている状態をいう。
形成容易であるという点では、第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62(2種以上の発熱インキ層)は、(a)厚み方向において互いに全体的に重なって積層されていることが好ましい。
他方、後述するように、破断が生じる箇所をコントロールし易いという点では、第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62(2種以上の発熱インキ層)は、(d)互いに重ならず面方向に隣接して配置されていることが好ましい。
図示例では、第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62は、隣接して配置されており、第2発熱インキ層62が、第1発熱インキ層61を取り囲むように設けられている。
具体的には、正面視略帯状の第1発熱インキ層61の周囲に、正面視略帯環状を成して第2発熱インキ層62が設けられている。第1発熱インキ層61及び第2発熱インキ層62は、それぞれ直接にオーバーラップフィルム4に固着されている。第1発熱インキ層61の周縁は、第2発熱インキ層62の内縁に接している。なお、図示例では、第1発熱インキ層61の周縁と第2発熱インキ層62の内縁が、ぴったりと接して表されているが、そのように精度良く2つのインキ層を形成することは困難であるので、実際には、第1発熱インキ層61の周縁と第2発熱インキ層62の内縁が僅かに離れている箇所も存在する、或いは、第1発熱インキ層61の周縁部と第2発熱インキ層62の内縁部が僅かに重なっている箇所も存在することに留意されたい。
前記第1発熱インキ層61を形成する発熱性インキとしては、アルミニウムなどの金属粒子を含むインキが挙げられる。前記第2発熱インキ層62を形成する発熱性インキとしては、カーボンブラックや黒鉛などの非金属粒子を含むインキであって第1発熱インキ層61を形成する発熱性インキよりも複素比誘電率の虚数部が大きい発熱性インキが挙げられる。
第2発熱インキ層62と第1発熱インキ層61の複素比誘電率の虚数部の差(第2発熱インキ層62の複素比誘電率の虚数部−第1発熱インキ層61の複素比誘電率の虚数部)は、0を超え、好ましくは100以上、より好ましくは130以上であり、さらに好ましくは190以上である。
第1発熱インキ層61が有する複素比誘電率の虚数部は、特に限定されず、例えば、10〜150であり、好ましくは20〜150である。第2発熱インキ層62が有する複素比誘電率の虚数部は、特に限定されず、例えば、100〜2000であり、好ましくは150〜1800である。
発熱インキ層の厚みは、特に限定されないが、余りに小さいと、十分に発熱しないおそれがあるので、例えば、1μm以上であり、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上であり、さらに好ましくは5μm以上であり、特に好ましくは7μm以上である。発熱インキ層の厚みの上限は特にないが、現実的な数値では、20μm以下であり、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。
なお、第1発熱インキ層61及び第2発熱インキ層62の各厚みも同様である。ただし、第1発熱インキ層61、第2発熱インキ層62などの複数の発熱インキ層は、互いに同じ厚みでもよく、或いは、異なる厚みでもよい。
上記発熱性インキをオーバーラップフィルム4の一部分に塗工し、固化させることにより、発熱インキ層からなる発熱部5を形成できる。
塗工方法は、特に限定されず、有版印刷法、インクジェット印刷などの無版印刷法、コーターを用いた塗工法などが挙げられる。
前記有版印刷法は、インクジェット印刷などの版を用いない印刷法とは異なり、印刷版を用いた印刷形式をいい、凹版印刷法、凸版印刷法、孔版印刷法、平版印刷法などが挙げられる。凹版印刷法としては、代表的には、グラビア印刷が挙げられ、凸版印刷法としては、代表的には、フレキソ印刷、凸版輪転印刷が挙げられ、孔版印刷法としては、代表的には、シルクスクリーン印刷が挙げられ、平版印刷法としては、代表的には、オフセット印刷法が挙げられる。
