JP7456903B2 - 受発光装置 - Google Patents

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Description

本開示はガスセンサ及び光源装置に関する。
一般に、物体を加熱すると、物体の温度、放射率、表面状態等に応じた放射スペクトルを有する電磁波が放出される熱輻射が生じる。このように熱輻射を利用した光源の利用法としては、光源と受光部とを隔てて配置し、光源と受光部との間に気体を導入することで、気体中の特定成分による赤外線吸収量を測定し、気体中の特定成分の濃度を算出する非分散赤外吸収型(NDIR:non-dispersive infrared)ガスセンサなどが知られている(例えば特許文献1)。例えば、呼気中の検出対象ガスの濃度を検出するために、検出対象ガスの他に、異なる波長帯に赤外線の吸収率のピークを持つ酸素の濃度をリファレンスとして測定することで、呼気中の検出対象ガスの濃度を検出する技術が知られている(例えば特許文献2)。
特開2004-271518号公報 特開2009-42166号公報 特開2015-14468号公報
光源装置によって得られる放射スペクトルは広い波長領域で強度を持つため、様々な種類のガスの測定に適した光源として広く利用されている。しかし、一般的にMEMS型ヒータのような光源装置の動作範囲(数百~千℃程度)では、熱輻射によって放出される赤外線の放射強度が最大となる波長は1.5μm未満であり、それより波長の長い中赤外領域及び遠赤外領域では波長の増加とともに放射強度が低下する。これにより、例えば二酸化炭素及びエタノールなど、中赤外領域又は遠赤外領域に赤外線吸収波長を持つガスの測定精度が低下する問題、測定精度の低下を防止するために光源-受光部間の光路長の延長することで小型化が妨げられる問題が生じる。また、放射強度を増加するためには光源装置の動作温度を高めることが有効であるが、これは光源装置の寿命を縮める。
ガスセンサのサイズ及び光源装置の寿命を保ちつつ、ガスセンサの測定精度を向上するためには、光源装置の赤外線放射面における中赤外領域及び遠赤外領域の波長範囲における放射率を増大させることが有効である。そのための手段として、炭化ケイ素を主成分とするセラミック粒子とガラス質材料を含む放射性膜を赤外線光源の表面に形成する方法が知られている(例えば特許文献3)。しかし、炭化ケイ素は、酸素分圧が低い環境では700℃以上の高温でSiC+O2=SiO+COで表される酸化反応が継続的に生じるため、赤外線光源が低酸素分圧中の雰囲気に密閉されるようなパッケージで使用する場合などでは、放射部が化学的に変化し、安定した動作が期待できない。
本開示の目的は、中赤外領域及び遠赤外領域の波長領域において高い強度を持つ赤外線を取り出すことができ、低酸素分圧の雰囲気においても安定した動作を実現する光源装置及び、測定精度の向上及び小型化が容易なガスセンサを提供することにある。
一実施形態に係るガスセンサは、
光源装置と、前記光源装置から放出される光を受光する受光部と、前記光源装置と前記受光部の間に気体を導入することが可能な筐体とを備え、
前記光源装置は、
電流を流すことでジュール熱を発生する電熱変換部と、
前記電熱変換部上に直接又は薄膜を介して配置され、前記電熱変換部の熱を受けて赤外線を外界に向けて放出する、少なくとも100nmより大きい厚さを有し、外界との界面の全体又は一部が露出している放射部と、を備え、
前記放射部の主成分が酸化物又は酸窒化物であり、前記放射部が2μm以上20μm以下の波長領域において放射率が60%以上である波長を有することを特徴とする。
また、一実施形態に係る光源装置は、
電流を流すことでジュール熱を発生する電熱変換部と、前記電熱変換部上に直接又は薄膜を介して配置され、前記電熱変換部の熱を受けて赤外線を外界に向けて放出する放射部と、を備え、前記放射部の主成分が酸化物又は酸窒化物であり、前記放射部が2μm以上20μm以下の波長領域において放射率が60%以上である波長を有することを特徴とする。
一実施形態に係るガスセンサは、
光源装置と、前記光源装置から放出される光を受光する受光部と、
前記光源装置と前記受光部の間に気体を導入することが可能な筐体とを備え、
前記光源装置は電流を流すことでジュール熱を発生する電熱変換部と、
