JP7455842B2 - 投与用薬液調整具および投与用薬液調整キットならびにそれを用いる投与用薬液調整方法 - Google Patents

投与用薬液調整具および投与用薬液調整キットならびにそれを用いる投与用薬液調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体中の気泡の除去が可能で、かつ、操作性が良好な投与用薬液調整具および投与用薬液調整キットならびにそれを用いる投与用薬液調整方法に関する。
従来から、液体中での安定性が低い一部の注射剤は、凍結乾燥法または噴霧乾燥法等により粉末等に固形化された状態で供される。このような固形化注射剤は、患者に投与される前に、アンプル、バイアル等の固形化注射剤容器において注射用水や生理食塩水等の医療用液体と混合される。
固形化注射剤と医療用液体とを混合する際に、気泡が発生することがある。気泡が発生すると、投与にあたって、混合液を容器からシリンジ等に移す際に、混合液を正確に採取し難くなることや、容器内に混合液が残留する等の不都合を生じる。また、混合液をシリンジに移した後のシリンジの空気抜き操作に伴う混合液の排出は混合液の損失を招く。
さらに、混合液(投与用薬液)中の気泡の存在は、その気液界面での注射剤の成分、特に有効成分の凝集や変性を招き、薬効が低下する等のおそれもある。
特開2012-228332(特許文献1)には、粉末製剤の溶解操作中に生じた気泡を消滅させることの出来る薬液調製用器具が開示されている。
特許文献1の薬液調製用具は、仕切壁と、仕切壁の一方の側に設けられた穿刺針を有するバイアル装着部と、仕切壁の他方の側に設けられた採取デバイス装着ポートとを有する本体部を備え、穿刺針には、一端が採取デバイス装着ポートに開口する薬液通路と、一端が本体部の外周面(外部空間)に開口するエア通路とが形成されている。このような薬液調製用具によれば、粉末製剤が収納されたバイアル内を負圧に保持した状態で粉末製剤と溶解液の混合を行い、溶解操作中にバイアル内に気泡が生じた場合には、エア通路を外部空間と連通することにより、エア通路を通じてバイアル内に外気を流入させて、バイアル内の気泡を消滅させることが出来るとされている。
特開2012-228332号公報
ところが、特許文献1のような薬液調製用具では、粉末製剤と医療用液体とを混合する際に発生する気泡を十分に排除することができず、混合液中に存在する気泡による種々の悪影響を十分に排除することができないおそれがある。
また、本発明者らが、混合液における気泡の発生についてさらに検討したところ、粉末製剤と混合される前の医療用液体に含まれる気体(気泡や泡沫)も、混合液における気泡の発生の一因となっていることを知見した。
さらに、本発明者らが、上記特許文献1のような薬液調製用具の実際の使用を検討した結果、バイアル内で混合液を調製した後、改めて投与用のシリンジに混合液(投与用薬液)を収納する手間が掛かることや、その際に新たな気泡が混入するおそれがあることも判明した。
そこで、本発明は、投与用薬液中の気泡を低減可能で、かつ、投与用薬液の調整操作が容易となる投与用薬液調整具および投与用薬液調整キットならびにそれを用いる投与用薬液調整方法を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
投与用薬液調整具であって、
前記投与用薬液調整具は、シリンジが装着可能な第1ポートと、シリンジが装着可能な第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを連通する液体流路を備える本体部と、前記液体流路を第1ポート側流路と第2ポート側流路に区分する親水性濾過膜と、前記第1ポート側流路と外部とを連通する第1エアー排出孔と、前記第1エアー排出孔を通気可能に封鎖する第1通気性膜と、前記第2ポート側流路と外部とを連通する第2エアー排出孔と、前記第2エアー排出孔を通気可能に封鎖する第2通気性膜とを備えることを特徴とする投与用薬液調整具。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
投与用薬液調整キットであって、
前記投与用薬液調整キットは、上記の投与用薬液調整具と、薬剤を収納し、前記第1ポートに接続可能な第1のシリンジと、医療用液体を収納し、前記第2ポートに接続可能な第2のシリンジとを備えることを特徴とする投与用薬液調整キット。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
上記の投与用薬液調整キットを用いる投与用薬液調整方法であって、
前記第1のシリンジを前記第1ポートに接続し、かつ、前記第2のシリンジを前記第2ポートに接続する工程と、
前記第2のシリンジを操作して、前記第2のシリンジに収納された前記医療用液体を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第2エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第1のシリンジ内に流入させ、前記第1のシリンジ内で前記薬剤と前記医療用液体とを混合し、混合液を調製する工程と、
前記第1のシリンジを操作して、前記第1のシリンジに収納されている前記混合液を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第1エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第2のシリンジ内に流入させる工程とを有する投与用薬液調整方法。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
投与用薬液調整具であって、
前記投与用薬液調整具は、シリンジが装着可能な第1ポートと、シリンジが装着可能な第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを連通する液体流路を備える本体部と、前記液体流路を第1ポート側流路と第2ポート側流路に区分する気泡難透過性親水性濾過膜と、前記第1ポート側流路と外部とを連通する第1エアー排出孔と、前記第1エアー排出孔を通気可能に封鎖する第1通気性膜とを備え、かつ、前記第1ポートおよび前記第2ポートは、ISO規格に適合したメスルアーテーパーを有するメス型接続部であり、前記第1ポートおよび前記第2ポートは、向かい合うように配置されており、かつ、前記第1ポートの軸線は、前記親水性濾過膜に対して30°以下の角度で交差するものとなっており、さらに、前記第1ポート側流路と外部とを連通する前記第1エアー排出孔は、前記第1ポートから離間し、前記第2ポートに近接する位置に設けられている投与用薬液調整具。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
投与用薬液調整キットであって、
前記投与用薬液調整キットは、上記の投与用薬液調整具と、薬剤を収納し、前記第1ポートおよび前記第2ポートに接続可能な第1のシリンジと、医療用液体を収納し、前記第1ポートおよび前記第2ポートに接続可能な第2のシリンジとを備えることを特徴とする投与用薬液調整キット。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
上記の投与用薬液調整キットを用いる投与用薬液調整方法であって、
前記第2のシリンジを前記第1ポートに接続し、かつ、前記第1のシリンジを前記第2ポートに接続する工程と、
