本開示の一実施形態によるユーザ情報管理システム1は、多数のユーザの情報を一括管理し、運転技能に関連する訓練ゲームを活用したユーザの運転技能の向上を可能にするエコシステムを構築している。ユーザ情報管理システム1は、訓練ゲームの成績をユーザの訓練結果として蓄積し、このユーザが実際に車両40を運転するときの運転支援に反映する。さらに、ユーザ情報管理システム1は、実際の車両40の運転中に検出されるユーザの検出データを蓄積し、このユーザがプレイする訓練ゲームに反映する。以上のように、ユーザ情報管理システム1は、訓練ゲームと実際の運転との間における双方向の情報連携を可能にし、運転に関連するユーザ体験の品質を向上させる。
ユーザ情報管理システム1は、訓練サーバ装置10、解析サーバ装置20、端末装置30、及び運転支援装置100を搭載した車両40等によって構成されている。尚、1つの訓練サーバ装置10は、多数の端末装置30と情報をやり取り可能である。同様に、1つの解析サーバ装置20は、多数の車両40と情報をやり取り可能である。
訓練サーバ装置10は、コンピュータを主体とするサーバ装置である。訓練サーバ装置10は、処理部10a、RAM10b、ストレージ10c、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を電気的な構成として備えている。処理部10aは、RAM10bと結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部10aは、RAM10bへのアクセスにより、ユーザへの訓練ゲームの提供に関連する種々の処理を実行する。ストレージ10cには、ユーザに訓練ゲームを提供し、ユーザによる訓練ゲームのプレイを可能にする訓練プログラム110が記憶されている。
尚、訓練ゲームは、運転機能に関連する能力として、例えばユーザの認知機能及び判断機能等を訓練する内容である。一例として、訓練ゲームは、シンプルな課題を連続的に素早く解くことにより、ユーザの脳の前頭前野の機能を活性化させて、運転技能の維持又は向上を図る。
訓練サーバ装置10は、処理部10aによる訓練プログラム110の実行に基づき、通信部13、個人データ管理部12及びゲーム提供部11等の機能部を備える。
通信部13は、解析サーバ装置20の通信部23との間でネットワークを介して情報を送受信する。通信部13は、訓練サーバ装置10及び解析サーバ装置20間での情報の共有を可能にする。通信部13は、端末装置30の端末通信部31との間でネットワークを介して情報を送受信する。通信部13は、訓練サーバ装置10及び端末装置30間での情報の共有を可能にする。
個人データ管理部12は、プレイヤとして訓練ゲームをプレイするユーザの認証を実施する。個人データ管理部12は、通信部13を通じて、端末装置30から送信されるユーザの個人ID及びパスワードを取得する。個人データ管理部12は、個人ID及びパスワードに基づき、訓練ゲームのプレイヤを認証する。個人データ管理部12は、訓練ゲームのプレイ履歴及びゲーム成績等を、ユーザ毎に蓄積する。個人データ管理部12は、訓練ゲームのプレイ履歴及びゲーム成績等を、ユーザの個人IDと紐付けて、解析サーバ装置20に提供する。
ゲーム提供部11は、端末装置30との連携により、ユーザによる訓練ゲームのプレイを可能にする。ゲーム提供部11は、端末装置30からのアクセスに応じて、ユーザがプレイを希望する訓練ゲームを開始する。ゲーム提供部11は、訓練ゲームの画面データ及び音声データ等を生成し、端末装置30へ向けて逐次送信する。加えてゲーム提供部11は、ユーザによって入力された操作データを逐次受信し、操作データに応じた変化をゲーム中に発生させる。ゲーム提供部11は、ユーザのプレイ内容に応じたゲーム成績を演算し、個人データ管理部12に保存する。
解析サーバ装置20は、コンピュータを主体とするサーバ装置である。解析サーバ装置20は、処理部20a、RAM20b、ストレージ20c、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を電気的な構成として備えている。処理部20aは、RAM20bと結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部20aは、RAM20bへのアクセスにより、ユーザ情報の解析及び管理に関連する種々の処理を実行する。ストレージ10cには、プレイヤとしてのユーザ情報及びドライバとしてのユーザ情報を一括でユーザ毎に管理し、これらのユーザ情報の解析を可能にする解析プログラム120が記憶されている。
解析サーバ装置20は、処理部20aによる解析プログラム120の実行に基づき、通信部23、個人データ管理部22及びデータ解析部21等の機能部を備える。
通信部23は、上述したように、通信部13との間での情報の送受信により、解析サーバ装置20及び訓練サーバ装置10間での情報の共有を可能にする。通信部23は、車両40に搭載された車載通信部41との間でネットワークを介して情報を送受信する。通信部23は、車載通信部41から送信される検出データを、車両40を運転するドライバを識別する個人IDと紐付けて、個人データ管理部22に提供する。
個人データ管理部22は、訓練サーバ装置10の個人データ管理部12と連携し、訓練ゲームのプレイ履歴及びゲーム成績等を、訓練ゲームの訓練結果として、ユーザの個人IDに紐づけて蓄積する。加えて、個人データ管理部22は、車載通信部41から送信される運転中の検出データ(運転データ)を、ドライバとして運転を行ったユーザの個人IDに紐づけて蓄積する。個人データ管理部22は、プレイヤとしてのユーザに紐付く訓練結果と、ドライバとしてのユーザに紐付く検出データとを、互いに関連付ける。即ち、個人データ管理部22では、1人のユーザの訓練結果と検出データとが互いに紐づいた状態で保存される。
データ解析部21は、個人データ管理部12に蓄積されたユーザ毎の訓練結果及び検出データを解析する。データ解析部21は、検出データから推測される各ユーザの現在の運転技術レベルに応じて、訓練ゲームに関連する訓練アドバイスを生成する。またデータ解析部21は、訓練結果及び検出データから推測される各ユーザの現在の運転技術レベルに応じて、実際の運転に関連する運転アドバイスを生成する。さらに、データ解析部21は、訓練結果及び検出データから推測される各ユーザの現在の運転技術のレベルに応じて、運転支援装置100の作動条件(以下、運転支援条件)を変更する。
端末装置30は、通信機能及びインターフェース機能を共に有する電子機器である。端末装置30は、訓練サーバ装置10との通信により、ユーザによる訓練ゲーム等のプレイを可能にする。端末装置30は、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、及びテレビと接続されたセットトップボックス等である。端末装置30は、端末通信部31、表示部32、音声出力部33、操作部34及び端末制御部35を備えている。
