JP7458313B2 - 電子装置、電子システム、および方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、電子装置、電子システム、および方法に関する。
複数の無線機間の伝搬特性(例えば、RSSI等)を測定し、当該複数の無線機の各々が設置されている位置を推定することが知られている。ここで、これら複数の無線機が設置されている状況によっては、測定される伝搬特性が変動し、推定に影響を及ぼす可能性がある。複数の無線機の各々が設置されている位置の推定の正確度を向上させることが望まれる。
特開2020-094837号公報
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、複数の無線機の各々が設置されている位置の推定の正確度を向上させることである。
上記課題を解決するために、実施形態の電子装置は、複数の位置候補から、第1電磁波および第2電磁波を用いて通信する無線機の位置を推定する電子装置であって、この無線機の位置候補を示す位置候補情報、前記複数の位置候補のいずれかに設置されている複数の無線機間の前記第1電磁波を用いた通信に関する第1通信情報、および前記複数の無線機間の前記第2電磁波を用いた通信に関する第2通信情報に基づいて、前記無線機が設置されている位置を前記複数の位置候補から推定する処理部を備える。
第1の実施形態の通信システム300の模式図。 第1の実施形態の推定装置100の構成図。 第1の実施形態の無線機200の構成図。 アンテナごとに放射する電磁波を説明する図。 第1の実施形態における推定装置100の推定動作のフローチャート。 通信システム300の位置候補の一例を説明する図。 送信信号の一例を説明する図。 無線機200d1と200d2の通信に関して取得される第1通信情報の一例を表す図。 無線機200d1と200d2間の通信において、カテゴリごとに分類された第1通信情報および第2通信情報を表す図。 ステップS104を説明するフローチャート。 無線機200のアンテナに応じて再度カテゴリ分けした統計量S1を表す図。 統計量S2を表す図。 周波数CHごとの受信電力の一例を表す図。 アンテナごとの受信電力の一例を表す図。 受信電力と実距離の関係を表す図。 第1の実施形態において推定部113が推定した無線機200のそれぞれの位置の一例を表す図。 電磁波として偏波を用いた場合を説明する図。 アンテナ2021~202Nが放射する電磁波の指向性(指向方向)が異なる場合を説明する図。 無線機200の通信における時刻の同期を説明する図。 時刻の同期を行った場合における、無線機200d1と202d2の通信の一例を説明する図。 無線機200d1と202d2の通信の別の一例を説明する図。 無線機200dXにおける、受信無線機IDを省略した通信情報を表す図。 図22の場合からさらに送信アンテナ識別子と受信アンテナ識別子を省略した通信情報を表す図。 図23の場合からさらに周波数CHを省略した通信情報を表す図。 第1の実施形態の通信情報から送信アンテナ識別子と受信アンテナ識別子を省略した通信情報を表す図。 図25の場合からさらに周波数CHを省略した通信情報を表す図。 通信情報の出力の前に、通信情報の一部消去を行う場合を表す図。 第2の実施形態の通信システム300’の構成図。 通信システム300’における無線機200d1~200dXの位置候補を表す図。 第2の実施形態における無線機200間の通信の模式図。 直接波と反射波が混在することによる影響を説明する図。 階層ごとの受信電力を模式的に表した図。 第2の実施形態における推定装置100の推定動作のフローチャートである。 無線機200間の第1電磁波を用いた第1通信情報に含まれる伝搬データの統計量をマッピングした図。 無線機200間の第2電磁波を用いた第2通信情報に含まれる伝搬データの統計量をマッピングした図。 無線機200間の第3電磁波を用いた第3通信情報に含まれる伝搬データの統計量をマッピングした図。 第1電磁波から第3電磁波を用いた第1通信情報から第3通信情報に含まれる伝搬データから決定した統計量をマッピングした図。 第1電磁波から第3電磁波のそれぞれ、および第1電磁波から第3電磁波の伝搬データに基づいてそれぞれグループ分けした結果を表す図。 第2の実施形態のグループ分けを説明する図。 第2の実施形態において推定部113が推定した無線機200のそれぞれの位置の一例を表す図。 無線機200d1が位置候補p1に設置されている既知情報を説明する図。
以下、発明を実施するための実施形態について図面を参照して説明する。開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して、詳細な説明を省略する場合もある。
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る通信システム300を表している。通信システム300は、推定装置100および複数の無線機200を含む。推定装置100は、無線機200が設置される位置の候補(以降、位置候補とも称する)を表す情報および無線機200間の通信に関する情報(以降、通信情報とも称する)を取得し、無線機200のそれぞれがどの位置候補に設置されているかを推定する装置である。位置候補を表す情報は、位置候補情報とも称する。また、推定装置100は電子装置とも称され、通信システム300は電子システムとも称される。
応用例として、無線機200は機器、例えば電池モジュール、照明器具、空調機器などに設けられている場合、推定装置100は、無線機200の位置を推定することで、無線機200が設けられている機器の位置を推定することができる。図1では、無線機200が格子状に配置されている通信システム300を表しているが、無線機200の配置はこの場合に限定されるものではない。推定装置100および無線機200は、推定装置100および無線機200、複数の無線機200間で通信を行うことができる。通信は、通信に必要とされるやり取り、信号の送信および受信の少なくとも1つを含む。図1では、推定装置100と無線機200の通信が有線、無線機200間の通信が無線により行われる場合が表されているが、これらの通信の接続は無線、有線任意である。無線通信規格はWifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)など任意の規格が適用可能である。
推定装置100は、無線機200に位置を推定する際、無線機200間の通信情報として、複数の電磁波による通信情報を取得する。例えば、無線機200が第1電磁波から第N電磁波(Nは2以上の整数)により無線機200間で通信を行う場合、推定装置100は通信情報として、無線機200間の第1電磁波の通信に関する第1通信情報、無線機200間の第2電磁波の通信に関する第2通信情報、…、無線機200間の第N電磁波の通信に関する第N通信情報を取得する。推定装置100は、位置候補情報および第1通信情報から第N通信情報に基づいて、無線機200が設置されている位置を位置候補の中から推定する。無線機200間の通信は、電磁波によっては伝搬特性が一般的な傾向から外れることがある。そこで、複数の電磁波による無線機200間の通信情報を用いることにより、無線機200の推定の正確度を向上させることができる。
図2は、推定装置100の構成図である。推定装置100は、取得部101、処理部110、記憶部102、および出力部103を備える。処理部110は制御部111、データ決定部112、推定部113を有する。
取得部101は、位置候補情報および第1通信情報から第N通信情報を取得する。取得部101はこれらの情報を、入力または対象物に対して情報化処理を行うことにより取得する。例えば、取得部101はユーザからの入力によって位置候補情報を取得してもよいし、無線機200が設置される位置が記載された図面を入力またはスキャン等し、画像処理等によって位置候補情報を取得してもよいし、無線機200の設置状況を表す画像を撮影または入力し、画像処理等によって位置候補情報を取得してもよい。取得部101は、第1通信情報から第N通信情報を無線機200から取得するが、有線通信によって取得してもよいし、無線通信によって取得してもよい。また、取得部101は、第1通信情報から第N通信情報のうち少なくとも一部を無線機200から直接ではなく、収集装置、記録装置、データベース等を経由して取得するようにしてもよい。
