以下、検査データ作成装置および検査データ作成方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。この場合、一例として、検査装置と共に検査システムを構成してこの検査装置で使用される検査データを作成する検査データ作成装置を例に挙げて、この検査データ作成装置の構成と動作(検査データ作成装置で実行される検査データ作成方法)について説明する。なお、検査データ作成装置は単独で存在する構成であってもよいのはもちろんである。
まず、検査データ作成装置としての検査データ作成装置1を含む検査システムEXSの構成について、図1を参照して説明する。
検査システムEXSは、検査データ作成装置1、第1検査装置2および第2検査装置3を備えて、配線基板4に形成された各配線W(図3から図7に示す第1配線群から第5配線群の5種類の形態の配線Wa,Wb,Wc,Wd,Weのうちのいずれか1つに必ず該当する配線)に対する検査(導通検査および絶縁検査)を実行する。この検査システムEXSでは、検査データ作成装置1は、第1検査装置2が配線基板4の検査の際に使用する第1検査装置用データDex1と、第2検査装置3が配線基板4の検査の際に使用する第2検査装置用データDex2とを作成する。また、第1検査装置2は、この第1検査装置用データDex1を使用して、配線基板4に形成された各配線Wに対する検査のうちの自装置に割り振られた検査を実行する。また、第2検査装置3は、この第2検査装置用データDex2を使用して、配線基板4に形成された各配線Wに対する検査のうちの自装置に割り振られた検査(具体的には、第1検査装置2ではできなかった検査のすべて)を実行する。
まず、第1検査装置2および第2検査装置3について説明する。
第1検査装置2は、フライングプローバ21(背景技術で説明したフライングプローバと同等の機能を備えたもの)、一括検査機25(背景技術で説明した一括検査機と同等の機能を備えたもの)、不図示の入力部(以下、区別のため、第1検査側入力部ともいう)、不図示の測定部(以下、区別のため、第1検査側測定部ともいう)、不図示の処理部(以下、区別のため、第1検査側処理部ともいう)、および不図示の出力部(一例として表示部。以下、区別のため、第1検査側表示部ともいう)を備えて、第1検査位置(図1において実線で示される配線基板4が配置されている位置)に配置された配線基板4に形成された各配線W(図3~図7参照)に対する検査を実行する。
具体的には、フライングプローバ21は、第1検査位置に配置された配線基板4の一方の基板面BF1側に配置された第1プローブとしての1または2以上のフライングプローブ(本例では一例として、2つのフライングプローブ22,23)と、各フライングプローブ22,23(以下、単にプローブ22,23ともいう)を一方の基板面BF1側においてXYZ方向に移動させる不図示の移動機構(以下では、プローバ21側の移動機構ともいう)とを備えて構成されている。また、フライングプローバ21では、各プローブ22,23は、一方の基板面BF1に形成された各配線Wに含まれるパッドおよびランドのうちの一方の基板面BF1の平面視形状よりも狭い接触可能領域TE1(図3~図8参照)内のパッドおよびランドに接触可能に構成されている。
また、一括検査機25は、第1検査位置に配置された配線基板4の他方の基板面BF2側に、他方の基板面BF2と対向する状態で配置されたプレス治具型のピンボード26と、ピンボード26における他方の基板面BF2との対向面に複数立設された第2プローブとしてのプローブ27(例えば、スプリング内蔵式のプローブ(スプリングプローブ))と、ピンボード26を他方の基板面BF2に対して直線的に接離動(Z方向に移動)させる不図示の移動機構(以下では、検査機25側の移動機構ともいう)とを備えて構成されている。また、ピンボード26では、各プローブ27は、最小配置間隔A(図4~図7参照)以上の間隔を開けて、それぞれが他方の基板面BF2に形成された各配線Wに含まれるパッドおよびランドのうちの対応する1つに接触可能な位置に立設されている。なお、対応するプローブ27が立設されているパッドまたはランドの近傍に位置する他のパッドまたはランドであって、仮にプローブ27を立設しようとすると、上記の既に立設されているプローブ27との配置間隔が最小配置間隔A未満になるパッドまたはランドについてはプローブ27の立設は不可能であることから、プローブ27は立設されない。
また、第1検査側入力部は、通信用インターフェース回路や媒体用インターフェース回路などの種々のインターフェース回路で構成されて、検査データ作成装置1と接続された伝送路を介して、または装着された記憶媒体を介して第1検査装置用データDex1を外部から入力すると共に処理部に出力する。
また、第1検査側測定部は、図示はしないが、一例として、スキャナ、測定信号源(例えば、定電圧源および定電流源)、および計測器(例えば、電流計)を備えて構成されている。この場合、スキャナは、プローブ22,23およびすべてのプローブ27に接続されると共に、測定信号源および計測器に接続されている。また、スキャナは、第1検査側処理部によって内部の接続状態が切り替えられることで、プローブ22,23およびすべてのプローブ27のうちの任意の2つのプローブ間に、測定信号源および計測器を直列状態で接続する。これにより、この2つのプローブが配線Wに含まれるパッドまたはランドに接触している状態では、2つのプローブのうちの一方のプローブと接触している配線W、この一方のプローブ、測定信号源と計測器の直列回路、および2つのプローブのうちの他方のプローブを経由して、この他方のプローブと接触している配線W(導通検査のときには、一方のプローブが接触している配線Wと同じ配線W、また絶縁検査のときには、一方のプローブが接触している配線Wとは異なる配線W)に至る電流経路が形成される。
また、測定信号源は、第1検査側処理部によって制御されて、上記の電流経路に第1検査側処理部によって選択された測定信号(定電圧源からの定電圧信号(既知の電圧値)または定電流源からの定電流信号(既知の電流値))を供給する。また、計測器は、上記の電流経路に流れる電流の電流値を計測して第1検査側処理部に出力する。
また、第1検査側処理部は、不図示のコンピュータで構成されて、第1検査装置用データDex1を使用して、プローバ21側の移動機構および検査機25側の移動機構、並びに第1検査側測定部のスキャナおよび測定信号源に対する制御処理を実行して、検査の対象である配線Wにプローブ22,23を接触させるか、または検査の対象である配線Wに接触しているプローブ27を選択するかして、検査の対象である配線Wに接触している2つのプローブ間に測定信号を供給する。また、第1検査側処理部は、この測定信号の供給状態において計測器で計測された電流値に基づいて、2つのプローブが接触している配線Wに対する導通検査、または2つのプローブが接触している2つ配線Wに対する絶縁検査を実行して、その検査結果を記憶する第1検査処理と、記憶した検査結果を第1検査側表示部に表示させる第1出力処理とを実行する。
第2検査装置3は、2つのフライングプローバ31,35(背景技術で説明したフライングプローバと同等の機能を備えたもの)、不図示の入力部(以下、区別のため、第2検査側入力部ともいう)、不図示の測定部(以下、区別のため、第2検査側測定部ともいう)、不図示の処理部(以下、区別のため、第2検査側処理部ともいう)、および不図示の出力部(一例として表示部。以下、区別のため、第2検査側表示部ともいう)を備えて、第2検査位置(図1において破線で示される配線基板4が配置されている位置であって、第1検査位置とは異なる位置)に配置された配線基板4(第1検査装置2において検査済みの配線基板4)に形成された各配線Wに対する検査を実行する。なお、第1検査装置2側の第1検査位置から第2検査装置3側の第2検査位置への配線基板4の搬送については、手動で行う構成であっても、搬送機構で自動で行う構成であってもよい。
