JP7476490B2 - 金属酸化物、電界効果型トランジスタ、及び電界効果型トランジスタの製造方法 - Google Patents

金属酸化物、電界効果型トランジスタ、及び電界効果型トランジスタの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属酸化物、電界効果型トランジスタ、及び電界効果型トランジスタの製造方法に関する。
電界効果型トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)は、ゲート電流が低いことに加え、構造が平面的であるため、バイポーラトランジスタと比較して作製及び集積化が容易である。そのため、FETは、現在の電子機器で使用される集積回路では必要不可欠な素子となっている。
電界効果型トランジスタのゲート絶縁層には、従来はシリコン系の絶縁膜が広く用いられていた。しかしながら、近年、電子デバイスの高集積化、低消費電力化の要求が高まり、ゲート絶縁層としてシリコン系の絶縁膜より比誘電率が高い材料を用いる技術が提案されている。比誘電率が高い絶縁性の材料として、アルカリ土類金属や希土類金属の金属酸化物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記金属酸化物を用いた電界効果型トランジスタを製造する際には、ウェットエッチングやドライエッチングによって加工を行うが、配線として用いる金属材料や、活性層となる酸化物半導体との組み合わせによって、複数のエッチング液やプロセスガスを組み合わせて使用する必要があるが、これは製造コストの増加につながる。
本発明は、金属酸化物により形成されたゲート絶縁層を有する電界効果型トランジスタを低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
本発明の電界効果型トランジスタの製造方法は、
ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート電極と、活性層と、ゲート絶縁層と、を有する電界効果型トランジスタの製造方法であって、
前記ゲート絶縁層をエッチングする工程を含み、
前記ゲート絶縁層が、第A元素と、第B元素及び第C元素の少なくともいずれかと、を含有する金属酸化物であり、
前記第A元素が、Sc、Y、Ln(ランタノイド)、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第B元素が、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第C元素が、周期表の第2族元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記ゲート電極、並びに前記活性層の少なくともいずれかを形成する際にエッチング液Aを用い、
前記ゲート絶縁層をエッチングする際に、前記エッチング液Aと同一系統のエッチング液であるエッチング液Bを用いることを特徴とする。
開示された技術によれば、金属酸化物により形成されたゲート絶縁層を有する電界効果型トランジスタを低コストで製造することが可能となる。
図1は、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Aの断面模式図である。 図2Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Aの製造工程を例示する図である(その1)。 図2Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Aの製造工程を例示する図である(その2)。 図2Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Aの製造工程を例示する図である(その3)。 図2Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Aの製造工程を例示する図である(その4)。 図2Eは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Aの製造工程を例示する図である(その5)。 図3は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタ10Bを例示する断面図である。 図4Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Bの製造工程を例示する図である(その1)。 図4Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Bの製造工程を例示する図である(その2)。 図4Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Bの製造工程を例示する図である(その3)。 図4Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Bの製造工程を例示する図である(その4)。 図4Eは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Bの製造工程を例示する図である(その5)。 図5は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタ10Cを例示する断面図である。 図6Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Cの製造工程を例示する図である(その1)。 図6Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Cの製造工程を例示する図である(その2)。 図6Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Cの製造工程を例示する図である(その3)。 図6Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Cの製造工程を例示する図である(その4)。 図6Eは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Cの製造工程を例示する図である(その5)。 図6Fは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Cの製造工程を例示する図である(その6)。 図6Gは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Cの製造工程を例示する図である(その7)。 図7は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタ10Dを例示する断面図である。 図8Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Dの製造工程を例示する図である(その1)。 図8Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Dの製造工程を例示する図である(その2)。 図8Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Dの製造工程を例示する図である(その3)。 図8Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Dの製造工程を例示する図である(その4)。 図8Eは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Dの製造工程を例示する図である(その5)。 図8Fは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Dの製造工程を例示する図である(その6)。 図8Gは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Dの製造工程を例示する図である(その7)。 図9は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタ10Eを例示する断面図である。 図10Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Eの製造工程を例示する図である(その1)。 図10Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Eの製造工程を例示する図である(その2)。 図10Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Eの製造工程を例示する図である(その3)。 図10Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Eの製造工程を例示する図である(その4)。 図11は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタ10Fを例示する断面図である。 図12Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Fの製造工程を例示する図である(その1)。 図12Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Fの製造工程を例示する図である(その2)。 図12Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Fの製造工程を例示する図である(その3)。 図12Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Fの製造工程を例示する図である(その4)。 図13は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタ10Gを例示する断面図である。 図14Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Gの製造工程を例示する図である(その1)。 図14Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Gの製造工程を例示する図である(その2)。 図14Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Gの製造工程を例示する図である(その3)。 図14Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Gの製造工程を例示する図である(その4)。 図14Eは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Gの製造工程を例示する図である(その5)。 図15は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタ10Hを例示する断面図である。 図16Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Hの製造工程を例示する図である(その1)。 図16Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Hの製造工程を例示する図である(その2)。 図16Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Hの製造工程を例示する図である(その3)。 図16Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Hの製造工程を例示する図である(その4)。 図17は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタ10Jを例示する断面図である。 図18Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Jの製造工程を例示する図である(その1)。 図18Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Jの製造工程を例示する図である(その2)。 図18Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Jの製造工程を例示する図である(その3)。 図18Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Jの製造工程を例示する図である(その4)。 図18Eは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Jの製造工程を例示する図である(その5)。 図18Fは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Jの製造工程を例示する図である(その6)。 図19は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタ10Kを例示する断面図である。 図20Aは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Kの製造工程を例示する図である(その1)。 図20Bは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Kの製造工程を例示する図である(その2)。 図20Cは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Kの製造工程を例示する図である(その3)。 図20Dは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Kの製造工程を例示する図である(その4)。 図20Eは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Kの製造工程を例示する図である(その5)。 図20Fは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Kの製造工程を例示する図である(その6)。 図20Gは、実施の形態に係る電界効果型トランジスタ10Kの製造工程を例示する図である(その7)。 図21は、他の実施の形態におけるテレビジョン装置の構成を示すブロック図である。 図22は、他の実施の形態におけるテレビジョン装置の説明図(1)である。 図23は、他の実施の形態におけるテレビジョン装置の説明図(2)である。 図24は、他の実施の形態におけるテレビジョン装置の説明図(3)である。 図25は、他の実施の形態における表示素子の説明図である。 図26は、他の実施の形態における有機ELの説明図である。 図27は、他の実施の形態におけるテレビジョン装置の説明図(4)である。 図28は、他の実施の形態における他の表示素子の説明図(1)である。 図29は、他の実施の形態における他の表示素子の説明図(2)である。 図30は、実施例1-21の結果の代表的なグラフである。
(電界効果型トランジスタの製造方法、及び電界効果型トランジスタ)
本発明の電界効果型トランジスタの製造方法は、ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート電極と、活性層(半導体層ともいう)と、ゲート絶縁層と、を有する電界効果型トランジスタの製造方法である。
前記電界効果型トランジスタの製造方法は、前記ゲート絶縁層をエッチングする工程を含む。
前記電界効果型トランジスタにおいて、前記ゲート絶縁層は、第A元素と、第B元素及び第C元素の少なくともいずれかと、を含有する金属酸化物である。
前記第A元素は、Sc、Y、Ln(ランタノイド)、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種である。Ln(ランタノイド)としては、例えば、La(ランタン)、Ce(セリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)が挙げられる。
