JP7458271B2 - 液圧発生装置 - Google Patents
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Description
前記した液圧発生装置としては、マスタシリンダ、ストロークシミュレータおよびスレーブシリンダを一つの基体に設けているものがある(例えば、特許文献1参照)。
この構成では、マスタシリンダ、スレーブシリンダ、モータおよびストロークシミュレータを互いに近づけて配置することができるため、ストロークシミュレータを有する液圧発生装置を小型化することができる。
この構成では、基体に対して一方向から両シリンダ穴を加工することができるとともに、両シリンダ穴に対して一方向から各種部品を組み付けることができるため、液圧発生装置の製造効率を高めることができる。
本実施形態では、本発明の液圧発生装置を車両用ブレーキシステムに適用した場合を例として説明する。
両第一ピストン12a,12bは、ブレーキペダルBPの踏力を受けて第一シリンダ穴11内を摺動し、底側圧力室16a内および開口側圧力室16b内のブレーキ液を加圧する。
ストロークシミュレータ40では、マスタシリンダ10の開口側圧力室16bで発生したブレーキ液圧によって、ストロークシミュレータ40の第三ピストン42がコイルばね43a,43bの付勢力に抗して移動し、付勢された第三ピストン42によってブレーキペダルBPに擬似的な操作反力が付与される。
なお、蓋部材44と第三ピストン42との間に形成された背圧室47は、リザーバタンク連通路9を介してリザーバタンク80に連通している。
モータ24は、基体100のフランジ部103の前側の面に取り付けられている(図4参照)。出力軸24aは、フランジ部103に形成された挿通穴103cに挿通されており、フランジ部103の後方に突出している。出力軸24aの後端部には、駆動側プーリー24bが取り付けられている。
駆動伝達部25は、ロッド25aと、ロッド25aを取り囲んでいる筒状のナット部材25bと、ナット部材25bの全周に設けられた従動側プーリー25cと、従動側プーリー25cと駆動側プーリー24bとに掛けられた無端状のベルト25dと、カバー部材25eと、を備えている。
ロッド25aの後部の外周面と、ナット部材25bの内周面との間には、ボールねじ機構が設けられている。また、ナット部材25bは、ベアリングを介して基体100に固定されている。
ロッド25aが前方に移動したときには、第二ピストン22がロッド25aからの入力を受けて第二シリンダ穴21内を摺動し、圧力室26内のブレーキ液を加圧する。
二つのメイン液圧路2a,2bは、図1に示すように、マスタシリンダ10の第一シリンダ穴11を起点とする液圧路である。
第一メイン液圧路2aは、マスタシリンダ10の底側圧力室16aから液圧制御装置30を介して二つの車輪ブレーキBR,BRに通じている。
第二メイン液圧路2bは、マスタシリンダ10の開口側圧力室16bから液圧制御装置30を介して他の二つの車輪ブレーキBR,BRに通じている。
第一連通路5aは、第二シリンダ穴21内の圧力室26から第一メイン液圧路2aに至る流路であり、第二連通路5bは、圧力室26から第二メイン液圧路2bに至る流路である。
第一切替弁51が図1に示す第一ポジションの状態では、第一メイン液圧路2aの上流側(マスタシリンダ10側)と下流側(車輪ブレーキBR側)とが連通し、第一メイン液圧路2aと第一連通路5aとが遮断される。
第一切替弁51が第二ポジションの状態では、第一メイン液圧路2aの上流側と下流側とが遮断され、第一連通路5aと第一メイン液圧路2aの下流側とが連通する。
第二切替弁52が図1に示す第一ポジションの状態では、第二メイン液圧路2bの上流側(マスタシリンダ10側)と下流側(車輪ブレーキBR側)とが連通し、第二メイン液圧路2bと第二連通路5bとが遮断される。
第二切替弁52が第二ポジションの状態では、第二メイン液圧路2bの上流側と下流側とが遮断され、第二連通路5bと第二メイン液圧路2bの下流側とが連通する。
第二連通路5bには、第二遮断弁62が設けられている。第二遮断弁62は常開型電磁弁である。第二遮断弁62が通電時には閉弁すると、第二遮断弁62において第二連通路5bが遮断される。
第一圧力センサ6は、第一切替弁51よりも上流側に配置されており、マスタシリンダ10で発生したブレーキ液圧を検知する。
