本発明は、レーザ光フェーズドアレイによって生成された動的に成形されたビームにおけるノイズ補正および位相修正に関するシステムおよび方法を提供することを目的とする。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、レーザシステムであって、シードレーザと、シードレーザからの出力を受け取り、かつノイズを有する結合されたレーザ出力を提供するレーザビーム分割および結合サブシステムと、断続的な時間でのノイズを考慮することに基づいて、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作するノイズキャンセルサブシステムと、を含み、レーザビーム分割および結合サブシステムが、断続的な時間の間の時間間隔中に、結合されたレーザ出力の位相を変更する、レーザシステムが提供される。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、レーザシステムであって、シードレーザと、シードレーザからの出力を受け取り、かつノイズを有する結合されたレーザ出力を提供するレーザビーム分割および結合サブシステムと、ノイズサンプリングレートでのノイズを考慮することに基づいて、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作するノイズキャンセルサブシステムと、を含み、レーザビーム分割および結合サブシステムが、イズサンプリングレートを超える位相変更レートで結合されたレーザ出力の位相を変更する、レーザシステムがさらに提供される。
好ましくは、ノイズサンプリングレートおよび位相変更レートのうちの少なくとも1つは、経時的に変化する。
好ましくは、ノイズサンプリングレートは、事前決定されている。
本発明の好ましい実施形態によれば、レーザビーム分割および結合サブシステムは、結合されたレーザ出力の空間変調を提供するために、結合されたレーザ出力の位相を変更する。
好ましくは、結合されたレーザ出力の空間変調は、結合されたレーザ出力の機械的空間変調と組み合わせて提供され、機械的空間変調と組み合わされた空間変調は、空間変調がない場合の機械的空間変調よりも速い。
追加的または代替的に、結合されたレーザ出力の空間変調は、結合されたレーザ出力の機械的空間変調と組み合わせて提供され、機械的空間変調と組み合わされた空間変調は、空間変調がない場合の機械的空間変調よりも正確である。
好ましくは、空間変調は、結合されたレーザ出力の形状および直径のうちの少なくとも1つの変調を含む。
好ましくは、レーザビーム分割および結合サブシステムは、分割の下流および結合の上流でレーザビーム増幅を提供する。
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、ノイズキャンセル位相補正出力は、結合されたレーザ出力の少なくとも1つの構成ビームに少なくとも2つの位相変化を連続して適用することと、少なくとも1つの構成ビームの最大出力強度に対応する少なくとも2つの位相変化のうちの1つの位相変化を特定することと、に基づいて計算される。
好ましくは、システムは、結合されたレーザ出力の少なくとも一部分を検出するために、ノイズキャンセルサブシステムと協働するように連結された少なくとも1つの検出器も含む。
好ましくは、少なくとも1つの検出器は、検出を継続的に実施する。
本発明の追加的に好ましい実施形態によれば、ノイズキャンセル位相補正出力は、結合されたレーザ出力中の強度ノイズをキャンセルする。
好ましくは、システムは、結合されたレーザ出力の強度を変更するための少なくとも1つの強度変調器も含む。
本発明のやはり追加的に好ましい実施形態によれば、ノイズキャンセル位相補正出力は、結合されたレーザ出力中の位置ノイズをキャンセルする。
好ましくは、システムは、結合されたレーザ出力の位置を変更するための少なくとも1つの位置変調器も含む。
好ましくは、レーザ切断システムは、本発明のレーザシステムを含む。
追加的または代替的に、レーザ付加製造システムは、本発明のレーザシステムを含む。
やはり追加的または代替的に、レーザ溶接システムは、本発明のレーザシステムを含む。
さらに追加的または代替的に、自由空間光通信システムは、本発明のレーザシステムを含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、位相が変更されたレーザ出力にノイズ補正を実施するための方法であって、シードレーザからの出力を受け取ることと、出力を分割および結合して、ノイズを有する結合されたレーザ出力を提供することと、断続的な時間でのノイズを考慮することに基づいて、結合されたレーザ出力にノイズキャンセル位相補正出力を適用することと、断続的な時間の間の時間間隔中に、結合されたレーザ出力の位相を変更することと、を含む、方法も提供される。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、位相が変更されたレーザ出力にノイズ補正を実施するための方法であって、シードレーザからの出力を受け取ることと、出力を分割および結合して、ノイズを有する結合されたレーザ出力を提供することと、ノイズサンプリングレートでのノイズを考慮することに基づいて、結合されたレーザ出力にノイズキャンセル位相補正出力を適用することと、ノイズサンプリングレートを超える位相変更レートで結合されたレーザ出力の位相を変更することと、を含む、方法がさらに提供される。
好ましくは、ノイズサンプリングレートおよび位相変更レートのうちの少なくとも1つは、経時的に変化する。
好ましくは、ノイズサンプリングレートは、事前決定されている。
本発明の好ましい実施形態によれば、位相の変更は、結合されたレーザ出力の空間変調を提供する。
好ましくは、結合されたレーザ出力の空間変調は、結合されたレーザ出力の機械的空間変調と組み合わせて提供され、機械的空間変調と組み合わされた空間変調が、空間変調がない場合の機械的空間変調よりも速い。
追加的または代替的に、結合されたレーザ出力の空間変調は、結合されたレーザ出力の機械的空間変調と組み合わせて提供され、機械的空間変調と組み合わされた空間変調が、空間変調がない場合の機械的空間変調よりも正確である。
好ましくは、空間変調は、結合されたレーザ出力の形状および直径のうちの少なくとも1つの変調を含む。
好ましくは、方法は、分割の下流および結合の上流で、出力を増幅することも含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、方法は、結合されたレーザ出力の少なくとも1つの構成ビームに少なくとも2つの位相変化を連続的に適用することと、少なくとも1つの構成ビームの最大出力強度に対応する、少なくとも2つの位相変化のうちの1つの位相変化を特定することと、に基づいて、ノイズキャンセル位相補正出力を計算することも含む。
好ましくは、方法は、結合されたレーザ出力の少なくとも一部分を検出することも含む。
好ましくは、検出は、継続的に実施される。
本発明のなおも別の好ましい実施形態によれば、ノイズキャンセル位相補正出力は、結合されたレーザ出力中の強度ノイズをキャンセルする。
好ましくは、方法は、分割の下流および結合の上流で、出力の強度を変調することも含む。
本発明のやはり別の好ましい実施形態によれば、ノイズキャンセル位相補正出力は、結合されたレーザ出力中の位置ノイズをキャンセルする。
好ましくは、方法は、分割の下流および結合の上流で、出力の位置を変調することも含む。
好ましくは、レーザ切断のための方法は、本発明の方法を含む。
追加的または代替的に、付加製造のための方法は、本発明の方法を含む。
さらに追加的または代替的に、レーザ溶接のための方法は、本発明の方法を含む。
やはりさらに追加的または代替的に、自由空間光通信のための方法は、本発明の方法を含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、レーザシステムであって、シードレーザと、シードレーザからの出力を受け取り、結合されたレーザ出力を提供するレーザビーム分割および結合サブシステムであって、レーザビーム分割および結合サブシステムは、結合されたレーザ出力の位相を変更する、レーザビーム分割および結合サブシステムと、結合されたレーザ出力の位相の変更中に、断続的な時間で結合されたレーザ出力を検出する複数の検出器と、結合されたレーザ出力と複数の検出器との間の複数の光路であって、複数の光路は、複数の光路に沿って結合されたレーザ出力を複数の検出器に提供するためのものであり、複数の光路の空間密度が、複数の検出器の空間密度よりも大きい、複数の光路と、を含む、レーザシステムも提供される。
好ましくは、結合されたレーザ出力は、ノイズを有し、レーザシステムは、結合されたレーザ出力の位相の変更中の断続的な時間で複数の検出器によって検出された結合された、結合されたレーザ出力のノイズを考慮することに基づいて、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作するノイズキャンセルサブシステムも含む。
好ましくは、複数の光路は、複数の光ファイバを含み、光ファイバの端部は、複数の検出器の空間密度よりも大きい空間密度で配置されている。
好ましくは、複数の光路は、20~1000ミクロンの距離だけ離間配置されている。
好ましくは、複数の検出器のうちの検出器は、5~50mmの距離だけ離間配置されている。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、レーザ出力を検出するための方法であって、シードレーザからの出力の受け取ることと、出力を分割および結合して、結合されたレーザ出力を提供することと、結合されたレーザ出力の位相を変更することと、結合されたレーザ出力を複数の光路に沿って複数の検出器に提供することであって、複数の光路の空間密度が、複数の検出器の空間密度よりも大きい、提供することと、を含む、方法が追加的に提供される。
好ましくは、結合されたレーザ出力は、ノイズを有し、方法は、結合されたレーザ出力の位相の変更中に複数の検出器によって検出された、結合されたレーザ出力のノイズを考慮することに基づいて、ノイズキャンセル位相補正出力を提供することも含む。
好ましくは、複数の光路は、複数の光ファイバを含み、光ファイバの端部は、複数の検出器の空間密度よりも大きい空間密度で配置されている。
好ましくは、複数の光路は、20~1000ミクロンの距離だけ離間配置されている。
好ましくは、複数の検出器のうちの検出器は、5~50mmの距離だけ離間配置されている。
本発明のなおも別の好ましい実施形態によれば、レーザシステムであって、シードレーザと、シードレーザからの出力を受け取り、結合されたレーザ出力を提供するレーザビーム分割および結合サブシステムであって、レーザビーム分割および結合サブシステムは、結合されたレーザ出力の位相を変更する、レーザビーム分割および結合サブシステムと、結合されたレーザ出力の位相の変更中に、結合されたレーザ出力を検出する少なくとも1つの検出器と、光学マスクであって、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つを含み、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つを通してかつそこから、結合されたレーザ出力を少なくとも1つの検出器にそれぞれ提供するためのものである、光学マスクと、を含む、レーザシステムがさらに提供される。
好ましくは、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つは、結合されたレーザ出力の形状および軌道のうちの少なくとも1つに従って構成されている。
好ましくは、システムは、結合されたレーザ出力を少なくとも1つの検出器に集束させるために、光学マスクと少なくとも1つの検出器とをインターフェースする集束サブシステムも含む。
好ましくは、集束サブシステムは、少なくとも1つの集束レンズを含む。
好ましくは、少なくとも1つの検出器は、単一の検出器を含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、透過領域は、不均一な透明度を有する。
好ましくは、透過領域の不均一な透明度は、結合されたレーザ出力の強度における非ノイズ関連の不均一性を補償する。
好ましくは、光学マスクは、電気的に変調されたデバイスを含み、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つは、電子的に修正可能である。
好ましくは、光学マスクは、LCDスクリーンを含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、反射領域は、不均一な反射率を有する。
好ましくは、反射領域の不均一な反射率は、結合されたレーザ出力の強度における非ノイズ関連の不均一性を補償する。
好ましくは、反射領域は、DMMを含む。
好ましくは、結合されたレーザ出力は、ノイズを有し、レーザシステムは、結合されたレーザ出力の位相の変更中に、少なくとも1つの検出器によって検出された、結合されたレーザ出力のノイズを考慮することに基づいて、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作するノイズキャンセルサブシステムも含む。
本発明のやはりさらに好ましい実施形態によれば、レーザ出力を検出するための方法であって、シードレーザからの出力を受け取ることと、出力を分割および結合して、結合されたレーザ出力を提供することと、結合されたレーザ出力の位相を変更することと、光学マスクによって、結合されたレーザ出力を少なくとも1つの検出器に提供することであって、光学マスクが、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つを含み、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つを通してかつそこから、結合されたレーザ出力を少なくとも1つの検出器にそれぞれ提供するためのものである、提供することと、少なくとも1つの検出器によって、位相の変更中に結合されたレーザ出力を検出することと、を含む方法がさらに提供される。
好ましくは、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つは、結合されたレーザ出力の形状および軌道のうちの少なくとも1つに従って構成されている。
好ましくは、方法は、結合されたレーザ出力を少なくとも1つの検出器に集束させることも含む。
好ましくは、方法は、集束を実施するために、光学マスクと少なくとも1つの検出器とをインターフェースする集束レンズを提供することも含む。
好ましくは、少なくとも1つの検出器は、単一の検出器を含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、透過領域は、不均一な透明度を有する。
好ましくは、透過領域の不均一な透明度は、結合されたレーザ出力の強度における非ノイズ関連の不均一性を補償する。
好ましくは、光学マスクは、電気的に変調されたデバイスを含み、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つは、電子的に修正可能である。
好ましくは、光学マスクは、LCDスクリーンを含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、反射領域は、不均一な反射率を有する。
好ましくは、反射領域の不均一な反射率は、結合されたレーザ出力の強度における非ノイズ関連の不均一性を補償する。
好ましくは、反射領域は、DMMを含む。
好ましくは、結合されたレーザ出力は、ノイズを有し、方法は、結合されたレーザ出力の位相の変更中に少なくとも1つの検出器によって検出された、結合されたレーザ出力のノイズを考慮することに基づいて、ノイズキャンセル位相補正出力を提供することも含む。
本発明のなおも別の好ましい実施形態によれば、レーザシステムであって、シードレーザと、シードレーザからの出力を受け取り、かつ出力を結合して、結合されたレーザ出力を提供するレーザ分割および結合サブシステムと、結合されたレーザ出力の位相を変更するための位相変調サブシステムと、位相変調サブシステムに印加された電圧と、位相変調サブシステムによって生成された位相変調出力とを相関させ、かつ位相変調サブシステムを較正するのに有用な電圧対位相相関出力を提供するための電圧対位相相関サブシステムであって、相関が、位相の変更中に定期的に実施される、電圧対位相相関サブシステムと、を含む、レーザシステムも提供される。
好ましくは、位相変調サブシステムは、複数の位相変調器を含む。
好ましくは、電圧は、位相変調制御モジュールによって複数の位相変調器に印加される。
好ましくは、電圧は、2πの結合されたレーザ出力の位相シフトを生成することを意図した電圧を含む。
好ましくは、相関は、電圧の印加後の結合されたレーザ出力の遠視野強度パターンの強度の変化を測定することと、電圧と強度の変化に対応する位相シフトとの間の関係を導出することと、を含む。
好ましくは、電圧は、複数の位相変調器のうちの位相変調器に連続的に印加される。
好ましくは、相関は、位相の変更よりも遅いレートで実施される。
好ましくは、位相の変更は、毎秒100万回のレートで実施され、相関は、毎秒1回のレートで実施される。
本発明の追加的に好ましい実施形態によれば、レーザシステムの位相較正を実施するための方法であって、シードレーザからの出力を受け取ることと、出力を分割および結合して、結合されたレーザ出力を提供することと、位相変調サブシステムによって、結合されたレーザ出力の位相を変更することと、位相の変更中に定期的に、位相変調サブシステムに電圧を印加し、かつ電圧と位相変調サブシステムによって生成された位相変調出力とを相関させることと、位相変調サブシステムを較正するのに有用な電圧対位相相関出力を提供することと、を含む、方法が追加的に提供される。
好ましくは、位相変調サブシステムは、複数の位相変調器を含む。
好ましくは、電圧の印加は、位相変調制御モジュールによって実施される。
好ましくは、電圧は、2πの結合されたレーザ出力の位相シフトを生成することを意図した電圧を含む。
好ましくは、相関は、電圧の印加後の結合されたレーザ出力の遠視野強度パターンの強度の変化を測定することと、電圧と強度の変化に対応する位相シフトとの間の関係を導出することと、を含む。
好ましくは、方法は、電圧を複数の位相変調器のうちの位相変調器に連続的に印加することも含む。
好ましくは、相関は、位相の変更よりも遅いレートで実施される。
好ましくは、位相の変更は、毎秒100万回のレートで実施され、相関は、毎秒1回のレートで実施される。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、レーザシステムであって、シードレーザと、シードレーザからの出力を受け取り、出力を複数のサブビームに分割し、かつ複数のサブビームを含む結合されたレーザ出力を提供するレーザビーム分割および結合サブシステムと、複数のサブビームのうちの少なくともサブビームの一部分を多数のサブビームのグループにグループ化する位相変調サブシステムと、を含み、位相変調サブシステムが、各グループの位相を変更するために、多数のサブビームのグループにわたって並列に、各グループ内の各サブビームの位相をグループ内の他のサブビームの位相に対して変更し、かつ各グループの位相を、多数のグループの他のグループの位相に対して変更し、それによって、結合されたレーザ出力の位相を変更する、レーザシステムも提供される。
好ましくは、位相変調サブシステムは、グループ化を実施するための少なくとも1つの円柱レンズを含む。
代替的に、位相変調サブシステムは、グループ化を実施するためのミラーのアレイおよび対応する集束レンズを含む。
好ましくは、位相変調サブシステムは、サブビームの位相を変更するための複数の位相変調器を含む。
好ましくは、位相変調サブシステムは、複数の位相変調器の動作制御における少なくとも1つの電子制御モジュールを含む。
好ましくは、位相変調サブシステムは、多数のグループの各々の遠視野強度パターンを検出するために、多数のグループに対応する多数の検出器を含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、システムは、多数の検出器のうちの対応する検出器をマスキングする多数の光学マスクも含み、各光学マスクが、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つを含み、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つを通してかつそこから、遠視野強度パターンを多数の検出器のうちの対応する検出器にそれぞれ提供するためのものである。
好ましくは、多数の検出器は、少なくとも部分的に相互に同時に検出を実施する。
好ましくは、位相変調サブシステムは、多数のグループの組み合わされた遠視野強度パターンを検出するための追加の補助検出器を含む。
好ましくは、位相変調サブシステムは、多数の追加の位相変調器を含み、各追加の位相変調器が、各グループの位相を多数のグループの他のグループの位相に対して変更するために、各グループ内の全てのサブビームに共通である。
好ましくは、位相変調サブシステムは、多数の追加の位相変調器の動作制御における追加の電子制御モジュールを含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、多数の検出器の各検出器は、複数の検出器を含む。
好ましくは、システムは、多数のグループの各々の遠視野強度パターンと各複数の検出器との間の複数の光路であって、複数の光路に沿って遠視野強度パターンを複数の検出器に提供するためのものであり、複数の光路の空間密度が、複数の検出器の空間密度よりも大きい、複数の光路も含む。
好ましくは、結合されたレーザ出力の位相の変更は、結合されたレーザ出力の強度を最大化することを含む。
好ましくは、結合されたレーザ出力の位相の変更は、結合されたレーザ出力の機械的空間変調を伴うことなく、結合されたレーザ出力の空間変調を提供する。
好ましくは、レーザビーム分割および結合サブシステムは、分割の下流および結合の上流でレーザビーム増幅を提供する。
本発明のやはり別の好ましい実施形態によれば、レーザ出力の位相変更を実施するための方法であって、シードレーザからのレーザ出力を受け取ることと、レーザ出力を複数のサブビームに分割し、かつ複数のサブビームを結合して、結合されたレーザ出力を提供することと、複数のサブビームのうちのサブビームの少なくとも一部分を多数のサブビームのグループにグループ化することと、各グループの位相を変更するために、多数のサブビームのグループにわたって並列に、各グループ内の各サブビームの位相をグループ内の他のサブビームの位相に対して変更することと、各グループの位相を多数のグループの他のグループの位相に対して変更し、それによって、結合されたレーザ出力の位相を変更することと、を含む、方法がさらに提供される。
好ましくは、グループ化は、少なくとも1つの円柱レンズによって実施される。
代替的に、グループ化は、ミラーのアレイおよび対応する集束レンズによって実施される。
好ましくは、サブビームの位相の変更は、複数の位相変調器によって実施される。
好ましくは、方法は、少なくとも1つの電子制御モジュールによって複数の位相変調器を制御することも含む。
好ましくは、方法は、対応する多数の検出器によって、多数のグループの各々の遠視野強度パターンを検出することも含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、方法は、多数の光学マスクによって、遠視野強度パターンを多数の検出器のうちの対応する検出器に提供することを含み、各光学マスクが、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つを含み、透過領域および反射領域のうちの少なくとも1つを通してかつそこから、遠視野強度パターンを多数の検出器のうちの対応する検出器にそれぞれ提供するためのものである。
好ましくは、検出は、多数のグループについて少なくとも部分的に相互に同時に実施される。
好ましくは、方法は、補助検出器によって、多数のグループの組み合わされた遠視野強度パターンを検出することも含む。
好ましくは、各グループの位相の多数のグループの他のグループの位相に対する変更は、多数の追加の位相変調器によって実施され、各追加の位相変調器は、各グループ内の全てのサブビームに共通である。
好ましくは、方法は、追加の電子制御モジュールによって多数の追加の位相変調器を制御することも含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、多数の検出器の各検出器は、複数の検出器を含む。
好ましくは、方法は、多数のグループの各々の遠視野強度パターンを複数の光路に沿った各複数の検出器に提供することも含み、複数の光路の空間密度が、複数の検出器の空間密度よりも大きい。
好ましくは、結合されたレーザ出力の位相の変更は、結合されたレーザ出力の強度を最大化することを含む。
好ましくは、結合されたレーザ出力の位相の変更は、結合されたレーザ出力の機械的空間変調を伴うことなく、結合されたレーザ出力の空間変調を提供する。
好ましくは、この方法は、分割の下流および結合の上流で、レーザ出力を増幅することも含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、レーザシステムであって、光フェーズドアレイレーザであって、シードレーザと、シードレーザからの出力を受け取り、かつ結合されたレーザ出力を提供するレーザビーム分割および結合サブシステムと、を含む、光フェーズドアレイレーザを含み、レーザビーム分割および結合サブシステムが、結合されたレーザ出力の位相を変更して、結合されたレーザ出力を基板に集束させ、結合されたレーザ出力が、位相の変更がない場合に基板に集束されない、レーザシステムがやはりさらに提供される。
好ましくは、システムは、レーザビーム分割および結合サブシステムからの結合されたレーザ出力を受け取り、かつ結合されたレーザ出力を基板と一致しない焦点に集束させる光学素子も含む。
好ましくは、基板から後方散乱されたレーザビームは、光フェーズドアレイレーザに集束されない。
本発明のやはり別の好ましい実施形態によれば、レーザシステムにおいてレーザビームを集束させるための方法であって、シードレーザからのレーザ出力を受け取ることと、レーザ出力を分割および結合して、結合されたレーザ出力を提供することと、結合されたレーザ出力の位相を変更して、結合されたレーザ出力を基板に集束させることであって、結合されたレーザ出力が、位相の変更がない場合に基板に集束されない、集束させることと、を含む、方法がなおもさらに提供される。
好ましくは、方法は、光学素子によって、結合されたレーザ出力を、基板と一致しない焦点に集束させることも含む。
好ましくは、基板から後方散乱されたレーザビームは、レーザシステム上に集束されない。
本発明のやはり追加的に好ましい実施形態によれば、レーザ増幅器システムであって、レーザ出力を提供するシードレーザと、第1の光路に沿ってシードレーザからのレーザ出力を受け取り、かつ増幅されたレーザ出力を提供する増幅サブシステムと、第2の光路に沿ってシードレーザからのレーザ出力を受け取る検出器サブシステムであって、検出器サブシステムによるレーザ出力中の少なくとも1つの障害の検出時に、増幅サブシステムを非アクティブ化するように動作する、検出器サブシステムと、を含み、第1の光路に沿ったシードレーザから増幅サブシステムへのレーザ出力の第1の飛行時間が、第2の光路に沿ったシードレーザから検出器サブシステムへのレーザ出力の第2の飛行時間と、検出器サブシステムが増幅サブシステムを非アクティブ化するために要する時間との組み合わせよりも大きい、レーザ増幅器システムが追加的に提供される。
好ましくは、第1の光路は、コイル状光ファイバを含む。
好ましくは、少なくとも1つの障害は、レーザ出力の電力の減少およびレーザ出力の線幅の劣化のうちの少なくとも1つを含む。
好ましくは、増幅サブシステムは、電力増幅器を含み、レーザ増幅器システムは、MOPAを含む。
本発明のなおも追加的に好ましい実施形態によれば、レーザシステム内の増幅サブシステムへの損傷を防止するための方法であって、第1の光路に沿ってシードレーザからのレーザ出力を受け取ることと、レーザ出力を増幅して、増幅されたレーザ出力を提供することと、第2の光路に沿ってシードレーザからのレーザ出力を受け取ることと、第2の光路に沿って受け取られたレーザ出力中の少なくとも1つの障害を検出することと、レーザ出力中の少なくとも1つの障害の検出時に増幅を停止することであって、第1の光路に沿ったレーザ出力の第1の飛行時間が、第2の光路に沿ったレーザ出力の第2の飛行時間と増幅の停止が実施されるために要する時間との組み合わせよりも大きい、停止することと、を含む方法がなおも追加的に提供される。
好ましくは、第1の光路は、コイル状光ファイバを含む。
好ましくは、少なくとも1つの障害は、レーザ出力の電力の減少およびレーザ出力の線幅の劣化のうちの少なくとも1つを含む。
好ましくは、増幅サブシステムは、電力増幅器を含み、レーザ増幅器システムは、MOPAを含む。
本発明のやはり別の好ましい実施形態によれば、レーザ増幅器システムであって、レーザ出力を提供するシードレーザと、シードレーザからのレーザ出力を受け取るように配置された第1の増幅器であって、第1の増幅器が、シードレーザからのレーザ出力の受け取り時に、第1の増幅されたレーザ出力を提供し、かつシードレーザからのレーザ出力の受け取りの停止時に、増幅された自然放出および追加のレーザ出力のうちの1つを提供する、第1の増幅器と、第1の増幅されたレーザ出力、増幅された自然放出、および第1の増幅器からの追加のレーザ出力のうちの1つを受け取り、かつ第2の増幅されたレーザ出力を提供する第2の増幅器であって、第2の増幅器によって提供される増幅が、第1の増幅器によって提供される増幅よりも大きい、第2の増幅器と、を含む、レーザ増幅器システムも提供される。