具体的には、フライングプローバ31は、第2検査位置に配置された配線基板4の一方の基板面BF1側に配置された第3プローブとしての1または2以上のフライングプローブ(本例では一例として、2つのフライングプローブ32,33)と、各フライングプローブ32,33(以下、単にプローブ32,33ともいう)を一方の基板面BF1側においてXYZ方向に個別に移動させる不図示の移動機構(以下では、プローバ31側の移動機構ともいう)とを備えて構成されている。また、フライングプローバ31では、各プローブ32,33は、一方の基板面BF1のどのような位置に形成(配置)されたパッドおよびランドにも接触可能なように、その接触可能領域TE2が一方の基板面BF1の平面視形状と同等かまたは広く規定されている。また、フライングプローバ31は、プロービング精度よりもプロービング速度を重視したフライングプローバ21とは異なり、プロービング速度よりもプロービング精度を重視した構成となっている。このため、フライングプローバ31では、プロービング完了までに要する時間はフライングプローバ21よりも長くなるものの、各プローブ32,33は、どのような狭い間隔(例えば、最小配置間隔A未満の間隔)で形成(配置)されたパッドおよびランドにも同時に接触可能となっている。
また、フライングプローバ35は、第2検査位置に配置された配線基板4の他方の基板面BF2側に配置された第4プローブとしての1または2以上のフライングプローブ(本例では一例として、2つのフライングプローブ36,37)と、各フライングプローブ36,37(以下、単にプローブ36,37ともいう)を他方の基板面BF2側においてXYZ方向に個別に移動させる不図示の移動機構(以下では、プローバ35側の移動機構ともいう)とを備えて構成されている。また、フライングプローバ35でも、各プローブ36,37は、他方の基板面BF2のどのような位置に形成(配置)されたパッドおよびランドにも接触可能なように、その接触可能領域TE3が他方の基板面BF2の平面視形状(一方の基板面BF1の平面視形状と同一形状)と同等かまたは広く規定されている。また、フライングプローバ35もフライングプローバ31と同様にしてプロービング精度を重視した構成を採用していることから、フライングプローバ35では、各プローブ36,37は、どのような狭い間隔(例えば、最小配置間隔A未満の間隔)で形成(配置)されたパッドおよびランドにも同時に接触可能に構成されている。
また、第2検査側入力部は、通信用インターフェース回路や媒体用インターフェース回路などの種々のインターフェース回路で構成されて、検査データ作成装置1と接続された伝送路を介して、または装着された記憶媒体を介して第2検査装置用データDex2を外部から入力すると共に第2検査側処理部に出力する。
また、第2検査側測定部は、図示はしないが、一例として、スキャナ、測定信号源(例えば、定電圧源および定電流源)、および計測器(例えば、電流計)を備えて構成されている。この場合、スキャナは、プローブ32,33,36,37に接続されると共に、測定信号源および計測器に接続されている。また、スキャナは、第2検査側処理部によって内部の接続状態が切り替えられることで、プローブ32,33,36,37のうちの任意の2つのプローブ間に、測定信号源および計測器を直列状態で接続する。これにより、この2つのプローブが配線Wに含まれるパッドまたはランドに接触している状態では、2つのプローブのうちの一方のプローブと接触している配線W、この一方のプローブ、測定信号源と計測器の直列回路、および2つのプローブのうちの他方のプローブを経由して、この他方のプローブと接触している配線W(導通検査のときには、一方のプローブが接触している配線Wと同じ配線W、また絶縁検査のときには、一方のプローブが接触している配線Wとは異なる配線W)に至る電流経路が形成される。
また、測定信号源は、第2検査側処理部によって制御されて、上記の電流経路に第2検査側処理部によって選択された測定信号(定電圧源からの定電圧信号(既知の電圧値)または定電流源からの定電流信号(既知の電流値))を供給する。また、計測器は、上記の電流経路に流れる電流の電流値を計測して第2検査側処理部に出力する。
また、第2検査側処理部は、不図示のコンピュータで構成されて、第2検査装置用データDex2を使用して、プローブ32,33のプローバ31側の移動機構、プローブ36,37のプローバ35側の移動機構、並びに第2検査側測定部のスキャナおよび測定信号源に対する制御処理を実行して、検査の対象である配線Wにプローブ32,33,36,37のうちのいずれか2つを接触させて、検査の対象である配線Wに接触しているこの2つのプローブ間に測定信号を供給する。また、第2検査側処理部は、この測定信号の供給状態において計測器で計測された電流値に基づいて、2つのプローブが接触している配線Wに対する導通検査、または2つのプローブが接触している2つ配線Wに対する絶縁検査を実行して、その検査結果を記憶する第2検査処理と、記憶した検査結果を第2検査側表示部に表示させる第2出力処理とを実行する。
次いで、検査データ作成装置1の構成について説明する。
検査データ作成装置1は、例えばコンピュータを用いて構成されて、入力部11、処理部12および出力部13を備えている。この場合、入力部11は、通信用インターフェース回路や媒体用インターフェース回路などの種々のインターフェース回路で構成されて、配線基板4に形成された各配線Wを構成するパッドおよびランドのネットの情報とフラグ(第1検査装置2においてプロービング不可なパッドおよびランドであることを示す符号)の付加の有無を示すネットリストLn(図9参照)と、パッドおよびランドの配線基板4上の位置の情報を示す位置リストLp(図10参照)とを入力して、処理部12に出力する。なお、パッドおよびランドの表面上には、後述する検査ポイントが規定されることから、パッドやランド自体を検査ポイントともいうことがある。
ネットリストLnおよび位置リストLpの一例について、図8に示すように、配線基板4に形成された配線W(一例として、6本の配線W1~W6)を挙げて説明する。同図は、配線基板4の一部を一方の基板面BF1側から見た平面図であり、一方の基板面BF1に位置する配線Wの部位と、ランドおよびパッド(同図ではランドP)とについては実線で示し、他方の基板面BF2に位置する配線Wの部位とランドPとについては破線で示している。なお、一方の基板面BF1から他方の基板面BF2にかけて貫通するスルーホール(図示せず)の他方の基板面BF2に位置するランドPについては、このスルーホールの一方の基板面BF1に位置するランドPの直下に位置して平面図では見えないことから引出線および符号のみで示すものとする。
まず、ネットリストLnは、一例として図9に示すように、各配線W(ネット)に含まれる各ランドPの識別情報が、各配線Wの識別情報(一例として、配線を示す記号Wと数値1から始まるシリアル番号とを組み合わせた符号)に対応付けられたものである。なお、ランドPの識別情報は、一例として、含まれる配線Wのシリアル番号を十の桁とするシリアル番号と、配置されている基板面が一方の基板面BF1であるか他方の基板面BF2であるかを示す数値(一方の基板面BF1のときには「1」、他方の基板面BF2のときには「2」)からなる添え字と、フラグの付加の有無を示すカッコ内の数値(付加されているときには「1」が入り、付加されていないときには「0」が入る)とで構成される符号である。また、カンマで区切られて連続する複数のランドPの列は、各ランドPが、記載されている順番に導体パターンまたはスルーホールまたはビアホールを介して接続されることを示している。また、配線W1のように、1つの配線Wにおいて、ランドPの列が複数存在しているときには、各ランドPの列に共通して含まれているランドP(配線W1ではランドP122(0))において分岐していることを示している。また、以下では、ランドPの識別情報については、シリアル番号のみで、またはシリアル番号と添え字のみで簡易に表記する場合もある(例えば、ランドP112(0)については、ランドP11やランドP112と表記する場合もある)。また、ランドPの識別情報の表記については、これに限定されるものではなく、種々の表記が採用できるのはもちろんである。
