JP7454733B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

熱交換器に関する。
複数の伝熱プレートを所定の間隔で積層して第1流体が流れる流路と第2流体が流れる流路とを積層方向に交互に形成し、2つの流体の間での熱交換を行わせるプレート式熱交換器が知られている。
プレート式熱交換器は、流体として冷媒と水を用いた場合に、凍結した水の体積膨張により伝熱プレートが破断して、冷媒が漏洩するおそれがある。特許文献1(特開平10-132476号公報)は、実施形態5として、凍結した水が体積膨張を起こしても、弾性変形によりその応力を吸収して破損を抑制できる伝熱プレートを備えた熱交換器を開示している。
特許文献1に開示される伝熱プレートであっても、応力を吸収できる範囲(弾性変形が可能な範囲)には限度があるため充分に伝熱プレートの破損を抑制できず、冷媒が漏洩するおそれがある。
本開示は、水が凍結し体積膨張をした場合に、冷媒が漏洩することが抑制される熱交換器を提供する。
第1観点の熱交換器は、水と冷媒との熱交換を行う熱交換器であって、水が流れる第1流路と、冷媒が流れる第2流路とを備える。第1流路を形成する部材であって第1流路と第2流路とを隔てる隔壁以外の部材のいずれか又は第1流路を形成する部材どうしが接合された接合部のいずれかが第1流路を形成する他の部材よりも低強度な脆弱部として機能する。
本熱交換器では、水が凍結し体積膨張を起こした場合に、他の箇所よりも先に、脆弱部として機能する第1流路を形成する部材であって第1流路と第2流路とを隔てる隔壁以外の部材のいずれか又は第1流路を形成する部材どうしが接合された接合部のいずれかが破断する。このため、本熱交換器によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、第2流路を形成する部材、第2流路を形成する接合部、又は隔壁が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第2観点の熱交換器は、第1観点の熱交換器であって、第1流路が、2つの隔壁と、インナーフィンと、離間部材とを用いて形成される。インナーフィンは、2つの隔壁の間に積層され、断面が波形に形成される。離間部材は、2つの隔壁の端縁に配置され、2つの隔壁を離間させる。
第3観点の熱交換器は、第2観点の熱交換器であって、脆弱部が、インナーフィンである。
本熱交換器によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路を形成するインナーフィンが破断するため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第4観点の熱交換器は、第3観点の熱交換器であって、インナーフィンの肉厚をtw、同じ隔壁に接するインナーフィンの頂部の間隔をLw、隔壁の肉厚をtR、インナーフィンの積層方向における高さをhwとすると、これらは、次の関係を満たす。
tw/Lw<tR/hw
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁に生じる応力を、インナーフィンに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁よりも先に破断するインナーフィンに吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第5観点の熱交換器は、第2観点の熱交換器であって、脆弱部が、離間部材である。
本熱交換器によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路を形成する離間部材が破断するため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第6観点の熱交換器は、第5観点の熱交換器であって、平面視における離間部材の幅をLsp、インナーフィンの肉厚をtw、同じ隔壁に接するインナーフィンの頂部の間隔をLw、隔壁の肉厚をtR、インナーフィンの積層方向における高さをhwとすると、これらは、次の関係を満たす。
((Lsp+tw)/Lw)<tR/hw
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁に生じる応力を、離間部材に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁よりも先に破断する離間部材に吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第7観点の熱交換器は、第1観点の熱交換器であって、第1流路が、2つの隔壁と、インナーフィンと、離間部材とを用いて形成される。インナーフィンは、2つの隔壁の間に積層され、断面が波形に形成される。離間部材は、2つの隔壁の端縁に配置され、2つの隔壁を離間させる。また、熱交換器は、第1接合部と、第2接合部とを有する。第1接合部は、隔壁とインナーフィンの頂部とが接合された箇所である。第2接合部は、隔壁と離間部材とが接合された箇所である。
第8観点の熱交換器は、第7観点の熱交換器であって、脆弱部が、第1接合部である。
本熱交換器によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路を形成する部材どうしを接合する第1接合部が破断するため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第9観点の熱交換器は、第8観点の熱交換器であって、第1接合部が、ろう付けによって接合される。第1接合部の幅をbw1、同じ隔壁に接するインナーフィンの頂部の間隔をLw、隔壁の肉厚をtR、インナーフィンの積層方向における高さをhwとすると、これらは、次の関係を満たす。
0.35×bw1/(2×Lw)<tR/hw
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁に生じる応力を、第1接合部に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁よりも先に破断する第1接合部に吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第10観点の熱交換器は、第8観点の熱交換器であって、第1接合部が、拡散接合によって接合される。第1接合部の幅をbw1、同じ隔壁に接するインナーフィンの頂部の間隔をLw、隔壁の肉厚をtR、インナーフィンの積層方向における高さをhwとすると、これらは、次の関係を満たす。
bw1/(2×Lw)<tR/hw
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁に生じる応力を、第1接合部に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁よりも先に破断する第1接合部に吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第11観点の熱交換器は、第7観点の熱交換器であって、脆弱部が、第2接合部である。
本熱交換器によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路を形成する部材どうしを接合する第2接合部が破断するため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第12観点の熱交換器は、第11観点の熱交換器であって、第2接合部が、ろう付けにより接合される。第2接合部の幅をbsp2、第1接合部の幅をbw1、同じ隔壁に接するインナーフィンの頂部の間隔をLw、隔壁の肉厚をtR、インナーフィンの積層方向における高さをhwとすると、これらは、次の関係を満たす。
0.35×(2×bsp2+bw1)/Lw<2×tR/hw
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁に生じる応力を、第2接合部に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁よりも先に破断する第2接合部に吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第13観点の熱交換器は、第11観点の熱交換器であって、第2接合部が、拡散接合により接合される。第2接合部の幅をbsp2、第1接合部の幅をbw1、同じ隔壁に接するインナーフィンの頂部の間隔をLw、隔壁の肉厚をtR、インナーフィンの積層方向における高さをhwとすると、これらは、次の関係を満たす。
(2×bsp2+bw1)/Lw<2×tR/hw
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁に生じる応力を、第2接合部に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁よりも先に破断する第2接合部に吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第14観点の熱交換器は、第1観点の熱交換器であって、第1流路が、2つの伝熱プレートを用いて形成される。熱交換器は、第3接合部と、第4接合部とを有する。2つの伝熱プレートは、互いに積層され、それぞれの断面が波型に形成される。第3接合部は、2つの伝熱プレートの頂部が接合される箇所である。第4接合部は、2つの伝熱プレートの端縁が接合された箇所である。
第15観点の熱交換器は、第14観点の熱交換器であって、脆弱部が、第3接合部である。
本熱交換器によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路を形成する部材どうしが接合された第3接合部210dが破断するため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第16観点の熱交換器は、第15観点の熱交換器であって、第3接合部が、ろう付けによって接合される。法線方向に沿って見た第3接合部の幅をbw3、伝熱プレートの肉厚をtとすると、これらは、次の関係を満たす。
0.35×bw3<2×t
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に伝熱プレートに生じる応力を、第3接合部に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、伝熱プレートよりも先に破断する第3接合部に吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第17観点の熱交換器は、第15観点の熱交換器であって、第3接合部が、拡散接合によって接合される。法線方向に沿って見た第3接合部の幅をbw3、伝熱プレートの肉厚をtとすると、これらは、次の関係を満たす。
bw3<2×t
