JP7465138B2 - パターン検査装置及びパターン検査方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パターン検査装置及びパターン検査方法に関する。例えば、半導体製造に用いる露光用マスクのパターン欠陥を検査する装置及び方法に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。これらの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスク或いはレチクルともいう。以下、マスクと総称する)を用いて、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。
そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
検査手法としては、例えば、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した光学画像データ同士を比較する「die to die(ダイ-ダイ)検査」や、パターン設計されたCADデータをマスクにパターンを描画する時に描画装置が入力するための装置入力フォーマットに変換した描画データ(設計データ)を検査装置に入力して、これをベースに参照画像を生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる光学画像とを比較する「die to database(ダイ-データベース)検査」がある(例えば、特許文献1参照)。
ここで、上述したダイ-ダイ検査やダイ-データベース検査の他に、過去に検査したマスクの検査済データを残しておき、2度目以降の検査の際に、残しておいた検査済データをロードして、検査済データの光学画像と今回検査するマスクを撮像した光学画像とを比較する「Mask to Mask(マスク-マスク)検査」の需要がある。しかしながら、マスク-マスク検査では、例えば、1画素あたり1バイトのデータとして1画素サイズを50nmとした場合、150mm×150mmのマスクの検査領域を検査するとなると、1検査あたり9TB以上(=3MB(=150mm/50nm)×3MB)の検査済データをロードする必要が生じてしまう。透過検査と反射検査の2検査を行う場合、2倍の18TB以上の検査済データをロードする必要が生じる。そのため、例えば一般的な10Gbit-イーサネットで、検査済データが記憶された記憶装置のディスクに接続する場合、実質的な通信速度を600MB/secとすると、18TB以上の検査済データをロードするために8時間以上のロード時間が必要になってしまう。これは、ダイ-データベース検査において設計データから参照画像を作成し、画像同士を比較する比較回路に参照画像をロードするといった一連の処理に必要な時間と比べると、非常に長い時間がかかってしまうといった問題があった。そのため、マスク-マスク検査を行うにあたって過去に取得済のデータをロードする時間の短縮化が求められる。
特開2020-042035号公報
そこで、本発明の一態様は、マスク-マスク検査を行うにあたって過去に取得済のデータをロードする時間を短縮可能な検査装置及び方法を提供する。
本発明の一態様のパターン検査装置は、
パターンが形成された被検査基板の複数の領域の光学画像を取得する光学画像取得機構と、
前記パターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された複数の領域の光学画像に関する所定のデータとして、光学画像内に配置される図形パターンの輪郭線のデータを記憶する記憶装置と、
記憶装置から所定のデータをロードするロード処理部と、
前記輪郭線のデータを図形パターンデータに変換する図形パターンデータ変換回路と、
前記図形パターンデータを用いて参照画像を作成する参照画像作成回路と、
取得された光学画像と、ロードされた所定のデータに基づく画像とを比較する比較回路と、
を備え、
ロード処理部は、過去に取得された複数の領域の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータとして、前記記憶装置に記憶された前記輪郭線のデータをロードし、
前記比較回路は、前記所定のデータに基づく画像として、前記参照画像を用いることを特徴とする。
また、ロード処理部は、ダイ-ダイ検査を行う領域同士については、所定のデータをロードせず、ダイ-ダイ検査を行う領域同士を除いたその他の領域について所定のデータをロードし、
比較回路は、複数の領域のうち、ダイ-ダイ検査を行う領域同士については、取得された光学画像同士を比較し、ダイ-ダイ検査を行う領域同士を除いたその他の領域について、取得された光学画像と、所定のデータに基づく画像とを比較すると好適である。
また、ロード処理部は、記憶装置から輪郭線のデータを図形パターンデータ変換回路にロードすると好適である。
本発明の他の態様のパターン検査装置は、
パターンが形成された被検査基板の複数の領域の光学画像を取得する光学画像取得機構と、
前記パターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された前記複数の領域の光学画像に関する所定のデータを記憶する記憶装置と、
前記記憶装置から前記所定のデータをロードするロード処理部と、
取得された前記光学画像と、ロードされた前記所定のデータに基づく画像とを比較する比較回路と、
過去に取得された前記光学画像内の図形パターンの輪郭線のデータを用いて、前記輪郭線のデータを図形パターンデータに変換する図形パターンデータ変換回路と、
前記図形パターンデータを用いて参照画像を作成する参照画像作成回路と、
を備え、
前記記憶装置は、前記所定のデータとして、前記図形パターンデータを記憶し、
前記ロード処理部は、過去に取得された前記複数の領域の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータとして、前記記憶装置に記憶された図形パターンデータを参照画像作成回路にロードし、
比較回路は、所定のデータに基づく画像として、参照画像を用いると好適である。
また、光学画像取得機構は、所定のデータに基づく画像に対して、90度、180度、及び270度の少なくとも1つに回転させた状態での光学画像を取得し、
比較回路は、所定のデータに基づく画像を比較対象の光学画像と同様に回転させた画像を所定のデータに基づく画像として用いると好適である。