端末通信部31は、例えばLTE及び5G等の広域無線通信規格、又はWi-Fi(登録商標)等の通信規格に沿った移動体通信を行う。端末通信部31は、端末装置30及び訓練サーバ装置10の間でのネットワークを通じた情報の共有を可能にする。端末通信部31は、ゲーム中の画面データ及び音声データを訓練サーバ装置10から受信する。加えて、端末通信部31は、訓練ゲームのプレイヤを識別する個人ID、及びゲーム中の操作データを、訓練サーバ装置10に送信する。
表示部32は、液晶パネル又は有機ELパネル等を主体とする表示デバイスである。表示部32は、端末制御部35による表示制御に基づき、種々の画像を画面に表示する。表示部32は、訓練ゲームが開始されると、端末通信部31を通じて取得される画面データに基づいたゲーム画面を表示する。
音声出力部33は、スピーカ等を主体とする音響デバイスである。音声出力部33は、端末制御部35の音声制御に基づき、音楽、効果音及びメッセージ等を再生可能である。音声出力部33は、訓練ゲームが開始されると、端末通信部31を通じて取得される音声データに基づいたゲーム音声を再生する。
操作部34は、複数のボタンを有するゲームコントローラー又は表示部32と一体的に構成されたタッチパネル等である。操作部34には、ユーザによる種々の操作が入力される。操作部34は、訓練ゲームが開始されると、ゲーム内の操作対象を操作するユーザ入力を処理し、訓練サーバ装置10に送信される操作データを生成する。
端末制御部35は、処理部、RAM及びストレージ等によって構成された制御回路部である。端末制御部35は、端末通信部31、表示部32、音声出力部33及び操作部34等を統合的に制御することで、訓練サーバ装置10と連携した訓練ゲームのプレイ等を可能にする。
車両40は、ユーザによる手動運転が可能な手動運転車両である。車両40には、車載通信部41、センシング部42及びアクチュエーション部43が、運転支援装置100と共に搭載されている。
車載通信部41は、例えばLTE及び5G等の広域無線通信規格沿った移動体通信を行う。車載通信部41は、通信部23との間での情報の送受信により、車両40及び解析サーバ装置20間での情報の共有を可能にする。
センシング部42は、車外及び車内の状態を検出する多数の車載センサを含んでいる。センシング部42は、車両40の周囲の走行環境を認識する環境認識センサを含んでおり、例えば自車の周囲に存在する注意対象の種別、サイズ、移動方向及び移動速度等を検出する。加えてセンシング部42は、車両40を運転するドライバの状態を認識するドライバモニタを含んでおり、例えばドライバの運転姿勢、顔向き、視線方向、及び覚醒状態等を検出する。センシング部42は、自車の車外及び車内についての検出データを運転支援装置100に逐次提供する。
アクチュエーション部43は、運転支援装置100によるアクチュエーション制御に基づき、運転支援を実行する多数のアクチュエータを含んでいる。アクチュエーション部43は、例えばディスプレイ及びスピーカ等を含んでおり、表示及び音声出力によってドライバへの注意喚起を行う。加えてアクチュエーション部43は、車両40の加減速制御及び操舵制御を支援するアクチュエータを含んでおり、ドライバの運転操作を補助する。
運転支援装置100は、車両40において用いられる車載制御装置である。運転支援装置100は、コンピュータを主体とする構成である。運転支援装置100は、センシング部42にて検出される検出データに基づき、アクチュエーション部43の作動を制御することで、車両40の運転支援機能を実現する。
運転支援装置100は、処理部50a、RAM50b、ストレージ50c、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を電気的な構成として備えている。処理部50aは、RAM50bと結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部50aは、RAM50bへのアクセスにより、ドライバの運転を支援する運転支援制御に関連する種々の処理を実行する。ストレージ50cには、運転支援制御を可能にする運転支援プログラム140が記憶されている。
運転支援装置100は、処理部50aによる運転支援プログラム140の実行に基づき、データ共有部51、設定適合部52、センサ情報取得部53、及び支援制御部54を備える。
データ共有部51は、車載通信部41及びネットワークを介して、個人データ管理部22と情報を共有する。具体的に、データ共有部51は、センシング部42にて検出される検出データのうち、特に運転中のドライバの状態に関連する検出データを、訓練ゲームに反映させる情報として、車両40の外部の解析サーバ装置20に送信する。加えてデータ共有部51は、運転支援条件を規定する設定情報を、個人データ管理部22から受信する。
設定適合部52は、支援機能の作動に関連する設定を、運転中のドライバに適合させる。一例として、設定適合部52は、車内にてドライバによって入力されるユーザ操作に基づき、支援機能の設定を変更可能である。加えて、設定適合部52は、個人データ管理部22からデータ共有部51に提供された設定情報に基づき、支援機能の設定を変更可能である。故に、設定適合部52は、設定情報を利用した設定変更により、運転技能に関連する訓練ゲームをドライバがプレイした訓練結果を、支援機能の設定に反映させることができる。
センサ情報取得部53は、センシング部42にて検出された検出データを逐次取得する。センサ情報取得部53にて取得される検出データは、支援機能の作動のために検出されたデータである。
支援制御部54は、設定適合部52が運転中のドライバに適合させた設定に基づき、センサ情報取得部53にて取得される最新の検出データに応じて、支援機能を作動させる。一例として、運転支援の実施を判定する判定条件が、設定適合部52によって決定される。支援制御部54は、検出データが判定条件を満たす場合、アクチュエーション部43と連携し、支援機能を作動させる。一方で、支援制御部54は、検出データが判定条件を満たさない場合、支援機能を作動させない。
次に、ここまで説明したユーザ情報管理システム1にて実施される複数の処理の詳細を、図2~図9に示すフローチャートに基づき、図1を参照しつつ、以下説明する。