通信情報は例えば、複数の無線機200間の通信における受信電力(RSSI:Received Signal Strength Indicator)、信号対雑音比(SN比:Signal to Noise Ratio)、エラーレート(PER:Packet Error Rate)などの伝搬データと、複数の無線機200間の通信における無線機200の識別情報(以降、無線機識別情報とも称する)、無線機200が通信に用いるアンテナの識別情報と(以降、アンテナ識別情報とも称する)、信号の受信時刻と、通信に使用した周波数帯を表す情報(以降、周波数情報とも称する)を含む。無線機識別情報は、それぞれの無線機200を特定する情報である。無線機識別情報としては例えば、MACアドレスやIPアドレスであるが、それぞれの無線機200を個別に特定できれば任意の情報が適用可能である。アンテナ識別情報は、無線機200にそれぞれ備えられるアンテナを特定する情報であり、それぞれのアンテナを個別に特定できれば任意の情報が適用可能である。推定装置100は無線機識別情報、アンテナ識別情報により、通信システム300に含まれるそれぞれの無線機200およびそれぞれのアンテナを個別に特定することができる。第1通信情報から第N通信情報はデータ決定部112に送られ、位置候補情報は推定部113に送られる。
制御部111は、取得部101から送られた位置候補情報、第1通信情報から第N通信情報を記憶部102に保持させたり、記憶部102に保持されている情報の少なくとも1つの情報をデータ決定部112および推定部113に送る。また、制御部111は、推定部113が推定した無線機200がそれぞれ設置されている位置を表す情報を記憶部102に保持させてもよい。
記憶部102は、制御部111から送られる情報を保持する。記憶部102はメモリ等であり、例えば、RAM(Random Access Memory)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、フラッシュメモリ、レジスタなどである。また、記憶部102は推定装置100の内部の他、外部に設けられてもよい。外部に設けられる場合、記憶部102はインターネットを経由して情報を保持するクラウドでもよい。
データ決定部112は、制御部111から送られた第1通信情報から第N通信情報に基づいて、無線機200間の伝搬データの統計値を決定する。無線機200間において、第1電磁波から第N電磁波までの通信、および通信に使用する複数の周波数帯における伝搬データがあるため、その伝搬データの統計値を取ることにより、電磁波、あるいは周波数帯による伝搬特性の外れ値を除外することができる。統計値とは例えば、最大値、最小値、平均値、中央値などである。決定した伝搬データの統計値は、推定部113に送られる。
推定部113は、制御部111から送られた位置候補情報、およびデータ決定部112から送られた伝搬データの統計値に基づいて、無線機200がそれぞれ設置されている位置を位置候補から推定する。推定部113は、推定した無線機200のそれぞれの位置を表す情報を制御部111および出力部103に送る。
出力部103は、推定部113から送られる、推定された無線機200のそれぞれの位置を表す情報を出力する。推定された無線機200のそれぞれの位置を表す情報の出力先は任意であり、例えば、推定された無線機200のそれぞれの位置を表す情報を分析する装置や、視覚的に表示する装置、保持する装置などのいずれでもよい。これらの装置は、推定装置100内部の図示しない要素でもよいし、推定装置100の外部に設けられていてもよい。また、推定された無線機200のそれぞれの位置を表す情報の形態は任意であり、テキストデータ、画像データ、フォーマット化されたデータなどのいずれでもよい。
以上、推定装置100の構成を説明した。図2では、制御部111、データ決定部112、推定部113は処理部110に含まれる。処理部110は、制御装置と演算装置を含む1つ以上の電子回路である。電子回路は、アナログまたはデジタル回路等で実現される。例えば、汎用目的プロセッサ、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、FPGA、およびその組み合わせが可能である。また、処理部110の機能はソフトウェアによってこれらの電子回路で実行されてもよい。
図3は、無線機200の構成図である。無線機200は、送信部201、アンテナ部202、受信部202、測定部204、処理部210、および出力部205を備える。アンテナ部202はアンテナ2021、…202NのN本のアンテナを含むアレイアンテナである。処理部210はデータ生成部211を備える。
送信部201は、送信先の無線機200間の伝搬データを測定するための信号(以降、送信信号とも称される)を変調し、アンテナ部202を介して送信する。この送信信号には、送信元の無線機200の無線機識別情報や、送信信号を放射するアンテナのアンテナ識別情報、通信に使用する周波数帯を表す周波数情報が含まれている。送信形態は任意であり、送信先の無線機を指定してもよいし、ブロードキャストで送信してもよいし、送信先の無線機と同期して送信するようにしてもよい。
アンテナ部202は、送信部201から送られた送信信号を放射する。アンテナ部202はアンテナ2021、…202NのN本のアンテナを含むアレイアンテナである。アンテナ部202が放射する電磁波はそれぞれのアンテナによって異なるとする。図4は、アンテナごとに放射する電磁波を説明する図である。例えばアンテナ2021が放射する電磁波は第1電磁波(EW1)、アンテナ2022が放射する電磁波は第2電磁波(EW2)、…、アンテナ202Nが放射する電磁波は第N電磁波(EWN)である。アンテナ部202は、アンテナ2021~202Nの接続を変更しながら、それぞれ異なる時間に第1電磁波から第N電磁波を放射し分ける。これらの電磁波は、送信信号の内容、通信に用いる周波数帯、または送信先の無線機が同じであっても、異なる電磁波として扱うものとする。放射するアンテナが異なれば、電磁波の特性が異なる可能性があるためである。
アンテナ部202は、通信先の無線機200から送られる、通信先の無線機200間の伝搬データを測定するための信号(以降、受信信号とも称される)の受信にも用いられる。アンテナ部202は、受信信号を受信する場合もアンテナを切り替えながら受信する。送信および受信ともにアンテナ2021~202Nの切り替えは任意であり、例えば所定の時間ごとや通信先の無線機200との同期を取るなどである。
受信部203は、アンテナ部202を介して受信信号を受信し、復調する。受信信号には、送信元の無線機200の無線機識別情報、アンテナ識別情報、周波数情報が含まれているが、受信部203は、受信側(自身)の無線機識別情報およびアンテナ識別情報を付与してデータ生成部211に送る。受信部203は、受信信号を測定部204にも送る。
測定部204は、受信部203から送られた受信信号から、伝搬データを測定する。測定された伝搬データは、データ生成部211に送られる。
データ生成部211は、受信部203から送られた送信側と受信側の無線機の無線機識別情報およびアンテナ識別情報、並びに周波数情報と、測定部204から送られた受信信号の伝搬データを紐づけ、通信情報を生成する。データ生成部211は、生成した通信情報を出力部205に送る。また、データ生成部211は、送信信号を生成し、送信部201に送る。
出力部205は、データ生成部211から送られた通信情報を推定装置100に出力する。この出力の態様は任意であり、例えば図1のように無線機200と推定装置100とが有線接続されている場合は有線にて出力される。無線機200と推定装置100とが無線接続されている場合は、出力部205は送信部201と統合され、アンテナ部202を介して推定装置100に出力してもよい。
