JP7460575B2 - 吸音構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、吸音構造体に関するものである。
従来、ヘルムホルツ共鳴現象を利用して騒音を低減するための吸音構造体が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の吸音構造体は、板状のベース部と同ベース部に突設される凸部とを有している。凸部の内部は空洞になっており、凸部の内面とベース部の同凸部側の面とによって共鳴室が区画形成されている。また、凸部における上記ベース部側の部分には、同凸部の内外を連通する連通孔が設けられている。この吸音構造体では、共鳴室と連通孔とによって構成される部分がヘルムホルツ共鳴現象を利用するレゾネータとして機能するようになる。
特開2016-224194号公報
上記吸音構造体では、レゾネータの一部をなす連通孔が凸部の基端側に設けられているため、音波が同レゾネータの共鳴室の内部に進入しにくい構造になっている。そのため上記吸音構造体は、吸音対象の音波を共鳴室に効率よく導入することができていないと云え、この点において課題を残すものとなっている。
上記課題を解決するための吸音構造体は、ベース部と、前記ベース部から突出する形状をなすとともに内部が空洞の凸部と、前記ベース部における前記凸部側の面および同凸部の内面によって区画形成されるとともに、前記凸部における前記ベース部側の部分に設けられた連通孔によって内外が連通された構造の共鳴室と、前記ベース部に設けられて、同ベース部に向かう音波の進行方向を前記連通孔に向かう方向に偏向する案内壁部とを有する。
一実施形態の吸音構造体が適用される吸音シートの断面図。 吸音シートの取付態様を示す分解斜視図。 吸音シートの斜視図。 突出板部およびベース部の図1の4-4線に沿った断面図。 突出板部の凸部を斜め下方から見た斜視図。 ベース部の平面図。 吸音シートの吸音率を測定した結果を示すグラフ。 吸音シートの吸音率を測定した結果を示すグラフ。 他の実施形態の吸音構造体が適用される吸音シートの斜視図。 同吸音シートの突出板部の底面図。 同吸音シートのベース部の平面図。
以下、一実施形態の吸音構造体について説明する。
図2に示すように、車両20の前部にはダッシュパネル21が設けられている。ダッシュパネル21は金属材料(鋼材)によって形成されて車体の一部を構成している。ダッシュパネル21は板状をなして車室とエンジン室とを隔てるように延びている。ダッシュパネル21には、同ダッシュパネル21の車室側の面を覆うように、吸音構造体としての吸音シート22が取り付けられている。
以下、吸音シート22の構造について詳しく説明する。
図2および図3に示すように、吸音シート22は、突出板部30とベース部40とが重ねられた二層構造をなしている。突出板部30およびベース部40は硬質の合成樹脂材料(例えば、ポリプロピレン)によって形成されている。そして、これら突出板部30およびベース部40は、重ねられた状態で一体に固定されている。吸音シート22は、突出板部30が車両前方側(ダッシュパネル21側)になるように、取り付けられている。
図1および図3~図5に示すように、突出板部30は、平板状の基部31と、この基部31に設けられた内部が空洞の凸部32とによって構成されている。
凸部32は、車両前方側(図1の上方側)、言い換えれば騒音発生源であるエンジン室側に突出している。凸部32は、突出板部30の車両前方側の面の略全体にわたって等間隔で並ぶ態様で多数設けられている。凸部32は、正六角筒状の内筒部33と同内筒部33の外周側に配置された正六角筒状の外筒部34とを有する二重筒状をなしている。凸部32は、内筒部33の中心線と外筒部34の中心線とが一致する構造をなすとともに、内筒部33の断面六角形状における各辺と外筒部34の断面六角形状における各辺とが平行になる構造をなしている。
凸部32の内部には、内筒部33の外周面と外筒部34の内周面とを繋ぐ6本のリブ35が設けられている。各リブ35は、凸部32の突出方向(図1の上下方向)における全長にわたり、内筒部33の角部と外筒部34の角部とを接続する形状をなしている。本実施形態では、6本のリブ35により、内筒部33と外筒部34との間の空間(第1共鳴室36)が二重筒状における周囲方向において6つの空間(区画共鳴室36A~36F)に区画されている。本実施形態では、6つの区画共鳴室36A~36Fの容積は等しくなっている。
