JP7471188B2 - 繊維製品用の濃縮液体抗菌処理剤及び抗菌処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、濃縮液体抗菌処理剤及び抗菌処理方法に関する。
繊維製品などの洗浄の対象となる被洗物(以下、単に「被洗物」ともいう。)上に付着した菌を除去し、また洗濯後の臭いの発生やカビの発生を防止して、洗濯物を衛生的で清潔なものとするために、洗濯中に抗菌剤を添加して、被洗物を抗菌処理することがある。
従来、抗菌剤としては、殺菌力を有するアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩(ベンザルコニウム塩)などが用いられている。
しかし、ベンザルコニウム塩は抗菌対象となる微生物の範囲が狭く、昨今の院内感染でも問題となっているセレウス菌等の芽胞形成菌には抗菌効果が充分に得られないなどの問題がある。
ウイルスに対して除去効果を有する基材として、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートを配合した洗浄剤が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2019-182936号公報
ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートは水で希釈するとゲル化したり分離したりすることがあり、希釈安定性に劣るため、そのまま使用するのは困難である。特許文献1に記載の洗浄剤は、ノニオン界面活性剤を併用することで希釈安定性を高めている。特許文献1に記載のように、硬質表面の洗浄を主な目的として洗浄剤を使用する場合には、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート及びノニオン界面活性剤を含む洗浄剤を水で希釈しても、問題なく使用できる。
しかし、被洗物の洗濯中に前記洗浄剤を使用する場合、特に仕上げ工程で使用する場合は、洗浄剤にノニオン界面活性剤が含まれていると泡立ちや残留などの問題があり、被洗物の洗濯中に使用するには不向きとなることがある。
そこで、希釈安定性に優れ、仕上げ工程での使用にも適した抗菌剤が求められている。加えて、抗菌剤には保存安定性に優れることも求められている。
本発明は、抗菌性、保存安定性及び希釈安定性に優れる濃縮液体抗菌処理剤、及び抗菌処理方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] (A)成分:下記一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤と、
(B)成分:下記一般式(2)で表されるカチオン界面活性剤及び下記一般式(3)で表されるカチオン界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上と、
(C)成分:有機溶剤と、
(D)成分:水と、を含有し、
前記(A)成分の含有量が、濃縮液体抗菌処理剤の総質量に対して、10~80質量%であり、
前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.15~3.0である、濃縮液体抗菌処理剤。
Figure 0007471188000001
一般式(1)中、R及びRは炭素数10~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R及びRは炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、X はアルキル基の炭素数が1~5のアルキル硫酸イオンであり、RとRとは互いに同一であり、RとRとは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0007471188000002
一般式(2)中、Rは炭素数8~22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R~Rは炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数7~9の芳香族アルキル基であり、X は陰イオンであり、R~Rのうちの1つは炭素数7~9の芳香族アルキル基であり、残りの2つは炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、残りの2つは互いに同一であっても異なっていてもよい。
Figure 0007471188000003
一般式(3)中、Rは炭素数8~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R10~R12は炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、X は陰イオン(ただし、アルキル基の炭素数が1~5のアルキル硫酸イオンを除く。)であり、R10~R12は互いに同一であっても異なっていてもよい。
[2] 前記一般式(1)中のX がメチル硫酸イオンである、前記[1]の濃縮液体抗菌処理剤。
[3] 前記(B)成分が、ベンザルコニウムクロリドを含む、前記[1]又は[2]の濃縮液体抗菌処理剤。
[4] 前記(B)成分が、前記一般式(3)で表されるカチオン界面活性剤を含み、かつ前記一般式(3)中のR10~R12がいずれもメチル基である、前記[1]又は[2]の濃縮液体抗菌処理剤。
[5]前記(A)成分が、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートを含む、前記[1]~[4]のいずれかの濃縮液体抗菌処理剤。
[6] 前記(C)成分が、プロピレングリコール、エタノール及びブチルジグリコールからなる群より選ばれる1種以上を含む、前記[1]~[5]のいずれかの濃縮液体抗菌処理剤。
