以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。また、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る作業車両1を説明する。以下、作業車両1が油圧ショベルである場合を例に挙げて本実施形態を説明する。油圧ショベルは建設機械の一例である。
図1は、本実施形態に係る作業車両1を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態の作業車両1は、旋回体2と、走行体7と、作業部8とを備える。
旋回体2は、走行体7により支持されている。具体的には、旋回体2は、例えば、旋回ベアリングを介して、走行体7の上部に配置される。旋回体2は、走行体7により、旋回可能に支持される。
また、旋回体2は、操縦室6を備える。以下、本明細書において、「右」は、操縦室6から前方を見たときの右を示す。「左」は、操縦室6から前方を見たときの左を示す。図1の例では、操縦室6は、旋回体2において、左側の領域に配置されている。本実施形態において、操縦室6は、高さ方向に沿って延びる第1フレーム6a及び第2フレーム6bを含む。第1フレーム6aは、例えば、操縦室6の左前側に位置する。第2フレーム6bは、例えば、操縦室6の右後側に位置する。
さらに、旋回体2は、少なくとも1つの検知部20を備える。本実施形態において、旋回体2は、3つの検知部20を備える。検知部20は、例えば、TOF(Time Of Flight)カメラのような測域センサである。TOFカメラは、例えばライダである。本実施形態において、複数の検知部20は、例えば、操縦室6に配置される。例えば、操縦室6が防振処理されている場合には、検知部20に対する防振処理は省略される場合がある。操縦室6は、例えば、旋回体2の備えるフレーム(ターニングフレーム)に防振ゴムを介して支持される。
複数の検知部20の各々は、作業車両1の周囲環境の状態を検知する。具体的には、複数の検知部20の各々は、例えば、作業車両1の周囲に光を出射して、反射光を受光する。そして、複数の検知部20の各々は、複数の検知部20の各々の検知結果として、受光した反射光に対応する信号を、後述する存在判定部12に出力する。つまり、複数の検知部20の各々は、作業車両1の周囲環境の状態を示す信号を後述する存在判定部12に出力する。なお、検知部20は、例えば、ミリ波レーダ、カメラ、又はステレオカメラであってもよい。
複数の検知部20のうちの1つの検知部21は、例えば、操縦室6の左側であって、操縦室6の前側の上方に配置される。具体的には、検知部21は、例えば、第1フレーム6aの上部に配置されたブラケットのような支持部材21aに支持される。以下、検知部21を、「第1検知部21」と記載する場合がある。なお、支持部材21aには、例えば、カメラが装着されていてもよい。支持部材21aに装着されたカメラは、例えば、作業車両1の左方の環境を撮像する。
また、複数の検知部20のうちの他の1つの検知部22は、例えば、操縦室6の右側であって、操縦室6の後側の上方に配置される。具体的には、検知部22は、例えば、操縦室6の上面から第2フレーム6bに架け渡されたブラケットのような支持部材22aに支持される。以下、検知部22を「第2検知部22」と記載する場合がある。なお、支持部材22aには、例えば、カメラが装着されていてもよい。支持部材22aに装着されたカメラは、例えば、作業車両1の右方の環境を撮像する。
さらに、複数の検知部20のうちの更に他の1つの検知部23は、例えば、操縦室6の右側であって、操縦室6の後側の下方に配置される。具体的には、検知部23は、例えば、操縦室6の第2フレーム6bの下部に配置されたブラケットのような支持部材23aに支持される。以下、検知部23を「第3検知部23」と記載する場合がある。なお、支持部材23aには、例えば、カメラが装着されていてもよい。支持部材23aに装着されたカメラは、例えば、作業車両1の後方の環境を撮像する。
なお、作業車両1の構造に応じて、複数の検知部20の各々の配置は変わる。
作業部8は、作業を実行する。本実施形態において、作業部8は、ブーム3と、アーム4と、バケット5と、ブーム用アクチュエータ50と、アーム用アクチュエータ60と、アタッチメント用アクチュエータ70とを含む。
ブーム3は、旋回体2により、第1回転支点R1(図6参照)を中心に揺動自在に支持されている。
ブーム用アクチュエータ50は、ブーム3を作動させる。具体的には、ブーム用アクチュエータ50は、作動油によって駆動され、第1回転支点R1を中心にブーム3を揺動させる。ブーム用アクチュエータ50は、ブーム用シリンダ51と、ブーム用ピストン52とを含む。ブーム用シリンダ51は、作動油によってブーム用ピストン52を進退させて、ブーム3を作動させる。
アーム4は、ブーム3により、第2回転支点R2を中心に揺動自在に支持されている。
アーム用アクチュエータ60は、アーム4を作動させる。具体的には、アーム用アクチュエータ60は、作動油によって駆動され、第2回転支点R2を中心にアーム4を揺動させる。アーム用アクチュエータ60は、アーム用シリンダ61と、アーム用ピストン62とを含む。アーム用シリンダ61は、作動油によってアーム用ピストン62を進退させて、アーム4を作動させる。
バケット5は、アタッチメントの一種である。バケット5は、アーム4により、第3回転支点R3を中心に揺動自在に支持されている。
アタッチメント用アクチュエータ70は、バケット5を作動させる。具体的には、アタッチメント用アクチュエータ70は、作動油によって駆動され、第3回転支点R3を中心にバケット5を揺動させる。アタッチメント用アクチュエータ70は、アタッチメント用シリンダ71と、アタッチメント用ピストン72とを含む。アタッチメント用シリンダ71は、作動油によってアタッチメント用ピストン72を進退させて、バケット5を作動させる。
走行体7は、作業車両1を走行させる。本実施形態において、走行体7は、クローラー式走行体である。すなわち、走行体7は、一対のクローラー7aと、一対の油圧モーター(不図示)とを備える。以下、一対のクローラー7aのうち、左に位置するクローラー7aを「クローラー7a1」と記載する場合がある。また、一対のクローラー7aのうち、右に位置するクローラー7aを「クローラー7a2」と記載する場合がある。
次に、図2及び図3を参照して、作業車両1をさらに説明する。図2は、作業車両1を示すブロック図である。図2に示すように、作業車両1は、制御装置10と、報知装置30と、エンジン部120と、油圧ポンプ200と、コントロールバルブ300と、作動油タンク400と、旋回角度検知部500とをさらに備える。