好ましくは、システムは、シードレーザの下流および第1の増幅器の上流にフィルタ構造体も含む。
好ましくは、フィルタ構造体は、第1および第2の光路に沿ってレーザ出力を分割するビーム分割器であって、第1の光路が、第2の光路よりも長い、ビーム分割器と、第1および第2の光路からの結合されたレーザ出力を検出する検出器と、検出器からの出力を受け取るための、検出器に連結された電子制御モジュールと、第1および第2の光路のうちの1つに沿って位置付けられた位相制御モジュールであって、位相制御モジュールが、結合されたレーザ出力中の干渉の検出器による検出に応じてレーザ出力の位相を修正するように、電子制御モジュールによって動作される、位相制御モジュールと、を含む、レーザ増幅器システムを含む。
本発明のやはりさらに好ましい実施形態によれば、レーザシステム内の増幅器への損傷を防止するための方法であって、シードレーザからのレーザ出力を受け取ることと、第1の増幅器によって、シードレーザからのレーザ出力の受け取り時に第1の増幅されたレーザ出力を提供することと、第1の増幅器によって、シードレーザからのレーザ出力の受け取りの停止時に増幅された自然放出および追加のレーザ出力のうちの1つを提供することと、第2の増幅器によって、第1の増幅されたレーザ出力、増幅された自然放出、および追加のレーザ出力のうちの1つを受け取り、かつ第2の増幅されたレーザ出力を提供することであって、第2の増幅されたレーザ出力が、第1の増幅されたレーザ出力よりも大きい、受け取りかつ提供することと、を含む方法がさらに提供される。
好ましくは、方法は、シードレーザの下流および第1の増幅器の上流で、レーザ出力をフィルタリングすることも含む。
好ましくは、フィルタリングは、第1および第2の光路に沿ってレーザ出力を分割することであって、第1の光路が、第2の光路よりも長い、分割することと、検出器によって、第1および第2の光路からの結合されたレーザ出力を検出することと、電子制御モジュールによって、検出器からの出力を受け取ることと、結合されたレーザ出力中の干渉の検出器による検出に応じて、第1および第2の光路のうちの1つに沿ってレーザ出力の位相を修正することと、を含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、レーザ増幅器システムであって、第1の電力を有する第1のレーザ出力を提供するシードレーザと、シードレーザからの第1のレーザ出力を受け取り、かつ増幅されたレーザ出力を提供する増幅サブシステムと、少なくとも第1のレーザ出力の停止時に第2のレーザ出力を提供する補助レーザサブシステムであって、第2のレーザ出力が、第1の電力よりも低い第2の電力を有する、補助レーザサブシステムと、を含む、レーザ増幅器システムがやはりさらに提供される。
好ましくは、補助レーザサブシステムは、第1のレーザ出力の提供と少なくとも同時に、第2のレーザ出力を増幅サブシステムに提供する追加のシードレーザを含む。
代替的に、増幅サブシステムは、第1のレーザ出力が受け取られる入口と、増幅されたレーザ出力が提供される出口と、を含み、レーザ増幅器システムが、入口に位置決めされた第1の反射格子と、出口に位置決めされた第2の反射格子と、を含み、第1および第2の反射格子が、補助レーザサブシステムを含む増幅サブシステムと組み合わされている。
第1および第2の反射格子は、1090nm~1100nmの波長範囲で反射性である。
好ましくは、第2のレーザ出力は、第1のレーザ出力とは異なる波長を有する。
好ましくは、システムは、シードレーザの下流および増幅サブシステムの上流にフィルタも含む。
好ましくは、フィルタは、第1の光路および第2の光路に沿って第1のレーザ出力を分割するビーム分割器であって、第1の光路が、第2の光路よりも長い、ビーム分割器と、第1および第2の光路からの結合されたレーザ出力を検出する検出器と、検出器からの出力を受け取るための、検出器に連結された電子制御モジュールと、第1および第2の光路のうちの1つに沿って位置付けられた位相制御モジュールであって、位相制御モジュールが、結合されたレーザ出力中の干渉の検出器による検出に応じて第1のレーザ出力の位相を修正するように、電子制御モジュールによって動作される、位相制御モジュールと、を含む。
好ましくは、システムは、シードレーザからの第1のレーザ出力を検出するための検出器サブシステムも含む。
好ましくは、検出器サブシステムは、第1のレーザ出力を第1の部分および第2の部分に分割する分割器と、第2の部分を増幅し、かつ増幅された出力を提供する追加の増幅器と、増幅された出力を受け取る光ファイバであって、光ファイバが、第1のレーザ出力の線幅が許容できないほど狭くなると非線形効果を示すように構成されている、光ファイバと、を含む。
好ましくは、光ファイバは、25mの長さおよび6ミクロンのコア直径を有する。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、レーザシステム内の増幅器への損傷を防止するための方法であって、第1の電力を有する第1のレーザ出力を提供することと、増幅器によって第1のレーザ出力を増幅して、増幅されたレーザ出力を提供することと、少なくとも第1のレーザ出力の提供の停止時に第2のレーザ出力を提供することであって、第2のレーザ出力が、第1の電力よりも低い第2の電力を有する、提供することと、を含む、方法がなおも追加的に提供される。
好ましくは、第2のレーザ出力の提供は、第1のレーザ出力の提供と少なくとも同時に実施される。
好ましくは、増幅器は、第1のレーザ出力が受け取られる入口と、増幅されたレーザ出力が提供される出口と、を含み、入口において第1の反射格子を、かつ出口において第2の反射格子を位置決めすることも含み、第1および第2の反射格子が、第2のレーザ出力を提供する増幅器と組み合わされている。
好ましくは、第1および第2の反射格子は、1090nm~1100nmの波長範囲で反射性である。
好ましくは、第2のレーザ出力は、第1のレーザ出力とは異なる波長を有する。
好ましくは、方法は、第1のレーザ出力の増幅の上流で第1のレーザ出力をフィルタリングすることも含む。
好ましくは、方法は、第1および第2の光路に沿って第1のレーザ出力を分割することであって、第1の光路が、第2の光路よりも長い、分割することと、検出器によって、第1および第2の光路からの結合されたレーザ出力を検出することと、電子制御モジュールによって、検出器からの出力を受け取ることと、検出器からの出力に基づいて、かつ結合されたレーザ出力中の干渉の検出器による検出に応じて、第1および第2の光路のうちの1つに沿って第1のレーザ出力の位相を修正することと、を含む。
好ましくは、方法は、第1のレーザ出力を検出することも含む。
好ましくは、検出は、第1のレーザ出力を第1の部分および第2の部分に分割することと、第2の部分を増幅し、かつ増幅された出力を提供することと、光ファイバによって増幅された出力を受け取ることであって、光ファイバが、第1のレーザ出力の線幅が許容できないほど狭くなると非線形効果を示すように構成されている、受け取ることと、を含む。
好ましくは、光ファイバは、25mの長さおよび6ミクロンのコア直径を有する。
次に、本発明の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、ノイズ補正された動的ビーム成形のための光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略図である図1A、ならびに図1Aに示されたタイプのシステムにおける位相変更およびノイズ補正の簡略化されたグラフ表現である図1Bおよび図1Cを参照する。
図1Aに見られるように、ここでは例として、レーザ切断システム102内で使用されるように示される、光フェーズドアレイ(OPA)レーザシステム100が提供される。レーザ切断システム102は、多軸位置決めテーブル104に対して離間された関係で取り付けられたOPAレーザシステム100を含んでもよく、そのテーブル104上で、以下で詳述されるように、物品106などの物品をレーザシステム100を使用して切断することができる。レーザ切断システム102は、本明細書ではテーブル104の文脈で示されているが、システム102は、当業者には理解されるように、任意のタイプのレーザ切断システムとして具体化され得ることが理解される。
拡大110で最もよく分かるように、OPAレーザ100は、好ましくは、シードレーザ112およびレーザビーム分割および結合サブシステム114を備える。分割および結合サブシステム114は、好ましくは、シードレーザ112からの出力レーザビームを受け取り、対応する複数のチャネル116に沿って、出力されたレーザビームを複数のサブビームに分割する。ここで、単に例として、シードレーザ112からの出力は、10個のチャネル116に沿って10個のサブビームに分割されるように示されているが、分割および結合サブシステム114は、シードレーザ112の出力が分割されるチャネルに沿って、より少ない数またはより大きい数のチャネルを含んでもよく、典型的には、32個以上のチャネルのようなはるかに大きい数のチャネルを含んでもよいことが理解される。
各サブビームの相対位相は、好ましくは、チャネル116の各々に沿って位置付けられている位相変調器118によって個々に変調されてもよい。シードレーザ112の出力の分割およびその後の位相変調によって生成される各位相変調されたサブビームは、好ましくは、コリメートレンズ119に向かって伝播する。個々にコリメートされ、位相変調されたサブビームは、その後、例えば焦点レンズ120において結合されて、出力ビーム122を形成する。
分割および結合サブシステム114はまた、好ましくは、シードレーザ112の出力ビームをサブビームに分割した後、サブビームを結合して出力ビーム122を形成する前に、サブビームのレーザ増幅を提供することもできる。ここでは例として、分割および結合サブシステム114は、各サブビームを増幅するためのチャネル116のうちの対応するチャネルに沿って位置付けられている複数の光増幅器124を含むように示されている。しかしながら、OPAレーザ100の電力出力要件に応じて、そのような増幅は選択可能であり、省略されてもよいことが理解される。
出力ビーム122の位相、したがって、その遠視野強度パターンの位置および形状は、出力ビーム122を形成するために結合された構成サブビームの相対位相によって、少なくとも部分的に制御される。図1Aに示されるようなレーザ切断などの多くの用途では、出力ビームの遠視野強度パターンを動的に移動および成形することが望ましい。これは、レーザシステム100において、レーザ分割および結合サブシステム114が個々のサブビームの相対位相を動的に変更し、それによって、結合されたレーザ出力122の位相を変更して、その遠視野強度パターンの位置および形状を動的に制御するようにすることによって達成されてもよい。
サブビームの相対位相は、好ましくは、物品106の切断のための所望のレーザ出力パターンに従って事前決定される。特に好ましくは、変更する相対位相は、位相制御サブシステム130によって適用される。位相制御サブシステム130は、好ましくは、OPAレーザ100内の制御電子モジュール132の一部を形成し、好ましくは、チャネル116に沿ったサブビームの相対位相を動的に変調するように各位相変調器118を制御する。
OPAシステム100に固有のノイズに起因して、出力ビーム122はノイズを有する。出力ビーム122のノイズは、典型的には、熱的または機械的効果によって、および/または光増幅器124がOPAシステム100内にある場合の増幅プロセスによって生成される位相ノイズである。本発明の好ましい実施形態の特定の特徴は、レーザシステム100が、以下に詳述される方法で出力ビーム122中のノイズをキャンセルするためにノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作するノイズキャンセルサブシステム140を含むことである。
特に好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム140は、結合されたレーザ出力中の位相ノイズを検知および補正するアルゴリズムを使用する。ノイズキャンセル位相補正出力は、好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム140によって位相変調器118に提供されて、出力ビーム122の位相ノイズを補正し、したがって、そうでなければノイズによって引き起こされるであろう出力ビーム122の遠視野強度パターンの形状および位置の歪みを回避する。ノイズキャンセルサブシステム140は、制御電子モジュール132に含まれてもよい。
出力ビーム122は、追加的または代替的に、強度ノイズを含む、位相ノイズ以外のタイプのノイズの影響を受ける可能性があることが理解される。強度ノイズを有する出力ビーム122の場合、ノイズキャンセルサブシステム140は、出力ビーム122の強度ノイズをキャンセルするために、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作することができる。そのような場合、OPAレーザシステム100は、チャネル116に沿ったサブビームの各々の強度を変調するために、チャネル116に沿って強度変調器142を任意に追加的に含んでもよい。
出力ビーム122は、追加的または代替的に、サブビームの相対位置に影響を及ぼし得る機械的ノイズによって影響を受ける可能性があることが理解される。位置ノイズを有する出力ビーム122の場合、ノイズキャンセルサブシステム140は、出力ビーム122の位置ノイズをキャンセルするためにノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作することができる。そのような場合、OPAレーザシステム100は、チャネル116に沿ったサブビームの各々の位置を変調するために、チャネル116に沿った位置変調器144を任意に追加的に含んでもよい。
出力ビーム122への位相変更およびノイズ補正の適用を容易にするために、OPAレーザ100の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、ここでは単一の検出器150として示される少なくとも1つの検出器に向けて方向付けられる。検出器150は、代替的に、図6~図8および図15~図21を参照して以下で詳述されるように、複数の検出器として具体化されてもよい。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、必要なノイズ補正および/または位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。図1Aに示される実施形態では、チャネル116に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器160に向けて方向付けられる。ビーム分割器160は、好ましくは、事前決定された比率に従って、各サブビームを透過部分162と反射部分164とに分割する。例えば、ビーム分割器160は、99.9%の透過率:0.01%の反射率で各サブビームを分割してもよい。
サブビームの透過部分162は、好ましくは、焦点レンズ120に向かって伝播し、焦点レンズ120において、サブビームが結合されて、物品106の表面に入射する遠視野強度パターン166を有する出力ビーム122を形成する。サブビームの反射部分164は、好ましくは、追加の焦点レンズ168に向かって反射され、追加の焦点レンズ168においてサブビームが結合されて、検出器150の表面に入射する遠視野強度パターン172を有する出力基準ビーム170を形成する。
ビーム分割器160ならびに焦点レンズ120および168を含む、本明細書に示されるビーム分割および再結合要素の特定の構造および構成は、単に例示であり、非常に簡略化された形で示されることが理解される。OPAレーザシステム100は、様々なそのような要素、ならびに単に例として、追加または代替のレンズ、光ファイバ、およびコヒーレント自由空間遠視野結合器を含む追加の光学素子を含み得ることが理解される。
本明細書で上述されたように、出力ビーム122の遠視野強度パターン166の形状および位置、ならびに基準ビーム170の遠視野強度パターン172の対応する形状および位置は、サブビームの相対位相の進行中の変更に起因して常に変化している。結果として、遠視野強度パターン172は、検出器150に固定されず、むしろ、構成サブビームの結合された相対位相に応じて、検出器150に対して常に移動されている。しかしながら、検出器150が必要なノイズキャンセル位相補正出力を提供するためには、検出器が遠視野強度パターン172の強度を測定し、したがって、それに応じてノイズ補正を適用するために、遠距離フィールド強度パターン172が検出器150に入射しなければならず、その結果、固定された出力ビームが得られる。
遠視野強度パターン172の位相変更に起因するその動的性質と、ノイズ補正を導出および適用するために遠視野強度パターン172に要求される固定的性質との間の矛盾は、本発明では、ノイズキャンセルおよび位相変更を相互に異なる時間およびレートで提供することによって有利に解決される。
ノイズキャンセル位相補正出力は、ノイズサンプリングレートで検出器150で測定されたノイズを考慮することに基づいて提供される。出力ビーム122は、遠視野強度パターン172が、出力および基準遠視野強度パターン166、172の形状および位置への動的変化の過程で、要求されたノイズサンプリングレートと等しいか、またはそれ以上のレートで検出器150に入射するような方法で制御される。基準ビーム170のノイズは、遠視野強度パターン172が検出器150に戻されるこれらの断続的な時間の間に考慮に入れられる。
遠視野強度パターン172が検出器150に入射する断続的な時間の間の時間間隔において、結合された出力ビーム122および170の位相は、物品106のレーザ切断を実施するために必要とされるように、その位相の遠視野強度パターンの形状および位置を動的に変化させるために変更される。結合されたレーザ出力は、位相を急速に、したがって、遠視野強度パターンの形状および位置を急速に変化させるために、ノイズサンプリングレートを超える位相変化率で変更される。例として、ノイズサンプリングレートは、10~1000Hz程度であってもよく、一方、位相変更レートは、10,000Hzよりも大きくてもよい。
本発明の実施形態においてノイズキャンセルおよび位相変更が好ましく実施される異なるレートおよび時間スケールは、図1Aに見られるグラフ180および図1Bに示されるその拡大バージョンを参照して最もよく理解され得る。
図1Bに最も明確に見られるように、グラフ180は、検出器150で測定された遠視野強度パターン172の経時的な強度の変更を表示する上側部分182と、出力ビーム122および基準ビーム170に寄与する多数のサブビームの相対位相の同じ時間期間にわたる変更を表示する下側部分184と、を含む。簡単にするために、10個のサブビームの相対位相がグラフ180に表示されているが、OPAシステム100、したがって本明細書で提供される説明は、より少ない、またはより典型的には、はるかに多数のサブビームに適用可能であることが理解される。
上側部分182に見られるように、強度ピーク186は、遠視野強度パターン172が検出器150の上を通過するときの基準ビーム170の測定された強度を表す。下側部分184に見られるように、強度ピーク186は、各サブビームの相対位相がゼロである断続的な時間Tiで発生し、これは、サブビーム間の位相のシフトがないことを意味し、結合された出力ビームの位置は、したがって、変化せず、遠視野強度パターン172は、したがって、検出器150に直接入射する。検出器150は、代替的に、そこにあるサブビームの相対位相が非ゼロになるように位置決めされてもよいことが理解される。さらに、図6~図8および図15~図21を参照して以下に詳述されるように、複数の検出器を使用して、それらに沿った複数の位置で遠視野強度パターン172を測定できるようにしてもよい。
遠視野強度パターン172が検出器150のいずれかの側に移動され、したがって、検出器150に直接入射しないので、強度ピーク186の間で、測定された強度はゼロに近い。上側部分182の考察から理解されるように、強度ピーク186の大きさは、レーザ出力ビーム中のノイズの存在に起因して一定ではなく、そのノイズは、遠視野強度パターン172を劣化させる。
下側部分184に見られるように、サブビームの相対位相が断続的な時間Tiの間の時間間隔Tbetweenで変更される。本明細書に示される位相変更関数では、サブビームの相対位相は、正および負の方向に等しい位相シフトが適用された周期的で規則的な繰り返しパターンで変更するように示されている。そのような単純化されたパターンは単なる例示であり、位相変更は必ずしも規則的に繰り返される必要はなく、正および負の方向で必ずしも対称的でもないことが理解される。さらに、時間間隔Tbetweenは、断続的な時間Tiと重複することが好ましいが、必ずしもそうである必要はないことが理解される。追加的に、位相変更レートおよびノイズサンプリングレートのうちの少なくとも1つは、一定であり得るか、または経時的に変化し得ることが理解される。
ノイズキャンセルサブシステム140は、好ましくは、断続的な時間Tiでのノイズを考慮することによって動作し、断続的な時間Tiで検知されたノイズに基づいてノイズキャンセル位相補正出力を提供する。ノイズキャンセルサブシステム140は、好ましくは、ノイズを検知し、それに応じて検知されたノイズを補正するためにアルゴリズムを使用する。
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、ノイズキャンセルサブシステム140は、検出器150に対する遠視野強度パターン172の移動の各サイクル中に、1つのチャネルの相対位相が所与の位相変化Δφによって修正されるような方法で変化されるアルゴリズムを使用する。各サイクルにわたって選択されたサブビームに異なる位相変化Δφが適用されるこのようなサイクルの数に続いて、アルゴリズムは、サイクルの全てにわたって最大出力強度を確認し、この最大強度を生成した最適な位相変化Δφを見つける。選択されたサブビームの位相変化は、次いで、その後のサイクルで最適な位相変化Δφに固定され、アルゴリズムは別のサブビームを最適化するために進行する。
グラフ180は、3つのサブビームまたは合計10個のサブビームのチャネルA、B、およびCにおけるこの例示的なアルゴリズムによるノイズキャンセルを示している。簡単にするために、サブビームA、B、およびCは、図1Cに単独で表示されている。図1Cでは、本明細書の後述の目的のために、様々なサブビーム間の区別を支援するために、サブビームA、B、およびCの位相変更およびノイズ補正を表す線のライン様式が、図1Aおよび図1Bと比較して、それぞれ修正されていることが理解される。
チャネルAの場合に最初に見られ、拡大図190の考慮から最も明確に理解されるように、破線は、いかなるノイズ補正もない場合に位相制御サブシステム130によって適用されるであろう、サブビームAの相対位相の変更パターンを表している。この線は、Auncorrectedと呼ばれることがある。点線および破線は、最適な位相ノイズ補正を見つけるために、ノイズ補正アルゴリズムによって修正されたサブビームAの実際の相対位相を表している。この線は、Acorrectedと呼ばれることがある。Acorrectedの修正された相対位相は、サブビームAの最初の5サイクルにわたって、Auncorrectedの修正されていない相対位相に対して異なるΔφAだけシフトされる。検出器150で測定された強度186は、相対位相シフトの意図的な変化に起因して、サブビームAの最適化の最初の5サイクルにわたって変更する。
サブビームAの最初の5サイクルの後、アルゴリズムは、最大強度を確認し、最大強度を生成する位相変化ΔφAを見つける。この場合、最大強度は、第2の位相シフトΔφAによって生成されるIAmaxであると見られる。サブビームAの相対位相変更に適用される位相変化は、したがって、その後のサイクルのために第2の位相シフトΔφAに固定され、アルゴリズムは、サブビームBを最適化するために進行する。
サブビームAの最適化の連続サイクル中に、サブビームの残りの部分の相対位相は、サブビームA中のノイズが考慮されるノイズサンプリングレートをはるかに超える位相変更レートで、各々、通常どおり変更されることが理解される。
サブビームBの場合にさらに見られるように、拡大図192の考慮から最も明確に理解されるように、チャネルBの最適化中のより太い線は、いかなるノイズ補正もない場合に位相制御サブシステム130によって適用されるであろう、サブビームBの相対位相の変更パターンを表している。この線は、Buncorrectedと呼ばれることがある。チャネルBの最適化中の細い線は、最適な位相ノイズ補正を見つけるためにノイズ補正アルゴリズムによって修正されたサブビームBの実際の相対位相を表している。この線は、Bcorrectedと呼ばれることがある。Bcorrectedの修正された相対位相は、最適化サブビームBの5サイクルにわたって、Buncorrectedの修正されていない相対位相に対して異なるΔφBだけシフトされる。検出器150で測定された強度186は、相対位相シフトの意図的な変化に起因して、最適化サブビームBのこれらの5サイクルにわたって変更する。
サブビームBのこれらの5サイクルの後、アルゴリズムは、最大強度を確認し、最大強度を生成する位相変化ΔφBを見つける。この場合、最大強度は、第4の位相シフトΔφBによって生成されるIABmaxであると見られる。サブビームBの相対位相変更に適用される位相変更は、次いで、その後のサイクルのために第4の位相シフトΔφBに固定され、アルゴリズムは、サブビームCを最適化するために進行する。
サブビームBの最適化の5サイクル中に、サブビームの残りの部分の相対位相が、サブビームBのノイズが考慮されるノイズサンプリングレートをはるかに超える位相変化レートで、各々、通常どおり変更されることが理解される。
好ましくは、サブビームCについても同様の最適化プロセスが実施され、ここで、サブビームCの位相ノイズに起因する出力ビーム強度の最適化およびその強度劣化を補正するために、いくつかのサイクルにわたって位相変化ΔφCが適用される。
少なくとも1つの検出器150は、サブビームの相対位相を継続的に最適化し、その中の位相ノイズを補正するために、継続的に動作することができる。しかしながら、検出器150の有限の応答時間に起因して、検出器150は、比較的遅いノイズサンプリングレートで、断続的な時間における基準ビーム170中のノイズのみを考慮する。ノイズサンプリングレートは、好ましくは事前決定されるが、必ずしもそうである必要はない。代替的に、ノイズサンプリングレートはランダムであってもよい。
当業者には理解されるように、グラフ180に示されているノイズ補正アルゴリズムの特定のパラメータは、単に例示であり、容易に修正され得ることが理解される。例えば、位相シフトΔφは、本明細書に示されるよりも多いまたは少ないサイクル数にわたって最適化されてもよく、各サブビームは、サブビームが検出器150を通過するたびに完全に最適化されてもよく、またはいくつかのサブビームもしくはサブビームの全てが、遠視野強度パターンが検出器150を通過する各サイクル中に最適化されてもよい。さらに、確率的並列勾配降下最適化アルゴリズムを含むがこれに限定されない、非連続ノイズ補正最適化アルゴリズムが代替的に実装されてもよい。
動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズドアレイ出力ビームをレーザ切断に使用することは、非常に有利であり、急速なビームステアリング、高速電力変調、高速ビーム集束、およびビーム形状調整を可能にする。従来のレーザ切断方法と比較して、動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズアレイ出力を使用することで、材料を切断できる速度と品質との両方が改善される。本発明の好ましい実施形態によるノイズ補正の提供のためであれば、光フェーズドアレイ出力ビームの形状および位置が劣化し、それによって、レーザ切断プロセスの品質、速度、および精度が劣化することが理解される。
ビームの遠視野強度パターンが移動するときに出力ビーム強度を維持するために、特定のレーザ切断用途で有利であるように、出力ビームの移動を制御して、これにより、ビームがより低い強度位置でより多くの時間を費やすようにして、そこでの電力伝達の減少を補償するようにすることができる。追加的または代替的に、ニュートラルデンシティ(ND)フィルタなどの強度プロファイルマスクは、その強度を修正するために出力ビームに適用されてもよい。
次に、本発明の別の好ましい実施形態に従って構成されて動作する、ノイズ補正された動的ビーム成形のための光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略図である図2A、ならびに図2Aに示されたタイプのシステム内の位相変更およびノイズ補正の簡略化されたグラフ表現である図2Bおよび図2Cを参照する。
図2Aに見られるように、ここでは例として、付加製造システム202内で使用されるように示される、光フェーズドアレイ(OPA)レーザシステム200が提供される。付加製造システム202は、走査ミラー203および多軸位置決めテーブル204に対して離間された関係で取り付けられたOPAレーザシステム200を含んでもよく、テーブル204上で、物品206などの物品は、レーザシステム200を使用して付加的に製造されてもよい。付加製造システム202は、本明細書では走査ミラー203の文脈で示されているが、システム202は、当業者には理解されるように、任意のタイプの付加製造システムとして具体化され得ることが理解される。