本発明の一態様のパターン検査方法は、
パターンが形成された被検査基板の複数の領域の光学画像を取得する工程と、
前記パターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された複数の領域の光学画像に関する所定のデータとして、光学画像内に配置される図形パターンの輪郭線のデータを記憶装置に記憶する工程と、
記憶装置から所定のデータをロードする工程と、
図形パターンデータ変換回路を用いて、前記輪郭線のデータを図形パターンデータに変換する工程と、
前記図形パターンデータを用いて参照画像を作成する工程と、
取得された光学画像と、ロードされた所定のデータに基づく画像とを比較する工程と、
を備え、
過去に取得された複数の領域の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータとして、前記記憶装置に記憶された前記輪郭線のデータがロードされ
前記所定のデータに基づく画像として、前記参照画像を用いることを特徴とする。
また、本発明の他の態様のパターン検査方法は、
パターンが形成された被検査基板の複数の領域の光学画像を取得する工程と、
前記パターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された前記複数の領域の光学画像に関する所定のデータを記憶装置に記憶する工程と、
前記記憶装置から前記所定のデータをロードする工程と、
取得された前記光学画像と、ロードされた前記所定のデータに基づく画像とを比較する工程と、
過去に取得された前記光学画像内の図形パターンの輪郭線のデータを用いて、前記輪郭線のデータを図形パターンデータに変換する図形パターンデータ変換回路と、
参照画像作成回路を用いて、前記図形パターンデータを用いて参照画像を作成する参照画像作成回路と、
を備え、
前記所定のデータとして、前記図形パターンデータが前記記憶装置に記憶され、
過去に取得された前記複数の領域の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータとして、前記記憶装置に記憶された図形パターンデータが前記参照画像作成回路にロードされ、
前記比較回路は、前記所定のデータに基づく画像として、前記参照画像を用いることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、マスク-マスク検査を行うにあたって過去に取得済のデータをロードする時間を短縮できる。
実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。 実施の形態1における検査領域を説明するための概念図である。 実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1における比較回路の内部構成の一例を示す図である。 実施の形態1における基板の検査領域中における各領域の一例を示す図である。 実施の形態1における検査手法の一例を説明するための図である。 実施の形態2におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。 実施の形態2における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態2における輪郭線データと設定データとの一例を示す図である。 実施の形態2におけるフィルタ処理を説明するための図である。 実施の形態2における基板の検査領域中における各領域の一例を示す図である。 実施の形態3におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。 実施の形態2における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図1において、検査対象基板、例えばマスクに形成されたパターンの欠陥を検査する検査装置100は、光学画像取得機構150、及び制御系回路160を備えている。
光学画像取得機構150は、光源103、照明光学系170、移動可能に配置されたXYθテーブル102、拡大光学系104、TDI(時間遅延積分)センサ105、センサ回路106、ストライプパターンメモリ123、レーザ測長システム122、及びオートローダ130を有している。XYθテーブル102上には、オートローダ130から搬送された基板101が配置されている。基板101として、例えば、ウェハ等の半導体基板にパターンを転写する露光用のフォトマスクが含まれる。また、このフォトマスクには、検査対象となる複数の図形パターンが形成されている。基板101は、例えば、パターン形成面を下側に向けてXYθテーブル102に配置される。
制御系回路160では、検査装置100全体を制御する制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、データ解析回路132、磁気ディスク装置109,130、メモリ111、磁気テープ装置115、フレシキブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118、及びプリンタ119に接続されている。また、センサ回路106は、ストライプパターンメモリ123に接続され、ストライプパターンメモリ123は、比較回路108に接続されている。また、XYθテーブル102は、X軸モータ、Y軸モータ、θ軸モータにより駆動される。XYθテーブル102は、ステージの一例となる。また、参照画像作成回路112は、専用ケーブル121により比較回路108に接続される。また、バス120は、例えば、10Gbit-イーサネットのケーブルが用いられる。
なお、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、及びデータ解析回路132といった一連の「~回路」は、処理回路を有する。かかる処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。例えば、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、及びデータ解析回路132といった一連の「~回路」は、制御計算機110によって構成され、実行されても良い。位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、オートローダ制御回路113、テーブル制御回路114、及びデータ解析回路132に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度各回路内の図示しないメモリ若しくはメモリ111に記憶される。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、FD116、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。