図2に示すゲーム提供処理は、実際の車両40の運転技能の向上に寄与する運転アドバイスを、訓練ゲームを通じて生成する運転訓練方法のメイン処理である。ゲーム提供処理には、訓練アドバイス提示処理(図3参照)、選択画面提示処理(図4参照)、訓練ゲーム提供処理(図5参照)及び運転アドバイス生成処理(図6参照)等のサブ処理が含まれている。ゲーム提供処理は、例えばWebブラウザ等を通じて、訓練ゲームを提供するURL等に端末装置30からのアクセスが発生したことに基づき開始される。ゲーム提供処理は、主に訓練サーバ装置10及び端末装置30の連携によって実行される。但し、ゲーム提供処理の各ステップを実施する主体的な構成は、後述する例に限定されず、訓練サーバ装置10及び端末装置30等のうちで適宜変更されてよい。
S101では、ネットワークを通じた端末装置30からのアクセスに基づき、訓練サーバ装置10が訓練プログラム110を開始する。S102では、操作部34に入力されたユーザの個人IDとパスワードを、端末装置30が訓練サーバ装置10に送信する。訓練サーバ装置10は、受信した個人ID及びパスワードに基づき、訓練ゲームのプレイヤとなるユーザを識別すると共に、個人データ管理部12を通してユーザの認証を実施する。認証の完了に基づき、ユーザは、訓練ゲームを利用可能になる。
S103では、個人データ管理部12が個人IDに紐付いた訓練アドバイスの更新の有無を確認する。S104にて、訓練アドバイスの更新が確認されると、S105にて、訓練アドバイスを提示する訓練アドバイス提示処理(図3参照)が開始される。一方、S104にて、訓練アドバイスの更新がないと判定されると、S106にて、選択画面提示処理(図4参照)が開始される。
図3に示す訓練アドバイス提示処理のS201では、訓練サーバ装置10から端末装置30に、訓練アドバイス画面の画面データ及び音声データが送信される。端末装置30は、受信した画面データ及び音声データに基づき、訓練アドバイス画面の映像を表示部32に表示させると共に、訓練アドバイス画面の音声を音声出力部33から出力させる。
S202では、訓練サーバ装置10が、前回から運転レベルに変化があったか否かを判定する。運転レベルは、特定の運転技能について、予め規定したルールに基づき数値化したものである。訓練サーバ装置10は、訓練アドバイスの更新内容を参照し、ユーザの運転レベルの変化(向上)を把握する。加えて訓練サーバ装置10は、訓練ゲームのゲーム成績の変化から、ユーザの運転レベルの変化(向上)を把握する。S202にて、運転レベルに変化がないと判定した場合、S205に進む。一方で、運転レベルに変化があったと判定した場合、S203に進む。
S203では、端末装置30が、表示部32に表示させた訓練アドバイス画面を通じて、運転レベルの変化をユーザに通知する。さらに、S204では、端末装置30が、運転レベルの変化に応じた運転支援条件の設定変更を提案する。以上のように、S202及びS204によれば、訓練ゲームをプレイしたユーザの運転技能の向上を示す検出データ、又は訓練ゲームのスコア向上に基づき、車両40において用いられる支援機能の設定変更が提案される。
S205では、S204にて提案された運転支援条件の設定変更を承認するユーザ操作の操作部34への入力の有無が、端末装置30によって判定される。S205にて、運転支援条件の設定変更が承認されないと判定した場合、又は設定変更の提案が実施されていない場合、端末装置30からの通知に基づき、訓練サーバ装置10は、訓練アドバイス提示処理を終了する。
一方、S205にて、設定変更を承認するユーザ操作の入力があったと判定した場合、S206にて、端末装置30は、設定変更が承認されたことを示す通知を、訓練サーバ装置10に送信する。さらに、訓練サーバ装置10は、解析サーバ装置20へ向けて、運転支援条件の設定変更の適用を指示する通知を、ユーザの個人IDと紐付けて送信する。以上により、訓練アドバイス提示処理は、終了される。
図4に示す選択画面提示処理のS301では、ゲーム提供部11が、個人データ管理部12に蓄積されたユーザの個人IDに紐付く情報に基づき、プレイヤに提供する訓練ゲームを、プレイヤとなるユーザに適合させる。これにより、ユーザがドライバとして車両40を運転したときに検出された検出データが、これからプレイする訓練ゲームに反映される。一例として、ゲーム提供部11は、解析サーバ装置20から提供される訓練アドバイスに基づき、予め準備されたプレイヤがプレイ可能な複数種類の訓練ゲームの中から、プレイヤに推奨する推奨ゲームを決定する。また別の一例として、ゲーム提供部11は、解析サーバ装置20から提供される訓練アドバイスに基づき、訓練ゲームのゲーム内容を変更する。
S302では、訓練サーバ装置10から端末装置30にメインメニュー画面の画面データ及び音声データが送信される。端末装置30は、受信した画面データ及び音声データに基づき、メインメニュー画面の映像を表示部32に表示させると共に、メインメニュー画面の音声を音声出力部33から出力させる。
ここで、メインメニュー画面には、複数の項目が表示されている。例えば、メインメニュー画面には、運転技能に関連する訓練ゲームを選択する選択ボタンが少なくとも表示される。さらに、メインメニュー画面には、訓練ゲームのゲーム成績(スコア)、訓練アドバイスの提示を選択する選択ボタン、訓練ゲームに関連する企業の専用ページを閲覧するリンク等が、項目として表示される。
S303では、ユーザ操作によって訓練ゲームが選択されたか否かが判定される。ゲーム提供部11は、操作部34へのユーザ操作により、メインメニュー画面にて訓練ゲームの開始が選択されると、S304にて、図5に示す訓練ゲーム提供処理を開始する。
訓練ゲーム提供処理のS401では、訓練サーバ装置10から端末装置30に訓練ゲーム画面の画面データ及び音声データが送信される。訓練ゲーム画面には、複数の訓練ゲームが準備されており、プレイヤは、複数種類の中から、プレイする訓練ゲームを選択することができる。端末装置30は、受信した画面データ及び音声データに基づき、訓練ゲーム画面の映像を表示部32に表示させると共に、訓練ゲーム画面の音声を音声出力部33から出力させる。
S402では、ユーザによる訓練ゲームの選択に基づき、ゲーム提供部11が、選択された1つの訓練ゲームを開始させる。S403では、ゲーム中画面の画面データ及び音声データが、訓練サーバ装置10から端末装置30に送信される。これにより、端末装置30では、ゲーム中の画面及び音声が、表示部32及び音声出力部33によってプレイヤに提示される。S404では、ゲーム中の操作部34へのユーザ操作が端末装置30から訓練サーバ装置10に送信される。これにより、ゲーム提供部11は、プレイヤの操作に対応する変化をゲーム中に発生させる。S405にて、訓練ゲームを終了させるユーザ操作が入力されたと判定されるまで、S403での映像及び音声の出力、並びにS404でのユーザ操作の送信が繰り返される。
訓練ゲームの終了がユーザによって選択された場合、S406にて、訓練サーバ装置10は、訓練ゲームの成績を、プレイヤ(ユーザ)の個人IDに紐付けて、個人データ管理部12に記録する。
