JP7474178B2 - サスペンションシステム及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、モータを用いて推力を発生させるアクチュエータを備えたサスペンションシステム及びその制御方法に関する。
車両用のサスペンション装置においてモータによる推進力を利用したものとして、例えば、特許文献1に記載のものがある。特許文献1には、「アクチュエータが備えるねじ機構等の動作変換機構を、例えばトルクリミッタ機構等のような、設定された大きさの力を超える力が作用した場合に2つの部材の相対動作を許容する2部材相対動作許容機構を有する構造のものとし、システムに、その2部材相対動作容機構によって2つの部材の相対動作が許容されているか否かを検知し、その検知結果に基づいて、例えば、2つの部材の相対動作が生じている場合に、その相対動作を消失させる制御を実行したり、2つの部材の相対動作が消失した場合に、モータが発生させる力がモータの回転動作に対する抵抗力となる状態を実現するような機能を備えさせる」ことが記載されている。
特開2009-196484号公報
特許文献1では、2つの部材の相対動作を判断基準にしてアクチュエータを制御しており、走行状態や路面状態を判断してアクチュエータを制御するものではない。また、2つの部材は設定された大きさの力を超える力が作用した場合に相対動作が許容されるものであり、2つの部材は基本的には接続された状態である。言い換えれば、2つの部材は接続・非接続を行うようには構成されていない。2つの部材が接続された状態では、乗り心地を考慮すると、アクチュエータには高い周波数まで応答可能な高出力のモータが必要となる。
本発明の目的は、アクチュエータを備えたサスペンションシステムにおいて低消費電力で乗り心地を向上させることが可能なサスペンションシステム及びその制御方法を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明のサスペンションシステム及びその制御方法は、特許請求の範囲に記載のように構成したものである。
具体的には、本発明のサスペンションシステムは、例えば、車両の車体と車輪との間に設けられるサスペンション装置であって、減衰機構と、モータを動力源とするアクチュエータが並列に設けられ、アクチュエータは連結部を介してモータにより駆動機構を駆動するように構成され、連結部はクラッチ機構を備えたサスペンション装置と、車両の走行状態や路面状態に関する情報を入力してクラッチ機構とモータに制御指令を出力する制御装置を備え、制御装置は車両の走行状態や路面状態に応じてクラッチ機構の接続と非接続を切り替える制御指令を出力するように構成したものである。
本発明によれば、アクチュエータを備えたサスペンションシステムにおいて低消費電力で乗り心地を向上させることが可能である。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施例に係るサスペンションシステムの構成図である。 本発明に一実施例に係るサスペンションシステムの制御ブロック図である。 本発明の第1実施形態を説明するサスペンションシステムの制御方法のフローチャートである。 本発明の第2実施形態を説明するサスペンションシステムの制御方法のフローチャートである。 本発明の第3実施形態を説明するサスペンションシステムの制御方法のフローチャートである。
以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて説明する。なお本発明は以下の実施例に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例もその範囲に含むものである。
