JP7462861B2 - 車両用配光制御装置 - Google Patents

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Description

本開示は、車両用配光制御装置に関するもので、より具体的には、自車両がハイビームで走行しているとき、自車両を追い越してゆく追い越し車両にグレアを与えないようにするものである。
従来、前方を撮影するフロントカメラとしての前方撮影部を備え、この前方撮影部によって検知した前方車両にグレアを与えないように配光制御するものがあった。しかしながら、フロントカメラの死角地帯から画角内に侵入する他車両があった場合、他車両が自車両の前照灯の照射領域に侵入してから、カメラが他車両を認識してグレアを抑制する制御を開始するまでに時間遅れを生じており、この間、他車両にグレアを与え続けることになる。そこで、例えば特許文献1には、自車両の前側方および後ろ側方の死角地帯を感知する感知センサを備え、自車両に対して死角地帯から近づく他車両を感知した場合に、予めハイビームからロービームに変更する、または、一部領域を予め消灯するという技術が開示されている。
特開2021-109644号公報
しかしながら特許文献1に記載された従来技術は、死角地帯から近づく他車両を感知した場合、ハイビームからロービームに切り替える、または他車両側を照射するランプを消灯して一部領域を予め消すというものであり、死角地帯から他車両が近づいた場合に予め定められたランプを一律に消灯するというものであった。すなわち、死角地帯にいる他車両を感知してから当該他車両が感知範囲外に消失するまで予め定められたランプを一律に消灯するものであるから、長時間に亘ってドライバの視界を大きく犠牲にするという問題があった。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、死角地帯から近づく追い越し車両を検知した場合であっても、追い越し車両へグレアを与えることなく、かつ、自車両の運転者の視界も確保することを目的とする。
本開示に係る車両用配光制御装置は、車両前方および後方に設けられ自車両を追い越す追い越し車両を検知する測距センサにより出力された測距情報を受信する受信部と、測距情報に基づいて自車両と追い越し車両との車幅方向の離隔距離および追い越し車両の角部を検知する位置演算部と、角部に基づいて追い越し車両の相対速度を算出する相対速度演算部と、離隔距離および相対速度に基づいて追い越し車両の方向を予測するグレア発生方向演算部と、予測した方向を照射しないようヘッドライトに対して遮光指示する配光制御部と、を備え、追い越し車両の前方角部および後方角部の検知時刻と相対速度とに基づいて算出した追い越し車両の車両長に基づいて追い越し車両の車種を判別する車両長演算部をさらに備え、車両長演算部は自車両前方および後方の測距センサの両方で追い越し車両の前方角部を検知し、かつ追い越し車両の前方角部を検知した後追い越し車両が自車両よりも予め定めた距離先行した場合であって、車両後方の測距センサによって追い越し車両の後方角部を検知できていない場合は、追い越し車両が大型車であると判断す
追い越し車両が自車両の前方を撮像する撮像装置の死角から接近して自車両を追い越していったとしても、追い越し車両へのグレアを抑制するとともに長時間に亘って自車両の運転者の視界を犠牲にすることを抑制することができる。
実施の形態1に係る車両用配光制御装置による配光制御の態様の一例を示す図である。 実施の形態1に係る車両用配光制御装置の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る車両用配光制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態1において自車両の右後方から近づく追い越し車両を、右後方測距センサが検知し始めた状況の一例を示す図である。 実施の形態1において右後方測距センサが追い越し車両の左前方角部を検知した後、追い越し車両の左側部を検知している状況の一例を示す図である。 実施の形態1において右前方測距センサが追い越し車両を検知し始めており、かつ右後方測距センサが追い越し車両の左後方角部を検知したときの状況の一例を示す図である。 実施の形態1において右前方測距センサが、追い越し車両の左前方角部を検知した後、追い越し車両の左側部を検知しており、かつ右後方測距センサが、追い越し車両の左後方角部を検知しなくなった状況の一例を示す図である。 実施の形態2に係る車両用配光制御装置の構成例を示すブロック図である。 実施の形態2に係る車両用配光制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態1および実施の形態2に係る車両用配光制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
実施の形態1における車両用配光制御装置1について図1から図7を用いて説明する。 本実施の形態1における車両用配光制御装置1は車両に搭載され、追い越し車両の運転者に発生すると予想されるグレアを抑制するための配光制御を実施する。
図1は、本実施の形態1における車両用配光制御装置1による配光制御の態様の一例を示す図である。図1において、車両2は、本実施の形態1における車両用配光制御装置1を搭載した車両である(以下、「自車両」と記載する。)。
車両3は、自車両2より大きい速度で走行するとともに、自車両2を追い越す他車両(以下、「追い越し車両」と記載する。)である。自車両2を追い越す前の追い越し車両3を点線の追い越し車両3aで示す。また、自車両2を追い越した後の追い越し車両3を実線の追い越し車両3bで示す。
自車両2には、車両の前後左右に測距センサ4L、4R、5L、5Rが設けられている。ここで、左前方測距センサを4L、右前方測距センサを4R、左後方測距センサを5L、右後方測距センサを5Rとする。