第二圧力センサ7は、第二切替弁52よりも下流側に配置されており、両連通路5a,5bと両メイン液圧路2a,2bの下流側とが連通しているときには、スレーブシリンダ20で発生したブレーキ液圧を検知する。
分岐補給路73aには、リザーバタンク80側から共通液圧路4側へのブレーキ液の流入のみを許容するチェック弁73bが設けられている。
通常時は、スレーブシリンダ補給路73を通じてリザーバタンク80からスレーブシリンダ20にブレーキ液が補給される。
また、吸液制御時には、スレーブシリンダ補給路73、分岐補給路73aおよび共通液圧路4を通じて、リザーバタンク80からスレーブシリンダ20にブレーキ液が吸液される。
液圧制御装置30は、ホイールシリンダWに作用する液圧(以下、「ホイールシリンダ圧」という)を増圧、保持または減圧させることができる。液圧制御装置30は、入口弁31、出口弁32、チェック弁33を備えている。
入口弁31は、常開型の比例電磁弁(リニアソレノイド弁)であり、入口弁31のコイルに流す電流値に応じて、入口弁31の開弁圧を調整可能となっている。
入口弁31は、通常時に開弁していることで、スレーブシリンダ20から各ホイールシリンダWへ液圧が付与されるのを許容している。また、入口弁31は、車輪がロックしそうになったときに電子制御装置90の制御により閉弁し、各ホイールシリンダWに付与される液圧を遮断する。
出口弁32は、通常時に閉弁されているが、車輪がロックしそうになったときに電子制御装置90の制御により開弁される。
電子制御装置90は、図1に示すように、両圧力センサ6,7やストロークセンサ(図示せず)などの各種センサから得られた情報や予め記憶させておいたプログラム等に基づいて、モータ24の作動や各弁の開閉を制御する。
図1に示す車両用ブレーキシステムAでは、システムが起動されると、両切替弁51,52が励磁されて、前記した第一ポジションから第二ポジションに切り替わる。
これにより、第一メイン液圧路2aの下流側と第一連通路5aとが通じるとともに、第二メイン液圧路2bの下流側と第二連通路5bとが通じる。そして、マスタシリンダ10と各ホイールシリンダWとが遮断されるとともに、スレーブシリンダ20とホイールシリンダWとが連通する。
そして、ストロークシミュレータ40の圧力室45の液圧が大きくなり、第三ピストン42がコイルばね43a,43bの付勢力に抗して蓋部材44側に移動することで、ブレーキペダルBPのストロークが許容され、擬似的な操作反力がブレーキペダルBPに付与される。
電子制御装置90は、スレーブシリンダ20の発生液圧(第二圧力センサ7で検出された液圧)と、ブレーキペダルBPの操作量に対応した要求液圧とを対比し、その対比結果に基づいてモータ24の回転速度等を制御する。
このようにして、車両用ブレーキシステムAではブレーキペダルBPの操作量に応じて液圧を昇圧させる。そして、スレーブシリンダ20で発生した液圧は液圧制御装置30に入力される。
それでも第二圧力センサ7の検出値が上昇しない場合には、両遮断弁61,62よりもスレーブシリンダ20側の経路においてブレーキ液の減少が生じている可能性があるため、電子制御装置90は、マスタシリンダ10から各ホイールシリンダWに液圧が直接作用するように各弁を制御する。
その結果、第二圧力センサ7の検出値が上昇した場合には、第一メイン液圧路2aにおいてブレーキ液が減少している可能性があるため、電子制御装置90は、第二メイン液圧路2bにおいてスレーブシリンダ20による液圧の昇圧を継続する。
その結果、第二圧力センサ7の検出値が上昇した場合には、第二メイン液圧路2bにおいてブレーキ液が減少している可能性があるため、電子制御装置90は、第一メイン液圧路2aにおいてスレーブシリンダ20による液圧の昇圧を継続する。
例えば、入口弁31が開弁し、出口弁32が閉弁した通常状態では、ブレーキペダルBPを踏み込めば、スレーブシリンダ20で発生した液圧がそのままホイールシリンダWへ伝達してホイールシリンダ圧が増圧する。
また、入口弁31が閉弁し、出口弁32が開弁した状態では、ホイールシリンダWから戻り液路74側へブレーキ液が流出し、ホイールシリンダ圧が減少して減圧する。
さらに、入口弁31と出口弁32がともに閉となる状態では、ホイールシリンダ圧が保持される。
なお、以下の説明では、液圧発生装置1を車両に搭載した状態における各装置の配置について説明する。
第一シリンダ穴11は有底円筒状の穴である。第一シリンダ穴11の軸線L1は、図6に示すように、前後方向に延在している。第一シリンダ穴11の後端部は、上部101の後面101bに開口している。つまり、第一シリンダ穴11は、後方に向けて開口している。
