JP6794706B2 - 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム - Google Patents

電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム Download PDF

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Description

本発明は、電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステムに関する。
電界効果型トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)は、ゲート電極に電界をかけ、チャネルの電界により電子又は正孔の流れに関門(ゲート)を設ける原理で、ソース電極とドレイン電極との間の電流を制御するトランジスタである。
前記FETは、その特性から、スイッチング素子、増幅素子などとして利用されている。そして、前記FETは、ゲート電流が低いことに加え、構造が平面的であるため、バイポーラトランジスタと比較して作製及び集積化が容易である。そのため、前記FETは、現在の電子機器で使用される集積回路では必要不可欠な素子となっている。前記FETは、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFT)として、例えば、アクティブマトリックス方式のディスプレイに応用されている。
近年、平面薄型ディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)として、液晶ディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、電子ペーパーなどが実用化されている。
これらFPDは、非晶質シリコン、多結晶シリコンなどを活性層に用いたTFTを含む駆動回路により駆動されている。そして、前記FPDは、更なる大型化、高精細化、高画質化、高速駆動性が求められており、それに伴って、キャリア移動度が高く、オン/オフ比が高く、特性の経時変化が小さく、素子間のばらつきが小さいTFTが求められている。
しかしながら、非晶質シリコンや多結晶シリコンには一長一短があり、前記すべての要求を満たすことは困難であった。そこで、これらの要求に応えるため、非晶質シリコンを超える移動度が期待できる酸化物半導体を活性層に用いたTFTの開発が活発に行われている。例えば、半導体層にInGaZnOを用いたTFTが開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
前記TFTのゲート絶縁層として様々な材料が提案されている。たとえば、特許文献1では、SiO、Si、SiON、Al、MgO、Y、HfO、若しくはCaHfOの単層膜、またはそれらの積層膜をゲート絶縁層とした電界効果型トランジスタが開示されている。また、特許文献2では、SiOにB、Al、P、Sbのいずれかを添加した材料をゲート絶縁層とした電界効果型トランジスタが開示されている。
これらの中でも電界効果型トランジスタのゲート絶縁層としては、SiOがもっとも広く用いられている。
一方、TFTにおけるゲート電極とゲート絶縁膜との界面等で生じる膜剥がれを防止することを目的として、例えば、特許文献3では、薄膜トランジスタのゲート電極と配線層の厚みを変えることで膜内応力を緩和し、ゲート絶縁層と活性層の剥離を防止した表示装置が提案されている。
しかし、上記特許文献1から3に記載の電界効果型トランジスタは、熱プロセスによって、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート絶縁膜間での剥離を防止するという点で満足のいくものではない。
従って、熱プロセスによって、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート絶縁膜間での剥離が生じ難い電界効果型トランジスタの提供が求められている。
本発明は、熱プロセスによって、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート絶縁層との間での剥離が生じ難い電界効果型トランジスタを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の電界効果型トランジスタは、
ゲート電圧を印加するためのゲート電極と、
電流を取り出すためのソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及びドレイン電極に隣接して設けられた半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層との間に設けられたゲート絶縁層と、
を備える電界効果型トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が、Siと、アルカリ土類金属とを含有する酸化物を含有することを特徴とする。
本発明によると、熱プロセス時に、電界効果型トランジスタを構成するゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート絶縁層との間で剥離が生じ難い電界効果型トランジスタを提供することができる。
図1は、画像表示装置を説明するための図である。 図2は、本発明の表示素子の一例を説明するための図である。 図3Aは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(ボトムコンタクト・ボトムゲート型)を示す図である。 図3Bは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(トップコンタクト・ボトムゲート型)を示す図である。 図3Cは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(ボトムコンタクト・トップゲート型)を示す図である。 図3Dは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(トップコンタクト・トップゲート型)を示す図である。 図4は、有機EL素子の一例を示す概略構成図である。 図5は、本発明の表示素子の一例を示す概略構成図である。 図6は、本発明の表示素子の他の一例を示す概略構成図である。 図7は、表示制御装置を説明するための図である。 図8は、液晶ディスプレイを説明するための図である。 図9は、図8における表示素子を説明するための図である。 図10は、実施例1〜3、比較例1及び2で作製した電界効果型トランジスタの概略図である。 図11は、実施例1〜3、比較例1及び2で作製したキャパシタの概略図である。 図12は、実施例13で作製したキャパシタの比誘電率ε及び誘電損失tanδと、印加される電界の周波数の関係を評価したグラフである。 図13は、比較例1で作製したキャパシタの比誘電率ε及び誘電損失tanδと、印加される電界の周波数の関係を評価したグラフである。 図14は、実施例13で作製した電界効果型トランジスタのトランジスタ特性(Vgs−Ids)を評価したグラフである。
(電界効果型トランジスタ)
本発明の電界効果型トランジスタは、ゲート電極と、ソース電極と、ドレイン電極と、半導体層と、ゲート絶縁層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他部材を有する。
本発明の電界効果型トランジスタは、以下で詳しく説明するように、前記ゲート絶縁層が、Siと、アルカリ土類金属とを含有する酸化物を含有することを特徴とする。
上記特許文献1及び2に記載の電界効果型トランジスタは、SiOの線膨張係数が約5×10−7/Kと小さく、電界効果型トランジスタ作製時の熱プロセスによって、電界効果型トランジスタを構成する金属材料や酸化物材料と、SiOの間で熱応力が生じ、ゲート絶縁層とゲート電極等との間で剥離が発生するという問題がある。
また、上記特許文献3の薄膜トランジスタも、ゲート絶縁層の厚みによっては室温でも剥離が生じることから、剥離問題の根本的な解決とはなっていない。また、上記特許文献3では、熱プロセス時の剥離の評価結果も開示されておらず、剥離防止のレベルも不明である。
本発明者らは、ゲート絶縁層について研究を重ねた結果、ゲート絶縁層にSiとアルカリ土類金属とを含有する酸化物を含有させると、ゲート絶縁層の線膨張係数がSiOと比較して大きくなり、熱プロセス時における、電界効果型トランジスタを構成するゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極と、ゲート絶縁層との間で生じる剥離を有効に防止できることを見出した。
<ゲート電極>
前記ゲート電極としては、前記電界効果型トランジスタにゲート電圧を印加するための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁層と接し、前記ゲート絶縁層を介して前記半導体層と対向する。
前記ゲート電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Au、Ag、Cu等の金属及びこれらの合金、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
−ゲート電極の形成方法−
前記ゲート電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記ゲート電極の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
<ソース電極、及びドレイン電極>
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極としては、前記電界効果型トランジスタから電流を取り出すための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁層と接するように形成される。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Au、Ag、Cu等の金属及びこれらの合金、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
−ソース電極、及びドレイン電極の形成方法−
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