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に伝熱プレートに生じる応力を、第3接合部に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、伝熱プレートよりも先に破断する第3接合部に吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第18観点の熱交換器は、第14観点の熱交換器であって、脆弱部が、第4接合部である。
熱交換器によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路を形成する部材どうしが接合された第4接合部210eが破断するため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第19観点の熱交換器は、第18観点の熱交換器であって、第4接合部が、ろう付けによって接合される。法線方向に沿って見た第4接合部の幅をbsp4、
法線方向に沿って見た第3接合部の幅をbw3、伝熱プレートの肉厚をtとすると、これらは、次の関係を満たす。
0.35×(bsp4+bw3/2)<2×t
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に伝熱プレートに生じる応力を、第4接合部に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、伝熱プレートよりも先に破断する第4接合部に吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第20観点の熱交換器は、第18観点の熱交換器であって、第4接合部が、拡散接合によって接合される。法線方向に沿って見た第4接合部の幅をbsp4、法線方向に沿って見た第3接合部の幅をbw3、伝熱プレートの肉厚をtとすると、これらは、次の関係を満たす。
(bsp4+bw3/2)<2×t
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に伝熱プレートに生じる応力を、第4接合部に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、伝熱プレートよりも先に破断する第4接合部に吸収させることができるため、第2流路を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第21観点の熱交換器は、第1観点の熱交換器であって、第1伝熱プレートと、第2伝熱プレートとを有する。第1伝熱プレートは、第1流路が内部に形成されている。第2伝熱プレートは、第2流路が内部に形成されている。脆弱部は、第1伝熱プレートである。
本熱交換器によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路を形成する第1伝熱プレートが破断するため、第2流路を形成する第2伝熱プレートが破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第22観点の熱交換器は、第21観点の熱交換器であって、第1伝熱プレートは、第1流路を形成する溝が形成された2つの板状部材を積層することで形成される。脆弱部は、2つの板状部材が接合された箇所である。
本熱交換器によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1伝熱プレートを形成する2つの板状部材が接合された箇所が破断するため、第2流路を形成する第2伝熱プレートが破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第23観点の熱交換器は、第1観点から第22観点の熱交換器のいずれかであって、冷媒が、可燃性又は毒性を有する。
本熱交換器によれば、可燃性又は毒性を有する冷媒を使用した場合でも、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することを抑制できる。
第24観点の熱交換器は、第1観点から第23観点の熱交換器のいずれかであって、脆弱部は、水が凍結した際に破断する強度に形成される。
熱交換器100を備える冷媒サイクル装置1を示す概略構成図である。 熱交換器100の斜視図である。 図2のA部の拡大図である。 熱交換器100に収容された第1インナーフィン110を示した断面図である。 熱交換器100に収容された第2インナーフィン120を示した断面図である。 図3の熱交換器100をB-B’線で切断した断面図である。 熱交換器200の分解斜視図である。 熱交換器200の断面図である。 熱交換器300の斜視図である。 図9のC部の拡大図である。 図10の熱交換器300をD-D’線で切断した断面図である。
<第1実施形態>
(1)冷媒サイクル装置1
はじめに、本開示の第1実施形態に係る熱交換器100を備える冷媒サイクル装置1について説明する。冷媒サイクル装置1は、市水(水道水)等の、冷媒サイクル装置1の外部から供給される水を加熱又は冷却して供給する。冷媒サイクル装置1は、取水部1aと、給水部1bと、熱交換器100と、冷媒回路10と、水回路20と、給水部30と、制御部40とを有する。限定するものではないが、本実施形態では、給水部30は屋内へ設置され、水回路20及び冷媒回路10は屋外へ設置される。詳細は後述するが、冷媒回路10では冷媒が循環し、水回路20では水が循環する。
取水部1aは、外部から供給される水を冷媒サイクル装置1の内部へ取り入れる。給水部1bは、冷媒サイクル装置1が加熱又は冷却した水を外部へ供給する。
(1-1)熱交換器100
熱交換器100は、冷媒回路10を循環する冷媒と水回路20を循環する水との間で熱交換をさせる。熱交換器100は、第1流通管170a、170bと、第2流通管180a、180bと、第1流路111と、第2流路121とを有する。
第1流路111は、水が流れる流路である。第1流路111は、第1流通管170aと第1流通管170bとの間に設けられている。
第2流路121は、冷媒が流れる流路である。第2流路121は、第2流通管180aと第2流通管180bとの間に形成される。熱交換器100の詳細な構造については、後述する。
(1-2)冷媒回路10
冷媒回路10では、冷媒が加熱又は冷却される。冷媒回路10は、圧縮機11と、四路切換弁12と、熱源熱交換器13と、膨張弁14と、熱交換器100の第2流路121とにより構成される。圧縮機11、四路切換弁12、熱源熱交換器13、膨張弁14、及び熱交換器100の第2流路121は、配管で接続され、内部を冷媒が循環する。本実施形態では、冷媒は、プロパンである。
圧縮機11は、冷媒回路10における低圧の冷媒を吸入部11aから吸入し、それを圧縮して、高圧の冷媒として吐出部11bから吐出する。
四路切換弁12は、第1ポートP1と、第2ポートP2と、第3ポートP3と、第4ポートP4とを有する。四路切換弁12は、制御部40の指示に基づいて、第1ポートP1、第2ポートP2、第3ポートP3、第4ポートP4の連通状態が異なる第1状態と第2状態との間で切り換わる。第1状態では、第1ポートP1と第2ポートP2とが連通し、第3ポートP3と第4ポートP4とが連通する。第2状態では、第1ポートP1と第4ポートP4とが連通し、第2ポートP2と第3ポートP3とが連通する。
第1ポートP1は、圧縮機11の吐出部11bに接続されている。第2ポートP2は、熱交換器100の第2流通管180aに接続されている。第3ポートP3は、圧縮機11の吸入部11aに接続されている。第4ポートP4は、熱源熱交換器13の一端に接続されている。
熱源熱交換器13は、冷媒回路10を循環する冷媒と熱源(例えば、屋外の空気)との間で熱交換をさせる。
膨張弁14は、冷媒回路10を循環する冷媒の流量を調節し、冷媒を減圧させる減圧装置として機能する。
膨張弁14の一端は、熱源熱交換器13の他端に接続されている。膨張弁14の他端は、熱交換器100の第2流通管180bに接続されている。
(1-3)水回路20
水回路20では、冷媒との間で熱交換した水が循環する。水回路20は、熱交換器100の第1流路111と、水循環ポンプ21と、流量調節弁22と、利用熱交換器23とにより構成される。熱交換器100の第1流路111、水循環ポンプ21、流量調節弁22、及び利用熱交換器23は、配管で接続され、内部を水が循環する。
水循環ポンプ21は、水回路20の内部において水を循環させる。水循環ポンプ21は、水回路20の内部の水を吸入部21aから吸入し、吐出部21bから吐出する。
吸入部21aは、熱交換器100の第1流通管170aに接続されている。吐出部21bは、流量調節弁22の一端に接続されている。
流量調節弁22は、水回路20を循環する水の流量を調節する。
利用熱交換器23は、水回路20を循環する水と給水部30の貯水タンク31(後述)内部に貯留された水との間で熱交換をさせる。利用熱交換器23は、内部を通る水が貯水タンク31に貯留された水と熱交換できるように、貯水タンク31の内部に配置される。
利用熱交換器23の一端は、流量調節弁22の他端に接続されている。利用熱交換器23の他端は、熱交換器100の第1流通管170bに接続されている。
水回路20は、循環する水を用いて屋内の空気を加熱又は冷却するための熱交換器をさらに備えてもよい。
(1-4)給水部30
給水部30は、冷媒サイクル装置1の外部から供給される水と水回路20を循環する水との間で熱交換をさせた後、冷媒サイクル装置1の外部へ供給する。給水部30は、貯水タンク31と、給水ポンプ32と、混合弁33とにより構成される。貯水タンク31、給水ポンプ32、及び混合弁33は、配管で接続される。
貯水タンク31は、外部から供給される水を貯留する。貯留された水は、利用熱交換器23を通る水との間で熱交換をする。貯水タンク31は、外部から供給される水を入水部31aから取り入れ貯留する。貯留された水は、利用熱交換器23を通る水との間で熱交換をし、出水部81bから排出される。
入水部31aは、外部からの水が供給される取水部1aに接続されている。
給水ポンプ32は、貯水タンク31に貯留された水を吸入し、混合弁33へ供給する。給水ポンプ32は、貯水タンク31の内部の水を吸入部32aから吸入し、吐出部32bから吐出する。
吸入部32aは、出水部31bに接続されている。吐出部32bは、混合弁33の第2ポート33b(後述)に接続されている。
混合弁33は、外部から供給される水と貯水タンク31に貯留された水とを混合する。混合弁33は、第1ポート33aと、第2ポート33bと、第3ポート33cとを有する。
第1ポート33aは、外部からの水が供給される取水部1aに接続されている。第2ポート33bは、給水ポンプ32の吐出部32bに接続されている。第3ポート33cは、冷媒サイクル装置1の外部と連通する給水部1bに接続されている。
(1-5)制御部40
制御部40は、圧縮機11、四路切換弁12、膨張弁14、水循環ポンプ21、流量調節弁22、給水ポンプ32、及び混合弁33を制御する。図示は省略するが、制御部40は、圧縮機11、四路切換弁12、膨張弁14、水循環ポンプ21、流量調節弁22、給水ポンプ32、及び混合弁33に制御信号を送受信可能なように電気的に接続されている。
(1-6)冷媒サイクル装置1の動作
