JP7464126B2 - 物体検知装置及び物体検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電波を対象物に照射し、対象物にて反射ないし放射された電波を検知する事で対象物の存在を認識ないし識別するための物体検知装置および物体検知方法に関する。
電波(マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波など)は、光と異なり、物体を透過する能力が優れている。電波の透過能力を活用し、衣服下や鞄内等の物品を画像化して検査する装置及びセンシング技術が実用化されている。関連する技術が、特許文献1に開示されている。
特許文献1は、電波を用いたイメージング装置(物体検知装置)であって、電波を送信する送信装置と、電波を受信する受信装置とを物理的に分けた構成を開示している。
具体的には、特許文献1は、図23の概念図で示すように、送信装置301と受信装置306が物理的に分かれた構成を開示している。図23で示したイメージング装置では、送信装置301が、送信アンテナ302、302、・・・、302の内の1つもしくは複数のアンテナ302から電波304を対象物303に向けて送信する。電波304は対象物303において反射され、反射波305、305、・・・、305が発生する。発生した反射波305、305、・・・、305は受信装置306が備える受信アンテナ307、307、・・・、307において受信される。そして、受信装置306で受信された反射波305、305、・・・、305に基づいて、対象物303で反射された電波の振幅が算出される。その電波の振幅の分布を画像化する事で、対象物303の像を得る事ができる。
この構成の場合、図24の概念図で示すように、送信装置301と受信装置306は同一の発振部401に接続され、同一の発振部401が生成した検知信号を受信する。
送信装置301は、発振部401で生成された検知信号を搬送する電波を、送信機404を経由して送信アンテナ302で送信する。送信機404はICないしモジュールで実装される。
受信装置306は、受信アンテナ307と、ミキサ402を含む受信機405と、データ転送部403を備えている。受信機405はICないしモジュールで実装される。受信装置306内のミキサ402は、受信アンテナ307で受信した対象物303からの反射波305と、発振部401で生成された検知信号と、をミキシングする事で、中間周波数信号(以下、「IF(Intermediate Frequency)信号」と表記する場合がある。)を生成する。ミキサ402において生成されたIF信号はデータ転送部403へ出力される。データ転送部403へ出力されたIF信号は、対象物303で反射された電波の振幅の算出及び対象物303の像の生成に用いられる。図24では、発振部401と、送信機404および受信機405各々とを接続し、信号を伝達するケーブルを二重線で表記している。
送信装置から送信される電波で搬送される検知信号、及び、受信装置でIF信号の生成のために使用される検知信号として、同一の発振部で生成された同一の信号を用いる事で、送信装置及び受信装置が使用する検知信号の位相差の変動を無くし、位相差の変動に起因する対象物303の像の画質劣化を抑制できる。
特許第5358053号
図24に示すように、送信装置から送信される電波で搬送される検知信号、及び、受信装置でIF信号の生成のために使用される検知信号として、同一の発振部で生成された同一の信号を用いる場合、送信装置及び受信装置各々を、配線ケーブルを介して同一の発振部に接続する必要がある。この場合、「配線ケーブルが歩行者の邪魔になる」、「送信装置及び受信装置の配置の仕方が配線ケーブルにより制限される」等の問題が発生し得る。
そこで、本発明者らは、送信装置から送信される電波で搬送される検知信号、及び、受信装置でIF信号の生成のために使用される検知信号を別々の発振部で生成する構成を検討した。この構成を採用することで、上記問題が解決される。しかし、この構成を採用する場合、送信装置と受信装置との処理を同期させる必要がある。
本発明は、送信装置から送信される電波で搬送される検知信号、及び、受信装置でIF信号の生成のために使用される検知信号を別々の発振部で生成する構成において、送信装置と受信装置との処理を同期させる技術を提供することを課題とする。
本発明によれば、
電波によって物体を検知するための物体検知装置であって、
送信手段と、受信手段とを備え、
前記送信手段は、
電波を送信する送信アンテナと、
予め設定された基準タイミングで同期信号を搬送する電波を前記送信アンテナから送信させる同期信号送信処理、及び、前記基準タイミングに基づき決定した送信タイミングにおいて、所定の検知信号を搬送する電波を前記送信アンテナから送信させる検知信号送信処理を実行する送信発振手段と、
を有し、
前記受信手段は、
電波を受信する受信アンテナと、
前記受信アンテナが受信した電波の中から前記同期信号を検出する同期信号検出手段と、
前記同期信号を検出したタイミングに基づき、受信局所発振信号を生成する受信発振手段と、
前記受信アンテナが受信した電波の中から検出された前記検知信号と、前記受信局所発振信号とに基づき中間周波数信号を生成する受信機と、
前記中間周波数信号に基づき画像を生成する演算手段と、
を有する物体検知装置が提供される。
また、本発明によれば、
送信手段と受信手段とを備え、電波によって物体を検知するための物体検知装置が実行する物体検知方法であって、
前記送信手段は、
予め設定された基準タイミングで同期信号を搬送する電波を送信アンテナから送信させる同期信号送信処理、及び、前記基準タイミングに基づき決定した送信タイミングにおいて、所定の検知信号を搬送する電波を前記送信アンテナから送信させる検知信号送信処理を実行し、
前記受信手段は、
受信アンテナが受信した電波の中から前記同期信号を検出し、
前記同期信号を検出したタイミングに基づき、受信局所発振信号を生成し、
前記受信アンテナが受信した電波の中から検出された前記検知信号と、前記受信局所発振信号とに基づき中間周波数信号を生成し、
前記中間周波数信号に基づき画像を生成する物体検知方法が提供される。
本発明によれば、送信装置から送信される電波で搬送される検知信号、及び、受信装置でIF信号の生成のために使用される検知信号を別々の発振部で生成する構成において、送信装置と受信装置との処理を同期させる技術が実現される。
図1は、本実施の形態における物体検知装置の構成の一例を示した構成図である。 図2は、本実施の形態における送信部が送信する電波の周波数の制御方法の一例を説明する図である。 図3は、本実施の形態における送信部が送信する電波の周波数の制御方法の一例を説明する図である。 図4は、本実施の形態における送信部が送信する検知信号及び受信部が生成するLO信号の制御方法の一例を説明する図である。 図5は、本実施の形態における物体検知方法を示すフローチャートの一例である。 図6は、本実施の形態における物体検知方法を示すフローチャートの一例である。 図7は、本実施の形態における物体検知方法を示すフローチャートの一例である。 図8は、従来の方式で対象物からの反射波の電波振幅分布を画像化した結果を示す図である。 図9は、本実施の形態で対象物からの反射波の電波振幅分布を画像化した結果を示す図である。 図10は、本実施の形態の物体検知装置の構成の一例を示した構成図である。 図11は、本実施の形態の物体検知装置のハードウェア構成の一例を示した構成図である。 図12は、本実施の形態の物体検知装置の構成の一例を示した構成図である。 図13は、本実施の形態における物体検知方法を示すフローチャートの一例である。 図14は、本実施の形態における物体検知方法を示すフローチャートの一例である。 図15は、本実施の形態の物体検知装置の構成の一例を示した構成図である。 図16は、本実施の形態における送信部が送信する電波の周波数の制御方法の一例を説明する図である。 図17は、本実施の形態における物体検知方法を示すシーケンス図の一例である。 図18は、本実施の形態における物体検知方法を示すシーケンス図の一例である。 図19は、本実施の形態における物体検知方法を示すシーケンス図の一例である。 図20は、本実施の形態における物体検知方法を示すシーケンス図の一例である。 図21は、本実施の形態における物体検知方法を示すシーケンス図の一例である。 図22は、本実施の形態における送信部が送信する電波の周波数の制御方法の一例を説明する図である。 図23は、比較例の物体検知装置の構成の一例を示した構成図である。 図24は、比較例の物体検知装置の構成の一例を示した構成図である。
