JP7301224B2 - プレート式熱交換器、冷凍サイクル装置および伝熱装置 - Google Patents

プレート式熱交換器、冷凍サイクル装置および伝熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7301224B2
JP7301224B2 JP2022523797A JP2022523797A JP7301224B2 JP 7301224 B2 JP7301224 B2 JP 7301224B2 JP 2022523797 A JP2022523797 A JP 2022523797A JP 2022523797 A JP2022523797 A JP 2022523797A JP 7301224 B2 JP7301224 B2 JP 7301224B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
plate
transfer plate
heat
heat exchanger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022523797A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021234824A1 (ja
JPWO2021234824A5 (ja
Inventor
憲成 澤田
亮輔 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2021234824A1 publication Critical patent/JPWO2021234824A1/ja
Publication of JPWO2021234824A5 publication Critical patent/JPWO2021234824A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7301224B2 publication Critical patent/JP7301224B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F28HEAT EXCHANGE IN GENERAL
    • F28FDETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
    • F28F3/00Plate-like or laminated elements; Assemblies of plate-like or laminated elements
    • F28F3/08Elements constructed for building-up into stacks, e.g. capable of being taken apart for cleaning

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

この技術は、プレート式熱交換器、冷凍サイクル装置および伝熱装置に関するものである。特に、熱交換に係る流体の混合を防止する構成などに関するものである。
プレート式熱交換器は、波形の凹凸が複数列形成された伝熱プレートが複数積層された熱交換器である。プレート式熱交換器は、インナーフィン型またはヘリボーン型などのプレート式熱交換器がある。プレート式熱交換器は、たとえば、冷媒回路を循環する冷媒と屋内などに供給される水などの熱媒体との間における流体の熱交換に用いられる。屋外の室外機に搭載したプレート熱交換器で熱交換することで、冷媒を屋内に流すことなく、熱を供給することができる。
近年、冷凍サイクル装置において、世界的に、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)が低い低GWP冷媒を使用する動きがある。低GWP冷媒の中には可燃性冷媒もある。このため、プレート式熱交換器において、低GWP冷媒を使用する場合には、冷媒が室内などに漏洩しない対策が必要となる。そこで、第一伝熱プレートと第二伝熱プレートの間を部分的にロウ付けすることで、信頼性と伝熱性能とを両立させた構造を有するプレート式熱交換器が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
国際公開第2018/216245号
破損箇所などの破損形態は、製造条件または環境条件といった誤差因子によって決まる。このため、第一伝熱プレートと第二伝熱プレートとが接触した領域が破損する可能性がある。ここで、第一伝熱プレートと第二伝熱プレートとが接触している領域が破損すると、他の伝熱プレートに影響し、冷媒と熱媒体とが混合され、室内に可燃性冷媒が流入するおそれがある。ここで、特許文献のようなインナーフィンを有するプレート式熱交換器において、インナーフィンが配置される領域では、インナーフィンの設計などによって、大きな負荷がかかった場合に、特定の箇所が破損するように制御することができる。
しかしながら、プレート式熱交換器において、冷媒などが通過する通路孔が形成されるヘッダー部となる領域は、インナーフィンが配置されておらず、伝熱プレートだけが対向している部分であることから、設計の自由度が低い。このため、破損箇所を制御して信頼性を高めることは困難である。また、インナーフィンが配置される領域のように、ロウ付けもなされていない。
そこで、上述した課題を解決するため、ヘッダー部において、さらに伝熱性能および信頼性の向上をはかることができるプレート式熱交換器、冷凍サイクル装置および伝熱装置を提供することを目的とする。
この開示に係るプレート式熱交換器は、第一流体の流出入口および第二流体の流出入口となる通路孔を含むヘッダー部を有する伝熱プレートとして、第一伝熱プレート、第二伝熱プレートおよび第三伝熱プレートを備え、第一伝熱プレートと第二伝熱プレートとを対向させて形成された第一流体が流れる第一流路と、第二伝熱プレートと反対側の面で、第一伝熱プレートと第三伝熱プレートとを対向させて形成された第二流体が流れる第二流路とを有するプレート群を積層し、隣り合う2つのプレート群の第二伝熱プレートと第三伝熱プレートとの間の空隙に、第二伝熱プレートと第三伝熱プレートとの伝熱を行う伝熱部が設置された空間部を有するプレート式熱交換器であって、第一伝熱プレート、第二伝熱プレートおよび第三伝熱プレートのうち、少なくとも1つの伝熱プレートは、流路側に突出する凸部をヘッダー部に有し、第二伝熱プレートおよび第三伝熱プレートの板厚は、第一伝熱プレートの板厚よりも薄いものである。
また、この開示に係る冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、熱交換により冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮に係る冷媒を減圧させる絞り装置と、熱交換により冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して構成する冷媒回路を有し、蒸発器および凝縮器の少なくとも一方が、上記のプレート式熱交換器を有するものである。
また、この開示に係る伝熱装置は、上記の冷凍サイクル装置と、熱供給対象に伝熱を行う熱媒体が循環する熱媒体回路とを備え、冷凍サイクル装置が有するプレート式熱交換器において、冷媒と熱媒体とを熱交換させるものである。
この開示によれば、第二伝熱プレートおよび第三伝熱プレートの板厚を第一伝熱プレートの板厚よりも薄くしておく。そして、ヘッダー部において、少なくともいずれか1つの伝熱プレートが有する凸部の位置によって、第二伝熱プレートおよび第三伝熱プレートにおいて限界を超える負荷などに対して破損箇所を制御できるようにする。このため、伝熱部によって熱交換性能を良好にし、且つ、構造が簡単で安価に製造可能でありながら、製造条件および環境条件といった誤差因子によらず、可燃性冷媒などが室内へ漏洩するのを防止することができ、装置の長期信頼性を向上することができる。
実施の形態1に係る伝熱装置100の概略構成を示す図である。 実施の形態1に係るプレート式熱交換器30を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係るプレート式熱交換器30における各種伝熱プレートと各種インナーフィンとの組み合わせの関係を説明する図である。 実施の形態1に係る第一インナーフィン33および第二インナーフィン35の配置について説明する図である。 実施の形態1に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。 実施の形態2に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。 実施の形態3に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。 実施の形態4に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。 実施の形態5に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。 実施の形態6に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。 実施の形態7に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。 実施の形態8に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。 実施の形態9に係るプレート式熱交換器30のヘッダー部72における凸部71の配置を説明する図である。
以下、実施の形態に係るプレート式熱交換器、冷凍サイクル装置および伝熱装置について、図面などを参照しながら説明する。以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。さらに、断面図では、視認性に鑑みて、一部の図および機器において、ハッチングを省略している。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。特に、構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。また、圧力および温度の高低については、特に絶対的な値との関係で高低が定まっているものではなく、装置などにおける状態、動作などにおいて相対的に定まるものとする。また、添字で区別などしている複数の同種の機器などについて、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字などを省略して記載する場合がある。
実施の形態1.