冷媒サイクル装置1は、加熱運転、冷却運転、及びデフロスト運転を行う。
(1-6-1)加熱運転
加熱運転は、冷媒サイクル装置1が、外部から取水部1aへ供給される水を加熱して給水部1bから供給する運転である。加熱運転では、制御部40は、四路切換弁12を第1状態とし、圧縮機11、水循環ポンプ21、及び給水ポンプ32を駆動し、膨張弁14、流量調節弁22、及び混合弁33の開度を制御する。
(1-6-1-1)冷媒回路10
圧縮機11は、冷媒回路10における低圧気相の冷媒を吸入部11aから吸入し、高圧気相の冷媒として吐出部11bから吐出する。高圧気相である冷媒は、四路切換弁12を第1ポートP1、第2ポートP2の順に通って熱交換器100の第2流路121へ到達する。熱交換器100の第2流路121で、高圧気相の冷媒は凝縮して高圧液相の冷媒となる。このとき、冷媒は、第1流路111を通る水へ熱を放出する。高圧液相の冷媒は、膨張弁14へ到達する。適切な開度に設定された膨張弁14は、高圧液相の冷媒を減圧し低圧気液二相の冷媒とする。低圧気液二相の冷媒は、熱源熱交換器13で蒸発して低圧気相の冷媒となる。このとき、冷媒は、熱源(外気)から熱を吸収する。低圧気相の冷媒は、四路切換弁12を第4ポートP4、第3ポートP3の順に通った後、吸入部11aから圧縮機11に吸入される。
(1-6-1-2)水回路20
水循環ポンプ21は、水回路20を循環する水を吸入部21aから吸入し吐出部21bから吐出する。吐出された水は、流量調節弁22を通って利用熱交換器23へ到達する。利用熱交換器23へ到達した水は、利用熱交換器23で貯水タンク31に貯留された水へ熱を放出する。言い換えると、利用熱交換器23へ到達した水は、利用熱交換器23で貯水タンク31に貯留された水を加熱する。利用熱交換器23で熱を放出した水は、熱交換器100の第1流路111へ到達する。熱交換器100の第1流路111へ到達した水は、第2流路121を通る冷媒から熱を吸収する。熱を吸収した水は、吸入部21aから水循環ポンプ21に吸入される。
(1-6-1-3)給水部30
貯水タンク31に貯留された水は、利用熱交換器23を通る水から熱を吸収することで加熱される。給水ポンプ32は、貯水タンク31で加熱された水を吸入部32aから吸入する。給水ポンプ32に吸入された水は、吐出部32bから混合弁33へ吐出される。給水ポンプ32から吐出された水は、第2ポート33bを通った後、取水部1aを通って第1ポート33aに到達した外部からの水と混合される。混合弁33で混合された水は、第3ポート33cを通った後、給水部1bから冷媒サイクル装置1の外部へ供給される。
(1-6-2)冷却運転
冷却運転は、冷媒サイクル装置1が、外部から取水部1aへ供給される水を冷却して給水部1bから供給する運転である。冷却運転では、制御部40は、四路切換弁12を第2状態とし、圧縮機11、水循環ポンプ21、及び給水ポンプ32を駆動し、膨張弁14、流量調節弁22、及び混合弁33の開度を制御する。
(1-6-2-1)冷媒回路10
圧縮機11は、冷媒回路10における低圧気相の冷媒を吸入部11aから吸入し、高圧気相の冷媒として吐出部11bから吐出する。高圧気相である冷媒は、四路切換弁12を第1ポートP1、第4ポートP4の順に通って熱源熱交換器13へ到達する。熱源熱交換器13で、高圧気相の冷媒は凝縮して高圧液相の冷媒となる。このとき、冷媒は、熱源(外気)へ熱を放出する。高圧液相の冷媒は、膨張弁14へ到達する。適切な開度に設定された膨張弁14は、高圧液相の冷媒を減圧し低圧気液二相の冷媒とする。低圧気液二相の冷媒は、熱交換器100の第2流路121で蒸発して低圧気相の冷媒となる。このとき、冷媒は、第1流路111を通る水から熱を吸収する。低圧気相の冷媒は、四路切換弁12を第2ポートP2、第3ポートP3の順に通った後、吸入部11aから圧縮機11に吸入される。
(1-6-2-2)水回路20
水循環ポンプ21は、水回路20を循環する水を吸入部21aから吸入し吐出部21bから吐出する。吐出された水は、流量調節弁22を通って利用熱交換器23へ到達する。利用熱交換器23へ到達した水は、利用熱交換器23で貯水タンク31に貯留された水から熱を吸収する。言い換えると、利用熱交換器23へ到達した水は、利用熱交換器23で貯水タンク31に貯留された水を冷却する。利用熱交換器23で熱を吸収した水は、熱交換器100の第1流路111へ到達する。熱交換器100の第1流路111へ到達した水は、第2流路121を通る冷媒へ熱を放出する。熱を放出した水は、吸入部21aから水循環ポンプ21に吸入される。
(1-6-2-3)給水部30
貯水タンク31に貯留された水は、利用熱交換器23を通る水へ熱を放出することで冷却される。給水ポンプ32は、貯水タンク31で冷却された水を吸入部32aから吸入する。給水ポンプ32に吸入された水は、吐出部32bから混合弁33へ吐出される。給水ポンプ32から吐出された水は、第2ポート33bを通った後、取水部1aを通って第1ポート33aに到達した外部からの水と混合される。混合弁33で混合された水は、第3ポート33cを通った後、給水部1bから冷媒サイクル装置1の外部へ供給される。
(1-6-3)デフロスト運転
デフロスト運転は、加熱運転において熱源熱交換器13の表面に付着した霜を、熱源熱交換器13で凝縮する冷媒の熱で融解させて除去する運転である。デフロスト運転における冷媒サイクル装置1の各部の動作は、上述した冷却運転と同様である。このため、デフロスト運転の詳細な説明は省略する。
(2)熱交換器
(2-1)全体構成
熱交換器100は、複数の第1インナーフィン110と、複数の第2インナーフィン120と、複数の隔壁130と、第1離間部材140と、第2離間部材150と、ケーシング160と、第1流通管170aと、第1流通管170bと、第2流通管180aと、第2流通管180bとを備える熱交換器である。熱交換器100は、内部に、水が流れる第1流路111と、冷媒が流れる第2流路121が形成されている。詳細は後述するが、熱交換器100は、水が凍結した際に、第2流路121を流れる冷媒が第1流路111に流入することを抑制する脆弱部190を有する。
第1インナーフィン110、第2インナーフィン120、及び隔壁130は、外形が同じ矩形状に形成された金属製の板状部材である。本実施形態では、図2に示されるように、第1インナーフィン110、第2インナーフィン120、及び隔壁130の外形は、第1方向に長い矩形に形成されている。
第1インナーフィン110と第2インナーフィン120とは、隔壁130を挟んで交互に積層され、ケーシング160に収容される。第1インナーフィン110及び第2インナーフィン120のそれぞれの枚数は、特に限定されず、要求される性能に応じて適宜設定される。
以下の説明では、便宜上、第1方向を長手方向DLと呼ぶことがある。また、第1方向に直交する方向を幅方向DWと呼ぶことがある。さらに、第1インナーフィン110、隔壁130、及び第2インナーフィン120が積層される方向を積層方向DSと呼ぶことがある。長手方向DL、幅方向DW、及び積層方向DSの各方向は、各図に矢印で示した方向に対応する。以下の説明で用いられる、奥、手前、左、及び右の方向は、図2から図5に矢印で示した方向に対応する。
(2-2)詳細構成
(2-2-1)第1インナーフィン110
第1インナーフィン110は、断面が波形に形成された波形フィンである。第1インナーフィン110の波形は、平面視において、波形の頂部110tが長手方向DLに沿って延びるように形成される。第1インナーフィン110は、隣接して積層される隔壁130及び隔壁130を隔離する第1離間部材140とともに第1流路111を形成する。第1インナーフィン110は、限定するものではないが、例えば、プレス加工を用いて形成される。
なお、第1インナーフィン110の形状に関して、「波形」とは、図6に示されるような半円形状の凹凸を周期的に並べた形状に限定されず、正弦波、矩形波、三角波等の周期的に変化する形状であってもよい。これは、第2インナーフィン120についても同様である。
(2-2-2)第2インナーフィン120
第2インナーフィン120は、断面が波形に形成された波形フィンである。第2インナーフィン120の波形は、平面視において、波形の頂部120tが幅方向DWに沿って延びるように形成される。第2インナーフィン120は、隣接して積層される隔壁130とともに第2流路121を形成する。第2インナーフィン120は、限定するものではないが、例えば、プレス加工を用いて形成される。
(2-2-3)隔壁130
隔壁130は、第1インナーフィン110と第2インナーフィン120とを積層方向DSにおいて隔てる平板である。
(2-2-4)第1離間部材140
第1離間部材140は、積層方向DSにおいて隣り合う隔壁130の間に第1インナーフィン110を配置するため、2つの隔壁130を隔離する部材である。第1離間部材140は、長手方向DLに沿って延びる帯状の部材である。第1離間部材140は、隔壁130の幅方向DWにおける両端縁に沿って配置される。第1離間部材140の積層方向DSにおける高さは、第1インナーフィン110の積層方向DSにおける高さと同じに形成されている。隔壁130の幅方向DWにおける両端縁に沿って配置された第1離間部材140の間に第1インナーフィン110が配置される。
(2-2-5)第2離間部材150
第2離間部材150は、積層方向DSにおいて隣り合う隔壁130の間に第2インナーフィン120を配置するため、2つの隔壁130を隔離する部材である。第2離間部材150は、幅方向DWに沿って延びる帯状の部材である。第2離間部材150は、隔壁130の長手方向DLにおける両端縁に沿って配置される。第2離間部材150の積層方向DSにおける高さは、第2インナーフィン120の積層方向DSにおける高さと同じに形成されている。隔壁130の長手方向DLにおける両端縁に沿って配置された第2離間部材150の間に第1インナーフィン110が配置される。
(2-2-6)ケーシング160
ケーシング160は、第1インナーフィン110と、第2インナーフィン120と、隔壁130と、第1離間部材140と、第2離間部材150とを収容する略直方体の部材である。ケーシング160は、積層方向DSに直交する2つの主面160aと、2つの第1側面160bと、2つの第2側面160cとを有する。主面140aは、積層方向DSに直交する面である。第1側面160bは、長手方向DLに直交する面である。第2側面160cは、幅方向DWに直交する面である。ケーシング160は、第1ヘッダ141と、第2ヘッダ142と、第3ヘッダ143と、第4ヘッダ144と、第5ヘッダ145とが内部に形成されている。
第1ヘッダ141は、ケーシング160に流入した水を複数の第1流路111に分流させる空間である。第1ヘッダ141は、奥側の第1側面160bに沿って形成されている。
第2ヘッダ142は、第1流路111を通過した水を合流させる空間である。第2ヘッダ142は、手前側の第1側面160bに沿って形成されている。
第3ヘッダ143は、ケーシング160に流入した冷媒を複数の第2流路121に分流させる空間である。第3ヘッダ143は、右側の第2側面160c奥側に沿って形成されている。