以上、無線機200の構成を説明した。本実施形態の通信システム300において、無線機200は少なくとも上記に説明した構成要素を持つものとする。また、図3では、測定部204は処理部210に含まれていないが、測定する伝搬データによっては、処理部210に含まれていてもよい。例えば伝搬データの測定にデジタル処理が必要な場合などである。処理部210は、処理部110にて説明した装置と同様の装置を適用可能であるし、ソフトウェアによってその機能を実行するようにしてもよい。
図5は、推定装置100の推定動作のフローチャートである。以下、推定装置100の動作の詳細を、図5を用いて説明する。なお、無線機200間の通信に必要なやり取りはすでに済んでいるものとする。また、推定装置100は、無線機200のそれぞれおよびアンテナ2021~202Nのそれぞれの特定を、通信情報に含まれる無線機識別情報およびアンテナ識別情報に基づいて行うものとする。また、本実施形態では一例として、伝搬データが受信電力(RSSI)の場合を説明するものとし、無線機200間の通信は2つの電磁波(第1電磁波、第2電磁波)で行う場合を説明するものとする。この場合、無線機200はアンテナ2021とアンテナ2022を有し、第1電磁波はアンテナ2021を用いて放射され、第2電磁波はアンテナ2022を用いて放射されることとなる。
取得部101は、位置候補情報を取得する(ステップS101)。図6は、位置候補の一例を説明する図である。本実施形態の通信システム300は、X個(Xは2以上の自然数)の位置候補p1~pXを有し、無線機200d1~200dXがそれぞれいずれかの位置候補に設置されているとする。位置候補p1~pXは位置候補情報により、それぞれの位置(座標が)明らかとなっている。例えば図6では、位置候補p1~pXのそれぞれはx座標とy座標により特定される。位置候補p1は(x,y)=(1,1)、位置候補p2は(x,y)=(2,1)、…、位置候補pXは(x,y)=(3,n)(nは自然数)のように表される。推定装置100は、のちに取得する通信情報に含まれる無線機識別情報によって、無線機200が無線機200d1~200dXであることを認識する。推定装置100は、この時点では無線機200d1~200dXが、いずれの位置候補に位置しているかについては未知である。取得された位置候補情報は、制御部111に送られ、制御部111によって記憶部102に保持させられる。
取得部101は、無線機200間の第1電磁波を用いた通信に関する第1通信情報、無線機200間の第2電磁波を用いた通信に関する第2通信情報を取得する(ステップS102)。取得部101は、第1通信情報および第2通信情報を無線機200から取得するが、無線機200のそれぞれが行う第1通信情報および第2通信情報の生成について、以下説明する。
送信側の無線機200は、伝搬データの測定に用いる送信信号を変調し、アンテナ2021および2022を用いて送信する。図7は、送信信号の一例を説明する図である。送信信号には、送信側の無線機200の無線機識別情報として送信無線機ID、周波数情報として周波数CH(チャネル)、送信側の無線機200のアンテナ識別情報として送信アンテナ識別子が送信信号のヘッダに組み込まれている。アンテナ2021を用いて送信された送信信号は第1電磁波、アンテナ2022を用いて送信された送信信号は第2電磁波となる。また、無線機200間の通信に用いる周波数CHは周波数CH1と周波数CH2であるとする。
第1電磁波および第2電磁波は、受信側の無線機200に受信信号として受信され、復調される。また、受信信号の受信電力が伝搬データとして測定される。受信側のデータ生成部211は、受信信号の受信電力と、受信側の無線機200の無線機識別情報として受信無線機IDと、受信側の無線機200の無線機識別情報として受信アンテナ識別子と、受信信号に含まれる送信無線機ID、周波数CH、送信アンテナ識別子を紐づけ、第1通信情報および第2通信情報を生成する。第1通信情報および第2通信情報の識別は、内包されている送信アンテナ識別子により可能である。この第1通信情報および第2通信情報は、受信側の無線機200の出力部205から出力され、取得部101によって取得される。以降、第1通信情報に含まれる伝搬データを第1伝搬データ、第2通信情報に含まれる伝搬データを第2伝搬データとも称する。
取得部101によって取得された第1通信情報および第2通信情報は制御部111に送られ、制御部111は第1通信情報および第2通信情報を記憶部102に保持させる。図8は一例として、無線機200d1と200d2間の通信に関して取得される第1通信情報を表す図である。送信無線機ID、受信無線機ID、受信電力、周波数CH、送信アンテナ識別子、受信アンテナ識別子がデータ化され、時系列順に並べられている。なお図8では、受信電力はデシベル(dBm、絶対値が小さい方がより受信電力が大きい)で表されている。送信アンテナ識別子の2021d1は、無線機200d1のアンテナ2021を意味し、受信アンテナ識別子の2021d2は無線機200d2のアンテナ2021を意味する。第2通信情報についても、図8の第1通信情報と同様にデータ化され、記憶部102に保持される。
制御部111は、取得された第1通信情報および第2通信情報を、送信側の無線機200の無線機識別情報、送信側の無線機200のアンテナ識別情報、受信側の無線機200の無線機識別情報、受信側の無線機200のアンテナ識別情報、周波数情報の少なくとも1つに基づくカテゴリに分類してもよい。図9は一例として、無線機200d1と200d2間の通信において、カテゴリごとに分類された第1通信情報および第2通信情報を表す図であるる。図9では、周波数CH1または2、送信アンテナ識別子2021d1または2022d1、受信アンテナ識別子2021d2または2022d2の8通りにより分類されている。それぞれのカテゴリをC1~C8として表す。同カテゴリ内で複数のデータが存在するのは、無線機200はそれぞれ繰り返し通信して伝搬データを生成するためである。制御部111は、分類された第1通信情報および第2通信情報を記憶部102に保持させてもよい。
制御部111は、記憶部102に保持されている第1通信情報および第2通信情報のデータが、所定の量だけあるかを確認する(ステップS103)。この量の種類は任意に定められ、例えばデータ容量でもよいし、データの数でもよい。また、量についても任意に定められる。本実施形態では、あらかじめ制御部111にデータの種類と量を設定しておき、ステップS103の確認を行う。第1通信情報および第2通信情報のデータが所定の量を満たしていない場合(ステップS103:No)、ステップS102に戻り、第1通信情報および第2通信情報の取得を継続する。なお、ステップS103以降は、ステップS102の第1通信情報および第2通信情報の取得とは別に、所定の時間ごとに行ってもよい。
一方、第1通信情報および第2通信情報のデータが所定の量を満たしている場合(ステップS103:Yes)、制御部111は、第1通信情報および第2通信情報を記憶部102から読み出し、データ決定部112に送る。制御部111は、位置候補情報を記憶部102から読み出し、推定部113に送る。
データ決定部112は、制御部111から送られた第1通信情報および第2通信情報に基づいて、無線機200の組合せに応じた統計量Sを決定する(ステップS104)。統計量Sは、無線機200の位置の推定に使われる。図10は、ステップS104を説明するフローチャートである。以降、図10を用いてステップS104の詳細を説明する。
データ決定部112は、第1通信情報に含まれる第1伝搬データおよび第2通信情報に含まれる第2伝搬データから、カテゴリに応じた統計量S1を決定する(ステップS1041)。データ決定部112は、図9のように分類したカテゴリごとに、伝搬データの統計量を決定する。本実施形態では、カテゴリごとに受信電力の最大値を決定する。また、統計値の決定においては、最大値の他に平均値、中央値を決定してもよい。また、伝搬データの種類によって統計量の種類を選択してもよい。例えばデータ決定部112は、伝搬データが信号対雑音比である場合には最大値を決定し、伝搬データがエラーレートである場合には最大値の代わりに最小値を決定するようにしてもよい。