<伝熱装置100の構成>
図1は、実施の形態1に係る伝熱装置100の概略構成を示す図である。図1に示すように、伝熱装置100は、冷凍サイクル装置が有する冷媒回路10と熱媒体回路20とを備える。冷媒回路10は、第二流体である冷媒を循環させて、第一流体である熱媒体を冷却または加熱する回路である。また、熱媒体回路20は、熱媒体を循環させ、冷媒回路10から熱媒体が得た熱を、後述する家屋21内のラジエータ23に供給する回路である。冷媒回路10は、屋外に設置された室外機11に搭載される。また、熱媒体回路20の一部の機器は室外機11に設置され、他の機器は家屋21内に設置される。
<室外機11の構成>
室外機11は、圧縮機12、四方弁13、プレート式熱交換器30、絞り装置となる膨張弁14および、室外熱交換器15を有する。そして、圧縮機12、四方弁13、プレート式熱交換器30、膨張弁14および室外熱交換器15が順に冷媒配管16で環状に接続され、前述した冷媒回路10を構成する。第二流体である冷媒については、特に限定するものではないが、ここでは、低GWP冷媒であるR32またはR290などの可燃性冷媒などを用いる。ただし、低GWPの可燃性冷媒に限定するものではない。
圧縮機12は、吸入した冷媒を圧縮し、高温および高圧の冷媒を吐出する。圧縮機12は、たとえば、スクロール型圧縮機、レシプロ型圧縮機またはベーン型圧縮機などである。また、特に限定するものではないが、圧縮機12は、たとえば、インバータ回路などにより、運転周波数を任意に変化させることにより、圧縮機12の容量を変化させることができる。流路切替装置となる四方弁13は、たとえば、熱媒体を冷却する冷却運転と加熱する加熱運転とによって冷媒の流れを切り換える弁である。
プレート式熱交換器30は、冷媒回路10を循環する冷媒と熱媒体回路20を循環する熱媒体とを熱交換する。このため、プレート式熱交換器30は、冷却運転のときには、冷媒回路10内の冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。また、プレート式熱交換器30は、加熱運転のときには、冷媒回路10内の冷媒を凝縮する凝縮器として機能する。実施の形態1のプレート式熱交換器30は、後述するように、熱媒体が流通する第一流路となる熱媒体流路38および冷媒が流通する第二流路となる冷媒流路39を有する。プレート式熱交換器30は、熱媒体流路38を流通する熱媒体と冷媒流路39を流通する冷媒との間で熱交換を行わせる。プレート式熱交換器30は、冷却運転では、膨張弁14を経て低温および低圧状態の冷媒と熱媒体とを熱交換する。これにより、プレート式熱交換器30では、熱媒体が冷却される。また、プレート式熱交換器30は、加熱運転では、圧縮機12に圧縮された高温および高圧状態の冷媒と熱媒体とを熱交換する。これにより、プレート式熱交換器30では、熱媒体が加熱される。プレート式熱交換器30の構成などについては、後述する。
膨張弁14は、プレート式熱交換器30と室外熱交換器15との間で絞り機構として機能する絞り装置となる。膨張弁14は、冷媒を減圧して膨張させる。また、室外熱交換器15は、冷媒と外気である空気とを熱交換させる空気熱交換器である。室外熱交換器15は、プレート式熱交換器30を蒸発器として機能させたときには、凝縮器として機能する。一方、室外熱交換器15は、プレート式熱交換器30を凝縮器として機能させたときに蒸発器として機能する。
<熱媒体回路20の構成>
熱媒体回路20は、プレート式熱交換器30、循環ポンプ22およびラジエータ23を有する。そして、プレート式熱交換器30、循環ポンプ22およびラジエータ23が熱媒体配管24で環状に接続されて、前述した熱媒体回路20を構成する。ここで、熱媒体回路20は、熱媒体を貯留する貯留タンク(図示せず)を備えてもよい。第一流体である熱媒体は、たとえば、ブライン(不凍液)、水、ブラインと水との混合液、防食効果が高い添加剤と水との混合液など、安全性の高い液体を用いることができる。
循環ポンプ22は、熱媒体配管24を流通する熱媒体に対し、一定方向に流通させる搬送力を付与する。循環ポンプ22は、家屋21内の室内機25に搭載される。ただし、これに限定するものではなく、循環ポンプ22は、室外機11に搭載されてもよい。また、ラジエータ23は、熱供給対象の家屋21内の空気と熱媒体とを熱交換する装置である。ラジエータ23は、冷却された熱媒体が内部を通過すれば、家屋21内の空気を冷却する。また、ラジエータ23は、加熱された熱媒体が内部を通過すれば、家屋21内の空気を加熱する。ここで、熱媒体回路20は、ラジエータ23を有するものとして説明するが、他の熱交換器を有するものであってもよい。
<プレート式熱交換器30の詳細>
図2は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30を示す分解斜視図である。また、図3は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30における各種伝熱プレートと各種インナーフィンとの組み合わせの関係を説明する図である。さらに、図4は、実施の形態1に係る第一インナーフィン33および第二インナーフィン35の配置について説明する図である。ここで、図2などに示すU、D、R、L、FおよびBは、それぞれ上、下、右、左、正面および背面を表す。
図2に示すように、実施の形態1のプレート式熱交換器30は、一対のサイドプレート31、複数の第一伝熱プレート32、第一インナーフィン33、複数の第二伝熱プレート34、複数の第三伝熱プレート36および複数の第二インナーフィン35を備える。プレート式熱交換器30の各種構成部品は、ステンレス、銅、アルミもしくはチタンなどの金属または合成樹脂などを材料とする。ここで、第一伝熱プレート32または第二伝熱プレート34については、クラッド材で形成してもよい。