本発明の第1実施形態について、図1から図3を参照して説明する。図1は、本発明が適用されるサスペンション装置1の構成例を示すもので、主要部品を一部断面とした概略図を示すものである。以下の説明において、図1における上方向(上側)及び下方向(下側)を、サスペンション装置1における上方向(上側)及び下方向(下側)とする。図2はサスペンション装置1の制御に関するブロック図である。図3はクラッチ制御のロジックをフローチャートで示したものである。
まずサスペンション装置1の構成について説明する。図1に示すサスペンション装置1は、減衰機構とアクチュエータが併設されたものである。減衰機構として流体による減衰機構が用いられている。
図1に示すように、サスペンション装置1は、ロッド2、減衰力を生じさせる流体(油や空気など)を収容する外筒3、ボールねじ軸4、ロッド2の上側に固定され車体側(以下「ばね上」とも呼ぶ)に連結される支持部5、ロッド2の下側に一体に設けられたピストン6、ピストン6に一体に設けられボールねじ軸4に螺合するボールナット6B、外筒3内に連通するアキュムレータ7、ボールねじ軸4を駆動するモータ8、モータ8の回転駆動力をボールねじ軸4に伝達する回転伝達部9、モータ8と回転伝達部9とを接続又は非接続に切り替えるクラッチ機構10を有する。外筒3の底部側は車輪側(以下「ばね下」とも呼ぶ)に連結される。図1に示すサスペンション装置1は懸架ばね(図示省略)と併設される。本発明では懸架ばねを含めてサスペンション装置と把握される場合もある。サスペンション装置1は各車輪と車体との間にそれぞれ設置される。そして、本発明の第1実施形態のサスペンションシステムは、モータ8とクラッチ機構10と動作を各種入力信号19に基づいて制御する制御装置20を備える。
サスペンション装置1における流体による減衰機構は次のように構成されている。
流体による減衰機構の主な構成要素は、ロッド2、外筒3、ピストン6、アキュムレータ7である。ロッド2は流体を内蔵する外筒3に挿入され、一端が外筒3の外部において支持部5接続され、外筒3に対して上下動可能となっている。言い換えれば、ロッド2と外筒3は相対変位が可能に接続されている。ロッド2の他端に一体に設けられたピストン6は外筒3内を上室3Aと下室3Bに二分割するように設けられ上下動(摺動)可能に外筒3内に設置されている。ピストン6にはバルブ(例えばチェックバルブ)6Aが複数設けられている。バルブ6Aの一つは上室3Aにある流体が下室3Bに流れるのを調整し、また、他の一つは下室3Bにある流体が上室3Aに流れるのを調整する。バルブ6Aをピストン6に設けているが、外筒3の外部に上室3Aと下室3Bを連通する配管を設け、その配管にバルブ6Aを設けるようにしても良い。ロッド2が上下動すると、ロッド2に内蔵される流体が、ピストン6のバルブ6Aを通過し、流体による減衰力が発生する。このとき、ロッド2内とアキュムレータ7が連通しているので、外筒3の容積が補償されるようになっている。バルブ6Aとアキュムレータ7が流体の流れを調整し、流体による減衰力を発生させる。なお、流体による減衰機構自体は基本的には従来の流体を用いた減衰機構の構成と同様である。
サスペンション装置1におけるアクチュエータは、ボールねじ軸、ボールナット及びモータを用いて車体側にアクティブに路面状態に合わせて任意の制御力を印加して乗り心地を改善するものであり、次のように構成されている。
アクチュエータの主な構成要素は、ロッド2、ピストン6、ボールナット6B、ボールねじ軸4、モータ8、回転伝達部9、クラッチ機構10であり、この内、ロッド2及びピストン6は、流体による減衰機構と共通な構成となっている。
ロッド2は、他端側(ピストン6側)に開口部が形成され、中空部を有する有底円筒形状となっており、中空部にボールねじ軸4が挿入されるように配置されている。ピストン6はボールナット6Bが設置可能となるように孔が形成され、かつ、ピストン6とボールナット6Bが一緒に上下動するように一体に設けられている。ボールねじ軸4の下端側には回転伝達部9を構成する複数の歯車の一つの歯車のシャフトが接続されている。なお、回転伝達部9としては歯車以外にベルトを用いたものであっても良い。回転伝達部9を構成する一つの歯車のシャフトの下端は外筒3の底部に軸受(図示省略)を介して設置されている。ボールナット6Bはボールねじ軸4と螺合し、これによりボールねじ軸4の回転動が、ボールナット6Bの上下動に、またボールナット6Bの上下動がボールねじ軸4の回転動に変換される。回転伝達部9を構成する他の歯車のシャフトがクラッチ機構10に接続され、また、クラッチ機構10が外筒3の外側に配置されたモータ8に接続されている。クラッチ機構10としては電磁クラッチなどが用いられる。