[7] 前記(B)成分の含有量が、濃縮液体抗菌処理剤の総質量に対して、5~50質量%である、前記[1]~[6]のいずれかの濃縮液体抗菌処理剤。
[8] 前記(C)成分の含有量が、濃縮液体抗菌処理剤の総質量に対して、2~15質量%である、前記[1]~[7]のいずれかの濃縮液体抗菌処理剤。
[9] セレウス菌を抗菌対象とする、前記[1]~[8]のいずれかの濃縮液体抗菌処理剤。
[10] 被洗物を洗浄水で洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程を経た前記被洗物を濯ぎ水で濯ぐ濯ぎ工程と、
前記濯ぎ工程を経た前記被洗物を仕上げ水で処理する仕上げ工程と、を有し、
前記洗浄工程、前記濯ぎ工程及び前記仕上げ工程のうちの少なくとも1つの工程で、前記[1]~[8]のいずれかの濃縮液体抗菌処理剤を任意の濃度に希釈した後に、又は希釈しながら被洗物に添加する添加処理を行う、抗菌処理方法。
[11] 前記添加処理は前記仕上げ工程で行われる、前記[10]の抗菌処理方法。
[12] 前記添加処理は自動投入装置を用いて行われる、前記[10]又は[11]の抗菌処理方法。
[13] 前記濃縮液体抗菌処理剤を2~10倍に希釈する、前記[10]~[12]のいずれかの抗菌処理方法。
本発明によれば、抗菌性、保存安定性及び希釈安定性に優れる濃縮液体抗菌処理剤、及び抗菌処理方法を提供できる。
[濃縮液体抗菌処理剤]
本発明の濃縮液体抗菌処理剤(以下、単に「抗菌処理剤」ともいう。)は、以下に示す(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有する組成物である。抗菌処理剤は、必要に応じて(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分以外の任意成分をさらに含有してもよい。
なお、本発明において、「濃縮液体」とは、使用時に所望の濃度に希釈して希釈液として使用するものを意味する。
<(A)成分>
(A)成分は、下記一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤(以下、「化合物(1)」ともいう。)である。
化合物(1)は、ジ長鎖アルキル型カチオン界面活性剤である。
Figure 0007471188000004
一般式(1)中、R及びRは炭素数10~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R及びRは炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、X はアルキル基の炭素数が1~5のアルキル硫酸イオンであり、RとRとは互いに同一であり、RとRとは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)中、R及びRの炭素数は10~12であり、10が好ましい。R及びRとしては、炭素数10~12の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数10の直鎖のアルキル基(デシル基)がより好ましい。
一般式(1)中、R及びRの炭素数は1~3であり、1~2が好ましく、1がより好ましい。R及びRとしては、それぞれ独立して、炭素数1~3の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1~2のアルキル基がより好ましく、炭素数1のアルキル基(メチル基)がさらに好ましい。R及びRとは互いに同一であることが好ましい。
一般式(1)中、X はアルキル基の炭素数が1~5のアルキル硫酸イオンである。アルキル硫酸イオンのアルキル基の炭素数は1~5であり、1~3が好ましく、1~2がより好ましく、1がさらに好ましい。アルキル基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、直鎖が好ましい。X としては、抗菌処理剤の希釈安定性がより高まる観点から、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、ブチル硫酸イオンが好ましく、メチル硫酸イオンがより好ましい。
化合物(1)としては、例えばジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジデシルメチルエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジデシルジメチルアンモニウムエチルサルフェート、ジデシルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、ジドデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジドデシルメチルエチルアンモニウムメチルサルフェート、ジドデシルジメチルアンモニウムエチルサルフェート、ジドデシルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートなどが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果が特に得られやすい観点から、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジデシルジメチルアンモニウムエチルサルフェート、ジドデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジドデシルジメチルアンモニウムエチルサルフェートが好ましい。その中でも特に、市販品として入手しやすい観点から、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートが好ましい。
化合物(1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