記号FSL、FSR、RSL、RSRは、測距センサ4L、4R、5L、5Rの検知範囲を示す。また、記号Hiは、自車両2のヘッドライトによって照明される走行灯の配光エリアを示す。配光エリアHiにおいて破線と実線で囲まれた範囲Glは、追い越し車両3の運転者にグレアを発生させる範囲(以下、「グレア発生範囲」と記載する。)、即ちヘッドライトを減光すべき領域(以下、「遮光領域」と記載する。)を示す。矢印TP1は、自車両2の進行方向を示す。
追い越し車両3のサイドミラーを記号SMで示す。また、記号FCは、追い越し車両3の前方角部を示す。記号RCは、追い越し車両3の後方角部を示す。矢印TP2は、追い越し車両3の進行方向を示す。
以降の説明において、図1に示すように、追い越し車両3は、右側車線を自車両2より大きい速度で走行しており、自車両2の右後方から自車両2を追い越すものとして説明する。ここで、サイドミラーSMは、左サイドミラーであるとして説明する。なお、右サイドミラーは図示を省略する。また、追い越し車両3の前方角部FCは左前方角部であり、後方角部RCは左後方角部であるとして説明する。また、x軸方向を車両の進行方向、y軸方向を車幅方向、z軸方向を車両の上下方向であるとして説明する。
車両用配光制御装置1は、測距センサの検知結果を用いて算出した、自車両2と追い越し車両3との相対速度および自車両2と追い越し車両3との車幅方向の車間距離(以下、「離隔処理」と記載する。)に基づいて、自車両2の配光エリアHiにおいて追い越し車両3の運転者にグレアを与える追い越し車両3の方向を正確に予測する。そして、車両用配光制御装置1は、予測した方向を照射しないようにし、グレア発生範囲Glを遮光することによって、追い越し車両3の運転者へのグレア発生を抑制するものである。
即ち、追い越し車両3の運転者にグレアを発生させる追い越し車両3の方向とタイミングを正確に予測して、グレアを発生させる範囲を遮光でき、自車両2の配光エリアの減少を必要最低限に抑えることができるため、自車両2の運転者の視界を犠牲にすることが少ない配光を可能とするものである。
ここで、車両用配光制御装置1が、追い越し車両3の運転者にグレアを発生させる追い越し車両3の方向を予測し、グレア発生範囲Glを遮光する処理について説明する。
図1において、記号X1は、自車両2から追い越し車両3bの左前方角部FCまでのx軸方向の距離を示す。具体的には、本実施の形態1では、記号X1は、自車両2の中央前端部FRから追い越し車両3の左前方角部FCまでのx軸方向の距離を示す。
記号X2は、自車両2の中央前端部FRから追い越し車両3のサイドミラーSMまでのx軸方向の距離を示す。
記号ΔXは、追い越し車両3の左前方角部FCと左サイドミラーSMとの間の距離を示す。
また、図1において、記号Y1は、自車両2と追い越し車両3との離隔距離を示す。記号Y2は、自車両2の中央前端部FRから追い越し車両3の左サイドミラーSMまでのy軸方向の距離を示す。
記号Wは、自車両2の車幅であり車種毎に決定される既知の値である。記号SDは、右前方測距センサ4Rと右後方測距センサ5Rとの距離(以下、「測距センサ間距離」と記載する。)を示す。測距センサ間距離SDは、車種ごとに決定される既知の値である。
記号Dは、右前方測距センサ4Rから自車両2の中央前端部FRまでのx軸方向における距離であり車種毎に決定される既知の値である。
角度θは、追い越し車両3の運転者にグレアを発生させる追い越し車両3の方向を示す(以下、「遮光角度」と記載する。)。ここで、車両用配光制御装置1は、遮光角度θを追い越し車両3の左サイドミラーSMの方向を基準に演算する。これは、左サイドミラーSMに照射された光が反射し運転者にグレアを与えるため、左サイドミラーSMの方向が、運転者にグレアを与える限界方向であるからである。
車両用配光制御装置1は、測距センサ間距離SD、追い越し車両3aが自車両2を追い越すときに、左前方角部FCが右前方測距センサ4Rに検知された時刻T1、および左前方角部FCが右後方測距センサ5Rに検知された時刻T2を用いて、式(1)によって追い越し車両3aの相対速度Vrを算出する。

Vr=SD/(T1-T2)・・・(1)

また、車両用配光制御装置1は、右後方測距センサ5Rの検知結果に基づいて離隔距離Y1を算出する。離隔距離Y1の算出方法は後述する。
そして、車両用配光制御装置1は、左前方角部FCを検知してから追い越し車両3aが相対速度Vrで走行を続けた場合の、T秒後の追い越し車両3bの方向を、相対速度Vrおよび離隔距離Y1に基づいて予測する。
具体的には、車両用配光制御装置1は、相対速度Vrおよび距離Dを用いて、式(2)によって、T秒後の距離X1を算出する。

X1=T*Vr-D・・・(2)

その後、車両用配光制御装置1は、式(3)によって追い越し車両3bの方向、即ち遮光角度θを予測する。

θ=tan-1X2/Y2=tan-1(X1-ΔX)/(Y+W/2)・・・(3)

そして、車両用配光制御装置1は、予測した遮光角度θが示す方向を照射しないようにし、グレア発生範囲Glを遮光する。
図2は本実施の形態1における車両用配光制御装置1の構成例を示すブロック図である。
車両用配光制御装置1には、前方測距センサ4、後方測距センサ5、撮像装置6およびヘッドライト7が接続されている。
測距センサは、超音波センサであり探査波の検知時間および検知距離の情報を含む測距情報を後述する受信部11へ送信する。
前方測距センサ4および後方測距センサ5は、自車両2を追い越す追い越し車両3を検知する。前方測距センサ4は、図1に示すように自車両2の前方の左右側方に設けられた測距センサ4Rおよび4Lである。後方測距センサ5は、図1に示すように自車両2の後方の左右側方に設けられた測距センサ5Rおよび5Lである。
以降の説明において、前方測距センサ4は右前方測距センサ4Rであり、後方測距センサ5は右後方測距センサ5Rであるする。なお、測距センサは、ミリ波レーダーまたはLiDAR(Light Detection And Ranging)であってもよい。