制御装置10は、報知装置30及びエンジン部120を制御する。制御装置10は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。具体的には、制御装置10は、制御部11と、記憶部16とを備える。
記憶部16は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部16は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び/又は、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶部16は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部16は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部11のプロセッサーは、記憶部16の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行して、報知装置30及びエンジン部120を制御する。
また、制御部11のプロセッサーは、記憶部16の記憶装置に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、存在判定部12、決定部13、設定部14、及び報知制御部15として機能する。つまり、制御部11は、存在判定部12、決定部13、設定部14、及び報知制御部15を含む。報知制御部15は、報知装置30の報知部31及び表示部34を制御する。存在判定部12、決定部13、設定部14、及び報知制御部15の詳細については後述する。
エンジン部120は、エンジン121と、エンジン制御部122とを備える。エンジン制御部122は、例えば、ECUである。エンジン121には、燃料タンク(不図示)から燃料が供給される。
エンジン121は、油圧ポンプ200を駆動する。その結果、油圧ポンプ200は、圧油をコントロールバルブ300に送り出す。圧油とは、圧力がかけられた作動油のことである。コントロールバルブ300は、圧油の流れを制御する。コントロールバルブ300は、旋回体2を旋回させる油圧モーター(不図示)、ブーム用シリンダ51、アーム用シリンダ61、アタッチメント用シリンダ71、及び、走行体7の各油圧モーター(不図示)に対して圧油を供給する。その結果、油圧モーター、ブーム用シリンダ51、アーム用シリンダ61、アタッチメント用シリンダ71、及び、走行体7の各油圧モーターが駆動する。例えば、エンジン121の回転数が小さくなることに応じて、油圧ポンプ200の油の吐出量が低下し、旋回体2、走行体7及び作業部8の動作速度が低下する。また、例えば、エンジン121の回転が停止することに応じて、油圧ポンプ200が停止し、旋回体2、走行体7及び作業部8の動作が停止する。
報知装置30は、報知部31と、表示部34と、少なくとも1つの操作部40とを含む。具体的には、報知装置30は、複数の操作部40(例えば3個の操作部40)を含む。
報知部31は、少なくとも1つの視覚報知部32と、聴覚報知部33とを含む。具体的には、報知部31は、複数の視覚報知部32(例えば3個の視覚報知部32)と、聴覚報知部33とを含む。
視覚報知部32は、例えば、LED(Light Emitting Diode)である。つまり、視覚報知部32は、例えば発光する。複数の視覚報知部32は、それぞれ、複数の検知部20に対応づけられている。以下、第1検知部21に対応づけられている視覚報知部32を、「第1視覚報知部32a」と記載する。また、第2検知部22に対応づけられている視覚報知部32を、「第2視覚報知部32b」と記載する。さらに第3検知部23に対応づけられている視覚報知部32を、「第3視覚報知部32c」と記載する。
本実施形態において、聴覚報知部33は、例えばブザーである。
表示部34は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのようなディスプレイによって構成される。表示部34は、例えば、支持部材21a、支持部材22a、及び支持部材23aに装着されたカメラが撮像した撮像結果を表示する。
操作部40は、作業者からの操作を受け付けて、操作結果を報知制御部15に出力する。操作部40は、例えば押しボタンである。本実施形態において、複数の操作部40は、それぞれ、複数の検知部20に対応づけられている。以下、第1検知部21に対応づけられている操作部40を、「第1操作部41」と記載する。また、第2検知部22に対応付けられている操作部40を、「第2操作部42」と記載する。さらに、第3検知部23に対応づけられている操作部40を、「第3操作部43」と記載する。
なお、表示部34がタッチパネルを備える場合、操作部40がGUI(Graphical User Interface)のウィジェットとして表示部34に表示されてもよい。この場合、表示部34は、例えば、複数の操作部40をウィジェットとして表示する。また、操作部40は、表示部34が備えるタッチパネルとして機能してもよい。
旋回角度検知部500は、走行体7に対する旋回体2の旋回角度θを検知する。旋回角度検知部500は、例えば、ロータリーエンコーダである。旋回角度検知部500は、例えば、平面視において作業車両1の中心部分に配置される。本実施形態において、基準姿勢の旋回体2の向く方向は、例えば、走行体7の向く方向に略一致する。従って、旋回角度検知部500は、基準姿勢の旋回体2から、旋回後の旋回体2への変位角(回転角)を検知する。旋回角度検知部500は、検知結果を決定部13に出力する。決定部13については後述する。
図3は、操縦室6を示す斜視図である。なお、図3では、図面を見易くするために、操縦室6の屋根を省略している。
操縦室6は、操縦席6cと、複数の操作レバー6dと、操作装置113とを含む。また、操縦室6内には、報知装置30が配置される。複数の操作レバー6d、報知装置30、及び操作装置113は、操縦席6cの前方に配置されている。また、図3では図示していないが、聴覚報知部33もまた、操縦室6内に配置される。
操縦席6cには、作業者が着座する。作業者は、作業車両100の操縦者である。複数の操作レバー6dの各々は、作業者からの操作を受け付ける。操作レバー6dは、作業車両1を操作するための操作部材である。
操作装置113は、作業車両1に対する各種操作を受け付けると共に、作業車両1に関する各種情報を表示する。