所定厚みの発熱インキ層(発熱部5)を形成できることから、発熱インキ層は、有版印刷法によって形成された有版印刷層であることが好ましい。特に、インキの転移量の幅を広く設計でき、所定厚みの発熱インキ層を容易に形成できることから、発熱インキ層は、グラビア印刷法によって形成されたグラビア印刷層であることが好ましい。
有版印刷層及びグラビア印刷層は、いずれも、ドット状のインキ固化物の集合によって層を成しているものであり、印刷形式により、そのインキ固化物の付着状態が若干異なっている。
なお、発熱インキ層は、インキの1回塗りで形成されていてもよく、或いは、インキを2回以上重ね塗りして形成されていてもよい。発熱インキ層は、インキの1〜20回塗りで形成されたインキ層が好ましく、1〜10回塗りがより好ましく、1〜5回塗りがさらに好ましく、1〜3回塗りで形成されたインキ層が特に好ましい。重ね塗りによる多層構造の発熱インキ層は、1種のインキの重ね塗りで形成されていてもよく、2種以上のインキの重ね塗りで形成されていてもよい。
また、オーバーラップフィルム4には、発熱インキ層以外のインキ層(図示せず)が設けられていてもよい。以下、発熱インキ層以外のインキ層を「他インキ層」という。
他インキ層は、従来公知の着色インキ或いは透明インキ(メジウムインキ)を塗工することにより、オーバーラップフィルム4の所望の箇所に必要に応じて設けられる。
他インキ層を設ける場合、他インキ層は、発熱部5と重ならないように設けてもよく、或いは、その一部又は全部が発熱部5と重なるように設けてもよい。
他インキ層の厚みは、例えば、0.5μm〜10μmであり、好ましくは、1μm〜5μmである。
上記マイクロ波処理用包装体1は、例えば、次のようにして得ることができる。
発熱部5が設けられたオーバーラップフィルムを、前記発熱部5が容器3の側壁面部32に対応するように位置合わせして、容器3を包んだオーバーラップフィルムを密封袋状に形成し、それを加熱することにより、図1乃至図4に示すような、加熱対象物入りの容器3をオーバーラップフィルム4にて密封状に包装し且つ発熱部5が側壁面部32に対応して配置されたマイクロ波処理用包装体1を得ることができる。
なお、発熱部を有さないオーバーラップフィルムを用いてマイクロ波処理用包装体1を作製することもできる。具体的には、発熱部が設けられていないオーバーラップフィルムを用い、上記製法と同様にして、そのオーバーラップフィルムにて容器を密封状に包装した収納密封体を得た後、熱収縮後のオーバーラップフィルム4の外面の側壁面部32に対応する領域に、発熱部5を形成することにより、図1乃至図4に示すようなマイクロ波処理用包装体1が得られる。
本発明のマイクロ波処理用包装体1は、発熱部5が容器3の側壁面部32に対応する位置に設けられているので、発熱部5によって容器3の上方開口部34が隠されず、容器3の上面側から凹部に収納された加熱対象物2を全体的に透視できる。
上記マイクロ波処理用包装体1は、家庭用又は業務用電子レンジを用いてマイクロ波処理に供される。
マイクロ波処理すると、加熱対象物2から蒸気が発生し、内圧が徐々に上昇すると共に、発熱部5が発熱する。内圧上昇によってオーバーラップフィルム4が外側に押されると共に、発熱部5の発熱によって発熱部5が重なっている領域又は発熱部5の周縁領域におけるオーバーラップフィルム4が脆弱化し又は溶融し、図6に示すように、オーバーラップフィルム4の一部分が破断し始める。発熱部5は容器3との間に空間を有する位置に設けられているので、発熱部5から生じる熱が容器3に吸収され難く、オーバーラップフィルム4に作用するようになる。
また、発熱部5が、第1発熱インキ層61とそれに隣接した第2発熱インキ層62とを有するので、第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62の境界又はその境界付近で、オーバーラップフィルム4が破断するようになる。これは、第1発熱インキ層61に含まれる金属の自由電子がマイクロ波によって大きく動き、複素比誘電率の虚数部の大きい第2発熱インキ層62の発熱が促され、両層の境界又は境界付近でオーバーラップフィルム4が破断すると考えられるからである。このように隣接した第1発熱インキ層61及び第2発熱インキ層62を有する発熱部5を用いることにより、オーバーラップフィルム4の破断が生じる箇所をコントロールできる。