撮像装置6は、自車両2の車両進行方向を撮影するように自車両2に設けられている。撮像装置6は、車両進行方向を撮影するとともに、撮像画像に基づいて自車両2の前方車両、即ち追い越し車両3を検知する。撮像装置6は、検知した追い越し車両3の方向を後述する配光制御部15へ送信する。なお、以降の説明において、撮像装置6は、追い越し車両3のリアランプ(図示しない)を検知することによって、追い越し車両3を検知するものとするが、これに限られない。
ヘッドライト7は、すれ違い用前照灯(ロービーム)および走行用前照灯(ハイビーム)を含む。走行用前照灯は、配光パターンを制御することができる配光可変灯(以下、「ADB(Advanced Driving Beam)」と記載する。)である。ADBは、特定のエリアを遮光するとともに他のエリアは照射することが可能である。
車両用配光制御装置1は、受信部11、位置演算部12、相対速度演算部13、グレア発生方向演算部14および配光制御部15を備える。
受信部11は、右前方測距センサ4Rおよび右後方測距センサ5Rにより送信された測距情報を受信する。そして、受信部11は、受信した測距情報を時系列の情報として位置演算部12へ送信する。
位置演算部12は、受信部11により送信された測距情報に基づいて自車両2と追い越し車両3との離隔距離Y1および追い越し車両3の角部を検知する。
ここで、角部は、追い越し車両3の左前方角部FCである。位置演算部12は、右前方測距センサ4Rおよび右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3の左前方角部FCを検知したときの各測距情報を特定するとともに相対速度演算部13へ送信する。
また、位置演算部12は、離隔距離Y1および右前方測距センサ4Rが左前方角部FCを検知したときの測距情報を、グレア発生方向演算部14へ送信する。
相対速度演算部13は、位置演算部12により検知された角部に基づいて追い越し車両3の相対速度を算出する。具体的には、相対速度演算部13は、位置演算部12により送信された各測距情報に含まれる検知時刻に基づいて、追い越し車両3の相対速度Vrを算出する。
相対速度演算部13は、右前方測距センサ4Rが追い越し車両3の左前方角部FCを検知したときの測距情報に含まれる時刻T1、右後方測距センサ5Rが追い越し車両3の左前方角部FCを検知したときの測距情報に含まれる時刻T2、および測距センサ間距離SDを用いて、式(1)によって追い越し車両3の相対速度Vrを算出する。そして、相対速度演算部13は、算出した相対速度Vrをグレア発生方向演算部14へ送信する。
グレア発生方向演算部14は、位置演算部12によって送信された離隔距離Y1および相対速度演算部13によって送信された相対速度Vrに基づいて、追い越し車両3の方向を予測する。具体的には、グレア発生方向演算部14は、離隔距離Y1および相対速度Vrを用いて、上述した式(3)によって遮光角度θを算出する。そして、グレア発生方向演算部14は、予測した方向を配光制御部15に送信する。
配光制御部15は、グレア発生方向演算部14により送信された追い越し車両3の方向を照射しないように、ヘッドライト7に対して配光の一部を遮光するよう指示する。
また、配光制御部15は、撮像装置6により追い越し車両3が検知された場合、撮像装置6から受信した追い越し車両3の方向に基づいて、追い越し車両3を照射しないように、ヘッドライト7に対して配光の一部を遮光するよう指示する。
即ち、配光制御部15は、追い越し車両3が撮像装置6によって検知されるまでは、グレア発生方向演算部14によって算出された方向に基づいて配光制御を行うとともに、追い越し車両3が撮像装置6により検知された後は、撮像装置6により出力された情報に基づいて配光制御を行う。
次に、実施の形態1に係る車両用配光制御装置1の動作について説明する。
図3は、実施の形態1に係る車両用配光制御装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
ここでは、図1に示すように、追い越し車両3が自車両2よりも大きな速度で自車両2を右後方から追い越すものとして説明する。
初めに、右前方測距センサ4Rおよび右後方測距センサ5Rが駆動する。そして、右前方測距センサ4Rおよび右後方測距センサ5Rは測距情報を受信部11に送信する(ステップST101)。
受信部11が、右後方測距センサ5Rにより送信された測距情報を受信した場合(ステップST102の「YES」の場合)、追い越し車両3が存在すると判定し、測距情報を時系列の情報として位置演算部12へ送信する。その後、車両用配光制御装置1の処理は、ステップST103へ進む。一方、受信部11が、右後方測距センサ5Rにより送信された測距情報を受信していない場合(ステップST102の「NO」の場合)、追い越し車両3が存在しないと判定し、車両用配光制御装置1は、ステップST102の処理を繰り返す。
図4は、自車両2の右後方から近づく追い越し車両3を、右後方測距センサ5Rが検知し始めた状況の一例を示す図である。
図4Aは、追い越し車両3が、右後方測距センサ5Rの検知範囲RSRの外から検知範囲RSRの中に入ったときの、自車両2と追い越し車両3との位置関係の一例を示す図である。
また、図4Bは、自車両2の右後方から追い越し車両3が近づき、図4Aの位置関係になるまでに、右後方測距センサ5Rおよび右前方測距センサ4Rによって出力される測距情報の一例を示す図である。図4Bにおいて、縦軸を時間、横軸を測距センサにより出力された検知距離とし、測距センサによる検知結果をプロットしている。
図4Bにおいて、プロット点t51およびプロット点t52は、右後方測距センサ5Rにより出力された測距情報である。
プロット点t51は、右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3を最初に検知したときの検知距離および検知時刻を示す。以降の説明では、右後方測距センサ5Rが追い越し車両3を最初に検知した時刻を基準として説明する。
プロット点t52は、その後、自車両2に近づいた追い越し車両3を、右後方測距センサ5Rが検知したときの測距情報を示す。