以下、本発明の好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以降に示す各図面において、同一または相当部分の部位については、同一符号を付して示すこととし、その説明は繰り返さないことにする。
(本実施の形態1)
[装置構成]
最初に、図1を用いて、本実施の形態1における物体検知装置の構成について説明する。
図1に示す本実施の形態1における物体検知装置1000は、電波によって物体を検知するための装置である。図1に示すように、物体検知装置1000は、送信部1001と、受信部1101とを備えている。
送信部1001は、検知対象となる物体(以下、「対象物」と表記する)1201に向けて、検知信号を搬送する電波を送信する。受信部1101は、対象物1201にて反射された電波又は対象物1201から放射された電波を受信する。
送信部1001は、送信アンテナ1002と、送信発振部1003を備えた送信機1004と、制御部1005とを備えている。送信アンテナ1002と送信機1004はICないしモジュールで一体化して実装する事が望ましい。本実施の形態1では、送信発振部1003を備えた送信機1004と送信アンテナ1002はICないしモジュールで実装し、送信発振部1003と送信アンテナ1002の接続はICないしモジュール内の配線で行うこととする。この場合、電波供給用の配線ケーブルは不要となる。従来の物体検知装置と異なり、本実施の形態1では送信部1001内で電波供給用の配線ケーブルが不要なため、装置コストの低減および筐体サイズの小型化を実現できる。
送信部1001において、送信機1004内の送信発振部1003は電波を送信アンテナ1002に向けて出力する。送信機1004は、送信発振部1003から出力された電波を所定値に増幅もしくは減衰する機能を備えていてもよい。送信アンテナ1002は、送信機1004から出力された電波を対象物1201に向けて送信する。この時、送信アンテナ1002からの電波の送信は、送信アンテナ1002、1002、・・・、1002を切り替える時分割で行ってもよい。
送信部1001において、制御部1005は、送信機1004内の送信発振部1003の制御を行う。具体的には、制御部1005は、送信発振部1003から出力される電波の振幅や周波数の制御を行う。
受信部1101は、受信アンテナ1102と、受信発振部1103と、ミキサ1105を含む受信機1104と、データ転送部1106と、演算部1107と、同期信号検出部1109と、制御部1110とを備えている。受信アンテナ1102と受信機1104はICないしモジュールで一体化して実装する事が望ましい。また演算部1107は、受信部1101と物理的及び/又は論理的に分かれて構成されてもよいし、物理的及び論理的に一体となって構成されてもよい。
受信部1101において、受信アンテナ1102は電波を受信する。例えば、受信アンテナ1102は、対象物1201にて反射された電波や対象物1201から放射された電波を受信する。以下、対象物1201にて反射された電波や対象物1201から放射された電波をまとめて、「対象物1201からの電波」という。この時、対象物1201からの電波は、複数の受信アンテナ1102、1102、・・・、1102で受信してもよい。受信アンテナ1102で受信された電波は、受信機1104に出力される。
受信部1101において、受信発振部1103は局所発振信号(Local Oscillator信号、以下「LO信号」と表記)を受信機1104に向けて出力する。受信発振部1103は、送信発振部1003と同じアルゴリズムで信号を生成する。このため、送信発振部1003が生成する検知信号と、受信発振部1103が生成するLO信号は同じ内容となる。また、同期処理で信号の生成タイミングを揃えることで、送信発振部1003と受信発振部1103は同じタイミングで同じ信号を生成するようになっている。図1内において二重線で示した受信発振部1103と受信機1104の接続は、電波供給用の配線ケーブルを用いる。
受信部1101において、受信機1104内のミキサ1105は、受信アンテナ1102から出力された電波と、受信発振部1103から出力されたLO信号をミキシングして中間周波数信号(IF信号)を生成し、生成したIF信号をデータ転送部1106に出力する。
受信部1101において、データ転送部1106は、演算部1107に向けてIF信号を出力する。データ転送部1106は、受信機1104から出力されたIF信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換して、演算部1107に出力してもよい。
演算部1107は、データ転送部1106から出力されたIF信号に基づいて対象物1201からの電波の分布を計算する。さらに、対象物1201からの電波の分布に基づいて対象物1201の像を生成する。演算部1107の動作の詳細は、後述の[装置動作]の項において説明する。
受信部1101において、制御部1110は、受信発振部1103の制御を行う。具体的には、制御部1110は、受信発振部1103から出力されるLO信号の振幅や周波数の制御を行う。
本実施の形態1は、図23及び図24で示した比較例の形態と異なり、送信部1001の送信発振部1003と、受信部1101の受信発振部1103とが別々に設けられている(物理的及び論理的に分かれている)という特徴がある。
送信部1001の送信発振部1003と、受信部1101の受信発振部1103とを別々に設けるという特徴により、送信部1001と受信部1101の間の配線ケーブルが不要になっている。歩行者が通過する領域である送信部1001と受信部1101の間に配線ケーブルがないため、本実施の形態1では配線ケーブルにより歩行者の通過を妨げる事がない。また送信部1001と受信部1101の間に配線ケーブルが無いため、送信部1001と受信部1101の位置関係を柔軟に変更する事も可能である。
本実施の形態1において、送信部1001から送信される電波で搬送される検知信号の周波数1301はスイープしてもよい。この時、送信部1001内の制御部1005は、検知信号の周波数1301をスイープするように送信発振部1003を制御する。
検知信号の周波数1301をスイープさせる方法は、図2で示すように、時間に応じて離散的な周波数値でスイープするstepped frequency continuous wave(SFCW)方式でも良い。もしくは、検知信号の周波数1301をスイープさせる方法は、図3で示すように、時間に応じて連続的な周波数値でスイープするfrequency modulation continuous wave (FMCW)方式でも良い。
なお、検知信号の周波数1301をスイープさせる場合、受信発振部1103で生成されるLO信号の周波数1302も同様にスイープさせる。そして、本実施の形態1の物体検知装置1000は、同じタイミングで同じ周波数の検知信号及びLO信号が生成されるようにするために、以下の同期処理を行う。
本実施の形態1では、送信部1001は同期信号を搬送する電波を、受信部1101に向けて送信する。送信部1001内における具体的な動作としては、制御部1005は送信機1004内の送信発振部1003に同期信号を搬送する電波を生成するように制御を行う。送信機1004は同期信号を搬送する電波を送信アンテナ1002に出力する。送信アンテナ1002は、同期信号を搬送する電波を送信部1001から送信する。
受信部1101は受信アンテナ1102において同期信号を搬送する電波を受信する。受信アンテナ1102において受信された電波は、同期信号検出部1109へ出力される。同期信号検出部1109はその電波を復調して同期信号を検出する。同期信号検出部1109は検出した同期信号を制御部1110に出力する。制御部1110は、同期信号検出部1109から出力された同期信号に基づいて、受信発振部1103の制御を行う。なお、受信アンテナ1102、1102、・・・、1102の内、1つでも同期信号を搬送する電波を受信した場合、上記の動作が実施される構成とすることができる。
例えば、図4で示した時刻tのタイミングで、送信部1001は同期信号を搬送する電波を、受信部1101に向けて送信する。そして、受信部1101は、その電波を受信し、その電波を復調して同期信号を検出する。なお、電波の速度は速く、また、受信部1101での同期信号の検出に要する時間も十分小さいため、送信部1001が同期信号を搬送する電波を送信したタイミングと、受信部1101が同期信号を検出したタイミングとは同じ時刻tとみなすことができる。