S407では、訓練ゲーム画面を終了させるユーザ操作の有無が判定される。訓練ゲームを終了させるユーザ操作がない場合、ゲーム提供部11は、S401の処理に戻り、訓練ゲーム画面の表示を再開させる。以上のように、ユーザが訓練ゲーム画面を終了させる選択を行うまで、訓練ゲームの選択と実施が繰り返される。一方、訓練ゲーム画面を終了させるユーザ操作が入力されると、訓練ゲーム提供処理は、終了される。その結果、図4に示す選択画面提示処理のS301により、メインメニュー画面への画面遷移が行われる。
選択画面提示処理のS305では、ユーザ操作によって訓練アドバイスが選択されたか否かが判定される。ゲーム提供部11は、操作部34へのユーザ操作により、訓練アドバイスが選択されると、S306にて、図3に示す訓練アドバイス提供処理を開始する。訓練アドバイス提示処理が終了すると、図4に示す選択画面提示処理のS301により、メインメニュー画面への画面遷移が行われる。
選択画面提示処理のS307では、ユーザ操作によってメインメニューのその他の項目が選択されたか否かが判定される。ゲーム提供部11は、操作部34へのユーザ操作により、その他の項目が選択されると、S308にて、選択された項目に応じた画面及び音声を端末装置30によって提示させる。そして、ゲーム提供部11は、S308からS301への処理の移行により、メインメニュー画面への画面遷移を行う。
一方、メインメニュー画面を終了させるユーザ操作が入力された場合、S309にて、端末装置30は、訓練プログラム110を終了させる通知を、訓練サーバ装置10に送信する。これにより、図2に示すゲーム提供処理のS107にて、図6に示す運転アドバイス生成処理が開始される。
運転アドバイス提供処理のS501にて、端末装置30は、ユーザ操作に基づく訓練プログラム110の終了を、訓練サーバ装置10に通知する。訓練サーバ装置10では、ゲーム提供部11が訓練プログラム110を終了させる処理を実施する。
S502では、個人データ管理部12に記録された訓練ゲームのプレイ履歴及びゲーム成績を、プレイヤ(ユーザ)の個人IDに紐付けて、解析サーバ装置20に送信する。解析サーバ装置20の個人データ管理部22は、ユーザがプレイヤとしてプレイした訓練ゲームのゲーム生成を訓練結果として取得し、個人IDと紐付けて蓄積する。このとき、訓練ゲームでの訓練結果は、個人IDに基づき、同一のユーザの運転中の検出データと関連付けて保存される。以上により、訓練ゲームによる訓練結果が、各サーバ装置10,20の個人データ管理部12,22の間で共有される。
S503では、訓練ゲームでの訓練結果とこれまで蓄積された運転中の検出データとに基づき、データ解析部21が運転アドバイスを生成する。即ち、データ解析部21は、ユーザがドライバとして運転する車両40において、ドライバの運転を支援する運転支援装置100の作動に関連する設定に、ユーザの訓練結果を反映する。こうした設定情報を含む運転アドバイスは、個人IDと紐付くかたちで個人データ管理部22に記憶される。解析サーバ装置20は、運転支援装置100からの要求に基づき、個人データ管理部22に記憶された運転アドバイスを運転支援装置100に提供する。以上の運転アドバイスの生成により、図6に示す運転アドバイス提供処理及び図2に示す一連のゲーム提供処理は終了される。
図7に示すドライバ適合処理は、主に解析サーバ装置20及び運転支援装置100によって実施される。ドライバ適合処理は、ゲーム提供処理にて生成された運転アドバイスを、車両40に搭乗したユーザにフィードバックするゲーム結果反映方法のメイン処理である。ドライバ適合処理には、訓練アドバイス生成処理(図8参照)等がサブ処理として含まれている。ドライバ適合処理は、ユーザがドライバとして車両40に乗り込み、車両40のイグニッション又は主電源がオン状態とされ、運転支援装置100が起動したことによって開始される。以上により、ドライバ適合処理は、車両40が走行可能な状態で継続的に実施される。
S601では、車両40に搭乗したユーザの個人認証が実施される。具体的に、S601では、ドライバの個人IDを含むユーザ情報が、車載通信部41及びネットワークを経由して、解析サーバ装置20の通信部23に送信される。解析サーバ装置20は、車両40から送信された個人ID等に基づき、ドライバとして車両40を運転するユーザを識別する。
S602では、個人データ管理部22により、S601にて受信した個人IDと紐付く運転支援条件の設定変更の有無が確認される。S602にて有無が確認される設定変更の情報は、訓練アドバイス提示処理のS206(図3参照)にて、訓練サーバ装置10から解析サーバ装置20に提供される情報である。運転支援条件に設定変更がない場合、S603からS605に進む。一方で、運転支援条件に設定変更がある場合、S603からS604に進む。S604では、解析サーバ装置20から運転支援装置100に、設定情報を含んだ運転アドバイスが送信される。以上により、運転支援装置100では、設定情報に基づく運転支援条件の設定変更が適用される。その結果、支援機能の作動に関連する設定は、運転中のドライバに適合した内容に更新される。
S605では、S604にて受信した運転アドバイスに基づき、運転改善のためのアドバイスが表示される。S605では、普段の検出データと、現在の検出データとの乖離に基づき、体調不良をユーザに問い合わせるようなメッセージが表示されてもよい。
S606では、運転支援装置100が、センシング部42より取得する検出データを、解析サーバ装置20へ向けて継続的に送信する。これにより、解析サーバ装置20は、車両40にて検出されたドライバの状態に関連する検出データを取得する。以上の処理により、運転中の検出データ(運転データ)は、運転支援装置100と解析サーバ装置20との間で共有される。加えて、個人データ管理部22は、車両40から受信した一連の運転中の検出データを、ドライバ(ユーザ)の個人IDと紐付けて蓄積する。このとき、運転中の検出データは、個人IDに基づき、同一のユーザによる訓練ゲームの訓練結果と関連付けて保存される。
S607では、運転支援装置100によって車両40の走行の終了が判定される。例えば、車両40のイグニッション又は主電源がオフ状態となった場合、S607では、運転支援装置100が走行の終了を判定する。S607にて、走行が継続していると判定された場合、S606による検出データの供給は継続される。一方、S607にて走行が終了していると判定された場合、S608にて、図8に示す訓練アドバイス生成処理が開始される。