<半導体層>
前記半導体層は、少なくとも前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の間に形成される。
ここで、「間」とは、前記半導体層が前記ソース電極及び前記ドレイン電極と共に、前記電界効果型トランジスタを機能させるような位置であり、そのような位置であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記半導体層は、前記ゲート絶縁層、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極と接する。
前記半導体層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン半導体、酸化物半導体などが挙げられる。
前記シリコン半導体としては、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコンなどが挙げられる。
前記酸化物半導体としては、例えば、InGa−Zn−O、In−Zn−O、In−Mg−Oなどが挙げられる。
これらのなかでも、酸化物半導体が好ましい。
−半導体層の形成方法−
前記半導体層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、化学気相蒸着(CVD)法、原子層蒸着(ALD)法等の真空プロセスや、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート等の溶液プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷法によって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記半導体層の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜1μmが好ましく、10nm〜0.5μmがより好ましい。
<ゲート絶縁層>
前記ゲート絶縁層は、通常、前記ゲート電極と前記半導体層との間に設けられる。
前記ゲート絶縁層は、酸化物を含有する。
前記ゲート絶縁層は、前記酸化物それ自体で形成されることが好ましい。
−酸化物−
前記酸化物は、Si(ケイ素)と、アルカリ土類金属とを含有し、好ましくは、Al(アルミニウム)及びB(ホウ素)の少なくともいずれかを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記酸化物において、前記Siにより形成されるSiOは、アモルファス構造を形成する。また、前記アルカリ土類金属は、Si−O結合を切断する働きを有する。そのため、前記Siと前記アルカリ土類金属との組成比によって、形成される前記酸化物の線膨張係数、及び比誘電率を制御することが可能である。
前記酸化物は、Al及びBの少なくともいずれかを含有することが好ましい。前記Alにより形成されるAl、及び前記Bにより形成されるBは、SiOと同様にアモルファス構造を形成するため、前記酸化物においては、より安定してアモルファス構造が得られ、より均一な絶縁膜を形成することが可能となる。また、前記アルカリ土類金属は、その組成比によってAl及びBの配位構造を変化させるため、形成される前記酸化物の線膨張係数、及び比誘電率を制御することが可能である。
前記酸化物において、前記アルカリ土類金属としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化物における前記Siと、前記アルカリ土類金属との組成比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
前記酸化物において、前記Siと、前記アルカリ土類金属との組成比(前記Si:前記アルカリ土類金属)としては、酸化物(SiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO)換算で、50.0mol%〜90.0mol%:10.0mol%〜50.0mol%が好ましい。
前記酸化物における前記Siと、前記アルカリ土類金属と、前記Al及び前記Bの少なくともいずれかとの組成比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
前記酸化物において、前記Siと、前記アルカリ土類金属と、前記Al及び前記Bの少なくともいずれかとの組成比(前記Si:前記アルカリ土類金属:前記Al及び前記Bの少なくともいずれか)としては、酸化物(SiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Al、B)換算で、50.0mol%〜90.0mol%:5.0mol%〜20.0mol%:5.0mol%〜30.0mol%が好ましい。
前記酸化物における酸化物(SiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Al、B)の割合は、例えば、蛍光X線分析、電子線マイクロ分析(EPMA)、誘電結合プラズマ発光分光分析(ICP−AES)等により酸化物の陽イオン元素を分析することにより算出できる。
前記ゲート絶縁層の線膨張係数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極と、前記ゲート絶縁層との間での剥離が生じにくくなる点から、20.0×10−7/K以上が好ましく、20.0×10−7〜70.0×10−7/Kがより好ましい。
前記線膨張係数は、例えば、熱機械分析装置を用いて測定することができる。この測定においては、前記電界効果型トランジスタを作製せずとも、前記ゲート絶縁層と同じ組成の測定用サンプルを別途作製して測定することで、前記線膨張係数を測定することができる。
前記ゲート絶縁層の比誘電率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記比誘電率は、例えば、下部電極、誘電層(前記ゲート絶縁層)、及び上部電極を積層したキャパシタを作製して、LCRメータ等を用いて測定することができる。
−ゲート絶縁層の形成方法−
前記ゲート絶縁層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、化学気相蒸着(CVD)法、原子層蒸着(ALD)法等の真空プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法などが挙げられる。
また、前記ゲート絶縁層は、前記酸化物の前駆体を含有する塗布液(ゲート絶縁層形成用塗布液)を調合し、それを被塗物上に塗布又は印刷し、これを適切な条件で焼成することによっても成膜することができる。
前記ゲート絶縁層の平均膜厚としては、10〜1,000nmが好ましく、20〜500nmがより好ましい。
−−ゲート絶縁層形成用塗布液−−
前記ゲート絶縁層形成用塗布液は、ケイ素含有化合物と、アルカリ土類金属化合物と、溶媒とを少なくとも含有し、好ましくは、アルミニウム含有化合物、及びホウ素含有化合物の少なくともいずれかを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
−−−ケイ素含有化合物−−−
前記ケイ素含有化合物としては、例えば、無機ケイ素化合物、有機ケイ素化合物などが挙げられる。
前記無機ケイ素化合物としては、例えば、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラヨードシランなどが挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、ケイ素と、有機基とを有する化合物であれば、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ケイ素と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、トリフェニルシラン、2−エチルヘキサン酸ケイ素、テトラアセトキシシランなどが挙げられる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記ケイ素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−アルカリ土類金属含有化合物−−−
前記アルカリ土類金属含有化合物としては、例えば、無機アルカリ土類金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物などが挙げられる。前記アルカリ土類金属含有化合物におけるアルカリ土類金属としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)が挙げられる。
前記無機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属フッ化物、アルカリ土類金属臭化物、アルカリ土類金属よう化物などが挙げられる。
前記アルカリ土類金属硝酸塩としては、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ土類金属硫酸塩としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ土類金属塩化物としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ土類金属フッ化物としては、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ土類金属臭化物としては、例えば、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウムなどが挙げられる。
前記アルカリ土類金属よう化物としては、例えば、よう化マグネシウム、よう化カルシウム、よう化ストロンチウム、よう化バリウムなどが挙げられる。