送信部1001は、時刻tから予め定められた所定時間が経過した時刻ts1のタイミングにおいて、検知信号の周波数1301のスイープを所定値から開始する。同様に、受信部1101は、時刻tから予め定められた所定時間が経過した時刻ts1のタイミングにおいて、LO信号の周波数1302のスイープを所定値から開始する。なお、送信部1001と受信部1101は、同じアルゴリズムで検知信号及びLO信号を生成する。このため、当該同期処理で信号の生成タイミングを揃えることで、送信部1001と受信部1101は同じタイミングで同じ周波数の信号を生成することになる。なお、以下の実施の形態で、当該同期処理をより詳細に説明する。
本実施の形態1では、送信部1001と受信部1101の間に配線が無い状態で、対象物1201の像を生成するために必要なIF信号を生成する事ができる。
ただし、図1で示した物体検知装置1000の装置構成のみでは、送信部1001から送信される検知信号と、受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差を制御する事が困難である。例えば、送信部1001内の送信機1004を切り替えた際や、送信部1001から送信する検知信号の周波数を切り替えた際、送信部1001から送信する検知信号の位相が、受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相と無関係に変動する。このような送信部1001から送信される検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差の変動は、対象物1201の像を乱す要因となる。
本実施の形態1では、以下の[装置動作]において説明するとおり、送信部1001から送信される検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差が変動する場合においても、対象物1201の正しい像を安定して生成するための像生成手法を提供する。
[装置動作]
図5は、本発明の実施の形態1における物体検知装置の動作を示すフロー図である。また、本実施の形態1では、物体検知装置1000を動作させることによって、物体検知方法が実施される。よって、本実施の形態1における物体検知方法の説明は、以下の物体検知装置1000の動作説明に代える。
図5で示すように、最初に、送信部1001から同期信号を送信する(ステップA1)。
次に、受信部1101が、送信部1001から送信された同期信号を受信する(ステップA2)。
ステップA1及びステップA2における同期信号の送受信は、[装置構成]の項で説明しているとおり、送信部1001から送信される検知信号の周波数1301と、受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の周波数1302を一致させるための同期処理である。同期処理の詳細は、以下の実施の形態で説明する。
同期処理が完了後、送信部1001が対象物1201に向けて検知信号を搬送する電波を送信する(ステップA3)。
次に、対象物1201からの電波を受信部1101の各受信アンテナ1102で受信する(ステップA4)。
次に、受信部1101の各受信アンテナ1102で受信した電波からIF信号を生成する(ステップA5)。
次に、演算部1107において、IF信号に基づき対象物1201からの電波の分布(像)を計算する(ステップA6)。その後、この画像を用いた物体検出を行うことができる。画像から物体を検出する手段は広く知られている。例えば、画像に写る物体の外観の特徴(形状、大きさ等)に基づき、物体を検出することができる。物体検出の手法としては、パターンマッチングや、機械学習で生成されたクラス分類器の利用などが例示されるが、これらに限定されない。
図6は、演算部1107においてIF信号に基づき対象物1201からの電波の分布(像)を計算するステップA6の詳細を示したフロー図である。図6で示すように、演算部1107においてIF信号に基づき対象物1201からの電波の分布(像)を計算するステップA6は、ステップB1からB7で構成される。
図6で詳細を示した、IF信号に基づき対象物1201からの電波の分布(像)を計算するステップA6は、送信部1001から送信される検知信号と受信部1101内で生成されるLO信号の間に、測定時に変動する不定な位相差がある場合でも、対象物1201からの電波の分布(像)を安定して正しく算出する事を特徴とする。
図6で示すように、IF信号に基づき対象物1201からの電波の分布(像)を計算するステップA6では、測定前の事前処理として、測定系固有の較正パラメータの計算を行う。測定前の事前処理としては、波数軸較正項の計算を行うステップB3と、送信アンテナ軸較正項の計算を行うステップB6がある。
本実施の形態1では、送信部1001から送信する検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差が変動する問題とは別に、送信アンテナ1002の配置と、受信アンテナ1102の配置と、送信部1001から送信される検知信号の周波数1301の設定に応じた、固定的な誤差が発生する。この固定的な誤差を較正するために、波数軸較正項の計算を行うステップB3と、送信アンテナ軸較正項の計算を行うステップB6を行う。
また図6で示すように、IF信号に基づき対象物1201からの電波の分布(像)を計算するステップA6では、測定時の処理として、測定毎に変動する誤差の補正及び対象物1201からの電波の分布(像)の生成を行う。測定時の処理は、ステップB1~B2及びステップB4~B5及びステップB7で構成される。ステップB1~B2及びステップB4~B5及びステップB7では、送信部1001から送信する検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差の変動を補正しながら、同時に対象物1201からの電波の分布(像)を生成する。
続いて、図6で示したステップの詳細について説明する。
[ステップB1]
図6で示したステップB1では、データ転送部1106から演算部1107に出力されたIF信号s(m,n,q)を用いる。ここで、m、n、qは、それぞれ送信アンテナ1002の番号、受信アンテナ1102の番号、波数の番号を表す。送信部1001から送信される検知信号の周波数1301をfとした時、波数kと周波数fの間には、cを光速としてk=2πf/cの関係がある。IF信号は、送信アンテナ1002と、受信アンテナ1102と、波数(すなわち周波数)の組(m,n,q)に対して得られるものとする。ステップB1では、IF信号s(m,n,q)を用いて、以下の式(1)に基づいて受信アンテナ軸の相関和を計算する事で、画像PRX(m,q,r)を生成する。
Figure 0007464126000001
式(1)において、rは空間上の位置である。画像PRX(m,q,r)は空間上の位置rにおける像強度を表す。また画像PRX(m,q,r)は、送信アンテナ1002の番号mと、波数の番号qの組毎に得られる量でもある。Rt(m,r)は番号mに対応する送信アンテナ1002と位置rの距離を表す。また、Rr(n,r)は番号nに対応する受信アンテナ1102と位置rの距離を表す。jは虚数単位である。
[ステップB2]
次のステップB2では、検知信号とLO信号の不定位相差の波数軸上の補正項cΔθ[WN](m,q)を、以下の式(2)に基づいてステップB1で得た画像PRX(m,q,r)から計算する。
Figure 0007464126000002
式(2)において、q'はqとは異なる波数番号で、q'は任意に取ってよい。なお、q'とqに対応する波数kは近い値を取る事が望ましい。
以下では、補正項cΔθ[WN](m,q)が式(2)で得られる理由について説明する。すでに述べたとおり、送信部1001内の送信機1004を切り替えた際や、送信部1001から送信する検知信号の周波数を切り替えた際、送信部1001から送信する検知信号の位相が、受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相と無関係に変動する。この時、送信部1001から送信する検知信号と、受信部1101内のLO信号の位相差は、送信番号mと波数番号qに対してランダムに変動する位相Δθ(m,q)で表現できる。なお、図1に示した受信部1101において、複数の受信機1104、1104、1104に対し共通の受信発振部1103からLO信号が供給されているため、位相Δθが受信アンテナ1102の番号nに対して依存性を持つ事は無い。このランダムに変動する位相Δθ(m,q)により、画像PRX(m,q,r)の位相は、Δθ(m,q)だけシフトする。ここで、波数番号qが異なる2つの画像PRX(m,q,r)とPRX(m,q',r)を考える。ランダムに変動する位相Δθ(m,q)が無い場合、2つの画像PRX(m,q,r)とPRX(m,q',r)の位相はあまり変化しない。この事から、PRX(m,q',r)に補正項cΔθ[WN](m,q)を掛けて位相補正をした場合、PRX(m,q,r)とPRX(m,q',r)cΔθ[WN](m,q)の位相は一致する事が望ましい。またPRX(m,q,r)とPRX(m,q',r)cΔθ[WN](m,q)の位相が一致する場合、PRX(m,q,r)+PRX(m,q',r)cΔθ[WN](m,q)の絶対値は最大になる。PRX(m,q,r)+PRX(m,q',r)cΔθ[WN](m,q)の絶対値を最大化する条件で補正項cΔθ[WN](m,q)を決定した結果が、式(2)で与えられる。