位置リストLpは、一例として図10に示すように、ネットリストLnに対応させられた各配線Wに含まれる各ランドPの配線基板4上での座標値(位置の情報)であり、ランドPの識別情報と座標値とが組み合わされて表記される。なお、この座標値は、配線基板4上に予め規定された基準点を原点とするXY座標(一例として、一方の基板面BF1側から見た直交座標)での座標値(x,y)である。
また、第1検査装置2においてプロービング不可なパッドおよびランドとは、配線基板4の一方の基板面BF1における接触可能領域TE1外に位置するとの条件(フライングプローバ21側の条件)を満たすパッドおよびランドが該当する。例えば、図8のランドP431,P441,P511,P521,P531が該当する。
また、このプロービング不可なパッドおよびランドとは、配線基板4の他方の基板面BF2におけるパッドおよびランドのうちの、対応するプローブ27を立設可能な(つまり、立設される)近接の他のパッドまたはランドとの間隔(具体的には、このパッドまたはランド上に規定された検査ポイント(本例では、パッドまたはランド全体ではなく、その中心とする。プロービングポイントとも呼称される場合もある)と自身に規定された検査ポイントとの間隔)が最小配置間隔A未満であるとの条件(一括検査機25側の条件)を満たすパッドおよびランド(つまり、自身には、対応するプローブ27を立設不可能なパッドおよびランド)も該当する。具体的には、例えば、図8のランドP642のように、その検査ポイント(黒色のドットを付した点)が近接の他のランドP112の検査ポイントから最小配置間隔A未満の距離にあるランドPである。また、ランドP632のように、その検査ポイントが近接の他のランドP722の検査ポイントから最小配置間隔A未満の距離にあるランドPである。また、ランドP412のように、その検査ポイントが近接の他のランドP332の検査ポイントから最小配置間隔A未満の距離にあるランドPである。また、ランドP342のように、同じ配線W3内の他のランドP332から最小配置間隔A未満の距離にあるランドPである。
処理部12は、入力部11から入力されるネットリストLnおよび位置リストLpに基づいて、検査データ作成処理50(図2参照)を実行して、第1検査装置用データDex1および第2検査装置用データDex2を作成する。また、処理部12は、作成した第1検査装置用データDex1および第2検査装置用データDex2を出力部13に出力する。
出力部13は、通信用インターフェース回路や媒体用インターフェース回路などの種々のインターフェース回路で構成されて、処理部12から入力した第1検査装置用データDex1および第2検査装置用データDex2を、通信用インターフェース回路で構成されているときには通信路を介して第1検査装置2および第2検査装置3に出力(送信)し、また媒体用インターフェース回路で構成されているときにはこの回路に装着された記録媒体(第1検査装置2および第2検査装置3へのデータ出力(移行)用の記録媒体)に記憶させる。
次に、検査システムEXSの動作について、検査システムEXSを構成する検査データ作成装置1、第1検査装置2および第2検査装置3の各動作と共に説明する。
まず、検査データ作成装置1の動作(検査データ作成装置1が実行する検査データ作成方法)について説明する。検査データ作成装置1では、入力部11が、ネットリストLnおよび位置リストLpを入力して、処理部12に出力する。処理部12は、入力部11から入力したネットリストLnおよび位置リストLpに基づいて、検査データ作成処理50を実行する。
具体的には、処理部12は、この検査データ作成処理50では、図2に示すように、まず、グループ分け処理を実行する(ステップ51)。この場合、配線基板4に形成されたすべての配線W(ネットリストLnで示されるすべての配線W)は、第1検査装置2における上記のプロービング不可なパッドおよびランドについての2つ条件(フライングプローバ21側の条件および一括検査機25側の条件)を考慮すると、次の第1配線群から第5配線群までの5つのグループ(配線群)のうちのいずれか1つに必ず含まれる。
第1配線群に含まれる配線W(区別のため、以下では配線Waともいう)は、図3に示すように、配線基板4の一方の基板面BF1にのみ配置され、かつ含まれるパッドおよびランド(以下では、いずれも符号Pを付すものとする)にフラグが付加されていない配線Wa(含まれるパッドPおよびランドPのすべてが接触可能領域TE1内に位置していてプロービング可能な配線W)である。また、この図3も含めて以下の図4~図7では、フラグが付加されていない(プロービング可能な)パッドPおよびランドPについては、黒塗りの丸印で表記し、フラグが付加されている(プロービング不可な)パッドPおよびランドPについては、白抜きの丸印で表記するものとする。
第2配線群に含まれる配線W(区別のため、以下では配線Wbともいう)は、図4に示すように、含まれるパッドPおよびランドPにフラグが付加されておらず、かつ少なくとも一部が配線基板4の他方の基板面BF2に配置されている配線Wbである。また、同図も含めて以下の図4から図8では、他方の基板面BF2側における最小配置間隔を符号Aで表記するものとする。図4の他方の基板面BF2に位置するパッドPおよびランドPは、いずれも互いの間隔が最小配置間隔A以上であることから、フラグは付加されていない。
第3配線群に含まれる配線W(区別のため、以下では配線Wcともいう)は、図5に示すように、含まれるパッドPおよびランドPのすべてにフラグが付加されている配線Wcである。つまり、同図において配線基板4の一方の基板面BF1に配置されている配線Wcに含まれているパッドPおよびランドPは、すべて接触可能領域TE1外に位置している。また、同図において配線基板4の他方の基板面BF2に配置されている配線Wcに含まれているパッドPおよびランドPは、すべて他方の基板面BF2に配置されている他の配線W(同図では、一例として配線Wb)に含まれているパッドPまたはランドPとの間隔が最小配置間隔A未満となっている。
第4配線群に含まれる配線W(区別のため、以下では配線Wdともいう)は、図6に示すように、フラグが付加されているパッドPまたはランドPを含み、かつ他方の基板面BF2に配置されている一部にフラグが付加されていないパッドPまたはランドPを含んでいる配線Wdである。
第5配線群に含まれる配線W(区別のため、以下では配線Weともいう)は、図7に示すように、フラグが付加されているパッドPまたはランドPを含み、かつフラグが付加されていないパッドPまたはランドPを含む一部が一方の基板面BF1にのみ配置されている配線Weである。
処理部12は、このグループ分け処理では、パッドPおよびランドPが配線基板4の一方の基板面BF1および他方の基板面BF2のいずれに配置されているかということと、パッドPおよびランドPへのフラグの付加の有無とを示すネットリストLnに基づいて、ネットリストLnで示されるすべての配線Wを第1配線群から第5配線群のうちの該当するいずれかの配線群にグループ分けする。
具体的に、図8に示す配線W1~W7を例に挙げて説明する。この場合、配線W2は、配線基板4の一方の基板面BF1にのみ配置され、かつ含まれるランドP21,P22,P23は、いずれもフラグが付加されていない。このため、配線W2は、配線Waとして第1配線群にグループ分けされる。配線W1,W7は、含まれるランドP11~P17およびランドP71,P72にフラグが付加されておらず、かつ少なくとも一部が配線基板4の他方の基板面BF2に配置されている。このため、配線W1,W7は、配線Wbとして第2配線群にそれぞれグループ分けされる。