前記破断が生じると、フランジ部33の外縁33a(側壁面部32の外縁)から下壁面部31の周縁の間において緊張されているオーバーラップフィルム4は、左右方向に破断が進行し、比較的大きな通気部9(貫通孔)を生じる。特に、発熱部5の長軸が容器3の左右方向に沿って延在するように発熱部5が設けられているので、オーバーラップフィルム4は側壁面部32に対応した箇所において左右方向に破断し易くなる。
オーバーラップフィルム4に通気部9が生じることにより、加熱対象物2から生じた蒸気が、その通気部9からオーバーラップフィルム4の外側に排出される。
また、発熱部5の上下方向中間点が側壁面部32の外縁(フランジ部33の外縁33a)と側壁面部32の上下方向中間点との間に位置するように発熱部5が設けられているので、図7及び図8に示すように、通気部9を画成する上側のフィルム縁4aがフランジ部33の外縁33aを超えて上方開口部34へと至るようになる。
マイクロ波処理後、通気部9を画成するフィルム縁を摘んでオーバーラップフィルム4を容器3から引き剥がす。
発熱部5が側壁面部32に対応して設けられ且つ発熱部5と側壁面部32の間に空間を有するので、通気部9を画成する下側のフィルム縁4bが、側壁面部32から離れている。このため、前記空間に指先を入れつつ下側のフィルム縁4bを容易に摘むことができ、オーバーラップフィルム4を容易に引き剥がすことができる。また、通気部9を画成する上側のフィルム縁4aがフランジ部33の外縁33aを超えて上方開口部34へと至っているので、この上側のフィルム縁4aを摘んでも容易にオーバーラップフィルム4を引き剥がすことができる。
以下、本発明の別の実施形態を説明するが、その説明に於いては、主として上述の実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成などについては、用語又は符号をそのまま援用し、その構成の説明を省略する場合がある。
[第2実施形態]
第2実施形態は、上記第1実施形態とは発熱部の形状が異なり、発熱部が、第1及び第2延在部を有する。
図9に示すように、本実施形態のマイクロ波処理用包装体1は、発熱部5が、容器3の左右方向に延びる第1延在部51と、前記第1延在部51の両端部において前記容器3の上下方向に延びる第2延在部52と、を有する。第1延在部51及び第2延在部52は、発熱性インキによって形成された発熱インキ層である。
第1延在部51は、正面視で長軸と短軸を有する形状に形成され、その長軸が左右方向に沿って配置されている。
第2延在部52は、第1延在部51の端部から上方のみに向かって延びて形成されていてもよく、或いは、第1延在部51の端部から下方のみに向かって延びて形成されていてもよいが、好ましくは、図示例のように、第1延在部51の端部から上方及び下方に向かって延びて形成される。
第2延在部52は、例えば、正面視で長軸と短軸を有する形状に形成され、その長軸が上下方向に沿って配置されている。第2延在部52は、上下方向と平行に延びていてもよいが、図示のように、上下方向に対して3度〜30度程度傾いた状態で上下方向に延在されていることが好ましい。また、向かい合った一対の第2延在部52は、互いに平行でもよいが、図示のように上方に向かうに従って互いに左右方向に離れるように延在されていることが好ましい。
第1延在部51及び第2延在部52から構成される発熱部5は、1種の発熱インキ層で構成されていてもよく、上記第1実施形態のように、第1発熱インキ層61とその周囲の第2発熱インキ層62から構成されていてもよい。
図示例では、第1発熱インキ層61は、第1延在部51とその両端部の第2延在部52を有する正面視形状に形成され、第2発熱インキ層62は、その第1発熱インキ層61の周縁に隣接し、その周縁を取り囲むように形成されている。