前記第B元素は、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種である。
前記第C元素は、周期表の第2族元素からなる群から選択される少なくとも1種である。
前記電界効果型トランジスタの製造方法においては、前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記ゲート電極、並びに前記活性層の少なくともいずれかを形成する際にエッチング液Aを用いる。
前記電界効果型トランジスタの製造方法においては、前記ゲート絶縁層をエッチングする際に、前記エッチング液Aと同一系統のエッチング液であるエッチング液Bを用いる。
本発明の一態様の電界効果型トランジスタは、ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート電極と、活性層と、ゲート絶縁層と、を有する。
前記電界効果型トランジスタにおいては、前記ゲート絶縁層は、エッチングされている。
前記電界効果型トランジスタにおいて、前記ゲート絶縁層は、第A元素と、第B元素及び第C元素の少なくともいずれかと、を含有する金属酸化物である。
前記第A元素は、Sc、Y、Ln(ランタノイド)、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種である。
前記第B元素は、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種である。
前記第C元素は、周期表の第2族元素からなる群から選択される少なくとも1種である。
前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記ゲート電極、並びに前記活性層の少なくともいずれかは、エッチング液Aを用いて形成される。
前記ゲート絶縁層は、前記エッチング液Aと同一系統のエッチング液であるエッチング液Bを用いてエッチングされている。
前記電界効果型トランジスタの製造において、ゲート絶縁層をエッチングにより形成する際に、ソース電極及びドレイン電極、ゲート電極、並びに活性層の少なくともいずれかの形成に用いるエッチング液Aと同一系統のエッチング液であるエッチング液Bを用いることで、両エッチング液の廃液を同一の廃液処理方法により処理することが可能になり、電界効果型トランジスタの製造における廃液処理装置の簡略化、廃液処理工程の簡略化などが可能になり、ひいては、製造コストの低下につながる。
前記エッチング液Aとしては、例えば、硝酸を含有するエッチング液、過酸化水素を含有するエッチング液、シュウ酸を含有するエッチング液などが挙げられる。
前記エッチング液Aと同一系統のエッチング液であるエッチング液Bとしては、例えば、前記エッチング液Aが、硝酸を含有するエッチング液である場合、前記エッチング液Bは、硝酸を含有するエッチング液であり、前記エッチング液Aが、過酸化水素を含有するエッチング液である場合、前記エッチング液Bは、過酸化水素を含有するエッチング液であり、前記エッチング液Aが、シュウ酸を含有するエッチング液である場合、前記エッチング液Bは、シュウ酸を含有するエッチング液である。
ここで、前記エッチング液A及び前記エッチング液Bとは、上記のように、エッチングに寄与する主成分が同じ成分であれば、その濃度は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、前記エッチング液A及び前記エッチング液Bは、上記のように、エッチングに寄与する主成分が同じ成分であれば、その他の構成成分は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
前記エッチング液Aが、硝酸を含有するエッチング液の場合、前記エッチング液Aは、更に燐酸、及び酢酸を含有することが好ましい。
前記エッチング液Bが、硝酸を含有するエッチング液の場合、前記エッチング液Bは、更に燐酸、及び酢酸を含有することが好ましい。
硝酸を含有するエッチング液における硝酸の濃度としては、例えば、5質量%以上30質量%以下が挙げられる。
硝酸を含有するエッチング液における酢酸の濃度としては、例えば、20質量%以上40質量%以下が挙げられる。
硝酸を含有するエッチング液における燐酸の濃度としては、例えば、3質量%以上60質量%以下が挙げられ、より具体的には、例えば、50質量%である。
硝酸を含有するエッチング液の一例は、6質量%の硝酸、25質量%の酢酸、及び50質量%の燐酸を含有する。
硝酸を含有するエッチング液の一例は、25質量%の硝酸、30質量%の酢酸、及び5質量%の燐酸を含有する。
前記エッチング液Aは、例えば、少なくとも前記ゲート電極の形成の際に用いられる。その際、前記ゲート電極は、Al、Mo、Cu、及びAgの少なくともいずれかの金属、それらの2種以上の元素の合金、酸化インジウム、並びに酸化亜鉛の少なくともいずれかを含む導電膜から形成されることが好ましい。
前記エッチング液Aは、例えば、少なくとも前記ソース電極及び前記ドレイン電極の形成の際に用いられる。その際、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極は、Al、Mo、Cu、及びAgの少なくともいずれかの金属、それらの2種以上の元素の合金、酸化インジウム、並びに酸化亜鉛の少なくともいずれかを含む導電膜から形成されることが好ましい。
前記エッチング液Aは、例えば、少なくとも前記活性層の形成の際に用いられる。
前記エッチング液Aに対する、前記ゲート電極のエッチングレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、パターン加工性の観点から0.1nm/s(second)以上20nm/s以下が好ましく、0.1nm/s以上10nm/s以下がより好ましく、0.5nm/s以上5nm/s以下が特に好ましい。
前記エッチング液Aに対する、前記ソース電極及びドレイン電極のエッチングレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、パターン加工性の観点から0.1nm/s以上20nm/s以下が好ましく、0.1nm/s以上10nm/s以下がより好ましく、0.5nm/s以上5nm/s以下が特に好ましい。
前記エッチング液Aに対する、前記活性層のエッチングレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、パターン加工性の観点から0.1nm/s以上20nm/s以下が好ましく、0.1nm/s以上10nm/s以下がより好ましく、0.5nm/s以上5nm/s以下が特に好ましい。
前記ゲート絶縁層となる前記金属酸化物の前記エッチング液Bに対するエッチングレートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、パターン加工性の観点から0.1nm/s以上20nm/s以下が好ましく、0.1nm/s以上10nm/s以下がより好ましく、0.5nm/s以上5nm/s以下が特に好ましい。
前記金属酸化物は、常誘電体アモルファス酸化物を含有するか、又は、常誘電体アモルファス酸化物自体であることが好ましい。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
図1は、本発明により製造される電界効果型トランジスタを例示する断面図である。
図1を参照するに、電界効果型トランジスタ10Aは、基材11と、ゲート電極12と、ゲート絶縁層13と、活性層14と、ソース電極15と、ドレイン電極16と、ゲート電極パッド12Bとを有するボトムゲート/ボトムコンタクト型の電界効果型トランジスタである。なお、電界効果型トランジスタ10Aは、本発明に係る半導体装置の代表的な一例である。
電界効果型トランジスタ10Aでは、絶縁性の基材11上にゲート電極12及び2つのゲート電極パッド12Bが形成され、更に、ゲート電極12及び2つのゲート電極パッド12Bを覆うようにゲート絶縁層13が形成されている。ゲート絶縁層13上には活性層14が形成され、活性層14においてチャネルが形成されるように、活性層14上にソース電極15及びドレイン電極16が形成されている。以下、電界効果型トランジスタ10Aの各構成要素について、詳しく説明する。
なお、本実施の形態では、便宜上、活性層14側を上側又は一方の側、基材11側を下側又は他方の側とする。又、各部位の活性層14側の面を上面又は一方の面、基材11側の面を下面又は他方の面とする。但し、電界効果型トランジスタ10Aは天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。又、平面視とは対象物を基材11の上面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物を基材11の上面の法線方向から視た形状を指すものとする。
<基材>
基材11の形状、構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。基材11の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ガラス基材、セラミック基材、プラスチック基材、フィルム基材等を用いることができる。
ガラス基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無アルカリガラス、シリカガラス等が挙げられる。又、プラスチック基材やフィルム基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。
<ゲート電極>
ゲート電極12は、例えば、基材11上の所定領域に形成されている。ゲート電極12は、ゲート電圧を印加するための電極である。
ゲート電極12の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)等の金属、これらの合金、これら金属の混合物等を用いることができる。又、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ガリウム、酸化ニオブ等の導電性酸化物、これらの複合化合物、これらの混合物等を用いてもよい。
ゲート電極12の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm~1μmが好ましく、50nm~300nmがより好ましい。
<ゲート電極パッド>
前記ゲート電極パッドは、ゲート電極と同一層であり、電気特性評価時にゲート電極へ計測用のプローブをコンタクトするために設けられる。
<ゲート絶縁層>
前記ゲート絶縁層13は、金属酸化物である。
ゲート絶縁層は、一例では、前記ゲート電極12と活性層14とを絶縁するために、ゲート電極12と活性層14との間に設けられる。
前記金属酸化物は、第A元素と、第B元素及び第C元素の少なくともいずれかとを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記第A元素は、Sc、Y、Ln(ランタノイド)、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種である。
前記第B元素は、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種である。
前記第C元素は、周期表の第2族元素からなる群から選択される少なくとも1種である。
前記金属酸化物は、常誘電体アモルファス酸化物を含有するか、又は、常誘電体アモルファス酸化物それ自体で形成されることが好ましい。常誘電体アモルファス酸化物は、大気中において安定であり、かつ広範な組成範囲で安定的にアモルファス構造を形成することができる。但し、金属酸化物の一部に結晶が含まれていてもよい。
アルカリ土類酸化物は大気中の水分や二酸化炭素と反応しやすく、容易に水酸化物や炭酸塩に変化してしまい、単独では電子デバイスへの応用には適さない。又、Ga、Sc、Y、及びCeを除くランタノイド等の単純酸化物は結晶化しやすく、リーク電流が問題となる。しかし、アルカリ土類金属と、Ga、Sc、Y、及びCeを除くランタノイドとの酸化物系は大気中において安定で且つ広範な組成領域でアモルファス膜を形成できる。Ceはランタノイドの中で特異的に4価になりアルカリ土類金属との間でペロブスカイト構造の結晶を形成するため、アモルファス相を得るためには、Ceを除くランタノイドであることが好ましい。
アルカリ土類金属とGa酸化物との間にはスピネル構造等の結晶相が存在するが、これらの結晶はペロブスカイト構造結晶と比較して、非常に高温でないと析出しない(一般には1000℃以上)。又、アルカリ土類金属酸化物とSc、Y、及びCeを除くランタノイドからなる酸化物との間には安定な結晶相の存在が報告されておらず、高温の後工程を経てもアモルファス相からの結晶析出は希である。又、アルカリ土類金属と、Ga、Sc、Y、及びCeを除くランタノイドとの酸化物を3種類以上の金属元素で構成すると、アモルファス相は更に安定する。
金属酸化物に含まれる各々の元素の含有量は特に制限されないが、安定なアモルファス状態を取り得る組成となるように、各々の元素群から選ばれた金属元素が含まれていることが好ましい。
高誘電率膜を作製するという観点からすると、好ましくはBa、Sr、Lu、La等の元素の組成比を高めることが好ましい。
本実施の形態に係る金属酸化物は、広範な組成範囲でアモルファス膜を形成することができるので、物性も広範に制御することができる。例えば、比誘電率は概ね6~20程度とSiOに比較して充分高いが、組成を選択することによって用途に合わせて適切な値に調整することができる。
更に熱膨張係数は、10-6~10-5である一般的な配線材料や半導体材料と同等で、熱膨張係数が10-7台であるSiOと比較して加熱工程を繰り返しても膜の剥離等のトラブルが少ない。特に、a-IGZO等の酸化物半導体とは良好な界面を形成する。
従って、本実施の形態に係る金属酸化物をゲート絶縁層13に用いることにより、高性能な半導体デバイスを得ることができる。
ゲート絶縁層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の絶縁層形成用塗布液を用いて形成する方法が挙げられる。
<<絶縁層形成用塗布液>>
絶縁層形成用塗布液は、例えば、第A元素含有化合物と、第B元素含有化合物及び第C元素含有化合物の少なくともいずれかと、溶媒とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
-第A元素含有化合物-
第A元素含有化合物としては、Sc、Y、Ln(ランタノイド)、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種を含有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機第A元素化合物、有機第A元素化合物などが挙げられる。
無機第A元素化合物としては、例えば、第A元素の硝酸塩、第A元素の硫酸塩、第A元素のフッ化物、第A元素の塩化物、第A元素の臭化物、第A元素のヨウ化物などが挙げられる。
第A元素の硝酸塩としては、例えば、硝酸スカンジウム、硝酸イットリウム、硝酸ランタン、硝酸セリウム、硝酸プラセオジム、硝酸ネオジム、硝酸サマリウム、硝酸ユウロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸テルビウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸ホルミウム、硝酸エルビウム、硝酸ツリウム、硝酸イッテルビウム、硝酸ルテチウム、硝酸アンチモン、硝酸ビスマス、硝酸テルルなどが挙げられる。
第A元素の硫酸塩としては、例えば、硫酸ガリウム、硫酸スカンジウム、硫酸イットリウム、硫酸ランタン、硫酸セリウム、硫酸プラセオジム、硫酸ネオジム、硫酸サマリウム、硫酸ユウロピウム、硫酸ガドリニウム、硫酸テルビウム、硫酸ジスプロシウム、硫酸ホルミウム、硫酸エルビウム、硫酸ツリウム、硫酸イッテルビウム、硫酸ルテチウム、硫酸アンチモン、硫酸ビスマス、硫酸テルルなどが挙げられる。