また、配線W5は、含まれるランドP51~P53のすべてにフラグが付加されている。このため、配線W5は、配線Wcとして第3配線群にグループ分けされる。また、配線W3は、フラグが付加されているランドP34を含み、かつ他方の基板面BF2に配置されている一部にフラグが付加されていないランドP31~P33を含んでいる。また、配線W4は、フラグが付加されているランドP41,P43,P44を含み、かつ他方の基板面BF2に配置されている一部にフラグが付加されていないランドP42を含んでいる。このため、配線W3,W4は、配線Wdとして第4配線群にそれぞれグループ分けされる。また、配線W6は、フラグが付加されているランドP63,P64を含み、かつフラグが付加されていないランドP61,P62を含む一部が一方の基板面BF1にのみ配置されている。このため、配線W6は、配線Weとして第5配線群にグループ分けされる。
次いで、処理部12は、選定処理を実行する(ステップ52)。この選定処理では、処理部12は、第2配線群に含まれる配線Wbにおける他方の基板面BF2に配置されている一部に含まれるパッドPおよびランドPのすべてのそれぞれに対応するプローブ27(第2プローブ)、並びに第4配線群に含まれる配線Wdにおける他方の基板面BF2に配置されている一部に含まれるパッドPおよびランドPのうちのフラグが付加されていないパッドPおよびランドPのうちの1つに対応するプローブ27(第2プローブ)を選定プローブ27(選定第2プローブ)として選定する。
図8に示す配線W1~W7では、上記したように、配線W1,W7が、配線Wbとして第2配線群にグループ分けされている。このため、配線W1については、他方の基板面BF2に配置されているランドPのすべて(ランドP11,P12,P13,P16,P17)のそれぞれに対応するプローブ27を選定プローブ27として選定する。また、配線W7については、他方の基板面BF2に配置されているランドPのすべて(ランドP71,P72)のそれぞれに対応するプローブ27を選定プローブ27として選定する。また、配線W3が、配線Wdとして第4配線群にグループ分けされている。このため、配線W3については、他方の基板面BF2に配置されている一部に含まれるランドP31~P34のうちのフラグが不可されていないランドP31~P33のうちの1つ(例えば、ランドP31)に対応するプローブ27を選定プローブ27として選定する。
続いて、処理部12は、第1装置用データ作成処理として、第1導通検査データ作成処理(ステップ53)、第2導通検査データ作成処理(ステップ54)、および第1絶縁検査データ作成処理(ステップ55)を実行して、第1検査装置2が配線基板4の検査の際に使用する第1検査装置用データDex1を作成する。
第1導通検査データ作成処理では、処理部12は、第1配線群に含まれているすべての配線Waについての導通検査を、プローブ22,23(第1プローブ)を用いて実行させるための第1導通検査データDct1を作成する。この場合、処理部12は、各配線Waの1つずつについて、含まれているパッドPまたはランドPのうちの隣り合う2つのパッドPまたはランドPの組(つまり、配線Waにおけるこの隣り合う2つのパッドPまたはランドP間の部位(第1導通検査対象部位))に接触させる2つのプローブ(プローブ22,23)を特定するための第1導通検査リストを第1導通検査データDct1として作成する。
例えば、図8に示す例では、第1配線群に含まれている配線Waは配線W2だけであり、この配線W2には、ランドP211,P221,P231がこの順で含まれている。このため、処理部12は、まず、隣り合う2つのランドP211,P221のうちのランドP211にプローブ22を接触させると共にランドP221にプローブ23を接触させ(配線W2のランドP211,P221間の部位にプローブ22,23を接触させ)、次いで、隣り合う2つのランドP221,P231のうちのランドP221にプローブ22を接触させると共にランドP231にプローブ23を接触させる(配線W2のランドP221,P231間の部位にプローブ22,23を接触させる)ようにプローブを特定するための第1導通検査リスト(図11参照)を第1導通検査データDct1として作成する。第1配線群に含まれている配線Waが複数存在しているときには、上記した配線W2のときと同様にして、各配線Waに含まれるすべてのパッドPまたはランドPについて、隣り合う2つのパッドPまたはランドPの組(第1導通検査対象部位)に接触させるプローブ22,23についての第1導通検査リストを第1導通検査データDct1として作成する。
第2導通検査データ作成処理では、処理部12は、第2配線群に含まれているすべての配線Wbについての導通検査を、プローブ22,23(第1プローブ)および選定処理において選定された選定プローブ27を用いて実行させるための第2導通検査データDct2を作成する。この場合、処理部12は、各配線Wbの1つずつについて、含まれているパッドPまたはランドPのうちの隣り合う2つのパッドPまたはランドPの組(つまり、配線Wbにおけるこの隣り合う2つのパッドPまたはランドP間の部位(第2導通検査対象部位))に接触させる2つのプローブ(プローブ22,23および選定プローブ27のうちの使用する2つのプローブ)を特定するための第2導通検査リストを第2導通検査データDct2として作成する。
例えば、図8に示す例では、第2配線群に含まれている配線Wbは配線W1,W7であり、この配線W1には、ランドP112,P122,P132と、ランドP122,P141,P151,P162,P172とがこの順で、かつランドP122で分岐する状態で含まれている。また、配線W7には、ランドP712,P722がこの順で含まれている。このため、処理部12は、配線W1に関しては、隣り合う2つのランドP112,P122(配線W1のランドP112,P122間の部位)については、対応する選定プローブ27がそれぞれ存在していることから、使用するプローブとしてこの2つの選定プローブ27を特定でき、また隣り合う2つのランドP122,P132(配線W1のランドP122,P132間の部位)についても、対応する選定プローブ27がそれぞれ存在していることから、使用するプローブとしてこの2つの選定プローブ27を特定できる第2導通検査リスト(図12参照)を第2導通検査データDct2として作成する。また、隣り合う2つのランドP122,P141(配線W1のランドP122,P141間の部位)については、ランドP122には、対応する選定プローブ27が存在しているが、ランドP141にはプローブ22,23のうちのいずれかを接触させる必要があることから、ランドP122には選定プローブ27を、またランドP141にはプローブ22,23のうちのいずれか(一例としてプローブ22)を、使用するプローブとして特定できる第2導通検査リストを第2導通検査データDct2として作成する。また、隣り合う2つのランドP141,P151(配線W1のランドP141,P151間の部位)については、ランドP141にはプローブ22を、またランドP151にはプローブ23を使用する(接触させる)ようにプローブを特定できる第2導通検査リストを第2導通検査データDct2として作成する。また、隣り合う2つのランドP151,P162(配線W1のランドP151,P162間の部位)については、ランドP162には、対応する選定プローブ27が存在しているが、ランドP151にはプローブ22,23のうちのいずれかを接触させる必要があることから、ランドP162には選定プローブ27を、またランドP151にはプローブ22,23のうちのいずれか(一例としてプローブ23)を、使用するプローブとして特定できる第2導通検査リストを第2導通検査データDct2として作成する。また、隣り合う2つのランドP162,P172(配線W1のランドP162,P172間の部位)については、対応する選定プローブ27がそれぞれ存在していることから、使用するプローブとしてこの2つの選定プローブ27を特定できる第2導通検査リストを第2導通検査データDct2として作成する。
