JP7459397B1 - リニア搬送装置およびリニア搬送装置の製造方法 - Google Patents

リニア搬送装置およびリニア搬送装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

リニア搬送装置(1)が、固定子を有する搬送路と、搬送路に沿って移動する複数の搬送体と、搬送体に取り付けられ、位置検出用の磁界を発生させる磁石部(MA)と、搬送路に取り付けられて磁界を検出する磁気検出素子(30)と、磁気検出素子が検出した磁界に基づいて、搬送体の位置を演算する演算部(40)と、搬送体の位置を補正する補正値の組合せである補正値群を格納する補正値格納部とを備え、磁石部は、搬送体の移動方向に沿って異なる磁極が交互に並ぶように配置された磁石(10A)と、磁性体粉を含んだ樹脂で形成されるとともに、磁石の移動方向の両端面および磁石の搬送路に対向する対向面と反対側の面である上面に配置されて磁石からの磁力線を遮蔽する磁性体の磁気遮蔽部(20A)とを有し、補正値群の数は、搬送体の個数よりも少なく、演算部は、搬送体のうちの何れかに対し他の搬送体と共通の補正値群を用いて位置を補正する。

Description

本開示は、可動子の位置を検出するリニア搬送装置およびリニア搬送装置の製造方法に関する。
リニア搬送装置では、可動子の位置を正確に制御するため、位置検出器が、可動子に配置された磁石の磁気に基づいて可動子の位置を検出している。このようなリニア搬送装置では、可動子同士が接近すると、磁石同士が磁気的に干渉し、位置検出器による位置検出の精度が低下する。加えて、リニア搬送装置では、可動子の製造過程における寸法公差等が影響して位置検出器による位置検出値がばらつき、位置検出の精度が低下する。
特許文献1に記載の位置検出器は、可動子が備える位置検出用の磁石の移動方向の端部および裏面に、接近した可動子の磁石同士の磁気的な干渉を抑制するための磁気遮蔽部が配置されている。
特許第7046290号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、磁気遮蔽部において裏面に設置された裏面磁気遮蔽部の位置検出用磁石と向かい合う内側面と、側面に設置された側面磁気遮蔽部の位置検出用磁石と向かい合う内側面とが交わる磁気遮蔽部の内側面の隅部を正確に所望の形状に形成することが困難である。すなわち、板状の磁性体を磁石の裏面と両側面とを覆う形状に曲げ加工することによって磁気遮蔽部を形成する場合であっても、磁性体のブロックを磁石の裏面と両側面とを覆う形状に切削加工することによって磁気遮蔽部を形成する場合であっても、隅部を精度良く磁石の形状に形成することが困難である。このため、磁石と磁気遮蔽部との間に寸法公差による隙間が生じ、磁束または磁力線に乱れが発生して位置検出の精度が低下するという問題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、位置検出の精度が低下することを抑制することができるリニア搬送装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示のリニア搬送装置は、固定子を有する搬送路と、搬送路に沿って移動する複数の搬送体と、搬送体に取り付けられ、位置検出用の磁界を発生させる磁石部と、搬送路に取り付けられて磁界を検出する磁気検出素子とを備える。また、本開示のリニア搬送装置は、磁気検出素子が検出した磁界に基づいて、搬送体の位置を演算する演算部と、搬送体の位置を補正する補正値の組合せである補正値群を格納する補正値格納部とを備える。磁石部は、搬送体の移動方向に沿って異なる磁極が交互に並ぶように配置された磁石と、磁性体粉を含んだ樹脂で形成されるとともに、磁石の移動方向の両端面および磁石の搬送路に対向する対向面と反対側の面である上面に配置されて磁石からの磁力線を遮蔽する磁性体の磁気遮蔽部とを有する。補正値群の数は、搬送体の個数よりも少なく、演算部は、搬送体のうち少なくとも1つの搬送体の位置を補正する補正値群を他の搬送体の位置を補正する補正値群としても用いて位置を補正する。
本開示にかかるリニア搬送装置は、位置検出の精度が低下することを抑制することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかるリニア搬送装置の構成を示す斜視図 実施の形態1にかかるリニア搬送装置が備える磁石部の構成を示す側面図 実施の形態1にかかるリニア搬送装置の構成を示すブロック図 実施の形態1にかかるリニア搬送装置の製造処理手順を示すフローチャート 実施の形態2にかかるリニア搬送装置が備える磁石部の構成を示す側面図 実施の形態3にかかるリニア搬送装置が備える磁石部の構成を示す側面図
以下に、本開示の実施の形態にかかるリニア搬送装置およびリニア搬送装置の製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかるリニア搬送装置の構成を示す斜視図である。図2は、実施の形態1にかかるリニア搬送装置が備える磁石部の構成を示す側面図である。図1および図2では、磁石10Aの上面と平行な面内の2つの軸であって互いに直交する2つの軸をX軸およびY軸とする。また、X軸およびY軸に直交する軸をZ軸とする。例えば、磁石10Aの上面と平行な面(XY平面)は水平面であり、Z軸方向は鉛直方向である。