一対のサイドプレート31は、それぞれ平坦なほぼ矩形状の板である。一対のサイドプレート31は、複数の第一伝熱プレート32、第一インナーフィン33、複数の第二伝熱プレート34、複数の第三伝熱プレート36および複数の第二インナーフィン35を所定の順序に重ねて積層された構造体の両側に配置される。サイドプレート31は、プレート式熱交換器30を補強し、強度を高める役割を果たす。
一対のサイドプレート31のうち、一方のサイドプレート31は、各伝熱プレートが有する冷媒および熱媒体の流路となる通路孔に合わせて、四隅の各隅に、それぞれ熱媒体入口管31a、熱媒体出口管31b、冷媒入口管31cおよび冷媒出口管31dを有する。ここで、図2に示すように、実施の形態1のサイドプレート31は、背面方向Bにサイドプレート31と見たときに、左上隅に熱媒体入口管31aを有するものとする。また、サイドプレート31は、左下隅に熱媒体出口管31bを有する。そして、サイドプレート31は、右下隅に冷媒入口管31cを有し、右上隅に冷媒出口管31dを有するものとする。熱媒体入口管31aおよび熱媒体出口管31bは、熱媒体の通路孔となる。また、冷媒入口管31cおよび冷媒出口管31dは、冷媒の通路孔となる。ここで、他方のサイドプレート31は、通路孔を有していない。
複数の第一伝熱プレート32、複数の第二伝熱プレート34および複数の第三伝熱プレート36は、それぞれ平坦な伝熱面を有するほぼ矩形状の板である。各第一伝熱プレート32、各第二伝熱プレート34および各第三伝熱プレート36は、サイドプレート31の熱媒体入口管31a、熱媒体出口管31b、冷媒入口管31cおよび冷媒出口管31dに対応して、矩形状の四隅に、それぞれ通路孔を有する。通路孔は、冷媒および熱媒体の流出入口となる貫通孔である。具体的には、第一伝熱プレート32は、熱媒体往路孔32a、熱媒体復路孔32b、冷媒往路孔32cおよび冷媒復路孔32dを有する。同様に、第二伝熱プレート34には、熱媒体往路孔34a、熱媒体復路孔34b、冷媒往路孔34cおよび冷媒復路孔34dを有する。また、第三伝熱プレート36は、熱媒体往路孔36a、熱媒体復路孔36b、冷媒往路孔36cおよび冷媒復路孔36dを有する。複数の第一伝熱プレート32、複数の第二伝熱プレート34および複数の第三伝熱プレート36は、通路孔を流れる熱媒体を熱媒体流路38に導くまたは通路孔を流れる冷媒を冷媒流路39に導くバーリング部(図示せず)を有する。各伝熱プレートにおいて、通路孔を含む短辺側の端部は、後述するように、流路において第一インナーフィン33および第二インナーフィン35が配置されないヘッダー部72となる。
各第一伝熱プレート32は、各第二伝熱プレート34と対になる。対になった第一伝熱プレート32と第二伝熱プレート34とは、第一伝熱プレート32の一方の面で対向する。第一伝熱プレート32と第二伝熱プレート34との間には、熱媒体が通過する第一流路となる熱媒体流路38が対毎に形成される。熱媒体流路38は、上Uと下Dとにわたる高さ方向において、上Uから下Dに向かう下向きに熱媒体が流通する流路である。ここで、熱媒体流路38は、たとえば、熱媒体が流入する熱媒体往路孔32aおよび熱媒体往路孔34aが位置する左上隅から、冷媒往路孔32cおよび冷媒往路孔34cが位置する右下隅に向かって傾斜させて熱媒体が流れるようにしてもよい。
また、各第一伝熱プレート32は、各第三伝熱プレート36と対になる。対になった第一伝熱プレート32と各第三伝熱プレート36とは、第二伝熱プレート34と対向する一方の面とは反対側の他方の面で対向する。第一伝熱プレート32と第三伝熱プレート36との間には、冷媒が通過する第二流路となる冷媒流路39が対毎に形成される。冷媒流路39は、高さ方向において、下Dから上Uに向かう上向きに冷媒が流通する流路である。ここで、冷媒流路39は、たとえば、冷媒が流入する冷媒往路孔32cおよび冷媒往路孔34cが位置する右下隅から熱媒体往路孔32aおよび熱媒体往路孔34aが位置する左上隅に向かって傾斜させて熱媒体が流れるようにしてもよい。
第一流路および第二流路が形成される第三伝熱プレート36、第一伝熱プレート32および第二伝熱プレート34の組み合わせをプレート群37とする。そして、実施の形態1のプレート式熱交換器30は、積層された複数のプレート群37の構造体を有する。
あるプレート群37の第二伝熱プレート34とあるプレート群37に対向するプレート群37の第三伝熱プレート36との間は、空隙60Aを有する空間部60となる。実施の形態1のプレート式熱交換器30においては、空間部60は、大気などの外部空間と連通している。図3に示すように、空間部60は、一部に伝熱部61を有する。伝熱部61は、伝熱部材を有する。第二伝熱プレート34と第三伝熱プレート36とは、伝熱部61において伝熱部材がロウ付けされ、熱的に接続される。そして、空間部60の伝熱部61は、ヘッダー部72にも設置されている。したがって、実施の形態1のプレート式熱交換器30は、ヘッダー部72においても、伝熱部61を介して、冷媒と熱冷媒との間で熱交換を行うことができる。ここで、実施の形態1のプレート式熱交換器30では、伝熱部61は、空間部60内に点在する形で設けられている。このため、空隙60Aによって形成された空間部60内の空間は、伝熱部61によって閉鎖されない。