第4ヘッダ144は、第2流路121を通過した冷媒を合流させる空間である。第4ヘッダ144は、右側の第2側面160cの手前側に沿って形成されている。
第5ヘッダ145は、第2流路121を通過した冷媒を合流させた後、流れる向きを変え、再び第2流路121に分流させる空間である。第5ヘッダ145は、第5ヘッダ145aと、第5ヘッダ145bと、第5ヘッダ145cとを含む。図5に示されるように、第5ヘッダ145aは、左側の第2側面160cの奥側に沿って形成されている。第5ヘッダ145bは、右側の第2側面160cの第4ヘッダ144及び第5ヘッダ145の間に沿って形成されている。第5ヘッダ145cは、左側の第2側面160cの手前側に沿って形成されている。
(2-2-7)第1流通管170a及び第1流通管170b
第1流通管170aは、水を第1流路111に流通させる配管である。第1流通管170aは、ケーシング160に、手前側の第1側面160bを貫通し、第1ヘッダ141と連通するように設けられている。
第1流通管170bは、水を第1流路111に流通させる配管である。第1流通管170bは、ケーシング160に、奥側の第1側面160bを貫通し、第2ヘッダ142と連通するように設けられている。
(2-2-8)第2流通管180a及び第2流通管180b
第2流通管180aは、冷媒を第2流路121に流通させる配管である。第2流通管180aは、ケーシング160に、右側の第2側面160cを貫通し、第3ヘッダ143と連通するように設けられている。
第2流通管180bは、水を第2流路121に流通させる配管である。第2流通管180bは、ケーシング160に、右側の第2側面160cを貫通し、第4ヘッダ144と連通するように設けられている。
(2-2-9)第1流路111及び第2流路121
積層方向DSにおいて隣り合う2つの隔壁130とこれらの隔壁130の間に配置された2つの第1離間部材140とに囲まれた空間に、第1インナーフィン110が収容されることにより、幅方向DWに並んだ複数の第1流路111が形成される。第1流路111は、第1インナーフィン110と隔壁130とに囲まれた長手方向DLに延びる空間及び第1インナーフィン110と、隔壁130と、第1離間部材140とに囲まれた長手方向DLに延びる空間である。
本実施形態では、第1インナーフィン110と、隔壁130と、第1離間部材140とは、ろう付けにより接合される。より詳細には、第1インナーフィン110は、波形の頂部110tがろう付けにより隔壁130に接合される。第1離間部材140は、積層方向DSに直交する面がろう付けにより隔壁130に接合される。以下では、便宜上、頂部110tと隔壁130とが接合された箇所を第1接合部110cと呼び、隔壁130と第1離間部材140とが接合された箇所を第2接合部140cと呼ぶ。第1接合部110c及び第2接合部140cは、接合部の一例である。
積層方向DSにおいて隣り合う2つの隔壁130とこれらの隔壁130の間に配置された2つの第2離間部材150とに囲まれた空間に、第2インナーフィン120が収容されることにより、長手方向DLに並んだ複数の第2流路121が形成される。第2流路121は、第2インナーフィン120と隔壁130とに囲まれた幅方向DWに延びる空間及び第2インナーフィン120と、隔壁130と、第2離間部材150とに囲まれた幅方向DWに延びる空間である。
複数の第1インナーフィン110と複数の第2インナーフィン120とが隔壁130を挟んで交互に積層されることで、幅方向DWに並んだ複数の第1流路111と長手方向DLに並んだ複数の第2流路121とが積層方向DSに井桁状に積層される。
(2-2-10)脆弱部190
熱交換器100は、他の箇所よりも低強度であり、水が凍結し体積膨張をすることで破断する脆弱部190を有する。脆弱部190は、第1流路111を形成する部材であって第1流路111と第2流路121とを隔てる隔壁130以外の部材のいずれかである。本実施形態では、第1インナーフィン110及び第1離間部材140が、脆弱部190として機能する。この場合、第1インナーフィン110及び第1離間部材140は、水が一定以上の体積膨張を起こすと、初めに第1インナーフィン110が破断し、その後、第1離間部材140が破断するように形成されることが好ましい。
第1インナーフィン110を脆弱部190として機能させるためには、第1流路111を形成する各部の寸法は、次の(式1)の関係を満たすことが好ましい。ここで、第1インナーフィン110の肉厚をtw、同じ隔壁130に接する頂部110tの間隔をLw、隔壁130の肉厚をtR、第1インナーフィンの積層方向DSにおける高さをhwとする。
tw/Lw<tR/hw ・・・(式1)
なお、twは、例えば、0.15mmである。Lwは、例えば、2mmである。tRは、例えば、0.15mmである。hwは、例えば、1mmである。
また、第1離間部材140を脆弱部190として機能させるためには、第1流路111を形成する各部の寸法は、次の(式2)の関係を満たすことが好ましい。ここで、平面視における第1離間部材140の幅をLspとする。
((Lsp+tw)/Lw)<tR/hw ・・・(式2)
なお、Lspは、例えば、0.1mmである。
(2-3)冷媒及び水の流れ
熱交換器100の第1流通管170aから導入された水は、第1ヘッダ141を通過し第1流路111に流入する。第1流路111に流入した水は、第1流路111を長手方向DLに沿って奥側へ向かって流れる。奥側まで達した水は、第2ヘッダ142を通過し第1流通管170bから導出される。また、熱交換器100の第1流通管170bから導入された水は、第2ヘッダ142を通過し第1流路111に流入する。第1流路111に流入した水は、第1流路111を長手方向DLに沿って手前側へ向かって流れる。手前側まで達した水は、第1ヘッダ141を通過し第1流通管170aから導出される。いずれの場合も、第1流路111を流れる水は、隔壁130を介して隣り合う第2流路121の冷媒と熱交換を行う。
一方、熱交換器100の第2流通管180aから導入された冷媒は、第3ヘッダ143を通過し第2流路121に流入する。第2流路121に流入した冷媒は、第2流路121を幅方向DWに沿って右側から左側へ向かって流れる。左側まで達した冷媒は、第5ヘッダ145aで合流した後、長手方向DLに沿って手前側へ向かって流れ、再び複数の第2流路121に分流する。第5ヘッダ145aから第2流路121に流入した冷媒は、第2流路121を幅方向DWに沿って左側から右側へ向かって流れる。これ以降も同様にして、冷媒は、第5ヘッダ145b、第2流路121、第5ヘッダ145c、第2流路121の順に、分流と合流とを繰り返して流れた後、第4ヘッダ144を通過し第2流通管180bから導出される。また、熱交換器100の第2流通管180bから導入された冷媒は、第4ヘッダ144を通過し第2流路121に流入する。第2流路121に流入した冷媒は、第2流路121を幅方向DWに沿って右側から左側へ向かって流れる。左側まで達した冷媒は、第5ヘッダ145cで合流した後、長手方向DLに沿って奥前側へ向かって流れ、再び複数の第2流路121に分流する。第5ヘッダ145cから第2流路121に流入した冷媒は、第2流路121を幅方向DWに沿って左側から右側へ向かって流れる。これ以降も同様にして、冷媒は、第5ヘッダ145b、第2流路121、第5ヘッダ145a、第2流路121の順に、分流と合流とを繰り返して流れた後、第3ヘッダ143を通過し第2流通管180aから導出される。いずれの場合も、第2流路121を流れる水は、隔壁130を介して隣り合う第1流路111の水と熱交換を行って凝縮(加熱運転時)又は蒸発(冷却運転及びデフロスト運転時)する。
(3)特徴
(3-1)
熱交換器100は、水と冷媒との熱交換を行う熱交換器であって、水が流れる第1流路111と、冷媒が流れる第2流路121とを備える。第1流路111を形成する部材であって第1流路111と第2流路121とを隔てる隔壁130以外の部材のいずれかは、第1流路111を形成する他の部材よりも低強度な脆弱部190として機能する。
熱交換器100では、第1流路111を通る水が凍結し体積膨張を起こした場合に、他の箇所よりも先に、脆弱部190として機能する第1流路111を形成する部材であって第1流路111と第2流路121とを隔てる隔壁130以外の部材のいずれかが破断する。このため、熱交換器100によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、第2流路121を形成する部材、第2流路121を形成する接合部、又は隔壁130が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
特に限定するものではないが、冷媒サイクル装置1では、例えば、冷却運転、デフロスト運転、及び冷媒回路10の設置場所の気温低下により第1流路111を通る水が凍結することが想定される。冷却運転及びデフロスト運転では、熱交換器100において第2流路121を通る冷媒が蒸発をして第1流路111を通る水から熱を吸収する(水を冷却する)ため、水が凍結するおそれがある。また、冷媒回路10の設置場所の気温が低下した場合、周囲の温度低下にともない熱交換器100が冷却されることで、水が凍結するおそれがある。
(3-2)
熱交換器100は、第1流路111が、2つの隔壁130と、第1インナーフィン110と、第1離間部材140とを用いて形成される。第1インナーフィン110は、2つの隔壁130の間に積層され、断面が波形に形成される。第1離間部材140は、2つの隔壁130の端縁に配置され、2つの隔壁130を離間させる。
(3-3)
脆弱部190は、第1インナーフィン110である。
熱交換器100によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路111を形成する第1インナーフィン110が破断するため、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(3-4)
第1インナーフィン110の肉厚をtw、同じ隔壁130に接する第1インナーフィン110の頂部110tの間隔をLw、隔壁130の肉厚をtR、第1インナーフィン110の積層方向DSにおける高さをhwとすると、これらは、次の関係を満たす。
tw/Lw<tR/hw ・・・(式1)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁130に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第1インナーフィン110に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁130よりも先に破断する第1インナーフィン110に吸収させることができるため、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(3-5)
脆弱部190は、第1離間部材140である
熱交換器100によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路111を形成する第1離間部材140が破断するため、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(3-6)
