JP2007013158A - 高出力ファイバ増幅器における誘導ブリルアン散乱(sbs)の抑制 - Google Patents

高出力ファイバ増幅器における誘導ブリルアン散乱(sbs)の抑制 Download PDF

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Abstract

【課題】高出力の狭線幅のファイバ増幅器におけるSBSの存在を緩和する構成を提供する。
【解決手段】高出力の、狭線幅の用途に適したファイバ増幅器は、このファイバ増幅器を異なるブリルアン中心周波数を示す別々の部分にセグメント化することにより、誘導ブリルアン散乱(SBS)の抑制を示す。このファイバ増幅器の隣接するセグメント中のこれらの中心周波数を変更することにより、この逆方向伝搬ストークス信号は、基本的に阻止され、SBSは抑制される。好ましい一実施形態においては、このセグメント化は、このファイバ増幅器の終端部分に追加される。温度修正を含む様々な技法を使用して、この所望の中心周波数シフトを与えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高出力の狭線幅ファイバ増幅器に関し、より詳細には高出力ファイバ増幅器における誘導ブリルアン散乱(stimulated Brillouin scattering:SBS)の存在を抑制するためのセグメント化されたゲインシフト構成(gain shifted arrangement)に関する。
高出力、狭線幅レーザ放射が、低出力の単一周波数の種レーザと、それに続く高出力のファイバ増幅器を利用する主発振電力増幅器(Master Oscillator Power Amplifier:MOPA)構成においてしばしば生成される。これらの発生源は、自由空間光通信(free-space optical communication:FSOC)、距離測定、分光法、干渉分光法など様々な用途のために現在開発中である。従来のファイバ増幅器における達成可能な最大パワーは、一般に誘導ブリルアン散乱(SBS)の開始によって制限されてしまう。SBSとは、ファイバ増幅器中で発生する固有の効果のことであり、増幅器中の順方向伝搬パワーが、ファイバ増幅器を介したパワー転送を制限するやや下方への周波数シフトを伴う逆方向伝搬パワーに変換される。SBSゲインは、ビーム強度、スペクトル幅、およびファイバ長に依存し、次式
Figure 2007013158
として定義されるブリルアンシフト周波数における順方向にも逆方向にも共に伝搬する音響フォノンを生成する。式中、nはこのファイバコアの概略の屈折率であり、λは真空中におけるレーザ波長であり、Vはこのファイバコア中における概略の音速である。SBSは、一般に低出力では起こらず、また信号が伝送される光ファイバの長さが短い場合には起こらないことを理解されたい。
高出力ファイバにおいては、(単一モードファイバについては約6μm、マルチモードファイバについては約25μmの程度の)比較的小さなモード直径(modal diameter)、そのSBSゲイン幅(約50MHz)よりも狭い発生源の線幅、および(およそ10m程度の)比較的長いファイバ長を求める要求が存在する。高出力、狭線幅のレーザにおけるSBSの存在により、いくつかの問題が引き起こされ、すなわち(1)SBSの存在は、この増幅器の最大出力パワーを制限し、(2)この反射されたパワーは、このゲインファイバ中におけるイオン反転(ion inversion)によるさらなる増幅に直面し、それによってこの光ファイバを損傷してしまう可能性がある非常に高いピークパワーをもつ「ジャイアント(giant)」パルスを生成し、(3)この反射された光パワーは、二次反射を受け、その結果、外部パルスが、このファイバ増幅器出力上に現れ、この出力パルスの一時的なスペクトル特性を破壊してしまう可能性がある。
したがって、当技術分野においては、高出力の狭線幅のファイバ増幅器におけるSBSの存在を緩和する構成が依然として求められている。
この従来の技術において依然として存在している必要性は、本発明によって対処され、本発明は、高出力、狭線幅のファイバ増幅器に関し、より詳細には高出力ファイバ増幅器におけるこのSBSの存在を抑制するためのセグメント化されたゲインシフト構成に関する。