前記第2のシリンジを操作して、前記第2のシリンジに収納された前記医療用液体を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第1エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第1のシリンジ内に流入させ、前記第1のシリンジ内で前記薬剤と前記医療用液体とを混合し、混合液を調製する工程と、
前記第1および第2のシリンジを前記投与用薬液調整具より離脱し、前記混合液を収納した前記第1のシリンジを前記第1ポートに接続し、前記第2のシリンジを前記第2ポートに接続するシリンジ装着ポート変更工程と、
前記第1のシリンジを操作して、前記第1のシリンジに収納されている前記混合液を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第1エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第2のシリンジ内に流入させる工程とを有する投与用薬液調整方法。
図1は、本発明の実施例の投与用薬液調整具の平面図である。 図2は、図1におけるA-A断面図である。 図3は、図1に示される投与用薬液調整具を構成するハウジング部材の平面図である。 図4は、図3に示されるハウジング部材に親水性濾過膜を取り付けた状態を示す平面図である。 図5は、図1に示される投与用薬液調整具に設けられたエアベント機構を説明するための拡大図である。 図6は、本発明の実施例の投与用薬液調整キットを示す説明図である。 図7は、図6に示される投与用薬液調整キットを用いる本発明の実施例の投与用薬液調整方法の一工程を説明するための断面図である。 図8は、本発明の実施例の投与用薬液調整方法の図7に示される工程に続く工程を説明するための断面図である。 図9は、本発明の実施例の投与用薬液調整方法の図8に示される工程に続く工程を説明するための断面図である。 図10は、本発明の実施例の投与用薬液調整方法の図9に示される工程に続く工程を説明するための断面図である。 図11は、本発明の別の実施例の投与用薬液調整具の平面図である。 図12は、図11におけるB-B断面図である。 図13は、図11に示される投与用薬液調整具を構成するハウジング部材の平面図である。 図14は、本発明の別の実施例の投与用薬液調整具の平面図である。 図15は、図14におけるC-C断面図である。 図16は、図14に示される投与用薬液調整具を構成するハウジング部材の平面図である。 図17は、図14ないし図16に示される投与用薬液調整具の変形例を示す断面図である。 図18は、図17に示される投与用薬液調整具を構成するハウジング部材の平面図である。 図19は、図14ないし図16に示される投与用薬液調整具の別の変形例を示す断面図である。 図20は、本発明の別の実施例の投与用薬液調整具の平面図である。 図21は、本発明の別の実施例の投与用薬液調整具の図2に対応する断面図である。 図22は、図21に示される投与用薬液調整具を含む投与用薬液調整キットを用いる本発明の別の実施例の投与用薬液調整方法の一工程を説明するための断面図である。 図23は、本発明の別の実施例の投与用薬液調整方法の図22に示される工程に続く工程を説明するための断面図である。 図24は、本発明の別の実施例の投与用薬液調整方法の図23に示される工程に続く工程を説明するための断面図である。 図25は、本発明の別の実施例の投与用薬液調整方法の図24に示される工程に続く工程を説明するための断面図である。
本発明の投与用薬液調整具を図面に示した実施例を用いて説明する。図1ないし図5には投与用薬液調整具1または投与用薬液調整具1を構成する一部の部材が、それぞれ、所定の状態で示されている。
本発明の投与用薬液調整具1は、シリンジが装着可能な第1ポート31と、シリンジが装着可能な第2ポート32と、第1ポート31と第2ポート32とを連通する液体流路20を備える本体部2と、液体流路20を第1ポート側流路21と第2ポート側流路22に区分する親水性濾過膜4と、第1ポート側流路21と外部とを連通する第1エアー排出孔51と、第1エアー排出孔51を通気可能に封鎖する第1通気性膜52と、第2ポート側流路22と外部とを連通する第2エアー排出孔61と、第2エアー排出孔61を通気可能に封鎖する第2通気性膜62とを備えている。
投与用薬液調整具1は、図1および図2に示すように、上面および下面(図2における上側の面および下側の面)が開口し、かつ、第1ポート31および第2ポート32を有するハウジング部材3と、ハウジング部材3の一方の面(ここでは、下面)に固定された第1蓋部材5と、ハウジング部材3の他方の面(ここでは、上面)に固定された第2蓋部材6とを備えている。この実施例では、ハウジング部材3と2つの蓋部材5,6により、第1ポート31、第2ポート32および本体部2が形成されている。
具体的には、ハウジング部材3は、図2および図3に示すように、短い円筒状に形成された環状の側壁部33と、側壁部33より外方に突出する第1ポート31と、第1ポート31と向かい合うように設けられ、側壁部33より外方に突出する第2ポート32とを備える。第1ポート31および第2ポート32内において、ハウジング部材3(本実施形態では側壁部33)の内側と外側とが連通されている。
本実施形態では、第1ポート31および第2ポート32は、ISO規格に適合したメスルアーテーパー(具体的には、ISO規格594-1に適合したメス型ルアーテーパー)を有する接続部となっており、通常のシリンジのノズル(ISO規格594-1に適合したオスルアーテーパーを有する)を液密に接続可能である。
また、第1ポート31および第2ポート32は、この実施例の投与用薬液調整具1のように、向かい合うように設けられることが好ましい。特に、第1ポート31および第2ポート32は、向かい合いかつ両者の軸線が略一致するように設けられることが好ましい。それにより、操作性等のユーザビリティが向上する。
ハウジング部材3の内部には、第1ポート31と第2ポート32とを隔てるように、仕切板部34が設けられている。図2に示す状態において、仕切板部34は、第2ポート32側から第1ポート31側に向かって、徐々に高さが高くなる傾斜状に形成されている。図3に示すように、仕切板部34には、複数(ここでは、5つ)の貫通口35が形成されている。これら貫通口35および後述する親水性濾過膜4を介して、ハウジング部材3内の第1ポート側流路21と第2ポート側流路22間を所定の液体が流通可能となっている。
仕切板部34の一方の側の面(ここでは、図2における上側の面)上には、親水性濾過膜(言い換えれば、通液性フィルタ-)4が配置され、固着されている。親水性濾過膜4は、ハウジング部材3の仕切板部34にヒートシールや接着によって、固定されている。図4に示すように、親水性濾過膜4は、少なくとも仕切板部34に形成された複数の開口35を全て閉塞する大きさを有している。親水性濾過膜4により、ハウジング部材3内は、第1ポート31側と第2ポート32側に区分されている。