データ選択部112は、カテゴリに応じた統計量S1から、無線機200のアンテナに応じた統計量S2を決定する(ステップS1042)。図11は、無線機200のアンテナに応じて再度カテゴリ分けした統計量S1を表す図である。図11では、送信アンテナ識別子2021d1または2022d1、受信アンテナ識別子2021d2または2022d2の4通りにより分類されている。カテゴリC13はカテゴリC1の統計量とカテゴリC3の統計量が含まれ、カテゴリC24はカテゴリC2の統計量とカテゴリC4の統計量が含まれ、カテゴリC57はカテゴリC5の統計量とカテゴリC7の統計量が含まれ、カテゴリC68はカテゴリC6の統計量とカテゴリC8の統計量が含まれる。データ決定部112は、無線機200のアンテナに応じて分類されたカテゴリごとに、再度伝搬データの統計量を決定する。本実施形態ではカテゴリごとに受信電力の最大値を決定する。
データ選択部113は、無線機200のアンテナに応じた統計量S2から、無線機200の組合せに応じた統計量Sを決定する(ステップS1043)。図12は、統計量S2を表す図である。データ選択部113は、この統計量S2から無線機200の組合せに応じた統計量Sを決定する。本実施形態では、受信電力の最大値を決定する。図12では、受信電力の最大値は-30dBmとなり、この値が無線機200d1および無線機200d2間の通信の受信電力として決定され、無線機200d1および無線機200d2の位置の推定に使われる。データ決定部112は、決定した統計量Sを推定部113に送る。
伝搬データの統計量の決定にあたり、カテゴリごとに伝搬データの統計量を決定したのは、外れ値の伝搬データの影響をより小さくすることができるためである。例えば図13は、周波数CHごとの受信電力の一例を表す図である。通常、周波数CHごとに受信電力のレベルにはさほどの差はないが、周波数CH1ではある時間において受信電力が急激に低下した場合(外れ値)があるとする。複数の周波数CHで伝搬データの測定および統計量の決定をしない場合、この外れ値が無線機200の位置の推定の正確度に影響を及ぼす可能性がある。また、図14は、アンテナごとの受信電力の一例を表す図である。通常、受信電力は送信側の無線機と受信側の無線機の距離が離れるほど低下する。しかし、この例ではアンテナ2021でもアンテナ2022でも、無線機間の距離が遠くなっていくにも関わらず受信電力が上昇することがある。複数のアンテナ(電磁波)の伝搬データの測定および統計量の決定を行うことにより、無線機間の距離が遠くなるにしたがって受信電力が低下する一般的な傾向を維持することができる。これにより、無線機200の位置の推定の正確度を向上させることができる。
また、本実施形態で説明したカテゴリごとの統計量の決定の一部を省略するようにしてもよい。例えば、統計量S1を決定した後に統計量Sを決定してもよいし、統計量S1を決定せず、統計量S2から決定するようにしてもよい。
図8~図12では、一例として無線機200d1および無線機200d2の通信における統計量の決定Sを説明してきた。以降同様に、無線機200d1~200dXまで、データ決定部112は無線機200の組合せごとに統計量Sを決定し、推定部113に送る。
以上、無線機200の組合せに応じた統計量Sの決定(ステップS104)を説明した。図5に戻ると、推定部113は、制御部111から送られた位置候補情報、およびデータ決定部112から送られた統計量Sに基づいて、無線機200のそれぞれが設置されている位置を、位置候補から推定する(ステップS105)。
無線機200の位置の推定においては、受信電力と距離との関係を用いる。図15は受信電力と実距離の関係を表す図である。複数の無線機200間の受信電力は、距離のべき乗に比例して減衰する。例えば自由空間中では、受信電力は距離の2乗に比例して減衰する。同じ距離の差であっても、距離の差に対応する受信電力の差は一定ではない。図15では、無線機200のうち、送信信号を送信する1つの無線機と、その無線機からの距離に応じた受信電力が表されている。距離dではR、距離dではR、距離dではR、距離dではRであるとする。距離dから距離dまでの差分Δdと、距離dから距離dまでの差分Δdは等しい。しかし、RとRの差分ΔRと、RとRの差分ΔRでは、ΔRはΔRよりも小さい。このように、送信信号を送信する無線機から離れるほど、測定される受信電力の変化は小さくなる。
推定部113は、位置候補p1~pXに、無線機200d1~200dXを仮に配置した組合せ(以降、仮説とも称する)を複数生成する。推定部113は、仮説ごとに評価値を算出し、最も無線機200d1~200dXの配置として適切な組合せを無線機200のそれぞれの位置として推定する。
仮説における評価値の例として、仮説ごとに無線機200d1~200dXの距離を求め、求めた距離と受信電力の相関関係を用いる。2つの無線機200間の受信電力は図15で説明したように距離の相関が強いため、受信電力が大きいほど2つの無線機200間の距離が近いとされる。そこで推定部113は、仮説における無線機200d1~200dXのそれぞれの距離が小さいほど受信電力が大きくなっているかを評価する。例えば推定部113は、仮説における無線機200d1~200dXのそれぞれの距離と、受信電力との相関関係が-1に最も近い組合せを無線機200のそれぞれの位置として推定する。推定部113は、評価値として仮説ごとに無線機200d1~200dXの距離を求め、求めた距離と受信電力に基づく矛盾度を求めてもよい。その場合、推定部113は、求めた矛盾度が最も小さい組合せを無線機200のそれぞれの位置として推定する。
図16は、推定部113が推定した無線機200のそれぞれの位置の一例を表す図である。本実施形態の一例として、推定部113は、位置候補p1には無線機200d1、位置候補p2には無線機200d2、…、位置候補pXには無線機200dXが位置すると推定する。推定部113は、推定した無線機200のそれぞれの位置を表す情報を出力部103に送る。
出力部103は、送られた無線機200のそれぞれの位置を表す情報を出力する。または、推定部113は推定した無線機200のそれぞれの位置を表す情報を制御部111に送り、制御部111は記憶部102に保持させる(ステップS106)。
制御部111は、推定装置100の動作を終了させる終了指令が届いているか否かを確認する(ステップS107)。この終了指令は、推定装置100の動作を本フローで終了させる指令である。この終了指令は、ユーザによる推定装置100への入力や、終了指令を含んだ信号を推定装置100が取得するなどして制御部111に伝えられる。この終了指令は、直ちに推定装置100の動作を終了させる指令であってもよい。
制御部111にこの終了指令が届いていない場合(ステップS107:No)、ステップS101に戻る。位置候補情報に変更がない場合は、ステップS102に戻ってもよい。一方、制御部111にこの終了指令が届いている場合(ステップS107:Yes)、フローは終了し、推定装置100は動作を終了する。推定装置100は、ステップS101またはS102に戻った後、任意の条件によって本フローの動作を再び行うようにしてもよい。フローが戻る場合、制御部111は、所定の回数(例えば、一度)無線機200の推定に用いた第1通信情報および第2通信情報については、記憶部102から削除させるようにしてもよい。
以上、本実施形態における推定装置100について説明した。本実施形態で説明した推定装置100は一例であり、変形例は様々に実装、実行可能である。以下、推定装置100を含めた通信システム300の変形例を説明する。
(変形例1)