リニア搬送装置1は、物品を搬送する複数のキャリア2と、固定子4と、磁気検出素子30と、演算部40と、サーボアンプ50とを備えている。
各キャリア2は、駆動用の磁界を発生させる可動子mVと、位置検出用の磁界を発生させる磁石部MAとを備えている。可動子mVおよび磁石部MAは、各キャリア2の下部に配置されている。なお、キャリア2は搬送体の一例である。搬送体は、キャリア2のように可動子mVと磁石部MAとを備えていれば、他の構成要素をさらに備えていてもよい。
また、リニア搬送装置1は、固定子4が設置された搬送レール5を備えている。リニア搬送装置1では、キャリア2が搬送レール5に対向する位置に配置されている。すなわち、リニア搬送装置1では、可動子mVが固定子4に対向する位置に配置されている。リニア搬送装置1では、可動子mVが固定子4上を移動することで、キャリア2が搬送レール5上を搬送方向に移動する。
搬送レール5には、駆動用の磁界を発生させる固定子4と、キャリア2の位置を検出する磁気検出素子30とが配置されている。リニア搬送装置1では、可動子mVおよび固定子4が、リニアモータを形成している。可動子mVおよび固定子4は、一方には電磁石を用い、他方には電磁石または永久磁石を用いることができる。なお、搬送レール5は搬送路の一例である。搬送路は、搬送レール5のように固定子4と磁気検出素子30とを備えていれば、他の構成要素をさらに備えていてもよい。
磁気検出素子30は、磁石部MAの磁界(磁束密度)を検出する。リニア搬送装置1では、磁石部MAおよび磁気検出素子30がリニア搬送装置用位置検出器である。リニア搬送装置1では、可動子mVおよび固定子4が駆動用の磁界を発生させ、磁石部MAが、位置検出用の磁界を発生させる。リニア搬送装置1では、キャリア2が搬送レール5に沿って移動する際に、可動子mVが固定子4上を移動することで、磁石部MAが磁気検出素子30上を移動する。
磁石部MAには、異なる磁極を交互に配置した磁石(永久磁石)10Aと、磁石10Aからの磁力線を遮蔽する磁気遮蔽部20Aとが設けられている。磁石10Aは、可動子mVの移動方向(キャリア2の搬送方向)に沿って配置されている。
磁石10Aの磁界の向きは、キャリア2の移動方向に沿って交互に異なっている。すなわち、磁石10Aでは、1つの磁性体にキャリア2の移動方向に沿って複数の磁極が形成されている。なお、複数の磁石が移動方向に沿って並べられることで、磁石10Aが構成されてもよい。磁石10Aは、直方体の形状をなしている。図2では、直方体の磁石10Aの側面のうちの1つの側面を図示している。磁石10Aは、複数の磁極が配列されている方向がキャリア2の移動方向と一致するようにキャリア2に配置される。
図2において、実線の矢印7は、磁石10Aが発生させる磁界を示している。また、図2において、磁石10A内の白抜きの矢印11は、磁石10A内部の磁界の向きを示している。
磁気遮蔽部20Aは、磁石10Aの移動方向の両端面(進行方向の前面および後面)に設けられた側面磁気遮蔽部と、磁石10Aのうち搬送レール5と対向する対向面と反対側の面である上面に配置された上面磁気遮蔽部とを含んでいる。磁石部MAの移動方向の前面および後面からの垂線は、移動方向に平行である。
側面磁気遮蔽部が配置される磁石10Aの端面は、磁石10Aの前面および後面である。上面磁気遮蔽部が配置される磁石10Aの面は、搬送レール5に対向する対向面とは反対側の上面である。この構成により、磁気遮蔽部20Aは、Y軸方向から見て側面磁気遮蔽部と上面磁気遮蔽部とが繋がって形成されており、磁石10Aの両端面と上面とを覆う形状をなしている。
なお、上面磁気遮蔽部に密着する磁石10Aの上面は、搬送レール5から見ると、磁石10Aの裏面(背面部)であるともいえる。また、上面磁気遮蔽部のうち磁石10Aに密着する内壁面は、搬送レール5から見ると、磁気遮蔽部20Aの底面であるともいえる。
直方体の磁石10Aの外壁面のうちYZ平面に平行な面が、磁石10Aの2つの側面であり、言い換えれば移動方向の前面および後面である。直方体の磁石10Aの外壁面のうちXY平面に平行な面が磁石10Aの上面および底面である。また、直方体の磁石10Aの外壁面のうちXZ平面に平行な面が磁石10Aの別の2つの側面である。
図1では、側面磁気遮蔽部が、YZ平面に平行な端面で磁石10Aに密着し、上面磁気遮蔽部が、XY平面に平行な上面で磁石10Aに密着している。側面磁気遮蔽部は、磁石10AのYZ平面に平行な両端面(前面および後面)を覆い、上面磁気遮蔽部は、磁石10AのXY平面に平行な面(上面)を覆っている。
直方体の磁石10Aが有する外壁面のうち前面、後面、上面が、磁気遮蔽部20Aの内壁面に密着している。すなわち、磁石10Aの上面と前面とがなす角部、および磁石10Aの上面と後面とがなす角部が磁気遮蔽部20Aの内壁面に覆われている。なお、磁石10Aの上面と前面とがなす角部、および磁石10Aの上面と後面とがなす角部は、磁石10Aの上面側の角部である。このように、リニア搬送装置1では、磁気遮蔽部20Aの内壁面のうち磁石10Aの上面側の角部と接する隅部と、磁石10Aの上面側の角部とが密着しており、磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとの間に隙間がない。なお、磁気遮蔽部20Aの内壁面は、直方体の磁石10Aが有する外壁面のうち前面および後面とは別の2つの側面を覆ってもよい。