ここで、実施の形態1のプレート式熱交換器30においては、第一伝熱プレート32、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36における板厚の関係は、第一伝熱プレート32>第三伝熱プレート36≧第二伝熱プレート34となる。たとえば、厚い板厚のプレートは、プレート式熱交換器30における腐食の進行防止および強度向上に有効である。一方、薄い板厚のプレートは、熱抵抗の低減、熱交換性能の低下抑制および材料費の低減などに有効である。このように、複数の第一伝熱プレート32、複数の第二伝熱プレート34および複数の第三伝熱プレート36の板厚は、所望する条件に合わせて選定することができる。たとえば、第一伝熱プレート32が第三伝熱プレート36および第二伝熱プレート34よりも板厚が厚いことで、第一伝熱プレート32における破損を防ぐことができる。これは、第三伝熱プレート36および第二伝熱プレート34の方が第一伝熱プレート32よりも板厚が薄いことで、破損が生じるほどの負荷が加わったときに、第三伝熱プレート36および第二伝熱プレート34が破損するような制御ができることを意味する。また、冷媒流路39において壁となる第三伝熱プレート36の板厚が、熱媒体流路38において壁となる第二伝熱プレート34の板厚保よりも厚くしておくことで、可燃性冷媒が漏洩する可能性を低減することができる。ここで、実施の形態1のプレート式熱交換器30では、第三伝熱プレート36が冷媒流路39の壁となって冷媒が流れるため、第三伝熱プレート36≧第二伝熱プレート34の板厚関係であるが、この関係に限定するものではない。第一流体および第二流体となる流体によって、板厚の関係が異なってもよい。
また、内圧、繰り返し疲労、腐食または媒体の膨張などにより、熱媒体流路38または冷媒流路39において、伝熱装置100の通常の運転では発生しない、伝熱プレートが破損するほどの過重な負荷(以下、過重負荷という)が発生することがある。第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36の板厚が第一伝熱プレート32の板厚より薄いことで、過重負荷が発生したときに、第二伝熱プレート34または第三伝熱プレート36が第一伝熱プレート32よりも先に破損する。実施の形態1のプレート式熱交換器30は、第二伝熱プレート34または第三伝熱プレート36が破損しても、熱媒体流路38または冷媒流路39は、前述した空間部60と連通するだけであり、他の伝熱プレートを損傷させない。したがって、熱媒体または冷媒は、空間部60に漏洩して外部に排出され、熱媒体流路38と冷媒流路39とが連通することはない。
さらに、実施の形態1のプレート式熱交換器30は、前述したように、複数の第一インナーフィン33および複数の第二インナーフィン35を有する。第一インナーフィン33および第二インナーフィン35は、伝熱を促進するためのオフセットフィンである。
各第一インナーフィン33は、対応する一対の第一伝熱プレート32と第二の伝熱プレートの間の熱媒体流路38に配置される。第一インナーフィン33は、幅方向および高さ方向が厚み方向に比べて大きい、概ねプレート状の形態である。図3および図4に示すように、各第一インナーフィン33は、薄肉要素が左右方向である幅方向にわたって、ほぼ直角で構成される凹凸ピッチ40が繰り返される構造を有する。凹凸ピッチ40は、板面を複数の第一インナーフィン33での熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向に沿わせ、熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通を遮らない。凹凸ピッチ40のうち、一対の第一伝熱プレート32と第二の伝熱プレートのそれぞれに対向する頂部または底部は、平坦面に形成されている。これにより、複数の第一インナーフィン33は、それぞれ対応する一対の第一伝熱プレート32の双方に対し、頂部あるいは底部の平坦面にて面接触する。
また、各第二インナーフィン35は、対応する一対の第一伝熱プレート32と第三伝熱プレート36の間の冷媒流路39に配置される。第二インナーフィン35は、幅方向および高さ方向が厚み方向に比べて大きい、概ねプレート状の形態である。第二インナーフィン35は、薄肉要素が幅方向である右Rと左Lとに渡ってほぼ直角で構成される凹凸ピッチ50が繰り返された構造を含む。凹凸ピッチ50のうち、一対の第一伝熱プレート32と第三伝熱プレート36のそれぞれに対向する頂部または底部は、平坦面に形成されている。これにより、複数の第二インナーフィン35は、それぞれ対応する一対の第二伝熱プレート34の双方に対し、頂部あるいは底部の平坦面にて面接触する。
図2では、図の明瞭性を優先しているため、第一インナーフィン33と第二インナーフィン35とを同様の形状で示している。しかし、実際には、図3および図4に示すように、第一インナーフィン33における凹凸ピッチ40の寸法と第二インナーフィン35における凹凸ピッチ50の寸法が相互に異なる。したがって、第一インナーフィン33と第二インナーフィン35とは、伝熱面積が異なる。
第一伝熱プレート32と第二伝熱プレート34とは、それぞれ第一インナーフィン33とロウ付けされる。また、第一の伝熱プレートと第三伝熱プレート36は、それぞれ第二インナーフィン35とロウ付けされる。そして、前述したように、第二伝熱プレート34と第三伝熱プレート36とは、伝熱部61においてロウ付けされる。実施の形態1のプレート式熱交換器30は、第二伝熱プレート34と第三伝熱プレート36とが、伝熱部材である伝熱部61によって、空間部60を挟むダブルウォール構造を構成しつつ、伝熱効率の向上をはかる熱交換器である。
<プレート式熱交換器30の詳細>
図5は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。ヘッダー部72は、第一伝熱プレート32、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36における通路孔の周辺となる部分である。そして、ヘッダー部72は、第一伝熱プレート32と第二伝熱プレート34の間の冷媒流路39において、第一インナーフィン33が配置されない部分である。また、ヘッダー部72は、第一伝熱プレート32と第三伝熱プレート36の間の熱媒体流路38において、第二インナーフィン35が配置されない部分である。