ここで、センシング部42より取得する検出データの解析サーバ装置20への送信は、逐次実施されなくてもよい。一例として、運転支援装置100は、車両40の走行の終了判定を実施した後に、蓄積していた走行中の検出データを、一括して解析サーバ装置20に送信してもよい。また、車両40の通信状況に応じて、検出データの送信方法が、適宜変更されてもよい。
訓練アドバイス生成処理のS701では、運転支援装置100は、運転の終了を解析サーバ装置20に通知する。S702では、訓練ゲームでの訓練結果と蓄積された運転中の検出データとに基づき、データ解析部21が訓練アドバイスを生成する。S702では、蓄積された検出データのうちで、今回の運転中に取得された検出データが、主に訓練アドバイスの生成に使用される。訓練アドバイスは、個人IDと紐付くかたちで個人データ管理部22に記憶される。
S703では、解析サーバ装置20が、S702にて生成した訓練アドバイスを、個人IDと紐付けて、訓練サーバ装置10に送信する。訓練サーバ装置10は、個人データ管理部12により、解析サーバ装置20から送信された訓練アドバイスを、個人IDに紐づけて保存する。こうして訓練アドバイスは、解析サーバ装置20及び訓練サーバ装置10の間で共有される。以上により、解析サーバ装置20は、訓練アドバイス生成処理及びドライバ適合処理を終了する。
図9に示す運転支援処理は、ドライバの運転を支援する本開示の運転支援方法を実現する処理である。運転支援処理は、ドライバ適合処理(図7参照)と同様に、車両40のイグニッション又は主電源がオン状態とされ、運転支援装置100が起動したことにより、運転支援装置100によって開始される。運転支援処理は、車両40の走行が終了し、運転支援装置100がオフ状態となるまで、運転支援装置100によって継続実施される。
運転支援処理のS801では、設定適合部52が、訓練アドバイス生成処理のS604(図7参照)にて適用された運転支援条件を、支援制御部54によって使用可能にセットする。以上により、支援機能の作動に関連する設定が、運転中のドライバに適合される。
S802では、センサ情報取得部53が、支援制御部54による運転支援の作動に必要な検出データを取得する。S803では、支援制御部54が、S802にて取得した検出データと、S801にてセットした運転支援条件とを比較し、支援条件が成立するか否かを判定する。S803にて、運転支援条件が成立すると判定した場合、S804にて、支援制御部54は、アクチュエーション部43と協働で、注意喚起等の運転支援を実施する。以上により、ドライバに適合させた設定に基づき、支援制御部54は、支援機能を作動させることができる。一方、S803にて、運転支援条件が成立しないと判定した場合、支援制御部54は、運転支援を実施しない。
S805では、車両40の走行の終了が判定される。訓練アドバイス生成処理のS607(図7参照)と同様に、車両40のイグニッション又は主電源がオフ状態となった場合、S805では、走行の終了が判定される。S805にて、走行が継続していると判定された場合、S802~S804による運転支援のための処理が継続される。一方、805にて走行が終了したと判定された場合、運転支援装置100は、運転支援処理を終了する。
次に、ここまで説明した各処理によって実現される支援機能の設定更新の詳細を、複数のユースケースに基づいて、以下説明する。
<ユースケース1>
ユースケース1において、運転支援装置100のセンサ情報取得部53は、ドライバの視線方向の検出データを、センシング部42から取得する(S802)。支援制御部54は、ドライバの視線方向と、視線方向の固定時間とに基づき、ドライバの脇見状態を判定する。支援制御部54は、ドライバが脇見状態にあると判定した場合(S803:YES)、脇見を注意喚起する表示及び音声出力の少なくとも一方を、アクチュエーション部43と協働で実施する(S804)。
解析サーバ装置20では、ドライバの運転中の検出データとして、視線方向のセンシング結果が蓄積される(S606)。データ解析部21は、視線方向の検出データの解析により、例えば左右確認の際に、視線方向を右側に固定する時間が長くなるユーザの運転傾向を抽出する。この場合、データ解析部21は、視線方向を画面中央に素早く戻す動作を集中的に訓練できるような訓練ゲームの実施を推奨する訓練アドバイスを生成する(S702)。個人データ管理部22は、データ解析部21にて生成された訓練アドバイスを、ドライバ(ユーザ)を識別する個人IDと共に、訓練サーバ装置10の個人データ管理部12に提供する(S703)。
訓練サーバ装置10は、ユーザによる端末装置30の操作に基づき、ユーザがプレイヤとして訓練ゲームを開始する場合、訓練アドバイスの更新の有無を確認する(S103)。訓練アドバイスの更新があった場合、ゲーム提供部11は、解析サーバ装置20から提供された訓練アドバイスを訓練ゲームに反映させる。具体的に、ゲーム提供部11は、訓練ゲーム内で画面の右側に視線を向けさせる頻度を高くするように、訓練ゲームの設定をプレイヤ(ユーザ)に適合させる設定変更を行う(S301)。
以上のような訓練ゲームを継続した結果、視線方向を画面中央に戻す動作に改善が見られた場合、訓練ゲームの成績が向上する。又は、運転中に検出される検出データに改善結果が現れる。これらの場合、運転レベルが変化したと判定され(S202:YES)、運転支援装置100での脇見の注意喚起を実施する判定条件を厳しくすることが提案される(S204)。
ドライバが注意喚起の判定条件の変更を承認すると、設定変更の承認の通知が、個人データ管理部12から解析サーバ装置20へと送信される(S206)。その結果、次にユーザが車両40を運転するタイミングで、運転支援装置100の条件判定に、訓練ゲームによる訓練結果が反映される(S801)。これにより、ユーザに一段上の安全運転を目指してもらうことが可能になる。
<ユースケース2>
ユースケース2において、運転支援装置100のセンサ情報取得部53は、ドライバの注視方向の検出データを、センシング部42のドライバステータスモニタから取得する(S802)。支援制御部54は、ドライバの集中状態、漫然状態、及び焦り状態のそれぞれに対応する注視時間の度数分布モデルと記憶しており、注視方向の推移と度数分布モデルとの比較に基づき、ドライバの状態を判定する。支援制御部54は、度数分布モデルとの比較に基づき、ドライバが漫然状態又は焦り状態にあると判定した場合(S803:YES)、ドライバの状態を報知する表示及び音声出力の少なくとも一方を、アクチュエーション部43と協働で実施する(S804)。
解析サーバ装置20では、ドライバの運転中の検出データとして、注視方向のセンシング結果が蓄積される(S606)。データ解析部21は、注視方向の検出データの解析により、漫然状態の頻度が増加する傾向があると判定した場合、注視領域を次々と切り替える様な訓練ゲームの実施を推奨する訓練アドバイスを生成する(S702)。個人データ管理部22は、データ解析部21にて生成された訓練アドバイスを、ドライバ(ユーザ)を識別する個人IDと共に、訓練サーバ装置10の個人データ管理部12に提供する(S703)。