前記電熱変換部上に配置された上部保護膜と、
前記電熱変換部上に、前記上部保護膜とは反対の面に配置された下部保護膜を有し、
赤外線を前記上部保護膜と接する外界から照射したとき、前記上部保護膜と前記電熱変換部からなる領域における吸収率Aと、前記電熱変換部と前記下部保護膜からなる領域における反射率Rの比A/Rが、2μm以上20μm以下の波長領域において1より大きい波長領域を有し、前記受光部に到達する光は前記上部保護膜から放出されることを特徴とする。
上記のガスセンサ及び光源装置の概要は、本開示の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションは本開示に含まれ得る。
本開示によれば、中赤外領域及び遠赤外領域の波長領域において高い強度を持つ赤外線を取り出すことができ、低酸素分圧の雰囲気においても安定した動作を実現する光源装置及び、測定精度の向上及び小型化が容易なガスセンサを提供することができる。
第1の実施形態の光源装置の構成を説明するための模式図である。 第2の実施形態の光源装置の構成を説明するための模式図である。 第3の実施形態の光源装置の構成を説明するための模式図である。 第4の実施形態の光源装置の構成を説明するための模式図である。 本実施形態の光源装置の第1の製造方法を説明するための第1の模式図である。 本実施形態の光源装置の第1の製造方法を説明するための第2の模式図である。 本実施形態の光源装置の第1の製造方法を説明するための第3の模式図である。 本実施形態の光源装置の第1の製造方法を説明するための第4の模式図である。 本実施形態の光源装置の第1の製造方法を説明するための第5の模式図である。 本実施形態のガスセンサを説明するための模式図である。 第2の様態の光源装置の分光放射率を示すグラフである。 第2の様態の光源装置の分光放射率を示すグラフである。 第2の様態の光源装置の9.5μmにおける放射率を示すグラフである。 第2の様態の光源装置の分光放射率を示すグラフである。 第2の様態の光源装置の分光放射率を示すグラフである。 第2の様態光源装置の分光放射率を示すグラフである。 第3の様態のガスセンサの光源装置の9.5μmにおける放射率とA/Rの関係を示すグラフである。 第3の様態のガスセンサの光源装置の分光放射率を示すグラフである。 第3の様態のガスセンサの光源装置の7.0μmにおける放射率とA/Rの関係を示すグラフである。 第3の様態のガスセンサの光源装置の分光放射率を示すグラフである。 第3の様態のガスセンサの光源装置の7.0μmにおける放射率とA/Rの関係を示すグラフである。
以下、実施の形態を通じて本開示を説明するが、以下の実施形態は本開示を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが必須であるとは限らない。
[ガスセンサ]
本実施形態のガスセンサは、光源装置と、光源装置から放出される光を受光する受光部と、光源装置と受光部の間に気体を導入することが可能な筐体とを備える。
気体はその種類により特定の波長の赤外線を吸収することが知られている。本実施形態のガスセンサは、このことを利用して、光源装置から発せられた光の減衰量を受光部で計測することで、気体の濃度の測定を行うNDIRガスセンサである。
[光源装置]
第1の様態のガスセンサにおける光源装置及び第2の様態の光源装置は、電流を流すことでジュール熱を発生する電熱変換部と、電熱変換部上に直接又は薄膜を介して配置され、電熱変換部の熱を受けて赤外線を外界に向けて放出する放射部とを有する。放射部の主成分は酸化物又は酸窒化物である。放射部は2μm以上20μm以下の波長領域において放射率が60%以上である波長を有する。本実施形態の光源装置は、ガスセンサの用途に好適に用いることができる。また、本実施形態の光源装置は、ガスセンサ以外の用途に用いることもできる。特に制限はないが、例えば液中成分濃度センサ、寸法測定器としても使用できる。
第3の様態のガスセンサにおける光源装置は、電流を流すことでジュール熱を発生する電熱変換部と、電熱変換部上に配置された上部保護膜と、電熱変換部上に、上部保護膜とは反対の面に配置された下部保護膜を有する。赤外線を上部保護膜と接する外界から照射したとき、上部保護膜と電熱変換部からなる領域における吸収率Aと、電熱変換部と下部保護膜からなる領域における反射率Rの比A/Rが2μm以上20μm以下の波長領域において1より大きい波長領域を有する。上部保護膜から放出された光が受光部に到達することで、気体の濃度を測定することができる。