磁気遮蔽部20Aは、鉄などの透磁率が1を超える材料を用いて形成されている。具体的には、磁気遮蔽部20Aは、磁性体粉を含んだ樹脂で形成されている。実施の形態1では、磁気の遮蔽部を有した磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとが一体成型されており、磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとは、隙間なく密着している。この構成により、磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとは、互いに固定保持し合っている。すなわち、磁気遮蔽部20Aが磁石10Aを固定保持し、磁石10Aが磁気遮蔽部20Aを固定保持している。
実施の形態1における一体成型では、例えば、先に磁石10Aが磁石10A用の金型を用いて射出成型により形成される。すなわち、磁石10A用の金型内に磁性材料が流し込まれて磁石10Aが形成される。そして、磁性材樹脂用(磁気遮蔽部20A用)の金型内に磁石10Aが入れられ、磁性材樹脂用の金型に磁性材樹脂が流し込まれる。磁性材樹脂用の金型は、磁気遮蔽部20Aが形成される部分と磁石10Aが入れられる部分とが空洞となっている。この空洞部分のうち、磁石10Aが入れられる部分には磁石10Aが入れられ、磁気遮蔽部20Aが形成される部分に磁性材樹脂が流し込まれることで、磁気遮蔽部20Aが磁石10Aに対して一体成型される。
なお、実施の形態1における一体成型では、磁気遮蔽部20Aが先に形成されてもよい。この場合、先に磁気遮蔽部20Aが磁気遮蔽部20A用の金型を用いて射出成型により形成される。すなわち、磁性材樹脂用の金型内に磁性材樹脂が流し込まれて磁気遮蔽部20Aが形成される。そして、磁石10A用の金型内に磁気遮蔽部20Aが入れられ、磁石10A用の金型に磁性材料が流し込まれる。磁石10A用の金型は、磁石10Aが形成される部分と磁気遮蔽部20Aが入れられる部分とが空洞となっている。この空洞部分のうち、磁気遮蔽部20Aが入れられる部分には磁気遮蔽部20Aが入れられ、磁石10Aが形成される部分に磁性材料が流し込まれることで、磁石10Aが磁気遮蔽部20Aに対して一体成型される。
磁気遮蔽部20Aよりも先に磁石10Aが形成される場合、磁石10A用の金型が第1の金型であり、磁気遮蔽部20A用の金型が第2の金型である。また、磁石10Aよりも先に磁気遮蔽部20Aが形成される場合、磁気遮蔽部20A用の金型が第1の金型であり、磁石10A用の金型が第2の金型である。
磁気検出素子30は、磁石10Aが発生させる磁界を検出する。具体的には、磁気検出素子30は、磁石10Aによる磁界の変位量を信号出力の変化量に変換する。磁気検出素子30の例は、ホール素子である。磁気検出素子30は、検出した磁界を演算部40に送る。磁気検出素子30は、磁石部MAの移動方向に沿って搬送レール5側に複数取り付けられている。磁石部MAの移動に伴って、各磁気検出素子30が検出する磁界は変化する。
演算部40は、磁気検出素子30から送られてくる磁束(磁束密度など)の検出値に基づいて、キャリア2(磁石部MA)の位置(位置データ)を算出する。キャリア2の位置は、磁石10Aの位置および可動子mVの位置に対応している。演算部40は、キャリア2の位置データをサーボアンプ50に送る。
図3は、実施の形態1にかかるリニア搬送装置の構成を示すブロック図である。リニア搬送装置1は、複数のキャリア2-1~2-n(nは2以上の自然数)を備えている。キャリア2-1~2-nは、図2で説明したキャリア2と同様のキャリアである。実施の形態1では、キャリア2-1~2-nを区別する必要がない場合には、キャリア2-1~2-nをキャリア2という場合がある。各キャリア2-1~2-nは、それぞれ同じ形状の磁石10Aおよび同じ形状の磁気遮蔽部20A(図3では図示せず)を有している。
リニア搬送装置1では、搬送レール5に沿ってキャリア2-1~2-nが移動する。磁気検出素子30は、キャリア2-1~2-nが磁気検出素子30上を通過する際に、キャリア2-1~2-nが備える磁石10Aが発生させる磁界を検出する。磁気検出素子30は、検出した磁界を演算部40に送る。
演算部40は、補正値格納部41を有している。補正値格納部41は、キャリア2-1~2-nの位置を補正するための補正値を格納しておく。この補正値は、磁石10Aの位置を精度良く検出するための補正値(誤差補正値)である。なお、補正値格納部41は、演算部40の外部に配置されてもよい。
キャリア2-1~2-nの位置を補正するための補正値は、磁束密度の信号を補正するための補正値(信号補正値)であってもよいし、磁束密度の信号から算出されたキャリア2-1~2-nの位置自体を補正するための補正値(位置補正値)であってもよい。以下では、キャリア2-1~2-nの位置を補正するための補正値が、磁束密度の信号を補正するための信号補正値である場合について説明する。