平面視における第1離間部材140の幅をLsp、第1インナーフィン110の肉厚をtw、同じ隔壁130に接する第1インナーフィン110の頂部110tの間隔をLw、隔壁130の肉厚をtR、第1インナーフィン110の積層方向における高さをhwとすると、これらは、次の関係を満たす。
((Lsp+tw)/Lw)<tR/hw ・・・(式2)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁130に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第1離間部材140に生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁130よりも先に破断する第1離間部材140に吸収させることができるため、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(4)変形例
(4-1)変形例1A
上記実施形態では、第1インナーフィン110及び第1離間部材140が脆弱部190として機能したが、第2流路121を形成する部材の破断を防止することができれば、第1インナーフィン110及び第1離間部材140の一方だけが脆弱部190として機能するように形成されてもよい。
(4-2)変形例1B
上記実施形態では、第1流路111を形成する部材が脆弱部190として機能したが、脆弱部190は、第1流路111を形成する部材どうしが接合された接合部のいずれかであってもよい。具体的には、脆弱部190は、第1接合部110cであってもよい。また、脆弱部190は、第1接合部110c及び第2接合部140cであってもよい。この場合、水が一定以上の体積膨張を起こすと、初めに第1接合部110cが破断し、その後、第2接合部140cが破断するように形成されることが好ましい。
変形例1Bに係る熱交換器100は、水と冷媒との熱交換を行う熱交換器であって、水が流れる第1流路111と、冷媒が流れる第2流路121とを備える。第1流路111を形成する部材どうしが接合された接合部である第1接合部110c又は第2接合部140cは、第1流路111を形成する他の部材よりも低強度な脆弱部として機能する。
変形例1Bに係る熱交換器100では、水が凍結し体積膨張を起こした場合に、他の箇所よりも先に、脆弱部190として機能する第1接合部110c又は第2接合部140cが破断する。このため、変形例1Bに係る熱交換器100によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第1接合部110cを脆弱部190として機能させるためには、第1流路111を形成する各部の寸法は、次の(式3)の関係を満たすことが好ましい。ここで、平面視における第1接合部110cの幅をbw1とする。
0.35×bw1/(2×Lw)<tR/hw ・・・(式3)
なお、bw1は、例えば、0.035mmである。
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁130に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第1接合部110cに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁130よりも先に破断する第1接合部110cに吸収させることができるため、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第2接合部140cを脆弱部190として機能させるためには、第1流路111を形成する各部の寸法は、次の(式4)の関係を満たすことが好ましい。ここで、平面視における第2接合部140cの幅をbsp2とする。
0.35×(2×bsp2+bw1)/Lw<2×tR/hw ・・・(式4)
なお、bsp2は、例えば、0.1mmである。
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁130に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第2接合部140cに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁130よりも先に破断する第2接合部140cに吸収させることができるため、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(4-3)変形例1C
上記実施形態では、第1接合部110c及び第2接合部140cがろう付けにより接合されたが、第1接合部110c及び第2接合部140cは、拡散接合により接合されてもよい。
第1接合部110c及び第2接合部140cが拡散接合により接合された変形例1Cに係る熱交換器100でも、変形例1Bに係る熱交換器100と同様に、水が凍結し体積膨張を起こした場合に、他の箇所よりも先に、脆弱部190として機能する第1接合部110c又は第2接合部140cが破断する。このため、変形例1Bに係る熱交換器100によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第1接合部110cを脆弱部190として機能させるためには、第1流路111を形成する各部の寸法は、次の(式5)の関係を満たすことが好ましい。
bw1/(2×Lw)<tR/hw ・・・(式5)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁130に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第1接合部110cに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁130よりも先に破断する第1接合部110cに吸収させることができるため、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第2接合部140cを脆弱部190として機能させるためには、第1流路111を形成する各部の寸法は、次の(式6)の関係を満たすことが好ましい。
(2×bsp2+bw1)/Lw<2×tR/hw ・・・(式6)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に隔壁130に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第2接合部140cに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、隔壁130よりも先に破断する第2接合部140cに吸収させることができるため、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(4-4)変形例1D
上記実施形態では、使用される冷媒がプロパンであったが、使用される冷媒はこれに限定されず、HC、HFC(R410Aなど)、HCFC(R22、R32など)、自然冷媒などの周知の冷媒が用いることができる。
熱交換器100によれば、可燃性又は毒性を有する冷媒を使用した場合でも、第2流路121を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することを抑制できる。なお、可燃性の冷媒とは、米国ANSI/ASHRAE34の規格において、2L以上に分類されている冷媒のことを指す。
<第2実施形態>
(1)熱交換器
本開示の第2実施形態に係る熱交換器200について説明する。熱交換器100と熱交換器200との主な相違点は、熱交換器100がインナーフィンと隔壁とを積層することで流路を形成するのに対して、熱交換器200は、2つの伝熱プレートを積層して流路を形成する点である。
冷媒サイクル装置1は、熱交換器100に代えて熱交換器200を備えることができる。熱交換器200を備える冷媒サイクル装置1の構成及び動作は、熱交換器100と同じであるため、詳細な説明は省略する。
長手方向DL、幅方向DW、及び積層方向DSの各方向は、各図に矢印で示した方向に対応する。以下の説明で用いられる、奥、手前、上、下、左、及び右の方向は、図7、図8に矢印で示した方向に対応する。
(1-1)全体構成
熱交換器200は、複数の第1伝熱プレート210と、複数の第2伝熱プレート220と、第1フレーム230と、第2フレーム240と、第1流通管250aと、第1流通管250bと、第2流通管260aと、第2流通管260bとを備える熱交換器である。
熱交換器200は、内部に、第1流路211と、第2流路221とが設けられている。詳細は後述するが、熱交換器200は、水が凍結した際に、第2流路221を流れる冷媒が第1流路211に流入することを抑制する脆弱部290を有する。
第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とは、外形が同じ矩形状に形成された金属製の板状部材である。第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とは、厚みが同じである。本実施形態では、図7に示されるように、第1伝熱プレート210、第2伝熱プレート220、第1フレーム230、及び第2フレーム240の外形は、第1方向(長手方向DL)に長い矩形に形成されている。
複数の第1伝熱プレート210と複数の第2伝熱プレート220とは、交互に積層される。複数の第1伝熱プレート210及び複数の第2伝熱プレート220のそれぞれの枚数は、特に限定されず、要求される性能に応じて適宜設定される。
(1-2)詳細構成
(1-2-1)第1伝熱プレート210
第1伝熱プレート210は、断面が波形に形成された波形フィンである。本実施形態では、第1伝熱プレート210の波形は、平面視において、頂部210tが、上方に向かって凸なヘリンボーンパターンを描くように形成される。第1伝熱プレート210は、隣接して積層される第2伝熱プレート220とともに第1流路211及び第2流路221を形成する。第1伝熱プレート210は、第1接合領域210aと、2つの第1流通孔210bと、2つの第1貫通孔210cと、第1面210saと、第2面210sbとを有する。
第1接合領域210aは、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とを互いに接合する領域である。第1接合領域210aは、所定幅の端縁が手前側に向かって折れ曲がった帯状の領域である。
第1流通孔210bは、水を第1流路211へ流通させる孔である。第1流通孔210bは、上方右側及び下方左側のそれぞれに形成される。
第1貫通孔210cは、冷媒を積層方向DSへ通過させる孔である。第1貫通孔210cは、上方左側及び下方右側に形成される。
第1面210saは、第1伝熱プレート210の手前側の面である。第1面210saは、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とを積層した場合に、後述する第2伝熱プレート220の第2面220sbと対向する面である。