前記有機アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記アルカリ土類金属と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいスルホン酸基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基、安息香酸のように一部がベンゼン環に置換されたアシルオキシ基、乳酸のように一部がヒドロキシ基に置換されたアシルオキシ基、シュウ酸、及びクエン酸のようにカルボニル基を2つ以上有するアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、ジエチルマグネシウム、酢酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、アセチルアセトンマグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、アセチルアセトンカルシウム、カルシウムジピバロイルメタナート、2−エチルヘキサン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、ネオデカン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ストロンチウムイソプロポキシド、酢酸ストロンチウム、ギ酸ストロンチウム、アセチルアセトンストロンチウム、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、ナフテン酸ストロンチウム、サリチル酸ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、バリウムエトキシド、バリウムイソプロポキシド、酢酸バリウム、ギ酸バリウム、アセチルアセトンバリウム、2−エチルヘキサン酸バリウム、乳酸バリウム、ナフテン酸バリウム、ネオデカン酸バリウム、シュウ酸バリウム、安息香酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウムなどが挙げられる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記アルカリ土類金属含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−アルミニウム含有化合物−−−
前記アルミニウム含有化合物としては、例えば、無機アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物などが挙げられる。
前記無機アルミニウム化合物としては、例えば、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、臭化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、三フッ化アルミニウム、よう化アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムと、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記アルミニウムと前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいスルホン酸基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基、安息香酸のように一部がベンゼン環に置換されたアシルオキシ基、乳酸のように一部がヒドロキシ基に置換されたアシルオキシ基、シュウ酸、及びクエン酸のようにカルボニル基を2つ以上有するアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、酢酸アルミニウム、アセチルアセトンアルミニウム、ヘキサフルオロアセチルアセトン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート、トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記アルミニウム含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−ホウ素含有化合物−−−
前記ホウ素含有化合物としては、例えば、無機ホウ素化合物、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
前記無機ホウ素化合物としては、例えば、オルトホウ酸、酸化ホウ素、三臭化ホウ素、テトラフルオロホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸マグネシウムなどが挙げられる。前記酸化ホウ素としては、例えば、二酸化二ホウ素、三酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素などが挙げられる。
前記有機ホウ素化合物としては、ホウ素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ホウ素と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいスルホン酸基、置換基を有していてもよいチオフェン基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アルコキシ基には、2つ以上の酸素原子を有し、前記2つ以上の酸素原子のうちの2つの酸素原子が、ホウ素と結合し、かつホウ素と一緒になって環構造を形成する有機基も含まれる。また、前記アルコキシ基に含まれるアルキル基が有機シリル基に置換されたアルコキシ基も含む。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機ホウ素化合物としては、例えば、(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン、ホウ酸トリイソプロピル、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン、tert−ブチル−N−〔4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,2,3−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル〕カルバメート、フェニルボロン酸、3−アセチルフェニルボロン酸、三フッ化ホウ素酢酸錯体、三フッ化ホウ素スルホラン錯体、2−チオフェンボロン酸、トリス(トリメチルシリル)ボラートなどが挙げられる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記ホウ素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、前記各種化合物を安定に溶解又は分散する溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、シメン、ペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、シクロヘキシルベンゼン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、テトラリン、デカリン、イソプロパノール、安息香酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、炭酸プロピレン、2−エチルヘキサン酸、ミネラルスピリッツ、ジメチルプロピレンウレア、4−ブチロラクトン、2−メトキシエタノール、水などが挙げられる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記溶媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記ケイ素含有化合物と、前記アルカリ土類金属含有化合物との組成比(前記ケイ素含有化合物:前記アルカリ土類金属含有化合物)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液において、前記Siと、前記アルカリ土類金属との組成比(前記Si:前記アルカリ土類金属)としては、酸化物(SiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO)換算で、50.0mol%〜90.0mol%:10.0mol%〜50.0mol%が好ましい。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液における前記ケイ素含有化合物と、前記アルカリ土類金属含有化合物と、前記アルミニウム含有化合物及び前記ホウ素含有化合物の少なくともいずれかとの組成比(前記ケイ素含有化合物:前記アルカリ土類金属含有化合物:前記アルミニウム含有化合物及び前記ホウ素含有化合物の少なくともいずれか)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の範囲であることが好ましい。
前記ゲート絶縁層形成用塗布液において、前記Siと、前記アルカリ土類金属と、前記Al及び前記Bの少なくともいずれかとの組成比(前記Si:前記アルカリ土類金属:前記Al及び前記Bの少なくともいずれか)としては、酸化物(SiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Al、B)換算で、50.0mol%〜90.0mol%:5.0mol%〜20.0mol%:5.0mol%〜30.0mol%が好ましい。
−−−ゲート絶縁層形成用塗布液を用いたゲート絶縁層の形成方法−−−
前記ゲート絶縁層形成用塗布液を用いた前記ゲート絶縁層の形成方法の一例について、以下説明する。
前記ゲート絶縁層の形成方法は、塗布工程と、熱処理工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記塗布工程としては、被塗物に前記ゲート絶縁層形成用塗布液を塗布する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶液プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターンニングする方法、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷法によって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。前記溶液プロセスとしては、例えば、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート、ノズルプリンティングなどが挙げられる。
