JP6676439B2 - 液圧発生装置 - Google Patents
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Description
前記した液圧発生装置としては、マスタシリンダ、ストロークシミュレータおよびスレーブシリンダを一つの基体に設けているものがある(例えば、特許文献1参照)。
ノイズフィルタとしては、チョークコイルやキャパシタ等が挙げられる。
本実施形態では、本発明の液圧発生装置を車両用ブレーキシステムに適用した場合を例として説明する。
なお、軸線L1,L2,L3は、平行以外の構成(軸線L1,L2,L3のいずれか一組が相互に僅かに傾いている構成)であってもよい。
両第一ピストン12a,12bは、ブレーキペダルPの踏力を受けて第一シリンダ穴11内を摺動し、底側圧力室16a内および開口側圧力室16b内のブレーキ液を加圧する。
ストロークシミュレータ40では、マスタシリンダ10の開口側圧力室16bで発生したブレーキ液圧によって、ストロークシミュレータ40の第三ピストン42がコイルばね43a,43bの付勢力に抗して移動し、付勢された第三ピストン42によってブレーキペダルPに擬似的な操作反力が付与される。
なお、第三ピストン42と蓋部材44との間には背圧室47が設けられている。背圧室47には、ポート47aを介してリザーバタンク連通路9が接続されている。リザーバタンク連通路9はマスタシリンダ10のポート19を介してリザーバタンク80に連通している。
モータ24は、基体100のフランジ部103の前側のモータ取付面103aに取り付けられている(図4参照)。出力軸24aは、フランジ部103に形成された挿通穴103cに挿通されており、フランジ部103の後方に突出している。出力軸24aの後端部には、駆動側プーリー24bが取り付けられている。
モータ制御用コネクタ201bの内側には、筒軸L22方向にモータ側制御端子(不図示)が突出している。モータ制御用コネクタ201bの内面には、同様にシール部材203(不図示)が装着されている。このシール部材203も同様に、円筒状のリテーナ205(不図示)で保持されている。
駆動伝達部25は、ロッド25aと、ロッド25aを取り囲んでいる筒状のナット部材25bと、ナット部材25bの全周に設けられた従動側プーリー25cと、従動側プーリー25cと駆動側プーリー24bとに掛けられた無端状のベルト25dと、カバー部材25eと、を備えている。
ロッド25aの後部の外周面と、ナット部材25bの内周面との間には、ボールねじ機構が設けられている。また、ナット部材25bは、ベアリングを介して基体100に固定されている。
ロッド25aが前方に移動したときには、第二ピストン22がロッド25aからの入力を受けて第二シリンダ穴21内を摺動し、圧力室26内のブレーキ液を加圧する。
二つのメイン液圧路2a,2bは、図1に示すように、マスタシリンダ10の第一シリンダ穴11を起点とする液圧路である。
第一メイン液圧路2aは、マスタシリンダ10の底側圧力室16aから液圧制御装置30を介して二つの車輪ブレーキBR,BRに通じている。
第二メイン液圧路2bは、マスタシリンダ10の開口側圧力室16bから液圧制御装置30を介して他の二つの車輪ブレーキBR,BRに通じている。
第一連通路5aは、第二シリンダ穴21内の圧力室26から第一メイン液圧路2aに至る流路であり、第二連通路5bは、圧力室26から第二メイン液圧路2bに至る流路である。
第一切替弁51が図1に示す第一ポジションの状態では、第一メイン液圧路2aの上流側(マスタシリンダ10側)と下流側(車輪ブレーキBR側)とが連通し、第一メイン液圧路2aと第一連通路5aとが遮断される。
第一切替弁51が第二ポジションの状態では、第一メイン液圧路2aの上流側と下流側とが遮断され、第一連通路5aと第一メイン液圧路2aの下流側とが連通する。
第二切替弁52が図1に示す第一ポジションの状態では、第二メイン液圧路2bの上流側(マスタシリンダ10側)と下流側(車輪ブレーキBR側)とが連通し、第二メイン液圧路2bと第二連通路5bとが遮断される。
第二切替弁52が第二ポジションの状態では、第二メイン液圧路2bの上流側と下流側とが遮断され、第二連通路5bと第二メイン液圧路2bの下流側とが連通する。
第二連通路5bには、第二遮断弁62が設けられている。第二遮断弁62は常開型電磁弁である。第二遮断弁62が通電時には閉弁すると、第二遮断弁62において第二連通路5bが遮断される。