本実施形態のように、第1延在部51及び第2延在部52を有する発熱部5をオーバーラップフィルム4に形成することにより、マイクロ波処理時に、オーバーラップフィルム4が第1延在部51及び第2延在部52に沿って破断し始める。第1延在部51及び第2延在部52に沿ってオーバーラップフィルム4が破断することにより、容器3に対して過度な荷重が加わり難く、マイクロ波処理時の容器3の変形を防止できる。
[第3実施形態]
第3実施形態は、上記第1及び第2実施形態とは異なる様々な第1発熱インキ層61及び第2発熱インキ層62の形状及び配置に関する。
上述のように、第1発熱インキ層61及び第2発熱インキ層62の正面視形状は、任意の形状に設定できる。また、第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62は、(a)厚み方向において互いに全体的に重なって積層される場合、(b)厚み方向において互いに重なる部分と互いに重ならない部分とを有して隣接配置される場合、(c)厚み方向において互いに重なる部分を有して面方向に隣接配置される場合、(d)互いに重ならず面方向に隣接される場合、などが挙げられる。
図10は、オーバーラップフィルム4の外面に設けられた第3実施形態の第1例に係る発熱部5を示す。なお、図10(a)において、第1発熱インキ層61が存在する箇所に網掛けを付加し、第2発熱インキ層62が存在する箇所に無数のドットを付加しており、従って、網掛けとドットが混在している箇所は、第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62が重なっている箇所である(以下、図11乃至図16も同様)。
例えば、図10を参照して、発熱部5は、第1発熱インキ層61と、第2発熱インキ層62と、を有する。第1発熱インキ層61は、2つの形状部53,53(例えば、正面視略三角形状の形状部)の端部53aが点接触された正面視形状に形成されている。第2発熱インキ層62は、2つの形状部54,54(例えば、正面視略三角形状の形状部)の端部周辺が連続した正面視形状に形成されている。この第1発熱インキ層61が、第2発熱インキ層62の外面に、第2発熱インキ層62からはみ出すことなく重ねられている。以下、「第2発熱インキ層62の外面に、第2発熱インキ層62からはみ出すことなく重ねられていることを「第2発熱インキ層62の外面内に重ねられている」と表現する場合がある。従って、正面視において、第2発熱インキ層62の周縁部の全部又は一部分が第1発熱インキ層61の周囲から外側に延出されている。
具体的には、図10に示す第1発熱インキ層61は、2つの正面視略正三角形状の形状部53,53の頂角部53a(端部)が点接触された正面視形状に形成され、第2発熱インキ層62は、2つの正面視略正三角形状の形状部54,54の頂角部周辺(端部周辺)が重なって連続した正面視形状に形成されている。第1発熱インキ層61の正面視形状の基礎を成している形状部53は、第2発熱インキ層62の正面視形状の基礎を成している形状部54よりも小面積の相似形である。
図11(a)は、図10に示す発熱部5が設けられているオーバーラップフィルム4を容器3に熱収縮装着することによって得られるマイクロ波処理用包装体1を示す。この包装体1を家庭用又は業務用電子レンジを用いてマイクロ波処理すると、図11(b)に示すように、第1発熱インキ層61の頂角部53aを含む領域又はその近傍領域におけるオーバーラップフィルム4が脆弱化し又は溶融して破断することによって、通気部9(貫通孔)を生じる。これは、第1発熱インキ層61に含まれる金属の自由電子がマイクロ波によって大きく動き、それが向かい合った頂角部53aに集まると共に、複素比誘電率の虚数部の大きい第2発熱インキ層62の発熱が促されることによって、オーバーラップフィルム4が破断すると考えられるからである。このように第1発熱インキ層61を少なくとも2つの形状部(図示例では、三角形状部53,53)を向かい合わせることにより、その形状部の向かい合わせ部分に通気部9が生じるので、オーバーラップフィルム4の破断が生じる箇所をコントロールできる。