実施の形態1の第二伝熱プレート34は、第一伝熱プレート32に向かって突出する複数の凸部71Aを、ヘッダー部72に有する。また、実施の形態1の第三伝熱プレート36は、第一伝熱プレート32に向かって突出する複数の凸部71Bを、ヘッダー部72に有する。各凸部71Aおよび各凸部71Bは、第一伝熱プレート32と当接している。ここで、以下では、第二伝熱プレート34の凸部71Aと第三伝熱プレート36の凸部71Bとを区別しない場合は、凸部71とする。
前述したように、実施の形態1のプレート式熱交換器30は、第二伝熱プレート34と第三伝熱プレート36との間に、伝熱部61が点在する空間部60を有する。伝熱部61は、第二伝熱プレート34と第三伝熱プレート36とを接合するものであるため、実施の形態1のプレート式熱交換器30では、伝熱部61は凸部71に位置しない。ここで、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36の凸部71は、平板を引き延ばす加工により形成される。このため、凸部71における板厚は、加工が行われない平坦部よりも薄くなる。特に、凸部71において平坦部との境界部分が特に減肉して板厚が薄くなる。このため、過重負荷が発生したときに、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36において破損する領域は、減肉した凸部71となる。したがって、伝熱プレートは、空間部60の伝熱部61に対応する位置では破損せず、空間部60の空隙60Aに対応する位置において破損する。図5の丸印は、破損しやすい部分を表す(以下の図でも同様とする)。
以上のように、実施の形態1のプレート式熱交換器30においては、板厚が第一伝熱プレート32>第三伝熱プレート36≧第二伝熱プレート34の板厚の関係となる伝熱プレートを対向させたプレート群37を積層する。そして、第二伝熱プレート34と対向する第三伝熱プレート36との間には、第二伝熱プレート34と対向する第三伝熱プレート36との間を伝熱する伝熱部材をロウ付けして接合した伝熱部61が一部に設けられた空間部60を有する。また、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36は、ヘッダー部72において、加工により薄肉化された凸部71を有する。第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36におけるヘッダー部72の任意の位置に、過重負荷に弱い凸部71を形成することで、ヘッダー部72において破損箇所を制御することができる。このため、伝熱部61によって熱交換性能を良好にし、且つ、構造が簡単で安価に製造可能でありながら、製造条件および環境条件といった誤差因子によらず、可燃性冷媒が室内へ漏洩するのを防止することができ、装置の長期信頼性を向上することができる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。図6に示すように、実施の形態2のプレート式熱交換器30は、ヘッダー部72において、第二伝熱プレート34の凸部71Aと第三伝熱プレート36の凸部71Bとが、それぞれ同じ方向に突出した構造である。このとき、実施の形態2のプレート式熱交換器30では、第二伝熱プレート34の凸部71Aにおける頂部と、その頂部に対向する第三伝熱プレート36の凸部71Bにおける頂部とが、ロウ付けされて接合されている。凸部71Aおよび凸部71Bが突出する方向を統一することで、凸部71Aおよび凸部71Bによってできる空間部60の容積が少なくなる。このため、空間部60における熱抵抗が小さくなり、プレート式熱交換器30における伝熱性能を向上することができる。また、凸部71Aおよび凸部71Bの突出方向が統一しているため、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36を、2枚重ねて同時に成形することができる。このため、プレート式熱交換器30の生産効率の向上および低コスト化を実現することができる。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。実施の形態1および実施の形態2のプレート式熱交換器30は、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36が凸部71を有するものであった。実施の形態3のプレート式熱交換器30は、図7に示すように、第一伝熱プレート32が、複数の凸部71Cを有する。そして、凸部71Cが、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36に向かって突出し、当接する。
前述したように、第一伝熱プレート32は、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36よりも十分に厚い板厚である。このため、第一伝熱プレート32が、凸部71Cを形成したときの減肉分を含めても、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36よりも厚い板厚とする。これにより、たとえ、通常では損傷しない過重負荷が冷媒流路39または熱媒体流路38にかかったとしても、破損されるのは、第一伝熱プレート32ではなく、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36の方である。特に、凸部71C近傍において負荷が集中する部分が破損しやすくなる。したがって、実施の形態3のプレート式熱交換器30においても、第二伝熱プレート34または第三伝熱プレート36が破損しても空間部60を有することで、他の伝熱プレートの破損を防ぐことができる。また、板厚が厚い第一伝熱プレート32が凸部71Cを有することで、凸部71Cを形成する際の減肉による割れを減らすことができ、加工性を向上させることができる。
実施の形態4.