クラッチ機構10を接続した場合、ロッド2の上下動が、ピストン6と一体のボールナット6B、ボールねじ軸4及び回転伝達部9を介して、モータ8に伝達され、逆にモータ8を通電すると、モータ動力が回転伝達部9、ボールねじ軸4及びピストン6と一体のボールナット6Bを介し、ロッド2を上下動させる。これらから、ロッド2、ピストン6、ボールナット6B及びボールねじ軸4は、回転伝達部9とクラッチ機構10を介して動力源のモータ8により駆動されるアクチュエータの駆動機構を構成する。また、回転伝達部9とクラッチ機構10はモータ8とアクチュエータの駆動機構の連結部を構成する。
なお、ロッド2が中空部を有し、中空部にボールねじ軸4が挿入されるように配置されているが、必ずしもそれに限定されない。例えば、ボールナット6Bをロッド2の外周側に位置させるようにしても良い。ただし、ロッド2が中空部を有し、中空部にボールねじ軸4が挿入されるように配置した方が動作上好ましい。
図1に示すサスペンション装置1では、車両の車体と車輪との間に流体による減衰機構とアクチュエータとが並列に設けられている。すなわち、ロッド2を上下動させるピストン6とボールナット6Bを一体化させるという簡単な構造により流体による減衰機構とアクチュエータの並列設置を実現している。そして、クラッチ機構10を設け、クラッチ機構10の接続と非接続の切り替え(選択)という簡単な構成により、流体による減衰機構とアクチュエータの協働モード(並列モード)と流体による減衰機構の単独モードが選択可能になっている。すなわち、クラッチ機構10を接続した場合、ロッド2の上下動がモータ8に伝達され、逆にモータ8を通電すると、モータ動力がロッド2に伝達される。それと同時に、外筒3に内蔵される流体が、ピストン6のバルブ6Aを通過し流体による減衰力が発生する。すなわち、クラッチ機構10を接続した場合、流体による減衰機構による減衰力とアクチュエータによる減衰力が同時にロッド2に作用する。一方、クラッチ機構10が非接続時の場合、ロッド2からの動力はモータ8へは伝達されず、流体による減衰機構による減衰力のみロッド2に作用する。すなわち、図1に示すサスペンション装置1は、支持部5に接続されたロッド2に対して、流体による減衰機構による減衰力とアクチュエータによる減衰力が同時に作用する状態(協働モード)と、アクチュエータによる減衰力を作用させずに、流体による減衰機構による減衰力が作用する状態(単体モード)を選択可能な構成である。
路面の凹凸が車輪に入力されると、それに伴う振動が車体側に伝わる。図1に示すサスペンション装置1は、流体による減衰機構の減衰力やアクチュエータのモータ8で発生する力を適切に制御することで、ロッド2と外筒3の相対変位を制御し、車体側への振動の伝達を抑えることが可能な構造である。
次に、サスペンションシステムの制御装置20について説明する。制御装置20は車両の走行状態や路面状態に関する情報を入力してクラッチ機構10とモータ8に制御指令を出力する。