本変形例では、アンテナ部202が放射する電磁波の変形例を説明する。図17は、電磁波として偏波を用いた場合を説明する図である。アンテナ2021からは第1電磁波として垂直偏波EW1’が、アンテナ2022からは第2電磁波として水平偏波EW2’が放射される。偏波面が異なる電磁波であれば、電磁波による伝搬データの外れ値が生じる箇所(時間帯、周波数帯、受信アンテナなどを指す)が異なる可能性が高くなる。その場合、本実施形態のように統計量Sを決定することで外れ値の影響を低減させることができる。垂直偏波EW1’、水平偏波EW2’のように、偏波面が直交した電磁波を用いるようにしてもよい。偏波の関係は偏波面が直交するだけでなく、偏波面が異なる複数の偏波を第1電磁波~第N電磁波として用いてもよい。
図18は、アンテナ2021~202Nが放射する電磁波の指向性(指向方向)が異なる場合を説明する図である。アンテナ2021が放射する電磁波EW1”、 アンテナ2022が放射する電磁波EW2”、…、 アンテナ202Nが放射する電磁波EWN”はそれぞれ指向性が異なる。それぞれ指向性が異なる電磁波を用いることにより、電磁波による伝搬データの外れ値が生じる箇所が異なる可能性が高くなり、外れ値の影響を低減させることができる。
(変形例2)
本変形例では、送信側の無線機200による送信信号の送信と、受信側の無線機200による受信信号の受信の変形例を説明する。図19は、無線機200の通信における時刻の同期を説明する図である。時刻の同期は、基準となる無線機200から他の無線機200に対してプリアンブルを送信し、他の無線機200がこのプリアンブルを受信することにより行われる。図19では、無線機200d1が時刻t1において無線機200d2~200dXに対してプリアンブルをブロードキャスト送信する。送信されたプリアンブルが受信されることにより、無線機200d1の時刻と無線機200d2~200dXの時刻を同期することができる。図19では、無線機200d1~200dXの時刻がt1に同期される。
無線機200d1からの第1電磁波から第N電磁波の切り替え(送信アンテナ2021d1から202Nd1の切り替え)と、受信側の無線機200のアンテナ2021から202Nの切り替えが時間に応じて行われる場合、第1通信情報から第N通信情報から一部の情報を省略することができる。第1通信情報から第N通信情報に含まれる、受信信号の受信時刻を参照することにより、送信側の無線機200のアンテナ部202と、受信側の無線機200のアンテナ部202の組合せを識別することが可能であるためである。
図20は、時刻の同期を行った場合における、無線機200d1と202d2の通信の一例を説明する図である。図20の例では、無線機200d1と無線機200d2はそれぞれ時間ごとのアンテナの切り替えの順番をあらかじめ定めている。例えば時刻t11において無線機200d1からアンテナ2021d1を介して第1電磁波が放射され、無線機200d2はアンテナ2021d2を用いてこの第1電磁波を受信する。第1電磁波の受信はアンテナ2022d2~202Nd2まで行われ、次に第2電磁波の放射と受信がアンテナ2021d2~202Nd2まで繰り返される。このようにして、第N電磁波の放射とアンテナ202Nd2による受信が時刻t12に完了すると、無線機200d1と無線機200d2の通信について一通りの伝搬データが測定されることになる。無線機200d1と無線機200d2は時間ごとにアンテナの切り替えの順番を定めているので、送信信号からは送信アンテナ識別子を除いてもよいし、第1通信情報から第N通信情報まで、受信アンテナ識別子を除くようにしてもよい。また、時間に応じて通信に用いる周波数帯まで定めている場合は、第1通信情報から第N通信情報まで周波数CHを除くようにしてもよい。時間ごとのアンテナの切り替えの順番および周波数CHの切り替えの順番が推定装置100に取得されている場合は、推定装置100にて送信アンテナ、受信アンテナの組合せと、通信に用いる周波数帯が認識可能なためである。第1通信情報から第N通信情報までの容量を減らすことにより、無線機200の処理の高速化や、無線機200の簡素化が可能である。
図21は、無線機200d1と202d2の通信の別の一例を説明する図である。図21の例では、無線機200d1と無線機200d2はそれぞれ時間ごとのアンテナ部202の切り替えの順番を定めておらず、ランダムである。この場合、送信信号には周波数CHと送信アンテナ識別子が含まれ、第1通信情報から第N通信情報まで受信アンテナ識別子が含まれる。アンテナ部202の切り替えがランダムであっても、長時間第1電磁波から第N電磁波を受信することで、それぞれ同等数の第1通信情報から第N通信情報を生成することができる。図21の例では、時刻t21ではアンテナ2021d1から第1電磁波が放射され、アンテナ202Nd2を用いて受信される。時刻t22ではアンテナ202Nd1から第N電磁波が放射され、アンテナ2021d2を用いて受信される。時刻t23ではアンテナ202Nd1から第N電磁波が放射され、アンテナ202Nd2を用いて受信される。アンテナ部202の切り替えがランダムであれば、送信側の無線機200と受信側の無線機200の取り決めが不要となり、無線機200の処理の高速化や、無線機200の簡素化が可能である。
(変形例3)
本変形例では、通信情報の簡素化について説明する。これらの情報の一部を省略することで、通信情報の容量を低減させることができる。図22は、無線機200dXにおける、受信無線機IDを省略した通信情報を表す図である。通信情報は、送信信号を受信した無線機200によって生成され、推定装置100に送られるため、推定装置100は受信側の無線機200について通信情報の取得により認識することができる。受信無線機IDは推定装置100側で付与し、通信情報からは省略してもよい。また、送信アンテナ識別子が送信無線機IDと紐づけて与えられている場合は送信無線機IDを省略することができる。
図23は、図22の場合からさらに送信アンテナ識別子と受信アンテナ識別子を省略した通信情報を表す図である。送信アンテナ識別子と受信アンテナ識別子が存在すると、本実施形態のようにカテゴリごと、アンテナの組合せごとに統計量を決定することができるため、外れ値の影響を低減させることができる。簡素化のために送信アンテナ識別子と受信アンテナ識別子を省略しても、本実施形態の統計量Sを決定することは可能である。
図24は、図23の場合からさらに周波数CHを省略した通信情報を表す図である。周波数CHが存在すると、本実施形態のようにカテゴリごとに統計量を決定することができるため、外れ値の影響を低減させることができる。簡素化のために周波数CHを省略しても、本実施形態の統計量Sを決定することは可能である。
図25は、本実施形態の通信情報から送信アンテナ識別子と受信アンテナ識別子を省略した通信情報を表す図である。図23で説明した場合と同様に、簡素化のために送信アンテナ識別子と受信アンテナ識別子を省略しても、本実施形態の統計量Sを決定することは可能である。
図26は、図25の場合からさらに周波数CHを省略した通信情報を表す図である。図24で説明した場合と同様に、簡素化のために周波数CHを省略しても、本実施形態の統計量Sを決定することは可能である。
図27は、通信情報の出力の前に、通信情報の一部消去を行う場合を表す図である。図27の第1通信情報を一例とすると、伝搬データ(受信電力)は、送信無線機ID、周波数CH、送信アンテナ識別子、および受信アンテナ識別子のカテゴリごとに分類することができる。データ生成部211は、カテゴリごとに伝搬データの統計値を決定し、決定された統計値以外の同じカテゴリのデータを消去してもよい。図27の場合、送信無線機IDd1、周波数CH1、送信アンテナ識別子2021d1、受信アンテナ識別子2021dXのカテゴリでは、受信電力は-50dBm、-45dBm、-52dBmの3つのデータが存在する。データ生成部211は、このカテゴリにおける統計量として、最大値の受信電力が-45dBmのデータのみを残し、同じカテゴリの他のデータを消去する。通信情報を推定装置100に出力する前に一部消去を行うことで、通信情報の容量を低減させることができる。
(変形例4)