内筒部33には、6つの切り欠き部37A~37Fが設けられている。各切り欠き部37A~37Fは、内筒部33における断面六角形状の6つの辺にあたる部分(辺部分)の上記基部31側の端部が断面矩形状で切り欠かれた形状をなしている。切り欠き部37A~37Fは、内筒部33における6つの辺部分にそれぞれ設けられている。各切り欠き部37A~37Fは、断面六角形状の6つの辺の中央にあたる部分に設けられている。
このように本実施形態では、切り欠き部37A~37Fが6つの区画共鳴室36A~36F毎に設けられている。本実施形態では、6つの切り欠き部37A~37Fが断面積の異なる形状に形成されている(断面積[37A]<断面積[37B]<断面積[37C]<断面積[37D]<断面積[37E]<断面積[37F])。
凸部32は、蓋部38を有している。蓋部38は、内筒部33および外筒部34の上記基部31から遠い側の端部開口を塞ぐ形状をなしている。
蓋部38における上記内筒部33の上記ベース部40から遠い側の開口を塞ぐ形状をなす部分には、同内筒部33の内外を連通する貫通孔39が設けられている。貫通孔39は、詳しくは、蓋部38における上記内筒部33の中心線にあたる部分に形成されている。なお本実施形態では、凸部32における内筒部33および外筒部34の上記基部31側の端部は、塞がれておらず、開口している。
前記ベース部40は略平板状をなしている。ベース部40における上記内筒部33の底壁にあたる部分、すなわち内筒部33の上記基部31側の端部開口を塞ぐ部分には、案内壁部41が設けられている。案内壁部41は、ベース部40から離れるにつれて外形が細くなる正六角錐体形状をなしている。本実施形態では、正六角筒状の内筒部33の中心線と正六角錘体形状の案内壁部41の中心線とが一致する構造になっている。また本実施形態では、内筒部33における断面正六角形の各辺と、案内壁部41の側面における断面正六角形の各辺とが平行になる構造になっている。この案内壁部41は、内筒部33に進入してベース部40に向かう音波の進行方向を、切り欠き部37A~37Fに向かう方向に偏向する形状をなしている。
本実施形態では、吸音シート22の内部、詳しくは突出板部30の凸部32とベース部40との間に、ヘルムホルツ共鳴現象を利用して騒音低減を図るレゾネータが構成されている。以下、吸音シート22の内部構造について、詳しく説明する。
まず、突出板部30の内筒部33と外筒部34との間には、6つの分割レゾネータ50A~50Fが区画形成されている。
具体的には、区画共鳴室36Aと連通孔51Aとによって構成される部分が、ヘルムホルツ共鳴現象を利用する分割レゾネータ50Aとして機能するようになる。区画共鳴室36Aは、ベース部40の上記突出板部30側の面と、蓋部38の上記ベース部40側の面と、内筒部33の外周面と、外筒部34の内周面と、隣り合う一対のリブ35の内面とによって区画形成される。連通孔51Aは、区画共鳴室36Aの内外を連通する態様で、切り欠き部37Aの内面とベース部40の上記突出板部30側の面とによって構成されている。本実施形態では、連通孔51Aは、内筒部33における上記ベース部40側の端部に設けられている。
本実施形態では、同様に、区画共鳴室36Bと連通孔51Bとによって構成される部分が分割レゾネータ50Bとして機能するとともに、区画共鳴室36Cと連通孔51Cとによって構成される部分が分割レゾネータ50Cとして機能する。また、区画共鳴室36Dと連通孔51Dとによって構成される部分が分割レゾネータ50Dとして機能するとともに、区画共鳴室36Eと連通孔51Eとによって構成される部分が分割レゾネータ50Eとして機能する。さらに、区画共鳴室36Fと連通孔51Fとによって構成される部分が分割レゾネータ50Fとして機能する。
なお本実施形態では、6つの分割レゾネータ50A~50Fにおいて、区画共鳴室36A~36Fの容積Vと連通孔51A~51Fの長さL(具体的には、内筒部33の厚さに相当する長さ)とが同一である一方、連通孔51A~51Fの断面積Sは異なる。このことから6つの分割レゾネータ50A~50Fは、上記容積V、長さLおよび断面積Sによって定まる共鳴周波数が異なっているため、低減することの可能な騒音の周波数も異なっている。