ここで、追い越し車両3は、右前方測距センサ4Rの検知範囲FSRに入っていないので、図4Bにおいて、右前方測距センサ4Rの検知結果を示すプロット点はない。
右後方測距センサ5Rは、プロット点t51及びプロット点t52に対応する測距情報を受信部11に送信する。そして、受信部11は、右後方測距センサ5Rにより送信された測距情報を受信する。受信部11は、右後方測距センサ5Rにより送信された測距情報を受信したので(ステップST102の「YES」の場合)、追い越し車両3が存在すると判定し、測距情報を時系列の情報として位置演算部12へ送信する。
続いて、位置演算部12は、受信部11により送信された測距情報に基づいて、右後方測距センサ5Rによって追い越し車両3の左前方角部FCが検知されたときの測距情報を特定する(ステップST103)。
図5は、図4に示す状況から追い越し車両3が、さらに前進したときの状況を示す図である。図5は、右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3の左前方角部FCを検知した後、追い越し車両3の左側部を検知している状況の一例を示す図である。図5Aは、右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3の左前方角部FCを検知した後、追い越し車両3の左側部を検知しているときの、自車両2と追い越し車両3との位置関係の一例を示す図である。
図5Bは、自車両2の右後方から追い越し車両3が近づいてから図5Aの状況になるまでに、右後方測距センサ5Rおよび右前方測距センサ4Rによって出力される測距情報の一例を示す図である。図5Bにおいて、プロット点t53からプロット点t55は、図4Aの状況から図5Aの状況になるまでに、右後方測距センサ5Rにより出力された測距情報である。
プロット点t53は、右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3の左前方角部FCを検知したときの測距情報を示す。また、プロット点t54およびt55は、右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3の左側部を検知しているときの測距情報を示す。追い越し車両3が自車両2と並走しており、右後方測距センサ5Rは、追い越し車両3の左側部を検知しているため、右後方測距センサ5Rにより送信される検知距離は、プロット点t53からプロット点t55に示すようにばらつきが少なくなってほぼ一定となる。
なお、追い越し車両3が、右前方測距センサ4Rの検知範囲FSRに入っていないので、図5Bにおいて、右前方測距センサ4Rの検知結果を示すプロット点はない。
ここで、位置演算部12は、図5Bに示す測距情報に基づいて、右後方測距センサ5Rによって、追い越し車両3の左前方角部FCが検知されたときの測距情報を特定する。具体的には、位置演算部12は、右後方測距センサ5Rの測距情報において、検知距離のばらつきが少なくほぼ一定となっている範囲の複数の測距情報のうち、最初の測距情報、即ち、図5Bのプロット点t53を、左前方角部FCが、右後方測距センサ5Rによって検知されたときの測距情報として特定する(ステップST103)。そして、位置演算部12は、特定した測距情報t53を相対速度演算部13へ送信する。
続いて、受信部11が、右前方測距センサ4Rにより送信された測距情報を受信した場合(ステップST104の「YES」の場合)、即ち、右前方測距センサ4Rによって追い越し車両3が検知された場合、追い越し車両3が自車両2の側方まで進行してきたと判定し、車両用配光制御装置1の処理はステップST105へ進む。
一方、受信部11が、右前方測距センサ4Rにより送信された測距情報を受信していない場合(ステップST104の「NO」の場合)、追い越し車両3が自車両2の側方まで進行していないと判定し、車両用配光制御装置1は、ステップST104の処理を繰り返す。
図6は、図5に示す状況から追い越し車両3がさらに前進したときの状況を示す図である。図6は、右前方測距センサ4Rが追い越し車両3を検知し始めており、かつ右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3の左後方角部RCを検知したときの状況の一例を示す図である。
図6Aは、追い越し車両3が、右前方測距センサ4Rの検知範囲FSRの外から検知範囲FSRの中に入ったとき、かつ、右後方測距センサ5Rが追い越し車両3の左後方角部RCを検知したときの、自車両2と追い越し車両3との位置関係の一例を示す図である。
図6Bは、自車両2の右後方から追い越し車両3が近づいてから図6Bの状況になるまでに、右後方測距センサ5Rおよび右前方測距センサ4Rによって出力される測距情報の一例を示す図である。
図6Bにおいて、プロット点t56およびプロット点t57は、図5Aの状況から図6Aの状況になるまでに、右後方測距センサ5Rにより出力された測距情報である。また、プロット点t41およびプロット点t42は、右前方測距センサ4Rにより出力された測距情報である。
プロット点t56は、右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3の左側部を検知したときの測距情報である。そして、プロット点t57は、右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3の左後方角部RCを検知したときの測距情報である。自車両2と追い越し車両3は並走しているため、プロット点t56およびプロット点t57は、プロット点t53からプロット点t55と同様に検知距離のばらつきが少なくなってほぼ一定となる。
また、プロット点t41は、右前方測距センサ4Rが追い越し車両3を最初に検知したときの測距情報を示す。プロット点t42は、その後、前進した追い越し車両3を、右前方測距センサ4Rが検知したときの測距情報を示す。