また、図12(a)に示すように、2つの正面視略鋭角三角形状(好ましくは、略鋭角二等辺三角形状)の形状部53,53の頂角部53a(端部)が点接触された正面視形状に形成された第1発熱インキ層61と、2つの正面視略鋭角三角形状(好ましくは、略鋭角二等辺三角形状)の形状部54,54の頂角部周辺(端部周辺)が重なって連続した正面視形状に形成された第2発熱インキ層62と、を有し、第1発熱インキ層61が、第2発熱インキ層62の外面内に重ねられている発熱部5でもよい。
さらに、同図(b)に示すように、2つの正面視略鈍角三角形状(好ましくは、略鈍角二等辺三角形状)の形状部53,53の頂角部53a(端部)が点接触された正面視形状に形成された第1発熱インキ層61と、2つの正面視略鈍角三角形状(好ましくは、略鈍角二等辺三角形状)の形状部54,54の頂角部周辺(端部周辺)が重なって連続した正面視形状に形成された第2発熱インキ層62と、を有し、第1発熱インキ層61が、第2発熱インキ層62の外面内に重ねられている発熱部5でもよい。かかる発熱部5を有するオーバーラップフィルム4は、マイクロ波処理時に、頂角部53aを含む領域において略長楕円状の通気部9(仮想的に表した通気部9を同図(b)の破線で示す)を生じるようになる。この略長楕円状の通気部9の長軸は、2つの形状部53,53を結んだ線と略直交する方向に延在する。
また、図13(a)に示すように、2つの正面視略四角形状(好ましくは、略正方形状、略長方形状又は略菱形状)の形状部53,53の頂角部周辺(端部周辺)が重なって連続した正面視形状に形成された第1発熱インキ層61と、2つの正面視略四角形状(好ましくは、略正方形状、略長方形状又は略菱形状)の形状部54,54の頂角部周辺(端部周辺)が重なって連続した正面視形状に形成された第2発熱インキ層62と、を有し、第1発熱インキ層61が、第2発熱インキ層62の外面内に重ねられている発熱部5でもよい。
さらに、同図(b)に示すように、2つの正面視略円形状又は略楕円形状の形状部53,53の端部周辺が重なって連続した正面視形状に形成された第1発熱インキ層61と、2つの正面視略円形状又は略楕円形状の形状部54,54の端部周辺が重なって連続した正面視形状に形成された第2発熱インキ層62と、を有し、第1発熱インキ層61が、第2発熱インキ層62の外面内に重ねられている発熱部5でもよい。
図13(a)及び(b)に示すような発熱部5を有するオーバーラップフィルム4は、マイクロ波処理時に、形状部53,53の端部周辺において略長楕円状の通気部9(仮想的に表した通気部9を同図の破線で示す)を生じるようになる。この略長楕円状の通気部9の長軸は、2つの形状部53,53を結んだ線と略直交する方向に延在する。
なお、図13(a)に示す例において、第1発熱インキ層61は、形状部53の頂角部周辺(端部周辺)が重なった正面視形状に形成されているが、形状部53の頂角部が点接触した正面視形状に形成されていてもよい(図示せず)。
また、図14(a)に示すように、4つの形状部53,…(例えば、正面視略鋭角三角形状などの形状部)の頂角部53a(端部)が点接触された正面視形状に形成された第1発熱インキ層61と、4つの形状部54,…(例えば、正面視略鋭角三角形状などの形状部)の頂角部周辺(端部周辺)が重なって連続した正面視形状に形成された第2発熱インキ層62と、を有し、第1発熱インキ層61が、第2発熱インキ層62の外面内に重ねられている発熱部5でもよい。
さらに、上記では、複数の形状部53の頂角部53aが点接触している正面視形状の第1発熱インキ層61を幾つか例示したが、複数の形状部53の頂角部53aが離れていてもよい。このような発熱部5としては、例えば、図14(b)に示すように、2つの形状部53,53の端部(頂角部53a)が近接した状態で2つの形状部53,53が独立した正面視形状に形成された第1発熱インキ層61と、2つの形状部54,54の端部周辺が重なって連続した正面視形状に形成された第2発熱インキ層62と、を有し、第1発熱インキ層61が、第2発熱インキ層62の外面内に重ねられている。
また、上記全ての例示では、第2発熱インキ層62が第1発熱インキ層61よりも大面積に形成されているが、第1発熱インキ層61が第2発熱インキ層62よりも大面積に形成されていてもよく、或いは、第1発熱インキ層61と第2発熱インキ層62が略同面積に形成されていてもよい。
