JP7461033B2 - 電磁ノイズ耐性評価装置 - Google Patents
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Description
電子回路を有するユニット、もしくは電子機器などには、コモンモード(以下、CMと記載する)ノイズとディファレンシャルモード(以下、DMと記載する)ノイズが影響する。これらのノイズは、それぞれ異なる経路を伝達する特性を有することから、同様な対処方法でノイズレベルを低減することが困難である。また、CMノイズおよびDMノイズに対するノイズ耐性等を適切に評価することも容易ではない。
この技術は、1次コモンモード、2次コモンモード、ディファレンシャルモードの各伝搬モードを定義し、さらに物理的ポートを定義して、各ポートの伝搬モードにおける妨害電波の伝達特性を評価するものである(例えば、特許文献1参照)。
この評価技術は、通信装置を構成する電気回路の基準グラウンドに、妨害電波などの電磁ノイズを遮蔽する、例えば、同軸ケーブルの外部導体(シールド材)を接続させることによって、即ち、測定系のグラウンド接続を理想的に構成することによって適確な伝達特性を取得することができる。
そのため、装置内部の実装ユニットなどについて、電磁ノイズに対する耐性特性等を取得しようとすると、耐性評価の要素となる測定結果が適確に取得することができなくなる。
また、上記の技術は、評価対象となる例えば通信装置と、測定系(測定装置のプローブなど)とのインピーダンス整合が不適当な場合には、正確な測定結果が得られず、多様な評価対象に対応させて耐性評価を行うことが難しくなる。
図1は、本発明の実施の形態による電磁ノイズ耐性評価装置(評価装置1)の概略構成を示す説明図である。この図は、評価装置1の伝達特性を正規化させる場合の接続構成を示している。
評価装置1は、例えば、ベクトルネットワークアナライザ等の測定装置である装置本体2、例えば、アクティブディファレンシャルプローブ等であるプローブ3、コモンモードのノイズを発生させる装置であるコモンモードノイズ源5を備えている。
また、評価装置1は、後述する評価対象20の測定結果を正規化させる際に使用するデータを取得するため、いわゆる治具となる正規化ユニット6等を備えて構成されている。
コモンモードノイズ源5および正規化ユニット6は、例えば、金属板などの導体によって形成されたコモンモード基準グラウンド面7に載置されている。なお、コモンモードノイズ源5ならびに正規化ユニット6は、コモンモード基準グラウンド面7と接続されると、短絡などの異常状態となる部分は、コモンモード基準グラウンド面7から絶縁されるように載置されている。
また、装置本体2は、予め設定された制御プログラム(演算プログラム)、演算処理を施したデータなどを記憶する記憶部10を備えている。
また、装置本体2は、記憶部10に記憶されている制御プログラムなどに従って、演算処理や各部の動作制御を行うプロセッサ等からなる制御・演算部11などを備えて構成されている。
また、制御・演算部11は、プローブ3が検出した(取得した)高周波信号などを、例えば、図示されない入力インタフェース等を介して入力するように、プローブ3に接続配線されている。
正規化ユニット6は、コモンモードノイズ源5から出力されたCMノイズをプローブ3に検出させるための、例えば、複数の回路素子などを実装して、グラウンドとの間に所定値の基準インピーダンス(例えば、50[Ω])を有する回路を構成させたボードであり、このボードに入力されたCMノイズがプローブ3によって検出されるときの特性(CMノイズがDMノイズに変換される度合等)、即ち、評価装置1の測定系が定性的に有する特性を装置本体2(制御・演算部11)に認識させるための治具である。
評価対象20は、任意の電子デバイス、もしくは回路素子などをプリント基板等に実装させた電子ユニットなどである。
また、図2に示した評価装置1は、コモンモードノイズ源5、評価対象20、電源4が前述のコモンモード基準グラウンド面7に載置されている。なお、電源4は、コモンモードノイズ源5等に接続され、評価対象20が実際に使用される(動作させる)場合の電源系となるように接続されている。即ち、電源4は、評価対象20が動作可能に接続されている。
評価装置1を用いて評価対象20の電磁ノイズ耐性を評価する場合、初めに、図1に示したように、正規化ユニット6の入力部分(例えば、入力端子)にコモンモードノイズ源5を接続し、また、正規化ユニット6の出力部分(例えば、出力端子)にプローブ3を接続する。
この接続状態で、コモンモードノイズ源5を動作させ、所定の周波数の電磁ノイズ(CMノイズ)を、所定の強度で出力させる。上記の電磁ノイズ(CMノイズ)の所定周波数および所定強度は、例えば、装置本体2からコモンモードノイズ源5へ出力される制御信号によって設定される。このとき、制御・演算部11は、上記の所定周波数および所定強度を示すデータを予め記憶部10等に記憶させており、後述する演算等に使用することができるように有している。
装置本体2の制御・演算部11は、プローブ3から入力した信号(正規化ユニット6から検出したDMノイズを示す信号)から所定様式の正規化データを生成し、当該正規化データを記憶部10に記憶させる。