なお、親水性濾過膜4としては、親水性多孔質膜、親水性不織布などが使用できる。親水性濾過膜の材料としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、ニトロセルロースなどの親水性素材、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニリデンフロライドなどにより形成された疎水性膜を親水化処理したものも使用できる。本実施形態の親水性濾過膜4は、シリンジのガスケットの押圧による液体流通時において、気泡難透過性、実質的に気泡不透過性のものが用いられる。親水性濾過膜4としては、バブルポイントが20kPa以上であることが好ましく、特に50kPa以上であることが好ましい。なお、このバブルポイントは、JISK3832(ISO4003)に規定される方法によって測定されるものである。
また、親水性濾過膜4としては、膜の細孔の孔径が、0.1~10μmであることが好ましく、特に、0.1~1.0μmであることが好ましい。また、膜の厚さが、10~300μmであることが好ましく、特に、20~200μmであることが好ましい。
本実施形態においては、図2に示されるように、第1ポート31は、その軸線:a1が、親水性濾過膜4に対して角度:θ1で交差するように設けられており、さらに、第2ポート32は、その軸線:a2が、親水性濾過膜4に対して角度:θ2で交差するように設けられている。なお、角度:θ1,θ2は、それぞれ、30°以下であることが好ましい。なお、この実施例の投与用薬液調整具1では、第1ポート31および第2ポート32は、向かい合いかつ両者の軸線が略一致するように設けられる。
投与用薬液調整具1の本体部2を構成する第1蓋部材5は、図2に示すように、ハウジング部材3の下面において、その周縁部が、ハウジング部材3の周縁部に液密に固定されている。図2における、第1蓋部材5の内底面と親水性濾過膜4の下面間は所定長離間し、両者間により、液体流路20の第1ポート側流路21が形成されている。第1蓋部材5は、ハウジング部材3の側壁部33の外形に対応した略円板状に形成されている。
そして、図2および図5に示すように、第1蓋部材5には、エアベント機構が形成されている。具体的には、第1蓋部材5は、ハウジング部材3に固定された状態において、第1ポート31と離間し、第2ポート32に近接する位置に、エアベント機構を備えている。この実施例では、エアベント機構は、複数(ここでは、3つ)の第1エアー排出孔51とそれらを封鎖するように設けられた第1通気性膜52を備える。
さらに具体的には、第1蓋部材5には、図2および図5に示すように、下面に円形の下面側凹部を備え、上面に下方に延びる円形凹部53が形成されており、その内側部分に3つの第1エアー排出孔51が設けられている。なお、第1エアー排出孔の数としては、2~6程度が好ましい。図5に示されるように、3つの第1エアー排出孔51は、円形凹部53の中心に対して略等角度間隔となるように設けられている。また、本実施形態では、円形凹部53の内側に通気性膜支持用リブ54が複数(ここでは、3つ)設けられている。3つの通気性膜支持用リブ54は、円形凹部53の中心に対して略等角度間隔となるように、それぞれ、隣り合う2つの第1エアー排出孔51の間に設けられている。
図2および図5に示すように、円形凹部53の周縁部には、第1エアー排出孔51を取り囲むように、環状段部55が形成されている。環状段部55上には、第1通気性膜52が固定されている。第1通気性膜52は、非透水性かつ熱可塑性通気性膜であり、環状段部55上にヒートシールや接着によって固定されている。第1通気性膜52は、第1エアー排出孔51からの気体の流出を許容し、液体の流出を阻止する。なお、第1通気性膜52としては、熱可塑性樹脂製の多孔質膜または不織布が使用される。第1通気性膜の形成材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート等の熱可塑性疎水性樹脂が用いられる。
投与用薬液調整具1の本体部2を構成する第2蓋部材6は、図2に示すように、ハウジング部材3の上面において、その周縁部が、ハウジング部材3の周縁部に液密に固定されている。図2における、第2蓋部材6の下面と親水性濾過膜4の上面間は所定長離間し、両者間により、液体流路20の第2ポート側流路22が形成されている。第2蓋部材6は、図1に示すように、ハウジング部材3の側壁部33の外形に対応した略円板状に形成されている。
そして、図2に示すように、第2蓋部材6には、エアベント機構が形成されている。具体的には、第2蓋部材6は、ハウジング部材3に固定された状態において、第2ポート32と離間し、第1ポート31に近接する位置に、エアベント機構を備えている。この実施例では、エアベント機構は、複数(ここでは、3つ)の第2エアー排出孔61とそれらを封鎖するように設けられた第2通気性膜62を備える。
第2通気性膜62は、第2エアー排出孔61からの気体の流出を許容し、液体の流出を阻止するものである。なお、第2通気性膜62としては、熱可塑性樹脂製の多孔質膜または不織布が使用される。第2通気性膜の形成材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースアセテート等の熱可塑性疎水性樹脂が用いられる。
なお、本実施形態において、第2蓋部材6は、上述した第1蓋部材5と略同一の構成を備える。すなわち、第2蓋部材6は、エアベント機構を形成するものとして、3つの第2エアー排出孔61、第2通気性膜62、円形凹部63、3つの通気性膜支持用リブ64、および環状段部65を備えるが、これらは、それぞれ、第1蓋部材5における、3つの第1エアー排出孔51、第1通気性膜52、円形凹部53、3つの通気性膜支持用リブ54、および環状段部55に対応するものであるため、詳細な説明を省略する。
図6には、投与用薬液調整具1を備える本発明の投与用薬液調整キット10が示されている。本実施形態の投与用薬液調整キット10は、上述した投与用薬液調整具1と、薬剤71を収納し、第1ポート31に接続可能な第1のシリンジ7と、医療用液体81を収納し、第2ポート32に接続可能な第2のシリンジ8とを備えている。
第1のシリンジ7は、外筒72と、外筒72内に摺動可能に収納されたガスケット73と、ガスケット移動用のプランジャ74とを備えている。外筒72の内面もしくはガスケット73の外面にはシリコーンオイルが塗布されていてもよい。シリコーンオイルが塗布されていることにより、気泡が発生しやすくなった場合であっても、本発明の投与用薬液調整具1ならびに投与用薬液調整キット10では、混合操作(混合液の調製工程)によって、発生した気泡を効果的に除去することができる。また、シリコーンオイルに代えてガスケットの外面にフッ素樹脂や反応性シリコーンの架橋物による被膜を設けることなどにより、シリコーンオイルを用いることなく摺動性を付与することもできる。このようにすると、気泡の発生を抑制することができる。外筒72の先端部(ノズル部75)はシールキャップ76により封止されている。
第1のシリンジ7には、薬剤71が収納されている。薬剤71としては、低分子化合物あるいはバイオ医薬品(生物学的製剤)などの医薬品の粉末状薬剤、凍結乾燥薬剤等の固形化注射剤のほか、投与前に希釈して使用される液状薬剤などどのようなものであってもよい。薬剤としては、例えば、抗生物質、抗菌剤、抗カビ剤等の抗生物質製剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤等の化学療法剤、抗腫瘍剤、全身麻酔剤、抗てんかん剤、精神神経用剤等の中枢神経系用薬、局所麻酔薬、骨格筋弛緩剤、自律神経剤等の末梢神経薬、強心剤等の循環器官用薬、消化性潰瘍用剤等の消化器官用薬、脳下垂体ホルモン剤、甲状腺・副甲状腺ホルモン剤、副腎ホルモン剤等のホルモン剤、麻薬製剤、インターフェロン製剤、ヒト免疫グロブリン製剤や血液凝固因子製剤などの血液製剤、ワクチン等の生物学的製剤などが挙げられる。