図8は、実施の形態4に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。実施の形態1および実施の形態2のプレート式熱交換器30は、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36が凸部71を有するものであった。また、実施の形態3のプレート式熱交換器30は、第一伝熱プレート32が凸部71Cを有するものであった。実施の形態3のプレート式熱交換器30は、図8に示すように、第一伝熱プレート32、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36が、それぞれ複数の凸部71Cを有する。
プレート式熱交換器30において、熱媒体流路38または冷媒流路39における耐圧強度を高くしようとすると、凸部71の数を増やし、間隔を狭くして高ピッチ化する。しかしながら、第二伝熱プレート34または第三伝熱プレート36だけで凸部71を形成して高ピッチ化するのは、加工性の面で難しい場合がある。
そこで、実施の形態4のプレート式熱交換器30は、第一伝熱プレート32が第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36に向かって突出する凸部71Cを有する。そして、凸部71Cが、第二伝熱プレート34の凸部71Aおよび第三伝熱プレート36の凸部71B以外の部分と当接する。また、プレート式熱交換器30は、第二伝熱プレート34の凸部71Aおよび第三伝熱プレート36の凸部71Bは、第一伝熱プレート32に向かって突出し、第一伝熱プレート32の凸部71C以外の部分と当接する。
したがって、実施の形態4のプレート式熱交換器30において、第一伝熱プレート32と第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36との間を高ピッチ化することができ、熱媒体流路38または冷媒流路39における耐圧強度を高めることができる。
実施の形態5.
図9は、実施の形態5に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。実施の形態4のプレート式熱交換器30では、各伝熱プレートの凸部71は、凸部71以外の部分と当接した。実施の形態5のプレート式熱交換器30は、第一伝熱プレート32の凸部71Cと第二伝熱プレート34の凸部71Aおよび第三伝熱プレート36の凸部71Bとを当接する構造とする。
第一伝熱プレート32と第二伝熱プレート34との距離および第一伝熱プレート32と第二伝熱プレート34との距離を拡げることで、熱媒体流路38および冷媒流路39の幅が拡がる。このため、圧力損失の低減および伝熱面積を増加などによって性能を向上させることができる。ただし、第一伝熱プレート32の凸部71Cまたは第二伝熱プレート34の凸部71Aおよび第三伝熱プレート36の凸部71Bの一方だけを突出させる加工を行うと、減肉により加工割れを起こす可能性がある。
そこで、第一伝熱プレート32と第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36との各々の凸部71を当接させることで、加工割れなどを抑えつつ、熱媒体流路38および冷媒流路39の幅を拡げたプレート式熱交換器30を得ることができる。
実施の形態6.
図10は、実施の形態6に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。図10に示すように、実施の形態6のプレート式熱交換器30は、実施の形態5と同様に、第一伝熱プレート32の凸部71Cと第二伝熱プレート34の凸部71Aとを当接する構造とする。さらに、実施の形態6のプレート式熱交換器30は、実施の形態2と同様に、第二伝熱プレート34の凸部71Aと第三伝熱プレート36の凸部71Bとが、それぞれ同じ方向に突出した構造とする。
凸部71Aおよび凸部71Bが突出する方向を統一することで、実施の形態2と同様に、空間部60の容積が少なくなり、空間部60による熱抵抗が小さくなって、伝熱性能を向上することができる。また、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36を2枚重ねて同時に成形することができ、プレート式熱交換器30の生産効率の向上および低コスト化を実現することができる。
実施の形態7.
図11は、実施の形態7に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。実施の形態7のプレート式熱交換器30は、第一伝熱プレート32が、突出する高さが異なる2種類の凸部71Cを有する。高さが低い方の第一凸部71C1については、実施の形態5および実施の形態6と同様に、第一伝熱プレート32の第一凸部71C1と第二伝熱プレート34の凸部71Aおよび第三伝熱プレート36の凸部71Bとを当接する構造とする。そして、図11に示すように、高さが高い方の第二凸部71C2については、第二伝熱プレート34の凸部71A以外の部分および第三伝熱プレート36の凸部71B以外の平坦部分と当接する。
第一伝熱プレート32は、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36よりも板厚が厚い。このため、第一伝熱プレート32は、高ピッチ化および高い凸部71Cを形成することが容易である。このため、プレート式熱交換器30は、凸部71を対向する伝熱プレートに当接し、支柱として凸部71を多くの箇所に設けることで、負荷などに対するヘッダー部72の補強を行うことができる。ここで、第一伝熱プレート32の第二凸部71C2が減肉されて薄くなった部分よりも、第二伝熱プレート34または第三伝熱プレート36において減肉された部分の方を薄くしておくことで、他の伝熱プレートの破損などを防ぐことができる。
実施の形態8.
図12は、実施の形態8に係るプレート式熱交換器30におけるヘッダー部72の断面図である。実施の形態8のプレート式熱交換器30は、実施の形態7と同様に、第一伝熱プレート32が、突出する高さが異なる2種類の凸部71Cを有する。さらに、実施の形態8のプレート式熱交換器30は、実施の形態2と同様に、第二伝熱プレート34の凸部71Aと第三伝熱プレート36の凸部71Bとが、それぞれ同じ方向に突出した構造とする。
凸部71Aおよび凸部71Bが突出する方向を統一することで、実施の形態2と同様に、空間部60の容積が少なくなり、空間部60による熱抵抗が小さくなって、伝熱性能を向上することができる。また、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36を2枚重ねて同時に成形することができ、プレート式熱交換器30の生産効率の向上および低コスト化を実現することができる。
実施の形態9.