本実施形態において、第1視覚報知部32a~第3視覚報知部32cは、報知装置30において、表示部34に沿って、一列に配置されている。具体的には、報知装置30において、第1視覚報知部32aが左側に配置され、第2視覚報知部32bが第1視覚報知部32aと第3視覚報知部32cとの間に配置され、第3視覚報知部32cが右側に配置されている。すなわち、第1視覚報知部32aと、第2視覚報知部32bと、第3視覚報知部32cとは、それぞれ、第1検知部21~第3検知部23の位置に対応づけられるように配置されている。従って、表示部34の縁に沿って視覚報知部32を配置できるため報知装置30を小型化しつつ、作業者は、第1視覚報知部32aと、第2視覚報知部32bと、第3視覚報知部32cとが、それぞれ、第1検知部21と、第2検知部22と、第3検知部23とに対応づけられていることを直感的に認識できる。
なお、報知装置30において、第1視覚報知部32a~第3視覚報知部32cは、第1検知部21~第3検知部23の位置に対応づけられるように、三角形の頂点を成すように配置されていてもよい。例えば、報知装置30において、第3視覚報知部32cが下側に配置され、第1視覚報知部32aが第3視覚報知部32cの左上に配置され、第2視覚報知部32bが第3視覚報知部32cの右上に配置される。その結果、作業者は、第1視覚報知部32aと、第2視覚報知部32bと、第3視覚報知部32cとが、それぞれ、第1検知部21と、第2検知部22と、第3検知部23とに対応づけられていることをより直感的に認識できる。
さらに、一例として、第1視覚報知部32aと第1操作部41とは1ユニットとして構成され、第2視覚報知部32bと第2操作部42とは1ユニットとして構成され、第3視覚報知部32cと第3操作部43とは1ユニットとして構成される。従って、第1視覚報知部32aと第1操作部41とが別体で構成される場合と比較して、報知装置30を小型化できる。第1視覚報知部32aと第1操作部41とが1ユニットとして構成される場合、例えば、第1操作部41が押しボタンであり、第1視覚報知部32aがLEDであり、押しボタンの裏からLEDが発光して、押しボタンが光る。具体的には、第1視覚報知部32aと第1操作部41とは、例えば、照光押しボタンスイッチを構成する。第2視覚報知部32bと第2操作部42とが1ユニットとして構成される場合、及び、第3視覚報知部32cと第3操作部43とが1ユニットとして構成される場合についても同様である。なお、第1視覚報知部32aと第1操作部41とが別体で構成されもよいが、この場合は、第1視覚報知部32aと第1操作部41とは互いに近傍に配置されることが好ましい。第2視覚報知部32bと第2操作部42とが別体でされる場合、及び、第3視覚報知部32cと第3操作部43とが別体で構成される場合についても同様である。
次に、図4~図6を参照して、複数の検知部20の各々に割り当てられる監視領域DAについて説明する。図4及び図5は、本実施形態に係る検知部20に割り当てられた監視領域DAを示す図である。図4及び図5では、上から見たときの作業車両1が示されている。また、本明細書において、図4に示す旋回体2の姿勢は、基準姿勢である。すなわち、図4に示す旋回体2の向く方向は、走行体7の向く方向に略一致している。また、図5に示す旋回体2の姿勢は、旋回体2が旋回した後の姿勢であり、基準姿勢とは異なる。図5に示す例において、旋回体2は、走行体7に対して旋回角度θだけ回転している。つまり、旋回体2は、基準姿勢の旋回体2に対して旋回している。
図4及び図5に示すように、作業部8は、可動領域MAを有する。可動領域MAは、平面視において、作業部8が到達可能な領域である。可動領域MAは、例えば、平面視において、走行体7が停止した状態で、旋回体2が旋回したり、作業部8が伸びたりすることによって、作業部8が到達可能な領域である。また、可動領域MAの外縁EGは、平面視において、最大限伸びた作業部8の先端部8aの位置に相当する。つまり、外縁EGは、平面視において、作業部8が到達可能な最大位置を示す。なお、平面視は、作業車両1を鉛直上方から見ることを示す。
本実施形態において、可動領域MAは、第1領域A1と、第2領域A2とを含む。本実施形態において、第1領域A1は、第2領域A2よりも作業車両1に近い。第1領域A1は、例えば、略円形形状を有する。また、第1領域A1は、例えば、可動領域MAのうち、作業車両1の中心から、6m未満の領域である。第2領域A2は、例えば、略円帯形状を有する。また、第2領域A2は、例えば、可動領域MAのうち、作業車両1の中心から6m以上7m未満の領域である。
また、本実施形態において、第1領域A1は、第3領域A3と、第4領域A4とを含む。本実施形態において、第3領域A3は、第4領域A4よりも作業車両1に近い。第3領域A3は、例えば、略円形形状を有する。また、第3領域A3は、例えば、第1領域A1のうち、作業車両1の中心から、4m未満の領域である。第4領域A4は、例えば、略円帯形状を有する。また、第4領域A4は、例えば、第1領域A1のうち、作業車両1の中心から4m以上5m未満の領域である。
さらに、本実施形態において、第3領域A3は、第5領域A5と、第6領域A6とを含む。本実施形態において、第5領域A5は、第4領域A4よりも作業車両1に近い。第5領域A5は、例えば、略円形形状を有する。第5領域A5は、例えば、第3領域A3のうち、作業車両1の中心から、3m未満の領域である。第6領域A6は、例えば、略円帯形状を有する。また、第6領域A6は、例えば、第3領域A3のうち、作業車両1から3m以上4m未満の領域である。
複数の検知部20の各々には、監視領域DAが割り当てられる。複数の監視領域DAの各々は、存在判定部12に存在判定処理を実行される領域である。存在判定部12は、存在判定処理を実行して、監視領域DAに被検知体Pが存在するか否かを判定する。被検知体Pは、例えば、監視領域DAに存在する障害物である。障害物は、例えば、作業車両1が作業を実行するときに妨げとなるような存在である。具体的には、障害物は、例えば、人、作業車両1と異なる作業機械、建造物、電柱、又は樹木である。
監視領域DAは、決定部13によって決定される。決定部13は、検知部20が検知可能な領域と、除外領域EAと、旋回角度θとに基づいて、監視領域DAを決定する。
本実施形態において、検知部20が検知可能な領域は、検知部20が検知可能な最大の領域のことである。以下、検知部20が検知可能な領域を、検知可能領域NAと記載する。検知可能領域NAは、検知部20の仕様に応じて変更される。
また、本実施形態において、除外領域EAは、存在判定処理の対象から除外される領域である。なお、図4及び図5では、理解を容易にするため、除外領域EAにドットハッチングを付している。除外領域EAは、走行体7に対して設定される。また、除外領域EAと走行体7との相対位置は、一定である。従って、旋回体2が旋回した場合で、走行体7が動いた場合でも、除外領域EAと走行体7との相対位置は一定である。一方、旋回体2が旋回することに伴って、検知可能領域NAと走行体7との相対位置は変化する。従って、旋回体2が走行体7に対して旋回する場合であっても、旋回体2が旋回した後の作業車両1の姿勢に基づいて監視領域DAが設定される。その結果、適切に監視領域DAを設定できる。なお、除外領域EAの大きさと位置との少なくとも1つについて、例えば作業者が任意に設定できる。除外領域EAの設定については後述する。