以下、推定装置100の機能をプログラムによって実現する変形例を説明する。推定装置100の構成要素が行う機能は、処理部110と同様の処理装置がプログラムを処理することにより実現してもよい。このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、メモリカード、CD-RおよびDVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由で提供されるようにしてもよいし、ROM、HDD、SSDなどの記憶媒体に組み込んで提供されるようにしてもよい。
以上、推定装置100を含めた通信システム300の変形例を説明した。本実施形態の推定装置100は、位置候補情報、および無線機200間の第1電磁波の通信に関する第1通信情報、無線機200間の第2電磁波の通信に関する第2通信情報、…、無線機200間の第N電磁波の通信に関する第N通信情報を取得する。推定装置100は、位置候補情報および第1通信情報から第N通信情報に基づいて、無線機200が設置されている位置を位置候補の中から推定する。複数の電磁波による無線機200間の通信情報を用いることにより、無線機200の推定の正確度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態の適用例を説明する。図28は、通信システム300の適用例の、通信システム300’の構成図である。通信システム300’は、推定装置100、無線機200d1~200dX、筐体部301、遮蔽部302を備える。説明のために、図28は筐体部の一部を透過させて内部に設置される推定装置100、無線機200d1~200dX、および遮蔽部302を視覚化している。無線機200d1~200dX、および遮蔽部302は筐体部301の内部に備えるための構成要素である。推定装置100は図28では筐体部301の内部に備えられているが、筐体部301の外部に備えられてもよい。また、筐体部301と遮蔽部302により、透過部303が形成される。なお、図28では一部省略しているが、推定装置100と無線機200は有線により接続されている。無線で接続してもよい。
推定装置100、無線機200d1~200dXは、第1の実施形態と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。筐体部301は、無線機200d1~200dXを内部に備えるための筐体である。筐体部301の材質は任意である。例えば金属でもよいし、樹脂でもよいし、これらのハイブリッド材でもよい。
遮蔽部302は、筐体部301の内部に備えられ、無線機200を支持する。すなわち、筐体部301に遮蔽部302が備えられることで、無線機200を支持する棚になる。遮蔽部302により、異なる遮蔽部302上に備えられる無線機200は、互いに直線的に視認できない。筐体部301の材質は任意である。例えば金属でもよいし、樹脂でもよいし、これらのハイブリッド材でもよい。
透過部303は、筐体部301の内部に遮蔽部302が備えられることによって形成される領域である。図28では、遮蔽部302の面上において、幅W、奥行きDの領域が形成される。すなわち、筐体部301の内部は遮蔽部302によって完全に仕切られるわけではなく、一部に透過部303による吹き抜けが存在することとなる。この透過部303により、無線機200d1~200dXが通信に用いる第1電磁波から第N電磁波は、少なくとも一部は異なる電力で透過する。図28では透過部303は空間であるが、遮蔽部302の一部に設けられてもよい。また、遮蔽部302は空間ではなく物体であってもよい。その場合、透過部303の材質は遮蔽部302よりも電磁波を透過させやすい材質である。なお、遮蔽部302の一部に透過部303が設けられている場合でも、透過部303は筐体部301および遮蔽部302により形成されるものとする。
以上、通信システム300’の構成要素を説明した。図29は、通信システム300’における無線機200d1~200dXの位置候補を表す図である。本実施形態では、筐体部301および遮蔽部302によって仕切られている。以降、この仕切られた領域を階層と称する。本実施形態では、階層はy座標に垂直に設定されるため、位置候補を階層ごとに分類することができる。例えば、位置候補p1~p3は階層L1、位置候補p4~p6は階層L2、…、位置候補pX-2~pXは階層Ln(n=X/3)である。本実施形態では、位置候補p1に無線機200d1、位置候補p2に無線機200d2、…、位置候補pXに無線機200pXが設置されているとするが、推定装置100には未知である。
図30は、本実施形態における無線機200間の通信の模式図である。第1の実施形態と同様に、無線機200はそれぞれの組合せにおいて通信を行い、伝搬データの計測を行う。ここで、無線機200の通信における電磁波は、受信側の無線機200に、直接受信されるか、筐体部301や遮蔽部302によって反射された後に受信されるかにより、受信電力が異なる。以降、直接受信される電磁波を直接波、筐体部301や遮蔽部302によって反射されてから受信される電磁波を反射波とも称する。
通信システム300’では、直接波と反射波が混在した環境となる。図31は、直接波と反射波が混在することによる影響を説明する図である。先述したように、直接波は反射波より受信電力が高い。また、反射波は一旦筐体部301や遮蔽部302によって反射された後に受信されるため、直接波よりも受信までの経路が長い。したがって、直接波に遅れて反射波は受信されることとなる。図31左側の図では、直接波は電磁波が放射されてから時間T1、受信電力Q1で受信される。一方反射波は、電磁波が放射されてからの時間T2、受信電力Q2で受信される。時間T2はT1よりも長く、受信電力Q2はQ1よりも小さい。直接波と反射波が混在することによって、直接波に反射波が逆相合成または同相合成されることがありうる。結果、周波数によって受信電力の弱め合いや強め合いが起こり、伝搬データの測定の正確度が低下する。図31右側の図では、周波数によって受信電力が異なる一例を表している。第1の実施形態と同様に、無線機200間の通信に複数の電磁波を用い、統計量を決定することにより、直接波と反射波の合成を考慮した無線機200の位置の推定を行うことができる。
図32は、階層ごとの受信電力を模式的に表した図である。通信システム300’は、筐体部301および遮蔽部302によって階層L1~Lnに分けられている。図32では、通信の受信電力を矢印の太さで表している。階層が異なる無線機200の通信では、透過部303によって電磁波が透過するとはいえ、遮蔽部302によって遮蔽されているため、階層が同じ無線機200の通信と比べて受信電力が小さくなる。本実施形態の推定装置100は、通信する無線機200が設置される階層によって、受信電力が異なることを利用し、階層ごとに無線機200をグループ化する。推定装置100は、グループごとに無線機200が設置されている位置を推定する。複数の電磁波による無線機200間の通信情報を用いることにより、無線機200の推定の正確度を向上させることができ、さらに無線機200をグループ化することにより、グループ化しない場合と比較して無線機200の位置の推定に係る計算量を削減することが可能である。
図33は、本実施形態の推定装置100の推定動作のフローチャートである。本フローチャートは、図5と類似するため、同じステップには同じステップ番号を付して説明を省略し、類似するステップは相違点を説明する。なお、本実施形態では、無線機200間の通信は第1電磁波、第2電磁波、第3電磁波を用いた例を説明するため、2つの電磁波であっても、4つ以上の電磁波であっても同様である。無線機200において、第1電磁波はアンテナ2021から放射され、第2電磁波はアンテナ2022から放射され、第3電磁波はアンテナ2023から放射される。
