JP7478495B1 - 車椅子移動支援具 - Google Patents
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Abstract
Description
車椅子の移動支援具は、緊急避難が必要な時に、一般の車椅子に簡便かつ短時間で取り付けられることが必要とされる。
また、通常時、車椅子の移動支援具は、スペースをとらずに収納できることが要求される。
したがって、多様な形状を有する車椅子に対して、ユーザの望む適切な角度で取り付けることのできる車椅子移動支援具が望まれている。
従来、車椅子は介助者が後方から押すことによって、移動を補助できるように構成されている。しかしながら、車椅子での災害時等の緊急避難や、車椅子の不整地走行や登り坂における走行の場合、車椅子の後方から両手で押すだけでは、移動が困難である場合が多い。
本発明の車椅子移動支援具は、車椅子のフロントパイプ又はレッグパイプの何れかに、挟着させて着脱自在に取付け可能な取付部材を両端部に備えたパイプフレームを持ち上げた上で牽引することにより、車椅子を人力車のように牽引し、車椅子での災害時等の緊急避難や、車椅子の不整地走行や登り坂における走行移動を容易に支援する。また、災害時に限らず日常生活や旅行などの場合においても、段差や登り坂などが存在する場所での利用が容易となる。
コ字状のパイプフレームとは、2本の並行のパイプフレームとそれらを直交する方向で接続するパイプフレームから成り、平面図でコ字状の形状を呈するパイプフレームである。
フロントパイプ又はレッグパイプの軸方向とパイプフレームの軸方向が略直角ではなく、所定の傾斜が設けられることにより、取付対象となる車椅子のフロントパイプ又はレッグパイプに傾斜が設けられている場合でも、フロントパイプ又はレッグパイプの傾斜による影響を緩和して、パイプフレームを略水平に近い状態に取り付けたり、ユーザの身長・体形やユーザの好み等に合わせて持ち手の高さを自在に調整することが可能である。
図18は車椅子の説明図を示す。一般に車椅子にはフットプレート14やレッグベルト26を支持するためにレッグパイプ12が設けられる。また、レッグパイプ12やアームパイプ15はフロントパイプ11により支持される。本明細書では、図18に示すレッグパイプ12のように、車椅子の前方に向けて下方に傾斜するレッグパイプを「後傾型」、車椅子の後方に向けて下方に傾斜するレッグパイプを「前傾型」と呼ぶ。また、以下において、車椅子に着座した者から見て右側のレッグパイプを「右レッグパイプ」、左側のレッグパイプを「左レッグパイプ」とも呼ぶ。
これにより、車椅子移動支援具を、車椅子に簡便に短時間で取り付け・取り外しすることができる。
挟着部材は、両端を留め具などにより固定することでもよい。
凸部と凹部が係合する構成とされることにより、一対の握り部フレーム安定的に固定できる。また、凹部が複数設けられることにより、凸部を係合させる凹部を適宜調整して、繋ぎ手フレーム相互間の幅を自在に調整できる。したがって、複数の凹部は、所定間隔毎に設けられることが好ましい。
留め具に設けられた雌螺子部は、挟着部材本体に設けられた雄螺子部と螺合する構造である。
長さ調整の機構については、例えば2本の径が異なるパイプフレームで構成される場合、一方のパイプフレームの内径と他方のパイプフレームの外径が略同じで、一方のパイプフレームの管内を他方のパイプフレームがスライド移動できるように構成する。なお、パイプフレームは、軽量の樹脂や金属などから成る。パイプ状にすることにより軽量にできる。
第1のパイプフレーム2aは、握り部フレーム3a、繋ぎ手フレーム4a及び継手部材9aで構成される。取付部材5aは把持部6a、挟着部7a及び位置調整ナット8aを備える。繋ぎ手フレーム4aは、外パイプフレーム42aの内側に内パイプフレーム41aが嵌挿され、長さを自在に調整した上で留め具32aを用いて固定できる。内パイプフレーム41aと握り部フレーム3aの一端は継手部材9aを用いて略直角に接続される。接続には螺子等の留め具(図示せず)を用いている。握り部フレーム3aの他端近傍にはストッパーリング33aが設けられる。