第A元素のフッ化物としては、例えば、フッ化スカンジウム、フッ化イットリウム、フッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化プラセオジム、フッ化ネオジム、フッ化サマリウム、フッ化ユウロピウム、フッ化ガドリニウム、フッ化テルビウム、フッ化ジスプロシウム、フッ化ホルミウム、フッ化エルビウム、フッ化ツリウム、フッ化イッテルビウム、フッ化ルテチウム、フッ化アンチモン、フッ化ビスマス、フッ化テルルなどが挙げられる。
第A元素の塩化物としては、例えば、塩化スカンジウム、塩化イットリウム、塩化ランタン、塩化セリウム、塩化プラセオジム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化ユウロピウム、塩化ガドリニウム、塩化テルビウム、塩化ジスプロシウム、塩化ホルミウム、塩化エルビウム、塩化ツリウム、塩化イッテルビウム、塩化ルテチウム、塩化アンチモン、塩化ビスマス、塩化テルルなどが挙げられる。
第A元素の臭化物としては、例えば、臭化スカンジウム、臭化イットリウム、臭化ランタン、臭化プラセオジム、臭化ネオジム、臭化サマリウム、臭化ユウロピウム、臭化ガドリニウム、臭化テルビウム、臭化ジスプロシウム、臭化ホルミウム、臭化エルビウム、臭化ツリウム、臭化イッテルビウム、臭化ルテチウム、臭化アンチモン、臭化ビスマス、臭化テルルなどが挙げられる。
第A元素のヨウ化物としては、例えば、ヨウ化スカンジウム、ヨウ化イットリウム、ヨウ化ランタン、ヨウ化セリウム、ヨウ化プラセオジム、ヨウ化ネオジム、ヨウ化サマリウム、ヨウ化ユウロピウム、ヨウ化ガドリニウム、ヨウ化テルビウム、ヨウ化ジスプロシウム、ヨウ化ホルミウム、ヨウ化エルビウム、ヨウ化ツリウム、ヨウ化イッテルビウム、ヨウ化ルテチウム、ヨウ化アンチモン、ヨウ化ビスマス、ヨウ化テルルなどが挙げられる。
有機第A元素化合物としては、第A元素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第A元素と有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基などが挙げられる。アルキル基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~6のアルコキシ基などが挙げられる。アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1~10のアシルオキシ基などが挙げられる。
有機第A元素化合物としては、例えば、酢酸スカンジウム、トリス(シクロペンタジエニル)スカンジウム、イットリウムイソプロポキシド、2-エチルヘキサン酸イットリウム、トリス(アセチルアセトナート)イットリウム、トリス(シクロペンタジエニル)イットリウム、ランタンイソプロポキシド、2-エチルヘキサン酸ランタン、トリス(アセチルアセトナート)ランタン、トリス(シクロペンタジエニル)ランタン、2-エチルヘキサン酸セリウム、トリス(アセチルアセトナート)セリウム、トリス(シクロペンタジエニル)セリウム、プラセオジムイソプロポキシド、シュウ酸プラセオジム、トリス(アセチルアセトナート)プラセオジム、トリス(シクロペンタジエニル)プラセオジム、ネオジムイソプロポキシド、2-エチルヘキサン酸ネオジム、トリフルオロアセチルアセトナートネオジム、トリス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ネオジム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)プロメチウム、サマリウムイソプロポキシド、2-エチルヘキサン酸サマリウム、トリス(アセチルアセトナート)サマリウム、トリス(シクロペンタジエニル)サマリウム、2-エチルヘキサン酸ユウロピウム、トリス(アセチルアセトナート)ユウロピウム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)ユウロピウム、ガドリニウムイソプロポキシド、2-エチルヘキサン酸ガドリニウム、トリス(アセチルアセトナート)ガドリニウム、トリス(シクロペンタジエニル)ガドリニウム、酢酸テルビウム、トリス(アセチルアセトナート)テルビウム、トリス(シクロペンタジエニル)テルビウム、ジスプロシウムイソプロポキシド、酢酸ジスプロシウム、トリス(アセチルアセトナート)ジスプロシウム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)ジスプロシウム、ホルミウムイソプロポキシド、酢酸ホルミウム、トリス(シクロペンタジエニル)ホルミウム、エルビウムイソプロポキシド、酢酸エルビウム、トリス(アセチルアセトナート)エルビウム、トリス(シクロペンタジエニル)エルビウム、酢酸ツリウム、トリス(アセチルアセトナート)ツリウム、トリス(シクロペンタジエニル)ツリウム、イッテルビウムイソプロポキシド、酢酸イッテルビウム、トリス(アセチルアセトナート)イッテルビウム、トリス(シクロペンタジエニル)イッテルビウム、シュウ酸ルテチウム、トリス(エチルシクロペンタジエニル)ルテチウムなどが挙げられる。
絶縁層形成用塗布液における第A元素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-第B元素含有化合物-
第B元素含有化合物としては、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種を含有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機第B元素化合物、有機第B元素化合物などが挙げられる。
無機第B元素化合物としては、例えば、硝酸ガリウム、硫酸ガリウム、フッ化ガリウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、よう化ガリウム、水酸化ガリウム、硫化チタン、フッ化チタン、塩化チタン、臭化チタン、よう化チタン、硫酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、よう化ジルコニウム、硫酸ハフニウム、フッ化ハフニウム、塩化ハフニウム、臭化ハフニウム、よう化ハフニウムなどが挙げられる。
有機第B元素化合物としては、第B元素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第B元素と有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいシクロペンタジエニル基などが挙げられる。アルキル基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~6のアルコキシ基などが挙げられる。アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1~10のアシルオキシ基などが挙げられる。
第B元素の有機化合物としては、例えば、トリス(シクロペンタジエニル)ガリウム、スカンジウムイソプロポキシド、チタンイソプロポキシド、ビス(シクロペンタジエニル)塩化チタン、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ビス(2-エチルヘキサン酸)酸化ジルコニウム、ジルコニウムジ(n-ブトキシド)ビスアセチル汗トナート、テトラキス(アセチルアセトン酸)ジルコニウム、テトラキス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム、ハフニウムブトキシド、ハフニウムイソプロポキシド、テトラキス(2-エチルヘキサン酸)ハフニウム、ハフニウムジ(n―ブトキシド)ビスアセチルアセトナート、テトラキス(アセチルアセトン酸)ハフニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルハフニウムなどが挙げられる。
絶縁層形成用塗布液における第B元素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-第C元素含有化合物-
第C元素含有化合物としては、周期表の第2族元素からなる群から選択される少なくとも1種を含有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機アルカリ土類金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物などが挙げられる。アルカリ土類金属含有化合物におけるアルカリ土類金属としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)が挙げられる。
無機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属フッ化物、アルカリ土類金属臭化物、アルカリ土類金属よう化物などが挙げられる。
アルカリ土類金属硝酸塩としては、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属硫酸塩としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属塩化物としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属フッ化物としては、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属臭化物としては、例えば、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウムなどが挙げられる。
アルカリ土類金属よう化物としては、例えば、よう化マグネシウム、よう化カルシウム、よう化ストロンチウム、よう化バリウムなどが挙げられる。
有機アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。アルカリ土類金属と有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいスルホン酸基などが挙げられる。アルキル基としては、例えば、炭素数1~6のアルキル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、炭素数1~6のアルコキシ基などが挙げられる。アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1~10のアシルオキシ基、安息香酸のように一部がベンゼン環に置換されたアシルオキシ基、乳酸のように一部がヒドロキシ基に置換されたアシルオキシ基、シュウ酸、及びクエン酸のようにカルボニル基を2つ以上有するアシルオキシ基などが挙げられる。
有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、ジエチルマグネシウム、酢酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、アセチルアセトンマグネシウム、2-エチルヘキサン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、アセチルアセトンカルシウム、カルシウムジピバロイルメタナート、2-エチルヘキサン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、ネオデカン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ストロンチウムイソプロポキシド、酢酸ストロンチウム、ギ酸ストロンチウム、アセチルアセトンストロンチウム、2-エチルヘキサン酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、ナフテン酸ストロンチウム、サリチル酸ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、バリウムエトキシド、バリウムイソプロポキシド、酢酸バリウム、ギ酸バリウム、アセチルアセトンバリウム、2-エチルヘキサン酸バリウム、乳酸バリウム、ナフテン酸バリウム、ネオデカン酸バリウム、シュウ酸バリウム、安息香酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウム、ビス(アセチルアセトナート)ベリリウムなどが挙げられる。
絶縁層形成用塗布液における第C元素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-溶媒-
溶媒としては、各種化合物を安定に溶解又は分散する溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、シメン、ペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、シクロヘキシルベンゼン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、テトラリン、デカリン、イソプロパノール、安息香酸エチル、N,N-ジメチルホルムアミド、炭酸プロピレン、2-エチルヘキサン酸、ミネラルスピリッツ、ジメチルプロピレンウレア、4-ブチロラクトン、2-メトキシエタノール、プロピレングリコール、水などが挙げられる。
絶縁層形成用塗布液における溶媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
--絶縁層形成用塗布液を用いたゲート絶縁層の形成方法--
絶縁層形成用塗布液を用いたゲート絶縁層の形成方法の一例について説明する。ゲート絶縁層の形成方法は、塗布工程と、熱処理工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
塗布工程としては、被塗物に絶縁層形成用塗布液を塗布する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶液プロセスとしては、例えば、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート、ノズルプリンティングなどが挙げられる。
熱処理工程としては、被塗物に塗布された絶縁層形成用塗布液を熱処理する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、熱処理する際には、被塗物に塗布された絶縁層形成用塗布液は、自然乾燥などにより乾燥していてもよい。熱処理により、溶媒の乾燥、金属酸化物の生成などが行われる。
熱処理工程では、溶媒の乾燥(以下、「乾燥処理」と称する。)と、金属酸化物の生成(以下、「生成処理」と称する。)とを、異なる温度で行うことが好ましい。即ち、溶媒の乾燥を行った後に、昇温して金属酸化物の生成を行うことが好ましい。金属酸化物の生成の際には、例えば、第A元素含有化合物、第B元素含有化合物、及び第C元素含有化合物の少なくともいずれかの分解が起こる。
乾燥処理の温度としては、特に制限はなく、含有する溶媒に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃~180℃が挙げられる。乾燥においては、低温化のために減圧オーブンなどを使用することが有効である。乾燥処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1分間~1時間が挙げられる。
生成処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上550℃未満が好ましく、200℃~500℃がより好ましい。生成処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間~5時間が挙げられる。