検査装置100では、光源103、XYθテーブル102、照明光学系170、拡大光学系104、TDIセンサ105、及びセンサ回路106により高倍率の検査光学系が構成されている。また、XYθテーブル102は、制御計算機110の制御の下にテーブル制御回路114により駆動される。X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X-Y-θ)モータの様な駆動系によって移動可能となっている。これらの、Xモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。XYθテーブル102は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。そして、XYθテーブル102上に配置された基板101の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。また、オートローダ130からXYθテーブル102への基板101の搬送、及びXYθテーブル102からオートローダ130への基板101の搬送処理は、オートローダ制御回路113によって制御される。
被検査基板101のパターン形成の基となる描画データ(設計データ)が検査装置100の外部から入力され、磁気ディスク装置109に格納される。描画データには、複数の図形パターンが定義され、各図形パターンは、通常、複数の要素図形の組合せにより構成される。なお、1つの図形で構成される図形パターンがあっても構わない。被検査基板101上には、かかる描画データに定義された各図形パターンに基づいて、それぞれ対応するパターンが形成されている。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成部分について記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成が含まれても構わないことは言うまでもない。
図2は、実施の形態1における検査領域を説明するための概念図である。基板101の検査領域10(検査領域全体)は、図2に示すように、例えばY方向に向かって、TDIセンサ105のスキャン幅Wの短冊状の複数の検査ストライプ20に仮想的に分割される。そして、検査装置100では、検査ストライプ20毎に画像(ストライプ領域画像)を取得していく。検査ストライプ20の各々に対して、レーザ光(検査光)を用いて、当該ストライプ領域の長手方向(X方向)に向かって当該検査ストライプ20内に配置される図形パターンの画像を撮像する。なお、画像の取りこぼしを防ぐために、複数の検査ストライプ20は、隣接する検査ストライプ20同士間が所定のマージン幅でオーバーラップするように設定されると好適である。
XYθテーブル102の移動によってTDIセンサ105が相対的にX方向に連続移動しながら光学画像が取得される。TDIセンサ105では、図2に示されるようなスキャン幅Wの光学画像を連続的に撮像する。言い換えれば、TDIセンサ105は、TDIセンサ105の積分方向に相対的に移動しながら複数の図形パターンが形成された基板101面上の光学画像を撮像する。実施の形態1では、1つの検査ストライプ20における光学画像を撮像した後、Y方向に次の検査ストライプ20の位置まで移動して今度は逆方向に移動しながら同様にスキャン幅Wの光学画像を連続的に撮像する。すなわち、往路と復路で逆方向に向かうフォワード(FWD)-バックフォワード(BWD)の方向で撮像を繰り返す。
また、実際の検査にあたって、各検査ストライプ20のストライプ領域画像は、図2に示すように、矩形の複数のフレーム領域30の画像に分割される。そして、フレーム領域30の画像毎に検査を行っていく。例えば、512×512画素のサイズに分割される。よって、フレーム領域30のフレーム画像31と比較される参照画像も同様にフレーム領域30毎に作成されることになる。
ここで、撮像の方向は、フォワード(FWD)-バックフォワード(BWD)の繰り返しに限るものではない。一方の方向から撮像してもよい。例えば、FWD-FWDの繰り返しでもよい。或いは、BWD-BWDの繰り返しでもよい。
図3は、実施の形態1における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。図3において、実施の形態1における検査方法は、スキャン工程(S102)と、フレーム画像作成工程(S104)と、データ解析工程(S110)と、ロード処理工程(S112)と、画像加工工程(S120)と、位置合わせ工程(S140)と、比較工程(S142)と、いう一連の工程を実施する。
今回の検査対象の基板101の検査に先立って、基板101に形成されたパターンと同じパターンが形成された基板の検査が実施される。かかる検査は、過去の検査(S90)となる。その際の検査済データ(所定のデータの一例)が記憶装置131に格納される。言い換えれば、記憶装置131には、基板101に形成されたパターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された複数のフレーム領域30の光学画像に関する所定のデータ(検査済データ)が記憶される。検査済データとして、過去の検査(S90)に用いた基板の各フレーム領域30のフレーム画像(測定画像)、比較に用いた参照画像、位置(座標)データ、及び比較したアルゴリズム反応値が含まれる。或いは、検査済データに、参照画像のデータが含まれていない場合であっても構わない。過去の検査(S90)に用いた基板の検査領域全体分の検査済データが格納される。フレーム画像のデータ量が基板の検査領域全体分で例えば9TBとする場合、参照画像を含めると、18TB以上のデータが格納される。