また、配線W7には、ランドP712,P722が含まれている。また、この隣り合う2つのランドP712,P722(配線W7のランドP712,P722間の部位)については、対応する選定プローブ27がそれぞれ存在している。このため、処理部12は、使用するプローブとしてこの2つの選定プローブ27を特定できる第2導通検査リストを第2導通検査データDct2として作成する。なお、処理部12は、作成した第1導通検査データDct1および第2導通検査データDct2について、1つの導通検査データとして纏めてもよい。
以上の第1導通検査データ作成処理および第2導通検査データ作成処理により、第1検査装置2において導通検査可能なすべての部位を検査するための第1導通検査データDct1および第2導通検査データDct2が作成される。
第1絶縁検査データ作成処理では、処理部12は、第1配線群、第2配線群、第4配線群および第5配線群に含まれているすべての配線Wa,Wb,Wd,We同士(つまり、配線Waとして第1配線群にグループ分けされた配線W、配線Wbとして第2配線群にグループ分けされた配線W、配線Wdとして第4配線群にグループ分けされた配線W、および配線Weとして第5配線群にグループ分けされた配線Wのうちの2つの配線Wで構成されるすべての組み合わせ)についての絶縁検査を、プローブ22,23および選定プローブ27を用いて実行させるための第1絶縁検査データDit1を作成する。配線Wa,Wb,Wd,Weは、第3配線群に含まれている配線Wc(プローブを接触させることができないパッドPやランドPしか含まれていない配線W)とは異なり、プローブ22,23および選定プローブ27のうちの1つと接触させ得るパッドPやランドPを少なくとも1つ以上含んでいる。したがって、各配線Wa,Wb,Wd,Weについては、このプローブと接触させ得るパッドPやランドPのうちの1つを使用して、相互間の絶縁検査が可能となっている。
このため、処理部12は、第1絶縁検査データ作成処理では、まず、配線Wa,Wb,Wd,Weのいずれかとなるすべての配線Wのうちの2つの配線Wで構成されるすべての組み合わせ(第1絶縁検査対象部位)を特定する。次いで、処理部12は、特定した配線Wの各組み合わせにおいて、2つの配線Wのそれぞれについてプローブと接触させ得るパッドPやランドPのうちの1つを特定する。続いて、処理部12は、この2つの配線Wのそれぞれについて特定した1つのパッドPやランドPに接触させるプローブを絶縁検査において使用するプローブとして特定する。また、処理部12は、配線Wの各組み合わせ(第1絶縁検査対象部位)について使用するプローブを、各組み合わせに対応付けてリスト化することで、第1絶縁検査データDit1を作成する。
例えば、図8に示す例では、配線Waとして配線W2が存在し、配線Wbとして配線W1,W7が存在し、配線Wdとして配線W3,W4が存在し、配線Weとして配線W6が存在する。そこで、処理部12は、まず、これらの配線W1,W2,W3,W4,W6,W7のうちの2つの配線Wで構成されるすべての組み合わせ、つまり、15個の組み合わせ(配線W1,配線W2)、(配線W1,配線W3)、(配線W1,配線W4)、(配線W1,配線W6)、(配線W1,配線W7)、(配線W2,配線W3)、(配線W2,配線W4)、(配線W2,配線W6)、(配線W2,配線W7)、(配線W3,配線W4)、(配線W3,配線W6)、(配線W3,配線W7)、(配線W4,配線W6)、(配線W4,配線W7)、および(配線W6,配線W7)を第1絶縁検査対象部位として特定する。次いで処理部12は、各組み合わせにおいて、2つの配線Wのそれぞれについてプローブと接触させ得るパッドPやランドPのうちの1つを特定する。この場合、1つの配線Wに、プローブ22,23と接触し得るパッドPやランドPと、選定プローブ27と接触し得るパッドPやランドPとが併存しているときには、フライングプローバ21を使用した検査よりも一括検査機25を使用した検査の方が検査速度が速いことから、選定プローブ27と接触させ得るパッドPやランドPのうちの1つを特定するのが好ましい。
この配線W1には、プローブ22,23と接触し得るランドP14,P15も含まれているが、選定プローブ27と接触し得るランドP11,P12,P13,P16,P17が含まれている。このため、配線W1では、ランドP11,P12,P13,P16,P17のうちの1つ(例えば、ランドP11)を特定すると共に、この1つのランドP(ランドP11)に接触させる選定プローブ27(ランドP11に対応する選定プローブ27)を絶縁検査において使用するプローブとして特定する。また、配線W2には、プローブ22,23と接触し得るランドP21,P22,P23のみが含まれている。このため、配線W2では、ランドP21,P22,P23のうちの1つ(例えば、ランドP21)を特定すると共に、この1つのランドP(ランドP21)に接触させるプローブ(プローブ22,23のうちの1つ。例えば、プローブ22)を絶縁検査において使用するプローブとして特定する。また、配線W3には、プローブ22,23と接触し得るランドPは含まれておらず、選定プローブ27と接触し得るランドP31,P32,P33(なお、ランドP34は、対応する選定プローブ27が存在していない)が含まれている。このため、配線W3では、ランドP31,P32,P33のうちの1つ(例えば、ランドP32)を特定すると共に、この1つのランドP(ランドP32)に接触させる選定プローブ27(ランドP32に対応する選定プローブ27)を絶縁検査において使用するプローブとして特定する。また、配線W4には、プローブ22,23および選定プローブ27と接触し得るランドPとして、選定プローブ27と接触し得るランドP42のみが含まれている。このため、配線W4では、ランドP42を特定すると共に、このランドP42に接触させる選定プローブ27(ランドP42に対応する選定プローブ27)を絶縁検査において使用するプローブとして特定する。
また、配線W6には、他方の基板面BF2側にランドP63,P64が配置されているが、いずれも対応する選定プローブ27が存在していない。このため、配線W6では、一方の基板面BF1側に位置してプローブ22,23と接触し得るランドP61,P62のうちの1つ(例えば、ランドP62)を特定すると共に、この1つのランドP(ランドP62)に接触させるプローブ(プローブ22,23のうちの1つ。例えば、プローブ23)を絶縁検査において使用するプローブとして特定する。また、配線W7には、選定プローブ27と接触し得るランドP71,P72のみが含まれている。このため、配線W7では、ランドP71,P72のうちの1つ(例えば、ランドP71)を特定すると共に、この1つのランドP(ランドP71)に対応する選定プローブ27を絶縁検査において使用するプローブとして特定する。
また、処理部12は、配線Wの各組み合わせ(第1絶縁検査対象部位)について使用するプローブを、各組み合わせに対応付けてリスト化することで、図13に示す第1絶縁検査データDit1を作成する。これにより、第1絶縁検査データ作成処理が完了すると共に、第1導通検査データDct1、第2導通検査データDct2および第1絶縁検査データDit1と、位置リストLpとから成る第1検査装置用データDex1の作成が完了する結果、第1装置用データ作成処理が完了する。なお、位置リストLpに含まれている各ランドPの座標値については、第1導通検査データDct1、第2導通検査データDct2および第1絶縁検査データDit1に含める構成を採用することもできる。
次いで、処理部12は、第2装置用データ作成処理として、第3導通検査データ作成処理(ステップ56)、第4導通検査データ作成処理(ステップ57)、第5導通検査データ作成処理(ステップ58)、および第2絶縁検査データ作成処理(ステップ59)を実行して、第2検査装置3が配線基板4の検査の際に使用する第2検査装置用データDex2を作成する。