ステップS102’は、通信に用いる電磁波が3つとなったため、取得部101は第1通信情報、第2通信情報、および第3通信情報を取得する。ステップS104’は、通信に用いる電磁波が3つとなったため、データ決定部112は第1通信情報、第2通信情報、および第3通信情報に基づいて、無線機200の組合せに応じた統計量Sを決定する。ステップS1041では、無線機の組合せごとに、周波数CH、送信アンテナ識別子、受信アンテナ識別子で分類される8つのカテゴリがあったが、通信に用いる電磁波が増加したため、送信アンテナ、受信アンテナの数が増加し、カテゴリの数が増える。しかし、データ決定部112は第1の実施形態と同様に、カテゴリに応じた統計量S1を決定し、統計量S1から無線機200のアンテナに応じた統計量S2を決定し、統計量S2から無線機200の組合せに応じた統計量Sを決定する。
ステップS104’の後、推定部113は統計量Sに基づいて、階層の数だけ無線機200をグループ化する(ステップS201)。統計量Sに基づいた、無線機200のグループ分けの実例について以下説明する。
実例では、本実施形態の通信システム300’を2つ用いた。以降、通信システム300Aおよび300Bとも称する。通信システム300Aおよび300Bにはそれぞれ23個ずつの無線機200を設置されている。無線機200には無線機IDとして通し番号をつけ、通信システム300Aには無線機IDが1~23、通信システムBには無線機IDが24~46の無線機200が設置されている。1つの階層には無線機200を3つずつ設置し、それぞれ1つの階層だけ無線機200が2つ設置されている。通信システム300Aでは無線機ID(1,2)、(3,4,5)、…、(21,22,23)がそれぞれグループであり、通信システム300Bでは無線機ID(24,25)、(26,27,28)、…、(44,45,46)がそれぞれグループである。
図34は、無線機200間の第1電磁波を用いた第1通信情報に含まれる伝搬データの統計量をマッピングした図である。色が暗くなるほど統計量が大きいことを示す。なお、同じ無線機200の通信は無視するため、マッピングでは黒塗りされている。実例では、伝搬データは受信電力、統計量は最大値を用いている。図35は、無線機200間の第2電磁波を用いた第2通信情報に含まれる伝搬データの統計量をマッピングした図である。図36は、無線機200間の第3電磁波を用いた第3通信情報に含まれる伝搬データの統計量をマッピングした図である。図37は、第1電磁波から第3電磁波を用いた第1通信情報から第3通信情報に含まれる伝搬データから、第1の実施形態と同様に決定した無線機200ごとの統計量をマッピングした図である。図37は、図34から図36と比較して、無線機IDが近い無線機200は統計量がより大きくなっている。
図38は、第1電磁波から第3電磁波のそれぞれ、および第1電磁波から第3電磁波の伝搬データに基づいてそれぞれグループ分けした結果を表す図である。第1電磁波から第3電磁波のそれぞれのみの伝搬データに基づいてグループ分けした結果は、実際のグループとは異なる場合があったが、第1電磁波から第3電磁波の伝搬データに基づいてグループ分けした結果は、実際のグループと一致した。第1電磁波から第3電磁波の伝搬データに基づくことにより、電磁波による伝搬特性の外れ値を除外することができ、1つの電磁波の場合よりも無線機200のグループ化および無線機200が設置されている位置の推定の正確度を向上させることができる。
図39は、本実施形態のグループ分けを説明する図である。推定部113は、実例と同様に、無線機200d1~200dXをグループ分けし、それぞれのグループを決定する。推定部113は、無線機200d1~200d3、無線機200d4~200d6、…、無線機200dX-2~200dXがそれぞれグループG1、G2、…、Gnとして決定される。
図33のフローチャートに説明を戻す。推定部113は、決定したグループとおよび位置候補情報に基づいて、無線機200のそれぞれが設置されている位置を推定する(ステップS202)。推定部113は、第1の実施形態と同様に、無線機200d1~200dXの位置の推定を行う。本実施形態では、推定部113は、グループG1~Gnを階層L1~Lnにそれぞれ仮に配置し、さらに階層に含まれる位置候補とグループに含まれる無線機200を仮に配置し、仮説を生成する。推定部113は、仮説ごとに評価値を算出し、最も無線機200d1~200dXの配置として適切な組合せを無線機200のそれぞれの位置として推定する。図40は、推定部113が推定した無線機200のそれぞれの位置の一例を表す図である。本実施形態の一例として、推定部113は、位置候補p1には無線機200d1、位置候補p2には無線機200d2、…、位置候補pXには無線機200dXが位置すると推定する。
ステップS106、S107については第1の実施形態と同様である。なお、ステップS106においては、無線機200が配置されている位置を表す情報を、グループごとに出力または保存してもよいし、推定部113が決定したグループG1~Gnや、階層L1~Lnを表す情報を出力または保存するようにしてもよい。
以上、本実施形態における推定装置100について説明した。本実施形態で説明した推定装置100は一例であり、変形例は様々に実装、実行可能である。例えば、第1の実施形態で説明した変形例は、本実施形態にも適用可能である。以下、推定装置100を含めた通信システム300’の変形例を説明する。
(変形例5)
本変形例では、無線機200の位置の推定の正確度を向上させ、推定の計算量を削減する。取得部101は、無線機200d1~200dXのうち、少なくとも1つの無線機200の位置を示す情報(以降、既知情報とも称する)をさらに取得する。図41は、本変形例の一例として、無線機200d1が位置候補p1に設置されている既知情報を説明する図である。推定部113は、既知情報にさらに基づいて、無線機200d2~200dXが設置されている位置を位置候補p2~pXから推定する。このようにすることで、無線機200d1~200dXが規則的に配置されている場合に、点対称や回転対称の場合を排除することができるため、無線機200の位置の推定の正確度を向上させ、推定の計算量を削減することができる。なお、本変形例は第1の実施形態にも適用可能である。
以上、推定装置100を含めた通信システム300’の変形例を説明した。本実施形態の推定装置100は、位置候補情報、および無線機200間の第1電磁波の通信に関する第1通信情報、無線機200間の第2電磁波の通信に関する第2通信情報、…、無線機200間の第N電磁波の通信に関する第N通信情報を取得する。推定装置100は、位置候補情報および第1通信情報から第N通信情報に基づいて、無線機200が設置されている位置を位置候補の中から推定する。本実施形態の推定装置100は、筐体部301や遮蔽部302で形成される棚の上に無線機200d1~200dXを設置した実例においても、複数の電磁波による無線機200間の通信情報を用いることにより、無線機200の推定の正確度を向上させることができる。
また、本実施形態の推定装置100は、無線機200d1~200dXをグループ分けすることにより、グループを分けずに推定する場合と比較して推定に必要な計算量を削減することができる。通信システム300’には位置候補がX個、無線機200がX台含まれているため、グループを分けずに一度に無線機200が設置されている位置を推定する場合はX!通りの組合せから最も適切な組合せを推定する必要がある。本実施形態のように、3つずつX/3個(n個)のグループに分ける場合は、X/3×3!通りの組合せから最も適切な組合せを選択すればよく、推定装置100の計算量を削減することができる。計算量の削減は、推定時間を削減することができ、一定の推定時間における推定精度を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100:推定装置
101:取得部
102:記憶部
103:出力部
110:処理部
111:制御部
112:データ決定部
113:推定部
200、200d1、200d2、…、200dX:無線機
201:送信部
202、202d1、202d2:アンテナ部
2021、2022、…、202N、2021d1、2022d1…、202Nd1、2021d2、2022d2、…、202Nd2、…、2021dX、2022dX、…、202NdX:アンテナ