例えば、制御・演算部11は、コモンモードノイズ源5を制御して、正規化ユニット6へ供給したCMノイズ(同様な周波数ならびに強度の高周波信号)を、評価対象20へ入力させる。このとき、コモンモードノイズ源5の出力端子等は、評価対象20に接続されている。即ち、コモンモードノイズ源5の2つの出力端子のうち、ローレベル側の端子は、コモンモード基準グラウンド面7に接続され、ハイレベル側の端子は、評価対象20の回路信号が伝送される配線パターンや電源パターンなどに接続されている。
プローブ3は、評価対象20のコモンモードノイズ源5の出力端子(同軸ケーブル等)が接続された部分から適当に離れた部分に接続され、例えば、評価対象20に備えられた高周波回路、発振回路、当該評価対象20の入力端部などに接続される。
具体的には、プローブ3の例えばハイレベル側の(一方の)検出端部は、評価対象20のハイレベル側の信号パターンや端子部分、またはハイレベル側の電源パターンなどに接続される。また、プローブ3のローレベル側の(他方の)検出端部は、評価対象20のローレベル側の信号パターンや端子部分、またはローレベル側の電源パターンなどに接続される。即ち、プローブ3は、コモンモード基準グラウンド面7には接続されない。
評価対象20の電子デバイスの、DPI法による電磁ノイズに対する耐久レベルの測定は、適宜(例えば、評価対象20からDMノイズの検出を行う前に)行う。
制御・演算部11は、DPI法による測定によって(上記のプローブを用いて)取得した評価対象20の電子デバイスに関する電磁ノイズの耐久レベルを示す信号を、所定様式のデータ(DPI法による耐久レベルデータ)に変換し、例えば、記憶部10に記憶させる。
制御・演算部11は、記憶部10に記憶されている正規化データを用いて、評価対象20から取得したDMノイズを示すデータに所定の演算処理を施し、評価装置1の測定系が定性的に有する伝達特性の影響を排除した(正規化した)CM-DM変換量を求める。
なお、下記のSパラメータは、2端子対回路(電子デバイス、ユニット、装置等)に関するものである。
本発明は、上記のSパラメータ全てを必要とすることなく、CM-DM変換係数のみに着眼し、制御・演算部11が評価対象20のCM-DM変換量を求めて電磁ノイズ耐性の評価を行うようにしたものである。
そこで、制御・演算部11は、周波数毎に(評価対象20に)入力されたCMノイズレベルと(評価対象20から)検出されたDMノイズレベルとを対比することにより、図4に示した周波数毎のCM-DM変換量を求める。
例えば、周波数毎に、DPI法による耐久レベルデータ(強度等)とCM-DM変換量(強度等)とを対比し、電磁ノイズ耐性[dBm]を求める。具体的には、DPI法による耐久レベルデータの強度等の値を、CM-DM変換量の強度等の値で割った値を電磁ノイズ耐性値として求める。
2 装置本体
3 プローブ
4 電源
5 コモンモードノイズ源
6 正規化ユニット
7 コモンモード基準グラウンド面
10 記憶部
11 制御・演算部
20 評価対象
Claims (2)
- 所定のインピーダンスを有する正規化ユニットと、
所定周波数および所定強度に予め定められたコモンモードノイズを発生して前記正規化ユニットまたは評価対象へ入力するコモンモードノイズ源と、
前記正規化ユニットまたは前記評価対象に接続してディファレンシャルモードノイズを検出するプローブと、
前記評価対象を前記コモンモードノイズが伝達する際に前記ディファレンシャルモードノイズへ変換される量を示すデータとして、回路網の通過・反射特性を表すSパラメータのうち、Sdc21に該当するCM-DM変換量を求め、前記CM-DM変換量を用いて前記評価対象の電磁ノイズ耐性を示すデータを生成する制御・演算部と、
を備え、
前記制御・演算部は、
前記正規化ユニットに前記コモンモードノイズ源から前記コモンモードノイズを入力して前記正規化ユニットに前記プローブを接続した場合に、前記コモンモードノイズ源が発生させた前記コモンモードノイズ、および、前記正規化ユニットから検出された前記ディファレンシャルモードノイズを用いて正規化データを生成し、
前記正規化ユニットに替えて前記評価対象に前記コモンモードノイズ源から前記コモンモードノイズを入力して前記評価対象に前記プローブを接続した場合に、前記コモンモードノイズ源が発生させた前記コモンモードノイズの周波数およびノイズ強度と、前記評価対象から検出されて前記正規化データで正規化した前記ディファレンシャルモードノイズの周波数およびノイズ強度とを対比することによって前記CM-DM変換量を求める、
ことを特徴とする電磁ノイズ耐性評価装置。 - 前記制御・演算部は、
適宜測定した、前記評価対象のDPI法による電磁ノイズに対する耐久レベルを示すデータと、前記CM-DM変換量と、を用いて所定の演算を行い、前記評価対象の電磁ノイズ耐性を示すデータを求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁ノイズ耐性評価装置。
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