JP7463873B2 - 平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ、インキ硬化物の製造方法及び印刷物 - Google Patents

平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ、インキ硬化物の製造方法及び印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、食品包装材に多用されるプラスチックフィルム等に対し接着可能な平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ及び印刷物に関する。
従来、フォーム用印刷物、各種書籍印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール、ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの種々の印刷物を得るため、平版(湿し水を使用する通常の平版および湿し水を使用しない水無し平版)、凸版、凹版、孔版印刷など種々の印刷方式が採用されており、これら印刷には各々の印刷方式に適したインキが使用されている。そのようなインキの一つとして活性エネルギー線硬化性インキが知られている。
この中で、食品包装材に多用されるプラスチックフィルム(軟包装材料とも称される)に対しては、プラスチックフィルムが可とう性を有するために、印刷物には、フィルムに対する接着性(密着性ともいう)やフィルムへの追従性が求められる。しかしながら活性エネルギー線硬化性インキは、瞬間的に活性エネルギー線硬化し3次元架橋するために、高硬度ではあるが柔軟性に劣る印刷物となりやすいことや、プラスチック基材への接着性がその体積収縮により阻害されることが多く、例えば溶剤型グラビア印刷インキ等の非硬化型性インキと比較し、接着性や追従性に劣る傾向にあった。
特開2018-16688号公報
本発明の課題は、プラスチックフィルムに対して接着性が良好で、フィルムの折り曲げに追従出来る柔軟性を兼ね備えた印刷物を与え、従来の活性エネルギー線硬化型オフセットインキと同等な印刷適性、耐ブロッキング性を持ち、更に、低マイグレーション性も具備した平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキを提供することにある。
本発明者らは、ワニスとして、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ロジン、及びポリオール化合物を必須の反応原料とするポリエステル樹脂を使用した平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキが、前記課題を解決することを見出した。
ワニスとして、ロジン変性不飽和ポリエステル樹脂を使用した活性エネルギー線硬化型インキ用組成物は知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら特許文献1ではアート紙に転職した後の光沢値や耐摩耗性等についての評価はなされているが、プラスチックフィルムに対しての評価については一切記載がされていない。
即ち本発明は、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、及びワニスを含有する平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキであって、
(1)前記エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーが、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1分子当たり4~9モルであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートであり、
(2)前記ワニスが、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ロジン、及びポリオール化合物を必須の反応原料とするポリエステル樹脂である平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキを提供する。
また本発明は、前記記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキを用いてオフセット印刷し、印刷されたインキを活性エネルギー線を用いて硬化させるインキ硬化物の製造方法を提供する。
また本発明は、前記記載のインキ硬化物の製造方法で得られた印刷物を提供する。
また本発明は、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ロジン、及びポリオール化合物を必須の反応原料とするポリエステル樹脂を含有する平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ用ワニスを提供する。
本発明により、プラスチックフィルムに対して接着性が良好で、フィルムの折り曲げに追従出来る柔軟性を兼ね備えた印刷物を与え、従来の活性エネルギー線硬化型オフセットインキと同等な印刷適性、耐ブロッキング性を持ち、更に、低マイグレーション性も具備した平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキが得られる。
(エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー)
本発明で使用するエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1分子当たり4~9モルであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを含有する。
(エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート)
エチレンオキサイド(以後EOと称する場合がある)の平均付加モル数が1分子当たり4~9モルであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートは、具体的には、モノマー中のエチレンオキサイドの付加モル数が4モル以上9モル以下のエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレートである。(以下モノマー(B)と称する場合がある)
モノマー(B)の具体例としては、Miwon社製 Miramer M3160やArkema Sartmer社製SR499NS等のEO6モル付加トリメチロールプロパントリアクリレートや、Miwon社製 Miramer M3190、ArkemaSartomer社製SR502 NS等のEO9モル付加トリメチロールプロパントリアクリレートなどを挙げることができる。