特に、薬剤71として、粉末状薬剤を用いた場合、本発明は有効である。さらに、粉末状薬剤として、タンパク質および必要により界面活性剤を含み、凍結乾燥法または噴霧乾燥法等により粉末にされた粉末バイオ製剤を用いた場合に、本発明は特に有効である。なお、レミフェンタニル製剤のような溶解操作が必要な液剤にも使用することができる。
第2のシリンジ8も、第1のシリンジ7と同様に、外筒82と、外筒82内に摺動可能に収納されたガスケット83と、ガスケット移動用のプランジャ84とを備えている。外筒82の内面もしくはガスケット83の外面にはシリコーンオイルが塗布されていてもよく、また、シリコーンオイルに代えてフッ素樹脂や反応性シリコーンの架橋物による被膜が設けられていてもよい。外筒82の先端部(ノズル部85)はシールキャップ86により封止されている。
第2のシリンジ8には、医療用液体81が収納されている。医療用液体81としては、注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液などの製剤調整液体(薬剤溶解液)、さらには、それらに、薬剤(例えば、ビタミン剤、ミネラル類)を含有したものなどが使用される。
本実施形態では、第1のシリンジ7の先端部(ノズル部75)および第2のシリンジ8の先端部(ノズル部85)が、それぞれ、上述した第1ポート31および第2ポート32に対応するオスルアーテーパーを有するオス型接続部となっている。これにより、後述するように、第1のシリンジ7を第1ポート31に、第2のシリンジ8を第2ポート32に差し込んだ際に、両者を気密かつ液密に接続できる。
続いて、上述した投与用薬液調整キット10を用いる投与用薬液調整方法について、図7ないし図10を用いて説明する。
上述した投与用薬液調整キット10を用いる投与用薬液調整方法は、第1のシリンジ7を投与用薬液調整具1の第1ポート31に接続し、かつ、第2のシリンジ8を投与用薬液調整具1の第2ポート32に接続する工程と、第2のシリンジ8を操作して、第2のシリンジ8に収納された医療用液体81を、投与用薬液調整具1を通過させて、第2エアー排出孔61より、気泡を除去した後、第1のシリンジ7内に流入させ、第1のシリンジ7内で薬剤71と医療用液体81とを混合し、混合液90を調製する工程と、第1のシリンジ7を操作して、第1のシリンジ7に収納されている混合液90を、投与用薬液調整具1を通過させて、第1エアー排出孔51より、気泡を除去した後、第2のシリンジ8内に流入させる工程とを有する。
具体的には、まず、図7に示すように、第1のシリンジ7のシールキャップ76を外し、そのノズル部75を、投与用薬液調整具1の第1ポート31に差し込んで接続するとともに、第2のシリンジ8のシールキャップ86を外し、そのノズル部85を投与用薬液調整具1の第2ポート32に差し込んで接続する。 この実施例では、第1ポート31および第2ポート32がISO規格に適合したメスルアーテーパーを有するメス型接続部であり、第1のシリンジ7のノズル部75および第2のシリンジ8のノズル部85が、第1ポート31および第2ポート32に対応するオスルアーテーパーを有するオス型接続部であるため、両者を確実に気密かつ液密状態にて接続できる。このとき、投与用薬液調整具1は、第2エアー排出孔61が上方に向かって開口するように、第2蓋部材6を上側として配置することが好ましい。また、この実施例では、シリンジの装着は逆でもよく、第1のシリンジ7を第2ポートに、第2のシリンジ8を第1ポートに接続してもよい。
次に、図8に示すように、第2のシリンジ8を操作(プランジャ84を押圧し、ガスケット83を前進)して、第2のシリンジ8に収納された医療用液体81を、投与用薬液調整具1を通過させて、第1のシリンジ7内に流入させる。このとき、投与用薬液調整具1の液体流路20内において、医療用液体81に含まれる気泡(泡沫)は、親水性濾過膜4によって第2ポート側流路22から第1ポート側流路21への流通が阻止されるとともに、第2ポート側流路22を構成する第2蓋部材6に設けられた第2通気性膜62を透過し、第2エアー排出孔61より投与用薬液調整具1の外部に放出され、除去される。
なお、上述したように、本実施形態では、第2ポート32の軸線:a2が、親水性濾過膜4に対して所定の角度:θ2をなすように設けられ、かつ、複数の第2エアー排出孔61と第2通気性膜62とを備えるエアベント機構が、第2ポート32と離間し、第1ポート31に近接した位置に設けられている。これにより、図2に示すように、親水性濾過膜4と第2蓋部材6間の距離(言い換えれば、第2ポート側流路22の厚さ)は、第2通気性膜62に近づくに従い、両者間距離は短くなり(言い換えれば、第2ポート側流路22の厚さが小さくなり)、第2通気性膜62と向かい合う部分における親水性濾過膜4と第2通気性膜62間の距離は最も短いものとなっている。このため、より効果的に気泡を第2エアー排出孔61から放出することができる。
親水性濾過膜4および第1ポート側流路21を通過した医療用液体81は、第1のシリンジ7内に流入する。流入した医療用液体81は、第1のシリンジ7内で薬剤71と混合され、それにより薬剤71と医療用液体81の混合液90が調製される。このとき、投与用薬液調整具1において医療用液体81に含まれる気泡が除去されているため、薬剤71と医療用液体81を混合する際の気泡の発生が抑制される。
そして、図9および図10に示すように、第1のシリンジ7を操作(プランジャ74を押圧し、ガスケット73を前進)して、第1のシリンジ7に収納されている混合液90を、投与用薬液調整具1を通過させて、第2のシリンジ8内に流入させる。なお、この操作を実施する前に、投与用薬液調整具1を上下反転させることが好ましい。すなわち、このとき、図9に示すように、投与用薬液調整具1は、第1エアー排出孔51が上方に向かって開口するように、第1蓋部材5を上側として配置することが好ましい。
投与用薬液調整具1の液体流路20内において、混合液90に含まれる気泡は、親水性濾過膜4によって第1ポート側流路21から第2ポート側流路22への流通が阻止されるとともに、第1ポート側流路21を構成する第1蓋部材5に設けられた第1通気性膜52を透過し、第1エアー排出孔51より投与用薬液調整具1の外部に放出され、除去される。親水性濾過膜4および第2ポート側流路22を通過し、気泡が除去された混合液90は、第2のシリンジ内に流入する。これにより、気泡が除去され投与可能な投与用薬液91が収納された第2のシリンジ8を得ることができる。
なお、上述したように、本実施形態では、第1ポート31の軸線:a1が、親水性濾過膜4に対して所定の角度:θ1をなすように設けられ、かつ、複数の第1エアー排出孔51と第1通気性膜52とを備えるエアベント機構が、第1ポート31と離間し、第2ポート32に近接した位置に設けられている。これにより、親水性濾過膜4は、第1通気性膜52に近づくに従い、両者間距離は短くなり、第1通気性膜52と向かい合う部分における親水性濾過膜4と第1通気性膜52間の距離は最も短いものとなっている。このため、より効果的に気泡を第1エアー排出孔51から放出することができる。
このような投与用薬液調整具1においては、医療用液体81や混合液90等の液体の流通方向に関わらず、液体を投与用薬液調整具1を通過させることで、それらの液体中に存在する気泡(泡沫)を除去でき、また、そのような気泡に起因する新たな気泡の発生を抑制することができる。さらに、投与用薬液調整具1を用いた投与用薬液91の調整に際し、第1のシリンジ7および第2のシリンジ8を付け替える必要がない。また、シリンジ7,8を操作することで投与用薬液91を調整することができるため、投与用薬液91の調整操作をより容易に行うことができる。