このように、第1の支援部材1aと第2の支援部材1bは、上下に線対称となっている以外は同様の構造であり、以下の第1の支援部材1aに関する説明は、特に限定のない限り、第2の支援部材1bにも当てはまるものとする。
位置決めを行った後、図4(2)に示すように挟着部材本体30を閉じて握り部フレーム(3a,3b)を挟持する。留め具(31a,31b)の内面には図示しないが雌螺子部が設けられており、雄螺子部30bと留め具(31a,31b)をそれぞれ螺合して、図4(3)に示すように固定する。
図7(2)に示す比較例のパイプフレーム200では、1本のパイプを略直角に屈曲してそれぞれ第1のパイプフレーム200aと第2のパイプフレーム200bを形成しているため、屈曲部をある程度湾曲した形状として強度を確保する必要がある。これに対して、図7(1)に示す実施例1のパイプフレーム2では、内パイプフレーム41aと握り部フレーム3aは継手部材9aを用いて略直角に接続されている。同様に、内パイプフレーム41bと握り部フレーム3bについても継手部材9bを用いて略直角に接続されている。そのため、強度を確保しつつ握り部フレーム(3a,3b)の直線状の部位を比較例のパイプフレーム200よりも長く設けることが可能である。これにより、図7(1)及び(2)に示すように、第1のパイプフレーム200aと第2のパイプフレーム200bの間隔を最も小さくした場合の幅W3と、第1のパイプフレーム2aと第2のパイプフレーム2bの間隔を最も小さくした場合の幅W1を比較すると、実施例1のパイプフレーム2の方がより幅を小さくできることが分かる。
したがって、実施例1の構成とすることで幅広いサイズの車椅子に取付可能である。
取付部材(5a,5b)は車椅子に設けられた左右のフロントパイプ11又はレッグパイプ12に取り付けて固定する。本実施例では後傾型のレッグパイプ12に取り付けて固定する例を説明する。
図10は、実施例1の取付部材の取付イメージ図であり、(1)は後傾型の右レッグパイプへの取付イメージ、(2)は前傾型の右レッグパイプへの取付イメージをそれぞれ示している。なおここでは説明の便宜上、パイプフレームや取付部材の形状をデフォルメしている。
比較例の車椅子移動支援具では、レッグパイプ(12,12a)の軸方向に対して、略直角に取り付けられるため、図10(1)の破線に示すように、後傾型のレッグパイプ12に支援具を取り付けると、第1のパイプフレーム200aと第2のパイプフレーム200bの何れを取り付けても、パイプフレームの前方が上方へ上がり過ぎてしまうこととなる。
また、図10(2)の破線に示すように、前傾型のレッグパイプ12aに支援具を取り付けると、第1のパイプフレーム200aと第2のパイプフレーム200bの何れを取り付けても、パイプフレームの前方が下方へ下がり過ぎてしまうこととなる。
また、図10(2)に示すように、前傾型のレッグパイプ12aに対しては、車椅子移動支援具1の上下を反転させて、第2の支援部材1bを右レッグパイプに取り付け、第1の支援部材1aを左レッグパイプに取り付ける(図示せず)ことで、パイプフレーム2を略水平に保つことができる。
また、握り部フレーム(3a,3b)の高さをより低くすることを望んでいる場合は、前傾型のレッグパイプ12aに取り付ける場合であっても、第1の支援部材1aを右レッグパイプに取り付け、第2の支援部材1bを左レッグパイプに取り付けることで、握り部フレーム(3a,3b)の高さをより低くすることも可能である。
このように、実施例1の車椅子移動支援具1を用いることで、取付対象となる車椅子のレッグパイプの形状やユーザのニーズに柔軟に対応して取付できる。
これに対して、実施例1の取付部材5aでは、図12(2)に示すように把持部6a及び挟着部7aが何れも内側に屈曲して形成されるため、レッグパイプ12の径の違いをある程度吸収でき、かつ4つの接触箇所(P1~P4)において挟持でき、安定的な固定が可能となっている。本実施では、径が15mm~32mmのパイプに取付可能であるが、15mm未満のパイプに取付可能な構成としてもよいし、また32mmを超える径のパイプに取付可能な構成としてもよい。