例えば、磁気検出素子30により検出されたキャリア2-1~2-nの各磁石10Aの磁束密度が正弦波信号で示される場合、正弦波信号の振幅、オフセットなどを補正するための補正値が、キャリア2-1~2-nの位置を補正するための信号補正値である。演算部40は、補正値格納部41内の信号補正値を用いて、正弦波信号の振幅、オフセットなどを補正する。キャリア2-1~2-nの各磁石10Aの磁束密度は、磁束密度をBとすると、例えば、B=Psinθ+Qで示される。ここでのPが振幅であり、Qがオフセットである。オフセットは、信号波形の平均値の中心値0からのずれ量である。信号補正値は、リニア搬送装置1が出荷される前に予め取得されて補正値格納部41に格納される。
演算部40は、磁気検出素子30から送られてくる磁束密度の信号を、補正値格納部41が格納している信号補正値で補正する。演算部40は、磁束密度の補正後の信号に基づいて、キャリア2-1~2-nの位置データを算出する。演算部40は、キャリア2-1~2-nの位置データをサーボアンプ50に送る。
補正値格納部41が格納しておく信号補正値は、キャリア2-1~2-nで共通である。なお、リニア搬送装置1では、キャリア2-1~2-nのうちの少なくとも2つに対して共通の信号補正値が用いられればよい。すなわち、補正値格納部41が格納しておく信号補正値の組(例えば、振幅用の補正値とオフセット用の補正値との組)の組数は、キャリア2-1~2-nの数よりも少なければよい。すなわち、補正値の組合せである補正値群は、キャリア2-1~2-nの数よりも少なければよい。以下では、補正値群の数が1つである場合について説明する。なお、補正値群に含まれる補正値の種類は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
サーボアンプ50は、キャリア2の位置データに基づいて、リニアモータを制御する。これにより、固定子4に供給される電力が可動子mVの位置に応じた電力に調整される。固定子4に供給される電力が調整されることによって、可動子mVおよび固定子4が発生させる駆動用の磁界の大きさが調整され、可動子mVの位置が調整される。つまり、キャリア2が搬送レール5に沿って移動する。
実施の形態1では、磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとが一体成型されているので、磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとが隙間なく密着している。このように、リニア搬送装置1では、磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとの間の隙間がないので、磁束の乱れまたは磁力線の乱れの発生が抑制されている。したがって、リニア搬送装置1は、各キャリア2-1~2-nから同様の正弦波信号を検出することができ、各キャリア2-1~2-nに共通の信号補正値で正弦波信号を補正することができる。
また、リニア搬送装置1では、磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとが一体成型されるので、磁気遮蔽部20Aおよび磁石10Aの形状の製造ばらつきを抑制することができ、容易に磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとを隙間なく密着させることができ、磁束の乱れまたは磁力線の乱れの発生を抑制することができる。
位置検出対象ではないキャリア2が位置検出対象であるキャリア2から離れている場合、磁気検出素子30は、位置検出対象であるキャリア2の磁石10Aが発生させる磁界のみを検出し、位置検出対象ではないキャリア2の磁石10Aが発生させる磁界は検出しない。
位置検出対象ではないキャリア2が位置検出対象であるキャリア2に接近した場合において、位置検出対象ではないキャリア2が磁気遮蔽部20Aを有していないと、磁気検出素子30は、位置検出対象ではないキャリア2の磁石10Aが発生させる磁界を検出してしまう。この場合、キャリア2の位置検出精度が低下してしまう。
実施の形態1のリニア搬送装置1は、キャリア2が磁気遮蔽部20Aを有しているので、位置検出精度が低下することを抑制できる。すなわち、リニア搬送装置1は、磁気遮蔽部20Aを有しているので、位置検出対象ではないキャリア2の磁石10Aからの磁力のうち磁力線が小さいループとなる分は、側面磁気遮蔽部によって遮られ、磁気検出素子30に届かない。また、リニア搬送装置1では、磁気遮蔽部20Aを有しているので、位置検出対象ではないキャリア2からの磁力のうち、磁力線が大きいループとなる分は、上面磁気遮蔽部によって遮られ、磁気検出素子30に届かない。
ところで、板状の磁性体を曲げ加工することによって磁気遮蔽部を形成する方法(以下、方法M1という)がある。方法M1では、板状の磁性体を曲げ加工する際に、曲げ部に製造公差に起因する曲げR(隅アール)が生じるので、磁気遮蔽部の曲げ部(言い換えれば、磁気遮蔽部の内側面のうち磁石の角部と向かい合う隅部)に磁石を密着させることができない。このため、方法M1では、磁石と磁気遮蔽部との間に空気が介在して磁束または磁力線に乱れが生じてしまう。このような、磁束または磁力線の乱れは、位置検出器による位置検出値のばらつきの原因となるため、キャリアの位置の検出精度が低下する。また、方法M1では、浅い曲げ加工が困難なため、側面磁気遮蔽部の深さ方向の寸法を特定値以上にする必要があり薄型化が困難である。