なお、熱処理工程では、乾燥処理及び生成処理を連続して実施してもよいし、複数の工程に分割して実施してもよい。
生成処理の温度は、各種エッチング液のエッチングレートに影響を及ぼす場合があるため、エッチングレートを制御するために、パターニング後に生成処理の温度よりも高い温度で熱処理を施してもよい。
熱処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、被塗物を加熱する方法などが挙げられる。熱処理における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸素雰囲気が好ましい。酸素雰囲気で熱処理を行うことにより、分解生成物を速やかに系外に排出し、金属酸化物の生成を促進させることができる。
熱処理の際には、波長400nm以下の紫外光を乾燥処理後の物質に照射することが、生成処理の反応を促進する上で有効である。波長400nm以下の紫外光を照射することにより、乾燥処理後の物質中に含有される有機物などの化学結合を切断し、有機物を分解できるため、効率的に金属酸化物を形成することができる。波長400nm以下の紫外光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エキシマランプを用いた波長222nmの紫外光などが挙げられる。また、紫外光の照射に代えて、又は併用して、オゾンを付与することも好ましい。オゾンを乾燥処理後の物質に付与することにより、金属酸化物の生成が促進される。
ゲート絶縁層の平均膜厚としては、電極上に形成したゲート絶縁層としては、カバレッジ、耐圧、リーク電流の低減の観点から膜厚を厚くしても良いし、ゲート絶縁層の容量の観点から絶縁性を維持できる範囲で薄くしても良く、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm~3μmが好ましく、30nm~1μmがより好ましい。
ゲート絶縁層の膜厚が大きい場合は、ゲート絶縁層を複数層構成とし複数回に分けて各層を成膜させ、上記膜厚を満たすように適宜調整することもできる(たとえば後述する図5におけるゲート絶縁層131とゲート絶縁層132との合計値)。または、ゲート絶縁層131を複数層構成として、上記膜厚を満たすように適宜調整してもよい(たとえば後述する図9におけるゲート絶縁層131を複数回に分けて塗布形成し上記膜厚範囲となるように調整してもよい。)。
<活性層>
活性層14の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、多結晶シリコン(p-Si)、アモルファスシリコン(a-Si)、酸化物半導体、ペンタセン等の有機半導体等が挙げられる。これらの中でも、活性層14とゲート絶縁層13との界面の安定性の点から、酸化物半導体を用いることが好ましい。
活性層14は、例えば、ゲート電極に所定の電圧を印加することによりソース電極とドレイン電極との間にチャネルが形成される活性層である。
活性層14は、例えば、n型酸化物半導体から形成することができる。
活性層14を構成するn型酸化物半導体は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インジウム(In)、Zn、スズ(Sn)、及びTiの少なくともいずれかと、アルカリ土類元素、又は希土類元素とを含有することが好ましく、Inとアルカリ土類元素、又は希土類元素とを含有することがより好ましい。
希土類元素としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)が挙げられる。
酸化インジウムは、酸素欠損量によって電子キャリア濃度が1018cm-3~1020cm-3程度に変化する。但し、酸化インジウムは酸素欠損ができやすい性質があり、酸化物半導体膜形成後の後工程で、意図しない酸素欠損ができる場合がある。インジウムと、インジウムよりも酸素と結合しやすいアルカリ土類元素や希土類元素との主に2つの金属から酸化物を形成することは、意図しない酸素欠損を防ぐとともに、組成の制御が容易となり電子キャリア濃度を適切に制御しやすい点で特に好ましい。
又、活性層14を構成するn型酸化物半導体は、2価のカチオン、3価のカチオン、4価のカチオン、5価のカチオン、6価のカチオン、7価のカチオン、及び8価のカチオンの少なくともいずれかのドーパントで置換ドーピングされており、ドーパントの価数が、n型酸化物半導体を構成する金属イオン(但し、ドーパントを除く)の価数よりも大きいことが好ましい。なお、置換ドーピングは、n型ドーピングともいう。
<ソース電極及びドレイン電極>
ソース電極15及びドレイン電極16は、図1においては、ゲート絶縁層13上に形成されている。
ソース電極15及びドレイン電極16は、所定の間隔を隔てて形成されている。
ソース電極15及びドレイン電極16は、ゲート電極12へのゲート電圧の印加に応じて電流を取り出すための電極である。
なお、ソース電極15及びドレイン電極16と共に、ソース電極15及びドレイン電極16と接続される配線が同一層に形成されてもよい。
ソース電極15及びドレイン電極16の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記エッチング液Bと同一系統のエッチング液である前記エッチング液Aでエッチング可能な材料が好ましい。そのような材料としては、例えば、前記エッチング液Aでエッチング可能な金属、合金、複数の金属の混合物、導電性酸化物、複合化合物、金属と導電性酸化物の積層膜等であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)等の金属、これらの合金、これら金属の混合物等、を用いることができる。又、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性酸化物、これらの複合化合物、これらの混合物等を用いてもよい。
導電性酸化物、複合化合物、これらの混合物は、多結晶、アモルファスの区別なく使用できるが、アモルファスの方が同一基板上でエッチングレートのばらつきが少なく、精度よくパターニングすることができるため、パターニングプロセス時には、アモルファスであることが好ましい。これらの材料は電極としての導電性を高めるために、熱処理を加えることが知られているが、パターニング精度の観点から熱処理を実施するのはパターニング後が好ましい。
導電性酸化物として、酸化インジウムを含む導電性酸化物としては、錫ドープ酸化インジウム(以下、ITO)、In-ZnO複合酸化物(IZO)が広く知られているが、IZOはアモルファスとして安定であるため、パターニングする際にはより好ましい。
導電性酸化物、複合化合物、これらの混合物を電極として用いる場合、後工程の熱処理等を受け電気抵抗が増加する場合がある。そこで、電極として導電性酸化物、複合化合物、これらの混合物を用いる場合には配線抵抗を加味して導電性の高い金属を積層することが好ましい。導電性の高い金属には、例えば、Ag、Al、Cuなどが挙げられる。この場合には、同一系統のエッチング液で積層した導電性酸化物、複合化合物、これらの混合物を一括エッチングできることが好ましい。
ソース電極15及びドレイン電極16の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm~1μmが好ましく、50nm~300nmがより好ましい。
成膜した各層のパターン形成方法としては、通常、フォトリソグラフィとエッチングによるパターン形成方法が用いられる。エッチング方法としては、目的に応じて適宜ドライエッチング、ウェットエッチングから選択することができるが、製造コストの観点からウェットエッチングが好ましい。ウェットエッチングで用いるエッチング液としては、各層に応じて選択することができるが、同一系統のエッチング液を使用する層が多いほど製造コストの低減につながるため好ましい。一般にコンタミネーションの発生を防止するため、真空プロセスの場合、プロセスチャンバーを各層ごとに区別する必要があるため、エッチングプロセスの一部にドライエッチングを用いる場合、金属系と、酸化物系とで区別することが好ましい。比誘電率の高いゲート絶縁層を、既存のSi系のプロセスで使用される設備に転用する場合においては、金属系のプロセスはそのまま適用されることがある。この場合、ウェットエッチングを用いる層としては、少なくともゲート絶縁層と活性層のエッチングにおいて同一系統のエッチング液を適用することが好ましい。
前記エッチング液Aとしては、例えば、硝酸を含有するエッチング液、過酸化水素を含有するエッチング液、シュウ酸を含有するエッチング液などが挙げられる。
前記エッチング液Aと同一系統のエッチング液であるエッチング液Bとしては、例えば、前記エッチング液Aが、硝酸を含有するエッチング液である場合、前記エッチング液Bは、硝酸を含有するエッチング液であり、前記エッチング液Aが、過酸化水素を含有するエッチング液である場合、前記エッチング液Bは、過酸化水素を含有するエッチング液であり、前記エッチング液Aが、シュウ酸を含有するエッチング液である場合、前記エッチング液Bは、シュウ酸を含有するエッチング液である。
ここで、前記エッチング液A及び前記エッチング液Bとは、上記のように、エッチングに寄与する主成分が同じ成分であれば、その濃度は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、前記エッチング液A及び前記エッチング液Bとは、上記のように、エッチングに寄与する主成分が同じ成分であれば、その他の構成成分は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
前記エッチング液Aが、硝酸を含有するエッチング液の場合、前記エッチング液Aは、更に燐酸、及び酢酸を含有することが好ましい。
前記エッチング液Bが、硝酸を含有するエッチング液の場合、前記エッチング液Bは、更に燐酸、及び酢酸を含有することが好ましい。
(金属酸化物、及び電界効果型トランジスタ)
本発明の金属酸化物は、電界効果型トランジスタのゲート絶縁層として機能する。
前記金属酸化物は、第A元素と、第B元素及び第C元素の少なくともいずれかと、を含有する。
前記第A元素は、Sc、Y、Ln(ランタノイド)、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種である。前記第A元素の詳細及び好ましい態様は、前記電界効果型トランジスタの説明における詳細及び好ましい態様と同じである。
前記第B元素は、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種である。前記第B元素の詳細及び好ましい態様は、前記電界効果型トランジスタの説明における詳細及び好ましい態様と同じである。
前記第C元素が、周期表の第2族元素からなる群から選択される少なくとも1種である。前記第C元素の詳細及び好ましい態様は、前記電界効果型トランジスタの説明における詳細及び好ましい態様と同じである。
前記金属酸化物において、硝酸を含有するウェットエッチング液に対する前記金属酸化物のエッチングレートは、0.1nm/s以上20nm/s以下であり、0.1nm/s以上10nm/s以下が好ましく、0.5nm/s以上5nm/s以下がより好ましい。
本発明及び本明細書における前記エッチングレートを求める際の条件は、通常、以下の通りである。
前記ウェットエッチング液の温度は、通常、35℃である。
前記エッチングレートは、通常、前記金属酸化物を前記ウェットエッチング液に浸漬し、軽く撹拌した際のエッチングレートである。
前記エッチングの深さは、例えば、透過型電子顕微鏡による観察により求めることができる。また、単膜評価、あるいはデバイス作製過程の最上層の評価の場合、原子間力顕微鏡を用いた段差の形状測定により簡易に求めることができる。
前記ウェットエッチング液は、例えば、6質量%の硝酸を含有するウェットエッチング液である。
前記ウェットエッチング液は、例えば、6質量%の硝酸、25質量%の酢酸、及び50質量%の燐酸を含有するウェットエッチング液である。
前記ウェットエッチング液は、例えば、前記電界効果型トランジスタの製造において、前記ゲート絶縁層を形成した後の、活性層、ゲート電極、並びにソース電極及びドレイン電極の少なくともいずれかの形成に用いられるウェットエッチング液である。
ここで、前記活性層、前記ゲート電極、並びに前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくともいずれかは、例えば、前記ゲート絶縁層と接している。
電界効果型トランジスタの製造において、ゲート絶縁層の形成、並びに活性層、ゲート電極、並びにソース電極及びドレイン電極の少なくともいずれかの形成に、製造コスト低減のために同一系統のエッチング液を用いることは有用であるが、更に、タクトタイム、加工形状の観点から、エッチングレートが重要となる。特に、ゲート絶縁層に関しては、活性層、ゲート電極、並びにソース電極及びドレイン電極の少なくともいずれかの形成におけるエッチング液に対するエッチングレートを考慮することが好ましい。
そして、前記金属酸化物においては、硝酸を含有するウェットエッチング液に対する前記金属酸化物のエッチングレートを、0.1nm/s以上とする。例えば、ゲート絶縁層を形成する場合に、前記エッチングレートが0.1nm/s未満であると、通常100nm~300nm程度あるゲート絶縁層の膜厚から、残渣なくパターニングするためにオーバーエッチングを考慮するとエッチングタイムが長くなり、タクトタイムが長くなる。ゲート絶縁層形成後に、前記硝酸を含有するウェットエッチング液を用いてゲート電極を形成する場合に、前記エッチングレートが0.1nm/s未満であると、同様にタクトタイムが長くなる。
また、前記金属酸化物においては、硝酸を含有するウェットエッチング液に対する前記金属酸化物のエッチングレートを、20nm/s以下とする。例えば、ゲート絶縁層形成後に、前記硝酸を含有するウェットエッチング液を用いてゲート電極を形成する場合に、前記エッチングレートが20nm/sを超えると、前記ゲート電極と下層の前記ゲート絶縁層との境界から前記ゲート電極の下地部分である前記ゲート絶縁層が大きくエッチングされる結果、前記ゲート電極の線幅よりも下地の前記ゲート絶縁層の線幅が細くなりやすく(アンダーカット)、極端な場合には前記ゲート電極の下地部分がすべてエッチングされ、前記ゲート電極が剥がれるなどのパターニング不良につながる。以下、この状態が生じることについて具体例を用いて説明する。
前提条件としては、ゲート絶縁層のエッチングレートが20nm/s超であるということは、一般的には、ゲート電極のエッチングレートよりもエッチングレートが速いということである。
例えばエッチングレート6nm/sであるMoを膜厚100nmのゲート電極としたときに、Moの100nmのエッチングに17sかかる。ただし実際にはMoのエッチングムラや膜厚分布等を考慮し1.5倍の時間エッチングする〔約17s×1.5=25sの時間(約8sがオーバーエッチング)〕。このオーバーエッチング時間8sに対し、ゲート絶縁層のエッチングレート20nm/sを考慮すると、ゲート絶縁層160nm分だけエッチングされる。以下にゲート電極幅の設計の観点から簡易的な計算を行う。
ウェットエッチングは等方性エッチングであるので、膜厚方向に160nm分エッチングが進行すれば、面内方向、すなわちゲート電極下地部分もゲート電極パターンの内側方向に向かって160nmエッチングされる。ゲート電極幅が10μmであれば、その下地のゲート絶縁層の幅は10μm-0.16μm×2=9.68μmとなる(配線の両側からエッチングされるため2倍している)。図13の構造を作製する場合には、活性層上にゲート絶縁層のエッチング残渣が残らないようにさらにオーバーエッチング時間を長くする必要がある。ゲート絶縁層のエッチング時間×1.5倍を想定して上記のエッチング時間に加えて追加で4s程度エッチングすると、ゲート絶縁層の幅は10μm-0.24μm×2で、9.52μmとなりゲート電極に対し約5%細くなる。同様の計算をゲート電極がAlの場合に行うと、エッチングレートがMoの2倍なので、ゲート電極の下地となるゲート絶縁層膜の幅は9μm程度となり、ゲート電極幅に対し10%細くなる。ゲート電極幅の設計値がより細い場合(高精細)には、同じエッチング時間でもアンダーカットが進行した状態となり、ゲート電極パターンのエッジが浮いて反ったり、剥がれたりする。