[電熱変換部]
電熱変換部の全体としての形状は特に制限されないが、電流を流すことでジュール熱を発生する膜状、板状、棒状又は線状の形状となり得る。
電熱変換部の材料に特に制限はないが、電流への耐性の観点から、Mo、Si、C、Ti、Ge、Al、Cu、Au、Cr、Pt、W、Hf及びNのうち、少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。高温における耐久性の観点から、MoSi2、SiC、HfN、TiN、Pt又はWを含むことがより好ましい。
[放射部]
第1の様態のガスセンサにおける光源装置及び第2の様態の光源装置の放射部の主成分は酸化物又は酸窒化物である。ここで放射部とは、電熱変換部上に配置され、電熱変換部の熱を直接的又は間接的に受け、少なくとも100nmの厚さを有し、外界に赤外線を直接放出し、外界との界面の全体又は一部が露出している。ここで、外界との界面が露出しているとは、他の薄膜、構造体などの部材によって覆われないことを意味する。電熱変換部上に配置されるとは、電熱変換部上に直接又は薄膜等を介して間接的に配置されることを意味する。本開示において、薄膜とは厚さ2μm以下の膜を指す。主成分とは、放射部を構成する元素の物質量の50%以上、好ましくは80%以上を占める成分であることとして定義される。放射部の主成分としては、中赤外領域及び遠赤外領域の放射率を効率よく向上できることから、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、五酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化チタン、二酸化鉄、三酸化鉄、酸化銅(II)、酸化銅(I)、酸化インジウム(III)又は酸化マグネシウムであることが好ましい。放射部の主成分は、電子エネルギー損失分光法(EELS)などで分析することができる。電熱変換部の熱を直接的又は間接的に受けるとは、電熱変換部の熱を、電熱変換部と接することで直接受けることを意味してよいし、電熱変換部との間に存在する固体を介して受けることを意味してよい。
放射部の面積に特に制限はないが、放出される赤外線の強度を向上する観点から、電熱変換部の領域よりも広いことが好ましい。
放射部の厚さは、中赤外領域及び遠赤外領域の波長領域における放射率を向上する観点から、100nm以上であることが好ましい。
[保護層]
第1の様態のガスセンサにおける光源装置及び第2の様態の光源装置は、電熱変換部上に保護層を備えることが好ましい。保護層の材料は特に限定されない。ただし、耐酸化性、耐薬品性、耐摩耗性及びガスバリア性向上の観点から、保護層は、Si、O、N、Ti、Al及びCeのうち少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。さらに耐酸化性、耐薬品性、耐摩耗性、ガスバリア性を向上する観点から、保護層は、酸化セリウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンであることがより好ましい。
第3の様態のガスセンサにおける光源装置は、電熱変換部上に上部保護膜を備え、電熱変換部上の上部保護膜とは反対の面に下部保護膜を備える。上部保護膜と電熱変換部からなる領域における吸収率Aと、電熱変換部と下部保護膜からなる領域における反射率Rの比A/Rが、2μm以上20μm以下の波長領域において1より大きい波長領域を有する。A/Rは、電熱変換部、上部保護膜、下部保護膜の屈折率及び消衰係数を分光エリプソメーター等で測定した上で、上部保護膜及び電熱変換部からなる領域と、電熱変換部及び下部保護膜からなる領域を別々にモデル化し、光学的計算によってAとRを算出した上で求めることもできる。上部保護膜及び下部保護膜の材料は特に限定されない。ただし、耐酸化性、耐薬品性、耐摩耗性、ガスバリア性向上の観点から、上部保護膜及び下部保護膜は、Si、O、N、Ti、Al及びCeのうち少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。さらに耐酸化性、耐薬品性、耐摩耗性、ガスバリア性を向上する観点から、上部保護膜及び下部保護膜は、酸化セリウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンであることがより好ましい。また、上部保護膜と下部保護膜は多層膜構造になっていてよい。