受信部11は、右後方測距センサ5Rおよび右前方測距センサ4Rによって出力された測距情報を受信する(ステップST104)。
そして、受信部11は、右前方測距センサ4Rにより送信された測距情報を受信したので(ステップST104の「YES」の場合)、追い越し車両3が自車両2の側方まで進行してきたと判定し、右後方測距センサ5Rおよび右前方測距センサ4Rによって出力された測距情報を時系列の情報として位置演算部12へ送信する。
次に、位置演算部12は、受信部11により送信された測距情報に基づいて、右前方測距センサ4Rによって、追い越し車両3の左前方角部FCが検知されたときの測距情報を特定する(ステップST105)。その後、位置演算部12は、右後方測距センサ5Rの測距情報に基づいて、自車両2と追い越し車両3との離隔距離Y1を算出する(ステップST106)。
図7は、図6に示す状況から追い越し車両3がさらに前進したときの状況を示す図である。図7は、右前方測距センサ4Rが、追い越し車両3の左前方角部FCを検知した後、追い越し車両3の左側部を検知しており、かつ右後方測距センサ5Rが、追い越し車両3の左後方角部RCを検知しなくなった状況の一例を示す図である。
図7Aは、右前方測距センサ4Rが、追い越し車両3の左前方角部FCを検知した後、追い越し車両3の左側部を検知しており、かつ追い越し車両3の左後方角部RCが、右後方測距センサ5Rの検知範囲RSRの中から検知範囲RSRの外に出たときの、自車両2と追い越し車両3との位置関係の一例を示す図である。
図7Bは、自車両2の右後方から追い越し車両3が近づいてから図7Aの状況になるまでに、右後方測距センサ5Rおよび右前方測距センサ4Rによって出力される測距情報の一例を示す図である。
図7Bにおいて、プロット点t58およびプロット点t59は、図6Aの状況から図7Aの状況になるまでに、右後方測距センサ5Rにより出力された測距情報である。また、プロット点t43からプロット点t45は、右前方測距センサ4Rにより出力された測距情報である。
プロット点t58およびプロット点t59は、追い越し車両3が、右後方測距センサ5Rから離れていくとき、即ち検知範囲RSRの中から検知範囲RSRの外へ出ていくときに、右後方測距センサ5Rにより出力される測距情報である。追い越し車両3が、右後方測距センサ5Rから離れていくため、時間経過とともに検知距離が長くなる。
プロット点t43は、右前方測距センサ4Rが、追い越し車両3の左前方角部FCを検知したときの測距情報を示す。また、プロット点t44およびプロット点t45は、右前方測距センサ4Rが、追い越し車両3の左側部を検知しているときの測距情報を示す。
追い越し車両3が自車両2と並走しており、右前方測距センサ4Rが追い越し車両3の左側部を検知しているため、右前方測距センサ4Rにより送信される検知距離はt43からプロット点t45に示すようにばらつきが少なくなってほぼ一定となる。
ここで、位置演算部12は、図7Bに示す測距情報に基づいて、右前方測距センサ4Rによって追い越し車両3の左前方角部FCが検知されたされたときの測距情報を特定する。具体的には、位置演算部12は、右前方測距センサ4Rの測距情報において、検知距離のばらつきが少なくほぼ一定となっている範囲の複数の測距情報のうち、最初の測距情報、即ち、図7Bのプロット点t43を、左前方角部FCが右前方測距センサ4Rによって検知された測距情報として特定する(ステップST105)。そして、位置演算部12は、特定した測距情報t43を相対速度演算部13へ送信する。
また、位置演算部12は、右後方測距センサ5Rによって出力された測距情報に基づいて自車両2と追い越し車両3の離隔距離Y1を算出する(ステップST106)。具体的には、位置演算部12は、右前方測距センサ4Rによって追い越し車両3の左前方角部FCが検知された場合に、右後方測距センサ5Rの測距情報において、検知距離のばらつきが少なくほぼ一定となっている範囲の複数の測距情報、例えばプロット点t54からプロット点t56の検知距離の平均値を離隔距離Y1として算出する。
そして、位置演算部12は、離隔距離Y1および左前方角部FCが右前方測距センサ4Rに検知されたときの測距情報t43を、グレア発生方向演算部14に送信する。
続いて、相対速度演算部13は、位置演算部12により検知された角部に基づいて追い越し車両3の相対速度を算出する(ステップST107)。具体的には、右前方測距センサ4Rおよび右後方測距センサ5Rによって追い越し車両3の左前方角部FCが検知された各時刻に基づいて、追い越し車両3の相対速度Vrを算出する(ステップST107)。そして、追い越し車両3は、算出した相対速度Vrをグレア発生方向演算部14へ送信する。
ここでは、相対速度演算部13は、位置演算部12から受信した、右前方測距センサ4Rによって左前方角部FCが検知されたときの測距情報t43に含まれる検知時刻T1、右後方測距センサ5Rによって左前方角部FCが検知されたときの測距情報t53に含まれる検知時刻T2、および既知の値である測距センサ間距離SDを用いて、上述した式(1)によって追い越し車両3の相対速度Vrを算出する(ステップST107)。そして、相対速度演算部13は、相対速度Vrをグレア発生方向演算部14へ送信する。
その後、グレア発生方向演算部14は、位置演算部12によって算出された離隔距離および相対速度演算部13によって算出された追い越し車両3の相対速度に基づいて追い越し車両の方向を予測する(ステップST108)。具体的には、上述した式(3)に基づいて遮光角度θを算出する。
そして、配光制御部15は、グレア発生方向演算部14により算出されたグレア発生方向を照射しないようヘッドライト7に対して配光の一部を遮光するよう指示する(ステップST109)。
図1において、実線で示した追い越し車両3bは、追い越し車両3が自車両2を追い越したときの状況、即ちグレア発生方向演算部14が予測した追い越し車両3の状況の一例である。具体的には、追い越し車両3bは、追い越し車両3の左前方角部FCが右前方測距センサ4Rに検知されてからT秒後の追い越し車両3の状況の一例である。