化合物(1)は、市販品を用いてもよいし、公知の方法で製造された合成品を用いてもよい。
化合物(1)の市販品や、公知の方法で製造された合成品には、製造時に混入した有機溶剤が含まれる場合がある。市販品や合成品中の有機溶剤は除去してもよいが、除去せずに、そのまま後述の(C)成分としてもよい。
(A)成分の含有量は、抗菌処理剤の総質量に対して10~80質量%であり、10~65質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましく、12~55質量%がさらに好ましく、12~50質量%が特に好ましく、15~48質量%が最も好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であれば、抗菌性を良好に維持できる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であれば、希釈安定性が向上する。
<(B)成分>
(B)成分は、下記一般式(2)で表されるカチオン界面活性剤(以下、「化合物(2)」ともいう。)及び下記一般式(3)で表されるカチオン界面活性剤(以下、「化合物(3)」ともいう。)からなる群より選ばれる1種以上である。
化合物(2)及び化合物(3)は、モノ長鎖アルキル型カチオン界面活性剤である。
Figure 0007471188000005
一般式(2)中、Rは炭素数8~22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R~Rは炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数7~9の芳香族アルキル基であり、X は陰イオンであり、R~Rのうちの1つは炭素数7~9の芳香族アルキル基であり、残りの2つは炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、残りの2つは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(2)中、Rの炭素数は8~22であり、8~18が好ましい。Rとしては、炭素数8~22の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数8~18の直鎖のアルキル基がより好ましい。
一般式(2)中、R~Rのうちの1つは炭素数7~9の芳香族アルキル基である。ここで、「芳香族アルキル基」とは、アルキル基の1つ以上の水素原子、好ましくは1つの水素原子が芳香族基に置換された基である。芳香族アルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、3-フェニルプロピル基が挙げられる。これらの中でも、ベンジル基が好ましい。
一般式(2)中、R~Rのうちの残りの2つは、炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基である。このアルキル基の炭素数は1~3であり、1が特に好ましい。R~Rのうちの残りの2つとしては、それぞれ独立して、炭素数1~3の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1のアルキル基(メチル基)が特に好ましい。R~Rのうちの残りの2つは、互いに同一であることが好ましい。
一般式(2)中、X は陰イオンである。陰イオンとしては、例えばハロゲン化物イオン、アルキル硫酸イオン、硫酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、アルキル炭酸イオン、炭酸イオンなどが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン化物イオン、アルキル硫酸イオンが好ましく、ハロゲン化物イオンがより好ましい。
ハロゲン化物イオンとしては、例えばフッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンなどが挙げられる。これらの中でも塩化物イオン、臭化物イオンが好ましい。
アルキル硫酸イオンとしては、一般式(1)におけるX の説明において先に例示したアルキル基の炭素数が1~5のアルキル硫酸イオンが挙げられ、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、ブチル硫酸イオンが好ましく、メチル硫酸イオンがより好ましい。
化合物(2)としては、例えばベンザルコニウムクロリド、ベンザルコニウムブロミド、ベンジルジメチルオクチルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルオクチルアンモニウムブロミド、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムブロミド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムブロミド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムブロミド、椰子アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、椰子アルキルジメチルベンジルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果が特に得られやすい観点から、ベンザルコニウムクロリド、ベンザルコニウムブロミドが好ましい。
化合物(2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
化合物(2)は、市販品を用いてもよいし、公知の方法で製造された合成品を用いてもよい。
Figure 0007471188000006