前記熱処理工程としては、前記被塗物に塗布された前記ゲート絶縁層形成用塗布液を熱処理する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記熱処理を行う際には、前記被塗物に塗布された前記ゲート絶縁層形成用塗布液は、自然乾燥などにより乾燥してもよい。前記熱処理により、前記溶媒の乾燥、酸化物の生成などが行われる。
前記熱処理工程では、前記溶媒の乾燥(以下、「乾燥処理」と称する。)と、前記酸化物の精製(以下、「生成処理」と称する)とを、異なる温度で行うことが好ましい。即ち、前記溶媒の乾燥を行った後に、昇温して、前記酸化物の生成を行うことが好ましい。前記酸化物の生成の際には、例えば、前記ケイ素含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物、前記アルミニウム含有化合物、及び前記ホウ素含有化合物のすくなくともいずれかの分解が起こる。
前記乾燥処理の温度としては、特に制限はなく、含有する溶媒に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜180℃が挙げられる。前記乾燥においては、低温化のために減圧オーブンなどを使用することが有効である。前記乾燥処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10分間〜1時間が挙げられる。
前記生成処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜450℃が好ましく、200℃〜400℃がより好ましい。前記生成処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間〜5時間が挙げられる。
なお、前記熱処理工程では、前記乾燥処理及び前記生成処理を連続して実施してもよいし、複数の工程に分割して実施してもよい。
前記熱処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被塗物を加熱する方法などが挙げられる。前記熱処理における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸素雰囲気が好ましい。前記酸素雰囲気で熱処理を行うことにより、分解生成物を速やかに系外に排出し、前記酸化物の生成を促進させることができる。
前記熱処理の際には、波長400nm以下の紫外光を前記乾燥処理後の物質に照射することが、前記生成処理の反応を促進する上で有効である。波長400nm以下の紫外光を照射することにより、前記乾燥処理後の物質中に含有される有機物などの化学結合を切断し、有機物を分解できるため、効率的に前記酸化物を形成することができる。前記波長400nm以下の紫外光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エキシマランプを用いた波長222nmの紫外光などが挙げられる。また、前記紫外光の照射に代えて、又は併用して、オゾンを付与することも好ましい。前記オゾンを前記乾燥処理後の物質に付与することにより、酸化物の生成が促進される。
前記電界効果型トランジスタ構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下のような構造の電界効果型トランジスタなどが挙げられる。
(1)基材と、前記基材上に形成された前記ゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された前記ゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成された前記ソース電極及び前記ドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成された前記半導体層とを有する電界効果型トランジスタ。
(2)基材と、前記基材上に形成された前記ソース電極及び前記ドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成された前記半導体層と、前記ソース電極、前記ドレイン電極、及び前記半導体層上に形成された前記ゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成された前記ゲート電極とを有する電界効果型トランジスタ。
前記(1)の構造の電界効果型トランジスタとしては、例えば、ボトムコンタクト・ボトムゲート型(図3A)、トップコンタクト・ボトムゲート型(図3B)などが挙げられる。
前記(2)の構造の電界効果型トランジスタとしては、例えば、ボトムコンタクト・トップゲート型(図3C)、トップコンタクト・トップゲート型(図3D)などが挙げられる。
ここで、図3A〜図3Dにおいて、符号21は基材、22はゲート電極、23はゲート絶縁層、24はソース電極、25はドレイン電極、26は酸化物半導体層をそれぞれ表す。
前記電界効果型トランジスタは、後述する表示素子に好適に使用できるが、これに限られるものではなく、例えば、ICカード、IDタグなどにも使用することができる。
(表示素子)
本発明の表示素子は、光制御素子と、前記光制御素子を駆動する駆動回路とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<光制御素子>
前記光制御素子としては、駆動信号に応じて光出力が制御される素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、エレクトロクロミック(EC)素子、液晶素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子などが挙げられる。
<駆動回路>
前記駆動回路としては、本発明の前記電界効果型トランジスタを有し、かつ前記光制御素子を駆動する回路である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表示素子は、本発明の前記電界効果型トランジスタを有しているため、長寿命化、高速動作が可能となる。
(画像表示装置)
本発明の画像表示装置は、複数の表示素子と、複数の配線と、表示制御装置とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記画像表示装置は、画像データに応じた画像を表示する装置である。
<表示素子>
前記表示素子としては、マトリックス状に配置された本発明の前記表示素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<配線>
前記配線は、前記表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧を個別に印加するための配線である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<表示制御装置>
前記表示制御装置としては、前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタのゲート電圧を前記複数の配線を介して個別に制御する装置である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記画像表示装置は、本発明の前記表示素子を有しているため、長寿命化、高速動作が可能となる。
前記画像表示装置は、携帯電話、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置、電子BOOK、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報機器、スチルカメラやビデオカメラ等の撮像機器における表示手段に用いることができる。また、車、航空機、電車、船舶等の移動体システムにおける各種情報の表示手段にも用いることができる。更に、計測装置、分析装置、医療機器、広告媒体における各種情報の表示手段にも用いることができる。
(システム)
本発明のシステムは、本発明の前記画像表示装置と、画像データ作成装置とを少なくとも有する。
前記画像データ作成装置は、表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する装置である。
以下、本発明の表示素子、画像表示装置、及びシステムについて、図を用いて説明する。
まず、本発明のシステムの一例としてのテレビジョン装置について、説明する。
本発明のシステムの一例としてのテレビジョン装置は、例えば、特開2010−074148号公報の段落〔0038〕〜〔0058〕及び図1に記載の構成などを採ることができる。
次に、本発明の画像表示装置について説明する。
本発明の画像表示装置としては、例えば、特開2010−074148号公報の段落〔0059〕〜〔0060〕、図2、及び図3に記載の構成などを採ることができる。
次に、本発明の表示素子について、図を用いて説明する。
図1は、表示素子がマトリックス上に配置されたディスプレイ310を表す図である。
図1に示されるように、ディスプレイ310は、X軸方向に沿って等間隔に配置されているn本の走査線(X0、X1、X2、X3、・・・、Xn−2、Xn−1)と、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本のデータ線(Y0、Y1、Y2、Y3、・・・、Ym−1)と、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本の電流供給線(Y0i、Y1i、Y2i、Y3i、・・・・・、Ym−1i)とを有する。
よって、走査線とデータ線とによって、表示素子を特定することができる。
図2は、本発明の表示素子の一例を示す概略構成図である。
前記表示素子は、一例として図2に示されるように、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子350と、該有機EL素子350を発光させるためのドライブ回路320とを有している。即ち、ディスプレイ310は、いわゆるアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイである。また、ディスプレイ310は、カラー対応の32インチ型のディスプレイである。なお、大きさは、これに限定されるものではない。
図2におけるドライブ回路320について説明する。
ドライブ回路320は、2つの電界効果型トランジスタ11及び12と、キャパシタ13とを有する。