[ステップB3]
次のステップB3では、波数軸較正項cA[WN](m,q)を測定前に計算しておく。このステップB3の詳細手順は図7において後述する。
[ステップB4]
次のステップB4では、ステップB1で得た画像PRX(m,q,r)と、ステップB2で得た補正項cΔθ[WN](m,q)と、ステップB3で得た較正項cA[WN](m,q)の3つを用いて、以下の式(3)に波数軸の相関和で画像PWN(m,r)を生成する。
Figure 0007464126000003
[ステップB5]
次のステップB5では、検出信号とLO信号の不定位相差の送信アンテナ軸上の補正項cΔθ[TX](m)を、以下の式(4)に基づいてステップB4で得た画像PWN(m,r)から計算する。
Figure 0007464126000004
式(4)において、m'はmとは異なるアンテナ番号で、m'は任意に取ってよい。なお、m'とmに対応する送信アンテナは互いに近い位置にある事が望ましい。式(4)は、式(2)と同様に、PWN(m,r)+PWN(m',r)cΔθ[TX](m)の絶対値を最大化する条件で補正項cΔθ[TX](m)を決定している。
[ステップB6]
次のステップB6では、送信アンテナ軸較正項cA[TX](m)を測定前に計算しておく。このステップB6の詳細手順は図7において後述する。
[ステップB7]
次のステップB7では、ステップB4で得た画像PWN(m,r)と、ステップB5で得た補正項cΔθ[TX](m)と、ステップB6で得た較正項cA[TX](m)の3つを用いて、以下の式(5)に波数軸の相関和で画像P(r)を生成する。
Figure 0007464126000005
式(5)で与えられる画像P(r)が、送信部1001から送信する検知信号と受信部1101内のLO信号のランダムに変動する位相差Δθ(m,q)を補正して得られる対象物1201からの電波の分布を示す像となる。
図7は、波数軸較正項cA[WN](m,q)を測定前に計算するステップB3と、送信アンテナ軸較正項cA[TX](m)を測定前に計算するステップB6の詳細を示したフロー図である。図7で示したフロー図は、ステップC0からステップC6で構成される。なお、図7で示した各ステップは、実際の測定ではなく、数値計算により行う。ただし、実際の測定で用いる送信アンテナ1002の配置と、受信アンテナ1102の配置と、送信部1001から送信される検知信号の周波数1301の設定を、図7の各ステップで行う数値計算においても用いる。
続いて、図7で示したステップの詳細について説明する。
[ステップC0]
図7で示したステップC0では、較正用対象物を対象物1201とした場合のIF信号s(m,n,q)を、以下の式(6)に基づいて数値計算する。
Figure 0007464126000006
式(6)において、σ(r)は、位置rにおける較正用対象物の反射強度である。較正用対象物は、可能な限り大きな板状の反射体を用いる事が望ましい。また、式(6)において、Rt(m,r)は番号mに対応する送信アンテナ1002と位置rの距離を表す。また、Rr(n,r)は番号nに対応する受信アンテナ1102と位置rの距離を表す。また、k(q)は番号qに対応する波数kを表す。
[ステップC1]
次に、ステップC1では式(6)で得たIF信号を用いて、ステップB1と同じく式(1)に基づいて画像PRX(m,q,r)を計算する。
[ステップC2]
次に、ステップC2では、ステップC1で計算した画像PRX(m,q,r)を用いて、ステップB2と同じく式(2)に基づいて補正項cΔθ[WN](m,q)を計算する。
[ステップC3]
次に、ステップC3では、ステップC2で得た補正項cΔθ[WN](m,q)から、以下の式(7)に基づいて波数軸較正項cA[WN](m,q)を計算する。
Figure 0007464126000007
式(7)で計算された波数軸較正項cA[WN](m,q)が、図6のステップB3において使用される。
[ステップC4]
次に、ステップC3では、ステップC1で得た画像PRX(m,q,r)と、ステップC2で得た補正項cΔθ[WN](m,q)と、ステップC3で得た波数軸較正項cA[WN](m,q)を用いて、ステップB4と同じく式(3)に基づいて画像PWN(m,r)を計算する。
[ステップC5]
次に、ステップC5では、ステップC4で計算した画像PWN(m,r)を用いて、ステップB5と同じく式(4)に基づいて補正項cΔθ[TX](m)を計算する。
[ステップC6]
次に、ステップC6では、ステップC5で得た補正項cΔθ[TX](m)から、以下の式(8)に基づいて波数軸較正項cA[TX](m)を計算する。
Figure 0007464126000008
式(8)で計算された波数軸較正項cA[TX](m)が、図6のステップB6において使用される。
装置動作の説明は以上である。上記の装置動作により、送信部1001から送信される検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差が変動する場合においても、対象物1201の正しい像を安定して生成するための像生成手法が提供される。
なお、上記で説明した補正項cΔθ[WN](m,q)及びcΔθ[TX](m)と、較正項cA[WN](m,q)及びcA[TX](m)が引数m及びqによらず全て1の場合が、補正及び較正を行わない従来の像生成手法に該当する。
図8に、送信部1001から送信される検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差が変動する場合において、補正及び較正を行わない従来の像生成手法で正方形の対象物1201の画像を生成した例を示す。図8では画像中央の破線内が対象物1201の位置を表しているが、実際に得られた対象物1201の像は元の正方形から大きく崩れている。
図9に、送信部1001から送信される検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差が変動する場合において、本実施の形態1に基づいて補正及び較正を実施した像生成手法で正方形の対象物1201の画像を生成した例を示す。図9では、対象物1201の位置(画像中央の破線内)に、大きく崩れる事なく対象物1201の像が生成されている。
(本実施の形態1の変形例1)
図10に本実施の形態1の変形例1における装置構成の図を示す。図1で示した本実施の形態1の装置構成では送信部1001と受信部1101は別の筐体に収められていたが、図10で示した本実施の形態1の変形例1のように、送信部1001と受信部1101を同じ筐体に収めて物体検知装置1000として使用しても良い。
図10では、送信機1004に接続された送信アンテナ1002と、受信機1104に接続された受信アンテナ1102は分離されている。一方で、送信機1004と受信機1104は、送受信を切り替えるスイッチないしアイソレータを経由して同じアンテナに接続し、送受で同じアンテナを共有してもよい。
本実施の形態1の変形例1における装置動作は、本実施の形態1おける装置動作と同一なので、説明は省略する。
[ハードウェア構成]
ここで、本実施の形態1におけるプログラムを実行することによって、物体検知装置を実現するコンピュータ(演算装置)について図11を用いて説明する。図11は本実施の形態1における物体検知装置1000を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