図2に示すように制御装置20は、路面状態を判断する路面状態判断部31、走行状態を判断する走行状態判断部32、クラッチ機構10に制御指令を出力するクラッチ指令演算部33、モータ8に制御指令を出力するモータ指令演算部34から構成されている。路面状態判断部31は、例えば、上下振動加速度Gzや車体と車輪の相対変位(ばね上下の相対変位)などを入力信号として路面状態の判断や車両挙動の判断を行う。走行状態を判断する走行状態判断部32は、例えば、車両の操舵角、自動運転における軌道指令やナビ情報、車速、前後加速度Gx、横加速度Gy、車両の制動に関する状態量(ブレーキペダルの踏力やストローク量など)や駆動力に関する状態量(スロットル開度やアクセルペダルの踏力やストローク量など)などを入力信号として車両の走行状態を判断する。クラッチ指令演算部33は、路面状態判断部31及び走行状態判断部32からの出力信号を入力としてクラッチ機構10の接続、非接続を判断し、クラッチ機構10に制御指令を出力する。モータ指令演算部34は、路面状態判断部31、走行状態判断部32、クラッチ指令演算部33からの出力信号を入力としてモータ8へ出力する制御指令を演算し、制御指令をモータ8に出力する。路面状態判断部31、走行状態判断部32における入力信号19に基づく路面状態の判断や走行状態の判断は一般的な手法が用いられるので、その詳細な説明は省略する。
本発明の第1実施形態では、車両の走行状態や路面状態に応じて、クラッチ機構10とモータ8を制御することで、乗り心地を向上させる。乗り心地に影響する車両の走行状態や路面状態としては、車両が旋回中、加減速中、低周波うねり通過中などがある。車両が旋回中であれば、通常車体は外側にロール方向の回転が発生し、これにより乗り心地や操縦安定性が悪化することが懸念される。加減速中は、通常車体にはピッチ方向の回転が発生する。すなわち、加速時には車体の前側が上方向に、減速時には下方向に力が発生し、それによる回転で乗り心地や操縦安定性が悪化することが懸念される。また、低周波数での振動が車体に生じると乗り心地が悪化することが懸念される。第1実施形態では、これらの状態にあるか否か判断し、それらの状態にあると判断したときに、クラッチ機構10を接続して、モータ8を制御することにより乗り心地を向上させる。
本発明の第1実施形態におけるクラッチ機構10の制御ロジックについて図3に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この制御フローは図2に示す一点鎖線の枠内の構成で実施される。
図3に示す通り、まず旋回判断41を行う。旋回判断41は、車両のロール角度、ロール角速度などが大きくなるかどうかの判断を行うもので、たとえば操舵角がしきい値以上(修正舵以上と判断される操舵角)となった場合に旋回中と判断する。この旋回判断41では、同じ操舵角でも車速が大きいほどロール角度、ロール角速度が大きくなることから、操舵角の判断しきい値は車速の関数となるようにしてもよい。
旋回中と判断されるとクラッチ機構10に接続指令を出力し、クラッチ機構10が接続される。なお、旋回判断41は、上記のような操舵角及び車速だけでなく、横加速度やロール角加速度、ロール角速度などで判断を行ってもよい。また、旋回判断41は、ナビ情報や自動運転等の経路の指令(AD軌道指令など)により、次に旋回動作が行われると判断された場合の結果に基づき行うようにしてもよい(旋回動作が行われると判断された時間において旋回中と判断する)。さらに、旋回判断41は、これらのいずれか又は複数を組み合わせて判断がなされるようにしてもよい。
旋回中と判断されなかった場合には、加減速判断42を行う。加減速判断42は、加速に関してはスロットル開度やアクセルペダルの踏力やストローク、減速に関しては、ブレーキペダルの踏力やストローク量などが所定の値以上となった場合に加減速中と判断する。所定の値は、ピッチ角の制御が必要と判断される程度の大きさであり、事前に実験等やより定める。
加減速中と判断した場合には、クラッチ機構10に接続指令を出力する。なお、加減速判断42は、上記のようにスロットル開度やブレーキなどの情報だけでなく、前後加速度や、ピッチ角、ピッチ角速度などで判断をしてもよい。また、加減速判断42は、ナビ情報や自動運転等の加減速の指令に基づき次に加減速が行われると判断された場合に基づき行うようにしてもよい(加減速が行われると判断された時間において加減速中と判断する)。さらに、これらのいずれか又は複数を組み合わせて判断がなされるようにしてもよい。