グレア発生方向演算部14は、位置演算部12から離隔距離Y1および左前方角部FCが右前方測距センサ4Rに検知されたときの測距情報を受信する。また、グレア発生方向演算部14は、相対速度演算部13から相対速度Vrを受信する。そして、グレア発生方向演算部14は、左前方角部FCが検出されてから追い越し車両3が相対速度Vrで走行を続けた場合のT秒後の追い越し車両3bの方向を予測する。具体的には、グレア発生方向演算部14は、上述した式(3)によって、遮光角度θを算出する(ステップST108)。
配光制御部15は、グレア発生方向演算部14によって送信されたグレア発生方向、即ち遮光角度θの方向を照射しないように、ヘッドライト7に対して配光の一部を遮光する指示を行う(ステップST109)。具体的には、配光制御部15は、遮光角度θに基づいて、図1に示すグレア発生範囲Glを照射しないように、ヘッドライト7に対して遮光指示を行う。
配光制御部15は、撮像装置6によって追い越し車両3が検知され、撮像装置6によって送信された追い越し車両3の方向を受信した場合、(ステップST110の「YES」の場合)、受信した方向を照射しないようヘッドライト7に対して配光の一部を遮光するよう指示する(ステップST111)。一方、撮像装置6によって追い越し車両3が検知されていない場合(ステップST110の「NO」の場合)、ステップST108の処理へ戻る。
これは、時間の経過に伴い変化する追い越し車両3の方向に応じて、グレア発生範囲Glが変化するため、車両用配光制御装置1が、そのグレア発生範囲Glの変化に追従するように、相対速度Vr等の情報に基づいて、遮光領域を制御するためである。具体的には、車両用配光制御装置1は、追い越し車両3が現在の相対速度Vrで走行を続けた場合の追い越し車両3の方向を予測し、予測した方向での追い越し車両3のグレア発生範囲Glを演算している。
なお、上述した追い越し車両3の方向に追従した遮光制御は、追い越し車両3が自車両2の前方に位置したときから、撮像装置6によって検知されるまでの短期間になされるものであるから、追い越し車両3の車速が変化した場合であっても大きな誤差は生じない。
以上のように、車両用配光制御装置1は、追い越し車両との相対速度および離隔距離に基づいて、自車両の配光エリアにおいて追い越し車両の運転者にグレアを与える、追い越し車両の方向を正確に予測する。そして、車両用配光制御装置1は、予測した方向を照射しないようにすることによって、追い越し車両の運転者へのグレア発生を抑制するものである。
即ち、追い越し車両の運転者にグレアを発生させる追い越し車両の方向とタイミングを正確に予測して、グレアを発生させる範囲を遮光でき、自車両の配光エリアの減少を必要最低限に抑えることができる。
そのため、追い越し車両が自車両の前方を撮像する撮像装置の死角から自車両を追い越していったとしても、追い越し車両へのグレアを抑制するとともに長時間に亘って自車両の運転者の視界を犠牲にすることを抑制することができる。
なお、追い越し車両3の方向、即ち遮光角度θを自車両2の中央前端部FRを基準に算出するものとして説明したが、これに限られない。例えば、自車両2の右ヘッドライトの位置を基準に遮光角度θを算出するとしてもよい。この場合、距離X2は、自車両2の右ヘッドライトから追い越し車両3の左サイドミラーSMまでのx軸方向の距離となる。また、距離Y2は、自車両2の右ヘッドライトから追い越し車両3の左サイドミラーSMまでのy軸方向の距離となる。
ここで、距離Dは、右前方測距センサ4Rから右ヘッドライトまでのx軸方向における距離であり、車種毎に決定される既知の値を用いればよい。また、自車両2の右側面から右ヘッドライトまでの距離は、車種ごとに決定される既知の値であるため、その距離に離隔距離Y1を加算することで、距離Y2を算出すればよい。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る車両用配光制御装置1aの構成例を示す図である。実施の形態2に係る車両用配光制御装置1aは、図2に示された実施の形態1の車両用配光制御装置1に車両長演算部16が追加された構成である。図8において図2と同一または相当する部分は、同一の符号を付し説明を省略する。
実施の形態1に係る車両用配光制御装置1では、追い越し車両3の左前方角部FCと左サイドミラーSMとの間の距離が一定であるとして説明した。しかし、追い越し車両3の車種によってその距離は異なる。
そこで、車両用配光制御装置1aは、追い越し車両3の車両長を算出することによって追い越し車両3の車種を判別し、その車種に基づいて追い越し車両3の左サイドミラーSMの位置、具体的には、左前方角部FCと左サイドミラーSMとの間の距離ΔXを推定する。
これにより、追い越し車両3の車種に応じて、追い越し車両3の運転者にグレアを発生させる方向を予測することが可能となるため、他車両へのグレアを抑制するとともに長時間に亘って自車両2の運転者の視界を犠牲にすることを抑制することができる。
ここで、車種とは、車両が軽自動車等の小型車、普通車またはトラック等の大型車であるかを示す情報である。そして、同一の車種であれば車両におけるサイドミラーの位置に大きな差異がないことから、車種毎に予め定められた距離ΔXaを定義している。
位置演算部12aは、追い越し車両3の左前方角部FCおよび左後方角部RCが自車両2の右後方測距センサ5Rによって検知されたときの測距情報を特定し、各測距情報を車両長演算部16へ送信する。
また、相対速度演算部13aは、算出した相対速度Vrを車両長演算部16へ送信する。
車両長演算部16は、追い越し車両3の左前方角部FCおよび左後方角部RCの検知時刻と相対速度Vrとに基づいて算出した追い越し車両3の車両長に基づいて、追い越し車両3の車種を判別する。そして、車両長演算部16は、判別した車種をグレア発生方向演算部14aへ送信する。
ここで、追い越し車両3の左前方角部FCおよび左後方角部RCの検知時刻は、位置演算部12aによって送信された各測距情報に含まれる検知時刻である。