前述した実施の形態1~実施の形態8のいずれのプレート式熱交換器30でも、過重負荷により破損する箇所は、第二伝熱プレート34または第三伝熱プレート36における凸部71と平坦部分との境界となる凸部71の根元部分(立ち上がり部分)となる。したがって、凸部71の根元部分となる位置を空間部60として、伝熱部61によるロウ付けを行わないようにすることで、第二伝熱プレート34または第三伝熱プレート36が破損しても、伝熱部61を介して他の伝熱プレートを損傷することがなくなる。そして、熱媒体または冷媒は、空間部60から外部に開放する。これにより、空間部60による伝熱性能の低下を抑えた構成を実現することができる。
図13は、実施の形態9に係るプレート式熱交換器30のヘッダー部72における凸部71の配置を説明する図である。図13は、実施の形態7および実施の形態8のプレート式熱交換器30において、2種類の凸部71Cを有する第一伝熱プレート32における配置を示す。図13に示すように、平坦部分の任意の仮想点に、最近傍の6つの凸部71Cの中心軸を結んだとき、六角形をなし、凸部71Cは頂点となる。6つの凸部71Cは、前述した第一凸部71C1と第二凸部71C2とがそれぞれ3つずつ交互に配置される。
たとえば、六角形が正六角形の場合、高さが高い第二凸部71C2との距離が最も長いのは、高さが低い第二凸部71C2となる。したがって、過重負荷が発生し、伝熱プレートに等分布荷重が加わった場合、凸部間距離が最大となり、最大たわみ量を生じる仮想辺を形成する支持点および最大曲げ応力が生じる。支持点は、第一凸部71C1と第二凸部71C2とにおいて、それぞれ支持することになる。第二凸部71C2における板厚よりも、第二伝熱プレート34および第三伝熱プレート36の板厚の方が薄いと、結果として、第二伝熱プレート34の凸部71Aの根元または第三伝熱プレート36の凸部71Bの根元が破損することになる。
上述した伝熱装置100は、プレート式熱交換器30を搭載した産業用および家庭用の機器として利用することができる。たとえば、伝熱装置100を、空気調和、発電または食品の加熱殺菌処理などに活用することができる。
10 冷媒回路、11 室外機、12 圧縮機、13 四方弁、14 膨張弁、15 室外熱交換器、16 冷媒配管、20 熱媒体回路、21 家屋、22 循環ポンプ、23 ラジエータ、24 熱媒体配管、25 室内機、30 プレート式熱交換器、31 サイドプレート、31a 熱媒体入口管、31b 熱媒体出口管、31c 冷媒入口管、31d 冷媒出口管、32 第一伝熱プレート、32a,34a,36a 熱媒体往路孔、32b,34b,36b 熱媒体復路孔、32c,34c,36c 冷媒往路孔、32d,34d,36d 冷媒復路孔、33 第一インナーフィン、34 第二伝熱プレート、35 第二インナーフィン、36 第三伝熱プレート、38 熱媒体流路、39 冷媒流路、40,50 凹凸ピッチ、60 空間部、61 伝熱部、71,71A,71B,71C 凸部、71C1 第一凸部、71C2 第二凸部、72 ヘッダー部、100 伝熱装置。

Claims (13)

  1. 第一流体の流出入口および第二流体の流出入口となる通路孔を含むヘッダー部を有する伝熱プレートとして、第一伝熱プレート、第二伝熱プレートおよび第三伝熱プレートを備え、
    前記第一伝熱プレートと前記第二伝熱プレートとを対向させて形成された前記第一流体が流れる第一流路と、前記第二伝熱プレートと反対側の面で、前記第一伝熱プレートと前記第三伝熱プレートとを対向させて形成された前記第二流体が流れる第二流路とを有するプレート群を積層し、
    隣り合う2つの前記プレート群の前記第二伝熱プレートと前記第三伝熱プレートとの間の空隙に、前記第二伝熱プレートと前記第三伝熱プレートとの伝熱を行う伝熱部が設置された空間部を有するプレート式熱交換器であって、
    前記第一伝熱プレート、前記第二伝熱プレートおよび前記第三伝熱プレートのうち、少なくとも1つの前記伝熱プレートは、前記流路側に突出する凸部を前記ヘッダー部に有し、
    前記第二伝熱プレートおよび前記第三伝熱プレートの板厚は、前記第一伝熱プレートの板厚よりも薄いプレート式熱交換器。
  2. 前記第二伝熱プレートと前記第三伝熱プレートとは板厚が異なる請求項1に記載のプレート式熱交換器。
  3. 前記空間部における前記伝熱部以外の部分は、外部と連通する請求項1または請求項2に記載のプレート式熱交換器。
  4. 前記第二伝熱プレートおよび前記第三伝熱プレートの少なくとも一方が、前記凸部を有する請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
  5. 前記第一伝熱プレートが、前記凸部を有する請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
  6. 前記凸部の頂部は、前記流路において対向する前記伝熱プレートと当接している請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
  7. 前記凸部の前記頂部は、前記流路において対向する前記伝熱プレートと接合される請求項6に記載のプレート式熱交換器。
  8. 前記凸部の前記頂部は、ロウ付けによって前記伝熱プレートと接合される請求項7に記載のプレート式熱交換器。
  9. 前記伝熱部は、前記第二伝熱プレートおよび前記第三伝熱プレートが有する前記凸部に対応した部分以外の位置に設置される請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
  10. 前記第一伝熱プレートは、対向する前記第二伝熱プレートおよび前記第三伝熱プレートが有する前記凸部とそれぞれの頂部において当接する第一凸部と、前記第二伝熱プレートおよび前記第三伝熱プレートの前記凸部以外の平坦部と前記頂部において当接する第二凸部とを前記凸部として有し、
    前記第一伝熱プレートにおいて前記凸部以外の平坦部は、六角形の頂点となる6つの前記第一伝熱プレートの前記凸部に囲まれており、前記六角形の前記頂点となる前記凸部のうち、前記第一凸部については、両隣の前記頂点および対向する前記頂点の位置にある前記凸部が前記第二凸部となる配置となり、前記第二凸部については、両隣および対向する前記頂点の位置にある前記凸部は前記第一凸部となる配置にする請求項1~請求項9のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
  11. 前記第一流体および前記第二流体の少なくとも一方が、可燃性冷媒である請求項1~請求項10のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。
  12. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、熱交換により前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮に係る前記冷媒を減圧させる絞り装置と、熱交換により前記冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して構成する冷媒回路を有し、