第一圧力センサ6は、第一切替弁51よりも上流側に配置されており、マスタシリンダ10で発生したブレーキ液圧を検知する。
第二圧力センサ7は、第二切替弁52よりも下流側に配置されており、両連通路5a,5bと両メイン液圧路2a,2bの下流側とが連通しているときには、スレーブシリンダ20で発生したブレーキ液圧を検知する。
分岐補給路73aには、リザーバタンク80側から共通液圧路4側へのブレーキ液の流入のみを許容するチェック弁73bが設けられている。
通常時は、スレーブシリンダ補給路73を通じてリザーバタンク80からスレーブシリンダ20にブレーキ液が補給される。
また、吸液制御時には、スレーブシリンダ補給路73、分岐補給路73aおよび共通液圧路4を通じて、リザーバタンク80からスレーブシリンダ20にブレーキ液が吸液される。
液圧制御装置30は、ホイールシリンダWに作用する液圧(以下、「ホイールシリンダ圧」という)を増圧、保持または減圧させることができる。液圧制御装置30は、入口弁31、出口弁32、チェック弁33を備えている。
入口弁31は、常開型の比例電磁弁(リニアソレノイド弁)であり、入口弁31のコイルに流す電流値に応じて、入口弁31の開弁圧を調整可能となっている。
入口弁31は、通常時に開弁していることで、スレーブシリンダ20から各ホイールシリンダWへ液圧が付与されるのを許容している。また、入口弁31は、車輪がロックしそうになったときに電子制御装置90の制御により閉弁し、各ホイールシリンダWに付与される液圧を遮断する。
出口弁32は、通常時に閉弁されているが、車輪がロックしそうになったときに電子制御装置90の制御により開弁される。
図1に示す車両用ブレーキシステム1Aでは、システムが起動されると、両切替弁51,52が励磁されて、前記した第一ポジションから第二ポジションに切り替わる。
これにより、第一メイン液圧路2aの下流側と第一連通路5aとが通じるとともに、第二メイン液圧路2bの下流側と第二連通路5bとが通じる。そして、マスタシリンダ10と各ホイールシリンダWとが遮断されるとともに、スレーブシリンダ20とホイールシリンダWとが連通する。
そして、ストロークシミュレータ40の圧力室45の液圧が大きくなり、第三ピストン42がコイルばね43a,43bの付勢力に抗して蓋部材44側に移動することで、ブレーキペダルPのストロークが許容され、擬似的な操作反力がブレーキペダルPに付与される。
電子制御装置90は、スレーブシリンダ20の発生液圧(第二圧力センサ7で検出された液圧)と、ブレーキペダルPの操作量に対応した要求液圧とを対比し、その対比結果に基づいてモータ24の回転速度等を制御する。
このようにして、車両用ブレーキシステム1AではブレーキペダルPの操作量に応じて液圧を昇圧させる。そして、スレーブシリンダ20の発生液圧は液圧制御装置30に入力される。
それでも第二圧力センサ7の検出値が上昇しない場合には、両遮断弁61,62よりもスレーブシリンダ20側の経路においてブレーキ液の減少が生じている可能性があるため、電子制御装置90は、マスタシリンダ10から各ホイールシリンダWに液圧が直接作用するように各弁を制御する。
その結果、第二圧力センサ7の検出値が上昇した場合には、第一メイン液圧路2aにおいてブレーキ液が減少している可能性があるため、電子制御装置90は、第二メイン液圧路2bにおいてスレーブシリンダ20による液圧の昇圧を継続する。
その結果、第二圧力センサ7の検出値が上昇した場合には、第二メイン液圧路2bにおいてブレーキ液が減少している可能性があるため、電子制御装置90は、第一メイン液圧路2aにおいてスレーブシリンダ20による液圧の昇圧を継続する。
例えば、入口弁31が開弁し、出口弁32が閉弁した通常状態では、ブレーキペダルPを踏み込めば、スレーブシリンダ20で発生した液圧がそのままホイールシリンダWへ伝達してホイールシリンダ圧が増圧する。
また、入口弁31が閉弁し、出口弁32が開弁した状態では、ホイールシリンダWから戻り液路74側へブレーキ液が流出し、ホイールシリンダ圧が減少して減圧する。
さらに、入口弁31と出口弁32がともに閉となる状態では、ホイールシリンダ圧が保持される。
なお、以下の説明では、液圧発生装置1を車両に搭載した状態における各装置の配置について説明する。