モノマー(B)は、活性エネルギー線硬化型オフセットインキ全量に対して、5質量%以上15質量%以下含むことが好ましく、より好ましくは5質量%以上10質量%以下の範囲である。
前記モノマー(B)は、後述の、ワニスとして使用するポリエチレンテレフタレート樹脂、ロジン、及びポリオール化合物を必須の反応原料とするポリエステル樹脂と組みあわせることで、特にポリエチレンテレフタレート(以後PETと称する場合がある)基材を組み合わせた積層体の剥離強度を増大させることができると同時に、湿し水を使用してオフセット印刷を行った際に、インキが過剰に乳化することを抑制することができ、印刷中に色濃度が変動することを好適に抑制することができる。
(その他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマー)
前記モノマー(B)以外の活性エネルギー線硬化性モノマー及び又はオリゴマーは、活性エネルギー線硬化性技術分野で使用されるモノマー及び又はオリゴマーであれば特に限定なく使用することができる。特に官能基として(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基等を有するものが好ましい。また官能基数や分子量にも特に限定はなく、官能基数の多いものほど反応性は高いが粘度や結晶性が高くなる傾向にあり、また分子量が高いものほど粘度が高くなる傾向にあることから、所望の物性に応じて適宜組み合わせて使用することができる。例えばUV-LEDのような低エネルギー照射で好適に硬化させるという点では、より反応性の高い3官能以上の活性エネルギー線硬化性モノマーを組み合わせ、用途に応じて印刷基材への接着性、皮膜の柔軟性等の必要物性を得る為に、適宜単官能、2官能のモノマーを単独もしくは併用することができるが、2官能以下のモノマーは、オフセット印刷機のゴムローラーなどを膨潤させやすい傾向にあるため、本発明のようにオフセット印刷用インキの希釈剤として使用する際は、3官能以上のモノマーを使用することが好ましい。
具体的には例えば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、重合性オリゴマー等の、ランプ方式で実績のあるものが、本発明で述べる紫外線発光ダイオード方式においてもそのまま使用することが可能である。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシー3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチルー2-エチルー1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2価アルコールのジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モルのエチレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、トリオールのトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性オリゴマーとしては、アミン変性ポリエーテルアクリレート、アミン変性エポキシアクリレート、アミン変性脂肪族アクリレート、アミン変性ポリエステルアクリレート、アミノ(メタ)アクリレートなどのアミン変性アクリレート、チオール変性ポリエステルアクリレート、チオール(メタ)アクリレートなどのチオール変性アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオレフィン(メタ)アクリレート、ポリスチレン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(ワニス)
本発明で使用するワニスは、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ロジン、及びポリオール化合物を必須の反応原料とするポリエステル樹脂を含有する。(以後ポリエステル樹脂(A)と称する場合がある)
(ポリエステル樹脂(A) ポリエチレンテレフタレート樹脂)
本発明で使用するポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールの重縮合により得られるほか、さらに必要に応じてイソフタル酸、無水フタル酸、アジピン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノールのような物質で変性されたものも使用できる。さらに、市販の未使用のPETボトル、PETフィルム、その他PET製品の製造時の残品を粉砕したもの、廃棄物から回収し洗浄した再生PET等を使用することができる。中でも、再生PETを使用することが好ましい。これらは洗浄しペレット化されたものが市場から手に入れることができる。
PETの固有粘度(IV)は、0.50-0.80dL/gであることが好ましい。この範囲にあることで、PETと他の原料との重縮合反応を250℃以下で行うことができる。また、該PET含有ポリエステルポリオールを含む反応性接着剤の接着強度、耐久性、耐熱性の発現の観点においてもこの範囲が好ましい。
(ポリエステル樹脂(A) ロジン)
本発明で使用するロジンとしては、特に限定なくインキ技術分野で使用されるロジンを使用することができる。
例えば、樹脂酸を主成分とする天然樹脂である天然ロジンが挙げられる。樹脂酸は、樹木由来のカルボキシル基を有する化合物であり、具体的には、例えば、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、レボピマール酸などの共役二重結合を有する樹脂酸、例えば、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸などの共役二重結合を有しない樹脂酸などが挙げられる。
天然ロジンとして、より具体的には、例えば、トール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどが挙げられる。これら天然ロジンは、単独使用または2種類以上併用することができる。天然ロジンとして、好ましくは、ガムロジンが挙げられる。
また、前記天然ロジンに水添処理、不均化処理、重合処理等を施した、水添ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、強化ロジン、ロジンエステル等のロジン誘導体等であってもよい。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