一般式(3)中、Rは炭素数8~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R10~R12は炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、X は陰イオン(ただし、アルキル基の炭素数が1~5のアルキル硫酸イオンを除く。)であり、R10~R12は互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(3)中、Rの炭素数は8~12であり、10~12が好ましい。Rとしては、炭素数8~12の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数10~12の直鎖のアルキル基がより好ましい。
一般式(3)中、R10~R12の炭素数は1~3であり、1が特に好ましい。R10~R12としては、それぞれ独立して、炭素数1~3の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1のアルキル基(メチル基)が特に好ましい。R10~R12は、互いに同一であることが好ましい。
一般式(3)中、X は陰イオン(ただし、アルキル基の炭素数が1~5のアルキル硫酸イオンを除く。)である。陰イオンとしては、例えばハロゲン化物イオン、硫酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、アルキル炭酸イオン、炭酸イオンなどが挙げられる。これらの中でも、ハロゲン化物イオンが好ましい。
ハロゲン化物イオンとしては、一般式(2)におけるX の説明において先に例示したハロゲン化物イオンが挙げられ、塩化物イオン、臭化物イオンが好ましい。
化合物(3)としては、例えばオクチルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、ノニルトリメチルアンモニウムクロリド、ノニルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ウンデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ウンデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果が特に得られやすい観点から、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミドが特に好ましい。
化合物(3)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
化合物(3)は、市販品を用いてもよいし、公知の方法で製造された合成品を用いてもよい。
(B)成分の含有量は、抗菌処理剤の総質量に対して5~50質量%が好ましく、13~50質量%がより好ましく、17~50質量%がさらに好ましく、19~50質量%が特に好ましく、20~45質量%が最も好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、希釈安定性がより向上する。(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、希釈安定性及び保存安定性がより向上する。
また、(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下、「B/A比率」ともいう。)は、0.15~3.0であり、0.23~3.0が好ましく、0.35~3.0がより好ましく、0.4~3.0がさらに好ましく、0.4~2.5が特に好ましい。B/A比率が上記範囲内であれば、希釈安定性及び保存安定性が向上する。加えて、抗菌性をより良好に維持できる。特に、B/A比率が上記下限値以上であれば、希釈安定性がより向上する。B/A比率が上記上限値以下であれば、希釈安定性及び保存安定性がより向上する。
<(C)成分>
(C)成分は、有機溶剤である。
有機溶剤としては、例えばエタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール等の炭素数2~4の一価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200~5000のポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、グリセリン等の炭素数2~4の多価アルコール;エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
これらの中でも、本発明の効果が特に得られやすい観点から、プロピレングリコール、エタノール、ブチルジグリコールが好ましい。
有機溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の含有量は、抗菌処理剤の総質量に対して2~15質量%が好ましく、2~11質量%がより好ましく、2~10質量%がさらに好ましく、2~9質量%が特に好ましい。(C)成分の含有量が上記下限値以上であれば、希釈安定性及び保存安定性がより向上する。(C)成分の含有量が上記上限値以下であれば、溶剤臭が抑制でき作業性が向上する。
<(D)成分>
(D)成分は、水である。
水としては、例えば精製水、イオン交換水、蒸留水、水道水などが挙げられる。
(D)成分の含有量は、抗菌処理剤の総質量に対して5~50質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましく、10~45質量%がさらに好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であれば、希釈安定性及び保存安定性がより向上する。(D)成分の含有量が上記上限値以下であれば、高度に濃縮された抗菌処理剤としやすい。
なお、抗菌処理剤に含まれる全ての成分の含有量の合計は、100質量%である。