図11に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態1におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態1におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態1におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。なお、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていても良い。
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
なお、本実施の形態1における物体検知装置は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、物体検知装置は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
[効果]
以下において、本実施の形態1の効果を説明する。本実施の形態1では、送信部1001の送信発振部1003と受信部1101の受信発振部1103で異なる発振器を用いる事で、送信部1001から送信される検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差が変動する場合であっても、対象物1201の正しい像を安定して生成するための像生成手法が提供される。この事により、送信装置から送信される電波を生成する発振部と、受信装置内でLO信号を生成する発振部を分離する事が可能な物体検知装置が提供される。
本実施の形態1の物体検知装置により、送信部と受信部の間の配線を無くす事ができ、歩行者の通過を妨げるという課題を解決し、さらに送信装置と受信装置の位置関係を柔軟に変更する事が可能になる。また電波供給用の配線ケーブルの数を削減し、コストと筐体サイズの課題を解決することができる。
(本実施の形態2)
[装置構成]
図12を用いて、本実施の形態2における物体検知装置の構成について説明する。
図12に示す本実施の形態2における構成要素は、図1で示した本実施の形態1における構成要素と同一である。ただし、本実施の形態1では送信部1001内の発振部が複数の送信発振部1003、1003,1003に分離していたのに対し、本実施の形態2では単一の送信発振部1003で実装されている。
また、本実施の形態1では受信部1101内の発振部が単一の受信発振部1103で実装していたのに対し、本実施の形態2では複数の受信発振部1103、1103,1103に分離されている。
すなわち、本実施の形態1と2では、送信と受信で、単一の発振部による実装と複数の発振部による実装を入れ替えている。
本実施の形態2では、送信発振部1003と送信機1004の接続のために、二重線で示した電波供給用ケーブルを使用している。一方で、従来の物体検知装置と異なり、本実施の形態2では受信部1101内で電波供給用の配線ケーブルが不要なため、装置コストの低減および筐体サイズの小型化を実現できる。
本実施の形態1と2で、上記以外の違いは無いため、送信発振部1003と受信発振部1103以外の構成要素の説明は省略する。
[装置動作]
装置動作も、本実施の形態1と2でほぼ共通である。ここでは、本実施の形態2の装置動作で、本実施の形態1の装置動作と異なる要素のみを説明する。
本実施の形態2における装置動作は、図5で示したフロー図によって実施される。図5による装置動作は、本実施の形態1と2で共通であるため、説明は省略する。
本実施の形態2における装置動作の内、図5で示したフロー図内のステップA6の詳細を示したフロー図を図13に示す。本実施の形態1と2において送信と受信で単一の発振部による実装と複数の発振部による実装を入れ替えた事を反映して、本実施の形態2におけるフロー図13内のステップは、本実施の形態1におけるフロー図6内のステップから以下のように変更される。具体的には、送信アンテナに対する処理と受信アンテナに対する処理を本実施の形態1と2で入れ替える。
本実施の形態1におけるステップB1が受信アンテナ軸の相関和によりIF信号から画像を生成するのに対し、本実施の形態2におけるステップB1'では送信アンテナ軸の相関和によりIF信号から画像を生成する。
本実施の形態1におけるステップB6が送信アンテナ軸較正項の計算を行うのに対し、本実施の形態2におけるステップB6'では受信アンテナ軸較正項の計算を行う。
本実施の形態1におけるステップB7が送信アンテナ軸の相関和で画像を生成するのに対し、本実施の形態2におけるステップB7'では受信アンテナ軸の相関和で画像を生成する。
本実施の形態2における装置動作の内、図13で示したフロー図内のステップB3及びステップB6'の詳細を示したフロー図を図14に示す。本実施の形態1と2において送信と受信で単一の発振部による実装と複数の発振部による実装を入れ替えた事を反映して、本実施の形態2におけるフロー図14内のステップは、本実施の形態1におけるフロー図7内のステップから以下のように変更される。具体的には、送信アンテナに対する処理と受信アンテナに対する処理を本実施の形態1と2で入れ替える。
本実施の形態1におけるステップC1が受信アンテナ軸の相関和によりIF信号から画像を生成するのに対し、本実施の形態2におけるステップC1'では送信アンテナ軸の相関和によりIF信号から画像を生成する。
本実施の形態1におけるステップC5が送信アンテナ軸の補正項の計算を行うのに対し、本実施の形態2におけるステップC5'では受信アンテナ軸の補正項の計算を行う。
本実施の形態1におけるステップC6が送信アンテナ軸較正項を計算するのに対し、本実施の形態2におけるステップC6'では受信アンテナ軸較正項を計算する。
上記の本実施の形態2における装置動作により、本実施の形態1と同じく、送信部1001から送信される検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号の位相差が変動する場合においても、対象物1201の正しい像を安定して生成するための像生成手法が提供される。
(本実施の形態2の変形例1)
図15に本実施の形態2の変形例1における装置構成の図を示す。図12で示した本実施の形態2の装置構成では送信部1001と受信部1101は別の筐体に収められていたが、図15で示した本実施の形態2の変形例1のように、送信部1001と受信部1101を同じ筐体に収めて物体検知装置1000として使用しても良い。
図15では、送信機1004に接続された送信アンテナ1002と、受信機1104に接続された受信アンテナ1102は分離されている。一方で、送信機1004と受信機1104は、送受信を切り替えるスイッチないしアイソレータを経由して同じアンテナに接続し、送受で同じアンテナを共有してもよい。
本実施の形態2の変形例1における装置動作は、本実施の形態2おける装置動作と同一なので、説明は省略する。
[ハードウェア構成]
本実施の形態1と同様である。
[効果]
本実施の形態1と同様である。
(本実施の形態3)
本実施の形態3では、本実施の形態1及び2で説明した同期処理、すなわち図5のステップA1及びA2の処理がより具体化される。同期処理は、送信部1001から送信される検知信号と受信部1101内の受信発振部1103から出力されるLO信号が同じタイミングで同じ周波数の信号となるようにするための処理である。
物体検知装置1000の機能構成の一例は、図1、図10、図12又は図15で示される。
送信部1001の送信発振部1003は、制御部1005の制御に基づき、同期信号送信処理及び検知信号送信処理を実行する。
同期信号送信処理では、送信発振部1003は、予め設定された基準タイミングで、同期信号を搬送する電波を送信アンテナ1002から送信させる。検知信号送信処理では、検知信号を搬送する電波を送信アンテナ1002から送信させる。
以下、図16を用いて、同期信号送信処理及び検知信号送信処理をより詳細に説明する。図16は、送信発振部1003が送信する電波の周波数の時間変化の一例を示す。横軸が時間であり、縦軸が周波数である。
図示するように、送信発振部1003は、検知信号を送信する検知信号送信処理の前に、同期信号を送信する同期信号送信処理を実行する。送信発振部1003は、図示するように、検知信号送信処理を実行する前に同期信号送信処理を実行し、その後、繰り返し同期信号送信処理を実行することができる。送信発振部1003は、複数回の同期信号送信処理の間に、検知信号送信処理を実行する。なお、送信発振部1003は、最初の同期信号送信処理のみを実行し、その後の同期信号送信処理は実行しなくてもよい。
同期信号の例としては、パルス信号(無変調)、変調信号、所定の系列の信号(PN系列、ユニークワード等)等が例示される。変調信号は、周波数や振幅を変調した信号である。