[基板]
第1の様態のガスセンサにおける光源装置及び第2の様態の光源装置は、電熱変換部を支持する基板を更に備えることが好ましい。電熱変換部の急峻な温度変化を実現するための観点から、基板は貫通部又はキャビティを有することが好ましい。基板の材料に特に制限はないが、高温動作時の耐久性の観点から、シリコン、ガリウムひ素、アルミナ、サファイア、酸化アルミニウムのいずれかであることが好ましい。
[電極部]
本実施形態の光源装置は、電熱変換部に電気的に接続する電極部を更に備えることが好ましい。電極部の材料に特に制限はないが、コンタクト抵抗抑制の観点から、Au、Cu、Ti、Ag、Al、Ni、W、V及びPtのうち少なくとも1つの元素を含むことが好ましく、Ni/V合金、Au、Cu、Ti、W、Ptのうち2元素以上からなる積層構造がより好ましい。
次に、図面を用いて、本実施形態の光源装置が詳細に説明される。
[第1の実施形態]
図1から図3は、第1の実施形態の光源装置の構成を説明するための模式図である。本実施形態の光源装置は、特にガスセンサで用いられるガスセンサ用光源装置である。
図1は第1の実施形態の光源装置の構成を説明するための模式図である。第1の実施形態では、電熱変換部30と放射部20が直接接しており、放射部20は電熱変換部30の熱を直接受けて赤外線を外界に放出する。
[第2の実施形態]
図2は第2の実施形態の光源装置の構成を説明するための模式図である。第2の実施形態の光源装置では、電熱変換部30上に保護層40aが配置されている。これによって、高温動作時の電熱変換部30の化学的耐性が向上する。
[第3の実施形態]
図3は第3の実施形態の光源装置の構成を説明するための模式図である。第3の光源装置では、電熱変換部30上に配置された保護層40aの上に、電熱変換部30より広い面積に放射部20が配置されている。これにより、放射部20が電熱変換部30から保護層40aを介して受けた熱を、赤外線としてより効率よく外界に放出することができる。また、放射部20は保護層40aを介して電熱変換部30の両側に放射部20が配置されている。これにより、光源装置の両側から、高い放射強度を持つ赤外線を外界に放出することが可能となる。
[第4の実施形態]
図4は第4の実施形態の光源装置の構成を説明するための模式図である。第4の実施形態では、電熱変換部30上に上部保護膜71と下部保護膜72が接しており、上部保護膜71と下部保護膜72は電熱変換部30の熱を直接受けて赤外線を外界に放出する。
ここで、第1~第3の実施形態の光源装置は、上記の第1の様態のガスセンサにおける光源装置及び第2の様態の光源装置に対応する。また、第4の実施形態の光源装置は、上記の第3の様態のガスセンサにおける光源装置に対応する。
[光源装置の製造方法]
図面を用いて、本実施形態の光源装置の第1の製造方法が説明される。図5から図9は第1の製造方法を説明するための模式図である。まず、基板50の上にLP-CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)、PE-CVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)又はスパッタリング法などの公知の方法で保護層40bが形成される。次に、保護層40bの上に電熱変換部30の材料がスパッタリング法などの公知の方法で蒸着される(図5参照)。次に、電熱変換部30の一部がエッチング等の公知の方法で除去される(図6参照)。次に、電熱変換部30の周囲に保護層40aがLP-CVD、PE-CVD又はスパッタリング法などの公知の方法で形成される。さらに、放射部20がLP-CVD、PE-CVD又はスパッタリング法などの公知の方法で形成される(図7参照)。次に、放射部20と保護層40aの一部がエッチング等の公知の方法で除去され、電極部60の材料が蒸着される(図8参照)。最後に、必要に応じて基板50の一部がエッチングされて、本実施形態の光源装置を得ることが出来る(図9参照)。