拡大図210で最もよく見られるように、OPAレーザ200は、好ましくは、シードレーザ212と、レーザビーム分割および結合サブシステム214と、を備える。分割および結合サブシステム214は、好ましくは、シードレーザ212からの出力レーザビームを受け取り、対応する複数のチャネル216に沿って、出力されたレーザビームを複数のサブビームに分割する。ここで、単に例として、シードレーザ212からの出力は、10個のチャネル216に沿って10個のサブビームに分割されるように示されているが、分割および結合サブシステム214は、シードレーザ212の出力が分割されるチャネルに沿って、より少ない数またはより大きい数のチャネルを含んでもよく、典型的には、32個以上のチャネルのようなはるかに大きい数のチャネルを含んでもよいことが理解される。
各サブビームの相対位相は、好ましくは、チャネル216の各々に沿って位置付けられている位相変調器218によって個々に変調されてもよい。シードレーザ212の出力の分割およびその後の位相変調によって生成される各位相変調されたサブビームは、好ましくは、コリメートレンズ219に向かって伝播する。個々にコリメートされ、位相変調されたサブビームは、その後、例えば焦点レンズ220において結合されて、出力ビーム222を形成する。
分割および結合サブシステム214はまた、好ましくは、シードレーザ212の出力ビームをサブビームに分割した後、サブビームを結合して出力ビーム222を形成する前に、サブビームのレーザ増幅を提供することもできる。ここで、例として、分割および結合サブシステム214は、各サブビームを増幅するためのチャネル216のうちの対応するチャネルに沿って位置付けられている複数の光増幅器224を含むように示されている。しかしながら、OPAレーザ200の電力出力要件に応じて、そのような増幅は選択可能であり、省略されてもよいことが理解される。
出力ビーム222の位相、したがって、その遠視野強度パターンの位置および形状は、出力ビーム222を形成するために結合された構成サブビームの相対位相によって、少なくとも部分的に制御される。図2Aに示されているようなレーザ付加製造などの多くの用途では、出力ビームの遠視野強度パターンを動的に移動および成形することが望ましい。これは、レーザシステム200において、レーザ分割および結合サブシステム214が、個々のサブビームの相対位相を動的に変更させ、それによって、結合されたレーザ出力222の位相を変更させて、その遠視野強度パターンの位置および形状を動的に制御するようにすることによって達成することができる。
サブビームの相対位相は、好ましくは、物品206の3D印刷のための所望のレーザ出力パターンに従って事前決定される。特に好ましくは、変更する相対位相は、位相制御サブシステム230によって適用される。位相制御サブシステム230は、好ましくは、OPAレーザ200内の制御電子モジュール232の一部を形成し、好ましくは、チャネル216に沿ったサブビームの相対位相を動的に変調するように各位相変調器218を制御する。
OPAシステム200に固有のノイズに起因して、出力ビーム222はノイズを有する。出力ビーム222のノイズは、典型的には、熱的または機械的効果によって、および/または光増幅器224がOPAシステム200内にある場合の増幅プロセスによって生成される位相ノイズである。本発明の好ましい実施形態の特定の特徴は、レーザシステム200が、以下に詳述される方法で出力ビーム222中のノイズをキャンセルするためにノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作する、ノイズキャンセルサブシステム240を含むことである。
特に好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム240は、結合されたレーザ出力中の位相ノイズを検知および補正するアルゴリズムを使用する。ノイズキャンセル位相補正出力は、好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム240によって位相変調器218に提供されて、出力ビーム222の位相ノイズを補正し、したがって、そうでなければノイズによって引き起こされるであろう出力ビーム222の遠視野強度パターンの形状および位置の歪みを回避する。ノイズキャンセルサブシステム240は、制御電子モジュール232に含まれてもよい。
出力ビーム222は、追加的または代替的に、強度ノイズを含む、位相ノイズ以外のタイプのノイズの影響を受ける可能性があることが理解される。強度ノイズを有する出力ビーム222の場合、ノイズキャンセルサブシステム240は、出力ビーム222の強度ノイズをキャンセルするために、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作することができる。そのような場合、OPAレーザシステム200は、チャネル216に沿ったサブビームの各々の強度を変調するために、チャネル216に沿って強度変調器242を任意に追加的に含んでもよい。
出力ビーム222は、追加的または代替的に、サブビームの相対位置に影響を及ぼし得る機械的ノイズによって影響を受ける可能性があることが理解される。位置ノイズを有する出力ビーム222の場合、ノイズキャンセルサブシステム240は、出力ビーム222の位置ノイズをキャンセルするために、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作することができる。そのような場合、OPAレーザシステム200は、チャネル216に沿ったサブビームの各々の位置を変調するために、チャネル216に沿った位置変調器244を任意に追加的に含んでもよい。
出力ビーム222への位相変更およびノイズ補正の適用を容易にするために、OPAレーザ200の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、ここでは単一の検出器250として示される少なくとも1つの検出器に向かって方向付けられる。検出器250は、代替的に、図6~図8および図15~図21を参照して以下に詳述されるように、複数の検出器として具体化されてもよい。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、要求されるノイズ補正および/または位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。図2Aに示される実施形態では、チャネル216に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器260に向かって方向付けられる。ビーム分割器260は、好ましくは、事前決定された比率に従って、各サブビームを透過部分262と反射部分264とに分割する。例えば、ビーム分割器260は、99.9%の透過率:0.01%の反射率で各サブビームを分割してもよい。
サブビームの透過部分262は、好ましくは、焦点レンズ220に向かって伝播し、焦点レンズ220において、サブビームが結合されて、走査ミラー203に入射する遠視野強度パターン266を有する出力ビーム222を形成する。サブビームの反射部分264は、好ましくは、追加の焦点レンズ268に向かって反射され、追加の焦点レンズ268において、サブビームが結合されて、検出器250の表面に入射する遠視野強度パターン272を有する出力基準ビーム270を形成する。
ビーム分割器260ならびに焦点レンズ220および268を含む、本明細書に示されるビーム分割および再結合要素の特定の構造および構成は、単に例示であり、非常に簡略化された形で示されることが理解される。OPAレーザシステム200は、様々なそのような要素、ならびに単に例として、追加または代替のレンズ、光ファイバ、およびコヒーレント自由空間遠視野結合器を含む、追加の光学素子を含み得ることが理解される。
本明細書で上述されたように、出力ビーム222の遠視野強度パターン266の形状および位置、ならびに基準ビーム270の遠視野強度パターン272の対応する形状および位置は、サブビームの相対位相の進行中の変更に起因して常に変化している。結果として、遠視野強度パターン272は、検出器250に固定されず、むしろ、構成サブビームの結合された相対位相に応じて、検出器250に対して常に移動されている。しかしながら、検出器250が必要なノイズキャンセル位相補正出力を提供するためには、検出器が遠視野強度パターン272の強度を測定し、したがって、それに応じてノイズ補正を適用するために、遠距離フィールド強度パターン272が検出器250に入射しなければならず、その結果、固定された出力ビームが得られる。
遠視野強度パターン272の位相変更に起因するその動的性質と、ノイズ補正を導出および適用するために遠離野強度パターン272に要求される固定的性質との間の矛盾は、本発明では、ノイズキャンセルおよび位相変更を相互に異なる時間およびレートで提供することによって有利に解決される。
ノイズキャンセル位相補正出力は、ノイズサンプリングレートで検出器250で測定されたノイズを考慮することに基づいて提供される。出力ビーム222は、遠視野強度パターン272が、出力および基準遠視野強度パターン266、272の形状および位置への動的変化の過程で、要求されたノイズサンプリングレートと等しいか、またはそれよりも速いレートで検出器250に入射するような方法で制御される。基準ビーム270のノイズは、遠視野強度パターン272が検出器250に戻されるこれらの断続的な時間中に考慮される。
遠視野強度パターン272が検出器250に入射する断続的な時間の間の時間間隔において、結合された出力ビーム222、270の位相は、物品206の付加製造を実施するために必要とされるように、その遠視野強度パターンの形状および位置を動的に変化させるために変更される。結合されたレーザ出力は、位相を急速に、したがって、遠視野強度パターンの形状および位置を急速に変化させるために、ノイズサンプリングレートを超える位相変化率で変更される。例として、ノイズサンプリングレートは、10~1000Hz程度であってもよく、一方、位相変更レートは、10,000Hzよりも大きくてもよい。
本発明の実施形態においてノイズキャンセルおよび位相変更が好ましく実施される異なるレートおよび時間スケールは、図2Aに見られるグラフ280および図2Bに示されるその拡大バージョンを参照して最もよく理解することができる。
図2Bに最も明確に見られるように、グラフ280は、検出器250で測定された遠視野強度パターン272の経時的な強度の変更を表示する上側部分282と、出力ビーム222および基準ビーム270に寄与する多数のサブビームの相対位相の同じ時間期間にわたる変更を表示する下側部分284と、を含む。簡単にするために、10個のサブビームの相対位相がグラフ280に表示されているが、OPAシステム200、したがって本明細書で提供される説明は、より少ない、またはより典型的には、はるかに多数のサブビームに適用可能であることが理解される。
上側部分282に見られるように、強度ピーク286は、遠視野強度パターン272が検出器250の上を通過するときの基準ビーム270の測定された強度を表す。下側部分284に見られるように、強度ピーク286は、各サブビームの相対位相がゼロである断続的な時間Tiで発生し、これは、サブビーム間の位相のシフトがないことを意味しており、結合された出力ビームの位置は、したがって、変化せず、遠視野強度パターン272は、したがって、検出器250に直接入射する。検出器250は、代替的に、そこにあるサブビームの相対位相が非ゼロになるように位置決めされてもよいことが理解される。さらに、図6~図8および図15~図21を参照して以下に詳述されるように、複数の検出器を使用して、それらに沿った複数の位置で遠視野強度パターン272を測定することを可能にしてもよい。
遠視野強度パターン272が検出器250のいずれかの側に移動され、したがって、検出器250に直接入射しないので、強度ピーク286の間で、測定された強度はゼロに近い。上側部分282の考察から理解されるように、強度ピーク286の大きさは、レーザ出力ビーム中のノイズの存在に起因して一定ではなく、そのノイズは、遠視野強度パターン272を劣化させる。
下側部分284に見られるように、サブビームの相対位相が断続的な時間Tiの間の時間間隔Tbetweenで変更される。本明細書に示される位相変更関数では、サブビームの相対位相は、正および負の方向に、等しい位相シフトが適用された周期的で規則的な繰り返しパターンで変更するように示されている。そのような単純化されたパターンは単なる例示であり、位相変更は必ずしも規則的に繰り返される必要はなく、正および負の方向で必ずしも対称的である必要もないことが理解される。さらに、時間間隔Tbetweenは、断続的な時間Tiと重複することが好ましいが、必ずしも重複する必要はないことが理解される。追加的に、位相変化レートおよびノイズサンプリングレートのうちの少なくとも1つは、一定であり得るか、または経時的に変化し得ることが理解される。
ノイズキャンセルサブシステム240は、好ましくは、断続的な時間Tiでのノイズを考慮することによって動作し、断続的な時間Tiで検知されたノイズに基づいてノイズキャンセル位相補正出力を提供する。ノイズキャンセルサブシステム240は、好ましくは、ノイズを検知し、それに応じて検知されたノイズを補正するためのアルゴリズムを使用する。
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、ノイズキャンセルサブシステム240は、検出器250に対する遠視野強度パターン272の移動の各サイクル中に、1つのチャネルの相対位相が、相対位相が所与の位相変化Δφによって修正されるような方法で変化されるアルゴリズムを使用する。各サイクルにわたって選択されたサブビームに異なる位相変化Δφが適用されるこのようなサイクルの数に続いて、アルゴリズムは、サイクルの全てにわたって最大出力強度を確認し、この最大強度を生成した最適な位相変化Δφを見つける。選択されたサブビームの位相変化は、次いで、その後のサイクルで最適な位相変化Δφに固定され、アルゴリズムは別のサブビームを最適化するために進行する。
グラフ280は、3つのサブビームまたは合計10個のサブビームのチャネルA、B、およびCにおけるこの例示的なアルゴリズムによるノイズキャンセルを示している。簡単にするために、サブビームA、B、およびCは、図2Cに単独で表示されている。図2Cでは、本明細書における後述を目的として、様々なサブビーム間の区別を支援するために、サブビームA、B、およびCの位相変更およびノイズ補正を表す線のライン様式が、図2Aおよび図2Bと比較して、それぞれ修正されていることが理解される。
チャネルAの場合に最初に見られ、拡大図290の考慮から最も明確に理解されるように、破線は、いかなるノイズ補正もない場合に位相制御サブシステム230によって適用されるであろう、サブビームAの相対位相の変更パターンを表している。この線は、Auncorrectedと呼ばれることがある。点線および破線は、最適な位相ノイズ補正を見つけるために、ノイズ補正アルゴリズムによって修正されたサブビームAの実際の相対位相を表している。この線は、Acorrectedと呼ばれることがある。Acorrectedの修正された相対位相は、サブビームAの最初の5サイクルにわたって、Auncorrectedの修正されていない相対位相に対して異なるΔφAだけシフトされる。検出器250で測定された強度286は、相対位相シフトの意図的な変化に起因して、サブビームAの最適化の最初の5サイクルにわたって変更する。
サブビームAの最初の5サイクルの後、アルゴリズムは、最大強度を確認し、最大強度を生成する位相変化ΔφAを見つける。この場合、最大強度は、第2の位相シフトΔφAによって生成されるIAmaxであると見られる。サブビームAの相対位相変更に適用される位相変化は、したがって、その後のサイクルのために第2の位相シフトΔφAに固定され、アルゴリズムは、サブビームBを最適化するために進行する。
サブビームAの最適化の連続サイクル中に、サブビームの残りの部分の相対位相は、サブビームA中のノイズが考慮されるノイズサンプリングレートをはるかに超える位相変化レートで、各々、通常どおり変更されることが理解される。
サブビームBの場合にさらに見られるように、拡大図292の考慮から最も明確に理解されるように、チャネルBの最適化中のより太い線は、いかなるノイズ補正もない場合に位相制御サブシステム230によって適用されるであろう、サブビームBの相対位相の変更パターンを表している。この線は、Buncorrectedと呼ばれることがある。チャネルBの最適化中の細い線は、最適な位相ノイズ補正を見つけるためにノイズ補正アルゴリズムによって修正されたサブビームBの実際の相対位相を表している。この線は、Bcorrectedと呼ばれることがある。Bcorrectedの修正された相対位相は、最適化サブビームBの5サイクルにわたって、Buncorrectedの修正されていない相対位相に対して異なるΔφBだけシフトされる。検出器250で測定された強度286は、相対位相シフトの意図的な変化に起因して、最適化サブビームBのこれらの5サイクルにわたって変更する。
サブビームBのこれらの5サイクルの後、アルゴリズムは、最大強度を確認し、最大強度を生成する位相変化ΔφBを見つける。この場合、最大強度は、第4の位相シフトΔφBによって生成されるIABmaxであると見られる。サブビームBの相対位相変更に適用される位相変更は、次いで、その後のサイクルのために第4の位相シフトΔφBに固定され、アルゴリズムは、サブビームCを最適化するために進行する。
サブビームBの最適化の5サイクル中に、サブビームの残りの部分の相対位相が、サブビームBのノイズが考慮されるノイズサンプリングレートをはるかに超える位相変更レートで、各々、通常どおり変更されることが理解される。
好ましくは、サブビームCについても同様の最適化プロセスが実施され、ここで、サブビームCの位相ノイズに起因する出力ビーム強度の最適化およびその強度劣化を補正するために、いくつかのサイクルにわたって位相変化ΔφCが適用される。
検出器250は、サブビームの相対位相を継続的に最適化し、その中の位相ノイズを補正するために、継続的に動作することができる。しかしながら、検出器250の有限の応答時間に起因して、検出器250は、比較的遅いノイズサンプリングレートで、断続的な時間における基準ビーム270中のノイズのみを考慮する。ノイズサンプリングレートは、好ましくは事前決定されるが、必ずしも事前決定される必要はない。代替的に、ノイズサンプリングレートはランダムであってもよい。
当業者には理解されるように、グラフ280に示されているノイズ補正アルゴリズムの特定のパラメータは、単に例示であり、容易に修正され得ることが理解される。例えば、位相シフトΔφは、本明細書に示されるよりも多いまたは少ないサイクル数にわたって最適化されてもよく、各サブビームは、サブビームが検出器250を通過するたびに完全に最適化されてもよく、またはいくつかのサブビームもしくはサブビームの全ては、遠視野強度パターンが検出器250を通過する各サイクル中に最適化されてもよい。さらに、確率的並列勾配降下最適化アルゴリズムを含むがこれに限定されない、非連続ノイズ補正最適化アルゴリズムが代替的に実装されてもよい。
動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズドアレイ出力ビームをレーザ付加製造に使用することは、非常に有利であり、急速なビームステアリング、高速電力変調、高速ビーム集束、およびビーム形状調整を可能にする。従来のレーザ3D印刷方法と比較して、動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズアレイ出力を使用することで、物品を製造できる速度と品質との両方が改善される。本発明の好ましい実施形態によるノイズ補正の提供がなければ、光フェーズドアレイ出力ビームの形状および位置が劣化し、それによって、レーザ付加製造プロセスの品質、速度、および精度が劣化することが理解される。
ビームの遠視野強度パターンが移動するときに出力ビーム強度を維持するために、特定の付加製造用途で有利であるように、出力ビームの移動を制御して、これにより、ビームがより低い強度位置でより多くの時間を費やすようにして、そこでの電力送達の減少を補償するようにすることができる。追加的または代替的に、NDフィルタなどの強度プロファイルマスクは、その強度を修正するために出力ビームに適用されてもよい。
次に、本発明のさらに好ましい実施形態に従って構築されて動作する、ノイズ補正された動的ビーム成形のための光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略図である図3A、ならびに図3Aに示されたタイプのシステム内の位相変更およびノイズ補正の簡略化されたグラフ表現である図3Bおよび図3Cを参照する。
図3Aに見られるように、ここでは例として、自由空間光通信システム302内で使用されるように示される、光フェーズドアレイ(OPA)レーザシステム300が提供される。自由空間光通信システム302は、OPAレーザ300から発せられる光信号を受け取るための受信機303に対して離間された関係で、建物などの屋外の場所に取り付けられたOPAレーザシステム300を含んでもよい。自由空間光通信システム302は、本明細書では2つの固定点間の通信の文脈で示されているが、当業者には理解されるように、自由空間光通信システム302は、互いに対して移動する2つの位置間の通信での使用に適応され得ることが理解される。自由空間光通信システム302は、本明細書では地上通信の文脈で示されているが、当業者には理解されるように、自由空間光通信システム302は、地球外通信での使用に適応され得ることがさらに理解される。
自由空間光通信システム302は、単に簡単にするために、単一のOPAレーザ300および受信機303のみを含むものとして図3Aに示されており、システム302の通信要件に応じて、より多くの数の単一のOPAレーザ300および受信機303を含み得ることが理解される。さらに、受信機303は、OPAレーザ300に類似し、かつ受信機能を有するタイプのOPAレーザであってもよいことがさらに理解される。さらに、OPAレーザ300は、それらの間の光信号の送信および受信のために、OPAレーザ300および303の二重動作を可能にするように、受信機能を含んでもよい。
拡大図310で最もよく見られるように、OPAレーザ300は、好ましくは、シードレーザ312と、レーザビーム分割および結合サブシステム314と、を備える。分割および結合サブシステム314は、好ましくは、シードレーザ312からの出力レーザビームを受け取り、対応する複数のチャネル316に沿って、出力されたレーザビームを複数のサブビームに分割する。ここで、単に例として、シードレーザ312からの出力は、10個のチャネル316に沿って10個のサブビームに分割されるように示されているが、分割および結合サブシステム314は、シードレーザ312の出力が分割されるチャネルに沿って、より少ない数またはより大きい数のチャネルを含んでもよく、典型的には、32個以上のチャネルのようなはるかに大きい数のチャネルを含んでもよいことが理解される。
各サブビームの相対位相は、好ましくは、チャネル316の各々に沿って位置付けられている位相変調器318によって個々に変調されてもよい。シードレーザ312の出力の分割およびその後の位相変調によって生成される各位相変調されたサブビームは、好ましくは、コリメートレンズ319に向かって伝播する。個々にコリメートされ、位相変調されたサブビームは、その後、例えば焦点レンズ320において結合されて、出力ビーム322を形成する。
分割および結合サブシステム314はまた、好ましくは、シードレーザ312の出力ビームをサブビームに分割した後に、サブビームを結合して出力ビーム322を形成する前に、サブビームのレーザ増幅を提供することもできる。ここで、例として、分割および結合サブシステム314は、各サブビームを増幅するためのチャネル316のうちの対応するチャネルに沿って位置付けられている複数の光増幅器324を含むように示されている。しかしながら、そのような増幅は、OPAレーザ300の電力出力要件に応じて選択可能であり、省略されてもよいことが理解される。
出力ビーム322の位相、したがって、その遠視野強度パターンの位置および形状は、出力ビーム322を形成するために結合された構成サブビームの相対位相によって、少なくとも部分的に制御される。図3Aに示されているような自由空間光通信などの多くの用途では、出力ビームの遠視野強度パターンを動的に移動および成形することが望ましい。これは、レーザシステム300において、レーザ分割および結合サブシステム314が、個々のサブビームの相対位相を動的に変更し、それによって、結合されたレーザ出力322の位相を変更して、その遠視野強度パターンの位置および形状を動的に制御するようにすることによって達成することができる。
サブビームの相対位相は、好ましくは、受信機303への送信のための所望のレーザ出力パターンに従って事前決定される。特に好ましくは、変更する相対位相は、位相制御サブシステム330によって適用される。位相制御サブシステム330は、好ましくは、OPAレーザ300内の制御電子モジュール332の一部を形成し、好ましくは、チャネル316に沿ったサブビームの相対位相を動的に変調するように、各位相変調器318を制御する。
OPAシステム300に固有のノイズに起因して、出力ビーム322はノイズを有する。出力ビーム322のノイズは、典型的には、熱的または機械的効果によって、および/または光増幅器324がOPAシステム300内にある場合の増幅プロセスによって生成される位相ノイズである。本発明の好ましい実施形態の特定の特徴は、レーザシステム300が、以下に詳述される方法で出力ビーム322中のノイズをキャンセルするためにノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作する、ノイズキャンセルサブシステム340を含むことである。
特に好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム340は、結合されたレーザ出力中の位相ノイズを検知および補正するアルゴリズムを使用する。ノイズキャンセル位相補正出力は、好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム340によって位相変調器318に提供されて、出力ビーム322の位相ノイズを補正し、したがって、そうでなければノイズによって引き起こされるであろう出力ビーム322の遠視野強度パターンの形状および位置の歪みを回避する。ノイズキャンセルサブシステム340は、制御電子モジュール332に含まれてもよい。
出力ビーム322は、追加的または代替的に、強度ノイズを含む、位相ノイズ以外のタイプのノイズの影響を受ける可能性があることが理解される。強度ノイズを有する出力ビーム322の場合、ノイズキャンセルサブシステム340は、出力ビーム322の強度ノイズをキャンセルするために、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作することができる。そのような場合、OPAレーザシステム300は、チャネル316に沿ったサブビームの各々の強度を変調するために、チャネル316に沿って強度変調器342を任意に追加的に含んでもよい。
出力ビーム322は、追加的または代替的に、サブビームの相対位置に影響を及ぼし得る機械的ノイズによって影響を受ける可能性があることが理解される。位置ノイズを有する出力ビーム322の場合、ノイズキャンセルサブシステム340は、出力ビーム322の位置ノイズをキャンセルするために、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作することができる。そのような場合、OPAレーザシステム300は、チャネル316に沿ったサブビームの各々の位置を変調するために、チャネル316に沿った位置変調器344を任意に追加的に含んでもよい。
出力ビーム322への位相変更およびノイズ補正の適用を容易にするために、OPAレーザ300の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、ここでは単一の検出器350として示される少なくとも1つの検出器に向かって方向付けられる。検出器350は、代替的に、図6~図8および図15~図21を参照して以下に詳述されるように、複数の検出器として具体化されてもよい。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、要求されるノイズ補正および/または位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。図3Aに示される実施形態では、チャネル316に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器360に向かって方向付けられる。ビーム分割器360は、好ましくは、事前決定された比率に従って、各サブビームを透過部分362と反射部分364とに分割する。例えば、ビーム分割器360は、99.9%の透過率:0.01%の反射率で各サブビームを分割してもよい。
サブビームの透過部分362は、好ましくは、焦点レンズ320に向かって伝播し、焦点レンズ320において、サブビームが結合されて、遠視野強度パターン366を有する出力ビーム322を形成する。サブビームの反射部分364は、好ましくは、追加の焦点レンズ368に向かって反射され、追加の焦点レンズ368において、サブビームが結合されて、検出器350の表面に入射する遠視野強度パターン372を有する出力基準ビーム370を形成する。
ビーム分割器360ならびに焦点レンズ320および368を含む、本明細書に示されるビーム分割および再結合要素の特定の構造および構成は、単に例示であり、非常に簡略化された形で示されることが理解される。OPAレーザシステム300は、様々なそのような要素、ならびに単に例として、追加または代替のレンズ、光ファイバ、およびコヒーレント自由空間遠視野結合器を含む、追加の光学素子を含み得ることが理解される。