以下、除外領域EAの決定方法の一例を説明する。決定部13は、例えば、旋回角度θに基づいて、検知可能領域NAを算出する。そして、決定部13は、算出した検知可能領域NAから除外領域EAを除いて、監視領域DAを決定する。
特に、本実施形態では、決定部13は、さらに可動領域MAに基づいて、監視領域DAを決定することが好ましい。具体的には、決定部13は、可動領域MAと、検知可能領域NAと、除外領域EAと、旋回角度θとに基づいて、監視領域DAを決定する。従って、作業部8と被検知体Pとが接触する可能性がある領域を監視領域DAとして決定できるため、適切に監視領域DAを設定できる。なお、この場合の除外領域EAの決定方法の一例は以下の通りである。すなわち、決定部13は、例えば、旋回角度θに基づいて、検知可能領域NAを算出する。そして、決定部13は、算出した検知可能領域NAと可動領域MAとが重複する領域から、除外領域EAを除いて、監視領域DAを決定する。
例えば、図4に示す例では、旋回体2は、基準姿勢である。従って、決定部13は、例えば、検知可能領域NAを算出する。そして、決定部13は、算出した検知可能領域NAと可動領域MAとが重複する領域から、除外領域EAを除いて、監視領域DAを決定する。また、図5に示す例では、旋回体2は、走行体7に対して旋回角度θだけ回転している。従って、決定部13は、旋回角度θに基づいて、検知可能領域NAを算出する。そして、決定部13は、算出した検知可能領域NAと可動領域MAとが重複する領域から、除外領域EAを除いて、監視領域DAを決定する。
本実施形態において、第1検知部21には、決定部13によって決定された監視領域DA1が割り当てられている。なお、図4及び図5では、理解を容易にするため、監視領域DA1を斜線で示している。監視領域DA1は、作業部8の可動領域MAと、第1検知部21の検知可能領域NA1とが重複する領域である。なお、可動領域MAと検知可能領域NA1とが重複する領域は、除外領域EAと重複していないため、可動領域MAと検知可能領域NA1とが重複する領域の全てが監視領域DA1として決定される、本実施形態において、監視領域DA1は、操縦席6cの一方の側方(左側)に設定されている。
また、本実施形態において、第2検知部22には、決定部13に決定された監視領域DA2が割り当てられている。なお、図4及び図5では、理解を容易にするため、監視領域DA2を斜線で示している。監視領域DA2は、作業部8の可動領域MAと、第2検知部22の検知可能領域NA2とが重複する領域から、除外領域EAを除いた領域である。本実施形態において、監視領域DA2は、操縦席6cの他方の側方(右側)に設定されている。
さらに、本実施形態において、第3検知部23には、決定部13に決定された監視領域DA3が割り当てられている。なお、図4及び図5では、理解を容易にするため、監視領域DA3を斜線で示している。監視領域DA3は、作業部8の可動領域MAと、第3検知部23の検知可能領域NA3とが重複する領域から、除外領域EAを除いた領域である。本実施形態において、監視領域DA3は、操縦席6cの後方に設定されている。従って、複数の監視領域DAは、作業車両1の周囲領域のうち、操縦席6cに着座した作業者から見えにくい領域に設定される。
本実施形態において、監視領域DAの一部は、他の監視領域DAの一部に重複する場合がある。例えば、図4に示す例において、監視領域DA1の一部は、監視領域DA3の一部に重複する。従って、作業車両1の周囲のうち、旋回体2の側方から後方にわたって、監視領域DAから外れる領域を縮小できる。よって、検知部20による被検知体Pの検知漏れを抑制できる。
図6は、本実施形態に係る検知部20に割り当てられた監視領域DAを示す図である。図6では、側方から見たときの作業車両1が示されている。また、本明細書において、図6に示す旋回体2の姿勢は、基準姿勢である。
図6に示すように、監視領域DAは、例えば、作業車両1に接する地面Gdから第1高さHe1以上の領域である。第1高さHe1は、例えば50cmである。なお、監視領域DAは、例えば、第1高さHe1以上第2高さHe2以下の領域Hであってもよい。第2高さHe2は、地面Gdに対する検知部20の高さを示す。複数の検知部20の各々の位置する高さが異なる場合には、複数の検知部20の各々に割り当てられた監視領域DAごとに、第2高さHe2が設定される。第1高さHe1は、「所定高さ」の一例である。
次に、図3及び図4を参照して、作業者による除外領域EAの設定について説明する。作業者は、例えば、作業部8に作業させる前に、予め第1操作部41~第3操作部43の少なくとも1つを操作する。本実施形態において、設定部14は、第1操作部41~第3操作部43の少なくとも1つが受け付けた操作に基づいて、除外領域EAを設定する。従って、作業車両1の周囲環境に応じて、作業者が任意に除外領域EAを設定できる。
例えば、第1操作部41が受け付けた操作に基づいて、設定部14は、走行体7の左側に除外領域EAを設定する。また、例えば、第2操作部42が受け付けた操作に基づいて、設定部14は、走行体7の右側に除外領域EAを設定する。さらに、例えば、第3操作部43が受け付けた操作に基づいて、設定部14は、走行体7の後側に除外領域EAを設定する。すなわち、例えば、図4に示す例では、作業者は、第2操作部42を操作する。そして、第2操作部42が受け付けた操作に基づいて、設定部14は、クローラー7bの側面7eに沿って除外領域EAを設定する。
ここで、除外領域EAの範囲は、例えば予め設定されている。具体的には、除外領域EAは、例えば、走行体7の側面7e、すなわち、クローラー7aの外側の側面7eに沿って設定される。より具体的には、除外領域EAは、走行体7の側面7eに沿っており、走行体7の側面7eよりも外側に設定される。従って、例えば、壁のような真っ直ぐの建造物(被検知体P)に、クローラー7aを沿わせて作業部8に作業させる場合に、除外領域EAを適切に設定できる。例えば、作業者は、除外領域EAを設定することで、予め作業者が存在を認識している被検知体Pの存在が特定されることを抑制できる。その結果、予め作業者が存在を認識している被検知体Pの存在が報知されることに起因した作業者の煩わしさを防止できる。被検知体Pの存在が報知されることについては、後述する。
例えば、図4に示す例において、除外領域EAは、クローラー7a2の外側の側面7eに沿っており、クローラー7a2の側面7eよりも外側に設定される。なお、図4に示す例では、除外領域EAの境界は、クローラー7a2の外側の側面7eに沿う境界BDのみが設定されている。