第3導通検査データ作成処理では、処理部12は、第3配線群に含まれているすべての配線Wcについての導通検査を、プローブ32,33(第3プローブ)およびプローブ36,37(第4プローブ)を用いて実行させるための第3導通検査データDct3を作成する。この場合、処理部12は、各配線Wcの1つずつについて、含まれているパッドPまたはランドPのうちの隣り合う2つのパッドPまたはランドPの組(つまり、配線Wcにおけるこの隣り合う2つのパッドPまたはランドP間の部位(第3導通検査対象部位))に接触させる2つのプローブ(プローブ32,33,36,37のうちの2つ)を特定するための第3導通検査リストを第3導通検査データDct3として作成する。
例えば、図8に示す例では、第3配線群に含まれている配線Wcは配線W5であり、配線W5には、ランドP511,P521,P531がこの順で含まれている。このため、処理部12は、配線W5については、隣り合う2つのランドP511,P521のうちのランドP511にプローブ32を接触させると共にランドP521にプローブ33を接触させ(配線W5のランドP511,P521間の部位にプローブ32,33を接触させ)、次いで、隣り合う2つのランドP521,P531のうちのランドP521にプローブ33を接触させると共にランドP531にプローブ32を接触させる(配線W5のランドP521,P531間の部位にプローブ33,32を接触させる)ようにプローブを特定し得る第3導通検査リスト(図14参照)を第3導通検査データDct3として作成する。この場合、第3配線群に含まれている配線Wcが複数存在しているときには、上記した配線W5のときと同様にして、各配線Wcに含まれるすべてのパッドPまたはランドPについて、隣り合う2つのパッドPまたはランドPの組(第3導通検査対象部位)に接触させるプローブ32,33,36,37についての第3導通検査リストを第3導通検査データDct3として作成する。
第4導通検査データ作成処理では、処理部12は、第4配線群に含まれているすべての配線Wdについての導通検査を、プローブ32,33およびプローブ36,37を用いて実行させるための第4導通検査データDct4を作成する。この場合、処理部12は、各配線Wdの1つずつについて、含まれているパッドPまたはランドPのうちの隣り合う2つのパッドPまたはランドPの組(つまり、配線Wdにおけるこの隣り合う2つのパッドPまたはランドP間の部位(第4導通検査対象部位))に接触させる2つのプローブ(プローブ32,33,36,37のうちの2つ)を特定するための第4導通検査リストを第4導通検査データDct4として作成する。
例えば、図8に示す例では、第4配線群に含まれている配線Wdは配線W3,W4であり、配線W3には、ランドP312,P322,P332,P342がこの順で含まれ、配線W4には、ランドP412,P422,P431,P441がこの順で含まれている。このため、処理部12は、配線W3については、隣り合う2つのランドP312,P322のうちのランドP312にプローブ36を接触させると共にランドP322にプローブ37を接触させ(配線W3のランドP312,P322間の部位にプローブ36,37を接触させ)、次いで、隣り合う2つのランドP322,P332のうちのランドP322にプローブ37を接触させると共にランドP332にプローブ36を接触させ(配線W3のランドP322,P332間の部位にプローブ37,36を接触させ)、続いて、隣り合う2つのランドP332,P342のうちのランドP332にプローブ36を接触させると共にランドP342にプローブ37を接触させる(配線W3のランドP332,P342間の部位にプローブ36,37を接触させる)ようにプローブを特定し得る第4導通検査リスト(図15参照)を第4導通検査データDct4として作成する。
また、処理部12は、配線W4については、隣り合う2つのランドP412,P422のうちのランドP412にプローブ36を接触させると共にランドP422にプローブ37を接触させ(配線W4のランドP412,P422間の部位にプローブ36,37を接触させ)、次いで、隣り合う2つのランドP422,P431のうちのランドP422にプローブ37を接触させると共にランドP431にプローブ32を接触させ(配線W4のランドP422,P431間の部位にプローブ37,32を接触させ)、続いて、隣り合う2つのランドP431,P441のうちのランドP431にプローブ32を接触させると共にランドP441にプローブ33を接触させる(配線W4のランドP431,P441間の部位にプローブ32,33を接触させる)ようにプローブを特定し得る第4導通検査リスト(図15参照)を第4導通検査データDct4として作成する。
第5導通検査データ作成処理では、処理部12は、第5配線群に含まれているすべての配線Weについての導通検査を、プローブ32,33およびプローブ36,37を用いて実行させるための第5導通検査データDct5を作成する。この場合、処理部12は、各配線Weの1つずつについて、含まれているパッドPまたはランドPのうちの隣り合う2つのパッドPまたはランドPの組(つまり、配線Weにおけるこの隣り合う2つのパッドPまたはランドP間の部位(第5導通検査対象部位))に接触させる2つのプローブ(プローブ32,33,36,37のうちの2つ)を特定するための第5導通検査リストを第5導通検査データDct5として作成する。
例えば、図8に示す例では、第5配線群に含まれている配線Weは配線W6であり、配線W6には、ランドP611,P621,P632,P642がこの順で含まれている。このため、処理部12は、配線W6については、隣り合う2つのランドP611,P621のうちのランドP611にプローブ32を接触させると共にランドP621にプローブ33を接触させ(配線W6のランドP611,P621間の部位にプローブ32,33を接触させ)、次いで、隣り合う2つのランドP621,P632のうちのランドP621にプローブ33を接触させると共にランドP632にプローブ36を接触させ(配線W6のランドP621,P632間の部位にプローブ33,36を接触させ)、続いて、隣り合う2つのランドP632,P642のうちのランドP632にプローブ36を接触させると共にランドP642にプローブ37を接触させる(配線W6のランドP632,P642間の部位にプローブ36,37を接触させる)ようにプローブを特定し得る第5導通検査リスト(図16参照)を第5導通検査データDct5として作成する。第5配線群に含まれている配線Weが複数存在しているときには、上記した配線W6のときと同様にして、各配線Weに含まれるすべてのパッドPまたはランドPについて、隣り合う2つのパッドPまたはランドPの組(第5導通検査対象部位)に接触させるプローブ32,33,36,37についての第3導通検査リストを第3導通検査データDct3として作成する。
第2絶縁検査データ作成処理では、処理部12は、第3配線群に含まれているすべての配線Wcについて、この第3配線群以外の他の配線群に含まれているすべての配線Wa,Wb,Wd,Weとの間での絶縁検査、および第3配線群に含まれているすべての配線Wc同士についての絶縁検査を、プローブ32,33およびプローブ36,37を用いて実行させるための第2絶縁検査データDit2を作成する。
例えば、図8に示す例では、第3配線群に含まれている配線Wcは配線W5だけである。そこで、処理部12は、まず、配線W5と、第3配線群以外の他の配線群に含まれているすべての配線Wa,Wb,Wd,We(本例では、配線W1,W2,W3,W4,W6,W7)のうちのいずれか1つの配線Wとで構成される2つの配線Wの組み合わせ(第2絶縁検査対象部位)のすべて、つまり、6個の組み合わせ(配線W5,配線W1)、(配線W5,配線W2)、(配線W5,配線W3)、(配線W5,配線W4)、(配線W5,配線W6)、および(配線W5,配線W7)を特定する。次いで処理部12は、各組み合わせにおいて、2つの配線Wのそれぞれについてプローブと接触させ得るパッドPやランドPのうちの1つを特定する。