例えば、図15は、第1発熱インキ層61が第2発熱インキ層62よりも大面積に形成されている発熱部5を例示している。図15において、発熱部5は、4つの形状部53,…(例えば、正面視略鋭角三角形状などの形状部)の頂角部53a(端部)が点接触された正面視形状に形成された第1発熱インキ層61と、1つの形状部54(例えば、正面視略円形状などの形状部)からなる第2発熱インキ層62と、を有する。この第1発熱インキ層61は、その一部分が第2発熱インキ層62の外面の一部分に重ねられている。
また、図16(a)に示すように、第1発熱インキ層61が、複数の形状部が並設された正面視形状(例えば、正面視略櫛状)に形成されていてもよい。
具体的には、第1発熱インキ層61は、紙面横方向に帯状に延在する形状部55と、紙面縦方向に帯状に延在する形状部56であって、紙面横方向に少しの間隔を開けて並設された複数の形状部56と、を有する。形状部56の数は、特に限定されないが、後述するように隣接する形状部56の間に通気部9が生じることから、形状部56の数は、多いことが好ましい。例えば、形状部56の数は、10以上が好ましい。
複数の形状部56は、間隔を開けて横方向に並設され、各形状部56の端部が横方向に帯状に延在する形状部55に重なって連続されている。前記横方向に並設された複数の形状部56は、形状部55の紙面上側のみに配置されていてもよく、或いは、形状部55の紙面下側のみに配置されていてもよく、或いは、上側及び下側の双方に配置されていてもよい。図示例では、前記横方向に並設された複数の形状部56は、形状部55の紙面上側及び下側の双方にそれぞれ配置されている。上側に配置された複数の形状部56と下側に配置された複数の形状部56は、紙面縦方向において直線上に並んでいてもよく、或いは、図示例のように、位置ずれしていてもよい。
一方、第2発熱インキ層62は、紙面横方向に帯状に延在する1つの形状部57からなる。
この第1発熱インキ層61は第2発熱インキ層62の外面に重ねられている。第1発熱インキ層61の一部分が、第2発熱インキ層62の外面に重ねられていてもよく或いは、第1発熱インキ層61の全部が、第2発熱インキ層62の外面内に重ねられていてもよい。図示例では、第1発熱インキ層61を構成する形状部55及び各形状部56の一部分が第2発熱インキ層62の外面に重ねられている。
かかる発熱部5を有するオーバーラップフィルム4は、マイクロ波処理時に、図16(b)に示すように、隣接する形状部56の間の領域において通気部9(貫通孔)を生じるようになる。なお、全ての形状部56の間の領域において通気部9を生じる場合もあれば、幾つかの間には通気部を生じない場合もある。
このような発熱部5によれば、複数の通気部9が間隔を開けてオーバーラップフィルム4に発生し、恰も、オーバーラップフィルム4にミシン目が形成されたようになり、オーバーラップフィルム4を容器3から引き剥がし易くなる。
なお、第3実施形態に示す各例の発熱部5は、第1発熱インキ層61が第2発熱インキ層62の外面に重ねられているが、反対に、第2発熱インキ層62が第1発熱インキ層61の外面に重ねられていてもよい。もっとも、良好な通気部9を生じさせることができることから、第1発熱インキ層61が第2発熱インキ層62の外面に重ねられていることが好ましい。
[第4実施形態]
第4実施形態は、上記各実施形態とは発熱部の設置方法が異なる。
図17に示すように、本実施形態のマイクロ波処理用包装体1は、発熱部5を有するラベル7が、オーバーラップフィルム4に取り付けられている。
ラベル7は、図18及び図19に示すように、ラベル基材71と、発熱部5と、を有する。前記ラベル基材71には、必要に応じて、模様やデザインなどを表示した他インキ層が設けられていてもよい(図示せず)。
ラベル基材71の上面視形状は、特に限定されず、図18のような略四角形状のほか、略円形状、略楕円形状、略三角形状や略六角形状などの略多角形状、略星形状、その他任意の形状でもよい。
ラベル基材71の材質は特に限定されず、合成樹脂製フィルム、紙、不織布、合成紙などが挙げられ、好ましくは、合成樹脂製フィルムが用いられる。