第一シリンダ穴11は有底円筒状の穴である。第一シリンダ穴11の軸線L1は、図7に示すように、前後方向に延在している。第一シリンダ穴11の後端部は、上部101の後面101bに開口している。つまり、第一シリンダ穴11は、後方に向けて開口している。
車体取付面104の中央部には、図5に示すように、第一シリンダ穴11の開口部11bが開口している。また、車体取付面104の上下左右の四隅には、四本のスタッドボルト105が立設されている。
第三シリンダ穴41は有底円筒状の穴である。第三シリンダ穴41の軸線L3は、図7に示すように、前後方向に延在している。
第三シリンダ穴41の軸線L3は、第一シリンダ穴11の軸線L1に平行である。このように、第一シリンダ穴11と第三シリンダ穴41とは平行かつ並列に配置されている。
第三シリンダ穴41の軸線L3と、第一シリンダ穴11の軸線L1とは、図5に示すように、水平な基準面S1(仮想面)上において左右に並んでいる。
第一シリンダ穴11と第三シリンダ穴41との間隔は、第一シリンダ穴11の半径よりも小さく設定されており、第一シリンダ穴11と第三シリンダ穴41とは左右方向に隣接している。なお、第一シリンダ穴11の直径は、第三シリンダ穴41の直径よりも小さく形成されている。
第三シリンダ穴41の周壁部の略左半分は、図3に示すように、上部101の左側面101cから左方に突出している。
第二シリンダ穴21は、有底円筒状の穴でありる。第二シリンダ穴21の軸線L2は、図7に示すように、前後方向に延在している。
第二シリンダ穴21は、図5に示すように、第一シリンダ穴11および第三シリンダ穴41よりも下方に配置されており、第二シリンダ穴21は、第一シリンダ穴11の右斜め下方に配置されている。
第二シリンダ穴21は、基体100の下部102の後面102bに開口している。つまり、第二シリンダ穴21は、後方に向けて開口している。
フランジ部103の駆動伝達部取付面103bは、下部102の後面102bに連続して形成されており、同一平面を構成している。そして、駆動伝達部取付面103bは、下部102の後面102bと同様に、上部101の後面101bよりも前方にオフセットされている。つまり、駆動伝達部取付面103bは、上部101の車体取付面104よりも前方に配置されている。
したがって、モータ24をフランジ部103に取り付けると、出力軸24aは、第一シリンダ穴11および第三シリンダ穴41よりも下方で、第一シリンダ穴11の左斜め下方に配置される。
出力軸24aの軸線L4は、各シリンダ穴11,21,41の軸線L1,L2,L3に平行である。このように、各シリンダ穴11,21,41と、出力軸24aとは平行かつ並列に配置されている。
また、出力軸24aの軸線L4と第二シリンダ穴21の軸線L2とは、図5に示すように、左右方向に水平に並んで配置される。
図4に示すように、駆動伝達部25のカバー部材25eの後端部が上部101の車体取付面104よりも後方に突出しないように、車体取付面104に対する下部102の後面102bおよびフランジ部103の駆動伝達部取付面103bの前方へのオフセット量が設定されている。
したがって、基体100の車体取付面104をダッシュボードBに取り付けたときに、ダッシュボードBの前面と、基体100のフランジ部103の駆動伝達部取付面103bとの間に駆動伝達部25が収まる。
また、図5に示すように、第二シリンダ穴21およびモータ24(出力軸24a)は、第一シリンダ穴11の軸線L1および第三シリンダ穴41の軸線L3を含む水平な基準面S1(仮想面)よりも下方に配置されている。
さらに、第三シリンダ穴41およびモータ24(出力軸24a)は、第一シリンダ穴11を含む鉛直な基準面S2(仮想面)よりも左方に配置されている。さらに、第二シリンダ穴21は、第一シリンダ穴11を含む鉛直な基準面S2よりも右方に配置されている。つまり、ハウジング91とモータ24とは、図5に示すように、第一シリンダ穴11を含む鉛直な基準面S2(仮想面)を境にして一面側(右側)と他面側(左側)に配置されている。
したがって、液圧発生装置1を前後方向から見たときに、第一シリンダ穴11の中心点(軸線L1)、第二シリンダ穴21の中心点(軸線L2)および出力軸24aの中心点(軸線L4)を結んだ線が三角形となる位置関係に配置されている。つまり、液圧発生装置1を前後方向から見たときに、第一シリンダ穴11(マスタシリンダ10)を三角形の頂点として、その三角形の底辺の左右端部に第二シリンダ穴21(スレーブシリンダ20)および出力軸24a(モータ24)が配置されている。
