JPWO2013076751A1 - プレート式熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
伝熱プレート2、3の板厚tが0.2mm以下、凹凸9、10のピッチΛが4〜7mm、凹凸9、10の頂点間の距離hが1.0〜1.2mm、伝熱プレート2、3の凹凸9、10の波の頂点間における伝熱プレート9、10の長さに対応する波長さsを、凹凸9、10のピッチΛで割った値を面積拡大率Φと定義するとき、面積拡大率Φが1.05〜1.15である。
Description
本発明は、プレート式熱交換器及びそれを用いた冷凍サイクル装置に関するものである。
プレート式熱交換器には、波形の凹凸が複数列形成された伝熱プレートが積層されて、伝熱プレートの波形の山の頂点(又は谷の底の点)を結んだ線が、隣接する伝熱プレートに対して交差するように配置されたものが提案されている。そして、このようなプレート式熱交換器は、伝熱プレートの波形の山の頂点と、当該伝熱プレートに隣接する伝熱プレートの谷の頂点との間隔に対応する波高さhが、たとえば1.6mm〜2.2mm程度に設定される。
このような波高さhの設定であると、冷媒流路断面が大きい分、冷媒の流速が小さくなってしまうため、冷媒同士の熱伝達効率が低減してしまう。そこで、熱伝達効率の低減を抑制するため、伝熱プレートの波高さhが0.5〜1.5mm(水力直径が1〜3mm)に設定されたプレート式熱交換器が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
しかしながら、冷媒流速が増加すると、冷媒は伝熱プレートに形成された波形を乗り越えやすくなってしまい、伝熱プレートの長軸方向に流れる可能性がある。すなわち、冷媒が伝熱プレートの短軸方向(幅方向)へ広がりにくくなり、短軸方向の流速が不均一になってしまう可能性がある。これにより、伝熱プレートの幅側における冷媒の流れが滞留してしまい、有効伝熱面積の低下や、ゴミ詰まりが発生する可能性がある。
そこで、波形の山の頂点を結んだ線と伝熱プレートの長手方向とのなす角度である波角度θを小さく設定(たとえば45度)して、冷媒が伝熱プレートの短軸方向へ広がりやすくするようにしたプレート式熱交換器が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
なお、特許文献2に記載の技術は、伝熱プレートの山と山(又は谷と谷)との間隔である波ピッチΛを小さく設定(たとえば4mm以下)し、冷媒流速を増加させている。
なお、特許文献2に記載の技術は、伝熱プレートの山と山(又は谷と谷)との間隔である波ピッチΛを小さく設定(たとえば4mm以下)し、冷媒流速を増加させている。
特許文献1に記載の技術は、波高さhを低減することで冷媒流路断面を小さくして冷媒流速を増加させるものである。ここで、冷媒流速が増加すると、隣接する伝熱プレートの交差部分で冷媒が撹拌されやすくなり、圧力損失が増加してしまう。これにより、プレート式熱交換器に冷媒を供給する圧縮機の消費電力量が増大してしまうという課題があった。
また、冷媒が伝熱プレートの短軸方向(幅方向)へ広がりにくくなり、短軸方向の冷媒流れが不均一になってしまう可能性があった。これにより、伝熱プレートの幅側における冷媒の流れが滞留してしまい、有効伝熱面積の低下や、ゴミ詰まりが発生する可能性があった。
また、冷媒が伝熱プレートの短軸方向(幅方向)へ広がりにくくなり、短軸方向の冷媒流れが不均一になってしまう可能性があった。これにより、伝熱プレートの幅側における冷媒の流れが滞留してしまい、有効伝熱面積の低下や、ゴミ詰まりが発生する可能性があった。
特許文献2に記載の技術は、波角度θを45度に設定するので、特許文献1に記載の技術のように「短軸方向の冷媒流れが不均一」となることを、抑制することができる。しかし、波ピッチΛの設定が4mm以下に設定されているため、このように波角度θを設定すると、接合点同士の短軸方向の距離が小さくなる。これにより、伝熱プレートをろう付けする際に接合点がろう材で埋まってしまい、冷媒流路の閉塞(圧力損失の増大)を発生させる可能性があった。
また、特許文献2に記載の技術は、波ピッチΛを低減させるため、面積拡大率Φが大きくなる。この面積拡大率Φが増加することは、板材から伝熱プレートを形成する際の板材の伸びが大きくなることに対応している。面積拡大率Φが大きくなると、伝熱プレートの割れや板厚tの偏りなどが発生してしまう可能性がある。
すなわち、特許文献2に記載の技術は、プレート式熱交換器の強度が損なわれてしまう可能性があるため、板材の薄肉化ができず、材料コスト及び重量が増加してしまっていた。また、薄肉化できないため、プレス加工時の設定荷重が大きくなる分の加工コストが増加してしまっていた。