加減速中ではないと判断された場合には、低周波うねり通過判断43に進む。ここでは低周波数(たとえば、ばね上共振点付近の周波数)での振動が車体に生じている場合や生じることが予想されると判断される場合には、クラッチ機構10へ接続指令を出力する。これは、うねりがある路面をある車速で通過する際に、路面の形状と車速の関係で決まる路面変位が車輪から低周波数として入力された場合、あるいは突起等を通過後に低周波の残留振動が発生する場合、あるいはこれらの低周波数振動が予想される場合であり、車両のばね上加速度、ばね下加速度、ばね上下の相対変位等の車両情報から推定される。また、カメラやレーダ等のセンサで事前に検知してもよい。また、道路の路面情報を事前に入手しておいて、現在位置の情報や車両の向きや速度から、今後通る道路の路面形状を判断して行うようにしてもよい。低周波うねりと判断されなかった場合には、クラッチ機構10は非接続のままにする。
なお、旋回判断41、加減速判断42、低周波うねり通過判断43の判断の順序は上記に限定されず、順序を入れ替えてもよい。
次に、サスペンションシステムにおけるサスペンション装置1の動作及びモータ8の制御について説明する。
車両が旋回中であれば、上述したように、通常車体は外側にロール方向の回転が発生し、これにより乗り心地が悪化することが懸念される。そこで旋回中と判断された場合には、旋回の外側に位置するサスペンション装置1のモータ8には、車体を押し上げる方向に、旋回の内側に位置するサスペンション装置1のモータ8には車体を押し下げる方向(逆ロール)に力を発生させる。これにより車体のロール回転を抑え、車内で感じる外向きの加速度が低減され、乗り心地の改善が図られる。たとえば、コップに飲み物を入れていた場合にはこぼれにくい方向とすることができ、また、操縦安定性の向上が図られる。
また同様に、加減速中は、上述したように、加速時には車体の前側が上方向に、減速時には下方向に力が発生し、それによる回転で乗り心地が悪化することが懸念される。そこで加速中と判断された場合には、前輪側のサスペンション装置1のモータ8には車体に対して下向きに、後輪側のサスペンション装置1のモータ8には車体に対して上向きに力を発生させる。同様に減速中と判断された場合には、前輪側のサスペンション装置1のモータ8には車体に上向きに、後輪側のサスペンション装置1のモータ8には車体には下向きに力を発生させる。これにより車体のピッチ方向の傾きを抑えることができ乗り心地が向上できる。
さらに低周波の振動が発生する場面では、車体の加速度を抑えるような方向にモータ8の推力を発生させ、乗り心地の向上を図る。
なお、クラッチ機構10を非接続から接続に移行させる際に、モータ8の回転数が単調増加後にクラッチ機構10を接続させるようにすることが好ましい。すなわち、制御装置20からクラッチ機構を接続する制御指令が出力された際に、直ちにクラッチ機構10を接続するのではなく、モータ8の回転数がある程度上昇した後にクラッチ機構を接続するようにした方が切り替えショックを低減するために好ましい。
車両が直進しているときに、また、加減速中ではないときに、フラットな路面又は車両としては高周波として感じる、周期の短い凸凹のある路面を通過するような場面が残る。その場合にクラッチ機構10は非接続の状態となる。この場合は、流体による減衰機構の減衰力のみが発生し、これにより、路面の凹凸を吸収し、乗り心地の向上を図ることができる。また、このとき、クラッチ機構10は非接続の状態であるので、アクチュエータには高い周波数まで応答可能な高出力のモータを必要としない。