<任意成分>
任意成分としては、例えば(A)成分及び(B)成分以外のカチオン界面活性剤(他のカチオン界面活性剤)、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤等のその他の界面活性剤;パラトルエンスルホン酸、炭素数1~3の1級アルコール等のハイドロトロープ剤;クエン酸塩、メチルグリシン二酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩等の金属封鎖剤;色素;特開2002-173698号公報の表3~4記載の香料組成物A~F、特開2003-82398号公報の表5~13記載の香料組成物X1~P2、特開2004-322078号公報の表1~2記載の香料組成物a~f、特開2005-187638号公報の表3記載の香料組成物a~c、特開2006-151907号公報の表3記載の香料組成物A~D、特開2015-124363号公報の表4記載の香料組成物A~D、特開2015-21076号公報の表2記載の香料組成物D-1~D-2ならびにD’-1等の香料;pH調整剤;防腐剤;酸化防止剤;増粘剤;紫外線吸収剤などが挙げられる。
抗菌処理剤を洗濯の仕上げ工程で用いる場合、泡立ちや被洗物への残留を抑制する観点から、抗菌処理剤はノニオン界面活性剤を実質的に含まないことが好ましく、その他の界面活性剤を実質的に含まないことがより好ましい。
本明細書において、「実質的に含まない」とは、意図せずして含有するものを除き、ノニオン界面活性剤又はその他の界面活性剤を積極的に配合しないことを意味する。
<製造方法>
抗菌処理剤は、例えば、上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することによって製造できる。より具体的には、(D)成分の一部に、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応じて任意成分とを加えて混合した後、(D)成分の残部を加えて全体量を100質量%として、抗菌処理剤とする。また、全体量が100質量%となるように、(D)成分の全部に、残りの成分を全て加えて混合して、抗菌処理剤を製造してもよい。
なお、上述したように、(A)成分として市販品又は合成品を用いる場合、これらには有機溶剤が含まれる場合があり、市販品又は合成品中の有機溶剤を除去せずに、そのまま(C)成分として用いてもよい。すなわち、(A)成分の市販品又は合成品、(B)成分及び(D)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することによって、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分と、必要に応じて任意成分とを含む抗菌処理剤が得られる。また、必要に応じて、後から(C)成分をさらに添加してもよい。
<使用方法>
本発明の抗菌処理剤は、被洗物を抗菌処理する際に用いる抗菌剤として好適である。本発明の抗菌処理剤を使用する際には、抗菌処理剤を水で所望の濃度に希釈して希釈液として、被洗物の洗濯に用いることが好ましい。
抗菌対象となる微生物としては、大腸菌等のグラム陰性菌;黄色ブドウ球菌、芽胞形成菌等のグラム陽性菌などが挙げられる。特に、従来の抗菌剤として一般的に使用されているベンザルコニウム塩では充分な抗菌効果が得られないとされている芽胞形成菌に対しても、本発明の抗菌処理剤であれば充分な抗菌効果が得られる。芽胞形成菌の中でも特に、本発明の抗菌処理剤は、セレウス菌(バチルス セレウス)に対して良好な抗菌効果を示す。
抗菌処理方法の一例については、後述する。
<作用効果>
以上説明した本発明の抗菌処理剤においては、特定量の(A)成分と、(B)成分とを特定の比率で含有し、かつ(C)成分及び(D)成分を含有するので、抗菌性、保存安定性及び希釈安定性に優れる。
本発明の抗菌処理剤は希釈性安定性に優れるので、抗菌処理剤を使用する際に自動投入装置を用いても自動投入装置が目詰まりしにくい。よって、本発明の抗菌処理剤であれば、自動投入装置での使用に適している。
[抗菌処理方法]
本発明の抗菌処理方法は、被洗物の洗濯中に本発明の抗菌処理剤を添加して、被洗物を抗菌処理する方法である。
本発明の抗菌処理方法は、以下に示す洗浄工程と、濯ぎ工程と、仕上げ工程とを有し、洗浄工程、濯ぎ工程及び仕上げ工程のうちの少なくとも1つの工程で、本発明の抗菌処理剤を任意の濃度に希釈した後に、又は希釈しながら被洗物に添加する添加処理を行う。
被洗物としては特に限定されないが、例えば衣類(衣料)、布巾、タオル類、シーツ、カーテン、枕カバー等の繊維製品などが挙げられる。
<添加処理>
添加処理は、通常2段階の抗菌処理剤の希釈を行い、被洗物に添加する処理のことである。1段階目は、本発明の抗菌処理剤を任意の濃度に事前に希釈すること、又は送液しながら希釈することであり、2段階目は、洗濯工程にて被洗物に添加するためのさらなる希釈をすることである。
抗菌処理剤は希釈を行い2段階目の希釈濃度に希釈して希釈液とした状態で被洗物に添加してもよいし、抗菌処理剤を1段階目の濃度に希釈した液を2段階目の希釈濃度に希釈しながら被洗物に添加してもよい。
本発明の抗菌処理剤であれば、ゲル化や分離が起こりやすい希釈倍率が2~5倍に達したときでも、抗菌処理剤がゲル化したり分離したりせず、水に均一に溶解できる。
なお、均一とは、抗菌処理剤を水で希釈した際に、白濁、分離、ゲル化及び固化を発生しないことをいう。
抗菌処理剤の希釈倍率は特に制限されないが、1段階目は通常は2~10倍であり、2段階目は通常は本発明の抗菌処理剤の原液の10,000~100,000倍である。
添加処理は、自動投入装置を用いて行われてもよい。自動投入装置を用いて添加処理を行えば、容易に希釈液等を被洗物に添加でき、作業性に優れる。しかも、少量の抗菌処理剤や希釈液でも正確に計量でき、抗菌処理剤の使い過ぎによる無駄も回避できる。