これが不良とならないエッチングレートの上限を20nm/sとした理由である。
本発明の一態様の電界効果型トランジスタは、金属酸化物をゲート絶縁層に用いる。
<実施の形態>
次に、図1に示す電界効果型トランジスタの製造方法について説明する。図2A~図2Eは、実施形態に係る電界効果型トランジスタ10Aの製造工程を例示する図である。
まず、図2Aに示す工程では、ガラス基材等からなる基材11を準備する。そして、基材11上に、スパッタ法等によりアルミニウム(Al)等からなる導電膜を形成し、形成した導電膜をフォトリソグラフィとエッチングによりパターニングして所定形状のゲート電極12、及びゲート電極パッド12Bを形成する。基材11の表面の清浄化及び密着性向上の点で、ゲート電極12及びゲート電極パッド12Bを形成する前に、酸素プラズマ、UVオゾン、UV照射洗浄等の前処理が行われることが好ましい。基材11、ゲート電極12及びゲート電極パッド12Bの材料や厚さは、適宜選択することができる。
ゲート電極12及びゲート電極パッド12Bの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、ディップコーティング法、スピンコート法、ダイコート法等による成膜後、フォトリソグラフィによってパターニングする方法が挙げられる。他の例としては、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法が挙げられる。
次に、図2Bに示す工程では、基材11上に、ゲート電極12及びゲート電極パッド12Bを被覆するゲート絶縁層13を形成する。
ゲート絶縁層13の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、化学気相蒸着(CVD)法、原子層蒸着(ALD)法等の真空プロセスや、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート等の溶液プロセスにより成膜工程が挙げられる。他の例としては、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスが挙げられる。ゲート絶縁層13の材料や厚さは、前述の通り適宜選択することができる。
次に、図2Cに示す工程では、ゲート電極パッド12B上のゲート絶縁層13をエッチングしてスルーホール13Cを形成する。このとき、ゲート電極12をウェットエッチングするためのエッチング液と同一系統のエッチング液としてPAN系エッチング液(燐酸、酢酸、及び硝酸を含有するエッチング液)を用いる場合には、ゲート電極12の最上層を導電性酸化物である多結晶のITOとすることでゲート絶縁層13とのエッチングの選択比を十分に得ることができる。
次に、図2Cに示す工程では、ゲート電極パッド12B上のゲート絶縁層13をエッチングしてスルーホール13Cを形成する。このとき、ゲート電極12をウェットエッチングするためのエッチング液と同一系統のエッチング液としてPAN系エッチング液を用いる場合には、ゲート電極12のPANに対するエッチングレートが大きい場合、ゲート電極パッド12Bを保護する目的で、ゲート電極パッド12Bの最上層を導電性酸化物である多結晶のITOとすることや、ゲート電極パッド12Bの最上層にAl、Al合金、Ti、Wなどを用いることで、ゲート絶縁層13とのエッチングの選択比を十分に得ることができる。
次に、図2Dに示す工程では、ゲート電極パッド12B、スルーホール13C、及びゲート絶縁層13を被覆するように酸化物半導体を成膜し、形成した酸化物半導体をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状の活性層14を形成する。酸化物半導体の成膜方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、化学気相蒸着(CVD)法、原子層蒸着(ALD)法等の真空プロセスや、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート等の溶液プロセスにより成膜工程が挙げられる。酸化物半導体は、例えばn型酸化物半導体から形成することができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液は、ゲート絶縁層13をエッチングしたエッチング液と同一系統のエッチング液を用いることができるが、酸化物半導体のエッチングレート及び、酸化物半導体のエッチング液に対するゲート絶縁層のエッチングレートによって、以下の(i)又は(ii)となる。
(i)ゲート絶縁層13に段差が生じない。
(ii)活性層14と同一形状段差、または活性層14よりもテーパー角の小さい段差、あるいは逆テーパーとなる段差が生じても良いが、ゲート絶縁層13は全溶しない。
なお、図2Dは酸化物半導体のエッチングレートによって、ゲート絶縁層13に活性層14と同一形状の段差が生じた例である。
形成した活性層14は結晶質と非晶質とが混在してもよいが、ウェットエッチングの際にゲート絶縁層13を全溶させないために、ゲート絶縁層13とのエッチングレートの選択比を得る目的で、パターン形成時には非晶質成分が多い方が好ましい。
次に、図2Eに示す工程では、ゲート電極パッド12B、スルーホール13C、ゲート絶縁層13、及び活性層14上全面にソース電極15及びドレイン電極16となる導電膜を形成し、形成した導電膜をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状のソース電極15及びドレイン電極16を形成する。ゲート絶縁層13の表面の清浄化及び密着性向上の点で、ソース電極15及びドレイン電極16となる導電膜を形成する前に、酸素プラズマ、UVオゾン、UV照射洗浄等の前処理が行われることが好ましい。
ソース電極15及びドレイン電極16となる導電膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、ディップコーティング法、スピンコート法、ダイコート法等による成膜後、フォトリソグラフィによってパターニングする方法が挙げられる。他の例としては、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスが挙げられる。ソース電極15及びドレイン電極16となる材料や厚さは、ソース電極15及びドレイン電極16に関する前述の通り適宜選択することができる。
ソース電極15及びドレイン電極16となる導電膜のウェットエッチングに用いるエッチング液は、ゲート絶縁層13をエッチングしたエッチング液と同一系統のエッチング液を用いることができるが、ソース電極15及びドレイン電極16となる導電膜のエッチングレートによって、ゲート絶縁層13にソース電極15及びドレイン電極16と同一形状の段差が生じても良く、ゲート絶縁層13は全溶しない。ゲート絶縁層13が全溶しないために、ソース電極15及びドレイン電極16のエッチングレートは、ゲート絶縁層13のエッチングレートに対し10倍程度速いことが好ましい。
なお、活性層14もソース電極15及びドレイン電極16の形成時にエッチングされるが、活性層14はあらかじめ加熱処理等によりソース電極15及びドレイン電極16となる導電膜とエッチングレートの選択比が十分得られていることが好ましい。
図2Eに示す工程では、更に、ソース電極15側のゲート電極パット12Bと、ソース電極15との間の電気的接続、及びドレイン電極16側のゲート電極パッド12Bと、ドレイン電極16との電気的接続を断つためのエッチングが行われる。
以上の工程により、ボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Aを作製できる。
<実施の形態の変形例(その1)>
実施の形態の変形例(その1)では、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタの例を示す。なお、実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図3は、実施の形態の変形例に係る電界効果型トランジスタを例示する断面図である。
図3を参照するに、電界効果型トランジスタ10Bは、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタである。なお、電界効果型トランジスタ10Bは、本発明に係る半導体装置の代表的な一例である。
電界効果型トランジスタ10Bは、電界効果型トランジスタ10A(図1参照)とは層構造が異なっている。具体的には、電界効果型トランジスタ10Bは、基材11と、基材11上に形成された活性層14と、活性層14上に形成されたソース電極15及びドレイン電極16と、活性層14、ソース電極15及びドレイン電極16上に形成されたゲート絶縁層13と、ゲート絶縁層13上に形成されたゲート電極12とを有している。この場合、少なくともゲート絶縁層13をエッチングする際と、ゲート電極12の形成工程とで同一系統のエッチング液を使用する。
次に、図3に示す電界効果型トランジスタの製造方法について説明する。図4A~図4Eは、実施形態に係る電界効果型トランジスタ10Bの製造工程を例示する図である。
まず、図4Aに示す工程では、ガラス基材等からなる基材11を準備する。そして、基材11上に、酸化物半導体を成膜し、形成した酸化物半導体をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状の活性層14を形成する。
次に、図4Bに示す工程では、基材11及び活性層14上全面にソース電極15及びドレイン電極16となる導電膜を形成し、形成した導電膜をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状のソース電極15及びドレイン電極16を形成する。
次に、図4Cに示す工程では、基材11、活性層14、ゲート電極15及びドレイン電極16を被覆するゲート絶縁層13を形成する。
次に、図4Dに示す工程では、ソース電極15及びドレイン電極16上のゲート絶縁層13をエッチングしてスルーホール13Cを形成する。このとき、活性層14又はソース電極15及びドレイン電極16をウェットエッチングするためのエッチング液と同一系統のエッチング液を用いる。
次に、図4Eに示す工程では、露出したソース電極15及びドレイン電極16、並びにゲート絶縁層13上に全面に、ゲート電極12、並びにソース電極15と外部とを接続するソース配線15A及びドレイン電極16と外部とを接続するドレイン配線16Aとなる導電膜を形成し、形成した導電膜をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状のゲート電極12、並びにソース配線15A及びドレイン配線16Aを形成する。
図4Eに示す工程では、更に、ソース配線15Aと、ゲート電極12との間の電気的接続、及びドレイン配線16Aと、ゲート電極12との電気的接続を断つためのエッチングが行われる。
以上の工程により、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Bを作製できる。
<実施の形態の変形例(その2)>
実施の形態の変形例(その2)では、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタの例を示す。なお、実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図5を参照するに、電界効果型トランジスタ10Cは、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタである。なお、電界効果型トランジスタ10Cは、本発明に係る半導体装置の代表的な一例である。
電界効果型トランジスタ10Cは、電界効果型トランジスタ10B(図3参照)とは層構造が異なっている。具体的には、電界効果型トランジスタ10Cは、基材11と、基材11上に形成された活性層14と、活性層14上に形成された第1のゲート絶縁層131と、第1のゲート絶縁層131に形成されたスルーホール131Cを介して活性層14に接触しているソース電極15及びドレイン電極16と、ソース電極15及びドレイン電極16上に形成された第2のゲート絶縁層132と、第2のゲート絶縁層132上に形成されたゲート電極12とを有している。この場合、第1のゲート絶縁層131及び第2のゲート絶縁層132の少なくともいずれかをエッチングする際と、少なくともソース電極15及びドレイン電極16、及びゲート電極12のいずれかの形成工程とで同一系統のエッチング液を使用する。
この例では、第1のゲート絶縁層131及び第2のゲート絶縁層132の少なくともいずれかが、前記金属酸化物である。
次に、図5に示す電界効果型トランジスタの製造方法について説明する。図6A~図6Gは、実施形態に係る電界効果型トランジスタ10Cの製造工程を例示する図である。
まず、図6Aに示す工程では、ガラス基材等からなる基材11を準備する。そして、基材11上に、酸化物半導体を成膜し、形成した酸化物半導体をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状の活性層14を形成する。
次に、図6B示す工程では、基材11、及び活性層14を被覆する第1のゲート絶縁層131を形成する。
次に、図6Cに示す工程では、ソース電極15及びドレイン電極16を形成するために第1のゲート絶縁層131をエッチングしてスルーホール131Cを形成する。このとき、例えば、活性層14又はソース電極15及びドレイン電極16をウェットエッチングするためのエッチング液と同一系統のエッチング液を用いる。
次に、図6Dに示す工程では、第1のゲート絶縁層131及び露出した活性層14上にソース電極15及びドレイン電極16となる導電膜を形成し、形成した導電膜をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状のソース電極15及びドレイン電極16を形成する。
次に、図6Eに示す工程では、第1のゲート絶縁層131、並びにソース電極15及ドレイン電極16上に、第2のゲート絶縁層132を形成する。
次に、図6Fに示す工程では、ソース配線15A及びドレイン配線16Aを形成するために第2のゲート絶縁層132をエッチングしてスルーホール132Cを形成する。このとき、例えば、活性層14又はソース電極15及びドレイン電極16をウェットエッチングするためのエッチング液と同一系統のエッチング液を用いる。
次に、図6Gに示す工程では、露出したソース電極15及びドレイン電極16、並びに第2のゲート絶縁層132上に全面に、ゲート電極12、並びにソース配線15A及びドレイン配線16Aとなる導電膜を形成し、形成した導電膜をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状のゲート電極12、並びにソース配線15A及びドレイン配線16Aを形成する。
図6Gに示す工程では、更に、ソース配線15Aと、ゲート電極12との間の電気的接続、及びドレイン配線16Aと、ゲート電極12との電気的接続を断つためのエッチングが行われる。
以上の工程により、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Cを作製できる。
<実施の形態の変形例(その3)>
実施の形態の変形例(その3)では、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタの例を示す。なお、実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