第2面210sbは、第1伝熱プレート210の奥側の面である。第2面210sbは、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とを積層した場合に、後述する第2伝熱プレート220の第1面220saと対向する面である。
第1伝熱プレート210は、限定するものではないが、例えば、プレス加工を用いて形成される。
なお、第1伝熱プレート210の形状に関して、「波形」とは、図8に示されるような半円形状の凹凸を周期的に並べた形状に限定されず、正弦波、矩形波、三角波等の周期的に変化する形状であってもよい。これは、第2伝熱プレート220についても同様である。
(1-2-2)第2伝熱プレート220
第2伝熱プレート220は、断面が波形に形成された波形フィンである。本実施形態では、第2伝熱プレート220の波形は、平面視において、頂部220tが、下方に向かって凸なヘリンボーンパターンを描くように形成される。第2伝熱プレート220は、隣接して積層される第1伝熱プレート210とともに第1流路211及び第2流路221を形成する。第2伝熱プレート220は、第2接合領域220aと、2つの第2流通孔220bと、2つの第2貫通孔220cと、第1面220saと、第2面220sbとを有する。
第2接合領域220aは、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とを互いに接合する領域である。第2接合領域220aは、所定幅の端縁が手前側に向かって折れ曲がった帯状の領域である。
第2流通孔220bは、冷媒を第2流路221へ流通させる孔である。第2流通孔220bは、上方右側及び下方左側に形成される。第2流通孔220bは、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とを積層した場合に、第1貫通孔210cに重なり合い連通する位置に形成される。第2流通孔220bの大きさ及び形状は、第1貫通孔210cと同じである。
第2貫通孔220cは、水を積層方向DSへ通過させる孔である。第2貫通孔220cは、上方左側及び下方右側に形成される。第2貫通孔220cは、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とを積層した場合に、第1流通孔210bに重なり合い連通する位置に形成される。第2貫通孔220cの大きさ及び形状は、第1流通孔210bと同じである。
第1面220saは、第2伝熱プレート220の手前側の面である。第1面220saは、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とを積層した場合に、第1伝熱プレート210の第2面210sbと対向する面である。
第2面220sbは、第2伝熱プレート220の奥側の面である。第2面220sbは、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とを積層した場合に、第1伝熱プレート210の第1面210saと対向する面である。
第2伝熱プレート220は、限定するものではないが、例えば、プレス加工を用いて形成される。
(1-2-3)第1フレーム230及び第2フレーム240
第1フレーム230と第2フレーム240とは、交互に積層された複数の第1伝熱プレート210及び複数の第2伝熱プレート220を、積層方向DSにおける両端で挟む金属製の板状部材である。
(1-2-4)第1流通管250a及び第1流通管250b
第1流通管250aは、水を第1流路211に流通させる配管である。第1流通管250aは、第1フレーム230の上方左側を貫通し、第1流路211と連通するように設けられている。より詳細には、第1流通管250aは、第1伝熱プレート210、第2伝熱プレート220、及び第1フレーム230を積層した場合に互いに連通する、上方左側に形成された第1流通孔210b及び第2貫通孔220cに連通するように形成される。
第1流通管250bは、水を第1流路211に流通させる配管である。第1流通管250aは、第1フレーム230の下方右側を貫通し、第1流路211と連通するように設けられている。より詳細には、第1流通管250aは、第1伝熱プレート210、第2伝熱プレート220、及び第1フレーム230を積層した場合に互いに連通する、下方右側に形成された第1流通孔210b及び第2貫通孔220cに連通するように形成される。
なお、第1流通管250aは、熱交換器100の第1流通管170aに対応する。第1流通管250bは、熱交換器100の第1流通管170bに対応する。
(1-2-5)第2流通管260a及び第2流通管260b
第2流通管260aは、冷媒を第2流路221に流通させる配管である。第2流通管260aは、第1フレーム230の上方右側を貫通し、第2流路221と連通するように設けられている。より詳細には、第2流通管260aは、第1伝熱プレート210、第2伝熱プレート220、及び第1フレーム230を積層した場合に互いに連通する、上方右側に形成された第2流通孔220b及び第1貫通孔210cに連通するように形成される。
第2流通管260bは、冷媒を第2流路221に流通させる配管である。第2流通管260aは、第1フレーム230の下方左側を貫通し、第2流路221と連通するように設けられている。より詳細には、第2流通管260aは、第1伝熱プレート210、第2伝熱プレート220、及び第1フレーム230を積層した場合に互いに連通する、下方左側に形成された第2流通孔220b及び第1貫通孔210cに連通するように形成される。
なお、第2流通管260aは、熱交換器100の第2流通管180aに対応する。第2流通管260bは、熱交換器100の第2流通管180bに対応する。
(1-2-6)第1流路211及び第2流路221
第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とが交互に積層されることで第1流路211と第2流路221とが積層方向DSに交互に形成される。より詳細には、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とが交互に積層されることで、第1伝熱プレート210の第1面210saと第2伝熱プレート220の第2面220sbとが対向した空間が第1流路211となる。また、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とが交互に積層されることで、第1伝熱プレート210の第2面210sbと第2伝熱プレート220の第1面220saとが対向した空間が第1流路211となる。
なお、第1流路211は、熱交換器100の第1流路111に対応する。第2流路221は、熱交換器100の第2流路121に対応する。
本実施形態では、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とは、ろう付けにより接合される。より詳細には、第1伝熱プレート210と第2伝熱プレート220とは、第1接合領域210aと第2接合領域220aとがろう付けにより互いに接合されるとともに、第1伝熱プレート210の頂部210tと第2伝熱プレート220の頂部220tとがろう付けにより互いに接合される。以下では、便宜上、第1伝熱プレート210の頂部210tの第1面210sa側と第2伝熱プレート220の頂部220tの第2面220sb側とが接合された箇所を第3接合部210dと呼び、第1接合領域210aの第1面210sa側と第2接合領域220aの第2面220sb側とが接合された箇所を第4接合部210eと呼ぶ。
(1-2-7)脆弱部290
熱交換器200は、他の箇所よりも低強度であり、水が凍結し体積膨張をすることで破断する脆弱部290を有する。脆弱部290は、第1流路211を形成する部材どうしが接合された接合部のいずれかである。本実施形態では、第3接合部210d及び第4接合部210eが、脆弱部290として機能する。この場合、第3接合部210d及び第4接合部210eは、水が一定以上の体積膨張を起こすと、初めに第3接合部210dが破断し、その後、第4接合部210eが破断するように形成されることが好ましい。
第3接合部210dを脆弱部290として機能させるためには、第1流路211を形成する各部の寸法は、次の(式7)の関係を満たすことが好ましい。ここで、法線方向に沿って見た第3接合部210dの幅をbw3、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレートの肉厚をtとする。
0.35×bw3<2×t ・・・(式7)
なお、bw3は、例えば、1mmである。tは、例えば、2mmである。
また、第4接合部210eを脆弱部290として機能させるためには、第1流路211を形成する各部の寸法は、次の(式8)の関係を満たすことが好ましい。ここで、法線方向に沿って見た第4接合部210eの幅をbsp4とする。
0.35×(bsp4+bw3/2)<2×t ・・・(式8)
なお、bsp4は、例えば、1mmである。
(1-3)冷媒及び水の流れ
熱交換器200の第1流通管250aから導入された水は、上側の第2貫通孔220c及び第1流通孔210bを通過して第1流路211に流入する。第1流路211に流入した水は、第1流路211を下側の第1流通孔210bへ向かって流れる。下側の第1流通孔210bまで達した水は、下側の第2貫通孔220cを通過し第1流通管250bから導出される。また、熱交換器200の第1流通管250bから導入された水は、下側の第2貫通孔220c及び第1流通孔210bを通過して第1流路211に流入する。第1流路211に流入した水は、第1流路211を上側の第1流通孔210bへ向かって流れる。上側の第1流通孔210bまで達した水は、上側の第2貫通孔220cを通過し第1流通管250aから導出される。いずれの場合も、第1流路211を流れる水は、第1伝熱プレート210又は第2伝熱プレート220を介して隣り合う第2流路221の冷媒と熱交換を行う。
一方、熱交換器200の第2流通管260aから導入された冷媒は、上側の第1貫通孔210c及び第2流通孔220bを通過して第2流路221に流入する。第2流路221に流入した冷媒は、第2流路221を下側の第2流通孔220bへ向かって流れる。下側の第2流通孔220bまで達した冷媒は、下側の第1貫通孔210cを通過し第2流通管260bから導出される。また、熱交換器200の第2流通管260bから導入された冷媒は、下側の第1貫通孔210c及び第2流通孔220bを通過して第2流路221に流入する。第2流路221に流入した冷媒は、第2流路221を上側の第2流通孔220bへ向かって流れる。上側の第2流通孔220bまで達した冷媒は、上側の第1貫通孔210cを通過し第2流通管260aから導出される。いずれの場合も、第2流路221を流れる水は、第1伝熱プレート210又は第2伝熱プレート220を介して隣り合う第1流路211の水と熱交換を行って凝縮(加熱運転時)又は蒸発(冷却運転及びデフロスト運転時)する。
(2)特徴
(2-1)