なお、除外領域EAが走行体7の側面7eに沿って設定される場合、クローラー7aの側面7eと、除外領域EAとは離間していてもよいし、接していてもよい。例えば、予め、クローラー7aの側面7eと除外領域EAとの間を所定距離だけ離間させることが設定されている場合、設定部14は、第1操作部41が受け付けた操作に基づいて、クローラー7a1の側面7eから所定距離だけ離間させた位置に、除外領域EAを設定する。また、設定部14は、第2操作部42が受け付けた操作に基づいて、クローラー7a2の側面7eから所定距離だけ離間させた位置に、除外領域EAを設定する。なお、第3操作部43が操作を受け付ける場合、すなわち、走行体7の後側に除外領域EAが設定される場合には、例えば、設定部14は、第3操作部43が受け付けた操作に基づいて、クローラー7a1からクローラー7a2に向かう方向に沿って除外領域EAが設定される。
次に、引き続き図4を参照して、存在判定部12が実行する存在判定処理について説明する。
制御装置10の存在判定部12は、複数の検知部20の各々の検知結果に基づいて、監視領域DAに被検知体Pが存在するか否かを判定する存在判定処理を実行する。具体的には、存在判定部12は、複数の検知部20の各々から出力された信号(作業車両1の周囲環境の状態を示す信号)を解析して、監視領域DAに被検知体Pが存在するか否かを判定する存在判定処理を実行する。
例えば、図4に示す例において、存在判定部12は、存在判定処理を実行し監視領域DA1及び監視領域DA2に被検知体Pが存在せず、監視領域DA3に被検知体Pが存在すると判定する。その結果、存在判定部12は、被検知体Pが存在する監視領域DA3を特定する。以下、図4の監視領域DA3に存在する被検知体Pを、被検知体P1と記載する場合がある。また、図4の除外領域EAに存在する被検知体Pを、被検知体P2と記載する場合がある。なお、図4に示す例において、被検知体P2は、壁である。よって、旋回体2が基準姿勢に維持されている場合であっても、予め作業者が存在を認識している被検知体P2の存在が報知されることに起因した作業者の煩わしさを軽減できる。被検知体Pの存在が報知されることについては、後述する。
また、図5に示す例において、存在判定部12は、存在判定処理を実行して、監視領域DA2及び監視領域DA3に被検知体Pが存在せず、監視領域DA1に被検知体P1が存在すると判定する。その結果、存在判定部12は、被検知体P1が存在する監視領域DA1を特定する。よって、旋回体2が走行体7に回転した場合であっても、予め作業者が存在を認識している被検知体P2の存在が報知されることに起因した作業者の煩わしさを軽減できる。被検知体Pの存在が報知されることについては、後述する。
次に、引き続き図4及び図5を参照して、被検知体Pの存在を報知することについて説明する。報知制御部15は、存在判定部12の特定結果に基づいて、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知するように、報知部31を制御する。その結果、報知部31は、存在判定部12の特定結果に基づいて、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する。
よって、作業者は、監視領域DAに被検知体Pが存在することを認識できるため、作業車両1に対して、被検知体Pが存在する方向を直感的に認識できる。つまり、複数の監視領域DAのうちのどの監視領域DAに被検知体Pが存在するかを直感的に認識できる。ひいては、例えば、作業車両1と被検知体Pとが接触しないように、作業者に対して注意喚起できる。なお、監視領域DAの一部と、他の監視領域DAの一部とが重複する領域に被検知体Pが存在する場合には、例えば、監視領域DAと他の監視領域DAとに被検知体Pが存在することを報知するように、報知制御部15は、報知部31を制御してもよい。
本実施形態において、視覚報知部32は、存在判定部12によって特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。例えば、視覚報知部32は、発光することによって、存在判定部12に特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。具体的には、例えば、視覚報知部32は、点滅することによって、存在判定部12に特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。
より具体的には、報知制御部15は、被検知体Pが存在する監視領域DAを割り当てられた検知部20に対応づけられた視覚報知部32を点滅させるように、当該視覚報知部32を制御する。その結果、当該視覚報知部32は、点滅することによって、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体Pが存在する方向を直感的に認識できる。なお、例えば、視覚報知部32は、被検知体Pが監視領域DAに存在しない場合は、連続点灯(持続点灯)する。なお、視覚報知部32は、例えば、被検知体Pが監視領域DAに存在しない場合に消灯していてもよい。また、視覚報知部32は、被検知体Pが監視領域DAに存在しない場合、所定の色で点灯し、存在判定部12が被検知体Pの存在する監視領域DAを特定することに応じて、他の色で点灯してもよい。
例えば、図4に示す例では、存在判定部12は、被検知体P1が存在する監視領域DA3を特定する。従って、報知制御部15は、存在判定部12の特定結果に基づいて、第3視覚報知部32cが点滅するように、第3視覚報知部32cを制御する。その結果、第3視覚報知部32cが点滅する。よって、作業者は、作業車両1に対して、監視領域DA3の方向に被検知体P1が存在することを直感的に認識できる。さらに、除外領域EAに存在する被検知体P2は、存在判定部12によって特定されないため、第3視覚報知部31cのみが点滅する。よって、除外領域に被検知体が存在することを報知するために第1視覚報知部~第3視覚報知部が点滅することに起因した作業者の煩わしさを軽減できる。
また、例えば、図5に示す例では、存在判定部12は、被検知体P1が存在する監視領域DA1を特定する。従って、報知制御部15は、存在判定部12の特定結果に基づいて、第1視覚報知部32aが点滅するように、第1視覚報知部32aを制御する。その結果、第1視覚報知部32aが点滅する。よって、作業者は、作業車両1に対して、監視領域DA1の方向に被検知体P1が存在することを直感的に認識できる。さらに、走行体7に対して旋回体2が旋回する場合であっても、除外領域EAに存在する被検知体P2は、存在判定部12によって特定されないため、第1視覚報知部31aのみが点滅する。よって、除外領域に被検知体が存在することを報知するために第1視覚報知部~第3視覚報知部が点滅することに起因した作業者の煩わしさをさらに軽減できる。