本明細書で上述されたように、出力ビーム322の遠視野強度パターン366の形状および位置、ならびに基準ビーム370の遠視野強度パターン372の対応する形状および位置は、サブビームの相対位相の進行中の変更に起因して一定に変化している。結果として、遠視野強度パターン372は、検出器350に固定されず、むしろ、構成サブビームの結合された相対位相に応じて、検出器350に対して常に移動されている。しかしながら、検出器350が必要なノイズキャンセル位相補正出力を提供するためには、検出器が遠視野強度パターン372の強度を測定し、したがって、それに応じてノイズ補正を適用するために、遠距離フィールド強度パターン372が検出器350に入射しなければならず、その結果、固定された出力ビームが得られる。
遠視野強度パターン372の位相変更に起因するその動的性質と、ノイズ補正を導出および適用するために遠視野強度パターン372に要求される固定的性質との間の矛盾は、本発明では、ノイズキャンセルおよび位相変更を相互に異なる時間およびレートで提供することによって有利に解決される。
ノイズキャンセル位相補正出力は、ノイズサンプリングレートで検出器350で測定されたノイズを考慮することに基づいて提供される。出力ビーム322は、遠視野強度パターン372が、出力および基準遠視野強度パターン366、372の形状および位置への動的変化の過程で、要求されたノイズサンプリングレートと等しいか、またはそれより速いレートで検出器350に入射するような方法で制御される。基準ビーム370のノイズは、遠視野強度パターン372が検出器350に戻されるこれらの断続的な時間中に考慮される。
遠視野強度パターン372が検出器350に入射する断続的な時間の間の時間間隔において、結合された出力ビーム322、370の位相は、物品206の付加製造を実施するために必要とされるように、その位相の遠視野強度パターンの形状および位置を動的に変化させるために変更される。結合されたレーザ出力は、位相を急速に、したがって、遠視野強度パターンの形状および位置を急速に変化させるために、ノイズサンプリングレートを超える位相変化率で変更される。例として、ノイズサンプリングレートは、10~1000Hz程度であってもよく、一方、位相変更レートは、10,000Hzよりも大きくてもよい。
本発明の実施形態においてノイズキャンセルおよび位相変更が好ましく実施される異なるレートおよび時間スケールは、図3Aに見られるグラフ380および図3Bに示されるその拡大バージョンを参照して最もよく理解することができる。
図3Bに最も明確に見られるように、グラフ380は、検出器350で測定された遠視野強度パターン372の経時的な強度の変更を表示する上側部分382と、出力ビーム322および基準ビーム370に寄与する多数のサブビームの相対位相の同じ時間期間にわたる変更を表示する下側部分384と、を含む。簡単にするために、10個のサブビームの相対位相がグラフ380に表示されているが、OPAシステム300、したがって、本明細書に提供される説明は、より少ない、またはより典型的には、はるかに多い数のサブビームに適用可能であることが理解される。
上側部分382に見られるように、強度ピーク386は、遠視野強度パターン372が検出器350の上を通過するときの基準ビーム370の測定された強度を表す。下側部分384に見られるように、強度ピーク386は、各サブビームの相対位相がゼロである断続的な時間Tiで発生し、これは、サブビーム間の位相のシフトがないことを意味しており、したがって、結合された出力ビームの位置は変化せず、したがって、遠視野強度パターン372は検出器350に直接入射する。検出器350は、代替的に、そこにあるサブビームの相対位相が非ゼロになるように位置決めされてもよいことが理解される。さらに、図6~図8および図15~図21を参照して以下に詳述されるように、複数の検出器を使用して、それらに沿った複数の位置で遠視野強度パターン372を測定することを可能にしてもよい。
遠視野強度パターン372が検出器350のいずれかの側に移動され、したがって、検出器350に直接入射しないので、強度ピーク386の間で、測定された強度はゼロに近い。上側部分382の考察から理解されるように、強度ピーク386の大きさは、レーザ出力ビーム中のノイズの存在に起因して一定ではなく、そのノイズは、遠視野強度パターン372を劣化させる。
下側部分384に見られるように、サブビームの相対位相が断続的な時間Tiの間の時間間隔Tbetweenで変更される。本明細書に示される位相変更関数では、サブビームの相対位相は、正および負の方向に、等しい位相シフトが適用された周期的で規則的な繰り返しパターンで変更するように示されている。そのような単純化されたパターンは、単に例示であり、位相変更は必ずしも規則的に繰り返される必要はなく、正および負の方向で必ずしも対称的である必要もないことが理解される。さらに、時間間隔Tbetweenは、断続的な時間Tiと重複することが好ましいが、必ずしも重複する必要はないことが理解される。追加的に、位相変更レートおよびノイズサンプリングレートのうちの少なくとも1つは、一定であり得るか、または経時的に変化し得ることが理解される。
ノイズキャンセルサブシステム340は、好ましくは、断続的な時間Tiでのノイズを考慮することによって動作し、断続的な時間Tiで検知されたノイズに基づいてノイズキャンセル位相補正出力を提供する。ノイズキャンセルサブシステム340は、好ましくは、ノイズを検知し、それに応じて検知されたノイズを補正するためのアルゴリズムを使用する。
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、ノイズキャンセルサブシステム340は、検出器350に対する遠視野強度パターン372の移動の各サイクル中に、1つのチャネルの相対位相が、相対位相が所与の位相変化Δφによって修正されるような方法で変化されるアルゴリズムを使用する。各サイクルにわたって選択されたサブビームに異なる位相変化Δφが適用されるこのようなサイクルの数に続いて、アルゴリズムは、サイクルの全てにわたって最大出力強度を確認し、この最大強度を生成した最適な位相変化Δφを見つける。選択されたサブビームの位相変化は、次いで、その後のサイクルで最適な位相変化Δφに固定され、アルゴリズムは別のサブビームを最適化するために進行する。
グラフ380は、3つのサブビームまたは合計10個のサブビームのチャネルA、B、およびCにおけるこの例示的なアルゴリズムによるノイズキャンセルを示している。簡単にするために、サブビームA、B、およびCは、図3Cに単独で表示されている。図3Cでは、本明細書における後述を目的として、様々なサブビーム間の区別を支援するために、サブビームA、B、およびCの位相変更およびノイズ補正を表す線のライン様式が、図3Aおよび図3Bと比較して、それぞれ修正されていることが理解される。
チャネルAの場合に最初に見られ、拡大図390の考慮から最も明確に理解されるように、破線は、いかなるノイズ補正もない場合に位相制御サブシステム330によって適用されるであろう、サブビームAの相対位相の変更のパターンを表している。この線は、Auncorrectedと呼ばれることがある。点線および破線は、最適な位相ノイズ補正を見つけるために、ノイズ補正アルゴリズムによって修正されたサブビームAの実際の相対位相を表している。この線は、Acorrectedと呼ばれることがある。Acorrectedの修正された相対位相は、サブビームAの最初の5サイクルにわたって、Auncorrectedの修正されていない相対位相に対して異なるΔφAだけシフトされる。検出器350で測定された強度386は、相対位相シフトの意図的な変化に起因して、サブビームAの最適化の最初の5サイクルにわたって変更する。
サブビームAの最初の5サイクルの後、アルゴリズムは、最大強度を確認し、最大強度を生成する位相変化ΔφAを見つける。この場合、最大強度は、第2の位相シフトΔφAによって生成されるIAmaxであると見られる。サブビームAの相対位相変更に適用される位相変化は、したがって、その後のサイクルのために第2の位相シフトΔφAに固定され、アルゴリズムは、サブビームBを最適化するために進行する。
サブビームAの最適化の連続サイクル中に、サブビームの残りの部分の相対的な位相は、サブビームA中のノイズが考慮されるノイズサンプリングレートをはるかに超える位相変更レートで、各々、通常どおり変更されることが理解される。
サブビームBの場合にさらに見られるように、拡大図392の考慮から最も明確に理解されるように、チャネルBの最適化中のより太い線は、いかなるノイズ補正もない場合に位相制御サブシステム330によって適用されるであろう、サブビームBの相対位相の変更のパターンを表している。この線は、Buncorrectedと呼ばれることがある。チャネルBの最適化中の細い線は、最適な位相ノイズ補正を見つけるためにノイズ補正アルゴリズムによって修正されたサブビームBの実際の相対位相を表している。この線は、Bcorrectedと呼ばれることがある。Bcorrectedの修正された相対位相は、最適化サブビームBの5サイクルにわたって、Buncorrectedの修正されていない相対位相に対して異なるΔφBだけシフトされる。検出器350で測定された強度386は、相対位相シフトの意図的な変化に起因して、最適化サブビームBのこれらの5サイクルにわたって変更する。
サブビームBのこれらの5サイクルの後、アルゴリズムは、最大強度を確認し、最大強度を生成する位相変化ΔφBを見つける。この場合、最大強度は、第4の位相シフトΔφBによって生成されるIABmaxであると見られる。サブビームBの相対位相変更に適用される位相変更は、次いで、その後のサイクルのために第4の位相シフトΔφBに固定され、アルゴリズムは、サブビームCを最適化するために進行する。
サブビームBの最適化の5サイクル中に、サブビームの残りの部分の相対位相が、サブビームB中のノイズが考慮されるノイズサンプリングレートをはるかに超える位相変更レートで、各々、通常どおり変更されることが理解される。
好ましくは、サブビームCについても同様の最適化プロセスが実施され、ここで、サブビームCの位相ノイズに起因する出力ビーム強度の最適化およびその強度劣化を補正するために、いくつかのサイクルにわたって位相変化ΔφCが適用される。
検出器350は、サブビームの相対位相を継続的に最適化し、その中の位相ノイズを補正するために、継続的に動作することができる。しかしながら、検出器350の有限の応答時間に起因して、検出器350は、比較的遅いノイズサンプリングレートで、断続的な時間における基準ビーム370中のノイズのみを考慮する。ノイズサンプリングレートは、好ましくは事前決定されるが、必ずしも事前決定される必要はない。代替的に、ノイズサンプリングレートはランダムであってもよい。
当業者には理解されるように、グラフ380に示されているノイズ補正アルゴリズムの特定のパラメータは、単に例示であり、容易に修正され得ることが理解される。例えば、位相シフトΔφは、本明細書に示されるよりも多いまたは少ないサイクル数にわたって最適化されてもよく、各サブビームは、サブビームが検出器350を通過するたびに完全に最適化されてもよく、またはいくつかのサブビームもしくはサブビームの全ては、遠視野強度パターンが検出器350を通過する各サイクル中に最適化されてもよい。さらに、確率的並列勾配降下最適化アルゴリズムを含むがこれに限定されない、非連続ノイズ補正最適化アルゴリズムが代替的に実装されてもよい。
動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズドアレイ出力ビームを自由空間光通信に使用することは、非常に有利であり、急速なビームステアリング、高速電力変調、高速ビーム集束、およびビーム形状調整を可能にする。従来の自由空間光通信方法と比較して、動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズアレイ出力を使用することで、通信の速度と品質との両方が向上する。本発明の好ましい実施形態によるノイズ補正の提供がなければ、光フェーズドアレイ出力ビームの形状および位置が劣化し、それによって、透過されるレーザ出力の品質、速度、および精度が劣化することが理解される。
ビームの遠視野強度パターンが移動するときに出力ビーム強度を維持するために、特定の光学通信用途で有利であるように、出力ビームの移動を制御して、これにより、ビームがより低い強度位置でより多くの時間を費やすようにして、そこでの電力送達の減少を補償するようにすることができる。追加的または代替的に、NDフィルタなどの強度プロファイルマスクは、その強度を修正するために出力ビームに適用されてもよい。
次に、本発明のなおも別の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、ノイズ補正された動的ビーム成形のための光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略図である図4A、ならびに図4Aに示されたタイプのシステム内の位相変更およびノイズ補正の簡略化されたグラフ表現である図4Bおよび図4Cを参照する。
図4Aに見られるように、ここでは例として、レーザ溶接システム402内で使用されるように示される、光フェーズドアレイ(OPA)レーザシステム400が提供される。レーザ溶接システム402は、レーザ溶接ロボット404の一部分の上または内部に取り付けられたOPAレーザシステム400を含んでもよい。物品406などの物品は、以下に詳述されるように、レーザ溶接ロボット404によって溶接されてもよい。レーザ溶接システム402は、本明細書では溶接ロボット404の文脈で示されているが、当業者には理解されるように、システム402は、任意の溶接設定での使用に適合され得ることが理解される。
拡大図410で最もよく見られるように、OPAレーザ400は、好ましくは、シードレーザ412と、レーザビーム分割および結合サブシステム414と、を備える。分割および結合サブシステム414は、好ましくは、シードレーザ412からの出力レーザビームを受け取り、対応する複数のチャネル416に沿って、出力されたレーザビームを複数のサブビームに分割する。ここで、単に例として、シードレーザ412からの出力は、10個のチャネル416に沿って10個のサブビームに分割されるように示されているが、分割および結合サブシステム414は、シードレーザ412の出力が分割されるチャネルに沿って、より少ない数またはより大きい数のチャネルを含んでもよく、典型的には、32個以上のチャネルのようなはるかに大きい数のチャネルを含んでもよいことが理解される。
各サブビームの相対位相は、好ましくは、チャネル416の各々に沿って位置付けられている位相変調器418によって個々に変調されてもよい。シードレーザ412の出力の分割およびその後の位相変調によって生成される各位相変調されたサブビームは、好ましくは、コリメートレンズ419に向かって伝播する。個々にコリメートされ、位相変調されたサブビームは、その後、例えば焦点レンズ420において結合されて、出力ビーム422を形成する。
分割および結合サブシステム414はまた、好ましくは、シードレーザ412の出力ビームをサブビームに分割した後に、サブビームを結合して出力ビーム422を形成する前に、サブビームのレーザ増幅を提供することもできる。ここで、例として、分割および結合サブシステム414は、各サブビームを増幅するためのチャネル416のうちの対応するチャネルに沿って位置付けられている複数の光増幅器424を含むように示されている。しかしながら、そのような増幅は、OPAレーザ400の電力出力要件に応じて選択可能であり、省略されてもよいことが理解される。
出力ビーム422の位相、したがって、その遠視野強度パターンの位置および形状は、出力ビーム422を形成するために結合された構成サブビームの相対位相によって、少なくとも部分的に制御される。図4Aに示されるようなレーザ溶接などの多くの用途では、出力ビームの遠視野強度パターンを動的に移動および成形することが望ましい。これは、レーザシステム400において、レーザ分割および結合サブシステム414が、個々のサブビームの相対位相を動的に変更し、それによって、結合されたレーザ出力422の位相を変更して、その遠視野強度パターンの位置および形状を動的に制御するようにすることによって達成することができる。
サブビームの相対位相は、好ましくは、物品406の溶接のための所望のレーザ出力パターンに従って事前決定される。特に好ましくは、変更する相対位相は、位相制御サブシステム430によって適用される。位相制御サブシステム430は、好ましくは、OPAレーザ400内の制御電子モジュール432の一部を形成し、好ましくは、チャネル416に沿ったサブビームの相対位相を動的に変調するように、各位相変調器418を制御する。
OPAシステム400に固有のノイズに起因して、出力ビーム422はノイズを有する。出力ビーム422のノイズは、典型的には、熱的または機械的効果によって、および/または光増幅器424がOPAシステム400内にある場合の増幅プロセスによって生成される位相ノイズである。本発明の好ましい実施形態の特定の特徴は、レーザシステム400が、以下に詳述される方法で、出力ビーム422中のノイズをキャンセルするためにノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作する、ノイズキャンセルサブシステム440を含むことである。
特に好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム440は、結合されたレーザ出力中の位相ノイズを検知および補正するアルゴリズムを使用する。ノイズキャンセル位相補正出力は、好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム440によって位相変調器418に提供されて、出力ビーム422の位相ノイズを補正し、したがって、そうでなければノイズによって引き起こされるであろう出力ビーム422の遠視野強度パターンの形状および位置の歪みを回避する。ノイズキャンセルサブシステム440は、制御電子モジュール432に含まれてもよい。
出力ビーム422は、追加的または代替的に、強度ノイズを含む、位相ノイズ以外のタイプのノイズの影響を受ける可能性があることが理解される。強度ノイズを有する出力ビーム422の場合、ノイズキャンセルサブシステム440は、出力ビーム422の強度ノイズをキャンセルするために、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作することができる。そのような場合、OPAレーザシステム400は、チャネル416に沿ったサブビームの各々の強度を変調するために、チャネル416に沿って強度変調器442を任意に追加的に含んでもよい。
出力ビーム422は、追加的または代替的に、サブビームの相対位置に影響を及ぼし得る機械的ノイズによって影響を受ける可能性があることが理解される。位置ノイズを有する出力ビーム422の場合、ノイズキャンセルサブシステム440は、出力ビーム422の位置ノイズをキャンセルするために、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作することができる。そのような場合、OPAレーザシステム400は、チャネル416に沿ったサブビームの各々の位置を変調するために、チャネル416に沿った位置変調器444を任意に追加的に含んでもよい。
出力ビーム422への位相変更およびノイズ補正の適用を容易にするために、OPAレーザ400の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、ここでは単一の検出器450として示される少なくとも1つの検出器に向かって方向付けられる。検出器450は、代替的に、図6~図8および図15~図21を参照して以下で詳述されるように、複数の検出器として具体化されてもよい。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、必要なノイズ補正および/または位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。図4Aに示される実施形態では、チャネル416に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器460に向かって方向付けられる。ビーム分割器460は、好ましくは、事前決定された比率に従って、各サブビームを透過部分462と反射部分464とに分割する。例えば、ビーム分割器460は、99.9%の透過率:0.01%の反射率で各サブビームを分割してもよい。
サブビームの透過部分462は、好ましくは、焦点レンズ420に向かって伝播し、焦点レンズ420において、サブビームが結合されて、物品406に入射する遠視野強度パターン466を有する出力ビーム422を形成する。サブビームの反射部分464は、好ましくは、追加の焦点レンズ468に向かって反射され、追加の焦点レンズ468において、サブビームが結合されて、検出器450の表面に入射する遠視野強度パターン472を有する出力基準ビーム470を形成する。
ビーム分割器460ならびに焦点レンズ420および468を含む、本明細書に示されるビーム分割および再結合要素の特定の構造および構成は、単に例示であり、非常に簡略化された形態で示されることが理解される。OPAレーザシステム400は、様々なそのような要素、ならびに単に例として、追加または代替のレンズ、光ファイバ、およびコヒーレント自由空間遠視野結合器を含む、追加の光学素子を含み得ることが理解される。
本明細書で上述されたように、出力ビーム422の遠視野強度パターン466の形状および位置、ならびに基準ビーム470の遠視野強度パターン472の対応する形状および位置は、サブビームの相対位相の進行中の変更に起因して一定に変化している。結果として、遠視野強度パターン472は、検出器450に固定されず、むしろ、構成サブビームの結合された相対位相に応じて、検出器450に対して常に移動されている。しかしながら、検出器450が必要なノイズキャンセル位相補正出力を提供するためには、検出器が遠視野強度パターン472の強度を測定し、したがって、それに応じてノイズ補正を適用するために、遠距離フィールド強度パターン472が検出器450に入射しなければならず、その結果、固定された出力ビームが得られる。
遠視野強度パターン472の位相変更に起因するその動的性質と、ノイズ補正を導出および適用するために遠離野強度パターン472に要求される固定的性質との間の矛盾は、本発明では、ノイズキャンセルおよび位相変更を相互に異なる時間およびレートで提供することによって有利に解決される。
ノイズキャンセル位相補正出力は、ノイズサンプリングレートで検出器450で測定されたノイズを考慮することに基づいて提供される。出力ビーム422は、遠視野強度パターン472が、出力および基準遠視野強度パターン466、472の形状および位置への動的変化の過程で、要求されたノイズサンプリングレートと等しいか、またはそれより速いレートで検出器450に入射するような方法で制御される。基準ビーム470のノイズは、遠視野強度パターン472が検出器450に戻されるこれらの断続的な時間中に考慮される。
遠視野強度パターン472が検出器450に入射する断続的な時間の間の時間間隔において、結合された出力ビーム422、470の位相は、物品406のレーザ溶接を実施するために必要とされるように、その遠視野強度パターンの形状および位置を動的に変化させるために変更される。結合されたレーザ出力は、位相を急速に、したがって、遠視野強度パターンの形状および位置を急速に変化させるために、ノイズサンプリングレートを超える位相変化率で変更される。例として、ノイズサンプリングレートは、10~1000Hz程度であってもよく、一方、位相変更レートは、10,000Hzよりも大きくてもよい。
本発明の実施形態においてノイズキャンセルおよび位相変更が好ましく実施される異なるレートおよび時間スケールは、図4Aに見られるグラフ480および図4Bに示されるその拡大バージョンを参照して最もよく理解することができる。
図4Bに最も明確に見られるように、グラフ480は、検出器450で測定された遠視野強度パターン472の経時的な強度の変更を表示する上側部分482と、出力ビーム422および基準ビーム470に寄与する多数のサブビームの相対位相の同じ時間期間にわたる変更を表示する下側部分484と、を含む。簡単にするために、10個のサブビームの相対位相がグラフ480に表示されているが、OPAシステム400、したがって、本明細書に提供される説明は、より少ない、またはより典型的には、はるかに多い数のサブビームに適用可能であることが理解される。
上側部分482に見られるように、強度ピーク486は、遠視野強度パターン472が検出器450の上を通過するときの基準ビーム470の測定された強度を表す。下側部分484に見られるように、強度ピーク486は、各サブビームの相対位相がゼロである断続的な時間Tiで発生し、これは、サブビーム間の位相のシフトがないことを意味しており、したがって、結合された出力ビームの位置は変化せず、したがって、遠視野強度パターン472は検出器450に直接入射する。検出器450は、代替的に、そこにあるサブビームの相対位相が非ゼロになるように位置決めされてもよいことが理解される。さらに、図6~図8および図15~図21を参照して以下に詳述されるように、複数の検出器を使用して、それらに沿った複数の位置で遠視野強度パターン472を測定することを可能にしてもよい。
遠視野強度パターン472が検出器450のいずれかの側に移動され、したがって、検出器450に直接入射しないので、強度ピーク486の間で、測定された強度はゼロに近い。上側部分482の考察から理解されるように、強度ピーク486の大きさは、レーザ出力ビーム中のノイズの存在に起因して一定ではなく、そのノイズは、遠視野強度パターン472を劣化させる。
下側部分484に見られるように、サブビームの相対位相が断続的な時間Tiの間の時間間隔Tbetweenで変更される。本明細書に示される位相変更関数では、サブビームの相対位相は、正および負の方向に、等しい位相シフトが適用された周期的で規則的な繰り返しパターンで変更するように示されている。そのような単純化されたパターンは、単に例示であり、位相変更は必ずしも規則的に繰り返される必要はなく、正および負の方向で必ずしも対称的である必要もないことが理解される。さらに、時間間隔Tbetweenは、断続的な時間Tiと重複することが好ましいが、必ずしも重複する必要はないことが理解される。追加的に、位相変更レートおよびノイズサンプリングレートのうちの少なくとも1つは、一定であり得るか、または経時的に変化し得ることが理解される。
ノイズキャンセルサブシステム440は、好ましくは、断続的な時間Tiでのノイズを考慮することによって動作し、断続的な時間Tiで検知されたノイズに基づいてノイズキャンセル位相補正出力を提供する。ノイズキャンセルサブシステム440は、好ましくは、ノイズを検知し、それに応じて検知されたノイズを補正するためのアルゴリズムを使用する。
本発明の1つの例示的な実施形態によれば、ノイズキャンセルサブシステム440は、検出器150に対する遠視野強度パターン472の移動の各サイクル中に、1つのチャネルの相対位相が、相対位相が所与の位相変化Δφによって修正されるような方法で変化されるアルゴリズムを使用する。各サイクルにわたって選択されたサブビームに異なる位相変化Δφが適用されるこのようなサイクルの数に続いて、アルゴリズムは、サイクルの全てにわたって最大出力強度を確認し、この最大強度を生成した最適な位相変化Δφを見つける。選択されたサブビームの位相変化は、次いで、その後のサイクルで最適な位相変化Δφに固定され、アルゴリズムは別のサブビームを最適化するために進行する。
グラフ480は、3つのサブビームまたは合計10個のサブビームのチャネルA、B、およびCにおけるこの例示的なアルゴリズムによるノイズキャンセルを示している。簡単にするために、サブビームA、B、およびCは、図4Cに単独で表示されている。図4Cでは、本明細書における後述を目的として、様々なサブビーム間の区別を支援するために、サブビームA、B、およびCの位相変更およびノイズ補正を表す線のライン様式が、図4Aおよび図4Bと比較して、それぞれ修正されていることが理解される。
チャネルAの場合に最初に見られ、拡大図490の考慮から最も明確に理解されるように、破線の線は、いかなるノイズ補正もない場合に位相制御サブシステム430によって適用されるであろう、サブビームAの相対位相の変更のパターンを表している。この線は、Auncorrectedと呼ばれることがある。点線および破線は、最適な位相ノイズ補正を見つけるために、ノイズ補正アルゴリズムによって修正されたサブビームAの実際の相対位相を表している。この線は、Acorrectedと呼ばれることがある。Acorrectedの修正された相対位相は、サブビームAの最初の5サイクルにわたって、Auncorrectedの修正されていない相対位相に対して異なるΔφAだけシフトされる。検出器450で測定された強度486は、相対位相シフトの意図的な変化に起因して、サブビームAの最適化の最初の5サイクルにわたって変更する。
サブビームAの最初の5サイクルの後、アルゴリズムは、最大強度を確認し、最大強度を生成する位相変化ΔφAを見つける。この場合、最大強度は、第2の位相シフトΔφAによって生成されるIAmaxであると見られる。サブビームAの相対位相変更に適用される位相変化は、したがって、その後のサイクルのために第2の位相シフトΔφAに固定され、アルゴリズムは、サブビームBを最適化するために進行する。
サブビームAの最適化の連続サイクル中に、サブビームの残りの部分の相対的な位相は、サブビームA中のノイズが考慮されるノイズサンプリングレートをはるかに超える位相変更レートで、各々、通常どおり変更されることが理解される。