熱交換器200は、第1流路211が、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220と、第3接合部210dと、第4接合部210eとを有する。第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220は、互いに積層される。第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220のそれぞれは、断面が波型に形成される。第3接合部は、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220の頂部210t、220tが接合される箇所である。第4接合部210eは、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220の端縁が接合された箇所である。
(2-2)
脆弱部290は、第3接合部210dである。
熱交換器200によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路211を形成する部材どうしが接合された第3接合部210dが破断するため、第2流路221を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(2-3)
第3接合部210dは、ろう付けによって接合される。法線方向に沿って見た第3接合部210dの幅をbw3、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220の肉厚をtとすると、これらは、次の関係を満たす。
0.35×bw3<2×t ・・・(式7)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第3接合部210dに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220よりも先に破断する第3接合部210dに吸収させることができるため、第2流路221を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(2-4)
脆弱部290は、第4接合部210eである。
熱交換器200によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路211を形成する部材どうしが接合された第4接合部210eが破断するため、第2流路221を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(2-5)
第4接合部210eは、ろう付けによって接合される。法線方向に沿って見た第4接合部210eの幅をbsp4、法線方向に沿って見た第3接合部の幅をbw3、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220の肉厚をtとすると、これらは、次の関係を満たす。
0.35×(bsp4+bw3/2)<2×t ・・・(式8)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第4接合部210eに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220よりも先に破断する第4接合部210eに吸収させることができるため、第2流路221を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(3)変形例
(3-1)変形例2A
上記実施形態では、第3接合部210d及び第4接合部210eが脆弱部290として機能したが、第2流路121を形成する部材の破断を防止することができれば、第3接合部210d及び第4接合部210eの一方だけが脆弱部290として機能するように形成されてもよい。
(3-2)変形例2B
上記実施形態では、第3接合部210d及び第4接合部210eがろう付けにより接合されたが、第3接合部210d及び第4接合部210eは、拡散接合により接合されてもよい。
変形例2Bに係る熱交換器200でも、第2実施形態に係る熱交換器200と同様に、水が凍結し体積膨張を起こした場合に、他の箇所よりも先に、脆弱部290として機能する第3接合部210d又は第4接合部210eが破断する。このため、変形例2Bに係る熱交換器200によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、第2流路221を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第3接合部210dを脆弱部290として機能させるためには、第1流路211を形成する各部の寸法は、次の(式9)の関係を満たすことが好ましい。
bw3<2×t ・・・(式9)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第3接合部210dに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220よりも先に破断する第3接合部210dに吸収させることができるため、第2流路221を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第4接合部210eを脆弱部290として機能させるためには、第1流路211を形成する各部の寸法は、次の(式10)の関係を満たすことが好ましい。
(bsp4+bw3/2)<2×t ・・・(式10)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第4接合部210eに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、第1伝熱プレート210及び第2伝熱プレート220よりも先に破断する第4接合部210eに吸収させることができるため、第2流路221を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
<第3実施形態>
(1)熱交換器
本開示の第3実施形態に係る熱交換器300について説明する。熱交換器100と熱交換器300との主な相違点は、熱交換器100がインナーフィンと隔壁とを積層することで流路を形成するのに対して、熱交換器300は、2つの伝熱プレートを積層して流路を形成する点である。
冷媒サイクル装置1は、熱交換器100に代えて熱交換器300を備えることができる。熱交換器300を備える冷媒サイクル装置1の構成及び動作は、熱交換器100と同じであるため、詳細な説明は省略する。
長手方向DL、幅方向DW、及び積層方向DSの各方向は、各図に矢印で示した方向に対応する。以下の説明で用いられる、奥、手前、上、下、左、及び右の方向は、図9、図10に矢印で示した方向に対応する。なお、第1実施形態と同様又は対応する特徴については、同一の符号を付して、適宜説明を省略する。
(1-1)全体構成
熱交換器300は、複数の第1伝熱プレート310と、複数の第2伝熱プレート320と、ケーシング160と、第1流通管170aと、第1流通管170bと、第2流通管180aと、第2流通管180bとを備える熱交換器である。言い換えると、熱交換器300は、熱交換器100の第1インナーフィン110、第2インナーフィン120、隔壁130、第1離間部材140、及び第2離間部材150に代えて、第1伝熱プレート310及び第2伝熱プレート320を備える。熱交換器300は、内部に、水が流れる第1流路311と、冷媒が流れる第2流路321が形成されている。詳細は後述するが、熱交換器300は、水が凍結した際に、第2流路321を流れる冷媒が第1流路311に流入することを抑制する脆弱部390を有する。
第1伝熱プレート310及び第2伝熱プレート320は、外形が同じ矩形状に形成された金属製の板状部材である。本実施形態では、図9、図10に示されるように、第1伝熱プレート310及び第2伝熱プレート320は、第1インナーフィン110、第2インナーフィン120、及び隔壁130と同様に第1方向(長手方向DL)に長い矩形に形成されている。
第1伝熱プレート310と第2伝熱プレート320とは、積層方向DSに沿って交互に積層され、ケーシング160に収容される。第1伝熱プレート310及び第2伝熱プレート320のそれぞれの枚数は、特に限定されず、要求される性能に応じて適宜設定される。
(1-2)詳細構成
(1-2-1)第1伝熱プレート310及び第1流路311
第1伝熱プレート310は、複数の第1流路311が内部に形成された板状部材である。第1流路311は、平面視において、長手方向DLに沿って延びるように形成される。複数の第1流路311は、幅方向DWに所定の間隔を空けて並んで形成される。本実施形態では、第1流路311は、水が流れる方向に直交する平面で切断した断面形状が矩形に形成される。第1流路311は、限定するものではないが、例えば、エッチングを用いて形成される。
より詳細には、第1伝熱プレート310は、板状部材310a及び板状部材310bを積層方向DSに積層することで形成される。板状部材310a、310bには、積層された際に対向して第1流路311を形成する溝311a,311bがエッチングを用いて形成される。
本実施形態では、板状部材310aと板状部材310bとは、ろう付けにより接合される。以下では、便宜上、板状部材310aと板状部材310bとが接合された箇所であって、平面視において隣り合う第1流路311の間に位置する箇所を第5接合部310cと呼ぶ。また、板状部材310aと板状部材310bとが接合された箇所であって、第1伝熱プレート310の幅方向DWにおける端部とこの端部の最も近傍に形成された第1流路311との間に位置する箇所を第6接合部310dと呼ぶ。第5接合部310c及び第6接合部310dは、接合部の一例である。
なお、第1流路311は、熱交換器100の第1流路111に対応する。
(1-2-2)第2伝熱プレート320及び第2流路321
第2伝熱プレート320は、複数の第2流路321が内部に形成された板状部材である。第2流路321は、平面視において、幅方向DWに沿って延びるように形成される。複数の第2流路321は、長手方向DLに所定の間隔を空けて並んで形成される。第2流路321は、限定するものではないが、例えば、エッチングを用いて形成される。
なお、第2流路321は、熱交換器100の第2流路121に対応する。
(1-2-3)脆弱部390
熱交換器300は、他の箇所よりも低強度であり、水が凍結し体積膨張をすることで破断する脆弱部390を有する。本実施形態では、第1流路311を形成する部材である第1伝熱プレート310が、脆弱部390として機能する。
第1伝熱プレート310を脆弱部390として機能させるためには、第1伝熱プレート310各部の寸法は、次の(式11)の関係を満たすことが好ましい。ここで、第1伝熱プレート310に形成された第1流路311の幅方向DWにおける間隔をtw3、間隔tw3と第1流路311の幅方向DWにおける幅との和をLw3、積層方向DSにおける第1流路311と第2流路321との間隔をtR3、第1流路311の積層方向DSにおける高さをhw3とする。