なお、タンパク質を有効成分とする(タンパク質や界面活性剤を含む)粉末バイオ製剤(生物学的製剤)は、溶解性が低く、泡立ち易い。また、一度発生した泡が消え難いという特性を有する。このような薬剤を用いる場合に、本発明の投与用薬液調整具1は特に有効である。
また、本発明の投与用薬液調整具としては、図11ないし図13に示すような投与用薬液調整具1aであってもよい。なお、投与用薬液調整具1aにおいて、上述した投与用薬液調整具1と対応する構成については、同一の名称および符号を用いて説明を省略するとともに、一部の構成については符号の末尾に「a」を付して、相違点以外の説明を省略する。
この実施例の投与用薬液調整具1aは、第1蓋部材5aおよび第2蓋部材6aの略全体がエアベント機構を構成しており、本体部2aの外形が、上述した投与用薬液調整具1の本体部2の外形よりも小さくされている。そのため、投与用薬液調整具1aをより小型化できるとともに、投与用薬液調整具1aの容積を小さくすることができるため、いわゆるデッドボリュームを小さくできる。すなわち、投与用薬液91の調整後に、投与用薬液調整具1a内に残留する混合液90(投与用薬液91)の量を少なくすることができる。
具体的には、ハウジング部材3aは、図11ないし図13に示すように、短い円筒状に形成された環状の側壁部33aと、側壁部33aより外方に突出する第1ポート31と、第1ポート31と向かい合うように設けられ、側壁部33aより外方に突出する第2ポート32とを備える。第1ポート31および第2ポート32内において、ハウジング部材3a(側壁部33a)の内側と外側とが連通されている。
本実施形態では、第1ポート31および第2ポート32は、ISO規格に適合したメスルアーテーパー(具体的には、ISO規格594-1に適合したメス型ルアーテーパー)を有する接続部となっており、通常のシリンジのノズル(ISO規格594-1に適合したオスルアーテーパーを有する)を液密に接続可能である。
ハウジング部材3aの内部には、第1ポート31と第2ポート32間を横切るように、環状傾斜リブ36が設けられている。図12に示す状態において、環状傾斜リブ36は、第2ポート32側から第1ポート31側に向かって、徐々に高さが高くなる傾斜状に形成されている。図12および図13に示すように、環状傾斜リブ36内に、円盤状の傾斜開口部37が形成されている。この傾斜開口部37および親水性濾過膜4aを介して、ハウジング部材3a内の第1ポート側流路21と第2ポート側流路22間を所定の液体が流通可能となっている。
傾斜開口部37の一方の側の面(ここでは、図12における上側の面)上には、親水性濾過膜(通液性フィルタ-)4aが配置され、固着されている。親水性濾過膜4aは、環状傾斜リブ36にその周縁部がヒートシールや接着によって、固定されている。図12に示すように、親水性濾過膜4aは、傾斜開口部37の全体を閉塞する大きさを有している。親水性濾過膜4aにより、ハウジング部材3a内は、第1ポート31側と第2ポート32側、言い換えれば、第1ポート側流路21と第2ポート側流路22に区分されている。
また、本発明の投与用薬液調整具としては、図14ないし図16に示すような投与用薬液調整具1bであってもよい。なお、投与用薬液調整具1bにおいて、上述した投与用薬液調整具1と対応する構成については、同一の名称および符号を用いて説明を省略するとともに、一部の構成については符号の末尾に「b」を付して、相違点以外の説明を省略する。
投与用薬液調整具1bにおいては、図15に示すように、第1ポート31bが、略円板状の第1蓋部材5bから突出するように設けられ、第2ポート32bが、略円板状の第2蓋部材6bから突出するように設けられている。この実施例では、第1ポート31bおよび第2ポート32bは、向かい合うように配置されており、かつ、第1ポート31bの軸線および第2ポート32bの軸線は、親水性濾過膜4に対して70~90°の角度で交差するものとなっている。
具体的には、第1ポート31bは、その軸線:a1bが、親水性濾過膜4に対して略90°の角度:θ1bで交差する(略直交する)ように設けられ、さらに、第2ポート32bは、その軸線:a2bが、親水性濾過膜4に対して略90°の角度:θ2bで交差する(略直交する)ように設けられている。
なお、第1ポート31bおよび第2ポート32bは、親水性濾過膜4に対して若干傾けて設けられていてもよい。具体的には、第1ポート31bは、その軸線(a1b)が、親水性濾過膜4に対して70~90°の角度で交差するように設けられ、さらに、第2ポート32bは、その軸線(a2b)が、親水性濾過膜4に対して70~90°以下の角度で交差するように設けられていてもよい。
ハウジング部材3bには、第1ポートおよび第2ポートは設けられていない。ハウジング部材3b(本体部2b)の内部には、第1ポート31bと第2ポート32bとを隔てるように、仕切板部34bが設けられている。図15に示すように、仕切板部34bは、ハウジング部材3bの略中央に、略水平に形成されている。
このような投与用薬液調整具1bにおいては、上述した投与用薬液調整具1に対して、ハウジング部材3bの上下方向寸法(図15における上下方向の寸法、厚さ)をより小さくすることができる。そのため、投与用薬液調整具1bの容積(いわゆるデッドボリューム)を小さくすることができる。
なお、投与用薬液調整具1bでは、各ポート31b,32bから投与用薬液調整具1b内に流入する液体の流れが、直接、親水性濾過膜4bに向かう方向になる。そのため、例えば、図17および図18に示すように、各ポート31b,32bの直下(真上)となる部位に、仕切板部34bが貫通口35を備えないもの(言い換えれば、膜支持部38を備えるもの)であってもよい。さらに、図19に示すように、仕切板部34bの各ポート31b,32bの真下(真上)となる部分に隆起部39をそれぞれ設け、液体の流れを分散させるようにしてもよい。
また、本発明の投与用薬液調整具としては、図20に示すような投与用薬液調整具1cであってもよい。なお、投与用薬液調整具1cは、上述した投与用薬液調整具1bと略同一の構成を備え、図20に示されるように、第2蓋部材6cにおいて、3つの第2エアー排出孔61、第2通気性膜62、円形凹部63、3つの通気性膜支持用リブ64、および環状段部65を備えるエアベント機構(66)が、第2ポート32cを取り囲むように3つ設けられている点で異なる。また、図示はしないが、第1蓋部材5cにおいても、同様に3つのエアベント機構が設けられている。これにより、投与用薬液調整具1cにおける気泡除去機能が強化される。その他の構成については、投与用薬液調整具1bにて説明した構成を用いることができる。
また、本発明の投与用薬液調整具としては、図21に示すような投与用薬液調整具1dであってもよい。なお、投与用薬液調整具1dにおいて、上述した投与用薬液調整具1と対応する構成については、同一の名称を用いて詳細な説明を省略するとともに、全ての符号の末尾に「d」を付す。