電界効果型トランジスタ11は、スイッチ素子として動作する。ゲート電極Gは、所定の走査線に接続され、ソース電極Sは、所定のデータ線に接続されている。また、ドレイン電極Dは、キャパシタ13の一方の端子に接続されている。
キャパシタ13は、電界効果型トランジスタ11の状態、即ちデータを記憶しておくためのものである。キャパシタ13の他方の端子は、所定の電流供給線に接続されている。
電界効果型トランジスタ12は、有機EL素子350に大きな電流を供給するためのものである。ゲート電極Gは、電界効果型トランジスタ11のドレイン電極Dと接続されている。そして、ドレイン電極Dは、有機EL素子350の陽極に接続され、ソース電極Sは、所定の電流供給線に接続されている。
そこで、電界効果型トランジスタ11が「オン」状態になると、電界効果型トランジスタ12によって、有機EL素子350は駆動される。
電界効果型トランジスタ11、12は、一例として図3Aに示されるように、基材21、ゲート電極22、ゲート絶縁層23、ソース電極24、ドレイン電極25、酸化物半導体層26を有している。
電界効果型トランジスタ11、12は、本発明の前記電界効果型トランジスタの説明に記載の材料、プロセスなどによって形成することができる。
図4は、有機EL素子の一例を示す概略構成図である。
図4において、有機EL素子350は、陰極312と、陽極314と、有機EL薄膜層340とを有する。
陰極312の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金、アルミニウム(Al)−リチウム(Li)合金、ITO(Indium Tin Oxide)などが挙げられる。なお、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金は、充分厚ければ高反射率電極となり、極薄膜(20nm程度未満)では半透明電極となる。図4では陽極側から光を取り出しているが、陰極を透明、又は半透明電極とすることによって陰極側から光を取り出すことができる。
陽極314の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、銀(Ag)−ネオジウム(Nd)合金などが挙げられる。なお、銀合金を用いた場合は、高反射率電極となり、陰極側から光を取り出す場合に好適である。
有機EL薄膜層340は、電子輸送層342と、発光層344と、正孔輸送層346とを有する。電子輸送層342は、陰極312に接続され、正孔輸送層346は、陽極314に接続されている。陽極314と陰極312との間に所定の電圧を印加すると、発光層344が発光する。
ここで、電子輸送層342と発光層344とが1つの層を形成してもよく、また、電子輸送層342と陰極312との間に電子注入層が設けられてもよく、更に、正孔輸送層346と陽極314との間に正孔注入層が設けられてもよい。
図4では、前記光制御素子として、基材側から光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」の有機EL素子の場合について説明したが、前記光制御素子は、基材と反対側から光を取り出す「トップエミッション」の有機EL素子であってもよい。
図5に、有機EL素子350と、ドライブ回路320とを組み合わせた表示素子の一例を示す。
表示素子は、基材31、第I・第IIのゲート電極32・33、ゲート絶縁層34、第I・第IIのソース電極35・36、第I・第IIのドレイン電極37・38、第I・第IIの酸化物半導体層39・40、第I・第IIの保護層41・42、層間絶縁層43、有機EL層44、陰極45を有している。第Iのドレイン電極37と第IIのゲート電極33は、ゲート絶縁層34に形成されたスルーホールを介して接続されている。
図5において、便宜上第IIのゲート電極33・第IIのドレイン電極38間にてキャパシタが形成されているように見えるが、実際にはキャパシタ形成箇所は限定されず、適宜必要な容量のキャパシタを必要な箇所に設計することができる。
また、図5の表示素子では、第IIのドレイン電極38が、有機EL素子350における陽極として機能する。
基材31、第I・第II二のゲート電極32・33、ゲート絶縁層34、第I・第IIのソース電極35・36、第I・第IIのドレイン電極37・38、第I・第IIの酸化物半導体層39・40については、本発明の前記電界効果型トランジスタの説明に記載の材料、プロセスなどによって形成することができる。
なお、ゲート絶縁層34が本発明の前記電界効果型トランジスタの前記ゲート絶縁層に相当する。
層間絶縁層43(平坦化層)の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機材料、無機材料、有機無機複合材料などが挙げられる。
前記有機材料としては、例えば、ポリイミド、アクリル樹脂、フッ素系樹脂、非フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂、及びそれらを用いた感光性樹脂などが挙げられる。
前記無機材料としては、例えば、AZエレクトロニックマテリアルズ社製アクアミカなどのSOG(spin on glass)材料などが挙げられる。
前記有機無機複合材料としては、例えば、特許文献(特開2007−158146号公報)に開示されているシラン化合物からなる有機無機複合化合物などが挙げられる。
前記層間絶縁層は、大気中の水分、酸素、水素に対するバリア性を有していることが好ましい。
前記層間絶縁層の形成プロセスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート、インクジェットプリンティング、スリットコート、ノズルプリンティング、グラビア印刷、ディップコーティング法などによって、所望の形状を直接成膜する方法、感光性材料であればフォトリソグラフィー法によりパターンニングする方法などが挙げられる。
前記層間絶縁層の形成後に、後工程として、熱処理を行うことで、表示素子を構成する電界効果型トランジスタの特性を安定化させることも有効である。
有機EL層44及び陰極45の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタ法等の真空製膜法、インクジェット、ノズルコート等の溶液プロセスなど挙げられる。
これにより、基材側から発光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」の有機EL素子である、表示素子を作製することができる。この場合、基材31、ゲート絶縁層34、第二のドレイン電極(陽極)38は透明性が要求される
更には、図5では、ドライブ回路320の横に有機EL素子350が配置される構成について説明したが、図6に示すように、ドライブ回路320の上方に有機EL素子350が配置する構成としてもよい。この場合についても、基材側から発光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」となっており、ドライブ回路320には透明性が要求される。ソース・ドレイン電極や陽極には、ITO、In、SnO、ZnO、Gaが添加されたZnO、Alが添加されたZnO、Sbが添加されたSnOなどの導電性を有する透明な酸化物を用いることが好ましい。
表示制御装置400は、一例として図7に示されるように、画像データ処理回路402、走査線駆動回路404、及びデータ線駆動回路406を有している。
画像データ処理回路402は、映像出力回路の出力信号に基づいて、ディスプレイ310における複数の表示素子302の輝度を判断する。
走査線駆動回路404は、画像データ処理回路402の指示に応じてn本の走査線に個別に電圧を印加する。
データ線駆動回路406は、画像データ処理回路402の指示に応じてm本のデータ線に個別に電圧を印加する。
なお、前記実施形態では、有機EL薄膜層が、電子輸送層と発光層と正孔輸送層とからなる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電子輸送層と発光層が1つの層であってもよい。また、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられてもよい。さらに、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられてもよい。
また、前記実施形態では、基材側から発光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、陽極314に銀(Ag)−ネオジウム(Nd)合金などの高反射率電極、陰極312にマグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金などの半透明電極或いはITO等の透明電極を用いて基材と反対側から光を取り出してもよい。
また、前記実施形態では、光制御素子が有機EL素子の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光制御素子がエレクトロクロミック素子であってもよい。この場合は、ディスプレイ310は、エレクトロクロミックディスプレイとなる。
また、光制御素子が液晶素子であってもよい。この場合は、ディスプレイ310は、液晶ディスプレイとなる。そして、一例として図8に示されるように、表示素子302’に対する電流供給線は不要である。
この場合は、また、一例として図9に示されるように、ドライブ回路320’は、前述した電界効果型トランジスタ(11、12)と同様な1つの電界効果型トランジスタ14とキャパシタ15で構成することができる。電界効果型トランジスタ14では、ゲート電極Gが所定の走査線に接続され、ソース電極Sが所定のデータ線に接続されている。また、ドレイン電極Dが液晶素子370の画素電極、及びキャパシタ15に接続されている。なお、図9における符号16、372は、液晶素子370の対向電極(コモン電極)である。
前記実施形態において、光制御素子は、電気泳動素子であってもよい。また、光制御素子は、エレクトロウェッティング素子であってもよい。
また、前記実施形態では、ディスプレイがカラー対応の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
なお、本実施形態に係る電界効果型トランジスタは、表示素子以外のもの(例えば、ICカード、IDタグ)にも用いることができる。
本発明の電界効果型トランジスタを用いた表示素子、画像表示装置及びシステムは、高速動作、高寿命化が可能となる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