    前記蒸発器および前記凝縮器の少なくとも一方が、請求項1~請求項11のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器を有する冷凍サイクル装置。
  13. 請求項12に記載の冷凍サイクル装置と、
    熱供給対象に伝熱を行う熱媒体が循環する熱媒体回路とを備え、
    前記冷凍サイクル装置が有するプレート式熱交換器において、前記冷媒と前記熱媒体とを熱交換させる伝熱装置。
JP2022523797A 2020-05-19 2020-05-19 プレート式熱交換器、冷凍サイクル装置および伝熱装置 Active JP7301224B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2020/019806 WO2021234824A1 (ja) 2020-05-19 2020-05-19 プレート式熱交換器、冷凍サイクル装置および伝熱装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2021234824A1 JPWO2021234824A1 (ja) 2021-11-25
JPWO2021234824A5 JPWO2021234824A5 (ja) 2022-08-05
JP7301224B2 true JP7301224B2 (ja) 2023-06-30

Family

ID=78708418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022523797A Active JP7301224B2 (ja) 2020-05-19 2020-05-19 プレート式熱交換器、冷凍サイクル装置および伝熱装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7301224B2 (ja)
WO (1) WO2021234824A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114413659A (zh) * 2021-12-14 2022-04-29 浙江银轮机械股份有限公司 换热器

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013183629A1 (ja) 2012-06-05 2013-12-12 三菱電機株式会社 プレート式熱交換器及びそれを備えた冷凍サイクル装置
WO2014147804A1 (ja) 2013-03-22 2014-09-25 三菱電機株式会社 プレート式熱交換器及びそれを備えた冷凍サイクル装置
WO2019176567A1 (ja) 2018-03-15 2019-09-19 三菱電機株式会社 プレート式熱交換器及びそれを備えたヒートポンプ装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013183629A1 (ja) 2012-06-05 2013-12-12 三菱電機株式会社 プレート式熱交換器及びそれを備えた冷凍サイクル装置
WO2014147804A1 (ja) 2013-03-22 2014-09-25 三菱電機株式会社 プレート式熱交換器及びそれを備えた冷凍サイクル装置
WO2019176567A1 (ja) 2018-03-15 2019-09-19 三菱電機株式会社 プレート式熱交換器及びそれを備えたヒートポンプ装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021234824A1 (ja) 2021-11-25
JPWO2021234824A1 (ja) 2021-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6641544B1 (ja) プレート式熱交換器及びそれを備えたヒートポンプ装置
JP5859022B2 (ja) プレート式熱交換器およびこの熱交換器を備えた冷凍サイクル装置
JP6735918B2 (ja) プレート式熱交換器及びヒートポンプ式給湯システム
JP5474483B2 (ja) 中間熱交換器及びそれを用いた空調給湯システム
WO2020100276A1 (ja) プレート式熱交換器、ヒートポンプ装置およびヒートポンプ式冷暖房給湯システム
JPWO2019176566A1 (ja) プレート式熱交換器、プレート式熱交換器を備えたヒートポンプ装置、及び、ヒートポンプ装置を備えたヒートポンプ式暖房給湯システム
WO2013076751A1 (ja) プレート式熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置
JP5025783B2 (ja) 蒸発器、及び該蒸発器を備えた冷凍システム
JP7301224B2 (ja) プレート式熱交換器、冷凍サイクル装置および伝熱装置
JP5661205B2 (ja) 積層型熱交換器及びそれを搭載したヒートポンプシステム、並びに積層型熱交換器の製造方法
KR101281230B1 (ko) 공기 조화 시스템
JP7199533B2 (ja) プレート式熱交換器及び伝熱装置
JP5496369B2 (ja) 積層型熱交換器及びそれを搭載したヒートポンプシステム
JP5404541B2 (ja) 熱交換器、およびそれを備えた給湯装置
JP2015206569A (ja) フィンチューブ熱交換器
JP3658677B2 (ja) プレート式熱交換器および冷凍システム
JP2014074508A (ja) カスケード熱交換器
JP7292435B2 (ja) プレート式熱交換器及び伝熱装置
WO2024089805A1 (ja) 熱交換器およびこの熱交換器を備えた冷凍サイクル装置
JP6947314B2 (ja) プレート式熱交換器およびヒートポンプ装置
WO2021234954A1 (ja) 熱交換器、室外機および冷凍サイクル装置
WO2013114435A1 (ja) 熱交換器及びヒートポンプシステム
JPWO2013076751A1 (ja) プレート式熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置
JPWO2016098204A1 (ja) 熱交換器及びこの熱交換器を備えた冷凍サイクル装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220610

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220610

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230523

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230620

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7301224

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150