これらの中でも特に、水添ロジンを使用すると、本発明の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキのゲル化を抑制することができ、製品のポットライフを向上させることができるため好ましい。
(ポリエステル樹脂(A) ポリオール化合物)
本発明で使用するポリオール化合物としては、特に限定されず公知の多価アルコールを使用することが出来る。
例えば、1,2-プロパンジオール、1,2,2-トリメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-3-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;1,3-ビス(2-ヒドロキシプロピル)シクロペンタン、1,3-ビス(2-ヒドロキシブチル)シクロペンタン、1,4-ビス(2-ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4-ビス(2-ヒドロキシブチル)シクロヘキサン等の脂環族ジオール;1,4-ビス(2-ヒドロキシプロピル)ベンゼン、1,4-ビス(2-ヒドロキシブチル)ベンゼン等の芳香族ジオール;
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「ビスフェノールA」と略記する)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン(以下「ビスフェノールB」と略記する)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン(以下「ビスフェノールF」と略記する)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン(以下「ビスフェノールS」と略記する)等のビスフェノールに、1,2-プロピレンオキサイドや1,2-ブチレンオキサイド等の2級の水酸基を有するアルキレンオキサイドを付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール; ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のエーテルグリコール;
前記脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;前記脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールにエチレンオキサイドを付加して得られるビスフェノールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でもエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオールが好ましく、1,6-ヘキサンジオールが好ましい。
中でも、数平均分子量が300~600のポリエチレングリコール等の、直線性の高い柔軟な構造のグリコールを使用することが本発明の効果を引き出すうえで好ましく、ジエチレングリコールが特に好ましい。
また、本発明の効果を損なわない程度に樹脂を分岐させる際には、グリセリンも好ましく使用できる。
(ポリエステル樹脂(A) 多塩基酸)
本発明で使用する多塩基酸は、特に限定されず公知の多塩基酸を使用することが出来る。
例えば、フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、ジメチルマレイン酸、シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸、1-シクロへキセン-1,2-ジカルボン酸、4-シクロへキセン-1,2-ジカルボン酸、フマル酸、メサコン酸、イタコン酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸;1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸;トリメリット酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でもダイマー酸が好ましい。
(ポリエステル樹脂(A) 脂肪酸)
本発明で使用する脂肪酸は、植物油の加水分解で得られる飽和または不飽和脂肪酸等であり、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リシノール酸などを例示することができ、ヤシ油脂肪酸、水添ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、水添大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、米糠脂肪酸あるいはその分別蒸留などによる分別脂肪酸等も挙げることができる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、トール油脂肪酸、水添ヤシ油脂肪酸、米糠脂肪酸を使用すると好適に塗膜の柔軟性を向上させることができる。
(ポリエステル樹脂(A) 製造方法)
前記ポリエチレンテレフタレート樹脂、前記ロジン、及び前記ポリオール化合物を必須の反応原料としたポリエステル樹脂(A)を製造する方法は特に限定なく公知の方法で行えばよい。例えばポリエチレンテレフタレート樹脂を低分子ポリオールとの反応で分解させ、次いでこの分解物と多塩基酸とを縮合反応させる方法や、エステル化触媒とともに、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂、前記ロジン、及び前記ポリオール化合物を一度に混合し、反応させる方法等が挙げられる。
PET樹脂に対するロジン等の酸類の好ましい仕込み量の比を、物質量比(酸類の物質量/PET樹脂の物質量)で表すと、0.70~3.0である。より好ましくは1.1~2.0の範囲である。
また、仕込み時の酸類の酸基の総物質量に対する多価アルコール類の水酸基の総物質量の比(OH基の物質量/COOH基の物質量)の範囲は1.00~1.30が好ましく、より好ましくは1.05~1.20の範囲の範囲である。
また、加温条件としては、150~280℃が好ましく、より好ましくは200~250℃の範囲である。
前記エステル化触媒としては、テトライソプロピルチタネート(TiPT)・テトラブチルチタネート等のチタン系触媒、ジブチル錫オキサイド等のスズ系触媒など公知公用のエステル化触媒を使用することができる。
また好ましい前記エステル化触媒の使用量の範囲は樹脂(A)の構成原料の全量100質量部に対して、0.001~0.1質量部が好ましく、より好ましくは0.003~0.006質量部の範囲である。
(ポリエステル樹脂(A)の酸価)
前記ポリエステル樹脂(A)の酸価は、湿し水を使用したオフセット印刷においてインキの過乳化を抑制し、非画線部の汚れを防止したり、各色の濃度を安定化させるために0.1 ~15 mgKOH/gの範囲であることが好ましく、0.1~5 mgKOH/gの範囲であることが特に好ましい。