ハウジング突出部95の左側面には、外部接続用コネクタ903が設けられている。
チョークコイル901およびキャパシタ902は、制御基板P1の電子回路において、信号ラインの間や電源ラインの間に発生するノイズを減少させるものである。チョークコイル901およびキャパシタ902は、ハウジング突出部95の左右方向(厚み方向)に所定の外径をそれぞれ有しており、ハウジング突出部95の内側に形成される収容スペースを利用して収容されている。
なお、外部接続用コネクタ903の左端部は、図8(a)(b)に示すように、基体100の左側面101cよりも右側に位置しており、図示しない外部コネクタが基体100の前面101aの前方に少なくともその一部が収まるように構成されている。
まず、フランジ部103のモータ取付面103aに前方からモータ24を組み付ける。この場合、図12に示すように、基体100の下部102の左側面102cが平らな面とされているので、この左側面102cにモータコネクタ201の右側部を沿わせるようにしてモータ24を移動させることができる。したがって、モータ取付面103aに対するモータ24のスムーズな組み付けが実現される。
以上により、モータコネクタ201とハウジングコネクタ97とが基体100を貫通する最短距離にて電気的に接続される。
また、ハウジング91とスレーブシリンダ20とが上下方向に並べて配置されており、基体100の周囲のスペースを有効に利用することで、液圧発生装置1が小型化されている。
例えば、第一シリンダ穴11の上方に第二シリンダ穴21および出力軸24aを配置してもよい。この場合には、液圧発生装置1を前後方向から見たときに、第一シリンダ穴11の中心点、第二シリンダ穴21の中心点および出力軸24aの中心点を結んだ線が逆三角形となる位置関係に配置される。
例えば、駆動伝達部25の後方にモータ24を配置し、モータ24から前方に向けて突出した出力軸24aを駆動伝達部25に接続してもよい。
また、本実施形態の液圧発生装置1では、スレーブシリンダ20がシングルピストン型のシリンダであるが、タンデムピストン型のシリンダによってスレーブシリンダ20を構成してもよい。
10 マスタシリンダ
20 スレーブシリンダ
24 モータ
90 電子制御装置(制御装置)
91 ハウジング
95 ハウジング突出部
100 基体
901 チョークコイル(ノイズフィルタ)
902 キャパシタ(ノイズフィルタ)
903 外部接続用コネクタ
P ベダル(ブレーキ操作子)
P1 制御基板
S2 基準面
Claims (4)
- ブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダと、ブレーキ液圧を発生させるスレーブシリンダと、を有する基体を備え、
前記基体には、前記スレーブシリンダの駆動源となるモータと、前記モータを制御する制御装置と、が設けられ、
前記モータのモータ軸と、前記マスタシリンダのシリンダ軸と、前記スレーブシリンダのシリンダ軸と、が並列に配置された液圧発生装置であって、
前記マスタシリンダのシリンダ軸を含む仮想平面を基準面としたとき、前記制御装置のハウジングと前記スレーブシリンダとは前記基準面の一面側に配置されており、
前記スレーブシリンダはシリンダ軸方向に前記基体の本体部から突出しており、
前記ハウジングは、前記スレーブシリンダの突出方向に突出するハウジング突出部を備えていることを特徴とする液圧発生装置。 - 前記スレーブシリンダは、前記基体の本体部から突出する延在部を有しており、
前記延在部は突出方向に先細り形状とされており、
前記ハウジング突出部は、前記延在部に向けてさらに突出していることを特徴とする請求項1に記載の液圧発生装置。 - 前記ハウジング突出部にはノイズフィルタが収容されていることを特徴とする請求項2に記載の液圧発生装置。
- 前記ハウジング突出部には、制御基板が収容されており、
前記ハウジング突出部の側部には、外部接続用コネクタが設けられており、
前記ノイズフィルタは、前記制御基板と前記外部接続用コネクタとの間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の液圧発生装置。
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