投与用薬液調整具1dは、シリンジが装着可能な第1ポート31dと、シリンジが装着可能な第2ポート32dと、第1ポート31dと第2ポート32dとを連通する液体流路20dを備える本体部2dと、液体流路20dを第1ポート側流路21dと第2ポート側流路22dに区分する気泡難透過性の親水性濾過膜4dと、第1ポート側流路21dと外部とを連通する第1エアー排出孔51dと、第1エアー排出孔51dを通気可能に封鎖する第1通気性膜52dとを備え、かつ、第1ポート31dおよび第2ポート32dは、ISO規格に適合したメスルアーテーパーを有するメス型接続部である。
また、図21に示されるように、この実施例の投与用薬液調整具1dでは、第1ポート31dおよび第2ポート32dは、向かい合うように配置されておりかつ、第1ポート31dの軸線:a1dは、親水性濾過膜4に対して所定の角度(θ1d)で交差するものとなっており、さらに、第1エアー排出孔51dは、第1ポート31dから離間し、第2ポート32dに近接する位置に設けられている。また、角度:θ1dは、30°以下であることが好ましい。
投与用薬液調整具1dの本体部2dを構成する第1蓋部材5dは、図21に示すように、ハウジング部材3dの上面において、その周縁部が、ハウジング部材3dの周縁部に液密に固定されている。そして、第1蓋部材5dには、ハウジング部材3dに固定された状態において、第1ポート31dと離間し、第2ポート32dに近接する位置に、エアベント機構を備えている。この実施例では、エアベント機構は、複数(ここでは、3つ)の第1エアー排出孔51dとそれらを封鎖するように設けられた第1通気性膜52dを備える。一方、投与用薬液調整具1dの本体部2dを構成し、ハウジング部材3dの下面において、その周縁部が、ハウジング部材3dの周縁部に液密に固定されている第2蓋部材6dには、そのようなエアベント機構は設けられていない。
本実施形態の投与用薬液調整具1dは、薬剤71を収納し、第1ポート31dおよび第2ポート32dに接続可能な第1のシリンジ7と、医療用液体81を収納し、第1ポート31dおよび第2ポート32dに接続可能な第2のシリンジ8とを備える投与用薬液調整キット10dを構成する。
そして、図22ないし図25に示すように、このような投与用薬液調整キット10dを用いる投与用薬液調整方法は、第2のシリンジ8を第1ポート31dに接続し、かつ、第1のシリンジ7を第2ポート32dに接続する工程と、第2のシリンジ8を操作して、第2のシリンジ8に収納された医療用液体81を、投与用薬液調整具1dを通過させて、第1エアー排出孔51dより、気泡を除去した後、第1のシリンジ7内に流入させ、第1のシリンジ7内で薬剤71と医療用液体81とを混合し、混合液90を調製する工程と、第1のシリンジ7および第2のシリンジ8を投与用薬液調整具1dより離脱し、混合液90を収納した第1のシリンジ7を第1ポート31dに接続し、第2のシリンジ8を第2ポート32dに接続するシリンジ装着ポート変更工程と、第1のシリンジ7を操作して、第1のシリンジ7に収納されている混合液90を、投与用薬液調整具1dを通過させて、第1エアー排出孔51dより、気泡を除去した後、第2のシリンジ8内に流入させる工程とを有する。
具体的には、まず、図22に示すように、第2のシリンジ8のノズル部85を第1ポート31dに差し込んで接続するとともに、第1のシリンジ7のノズル部75を第2ポート32dに差し込んで接続する。このとき、投与用薬液調整具1dは、第1エアー排出孔51dが上方に向かって開口するように、第1蓋部材5dを上側として配置することが好ましい。
次に、図23に示すように、第2のシリンジ8を操作(プランジャ84を押圧し、ガスケット83を前進)して、第2のシリンジ8に収納された医療用液体81を、投与用薬液調整具1dを通過させて、第1のシリンジ7内に流入させる。このとき、投与用薬液調整具1dの液体流路20d内において、医療用液体81に含まれる気泡は、親水性濾過膜4dによって第1ポート側流路21dから第2ポート側流路22dへの流通が阻止されるとともに、第1ポート側流路21dを構成する第1蓋部材5dに設けられた第1通気性膜52dを透過し、第1エアー排出孔51dより投与用薬液調整具1dの外部に放出され、除去される。
なお、上述したように、本実施形態では、第1ポート31dの軸線:a1dが、親水性濾過膜4dに対して所定の角度:θ1dをなすように設けられ、かつ、複数の第1エアー排出孔51dと第1通気性膜52dとを備えるエアベント機構が、第1ポート31dと離間し、第2ポート32dに近接した位置に設けられている。これにより、図21に示すように、親水性濾過膜4dと第1蓋部材5d間の距離(言い換えれば、第1ポート側流路21dの厚さ)は、第1通気性膜52dに近づくに従い、両者間距離は短くなり(言い換えれば、第1ポート側流路21dの厚さが小さくなり)、第1通気性膜52dと向かい合う部分における親水性濾過膜4dと第1通気性膜52d間の距離は最も短いものとなっている。このため、より効果的に気泡を第1エアー排出孔51dから放出することができる。
親水性濾過膜4dおよび第1ポート31dを通過した医療用液体81は、第1のシリンジ7内に流入する。流入した医療用液体81は、第1のシリンジ7内で薬剤71と混合され、それにより薬剤71と医療用液体81の混合液90が調製される。このとき、投与用薬液調整具1dにおいて医療用液体81に含まれる気泡が除去されているため、薬剤71と医療用液体81を混合する際の気泡の発生が抑制される。
その後、第1のシリンジ7および第2のシリンジ8を投与用薬液調整具1dより離脱し、混合液90を収納した第1のシリンジ7を第1ポート31dに接続し、第2のシリンジ8を第2ポート32dに接続する。すなわち、第1のシリンジ7と第2のシリンジ8とを入れ替える。このとき、投与用薬液調整具1dは、第1エアー排出孔51dが上方に向かって開口するように、第1蓋部材5を上側として配置することが好ましい。
そして、図24および図25に示すように、第1のシリンジ7を操作(プランジャ74を押圧し、ガスケット73を前進)して、第1のシリンジ7に収納されている混合液90を、投与用薬液調整具1dを通過させて、第2のシリンジ8内に流入させる。このとき、投与用薬液調整具1dの液体流路20d内において、混合液90に含まれる気泡は、親水性濾過膜4dによって第1ポート側流路21dから第2ポート側流路22dへの流通が阻止されるとともに、第1ポート側流路21dを構成する第1蓋部材5dに設けられた第1通気性膜52dを透過し、第1エアー排出孔51dより投与用薬液調整具1dの外部に放出され、除去される。親水性濾過膜4dおよび第2ポート32dを通過し、気泡が除去された混合液90は、第2のシリンジ8内に流入する。これにより、気泡が除去され投与可能な投与用薬液91が収納された第2のシリンジ8を得ることができる。
ここでも、上述したように、本実施形態では、第1通気性膜52dと向かい合う部分における親水性濾過膜4と第1通気性膜52d間の距離は短いため、より効果的に気泡を第1エアー排出孔51dから放出することができる。
このような投与用薬液調整具1dを用いれば、投与用薬液調整具1dを通過させることで、医療用液体81や混合液90等の液体中に存在する気泡(泡沫)を除去でき、また、そのような気泡の存在に起因する新たな気泡の発生を抑制できる。さらに、投与用薬液調整具1dにおいては、第1ポート31dおよび第2ポート32dの両方に、第1のシリンジ7および第2のシリンジ8の両方が接続できるようになっているため、シリンジ7,8を適宜に付け替えて操作することで、液体を投与用薬液調整具1dを通過させることができるため、投与用薬液の調整操作が比較的容易となる。
本発明の投与用薬液調整具は、以下のものである。
(1) 投与用薬液調整具であって、