添加処理は、少なくとも仕上げ工程で行われることが好ましい。添加処理を仕上げ工程で行えば、洗濯後の被洗物に抗菌処理剤が残存しやすく、抗菌効果の持続性に優れる。
<洗浄工程>
洗浄工程は、被洗物を洗浄水で洗浄する工程である。
洗浄水は洗浄剤を含む。洗浄剤としては、界面活性剤を含むものが挙げられる。界面活性剤としては、従来公知のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが挙げられる。
洗浄剤は、必要に応じてアルカリ剤、過酸化水素などを含んでいてもよい。
洗浄剤としては、市販品を使用できる。
洗浄工程の回数は、1回でもよいし、2回以上でもよい。洗浄工程を2回以上行う場合、1回目の洗浄工程を「予洗工程」ともいい、2回目以降の洗浄工程を「本洗工程」ともいう。予洗工程及び本洗工程で使用する洗浄剤は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
洗浄工程で添加処理を行う場合、洗浄剤及び抗菌処理剤を含む洗浄水で被洗物を洗浄する。洗浄工程を2回以上行う場合は、本洗工程で添加処理を行うことが好ましい。
抗菌処理剤は予め水で任意の濃度に希釈して希釈液とした状態で洗浄水に投入してもよいし、抗菌処理剤を水で任意の濃度に希釈しながら洗浄水に投入してもよい。また、抗菌処理剤を希釈せずに原液のまま洗浄水に投入して、洗浄水中で任意の濃度に希釈してもよい。
<濯ぎ工程>
濯ぎ工程は、洗浄工程を経た被洗物を濯ぎ水で濯ぐ工程である。
濯ぎ工程を行うことで、被洗物に残留している洗浄剤を除去する。濯ぎ工程に使用される濯ぎ水としては、洗浄剤を含有しない水を使用することが好ましい。また、濯ぎ水としては、節水の観点から濯ぎ工程以降の洗濯槽の水の余剰分を使用してもよい。
濯ぎ工程で添加処理を行う場合、抗菌処理剤を含む濯ぎ水で被洗物を濯ぐ。
抗菌処理剤は希釈液とした状態で濯ぎ水に投入してもよいし、抗菌処理剤を水で任意の濃度に希釈しながら濯ぎ水に投入してもよい。また、抗菌処理剤を原液のまま濯ぎ水に投入して、濯ぎ水中で任意の濃度に希釈してもよい。
<仕上げ工程>
仕上げ工程は、濯ぎ工程を経た被洗物を仕上げ水で処理する工程である。
仕上げ水は、被洗物を仕上げるための仕上げ剤を含む。仕上げ剤としては、例えば柔軟剤などが挙げられる。洗浄工程でアルカリ剤や過酸化水素を含む洗浄剤を用いた場合、仕上げ剤として中和剤を使用してもよい。
柔軟剤としては、市販品を使用できる。
中和剤としては、サワー剤、過酸化水素還元剤を含むものが挙げられる。
サワー剤はアルカリ剤を中和する酸性物質であり、例えばクエン酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グリコール酸、酒石酸、イソクエン酸、マロン酸、酢酸、乳酸、アスコルビン酸、フィチン酸等の有機酸;リン酸等の無機酸などが挙げられる。
過酸化水素還元剤は過酸化水素を還元する還元剤であり、例えばチオ硫酸塩、亜ジチオン酸塩、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、二酸化チオ尿素、スルホキシルナトリウムなどが挙げられる。
仕上げ剤には、例えば界面活性剤、キレート剤、分散剤、水溶性溶剤、シリコーン、蛍光増白剤、抗菌剤(ただし、本発明の抗菌処理剤を除く)、消臭剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、平滑剤、縮み防止剤、洗濯じわ防止剤、ドレープ性保持剤、アイロン性向上剤、増白剤、白化剤、布地柔軟化クレイ、帯電防止剤、移染防止剤、高分子分散剤、汚れ剥離剤、スカム分散剤、染料固定剤、退色防止剤、染み抜き剤、繊維表面改質剤、カタラーゼ等の酵素、抑泡剤、汚染防止剤、非イオン性高分子化合物等の任意成分が含まれていてもよい。
仕上げ工程で添加処理を行う場合、仕上げ剤及び抗菌処理剤を含む仕上げ水で被洗物を処理する。
抗菌処理剤は希釈液とした状態で仕上げ水に投入してもよいし、抗菌処理剤を水で任意の濃度に希釈しながら仕上げ水に投入してもよい。また、抗菌処理剤を原液のまま仕上げ水に投入して、仕上げ水中で任意の濃度に希釈してもよい。
仕上げ工程を経た被洗物は、脱水工程において脱水処理が施された後、乾燥工程において乾燥処理が施される。
上述した洗濯工程、濯ぎ工程、仕上げ工程及び脱水工程は、家庭用の洗濯機、リネンサプライ業やクリーニング業等で使用される業務用の洗濯機(例えばバッチワッシャー、連続式洗濯機等)を用いて行われる。乾燥機能が搭載された洗濯機を用いれば、乾燥工程も行うことができる。
<作用効果>
以上説明した本発明の抗菌処理方法においては、本発明の抗菌処理剤を用いて被洗物に対して抗菌処理を施すので、被洗物に抗菌性を付与できる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
「使用原料」
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・A-1:ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート(上記一般式(1)中、R及びRが炭素数10の直鎖のアルキル基(デシル基)であり、R及びRがメチル基であり、X がメチル硫酸イオンである化合物(1))。
(B)成分及びその代替品((B’)成分)として、以下に示す化合物を用いた。
・B-1:ベンザルコニウムクロリド(上記一般式(2)中、Rが炭素数8~18の直鎖のアルキル基であり、Rがベンジル基であり、R及びRがメチル基であり、X が塩化物イオンである化合物(2))。
・B-2:ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(上記一般式(3)中、Rが炭素数12の直鎖のアルキル基(ドデシル基)であり、R10~R12がメチル基であり、X が塩化物イオンである化合物(3))。