本発明において樹脂の酸価はJIS K 0070(1992)の中和滴定法にて測定される値である。
前記ポリエステル樹脂(A)は本発明の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ全量に対して、10~50質量%の範囲で使用することができ、顔料の比重や、所望するインキの粘度に合せて適宜配合量を調整することが可能である。
(ワニス その他の樹脂)
本発明の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキは、前記ポリエステル樹脂(A)以外の、活性エネルギー線で硬化しない非反応性樹脂を併用してもよい。例えば非反応性樹脂としては、ケトン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、セルロース誘導体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン-アクリルニトリル共重合体等を挙げることができ、また本発明の効果を損なわない限り、分子中に少なくとも1つ以上の重合性基を有するエポキシアクリレート化合物、ウレタンアクリレート化合物、ポリエステルアクリレート化合物等を使用することもでき、これらバインダー樹脂は、単独で使用しても、いずれか1種以上を組合せて使用してもよい。
〔光重合開始剤〕
本発明において、活性エネルギー線として紫外線を使用する場合は、使用する紫外線光源の種類、紫外線光源の照射強度、紫外線の照射積算光量、色、印刷膜厚、衛生性などを鑑みて、適宜、汎用の光重合開始剤を使用できる。一例を挙げると、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、フェニル グリオキシリック アシッド メチル エステル、オキシフェニル酢酸、2-[2-オキソ-2-フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノンなどの化合物が挙げられる。
また、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
また、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-ジイソプロピルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-クロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9Hチオキサントン-2-イロキシ-N,N,N-トリメチル-1-プロパンアミン塩酸塩等のチオキサントン化合物が挙げられる。
また、4,4´-ビス-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4´-ビス-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の4,4’-ジアルキルアミノベンゾフェノン類、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン化合物が挙げられる。
それ以外には、例えばベンゾフェノン、4-メチル-ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、2,3,4-トリメチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、3,3‘-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、4-(1,3-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、メチル-o-ベンゾイルベンゾエート、〔4-(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン、ジエトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインノルマルブチルエーテルなどが挙げられる。
本発明においては、前記汎用の光重合開始剤は、1種でも数種併用して使用してもよい。中でも、数平均分子量300以上の光重合開始剤を使用することが印刷物からの光重合開始剤のマイグレーションを抑制する上で好ましく、白色以外の黒色及び有彩色インキに対しては、分子量300以上のビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドと2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノンに代表されるアミノアセトフェノン系光重合開始剤類を併用することが特に好ましい。
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドとアミノアセトフェノン系光重合開始剤類の配合割合は質量比で1:0.1~1:0.5が好ましい。また、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイドはインキ組成物中に0.5質量%以上5質量%以下含むことがインキの反応性の面や開始剤のインキバインダーに対する溶解性を保持する面から好ましい。
〔増感剤・光開始助剤〕
本発明においては、前記の汎用光重合開始剤の他に、光増感剤や三級アミン等の光開始助剤を併用しても良い。光増感剤としては、特に限定されないが、チオキサントン系、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、アントラキノン系、クマリン系などが挙げられる。
これらの中でも、特に2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物や、ミヒラーケトン、4,4´-ビス-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなど4,4’-ジアルキルアミノベンゾフェノン類が好ましく、性能、安全性や入手しやすさなどの観点から、2,4-ジエチルチオキサントン,2-イソプロピルチオキサントン、4,4´-ビス-(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが特に好ましい。
増感剤や光開始助剤を併用する場合は、インキ固形分全量に対し0.05~10質量%が好ましく、0.1~7.0質量%の範囲がより好ましい。0.05質量%未満の場合は、十分な硬化性の向上効果が得られず、10質量%を超える場合は、硬化塗膜の色相が許容できないくらい黄味に変色したり、増感剤が析出したり、該組成物の流動性が著しく低下したりする。