以上から、本発明の第1実施形態によれば、アクチュエータを備えたサスペンションシステムにおいて低消費電力で乗り心地の向上を図ることができる。すなわち、本発明の第1実施形態によれば、ロール角、ピッチ角、低周波振動が発生するような場面において、クラッチ機構10を接続してモータ8を制御して各車輪と車体の相対変位を制御することで乗り心地を改善できる。そして、これを実現するモータ8は高い周波数まで応答可能な高出力なモータを用いる必要がない。また、本発明の第1実施形態においては、ばね上ばね下間の相対速度の発生に関わらず、アクチュエータ(モータ8)によりロールやピッチ、上下振動を制御することができ、さらに高周波の振動は流体による減衰機構の減衰力で振動を抑制することが可能であり、全領域で乗り心地の向上を図ることが可能である。
本発明の第2実施形態について説明する。本実施例は第1実施形態とクラッチ機構10制御の方法として半クラッチの制御を追加している点が異なる。それ以外については、同様の構成であり、第1実施形態と異なる部分を中心に以下に説明する。
図4は第2実施形態のクラッチ制御のロジックをフローチャートで示したものである。なお、最初はクラッチ機構10が非接続の状態にある。
まず旋回判断(旋回(小)判断)41が行われ、たとえば操舵角があるしきい値θ1を超えて操舵中と判断した場合にその時点でモータ8の始動を開始し、クラッチ機構10には半クラッチ指令を行い半クラッチで接続を行う。この際、クラッチ機構10が接続されている場合のモータ8の回転数は、回転伝達部9の減速比とボールねじ(ボールねじ軸4とボールナット6Bの回転直動変換)のリードにより、ばね上上下速度などから推定することが可能である。このことから、推定したモータ8の回転数と同等になるようにモータ8の回転数調整44を行う。さらに、旋回(大)判断46で操舵角があるしきい値θ2(θ2の絶対値>θ1の絶対値)を超えると、クラッチ機構10へ完全接続の指令を出力しクラッチ機構10は接続状態に至る。なお、第1実施形態と同様に、旋回中の判断はロール角やロール角速度、横加速度、ナビ情報、自動運転等の経路指令等の情報を用いてもよい。
同様に、加減速判断(加減速(小)判断)42で加減速に関してもスロットル開度やブレーキの踏力やストロークがあるしきい値を超えて加減速が開始されていると判断されると、その時点でモータ8の始動を開始し、クラッチ機構10には半クラッチ指令を行い半クラッチで接続を行う。この際、クラッチ機構10が接続されている場合のモータ8の回転数は、回転伝達部9の減速比とボールねじのリードにより、ばね上ばね下の相対変位などから推定することが可能である。このことから、推定したモータ8の回転数と同等になるようにモータ8の回転数調整44を行う。さらに、加減速(大)判断47で加減速を判断する状態量があるしきい値(加減速(小)判断42より大きな値)を超えると、クラッチ機構10へ完全接続の指令を出しクラッチ機構10は接続状態に至る。なお、第1実施形態と同様に、加減速中の判断は前後加速度や、ピッチ角、ピッチ角速度、ナビ情報、自動運転等の経路指令等の情報を用いてもよい。
半クラッチ接続が長く続かないよう、所定時間半クラッチ接続が続いた場合には非接続にする判定48を入れてもよい。すなわち、旋回(大)判断46や加減速(大)判断47において旋回(大)判断46や加減速(大)判断47のしきい値を超えないという判断がn回数繰り返された場合にクラッチ機構10を非接続にする。
なお、半クラッチ状態は、たとえば操舵角や加減速の大きさなどに応じて、多段階に、あるいは連続にクラッチ機構10でのトルク伝達の割合を変化させることができるような方式を用いてもよい。
このように、本発明の第1実施形態によれば、旋回、加減速が小さいときには半クラッチとし、大きな旋回や加減速が発生する際には接続状態とすることで、切り替えのショックを低減することができ、乗り心地をさらに改善することが可能となる。また、低周波うねり通過判断43において低周波数での振動が車体に生じている場合や生じることが予想されると判断される場合にも、モータ回転数調整、半クラッチ接続を経て、クラッチ機構10を完全接続するようにすることにより切り替えのショックを低減することができ、乗り心地をさらに改善することが可能となる。