例えば、同じパターンが形成された複数のマスク(基板)をロット生産する場合に、同一ロットの1枚目の基板の検査済データを2枚目以降の基板の検査にリファレンス(参照画像)として使用することが想定される。また、すでに検査済の同じ基板を用いて検査装置100の再現性を確認するために検査済データをリファレンスとして使用することが想定される。その他、同一ロットの1枚目の基板の光学画像を撮像したものの検査していない状態で、1枚目の基板の光学画像のデータを2枚目以降の基板の検査にリファレンスとして使用することが想定される。
上述したように、マスク-マスク検査では、1枚の基板の1検査あたり例えば9TBの検査済データをロードする必要が生じてしまう。透過検査と反射検査の2検査を行う場合、2倍の18TBの検査済データをロードする必要が生じる。そのため、例えば一般的な10Gbit-イーサネットで、検査済データが記憶された記憶装置131に接続する場合、実質的な通信速度を600MB/secとすると、8時間以上のロード時間が必要になってしまう。これは、ダイ-データベース検査において設計データから参照画像を作成し、画像同士を比較する比較回路108に参照画像をロードするといった一連の処理に必要な時間と比べると、非常に長い時間がかかってしまうといった問題があった。そのため、マスク-マスク検査を行うにあたって過去に取得済のデータを記憶装置131からバス120を介してロードする時間の短縮化が求められる。そこで、実施の形態1では、ロードするデータ量を低減させる。以下、具体的に説明する。
光学画像取得機構150は、パターンが形成された被検査基板101の複数のフレーム領域30の光学画像を取得する。そのために、スキャン工程(S102)とフレーム画像作成工程(S104)とを実施する。
スキャン工程(S102)として、光学画像取得機構150は、パターンが形成された被検査基板101の複数のフレーム領域30の光学画像を取得する。そのために、まず、光学画像取得機構150は、検査ストライプ20上をレーザ光(検査光)でスキャンして、検査ストライプ20毎に、TDIセンサ105によりストライプ領域画像を撮像する。具体的には、以下のように動作する。対象となる検査ストライプ20が撮像可能な位置にXYθテーブル102を移動させる。基板101に形成されたパターンには、適切な光源103から、検査光となる紫外域以下の波長のレーザ光(例えば、DUV光)が照明光学系170を介して照射される。基板101を透過した光は拡大光学系104を介して、TDIセンサ105(センサの一例)に光学像として結像し、入射する。
TDIセンサ105上に結像されたパターンの像は、TDIセンサ105の各フォトダイオードによって光電変換され、更にセンサ回路106によってA/D(アナログ・デジタル)変換される。そして、ストライプパターンメモリ123に、測定対象の検査ストライプ20の画素データが格納される。かかる画素データ(ストライプ領域画像)を撮像する際、TDIセンサ105のダイナミックレンジは、例えば、照明光の光量が60%入射する場合を最大階調とするダイナミックレンジを用いる。測定データ(画素データ)は例えば8ビットの符号なしデータであり、各画素の明るさの階調(光量)を表現している。その後、ストライプ領域画像(ストライプデータ)は、位置回路107から出力されたXYθテーブル102上における基板101の位置を示すデータと共に比較回路108に送られる。
図4は、実施の形態1における比較回路の内部構成の一例を示す図である。図4において、比較回路108内には、磁気ディスク装置等の記憶装置70,71,72,74,75,76、フレーム画像作成部74、画像加工部75、位置合わせ部78、及び比較処理部79が配置されている。フレーム画像作成部74、画像加工部75、位置合わせ部78、及び比較処理部79といった一連の「~部」は、処理回路を有する。かかる処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。フレーム画像作成部74、画像加工部75、位置合わせ部78、及び比較処理部79に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度比較回路108内の図示しないメモリ若しくはメモリ111に記憶される。
比較回路108に入力されたストライプデータ(ストライプ領域画像)は記憶装置70に格納される。
フレーム画像作成工程(S104)として、フレーム画像作成部74は、所定の幅でストライプ領域画像(光学画像)が分割された複数のフレーム画像31を生成する。具体的には、図2に示すように、ストライプ領域画像は、矩形の複数のフレーム領域30のフレーム画像に分割される。例えば、512×512画素のサイズに分割される。各フレーム領域30のデータは、記憶装置76に格納される。
データ解析工程(S110)として、データ解析回路132は、記憶装置131に格納された検査済データを解析して、ロードする領域のデータと、ロードしない領域のデータとを分ける。
図5は、実施の形態1における基板の検査領域中における各領域の一例を示す図である。図5(a)では、今回の検査対象の基板101の検査領域10の振り分けを示している。検査領域10には、図5(a)に示すように、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12と、それ以外の領域14とが混在する。ダイ-ダイ検査を行う領域11,12については、スキャン工程(S102)にて既に測定画像が得られているので、今回の検査においても、得られた測定画像を用いることができる。よって、図5(b)に示すように、検査済データの基板の検査領域40において、かかるダイ-ダイ検査を行う領域11,12に対応する領域41,42については、データ解析回路132は、検査済データをロードしない領域と判定する。他方、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12以外の領域14については、ダイ-データベース検査の代わりに、マスク-マスク検査を行う。よって、図5(b)に示すように、検査済データの基板の検査領域40において、かかるダイ-ダイ検査を行う領域11,12以外の領域14に対応する領域44については、データ解析回路132は、検査済データをロードする領域と判定する。そして、記憶装置131内のロードする領域44の検査済データが格納されている位置(範囲)を制御計算機110に報告する。