tw3/(2×Lw3)<tR3/hw3 ・・・(式11)
なお、tw3は、例えば、0.15mmである。Lw3は、例えば、2mmである。tR3は、例えば、0.15mmである。hw3は、例えば、1mmである。
また、第1伝熱プレート310を脆弱部390として機能させるためには、第1伝熱プレート310を形成する各部の寸法は、次の(式12)の関係をさらに満たすことが好ましい。ここで、第1伝熱プレート310の幅方向DWにおける端部と、この端部の最も近傍に形成された第1流路311との幅方向DWにおける間隔をLsp3とする。
((Lsp3+tw3/2)/Lw3)<tR3/hw3 ・・・(式12)
なお、Lsp3は、例えば、0.1mmである。
(2)特徴
(2-1)
熱交換器300は、第1伝熱プレート310と、第2伝熱プレート320とを有する。第1伝熱プレート310は、第1流路311が内部に形成されている。第2伝熱プレート320は、第2流路321が内部に形成されている。脆弱部390は、第1伝熱プレート310である。
熱交換器300によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1流路311を形成する第1伝熱プレート310が破断するため、第2流路321を形成する第2伝熱プレート320が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(3)変形例
(3-1)変形例3A
上記実施形態では、第1流路311を形成する部材が脆弱部390として機能したが、脆弱部390は、第1流路311を形成する部材どうしが接合された箇所であってもよい。具体的には、脆弱部390は、第5接合部310cであってもよい。また、脆弱部190は、第5接合部310c及び第6接合部310dであってもよい。この場合、水が一定以上の体積膨張を起こすと、初めに第5接合部310cが破断し、その後、第6接合部310dが破断するように形成されることが好ましい。
変形例3Aに係る熱交換器300では、水が凍結し体積膨張を起こした場合に、他の箇所よりも先に、脆弱部390として機能する第5接合部310c又は第6接合部310dが破断する。このため、変形例3Aに係る熱交換器300によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、第2流路321を形成する部材(第2伝熱プレート320)が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第5接合部310cを脆弱部390として機能させるためには、第1流路311を形成する第1伝熱プレート310の各部の寸法は、次の(式13)の関係を満たすことが好ましい。ここで、平面視における第5接合部310cの幅をbw5とする。
0.35×bw5/(2×Lw3)<tR3/hw3 ・・・(式13)
なお、bw5は、例えば、0.035mmである。
第1伝熱プレート310の各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に第1流路311と第2流路321との間に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第5接合部310cに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、第1流路311と第2流路321との間よりも先に破断する第5接合部310cに吸収させることができるため、第2流路321を形成する部材が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第6接合部310dを脆弱部390として機能させるためには、第1流路311を形成する第1伝熱プレート310の各部の寸法は、次の(式14)の関係を満たすことが好ましい。ここで、平面視における第6接合部310dの幅をbsp6とする。
0.35×(2×bsp6+bw5)/Lw3<2×tR3/hw3 ・・・(式14)
なお、bsp6は、例えば、0.1mmである。
第1伝熱プレート310の各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に第1流路311と第2流路321との間に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第6接合部310dに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、第1流路311と第2流路321との間よりも先に破断する第6接合部310dに吸収させることができるため、第2流路321を形成する部材(第2伝熱プレート320)が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
熱交換器300では、第1伝熱プレート310は、第1流路311を形成する溝311a,312bが形成された2つの板状部材310a、310bを積層することで形成される。脆弱部390は、2つの板状部材310a、310bが接合された箇所である。
熱交換器300によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、他の箇所よりも先に、第1伝熱プレート310を形成する2つの板状部材310a、310bが接合された箇所(第5接合部310c、第6接合部310d)が破断するため、第2流路を形成する第2伝熱プレート320が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
(3-2)変形例3B
上記実施形態では、第5接合部310c及び第6接合部310dがろう付けにより接合されたが、第5接合部310c及び第6接合部310dは、拡散接合により接合されてもよい。
第5接合部310c及び第6接合部310dが拡散接合により接合された変形例3Bに係る熱交換器300でも、変形例3Aに係る熱交換器300と同様に、水が凍結し体積膨張を起こした場合に、第1流路311と第2流路321との間よりも先に、脆弱部390として機能する第5接合部310c又は第6接合部310dが破断する。このため、変形例3Bに係る熱交換器300によれば、水が凍結し体積膨張をした場合に、第2流路321を形成する部材(第2伝熱プレート320)が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第5接合部310cを脆弱部390として機能させるためには、第1流路311を形成する第1伝熱プレート310の各部の寸法は、次の(式15)の関係を満たすことが好ましい。
bw5/(2×Lw3)<tR3/hw3 ・・・(式15)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に第1流路311と第2流路321との間に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第5接合部310cに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、第1流路311と第2流路321との間よりも先に破断する第5接合部310cに吸収させることができるため、第2流路321を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
第6接合部310dを脆弱部190として機能させるためには、第1流路111を形成する第1伝熱プレート310の各部の寸法は、次の(式16)の関係を満たすことが好ましい。
(2×bsp6+bw5)/Lw3<2×tR3/hw3 ・・・(式16)
各部の寸法が上記の関係を満たすように形成されることで、水が凍結し体積膨張をした場合に第1流路311と第2流路321との間に生じる応力を、水が凍結し体積膨張をした場合に第6接合部310dに生じる応力よりも小さくできる。これにより、体積膨張で生じる力を、第1流路311と第2流路321との間よりも先に破断する第6接合部310dに吸収させることができるため、第2流路321を形成する部材や接合部が破断して冷媒が漏洩することが抑制される。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1 冷媒サイクル装置
100、200、300 熱交換器
110 第1インナーフィン
110c 第1接合部
110t 頂部
111、211、311 第1流路
130 隔壁
140 離間部材
140c 第2接合部
210、310 第1伝熱プレート
210d 第3接合部
210e 第4接合部
220、320 第2伝熱プレート
121、221、321 第2流路
190、290、390 脆弱部
310a、310b 板状部材
310c 第5接合部
310d 第6接合部
311a,311b 溝
特開平10-132476号公報

Claims (6)

  1. 水と冷媒との熱交換を行う熱交換器であって、
    前記水が流れる第1流路(111)と、
    前記冷媒が流れる第2流路(121)
    前記第1流路と前記第2流路とを隔てる隔壁(130)と、
    を備え、
    前記第1流路は、
    隣り合う2つの前記隔壁と、
    隣り合う2つの前記隔壁の間に積層された、断面が波形に形成されたインナーフィン(110)と
    を用いて形成され、
    前記インナーフィンは、
    前記隔壁よりも低強度な脆弱部(190)として機能
    前記脆弱部は、
    前記水が凍結した際に破断する強度に形成される、
    熱交換器(100)
  2. 前記第1流路は、
    隣り合う2つの前記隔壁の端縁に配置され、隣り合う2つの前記隔壁を離間させる離間部材(140)をさらに用いて形成される、
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記インナーフィンの肉厚をtw、
    同じ前記隔壁に接する前記インナーフィンの頂部(110t)の間隔をLw、
    前記隔壁の肉厚をtR、
    前記インナーフィンの積層方向における高さをhw
    とすると、これらは、次の関係を満たす、
    tw/Lw<tR/hw
    請求項に記載の熱交換器。
  4. 前記離間部材は、
    前記脆弱部としてさらに機能する、
    請求項2に記載の熱交換器。
  5. 平面視における前記離間部材の幅をLsp、
    前記インナーフィンの肉厚をtw、
    同じ前記隔壁に接する前記インナーフィンの頂部の間隔をLw、
    前記隔壁の肉厚をtR、
    前記インナーフィンの積層方向における高さをhw
    とすると、これらは、次の関係を満たす、
    ((Lsp+tw)/Lw)<tR/hw
    請求項に記載の熱交換器。
  6. 前記冷媒は、
    可燃性又は毒性を有する、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の熱交換器。
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