また、磁性体のブロックを凹型に切削加工することによって磁気遮蔽部を形成する方法(以下、方法M2という)がある。方法M2では、製造公差によって凹部の底の隅部(言い換えれば、磁気遮蔽部の内側面のうち磁石の角部と向かい合う隅部)を直角にはできず、凹部の底の隅部にR面またはC面が生じるので、磁気遮蔽部の内側面の隅部に磁石を密着させることができない。このため、方法M2では、磁石と磁気遮蔽部との間に空気が介在して磁束または磁力線に乱れが生じてしまう。このような、磁束または磁力線の乱れは、位置検出器による位置検出値のばらつきの原因となるため、キャリアの位置の検出精度が低下する。また、磁性体ブロックは、アルミまたは真鍮と比べて固い金属なため、加工に時間が掛かり高価になる。
このように、方法M1,M2の何れでも、部品(磁気遮蔽部)の製造公差に起因して、磁石と磁気遮蔽部との間に相対的な位置の誤差が発生するので、各キャリアが発する磁界にばらつきが生じる。このため、方法M1,M2で作製されたキャリアがリニア搬送装置に適用される場合、キャリアの位置の検出精度の低下を抑制するためには、出荷試験時にキャリア毎に信号補正値を算出して、補正値格納部に格納しておく必要がある。例えば、1台のリニア搬送装置に搭載するキャリアが100個(N=100)の場合、補正値格納部には100個分のキャリアの磁石の信号補正値を格納しておく必要があり、膨大な容量のメモリが必要となる。また、100個分の磁石の信号補正値を導出するためには、長い導出時間と大きな手間とを要するため、リニア搬送装置の製造コストが増加してしまう。
一方、実施の形態1では、磁石10Aと磁気遮蔽部20Aとが、磁性材料および磁性材樹脂の流し込みによって一体成型で形成されるので、磁石10Aと磁気遮蔽部20Aとが密着する。これにより、磁石10Aと磁気遮蔽部20Aとの間に空気が介在せず、磁石10Aと磁気遮蔽部20Aとの間に相対的な位置ずれが発生しない。これにより、リニア搬送装置1は、磁石部MAが発する磁界にばらつきが生じず、キャリア2の磁石10Aの位置の検出精度が低下することを抑制できる。また、実施の形態1では、磁性材樹脂用の金型である樹脂成型金型(磁気遮蔽部20A用の金型)を高精度に作製しておくことで磁気遮蔽部20Aの製造公差を小さくすることができる。
このように、実施の形態1では、N個のキャリア2の磁石10Aが発する磁界にばらつきが抑制でき、補正値格納部41に格納する信号補正値の組が1種類でよい。したがって、補正値格納部41に必要な記憶容量が大幅に削減され、リニア搬送装置1のコストを低減することができる。また、信号補正値を導出する時間を短縮でき、リニア搬送装置1の製造コストを低減することができる。
また、実施の形態1では、磁気遮蔽部20Aを、磁性体粉を含んだ樹脂(磁性体粉入りの樹脂)で磁石10Aと一体成型するので、方法M1の場合よりも磁石10Aを薄型化することができる。
また、実施の形態1では、磁気遮蔽部20Aを、磁性体粉を含んだ樹脂で磁石10Aと一体成型するので、磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとを、磁気遮蔽部20Aの内側面の隅部を含む全ての磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとが対向する面で隙間なく密着させることができる。これにより、実施の形態1では、方法M1,M2の場合よりも、磁石10Aの位置検出精度を向上させることができるとともに、加工時間の短縮による低コスト化を図ることができる。
また、モータシャフト(回転体)の回転角を検出する回転角検出装置の場合、磁石と回転角センサとが1対1の関係にある。このため、磁石の位置を補正するための信号補正値は、1組だけあればよい。これに対して、リニア搬送装置1は可動子mVを備えるキャリア2が複数個(N個)あるので、位置検出用の磁石10Aと磁気検出素子30とは、N(N≧2)対1の関係になる。すなわち、1つの磁気検出素子30が位置を検出する磁石10AがN個である。したがって、磁石10Aおよび磁気遮蔽部20Aの製造ばらつきが大きい場合、補正値格納部41へは、N個の補正値を格納しておく必要がある。実施の形態1では、磁石10Aおよび磁気遮蔽部20Aの製造ばらつきが小さいので、補正値格納部41へは、1個の補正値を格納しておけばよい。
このように、実施の形態1では、磁気遮蔽部20Aが磁性体粉を含んだ樹脂で磁石10Aと一体成型されているので、磁気遮蔽部20Aの寸法、および磁気遮蔽部20Aの磁石10Aに対する位置関係の個体ばらつきが低減する。これにより、磁石部MA毎の形状精度のばらつきを抑制することが可能となり、リニア搬送装置1は、1種類の補正値によって高精度な位置決めを実現することができる。
つぎに、リニア搬送装置1の製造処理手順について説明する。図4は、実施の形態1にかかるリニア搬送装置の製造処理手順を示すフローチャートである。実施の形態1のリニア搬送装置1は、磁石10Aと磁気遮蔽部20Aとが一体成型される(ステップS10)。一体成型される磁石10Aおよび磁気遮蔽部20Aは、N個作製される。一体成型された磁石10Aおよび磁気遮蔽部20Aを含んだキャリア2-1~2-nが作製される。