(実施例1)
<電界効果型トランジスタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLに、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.16mLと、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3%、Strem 12−1260、Strem Chemicals製)0.28mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−1に示す組成となる。
次に図10に示すような、ボトムコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
−ゲート電極の形成−
最初に、ガラス基板(基材91)上にゲート電極92を形成した。具体的には、ガラス基板(基材91)上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるよう成膜した。この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート電極92のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるゲート電極92を形成した。
−ゲート絶縁層の形成−
次に、前記ゲート絶縁層形成用塗布液0.4mLを前記基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(3,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止めた)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、ゲート絶縁層93として、酸化物膜を形成した。ゲート絶縁層の平均膜厚は、約300nmであった。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
次に、ゲート絶縁層93上にソース電極94及びドレイン電極95を形成した。具体的には、ゲート絶縁層93上にDCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極94及びドレイン電極95のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるソース電極94及びドレイン電極95を形成した。
−酸化物半導体層の形成−
次に、酸化物半導体96層を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、Mg−In系酸化物(InMgO)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mg−In系酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される酸化物半導体層96のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、ウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のMg−In系酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、酸化物半導体層96を形成した。これにより、ソース電極94とドレイン電極95との間にチャネルが形成されるように酸化物半導体層96が形成された。
最後に、後工程の加熱処理として、大気中で300℃1時間の熱処理をして、電界効果型トランジスタを完成させた。
<線膨張係数測定用円柱状物の作製>
実施例1のゲート絶縁層形成用塗布液を1L作製し、溶媒除去した後、白金坩堝に入れ、1,600℃に加熱及び溶融後、フロート法により直径5mm、高さ10mmの円柱状物を作製した。
<比誘電率評価用キャパシタの作製>
次に、図11に示す構造のキャパシタを作製した。具体的には、ガラス基板(基材101)上に、下部電極102の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl(アルミニウム)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。続いて、実施例1における電界効果型トランジスタのゲート絶縁層の形成に記載された方法により、平均膜厚が約300nmの絶縁体薄膜103を形成した。最後に、上部電極104の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、キャパシタを完成させた。
(実施例2)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用サンプル、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLに、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.13mLと、2−エチルヘキサン酸カルシウム2−エチルヘキサン酸溶液(Ca含量3%−8%、Alfa36657、Alfa Aesar製)0.47mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−1に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例3)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLに、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.14mLと、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3%、Strem 12−1260、Strem Chemicals製)0.24mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako 195−09561、株式会社ワコーケミカル製)0.95mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−1に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例4)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.17mLと、2−エチルヘキサン酸カルシウム2−エチルヘキサン酸溶液(Ca含量3%−8%、Alfa36657、Alfa Aesar製)0.08mLと、2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8%、Wako 021−09471、株式会社ワコーケミカル製)0.19mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−1に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例5)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.13mLと、2−エチルヘキサン酸カルシウム2−エチルヘキサン酸溶液(Ca含量3%−8%、Alfa36657、Alfa Aesar製)0.16mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako 195−09561、株式会社ワコーケミカル製)0.83mLと、2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8%、Wako 021−09471、株式会社ワコーケミカル製)0.38mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−1に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例6)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.14mLと、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar製)0.06mLと、2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8%、Wako 021−09471、株式会社ワコーケミカル製)0.51mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−2に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例7)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.15mLと、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(Wako 325−59912、株式会社ワコーケミカル製)0.06gと、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3%、Strem 12−1260、Strem Chemicals製)0.07mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako 195−09561、株式会社ワコーケミカル製)0.23mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−2に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例8)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.13mLと、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar製)0.08mLと、2−エチルヘキサン酸カルシウム2−エチルヘキサン酸溶液(Ca含量3%−8%、Alfa36657、Alfa Aesar製)0.13mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako 195−09561、株式会社ワコーケミカル製)0.64mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−2に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例9)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.11mLと、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(Wako 325−59912、株式会社ワコーケミカル製)0.12gと、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3%、Strem 12−1260、Strem Chemicals製)0.18mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−2に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例10)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.13mLと、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar製)0.06mLと、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(Wako 325−59912、株式会社ワコーケミカル製)0.07gと、2−エチルヘキサン酸カルシウム2−エチルヘキサン酸溶液(Ca含量3%−8%、Alfa36657、Alfa Aesar製)0.07mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako 195−09561、株式会社ワコーケミカル製)0.14mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−2に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例11)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.14mLと、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar製)0.07mLと、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(Wako 325−59912、株式会社ワコーケミカル製)0.02gと、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3%、Strem 12−1260、Strem Chemicals製)0.11mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−3に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例12)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.11mLと、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar製)0.06mLと、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(Wako 325−59912、株式会社ワコーケミカル製)0.07gと、2−エチルヘキサン酸カルシウム2−エチルヘキサン酸溶液(Ca含量3%−8%、Alfa36657、Alfa Aesar製)0.03mLと、2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8%、Wako 021−09471、株式会社ワコーケミカル製)0.48mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−3に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(実施例13)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLと、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.11mLと、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar製)0.10mLと、(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼン(Wako 325−59912、株式会社ワコーケミカル製)0.07gと、2−エチルヘキサン酸カルシウム2−エチルヘキサン酸溶液(Ca含量3%−8%、Alfa36657、Alfa Aesar製)0.09mLと、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako 195−09561、株式会社ワコーケミカル製)0.19mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−3に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(比較例1)
<電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタの作製>
−ゲート絶縁層形成用塗布液の作製−
トルエン1mLに、HMDS(1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、東京応化工業株式会社製)0.19mLとを混合し、ゲート絶縁層形成用塗布液を得た。前記ゲート絶縁層形成用塗布液によって形成される酸化物は、表1−3に示す組成となる。
作製したゲート絶縁層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、線膨張係数測定用円柱状物、及び比誘電率評価用キャパシタを作製した。
(比較例2)
<電界効果型トランジスタの作製>
まず、実施例1と同様の方法で、ガラス基板上にゲート電極を作製した。
−ゲート絶縁層の形成−
次に、SiClを原料として、PECVD(Plasma enhanced chemical vapor deposition)法により、前記基板、及び前記ゲート電極上に、ゲート絶縁層としてSiO層を形成した。このように形成されたゲート絶縁層の平均膜厚は、約300nmであった。
次に、実施例1と同様の方法で、ソース電極及びドレイン電極、ならびに酸化物半導体層を形成し、最後に加熱処理を行い、電界効果型トランジスタを完成させた。
<線膨張係数測定用円柱状物の作製>
SiClを原料として、酸水素炎中で加水分解を行い、得られたシリカ粉末を成長させてSiO多孔質体を得た。その後、SiO多孔質体を白金坩堝に入れ、1,600℃で加熱及び融解後、フロート法により直径5mm、高さ10mmの円柱状物を作製した。
<比誘電率評価用キャパシタの作製>
まず、実施例1と同様に、ガラス基板(基材101)上に、下部電極102の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl(アルミニウム)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。続いて、SiClを原料として、PECVD(Plasma enhanced chemical vapor deposition)法により、平均膜厚が約300nmの絶縁体薄膜103を形成した。最後に、上部電極104の形成される領域に開口部を有したメタルマスクを用いて、真空蒸着法によりAl膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、キャパシタを完成させた。
<電界効果型トランジスタの剥離評価>
実施例1〜13、比較例1及び2で作製した電界効果型トランジスタに関して、外観評価を行った結果を表2に示す。表2より、実施例1〜13で作製した電界効果型トランジスタは、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース電極、ドレイン電極、半導体層の剥離が見られなかった。一方、比較例1及び2で作製した電界効果型トランジスタは、ゲート電極とゲート絶縁層間で剥離が見られた。
<線膨張係数の評価>
実施例1〜13、比較例1及び2で円柱状物について、20〜300℃の温度範囲における平均線膨張係数を、熱機械分析装置(8310シリーズ、株式会社リガク製)を用いて測定した。実施例1〜13、比較例1及び2の線膨張係数の結果を表2に示す。表2より、実施例1〜13で作製した円柱状物の線膨張係数は、21.7×10−7/K〜77.9×10−7/Kを示すのに対して、比較例1及び2で作製した円柱状物の線膨張係数は、5.2×10−7/K〜5.4×10−7/Kと小さい値を示した。
電界効果型トランジスタの剥離評価において、比較例1及び2の電界効果型トランジスタで剥離が発生した原因として、ゲート絶縁層の線膨張係数が5.2×10−7/K〜5.4×10−7/Kであり、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極の線膨張係数と比較して小さく、熱プロセス時に熱応力が発生したことが挙げられる。一方で、実施例1〜13の電界効果型トランジスタでは、ゲート絶縁層の線膨張係数と、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極の線膨張係数の差が小さいために剥離が発生しなかったと考えられる。
<比誘電率の評価>
実施例1〜13、比較例1及び2で作製したキャパシタの容量計測を、LCRメータ(4284A、Agilent社製)により行った。表2に、計測した容量の値より算出した比誘電率εと、周波数1kHzにおける誘電損失tanδを示す。
図12に実施例13における比誘電率ε及び誘電損失tanδと、印加される電界の周波数の関係を示す。図12より、実施例13で作製したキャパシタは、100Hzから1MHzまで5.1〜5.3の比誘電率を有することが確認された。また、誘電損失tanδの値も、100Hzから100kHzまでは、約1%以下と低い値であることが確認された。