サブビームBの場合にさらに見られるように、拡大図492の考慮から最も明確に理解されるように、チャネルBの最適化中のより太い線は、いかなるノイズ補正もない場合に位相制御サブシステム430によって適用されるであろう、サブビームBの相対位相の変更のパターンを表している。この線は、Buncorrectedと呼ばれることがある。チャネルBの最適化中の細い線は、最適な位相ノイズ補正を見つけるためにノイズ補正アルゴリズムによって修正されたサブビームBの実際の相対位相を表している。この線は、Bcorrectedと呼ばれることがある。Bcorrectedの修正された相対位相は、最適化サブビームBの5サイクルにわたって、Buncorrectedの修正されていない相対位相に対して異なるΔφBだけシフトされる。検出器450で測定された強度486は、相対位相シフトの意図的な変化に起因して、最適化サブビームBのこれらの5サイクルにわたって変更する。
サブビームBのこれらの5サイクルの後、アルゴリズムは、最大強度を確認し、最大強度を生成する位相変化ΔφBを見つける。この場合、最大強度は、第4の位相シフトΔφBによって生成されるIABmaxであると見られる。サブビームBの相対位相変更に適用される位相変化は、次いで、その後のサイクルのために第4の位相シフトΔφBに固定され、アルゴリズムは、サブビームCを最適化するために進行する。
サブビームBの最適化の5サイクル中に、サブビームの残りの部分の相対位相が、サブビームBのノイズが考慮されるノイズサンプリングレートをはるかに超える位相変更レートで、各々、通常どおり変更されることが理解される。
好ましくは、サブビームCについても同様の最適化プロセスが実施され、ここで、サブビームCの位相ノイズに起因する出力ビーム強度の最適化およびその強度劣化を補正するために、いくつかのサイクルにわたって位相変化ΔφCが適用される。
検出器450は、サブビームの相対位相を継続的に最適化し、その中の位相ノイズを補正するために、継続的に動作することができる。しかしながら、検出器450の有限の応答時間に起因して、検出器450は、比較的遅いノイズサンプリングレートで、断続的な時間における基準ビーム470中のノイズのみを考慮する。ノイズサンプリングレートは、好ましくは事前決定されるが、必ずしも事前決定される必要はない。あるいは、ノイズサンプリングレートはランダムであってもよい。
当業者には理解されるように、グラフ480に示されているノイズ補正アルゴリズムの特定のパラメータは、単に例示であり、容易に修正され得ることが理解される。例えば、位相シフトΔφは、本明細書に示されるよりも多いまたは少ないサイクル数にわたって最適化されてもよく、各サブビームは、サブビームが検出器450を通過するたびに完全に最適化されてもよく、またはいくつかのサブビームもしくはサブビームの全ては、遠視野強度パターンが検出器450を通過する各サイクル中に最適化されてもよい。さらに、確率的並列勾配降下最適化アルゴリズムを含むがこれに限定されない、非連続ノイズ補正最適化アルゴリズムが代替的に実装されてもよい。
動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズドアレイ出力ビームをレーザ溶接に使用することは、非常に有利であり、急速なビームステアリング、高速電力変調、高速ビーム集束、およびビーム形状調整を可能にする。従来のレーザ切断方法と比較して、動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズアレイ出力を使用することで、材料を切断できる速度と品質との両方が改善される。本発明の好ましい実施形態によるノイズ補正の提供がなければ、光フェーズドアレイ出力ビームの形状および位置が劣化し、それによって、レーザ切断プロセスの品質、速度、および精度が劣化することが理解される。
ビームの遠視野強度パターンが移動するときに出力ビーム強度を維持するために、特定のレーザ切断用途で有利であるように、出力ビームの移動を制御して、これにより、ビームがより低い強度位置でより多くの時間を費やすようにして、そこでの電力送達の減少を補償するようにすることができる。追加的または代替的に、NDフィルタなどの強度プロファイルマスクは、その強度を修正するために出力ビームに適用されてもよい。
次に、図5A~図5Gを参照すると、図5A~図5Gは、図1A~図4Cに示されているタイプの光フェーズドアレイレーザシステムの出力の起こり得る遠視野運動の簡略化された概略図である。
上記で詳述されたように、レーザ切断、レーザ付加製造、レーザ溶接、およびレーザ自由空間光通信を含むがこれらに限定されない様々なレーザ用途で動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズドアレイ出力ビームを使用することは、非常に有利であり、急速なビームステアリング、高速電力変調、高速ビーム集束、およびビーム形状調整を可能にする。本発明の実施形態による急速ビームステアリングを示す例示的な遠視野パターンが図5Aおよび図5Bに示されている。これらのビームステアリングパターンは、機械的ビームステアリングなどのビームの機械的空間変調を補完するように組み合わせて提供されてもよい。機械的ビームステアリングは、図1Aに示される位置決めテーブル104によって提供される運動に起因するか、図2Aに示されているタイプの付加製造システムなどの鏡面走査に起因するか、図3Aに示されるレーザシステム300と受信機303との間の機械的運動に起因するか、図4Aに示されるロボット404によって提供される運動に起因するか、または任意の他の機械的運動の原因に起因することがある。
機械的運動は、望ましい運動であってもよく、望ましくない運動であってもよい。好ましくは、本発明の実施形態によって提供される遠視野急速ビームステアリングは、所望の組み合わされたビーム運動を達成するように機械的運動を補完する。所望の組み合わされた運動は、機械的ビーム変調のみの結果として生成されるよりも速くかつ/またはより正確であり得る。
図5Aに見られるように、動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズドアレイ出力ビームは、第1のビーム経路502によって示されるように、急速な多点ジャンプを示し得、この急速な多点ジャンプは、第2のビーム経路504によって表される機械的走査に起因するビーム運動を補完する。
例として、そのような多点ジャンプは、処理される材料の各点でエネルギーが吸収されるまでに時間がかかる材料処理において有利な場合がある。多点ジャンプは、ビームが点間をジャンプし、各点に複数回戻ることを可能にし、したがって、多数の点の並列処理が容易になる。さらに例として、そのような多点ジャンプは、複数の位置への送信を並列に行うことができるため、通信システムにおいて有利であり得る。
図5Bに見られるように、動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズドアレイ出力ビームの使用はまた、第3のビーム経路506によって示されるように、急速な走査を容易にし、この急速な走査は、第4のビーム経路508によって表される機械的走査に起因するビーム運動を補完する。そのような急速な走査は、継続的で滑らかな機械的ビーム運動を容易にし、その微細な特徴は、本発明の実施形態による遠視野動的成形によって提供され得る。さらに、機械的に変調されたビームパターンに存在し得る不正確さを補正するために、動的にノイズ補正された遠視野変調を機械的ビーム運動と組み合わせて提供することができる。
本発明の好ましい実施形態による電気光学ビームウォブルを示す例示的な遠視野ビームパターンが図5Cに示されている。図5Cに見られるように、動的に成形され、ノイズ補正された光フェーズドアレイ出力ビームは、ビーム運動512の方向に沿って急速なビームウォブル510を示すように制御され、例えば、図4Aに示されるものなどのレーザ溶接システムにおいて特に有用である。
本発明の好ましい実施形態による焦点の深さの動的な修正を示す例示的な遠視野ビームパターンが、図5D~図5Fに示されている。図5D~図5Fに見られるように、ビーム焦点の深さは、本発明のシステムによって動的に変化されてもよく、走査(図5E)および深い切断(図5Dおよび図5F)のための可変ビーム焦点距離を可能にし、例えば、図1A、図2A、および図4Aに示されるタイプの切断、付加製造および溶接システムにおいて特に有用である。
本発明の好ましい実施形態による動的ビーム成形を示す例示的な遠視野ビームパターンが図5Gに示されている。図5Gに見られるように、ビームの形状は、所望のビーム形状出力を生成するために動的に変化してもよい。これは、例えば、図1A、図2A、および図4Aに示されているタイプの切断、付加製造および溶接システム、ならびに他の文脈において特に有用であり得る。当技術分野でよく知られているように、レーザ切断、溶接、および3D印刷の品質および速度は、典型的に、ビームのサイズおよび形状に影響を受ける。本発明は、任意の点でビームを最適な形状に動的に適合させることを可能にする。
図5A~図5Gに示される様々な遠視野ビーム運動パターンは全て、好ましくは、本発明のシステムによって、デジタル電子制御を使用して、いかなる可動部品も必要とせずに生成されることが理解される。
次に、図6を参照すると、図6は、本発明の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、複数の検出器および対応する複数の緊密に離間された光路を含む光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略図である。
図6に見られるように、光フェーズドアレイ(OPA)レーザ600が提供される。OPAレーザ600は、概して、図1A~図4Cのいずれかに示されるタイプのものであってもよく、好ましくは、シードレーザ612と、レーザビーム分割および結合サブシステム614と、を含む。分割および結合サブシステム614は、好ましくは、シードレーザ612からの出力レーザビームを受け取り、対応する複数のチャネル616に沿って、出力されたレーザビームを複数のサブビームに分割する。ここで、単に例として、シードレーザ612からの出力は、4個のチャネル616に沿って4個のサブビームに分割されるように示されているが、分割および結合サブシステム614は、シードレーザ612の出力が分割されるチャネルに沿って、より少ない数またはより大きい数のチャネルを含んでもよく、典型的には、32個以上のチャネルのようなはるかに大きい数のチャネルを含んでもよいことが理解される。
各サブビームの相対位相は、好ましくは、チャネル616の各々に沿って位置付けられている位相変調器618によって個々に変調されてもよい。シードレーザ612の出力の分割およびその後の位相変調によって生成される各位相変調されたサブビームは、好ましくは、コリメートレンズ619に向かって伝播する。個々にコリメートされ、位相変調されたサブビームは、その後、例えば焦点レンズ620において結合されて、出力ビーム622を形成する。
分割および結合サブシステム614はまた、好ましくは、シードレーザ612の出力ビームをサブビームに分割した後に、サブビームを結合して出力ビーム622を形成する前に、サブビームのレーザ増幅を提供することもできる。ここでは例として、分割および結合サブシステム614は、各サブビームを増幅するためのチャネル616のうちの対応するチャネルに沿って位置付けられている複数の光増幅器624を含むように示されている。しかしながら、そのような増幅は、OPAレーザ600の電力出力使用に応じて選択可能であり、省略されてもよいことが理解される。
出力ビーム622の位相、したがって、その遠視野強度パターンの位置および形状は、出力ビーム622を形成するために結合された構成サブビームの相対位相によって、少なくとも部分的に制御される。図1A~図5Gを参照して本明細書で上述されたように、レーザ切断、レーザ溶接、レーザ付加製造、および光自由空間通信などの多くの用途では、出力ビームの遠視野強度パターンを動的に移動および成形することが望ましい。これは、レーザシステム600において、レーザ分割および結合サブシステム614が、個々のサブビームの相対位相を動的に変更し、それによって、結合されたレーザ出力622の位相を変更して、その遠視野強度パターンの位置および形状を動的に制御するようにすることによって達成することができる。
サブビームの相対位相は、好ましくは、所望のレーザ出力パターンに従って事前決定される。特に好ましくは、変更する相対位相は、位相制御サブシステム630によって適用される。位相制御サブシステム630は、好ましくは、OPAレーザ600内の制御電子機器モジュール632の一部を形成し、好ましくは、図1A、図2A、図3A、および図4Aの位相制御サブシステム130、230、330、430をそれぞれ参照して本明細書で上述されたように、チャネル616に沿ったサブビームの相対位相を動的に変調するように、各位相変調器618を制御する。
OPAシステム600に固有のノイズに起因して、出力ビーム622はノイズを有する。出力ビーム622のノイズは、典型的には、熱的または機械的効果によって、および/または光増幅器624がOPAシステム600内にある場合の増幅プロセスによって生成される位相ノイズである。OPAシステム600は、好ましくは、以下に詳述される方法で、出力ビーム622中のノイズをキャンセルするために、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作するノイズキャンセルサブシステム640を含む。
特に好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム640は、必ずしも必要ではないが、好ましくは、図1A~図4Cを参照して本明細書で上述されたタイプの、結合されたレーザ出力中の位相ノイズを検知および補正するアルゴリズムを使用する。ノイズキャンセル位相補正出力は、好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム640によって位相変調器618に提供されて、出力ビーム622の位相ノイズを補正し、したがって、そうでなければノイズによって引き起こされるであろう出力ビーム622の遠視野強度パターンの形状および位置の歪みを回避する。ノイズキャンセルサブシステム640は、制御電子機器モジュール632に含まれてもよい。
出力ビーム622への位相変更およびノイズ補正の適用を容易にするために、OPAレーザ600の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、複数の検出器650に向かって方向付けられる。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、必要なノイズ補正および/または位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。
本発明の好ましい実施形態によれば、チャネル616に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器660に向かって方向付けられる。ビーム分割器660は、好ましくは、事前決定された比率に従って、各サブビームを透過部分662と反射部分664とに分割する。例えば、ビーム分割器660は、99.9%の透過率:0.01%の反射率で各サブビームを分割してもよい。
サブビームの透過部分662は、好ましくは、焦点レンズ620に向かって伝播し、焦点レンズ620において、サブビームが結合されて、遠視野強度パターン666を有する出力ビーム622を形成する。サブビームの反射部分664は、好ましくは、追加の焦点レンズ668に向かって反射され、追加の焦点レンズ668において、サブビームが結合されて、複数の検出器650のうちの1つ以上の表面に入射する遠視野強度パターン672を有する出力基準ビーム670を形成する。
図1A~図4Cを参照して本明細書で上述されたように、ノイズキャンセル位相補正出力は、好ましくは、ノイズサンプリングレートで検出器650で測定されたノイズを考慮することに基づいて提供される。出力ビーム622は、遠視野強度パターン672が、出力および基準遠視野強度パターン666、672の形状および位置への動的変化の過程で、要求されたノイズサンプリングレートと等しいか、またはそれより速いレートで検出器650に入射するような方法で制御される。基準ビーム670のノイズは、遠視野強度パターン672が検出器650に戻されるこれらの断続的な時間中に考慮される。
遠視野強度パターン672が検出器650に入射する断続的な時間の間の時間間隔において、結合された出力ビーム622、670の位相は、その遠視野強度パターンの形状および位置を動的に変化させるために変更される。結合されたレーザ出力は、位相を急速に、したがって、遠視野強度パターンの形状および位置を急速に変化させるために、ノイズサンプリングレートを超える位相変化率で変更される。したがって、ノイズキャンセルおよび位相変更は、好ましくは、相互に異なる時間およびレートで提供される。
単一の検出器ではなく、複数の検出器650の使用は、本発明の特定の実施形態において非常に有利であることが見出されており、これにより、以下に詳述される様々な利点がもたらされる。しかしながら、システム600をコンパクトに形成するために望ましいように、追加の焦点レンズ668の焦点距離が比較的短い場合、複数の検出器650のうちの検出器は、好ましくは、互いに非常に緊密に位置決めされる必要がある。望ましい検出器間の間隔は、数ミクロン程度を有し得る。検出器650のそのような高空間密度配置は、特に、好ましい検出器間間隔よりもはるかに大きい寸法を有する従来の検出器の場合には、典型的には非現実的である。
複数の検出器650による遠視野強度パターン672の高空間密度サンプリングを可能にするために、OPAシステム600は、好ましくは、ここでは例として複数の光ファイバ680として具体化され、それに応じて、複数の検出器の650に連結される、複数の光路を含む。基準ビーム670は、好ましくは、光ファイバ680の複数の開放端部682のうちの1つ以上に入り、それに沿って検出器650のうちの対応する検出器に移動する。複数の光ファイバ680の複数の端部682は、好ましくは、複数の検出器650の空間密度よりも大きい空間密度を有するように配置され、これは、光ファイバ680の隣接する光ファイバの開放端部682間の間隔が、検出器650の対応する隣接する検出器間の間隔よりも小さいことを意味する。これにより、遠視野強度パターン672がサンプリングされる検出器650の緊密に離間された位置に検出器自体が物理的に位置付けられる必要なく、検出器650は、それらに沿って緊密に離間された遠視野強度パターン672を検出することが可能になる。
例として、光ファイバ680の端部682は、数ミクロンの距離だけ離間配置されてもよく、一方、光ファイバ680のうちの対応する光ファイバに連結された検出器650は、数ミリメートルの距離だけ離間配置されてもよい。そのような配置は、システム600における従来の検出器の使用を可能にし、高価で複雑な小型化された検出システムの必要性を取り除くことが理解される。
光ファイバ680の端部682の実際の物理的に緊密な間隔によって容易にされるように効果的に緊密に離間され、複数の検出器650を含めることは、本発明の好ましい実施形態において非常に有利であることが見出されている。特に、図1A、図2A、図3A、および図4Aに示されるように、単一の検出器150だけではなく複数の検出器650を使用すると、遠視野強度パターン672を、単一の場所のみではなく、複数の場所でサンプリングすることが可能になる。これは、出力ビーム622の動的変更中のより効率的および/またはより頻繁なノイズ補正を容易にする。
緊密に離間された複数の光路は、端部682が非常に緊密に離間配置され、検出器650の検出器間の間隔よりも小さいファイバ間の端部間隔を有する、複数の光ファイバ680として具体化されることに限定されないことが理解される。むしろ、本発明の範囲は、任意の好適な複数の光路を含むように拡張され、複数の光路は、それらに沿って遠視野強度基準パターン672を複数の検出器650に送達することができ、十分に大きな空間密度で配置することができる。
例として、図7に示されているように、緊密に離間された複数の光路は、複数のレンズ780として具体化されてもよい。複数のレンズ780は、遠視野強度基準パターン672の部分を、より緊密に離間された複数の検出器650に向けて集束させるように、非常に緊密に離間されていてもよい。さらに例として、図8に示されるように、緊密に離間された複数の光路は、対応する複数のレンズ882と協働して動作する複数のミラー880として具体化されてもよい。複数のミラー880は、遠視野強度基準パターン672の部分を、より緊密に離間された複数の検出器650に向けて反射するように、非常に緊密に離間されていてもよい。
複数の検出器を含む、図6~図8のいずれかに示されるタイプのOPAレーザシステムは、より効率的および/またはより頻繁なノイズ補正をその位相が変更された出力に提供するために、図1A、図2A、図3A、および図4Aのいずれかに示されるタイプのOPAレーザシステムに組み込まれ得ることが理解される。
次に、図9を参照すると、図9は、本発明の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、例示的なレーザビーム軌道に従って構成された検出器マスクを含む光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略図である。
図9に見られるように、光フェーズドアレイ(OPA)レーザ900が提供される。OPAレーザ900は、その中で使用される検出器配置を除いて、その関連する態様において、図6のOPAレーザ600に概ね類似し得る。OPAレーザ600は、好ましくは、対応する緊密に離間された複数の光路を介して出力ビームを受け取る複数の検出器を使用するが、OPAレーザ900は、必ずしも複数の検出器を使用するわけではない。
図9に示される本発明の好ましい実施形態の特定の特徴は、OPAレーザ900が、好ましくは、少なくとも1つの検出器650に、透過領域982を通って出力される基準ビーム670を提供するための少なくとも1つの透過領域982を有する光学マスク980を含むことであり、OPAレーザ900は、ここでは、単一の検出器650を備えるように示されている。光学マスク980は、好ましくは、透過領域982においてのみビーム670に対して透過性である光学的に不透明な要素である。ここで、例として、透過領域982は、出力の星形の軌道および基準遠視野強度パターン666、672に従って構成された星形の透過経路として形成されるように示されている。
出力基準ビーム670は、好ましくは、透過領域982を透過し、ここでは例として、集束レンズ990として具体化される集束サブシステムによって検出器650に集束される。ノイズキャンセル位相補正出力は、好ましくは、検出器650に集束されて入射する遠視野強度パターン672の強度を考慮することに基づいて、ノイズキャンセルサブシステム630によって提供される。
より具体的には、出力および基準ビーム622、670の位相は、好ましくは、出力および基準ビーム622および670が、星形の透過領域982の形状に対応する星形の軌道などの所定の軌道を横断するように、位相制御サブシステム630によって動的に変更される。OPAレーザ900にノイズが存在しない場合、出力および基準ビーム622および670が横断する軌道は、少なくともほぼ正確に透過領域982の形状に対応することになり、その結果、検出器650によって検出された遠視野強度パターン672の強度が最大の非劣化強度となる。しかしながら、出力および基準ビーム622および670にノイズが存在することに起因して、遠視野強度パターン672の軌道および形状は、透過領域982の形状から多少逸脱し、その結果、基準ビーム670の一部分は、透過領域982上ではなくマスク980の不透明領域に入射し、したがって、透過領域982を介して検出器650に透過しない。このような場合、検出器650によって検出される遠視野強度パターン672の強度は、ノイズが存在しない場合に検出されるであろう最大強度よりも低い。
したがって、検出器650によって測定された遠視野強度パターン672の強度の劣化は、好ましくは、出力および基準ビーム622、670の軌道のノイズ合成歪みを示し、それによって、ノイズキャンセルサブシステム640によって適用される必要なノイズキャンセル位相補正出力を導出するために使用されてもよい。
マスク980の後ろに位置決めされた上述された検出器650の配置は、基準ビーム670の出力強度をそのビーム軌道に沿って検知するために、単一の検出器650のみを使用することを可能にし、それに基づいてノイズキャンセル位相補正出力を適用できることが理解される。これは、マスク980を含まない代替的な検出器配置、例えば、図6~図8を参照して本明細書で上述されたものなどの、出力ビーム622の動的変更中に十分に効率的かつ/または頻繁なノイズ補正を提供するために、複数の検出器が使用され得るものとは対照的である。
ノイズに起因するビーム軌道の歪みに起因する検出器650によって測定される基準ビーム670の強度の変更に加えて、基準ビーム670の強度は、典型的には、遠視野強度パターン672の固有の強度変更に起因して、基準ビーム670の軌道に沿って変更してもよい。これは、基準ビーム670の強度の変更は、ノイズまたはノイズに関係しない固有の強度変更に起因する可能性があるため、検出器650によって提供されるノイズ補正フィードバックを複雑にする可能性がある。
検出器650によって提供されるノイズ補正フィードバックの信頼性を改善するために、マスク980の透過領域982には、様々な透明度の領域が提供されてもよく、その透明度レベルは、基準ビーム670における固有の強度変更をその軌道に沿って補償するように設定される。
不均一な透明度を有するマスク980の透過領域982の非常に簡略化された表現が図10に示されている。図10に見られるように、透過領域982の第1の点P1と第2の点P2との間に画定される透過領域982の第1の部分は、第1の透明度T1を有してもよい。第2の点P2と第3の点P3との間に画定される透過領域982の第2の部分は、第1の透明度T1とは異なる第2の透明度T2を有してもよい。第3の点P3と第4の点P4との間に画定される透過領域982の第3の部分は、第1の透明度T1を有してもよい。第4の点P4と第5の点P5との間に画定される透過領域982の第4の部分は、第1および第2の透明度T1およびT2とは異なる第3の透明度T3を有してもよい。第5の点P5と第1の点P1との間に画定される透過領域982の第5の点は、第2の透明度T2を有してもよい。
透過領域982の様々な部分は、離散的に異なる透明度の値を有してもよく、または透過領域982の透明度は、その様々な部分にわたって、遠視野強度パターン672の強度補償要求に従って段階的に変更してもよいことが理解される。
好ましくは、必ずしも必要ではないが、マスク980は、LCDスクリーンまたは類似のデバイスのような電子的に変調されたデバイスである。したがって、透過領域982の特性は、基準ビーム670の出力特性に従って容易に電子的に修正されてもよい。
図9および図10に示される透過領域982の特定の形状は単なる例示であり、透過領域982は、出力および基準遠視野強度パターン666および672の任意の軌跡に従って構成され得ることが理解される。追加的に、透過領域982は、複数の透過領域を含み得ることが理解される。そのような場合、単一の検出器650を使用して全ての透過領域から光を受け取ることができ、または対応する数の検出器を各透過領域に対して位置決めすることができる。
さらに、図11および図12を参照して詳述されるように、透過領域982は、その軌跡ではなく、出力および基準遠視野強度パターン666および672の形状に従って、追加的または代替的に構成されてもよいことが理解される。
次に、図11を参照すると、図11は、本発明の別の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、例示的なレーザビーム形状に従って構成された検出器マスクを含む光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略図である。
図11に見られるように、システム900にその関連する側面において概ね類似するシステム1100は、図9および図10の光学マスク980に代わる少なくとも1つの透過領域1182を有する光学マスク1180を含んでもよい。透過領域1182が基準ビーム670の軌道ではなくその形状に従って構成されていることを除いて、光学マスク1180は、光学マスク980にその全ての関連する態様において類似し得る。ここで、例として、透過領域1182は、蝶ネクタイ形状の出力および基準遠視野強度パターン666および672に従って構成された蝶ネクタイ形状の透過領域であるように示されている。
透過領域1182は、不均一な透明度を有してもよく、その非常に簡略化された表現が図12に示されている。図12に見られるように、透過領域1182の第1の部分は、第1の透明度T1を有してもよく、透過領域1182の第2の部分は、第1の透明度T1とは異なる第2の透明度T2を有してもよい。図10を参照して本明細書で詳述されたように、出力ビーム670の固有の強度変更を補償し、したがって、検出器650で検出された強度に基づいて提供されるノイズ補正出力を改善するために、透過性領域1182の様々なレベルの透明度が使用されてもよい。
マスク980および1180の透過領域982および1182はそれぞれ、追加的にまたは代替的に、そこから出力基準ビーム670を検出器650に向けて反射する反射領域として具体化されてもよいことが理解される。そのような配置では、出力基準ビーム670を反射領域982、1182から検出器650の表面に方向付けるために、ここでは例として、集束レンズ990として具体化される集束サブシステムへの適切な修正および/または追加が必要となる。マスク980および1180の反射領域は、均一な反射率を有してもよい。代替的に、本明細書で上述されたように、マスク980および1180の反射領域は、出力基準ビーム670における固有の強度変更を補償するために、不均一な反射率を有してもよい。