また、図6を参照して上述したように、本実施形態によれば、監視領域DAは、作業部8の可動領域MAと、検知部20が検知可能な検知可能領域NAとが重複する領域である。従って、検知可能領域NAの内部であって、作業部8の可動領域MAの外部に存在する被検知体Pが検知される場合であっても、報知部31は、動作しない。その結果、作業部8と接触しない位置に被検知体Pが存在することを報知されることに起因した作業者の煩わしさを軽減できる。
また、作業部8が到達可能な位置に被検知体Pが存在する場合であっても、当該被検知体Pの存在する位置が監視領域DA外である場合には、報知部31は動作しない。例えば、図6を参照して説明したように、監視領域DAは、例えば、作業車両1に接する地面Gdから第1高さHe1以上の領域である。すなわち、作業部8が到達可能な位置に被検知体Pが存在する場合であっても、被検知体Pの高さが第1高さHe1未満である場合には、報知部31は動作しない。よって、高さが第1高さHe1未満である被検知体Pの存在が作業者に報知されることを抑制できる。例えば、被検知体Pの高さが第1高さHe1未満である場合、当該被検知体Pと作業部8とが接触したとしても、危険性が低い可能性が高い。従って、作業部8の作業に影響の低い被検知体Pの存在が報知されるとことに起因した作業者の煩わしさを抑制できる。
次に、引き続き図4を参照して、被検知体Pの検知距離Lに応じて制御される報知部31及びエンジン121について説明する。
本実施形態において、存在判定部12は、複数の検知部20の各々の検知結果に基づいて、被検知体Pの位置を特定する。具体的には、存在判定部12は、複数の検知部20の各々の検知結果に基づいて、被検知体Pの位置を算出する。被検知体Pの位置は、例えば座標で表される。
存在判定部12は、被検知体Pが存在する監視領域DAを特定する。そして、存在判定部12は、被検知体Pが存在する監視領域DAを特定し、特定した監視領域DAを割り当てられた検知部20と、被検知体Pとの間の距離を特定する。具体的には、例えば、存在判定部12は、複数の検知部20の各々から出力された信号を解析して、特定した監視領域DAを割り当てられた検知部20の位置から、被検知体Pの位置までの距離を特定する。より具体的には、例えば、存在判定部12は、複数の検知部20の各々が光を出射してから反射光を受光するまでの時間に基づいて、検知部20と被検知体Pとの間の距離を特定する。以下、特定された監視領域DAを割り当てられた検知部20と被検知体Pとの間の距離を、「検知距離L」と記載する場合がある。
例えば、図4に示す例において、存在判定部12は、第3検知部23と被検知体P1との間の検知距離Lが、略5.0mであることを特定する。
なお、監視領域DAの一部と、他の監視領域DAの一部とが重複する領域に被検知体Pが存在する場合には、存在判定部12は、例えば、監視領域DAが割り当てられた検知部20と被検知体Pとの間の距離と、他の監視領域DAが割り当てられた他の検知部20と被検知体Pとの間の距離とのうち、短い方の距離を、検知距離Lとする。また、例えば、存在判定部12は、監視領域DAが割り当てられた検知部20と被検知体Pとの間の距離と、他の監視領域DAが割り当てられた他の検知部20と被検知体Pとの間の距離との平均値を、検知距離Lとしてもよい。
報知制御部15は、検知距離Lに応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知するように、報知部31を制御する。具体的には、存在判定部12は、検知距離Lに基づいて、報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力する。報知制御部15は、存在判定部12の指示情報に従って、報知部31を制御する。その結果、報知部31は、検知距離Lに応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体Pが存在する方向を直感的に認識しつつ、作業車両1と被検知体Pとの間の距離を直感的に認識できる。存在判定部12が出力する指示情報については後述する。
具体的には、本実施形態において、存在判定部12は、特定した検知距離Lに基づいて、監視領域DAのうち、可動領域MAが有する複数の領域のいずれの領域と重複する領域に被検知体Pが存在するかを特定する。すなわち、存在判定部12は、可動領域MAが有する複数の領域のうち、被検知体Pが存在する領域を特定する。そして、存在判定部12は、被検知体Pが存在する領域に応じて、報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力する。報知制御部15は、存在判定部12の指示情報に従って、報知部31を制御する。その結果、報知部31は、被検知体Pが存在する監視領域DAのうちの可動領域MAが有する領域のいずれかに応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体Pが存在する方向を直感的に認識しつつ、作業車両1と被検知体Pとの間の距離を直感的に認識できる。
本実施形態において、第2領域A2は、第2領域A2が監視領域DAに該当する場合に、第2領域A2に被検知体Pが存在すると、例えば、視覚報知部32が点滅を開始する領域である。第1領域A1は、第1領域A1が監視領域DAに該当する場合に第1領域A1に被検知体Pが存在すると、例えば、視覚報知部32の点滅周期が第2領域A2の場合より短くなる領域である。すなわち、被検知体Pが監視領域DAのうち第1領域A1に重複する領域に存在する場合、視覚報知部32は、被検知体Pが監視領域DAのうち第2領域A2に重複する領域に存在する場合よりも、短い周期で点滅する。従って、第2領域A2よりも作業車両1に近い第1領域A1に被検知体Pが存在することに応じて、報知制御部15は、短い周期で点滅するように、視覚報知部32を制御する。その結果、作業者は、被検知体Pと作業車両1との距離感を直感的に認識できる。
例えば、第4領域A4に被検知体Pが存在するときの報知部31による報知の態様が、視覚報知部32が短い周期で点滅すること、及び聴覚報知部33が短い周期で断続して発音することである場合について説明する。図4に示す例において、存在判定部12は、被検知体P1が監視領域DA3のうちの第4領域A4に重複する領域に存在することを特定する。そして、存在判定部12は、監視領域DA3のうちの第4領域A4と重複する領域に被検知体P1が存在することに応じて、報知の態様に関する指示を報知制御部15に出力する。その結果、報知制御部15は、短い周期で点滅するように第3視覚報知部32cを制御し、短い周期で断続して発音するように聴覚報知部33を制御する。その結果、第3視覚報知部32cが短い周期で点滅し、聴覚報知部33が短い周期で断続して発音する。よって、作業者は、作業車両1に対して、被検知体P2が監視領域DA3の方向に存在することを直感的に認識しつつ、作業車両1と被検知体P2との間の距離感を直感的に認識できる。