車両長演算部16は、位置演算部12aによって送信された各測距情報に含まれる検知時刻の差Δtを算出する。Δtは、追い越し車両3の左前方角部FCが右後方測距測距センサ5Rによって検知されてから、左後方角部RCが右後方測距センサ5Rによって検知されるまでに要した時間である。
そして、車両長演算部16は、相対速度Vrおよび検知時刻の差Δtに基づいて、式(4)によって追い越し車両3の車両長Lを算出する。

L=Vr*Δt・・・(4)
車両長演算部16は、例えば、車両長Lが予め定められた車両長L1より短い場合、追い越し車両3の車種が軽自動車であると判別する。また、車両長演算部16は、車両長Lが、車両長L1より長く、かつ予め定められた車両長L2より短い場合、追い越し車両3の車種が普通車であると判別する。また、車両長演算部16は、車両長Lが車両長L2より長い場合、追い越し車両3の車種が大型車であると判別する。
グレア発生方向演算部14aは、車両長演算部16によって送信された車種に基づいて予測したグレア発生方向を調整する。
グレア発生方向演算部14aは、車種に基づいて追い越し車両3の左前方角部FCと左サイドミラーSMとの間の距離ΔXaを推定する。例えば、グレア発生方向演算部14aは、車種と距離ΔXaとの対応関係を図示しないメモリに記憶しており、その対応関係を参照することによって車種に対応する距離ΔXaを推定する。そして、グレア発生方向演算部14aは推定した距離ΔXaを用いて、グレア発生方向を調整する。
具体的には、グレア発生方向演算部14aは、上述した式(3)において、予め定められた距離ΔXに替えて、車種に基づいて推定した距離ΔXaを用いて遮光角度θを算出する。
次に、実施の形態2に係る車両用配光制御装置1aの動作について説明する。
図9は、実施の形態2に係る車両用配光制御装置1aの動作を説明するためのフローチャートである。なお、図9のステップST201からステップST207、およびステップST211からステップST213の処理は、図3のステップST101からステップST107、およびステップST109からステップST111の処理と同じであるため説明を省略する。
ここでは、実施の形態1と同様に図4Aから図7Aに示すように、追い越し車両3が自車両2よりも大きな速度で自車両2を右後方から追い越すものとして説明する。
また、ステップST201からステップST207の処理の結果、自車両2と追い越し車両3との位置関係は図7Aとなっているものとする。このとき、位置演算部12aによって、右後方測距センサ5Rによって左前方角部FCが検知されたときの測距情報t53、右前方測距センサ4Rによって左前方角部FCが検知されたときの測距情報t43が特定されている。また、位置演算部12aによって、離隔距離Y1が算出されている。
また、相対速度演算部13aによって、相対速度Vrが算出されている。
位置演算部12aは、受信部11により送信された図7Bに示す測距情報に基づいて、右後方測距センサ5Rによって追い越し車両3の左後方角部RCが検知されたときの測距情報を特定する(ステップST208)。
具体的には、位置演算部12aは、右後方測距センサ5Rの測距情報において、検知距離のばらつきが少なくほぼ一定となっている範囲の複数の測距情報のうち、最後の測距情報、即ち図7Bのプロット点t57を特定し、プロット点t57を左後方角部RCが検知されたときの測距情報として特定する。
そして、位置演算部12aは、右後方測距センサ5Rによって左前方角部FCが検知されたときの測距情報t53および左後方角部RCが検知されたときの測距情報t57を、車両長演算部16へ送信する。
車両長演算部16は、位置演算部12aによって送信された各測距情報と、相対速度演算部13aによって算出された相対車速Vrに基づいて、追い越し車両3の車両長を算出するとともに、その車両長に基づいて追い越し車両3の車種を判別する(ステップST209)。
ここでは、車両長演算部16は、測距情報t57に含まれる検知時刻T57、測距情報t53に含まれる検知時刻T53、相対速度Vrに基づいて、上述した式(4)により、車両長L=Vr*(T57-T53)を算出する。そして、算出した車両長Lに基づいて追い越し車両3の車種を判別する。
そして、グレア発生方向演算部14aは、車両長演算部16によって算出された車種に対応した距離ΔXaを推定するとともに、その距離ΔXaを用いて上述した式(3)に基づいて遮光角度θを算出する。(ステップST210)。
以上のように、追い越し車両の車両長を算出し、その車両長により判別した車種に基づいて、追い越し車両の左サイドミラーの方向を推定することとした。
これにより、追い越し車両の車種に応じて、追い越し車両の運転者にグレアを発生させる方向およびタイミングを予測することが可能となるため、追い越し車両へのグレアを抑制するとともに長時間に亘って自車両の運転者の視界を犠牲にすることを抑制することができる。
なお、追い越し車両3が大型車である場合、右後方測距センサ5Rによって追い越し車両3の左後方角部RCが検知されたとき、すでに追い越し車両3が運転者にグレアを発生させる位置まで進行している状況が想定される。
そこで、車両長演算部16は、右前方測距センサ4Rおよび右後方測距センサ5Rの両方によって追い越し車両3の左前方角部FCが検知され、かつ追い越し車両3の左前方角部FCが右前方測距センサ4Rによって検知された後、追い越し車両3が自車両2よりも予め定められた距離先行した場合であって、右後方測距センサ5Rによって追い越し車両3の左後方角部RCが検知されていない場合は、追い越し車両3が大型車であると判断するとしてもよい。
図10A、図10Bは、実施の形態1および実施の形態2に係る車両用配光制御装置1、1aのハードウェア構成の一例を示す図である。実施の形態1に係る車両用配光制御装置1と、実施の形態2に係る車両用配光制御装置1aとは、同様のハードウェア構成を有する。