マスク980および1180が反射領域を含む場合、マスク980および1180は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)または他の類似のデバイスなどの電気的に変調されたデバイスとして具体化されてもよい。
透過型または反射型光学マスクを介して出力基準ビームを受け取る少なくとも1つの検出器を含む、図9~図12のいずれかに示されるタイプのOPAレーザシステムは、より効率的なノイズ補正をその位相が変更された出力に提供するために、図1A、図2A、図3A、および図4Aのいずれかに示されるタイプのOPAレーザシステムに組み込まれ得ることが理解される。
次に、本発明の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、電圧位相相関機能を含む光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略図である図13を参照する。
図13に見られるように、OPAレーザシステム1300が提供される。OPAレーザ1300は、図1A~図4Cを参照して本明細書で上述されたOPAレーザ100、200、300、400に概ね類似するタイプを有してもよい。OPAレーザ1300は、好ましくは、シードレーザ1312およびレーザビーム分割および結合サブシステム1314を備える。分割および結合サブシステム1314は、好ましくは、シードレーザ1312からの出力レーザビームを受け取り、対応する複数のチャネル1316に沿って、出力されたレーザビームを複数のサブビームに分割する。
各サブビームの相対位相は、好ましくは、チャネル1316の各々に沿って位置付けられている位相変調器1318によって個々に変調されてもよい。シードレーザ1312の出力の分割およびその後の位相変調によって生成される各位相変調されたサブビームは、好ましくは、コリメートレンズ1319に向かって伝播する。個々にコリメートされ、位相変調されたサブビームは、その後、例えばレンズ1320の焦点面において結合されて、出力ビーム1322を形成する。
分割および結合サブシステム1314はまた、好ましくは、シードレーザ1312の出力ビームをサブビームに分割した後に、サブビームを結合して出力ビーム1322を形成する前に、サブビームのレーザ増幅を提供することもできる。ここで、例として、分割および結合サブシステム1314は、各サブビームを増幅するためのチャネル1316のうちの対応するチャネルに沿って位置付けられている複数の光増幅器1324を含むように示されている。しかしながら、そのような増幅は、OPAレーザ1300の電力出力使用に応じて選択可能であり、省略されてもよいことが理解される。
出力ビーム1322の位相、したがって、その遠視野強度パターンの位置および形状は、出力ビーム1322を形成するために結合された構成サブビームの相対位相によって、少なくとも部分的に制御される。本明細書で上述されたレーザ切断、レーザ溶接、自由空間光通信およびレーザ付加製造などの多くの用途では、出力ビームの遠視野強度パターンを動的に移動および成形することが望ましい。図1A~図4Cを参照して本明細書で上述されたように、出力ビームのパラメータの動的変更は、チャネル1316に沿った個々のサブビームの相対位相を動的に変更し、それによって、結合されたレーザ出力1322の位相を変更して、その遠視野強度パターンの位置および形状を動的に制御することことによって達成することができる。
サブビームの相対位相は、好ましくは、所望のレーザ出力パターンに従って事前決定される。特に好ましくは、変更する相対位相は、位相変調制御モジュール1330によって適用される。位相変調制御モジュール1330は、好ましくは、位相変調器1318がチャネル1316に沿ってサブビームの所望の位相変調を生成するために、電圧を位相変調器1318に提供する。位相変調制御モジュール1330は、位相変調器1318と組み合わせて、位相変調サブシステム1332の特に好ましい実施形態を形成し、この位相変調サブシステム1332は、好ましくは、結合されたレーザ出力1322の位相を変更するように動作することが理解される。
出力ビーム1322への位相変更の適用を容易にするために、OPAレーザ1300の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、少なくとも1つの検出器1350に向かって方向付けられる。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、必要な位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。図13に示される実施形態では、チャネル1316に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器1360に向かって方向付けられる。ビーム分割器1360は、好ましくは、事前決定された比率に従って、各サブビームを透過部分1362と反射部分1364とに分割する。例えば、ビーム分割器1360は、99.9%の透過率:0.01%の反射率で各サブビームを分割してもよい。
サブビームの透過部分1362は、好ましくは、焦点レンズ1320に向かって伝播し、焦点レンズ1320において、サブビームが結合されて、遠視野強度パターン1366を有する出力ビーム1322を形成する。サブビームの反射部分1364は、好ましくは、追加の焦点レンズ1368に向かって伝播し、追加の焦点レンズ1368において、サブビームが結合されて、検出器1350の表面に入射する遠視野強度パターン1372を有する追加の基準ビーム1370を形成する。
検出器1350は、好ましくは、そこに入射する遠視野強度パターン1372をサンプリングする。検出器1350は、遠視野強度パターン1372を直接受け取る単一の検出器として具体化されるものとして図13に示されているが、複数の検出器は、図6~図8のいずれかに示される複数の検出器配置のいずれかに従って代替的に使用されてもよいことが理解される。代替的に、検出器1350などの単一の検出器は、図9~図12のいずれかに示されている配置のいずれかに従って、光学マスクと共に使用されてもよい。
検出器1350は、位相変調サブシステム1332と協働し、次いで、好ましくは、所望の遠視野強度パターン1372および対応する遠視野強度パターン1366を達成するために、サブビームの相対位相を最適化する。位相最適化に好適な様々なアルゴリズムは、図1A~図4Cを参照して本明細書で上述された位相最適化レジームを含む、逐次または非逐次最適化アルゴリズムを含む。
位相変調サブシステム1332の動作において、位相変調制御モジュール1330は、好ましくは、位相変調器1318および位相変調器1318の各々に電圧を印加し、その結果、印加された電圧に対応する位相変調出力を生成する。位相変調器1318が所定のパターンに従って遠視野強度パターン1366を動的に成形するために必要な位相シフトを生成するために、位相変調制御モジュール1330は、各位相変調器1318によって生成される必要がある特定の位相変調出力に対応する電圧を、正確に各位相変調器1318に適用しなければならないことが理解される。
位相変調制御モジュール1330によって位相変調器1318に印加される電圧が、位相変調器1318によって必要とされ、かつ意図された位相変調出力を生成することを確実にするために、OPAレーザ1300は、好ましくは、電圧対位相相関サブシステム1380を含む。電圧対位相相関サブシステム1380は、好ましくは、位相変調サブシステム1332に印加される電圧と、位相変調サブシステム1332によって、より具体的にはその位相変調器1318によって生成される位相変調出力とを相関させるように動作する。
さらに、電圧対位相相関サブシステム1380は、好ましくは、位相変調サブシステム1332を較正する際に有用な電圧対位相相関出力を提供するように動作する。好ましくは、電圧対位相相関サブシステムは、結合されたレーザ出力1322の位相を変更する過程で、電圧と位相変調出力との間の相関を定期的に実施する。
OPAレーザ1300に電圧対位相相関サブシステム1380などの相関および較正サブシステムを含めることは、位相変調器1318に印加される電圧が、出力ビーム1322の所望の位相シフト、ひいては遠視野強度パターン1366の形状を生成するのに必要な電圧であることを確実にするので、非常に有利であることが理解される。本発明の好ましい実施形態で使用するのに好適な位相変調器が、典型的に、高感度のデバイスであり、それらとは異なるものは、典型的に、異なる電圧-位相関係を示すことを考えると、このことは特に重要である。さらに、個々の位相変調器の電圧-位相関係は一定ではなく、経時的に動作条件に応じて変更する可能性がある。
位相変調制御モジュール1330および電圧-位相相関制御モジュール1380によって提供される位相変調および較正はそれぞれ、必ずしも必要ではないが、好ましくは、レーザ1300の出力がノイズを有する場合に、OPAレーザ1300の出力へのノイズ補正の適用と協働して実施されることが理解される。この場合、位相変調制御モジュール1330および電圧-位相相関制御モジュール1380は、位相制御サブシステム130(図1A)、230(図2A)、330(図3A)、および430(図4A)などの位相制御サブシステムの特に好ましい実施形態を、組み合わせて形成すると見なすことができる。
本発明での使用に好適な例示的な電圧-位相相関および較正レジームは、図14のフローチャート1400に示されている。しかしながら、フローチャート1400の特定のステップは単に例示であり、電圧-位相相関サブシステム1380は、出力ビーム1322の位相変更中に定期的に位相変調サブシステム1332を較正することができるOPAレーザ1300内の任意の好適なサブシステムとして実装できることが理解される。さらに、フローチャート1400に示される様々なステップは、示され説明される順序で必ずしも実施される必要はなく、ステップの様々なものが省略されてもよく、または当業者には明らかであろうように、追加若しくは代替のステップによって補完されてもよいことが理解される。
第1のステップ1402に見られるように、位相変調制御モジュール1330は、好ましくは、チャネル1316に沿ったサブビームの所望の位相シフトを生成するために、位相変調器1318に電圧を印加する。次いで、基準出力ビーム1372の遠視野強度パターンは、第2のステップ1404で見られるように、検出器1350で測定される。次いで、サブビームの必要な位相シフトが確認され、電圧が再び位相変調器1318に印加される。第1のステップ1402での電圧の印加および第2のステップ1404での基準出力ビーム1372の測定は、所与の繰り返し率で定期的に多数回繰り返されてもよい。単に例として、第1および第2のステップは、毎秒100万回のレートで20回繰り返されてもよい。
第1および第2のステップ1402、1404の所定回数、例えば20回の繰り返しに続いて、電圧対位相相関サブシステム1380が起動されてもよい。第3のステップ1406に見られるように、2πの位相シフトを生成するように意図された電圧は、好ましくは、1つの位相変調器1318に印加される。第4のステップ1408に見られるように、次いで、遠視野強度パターン1372の強度は、好ましくは、検出器1350で測定される。
次いで、第5のステップ1410で、遠視野強度パターン1372の位相シフトがチェックされ、位相シフトがゼロであるかどうかが確認される。第3のステップ1406で印加される電圧が実際に2πの位相シフトを生成する電圧である場合、ビーム1322の位相シフトはゼロとなり、したがって、遠視野強度パターン1372の強度は印加された電圧に応じて変化しないことが理解される。この場合、第3のステップ1406で2πの位相シフトが適用された位相変調器1318は、正しく較正されていることが分かり、特定の位相変調器1318の追加の較正は不要である。
第3のステップ1406で印加された電圧が2πの位相シフトを生成しない場合、ビーム1322の位相シフトは非ゼロとなり、したがって、第7のステップ1414でそうであることが分かったように、遠視野強度パターン1372の強度は、印加された電圧に応答して変化することが、さらに理解される。この場合、印加された電圧と結果として生じる位相シフトとの間の関係は、好ましくは、第7のステップ1414で導出される。次いで、位相変調器1318は、好ましくは、第8のステップ1416で見られるように、第7のステップ1414で導出された電圧-位相関係に従って較正される。
クエリ1418で見られるように、第8の較正ステップ1416での特定の位相変調器1318の較正または第5のステップ1410での特定の位相変調器1318の適切な較正の確認に続いて、電圧対位相相関サブシステム1380は、好ましくは、所定の第9のステップ1420に見られるように、所定数の位相変調器1318が較正されたかどうかをチェックし、必要に応じて次の位相変調器を較正するために進む。電圧対位相相関サブシステム1380は、システム1300に含まれる全ての位相変調器1318を連続して較正してもよく、またはN個の位相変調器1318などの所定数の位相変調器1318を連続して較正してもよい。所定数の位相変調器1318が較正されると、サブシステム1380は、好ましくは、非アクティブ化され、出力ビーム1322の位相変更は、ステップ1402で再開される。
電圧対位相相関サブシステム1380が起動される周波数は、好ましくは、出力ビーム1322の位相変更が実施される周波数よりもかなり低いことが理解される。例として、出力ビーム1322の位相変更は、毎秒100万回実施されてもよく、電圧対位相相関は、毎秒1回起動されてもよい。
さらに、フローチャート1400はノイズ補正のためのステップを含まないが、そのようなノイズ補正は、図1A~図4Cを参照して本明細書で上述されたように、出力ビーム1322に寄与するサブビームの位相シフトの過程において適用され得ることが理解される。
次に図15を参照すると、図15は、本発明の追加の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、動的ビームのスケーリングされた位相修正を含む光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略平面図である。
図15に見られるように、光フェーズドアレイ(OPA)レーザシステム1500が提供され、このOPAレーザ1500は、図1A~図4Cを参照して本明細書で概説されたタイプを有してもよい。OPAレーザ1500は、好ましくは、シードレーザ1512と、レーザビーム分割および結合サブシステム1514と、を備える。分割および結合サブシステム1514は、好ましくは、シードレーザ1512からの出力レーザビームを受け取り、対応する複数のチャネル1516に沿って、出力されたレーザビームを複数のサブビームに分割する。ここで、単に例として、シードレーザ1512からの出力は、16個の対応するチャネル1516に沿って16個のサブビームの4×4マトリックスに分割されてもよく、そのうちの4個のサブビームおよびチャネル1516は、図15のOPAレーザ1500の上面図に示されている。しかしながら、分割および結合サブシステム1514は、シードレーザ1512の出力が分割される、より少ないまたはより多い数のチャネルを含んでもよく、典型的には、32個以上のチャネルなどのはるかに多数のチャネルを含んでもよいことが理解される。
各サブビームの相対位相は、好ましくは、チャネル1516の各々に沿って位置付けられている位相変調器1518によって個々に変調されてもよい。シードレーザ1512の出力の分割およびその後の位相変調によって生成される各位相変調されたサブビームは、好ましくは、コリメートレンズ1519に向かって伝播する。個々にコリメートされ、位相変調されたサブビームは、その後、例えばレンズ1520の焦点面において結合されて、出力ビーム1522を形成する。
分割および結合サブシステム1514はまた、好ましくは、シードレーザ1512の出力ビームをサブビームに分割した後に、サブビームを結合して出力ビーム1522を形成する前に、サブビームのレーザ増幅を提供することもできる。ここで、例として、分割および結合サブシステム1514は、各サブビームを増幅するためのチャネル1516のうちの対応するチャネルに沿って位置付けられている複数の光増幅器1524を含むように示されている。しかしながら、そのような増幅は、OPAレーザ1500の電力出力使用に応じて選択可能であり、省略されてもよいことが理解される。
出力ビーム1522の位相、したがって、その遠視野強度パターンの位置および形状は、出力ビーム1522を形成するために結合された構成サブビームの相対位相によって、少なくとも部分的に制御される。本明細書で上述されたように、レーザ切断、レーザ溶接、自由空間光通信、およびレーザ付加製造などの多くの用途では、出力ビームの遠視野強度パターンを動的に移動して成形することが望ましい。図1A~図4Cを参照して本明細書で上述されたように、出力ビームのパラメータの動的変更は、チャネル1516に沿った個々のサブビームの相対位相を動的に変更し、それによって、結合されたレーザ出力1522の位相を変更して、その遠視野強度パターンの位置および形状を動的に制御することことによって達成することができる。
多数の個別のサブビームを含むOPAレーザ1500の場合、サブビームの他の全てのサブビームの位相に対する各サブビームの位相測定および対応する位相修正は、関与する多数の個々のサブビームに起因して困難である場合がある。具体的には、結合された出力1522に寄与する多数の個々のサブビームに起因して、結合されたレーザ出力1522の位相を動的に制御するために、他のサブビームに対して個々の各サブビームの位相を測定して修正するのにかかる時間は、許容できないほど長くなる可能性がある。さらに、信号対雑音比は許容できないほど低くなる可能性がある。
OPAレーザ1500が、結合されたレーザ出力の位相変調を拡張された方法で実行するための位相変調サブシステム1530を含むことが、本発明の好ましい実施形態の特定の特徴である。より具体的には、位相変調サブシステム1530は、好ましくは、レーザ分割および結合サブシステム1514によって提供されるサブビームの少なくとも一部分をグループにグループ化し、次いで、サブビームの各グループ内で、グループ内の他のサブビームに対してのみ位相変調を実施する。このようなグループ位相変調は、好ましくは、サブビームの様々な個々のグループにわたって並列に実施される。次いで、位相変調サブシステム1530は、好ましくは、以下に詳述される方法で、結合されたレーザ出力1522の位相を変更するために、サブビームのグループの他のグループの位相に対してサブビームの各グループの位相を最適化する。
位相変調サブシステム1530は、好ましくは、位相変調器1518の動作制御における位相制御電子モジュール1532を含む。位相制御電子モジュール1532は、好ましくは、位相変調サブシステム1530によって確認されるように、出力ビーム1522の所望の遠視野強度パターンに従って、チャネル1516に沿ったサブビームの相対位相を動的に変調するように、各位相変調器1518を制御する。
出力ビーム1522への位相変更の適用を容易にするために、OPAレーザ1500の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、複数の検出器1550に向かって方向付けられる。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、必要な位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。図15に示される実施形態では、チャネル1516に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器1560に向かって方向付けられる。ビーム分割器1560は、所定の比率に従って、各サブビームを透過部分1562と反射部分1564とに分割することが好ましい。例えば、ビーム分割器1560は、99.9%の透過率:0.01%の反射率で各サブビームを分割することができる。
サブビームの透過部分1562は、好ましくは、焦点レンズ1520に向かって伝播し、焦点レンズ1520において、サブビームが結合されて、遠視野強度パターン1566を有する出力ビーム1522を形成する。サブビームの反射部分1564は、好ましくは、円柱レンズ1568に向かって伝播する。円柱レンズ1568は、好ましくは、レンズ1568の湾曲方向に沿ってサブビームを集束させることによって、サブビームの反射部分1564を受け取り、サブビームを多数のグループにグループ化するように動作する。ここで、例として、サブビームは、4つのグループ1570に収束されるように示されており、各グループ1570は、4つのサブビームから構成されている。
好ましくは、円柱レンズ1568によってグループ化されたサブビームの各グループ1570は、複数の検出器1550のうちの対応する検出器の表面に入射する遠視野強度パターン1572を有するビームを形成する。各検出器1550は、好ましくは、そこに入射するグループ遠視野強度パターン1572をサンプリングする。各検出器1550は、制御モジュール1532に含まれる対応する制御電子機器サブモジュール1574と協働して、次いで好ましくは、それによってサンプリングされたサブビーム1570のグループ内のサブビームの相対位相を、グループ1570内の他のサブビームの位相に対して最適化する。そのようなサンプリングおよび最適化は、好ましくは、全ての検出器1550にわたる遠視野強度パターン1572のうちの遠視野強度パターンに対して、並列に、好ましくは同時に実行される。位相最適化に好適な様々なアルゴリズムは、図1A~図4Cを参照して上述されたような、ノイズ補正アルゴリズムを含む逐次または非逐次最適化アルゴリズムを含む。
グループ1570の他のグループに対するグループ1570の各々の相対位相を最適化するために、グループ1570の一部分は、好ましくは、補助ビーム分割器1580によって、補助円柱レンズ1582に方向付けられる。サブビームを集束させるために、補助円柱レンズ1582の曲率は、好ましくは、円柱レンズ1568の曲率に対して直交していることが理解される。補助円柱レンズ1582は、好ましくは、サブビーム1570のグループを、補助検出器1588に入射する遠視野強度パターン1586を有する単一のビーム1584に集束させる。補助検出器1588は、そこで、サブビーム1570の全てのグループの組み合せのパターンに対応する遠視野強度パターン1586を有する単一のビームを受け取ることが好ましい。補助検出器1588は、好ましくは、電子制御モジュール1532に含まれる追加の位相制御電子機器サブモジュール1590と協働して、グループ1570の位相を互いに対してサンプリングおよび最適化する。特に好ましくは、位相制御電子モジュール1532の1つの機能は、補助検出器1588の総電力を最大化する位相シフトを適用するために、各位相変調器1518を制御することである。
各サブビームの位相が、そのグループ1570の他のサブビームのメンバーの位相に関して最適化され、グループ1570の位相が、結合されたレーザ出力1522の位相を変更するように互いに対して最適化される、上述された拡張された方法で位相変調を実行することは、OPA1500における他の全てのサブビームの位相に対して、個々の各サブビームの位相を最適化するよりもはるかに迅速であり、かつ複雑でないことが理解される。さらに、これにより、位相最適化は、制御電子機器の単一のセットを必要とするのではなく、各検出器1550にそれぞれ連結された各制御電子機器サブモジュール1574内の制御電子機器の個々のセットによって実行され、信号対雑音比を改善することができる。
グループ1570の他のグループに対して、グループ1570の各々の相対位相を最適化する機能は、グループ1570の各々の各サブビーム部材の個々の位相を変調するように動作する個々の位相変調器1518によってではなく、グループ1570の各々の集合位相を変調するように動作する追加のグループ位相変調器によって代替的に実行されてもよいことが理解されよう。そのような配置の例示的な実装は、図16に示されており、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,893,494号に記載されている位相変調構成に概ね類似し得る。
図16に見られるように、システム1500は、グループ1570の数に対応する一連のグループ位相変調器を追加することによって修正されてもよい。ここで、例として、図16に見られるように、システム1500は16個のサブビームを含み、そのうちの4つは4つのグループ1570の各々に含まれ、その結果、合計4つの追加のグループ位相変調器1618がシステム1500に含まれてもよい。各グループ位相変調器1618は、好ましくは、各グループ1570の一部を形成する4つのチャネル1516に共通であり、それに接続された4つのチャネル1516に沿ったサブビームの集合グループ位相を最適化する位相シフトを提供する。
好ましくは、グループ位相変調器1618のうちのグループ位相変調器は、好ましくは、制御モジュール1532に含まれる追加の制御サブモジュール1690によって制御される。補助検出器1588は、好ましくは、追加の制御サブモジュール1690に連結されている。個々のサブビーム位相変調器1518によってではなく、グループ位相変調器1618によってグループ1570の相対位相を互いに比較して最適化することは、より効率的であり、位相変調プロセスを単純化することができるが、追加の位相変調器および回路要素の使用を必要とし、したがって、システム1500のコストおよび複雑さを増加させることが理解される。
結合されたレーザ出力1522の位相の変更は、好ましくは、出力1522の空間変調を提供する。位相変調サブシステム1530によって実行される位相変調の拡張された性質に起因して、結合されたレーザ出力1522の位相は、機械的空間変調機構によって達成可能なレートよりも速いレートで非常に急速に変更され得ることが理解される。OPAレーザ1500によって提供される空間変調は、当技術分野で知られているように、追加の機械的空間変調メカニズムによって任意に増強されてもよく、または機械的空間変調を含まなくてもよい。
ビーム分割器1560、焦点レンズ1520、円柱レンズ1568、補助ビーム分割器1580、および補助円柱レンズ1582を含む、本明細書に示される光学素子の特定の構造および構成は単に例示であり、非常に簡略化された形態で示されていることが理解される。OPAレーザシステム1500は、様々なそのような要素、ならびに単に例として、追加または代替のレンズ、光ファイバ、およびコヒーレント自由空間遠視野結合器を含む、追加の光学素子を含み得ることが理解される。
さらに、円柱レンズ1568は、個々のサブビームを、等しい数のサブビームを含む相互に類似または同一のグループにグループ化するような光学特性を有し得ることが理解される。代替的に、円柱レンズ1568は、個々のサブビームを、異なる数のサブビームを含む相互に異なるグループにグループ化するような光学特性を有し得る。
図15または図16に示されているタイプのOPAレーザシステムの例示的な実装が、図17Aおよび図17Bに示されている。次に図17Aおよび図17Bを参照すると、シードレーザ1512などのシードレーザ(図示せず)からの出力レーザビームが、対応する複数のチャネル1716に沿って複数のサブビームに分割されるOPAレーザシステム1700が提供される。例として、レーザ出力は、例として、100個の対応するチャネル1716に沿って100個のサブビームの10×10マトリックスに分割され得る。提示を明確にするために、サブビームのうち選択されたサブビームのみが図17Bに示されていることが理解される。チャネル1716に沿ったサブビームは、その後、コリメートおよび集束レンズ1519、1520などのコリメートおよび集束要素(図示せず)によってコリメートおよび集束されて、結合された出力ビームを生成することができる。
出力ビームへの位相変更の適用を容易にするために、OPAレーザ1700の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、複数の検出器1750に向かって方向付けられる。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、必要な位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。図17Aおよび図17Bに示される実施形態では、チャネル1716に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器1760に向かって方向付けられる。ビーム分割器1760は、所定の比率に従って、各サブビームを透過部分1762と反射部分1764とに分割することが好ましい。
サブビームの透過部分1762は、好ましくは、結合されて、出力ビームを形成する。サブビームの反射部分1764は、好ましくは、円柱レンズ1768に向けて反射され、この円柱レンズ1768は、円柱レンズ1568の特に好ましい実施形態である。円柱レンズ1768は、好ましくは、サブビームの反射部分1764を受け取り、サブビームを円柱レンズ1768の湾曲方向に沿って多数のグループに集束させるように動作する。例として、100個のサブビームの場合、円柱レンズ1768は、サブビームを10個のサブビームの10個のグループ1770に集束させることができる。