合成樹脂製フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸などのエステル系フィルム、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系フィルムなどの熱可塑性樹脂フィルムが挙げられる。
ラベル基材71の厚みは、特に限定されず、例えば、25μm〜100μmであり、好ましくは30μm〜60μmである。
ラベル基材71は、熱収縮性を有していてもよいが、好ましくは、実質的に熱収縮性を有さないものが用いられる。
ラベル基材71の外面若しくは内面に、又は、外面及び内面には、発熱部5が設けられている。発熱部5としては、上記のような発熱インキ層が挙げられる。
また、ラベル基材71の内面には、貼着剤層72が設けられている。貼着剤層72は、公知の粘着剤又は接着剤で形成され、好ましくは、粘着剤から形成される。
貼着剤層72の厚みは、特に限定されないが、余りに厚いと、発熱部5の熱が伝わり難くなることから、10μm〜30μmが好ましく、10μm〜20μmがより好ましい。
前記ラベル7は、貼着剤層72を介して、オーバーラップフィルム4の、容器3の側壁面部32に対応する領域に貼り付けて取り付けられている。
本実施形態のマイクロ波処理用包装体1も、マイクロ波処理時に、発熱部5が発熱し、その熱によってオーバーラップフィルム4に通気部9が生じるようになる。
[第5実施形態]
上記各実施形態のマイクロ波処理用包装体1は、加熱対象物2が入れられた容器3の上方開口部34が開放され、その上方開口部34を覆うようにオーバーラップフィルム4が装着されているが、例えば、図20に示すように、蓋材が設けられた容器3に、発熱部5を有するオーバーラップフィルム4が熱収縮装着されていてもよい。
具体的には、この第1変形例のマイクロ波処理用包装体1は、加熱対象物2と、加熱対象物2が入れられた容器3であって上方開口部34を有する容器3と、前記容器3の上方開口部34を閉塞する蓋材79と、前記蓋材79を含む容器3の外側に熱収縮装着されたオーバーラップフィルム4と、前記オーバーラップフィルム4に設けられた発熱部5と、を有する。蓋材79は、熱シールなどの手段により容器3に剥離可能に接着されていてもよく、或いは、容器3に着脱可能に嵌合されていてもよい。また、容器3に接着されている蓋材79にあっては、マイクロ波処理時に加熱対象物2から生じる蒸気を蓋材79の外側に排出させるため、蓋材79と容器3の接着部位が蒸気で部分的に剥離するように弱く接着されている、或いは、蓋材79に部分的に通気孔を生じさせる別途の通蒸機構が設けられている、などの公知の通蒸手段が具備されている。容器3に嵌合されている蓋材79にあっては、蓋材79と容器3の隙間から蒸気が蓋材79の外側に排出される。
本実施形態のマイクロ波処理用包装体1も同様に、発熱部5が設けられているので、マイクロ波処理時にオーバーラップフィルム4に通気部9が形成され、蓋材79の外側に排出された蒸気が前記通気部9から包装体の外部に排出される。
[第6実施形態]
また、上記各実施形態のマイクロ波処理用包装体1は、上面視略円形状の容器3が用いられているが、例えば、図21に示すように、上面視略四角形状の容器3にオーバーラップフィルム4が装着されているものでもよい。その他、上面視略楕円形状、上面視略六角形状などの略多角形状などの容器3を用いてもよい。
[第7実施形態]
また、上記各実施形態の容器3のフランジ部33の上端面(側壁面部32の上端面)が平坦状であったが(換言すると、フランジ部33(側壁面部32の上縁)が正面視で直線状であったが)、図22乃至図24に示すように、フランジ部33の上端面が高低差を有する非平坦状に形成されていてもよい。図22乃至図24では、容器3は、上面視略楕円形状に形成され、その楕円の短軸側のフランジ部331が長軸側のフランジ部332よりも上方に突出されている。
このようにフランジ部33の上端面が非平坦状であると、容器3に熱収縮装着されたオーバーラップフィルム4は、フランジ部33の高い部分と低い部分の境界辺りでフランジ部33から離反する。このため、この離反部分においてオーバーラップフィルム4とフランジ部33の間に、通気路が生じる。このため、マイクロ波照射時に、発熱部5によってオーバーラップフィルム4に通気部9が生じると略同時に、凹部の加熱対象物2からの蒸気が前記通気部9を通じて速やかに外部へ排出されるようになる。