図7を参照するに、電界効果型トランジスタ10Dは、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタである。なお、電界効果型トランジスタ10Dは、本発明に係る半導体装置の代表的な一例である。
電界効果型トランジスタ10Dは、電界効果型トランジスタ10B(図3参照)とは層構造が異なっている。具体的には、電界効果型トランジスタ10Dは、基材11と、基材11上に形成された活性層14と、活性層14上に形成された第一のゲート絶縁層131と、第1のゲート絶縁層131に形成されたスルーホール131Cを介して活性層14に接触しているソース電極15及びドレイン電極16と、ソース電極15及びドレイン電極16上に形成された第2のゲート絶縁層132と、第2のゲート絶縁層132上に形成されたゲート電極12とを有している。この場合、第1のゲート絶縁層131及び第2のゲート絶縁層132の少なくともいずれかをエッチングする際と、少なくともソース電極15及びドレイン電極16、及びゲート電極12のいずれかの形成工程とで同一系統のエッチング液を使用する。
この例では、第1のゲート絶縁層131及び第2のゲート絶縁層132の少なくともいずれかが、前記金属酸化物であり、両方が前記金属酸化物であることがより好ましい。
次に、図7に示す電界効果型トランジスタの製造方法について説明する。図8A~図8Gは、実施形態に係る電界効果型トランジスタ10Cの製造工程を例示する図である。
まず、図8Aに示す工程では、ガラス基材等からなる基材11を準備する。そして、基材11上に、酸化物半導体を成膜し、形成した酸化物半導体をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状の活性層14を形成する。
次に、図8B示す工程では、基材11、及び活性層14を被覆する第1のゲート絶縁層131を形成する。
次に、図8Cに示す工程では、ソース電極15及びドレイン電極16を形成するために第1のゲート絶縁層131をエッチングしてスルーホール131Cを形成する。このとき、例えば、活性層14又はソース電極15及びドレイン電極16をウェットエッチングするためのエッチング液と同一系統のエッチング液を用いる。
次に、図8Dに示す工程では、第1のゲート絶縁層131及び露出した活性層14上にソース電極15及びドレイン電極16となる導電膜を形成し、形成した導電膜をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状のソース電極15及びドレイン電極16を形成する。
図8Dに示す工程では、ソース電極15及びドレイン電極16を形成する。このとき、活性層14上の第1のゲート絶縁層131、および活性層14よりも外側の第1のゲート絶縁層131がエッチングされて、活性層14および基材11が露出してもよいし、ゲート絶縁層131が薄く残ってもよい。このとき、例えば、活性層14又はソース電極15及びドレイン電極16をウェットエッチングするためのエッチング液と同一系統のエッチング液を用いる。
次に、図8Eに示す工程では、基材11、活性層14、並びにソース電極15及ドレイン電極16上に、第2のゲート絶縁層132を形成する。
次に、図8Fに示す工程では、ソース配線15A及びドレイン配線16Aを形成するために第2のゲート絶縁層132をエッチングしてスルーホール132Cを形成する。このとき、例えば、活性層14又はソース電極15及びドレイン電極16をウェットエッチングするためのエッチング液と同一系統のエッチング液を用いる。
次に、図8Gに示す工程では、露出したソース電極15及びドレイン電極16、並びに第2のゲート絶縁層132上に全面に、ゲート電極12、並びにソース配線15A及びドレイン配線16Aとなる導電膜を形成し、形成した導電膜をフォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングして所定形状のゲート電極12、並びにソース配線15A及びドレイン配線16Aを形成する。
図8Gに示す工程では、更に、ソース配線15Aと、ゲート電極12との間の電気的接続、及びドレイン配線16Aと、ゲート電極12との電気的接続を断つためのエッチングが行われる。
以上の工程により、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Dを作製できる。
<実施の形態の変形例(その4)>
実施の形態の変形例(その4)では、ボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Eの例を図9に示す。なお、実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する。
図9において、2つのゲート電極パッド12B上には、ソース電極15、及びドレイン電極16と同一層であるゲート電極パッド12Bのキャップ層(エッチングマスク層)がある。
図9に示す電界効果型トランジスタ10Eは、例えば、図10A~図10Dに示す方法で作製される。なお、図10Cに示す構造が作製される際にゲート絶縁層13はエッチング液によりエッチングされる。
<実施の形態の変形例(その5)>
実施の形態の変形例(その5)では、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Fの例を図11に示す。なお、実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する。
図11に示す電界効果型トランジスタ10Fは、例えば、図12A~図12Dに示す方法で作製される。なお、図12Dに示す構造が作製される際にゲート絶縁層13はエッチング液によりエッチングされる。
<実施の形態の変形例(その6)>
実施の形態の変形例(その6)では、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Gの例を図13に示す。なお、実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する。
図13に示す電界効果型トランジスタ10Gは、例えば、図14A~図14Eに示す方法で作製される。なお、図14Eに示す構造が作製される際にゲート絶縁層13はエッチング液によりエッチングされる。図13及び図14Eにおいて、符号20は、導電性を有するゲート電極12の第1のキャップ層を示し、符号21は、ソース電極15、及びドレイン電極16と同一層であるゲート電極12の第2のキャップ層を示す。
<実施の形態の変形例(その7)>
実施の形態の変形例(その7)では、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Hの例を図15に示す。なお、実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する。
図15に示す電界効果型トランジスタ10Hは、例えば、図16A~図16Dに示す方法で作製される。なお、図16Dに示す構造が作製される際に、スルーホール13Cを形成するために、ゲート絶縁層13はエッチング液によりエッチングされる。
<実施の形態の変形例(その8)>
実施の形態の変形例(その8)では、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Jの例を図17に示す。なお、実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する。
図17に示す電界効果型トランジスタ10Jは、例えば、図18A~図18Fに示す方法で作製される。なお、図18Eに示す構造が作製される際に、スルーホール133Cを形成するために、第1のゲート絶縁層131及び第2のゲート絶縁層132はエッチング液によりエッチングされる。
<実施の形態の変形例(その9)>
実施の形態の変形例(その9)では、トップゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Kの例を図19に示す。なお、実施の形態の変形例において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する。
図19に示す電界効果型トランジスタ10Kは、例えば、図20A~図20Gに示す方法で作製される。なお、図20Fに示す構造が作製される際に、スルーホール133Cを形成するために、第1のゲート絶縁層131及び第2のゲート絶縁層132はエッチング液によりエッチングされる。
本発明に係る電界効果型トランジスタの層構造は、特に制限はなく、例えば、図1、3、5、7、9、11、13、15、17、及び19に示す構造を、目的に応じて適宜選択することができる。
他の実施の形態では、実施の形態に係る電界効果型トランジスタを用いた表示素子、画像表示装置、及びシステムの例を示す。なお、この実施の形態において、既に説明した実施の形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
(表示素子)
他の実施の形態に係る表示素子は、少なくとも、光制御素子と、光制御素子を駆動する駆動回路とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
光制御素子としては、駆動信号に応じて光出力を制御する素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、エレクトロクロミック(EC)素子、液晶素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子等が挙げられる。
駆動回路としては、実施の形態に係る電界効果型トランジスタを有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
他の実施の形態に係る表示素子は、実施の形態に係る電界効果型トランジスタを有しているため、ゲート絶縁層13が良好な絶縁性を維持しており、良好な電気特性を得ることができる。その結果、高品質の表示を行うことが可能となる。
(画像表示装置)
他の実施の形態に係る画像表示装置は、少なくとも、他の実施の形態に係る複数の表示素子と、複数の配線と、表示制御装置とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
複数の表示素子としては、マトリックス状に配置された複数の他の実施の形態に係る表示素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
複数の配線は、複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧と画像データ信号とを個別に印加可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
表示制御装置としては、画像データに応じて、各電界効果型トランジスタのゲート電圧と信号電圧とを複数の配線を介して個別に制御可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
他の実施の形態に係る画像表示装置は、実施の形態に係る電界効果型トランジスタを備えた表示素子を有しているため、高品質の画像を表示することが可能となる。
(システム)
他の実施の形態に係るシステムは、少なくとも、他の実施の形態に係る画像表示装置と、画像データ作成装置とを有する。
画像データ作成装置は、表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、画像データを画像表示装置に出力する。
システムは、他の実施の形態に係る画像表示装置を備えているため、画像情報を高精細に表示することが可能となる。
以下、他の実施の形態に係る表示素子、画像表示装置、及びシステムについて、具体的に説明する。
図21には、他の実施の形態に係るシステムとしてのテレビジョン装置500の概略構成が示されている。なお、図21における接続線は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
他の実施の形態に係るテレビジョン装置500は、主制御装置501、チューナ503、ADコンバータ(ADC)504、復調回路505、TS(Transport Stream)デコーダ506、音声デコーダ511、DAコンバータ(DAC)512、音声出力回路513、スピーカ514、映像デコーダ521、映像・OSD合成回路522、映像出力回路523、画像表示装置524、OSD描画回路525、メモリ531、操作装置532、ドライブインターフェース(ドライブIF)541、ハードディスク装置542、光ディスク装置543、IR受光器551、及び通信制御装置552等を備えている。
主制御装置501は、テレビジョン装置500の全体を制御し、CPU、フラッシュROM、及びRAM等から構成されている。フラッシュROMには、CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム、及びCPUでの処理に用いられる各種データ等が格納されている。又、RAMは、作業用のメモリである。
チューナ503は、アンテナ610で受信された放送波の中から、予め設定されているチャンネルの放送を選局する。ADC504は、チューナ503の出力信号(アナログ情報)をデジタル情報に変換する。復調回路505は、ADC504からのデジタル情報を復調する。
TSデコーダ506は、復調回路505の出力信号をTSデコードし、音声情報及び映像情報を分離する。音声デコーダ511は、TSデコーダ506からの音声情報をデコードする。DAコンバータ(DAC)512は、音声デコーダ511の出力信号をアナログ信号に変換する。
音声出力回路513は、DAコンバータ(DAC)512の出力信号をスピーカ514に出力する。映像デコーダ521は、TSデコーダ506からの映像情報をデコードする。映像・OSD合成回路522は、映像デコーダ521の出力信号とOSD描画回路525の出力信号を合成する。
映像出力回路523は、映像・OSD合成回路522の出力信号を画像表示装置524に出力する。OSD描画回路525は、画像表示装置524の画面に文字や図形を表示するためのキャラクタ・ジェネレータを備えており、操作装置532やIR受光器551からの指示に応じて表示情報が含まれる信号を生成する。
メモリ531には、AV(Audio-Visual)データ等が一時的に蓄積される。操作装置532は、例えばコントロールパネル等の入力媒体(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報を主制御装置501に通知する。ドライブIF541は、双方向の通信インターフェースであり、一例としてATAPI(AT Attachment Packet Interface)に準拠している。
ハードディスク装置542は、ハードディスクと、このハードディスクを駆動するための駆動装置等から構成されている。駆動装置は、ハードディスクにデータを記録するとともに、ハードディスクに記録されているデータを再生する。光ディスク装置543は、光ディスク(例えば、DVD)にデータを記録するとともに、光ディスクに記録されているデータを再生する。
IR受光器551は、リモコン送信機620からの光信号を受信し、主制御装置501に通知する。通信制御装置552は、インターネットとの通信を制御する。インターネットを介して各種情報を取得することができる。
画像表示装置524は、一例として図22に示されるように、表示器700、及び表示制御装置780を有している。表示器700は、一例として図23に示されるように、複数(ここでは、n×m個)の表示素子702がマトリックス状に配置されたディスプレイ710を有している。
又、ディスプレイ710は、一例として図24に示されるように、X軸方向に沿って等間隔に配置されているn本の走査線(X0、X1、X2、X3、・・・・・、Xn-2、Xn-1)、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本のデータ線(Y0、Y1、Y2、Y3、・・・・・、Ym-1)、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本の電流供給線(Y0i、Y1i、Y2i、Y3i、・・・・・、Ym-1i)を有している。そして、走査線とデータ線とによって、表示素子702を特定することができる。