エンジン制御部122は、検知距離Lに応じて、エンジン121の回転数を制御する。具体的には、検知距離Lに基づいて、存在判定部12は、エンジン121の制御に関する指示情報をエンジン制御部122に出力する。エンジン制御部122は、存在判定部12が出力する指示情報に従って、エンジン121を制御する。従って、エンジン121の回転数が変化することに応じて、作業者は、作業車両1の近くに被検知体Pが存在することを認識できる。
本実施形態において、例えば、存在判定部12は、検知距離Lが短くなることに応じて、エンジン121の回転数を小さくすることを示す指示情報をエンジン制御部122に出力する。従って、油圧ポンプ200の駆動力が低下し、旋回体2、走行体7及び作業部8の動作速度が低下する。その結果、作業車両1の近くに被検知体Pが存在することを作業者に対して注意喚起しつつ、作業部8と被検知体Pとが接触する可能性を低減できる。なお、例えば、エンジン制御部122は、検知距離Lがより短くなることに応じて、エンジン121の回転数がゼロになるようにエンジン121を制御してもよい。すなわち、エンジン制御部122は、検知距離Lがより短くなることに応じて、エンジン121を停止させてもよい。従って、作業部8と被検知体Pとが接触する可能性をより低減できる。
例えば、第4領域A4に被検知体Pが存在するときにエンジン121の回転数が制限される場合について説明する。図4に示す例において、存在判定部12は、被検知体P1が監視領域DA3のうちの第4領域A4に重複する領域に存在することを特定する。そして、存在判定部12は、監視領域DA3のうちの第4領域A4と重複する領域に被検知体P1が存在することに応じて、エンジン121の回転数を制限する指示をエンジン制御部122に出力する。その結果、エンジン制御部122は、エンジン121の回転数を制限する。そして、油圧ポンプ200の駆動力が低下し、旋回体2、走行体7及び作業部8の動作速度が低下する。よって、被検知体P2が監視領域DA3の方向の近い位置に存在することを作業者に直感的に認識させつつ、作業部8と被検知体P2が接触する可能性をより低減させることができる。
次に、図7を参照して、除外領域EAの範囲の他の例について説明する。なお、図7では、理解を容易にするため、除外領域EAにドットハッチングを付している。まず、図7(a)を参照して、複数の除外領域EAが設定される場合について説明する。図7(a)は、複数の除外領域EAが設定される場合の監視領域DAを示す。本実施形態において、第1操作部41~第3操作部43のうちの2つが操作を受け付けた場合、設定部14は、2つの除外領域EAを設定する。また、第1操作部41~第3操作部43のうちの全てが操作を受け付けた場合、設定部14は、3つの除外領域EAを設定する。
例えば、第1操作部41と第2操作部42とが操作される場合、設定部14は、第1操作部41が受け付けた操作と第2操作部42が受け付けた操作とに基づいて、図7(a)に示すように、クローラー7a1に沿って除外領域EAを設定し、クローラー7a2に沿って除外領域EAを設定する。従って、作業車両1の周囲環境に応じて、より適切に監視領域DAを設定できる。
次に、図7(b)を参照して、予め大きさが定められている除外領域EAが設定される場合について説明する。図7(b)は、除外領域EAの大きさが予め定められる場合の監視領域DAを示す。本実施形態において、除外領域EAの大きさは、予め定められていてもよい。例えば、図7(b)に示す例では、走行体7に沿った方向における除外領域EAの長さは走行体7に略一致する。また、例えば、走行体7に沿った方向に直交する方向における除外領域EAの長さは可動領域MAの半径に略一致する。
例えば、第2操作部42が操作される場合、設定部14は、第2操作部42が受け付けた操作に基づいて、図7(b)に示すように、クローラー7a2に沿って、予め定められた大きさの除外領域EAを設定する。なお、除外領域EAの大きさが予め定められる場合、例えば、作業者は、除外領域EAの大きさ及び形状を任意に設定できる。予め設定される除外領域EAの形状は、例えば「矩形」である。
次に、図7(c)を参照して、作業者が除外領域EAの範囲を任意に設定する場合について説明する。図7(c)は、除外領域EAの範囲が任意に設定される場合の監視領域DAを示す。例えば、報知装置30の表示部34(図3参照)は、タッチパネルを備えており、操作部40は、タッチパネルとして機能する。また、表示部34は、支持部材21a、支持部材22a、及び支持部材23a(図1参照)に装着されたカメラが撮像した撮像結果を表示する。作業者は、表示部34をタッチして、作業車両1の周辺に位置する被検知体P(例えばトラックTr)をなぞる。その結果、設定部14は、タッチパネルとして機能する操作部40が受け付けた操作に基づいて、なぞられた範囲を除外領域EAとして設定する。従って、作業車両1の周囲環境の状況に応じて作業者が任意に除外領域EAの範囲を設定できるため、適切に除外領域EAを設定できる。その結果、監視領域DAを適切に設定できる。
次に、図8を参照して、作業車両1が実行する報知方法について説明する。図8は、作業車両1が実行する報知方法を示すフローチャートである。図8に示すように、報知方法は、ステップS1~ステップS13を含む。
図8に示すように、ステップS1において、設定部14は、操作部40が受け付けた操作に基づいて、除外領域EAを設定する。具体的には、設定部14は、第1操作部41~第3操作部43の少なくとも1つが受け付けた操作に基づいて、除外領域EAを設定する。
ステップS2において、旋回角度検知部500は、走行体7に対する旋回体2の旋回角度θを検知する。そして、旋回角度検知部500は、検知結果を決定部13に出力する。
ステップS3において、決定部13は、検知可能領域NAと、除外領域EAと、ステップS2で出力された検知結果が示す旋回角度θとに基づいて、監視領域DAを決定する。
ステップS4において、複数の検知部20の各々は、作業車両1の周囲環境の状態を検知する。次に、ステップS5において、複数の検知部20の各々は、検知結果を制御装置10の制御部11に出力する。
ステップS6において、存在判定部12は、検知部20に出力された検知結果を解析する。そして、存在判定部12は、監視領域DAに存在する被検知体Pを検知したか否かを判定する。ステップS5において肯定的判定(Yes)がされる場合、処理はステップS7に進む。一方、ステップS6において否定的判定(No)がされる場合、処理はステップS4に進む。