本発明の第3実施形態について説明する。本実施例は第1実施形態と突起/ポットフォール判断を追加している点が異なる。それ以外については、同様の構成であり、第1実施形態と異なる部分を中心に以下に説明する。
第1実施形態に示した例では、旋回中や加減速中はクラッチ機構10が接続した状態を維持しているが、第3実施形態ではさらに突起やポットフォールなどを車両が通過した場合についてのクラッチ制御を追加している。図5は第3実施形態のクラッチ制御のロジックをフローチャートで示したものである。なお、この制御フローは図2に示す一点鎖線の枠内の構成で実施される。
図5に示すように、旋回判断41、加減速判断42、低周波うねり通過判断43の各判断において、旋回中、加減速、低周波うねり通過中と判断され、クラッチ接続と判断された状態において、突起/ポットフォール通過判断51が追加されている。クラッチ機構10が接続された状態で、突起/ポットフォール通過判断51において、路面に突起やポットフォール、大きな凹凸、段部など急激な変位の変化があると判断されると、そこを通過する車輪のサスペンション装置1のクラッチ機構10は一旦非接続状態にする。この際、必要に応じて他の車輪のサスペンション装置1ではクラッチ機構10を接続したままにする。
この突起/ポットフォール通過判断51は、たとえば車体のばね上の上下加速度、ばね下の上下加速度、上下の相対変位などの情報から判断する。また、カメラやレーダなどの情報から事前に判断しておいてもよい。また、路面情報を組み込んだ地図情報と現在の走行位置などから特定して、路面の急激な変化の判断を行うようにしてもよい。また、路面急激な変化にはモータ8にも急激な回転数変化が起こりそれに伴う、電流変化が発生する。その急激な電流変化を検知して路面の変化を判断してもよい。また、電流変化に代えて電圧変化、回転数変化を検知して路面の変化を判断してもよい。または電流変化、電圧変化、回転数変化の組み合わせで路面の変化を判断してもよい。これらによる路面の変化の検知は車両の走行状態や路面状態に関する情報に基づく突起/ポットフォール通過の判断よりも応答性に優れる場合ある。突起/ポットフォール通過を判断した際には、クラッチ機構10を一旦非接続状態にする。
これにより、クラッチ機構10が接続状態では、たとえば旋回中であれば逆ロールとなるように各車輪のサスペンション装置1のモータ8に推力を発生している状態であることから、急激な路面変化が入った場合には、モータ8の高い推力により、車体へ大きな力が伝達されてしまい、乗り心地が悪化することが懸念される。本実施例では、クラッチ機構10を非接続状態に切り替えることで、路面に沿った動きを車輪が行えるようになり、車体への力の伝達を抑え、乗り心地の向上を図ることが可能となる。
なお、第3実施形態においても第2実施形態で示したような半クラッチの状態を途中でいれることで、クラッチ接続時の乗り心地を向上することが可能である。
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、上述の実施例では、サスペンション装置として流体による減衰機構とクラッチ機構を備えたアクチュエータを併設したものを用いているが、流体による減衰機構に代えて他の減衰機構を用いてクラッチ機構を備えたアクチュエータと併設するようにしてもよい。他の減衰機構としては例えば板バネの摩擦力を利用したものなどが用いられる。他の減衰機構により高周波な振動を吸収するようにし、アクチュエータのクラッチ機構の接続・非接続を上述した実施例と同様に制御することにより、上述した実施例と同様の効果を奏することができる。
また、特許請求の範囲の引用形式の請求項における他の請求項の引用は、引用形式の請求項の記載を分かり易くするために単項引用としているが、本発明は、引用形式の請求項において、複数の請求項を引用する形態(多項引用項)、及び、複数の多項引用項を引用する形態を含む。