なお、特に図示しないが、フランジ部の上端面に例えばV字状などの切込み或いは溝が形成されている場合も、上記上端面が非平坦状に形成されているフランジ部33の範疇であり、同様な効果を奏する。また、特に図示しないが、フランジ部の上端面は平坦状であるが、そのフランジ部の一部分が欠損されている場合などでも同様な効果を奏する。
さらに、上記各実施形態では、第1発熱インキ層61及び第2発熱インキ層62を有する発熱部5を図示したが、例えば、図22に示すように、1種の発熱インキ層からなる発熱部5であってもよい。
上記様々な実施形態から選ばれる2つ以上の実施形態を適宜組み合わせてもよく、或いは、上記様々な実施形態から選ばれる1つ又は2つ以上の構成を、それ以外の実施形態に置換などしてもよい。例えば、第2実施形態で示した発熱部の構成を、第3実施形態のラベル7に適用などしてもよい。
1 マイクロ波処理用包装体
2 対象物
3 容器
31 容器の下壁面部
32 容器の側壁面部
33a 側壁面部の外縁(フランジ部の外縁)
34 容器の上方開口部
4 オーバーラップフィルム
5 発熱部
51 第1延在部
52 第2延在部
61 第1インキ層(第1発熱インキ層)
62 第2インキ層(第2発熱インキ層)

Claims (9)

  1. マイクロ波により加熱可能な対象物と、前記対象物が入れられ且つ下壁面部及び側壁面部を有する容器と、前記容器の全体を密封状に被包し且つ前記容器に熱収縮装着された透明なオーバーラップフィルムと、を有し、
    前記オーバーラップフィルムには、前記側壁面部に対応する位置に、マイクロ波を吸収して発熱する発熱部が設けられている、マイクロ波処理用包装体。
  2. 前記容器の上方開口部が、開放されており、
    その開放された上方開口部が、前記オーバーラップフィルムにて閉塞されている、請求項1に記載のマイクロ波処理用包装体。
  3. 前記オーバーラップフィルムのうち前記発熱部が設けられている部分と前記容器の側壁面部との間に、空間が設けられている、請求項1または2に記載のマイクロ波処理用包装体。
  4. 前記オーバーラップフィルムが、前記容器の側面壁部の外縁から下壁面部の周縁において緊張されており、
    前記発熱部の上下方向中間点が前記側壁面部の外縁と側壁面部の上下方向中間点との間に位置するように、前記発熱部が設けられている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のマイクロ波処理用包装体。
  5. 前記発熱部が、容器の左右方向に延びる第1延在部と、前記第1延在部の両端部において前記容器の上下方向に延びる第2延在部と、を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマイクロ波処理用包装体。
  6. 前記発熱部が、マイクロ波吸収性を有するインキ層から構成されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のマイクロ波処理用包装体。
  7. 前記インキ層が、金属粒子を含む第1インキ層と、前記第1インキ層の周囲を取り囲むように設けられたインキ層であって前記第1インキ層よりも周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部が大きい第2インキ層と、を含む、請求項6に記載のマイクロ波処理用包装体。
  8. 前記発熱部が、周波数2.45GHzにおける複素比誘電率の虚数部が100以上のインキ層を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のマイクロ波処理用包装体。
  9. 前記インキ層の厚みが、0.3μm〜20μmである、請求項6乃至8のいずれか一項に記載のマイクロ波処理用包装体。
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