ステップS7において、存在判定部12は、被検知体Pの位置を特定する。すなわち、存在判定部12は、被検知体Pが存在する監視領域DAと、可動領域MAが有する複数の領域のうちの被検知体Pが存在する領域と、検知距離Lを特定する。
ステップS8において、存在判定部12は、ステップS7で特定された存在判定部12の特定結果に基づいて、報知の態様に関する指示情報を報知制御部15に出力し、エンジン121の制御に関する指示情報をエンジン制御部122に出力する。
ステップS9において、報知制御部15は、ステップS8で出力された報知の態様に関する指示情報に従って、報知部31を制御する。すなわち、報知制御部15は、検知距離Lに応じた態様で報知するように報知部31を制御する。その結果、報知部31は、検知距離Lに応じた態様で、監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知する。
また、ステップS10において、エンジン制御部122は、ステップS8で出力されたエンジン121の制御に関する指示情報に基づいて、エンジン121の回転数を制御する。例えば、エンジン121の制御に関する指示情報が、エンジン121の回転数を制限する指示情報である場合、エンジン制御部122は、エンジン121の回転数を制限する。また、例えば、エンジン121の制御に関する指示情報が、エンジン121の回転数を変更しない指示情報である場合、エンジン制御部122は、エンジン121の回転数を維持する。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、周期等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、図1を参照して説明したように、旋回体2は、3つの検知部20を備える。ただし、旋回体2が少なくとも1つの検知部20を備える限り、旋回体2は、1つの検知部20を備えていてもよいし、2つの検知部20を備えていてもよいし、4つ以上の検知部20を備えていてもよい。
また、図2を参照して説明したように、制御装置10の制御部11が報知制御部15を含んだ。ただし、報知制御部15が報知部31を制御する限り、報知装置30が報知制御部15を含んでいてもよい。
また、図2を参照して説明したように、制御装置10の制御部11が存在判定部12を含んだ。ただし、存在判定部12が被検知体Pの存在する監視領域DAを特定する限り、検知部20が存在判定部12を含んでいてもよい。また、制御部11が存在判定部12の一部の機能を含み、検知部20が存在判定部12の一部の機能を含んでいてもよい。
また、図2を参照して説明したように、本実施形態では、視覚報知部32は、LEDであった。ただし、視覚報知部32が監視領域に被検知体Pが存在することを視覚的に報知できる限り、視覚報知部32はディスプレイであってもよい。視覚報知部32がディスプレイである場合、例えば、報知制御部15は、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを示す画像を表示するように視覚報知部32を制御する。その結果、視覚報知部32としてのディスプレイは、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知する。具体的には、例えば、視覚報知部32としてのディスプレイは、作業車両1の周囲環境を示す画像を表示し、被検知体Pが監視領域DAに存在する場合、存在判定部12が特定した被検知体Pを点滅させるなどして、被検知体Pを目立たせるように表示する。
また、図2を参照して説明したように、本実施形態では、視覚報知部32が、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを視覚的に報知した。ただし、被検知体Pが存在する監視領域DAを作業者が認識できる限り、聴覚報知部33が、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを聴覚的に報知してもよい。この場合、聴覚報知部33は、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを聴覚的に報知する。例えば、聴覚報知部33がスピーカーである場合、報知制御部15は、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを示す音声を出力するように聴覚報知部33を制御する。その結果、聴覚報知部33としてのスピーカーは、特定された監視領域DAに被検知体Pが存在することを聴覚的に報知する。また、聴覚報知部33がブザーである場合、報知部31は、例えば、複数の聴覚報知部33を含む。例えば、複数の聴覚報知部33は、それぞれ、操縦席6cの側方と、操縦席6cの他の側方と、操縦席6cの後方とに配置される。そして、監視領域DAに被検知体Pが存在する場合、被検知体Pが存在する監視領域DAの側に配置された聴覚報知部33が発音する。その結果、作業者は、被検知体Pが存在する監視領域DAを直感的に認識できる。
また、図4を参照して説明したように、複数の操作部40の少なくとも1つが操作を予め受け付けた場合、報知制御部15は、操作を受け付けた操作部40に対応づけられた検知部20に基づく報知を予め禁止した。ただし、報知部31が監視領域DAに被検知体Pが存在することを報知しない限り、操作を予め受け付けた操作部40に対応づけられた検知部20が、作業車両1の周囲環境の状態を検知することを禁止してもよい。
また、図4を参照して説明したように、本実施形態において、存在判定部12は、検知部20が受光した反射光に対応する信号を解析して、被検知体Pの位置を特定した。ただし、検知部20がカメラである場合には、存在判定部12は、カメラの撮像結果を画像解析して、被検知体Pの位置を特定する。
また、図1を参照して説明したように、本実施形態において、旋回体2は、操縦室6を備えた。ただし、作業車両1が操縦席6cを含む限り、旋回体2は、操縦室6を含まなくてもよい。
また、図1を参照して説明したように、本実施形態において、旋回体2は、3つの検知部20を備えた。ただし、旋回体2が複数の検知部20を備える限り、旋回体2は、2つの検知部20を備えていてもよいし、4つ以上の検知部20を備えていてもよい。
また、例えば、図1~図7を参照して説明した本実施形態では、作業車両1は、油圧ショベルであったが、作業車両1は油圧ショベルに限定されない。作業車両1は、作業者が画面を介して機能の設定を行い得る機械であればよい。例えば、作業車両1は、他の建設機械であってもよいし、農業機械であってもよい。建設機械は、例えば、ホイールローダーなどのローダー、又は、キャリアである。農業機械は、例えば、乗用型トラクター、乗用型コンバイン、又は、乗用型田植機である。