ロード処理工程(S112)として、制御計算機110(ロード処理部)は、過去に取得された複数のフレーム領域30の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータをロードする。具体的には、制御計算機110は、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12に対応する領域41,42の検査済データをロードせずに、バス120を介して、記憶装置131から、ロードする領域44の検査済データを比較回路108にロードする。ここでは、検査済データとして、過去の検査(S90)に用いた基板の各フレーム領域30のフレーム画像(測定画像)(検査済画像データ)を位置(座標)データと共にロードすればよい。比較回路108内にロードされた検査済データは、記憶装置72に格納される。
以上のように、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12に対応する領域41,42については、制御計算機110は、検査済データをロードしないので、その分、ロードするデータ量を低減できる。よって、ロード時間を短縮できる。
画像加工工程(S120)として、画像加工部75は、必要に応じて、検査済画像を加工する。
比較回路108は、検査対象基板101から取得されたフレーム画像31(光学画像)と、所定の画像とを比較する。比較回路108は、複数のフレーム領域30のうち、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12のフレーム領域同士については、フレーム領域同士の一方の領域について取得されたダイ2のフレーム画像(光学画像)をリファレンス(所定の画像)として用いる。そして、比較回路108は、複数のフレーム領域30のうち、ダイ-ダイ検査を行う領域同士を除いたその他の領域14のフレーム領域30について、検査済データに基づく画像をリファレンス(所定の画像)として用いる。言い換えれば、図5(a)に示すように、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12については、対応するダイ1のフレーム画像31と、ダイ2のフレーム画像とを比較する。一方、マスク-マスク検査を行う領域14については、フレーム画像31と、対応するフレーム領域30の検査済画像とを比較する。具体的には、以下のように動作する。
まず、位置合わせ工程(S140)として、位置合わせ部78は、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12については、フレーム領域30毎に、対応するダイ1のフレーム画像31と、ダイ2のフレーム画像とを記憶装置76から読み出し、所定のアルゴリズムでダイ1のフレーム画像31とダイ2のフレーム画像との位置合わせを行う。例えば、最小2乗法を用いて位置合わせを行う。マスク-マスク検査を行う領域14については、フレーム領域30毎に、フレーム画像31と、対応するフレーム領域30の検査済画像とを読み出し、所定のアルゴリズムで同様に位置合わせを行う。
比較工程(S142)として、比較処理部79(比較部)は、フレーム画像31と、当該フレーム画像31に対応する所定の画像とを比較する。言い換えれば、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12については、フレーム領域30毎に、対応するダイ1のフレーム画像31と、ダイ2のフレーム画像とを画素毎に比較する。マスク-マスク検査を行う領域14については、フレーム領域30毎に、フレーム画像31と、対応するフレーム領域30の検査済画像とを画素毎に比較する。ここでは、所定の判定条件に従って画素毎に両者を比較し、例えば形状欠陥といった欠陥の有無を判定する。判定条件としては、例えば、所定のアルゴリズムに従って画素毎に両者を比較し、欠陥の有無を判定する。例えば、画素毎に両画像の画素値の差分値を演算し、差分値が閾値Thより大きい場合を欠陥と判定する。そして、比較結果が記憶装置71に出力される。また、比較結果は、例えば、磁気ディスク装置109、磁気テープ装置115、フレキシブルディスク装置(FD)116、CRT117、パターンモニタ118に出力される、或いはプリンタ119から出力されればよい。
ここで、同じ基板101の過去の検査において欠陥と判定された箇所について、検査装置100の再現性をチェックする需要がある。その際に、基板101を回転させた状態で、スキャン工程(S102)においてストライプ画像を撮像した場合でも、同一位置に欠陥が検出されれば、真の欠陥であると判断できる。ここで、ダイ-データベース検査において、かかる回転させた状態での検査を行う場合、設計データをリアルタイムで回転させることが難しい。そのため、ダイ-データベース検査において、かかる回転させた状態での検査を実現させることは難しい。しかしながら、マスク-マスク検査であれば、検査済画像を回転させれば済むため、実効性がある。
図6は、実施の形態1における検査手法の一例を説明するための図である。実施の形態1では、検査済データとして、検査済画像50のデータをロードするので、設計データから参照画像を作成する必要がない。よって、設計データによる回転処理が不要にできる。そこで、スキャン工程(S102)において、光学画像取得機構150は、検査済データに基づく検査済画像に対して、90度、180度、及び270度の少なくとも1つに基板101を回転させた状態での光学画像を取得する。その結果、回転した状態でストライプ画像が得られるので、フレーム画像31も90°、180°、及び270°のいずれかに回転された像として生成される。図6(a)の例では、90°回転したフレーム画像31が示されている。一方、検査済画像50は、回転していない(0°回転)画像のままである。
そこで、画像加工工程(S120)において、図6(b)に示すように、画像加工部75が検査済画像50をフレーム画像31に合わせて回転させた検査済画像52に加工する。すなわち、比較回路108は、検査済データに基づく検査済画像50を比較対象のフレーム画像31(光学画像)と同様に回転させた検査済画像52をリファレンス(所定の画像)として用いる。そして、位置合わせ工程(S140)及び比較工程(S142)を実施することで、回転した状態での欠陥検査ができる。このように、画像を90°、180°、及び270°の少なくとも1つの角度で基板101を回転させた状態で、スキャン工程(S102)においてストライプ画像を撮像した場合でも、同一位置に欠陥が検出されれば、真の欠陥であると判断できる。
以上のように、実施の形態1によれば、マスク-マスク検査を行うにあたって過去に取得済のデータをロードする時間を短縮できる。
実施の形態2.