この配線W5には、3つのランドP51,P52,P53が含まれているが、各ランドPはいずれもプローブ32,33のうちのいずれかのプローブと接触させることが可能となっている。処理部12は、このうちの1つのランドP(一例として、ランドP53)を特定する。また、処理部12は、この特定した1つのランドP(一例として、ランドP53)に接触させるプローブ(一例として、プローブ33)を絶縁検査において使用するプローブとして特定する。また、配線W5と組み合わされる他の配線Wa,Wb,Wd,We(本例では、配線W1,W2,W3,W4,W6,W7)については、処理部12は、一例として、配線W1では、プローブと接触させるランドPとしてランドP11を特定すると共にプローブ37をこのランドP11に接触させるプローブとして特定する。また、配線W2では、プローブと接触させるランドPとしてランドP21を特定すると共にプローブ32をこのランドP21に接触させるプローブとして特定する。また、配線W3では、プローブと接触させるランドPとしてランドP32を特定すると共にプローブ37をこのランドP32に接触させるプローブとして特定する。また、配線W4では、プローブと接触させるランドPとしてランドP41を特定すると共にプローブ37をこのランドP41に接触させるプローブとして特定する。また、配線W6では、プローブと接触させるランドPとしてランドP62を特定すると共にプローブ32をこのランドP62に接触させるプローブとして特定する。また、配線W7では、プローブと接触させるランドPとしてランドP71を特定すると共にプローブ37をこのランドP71に接触させるプローブとして特定する。処理部12は、配線Wの各組み合わせ(第2絶縁検査対象部位)において使用するプローブを、各組み合わせに対応付けてリスト化することで、図17に示す第2絶縁検査データDit2を作成する。
また、図8に示す例では、第3配線群に含まれている配線Wcは配線W5だけであるため、処理部12は、第3配線群に含まれているすべての配線Wc同士についての絶縁検査を、プローブ32,33およびプローブ36,37を用いて実行させるための第2絶縁検査データDit2を作成しないが、第3配線群に含まれている配線Wcが複数存在するときには、すべての配線Wc同士についての絶縁検査を実行させるための第2絶縁検査データDit2を作成する。
図17に示す第2絶縁検査データDit2の作成により、第2絶縁検査データ作成処理が完了する。また、第3導通検査データDct3、第4導通検査データDct4、第5導通検査データDct5、および第2絶縁検査データDit2と、位置リストLpとから成る第2検査装置用データDex2の作成が完了する結果、第2装置用データ作成処理が完了し、これにより、検査データ作成処理50も完了する。なお、位置リストLpに含まれている各ランドPの座標値については、第3導通検査データDct3、第4導通検査データDct4、第5導通検査データDct5および第2絶縁検査データDit2に含める構成を採用することもできる。
処理部12は、このようにして作成した第1検査装置用データDex1および第2検査装置用データDex2を出力部13に出力する。これにより、第1検査装置用データDex1については第1検査装置2に、第2検査装置用データDex2については第2検査装置3に出力部13を介してそれぞれ出力される。
次いで、第1検査装置2および第2検査装置3の動作について説明する。
第1検査装置2では、第1検査側処理部が、第1検査装置用データDex1(第1導通検査データDct1、第2導通検査データDct2および第1絶縁検査データDit1と、位置リストLp)を入力する。また、第1検査側処理部は、配線基板4が第1検査位置に配置されている状態において、検査機25側の移動機構に対する制御処理を実行して、ピンボード26を他方の基板面BF2に対して接近させて、ピンボード26に複数立設されたプローブ27を、対応するランドP(他方の基板面BF2側のランドP)に接触させる。これにより、他方の基板面BF2側のランドPのうちのフラグの付加されているランドPを除くすべてのランドPにプローブ27が一対一で接触する。図8に示す例では、他方の基板面BF2側のランドPのうちのフラグの付加されているランドPは、ランドP34,P41,P44,P63,P64であるため、他方の基板面BF2側の他のランドP(配線W1のランドP11~P13,P16,P17、配線W3のランドP31~P33、配線W4のランドP42、および配線W7のランドP71,P72)に、対応するプローブ27が接触する。
まず、第1検査側処理部は、第1導通検査データDct1および第2導通検査データDct2と、位置リストLpとに基づいて、第1導通検査データDct1および第2導通検査データDct2に含まれている配線基板4内の第1導通検査対象部位および第2導通検査対象部位について、1つずつ導通検査を実行する。
この導通検査では、第1検査側処理部は、各導通検査データDct1,Dct2に含まれる各導通検査対象部位について、1つずつ、第1検査側測定部に対する制御処理を実行して、測定信号(定電流信号)の供給状態における電流値を計測する。この場合、使用するプローブ(各導通検査データDct1,Dct2において導通検査対象部位に対応付けられたプローブ)がプローブ22,23のときには、第1検査側処理部は、位置リストLpから導通検査対象部位の各ランドPの座標値を取得すると共にフライングプローバ21におけるプローバ21側の移動機構に対する制御を実行して、この各ランドPにプローブ22,23を接触させる。また、第1検査側測定部に対してこのプローブ22,23を介して導通検査対象部位に流れる電流の電流値を計測させる。また、使用するプローブがプローブ22,23のうちの一方のプローブ、およびプローブ27のときには、第1検査側処理部は、位置リストLpから導通検査対象部位の各ランドPのうちのこの一方のプローブを接触させる一方のランドPの座標値を取得すると共にフライングプローバ21におけるプローバ21側の移動機構に対する制御を実行して、このランドPにこの一方のプローブを接触させる。また、第1検査側測定部に対してこの一方のプローブおよび導通検査対象部位の各ランドPのうちの他方のランドPに接触しているプローブ27を介して導通検査対象部位に流れる電流の電流値を計測させる。また、使用するプローブがプローブ27のみのときには、第1検査側処理部は、第1検査側測定部に対して導通検査対象部位の各ランドPに接触している2つのプローブ27を介して導通検査対象部位に流れる電流の電流値を計測させる。
また、第1検査側処理部は、計測された電流値と測定信号である定電流信号の既知の電流値とを比較して、一致しているときには導通検査対象部位は正常である(導通状態にある)と判別し、一致していないとき(既知の電流値未満のとき)には導通検査対象部位は異常である(断線状態などの非導通状態にある)と判別して、この検査結果を各導通検査対象部位に対応させて記憶する。
次いで、第1検査側処理部は、第1絶縁検査データDit1と位置リストLpとに基づいて、第1絶縁検査データDit1に含まれている配線基板4内の第1絶縁検査対象部位(2つの配線W)について、1つずつ絶縁検査を実行する。
この絶縁検査では、第1検査側処理部は、第1絶縁検査データDit1に含まれている各絶縁検査対象部位について、1つずつ、第1検査側測定部に対する制御処理を実行して、測定信号(定電圧信号)の供給状態において2つの配線W間に流れる電流の電流値を計測すると共に、計測した電流値と定電圧信号の既知の電圧値とに基づいて、絶縁検査対象部位としての2つの配線W間の抵抗値(絶縁抵抗値)を測定する。なお、この絶縁検査の際にも、第1検査側処理部は、上記した導通検査のときと同様にして、第1絶縁検査データDit1において第1絶縁検査対象部位(2つの配線W)に対応付けられたプローブを使用して電流値を計測する。