一方、三級アミンとしては、特に限定されないが、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミン等が挙げられ、酸素による重合阻害を低減させたり、紫外線により活性化されたチオキサントン類、4,4’-ジアルキルアミノベンゾフェノン類と反応し、活性ラジカル供与体となり、インキの硬化性能を向上させる。三級アミンは本発明の活性エネルギー線硬化性インキの印刷性能を損なわない範囲で併用することが好ましく、インキ固形分全量に対し0.1~10質量%が好ましく、0.1~5.0質量%の範囲で使用することがより好ましい。
また高い衛生性を求められる用途においては、1分子内に複数の光重合開始剤、光増感剤や三級アミンを多価アルコール等で分岐させた高分子量化合物も適宜使用することができる。例えば、Speedcure7005、Speedcure7010、Speedcure7040(Lambson製)、EsacureONE、Omnipol910、OmnipolTX、OmnipolBP(IGM製)GenopolBP-1、GenopolTX-1、GenopolAB-2(RAHN製)などが挙げられる。
(耐ブロッキング剤)
本発明の活性エネルギー線硬化型オフセットインキ組成物は、レーザー散乱光により測定した平均粒子径が3~6μmの無機または有機微粒子を配合することが好ましい。無機または有機微粒子として具体的には、平均粒子径が3~6μmの多孔質シリカ粒子またはベンゾグアナミンビーズまたは真球状シリコンビーズが好ましい。これらは耐ブロッキング剤として作用する。
前記平均粒子径の範囲ならば、オフセット印刷時に版の画線部に上記粒子が堆積することなく、印刷をすることができる上、印刷後、フィルムを巻き取り、保管する際に、30℃~50℃で50RH%以上の湿度がかかった部屋に保管した際、フィルム同士が張り付くブロッキングと呼ばれる現象を防止することができる。
また、これらの耐ブロッキング剤はインキ組成物中に1~5質量%の範囲配合することが好ましい。1質量%以上であれば、耐ブロッキング効果を十分に発揮することができる。一方5質量%を超えない量であれば、インキのレオロジー性を保つことができる。
本発明の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキは、他、発明の効果を損なわない範囲内で、樹脂や顔料、各種添加剤を併用することができる。
(顔料)
本発明で使用する顔料は、公知公用の着色用有機顔料を挙げることができ、例えば「有機顔料ハンドブック(著者:橋本勲、発行所:カラーオフィス、2006年初版)」に掲載される印刷インキ用有機顔料等が挙げられ、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、金属フタロシアニン顔料、無金属フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、アンスラキノン系顔料、キノフタロン顔料、金属錯体顔料、ジケトピロロピロール顔料、カーボンブラック顔料、その他多環式顔料等が使用可能である。
また、本発明の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキには、体質顔料として無機微粒子を用いてもよい。無機微粒子としては、酸化チタン、グラファイト、亜鉛華等の無機着色顔料;炭酸石灰粉、沈降性炭酸カルシウム、石膏、クレー(ChinaClay)、シリカ粉、珪藻土、タルク、カオリン、アルミナホワイト、硫酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、バライト粉、砥の粉等の無機体質顔料; 等の無機顔料や、シリコーン、ガラスビーズなどがあげられる。これら無機微粒子は、インキ中に0.1~60重量%の範囲で使用することにより、着色やインキのレオロジー特性を調整したりすることが可能である。
(顔料分散剤)
本発明で使用する顔料分散剤は、極性基含有分散剤であると顔料の分散性とインキ流動性をより向上できることから好ましい。極性基は、酸性基、塩基性基、その他の官能基が挙げられる。
酸性基は、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等が挙げられる。塩基性基は、アミノ基等が挙げられる。その他の官能基は、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。極性基含有分散剤は、2種類以上の極性基を有していることもできる。なお、極性基含有分散剤は、ジアリルフタレート樹脂、極性基を含有する光重合開始剤、光重合開始剤の触媒を含まない。特に塩基性基含有分散剤を使用することが好ましい。
酸性基含有分散剤は、市販品では、ソルスパース26000等の酸価を有するソルスパ
ースシリーズ(ルーブリゾール社製)等が挙げられる。
塩基性含有分散剤は、市販品では、例えばアジスパーPB821等のアミン価を有するアジスパーシリーズ、ソルスパース24000、ソルスパース32000等のアミン価を有するソルスパースシリーズ(ルーブリゾール社製)等が挙げられる。その他の官能基含有分散剤は、例えばビニルアルコールの共重合体等が挙げられる。
極性基含有分散剤は、顔料100質量部に対して、0.25~10質量部含有することが好ましい。この範囲で含有すると静置流動性、および連続印刷性能がより向上する。この範囲を超えると極性官能基の影響により印刷インキの乳化率が過剰となり連続印刷性能が損なわれる。なお、含有量は、0.25~6質量部がより好ましい。この範囲で使用するとさらに印刷インキの長期保存安定性がより向上する。極性基含有分散剤は、単独または2種類以上併用できる。
(その他添加剤)
その他の添加剤としては、例えば耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックス等を例示することができる。
また例えば、インキの保存安定性を付与する添加剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p -メトキシフェノール、t -ブチルカテコール、t -ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p -ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-tert-ブチル-p -ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p -ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が例示される。