実施の形態1では、検査済データを画像データのままロードする場合について説明したが、これに限るものではない。実施の形態2では、画像データよりもデータ容量が少ないデータに加工した状態でバス120を介してロードする構成について説明する。
図7は、実施の形態2におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図7において、制御系回路160に、データ変換回路134、及び輪郭線データ生成回路136が追加された点、及びデータ変換回路134が専用ケーブル124により参照画像作成回路112に接続される点以外は、図1と同様である。
図8は、実施の形態2における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。図8において、過去の検査(S90)とデータ解析工程(S110)との間に輪郭線データ生成工程(S92)が追加された点と、ロード処理工程(S112)と画像加工工程(S120)との間に、設計データ変換工程(S114)と参照画像作成工程(S116)とが追加された点と、以外は図3と同様である。
実施の形態1と同様の過去の検査(S90)の際の検査済データ(光学画像に関するデータの一例)が記憶装置131に格納される。
次に、輪郭線データ生成工程(S92)として、輪郭線データ生成回路136は、フレーム領域30毎に、検査済画像内に配置される図形パターンの輪郭線のデータを生成する。生成された図形パターンの輪郭線データは、位置情報と共に、記憶装置131に格納される。言い換えれば、記憶装置131には、基板101に形成されたパターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された複数のフレーム領域30の光学画像に関する所定のデータとして輪郭線データが記憶される。
上述した例では、検査装置100内で、検査済画像内に配置される図形パターンの輪郭線データを生成する例を示しているが、これに限るものではない。検査済画像の図形パターンの輪郭線データは、オフラインで生成されたデータを検査装置100が入力して、記憶装置131に格納しても構わない。
スキャン工程(S102)と、フレーム画像作成工程(S104)と、の各工程の内容は実施の形態1と同様である。
データ解析工程(S110)として、データ解析回路132は、記憶装置131に格納された検査済画像の図形パターンの輪郭線データを解析して、ロードする領域のデータと、ロードしない領域のデータとを分ける。そして、記憶装置131内のロードする領域44の検査済画像の図形パターンの輪郭線データが格納されている位置(範囲)を制御計算機110に報告する。
ロード処理工程(S112)として、制御計算機110(ロード処理部)は、過去に取得された複数のフレーム領域30の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータをロードする。具体的には、制御計算機110は、バス120を介して、記憶装置131から、ロードする領域44の検査済画像の図形パターンの輪郭線データを位置(座標)データと共にデータ変換回路134にロードする。
以上のように、画像データよりもデータ容量が大幅に小さい輪郭線データをロードするので、ロードするデータ量を大幅に低減できる。また、実施の形態1と同様、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12に対応する領域41,42については、制御計算機110は、検査済データをロードしないので、その分、ロードするデータ量を低減できる。よって、ロード時間を短縮できる。
設計データ変換工程(S114)として、データ変換回路134(図形パターンデータ変換回路)は、輪郭線のデータを図形パターンデータ(設定データ)に変換する。
図9は、実施の形態2における輪郭線データと設定データとの一例を示す図である。輪郭線データ生成工程(S92)において、検査済画像50内の図形パターンについては、図9(a)に示すように、輪郭線60だけで中身が無いデータを生成する。そして、かかる輪郭線データがロードされる。データ変換回路134は、図9(b)に示すように、検査装置100がダイ-データベース検査に使用する際の設計データと同じフォーマットの図形パターン62のデータに輪郭線データを変換する。輪郭線だけではなく、中身を含めた図形パターンとして認識可能なデータに変換される。
参照画像作成工程(S116)として、参照画像作成回路112は、図形パターンデータ(設計データ)を用いて、リファレンス(所定の画像)となる参照画像を作成する。具体的には、以下のように動作する。参照画像作成回路112は、対象となる検査ストライプ20の各フレーム領域30について、データ変換回路134から専用ケーブル124を介して図形パターンデータ(設計データ)を入力し、図形パターンデータに定義された各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換する。専用ケーブル124は、バス120よりも高速通信が可能な並列線や光ファイバ等のケーブルが用いられる。
図形パターンデータに定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる設計パターンデータが参照画像作成回路112に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計パターン画像データに展開し、出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、フレーム領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データ(設計画像データ)を出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとして作成する。かかるマス目(検査画素)は、測定データの画素に合わせればよい。
次に、参照画像作成回路112は、図形のイメージデータである設計パターンの設計画像データに、フィルタ関数を使ってフィルタ処理を施す。
図10は、実施の形態2におけるフィルタ処理を説明するための図である。基板101から撮像される光学画像の画素データは、撮像に使用される光学系の解像特性等によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にあるため、例えば、図10に示すように、画像強度(濃淡値)がデジタル値の展開画像(設計画像)とは異なっている。一方、輪郭線データから変換される図形パターンデータでは、上述したように、図形コード等により定義されるので、展開された設計画像では、画像強度(濃淡値)がデジタル値になる場合があり得る。そのため、参照画像作成回路112は、展開画像に画像加工(フィルタ処理)を施して光学画像に近づけた参照画像を作成する。これにより、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データを測定データ(光学画像)の像生成特性に合わせることができる。作成された各フレーム領域30の参照画像のデータは専用ケーブル121を介して比較回路108に送られる。比較回路108に入力された参照画像のデータは記憶装置72に格納される。専用ケーブル121は、バス120よりも高速通信が可能な並列線や光ファイバ等のケーブルが用いられる。
画像加工工程(S120)と、位置合わせ工程(S140)と、比較工程(S142)と、の各工程の内容は実施の形態1と同様である。
図11は、実施の形態2における基板の検査領域中における各領域の一例を示す図である。今回の検査対象の基板101の検査領域10に、例えば、図11(a)に示すように、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12が存在しない場合、図11(b)に示すように、検査済データの基板の検査領域40全体のデータをロードする必要がある。一方、実施の形態2では、ロードするデータ自体が画像のフォーマットのデータではなく、輪郭線データなので、検査済データ自体のデータ容量が小さくできる。よって、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12が存在しない場合でも、ロードするデータ量を低減できる。よって、ロード時間を短縮できる。
また、画像加工工程(S120)については、画像の回転等の処理が不要であれば省略できる。また、図6で説明したように、スキャン工程(S102)において、光学画像取得機構150は、検査済データに基づく検査済画像に対して、90度、180度、及び270度の少なくとも1つに基板101を回転させた状態での光学画像を取得する場合も適用できる。この場合、画像加工工程(S120)で検査済画像に基づく参照画像を回転させる場合の他、検査済画像を回転させた状態で輪郭線データを生成しても良い。この場合、輪郭線データがすでに回転させた状態で生成されるので、画像加工工程(S120)を不要にできる。
実施の形態3.