N個のキャリア2-1~2-nに対し、1組の補正値(信号補正値、位置補正値など)が算出される。算出された補正値が、リニア搬送装置1の補正値格納部41に格納される(ステップS20)。
なお、M台(Mは2以上の自然)のリニア搬送装置1が製造される場合、一体成型される磁石10Aおよび磁気遮蔽部20Aは、M×N個作製される。そして、M×N個のキャリア2に対し、1つの補正値が算出される。算出された補正値は、各リニア搬送装置1の補正値格納部41に格納される。
このように実施の形態1のリニア搬送装置1は、磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとが一体成型されており、キャリア2の位置を補正する補正値の組合せ(補正値群)の数が、キャリア2の個数よりも少ない。そして、リニア搬送装置1は、キャリア2のうちの何れかに対し他のキャリア2と共通の補正値群を用いてキャリア2の位置を補正している。これにより、リニア搬送装置1は、位置検出の精度が低下することを容易に抑制することができる。
実施の形態2.
つぎに、図5を用いて実施の形態2について説明する。実施の形態2では、磁石にテーパが設けられている。
図5は、実施の形態2にかかるリニア搬送装置が備える磁石部の構成を示す側面図である。図5の各構成要素のうち図2に示す実施の形態1のリニア搬送装置1と同一機能を達成する構成要素については同一符号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態2のリニア搬送装置1は、実施の形態1のリニア搬送装置1と比較して、磁石部MAの代わりに磁石部MBを備えている。実施の形態2のリニア搬送装置1は、複数のキャリア2のそれぞれに磁石部MBを備えているが、図5では1つの磁石部MBを図示している。
磁石部MBは、磁石10Bと磁気遮蔽部20Bとを有している。磁石部MBでも、磁気遮蔽部20Bは、磁石10Bと一体成型されており、磁石10Bに磁気遮蔽部20Bが密着している。磁石10Bは、実施の形態1と同様に、搬送レール5に対向する対向面、対向面と反対側の上面、および移動方向の両端面と他2つの側面とを有している。
磁石部MBの磁石10Bは、Y軸方向から見て磁石部MBの移動方向(キャリア2の移動方向)の両端面61,62が傾斜したテーパ形状となっている。磁石10Bは、テーパ形状によりX軸方向の幅(移動方向の幅)が磁石10Bの上面の側から磁石10Bの対向面の側に向かって徐々に小さくなっている。すなわち、磁石10Bは、プラスZ方向からマイナスZ方向に向かって幅が徐々に細くなっている。磁石10Bのテーパ角(テーパ比)は、所望の磁束密度波形を得ることができるテーパ角である。
磁石部MBの磁気遮蔽部20Bは、Y軸方向から見て磁石10Bの移動方向の磁石部MBの移動方向の両端面61,62に配置された側面磁気遮蔽部が逆テーパ形状となっている。磁気遮蔽部20Bは、側面磁気遮蔽部の内側面が傾斜した逆テーパ形状によりX軸方向の幅(移動方向の幅)が磁石10Bの上面の側から磁石10Bの対向面の側に向かって徐々に大きくなっている。すなわち、側面磁気遮蔽部は、プラスZ方向からマイナスZ方向に向かって幅が徐々に太くなっている。磁気遮蔽部20Bの逆テーパ角は、所望の磁束密度波形を得ることができる逆テーパ角である。
このように、磁気遮蔽部20Bは、磁石10BのX方向の幅が磁石10Bの上面の側から磁石10Bの対向面の側に向かって徐々に細くなり、磁気遮蔽部20BのX方向の幅が磁石10Bの上面の側から磁石10Bの対向面の側に向かって徐々に太くなっている。すなわち、磁気遮蔽部20Bの開口部よりも磁石10Bの上面の方が大きくなっている。そして、磁石部MBでは、磁石10Bの移動方向の端面と磁気遮蔽部20Bの移動方向の内壁面とが密着している。すなわち、磁気遮蔽部20Bの逆テーパ角は、磁石10Bのテーパ角に対応する角度となっている。
磁石10Bの幅が磁石10Bの上面の側から磁石10Bの対向面の側に向かって徐々に狭くなるテーパ形状は、上述の方法M1,M2では実現することが困難である。すなわち、板状の磁性体を曲げ加工することによって磁気遮蔽部を形成する方法M1および磁性体のブロックを切削加工することによって磁気遮蔽部を形成する方法M2では、テーパ構造の磁石10Bを磁気遮蔽部に隙間なく密着させることができない。
このように実施の形態2では、テーパ形状の磁石10Bと磁気遮蔽部20Bとを一体成型するので、テーパ形状の磁石10Bと逆テーパ形状の磁気遮蔽部20Bとを密着させた構造が実現可能である。また、テーパ形状の磁石10Bと逆テーパ形状の磁気遮蔽部20Bとを密着させることで、磁束密度波形を所望の形状に整えることが可能となる。
また、磁石部MBは、磁石10Bの対向面の側において磁気遮蔽部20Bの側面磁気遮蔽部同士の間に開口する開口部よりも磁石10Bの上面が大きくなっているので、磁石部MBの高速移動時または磁石部MBがカーブを曲がる際に磁石10Bと磁気遮蔽部20Bとが分離することを防止できる。すなわち、マイナスZ方向に向かうテーパ形状の磁石10Bと、マイナスZ方向に向かう逆テーパ形状の磁気遮蔽部20Bとが密着しているので、磁石部MBは、磁石10Bの抜け止めを実現できる。
実施の形態3.