203:受信部
204:測定部
205:出力部
210:処理部
211:データ生成部
300、300’:通信システム
301:筐体部
302:遮蔽部
303:透過部

Claims (18)

  1. 複数の位置候補から、複数の無線機の位置を推定する電子装置であって、
    前記無線機の位置候補を示す位置候補情報、前記複数の無線機の組み合わせにおける前記無線機間の第1電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第1伝搬データに基づく第1の値、および前記組み合わせにおける前記無線機間の第2電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第2伝搬データに基づく第2の値に基づいて、前記無線機が設置されている位置を前記複数の位置候補から推定する処理部と、
    を備える、
    電子装置。
  2. 前記第1の値は前記複数の無線機の前記組み合わせに含まれる異なる前記無線機の2つのアンテナ間の第1電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第1伝搬データに基づき、
    前記第2の値は前記複数の無線機の前記組み合わせに含まれる異なる前記無線機の2つのアンテナ間の第2電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第2伝搬データに基づく、請求項に記載の電子装置。
  3. 前記第1の値は、前記複数の無線機の前記組み合わせに含まれる前記無線機間において単一の周波数帯を有する第1電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第1伝搬データに基づき、
    前記第2の値は、前記複数の無線機の前記組み合わせに含まれる前記無線機間において単一の周波数帯を有する第2電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第2伝搬データに基づく、
    請求項1に記載の電子装置。
  4. 前記第1の値は、前記複数回の通信により得られる第1伝搬データの最大値、最小値、平均値、中央値のうちの一つであり、
    前記第2の値は、前記複数回の通信により得られる第2伝搬データの最大値、最小値、平均値、中央値のうちの一つである、
    請求項1に記載の電子装置。
  5. 前記処理部は、前記第1の値及び前記第2の値に基づいて、前記複数の無線機のうち、同じ階層に存在すると推定される無線機からなるグループを決定する、
    請求項2~4のいずれか一項に記載の電子装置。
  6. 前記処理部は、前記位置候補情報に基づいて、前記グループに含まれる無線機が設置されている位置を、前記複数の位置候補から推定する、
    請求項に記載の電子装置。
  7. 前記第1伝搬データは、前記無線機間の前記第1電磁波を用いた通信における第1受信電力、第1信号対雑音比、および第1エラーレートの少なくとも1つを示し、
    前記第2伝搬データは、前記無線機間の前記第2電磁波を用いた通信における第2受信電力、第2信号対雑音比、および第2エラーレートの少なくとも1つを示す、
    請求項乃至のいずれか一項に記載の電子装置。
  8. 前記処理部は、前記無線機間の通信における、送信側の無線機の第1無線機識別情報および受信側の無線機の第2無線機識別情報にさらに基づいて、前記無線機が設置されている位置を前記複数の位置候補から推定する、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の電子装置。
  9. 前記処理部は、前記第1電磁波を放射した無線機が用いた第1アンテナの識別情報と、前記第1電磁波を受信した無線機が用いた第2アンテナの識別情報と、前記第2電磁波を放射した無線機が用いた第3アンテナの識別情報と、前記第2電磁波を受信した無線機が用いた第4アンテナの識別情報にさらに基づいて、前記無線機が設置されている位置を前記複数の位置候補から推定する、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の電子装置。
  10. 前記処理部は、前記第1電磁波の周波数帯を示す第1周波数情報と、前記第2電磁波の周波数帯を示す第2周波数情報にさらに基づいて、前記無線機が設置されている位置を前記複数の位置候補から推定する、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の電子装置。
  11. 前記処理部は、前記第1伝搬データおよび前記第2伝搬データを、前記無線機間の通信における、送信側の無線機、受信側の無線機、前記送信側の無線機が前記通信に用いたアンテナ、前記受信側の無線機が前記通信に用いたアンテナ、および前記通信に用いられた周波数帯の少なくともいずれかに基づいて分類する、
    請求項1乃至10のいずれか一項に記載の電子装置。
  12. 前記第1伝搬データおよび前記第2伝搬データを保持する記憶部をさらに備え、
    前記処理部は、分類した前記第1伝搬データおよび前記第2伝搬データを前記記憶部に保持させる、
    請求項11に記載の電子装置。
  13. 推定された前記無線機が設置されている位置を示す情報を出力する出力部をさらに備える、
    請求項1乃至12のいずれか一項に記載の電子装置。
  14. 前記第1電磁波および前記第2電磁波は、それぞれ異なる時間に放射される、
    請求項1乃至13のいずれか一項に記載の電子装置。
  15. 前記第1電磁波および前記第2電磁波は、偏波面が直交する、
    請求項1乃至14のいずれか一項に記載の電子装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれか一項に記載の電子装置と、
    前記複数の無線機と、
    を備える、
    電子システム。
  17. 筐体部と、
    前記筐体部に備えるための、第1電磁波および第2電磁波を用いて通信する第1無線機と、
    前記筐体部に備えるための、前記第1電磁波および前記第2電磁波を用いて前記第1無線機と通信する第2無線機と、
    前記第1無線機および前記第2無線機の位置候補から、前記第1無線機および前記第2無線機が設置されている位置を推定する電子装置と、
    前記筐体部内において、前記第1無線機および前記第2無線機の間に備えるための遮蔽部と、
    を備え、
    前記筐体部および前記遮蔽部により形成される透過部は、前記第1電磁波および前記第2電磁波を異なる電力で透過させ
    前記電子装置は、
    前記第1無線機及び前記第2無線機の前記位置候補を示す位置候補情報、前記第1無線機及び前記第2無線機間の前記第1電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第1伝搬データに基づく第1の値、および前記第1無線機及び前記第2無線機間の前記第2電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第2伝搬データに基づく第2の値に基づいて、前記第1無線機及び前記第2無線機が設置されている位置を前記位置候補から推定する、
    電子システム。
  18. 複数の位置候補から、複数の無線機の位置を推定する方法であって、
    前記無線機の位置候補を示す位置候補情報、前記複数の無線機の組み合わせにおける前記無線機間の第1電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第1伝搬データに基づく第1の値、および前記組み合わせにおける前記無線機間の第2電磁波を用いた複数回の通信によって得られる第2伝搬データに基づく第2の値に基づいて、前記無線機が設置されている位置を前記複数の位置候補から推定する
    方法。
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