本発明によれば、ファイバ増幅器は、異なるブリルアン周波数を有する領域に「セグメント化」(分割化)され、その結果、隣接するセグメント中のブリルアンゲイン曲線の中心周波数は異なっている。異なる中心周波数の出現は、これらの増幅器セグメントを介して逆方向伝搬パルスの連続的なブリルアン増幅を防止することになる。
これらのセグメントを異なる温度に加熱すること、各セグメントのコアの組成を変更すること、このファイバ増幅器の異なるセグメント上に物理的なひずみを与えること、各セグメントのこれらのファイバモード特性を変更することを含めて、本発明に従ってブリルアンゲイン曲線の中心周波数を修正するために使用することができる様々な技法が存在する。
本発明の好ましい一実施形態においては、各隣接するセグメントは、このブリルアンゲイン曲線の中心周波数における(例えばおよそ50MHz程度の)ブリルアンゲイン帯域幅に少なくとも等しい量だけのシフトを示す。
本発明の他のさらなる実施形態および態様については、以下の考察の過程中に、また添付図面を参照することにより明らかになろう。
誘導ブリルアン散乱(SBS)は、(光増幅器中の熱ブリルアン散乱によって生成される)逆方向伝搬ストークス放射が、電気ひずみ効果により高い強度の順方向伝搬信号レーザ放射と混合するときに発生することが知られている。この非線形な相互作用は、以下のように、
Figure 2007013158
として定義されるブリルアンシフト周波数における順方向および逆方向に伝搬する音響フォノンを生成する。式中、nはこの光導波路(例えば、ファイバコア)のコアの概略の屈折率であり、λは(真空中において測定される)伝搬する信号波長であり、Vはこの光導波路のコア中における概略の音速である。典型的な1545nmのλ、1.48のn、および5960m/sのVについての代表的な一構成においては、この計算されるブリルアンシフトは、約11.4GHz(または91pm)である。
順方向に伝搬する音響フォノンの生成は、このストークス後方散乱を促進し、それによってこのストークス放射に対するゲインをもたらし、SBSを生成する。このブリルアンゲイン曲線は、このストークス光周波数v−vに中心が置かれ、ここでvはこの信号の光周波数(v=c/λ、cは真空中における光の速度として定義される)である。このゲインスペクトルは、ゲイン帯域幅Δvにより与えられる半値全幅(full width at half maximum:FWHM)を有し、これは一般に25MHzと50MHzの間に存在する。
本発明によるファイバ増幅器中におけるSBSの抑制は、この反転分布(population inversion)の結果として2つの追加された複雑さを有する。第1に、この信号は、このファイバ増幅器の長さに沿って増加することになり、一般にその出力で最大であり、その結果、このSBSは、このファイバ増幅器の出力において最も生成される可能性が高いことになる。さらに、この逆方向伝搬ストークス放射は、生成された後に、このファイバコア内でこのゲイン媒体によってそれ自体増幅されることになる。本発明の一実施形態によれば、SBS生成は、この終端する端部にこのセグメント化技法を適用することにより、このファイバの出力部分に沿って最小にされる。これはこの局所的な音速およびブリルアンシフトを変化させ、その結果、1つのセグメント中で生成されるストークス放射は、それらの以前のセグメントから追加のブリルアンゲインを受け取ることはない。これらのセグメント長は、この信号パワーがより大きくなり、このSBSしきい値長がより小さくなっているこの増幅器の出力端近くでより短くなることが予想される。
このブリルアンシフト、したがってその関連するゲイン中心周波数は、温度に伴うこの音速(V)の変化の結果としての温度依存性を示す。この周波数シフトは、1545nmの従来の伝搬する光信号波長において約1.2MHz/℃であることが見出されている。したがって本発明の一実施形態によれば、この温度に等しいゲイン帯域幅(約50MHzの所望のΔvについて約42℃)だけ異なる複数の別々の温度ゾーンへのこのファイバのセグメント化は、このファイバ増幅器の全長にわたっての逆方向伝搬ストークス放射の連続的なブリルアン増幅を妨げることになる。