また本実施形態では、凸部32の内部に、第2レゾネータ52が区画形成されている。具体的には、内筒部33の内部には、ベース部40の上記突出板部30側の面と、蓋部38の上記ベース部40側の面と、内筒部33の内周面とによって第2共鳴室53が区画形成されている。そして、この第2共鳴室53および前記第1共鳴室36(区画共鳴室36A~36F)によって構成される共鳴室(大共鳴室)と蓋部38に設けられた貫通孔39とによって、ヘルムホルツ共鳴現象を利用する第2レゾネータ52が構成されている。
以下、吸音シート22による作用効果について説明する。
本実施形態では、突出板部30の各凸部32の内部において、内筒部33と外筒部34との間には、ヘルムホルツ共鳴現象を利用する第1レゾネータ50が設けられている。この第1レゾネータ50は、6つの分割レゾネータ50A~50Fに分割された構造をなしている。そして、6つの分割レゾネータ50A~50Fは、低減することの可能な騒音の周波数が異なっている。したがって本実施形態によれば、これら分割レゾネータ50A~50Fによって、幅広い周波数の騒音を低減することができる。
しかも、各凸部32の内部においては、内筒部33と外筒部34との間に第1共鳴室36(区画共鳴室36A~36F)が区画形成されることに加えて、ベース部40、内筒部33の内面、および蓋部38によって第2共鳴室53が区画形成される。そして、これら第1共鳴室36および第2共鳴室53によって構成される上記大共鳴室と蓋部38の貫通孔39とによって、第2レゾネータ52を構成することができる。こうした第2レゾネータ52を、前記第1レゾネータ50に合わせて用いることができるため、高い自由度で騒音低減を図ることができる。
図7に、吸音シートの吸音率を「日本工業規格JIS A1405-2」に準拠して測定した結果を示す。なお図7の実線は、外形が円柱状の凸部の内部に低減可能な騒音の周波数が異なる2つの分割レゾネータと第2レゾネータとが設けられた吸音シートについて、吸音率を測定した結果を示している。また図7の破線は、凸部の内部が単純な円柱状の空間(共鳴室)になっている比較例の吸音シートについての吸音率の測定結果を示している。
図7中に破線で示すように、比較例の吸音シートでは、一つの周波数帯域の騒音についてのみ低減が図られるようになる。これに対して、図7中に実線で示すように、2つの分割レゾネータを有する吸音シートでは、3つの周波数帯域(図7中に矢印P1,P2,P3で示す)の騒音を低減することができる。したがって、第1レゾネータ50(分割レゾネータ50A~50F)や第2レゾネータ52を有する本実施形態の吸音シート22によれば、幅広い周波数の騒音を低減することができるようになる。
また、各レゾネータ50A~50F,52が低減対象とする騒音の周波数は、共鳴室の容積や、連通孔(または貫通孔)の長さ、同連通孔(または貫通孔)の断面積を調整することによって、任意に設定することができる。このことから本実施形態によれば、上記容積や上記長さ、上記断面積の設定を通じて、不織布製の吸音材では対応が困難であった低い周波数帯域の騒音(図7中に矢印P1で示す)を低減することができるようになる。
ここで本実施形態では、分割レゾネータ50A~50Fの一部を構成する連通孔51A~51Fが内筒部33の基端部分、詳しくは、ベース部40側の端部に設けられている。そのため、吸音対象の音波が区画共鳴室36A~36Fの内部に進入しにくい構造になっている。しかも本実施形態では、連通孔51A~51Fが二重筒状の凸部32の内部、詳しくは内筒部33の内部に設けられている。こうした構造によっても、吸音対象の音波が区画共鳴室36A~36Fの内部に進入しにくくなっている。
この点をふまえて、本実施形態では、ベース部40における上記内筒部33の底壁にあたる部分に、正六角錐体形状をなす案内壁部41が突設されている。そして、この案内壁部41によって、内筒部33の内部に進入してベース部40に向かう音波の一部が各区画共鳴室36A~36Fの内部に案内されるようになっている。以下、そうした音波の案内態様について具体的に説明する。
車両前方から吸音シート22に向かう音波は、図1中に矢印Aで示すように、蓋部38の貫通孔39を介して内筒部33の内部に進入する。そして、図1中に矢印Bで示すように、内筒部33の内部に進入した音波の一部は、蓋部38からベース部40に向けて、同内筒部33の中心線に沿う方向(図1における下方)に進む。この音波は、正六角錐体形状をなす案内壁部41の側面に突き当たって偏向されるようになる。これにより上記音波は、図1中に矢印Cで示すように、内筒部33の内周面、詳しくは同内筒部33のベース部40側の端部に設けられた連通孔51A~51Fに向かって進むようになる。本実施形態では、このようにして、内筒部33の内部に進入してベース部40に向かう音波の一部が、各連通孔51A~51F、ひいては区画共鳴室36A~36Fの内部に案内されるようになる。