その他、要求性能に応じて、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等の添加剤を添加することができるが、本願の効果を損なわないよう適宜調整する。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキは、無溶剤で使用することもできるし、必要に応じて適当な溶媒を使用する事も可能である。溶媒としては、上記各成分と反応しないものであれば特に限定されるものではなく、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性インキは、従来と同様の方法によって行えばよく、例えば、常温から100℃の間で、前記顔料、樹脂、アクリル系モノマーもしくはオリゴマー、重合禁止剤、開始剤およびアミン化合物等の増感剤、その他添加剤などインキ組成物成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
(インキ硬化物の製造方法、印刷物)
本発明の第二の形態は、基材上、又は、基材上に印刷された印刷インキ層の上に、前記活性エネルギー線硬化性インキの層を形成し、活性エネルギー線を照射することにより得られることを特徴とする印刷物である。活性エネルギー線として紫外線を使用する場合は、350~420nmにピーク波長を有する紫外線発光ダイオード光源で紫外線を照射することが、プラスチック基材の熱による変形を抑制することができるため好ましい。また、空気中の酸素による重合阻害を抑制するため、窒素雰囲気化で紫外線を照射しても良く好ましい。 紫外線発光ダイオード光源よりUV硬化性組成物へ照射される紫外線の積算光量値に関しては、印刷基材上のUV硬化性組成物の種別や印刷層の厚み等により異なる為、厳密には特定出来ず、適宜好ましい条件を選択するものであるが、例えば、積算光量の総和が5~200mJ/cm2程度であり、より好ましくは、10~100mJ/cm2程度である。 積算光量値5mJ/cm2を下回る条件では十分な硬化性を得ることが困難となり、一方、積算光量値200mJ/cm2を超える条件は、本発明で述べる印刷方式においては不必要であり、紫外線発光ダイオード光源の特徴である省エネルギー性を維持する目的においても過剰量のエネルギー照射は行わない。
紫外線発光ダイオード光源より印刷基材上のUV硬化性組成物へ照射される紫外線の照射強度(mW/cm)に関しては、印刷方向に並べる紫外線発光ダイオード光源の個数、光源から組成物までの照射距離等の諸条件によっても適切な照射強度範囲が変動することから特に規定はしないが、本発明で述べる印刷方式における印刷基材の移動速度は60~400m/min.程度であるから、該印刷速度で移動する印刷基材上のUV硬化性組成物に対して、積算光量値が先に述べた程度となる照射強度であることが好ましい。
一方、活性エネルギー線として電子線を使用する場合、加速電圧は80kV~170kVの範囲にすることが好ましく、更に、80kV~110kVの範囲が電子線の基材への浸透を好適に抑制でき、基材のダメージを最小限にすることができる。また、照射線量は20~40kGyの範囲にすると、好適に印刷物を硬化させることができ、過剰な硬化によるインキの基材に対する密着不良を好適に抑制することができる。
本発明の印刷物で使用する印刷基材としては、特に限定は無いが、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。またこれらのプラスチック基材は、印刷の直前に汎用のコロナ処理装置により、放電処理をしてもよく好ましい。
本発明の印刷物を製造するために紫外線発光ダイオードを使用する場合は、光源より発せられる紫外線の発光波長としては、例えば、発光ピーク波長が350~420nm程度であるものが好ましい。
次に実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは無い。
(樹脂合成例1)
ポリエステル樹脂A-1の合成
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入管および精留塔を備えたガラス製1リットルの四つ口フラスコに、グリセリン66.75g、不均化ロジン492.87g、再生PETペレット140.02gおよびエステル化触媒としてテトライソプピルチタネート0.36gを仕込み、常圧窒素気流下で攪拌しながら240℃まで段階的に昇温し、生成する水を連続的に除去した。酸価が10以下になるまで240℃にて加熱を続け、ポリエステル樹脂A-1を得た。ポリエステル樹脂A-1の酸価は7.9であった。
(樹脂合成例2)
ポリエステル樹脂A-2の合成
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入管および精留塔を備えたガラス製1リットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコール81.13g、水添ロジン433.24g、再生PETペレット185.31gおよびエステル化触媒としてテトライソプピルチタネート0.32gを仕込み、常圧窒素気流下で攪拌しながら240℃まで段階的に昇温し、生成する水を連続的に除去した。酸価が10以下になるまで240℃にて加熱を続け、ポリエステル樹脂A-2を得た。ポリエステル樹脂A-2の酸価は9.9であった。
(樹脂合成例3)
ポリエステル樹脂A-3の合成
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入管および精留塔を備えたガラス製5リットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコール405.66g、水添ロジン2166.22g、再生PETペレット926.54gおよびエステル化触媒としてテトライソプピルチタネート1.59gを仕込み、常圧窒素気流下で攪拌しながら250℃まで段階的に昇温し、生成する水を連続的に除去した。酸価が2.5以下になるまで250℃にて加熱を続け、ポリエステル樹脂A-3を得た。ポリエステル樹脂A-3の酸価は2.2であった。
(樹脂合成例4)
ポリエステル樹脂A-4の合成
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入管および精留塔を備えたガラス製1リットルの四つ口フラスコに、グリセリン66.75g、ガムロジン492.87g、再生PETペレット140.02gおよびエステル化触媒としてテトライソプピルチタネート0.36gを仕込み、常圧窒素気流下で攪拌しながら240℃まで段階的に昇温し、生成する水を連続的に除去した。酸価が10以下になるまで240℃にて加熱を続け、ポリエステル樹脂A-4を得た。ポリエステル樹脂A-4の酸価は9.5であった。
(ポリエステル樹脂のワニス化)
撹拌翼、温度センサー、空気導入管および精留塔を備えたガラス製1リットルの四つ口フラスコに、ポリエステル樹脂A-1~A-4をそれぞれ仕込み、160℃まで昇温した。昇温後、Miramer M-300または、Miramer M-3160を樹脂/モノマー比=82.5/17.5となるよう投入し、常圧空気流下で1時間以上攪拌・混合し、ワニスを得た。