以下、本実施形態の光源装置の第2の製造方法が説明される。まず、基板50の上にLP-CVD、PE-CVD又はスパッタリング法などの公知の方法で下部保護膜72が形成される。次に、下部保護膜72の上に電熱変換部30の材料がスパッタリング法などの公知の方法で蒸着される。次に、電熱変換部30の一部がエッチング等の公知の方法で除去される。次に、電熱変換部30の周囲に上部保護膜71がLP-CVD、PE-CVD又はスパッタリング法などの公知の方法で形成される。次に、上部保護膜71の一部がエッチング等の公知の方法で除去され、電極部60の材料が蒸着される。最後に、必要に応じて基板50の一部がエッチングされて、本実施形態の光源装置を得ることが出来る。
上述した工程において、電熱変換部30の一部の除去は必須ではないが、これにより電熱変換部30が露出しない構造となるため、動作安定性の観点から好ましい場合がある。電熱変換部30の一部の除去は、電熱変換部30の材料を形成する際にリフトオフ法などの公知の方法で特定の領域に蒸着されないようにしても同様の結果が得られる。
次に、図面を用いて、本実施形態のガスセンサが詳細に説明される。
[ガスセンサ]
図10は、本実施形態のガスセンサ100を説明するための模式図である。ガスセンサ100は、筐体110と、熱輻射光源120と、受光部130と、を備える。筐体110は、気体を筐体110の内部に導入する導入ポート111と、気体を筐体110の外部に排出する排出ポート112と、を有する。
ガスセンサ100は、上記の光源装置を熱輻射光源120として用いる。上記のいずれの実施形態に係る光源装置も、熱輻射光源120として使用することができる。ガスセンサ100において、熱輻射光源120から出射された赤外線を含む光が、筐体110の内部の気体を通過して受光部130に入射する。上記のように、ガスセンサ100は熱輻射光源120から発せられた光の減衰量を受光部130で計測することで、気体の濃度の測定を行うNDIRガスセンサである。
受光部130は、気体によって吸収される波長を含む光の帯域に感度を有するものであれば特に制限されない。受光部130には、焦電センサ(Pyroelectric sensor)、サーモパイル(Thermopile)、ボロメータ(Bolometer)等の熱型センサ、PIN構造を持ったフォトダイオードのような量子型センサ等が好適である。受光部130は、気体に合わせて所望の光学特性を有する光学フィルタをさらに備えてよい。例えば、光学フィルタは、特定の波長帯の赤外線を濾波できるバンドパスフィルタであってよい。
筐体110は、測定対象の気体を導入する内部空間を有する。また、筐体110は、熱輻射光源120と、受光部130と、を保持して、これらの位置関係を定める。筐体110は射出成型が可能な樹脂を材料としてよい。筐体110の材質は、例えばポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)などであってよい。
ガスセンサ100は、高い放射強度を持つ赤外線を放出できる上記の光源装置を熱輻射光源120として用いるため、測定精度を向上させることができる。また、ガスセンサ100は、薄膜技術であるLP-CVDなどの方法で製造される上記の光源装置を熱輻射光源120として用いるため、小型化が容易である。また、上記の光源装置は、炭化ケイ素を用いていないため、低酸素分圧の雰囲気においても安定した動作を実現できる。
ここで、第1~第3の実施形態の光源装置を熱輻射光源120として備えるガスセンサ100は、上記の第1の様態のガスセンサに対応する。また、第4の実施形態の光源装置を熱輻射光源120として備えるガスセンサ100は、上記の第3の様態のガスセンサに対応する。
以上、本開示を実施の形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書及び図面中において示した装置、システム、プログラム及び方法における動作、手順、ステップ及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