実施の形態2では、バス120を介して輪郭線データをロードする場合を説明したが、これに限るものではない。実施の形態3では、画像データよりもデータ容量が少ない設計データに検査済画像を変換した状態でバス120を介してロードする構成について説明する。
図12は、実施の形態3におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図12において、専用ケーブル124が省略された点以外は、図7と同様である。
図13は、実施の形態2における検査方法の要部工程を示すフローチャート図である。図13において、設計データ変換工程(S114)の代わりに、データ解析工程(S110)とロード処理工程(S112)との間に設計データ変換工程(S111)が追加された点と、以外は図8と同様である。
過去の検査(S90)と、輪郭線データ生成工程(S92)と、スキャン工程(S102)と、フレーム画像作成工程(S104)と、データ解析工程(S110)と、の各工程の内容は、実施の形態1と同様である。
設計データ変換工程(S111)において、データ変換回路134は、データ解析工程(S110)にてロードする領域と判定された領域の輪郭線データについて、輪郭線のデータを図形パターンデータ(設計データ)に変換する。変換された図形パターンデータは、記憶装置131に格納される。検査装置100がダイ-データベース検査に使用する際の設計データと同じフォーマットの図形パターン62のデータに輪郭線データを変換する。
ロード処理工程(S112)として、制御計算機110(ロード処理部)は、過去に取得された複数のフレーム領域30の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータをロードする。具体的には、制御計算機110は、バス120を介して、記憶装置131から、ロードする領域44の検査済画像の図形パターンデータ(設計データ)を位置(座標)データと共に参照画像作成回路112にロードする。
以上のように、画像データよりもデータ容量が小さい設計データをロードするので、ロードするデータ量を低減できる。また、実施の形態1と同様、ダイ-ダイ検査を行う領域11,12に対応する領域41,42については、制御計算機110は、検査済画像の図形パターンデータ(設計データ)をロードしないので、その分、ロードするデータ量を低減できる。よって、ロード時間を短縮できる。
参照画像作成工程(S116)以降の各工程の内容は、実施の形態2と同様である。
実施の形態3によれば、輪郭線データよりはデータ容量が大きいものの、画像データよりはデータ容量を小さくできる図形パターンデータをロードするので、ロードするデータ量を低減できる。
また、画像加工工程(S120)については、画像の回転等の処理が不要であれば省略できる。また、実施の形態2と同様、図6で説明したように、スキャン工程(S102)において、光学画像取得機構150は、検査済データに基づく検査済画像に対して、90度、180度、及び270度の少なくとも1つに基板101を回転させた状態での光学画像を取得する場合も適用できる。この場合、画像加工工程(S120)で検査済画像に基づく参照画像を回転させる場合の他、検査済画像を回転させた状態で輪郭線データを生成しても良い。この場合、輪郭線データがすでに回転させた状態で生成されるので、設計データも回転した状態で生成される。よって、画像加工工程(S120)を不要にできる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、実施の形態では、照明光学系170として、透過光を用いた透過照明光学系を示したが、これに限るものではない。例えば、反射光を用いた反射照明光学系であってもよい。或いは、透過照明光学系と反射照明光学系とを組み合わせて、透過光と反射光を同時に用いてもよい。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、検査装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのパターン検査装置及びパターン検査方法は、本発明の範囲に包含される。
10,40 検査領域
11,12,14,41,42,44 領域
20 検査ストライプ
30 フレーム領域
31 フレーム画像
50,52 検査済画像
60 輪郭線
62 図形パターン
70,71,72,76 記憶装置
74 フレーム画像生成部
75 画像加工部
78 位置合わせ部
79 比較処理部
100 検査装置
101 基板
102 XYθテーブル
103 光源
104 拡大光学系
105 TDIセンサ
106 センサ回路
107 位置回路
108 比較回路
109 磁気ディスク装置
110 制御計算機
111 メモリ
112 参照画像作成回路
113 オートローダ制御回路
114 テーブル制御回路
115 磁気テープ装置
116 FD
117 CRT
118 パターンモニタ
119 プリンタ
120 バス
121,124 専用ケーブル
122 レーザ測長システム
123 ストライプパターンメモリ
130 オートローダ
131 記憶装置
132 データ解析回路
134 データ変換回路
136 輪郭線データ生成回路
150 光学画像取得機構
160 制御系回路
170 照明光学系

Claims (7)

  1. パターンが形成された被検査基板の複数の領域の光学画像を取得する光学画像取得機構と、
    前記パターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された前記複数の領域の光学画像に関する所定のデータとして、光学画像内に配置される図形パターンの輪郭線のデータを記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置から前記所定のデータをロードするロード処理部と、