1…サスペンション装置、2…ロッド、3…外筒、4…ボールねじ軸(ボールねじ)、6…ピストン、6A…バルブ、6B…ボールナット(ボールねじ)、7…アキュムレータ、8…モータ、9…回転伝達部、10…クラッチ機構、20…制御装置、31…路面状態判断部、32…走行状態判断部、33…クラッチ指令演算部、34…モータ指令演算部、41…旋回判断、42…加減速判断、43…低周波うねり通過判断、51…突起/ポットフォール通過判断。

Claims (7)

  1. 車両の車体と車輪との間に設けられるサスペンション装置であって、減衰機構と、モータを動力源とするアクチュエータが並列に設けられ、前記アクチュエータは連結部を介し
    て前記モータにより駆動機構を駆動するように構成され、前記連結部はクラッチ機構を備えたサスペンション装置と、
    前記車両の走行状態や路面状態に関する情報を入力して前記クラッチ機構と前記モータに制御指令を出力する制御装置を備え、
    前記制御装置は前記車両の走行状態や路面状態に応じて前記クラッチ機構の接続と非接続を切り替える制御指令を出力し、
    前記制御装置は、前記車両の走行状態及び/又は路面状態に関する情報に基づき前記車両の旋回判断、加減速判断、又は、低周波うねり通過判断を行い、前記車両が旋回中、加減速中、又は低周波うねり通過中と判断した場合には、前記クラッチ機構に接続の制御指令を出力するサスペンションシステム。
  2. 請求項に記載のサスペンションシステムにおいて、
    前記車両の走行状態及び/又は路面状態に関する情報は、前記車両の操舵角、加減速又は上下加速度のいずれか又は組み合わせを含むサスペンションシステム。
  3. 請求項に記載のサスペンションシステムにおいて、
    前記クラッチ機構はトルク伝達の割合が異なる複数の接続状態を有し、
    前記制御装置は、前記車両の旋回または加減速の大きさに応じて前記クラッチ機構の接続状態を変える制御指令を前記クラッチ機構に出力するサスペンションシステム。
  4. 請求項に記載のサスペンションシステムにおいて、
    前記制御装置は、前記車両の走行状態及び/又は路面状態に関する情報に基づき前記車両の突起/ポットフォール通過判断を行い、前記車両が突起/ポットフォール通過と判断した場合、突起/ポットフォールを通過した車輪のサスペンション装置のクラッチ機構に非接続の制御指令を出力するサスペンションシステム。
  5. 請求項に記載のサスペンションシステムにおいて、
    前記制御装置は、前記モータの電流、電圧、回転数のいずれか又は組み合わせに基づいて前記車両の突起/ポットフォール通過判断を行い、前記車両が突起/ポットフォール通過と判断した場合、突起/ポットフォールを通過した車輪のサスペンション装置のクラッチ機構に非接続の制御指令を出力するサスペンションシステム。
  6. 請求項に記載のサスペンションシステムにおいて、
    前記クラッチ機構を非接続から接続に移行させる際に、前記モータの回転数が単調増加後に前記クラッチ機構を接続させるようにしたサスペンションシステム。
  7. 車両の車体と車輪との間に設けられるサスペンション装置であって、減衰機構と、モータを動力源とするアクチュエータが並列に設けられ、前記アクチュエータは連結部を介して前記モータにより駆動機構を駆動するように構成され、前記連結部はクラッチ機構を備えたサスペンション装置を有するサスペンションシステムの制御方法であって、
    前記車両の走行状態や路面状態に応じて前記クラッチ機構を接続又は非接続にすることにより、前記減衰機構と前記アクチュエータの協働モードと、前記減衰機構の単体モードを切り替えるようにし、前記車両の走行状態及び/又は路面状態に関する情報に基づき前記車両の旋回判断、加減速判断、又は、低周波うねり通過判断を行い、前記車両が旋回中、加減速中、又は低周波うねり通過中と判断した場合には、前記クラッチ機構を接続するサスペンションシステムの制御方法。
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