上部101の後面101bの中央部には、図7に示すように、第一シリンダ穴11が開口している。また、上部101の後面101bには、図4に示すように、複数のスタッドボルト105が立設されている。
第三シリンダ穴41は有底円筒状の穴である。第三シリンダ穴41の軸線L3は、図6に示すように、前後方向に延在している。
第三シリンダ穴41の軸線L3は、第一シリンダ穴11の軸線L1に平行である。このように、第一シリンダ穴11と第三シリンダ穴41とは平行かつ並列に配置されている。
第三シリンダ穴41の周壁部の略左半分は、図7に示すように、上部101の左側面101cの上部から左方に突出している。
下部102の後面102bは、図6に示すように、上部101の後面101bよりも前方にオフセットされている。また、下部102の前部102aは、上部101の前面101aよりも前方に突出している。
第二シリンダ穴21は、有底円筒状の穴である。第二シリンダ穴21の軸線L2は、前後方向に延在している。
第二シリンダ穴21は、図7に示すように、第一シリンダ穴11および第三シリンダ穴41よりも下方に配置されている。本実施形態では、第二シリンダ穴21は、第一シリンダ穴11の左斜め下方に配置されている。
第二シリンダ穴21の軸線L2は、図7に示すように、第一シリンダ穴11の軸線L1を含む水平な基準面S1よりも下方に配置されている。また、第二シリンダ穴21の軸線L2は、第一シリンダ穴11の軸線L1を含む鉛直な基準面S2よりも左方に配置されている。
第二シリンダ穴21の周壁部の略左半分は、図7に示すように、上部101の左側面101cよりも左方に突出している。
フランジ部103の後面103bは、下部102の後面102bに連続して形成されており、同一平面を構成している(図7参照)。そして、フランジ部103の後面103bは、下部102の後面102bと同様に、上部101の後面101bよりも前方にオフセットされている。
モータ24の後端部から後方に向けて出力軸24aが突出している。出力軸24aは、挿通穴103cを通じてフランジ部103から後方に向けて突出している。
したがって、モータ24をフランジ部103に取り付けると、図5に示すように、出力軸24aは、第一シリンダ穴11の左斜め下方に配置されるとともに、第二シリンダ穴21の左斜め上方に配置される。
また、モータ24をフランジ部103に取り付けた状態では、図4に示すように、出力軸24aの軸線L4は、前後方向に延在している。
出力軸24aの軸線L4は、図5に示すように、第一シリンダ穴11の軸線L1を含む水平な基準面S1よりも下方に配置されている。また、出力軸24aの軸線L4は、第一シリンダ穴11の軸線L1を含む鉛直な基準面S2よりも左方に配置されている。
また、出力軸24aは、第二シリンダ穴21および第三シリンダ穴41よりも左方に配置されるとともに、上下方向において第二シリンダ穴21と第三シリンダ穴41との間に配置されている。
基体100をダッシュボード(図示せず)に取り付けたときに、ダッシュボードの前面と、基体100のフランジ部103の後面103bとの間に駆動伝達部25が収まるように構成されている。
基体100の右側面101dには、複数の装着穴が開口している。各装着穴は、電磁弁や圧力センサが装着される穴であり、装着穴に装着された電磁弁や圧力センサの先端部が右側面101dから突出している。
ハウジング91は、図5に示すように、右側面101dから突出した各電磁弁および各圧力センサを覆った状態で、右側面101dに取り付けられている。
制御基板は、各種センサから得られた情報や、予め記憶させておいたプログラムなどに基づいて、各電磁弁およびモータ24の作動を制御する。
このように、マスタシリンダ10、スレーブシリンダ20、モータ24、ストロークシミュレータ40および電子制御装置90を互いに近づけて配置することで、液圧発生装置1を小型化することができる。
また、液圧発生装置1では、基体100の左右両側にモータ24と電子制御装置90とをバランス良く配置することができる。
これにより、液圧発生装置1では、基体100に対して一方向(後方)から各シリンダ穴11,21,41を加工することができる。また、液圧発生装置1では、各シリンダ穴11,21,41および出力軸24aに対して一方向(後方)から各種部品を組み付けることができる。