・B-3:デシルトリメチルアンモニウムブロミド(上記一般式(3)中、Rが炭素数10の直鎖のアルキル基(デシル基)であり、R10~R12がメチル基であり、X が臭化物イオンである化合物(3))。
・B-4:オクチルトリメチルアンモニウムクロリド(上記一般式(3)中、Rが炭素数8の直鎖のアルキル基(オクチル基)であり、R10~R12がメチル基であり、X が塩化物イオンである化合物(3))。
・B’-5:ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(上記一般式(3)中、Rが炭素数16の直鎖のアルキル基(ヘキサデシル基)であり、R10~R12がメチル基であり、X が塩化物イオンである化合物(3’))。
・B’-6:アルキル(C14~18)トリメチルアンモニウムクロリド(上記一般式(3)中、Rが炭素数14~18の直鎖のアルキル基であり、R10~R12がメチル基であり、X が塩化物イオンである化合物(3’))。
(C)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・C-1:プロピレングリコール。
・C-2:エタノール。
「実施例1~13、比較例1~8」
<抗菌処理剤の調製>
表1~3に示す配合組成の抗菌処理剤を以下の手順にて調製した。
1Lビーカーに(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、(D)成分としてイオン交換水の一部とを加えて混合した後、全体量が100質量%となるように残りの(D)成分を添加して充分に撹拌し、抗菌処理剤を得た。
得られた各例の抗菌処理剤について、以下のようにして、抗菌性、保存安定性及び希釈安定性を評価した。結果を表1~3に示す。
<評価>
(黄色ブドウ球菌に対する抗菌性の評価)
黄色ブドウ球菌に対する抗菌性の評価方法はJIS L 1902の繊維の抗菌試験方法に準じて行った。
具体的には、布(金巾3号綿布)を5cm各に切断し、水を浴比10倍、抗菌処理剤を布当たり0.005質量%投入し、3分間撹拌し、脱水・自然乾燥を行い、抗菌処理を行った。
抗菌処理した布0.4gをバイアル瓶に入れ、黄色ブドウ球菌の菌液(1~3×10CFU/mL)0.2mL滴下し、37℃で18時間静置して、試験布とした。
試験布をSCDLP(Soybean-Casein Digest Broth with Lecithin & Polysorbate 80)培地20mL中に入れ、撹拌し、SCDLP培地に10倍段階希釈を行った。この段階希釈液各1mlもしくは0.1mLをSCDLP寒天培地平板に混釈し、35℃で24時間培養した。
培養後、SCDLP培地上に発育したコロニー数を測定し、抗菌処理剤にて抗菌処理した試験布に存在する生菌数(V11)を算出した。対照として、抗菌処理を行っていない試験布を用い、同様に処理して生菌数(V12)を算出し、下記式(i)より抗菌活性値を求めた。抗菌活性値が2.2以上の場合を「〇」とし、抗菌活性値が2.2未満の場合を「×」とし、「〇」を合格とした。
除菌活性値(Δlog10CFU/試験布)=log10(V12)-log10(V11) ・・・(i)
(セレウス菌に対する抗菌性の評価)
セレウス菌に対する抗菌性の評価方法はJIS L 1902の繊維の抗菌試験方法に準じて行った。
具体的には、布(金巾3号綿布)を5cm各に切断し、水を浴比10倍、抗菌処理剤を布当たり0.02質量%投入し、3分間撹拌し、脱水・自然乾燥を行い、抗菌処理を行った。
抗菌処理した布0.4gをバイアル瓶に入れ、セレウス菌の菌液(1~3×10CFU/mL)0.2mL滴下し、37℃で18時間静置して、試験布とした。
試験布をSCDLP培地20mL中に入れ、撹拌し、SCDLP培地に10倍段階希釈を行った。この段階希釈液各1mlもしくは0.1mLをSCDLP寒天培地平板に混釈し、35℃で24時間培養した。
培養後、SCDLP培地上に発育したコロニー数を測定し、抗菌処理剤にて抗菌処理した試験布に存在する生菌数(V21)を算出した。対照として、抗菌処理を行っていない試験布を用い、同様に処理して生菌数(V22)を算出し、下記式(ii)より抗菌活性値を求めた。抗菌活性値が2.2以上の場合を「〇」とし、抗菌活性値が2.2未満の場合を「×」とし、「〇」を合格とした。
除菌活性値(Δlog10CFU/試験布)=log10(V22)-log10(V21) ・・・(ii)
(保存安定性の評価)
50mLのキャップ付きの瓶に抗菌処理剤10gを投入し、-5℃、常温(25℃)、50℃で保管した。14日経過後の抗菌処理剤の外観を目視にて確認した。以下の評価基準にて保存安定性を評価した。
〇:-5℃、常温(25℃)、50℃のいずれで保管しても、変化が認められない。
×:-5℃、常温(25℃)、50℃のいずれで保管した場合に、分離、ゲル化又は固化が認められた。
(希釈安定性の評価)
50mLのキャップ付きの瓶に抗菌処理剤10gを投入し、原液の状態と、水で2倍、3倍又は5倍に希釈した状態で、常温(25℃)で24時間静置した。静置後の抗菌処理剤又はその希釈液の外観(白濁、ゲル化、固化の有無)を目視にて確認した。5倍希釈しても外観に問題がない場合は、5倍希釈液について、5℃又は-5℃で24時間静置し、静置後の希釈液の外観を目視にて確認した。以下の評価基準にて希釈安定性を評価した。2点以上を合格とする。
1点:常温で、原液又は2倍希釈液を静置すると、白濁、分離、ゲル化及び固化のいずれかが生じた。
2点:2倍希釈までは常温で静置しても外観に問題ない。
3点:5倍希釈までは常温で静置しても外観に問題ない。
4点:5倍希釈液を5℃で静置しても外観に問題はない。
5点:-5倍希釈液を5℃で静置しても外観に問題はない。
Figure 0007471188000007
Figure 0007471188000008