(平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキの製造方法)
表1~表2の組成に従って、実施例1~13及び比較例1~9の組成物を3本ロールミルにて練肉することによって、インキを得た。
(展色硬化物の作成方法)
厚さ12μmの東洋紡エステルフィルムE5102上に、実施例及び比較例のインキ0.13mlを、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を使用して展色した。この展色物を水冷式UV-LED(中心発光波長385nm±5nmUV-LEDの出力100%)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、コンベアスピード40m/minの速度で、LED直下(照射距離9cm)を通過させ、前記の方法で得られた平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ塗布後の展色物に紫外線(UV)照射しインキ皮膜を硬化乾燥させた。
(ラミネート強度測定用展色硬化物の作成方法)
厚さ12μmの東洋紡エステルフィルムE5102上に実施例及び比較例のインキ0.13mlを簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を使用して展色した。この展色物を水冷式UV-LED(中心発光波長385nm±5nmUV-LEDの出力100%)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、コンベアスピード40m/minの速度で、LED直下(照射距離9cm)を通過させ、前記の方法で得られた平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ塗布後の展色物に紫外線(UV)照射しインキ皮膜を硬化乾燥させた。
(ラミネート強度の測定方法)
ドライラミネート接着剤ディックドライLXー500/KRー90S(DIC製)を酢酸エチルにて不揮発分35%に調整し、バーコーターNo.8を使用し、上記のラミネート強度測定用展色物上に接着剤を塗工後、熱風により乾燥させた。塗工された接着剤の乾燥重量は3.5g/cmであった。上記接着剤が塗布された展色物上に直鎖状低密度ポリエチレン(三井東セロT.U.X.HC #60)をカレンダーロール(松本機械製)によって積層し、40℃で3日間エージング施し、ラミネート物を得た。上記で得られたラミネート物を15mm幅に切り出し、引っ張り試験機(エー・アンド・ディ製 RTG-1210)で、引っ張り速度50mm/分の条件で180度剥離試験を行い、上記のラミネート強度測定用展色硬化物のラミネート強度を測定した。得られたラミネート強度を以下の基準で評価した。
〇:3N/15mm以上
△:1~2N/15mm
×:0~1N/15mm
( フィルム折り曲げ試験)
前記の展色硬化物を10回往復揉み、硬化インキ塗膜に割れやピンホール等、硬化塗膜が破壊される程度を目視で確認し、次の基準で評価した。
○:硬化インキ塗膜上に割れやピンホール等が全くない。
△:硬化塗膜上に割れやピンホールがみられるが、硬化塗膜は基材から脱離はしない。
×:硬化塗膜が基材から複数箇所脱離し、粉々になる。
(印刷適性確認方法)
[平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキの評価方法:オフセット印刷適性]
平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキの印刷適性の評価方法としては、まず印刷機の水供給ダイヤルを40(標準水量)にセットし、印刷物濃度が標準プロセス藍濃度1.6(X-Rite社製SpectoroEye濃度計で計測)となるようインキ供給キーを固定した。その後インキ供給キーを固定したままの条件で、300枚後の印刷物の墨濃度を測定した。その後インキ供給キーを固定したままの条件で、水供給ダイヤルを40から55に変更し水供給量を増やした条件で300枚印刷し、300枚後の印刷物の墨濃度を測定した。水供給量を増やした状態においても印刷物の濃度低下が少ないほど、乳化適性に優れ、印刷適性に優れたインキと評価できる。下記の基準に従って平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキの印刷適性を評価した。
〇:印刷物の墨濃度が1.6以上であり、オフセット印刷適性は良好である。
△:印刷物の墨濃度が1.5以上~1.6未満であり、オフセット印刷適性は中位である。
×:印刷物の墨濃度が1.5未満であり、オフセット印刷適性は不良である。
(耐ブロッキング性確認方法)
厚さ12μmの東洋紡エステルフィルムE5102上に実施例及び比較例のインキ0.13mlを簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を使用して展色した。この展色物を水冷式UV-LED(中心発光波長385nm±5nmUV-LEDの出力100%)およびベルトコンベアを搭載したUV照射装置(アイグラフィックス社製)を使用し、展色物をコンベア上に載せ、コンベアスピード40m/minの速度で、LED直下(照射距離9cm)を通過させ、前記の方法で得られた平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ塗布後の展色物に紫外線(UV)照射しインキ皮膜を硬化乾燥させた。
上記で得られた展色物を縦5cm×横5cmに切り取り、展色面に上記E5102の非処理面を重ねた。各インキに対して3セット積み上げ、最上部と最下部に5cm×5cmのコートボール紙を乗せてた。この積層物をブロッキングテスターで40℃、80%RHの条件で5kg/cm2の荷重を24時間かけた。
24時間後上記積層体を恒温槽から取り出し、室温になるまで放置したのち、上記で重ね合わせたフィルムを剥がして、下記の基準でブロッキング性を評価した。
〇:抵抗なく重ねたフィルムを剥がすことができる。
△:剥がす際に抵抗があるが、硬化インキ塗膜がフィルムの非処理面に転写しない。
×:剥がすことが困難であり、硬化インキ塗膜がフィルムの非処理面に転写する。
〔マイグレーション〕
各々印刷面の藍インキの総量が60mgとなるように印刷物を成形した後、シーラントフィルムを内側にして、印刷面の全てが液面に接するように容積1000cmで、且つ、1000cmの内容液と接触する液体容器内面の総面積が600cmの液体容器を作製し、エタノール水溶液(エタノール50質量%と純水50質量%の混合溶液)1000cmを注ぎ密閉した。続いて密閉した液体容器を40℃雰囲気下で10日間静置した後、液体容器からエタノール水溶液を取り出し、液体クロマトグラフ質量分析にて、紫外線硬化性オフセットインキ層上に設けた接着剤層とその上に積層するシーラントフィルムを通して、オフセットインキ層より光重合性開始剤成分がエタノール水溶液中に溶出する溶出量によって、次の3段階の基準で評価した。