このように、液圧発生装置1では、基体100への各シリンダ穴11,21,41の加工性や各種部品の組み付け性を向上させることができるため、液圧発生装置1の製造効率を高めることができる。
本実施形態の液圧発生装置1では、図5に示すように、第一シリンダ穴11の側方にモータ24を配置し、第一シリンダ穴11の下方に第二シリンダ穴21(スレーブシリンダ20)が配置されているが、モータ24と第二シリンダ穴21とを入れ替えてもよい。すなわち、第一シリンダ穴11の側方に第二シリンダ穴21(スレーブシリンダ20)を配置し、第一シリンダ穴11の下方にモータ24を配置してもよい。
また、本実施形態の液圧発生装置1では、スレーブシリンダ20がシングルピストン型のシリンダであるが、タンデムピストン型のシリンダによってスレーブシリンダ20を構成してもよい。
2a 第一メイン液圧路
2b 第二メイン液圧路
3 分岐液圧路
4 共通液圧路
5a 第一連通路
5b 第二連通路
6 第一圧力センサ
7 第二圧力センサ
8 常閉型電磁弁
10 マスタシリンダ
11 第一シリンダ穴
12a 底面側の第一ピストン
12b 開口側の第一ピストン
16a 底側圧力室
16b 開口側圧力室
20 スレーブシリンダ
21 第二シリンダ穴
22 第二ピストン
24 モータ
24a 出力軸
24b 駆動側プーリー
25 駆動伝達部
25a ロッド
25b ナット部材
25c 従動側プーリー
25d ベルト
25e カバー部材
26 圧力室
30 液圧制御装置
31 入口弁
32 出口弁
40 ストロークシミュレータ
41 第三シリンダ穴
42 第三ピストン
44 蓋部材
45 圧力室
51 第一切替弁
52 第二切替弁
61 第一遮断弁
62 第二遮断弁
73 スレーブシリンダ補給路
73a 分岐補給路
74 戻り液路
80 リザーバタンク
90 電子制御装置
91 ハウジング
92 外部接続用コネクタ
93 モータ接続用コネクタ
100 基体
101 上部
101f 前端部
101g 凹部
102 下部
102a 前部
103 フランジ部
103c 挿通穴
105 スタッドボルト
301 出口ポート
A 車両用ブレーキシステム
BP ブレーキペダル
BR 車輪ブレーキ
R ロッド
W ホイールシリンダ
Claims (4)
- 基体と、
前記基体に取り付けられたモータと、
ブレーキ操作子に連結された第一ピストンによってブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダと、
前記モータを駆動源とする第二ピストンによってブレーキ液圧を発生させるスレーブシリンダと、を備え、
前記基体は、
前記第一ピストンが挿入される有底の第一シリンダ穴と、
前記第二ピストンが挿入される有底の第二シリンダ穴と、を有し、
前記第一シリンダ穴の軸線、前記第二シリンダ穴の軸線および前記モータの出力軸の軸線が並列に配置されており、
前記基体の上面を水平に配置した状態において、
前記第二シリンダ穴および前記モータの一方は、前記第一シリンダ穴の側方に配置され、
前記第二シリンダ穴および前記モータの他方は、前記第一シリンダ穴よりも下方に配置され、
前記第二シリンダ穴および前記モータの少なくとも一部が上下方向に配置されていることを特徴とする液圧発生装置。 - 請求項1に記載の液圧発生装置であって、
前記基体には、前記モータを制御する電子制御装置が取り付けられており、
前記電子制御装置は、前記第一シリンダ穴に対して、前記第二シリンダ穴および前記モータの一方が配置されている側の反対側に配置されていることを特徴とする液圧発生装置。 - 請求項1または請求項2に記載の液圧発生装置であって、
付勢された第三ピストンによって前記ブレーキ操作子に擬似的な操作反力を付与するストロークシミュレータを備え、
前記基体は、前記第三ピストンが挿入される有底の第三シリンダ穴を有し、
前記第三シリンダ穴の軸線は、前記第一シリンダ穴の軸線に並列に配置され、
前記第三シリンダ穴は、前記第一シリンダ穴の側方に配置されるとともに、前記第二シリンダ穴および前記モータの一方よりも上方に配置されていることを特徴とする液圧発生装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液圧発生装置であって、
前記第一シリンダ穴および前記第二シリンダ穴は、同一方向に向けて開口していることを特徴とする液圧発生装置。
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