厚さ約500μmのシリコン基板上に、厚さ200nmの窒化ケイ素からなる保護膜が形成された。その上にシリコン、モリブデン、炭素を主成分とする厚さ125nmの電熱変換部が形成された。その上に窒化ケイ素からなる厚さ200nmの保護膜が形成された。その上に放射部として厚さ0~600nmの二酸化ケイ素の層が形成された。図11は、二酸化ケイ素の厚さを変化させたときの分光放射率の測定結果を示す。図11から明らかなように、100nm以上の放射部を形成することで、二酸化ケイ素からなる放射部を形成しない場合と比較して、9~15μmにおける放射率が増大し、その増大率は放射部の厚さが厚くなるほど顕著になった。この光源を使用したNDIRガスセンサによって、9~15μmに赤外線吸収帯を持つアセトン、二酸化硫黄、エタノール、メタノール、アンモニア及びアセチレンなどのガスにおいて、高い測定精度を実現することができる。特に、9.5μmにおける放射率を向上することでエタノールの測定精度が向上することから、放射部から放出される赤外線の9.5μmにおける放射率が60%以上であることが好ましい。放射率の測定方法としては、例えば光源装置に通電し、加熱した光源装置から放出される光の分光スペクトルをフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)によって測定し、黒体スペクトルとの比から算出する方法が挙げられる。また、放射率の測定方法としては、例えばFT-IRによって透過率Tと反射率Rを測定し、吸収率AをA=1-T-Rから算出し、キルヒホッフの法則より放射率EをE=Aとして算出する方法が挙げられる。
図12は、厚さ1000nmの窒化ケイ素上に、厚さ125nmのシリコン系導電材料、厚さ500nmの窒化ケイ素をこの順で配置し、その上に厚さ600nm、400nm、250nmの二酸化ケイ素を配置した試料及び二酸化ケイ素を配置しなかった試料の放射スペクトルを示す。厚さ1000nm及び厚さ500nmの窒化ケイ素は保護膜である。シリコン系導電材料は電熱変換部である。二酸化ケイ素は放射部である。放射部として二酸化ケイ素を配置することで、8~13μmの波長領域で放射強度が増大することが分かる。
図13は、厚さ1000nmの窒化ケイ素上に、厚さ125nmのシリコン系導電材料、厚さ500nmの窒化ケイ素をこの順で配置し、その上に二酸化ケイ素を0nm、50nm、100nm、150nm、・・・750nm、1000nmを順に配置した試料及び二酸化ケイ素を配置しなかった試料の、9.5μmにおける放射率の測定値を示す。厚さ1000nmの窒化ケイ素は保護膜である。シリコン系導電材料は電熱変換部である。二酸化ケイ素は放射部である。放射部として厚さ150nm以上の二酸化ケイ素を配置することで、9.5μmの波長領域で放射率が60%を超えることが分かる。また、放射部として約400nmの二酸化ケイ素を配置することで、放射率が最大になることが分かる。
図14は、厚さ1000nmの窒化ケイ素上に、厚さ125nmのタングステン、厚さ500nmの窒化ケイ素、酸化アルミニウムを順に配置した試料の分光放射率を示す。厚さ1000nmの窒化ケイ素は保護膜である。タングステンは電熱変換部である。酸化アルミニウムは放射部である。放射部として酸化アルミニウムを配置することで、6μmの波長領域で放射率が増大することが分かる。
図15は、厚さ1000nmの窒化ケイ素上に、厚さ125nmのタングステン、厚さ500nmの窒化ケイ素、酸化チタンを順に配置した試料の分光放射率を示す。厚さ1000nm及び厚さ500nmの窒化ケイ素は保護膜である。タングステンは電熱変換部である。酸化チタンは放射部である。放射部として酸化チタンを配置することで、6~14μmの波長領域で放射率が増大することが分かる。
図16は、厚さ1000nmの窒化ケイ素上に、厚さ125nmのタングステン、厚さ500nmの窒化ケイ素、酸化鉄(III)を順に配置した試料の分光放射率を示す。厚さ1000nm及び厚さ500nmの窒化ケイ素は保護膜である。タングステンは電熱変換部である。酸化鉄(III)は放射部である。酸化鉄(III)の膜厚を増大させると、8~14μmの波長領域で放射率が増大することが分かる。