○:500ppb未満
△:500ppb以上1000ppb未満
×:1000ppb以上
Figure 0007463873000001


Figure 0007463873000002
Figure 0007463873000003


Figure 0007463873000004


Figure 0007463873000005

表中、空欄は未配合の略である。また表に記載のモノマーの分子量は各モノマーメーカーのカタログに記載の値もしくは、カタログに記載の構造から計算したものである。但し、分子量分布は考慮していない。
使用した原料の詳細は下記である。
ヘリオゲンブルーD7079:PB15:3
ネオライトSA300:竹原化学工業株式会社製コロイダル炭酸カルシウム
Solsperse 24000 GR:Lubrizol社製 塩基性分散剤
炭酸マグネシウムTT:ナイカイ塩業株式会社製炭酸マグネシウム
S-381-N1:Shamrock社製ワックス
KTL4N 株式会社喜多村製PTFEワックス
ステアラーTBH:精工化学株式会社製 tert-ブチルハイドロキノン
Omnirad 819:IGM社製 bis(2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィンオキシド
Omnirad 369:2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルフォリノブチロフェノン
Omnirad 907:2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン
TINOPAL OB CO:BASF社製蛍光増白剤
エポキシエステル樹脂:DIC製のルクシディアV-3221に使用されているエポキシエステル樹脂をトリメチロールプロパントリアクリレートに溶解させたワニス
SR355NS:Arkema Sartomer社製 ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
Miramer M-300:Miwon社製トリメチロールプロパントリアクリレート
Miramer M-3130:Miwon社製EO3トリメチロールプロパントリアクリレート
Miramer M-3160:Miwon社製EO6トリメチロールプロパントリアクリレート
Miramer M-3190:Miwon社製EO9トリメチロールプロパントリアクリレート
SR9035:Arkema Sartomer社製 EO15トリメチロールプロパントリアクリレート
サイリシア350D:富士シリシア化学社製 粒子径3.9μm コロイド状シリカ
サイリシア740:富士シリシア化学社製 粒子径5.0μm コロイド状シリカ
サイリシア310P:富士シリシア化学社製 粒子径2.6μm コロイド状シリカ
エポスターM05:株式会社日本触媒製 粒子径5.2μmベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物
エポスターL15:株式会社日本触媒製 粒子径9μmベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物
トスパール130:モメンティブ社製 粒子径3μm真球状シリコーン微粒子
トスパール145:モメンティブ社製 粒子径4.5μm真球状シリコーン微粒子
トスパール1100:モメンティブ社製 粒子径10μm真球状シリコーン微粒子
略語は下記の通りである。
EO平均付加モル数:エチレンオキサイド平均付加モル数
EO変性TMPTA:エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
この結果、実施例で示される本発明の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキは、各種物性に優れることが明らかである。

Claims (7)

  1. エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、及びワニスを含有する平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキであって、
    (1)前記エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーが、エチレンオキサイドの平均付加モル数が1分子当たり4~9モルであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートであり、
    (2)前記ワニスが、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ロジン、及びポリオール化合物を必須の反応原料とするポリエステル樹脂である
    ことを特徴とする平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
  2. 前記エチレンオキサイドの平均付加モル数が1分子当たり4~9モルであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを、インキ組成物中5~15質量%含有し、前記ポリエステル樹脂をインキ組成物中10~50質量%含有する請求項1に記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
  3. 前記ポリエステル樹脂の酸価が1~15mgKOH/gである請求項1または2に記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
  4. レーザー散乱光により測定した平均粒子径が3~6μmの無機または有機微粒子をインキ組成物中に1~5質量%含有する請求項1~3のいずれかに記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
  5. 数平均分子量300以上の光重合開始剤をインキ組成物中に2~10質量%含有する請求項1~4のいずれかに記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の平版オフセット印刷用活性エネルギー線硬化型インキを用いてオフセット印刷し、印刷されたインキを活性エネルギー線を用いて硬化させることを特徴とするインキ硬化物の製造方法。
  7. 請求項6に記載のインキ硬化物の製造方法で得られた印刷物。
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