同期信号と検知信号は、電波の振幅及び周波数の少なくとも一方に基づき互いを識別可能になっている。例えは、同期信号は、検知信号のスイープ領域(検知信号がとる最少周波数から最大周波数までの範囲)の外の周波数の信号であってもよい。その他、図16に示すように、検知信号の周波数が離散的な値をとる場合、同期信号は、検知信号のスイープ領域内であって、検知信号で採用されない周波数の信号であってもよい。その他、同期信号は、検知信号で採用される周波数であってもよい。この場合、振幅や信号のパターン等により、同期信号と検知信号が互いに識別可能になっている。
なお、複数の送信アンテナ1002のいずれが同期信号を送信してもよい。あらかじめ同期信号を送信する送信アンテナ1002は固定されていてもよいし、変動してもよい。後者の場合、任意の手段で、複数の送信アンテナ1002の中から同期信号を送信する送信アンテナ1002が選択される。
検知信号送信処理では、送信発振部1003は、予め定められたアルゴリズムで周波数を変化させながら検知信号を送信する。そして、送信発振部1003は、基準タイミングに基づき決定した送信タイミングにおいて、所定の検知信号を送信アンテナ1002から送信させる。
基準タイミングの指定方法は設計的事項であり、あらゆる手法を採用できる。例えば時、分及び秒で示される時刻の秒(0~59の値をとる)の値が「0」になったタイミングを基準タイミングとする手法などが例示されるが、これに限定されない。図16に示す例の場合、時刻tt0や時刻tt1が基準タイミングである。図示するように、この基準タイミングで同期信号が送信される。送信タイミングは、基準タイミングから予め定められた時間が経過したタイミングであり、例えば図16の時刻t1s1や時刻t2s1である。図示するように、この送信タイミングで検知信号の周波数のスイープが所定値から開始される。
受信部1101の同期信号検出部1109は、受信アンテナ1102が受信した電波の中から同期信号を検出する。同期信号検出部1109は、電波の周波数、振幅、これらのパターン等に基づき、同期信号を検出する。
受信発振部1103は、同期信号を検出したタイミングに基づき、LO信号を生成する。受信発振部1103は、検知信号の生成と同じアルゴリズムで、周波数が変化するスイープ信号(LO信号)を生成する。
受信発振部1103は、同期信号を検出したタイミングから予め定められた時間が経過したタイミングからLO信号の生成を開始する。すなわち、同期信号を検出したタイミングから予め定められた時間が経過したタイミングでLO信号の周波数のスイープが所定値から開始される。なお、本実施の形態1で説明したように、送信部1001が同期信号を搬送する電波を送信した基準タイミングと、受信部1101が同期信号を検出したタイミングとは同じ時刻とみなすことができる。
なお、受信部1101は、同期信号の検出に成功した場合、その旨を示す肯定信号を送信部1001に送信する肯定応答手段をさらに有してもよい。この場合、受信部1101は送信アンテナを備え、送信部1001は受信アンテナを備える。
次に、図17のシーケンス図を用いて、物体検知装置1000の最初の同期処理の流れの一例を説明する。
まず、送信部1001は、起動直後、又は、ユーザからの初期化指示入力に応じて初期化処理を実行する。初期化処理では、送信部1001は、任意の手段で基準タイミングを設定する(S10)。基準タイミングは、例えば時、分及び秒で示される時刻の秒(0~59の値をとる)の値が「0」になったタイミングなどが例示されるが、これに限定されない。
初期化処理の後、送信部1001は、初回同期処理を行う。初回同期処理は、初期化処理後に初めて行う同期処理である。
初回同期処理において、送信部1001は、初期化処理で設定された基準タイミングが到来すると、同期信号を生成し、同期信号を搬送する電波を送信する(S11、S12)。
受信部1101は、当該電波を受信すると、この電波を復調し、同期信号を検出する(S13)。同期信号の検出に成功すると、受信部1101は、同期信号を検出したタイミングを基準タイミングとして抽出し、設定する(S14)。そして、受信部1101は、肯定信号(ACK)を生成し(S15)、肯定信号を搬送する電波を送信部1001に向けて送信する(S16)。
送信部1001は、当該電波を受信すると、この電波を復調し、肯定信号を検出する。そして、肯定信号の受信に応じて、初回同期処理が完了したと判定する(S17)。
図18のシーケンス図に、物体検知装置1000の同期処理の流れの他の一例を説明する。当該同期処理は、肯定信号の生成及び送信がない点で、図17のシーケンス図で示す例と異なる。
次に、図19のシーケンス図を用いて、初回同期処理後に行われる画像生成処理の流れの一例を説明する。
送信部1001は、初期化処理で設定された基準タイミングに基づき検知信号を生成し、当該検知信号を搬送する電波を送信する(S30、S32)。具体的には、送信部1001は、予め定められたアルゴリズムで周波数が変化するスイープ信号(検知信号)を生成し、当該検知信号を搬送する電波を送信する。そして、送信部1001は、基準タイミングから予め定められた時間が経過したタイミングにおいて、所定の検知信号を生成する。所定の検知信号は、所定の周波数の検知信号であり、例えば予め定められたアルゴリズムで周波数が変化するスイープ信号(検知信号)の中の最初に設定される周波数の信号である。
受信部1101は、初回同期処理で抽出した基準タイミングに基づきLO信号を生成する(S31)。具体的には、受信部1101は、予め定められたアルゴリズムで周波数が変化するスイープ信号(LO信号)を生成する。検知信号を生成するアルゴリズムと、LO信号を生成するアルゴリズムは同じである。そして、受信部1101は、基準タイミングから予め定められた時間が経過したタイミングにおいて、所定のLO信号を生成する。所定のLO信号は、所定の周波数のLO信号であり、例えば予め定められたアルゴリズムで周波数が変化するスイープ信号(LO信号)の中の最初に設定される周波数の信号である。
そして、受信部1101は、送信部1001から送信された電波を受信すると、この電波を復調し、検知信号を検出する(S33)。そして、受信部1101は、検知信号とLO信号に基づきIF信号を生成し(S34)、IF信号に基づき画像を生成する(S35)。これらの処理の詳細は、本実施の形態1及び2で説明した通りである。
画像生成処理では、送信部1001及び受信部1101は、当該処理を繰り返す。
次に、図20及び図21のシーケンス図に、物体検知装置1000の2回目以降の同期処理の流れの一例を説明する。これは、物体検知装置1000が同期処理を繰り返し行う場合の処理である。
物体検知装置1000は、2回目以降の同期処理を実行するタイミングが到来すると、図示する同期保持処理を行う。2回目以降の同期処理を実行するタイミングは、前回の同期処理を実行したタイミングから所定時間経過したタイミングであってもよいし、その他であってもよい。
同期保持処理の内容は、図17及び図18のシーケンス図を用いて説明した初回同期処理と同様である。
本実施の形態3の物体検知装置1000のその他の構成は、本実施の形態1及び2と同様である。
本実施の形態3の物体検知装置1000によれば、本実施の形態1及び2と同様の作用効果が実現される。
(本実施の形態4)
本実施の形態4では、本実施の形態3で説明した同期処理が一部変更される。具体的には、本実施の形態4では、図22に示すように、送信部1001は、各回の同期処理(各回の同期信号送信処理)において、所定の時間間隔で、複数の同期信号を順次送信することができる。例えば、送信部1001は、予め定められた数の同期信号を順次送信してもよいし、受信部1101から肯定信号を受信するまで繰り返し同期信号を送信してもよい。
このように構成することで、各回の同期処理において受信部1101が同期信号を検出し、同期処理が成功する確率を高めることができる。
しかし、このように構成した場合、複数の同期信号の送信タイミングは互いに異なるため、受信部1101が複数の同期信号の中のどの同期信号を検出したかを特定し、その結果に基づき基準タイミングを調整する処理が必要になる。そこで、本実施の形態4の物体検知装置100は、以下の処理1又は2を実行する機能を有する。
「処理例1」
受信部1101は、複数の同期信号の中のいずれかの検出に成功した場合、その同期信号を検出したタイミングを基準タイミングとして設定する。また、受信部1101は、検出に成功したタイミングでその旨を示す肯定信号を搬送する電波を送信部1001に送信する。