つぎに、図6を用いて実施の形態3について説明する。実施の形態3では、磁気遮蔽部にテーパが設けられている。
図6は、実施の形態3にかかるリニア搬送装置が備える磁石部の構成を示す側面図である。図6の各構成要素のうち図2に示す実施の形態1のリニア搬送装置1と同一機能を達成する構成要素については同一符号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態3のリニア搬送装置1は、実施の形態1のリニア搬送装置1と比較して、磁石部MAの代わりに磁石部MCを備えている。実施の形態3のリニア搬送装置1は、複数のキャリア2のそれぞれに磁石部MCを備えているが、図6では1つの磁石部MCを図示している。
磁石部MCは、磁石10Aと磁気遮蔽部20Cとを有している。磁石部MCでも、磁気遮蔽部20Cは、磁石10Aと一体成型されており、磁石10Aに磁気遮蔽部20Cが密着している。
磁石部MCの磁気遮蔽部20Cは、Y軸方向から見て磁石10Aの移動方向の両端面に配置された側面磁気遮蔽部がテーパ形状となっている。磁石10Aの両端面に配置されたそれぞれの側面磁気遮蔽部は、磁石10Aの上面の側から対向面の側に向かう方向(マイナスZ軸方向)において、側面磁気遮蔽部の内側面の対向面の側の端部が側面磁気遮蔽部の内側面と反対の外側面の対向面の側の端部よりも長く、これら内側面および外側面の対向面の側の端部をつなぐ面が傾斜面となっている。つまり、磁気遮蔽部20Cの側面磁気遮蔽部のマイナスZ方向の先端部63,64は、側面磁気遮蔽部における磁石10Aの対向面の側の面が傾斜するテーパ形状によりX軸方向の幅(移動方向の幅)が磁石10Aの上面の側から磁石10Aの対向面の側に向かって徐々に小さくなっている。すなわち、側面磁気遮蔽部のマイナスZ方向の先端部63,64は、プラスZ方向からマイナスZ方向に向かって幅が徐々に細くなっている。磁気遮蔽部20Cのテーパ角は、所望の磁束密度波形を得ることができるテーパ角である。
このように、磁気遮蔽部20CのマイナスZ方向の先端部63,64は、磁気遮蔽部20CのX方向の幅が磁気検出素子30に向かって徐々に細くなっている。磁気遮蔽部20CのマイナスZ方向の先端部63,64の幅が磁気検出素子30に向かって徐々に狭くなるテーパ構造は、上述の方法M1,M2では実現が困難である。
このように実施の形態3では、磁石10Aとテーパ形状の磁気遮蔽部20Cとを密着させることで、磁束密度波形を所望の形状に整えることが可能となる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
上述の実施の形態1では、磁石10Aと磁気遮蔽部20Aとを一体成型で製造しリニア搬送装置1を製造することを説明した。しかしながら、磁石10Aと磁気遮蔽部20Aとは一体成型以外の手段で製造されてもよい。例えば、リニア搬送装置1の製造方法は、1つの磁性体のブロックからレーザ加工のような精密加工により、磁石10Aとなる磁性体と磁気遮蔽部20Aとなる磁性体とを高精度に切り出す。そして、リニア搬送装置1の製造方法は、切り出した磁石となる磁性体を磁化することで磁石10Aとし、切り出した磁気遮蔽部20Aと磁石10Aとを組付けることで磁石部MAを形成する。その後、リニア搬送装置1の製造方法は、磁石部MAを含むキャリア2を組み立て、N個のキャリア2に対し、1組の補正値(信号補正値、位置補正値など)が算出される。そして、算出された補正値が、リニア搬送装置1の補正値格納部41に格納されることでリニア搬送装置1が製造されてもよい。
このような、製造方法で製造されたリニア搬送装置1であっても、磁気遮蔽部20Aの寸法、および磁気遮蔽部20Aの磁石10Aに対する位置関係の個体ばらつきが低減し、磁束または磁力線に乱れが生じることを抑制できる。また、磁石部MAの形状精度のばらつきを抑制することが可能となり、リニア搬送装置1は、キャリア2のうちの何れかに対し他のキャリア2と共通の補正値群を用いてキャリア2の位置を補正することができ、リニア搬送装置1のコストおよびリニア搬送装置1の製造コストが増加することを抑制するとともに、位置検出の精度が低下することを容易に抑制することができる。
1 リニア搬送装置、2,2-1~2-n キャリア、4 固定子、5 搬送レール、10A,10B 磁石、20A~20C 磁気遮蔽部、30 磁気検出素子、40 演算部、41 補正値格納部、50 サーボアンプ、61,62 両端面、63,64 先端部、MA~MC 磁石部、mV 可動子。

Claims (12)

  1. 固定子を有する搬送路と、
    前記搬送路に沿って移動する複数の搬送体と、
    前記搬送体に取り付けられ、位置検出用の磁界を発生させる磁石部と、
    前記搬送路に取り付けられて磁界を検出する磁気検出素子と、
    前記磁気検出素子が検出した磁界に基づいて、前記搬送体の位置を演算する演算部と、