図1は、本発明による、SBSを低減することに対するファイバ増幅器のセグメント化の効果を調査し理解するための代表的な構成を示している。狭線幅パルス化レーザ発生源10を使用して、高出力の狭線幅信号を供給し、この狭線幅信号については、この信号が本発明の代表的なセグメント化されたファイバ増幅器を介して伝搬するときに調査することができる。図1に示されるこの特定の構成においては、発生源10は、250kHzの線幅を有する1545nmのレーザ波長を示す。発生源10は、10kHzの繰り返し周波数を伴い約50nsのパルス幅で動作させられており、5×10−4のデューティサイクル(duty cycle)を提供している。図1を参照すると、次いで発生源10からの出力パルスは、光アイソレータ12を通過させられ、光カプラ14に結合される。(実験的な目的では、1%のタップとすることができる)光カプラ14は、タップオフポート16に沿って比較的少量の信号を提供するように機能し、その結果、この順方向に伝搬する信号を監視することができる。しかし、この大多数の信号は、その後に先細りファイバ束(tapered fiber bundle:TFB)20を介してファイバ増幅器18に注入される。1つまたは複数のポンプレーザ発生源22もまた、TFB20に結合され、これを使用して、この増幅信号をファイバ増幅器18に供給する。図1に示されるような特定の構成においては、1対の915nmのポンプレーザ発生源22−1および22−2を使用してこのポンプ信号入力を供給する。
代表的な従来技術のファイバ増幅器においては、Er−Ybを混合ドーピングされた2重クラッディングファイバを使用することができ、これは、6.34μmのコアモードフィールド径と、0.19のコア開口数(numerical aperture:NA)と、130μmのクラッド径と、従来の低屈折率の外部コーティングとを有する。本発明に関連するSBS抑制における改善を理解する目的のために、(室温に維持された)従来技術のファイバ増幅器18に沿ったSBSの存在が、まず解析される。最初の実験は、10mの長さを有するファイバ増幅器を使用して室温で実施された。ポンプ発生源22のパワーが増大され、この増幅器の平均出力パワーが測定され、カプラ14の逆方向伝搬ストークス放射出口ポート24が、光スペクトラムアナライザ(optical spectrum analyzer:OSA)26を用いて監視された。
図2は、このポンプパワーが、前述のように従来技術の構成において増大させられるときの高分解能(10pm)の従来技術の光スペクトル後方散乱放射を示している。特に、カプラ14のポート24に出現する逆方向伝搬放射レイリー放射およびストークス放射が示されている。とりわけ、このスペクトルのレイリー成分は1545nmのレーザ波長で目に見えるものである。この成分は、従来技術のファイバ増幅器18におけるレイリー光散乱、および反転分布による後続の増幅に帰することができる。約1.5mWの平均出力パワーについての小さなストークス成分は、9.1GHzの周波数シフトに対応する79pmのブリルアンシフトにおいて明らかである(この周波数シフトは11.4GHzの計算されたシフトと適度に一致しているものと考えられる)。この図に示されているように、このストークスピークは、このポンプパワーおよび増幅器出力パワーが増大されるときにレイリーピークに比べてより急速な成長を示す。出力パワーにおけるさらなる増大は、複数のストークス成分を生成することが見出された。
したがって本発明によれば、ファイバ増幅器のセグメント化を使用して、ブリルアンゲイン曲線の中心波長をシフトさせ、ファイバ増幅器におけるSBSの存在を低減させることができる。図1に戻って参照すると、いくつかの例示のセグメント化されたファイバ増幅器が示されている。これらの変形形態は例示的なものにすぎず、他の非常に多数の構成を使用することもできることを理解されたい。さらに、これらの隣接したセグメントに対して温度差を与える代わりに、(前述のような)中心周波数シフトを引き起こす他の手段を使用することもできる。本発明に従って形成される第1のセグメント化されたファイバ増幅器30は、例えば60℃の温度に保持された第1のセグメント32と、室温に保持された第2のセグメント34とを備える。図に示されるように、第2のセグメント34は、比較的短いセグメントであり、ファイバ増幅器30の終端部に配置され、第1のセグメント32は、第2のセグメント34と隣接して配置される。