本実施形態によれば、内筒部33の内部に進入してベース部40に向かって進む音波の一部、すなわち吸音対象の音波を、区画共鳴室36A~36Fに効率よく導入することができるため、分割レゾネータ50A~50Fによる吸音効果を向上させることができる。
本実施形態では、第1レゾネータ50を構成する6つの分割レゾネータ50A~50Fが、内筒部33の中心線の周りにおいて環状で並ぶ態様で配置されている(図4参照)。そして、ベース部40における内筒部33の底壁にあたる部分に六角錐体形状をなす案内壁部41が設けられている(図6参照)。そのため、この案内壁部41によって、内筒部33の内部に進入してベース部40に向かう音波の一部を、図6中に矢印Dで示すように、放射状に進むように偏向することができる。
そして、このようにして放射状に偏向した音波を、各分割レゾネータ50A~50Fに対応する連通孔51A~51Fに案内することができる。このように本実施形態によれば、共通の案内壁部41によって複数の分割レゾネータ50A~50Fに対して音波を各別に案内することができる。そのため、複数の分割レゾネータ50A~50Fに対して独立した案内壁部を各別に設ける場合と比較して、突出板部30、ひいては吸音シート22を簡素な構造にすることができる。
図8に、吸音シート22の吸音率を「日本工業規格JIS A1405-2」に準拠して測定した結果を示す。なお図8において、実線には案内壁部41が設けられた吸音シート22についての吸音率の測定結果を示しており、破線には、案内壁部が設けられない比較例の吸音シートについての吸音率の測定結果を示している。
図8に示すように、案内壁部41を有する吸音シート22(実線)では、案内壁部を有していない比較例の吸音シート(破線)と比較して、吸音率が高くなっている。また、本実施形態の吸音シート22では、騒音低減効果が見込める周波数帯域(図8にW1で示す)が、比較例の吸音シートにおける同周波数帯域(図8にW2で示す)と比べて広くなっている。したがって、案内壁部41を有する本実施形態の吸音シート22によれば、分割レゾネータ50A~50Fによる吸音効果を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)吸音シート22のベース部40に、同ベース部40に向かう音波の進行方向を連通孔51A~51Fに向かう方向に偏向する案内壁部41を設けた。これにより、上記音波の一部、すなわち吸音対象の音波を、区画共鳴室36A~36Fに効率よく導入することができるため、分割レゾネータ50A~50Fによる吸音効果を向上させることができる。
(2)分割レゾネータ50A~50Fの一部を構成する連通孔51A~51Fが内筒部33における前記ベース部40側の端部に設けられている。そして、ベース部40における上記内筒部33の底壁にあたる部分には案内壁部41が設けられている。本実施形態によれば、内筒部33の内部に進入してベース部40に向かう音波の一部を、同ベース部40に設けられた案内壁部41によって偏向することで、上記連通孔51A~51F、ひいては区画共鳴室36A~36Fの内部に案内することができる。
(3)凸部32は内筒部33の前記基部31から遠い側の開口を塞ぐ形状の蓋部38を有している。蓋部38は内筒部33の内外を連通する貫通孔39を有している。そのため、第1共鳴室36および第2共鳴室53によって構成される上記大共鳴室と蓋部38に設けられた貫通孔39とによって、第2レゾネータ52を構成することができる。こうした第2レゾネータ52を、前記第1レゾネータ50に合わせて用いることができるため、高い自由度で騒音低減を図ることができる。