各表示素子702は、一例として図25に示されるように、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子750と、この有機EL素子750を発光させるためのドライブ回路720とを有している。すなわち、ディスプレイ710は、いわゆるアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイである。又、ディスプレイ710は、カラー対応の32インチ型のディスプレイである。なお、大きさは、これに限定されるものではない。
有機EL素子750は、一例として図26に示されるように、有機EL薄膜層740と、陰極712と、陽極714とを有している。
有機EL素子750は、例えば、電界効果型トランジスタの横に配置することができる。この場合、有機EL素子750と電界効果型トランジスタとは、同一の基材上に形成することができる。但し、これに限定されず、例えば、電界効果型トランジスタの上に有機EL素子750が配置されても良い。この場合には、ゲート電極に透明性が要求されるので、ゲート電極には、ITO(Indium Tin Oxide)、In、SnO、ZnO、Gaが添加されたZnO、Alが添加されたZnO、Sbが添加されたSnO等の導電性を有する透明な酸化物が用いられる。
有機EL素子750において、陰極712には、Alが用いられている。なお、Mg-Ag合金、Al-Li合金、ITO等を用いても良い。陽極714には、ITOが用いられている。なお、In、SnO、ZnO等の導電性を有する酸化物、Ag-Nd合金等を用いても良い。
有機EL薄膜層740は、電子輸送層742と発光層744と正孔輸送層746とを有している。そして、電子輸送層742に陰極712が接続され、正孔輸送層746に陽極714が接続されている。陽極714と陰極712との間に所定の電圧を印加すると発光層744が発光する。
又、図25に示すように、ドライブ回路720は、2つの電界効果型トランジスタ810及び820、コンデンサ830を有している。電界効果型トランジスタ810は、スイッチ素子として動作する。ゲート電極Gは、所定の走査線に接続され、ソース電極Sは、所定のデータ線に接続されている。又、ドレイン電極Dは、コンデンサ830の一方の端子に接続されている。
コンデンサ830は、電界効果型トランジスタ810の状態、すなわちデータを記憶しておくためのものである。コンデンサ830の他方の端子は、所定の電流供給線に接続されている。
電界効果型トランジスタ820は、有機EL素子750に大きな電流を供給するためのものである。ゲート電極Gは、電界効果型トランジスタ810のドレイン電極Dと接続されている。そして、ドレイン電極Dは、有機EL素子750の陽極714に接続され、ソース電極Sは、所定の電流供給線に接続されている。
そこで、電界効果型トランジスタ810が「オン」状態になると、電界効果型トランジスタ820によって、有機EL素子750は駆動される。
表示制御装置780は、一例として図27に示されるように、画像データ処理回路782、走査線駆動回路784、及びデータ線駆動回路786を有している。
画像データ処理回路782は、映像出力回路523の出力信号に基づいて、ディスプレイ710における複数の表示素子702の輝度を判断する。走査線駆動回路784は、画像データ処理回路782の指示に応じてn本の走査線に個別に電圧を印加する。データ線駆動回路786は、画像データ処理回路782の指示に応じてm本のデータ線に個別に電圧を印加する。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係るテレビジョン装置500では、映像デコーダ521と映像・OSD合成回路522と映像出力回路523とOSD描画回路525とによって画像データ作成装置が構成されている。
又、上記においては、光制御素子が有機EL素子の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、液晶素子、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子であってもよい。
例えば、光制御素子が液晶素子の場合は、上記ディスプレイ710として、液晶ディスプレイ用いる。この場合においては、図28に示されるように、表示素子703における電流供給線は不要となる。
又、この場合では、一例として図29に示されるように、ドライブ回路730は、図25に示される電界効果型トランジスタ(810、820)と同様な1つの電界効果型トランジスタ840のみで構成することができる。電界効果型トランジスタ840では、ゲート電極Gが所定の走査線に接続され、ソース電極Sが所定のデータ線に接続されている。又、ドレイン電極Dが液晶素子770の画素電極、及びコンデンサ760に接続されている。なお、図29における符号762、772は、夫々コンデンサ760、液晶素子770の対向電極(コモン電極)である。
又、上記実施の形態では、システムがテレビジョン装置の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに画像や情報を表示する装置として上記画像表示装置524を備えていれば良い。例えば、コンピュータ(パソコンを含む)と画像表示装置524とが接続されたコンピュータシステムであっても良い。
又、携帯電話、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置、電子BOOK、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報機器、スチルカメラやビデオカメラ等の撮像機器における表示手段に画像表示装置524を用いることができる。又、車、航空機、電車、船舶等の移動体システムにおける各種情報の表示手段に画像表示装置524を用いることができる。更に、計測装置、分析装置、医療機器、広告媒体における各種情報の表示手段に画像表示装置524を用いることができる。
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、図1に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタを作製した。
<ゲート電極の形成>
基材11上に、厚み100nmとなるようにスパッタ法を用いてTi膜を形成した。形成したTi膜上にフォトリソグラフィによりレジストパターンを形成し、ドライエッチング法によりエッチングを行って、所定の形状のゲート電極12、及びゲート電極パッド12Bを形成した(図2A)。
<ゲート絶縁層の形成>
-ゲート絶縁層形成用塗布液の作製-
2-エチルヘキサン酸ビスマス2-エチルヘキサン酸溶液(Bi:25質量%)と2-エチルヘキサン酸ハフニウム2-エチルヘキサン酸溶液(Hf:24質量%)とを用意し、各金属元素が60mmolと40mmolとなるように秤量し、フラスコで混合した。更に2-エチルヘキサン酸(オクチル酸)を、溶媒の全量が全体で1000mLとなるように添加し、室温で混合して溶解させ、ゲート絶縁層形成用塗布液1-1を作製した。
ゲート絶縁層形成用塗布液1-1(0.6mL)をゲート電極12上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(500rpmで5秒間回転させた後、3000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止めた)。
続いて、基板を120℃に加熱したホットプレート上で10分間乾燥させた後、大気雰囲気中400℃で1時間焼成し、ゲート絶縁層13を得た(図2B)。得られたゲート絶縁層13の平均厚みは約150nmであった。
続いて、形成したゲート絶縁層13上にフォトリソグラフィによりレジストパターンを形成し、PAN系エッチング液を用いてエッチングを行って、所定の形状のゲート絶縁層13のスルーホール13Cをゲート電極パッド12B上に形成した(図2C)。
続いて、更に大気雰囲気中で500℃で1時間アニールした。
<活性層の形成>
次に、前記ゲート絶縁層13上にDCマグネトロンスパッタリング法でIGZOを20nm成膜し、フォトリソグラフィによりレジストパターンを形成し、PAN系エッチング液を用いて所定の形状を形成し、さらに、その基板を大気雰囲気中において500℃で1時間アニールし、活性層14を得た。
<ソース電極及びドレイン電極の形成>
厚み100nmとなるようにスパッタ法を用いてTi膜を形成した。形成したTi膜上にフォトリソグラフィによりレジストパターンを形成し、ドライエッチング法によりエッチングを行って、所定の形状のソース電極15及びドレイン電極16を形成し、更に大気雰囲気中で300℃で1時間アニールした。
以上により、電界効果型トランジスタを作製した。
(実施例2~4)
実施例2~4では、図1に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Aを作製した。
表1-1、表1-2、及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
(実施例5~6)
実施例5~6では、図3に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Bを作製した。
表1-1、表1-2、及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
(実施例7~10)
実施例7~10では、図5に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Cを作製した。
表1-1、表1-2、及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
(実施例11~12)
実施例11~12では、図7に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Dを作製した。
表1-1、表1-2、及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
(実施例13)
実施例13では、図9に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Eを作製した。
表1-1、表1-2、及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
(実施例14)
実施例14では、図11に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Fを作製した。
表1-1、表1-2、及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
(実施例15~16)
実施例15~16では、図13に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Gを作製した。
表1-1、表1-2、及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
(実施例17)
実施例17では、図15に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Hを作製した。
表1-1、表1-2、及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
(実施例18~19)
実施例18~19では、図17に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Jを作製した。
表1-1、表1-2、表1-3及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
なお、層間絶縁層132はゲート絶縁層13と同様のゲート絶縁層形成用塗布液、焼成条件により得た。ゲート絶縁層13、及び層間絶縁層132に形成するスルーホール133Cはゲート絶縁層13、及び層間絶縁層132を一括エッチングすることで形成した。
(実施例20~21)
実施例20~21では、図19に示すボトムゲート/トップコンタクト型の電界効果型トランジスタ10Kを作製した。
表1-1、表1-2、表1-3及び表2に記載されたような作製方法、各層の材料、及びパターン形成方法を用いた。
なお、コンタクト電極15A、16Aはソース電極15及びドレイン電極16と同じ形成条件により形成した。
また、層間絶縁層132はゲート絶縁層13と同様のゲート絶縁層形成用塗布液、焼成条件により得た。ゲート絶縁層13、及び層間絶縁層132に形成するスルーホール133Cはゲート絶縁層13、及び層間絶縁層132を一括エッチングすることで形成した。
Figure 0007476490000001
Figure 0007476490000002
Figure 0007476490000003
表1-1、表1-2、及び表1-3中、「BT」は、ボトムゲート/トップコンタクト型を表す。「TT」は、トップゲート/トップコンタクト型を表す。「RT」は、室温を表す。「PAN系1」は、硝酸、燐酸、及び酢酸を含有するエッチング液1を表す。「PAN系2」は、硝酸、燐酸、及び酢酸を含有するエッチング液2(エッチング液1とは組成比率が異なる)を表す。
表1-1、及び表1-2中、「IGZO」は、InGaZnOを表し、「IMAO」は、InMg0.99Al0.01を表す。
表1-1中、ゲート絶縁層の項目の「1st」は、第1のゲート絶縁層を表し、「2nd」は、第2のゲート絶縁層を表す。
以下の表2は、ゲート絶縁層形成用塗布液の配合を表す。
Figure 0007476490000004
表2において、各種原料、溶媒における名称は以下のとおりである。
<原料A>
Bi(C15 : トリス(2-エチルヘキサン酸)ビスマス
Y(NO・6HO : 硝酸イットリウム六水和物
Sc(NO・5HO : 硝酸スカンジウム五水和物
Sb(C : トリフェニルアンチモン
La(C15 : トリス(2-エチルヘキサン酸)ランタン
Ce(C15 : トリス(2-エチルヘキサン酸)セリウム
TeCl : 塩化テルル
Bi(NO・5HO : 硝酸ビスマス五水和物
Lu(NO・HO : 硝酸ルテチウム一水和物
<原料B>
Hf(C15 : テトラ(2-エチルヘキサン酸)ハフニウム
Zr(acac) :ジルコニウムアセチルアセトナート
Ti(OC : チタンテトラブトキシド
GaCl : 塩化ガリウム
ZrO(NO・2HO : 硝酸酸化ジルコニウム二水和物
<原料C>
Mg(NO・6HO : 硝酸マグネシウム六水和物
Ba(C1019 : ビス(ネオデカン酸)バリウム
Sr(C1019 : ビス(ネオデカン酸)ストロンチウム
CaCl・2HO : 塩化カルシウム二水和物
<溶媒D>
PGME : プロピレングリコールモノメチルエーテル
DMF : N,N-ジメチルホルムアミド
<溶媒F>
PG : プロピレングリコール
CHB : シクロヘキシルベンゼン
EG : エチレングリコール
DMI : 1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
<溶媒F>
O : 水
0.2M-HCl : 0.2M塩酸
0.1M-HNO 0.1M硝酸水溶液
また、塗布液1-1~塗布液1~8からなるゲート絶縁層、及び他の材料の、各エッチング液に対するエッチングレートを表3に示す。
エッチングレートは、ウェットエッチング液にエッチング対象物を浸漬し、軽く撹拌した際のエッチングレートである。
エッチングの深さは、透過型電子顕微鏡による観察により求めた。
Figure 0007476490000005
ここで、 各エッチング液の組成は以下の通りである。