すなわち、特許文献2に記載の技術は、プレート式熱交換器の強度が損なわれてしまう可能性があるため、板材の薄肉化ができず、材料コスト及び重量が増加してしまっていた。また、薄肉化できないため、プレス加工時の設定荷重が大きくなる分の加工コストが増加してしまっていた。
本発明は、以上のような課題の少なくとも1つを解決するためになされたもので、熱伝達効率と、圧力損失の低減と、冷媒流路の閉塞と、コストアップ抑制及び軽量化と、を図るようにしたプレート式熱交換器を提供することを目的としている。
本発明に係るプレート式熱交換器は、流体を流入させる流入口、流入口から流入した流体を流出する流出口、及び、流入口から流出口に向かって複数配列された略V字形状の凹凸の波が形成された伝熱プレートを交互に上下反転して複数積層し、隣接する伝熱プレートの凹凸の波によって形成された空間に流入口と流出口とを結ぶ流路が形成されたプレート式熱交換器であって、伝熱プレートの板厚tが0.2mm以下、凹凸のピッチΛが4〜7mm、凹凸の頂点間の距離hが1.0〜1.2mm、伝熱プレートの凹凸の波の頂点間における伝熱プレートの長さに対応する波長さsを、凹凸のピッチΛで割った値を面積拡大率Φと定義するとき、面積拡大率Φが1.05〜1.15である。
本発明に係るプレート式熱交換器によれば、板厚tが0.2mm以下であり、凹凸のピッチΛが4mm〜7mmであり、積層方向に対応する凹凸の頂点間の距離hが1.0mm〜1.2mmであり、面積拡大率Φが1.05〜1.15の範囲であるため熱伝達効率と、圧力損失の低減と、冷媒流路の閉塞と、コストアップ抑制及び軽量化と、を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器100の説明図である。ここで、図1(a)は、プレート式熱交換器100が組み立てられた状態における側面図である。図1(b)はサイドプレート1の正面図である。図1(c)は伝熱プレート2の正面図でありる。図1(d)は伝熱プレート3の正面図である。図1(e)はサイドプレート4の正面図である。図1(f)は、伝熱プレート2及び伝熱プレート3の重ね合わせた状態について説明する図である。図2は、図1に図示されるプレート式熱交換器100の伝熱プレート20の概略図である。なお、図2では、実線矢印が第1冷媒の流れを表し、点線矢印が第2冷媒の流れを表しているものとする。
なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。図1及び図2を参照して、プレート式熱交換器100の構成について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器100の説明図である。ここで、図1(a)は、プレート式熱交換器100が組み立てられた状態における側面図である。図1(b)はサイドプレート1の正面図である。図1(c)は伝熱プレート2の正面図でありる。図1(d)は伝熱プレート3の正面図である。図1(e)はサイドプレート4の正面図である。図1(f)は、伝熱プレート2及び伝熱プレート3の重ね合わせた状態について説明する図である。図2は、図1に図示されるプレート式熱交換器100の伝熱プレート20の概略図である。なお、図2では、実線矢印が第1冷媒の流れを表し、点線矢印が第2冷媒の流れを表しているものとする。
なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。図1及び図2を参照して、プレート式熱交換器100の構成について説明する。
[プレート式熱交換器100の構成]
まず、プレート式熱交換器100の構成について説明する。
プレート式熱交換器100は、たとえば、熱源側である室外機から搬送される熱源側冷媒(第1冷媒)と、利用側である室内機から搬送される熱媒体(第2冷媒)とを熱交換させるものである。すなわち、プレート式熱交換器100は、冷媒対冷媒、或いは冷媒対水又はブライン等の熱媒体の熱交換器である。なお、このプレート式熱交換器100には、第1冷媒と第2冷媒が混合しないように、第1冷媒が流れる第1冷媒流路X及び第2冷媒が流れる第2冷媒流路Yが形成されている。
プレート式熱交換器100は、図1に示すように、伝熱プレート20、及びプレート式熱交換器100を補強するサイドプレート1、4を有している。
まず、プレート式熱交換器100の構成について説明する。