図1の特定の構成においては、ファイバ増幅器30は、4.0mの長さを有する(60℃に保持された)第1のセグメント32と、0.5mの長さを有する(室温に保持された)第2のセグメント34とを有する10mの全体長を保持している。他のセグメント化されたファイバ増幅器40は、3つの別々のセグメント、すなわち約120℃の温度に保持された第1のセグメント42と、60℃の温度に保持された第2のセグメント44と、室温に保持された第3のセグメント46とを含むものとして示される。図1に示されるように、セグメント化されたファイバ増幅器40はまた、約1.9mの長さを有する第1のセグメント42と、約1.6mの長さを有する第2のセグメント44と、約0.7mの長さを有する第3のセグメント46とを有する10mの全体長を示している。これらの様々なセグメントの諸パラメータを最適化することについての考察は、図5の説明に関連して以下の本明細書中に含まれる。
第3のセグメント化された光ファイバ増幅器50も図1に示されており、この図では、セグメント化されたファイバ増幅器50は、1組の4つの異なるセグメントを備え、これらの4つのセグメントは、従来のファイバ増幅器の端部に追加される。この場合には、第1のセグメント52は、60℃の温度に保持され、第2のセグメント54は、120℃の温度に保持され、第3のセグメントは、90℃の温度に保持され、第4のセグメント58は、室温に保持される。このセグメント化されたファイバ増幅器50の全体長が10mに保持されるこの例示の実施形態においては、第1のセグメント52は、1.9mの長さを有するように示され、第2のセグメント54は、1.4mの長さを有し、第3のセグメント56は、1.3mの長さを有し、第4のセグメント58は、1.0mの長さを有する。いずれの場合にも、様々な温度定義されたセグメントは、スプール(例えば、3〜4インチの直径のアルミニウムスプール)上に従来のファイバ増幅器を巻き、次いで温度制御された支持エレメント上にこのスプールを配置することによって形成することができる。前述のように、これらの周波数シフトされたセグメントをこのファイバ増幅器の終端部に配置することが好ましく、この終端部で、このストークス成分は値が最大になる。しかし、一般にこのセグメント化は、このファイバ増幅器の長さに沿ったどの位置にも配置することができることを理解されたい。
図3は、今までの従来技術のファイバ増幅器ならびに図1に示されるような本発明の個々のセグメント化されたファイバ増幅器のそれぞれについての増幅器平均出力パワーの関数としてのストークス成分中における相対的な光パワーをプロットしたグラフを含んでいる。いずれの場合にも、このストークス成長は、まず室温で測定され、次いで特定の温度セグメント化構成を用いて測定された。しきい値レベルは、このストークスデータを出力パワー軸に線形外挿することにより推定することができる。これらの個々の実施形態では、室温におけるしきい値は、約4.8mWであり、ファイバ増幅器30の2−セグメント構成については12.0mWまで増大し、ファイバ増幅器40の3−セグメント構成については24.6mWまで増大することが示されている。図3に示されるように、ファイバ増幅器50における4つの別々の温度セグメントの利用は、このストークス後方散乱信号の出現を妨げる。その代わりに、この増幅器は、低いインジャンクション(injunction)パワーおよび高い増幅器ゲインの結果として出力パワーの偽のレイジング25mWを示す。
従来技術のファイバ増幅器18と、3−セグメントの発明のファイバ増幅器40についての光スペクトルが、約22mWの平均出力パワーについて図4に示されている(明確にするためにこれらのプロットは、互いにずらされている)。図に示されるように、いくつかの別々のストークス次数は、知られている複数のストークス散乱効果と同様に従来技術構成のスペクトル中において明らかである。下側のトレースは、SBS抑制が7.1dBとなる3−セグメントのファイバ増幅器40についての光スペクトルを示している。このポンプパワーは、0.54mWであり、光の信号対雑音比は約35dBであることが測定された。このストークス光の比較的小さな残留光がこの信号パワーから約27dBのレベルに(このグラフ中にポイント「A」としてラベル付けされ)存在している。本発明によれば、このファイバ増幅器の温度セグメント化の利用により、この望ましくないSBSをかなり低減/解消させることが可能であることが明らかである。