(4)第1レゾネータ50を構成する6つの分割レゾネータ50A~50Fが、内筒部33の中心線の周りにおいて環状で並ぶ態様で配置されている。そして、ベース部40における内筒部33の底壁にあたる部分に六角錐体形状をなす案内壁部41が設けられている。これにより、共通の案内壁部41によって複数の分割レゾネータ50A~50Fに対して音波を各別に案内することができる。そのため、複数の分割レゾネータ50A~50Fに対して独立した案内壁部を各別に設ける場合と比較して、突出板部30、ひいては吸音シート22を簡素な構造にすることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・分割レゾネータ50A~50Fの一部をなす区画共鳴室36A~36Fの容積Vや、連通孔51A~51Fの長さL、同連通孔51A~51Fの断面積Sは任意に変更することができる。なお、区画共鳴室36A~36Fの容積Vは、リブ35の形成位置の変更を通じて調整することができる。連通孔51A~51Fの長さLは、内筒部33の周壁の肉厚の変更を通じて調整することができる。連通孔51A~51Fの断面積Sは、切り欠き部37A~37Fの断面形状の変更を通じて、調整することができる。
・第1レゾネータ50の分割数、すなわち分割レゾネータ50A~50Fの設定数は、任意に変更することができる。なお第1レゾネータ50の分割数は、リブ35の本数の変更を通じて設定することができる。
・リブ35を省略してもよい。
・貫通孔39の配設位置を、蓋部38における内筒部33の中心線にあたる部分にすることに限らず、同中心線からずれた位置にしてもよい。この場合、貫通孔39の配設位置に合わせて、案内壁部41の形状や配設位置を設定すればよい。
・連通孔51A~51Fを、内筒部33における上記ベース部40側の端部に設けることに限らず、同端部から若干離れた位置に設けるようにしてもよい。
・突出板部30の凸部32を、正六角形以外の多角形(例えば正方形や正八角形)をなす二重筒状にしたり、二重円筒状にしたりしてもよい。以下、そうした凸部を有する吸音シートの一例について、図9~図11を参照しつつ説明する。
図9および図10に示すように、突出板部60の凸部62は、円筒状の内筒部63と同内筒部63の外周側に配置された円筒状の外筒部64とを有する二重円筒状をなしている。この凸部62は、内筒部63の中心線と外筒部64の中心線とが一致する構造をなしている。凸部62の内部には、内筒部63の外周面と外筒部64の内周面とを繋ぐ2本のリブ65が設けられている。各リブ65は、凸部62の突出方向における全長にわたり、内筒部63と外筒部64とを接続する形状をなしている。本例では、2本のリブ65により、内筒部63と外筒部64との間の空間(第1共鳴室)が二重円筒状における周囲方向において2つの空間(区画共鳴室)に区画されている。内筒部63には、2つの切り欠き部67A,67Bが設けられている。各切り欠き部67A,67Bは、内筒部63における上記リブ65の間にあたる部分の基部61側(図9の下方側)の端部が断面矩形状で切り欠かれた形状をなしている。凸部62は、内筒部63および外筒部64の上記基部61から遠い側の端部開口を塞ぐ形状の蓋部68を有している。蓋部68は、内筒部63の内外を連通する貫通孔69を有している。貫通孔69は、蓋部68における上記内筒部63の中心線にあたる部分に形成されている。
図9および図11に示すように、ベース部70は略平板状をなしている。図11に示すように、ベース部70における上記内筒部63の底壁にあたる部分には、案内壁部71が設けられている。案内壁部71は、ベース部70から離れるにつれて外形が細くなる円錐体形状をなしている。本例では、円筒状の内筒部63の中心線と円錘体形状の案内壁部71の中心線とが一致する構造になっている。案内壁部71は、内筒部63に進入してベース部70に向かう音波の進行方向を、切り欠き部67A,67Bに向かう方向に偏向する形状をなしている。
・凸部32,62の構造として、内筒部33,63の中心線と外筒部34,64の中心線とが一致しない構造採用することができる。
・案内壁部41としては、錐体形状のものを設けることに限らず、頂面が連通孔51A~51Fに向けて下り坂になる坂道形状をなすリブが凸部32の中心線を基準に放射状に延びる形状のものを設けることができる。案内壁部41の頂面の少なくとも一部を、曲面によって構成するようにしてもよい。案内壁部41の形状は、内筒部33の内部に進入してベース部40に向かう音波の進行方向を各連通孔51A~51Fに向かう方向に偏向することの可能な形状であれば、任意に変更することができる。
・蓋部38を、内筒部33の周壁よりも内周側には設けられない形状であって、且つ、外筒部34の前記基部31から遠い側の端部開口を塞ぐ形状に形成してもよい。