前記投与用薬液調整具は、シリンジが装着可能な第1ポートと、シリンジが装着可能な第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを連通する液体流路を備える本体部と、前記液体流路を第1ポート側流路と第2ポート側流路に区分する親水性濾過膜と、前記第1ポート側流路と外部とを連通する第1エアー排出孔と、前記第1エアー排出孔を通気可能に封鎖する第1通気性膜と、前記第2ポート側流路と外部とを連通する第2エアー排出孔と、前記第2エアー排出孔を通気可能に封鎖する第2通気性膜とを備えることを特徴とする投与用薬液調整具。
本発明の投与用薬液調整具は、シリンジが装着可能な第1ポートと、シリンジが装着可能な第2ポートと、第1ポートと第2ポートとを連通する液体流路を備える本体部と、液体流路を第1ポート側流路と第2ポート側流路に区分する親水性濾過膜と、第1ポート側流路と外部とを連通する第1エアー排出孔と、第1エアー排出孔を通気可能に封鎖する第1通気性膜と、第2ポート側流路と外部とを連通する第2エアー排出孔と、第2エアー排出孔を通気可能に封鎖する第2通気性膜とを備えている。そのため、投与用薬液調整具を通過させることで、液体中に存在する気泡(泡沫)を除去でき、調整される投与用薬液中の気泡を低減することができる。さらに、シリンジを操作することで液体を投与用薬液調整具を通過させることができるため、投与用薬液の調整操作が容易となる。
また、上記の実施態様は、以下のものであってもよい。
(2) 前記第1ポートおよび前記第2ポートは、ISO規格に適合したメスルアーテーパーを有するメス型接続部である上記(1)に記載の投与用薬液調整具。
(3) 前記第1ポートは、その軸方向が前記親水性濾過膜と交差するように設けられ、さらに、前記第2ポートは、その軸方向が前記親水性濾過膜と交差するように設けられている上記(1)または(2)に記載の投与用薬液調整具。
(4) 前記第1ポートおよび前記第2ポートは、向かい合うように配置されており、かつ、前記第1ポートの軸線および前記第2ポートの軸線は、前記親水性濾過膜に対して30°以下の角度で交差するものとなっている上記(3)に記載の投与用薬液調整具。
(5) 前記第1ポートおよび前記第2ポートは、向かい合うように配置されており、かつ、前記第1ポートの軸線および前記第2ポートの軸線は、前記親水性濾過膜に対して70~90°の角度で交差するものとなっている上記(3)に記載の投与用薬液調整具。
(6) 前記親水性濾過膜は、気泡難透過性である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の投与用薬液調整具。
本発明の投与用薬液調整具は、以下のものである。
(7) 投与用薬液調整具であって、
前記投与用薬液調整具は、シリンジが装着可能な第1ポートと、シリンジが装着可能な第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを連通する液体流路を備える本体部と、前記液体流路を第1ポート側流路と第2ポート側流路に区分する気泡難透過性親水性濾過膜と、前記第1ポート側流路と外部とを連通する第1エアー排出孔と、前記第1エアー排出孔を通気可能に封鎖する第1通気性膜とを備え、かつ、前記第1ポートおよび前記第2ポートは、ISO規格に適合したメスルアーテーパーを有するメス型接続部であることを特徴とする投与用薬液調整具。
本発明の投与用薬液調整具は、シリンジが装着可能な第1ポートと、シリンジが装着可能な第2ポートと、第1ポートと第2ポートとを連通する液体流路を備える本体部と、液体流路を第1ポート側流路と第2ポート側流路に区分する気泡難透過性親水性濾過膜と、第1ポート側流路と外部とを連通する第1エアー排出孔と、第1エアー排出孔を通気可能に封鎖する第1通気性膜とを備え、かつ、第1ポートおよび第2ポートは、ISO規格に適合したメスルアーテーパーを有するメス型接続部である。そのため、投与用薬液調整具を通過させることで、液体中に存在する気泡(泡沫)を除去でき、調整される投与用薬液中の気泡を低減することができる。さらに、シリンジを操作することで液体を投与用薬液調整具を通過させることができるため、投与用薬液の調整操作が容易となる。
また、上記の実施態様は、以下のものであってもよい。
(8) 前記第1ポートおよび前記第2ポートは、向かい合うように配置されており、かつ、前記第1ポートの軸線は、前記親水性濾過膜に対して30°以下の角度で交差するものとなっており、さらに、前記第1エアー排出孔は、前記第1ポートから離間し、前記第2ポートに近接する位置に設けられている上記(7)に記載の投与用薬液調整具。
本発明の投与用薬液調整キットは、以下のものである。
(9) 投与用薬液調整キットであって、
前記投与用薬液調整キットは、上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の投与用薬液調整具と、薬剤を収納し、前記第1ポートに接続可能な第1のシリンジと、医療用液体を収納し、前記第2ポートに接続可能な第2のシリンジとを備えることを特徴とする投与用薬液調整キット。
(10) 投与用薬液調整キットであって、
前記投与用薬液調整キットは、上記(7)または(8)に記載の投与用薬液調整具と、薬剤を収納し、前記第1ポートおよび前記第2ポートに接続可能な第1のシリンジと、医療用液体を収納し、前記第1ポートおよび前記第2ポートに接続可能な第2のシリンジとを備えることを特徴とする投与用薬液調整キット。
また、上記の実施態様は、以下のものであってもよい。
(11) 前記第1のシリンジは、粉末製剤を収納している上記(9)または(10)に記載の投与用薬液調整キット。
(12) 前記第2のシリンジは、粉末製剤調整用液体を収納している上記(11)に記載の投与用薬液調整キット。
本発明の投与用薬液調整方法は、以下のものである。
(13) 上記(9)に記載の投与用薬液調整キットを用いる投与用薬液調整方法であって、
前記第1のシリンジを前記第1ポートに接続し、かつ、前記第2のシリンジを前記第2ポートに接続する工程と、
前記第2のシリンジを操作して、前記第2のシリンジに収納された前記医療用液体を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第2エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第1のシリンジ内に流入させ、前記第1のシリンジ内で前記薬剤と前記医療用液体とを混合し、混合液を調製する工程と、
前記第1のシリンジを操作して、前記第1のシリンジに収納されている前記混合液を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第1エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第2のシリンジ内に流入させる工程とを有する投与用薬液調整方法。
(14) 上記(10)に記載の投与用薬液調整キットを用いる投与用薬液調整方法であって、
前記第2のシリンジを前記第1ポートに接続し、かつ、前記第1のシリンジを前記第2ポートに接続する工程と、
前記第2のシリンジを操作して、前記第2のシリンジに収納された前記医療用液体を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第1エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第1のシリンジ内に流入させ、前記第1のシリンジ内で前記薬剤と前記医療用液体とを混合し、混合液を調製する工程と、