PAN系1:HPO 50質量%,CHCOOH 25質量%, 及びHNO 6質量%を含む水溶液
PAN系2:HPO 5質量%,CHCOOH 30質量%, 及びHNO 25質量%を含む水溶液
過酸化水素系:過酸化水素 6質量%, 及びCHCOOH 25質量%を含む水溶液
シュウ酸系:5質量%シュウ酸を含む水溶液
<評価>
-キャリア移動度、及びon/off比-
得られた電界効果型トランジスタについて、半導体パラメータ・アナライザ装置(アジレントテクノロジー社製、半導体パラメータ・アナライザB1500A)を用いてソース・ドレイン電圧Vdsを10Vとした時のゲート電圧Vgsとソース・ドレイン間電流Idsとの関係を求めた。実施例1-21の結果の代表的なグラフを図30に示す。図から、ヒステリシスのない良好なトランジスタ特性が得られていることが確認できた。なお、図30において、「e」は、10のべき乗を表す。例えば、「1e-10」は、1×10-10を表す。
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート電極と、活性層と、ゲート絶縁層と、を有する電界効果型トランジスタの製造方法であって、
前記ゲート絶縁層をエッチングする工程を含み、
前記ゲート絶縁層が、第A元素と、第B元素及び第C元素の少なくともいずれかと、を含有する金属酸化物であり、
前記第A元素が、Sc、Y、Ln(ランタノイド)、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第B元素が、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第C元素が、周期表の第2族元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記ゲート電極、並びに前記活性層の少なくともいずれかを形成する際にエッチング液Aを用い、
前記ゲート絶縁層をエッチングする際に、前記エッチング液Aと同一系統のエッチング液であるエッチング液Bを用いることを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法である。
<2> 前記エッチング液Aが、少なくとも前記ゲート電極の形成の際に用いられる前記<1>に記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<3> 前記エッチング液Aが、少なくとも前記ソース電極及び前記ドレイン電極の形成の際に用いられる前記<1>から<2>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<4> 前記エッチング液Aが、少なくとも前記活性層の形成の際に用いられる前記<1>から<3>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<5> 前記エッチング液Aが、硝酸を含有するエッチング液であり、
前記エッチング液Bが、硝酸を含有するエッチング液である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<6> 前記活性層が、酸化物半導体である前記<1>から<5>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<7> 前記金属酸化物が、前記第B元素を含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<8> 前記金属酸化物が、前記第C元素を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<9> 前記ゲート絶縁層をエッチングする工程によりスルーホールが形成される前記<1>から<8>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法である。
<10> ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート電極と、前記ゲート電極に所定の電圧を印加することにより前記ソース電極と前記ドレイン電極との間にチャネルが形成される活性層と、前記ゲート電極と前記活性層との間に設けられたゲート絶縁層と、を有する電界効果型トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が、エッチングされており、
前記ゲート絶縁層が、第A元素と、第B元素及び第C元素の少なくともいずれかと、を含有する金属酸化物であり、
前記第A元素が、Sc、Y、Ln(ランタノイド)、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第B元素が、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第C元素が、周期表の第2族元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記ゲート電極、並びに前記活性層の少なくともいずれかが、エッチング液Aを用いて形成され、
前記ゲート絶縁層が、前記エッチング液Aと同一系統のエッチング液であるエッチング液Bを用いてエッチングされていることを特徴とする電界効果型トランジスタである。
<11> 電界効果型トランジスタのゲート絶縁層として機能する金属酸化物であって、
第A元素と、第B元素及び第C元素の少なくともいずれかと、を含有し、
前記第A元素が、Sc、Y、Ln(ランタノイド)、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第B元素が、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記第C元素が、周期表の第2族元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
硝酸を含有するウェットエッチング液に対する前記金属酸化物のエッチングレートが、0.1nm/s以上20nm/s以下であることを特徴とする金属酸化物である。
<12> 前記ウェットエッチング液が、6質量%の硝酸を含有するウェットエッチング液である前記<11>に記載の金属酸化物である。
<13> 前記ウェットエッチング液が、50質量%の燐酸を含有するウェットエッチング液である前記<11>から<12>のいずれかに記載の金属酸化物である。
<14> 前記ウェットエッチング液が、6質量%の硝酸、25質量%の酢酸、及び50質量%の燐酸を含有するウェットエッチング液である前記<13>に記載の金属酸化物。
<15> 前記ウェットエッチング液が、前記電界効果型トランジスタの製造において、前記ゲート絶縁層を形成した後の、活性層、ゲート電極、並びにソース電極及びドレイン電極の少なくともいずれかの形成に用いられるウェットエッチング液である前記<11>から<14>のいずれかに記載の金属酸化物である。
<16> 前記活性層、前記ゲート電極、並びに前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくともいずれかが、前記ゲート絶縁層と接している前記<15>に記載の金属酸化物である。
<17> 前記<11>から<16>のいずれかに記載の金属酸化物をゲート絶縁層に用いたことを特徴とする電界効果型トランジスタである。
10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G、10H、10J、10K 電界効果型トランジスタ
11 基材
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁層
13C スルーホール
14 活性層
15 ソース電極
15A コンタクト電極
16 ドレイン電極
16A コンタクト電極
131 第1のゲート絶縁層
131C スルーホール
131D スルーホール
132 第2のゲート絶縁層
132C スルーホール
特開2015-111653号公報

Claims (14)

  1. ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート電極と、活性層と、ゲート絶縁層と、を有する電界効果型トランジスタの製造方法であって、
    前記ゲート絶縁層をエッチングする工程を含み、
    前記ゲート絶縁層が、第A元素と、第B元素及び第C元素と、を含有する金属酸化物であり、
    前記第A元素が、Sc、Y、La、Ce、Lu、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第B元素が、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第C元素が、Mg、Ba、Sr、及びCaからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記ゲート絶縁層において前記第B元素の原子数は前記第C元素の原子数以上であり、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記ゲート電極、並びに前記活性層の少なくともいずれかを形成する際にエッチング液Aを用い、
    前記ゲート絶縁層をエッチングする際に、前記エッチング液Aとエッチングに寄与する主成分が同じエッチング液であるエッチング液Bを用い、
    前記エッチング液Aに対する、前記ソース電極及び前記ドレイン電極、及び/又は、前記活性層のエッチングレートが0.1nm/s以上20nm/s以下であり、且つ、前記エッチング液Bに対する前記ゲート絶縁層のエッチングレートが0.1nm/s以上20nm/s以下であり、
    前記エッチング液A及び前記エッチング液Bは、硝酸、燐酸、及び酢酸を含有するエッチング液であり、
    前記金属酸化物が、アンチモンジルコニウムバリウム酸化物、ランタンチタンストロンチウム酸化物、セリウムジルコニウムバリウム酸化物、テルルガリウムカルシウム酸化物、ビスマスジルコニウムマグネシウム酸化物、及びルテチウムジルコニウムマグネシウム酸化物のいずれかであることを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
  2. 前記エッチング液Aが、少なくとも前記ゲート電極の形成の際に用いられる請求項1に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  3. 前記エッチング液Aが、少なくとも前記ソース電極及び前記ドレイン電極の形成の際に用いられる請求項1からのいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  4. 前記エッチング液Aが、少なくとも前記活性層の形成の際に用いられる請求項1からのいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  5. 前記活性層が、酸化物半導体である請求項1からのいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  6. 前記ゲート絶縁層をエッチングする工程によりスルーホールが形成される請求項1からのいずれかに記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
  7. ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート電極と、活性層と、ゲート絶縁層と、を有する電界効果型トランジスタであって、
    前記ゲート絶縁層が、エッチングされており、
    前記ゲート絶縁層が、第A元素と、第B元素及び第C元素と、を含有する金属酸化物であり、
    前記第A元素が、Sc、Y、La、Ce、Lu、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第B元素が、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第C元素が、Mg、Ba、Sr、及びCaからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記ゲート絶縁層において前記第B元素の原子数は前記第C元素の原子数以上であり、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極、前記ゲート電極、並びに前記活性層の少なくともいずれかが、エッチング液Aを用いて形成され、
    前記ゲート絶縁層が、前記エッチング液Aとエッチングに寄与する主成分が同じエッチング液であるエッチング液Bを用いてエッチングされ、
    前記エッチング液Aに対する、前記ソース電極及び前記ドレイン電極、及び/又は、前記活性層のエッチングレートが0.1nm/s以上20nm/s以下であり、且つ、前記エッチング液Bに対する前記ゲート絶縁層のエッチングレートが0.1nm/s以上20nm/s以下であり、
    前記エッチング液A及び前記エッチング液Bは、硝酸、燐酸、及び酢酸を含有するエッチング液であり、
    前記金属酸化物が、アンチモンジルコニウムバリウム酸化物、ランタンチタンストロンチウム酸化物、セリウムジルコニウムバリウム酸化物、テルルガリウムカルシウム酸化物、ビスマスジルコニウムマグネシウム酸化物、及びルテチウムジルコニウムマグネシウム酸化物のいずれかであることを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  8. 電界効果型トランジスタのゲート絶縁層として機能する金属酸化物であって、
    第A元素と、第B元素及び第C元素と、を含有し、
    前記第A元素が、Sc、Y、La、Ce、Lu、Sb、Bi及びTeからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第B元素が、Ga、Ti、Zr及びHfからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第C元素が、Mg、Ba、Sr、及びCaからなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記金属酸化物において前記第B元素の原子数は前記第C元素の原子数以上であり、
    硝酸、燐酸、及び酢酸を含有するウェットエッチング液に対する前記金属酸化物のエッチングレートが、0.1nm/s以上20nm/s以下であり、
    前記金属酸化物が、アンチモンジルコニウムバリウム酸化物、ランタンチタンストロンチウム酸化物、セリウムジルコニウムバリウム酸化物、テルルガリウムカルシウム酸化物、ビスマスジルコニウムマグネシウム酸化物、及びルテチウムジルコニウムマグネシウム酸化物のいずれかであることを特徴とする金属酸化物。
  9. 前記ウェットエッチング液が、6質量%の硝酸を含有するウェットエッチング液である請求項に記載の金属酸化物。
  10. 前記ウェットエッチング液が、50質量%の燐酸を含有するウェットエッチング液である請求項からのいずれかに記載の金属酸化物。
  11. 前記ウェットエッチング液が、6質量%の硝酸、25質量%の酢酸、及び50質量%の燐酸を含有するウェットエッチング液である請求項10に記載の金属酸化物。
  12. 前記ウェットエッチング液が、前記電界効果型トランジスタの製造において、前記ゲート絶縁層を形成した後の、活性層、ゲート電極、並びにソース電極及びドレイン電極の少なくともいずれかの形成に用いられるウェットエッチング液である請求項から11のいずれかに記載の金属酸化物。
  13. 前記活性層、前記ゲート電極、並びに前記ソース電極及び前記ドレイン電極の少なくともいずれかが、前記ゲート絶縁層と接している請求項12に記載の金属酸化物。
  14. 請求項から13のいずれかに記載の金属酸化物を前記ゲート絶縁層に用いたことを特徴とする電界効果型トランジスタ。
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