本明細書中において以上で考察された個々の実施例では、温度制御を利用してブリルアン中心周波数の所望のシフトをもたらしてきたが、他の技法を使用することもできる。例えば、このファイバコア領域の組成を変更してこの中心周波数をシフトさせることも可能である。特に、FおよびGeOのコアのドーパント濃度の変動は、それぞれ277MHz/重量%および45MHz/重量%のブリルアンゲインスペクトルにおけるシフトを導入することが示されてきている。代わりに、物理的ひずみをこのファイバに加え、効果的な屈折率効果および複屈折効果の影響を及ぼすこともできる。例えば、およそ10−3程度のひずみは、約50MHzのSBSシフトを生成することになる。さらに、このファイバ増幅器の範囲に沿った位置の関数としてそのコア半径を変化させることによるファイバのモード特性を変更することは、その局所的な音速を変化させ、それによってこのブリルアンゲインスペクトル中の局所的なシフトを導入することになる。本発明に従ってこのモード変更技法を使用して、本発明によるセグメント化されたファイバ増幅器中のSBSの開始を緩和することもできる。
前述のように、本発明による、SBS抑制を最大にすることになるファイバ増幅器の最適なセグメント化構成を識別することが望ましい。図5は、セグメントごとに図5中において「×」によって示された「区切り点」を識別するために使用することができる1つの特定のモデルを示すものである。例示のファイバ増幅器100は、全体長Lを備えるものと仮定する。Pinの初期パワーを有する光入力信号が、長さLに沿った位置z=0における入力ポイントAでファイバ増幅器100に注入される。当技術分野において知られているように、特定の波長でポンプレーザを有する内部クラッディングをポンプすることにより、希土類イオン中で反転分布を達成することによりゲインが達成される。
図5を参照すると、ファイバ100は、大きさのない区切り点α=z/L、式中でi=1、2、...、N−1によって決められるようなN個のセグメントに分割されるものとして示されている。各セグメントは、所定の温度Tに保持され、式中でj=1、2、...、Nであり、隣接するセグメントは、この温度に等しいゲイン−帯域幅よりも大きな温度差ΔT=|T−Tj−1|を有する。このようにして、(セクションjにおいて増幅されるような)逆方向伝搬ストークス放射は、この先行する(j−1)個のセグメント中でさらなるブリルアンゲインを受けることはなくなる。
この全体のストークス後方散乱パワーを最小にすることになる特定の区切り点αを決定することが望ましい。これは、各温度セグメントを独立なファイバブリルアン増幅器として見ることにより実現することができる。したがって、このj番目のセグメントの遠心端(distal end)における入力は、このノイズに等価な熱ブリルアンパワーPとなるはずである。この増幅媒体は、これがファイバ100の長さLに沿って移動するときに、この信号光パワー中における線形な増加を仮定することにより、明らかにされる。したがって、この逆方向伝搬SBSパワーは、以下の式
Figure 2007013158
によって決定することができる。これらの式で、この上側の式は、入力パワーPinから出力パワー出力パワーPoutへのこのゲイン媒体中の信号パワーの線形な成長を記述するものであり、この下側の式は、入力パワーPを有する各ファイバセグメント中のブリルアン増幅を記述するものであり、式中でgは、ブリルアンゲインであり、Aは、(簡単にするために固有のファイバ損失が無視される)このモード区域(modal area)である。
したがって、この全体の逆方向伝搬ストークスパワーは、この下側の式に上側の式を代入し、次いで各セグメントのこの遠心端におけるPのこの増幅器入力境界条件を用いて各セグメントについて積分し、すべてのセグメントについて合計することにより、取得することができる。これは、入力パワーz=0においてこのファイバから出る全体の逆方向伝搬ストークスパワーについての以下の式
Figure 2007013158
をもたらす。式中でβ=0.5・g・Pout・L/Aであり、Pin<<Poutであることが仮定される。上式に最小化ルーチンを適用することは、この全体のストークス放射が、
Figure 2007013158
によって与えられる区切り点において最小化されることを示している。