実施の形態1および実施の形態2において、受信部11と、位置演算部12、12aと、相対速度演算部13、13aと、グレア発生方向演算部14、14aと、配光制御部15と、車両長演算部16の機能は、処理回路21により実現される。すなわち、車両用配光制御装置1、1aが、自車両と追い越し車両との離隔距離および相対速度に基づいて追い越し車両の方向を予測し、その予測した方向を照射しないように、ヘッドライト7に対して配光の一部を遮光する制御を行うための処理回路21を備える。
処理回路21は、図10Aに示すように専用のハードウェアであっても、図10Bに示すようにメモリ23に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)22であってもよい。
処理回路21が専用のハードウェアである場合、処理回路21は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。
処理回路21がCPU22の場合、受信部11と、位置演算部12、12aと、相対速度演算部13、13aと、グレア発生方向演算部14、14aと、配光制御部15と、車両長演算部16の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、または、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。すなわち、受信部11と、位置演算部12、12aと、相対速度演算部13、13aと、グレア発生方向演算部14、14aと、配光制御部15と、車両長演算部16は、メモリ23等に記憶されたプログラムを実行するCPU22、またはシステムLSI(Large-Scale Integration)等の処理回路により実現される。また、メモリ23等に記憶されたプログラムは、受信部11と、位置演算部12、12aと、相対速度演算部13、13aと、グレア発生方向演算部14、14aと、配光制御部15と、車両長演算部16の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ23とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリ、または、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
なお、受信部11と、位置演算部12、12aと、相対速度演算部13、13aと、グレア発生方向演算部14、14aと、配光制御部15と、車両長演算部16の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
また、車両用配光制御装置1、1aは、前方測距センサ4、後方測距センサ5、撮像装置6またはヘッドライト7等との通信を行う、入力インタフェース装置24、および、出力インタフェース装置25を有する。
なお、以上の実施の形態1および実施の形態2では、ハイビームがADBであるとして説明したが、これに限られず配光パターンを制御できないものであってもよい。この場合、配光制御部15は、グレア発生方向演算部によって算出された遮光角度θが示す方向をハイビームで照射しないように、ロービームに切り替えればよい。
なお、本開示は、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1、1a 車両用配光制御装置
2 自車両
3、3a、3b 追い越し車両
4、4L、4R 前方測距センサ
5、5L、5R 後方測距センサ
6 撮像装置
7 ヘッドライト
11 受信部
12、12a 位置演算部
13、13a 相対速度演算部
14、14a グレア発生方向演算部
15 配光制御部
16 車両長演算部
21 処理回路
22 CPU
23 メモリ
24 入力インタフェース装置
25 出力インタフェース装置
Hi ハイビームの配光エリア
Gl グレア発生範囲
FSL 測距センサ4Lの検知範囲
RSL 測距センサ5Lの検知範囲
FSR 測距センサ4Rの検知範囲
RSR 測距センサ5Rの検知範囲
FC 追い越し車両の前方角部
RC 追い越し車両の後方角部
SM サイドミラー
TP1 自車両の進行方向
TP2 追い越し車両の進行方向

Claims (3)

  1. 車両前方および後方に設けられ自車両を追い越す追い越し車両を検知する測距センサにより出力された測距情報を受信する受信部と、
    前記測距情報に基づいて前記自車両と前記追い越し車両との車幅方向の離隔距離および前記追い越し車両の角部を検知する位置演算部と、
    前記角部に基づいて前記追い越し車両の相対速度を算出する相対速度演算部と、
    前記離隔距離および前記相対速度に基づいて前記追い越し車両の方向を予測するグレア発生方向演算部と、
    前記予測した方向を照射しないようヘッドライトに対して遮光指示する配光制御部と、
    を備え
    前記追い越し車両の前方角部および後方角部の検知時刻と前記相対速度とに基づいて算出した前記追い越し車両の車両長に基づいて前記追い越し車両の車種を判別する車両長演算部をさらに備え、
    前記車両長演算部は前記自車両前方および後方の測距センサの両方で前記追い越し車両の前方角部を検知し、かつ前記追い越し車両の前方角部を検知した後前記追い越し車両が前記自車両よりも予め定めた距離先行した場合であって、前記車両後方の測距センサによって前記追い越し車両の後方角部を検知できていない場合は、前記追い越し車両が大型車であると判断することを特徴とする車両用配光制御装置。
  2. 前記グレア発生方向演算部は前記車種に応じて前記予測した方向を調整することを特徴とする請求項1記載の車両用配光制御装置。
  3. 前記配光制御部は車両進行方向を撮影するとともに前記追い越し車両を検知する撮像装置からの情報を受信し前記撮像装置が前記追い越し車両を検知した場合に前記撮像装置から受信した前記追い越し車両の方向を照射しないようヘッドライトに対して遮光指示することを特徴とする請求項1記載の車両用配光制御装置。
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