訓練サーバ装置10は、ユーザによる端末装置30の操作に基づき、ユーザがプレイヤとして訓練ゲームを開始する場合、訓練アドバイスの更新の有無を確認する(S103)。訓練アドバイスの更新があった場合、ゲーム提供部11は、解析サーバ装置20から提供された訓練アドバイスを訓練ゲームに反映させる。具体的に、ゲーム提供部11は、訓練ゲーム内で運転中の集中状態で見られるような注視時間の度数分布を再現するように、訓練ゲームの設定をプレイヤ(ユーザ)に適合させる設定変更を行う(S301)。
以上のような訓練ゲームを継続した結果、注視領域の切り替え時間に改善が見られた場合、訓練ゲームの成績が向上する。又は、運転中に検出される検出データに改善結果が現れる。これらの場合、運転レベルが変化したと判定され(S202:YES)、運転支援装置100による漫然状態報知の実施判定条件を厳しくすることが提案される(S204)。
ドライバが漫然状態報知の判定条件の変更を承認すると、設定変更の承認の通知が、個人データ管理部12から解析サーバ装置20へと送信される(S206)。その結果、次にユーザが車両40を運転するタイミングで、運転支援装置100の条件判定に、訓練ゲームによる訓練結果が反映される(S801)。これにより、ユーザに一段上の安全運転を目指してもらうことが可能になる。
<ユースケース3>
ユースケース3において、運転支援装置100のセンサ情報取得部53は、ドライバの顔及び上半身の画像、並びにドライバの視線方向を検知した検知結果等を、センシング部42の車内カメラ及び視線検知装置から、検出データとして取得する(S802)。支援制御部54は、車内カメラ及び視線検知装置の各検出データから、ドライバが安全確認の動作を実行したか否かを判定する。安全確認の動作は、例えばルームミラー、サイドミラー及び後方を順に目視確認する動作である。支援制御部54は、ドライバによる安全確認の動作が実行されていないと判定した場合(S803:YES)、運転シーンに応じた安全確認の行動を促す表示及び音声出力の少なくとも一方を、アクチュエーション部43と協働で実施する(S804)。
解析サーバ装置20では、ドライバの運転中の検出データとして、目視行動の推移を示すセンシング結果が蓄積される(S606)。データ解析部21は、目視行動の検出データの解析により、例えばルームミラーを確認した後、左サイドミラーの確認までが遅いという傾向があると判定する。この場合、データ解析部21は、画面上部を見たらすぐに画面の左端又は右端を見るような訓練ゲームの実施を推奨する訓練アドバイスを生成する(S702)。個人データ管理部22は、データ解析部21にて生成された訓練アドバイスを、ドライバ(ユーザ)を識別する個人IDと共に、訓練サーバ装置10の個人データ管理部12に提供する(S703)。
訓練サーバ装置10は、ユーザによる端末装置30の操作に基づき、ユーザがプレイヤとして訓練ゲームを開始する場合、訓練アドバイスの更新の有無を確認する(S103)。訓練アドバイスの更新があった場合、ゲーム提供部11は、解析サーバ装置20から提供された訓練アドバイスを訓練ゲームに反映させる。具体的に、ゲーム提供部11は、訓練ゲーム内で画面左端に視線を向けさせる頻度を高くするように、訓練ゲームの設定をプレイヤ(ユーザ)に適合させる設定変更を行う(S301)。
以上のような訓練ゲームを継続した結果、画面上部を見てから画面の左端を見るまでの時間に改善が見られ場合、訓練ゲームの成績が向上する。又は、運転中に検出される検出データに改善結果が現れる。これらの場合、運転レベルが変化したと判定され(S202:YES)、運転支援装置100での安全確認の行動の未実施を報知するまでの時間を短くすることが提案される(S204)。
ドライバが注意喚起の判定条件の変更を承認すると、設定変更の承認の通知が、個人データ管理部22から解析サーバ装置20へと送信される(S206)。その結果、次にユーザが車両40を運転するタイミングで、運転支援装置100の条件判定に、訓練ゲームによる訓練結果が反映される(S801)。これにより、ユーザに一段上の安全運転を目指してもらうことが可能になる。
(作用効果)
ここまで説明した本実施形態の作用効果を以下に説明する。
本実施形態では、運転技能に関連する訓練ゲームでの訓練結果が、実際の車両40にて、運転支援機能の設定に反映される。その結果、運転支援機能の作動は、車両40を運転中のドライバの運転技能に適した内容になり易くなる。これにより、例えば運転支援機能は、ドライバに煩わしく感じられ難くなる。以上のように、訓練ゲームと実際の運転との間における情報の連携によれば、ドライバとなるユーザの利便性を高めることが可能となる。
加えて本実施形態の運転支援装置100において、支援制御部54は、支援機能として、ドライバへの注意喚起を行う。そして、設定適合部52は、訓練ゲームのプレイよる運転技能の向上があった場合に、注意喚起が行われ易くなるよう、注意喚起の実施を判定する判定条件を厳しくする。以上によれば、運転技能の変動に合わせて、適切な頻度で注意喚起が行われるようになる。さらに、訓練ゲームを実施したことによる運転能力の向上が、判定条件が厳しくなったことにより、ドライバに実感され易くなる。
また本実施形態では、運転支援機能の作動のために車両40にて検出されたドライバの状態に関連するデータが、訓練ゲームに反映させる情報として、車両40の外部の解析サーバ装置20に送信される。このように、運転支援機能を作動させる目的で取得される検出データを訓練ゲームに利用すれば、車両40に搭載するセンサの増加を抑えつつ、訓練ゲームを利用した効果的な運転技能の向上が実現され得る。
さらに本実施形態では、ユーザがプレイヤとして運転技能に関連する訓練ゲームをプレイするとき、このユーザがドライバとして車両40を運転中に検出された検出データが、訓練ゲームに反映される。その結果、ユーザにプレイされる訓練ゲームは、ユーザの運転技能に適した内容になり易くなる。これにより、例えばユーザの弱点を重点的に強化するような効果的な訓練が実施され易くなる。以上のように、訓練ゲームと実際の運転との間における情報の連携によれば、ドライバとなるユーザの利便性を高めることが可能となる。
加えて本実施形態では、訓練ゲームにおけるゲーム内容に、プレイヤとなるユーザに紐づく検出データが反映される。その結果、訓練ゲームは、検出データから見いだされたユーザの好ましくない運転の傾向を、重点的に改善させるような内容となり得る。したがって、訓練ゲームによる運転技能の向上が、より効果的に行われ得る。