・ベース部40や突出板部30を、軟質な合成樹脂材料(例えばエラストマー)によって形成してもよい。ベース部40は、不織布やフエルトなどによって形成することができる。ベース部40は、板状に形成することの他、フィルム状に形成することができる。
・上記実施形態にかかる吸音構造体は、二重筒状の凸部を有する防音シートに適用することに限らず、一重筒状の凸部を有する防音シートにも適用することができる。以下、そうした防音シートの一例について説明する。凸部の内部は、放射状に延びるリブによって、同凸部の周囲方向において3つの部屋(詳しくは、共鳴室)に区画されている。3つの部屋のうちの1つ(第1部屋)には、凸部の蓋部にあたる部分に、同凸部の内外を連通する貫通孔が形成されている。この防音シートでは、第1部屋および貫通孔が第2レゾネータとして機能する。3つの部屋の残りの2つ(第2部屋、第3部屋)には、上記リブにおける第1部屋との間を仕切る部分に、同部屋(第2部屋、第3部屋)の内外を連通する連通孔が形成されている。この防音シートでは、第2部屋および連通孔と、第3部屋および連通孔とがそれぞれ第1レゾネータとして機能する。ベース部における上記第1部屋の底壁にあたる部分には、案内壁部が突設されている。この防音シートでは、上記案内壁部により、ベース部に向かう音波の進行方向が上記連通孔に向かう方向に偏向される。
・上記実施形態にかかる吸音構造体は、第1レゾネータの連通孔が凸部の内部に形成される構造の防音シートの他、第1レゾネータの連通孔が凸部の外周壁に形成される構造の防音シートにも適用することができる。以下、そうした防音シートの一例について説明する。凸部の外周壁には同凸部の内外を連通する連通孔が設けられている。この防音シートでは、凸部の内部空間(詳しくは、共鳴室)と連通孔とが第1レゾネータとして機能する。突出板部における凸部の外方にあたる部分、詳しくは基部には、上記連通孔の近傍に案内壁部が突設されている。この防音シートでは、上記案内壁部により、基部に向かう音波の進行方向が上記連通孔に向かう方向に偏向される。なお、この防音シートでは、基部がベース部の一部を構成している。
22…吸音シート
30,60…突出板部
31,61…基部
32,62…凸部
33,63…内筒部
34,64…外筒部
35,65…リブ
36…第1共鳴室
36A~36F…区画共鳴室
38.68…蓋部
39,69…貫通孔
40,70…ベース部
41,71…案内壁部
50…第1レゾネータ
50A~50F…分割レゾネータ
51A~51F…連通孔
52…第2レゾネータ
53…第2共鳴室

Claims (4)

  1. ベース部と、
    前記ベース部から突出する形状をなすとともに内部が空洞の凸部と、
    前記ベース部における前記凸部側の面および同凸部の内面によって区画形成されるとともに、前記凸部における前記ベース部側の部分に設けられた連通孔によって内外が連通された構造の共鳴室と、
    前記ベース部における前記凸部側の面に設けられ案内壁部と、を有し、
    前記案内壁部は、前記ベース部に対し前記凸部側から前記案内壁部に向かう音波の進行方向を偏向して、当該音波を前記連通孔に案内する、吸音構造体。
  2. 前記凸部は、筒状の内筒部と同内筒部の外周側に配置された筒状の外筒部とを有する二重筒状をなすとともに、前記内筒部と前記外筒部との間の部分における前記ベース部から遠い側の開口を塞ぐ形状の蓋部を有し、
    前記共鳴室は、前記内筒部の外周面と前記外筒部の内周面と前記蓋部とによって区画形成されてなり、
    前記連通孔は、前記内筒部における前記ベース部側の部分に設けられ、
    前記案内壁部は、前記内筒部の底壁にあたる部分に設けられている
    請求項1に記載の吸音構造体。
  3. 前記蓋部は、前記内筒部の前記ベース部から遠い側の開口を塞ぐ形状をなす部分と、同部分に設けられて前記内筒部の内外を連通する貫通孔と、を有する
    請求項2に記載の吸音構造体。
  4. 前記共鳴室は、前記二重筒状における周囲方向において区画された複数の区画共鳴室によって構成されており、
    前記連通孔は、前記複数の区画共鳴室毎に設けられており、
    前記案内壁部は、前記ベース部から離れるにつれて外形が細くなる錐体形状をなしている
    請求項2または3に記載の吸音構造体。
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