図17は、厚さ1000nmの窒化ケイ素上に、厚さ125nmのシリコン系導電材料、厚さ500nmの窒化ケイ素をこの順で配置し、その上に二酸化ケイ素をそれぞれ1000nm、750nm、500nm、300nm、100nm、0nmを順に配置した試料及び二酸化ケイ素を配置しなかった試料の9.5nmにおける放射率とA/Rの関係を示す。ここで、A/Rは、上部保護膜と電熱変換部からなる領域における吸収率Aと、電熱変換部と下部保護膜からなる領域における反射率Rとの比である。厚さ1000nmの窒化ケイ素は下部保護膜である。厚さ125nmのシリコン系導電材料は電熱変換部である。厚さ500nmの窒化ケイ素と、その上に配置された二酸化ケイ素からなる多層膜は上部保護膜である。9.5μmにおけるA/Rが1を超えると、放射率が60%を超えることが分かる。
図18は、厚さ500nmの窒化ケイ素上に、厚さ125nmのシリコン系導電材料を配置し、その上に厚さ1000nm、750nm、500nm、300nm、100nmの窒化ケイ素を順に配置した試料の分光放射率を示す。厚さ500nmの窒化ケイ素は下部保護膜である。厚さ125nmのシリコン系導電材料は電熱変換部である。厚さを変化させた窒化ケイ素は上部保護膜である。上部保護膜を厚くするほど、7.0μm及び15.0μmでの放射率は増大する。
また、図19は7.0μmにおける放射率とA/Rの関係を示したグラフである。7.0μmにおけるA/Rが1を超えると、放射率が60%を超えることが分かる。ここで、上半分放射率は上部保護膜からの放射率である。また、下半分放射率は下部保護膜からの放射率である。
図20は、厚さ100nm、300nm、500nm、750nm、1000nm、1500nm、2000nm、3000nmの窒化ケイ素上に、厚さ125nmのシリコン系導電材料を配置し、その上に厚さ600nmの窒化ケイ素を順に配置した試料の分光放射率を示す。厚さを変化させた窒化ケイ素は下部保護膜である。厚さ125nmのシリコン系導電材料は電熱変換部である。厚さ600nmの窒化ケイ素は上部保護膜である。下部保護膜を薄くするほど、7.0μm及び15.0μmでの放射率は増大する。また、図21は7.0μmにおける放射率とA/Rの関係を示したグラフである。7.0μmにおけるA/Rが増大するほど、放射率が増大する傾向がみられる。
20 放射部
30 電熱変換部
40a (上面側の)保護層
40b (下面側の)保護層
50 基板
60 電極部
71 上部保護膜
72 下部保護膜
100 ガスセンサ
110 筐体
111 導入ポート
112 排出ポート
120 熱輻射光源
130 受光部

Claims (8)

  1. 光源装置と、前記光源装置から放出される光を受光する受光部と、
    前記光源装置と前記受光部の間に気体を導入することが可能な筐体とを備え、
    前記光源装置は電流を流すことでジュール熱を発生する電熱変換部と、
    前記電熱変換部上に配置された上部保護膜と、
    前記電熱変換部上に、前記上部保護膜とは反対の面に配置された下部保護膜を有し、
    赤外線を前記上部保護膜と接する外界から照射したとき、前記上部保護膜と前記電熱変換部からなる領域における吸収率Aと、前記電熱変換部と前記下部保護膜からなる領域における反射率Rの比A/Rが、2μm以上20μm以下の波長領域において1より大きい波長領域を有し、前記受光部に到達する光は前記上部保護膜から放出されることを特徴とする受発光装置
  2. 前記上部保護膜から放出される9.5μmにおける放射率が60%以上である、請求項に記載の受発光装置
  3. 前記電熱変換部を支持する基板を更に備える請求項又はに記載の受発光装置
  4. 前記基板が貫通部又はキャビティを有する請求項に記載の受発光装置
  5. 前記電熱変換部に電気的に接続する電極部を更に備える請求項からのいずれか一項に記載の受発光装置
  6. 前記電熱変換部がMo、Si、C、Ti、Ge、Al、Cu、Au、Cr、Pt、W、Hf、及びNのうち、少なくとも1つの元素を含む請求項からのいずれか一項に記載の受発光装置
  7. 前記基板がシリコン、ガリウムひ素、アルミナ、サファイア、酸化アルミニウムのいずれかである請求項又はに記載の受発光装置
  8. 前記電極部がAu、Cu、Ti、Ag、Al、Ni、W、V及びPtのうち少なくとも1つの元素を含む請求項に記載の受発光装置
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