また本実施形態では、複数種類の訓練ゲームの中から、プレイヤに推奨する推奨ゲームが、プレイヤに紐づく検出データを反映して決定される。その結果、検出データから見いだされたユーザの好ましくない運転の傾向を、重点的に改善させるような内容の訓練ゲームが、推奨ゲームとして選定され、ユーザによってプレイされ易くなる。このような検出データの訓練ゲームへの反映手法でも、訓練ゲームのプレイによる運転技能の向上は、効果的に行われ得る。
さらに本実施形態では、訓練ゲームをプレイヤしたプレイヤ(ユーザ)の運転技能の向上を示す検出データに基づき、運転支援装置100において用いられる支援機能の設定変更が提案される(S204参照)。このように、運転支援条件の設定変更がユーザに事前に通知されれば、自動的な設定変更に起因し、運転支援に対するドライバの違和感が創出される事態は、回避され得る。また、運転支援条件の設定変更が通知されることで、ドライバは、自らの運転技能の向上を実感し易くなる。
加えて本実施形態では、プレイヤの訓練ゲームのスコア向上に基づき、運転支援装置100において用いられる支援機能の設定変更が提案される。以上によれば、訓練ゲームをプレイする一連の過程のうちで、ユーザは、運転支援条件の設定変更を承認できる。故に、ユーザの利便性は、いっそう向上し得る。さらに、訓練ゲームの実施と設定変更の提案とが一体的に行われれば、ドライバは、訓練ゲームをプレイしたことにより運転技能の向上をいっそう実感し易くなる。
尚、上記実施形態では、データ共有部51が「データ送信部」に相当し、訓練プログラム110が「運転訓練プログラム」に相当し、解析プログラム120が「情報管理プログラム」に相当する。加えて、ゲーム提供処理のS102が「識別ステップ」に相当し、訓練アドバイス提示処理のS204が「提案ステップ」に相当し、選択画面提示処理のS301が「(運転訓練プログラムの)適合ステップ」に相当し、S302が「準備ステップ」に相当する。また、運転アドバイス生成処理のS502が「プレイヤ情報取得ステップ」に相当し、S503が「支援設定反映ステップ」に相当する。さらに、運転支援処理のS801が「(運転支援プログラムの)適合ステップ」に相当し、S606が「ドライバ情報取得ステップ」に相当し、訓練アドバイス生成処理のS702が「ゲーム設定反映ステップ」に相当する。そして、運転支援処理のS803及びS804が「作動ステップ」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、この実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
ユーザ情報管理システムによるサービスの提供は、1社単独で実施されてもよく、又は複数企業の連携で実現されてもよい。一例として、上記実施形態では、訓練サーバ装置10を管理する企業と、解析サーバ装置20を管理する企業と、運転支援装置100を提供(製造)する企業とが、互いに異なっていてもよい。そして、サービスの提供を行う事業者の形態に応じて、ユーザ情報管理システムに含まれる構成、及び各構成の役割分担の少なくとも一方は、以下の変形例1~6に示すように、適宜変更されてよい。
具体的に、図10に示す変形例1のユーザ情報管理システム201は、上記実施形態と同様に、訓練サーバ装置10、解析サーバ装置20、端末装置30及び車両40等によって構成されている。変形例1では、ユーザへのゲーム提供に関連する処理が、端末装置30を主体として実施される。そのため、変形例1の訓練サーバ装置10では、訓練プログラム110及びゲーム提供部11が省略されている。
訓練プログラム110は、端末通信部31を介して端末装置30のストレージにダウンロードされ、当該ストレージに記憶されるアプリケーションプログラムである。訓練プログラム110がインストールされた端末装置30では、表示部32に訓練プログラム110を起動するアイコンが表示される。端末装置30は、表示部32に表示されたアイコンをタップするユーザ操作に基づき、訓練プログラム110に基づく各処理を端末制御部35によって実行する。ユーザによる訓練ゲームのプレイ履歴及びゲーム成績等は、端末装置30の端末通信部31から、ネットワーク及び通信部13を介して、訓練サーバ装置10の個人データ管理部12にアップロードされる。
図11に示す変形例2のユーザ情報管理システム301では、車両40に複数(N機)の運転支援装置100が搭載されている。各運転支援装置100a,100b,・・・100nの各ストレージには、それぞれ異なる運転支援を実現する運転支援プログラム140が格納されている。こうした変形例2において、解析サーバ装置20は、複数の運転支援装置100の各運転支援条件に、訓練ゲームのゲーム結果を反映する。その結果、複数の運転支援装置100によって提供される個々の支援機能が、全てドライバに適合された作動を実施し得る。尚、複数搭載される運転支援装置100には、例えば運転支援機能を備えたドライブレコーダ等が含まれる。
図12に示す変形例3のユーザ情報管理システム401では、運転支援装置100が、車載通信部41を有している。こうした変形例3のように、運転支援装置100は、車両40の外部との通信機能を備える構成であってよい。
図13に示す変形例4のユーザ情報管理システム501では、上記実施形態の訓練サーバ装置10及び解析サーバ装置20の機能を統合した統合サーバ装置510が設けられている。統合サーバ装置510は、上記実施形態の各サーバ装置10,20と同様に、処理部510a、RAM510b、ストレージ510c、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を電気的な構成として備えている。訓練プログラム110及び解析プログラム120は、ストレージ510cに記憶されている。
統合サーバ装置510には、訓練プログラム110及び解析プログラム120に基づく機能部として、上記実施形態と実質同一のゲーム提供部11、データ解析部21、個人データ管理部12及び通信部13が構築される。個人データ管理部12は、解析サーバ装置20の個人データ管理部22の機能を兼ねている。同様に、通信部13は、解析サーバ装置20の通信部23の機能を兼ねている。以上の変形例4のように、訓練ゲームのゲーム成績を管理するサーバ装置と運転中の検出データを管理するサーバ装置とは、一体で構成されてよい。こうした変形例4であれば、サーバ装置間にて情報の共有がする処理が略可能になる。