したがって、図1に示されるような本発明の様々な実施形態にこのファクタを適用することにより、以下の結果、すなわち2−セグメントファイバ増幅器30についてα={0.707}であり、3−セグメントファイバ増幅器40についてα={0.577,0.816}であり、4−セグメントファイバ増幅器50についてα={0.500,0.707,0.866}であり、以下同様であることがもたらされる。この区切り点ファクタの使用は、本発明のファイバ増幅器についての最適な温度分布を設計するためのガイダンスをもたらす。これらの区切り点は、この第1の式によって定義されるプロファイル以外の信号プロファイルでは修正することができることに留意されたい。最も一般的な意味においては、本発明の一般的な設計規則は、これらのセグメントは、この信号がこのSBSを最小にするようにしてより大きくなるこの増幅器の出力端において短くなる必要があることである。
本発明については、特に様々な好ましい実施形態を参照して示し説明してきたが、形態および詳細における様々な修正形態が、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなくその中で行うことができることが当業者には理解されよう。したがって、以上で示唆されたものなどの修正形態は、それだけには限定されないが本発明の範囲内に含まれるものと考えられる。
異なる数の別々のブリルアンゲインシフトされたファイバ増幅器セグメントを利用した本発明のいくつかの異なる実施形態ならびに従来技術の「単一セグメント」ファイバ増幅器を示す図である。 逆方向伝搬レイリー放射およびストークス放射を示す、ポンプパワーの関数として従来技術の後方散乱照射のグラフを含む図である。 図1に示されるような本発明の様々な実施形態についての平均出力パワーの関数としてストークス後方散乱パワーの様々なプロットを含む図である。 従来技術のファイバ増幅器構成についての増幅器出力スペクトルの第1のプロットと、本発明に従って形成されたセグメント化されたファイバ増幅器についての出力スペクトルの第2のプロットとを含むグラフである。 本発明によるセグメント化アーキテクチャを最適化するための特定の技法の簡略化されたモデルを示す図である。

Claims (9)

  1. 誘導ブリルアン散乱(SBS)が低減された光励起希土類ドープファイバ増幅器であって、
    前記ファイバ増幅器の残りの部分に対してシフトされたブリルアン中心周波数を示すように形成された、前記ファイバ増幅器の長さに沿った少なくとも1つのファイバセグメントを備え、前記中心周波数シフトが、前記少なくとも1つのファイバセグメントから前記ファイバ増幅器の隣接する部分まで、逆方向伝搬ストークス信号が通過することを妨害するのに十分であることを特徴とする光励起希土類ドープファイバ増幅器。
  2. 前記少なくとも1つのファイバセグメントが前記ファイバ増幅器の出力終端部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の光励起希土類ドープファイバ増幅器。
  3. 前記少なくとも1つのファイバセグメントは複数のファイバセグメントを備え、各ファイバセグメントは前記ファイバ増幅器の隣接する部分とは異なるブリルアン中心周波数を示すことを特徴とする請求項1に記載の光励起希土類ドープファイバ増幅器。
  4. 前記複数のファイバセグメントが、互いに隣接して配置され、そして前記ファイバ増幅器の出力終端部に位置づけられることを特徴とする請求項3に記載の光励起希土類ドープファイバ増幅器。
  5. 前記ブリルアン中心周波数シフトが、前記少なくとも1つのファイバセグメントの周囲温度を変化させることにより引き起こされることを特徴とする請求項1に記載の光励起希土類ドープファイバ増幅器。
  6. 前記ブリルアン中心周波数シフトが、前記少なくとも1つのファイバセグメントに物理的ひずみを与えることにより引き起こされることを特徴とする請求項1に記載の光励起希土類ドープファイバ増幅器。
  7. 前記ブリルアン中心周波数シフトが、前記少なくとも1つのファイバセグメントの組成を変更することにより引き起こされることを特徴とする請求項1に記載の光励起希土類ドープファイバ増幅器。
  8. 前記ブリルアン中心周波数シフトが、前記少なくとも1つのファイバセグメントのモード特性を変更することにより引き起こされることを特徴とする請求項1に記載の光励起希土類ドープファイバ増幅器。
  9. 前記引き起こされたブリルアン中心周波数シフトは少なくともブリルアンゲイン帯域幅積に等しいことを特徴とする請求項1に記載の光励起希土類ドープファイバ増幅器。
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