図13に比較例1における比誘電率ε及び誘電損失tanδと、印加される電界の周波数の関係を示す。図13より、比較例1で作製したキャパシタは、100Hzから1MHzまで3.9〜4.0の比誘電率を有することが確認された。また、誘電損失tanδの値も、100Hzから100kHzまでは、約1%以下と低い値であることが確認された。
<電界効果型トランジスタのトランジスタ特性評価>
実施例1〜13、比較例1及び2で作製した電界効果型トランジスタのトランジスタ特性を、半導体デバイス・パラメータ・アナライザ(B1500A、Agient社製)により評価した。トランジスタ特性は、ドレイン電極95−ソース電極94間電圧(Vds)=+20Vとした場合の、ゲート電極92−ソース電極間電圧(Vgs)とドレイン電極95−ソース電極94間電流(Ids)との関係(Vgs−Ids)を測定した。
また、トランジスタ特性(Vgs−Ids)の評価結果より、飽和領域における電界効果移動度を算出した。また、トランジスタのオン状態(例えばVgs=+10V)とオフ状態(例えばVgs=−10V)のIdsの比(on/off比、オン/オフ比)を算出した。また、Vgs印加に対するIdsの立ち上がりの鋭さの指標として、S値を算出した。また、Vgs印加に対するIdsの立ち上がりの電圧値として、閾値電圧(Vth)を算出した。
実施例13で作製した電界効果型トランジスタのトランジスタ特性(Vgs−Ids)の結果を、図14に示した。また、実施例1〜13、比較例1及び2で作製した電界効果型トランジスタのトランジスタ特性から算出した、移動度、on/off比、S値、及びVthを表2に示す。以下では、トランジスタ特性の結果において、移動度が高く、on/off比が高く、S値が低く、Vthが0V付近であることを優れたトランジスタ特性と表現する。
ここで、図14のグラフの縦軸における、「e」は、10のべき乗を表す。例えば、「1e−3」は、「1.0×10−3」及び「0.001」を表し、「1e+05」は「1.0×10+5」及び「100,000」を表す。
図14及び表2より、実施例13で作製した電界効果型トランジスタは、優れたトランジスタ特性を示すことがわかる。同様に、表2より、実施例1〜13で作製した電界効果型トランジスタは、いずれも優れたトランジスタ特性を示すことがわかる。
一方、比較例1及び2で作製した電界効果型トランジスタは、剥離が発生したため、トランジスタ特性を評価することはできなかった。
<結果の表>
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> ゲート電圧を印加するためのゲート電極と、
電流を取り出すためのソース電極及びドレイン電極と、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極に隣接して設けられた半導体層と、
前記ゲート電極と前記半導体層との間に設けられたゲート絶縁層と、
を備える電界効果型トランジスタであって、
前記ゲート絶縁層が、Siと、アルカリ土類金属とを含有する酸化物を含有することを特徴とする電界効果型トランジスタである。
<2> 前記酸化物が、Al及びBの少なくともいずれかを含有する前記<1>に記載の電界効果型トランジスタである。
<3> 前記半導体層が、酸化物半導体である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタである。
<4> 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
前記<1>から<3>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタを有し、かつ前記光制御素子を駆動する駆動回路と、を有することを特徴とする表示素子である。
<5> 前記光制御素子が、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロクロミック素子、液晶素子、電気泳動素子、及びエレクトロウェッティング素子のいずれかを有する前記<4>に記載の表示素子である。
<6> 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
マトリックス状に配置された複数の前記<4>から<5>のいずれかに記載の表示素子と、
前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧を個別に印加するための複数の配線と、
前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタのゲート電圧を前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置とを有することを特徴とする画像表示装置である。
<7> 前記<6>に記載の画像表示装置と、
表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置とを有することを特徴とするシステムである。
前記<1>から<3>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ、前記<4>から<5>のいずれかに記載の表示素子、前記<6>に記載の画像表示装置、前記<7>に記載のシステムによれば、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
11 電界効果型トランジスタ
12 電界効果型トランジスタ
13 キャパシタ
14 電界効果型トランジスタ
15 キャパシタ
16 対向電極
21 基材
22 ゲート電極
23 ゲート絶縁層
24 ソース電極
25 ドレイン電極
26 酸化物半導体層
27 保護層
31 基材
32 第Iのゲート電極
33 第IIのゲート電極
34 ゲート絶縁層
35 第Iのソース電極
36 第IIのソース電極
37 第Iのドレイン電極
38 第IIのドレイン電極
39 第Iの酸化物半導体層
40 第IIの酸化物半導体層
41 第Iの保護層
42 第IIの保護層
43 層間絶縁層
44 有機EL層
45 陰極
91 基材
92 ゲート電極
93 ゲート絶縁層
94 ソース電極
95 ドレイン電極
96 酸化物半導体層
101 基材
102 下部電極
103 絶縁体薄膜
104 上部電極
302、302’ 表示素子
310 ディスプレイ
312 陰極
314 陽極
320、320’ ドライブ回路(駆動回路)
340 有機EL薄膜層
342 電子輸送層
344 発光層
346 正孔輸送層
350 有機EL素子
370 液晶素子
372 対向電極
400 表示制御装置
402 画像データ処理回路
404 走査線駆動回路
406 データ線駆動回路
特開2013−30784 特開2011−077515 特開2012−191008
K.Nomura,他5名、「Room−temperature fabrication of transparent flexible thinfilm transistors using amorphous oxide semiconductors」、NATURE、VOL432、25、NOVEMBER、2004、p.488−492

Claims (8)

  1. ート電極と、
    ース電極及びドレイン電極と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極に隣接して設けられた半導体層と、
    前記ゲート電極と前記半導体層との間に設けられたゲート絶縁層と、
    を備える電界効果型トランジスタであって、
    前記ゲート絶縁層が、Siと、アルカリ土類金属とを含有する酸化物を含有することを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  2. ゲート電極と、
    ソース電極及びドレイン電極と、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極に隣接して設けられた半導体層と、
    前記ゲート電極と前記半導体層との間に設けられたゲート絶縁層と、
    を備える電界効果型トランジスタであって、
    前記ゲート絶縁層が、Siと、アルカリ土類金属とを含有する酸化物を含有し、
    前記ゲート絶縁層の平均膜厚が10nm以上1,000nm以下である、ことを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  3. 前記酸化物が、Al及びBの少なくともいずれかを含有する請求項1又は2に記載の電界効果型トランジスタ。
  4. 前記半導体層が、酸化物半導体である請求項1から3のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
  5. 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
    請求項1から4のいずれかに記載の電界効果型トランジスタを有し、かつ前記光制御素子を駆動する駆動回路と、を有することを特徴とする表示素子。
  6. 前記光制御素子が、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロクロミック素子、液晶素子、電気泳動素子、及びエレクトロウェッティング素子のいずれかを有する請求項5に記載の表示素子。
  7. 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
    マトリックス状に配置された複数の請求項5から6のいずれかに記載の表示素子と、
    前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧を個別に印加するための複数の配線と、
    前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタのゲート電圧を前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置とを有することを特徴とする画像表示装置。
  8. 請求項7に記載の画像表示装置と、
    表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置とを有することを特徴とするシステム。
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