Figure 0007471188000009
表1~3中、「バランス」とは、抗菌処理剤全体で100質量%とするのに必要な(D)成分の配合量(質量%)である。また、表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていない。
また、「B/A比」は、(B)成分/(A)成分で表される質量比である。「B’/A比」は、(B’)成分/(A)成分で表される質量比である。
表1、2から明らかなように、各実施例の抗菌処理剤は、抗菌性、保存安定性及び希釈安定性に優れていた。
一方、表3から明らかなように、(B)成分を含まない比較例1の抗菌処理剤は、希釈安定性に劣っていた。
B/A比が0.15~3.0の範囲外である比較例2~4の抗菌処理剤は、希釈安定性に劣っていた。特に、B/A比が3.150である比較例4の抗菌処理剤は、保存安定性にも劣っていた。
(B)成分の代わりに(B’)成分を用いた比較例5、6の抗菌処理剤は、保存安定性及び希釈安定性に劣っていた。
(A)成分を含まない比較例7、8の抗菌処理剤は、抗菌性に劣っていた。

Claims (10)

  1. (A)成分:下記一般式(1)で表されるカチオン界面活性剤と、
    (B)成分:下記一般式(2)で表されるカチオン界面活性剤及び下記一般式(3)で表されるカチオン界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上と、
    (C)成分:有機溶剤と、
    (D)成分:水と、を含有し、
    前記(A)成分の含有量が、濃縮液体抗菌処理剤の総質量に対して、10~80質量%であり、
    前記(B)成分/前記(A)成分で表される質量比が0.15~3.0である、繊維製品用の濃縮液体抗菌処理剤。
    Figure 0007471188000010
    (一般式(1)中、R及びRは炭素数10~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R及びRは炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、X はアルキル基の炭素数が1~5のアルキル硫酸イオンであり、RとRとは互いに同一であり、RとRとは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0007471188000011
    (一般式(2)中、Rは炭素数8~22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R~Rは炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素数7~9の芳香族アルキル基であり、X は陰イオンであり、R~Rのうちの1つは炭素数7~9の芳香族アルキル基であり、残りの2つは炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、残りの2つは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 0007471188000012
    (一般式(3)中、Rは炭素数8~12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、R10~R12は炭素数1~3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基であり、X は陰イオン(ただし、アルキル基の炭素数が1~5のアルキル硫酸イオンを除く。)であり、R10~R12は互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記一般式(1)中のX がメチル硫酸イオンである、請求項1に記載の繊維製品用の濃縮液体抗菌処理剤。
  3. 前記(B)成分が、ベンザルコニウムクロリドを含む、請求項1又は2に記載の繊維製品用の濃縮液体抗菌処理剤。
  4. 前記(B)成分が、前記一般式(3)で表されるカチオン界面活性剤を含み、かつ前記一般式(3)中のR10~R12がいずれもメチル基である、請求項1又は2に記載の繊維製品用の濃縮液体抗菌処理剤。
  5. 前記(A)成分が、ジデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェートを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の繊維製品用の濃縮液体抗菌処理剤。
  6. 前記(C)成分が、プロピレングリコール、エタノール及びブチルジグリコールからなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の繊維製品用の濃縮液体抗菌処理剤。
  7. セレウス菌を抗菌対象とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の繊維製品用の濃縮液体抗菌処理剤。
  8. 被洗物を洗浄水で洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程を経た前記被洗物を濯ぎ水で濯ぐ濯ぎ工程と、
    前記濯ぎ工程を経た前記被洗物を仕上げ水で処理する仕上げ工程と、を有し、
    前記洗浄工程、前記濯ぎ工程及び前記仕上げ工程のうちの少なくとも1つの工程で、請求項1~7のいずれか一項に記載の濃縮液体抗菌処理剤を任意の濃度に希釈した後に、又は希釈しながら被洗物に添加する添加処理を行う、抗菌処理方法。
  9. 前記添加処理は前記仕上げ工程で行われる、請求項8に記載の抗菌処理方法。
  10. 前記添加処理は自動投入装置を用いて行われる、請求項8又は9に記載の抗菌処理方法。
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