    前記搬送体の位置を補正する補正値の組合せである補正値群を格納する補正値格納部と、
    を備え、
    前記磁石部は、
    前記搬送体の移動方向に沿って異なる磁極が交互に並ぶように配置された磁石と、
    磁性体粉を含んだ樹脂で形成されるとともに、前記磁石の前記移動方向の両端面および前記磁石の前記搬送路に対向する対向面と反対側の面である上面に配置されて前記磁石からの磁力線を遮蔽する磁性体の磁気遮蔽部と、
    を有し、
    前記補正値群の数は、前記搬送体の個数よりも少なく、
    前記演算部は、前記搬送体のうち少なくとも1つの搬送体の位置を補正する補正値群を他の搬送体の位置を補正する補正値群としても用いて前記位置を補正する、
    ことを特徴とするリニア搬送装置。
  2. 前記磁石と前記磁気遮蔽部とは、一体成型されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニア搬送装置。
  3. 前記補正値群の数は1つであり、
    前記演算部は、前記搬送体のうちの全てに対して共通の前記補正値群を用いて前記位置を補正する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニア搬送装置。
  4. 前記磁石の上面側の角部と、前記磁気遮蔽部の内壁面のうち前記角部と接する隅部とが密着されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニア搬送装置。
  5. 前記補正値は、前記磁気検出素子が検出した磁束密度の信号を補正するための信号補正値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニア搬送装置。
  6. 前記補正値は、前記磁気検出素子が検出した磁束密度の信号から算出された前記搬送体の位置自体を補正するための位置補正値である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニア搬送装置。
  7. 前記磁気遮蔽部と前記磁石とは、前記一体成型によって互いに固定保持し合っている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のリニア搬送装置。
  8. 前記磁石は、前記移動方向の幅が前記上面の側から前記対向面の側に向かって小さくなるように前記移動方向の両端面が傾斜したテーパ形状であり、
    前記磁石の前記両端面に配置された前記磁気遮蔽部は、前記移動方向の幅が前記上面の側から前記対向面の側に向かって大きくなるように前記移動方向の内壁面が傾斜した逆テーパ形状であり、
    前記磁石の前記移動方向の両端面はそれぞれ、前記磁気遮蔽部の前記内壁面と密着している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニア搬送装置。
  9. 前記磁石の前記両端面に配置された前記磁気遮蔽部は、前記上面の側から前記対向面の側に向かう方向において、前記移動方向の内側面の前記対向面の側の端部が前記移動方向の前記内側面と反対の外側面の前記対向面の側の端部よりも長く、前記内側面および前記外側面の前記対向面の側の端部をつなぐ面が傾斜面となっている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のリニア搬送装置。
  10. 請求項1から9の何れか1つに記載のリニア搬送装置の製造方法であって、
    前記磁石と前記磁気遮蔽部とを一体成型する成型ステップと、
    前記補正値群を前記補正値格納部に格納する補正値格納ステップと、
    を含む、
    ことを特徴とするリニア搬送装置の製造方法。
  11. 前記成型ステップは、
    第1の金型内に磁性材料が流し込まれて前記磁石が形成される第1の形成ステップと、
    第2の金型内に前記磁石が入れられ、前記磁石に対して磁性材樹脂が流し込まれて前記磁気遮蔽部が形成される第2の形成ステップと、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項10に記載のリニア搬送装置の製造方法。
  12. 前記成型ステップは、
    第1の金型内に磁性材樹脂が流し込まれて前記磁気遮蔽部が形成される第1の形成ステップと、
    第2の金型内に前記磁気遮蔽部が入れられ、前記磁気遮蔽部に対して磁性材料が流し込まれて前記磁石が形成される第2の形成ステップと、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項10に記載のリニア搬送装置の製造方法。
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