送信部1001は、肯定信号の受信タイミングに基づき、設定されている基準タイミングを修正する。
まず、送信部1001は、肯定信号を受信すると、肯定信号の受信タイミングに基づき複数の同期信号の中のいずれが検出されたか特定する。例えば、送信部1001は、肯定信号の受信タイミングの直前に送信した同期信号が受信部1101により検出されたと判断してもよい。この場合、例えば、複数の同期信号の送信間隔は、同期信号を送信後、その同期信号の検出に応じた肯定信号の受信までに要する時間よりも長く設定される。
そして、送信部1001は、特定した同期信号を送信したタイミングに基づき、設定されている基準タイミングを修正する。当初は、最初の同期信号を送信するタイミングが、基準タイミングとなっている。その後に送信される同期信号は、基準タイミングから所定時間経過後に送信されている。
最初の同期信号が受信部1101により検出され、それに応じた肯定信号を受信した場合、基準タイミングは変更されずそのままとなる。しかし、2番目以降の同期信号が受信部1101により検出され、それに応じた肯定信号を受信した場合、送信部1001は基準タイミングを設定し直す。例えば、最初の同期信号を送信したタイミングと、検出された同期信号を送信したタイミングの時間差がT秒である場合、送信部1001は設定されている基準タイミングのT秒後を、新たな基準タイミングとして設定する。
受信部1101は、同期信号を検出したタイミングを基準タイミングとして設定している。上述のような送信部1001による設定されている基準タイミングの修正により、受信部1101が設定した基準タイミングと、送信部1001で設定されている基準タイミングとのズレが解消され、これらのタイミングが互いに一致する。
「処理例2」
各回の同期信号送信処理で送信される複数の同期信号は、電波の振幅及び周波数の少なくとも一方に基づき互いを識別可能になっている。例えば、何番目に送信された同期信号であるかが識別可能になっていてもよい。
受信部1101は、複数の同期信号の中のいずれかの検出に成功した場合、電波の振幅及び周波数の少なくとも一方に基づき複数の同期信号の中のいずれを検出したかを特定する。そして、受信部1101は、同期信号を受信したタイミングから所定時間s経過したタイミングを基準タイミングとして設定し、当該基準タイミングに基づきLO信号を生成する。
所定時間sは、最初の同期信号を送信したタイミングと、検出された同期信号を送信したタイミングとの時間差であり、どの同期信号を検出したかに応じて変動する。受信部1101は、予め、各回の同期信号送信処理で送信される複数の同期信号各々と、所定時間sとの対応関係を示す情報を記憶している。そして、受信部1101は、当該情報を参照して、検出した同期信号に対応する所定時間sを特定する。
本実施の形態4の物体検知装置1000のその他の構成は、本実施の形態1乃至3と同様である。
本実施の形態4の物体検知装置1000によれば、本実施の形態1乃至3と同様の作用効果が実現される。また、各回の同期処理において複数の同期信号を順次送信することで、受信部1101が同期信号を検出し、同期処理が成功する確率を高めることができる。
しかし、このように構成した場合、複数の同期信号の送信タイミングは互いに異なるため、受信部1101が複数の同期信号の中のどの同期信号を検出したかを特定し、その結果に基づき基準タイミングを調整する処理が必要になる。当該処理を行わなければ、生成される画像が劣化する。本実施の形態4の物体検知装置1000は、上記処理例1又は2を実行することで、当該画像劣化の問題を軽減することができる。
(本実施の形態5)
本実施の形態5の受信部1101は、ある回の同期処理において同期信号の検出に失敗した場合、それ以降に受信した電波の中から検出された検知信号を自装置内の記憶手段に記憶しておく。そして、その後の回の同期処理において同期信号の検出に成功した場合、同期信号を受信したタイミングに基づき生成されたLO信号と、それ以前に記憶された検知信号とに基づきIF信号を生成し、当該IF信号に基づき画像を生成する。
ここで、同期信号の検出に失敗したことを検出する処理の例について説明する。本実施の形態3で説明したように、物体検知装置1000は、検知信号を送受信して画像を生成する処理を実行する前に、初回同期処理を行う。そこで、受信部1101は、同期信号の検出がないまま検知信号の検出が起きた場合、初回同期処理における同期信号の検出に失敗したと判断することができる。そして、受信部1101は、その後、同期処理に成功するまで、受信した検知信号を記憶手段に記憶し続ける。
また、受信部1101は、2回目以降の同期処理が実行されるタイミングを示す情報を保持しておいてもよい。2回目以降の同期処理が実行されるタイミングは、例えば前回の同期処理が実行されたタイミングからの経過時間で示される。受信部1101は、当該情報と、前回行われた同期処理のタイミングとに基づき、次回の同期処理のタイミングを特定する。そして、受信部1101は、次回の同期処理のタイミングから所定時間経過しても同期信号の検出が起きない場合、同期信号の検出に失敗したと判断することができる。
本実施の形態5の物体検知装置1000のその他の構成は、本実施の形態1乃至4と同様である。
本実施の形態5の物体検知装置1000によれば、本実施の形態1乃至4と同様の作用効果が実現される。また、本実施の形態5の物体検知装置1000によれば、ある回の同期処理に失敗した場合、その後に受信した検知信号を記憶しておき、その後に成功した同期処理で抽出された基準タイミングに基づき記憶している検知信号を処理して画像を生成することができる。このため、複数回の同期処理のいずれかで成功すれば、それ以前及びそれ以降のいずれで送受信した検知信号も適切に処理し、劣化の少ない画像を生成することができる。
(本実施の形態6)
本実施の形態6の受信部1101は、複数の受信アンテナ1102で電波を受信する。そして、受信部1101は、複数の受信アンテナ1102各々で受信した電波の中から同期信号が検出された場合、所定条件を満たす1つの同期信号を選択し、選択した同期信号を受信したタイミングに基づきLO信号を生成する。所定条件は、例えば「一番早く受信された同期信号であること」である。
本実施の形態6の物体検知装置1000のその他の構成は、本実施の形態1乃至5と同様である。
本実施の形態5の物体検知装置1000によれば、本実施の形態1乃至5と同様の作用効果が実現される。また、本実施の形態6の物体検知装置1000によれば、複数の受信アンテナ1102各々で受信した電波の中から検出された同期信号の中から、適切な1つを選択し、LO信号の生成に利用することができる。所定条件は、例えば「一番早く受信された同期信号であること」である。この場合、他の物体で反射等することなく直接送信部1001から受信部1101に届いた同期信号に基づき、同期処理を行うことができる。結果、同期処理の精度が向上する。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、前述の各特許文献等に開示されている内容は、本発明に引用をもって繰り込むことも可能とする。本発明の全開示(特許請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施の形態の変更・調整が可能である。また、本発明の特許請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせあるいは選択も可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって、当業者であればなし得ることが可能な各種変形、修正を含むことは勿論である。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
1. 電波によって物体を検知するための物体検知装置であって、
送信手段と、受信手段とを備え、
前記送信手段は、
電波を送信する送信アンテナと、
予め設定された基準タイミングで同期信号を搬送する電波を前記送信アンテナから送信させる同期信号送信処理、及び、前記基準タイミングに基づき決定した送信タイミングにおいて、所定の検知信号を搬送する電波を前記送信アンテナから送信させる検知信号送信処理を実行する送信発振手段と、
を有し、
前記受信手段は、
電波を受信する受信アンテナと、
前記受信アンテナが受信した電波の中から前記同期信号を検出する同期信号検出手段と、
前記同期信号を検出したタイミングに基づき、受信局所発振信号を生成する受信発振手段と、
前記受信アンテナが受信した電波の中から検出された前記検知信号と、前記受信局所発振信号とに基づき中間周波数信号を生成する受信機と、