また、第1検査側処理部は、第1絶縁検査対象部位を構成する2つの配線間について測定した抵抗値と、予め規定された絶縁抵抗基準値とを比較して、測定した抵抗値が絶縁抵抗基準値以上のときには、第1絶縁検査対象部位は良好な絶縁状態にあると判別し、測定した抵抗値が絶縁抵抗基準値未満のときには、第1絶縁検査対象部位は良好な絶縁状態にはないと判別して、この検査結果を各絶縁検査対象部位に対応させて記憶する。これにより、第1検査装置2による配線基板4に対する検査が完了する。
このように、第1検査装置2は、検査データ作成装置1で作成された第1検査装置用データDex1を使用して配線基板4の検査を実行することで、フラグが付加されたランドP(第1検査装置2ではプロービングできないランドP)を一部に含んでいることを理由として従来では何ら検査していなかった配線W(つまり、第2検査装置3がすべての検査を行っていた配線W。図8の例では、配線Wdとしての配線W3,W4および配線Weとしての配線W6)に関しても、対応する選定プローブ27が選定されたランドPを含む場合や接触可能領域TE1内にプローブ22,23で接触し得るランドPを含む場合には、第1検査装置用データDex1を構成する第1絶縁検査データDit1に基づき、この選定プローブ27やこのプローブ22,23を使用して他の配線Wとの間で絶縁検査をすることが可能となっている。
第1検査装置2での検査が完了した配線基板4は、第1検査装置2側の第1検査位置から第2検査装置3側の第2検査位置に移される。
第2検査装置3では、第2検査側処理部が、まず、第2検査装置用データDex2(第3導通検査データDct3、第4導通検査データDct4、第5導通検査データDct5、および第2絶縁検査データDit2と、位置リストLp)を入力する。
次いで、第2検査側処理部は、第3導通検査データDct3、第4導通検査データDct4および第5導通検査データDct5と、位置リストLpとに基づいて、各導通検査データDct3,Dct4,Dct5に含まれている配線基板4内の第3導通検査対象部位、第4導通検査対象部位および第5導通検査対象部位について、1つずつ導通検査を実行する。
この導通検査では、第2検査側処理部は、各導通検査データDct3,Dct4,Dct5に含まれる各導通検査対象部位について、1つずつ、第2検査側測定部に対する制御処理を実行して、測定信号(定電流信号)の供給状態における電流値を計測する。この場合、使用するプローブ(各導通検査データDct3,Dct4,Dct5において導通検査対象部位に対応付けられたプローブ)がプローブ32,33のうちの少なくとも一方のときには、第2検査側処理部は、位置リストLpから導通検査対象部位のランドPの座標値を取得すると共にフライングプローバ31におけるプローバ31側の移動機構に対する制御を実行して、このランドPにプローブ32,33を接触させる。また、使用するプローブがプローブ36,37のうちの少なくとも一方のときには、第2検査側処理部は、位置リストLpから導通検査対象部位のランドPの座標値を取得すると共にフライングプローバ35におけるプローバ35側の移動機構に対する制御を実行して、このランドPにプローブ36,37を接触させる。また、第2検査側処理部は、第2検査側測定部に対してこの導通検査対象部位の各ランドPに接触しているプローブ(プローブ32,33,36,37のうちのいずれか2つ)を介して導通検査対象部位に流れる電流の電流値を計測させる。
また、第2検査側処理部は、計測された電流値と測定信号である定電流信号の既知の電流値とを比較して、一致しているときには導通検査対象部位は正常である(導通状態にある)と判別し、一致していないとき(既知の電流値未満のとき)には導通検査対象部位は異常である(断線状態などの非導通状態にある)と判別して、この検査結果を各導通検査対象部位に対応させて記憶する。
次いで、第2検査側処理部は、第2絶縁検査データDit2と位置リストLpとに基づいて、第2絶縁検査データDit2に含まれている配線基板4内の第2絶縁検査対象部位(2つの配線W)について、1つずつ絶縁検査を実行する。
この絶縁検査では、第2検査側処理部は、第2絶縁検査データDit1に含まれている各絶縁検査対象部位について、1つずつ、第2検査側測定部に対する制御処理を実行して、測定信号(定電圧信号)の供給状態における電流値を計測すると共に、計測した電流値と定電圧信号の既知の電圧値とに基づいて、絶縁検査対象部位としての2つの配線W間の抵抗値(絶縁抵抗値)を測定する。なお、この絶縁検査の際にも、第2検査側処理部は、上記した導通検査のときと同様にして、第2絶縁検査データDit2において第2絶縁検査対象部位(2つの配線W)に対応付けられたプローブを使用して電流値を計測する。
また、第2検査側処理部は、第2絶縁検査対象部位を構成する2つの配線間について測定した抵抗値と、予め規定された絶縁抵抗基準値とを比較して、測定した抵抗値が絶縁抵抗基準値以上のときには、第2絶縁検査対象部位は良好な絶縁状態にあると判別し、測定した抵抗値が絶縁抵抗基準値未満のときには、第2絶縁検査対象部位は良好な絶縁状態にはないと判別して、この検査結果を各絶縁検査対象部位に対応させて記憶する。これにより、第2検査装置3による配線基板4に対する検査が完了する。また、配線基板4に形成されたすべての配線Wについてのすべての検査(導通検査および絶縁検査)が完了する。
このように、この検査データ作成装置1、および検査データ作成装置1が実行する検査データ作成方法では、プローブ22,23を有するフライングプローバ21と、複数のプローブ27を有する一括検査機25とを備えた第1検査装置2が配線基板4に形成された各配線Wに対する導通検査および各配線間の絶縁検査を実行するために使用する第1検査装置用データDex1を作成する際に、各配線Wを第1配線群~第5配線群にグループ分けするグループ分け処理と、第2配線群に含まれる配線Wbにおける他方の基板面BF2に配置されているランドPのすべてのそれぞれに対応するプローブ27、並びに第4配線群に含まれる配線Wdにおける他方の基板面BF2に配置されているランドPのうちのフラグが付加されていないランドPのうちの1つに対応するプローブ27を選定プローブ27として選定する選定処理と、第1配線群に含まれているすべての配線Waについての導通検査をプローブ22,23を用いて実行させるための第1導通検査データDct1と、第2配線群に含まれているすべての配線Wbについての導通検査をプローブ22,23および選定プローブ27を用いて実行させるための第2導通検査データDct2と、第1配線群、第2配線群、第4配線群および第5配線群に含まれているすべての配線Wa,Wb,Wd,We同士についての絶縁検査をプローブ22,23および選定プローブ27を用いて実行させるための第1絶縁検査データDit1とを第1検査装置用データDex1として作成する第1装置用データ作成処理を、第2検査装置3で使用される第2検査装置用データDex2を作成する第2装置用データ作成処理と共に実行する。
したがって、第1検査装置2は、このようにして検査データ作成装置1および検査データ作成方法で作成された第1検査装置用データDex1を使用して配線基板4の検査を実行することで、フラグが付加されたランドP(第1検査装置2ではプロービングできないランドP)を一部に含んでいることを理由として従来では何ら検査していなかった配線W(つまり、第2検査装置3がすべての検査を行っていた配線W。図8の例では、配線Wdとしての配線W3,W4および配線Weとしての配線W6)に関しても、対応する選定プローブ27が選定されたランドPを含む場合や接触可能領域TE1内にプローブ22,23で接触し得るランドPを含む場合には、第1検査装置用データDex1を構成する第1絶縁検査データDit1に基づき、この選定プローブ27やこのプローブ22,23を使用して他の配線Wとの間で絶縁検査をすることができる。つまり、この検査データ作成装置1およびこの検査データ作成方法によれば、第1検査装置2において検査し得る配線Wの数を多くし得る第1検査装置用データDex1を、第2検査装置3で使用される第2検査装置用データDex2と共に作成することができる。