図14に示す変形例5のユーザ情報管理システム601でも、訓練サーバ装置10及び解析サーバ装置20に替えて、統合サーバ装置510が設けられている。加えて、ユーザ情報管理システム601では、車両40が端末装置30の機能を兼ねている。ユーザは、車両40に搭乗した状態で、プレイヤとして訓練ゲームをプレイできる。言い替えれば、車両40に搭載された運転のためのデバイス群は、ドラビングシミュレータのデバイス群として機能する。具体的に、アクチュエーション部43に含まれる表示デバイス及びオーディオデバイスが、訓練ゲームのゲーム画面等を提示する表示部32及び音声出力部33として機能する。さらに、車載された操作デバイスが、操作部34として機能する。
また、変形例5では、ユーザによって車両40に持ち込まれる端末装置30が、図14における運転支援装置100に相当する構成として機能可能であってよい。端末装置30は、例えばスマートフォン及び通信型のドライブレコーダ等である。こうした形態では、端末装置30を運転支援装置100として機能させる運転支援プログラムが、端末装置30にアプリケーションとしてインストールされる。端末装置30は、運転支援プログラムの実行により、運転中のドライバ状態を示す検出データの取得及び送信を行う機能と、ドライバへのアクチュエーションを行う機能とを備える。そして、端末装置30は、ドライバへのアクチュエーションを実施する閾値を、訓練ゲームの結果を反映して変更する。尚、検出データの取得及びドライバへのアクチュエーションは、端末装置30が備える構成によって実施されてもよく、車載構成又はウェアラブルデバイス等との連携によって実施されてもよい。
図15に示す変形例6のユーザ情報管理システム701には、解析サーバ装置20に替えて、管理サーバ装置720及び連携サーバ装置70が設けられている。管理サーバ装置720は、個人データ管理部22及び通信部23を備えている。管理サーバ装置720は、解析サーバ装置20の機能のうち、検出データ及び運転アドバイス等をユーザに紐付けて蓄積する管理機能を有している。
一方、連携サーバ装置70は、処理部70a、RAM70b及びストレージ70c等の電気的構成を含み、ストレージ70cに記憶された解析プログラム120に基づく処理を、処理部70a及びRAM70bにて実行する。連携サーバ装置70は、解析サーバ装置20と同様に、データ解析部71、個人データ管理部72及び通信部73等の機能部を備えている。連携サーバ装置70は、解析サーバ装置20の機能のうち、運転アドバイス及び訓練アドバイスを生成する機能を有している。以上のように、変形例6では、ゲーム成績及び検出データをそれぞれ管理する訓練サーバ装置10及び管理サーバ装置720と、これらのデータを解析する連携サーバ装置70とが、個別に設けられている。
上記実施形態では、ドライバの運転技能の向上により、運転支援として実施される注意喚起の判定基準が厳しくされていた。対して、上記実施形態の変形例7では、ドライバの運転技能が向上した場合、運転支援が発生し難くなるように、判定条件が緩和される。一例として、運転支援機能が車両40の挙動制御に介入する内容である場合、変形例7のように、運転支援が発生し難くされてよい。こうした運転支援条件の設定変更によっても、ユーザは、訓練ゲームを通じた運転技能の向上を実感し易くなる。
上記実施形態では、運転支援のために検出された検出データが、運転中の運転データであって訓練ゲームに反映させるデータとして、車両40から外部の解析サーバ装置20に送信されていた。対して、上記実施形態の変形例8では、訓練ゲームに反映するための運転データが、運転支援のためのデータとは別に取得されている。以上のように、訓練ゲームに反映させる運転中のデータは、訓練ゲームの内容に応じて、適宜変更可能されてよい。
上記実施形態では、運転中に検出された検出データを訓練ゲームに反映させる処理として、訓練ゲームのゲーム内容を変更する処理と、推奨する訓練ゲームを変更する処理の両方が可能であった。しかし、検出データを訓練ゲームに反映させる処理は、上記2つの処理の一方だけであってもよい。さらに、例えば、検出データを訓練ゲームに反映させる処理として、検出データから推定されるユーザの運転レベルに応じて、訓練ゲームの難易度を変更する処理が実施されてもよい。
上記実施形態では、訓練ゲームの実施に伴うドライバの運転技能の向上が、実際の運転中に検出される検出データの変化、及び訓練ゲームのゲーム成績の変化の両方で判断され得た。対して、上記実施形態の変形例9では、訓練ゲームによるドライバの運転技能の向上は、検出データの変化及びゲーム成績の変化の一方のみで判断される。
上記実施形態では、ユーザの運転技能が向上した場合、運転支援条件の変更がユーザに提案される。そして、ユーザの承認を受けたうえで、運転支援条件の変更が、車両40にて実施される。対して、上記実施形態の変形例10では、ユーザの承認を得ることなく、ユーザの運転技能の向上を判定した場合、ユーザの承認を得ることなく、運転支援条件の変更が適用される。
上記実施形態の各処理部は、1つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。加えて、各処理部は、GPU(Graphics Processing Unit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算コアをさらに含む構成であってよい。また、各処理部は、AIの学習及び推論等の処理に特化したNPU(Neural network Processing Unit)、DFP(Data Flow Processor)及び他の専用機能を備えるIPコア等をさらに含む構成であってよい。加えて、処理部を含む各演算回路部は、プリント基板に個別に実装された構成であってもよく、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA等に実装された構成であってもよい。
上記実施形態の運転支援方法、運転訓練方法及び情報管理方法を実現する各プログラムを記憶するストレージ(メモリ装置)の構成は、適宜変更されてよい。具体的に、フラッシュメモリ及びハードディスク等の種々の非遷移的実体的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)が、各ストレージに採用可能である。こうした記憶媒体の形態も、適宜変更されてよい。例えば記憶媒体は、メモリカード等の形態であり、各サーバ装置、端末装置及び運転支援装置等に設けられたスロット部に挿入されて、制御回路に電気的に接続される構成であってよい。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された1つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと1つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された1つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。