前記中間周波数信号に基づき画像を生成する演算手段と、
を有する物体検知装置。
2. 前記同期信号及び前記検知信号は、電波の振幅及び周波数の少なくとも一方に基づき互いを識別可能になっている1に記載の物体検知装置。
3. 前記受信手段は、前記同期信号の検出に成功した場合、その旨を示す肯定信号を前記送信手段に送信する肯定応答手段をさらに有する1又は2に記載の物体検知装置。
4. 前記送信発振手段は、前記同期信号送信処理を繰り返し行う1から3のいずれかに記載の物体検知装置。
5. 前記受信手段は、
前記同期信号の検出に失敗した場合、それ以降に前記受信アンテナが受信した電波の中から検出された前記検知信号を記憶しておき、
その後に前記同期信号の検出に成功した場合、前記同期信号を受信したタイミングに基づき生成された前記受信局所発振信号と、前記記憶されている前記検知信号とに基づき前記中間周波数信号を生成し、前記中間周波数信号に基づき画像を生成する4に記載の物体検知装置。
6. 前記送信手段は、各回の前記同期信号送信処理で複数の前記同期信号を順次送信し、
前記受信手段は、複数の前記同期信号の中のいずれかの検出に成功した場合、検出に成功したタイミングでその旨を示す肯定信号を前記送信手段に送信し、
前記送信手段は、前記肯定信号の受信タイミングに基づき、設定されている前記基準タイミングを修正する1から5のいずれかに記載の物体検知装置。
7. 前記送信手段は、各回の前記同期信号送信処理で複数の前記同期信号を順次送信し、電波で搬送される複数の同期信号は、電波の振幅及び周波数の少なくとも一方に基づき互いを識別可能になっており、
前記受信手段は、複数の前記同期信号の中のいずれかの検出に成功した場合、電波の振幅及び周波数の少なくとも一方に基づき複数の前記同期信号の中のいずれを検出したかを特定し、前記同期信号を受信したタイミングから特定した前記同期信号に対応する時間が経過したタイミングに基づき、前記受信局所発振信号を生成する1から5のいずれかに記載の物体検知装置。
8. 前記受信手段は、
複数の前記受信アンテナで電波を受信し、
複数の前記受信アンテナ各々で受信した電波の中から前記同期信号が検出された場合、所定条件を満たす1つの前記同期信号を選択し、選択した前記同期信号を受信したタイミングに基づき、前記受信局所発振信号を生成する1から7のいずれかに記載の物体検知装置。
9. 前記所定条件は、一番早く受信された前記同期信号であること、である8に記載の物体検知装置。
10. 送信手段と受信手段とを備え、電波によって物体を検知するための物体検知装置が実行する物体検知方法であって、
前記送信手段は、
予め設定された基準タイミングで同期信号を搬送する電波を送信アンテナから送信させる同期信号送信処理、及び、前記基準タイミングに基づき決定した送信タイミングにおいて、所定の検知信号を搬送する電波を前記送信アンテナから送信させる検知信号送信処理を実行し、
前記受信手段は、
受信アンテナが受信した電波の中から前記同期信号を検出し、
前記同期信号を検出したタイミングに基づき、受信局所発振信号を生成し、
前記受信アンテナが受信した電波の中から検出された前記検知信号と、前記受信局所発振信号とに基づき中間周波数信号を生成し、
前記中間周波数信号に基づき画像を生成する物体検知方法。
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス
1000 物体検知装置
1001 送信部
1002 送信アンテナ
1003 送信発振部
1004 送信機
1005、1110 制御部
1101 受信部
1102 受信アンテナ
1103 受信発振部
1104 受信機
1105 ミキサ
1106 データ転送部
1107 演算部
1109 同期信号検出部
1201 対象物
1301 検知信号の周波数
1302 LO信号の周波数

Claims (10)

  1. 電波によって物体を検知するための物体検知装置であって、
    送信手段と、受信手段とを備え、
    前記送信手段は、
    電波を送信する送信アンテナと、
    予め設定された基準タイミングで同期信号を搬送する電波を前記送信アンテナから送信させる同期信号送信処理、及び、前記基準タイミングに基づき決定した送信タイミングにおいて、所定の検知信号を搬送する電波を前記送信アンテナから送信させる検知信号送信処理を実行する送信発振手段と、
    を有し、
    前記受信手段は、
    電波を受信する受信アンテナと、
    前記受信アンテナが受信した電波の中から前記同期信号を検出する同期信号検出手段と、
    前記同期信号を検出したタイミングに基づき、受信局所発振信号を生成する受信発振手段と、
    前記受信アンテナが受信した電波の中から検出された前記検知信号と、前記受信局所発振信号とに基づき中間周波数信号を生成する受信機と、
    前記中間周波数信号に基づき電波反射点の分布を示す画像を生成する演算手段と、
    を有する物体検知装置。
  2. 前記同期信号及び前記検知信号は、電波の振幅及び周波数の少なくとも一方に基づき互いを識別可能になっている請求項1に記載の物体検知装置。
  3. 前記受信手段は、前記同期信号の検出に成功した場合、その旨を示す肯定信号を前記送信手段に送信する肯定応答手段をさらに有する請求項1又は2に記載の物体検知装置。
  4. 前記送信発振手段は、前記同期信号送信処理を繰り返し行う請求項1から3のいずれか1項に記載の物体検知装置。
  5. 前記受信手段は、
    前記同期信号の検出に失敗した場合、それ以降に前記受信アンテナが受信した電波の中から検出された前記検知信号を記憶しておき、
    その後に前記同期信号の検出に成功した場合、前記同期信号を受信したタイミングに基づき生成された前記受信局所発振信号と、前記記憶されている前記検知信号とに基づき前記中間周波数信号を生成し、前記中間周波数信号に基づき電波反射点の分布を示す画像を生成する請求項4に記載の物体検知装置。
  6. 前記送信手段は、各回の前記同期信号送信処理で複数の前記同期信号を順次送信し、
    前記受信手段は、複数の前記同期信号の中のいずれかの検出に成功した場合、検出に成功したタイミングでその旨を示す肯定信号を前記送信手段に送信し、
    前記送信手段は、前記肯定信号の受信タイミングに基づき、設定されている前記基準タイミングを修正する請求項1から5のいずれか1項に記載の物体検知装置。
  7. 前記送信手段は、各回の前記同期信号送信処理で複数の前記同期信号を順次送信し、電波で搬送される複数の同期信号は、電波の振幅及び周波数の少なくとも一方に基づき互いを識別可能になっており、
    前記受信手段は、複数の前記同期信号の中のいずれかの検出に成功した場合、電波の振幅及び周波数の少なくとも一方に基づき複数の前記同期信号の中のいずれを検出したかを特定し、前記同期信号を受信したタイミングから特定した前記同期信号に対応する時間が経過したタイミングに基づき、前記受信局所発振信号を生成する請求項1から5のいずれか1項に記載の物体検知装置。
  8. 前記受信手段は、
    複数の前記受信アンテナで電波を受信し、
    複数の前記受信アンテナ各々で受信した電波の中から前記同期信号が検出された場合、所定条件を満たす1つの前記同期信号を選択し、選択した前記同期信号を受信したタイミングに基づき、前記受信局所発振信号を生成する請求項1から7のいずれか1項に記載の物体検知装置。
  9. 前記所定条件は、一番早く受信された前記同期信号であること、である請求項8に記載の物体検知装置。
  10. 送信手段と受信手段とを備え、電波によって物体を検知するための物体検知装置が実行する物体検知方法であって、
    前記送信手段は、
    予め設定された基準タイミングで同期信号を搬送する電波を送信アンテナから送信させる同期信号送信処理、及び、前記基準タイミングに基づき決定した送信タイミングにおいて、所定の検知信号を搬送する電波を前記送信アンテナから送信させる検知信号送信処理を実行し、
    前記受信手段は、
    受信アンテナが受信した電波の中から前記同期信号を検出し、
    前記同期信号を検出したタイミングに基づき、受信局所発振信号を生成し、
    前記受信アンテナが受信した電波の中から検出された前記検知信号と、前記受信局所発振信号とに基づき中間周波数信号を生成し、
    前記中間周波数信号に基づき電波反射点の分布を示す画像を生成する物体検知方法。
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