好ましくは、円柱レンズ1768によってグループ化されたサブビームの各グループ1770は、複数の検出器1750のうちの対応する検出器の表面に入射する遠視野強度パターンを有するビームを形成する。例として、複数の検出器1750は10個の検出器1750を含んでもよく、各々が、10個の個々のサブビームを含むグループビームをサンプリングする。各検出器1750は、制御モジュール1532などの対応する制御電子モジュール(図示せず)と協働して、次いで、好ましくは、それによってサンプリングされるサブビームのグループ1770に含まれるサブビームの位相を最適化する。このようなサンプリングおよび最適化は、好ましくは、検出器1750の全てにわたって並列に、好ましくは、同時に実行される。
グループ1770の他のグループの位相に対するグループ1770の各々の相対位相を最適化するために、グループ1770の一部分は、好ましくは、補助ビーム分割器1780によって、補助円柱レンズ1782に方向付けられる。補助円柱レンズ1782は、補助円柱レンズ1582の特に好ましい実施形態であることが理解される。サブビームを集束させるために、補助円柱レンズ1782の曲率は、好ましくは、円柱レンズ1768の曲率に対して直交していることが理解される。補助円柱レンズ1782は、好ましくは、サブビーム1770のグループを、補助検出器1788に入射する1つの組み合わされたビーム1784に集束させる。
補助検出器1788は、好ましくは、サブビーム1770の全てのグループの組み合わせのパターンに対応する遠視野強度パターンを受け取り、位相制御電子機器(図示せず)と協働して、グループ1770の位相を互いに対してサンプリングおよび最適化する。互いに対するグループ1770の位相の最適化は、図15を参照して本明細書で上述されたように、位相変調器1518による個々のサブビームの位相の位相変調によるものであり得るか、または図16を参照して本明細書で上述されたように、グループ位相変調器1618によるサブビームのグループの位相の位相変調によるものであり得ることが理解される。
次に図18を参照すると、図18は、本発明の別の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、動的ビームのスケーリングされた位相修正を含む光フェーズドアレイレーザシステムの簡略化された概略平面図である。
図18に見られるように、光フェーズドアレイ(OPA)レーザシステム1800が提供され、このOPAレーザ1800は、図1A~図4Cを参照して本明細書で概説されたタイプを有してもよい。OPAレーザ800は、好ましくは、シードレーザ1812と、レーザビーム分割および結合サブシステム1814と、を備える。分割および結合サブシステム1814は、シードレーザ1812から出力レーザビームを受け取り、対応する複数のチャネル1816に沿って出力レーザビームを複数のサブビームに分割することが好ましい。ここで、単に例として、シードレーザ1812からの出力は、16個の対応するチャネル1816に沿って16個のサブビームの4×4マトリックスに分割されてもよく、そのうちの4個のサブビームおよびチャネル1816は、図18のOPAレーザ1800の上面図に示されている。しかしながら、分割および結合サブシステム1814は、シードレーザ1812の出力が分割される、より少ないまたはより多い数のチャネルを含んでもよく、典型的には、32個以上のチャネルなどのはるかに多数のチャネルを含んでもよいことが理解される。
各サブビームの相対位相は、好ましくは、チャネル1816の各々に沿って位置付けられている位相変調器1818によって個々に変調されてもよい。シードレーザ402の出力の分割およびその後の位相変調によって生成される各位相変調されたサブビームは、好ましくは、コリメートレンズ1819に向かって伝播する。個々にコリメートされ、位相変調されたサブビームは、その後、例えばレンズ1820の焦点面において結合されて、出力ビーム1822を形成する。
分割および結合サブシステム1814はまた、好ましくは、シードレーザ1812の出力ビームをサブビームに分割した後に、サブビームを結合して出力ビーム1822を形成する前に、サブビームのレーザ増幅を提供することもできる。ここで、例として、分割および結合サブシステム1814は、各サブビームを増幅するためのチャネル1816のうちの対応するチャネルに沿って位置付けられている複数の光増幅器1824を含むように示されている。しかしながら、そのような増幅は、OPAレーザ1800の電力出力要件に応じて選択可能であり、省略されてもよいことが理解される。
出力ビーム1822の位相、したがって、その遠視野強度パターンの位置および形状は、出力ビーム1822を形成するために結合された構成サブビームの相対位相によって、少なくとも部分的に制御される。本明細書で上述されたように、レーザ切断、レーザ溶接、自由空間光通信、およびレーザ付加製造などの多くの用途では、出力ビームの遠視野強度パターンを動的に移動して成形することが望ましい。図1A~図4Cを参照して本明細書で上述されたように、出力ビームのパラメータの動的変更は、チャネル1816に沿った個々のサブビームの相対位相を動的に変更し、それによって、結合されたレーザ出力1822の位相を変更して、その遠視野強度パターンの位置および形状を動的に制御することことによって達成することができる。
多数の個々のサブビームを含むOPAレーザ1800の場合、サブビームの他の全てのサブビームの位相に対する各サブビームの位相測定および対応する位相修正は、関与する多数の個々のサブビームに起因して困難である場合がある。具体的には、結合された出力1822に寄与する多数の個々のサブビームに起因して、結合されたレーザ出力1822の位相を動的に制御するために、他のサブビームに対して個々の各サブビームの位相を測定して修正するのにかかる時間は、許容できないほど長くなる可能性がある。さらに、信号対雑音比は許容できないほど低くなる可能性がある。
OPAレーザ1800が、結合されたレーザ出力の位相変調を拡張された方法で実行するための位相変調サブシステム1830を含むことが、本発明の好ましい実施形態の特定の特徴である。より具体的には、位相変調サブシステム1830は、好ましくは、レーザ分割および結合サブシステムによって提供されるサブビームの少なくとも一部分をグループにグループ化し、次いで、サブビームの各グループ内で、グループ内の他のサブビームの位相に対してのみ位相変調を実施する。そのようなグループ位相変調は、好ましくは、様々な個々のグループにわたって並列に実施される。次に、位相変調サブシステム1830は、好ましくは、以下に詳述される方法で、結合されたレーザ出力1822の位相を変更するために、サブビームのグループの他のグループの位相に対してサブビームの各グループの位相を最適化する。
位相変調サブシステム1830は、好ましくは、位相変調器1818の動作制御における位相制御電子モジュール1832を含む。位相制御電子モジュール1832は、好ましくは、位相変調サブシステム1830によって確認されるように、出力ビーム1822の所望の遠視野強度パターンに従って、チャネル1816に沿ったサブビームの相対位相を動的に変調するように、各位相変調器1818を制御する。
出力ビーム1822への位相変更の適用を容易にするために、OPAレーザ1800の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、複数の検出器1850に向かって方向付けられる。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、必要な位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。図18に示される実施形態では、チャネル1816に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器1860に向かって方向付けられる。ビーム分割器1860は、好ましくは、事前決定された比率に従って、各サブビームを透過部分1862と反射部分1864とに分割する。例えば、ビーム分割器1860は、99.9%の透過率:0.01%の反射率で各サブビームを分割してもよい。
サブビームの透過部分1862は、好ましくは、焦点レンズ1820に向かって伝播し、焦点レンズ1820において、サブビームが結合されて、遠視野強度パターン1866を有する出力ビーム1822を形成する。サブビームの反射部分1864は、ミラー1868のアレイに向かって反射されることが好ましく、各ミラー1868は、対応する集束レンズ1869に対して離間された関係で位置決めされる。例として、ミラーアレイ1868は、4つの集束レンズ1869に対して離間された関係で位置決めされた4つのミラー1868を備えてもよく、そのうちの2つが図18のシステム1800の上面図に見える。
ミラー1868は、好ましくは、そこに入射したサブビームを対応する集束レンズ1869に向けて反射させ、それによって、サブビームの反射部分1864を多数のグループにグループ化するように動作するように角度が付けられ、ここでは例として、4つのグループ1870として具体化され、各グループ1870は、4つのサブビームを含み、そのうちの2つのグループは、図18のシステム18100の上面図に見られる。
好ましくは、ミラー1868の各々で反射されたサブビームの各グループは、対応する焦点レンズ1869によって集束され、サブビームのグループを備え、複数の検出器1850のうちの対応する検出器の表面に入射する遠視野強度パターン1872を有する単一のビーム1870を形成する。各検出器1850は、制御モジュール1832に含まれる対応する制御電子機器サブモジュール1874と協働して、次いで、好ましくは、それによってサンプリングされたサブビーム1870のグループ内のサブビームの相対位相を、グループ1870内の他のサブビームの位相に対して最適化する。そのようなサンプリングおよび最適化は、好ましくは、全ての検出器1850にわたる遠視野強度パターン1872のうちの遠視野強度パターンに対して、並列に、好ましくは同時に実行される。位相最適化に好適な様々なアルゴリズムは、図1A~図4Cを参照して本明細書で上述された、ノイズ補正アルゴリズムを含む逐次または非逐次最適化アルゴリズムを含む。
グループ1870の他のグループに対するグループ1870の各々の相対位相を最適化するために、反射部分1864の一部分は、好ましくは、補助ビーム分割器1880を介して、補助レンズ1882に方向付けられる。補助レンズ1882は、好ましくは、そこに入射するサブビームを、補助検出器1888に入射する遠視野強度パターン1886を有する単一のビーム1884に集束させる。補助検出器1888は、好ましくは、そこで、サブビーム1870の全てのグループの組合せのパターンに対応する遠視野強度パターン1886を有する単一のビームを受け取る。補助検出器1888は、好ましくは、電子制御モジュール1832に含まれる位相制御電子機器サブモジュール1890と協働して、グループ1870の位相を互いに対してサンプリングおよび最適化する。特に好ましくは、位相制御電子モジュール1832の1つの機能は、補助検出器1888の総電力を最大化する位相シフトを適用するために、各位相変調器1818を制御することである。
各サブビームの位相が、そのグループ1870の他のサブビームのメンバーの位相に対して最適化され、グループ1870の位相が、結合されたレーザ出力1822の位相を変更するように互いに対して最適化される、上述された拡張された方法で位相変調を実行することは、OP1800における他の全てのサブビームの位相に対して、個々の各サブビームの位相を最適化するよりもはるかに迅速であり、かつ複雑でないことが理解される。さらに、これにより、位相最適化は、制御電子機器の単一のセットを必要とするのではなく、各検出器1850に連結された各制御電子機器サブモジュール1874内の制御電子機器の個々のセットによって実行され、信号対雑音比を改善することができる。
グループ1870の他のグループに対して、グループ1870の各々の相対位相を最適化する機能は、グループ1870の各々の各サブビーム部材の個々の位相を変調するように動作する個々の位相変調器1818によってではなく、グループ1870の各々の集合位相を変調するように動作する追加のグループ位相変調器によって代替的に実行されてもよいことが理解されよう。そのような配置の例示的な実装は、図19に示されており、そのいくつかの態様において、米国特許第9,893,494号に記載されている位相変調構成に概ね類似し得る。
図19に見られるように、システム1800は、グループ1870の数に対応する一連のグループ位相変調器を追加することによって修正されてもよい。ここで、例として、図19に見られるように、システム1800は16個のサブビームを備え、そのうちの4つは4つのグループ1870のそれぞれに含まれ、その結果、合計4つの追加のグループ位相変調器1918がシステム1800に含まれてもよい。各グループ位相変調器1918は、好ましくは、各グループ1870の一部を形成する4つのチャネル1816に共通であり、4つのチャネル1816に沿ったサブビームの集合グループ位相を最適化する位相シフトを提供する。
好ましくは、グループ位相変調器1918のうちのグループ位相変調器は、好ましくは、制御モジュール1832に含まれる追加の制御サブモジュール1990によって制御される。補助検出器1888は、好ましくは、追加の制御サブモジュール1990に連結されている。個々のサブビーム位相変調器1818によってではなく、グループ位相変調器1918によってグループ1870の相対位相を互いに比較して最適化することは、より効率的であり、位相変調プロセスを単純化することができるが、追加の位相変調器および回路要素の使用を必要とし、したがって、システム1800のコストおよび複雑さを増加させることが理解される。
結合されたレーザ出力1822の位相の変更は、好ましくは、出力1822の空間変調を提供する。位相変調サブシステム1830によって実行される位相変調の拡張された性質に起因して、結合されたレーザ出力1822の位相は、機械的空間変調機構によって達成可能なレートよりも速いレートで非常に急速に変更され得ることが理解される。OPAレーザ1800によって提供される空間変調は、当技術分野で知られているように、追加の機械的空間変調メカニズムによって任意に増強されてもよく、または機械的空間変調を含まなくてもよい。
ビーム分割器1860、焦点レンズ1820、ミラーアレイ1868、および対応する焦点レンズ1869を含む、本明細書に示される光学素子の特定の構造および構成は、単に例示であり、非常に簡略化された形態で示されていることが理解される。OPAレーザシステム1800は、様々なそのような要素、ならびに単に例として、追加または代替のレンズ、光ファイバ、およびコヒーレント自由空間遠視野結合器を含む、追加の光学素子を含み得ることが理解される。
さらに、ミラー1868および対応する焦点レンズ1869は、個々のサブビームを等しい数のサブビームを含む相互に類似または同一のグループにグループ化するように、相互に類似または同一の光学特性を有し得ることが理解される。代替的に、ミラー1868および対応する焦点レンズ1869は、個々のサブビームを異なる数のサブビームを含む相互に異なるグループにグループ化するように、相互に異なる光学特性を有し得る。
図18または図19に示されているタイプのOPAレーザシステムの例示的な実装が、図20Aおよび図20Bに示されている。次に、図20Aおよび図20Bを参照すると、シードレーザ1812などのシードレーザ(図示せず)からの出力レーザビームが、対応する複数のチャネル2016に沿って複数のサブビームに分割されるOPAレーザシステム2000が提供される。ここで、単に例として、レーザ出力は、対応する100個のチャネル2016に沿って100個のサブビームの10×10マトリックスに分割されてもよく、提示を明確にするために、サブビームのうちの選択されたサブビームのみが図20Bに示されている。チャネル2016に沿ったサブビームは、その後、コリメートおよび集束レンズ1819、1820などのコリメートおよび集束要素(図示せず)によってコリメートおよび集束されて、結合された出力ビームを生成することができる。
出力ビームへの位相変更の適用を容易にするために、OPAレーザ2000の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、複数の検出器2050に向かって方向付けられる。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、必要な位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。図20Aおよび図20Bに示される実施形態では、チャネル2016に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器2060に向かって方向付けられる。ビーム分割器2060は、所定の比率に従って、各サブビームを透過部分2062と反射部分2064とに分割することが好ましい。
サブビームの透過部分2062は、好ましくは、結合されて、出力ビームを形成する。サブビームの反射部分2064は、ミラー2068のアレイに向かって反射されることが好ましく、各ミラー2068は、対応する集束レンズ2069に対して離間された関係で位置決めされる。ミラーのアレイ2068およびレンズ2069は、ミラーのアレイ1868および集束レンズ1869の特に好ましい実施形態であることが理解される。
ミラー2068は、好ましくは、そこに入射したサブビームを対応する集束レンズ2069に向けて反射させ、それによって、サブビームの反射部分2064を多数のグループにグループ化するように動作するように角度が付けられ、ここでは例として、4つのグループとして具体化され、各グループ2070は、25個のサブビームを含む。好ましくは、ミラー2068の各々で反射されたサブビームの各セットは、対応する焦点レンズ2069によって集束されて、25個のサブビーム2070のグループを含む単一のビームを形成する。サブビーム2070の各グループは、複数の検出器2050のうちの対応する検出器の表面に入射する。各検出器2050は、好ましくは、そこに入射する遠視野強度パターンをサンプリングする。各検出器2050は、制御モジュール1832に含まれる制御電子機器サブモジュール1874のような対応する制御電子機器サブモジュール(図示せず)と協働し、次いで、好ましくは、それによってサンプリングされたサブビーム2070のグループに含まれるサブビームの位相を最適化して、結合された位相が所望のグループ遠視野強度パターンを生成する。そのようなサンプリングおよび最適化は、好ましくは、全ての検出器2050にわたる遠視野強度パターンのうちの遠視野強度パターンに対して、並列に、好ましくは同時に実行される。
グループ2070の他のグループに対するグループ2070の各々の相対位相を最適化するために、反射部分2064の一部分は、好ましくは、補助ビーム分割器2080によって、補助レンズ2082に方向付けられる。補助レンズ2082は、好ましくは、反射部分2064の一部分を、補助検出器2088に入射する単一のビーム2084に集束させる。補助検出器2088は、好ましくは、そこで、サブビームの全ての組み合せのパターンに対応する遠視野強度パターンを有する単一のビームを受け取る。補助検出器2088は、好ましくは、電子制御モジュール1832に含まれる位相制御電子機器と協働して、グループ2070の位相を互いに対してサンプリングおよび最適化する。
互いに対するグループ2070の位相の最適化は、図18を参照して本明細書で上述されたように、位相変調器1818による個々のサブビームの位相の位相変調によるものであり得るか、または図19を参照して本明細書で上述されたように、グループ位相変調器1918によるサブビームのグループの位相の位相変調によるものであり得ることが理解される。
図15~図20BのOPAレーザ1500、1700、1800および2000の上述された実施形態では、位相変調は、好ましくは、複数のグループ内のサブビームの位相測定を同時に実施するために使用される検出器1550、1750、1850、2050などの複数の検出器と、複数のグループを含む単一のビームの位相測定を実施するために使用される補助検出器1586、1786、1886、2086のような単一の検出器と、を用いて、拡張された方法で実行されることが理解される。
しかしながら、本発明の好ましい実施形態に従って構築されて動作するシステムは、関与するサブビームの数に応じて、検出器および対応する光学素子のやはり追加の階層を含むように、さらに拡張可能であり得ることが理解される。
例として、図21に示されるように、OPAレーザシステム1500は、サブビームのうちのグループ1570を、中間グループが中間検出器2106に入射する中間グループ2104に集束するための追加の集束レンズ2102をさらに含むように修正されてもよい。次いで、中間グループ2104がさらに組み合わされ、かつ単一の検出器2108に入射し、そこで単一の検出器2108中間グループ2104は、互いに対して位相修正されることが好ましい。
図15~図21を参照して本明細書で上述されたOPAレーザシステムのいずれかは、図6~図8を参照して本明細書で上述された本発明の実施形態に従って、出力ビームのサンプリングを改善するために、OPAレーザシステム内の個々の検出器のうちの1つ以上を、複数の検出器および対応する複数の緊密に離間された光路に置き換えることによって、修正されてもよいことが追加的に理解される。さらに、図15~図21を参照して本明細書で上述されたOPAレーザシステムのいずれかは、出力ビームのサンプリングをさらに改善するために、図9~図12を参照して本明細書で上述された本発明の実施形態に従って、OPAレーザシステム内で使用される複数の検出器のうちの1つ以上の検出器をマスクする透過型または反射型の検出器マスクを含むように、代替的に修正されてもよい。
図15~図21を参照して本明細書で上述されたOPAレーザシステムのいずれかは、そこで使用される位相変調器の正しい較正を確実にするために、図13および図14を参照して本明細書上述されされた本発明の好ましい実施形態に従って、電圧-位相較正機能を含むように修正されてもよいことがさらに理解される。
次に、図22Aおよび22Bを参照すると、これらは、本発明の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、光フェーズドアレイレーザシステムのそれぞれの第1および第2の焦点状態の簡略化された概略図である。
図22Aおよび図22Bに見られるように、好ましくは、光フェーズドアレイ(OPA)レーザ2202を含むレーザシステム2200が提供される。OPAレーザシステム2200は、内容が参照により本明細書に組み入まれる、本発明と同じ譲受人に譲渡された米国特許第9,584,224号または米国特許出願第15/406,032号に概説されているタイプを有してもよい。あるいは、OPAレーザシステム2200は、本明細書の上記の図1A~図21のいずれかひとつまたはそれらの組み合わせを参照して記載されたタイプのレーザシステムであってもよい。
拡大図2210で最もよく分かるように、OPAレーザ2202は、好ましくは、シードレーザ2212と、シードレーザ2212からのレーザ出力を受け取り、結合されたレーザ出力を提供するレーザビーム分割および結合サブシステム2214と、を含む。レーザビーム分割および結合サブシステム2214は、好ましくは、シードレーザ2212からのレーザ出力の分割に続いて、分割および結合サブシステム2214によって実施される結合の前に、結合されたレーザ出力の位相を変更するための複数の位相変調器2218を含む。
シードレーザ2212の出力の分割およびその後の位相変調によって生成される各位相変調されたサブビームは、好ましくは、コリメートレンズ2219に向かって伝播する。個々にコリメートされ、位相変調されたサブビームは、その後、例えば焦点レンズ2220において結合されて、出力ビーム2222を形成する。
分割および結合サブシステム2214はまた、好ましくは、シードレーザ2212の出力ビームをサブビームに分割した後に、サブビームを結合して出力ビーム2222を形成する前に、サブビームのレーザ増幅を提供することもできる。ここで、例として、分割および結合サブシステム2214は、各サブビームを増幅するための複数の光増幅器2224を含むように示されている。しかしながら、そのような増幅は、OPAレーザ2200の電力出力使用に応じて選択可能であり、省略されてもよいことが理解される。
出力ビーム2222の位相、したがって、その遠視野強度パターンの位置および形状は、出力ビーム2222を形成するために結合された構成サブビームの相対位相によって、少なくとも部分的に制御される。図1A~図5Gを参照して本明細書で上述されたように、レーザ切断、レーザ溶接、レーザ付加製造、および光自由空間通信などの多くの用途では、出力ビーム2222の遠視野強度パターンを動的に移動および成形することが望ましい。これは、レーザシステム2200において、レーザ分割および結合サブシステム2214が、個々のサブビームの相対位相を動的に変更し、それによって、結合されたレーザ出力2222の位相を変更して、その遠視野強度パターンの位置および形状を動的に制御するようにすることによって達成することができる。
サブビームの相対位相は、好ましくは、所望のレーザ出力パターンに従って事前決定される。特に好ましくは、変更する相対位相は、位相制御サブシステム2230によって適用される。位相制御サブシステム2230は、好ましくは、OPAレーザシステム2200内の制御電子機器モジュール2232の一部を形成し、好ましくは、図1A、図2A、図3A、および好ましくは、図4Aの位相制御サブシステム130、230、330、430をそれぞれ参照して本明細書で上述されたように、サブビームの相対位相を動的に変調するように、各位相変調器2218を制御する。
OPAシステム2200に固有のノイズに起因して、出力ビーム2222はノイズを有する場合がある。出力ビーム2222のノイズは、典型的には、熱的または機械的効果によって、および/または光増幅器2224がOPAシステム2200内にある場合の増幅プロセスによって生成される位相ノイズである。出力ビーム2222がノイズを有する場合、OPAシステム2200は、以下に詳述される方法で、出力ビーム2222中のノイズをキャンセルするために、ノイズキャンセル位相補正出力を提供するように動作するノイズキャンセルサブシステム2240を含んでもよい。
特に好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム2240は、必ずしも必要ではないが、好ましくは、図1A~図4Cを参照して本明細書で上述されたタイプの、結合されたレーザ出力中の位相ノイズを検知および補正するアルゴリズムを使用する。ノイズキャンセル位相補正出力は、好ましくは、ノイズキャンセルサブシステム2240によって位相変調器2218に提供されて、出力ビーム2222の位相ノイズを補正し、したがって、そうでなければノイズによって引き起こされるであろう出力ビーム2222の遠視野強度パターンの形状および位置の歪みを回避する。ノイズキャンセルサブシステム2240は、制御電子機器モジュール2232に含まれてもよい。
代替的に、出力ビーム2222内のノイズが深刻ではない場合、ノイズキャンセルサブシステム2240は、OPAシステム2200から取り除かれてもよく、それに対してノイズ補正は実施されない。
出力ビーム2222に関連する場合の位相変更およびノイズ補正の適用を容易にするために、OPAレーザ2202の出力の一部分は、好ましくは、抽出され、少なくとも1つのの検出器2250に向かって方向付けられる。ここで、例として、少なくとも1つの検出器2250が単一の検出器2250として具体化されるように示されている。しかしながら、少なくとも1つの検出器2250は、図6~8を参照して本明細書で上述されたように、緊密に離間された光路を介してOPAレーザ2202の出力の一部分を受け取る複数の検出器として具体化されてもよいか、または図9~図12を参照して本明細書で上述されたように、透過型または反射型光学マスクを介してOPAレーザ2202の出力の一部分を受け取る少なくとも1つの検出器として具体化されてもよいことが理解される。出力ビームの抽出された部分は、好ましくは、必要なノイズ補正および/または位相変更が計算され得る特性に基づいて、基準ビームとして機能する。
本発明の好ましい実施形態によれば、チャネル2216に沿った複数のサブビームは、ビーム分割器2260に向かって方向付けられる。ビーム分割器2260は、所定の比率に従って、各サブビームを透過部分2262と反射部分2264とに分割することが好ましい。例えば、ビーム分割器2260は、99.9%の透過率:0.01%の反射率で各サブビームを分割することができる。
サブビームの透過部分2262は、好ましくは、焦点レンズ2220に向かって伝播し、焦点レンズ2220において、サブビームが結合されて、遠視野強度パターン2266を有する出力ビーム2222を形成する。サブビームの反射部分2264は、好ましくは、追加の焦点レンズ2268に向かって反射され、追加の焦点レンズ2268において、サブビームが結合されて、複数の検出器2250のうちの1つ以上の表面に入射する遠視野強度パターン2272を有する出力基準ビーム2270を形成する。
特定の用途では、出力ビーム2222は、好ましくは、基板2280の遠視野強度パターン2266が好ましくは入射する基板2280に向けて方向付けられる。基板2280は、OPAレーザ2202によって処理されているワークピースであってもよい。例えば、OPAレーザ2202は、ワークピース2280を付加的に製造、切断、溶接、焼結、または他の方法で処理するように動作してもよい。位相制御サブシステム2230は、好ましくは、出力ビーム2222を基板2280に集束させるために、出力ビーム2222の位相を変更する。位相制御サブシステム2230によるそのような位相変更の適用がない場合、出力ビーム2222は、基板2280に集束されないことが理解される。