    前記輪郭線のデータを図形パターンデータに変換する図形パターンデータ変換回路と、
    前記図形パターンデータを用いて参照画像を作成する参照画像作成回路と、
    取得された前記光学画像と、ロードされた前記所定のデータに基づく画像とを比較する比較回路と、
    を備え、
    前記ロード処理部は、過去に取得された前記複数の領域の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータとして、前記記憶装置に記憶された前記輪郭線のデータをロードし、
    前記比較回路は、前記所定のデータに基づく画像として、前記参照画像を用いることを特徴とするパターン検査装置。
  2. 前記ロード処理部は、ダイ-ダイ検査を行う領域同士については、前記所定のデータをロードせず、ダイ-ダイ検査を行う領域同士を除いたその他の領域について前記所定のデータをロードし、
    前記比較回路は、前記複数の領域のうち、ダイ-ダイ検査を行う領域同士については、取得された光学画像同士を比較し、ダイ-ダイ検査を行う領域同士を除いたその他の領域について、取得された前記光学画像と、前記所定のデータに基づく画像とを比較することを特徴とする請求項1記載のパターン検査装置。
  3. 前記ロード処理部は、前記記憶装置から前記輪郭線のデータを前記図形パターンデータ変換回路にロードすることを特徴とする請求項1又は2記載のパターン検査装置。
  4. パターンが形成された被検査基板の複数の領域の光学画像を取得する光学画像取得機構と、
    前記パターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された前記複数の領域の光学画像に関する所定のデータを記憶する記憶装置と、
    前記記憶装置から前記所定のデータをロードするロード処理部と、
    取得された前記光学画像と、ロードされた前記所定のデータに基づく画像とを比較する比較回路と、
    過去に取得された前記光学画像内の図形パターンの輪郭線のデータを用いて、前記輪郭線のデータを図形パターンデータに変換する図形パターンデータ変換回路と、
    前記図形パターンデータを用いて参照画像を作成する参照画像作成回路と、
    を備え、
    前記記憶装置は、前記所定のデータとして、前記図形パターンデータを記憶し、
    前記ロード処理部は、過去に取得された前記複数の領域の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータとして、前記記憶装置に記憶された図形パターンデータを前記参照画像作成回路にロードし、
    前記比較回路は、前記所定のデータに基づく画像として、前記参照画像を用いることを特徴とするパターン検査装置。
  5. 前記光学画像取得機構は、前記所定のデータに基づく画像に対して、90度、180度、及び270度の少なくとも1つに回転させた状態での前記光学画像を取得し、
    前記比較回路は、前記所定のデータに基づく画像を比較対象の光学画像と同様に回転させた画像を前記所定のデータに基づく画像として用いることを特徴とする請求項1~4いずれかに記載のパターン検査装置。
  6. パターンが形成された被検査基板の複数の領域の光学画像を取得する工程と、
    前記パターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された前記複数の領域の光学画像に関する所定のデータとして、光学画像内に配置される図形パターンの輪郭線のデータを記憶装置に記憶する工程と、
    前記記憶装置から前記所定のデータをロードする工程と、
    前記輪郭線のデータを図形パターンデータに変換する工程と、
    前記図形パターンデータを用いて参照画像を作成する工程と、
    取得された前記光学画像と、ロードされた前記所定のデータに基づく画像とを比較する工程と、
    を備え、
    過去に取得された前記複数の領域の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータとして、前記記憶装置に記憶された前記輪郭線のデータがロードされ、
    前記所定のデータに基づく画像として、前記参照画像を用いることを特徴とするパターン検査方法。
  7. パターンが形成された被検査基板の複数の領域の光学画像を取得する工程と、
    前記パターンと同じパターンが形成された基板から過去に取得された前記複数の領域の光学画像に関する所定のデータを記憶装置に記憶する工程と、
    前記記憶装置から前記所定のデータをロードする工程と、
    取得された前記光学画像と、ロードされた前記所定のデータに基づく画像とを比較する工程と、
    過去に取得された前記光学画像内の図形パターンの輪郭線のデータを用いて、前記輪郭線のデータを図形パターンデータに変換する工程と、
    参照画像作成回路を用いて、前記図形パターンデータを用いて参照画像を作成する工程と、
    を備え、
    前記所定のデータとして、前記図形パターンデータが前記記憶装置に記憶され、
    過去に取得された前記複数の領域の光学画像の全データ容量よりも小さいデータ量のデータとして、前記記憶装置から前記図形パターンデータが前記参照画像作成回路にロードされ、
    前記所定のデータに基づく画像として、前記参照画像を用いることを特徴とするパターン検査方法。
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