前記第1および第2のシリンジを前記投与用薬液調整具より離脱し、前記混合液を収納した前記第1のシリンジを前記第1ポートに接続し、前記第2のシリンジを前記第2ポートに接続するシリンジ装着ポート変更工程と、
前記第1のシリンジを操作して、前記第1のシリンジに収納されている前記混合液を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第1エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第2のシリンジ内に流入させる工程とを有する投与用薬液調整方法。

Claims (14)

  1. 投与用薬液調整具であって、
    前記投与用薬液調整具は、シリンジが装着可能な第1ポートと、シリンジが装着可能な第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを連通する液体流路を備える本体部と、前記液体流路を第1ポート側流路と第2ポート側流路に区分する親水性濾過膜と、前記第1ポート側流路と外部とを連通する第1エアー排出孔と、前記第1エアー排出孔を通気可能に封鎖する第1通気性膜と、前記第2ポート側流路と外部とを連通する第2エアー排出孔と、前記第2エアー排出孔を通気可能に封鎖する第2通気性膜とを備えることを特徴とする投与用薬液調整具。
  2. 前記第1ポートおよび前記第2ポートは、ISO規格に適合したメスルアーテーパーを有するメス型接続部である請求項1に記載の投与用薬液調整具。
  3. 前記第1ポートは、その軸方向が前記親水性濾過膜と交差するように設けられ、さらに、前記第2ポートは、その軸方向が前記親水性濾過膜と交差するように設けられている請求項1または請求項2に記載の投与用薬液調整具。
  4. 前記第1ポートおよび前記第2ポートは、向かい合うように配置されており、かつ、前記第1ポートの軸線および前記第2ポートの軸線は、前記親水性濾過膜に対して30°以下の角度で交差するものとなっている請求項3に記載の投与用薬液調整具。
  5. 前記第1ポートおよび前記第2ポートは、向かい合うように配置されており、かつ、前記第1ポートの軸線および前記第2ポートの軸線は、前記親水性濾過膜に対して70~90°の角度で交差するものとなっている請求項3に記載の投与用薬液調整具。
  6. 前記親水性濾過膜は、気泡難透過性である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の投与用薬液調整具。
  7. 投与用薬液調整具であって、
    前記投与用薬液調整具は、シリンジが装着可能な第1ポートと、シリンジが装着可能な第2ポートと、前記第1ポートと前記第2ポートとを連通する液体流路を備える本体部と、前記液体流路を第1ポート側流路と第2ポート側流路に区分する気泡難透過性親水性濾過膜と、前記第1ポート側流路と外部とを連通する第1エアー排出孔と、前記第1エアー排出孔を通気可能に封鎖する第1通気性膜とを備え、かつ、前記第1ポートおよび前記第2ポートは、ISO規格に適合したメスルアーテーパーを有するメス型接続部であり、前記第1ポートおよび前記第2ポートは、向かい合うように配置されており、かつ、前記第1ポートの軸線は、前記親水性濾過膜に対して30°以下の角度で交差するものとなっており、さらに、前記第1ポート側流路と外部とを連通する前記第1エアー排出孔は、前記第1ポートから離間し、前記第2ポートに近接する位置に設けられていることを特徴とする投与用薬液調整具。
  8. 前記第1ポート側流路の厚さは、前記第1通気性膜に近づくに従い小さくなり、前記第1通気性膜と向かい合う部分における前記親水性濾過膜と前記第1通気性膜間の距離である前記第1ポート側流路の厚さが最も小さいものとなっている請求項7に記載の投与用薬液調整具。
  9. 投与用薬液調整キットであって、
    前記投与用薬液調整キットは、前記請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の投与用薬液調整具と、薬剤を収納し、前記第1ポートに接続可能な第1のシリンジと、医療用液体を収納し、前記第2ポートに接続可能な第2のシリンジとを備えることを特徴とする投与用薬液調整キット。
  10. 投与用薬液調整キットであって、
    前記投与用薬液調整キットは、前記請求項7または請求項8に記載の投与用薬液調整具と、薬剤を収納し、前記第1ポートおよび前記第2ポートに接続可能な第1のシリンジと、医療用液体を収納し、前記第1ポートおよび前記第2ポートに接続可能な第2のシリンジとを備えることを特徴とする投与用薬液調整キット。
  11. 前記第1のシリンジは、粉末製剤を収納している請求項9または請求項10に記載の投与用薬液調整キット。
  12. 前記第2のシリンジは、粉末製剤調整用液体を収納している請求項11に記載の投与用薬液調整キット。
  13. 請求項9に記載の投与用薬液調整キットを用いる投与用薬液調整方法であって、
    前記第1のシリンジを前記第1ポートに接続し、かつ、前記第2のシリンジを前記第2ポートに接続する工程と、
    前記第2のシリンジを操作して、前記第2のシリンジに収納された前記医療用液体を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第2エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第1のシリンジ内に流入させ、前記第1のシリンジ内で前記薬剤と前記医療用液体とを混合し、混合液を調製する工程と、
    前記第1のシリンジを操作して、前記第1のシリンジに収納されている前記混合液を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第1エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第2のシリンジ内に流入させる工程とを有する投与用薬液調整方法。
  14. 請求項10に記載の投与用薬液調整キットを用いる投与用薬液調整方法であって、
    前記第2のシリンジを前記第1ポートに接続し、かつ、前記第1のシリンジを前記第2ポートに接続する工程と、
    前記第2のシリンジを操作して、前記第2のシリンジに収納された前記医療用液体を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第1エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第1のシリンジ内に流入させ、前記第1のシリンジ内で前記薬剤と前記医療用液体とを混合し、混合液を調製する工程と、
    前記第1および第2のシリンジを前記投与用薬液調整具より離脱し、前記混合液を収納した前記第1のシリンジを前記第1ポートに接続し、前記第2のシリンジを前記第2ポートに接続するシリンジ装着ポート変更工程と、
    前記第1のシリンジを操作して、前記第1のシリンジに収納されている前記混合液を、前記投与用薬液調整具を通過させて、前記第1エアー排出孔より、気泡を除去した後、前記第2のシリンジ内に流入させる工程とを有する投与用薬液調整方法。
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