本発明の好ましい実施形態の特定の特徴は、焦点レンズ2220が、位相変更が適用されていない場合のOPAレーザ2202の出力ビーム2222が、レンズ2220によって基板2280の表面上に集束されないように設計されていることである。例として、位相変更が適用されていない出力ビーム2222の構成を示す図22Aの考察から理解されるように、焦点レンズ2220は、出力ビーム2222を含む非位相変更コリメート波面2282を基板2280の表面上の焦点2284に集束させるように光学的に設計されていてもよい。
出力ビーム2222に位相変化が適用される場合の出力ビーム2222の構成を示す図22Bの考察から理解されるように、出力ビーム2222の位相変更は、好ましくは、代表的な位相修正波面2286の場合に見られるように、波面2282の形状、ひいては焦点を修正するのに役立つが、この位相修正波面2286は、好ましくは、焦点レンズ2220を介して基板2280上に集束される。したがって、基板2280上の出力ビーム2222の集束は、焦点レンズ2220だけではなく、図22Bに示されるように、焦点レンズ2220と組み合わせたその位相変更によって達成されることが理解される。
基板2280上の出力ビーム2222の集束がその位相変更によって達成される結果として、基板2280から生じる後方散乱は、それに応じて、焦点レンズ2220によってOPAレーザ2202上に集束されない。当技術分野でよく知られているように、レーザビームによって処理された表面からの後方散乱は、典型的に、レーザに戻り、特にレーザ増幅システムにおいて、レーザを損傷する可能性がある。本発明では、焦点レンズ2220は、後方散乱をOPAレーザ2202に向けて集束せず、したがって、後方散乱は、OPAレーザ2202に到達および損傷しないため、このような損傷は回避される。
基板2280からOPAレーザ2202に向かう後方散乱の例示的な戻り経路が図23に示されている。図23に見られるように、基板2280から発する後方散乱レーザビーム2300は、好ましくは、焦点レンズ2220に到達する。しかしながら、後方散乱レーザビーム2300は、好ましくは、焦点レンズ2220によってOPAレーザ2202に集束されず、それによって、それらへの損傷を防止する。焦点レンズ2220が従来のレーザシステムにおける典型的な場合のように、OPAレーザ2202からの非位相修正レーザ出力を基板2280上に集束するように設計されている場合、後方散乱ビーム2300の経路は、それに応じて、焦点レンズ2220によってOPAレーザ2202上に集束され、したがって、焦点レンズ2220に損傷を引き起こす可能性があることが理解される。
本発明の特定の実施形態では、基板2280上のOPAレーザ2202の出力の集束は、焦点レンズ2220が不要になるように、出力ビーム2222の適切な位相変更によってのみ実施され得ることが理解される。
図1A~図23を参照して本明細書で上述されたように、シードレーザからの出力は、その増幅のために増幅システムに方向付けられてもよい。当業者にはよく知られているように、増幅システムに給電するシードレーザによるレーザ出力の欠陥は、増幅システムに損傷をもたらす可能性がある。シードレーザに接続された増幅システムに損傷を引き起こす原因となるシードレーザによるレーザ出力の典型的な欠陥は、シードレーザ出力の電力の減少およびレーザ線幅の劣化を含む。結果として生じる増幅システムへの損傷は、数ナノ秒程度、増幅システムに含まれる可能性のある内部検知メカニズムの応答時間の前に、非常に急速に発生する可能性がある。
接続されたシードレーザに障害がある場合に、増幅システムへの損傷を防止するための本発明の好ましい実施形態が、次に、図24~図33を参照して記載される。以下に記載されるシードレーザ障害保護システムは、図1A~図23を参照して本明細書で上述されたタイプのいずれかのOPAレーザに組み込むことができ、シードレーザおよびそれに接続された増幅器を含む、他の任意のレーザシステムに組み込むことができることが理解される。
次に、図24を参照すると、図24に見られるように、好ましくは、レーザ出力を提供するシードレーザ2402および増幅サブシステムを含むレーザシステム2400が提供され、ここでは例として、増幅サブシステムは電力増幅器2404として具体化され、シードレーザ2402からのレーザ出力を受け取り、レーザ出力を増幅して増幅されたレーザ出力2406を提供するレーザシステム2400は、例として、マスターオシレータ電力増幅器(MOPA)レーザとして具体化されてもよく、またはシードレーザおよび電力増幅器を含む他の任意のレーザシステムであってもよい。シードレーザ2402からのレーザ出力は、好ましくは、第1の光路2408を介して電力増幅器2404に到達し、ここでは例として、第1の光路2408は、コイル状光ファイバ2410を含むものとして具体化される。
シードレーザ2402のレーザ出力中の起こり得る欠陥を検出するために、システム2400は、好ましくはシードセンサ2420として具体化され、シードセンサ2402からの出力を受け取る検出器サブシステムをさらに含むことが好ましい。シードレーザ2402からのレーザ出力は、好ましくは、第2の光路2422を介して検出器サブシステム2420に到達する。検出器サブシステム2420は、レーザ出力中の特性を検知するための、より具体的には、レーザ出力中の起こり得る障害を検出するための1つ以上のセンサを含でもよい。センササブシステム2420は、好ましくは、電力増幅器2404に動作可能に結合される。センササブシステム2420は、好ましくは、シードレーザ2402からのレーザ出力の障害を検出すると、電力増幅器2404を非アクティブ化するように構成される。
本発明の好ましい実施形態の特定の特徴は、シードレーザ2402から電力増幅器2404への第1の光路2408に沿ったレーザ出力の第1の飛行時間(TOF=T1)が、シードレーザ2402からセンササブシステム2420への第2の光路2422に沿ったレーザ出力の第2の飛行時間(TOF=T2)と、センササブシステム2420が電力増幅器2404を非アクティブ化するのに要する時間との組み合わせよりも大きいことである。
シードレーザ2402から電力増幅器2404へのレーザ出力の飛行時間が比較的長い結果として、センササブシステム2420は、受け取ったレーザ出力の障害を検出して、電力増幅器2404を非アクティブ化してから、電力増幅器2404は、欠陥のあるレーザ出力を受信し、それによって、電力増幅器2404への損傷を防止する。
シードレーザ2402から電力増幅器2404へのレーザ出力の飛行時間の延長は、センサ2420がレーザ出力の障害を検知し、電力増幅器2404によって欠陥のあるレーザ出力を受け取る前に、必要に応じて電力増幅器2404を非アクティブ化するための時間を可能にするために、図24に示された本発明の実施形態において、第1の光路に沿ったファイバコイル2410を含めることによって達成される。例として、ファイバコイル2410は、10kmの物理的長さを有してもよく、それに沿ったレーザ出力の飛行時間は、約50マイクロ秒であってもよい。したがって、シードレーザ2402からの出力に障害が発生した場合、電力増幅器2404は、シードレーザ2402からの障害のある出力信号の開始後、50マイクロ秒の間、障害のない入力信号を受信し続ける。
シードレーザ2402とセンササブシステム2420との間の光路は、コイル2410を含まず、直接の、したがってはるかに短い光路であり得る。したがって、シードレーザ2402からセンササブシステム2420へのレーザ出力の飛行時間は、好ましくは、50マイクロ秒よりもはるかに短く、例えば、30マイクロ秒以下の程度である。したがって、シードレーザ2402からの出力に障害が発生した後、センササブシステム2420は、したがって、シードレーザ2402と電力増幅器2404との間の時間遅延が満了する前に、レーザ出力を迅速に受け取り、その中の故障を検出し、電力増幅器2404をオフにすることができる。結果として、電力増幅器2404がセンササブシステム2420によって検出された障害信号を受け取る前に、電力増幅器2404は、好ましくは、センササブシステム2420によってスイッチがオフにされ、それによって、電力増幅器2404への損傷を防止する。
シードレーザ2402と電力増幅器2404との間の光路の延長、したがって、そこに沿った飛行時間の増加は、シードレーザ2402とセンササブシステム2420との間の光路の時間および長さと比較して、シードレーザ2402と電力増幅器2404との間の光路に沿ったファイバコイルを含める方法によって達成されることに限定されないことが理解される。むしろ、シードレーザ2402と電力増幅器2404との間の光路は、例えば、図25に示されるように、そこに沿った光遅延線2500を含めることを含む、任意の好適な手段によって延長されてもよい。さらに、図26に示されるように、シードレーザ2402と電力増幅器2404との間の光路は、自由空間光路2600であってもよく、その場合、そこに沿った飛行時間は、反射ミラーなどの光学素子の使用によって延長されてもよい。しかしながら、第1の光路2408にコイル状ファイバ2410を含めることは、そのコンパクトな構成に起因して、およびコイル状ファイバ2410によるシードレーザ出力の光学モードの維持に起因して、特に有利であり得ることが理解される。
図24に示されるコイル状ファイバ2410の特定の構成は、単に代表的かつ例示的なものであることが理解される。コイル状ファイバ2410は、任意の好適な形態で具体化されてもよく、コイル状ファイバ2410によって提供される光路の有効長さをさらに増加させるために、レーザ出力が光路のに沿って一方向または前後に移動するように適合させることができる。
ここで図27を参照すると、図27は、本発明のなおも別の好ましい実施形態に従って構築されて動作する、シードレーザ故障保護システムを含むレーザ増幅システムの簡略化された概略図である。
図27に見られるように、レーザ出力を提供するシードレーザ2702を好ましくは含むレーザシステム2700が提供される。シードレーザ2702は、好ましくは第1の増幅器2703に接続され、第1の増幅器2703は、好ましくは、ここでは例として、電力増幅器2704として具体化される第2の増幅器2704に接続され、増幅されたレーザ出力2706を提供する。レーザシステム2700は、例として、マスターオシレータ電力増幅器(MOPA)レーザとして具体化されてもよく、またはシードレーザおよび電力増幅器を含む他の任意のレーザシステムであってもよい。
当業者にはよく知られているように、また本明細書で詳細に上述されたように、シードレーザ2702によるレーザ出力の欠陥は、電力増幅器2704に損傷をもたらす可能性がある。電力増幅器2704に損傷を引き起こすシードレーザ2702によるレーザ出力の典型的な欠陥は、シードレーザ出力の電力の停止または減少およびレーザ線幅の劣化を含み得る。電力増幅器へのそのような損傷は、電力増幅器2704に含まれ得る内部検知機構の応答時間の前に、数ナノ秒の程度で非常に急速に発生する可能性がある。
シードレーザ2702の出力の欠陥の結果としての電力増幅器2704への損傷を回避するために、レーザシステム2700に追加の増幅器2703を含めることは、本発明の好ましい実施形態の特定の特徴である。好ましくは、追加の増幅器2703は、電力増幅器2704によって提供されるものよりもはるかに低い増幅を提供し、シードレーザ2702からのレーザ出力のそれ自体の増幅を目的とするよりも、シードレーザ2702からのレーザ出力の劣化時の電力増幅器2704への損傷を防止する目的のために、システム2700に含まれている。
システム2700の動作において、シードレーザ2702からのレーザ出力は、好ましくは、第1の増幅器2703によって受け取られる。第1の増幅器2703は、好ましくは、第1の増幅されたレーザ出力を提供し、その第1の増幅されたレーザ出力は、好ましくは、第2の増幅器2704によって受け取られて増幅される。
シードレーザ2702のレーザ出力が停止すると、シードレーザ2702の誤動作に起因して、第1の増幅器2703は、シードレーザ2702からのレーザ出力を受け取らなくなる。この場合、第1の増幅器2703は、増幅された自然放出を生成し、その増幅された自然放出は、第2の増幅器2704によって受け取られる。代替的に、第1の増幅器2703は、シードレーザ2702からのレーザ出力が停止すると、第1の増幅器2703がレーザとして動作し始め、追加のレーザ出力を生成するように構成されてもよい。
したがって、シードレーザ2702がレーザ出力の提供を停止した場合でも、第2の増幅器2704は、増幅された自然放出の形態または第1の増幅器2703からの追加のレーザ出力の形態で入力信号を受け取り続けることが理解される。第1の増幅器2703によって第2の増幅器2704に提供される増幅された自然放出は、第2増幅器2704への損傷を防止するのに十分であり、その損傷は、そうでなければ、第2の増幅器2704への信号の提供の停止に起因して発生する可能性があるものである。システム2700は、シードレーザ2702に接続されたセンサを追加的に含み、シードレーザ2702からのレーザ出力の障害を検知し、それに応じて第2の増幅器2704を非アクティブ化し得ることが理解される。
シードレーザ2702の適切な動作中、第1の増幅器2703によって提供される第1の増幅は、好ましくは、第2の増幅器2704によって提供される第2の一次増幅と比較して、無視できる程度であることが理解される。
図27に見られるように、シードレーザ2702からのレーザ出力は、第1の増幅器2703に直接供給されてもよい。代替的に、図28に示されるように、シードレーザ2702および第1の増幅器2703をインターフェースする追加の要素を挿入することができる。特に、許容できないほど狭い線幅のレーザビームをフィルタリングして、そのようなレーザビームが第2の増幅器2704に到達してそれを損傷するのを防止するために、シードレーザ2702と第1の増幅器2703との間にフィルタを挿入することができる。
本発明での使用に好適な線幅フィルタ2800の特に好ましい実施形態が図28に示されている。
次に図28を参照すると、フィルタ構造体2800は、シードレーザ2702の下流および第1の増幅器2703の上流に実装されていると見られる。シードレーザ2702からのレーザ出力は、好ましくは、フィルタ2800への入口で分割器2805で2つの部分に分割され、フィルタ2800から出る前に再結合器2806で再結合される。シードレーザ2702からの分割レーザ出力の第1の部分は、好ましくは、分割器2805と再結合器2806との間のフィルタ2800の第1のアーム2807に沿って進む。シードレーザ2702からの分割レーザ出力の第2の部分は、好ましくは、分割器2805と再結合器2806との間のフィルタ2800の第2のアーム2808に沿って進む。第1および第2のアーム2807および2808の比較から理解されるように、第1のアーム2807は、好ましくは、第2のアーム2808と比較して追加の部分2809を含み、したがって、第2のアーム2808よりも長い。
シードレーザ2702からのレーザ出力が許容できないほど狭い線幅を有する場合、第1および第2のアーム2807および2808からのレーザ出力は、再結合器2806で再結合されたときに、その比較的高いコヒーレンスに起因して相互に干渉する。再結合されたビームは、好ましくは、検出器2810によって検出され、その検出器2810は、好ましくは電子制御モジュール2811に接続される。電子制御モジュール2811は、第2のアーム2808に沿って位置付けられた位相変調器2812の動作制御において、好ましくは、コヒーレントビーム結合(CBC)カードである。位相変調器2812は、好ましくは、再結合器2806での再結合されたビームの実質的に全てが検出器2810に向けて方向付けられるように、第2のアーム2808に沿ってビームの位相を変更するために電子制御カード2811によって動作される。したがって、再結合されたビームは、第1の増幅器2703に向かって進行せず、したがって、第2の増幅器2704に到達してそれに損傷を引き起こすことはない。第1の増幅器2703によるシードレーザ2702からのレーザ出力の受け取りはそれによって停止され、第1の増幅器2703は、本明細書で詳細に上述されたように、増幅された自然放出または追加のレーザ出力のうちの1つを生成する。
シードレーザ2702が適切に動作していて、シードレーザ2702からのレーザ出力が許容できるほど広い線幅を有する場合、第1および第2のアーム2807および2808からのレーザ出力は、再結合器2806で再結合されたときに相互に干渉しない。これは、コヒーレンスが比較的低く、したがって、相互干渉がほとんど発生しないかまたはまったく発生しないように線幅が十分に広いためである。この場合、再結合器2806でのレーザ出力の一部は第1の増幅器2703に向かって進み、再結合器2806でのレーザ出力の一部は、検出器2810に送達される。システム2700を参照して上で概説されたように、第1の増幅器2703によって受け取られたレーザ出力は、好ましくは、続いて第1の増幅器2703によって第2の増幅器2704に提供される。
追加の増幅器2703およびフィルタ構造体2800を含む、図27および図28に示される損傷保護システムは、単独で、または図24~図26に示される保護システムのいずれか1つと組み合わせて使用され得ることが理解される。
次に図29を参照すると、図29は、本発明のなおもさらに好ましい実施形態に従って構築されて動作する、シードレーザ故障保護システムを含むレーザ増幅システムの簡略化された概略図である。
図29に見られるように、好ましくは、第1のレーザ出力2903を提供するシードレーザ2902および増幅サブシステムを含むレーザシステム2900が提供され、ここでは例として、増幅サブシステムは電力増幅器2904として具体化されており、シードレーザ2902からの第1のレーザ出力2903を受け取り、レーザ出力を増幅して増幅されたレーザ出力2906を提供する。レーザシステム2900は、例として、マスターオシレータ電力増幅器(MOPA)レーザとして具体化されてもよく、またはシードレーザおよび電力増幅器を含む他の任意のレーザシステムであってもよい。
シードレーザ2902のレーザ出力中の起こり得る欠陥を検出するために、システム2900は、好ましくはシードセンサ2920として具体化され、シードレーザ2902からの出力を受け取る検出器サブシステムをさらに含むことが好ましい。センササブシステム2920は、レーザ出力中の特性を検知するための、より具体的には、レーザ出力中の起こり得る障害を検出するための1つ以上のセンサを含でもよい。センササブシステム2920は、好ましくは、電力増幅器2904に動作可能に連結される。センササブシステム2920は、好ましくは、シードレーザ2902からのレーザ出力の障害を検出すると、電力増幅器2904を非アクティブ化するように構成される。
本発明の好ましい実施形態の特定の特徴は、レーザシステム2900が、好ましくは補助シードレーザ2930として具体化される補助レーザサブシステムを含むことが好ましいことである。補助シードレーザ2930は、好ましくは、増幅器2904に第2のレーザ出力2932を提供し、第2のレーザ出力2932は、好ましくは、第1のレーザ出力2903の電力よりも著しく低い電力を有する。単に例として、第1のレーザ出力2903は、80~100ミリワットの範囲の第1の出力を有し得るが、第2のレーザ出力2932は、50~70ミリワットの範囲の第2の出力を有し得る。
補助シードレーザ2930は、好ましくは、少なくともシードレーザ2902の停止時に第2のレーザ出力2932を提供して、第1のレーザ出力2903を増幅器2904に提供する。特に好ましくは、補助シードレーザ2930は、好ましくは、シードレーザ2902が第1のレーザ出力2903を増幅器2904に提供すると同時に、またシードレーザ2902が第1のレーザ出力2903の提供を停止したときと同時に、第2のレーザ出力2932を増幅器2904に提供するように継続的に動作する。
シードレーザ2902の適切な動作中、増幅器2904は、好ましくは、シードレーザ2902からの第1のレーザ出力2903と補助シードレーザ2930からの第2のレーザ出力2932との両方を受け取る。第2のレーザ出力2932の電力は、第1のレーザ出力2903の電力よりも著しく低いことに起因して、増幅されたレーザ出力2906への第2のレーザ出力2903の寄与は、好ましくは、無視できる程度である。好ましくは、必ずしも必要ではないが、第2のレーザ出力2932は、増幅されたレーザ出力2906に対する第2のレーザ出力2932の影響をさらに減少するために、第1のレーザ出力2903とは異なる波長を有する。単に例として、第1のレーザ出力2903が1060~1070nmの範囲の第1の波長を有し得る一方で、第2のレーザ出力2932は、1070~1080nmの範囲の第2の波長を有し得る。
シードレーザ2902からのレーザ出力が停止すると、センササブシステム2920によって検知されたシードレーザ2902の誤動作に起因して、センササブシステム2920は、好ましくは、増幅器2904を非アクティブ化するように動作する。増幅器2904および検出器サブシステム2920の有限の応答時間に起因して、増幅器2904は、瞬間的に非アクティブ化されず、シードレーザ2902からのレーザ出力の停止後、限られた時間期間、動作し続ける。この間、増幅器2904は、シードレーザ2902から第1のレーザ出力2903をもはや受け取らないことが理解される。しかしながら、補助シードレーザ2930は、好ましくは、第2のレーザ出力2932を増幅器2904に提供し続ける。したがって、シードレーザ2902がレーザ出力の提供を停止した場合でも、増幅器2904は、第2のレーザ出力2932の形態で入力信号を受け取り続けることが理解される。補助シードレーザ2930によって増幅器2904に提供される第2のレーザ出力2932は、増幅器2904がセンサ2920によって非アクティブ化される前に、信号の供給の停止に起因して損傷が発生する可能性が高い増幅器2904の損傷を防止するのに十分である。
次に図30を参照すると、図30は、本発明のやはりさらに好ましい実施形態に従って構築されて動作する、シードレーザ故障保護システムを含むレーザ増幅システムの簡略化された概略図である。
図30に見られるように、好ましくは、第1のレーザ出力3003を提供するシードレーザ3002および増幅サブシステムを含むレーザシステム3000が提供され、増幅サブシステムは、ここでは例として、電力増幅器3004として具体化されており、シードレーザ3002からの第1のレーザ出力3003を受け取り、レーザ出力を増幅して、増幅されたレーザ出力3006を提供する。レーザシステム3000は、例として、マスターオシレータ電力増幅器(MOPA)レーザとして具体化されてもよく、またはシードレーザおよび電力増幅器を含む他の任意のレーザシステムであってもよい。
シードレーザ3002のレーザ出力の起こり得る欠陥を検出するために、システム3000は、好ましくは、シードレーザ3002からの出力を受け取る検出器サブシステム3020をさらに含む。検出器サブシステム3020は、レーザ出力中の特性を検知するための、より具体的には、レーザ出力中の起こり得る障害を検出するための1つ以上のセンサを含でもよい。センササブシステム3020は、好ましくは、電力増幅器3004に動作可能に連結される。センササブシステム3020は、好ましくは、シードレーザ3002からのレーザ出力の障害を検出すると、電力増幅器3004を非アクティブ化するように構成される。
本発明の好ましい実施形態の特定の特徴は、レーザシステム3000が好ましくは一対の格子3030を含むことである。一対の格子3030は、好ましくは、増幅器3004の入口3034に位置決めされた第1の反射格子3032と、好ましくは、増幅器3004の出口3038に位置決めされた第2の反射格子3036と、を含むことが好ましい。増幅器3004と組み合わされた一対の格子3030は、好ましくは、補助レーザサブシステム3040の好ましい実施形態を形成する。
シードレーザ3002の適切な動作中、増幅器3004は、好ましくは、シードレーザ3002からの第1のレーザ出力3003を受け取り、第1のレーザ出力3003を増幅して、増幅されたレーザ出力3006を提供する。
シードレーザ3002からのレーザ出力が停止すると、センササブシステム3020によって検知されたシードレーザ3002の誤動作に起因して、センササブシステム3020は、好ましくは、増幅器3004を非アクティブ化するように動作する。増幅器3004およびセンササブシステム3020の有限の応答時間に起因して、増幅器3004は、瞬間的に非アクティブ化されず、むしろ、典型的には、シードレーザ3002からのレーザ出力の停止後、限られた時間期間、動作し続ける。この間、増幅器3004は、シードレーザ3002からレーザ出力をもはや受け取らないことが理解される。この場合、反射格子3030は、好ましくは、増幅器3004に信号フィードバックを提供し、その結果、増幅器3004は、一対の格子3030と組み合わせて、好ましくは、レーザとして動作し始める。反射格子3030は、好ましくは、反射格子3030によって提供される信号フィードバックがシードレーザ3002のレーザ出力3003の電力よりも低い電力を有するように、比較的低い反射率を有する。
特に好ましくは、必ずしも必要ではないが、一対の格子3030は、シードレーザ3002の第1のレーザ出力3003の波長とは異なる波長で反射性であり、シードレーザ3002の適切な動作中に、格子3030は増幅された出力3006に無視できるほどの影響しか与えない。単に例として、第1のレーザ出力3003は、1060~1070nmの範囲の波長を有し得るが、格子3030は、1090~1100nmの範囲の波長で反射性であり得る。
したがって、シードレーザ3002がレーザ出力の提供を停止した場合でも、増幅器3004は、格子3030からの信号フィードバックの形態で入力信号を受け取り続けることが理解される。結果として、格子3030と組み合わせた増幅器3004は、シードレーザ3002の動作の停止時にレーザとして動作し始め、それによって、増幅器3004への損傷を防止し、その損傷は、そうでなければ、増幅器への信号の提供の停止に起因して発生する可能性があるものである。
図29および図30に見られるように、シードレーザ2902、3002からのレーザ出力は、それぞれ増幅器2904、3004に直接供給されてもよい。代替的に、図31および図32に示されるように、シードレーザと増幅器をインターフェースする追加の要素を挿入することができる。特に、許容できないほど狭い線幅のレーザビームをフィルタリングして、そのようなレーザビームが増幅器2904、3004に到達し、したがって、それらを損傷するのを防止するために、フィルタ2800または任意の他の好適なフィルタなどの線幅フィルタが、シードレーザ2902、3002と増幅器2904、3004との間にそれぞれ挿入されてもよい。
本明細書で上記で詳述されたように、図24~図32を参照して記載された各レーザシステムは、検出器サブシステム2420、2920および3020などの検出器サブシステムを含むことができる。検出器サブシステムは、好ましくは、シードレーザからの出力を検知するための少なくとも1つのセンサとして具体化される。検出器サブシステム2420、2920および3020などの検出器サブシステムの一部を形成するセンサの特に好ましい実施形態が図33に示されている。しかしながら、図33に示されるセンサは、本明細書に記載されるタイプのシステムにおける使用に限定されず、その使用から利益を得る任意のレーザシステムにおけるレーザ出力センサとして組み込まれ得ることが理解される。
図33に見られるように、検出器サブシステム3320が提供される。シードレーザからのレーザ出力は、好ましくは、入力点3330でセンササブシステム3320に入り、分割器3334に向かって進む。分割器3334では、レーザ出力の1%などの小さな部分が検出器3336に向けて方向付けられ、レーザ出力の残りの部分がセンサ増幅器3340に向かって進む。センサ増幅器3340は、好ましくは、電力増幅器2404、2704、2904、または3004よりも低い電力増幅器である。センサ増幅器3340は、好ましくは、増幅されたレーザ出力を出力し、この増幅されたレーザ出力は、好ましくは、細長い光ファイバ3344を介して追加の検出器3342に送達される。
検出器サブシステム3320の動作において、シードレーザからの出力が停止する場合、追加の検出器3342で検出される増幅されたレーザ出力の強度は減少する。この場合、追加の検出器3342および電力増幅器2404、2704、2904、または3004などの電力増幅器に接続された制御モジュール(図示せず)は、電力増幅器への損傷を防止するために電力増幅器を非アクティブ化することができる。
シードレーザからの出力が劣化して許容できないほど狭い線幅になる場合、非線形効果がファイバ3344で開始されることになる。ファイバ3344は、そのような非線形効果に対して可能な限り敏感になるように有利に構成されることが理解される。この目的のために、シードレーザからのレーザ出力の線幅に対するファイバ3344の感度を高めるために、ファイバ3344は、好ましくはかなりの長さであり、好ましくは小さなコア直径を有する。単に例として、ファイバ3344は、約25mの長さおよび約6ミクロンのコア直径を有してもよい。
シードレーザからの出力の線幅を狭めると、ファイバ3344で開始される非線形効果に起因して、ファイバ3344は、ミラーとして動作し始め、光を増幅器3340に向けて後方に反射する。反射光が増幅器3340に戻る結果、増加した信号は分割器3334に到達し、検出器3336によって検出される。検出器3336で増加した信号が検出されると、電力増幅器は、好ましくは、電力増幅器への損傷を防止するために非アクティブ化される。
本発明は、以下に特に請求されているものによって限定されないことが当業者には理解されよう。むしろ、本発明の範囲には、図面を参照して前述の説明を読むと、当業者が思いつくであろう、本明細書で上述された特徴の様々な組み合わせおよびサブコンビネーション、ならびにそれらの修正および変形が含まれ、これらは先行技術にはないものである。