図13に示すように、繋ぎ手フレーム4aは、外パイプフレーム42aの内側に内パイプフレーム41aが嵌挿されている。外パイプフレーム42aと内パイプフレーム41aの断面形状は何れも長円形状となっている。図14(2)に示す比較例の繋ぎ手フレーム40では、外パイプフレーム420aと内パイプフレーム410aの断面形状が何れも略円形状であるため、内パイプフレーム410aが不意に回動するという問題があった。これに対して、実施例1の繋ぎ手フレーム4aでは断面形状が略長円形状であるため、図14(1)に示すように、内パイプフレーム41aが不意に回動することのない構造となっている。
図15(1)に示すように、比較例の車椅子移動支援具100をレッグパイプ12に取り付けた場合は、支援具の前方が上方へ上がり過ぎてしまうが、車椅子移動支援具1は、取付部材(5a,5b)の挟着部位に傾斜が設けられているため、車椅子のレッグパイプ12に略水平に取り付けることが可能である。
これにより図15(2)に示すように、車椅子を牽引する人27は、パイプフレーム2で囲まれた場所に入り、握り部フレーム(3a,3b)のパイプフレーム又は挟着部材3を持ち上げることで容易に前輪21を持ち上げることができ、地、雪道、砂利道、泥沼地などの不整地走行や登り坂における車椅子の走行移動を支援できる。また、災害時等の車椅子の緊急避難の際に限られず、日常生活や旅行などの場合においても、安全で、素早く快適に移動できる。
なお図15では、把持部6と挟着部7がレッグパイプ12を挟み込むようになっているが、例えば車椅子移動支援具1を上下反転させて、フロントパイプ11に取り付けても構わない。
図16(1)に示すように、繋ぎ手フレーム400は、外パイプフレーム42cの内側に内パイプフレーム41cが嵌挿されている。外パイプフレーム42cと内パイプフレーム41cの断面形状は何れも略円形状となっているが、外パイプフレーム42cには凹部44aが設けられ、内パイプフレーム41cには凸部43aが設けられている。凹部44aと凸部43aは嵌合するように設けられているため、入子式となったパイプフレーム部材が不意に回動することを防止できる。
また、図16(2)に示す繋ぎ手フレーム401は、外パイプフレーム42dの内側に内パイプフレーム41dが嵌挿されている。外パイプフレーム42dと内パイプフレーム41dの断面形状は何れも略円形状となっているが、外パイプフレーム42dには凸部43bが設けられ、内パイプフレーム41dには凹部44bが設けられている。凹部44bと凸部43bは嵌合するように設けられているため、入子式となったパイプフレーム部材が不意に回動することを防止できる。
取付部材51は、繋ぎ手フレーム402の端部において内側に屈曲して形成された挟着部71と、挟着部71の前方であって繋ぎ手フレーム402の端部に内側に屈曲して付設された把持部61を備える。具体的には、繋ぎ手フレーム402の側面上にL字金具81dが留め具(図示せず)を用いて固定され、L字金具81dにはレバー81aが軸部81cを軸中心に回動自在に取り付けられている。レバー81aには把持部61が軸部81bを軸中心に回動自在に取り付けられている。
また、レッグパイプ等を挟着する際には、挟着部71と把持部61の間にレッグパイプ等を配置した上で、図17(2)に示す状態から、レバー81aを矢印の方向に移動させることで図17(1)に示す状態となり、レッグパイプ等を挟着できる。
このように、取付部材51は、公知のフック型のトグルクランプと同様の構造を用いたものであり、梃子の原理を利用してレバー81aを操作できるため、挟着時又は解除時の何れにおいても、誰でも容易にワンタッチで操作できる。
1a,101 第1の支援部材
1b 第2の支援部材
2,200 パイプフレーム
2a,200a 第1のパイプフレーム
2b,200b 第2のパイプフレーム
3 挟着部材
3a,3b 握り部フレーム
4a,4b,40,400~402 繋ぎ手フレーム
5,5a,5b,50,51 取付部材
6a,6b,60,61 把持部
7a,7b,71 挟着部
8a,8b 位置調整ナット
9a,9b 継手部材
11 フロントパイプ
12,12a レッグパイプ
13 座シート
14 フットプレート
15 アームパイプ
16 クロスパイプ
17 肘あて
18 背バンド
19 バックレストパイプ
20 後輪(タイヤ)
21 前輪(キャスター)
22 ハンドリム
23 ブレーキレバー
24 ブレーキシュー
25 シャフトプレート
26 レッグベルト
27 車椅子を牽引する人
30 挟着部材本体
30a グリップ
30b 雄螺子部
30c,44a,44b 凹部
30d ヒンジ部
31a,31b,32a,32b 留め具
33a,33b ストッパーリング
41a~41d,410a 内パイプフレーム
42a~42d,420a 外パイプフレーム
43a,43b 凸部
80 ネジ山
81a レバー
81b,81c 軸部
81d L字金具
P1~P6 接触箇所
W1~W3 幅
θ1、θ2 角度
Claims (9)
- 車椅子の左右のフロントパイプ又は左右のレッグパイプの何れかに、挟着させて着脱自在に取付ける一対の取付部材と、前記一対の取付部材が両端部に設けられたコ字状のパイプフレームから成る車椅子移動支援具において、前記パイプフレームは、略直線状の一対の繋ぎ手フレームと、略直線状の一対の握り部フレームと、一対の握り部フレームを両端内部で接続する挟着部材と、繋ぎ手フレームと握り部フレームを直角に繋ぐ一対の継手部材を備え、前記繋ぎ手フレームは、複数の径の異なるパイプフレーム部材から成り、各段のパイプフレーム部材が入子式となっており、多段のパイプフレーム部材が直線的に伸縮して長さが調整できることを特徴とする車椅子移動支援具。
- 前記握り部フレームの端部近傍の外周面に凸部が設けられ、
前記挟着部材は、前記握り部フレームに外嵌する円筒形状で、外周面の中央にグリップ部、外周面の両端に雄螺子部、内周面に前記凸部と係合する複数の凹部が設けられる挟着部材本体と、雌螺子部が設けられた一対の留め具を備え、
前記円筒形状は、2つの半円筒部材がヒンジ部を介して開閉自在に連結されることを特徴とする請求項1に記載の車椅子移動支援具。 - 2つの前記半円筒部材の間に弾性部材が設けられ、前記挟着部材本体に外力が加わらない状態で、前記半円筒部材が開いた状態となることを特徴とする請求項2に記載の車椅子移動支援具。
- 前記繋ぎ手フレームは、断面形状が長円形状若しくは楕円形状、又は凹部若しくは凸部が設けられた形状であることを特徴とする請求項1に記載の車椅子移動支援具。
- 前記握り部フレームは、断面形状が長円形状又は楕円形状であることを特徴とする請求項1に記載の車椅子移動支援具。
- 請求項1~5の何れかに記載の車椅子移動支援具において、
前記取付部材によりフロントパイプ又はレッグパイプに取り付けた際に、フロントパイプ又はレッグパイプの軸方向とパイプフレームの軸方向との間の角度が75~85°である車椅子移動支援具。 - 請求項1~5の何れかに記載の車椅子移動支援具において、
前記取付部材は、
前記パイプフレームの端部に内側に屈曲して形成された挟着部と、該挟着部の前方であってパイプフレームの端部に内側に屈曲して付設された把持部を備え、
前記把持部又は前記挟着部が車椅子のフロントパイプ又はレッグパイプの一部分を把持し、
前記挟着部又は前記把持部が車椅子のフロントパイプ又はレッグパイプの一部分を圧接することを特徴とする車椅子移動支援具。 - 前記把持部が車椅子のフロントパイプ又はレッグパイプの一部分を把持し、前記挟着部が車椅子のフロントパイプ又はレッグパイプの一部分を圧接する場合において、
前記挟着部がパイプフレームの周囲に設けられたネジ山と螺接する位置調整ナットと当接し、該位置調整ナットをパイプフレームの軸心を回転軸として回転させることで、前記挟着部がパイプフレームの軸心に沿って移動し、車椅子のフロントパイプ又はレッグパイプの一部分を圧接することを特徴とする請求項7に記載の車椅子移動支援具。 - 前記把持部又は前記挟着部が、トグルクランプを用いてパイプフレームに取り付けられることを特徴とする請求項7に記載の車椅子移動支援具。
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- 2023-10-16 JP JP2023575708A patent/JP7478495B1/ja active Active
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