プレート式熱交換器100は、たとえば、熱源側である室外機から搬送される熱源側冷媒(第1冷媒)と、利用側である室内機から搬送される熱媒体(第2冷媒)とを熱交換させるものである。すなわち、プレート式熱交換器100は、冷媒対冷媒、或いは冷媒対水又はブライン等の熱媒体の熱交換器である。なお、このプレート式熱交換器100には、第1冷媒と第2冷媒が混合しないように、第1冷媒が流れる第1冷媒流路X及び第2冷媒が流れる第2冷媒流路Yが形成されている。
プレート式熱交換器100は、図1に示すように、伝熱プレート20、及びプレート式熱交換器100を補強するサイドプレート1、4を有している。
(伝熱プレート20)
伝熱プレート20は、図2に示すように、第1冷媒及び第2冷媒の第1冷媒流路X、Yを形成するものである。この伝熱プレート20は、平面形状が長方形である伝熱プレート2、3の2種類のプレートから構成されている。なお、伝熱プレート2は、伝熱プレート3の上下を反転させたものである。
伝熱プレート20は、その表面に凹凸の波が略V字形状にされて、「鉛直方向」に複数列形成された伝熱プレート2と、この伝熱プレート2の同下方向を反対にして配置された伝熱プレート3とが交互に対向配置(積層)されて構成されている。したがって、伝熱プレート2の後ろ側には、伝熱プレート2の同下方向が逆である伝熱プレート3が配置され、この伝熱プレート3の後ろ側には伝熱プレート2が配置される。
ここで、「鉛直方向」は、プレート式熱交換器100の設置される面に対して垂直方向の他、上下方向一般も指すものとする。
また、伝熱プレート20の平面視した形状は、長方形をしているものとして説明するが、それに限定されるものではなく、たとえば正方形などでもよい。また、伝熱プレート20の上下は、図1の紙面の上下に対応している。すなわち、伝熱プレート20の上は、後述の第1開口部11及び第4開口部14がある側に対応し、伝熱プレート20の下は第2開口部13及び第3開口部12がある側に対応している。
伝熱プレート20は、図2に示すように、第1冷媒及び第2冷媒の第1冷媒流路X、Yを形成するものである。この伝熱プレート20は、平面形状が長方形である伝熱プレート2、3の2種類のプレートから構成されている。なお、伝熱プレート2は、伝熱プレート3の上下を反転させたものである。
伝熱プレート20は、その表面に凹凸の波が略V字形状にされて、「鉛直方向」に複数列形成された伝熱プレート2と、この伝熱プレート2の同下方向を反対にして配置された伝熱プレート3とが交互に対向配置(積層)されて構成されている。したがって、伝熱プレート2の後ろ側には、伝熱プレート2の同下方向が逆である伝熱プレート3が配置され、この伝熱プレート3の後ろ側には伝熱プレート2が配置される。
ここで、「鉛直方向」は、プレート式熱交換器100の設置される面に対して垂直方向の他、上下方向一般も指すものとする。
また、伝熱プレート20の平面視した形状は、長方形をしているものとして説明するが、それに限定されるものではなく、たとえば正方形などでもよい。また、伝熱プレート20の上下は、図1の紙面の上下に対応している。すなわち、伝熱プレート20の上は、後述の第1開口部11及び第4開口部14がある側に対応し、伝熱プレート20の下は第2開口部13及び第3開口部12がある側に対応している。
伝熱プレート2は、伝熱プレート3及びサイドプレート1、4に対して平行に設けられるものであって、隣接する伝熱プレート3に対して対向配置される板状部材である。
この伝熱プレート2には、図1(c)に示すように、平面視したときに、略逆V字形状の凹凸9の波が複数列形成されている。そして、凹凸9の頂点(又は底点)を結んだ線が、伝熱プレート2の長手方向(図1及び図2の紙面の上下方向)に平行な中心線に対称に形成されている。また、凹凸9の頂点を結んだ線がこの中心線に対して所定の角度をなすように凹凸9は形成されている。
この伝熱プレート2には、図1(c)に示すように、平面視したときに、略逆V字形状の凹凸9の波が複数列形成されている。そして、凹凸9の頂点(又は底点)を結んだ線が、伝熱プレート2の長手方向(図1及び図2の紙面の上下方向)に平行な中心線に対称に形成されている。また、凹凸9の頂点を結んだ線がこの中心線に対して所定の角度をなすように凹凸9は形成されている。
伝熱プレート3も、伝熱プレート3の凹凸10の頂点(又は底点)を結んだ線が、伝熱プレート3の長手方向(図1及び図2の紙面の上下方向)となす角度以外については、伝熱プレート2の構成と同様である。すなわち、伝熱プレート3は、伝熱プレート2及びサイドプレート1、4に対して平行に設けられるものであって、隣接する伝熱プレート2に対して対向配置される板状部材である。
この伝熱プレート3には、図1(d)に示すように、平面視したときに、略V字形状の凹凸10の波が複数列形成されている。そして、凹凸10の頂点(底点)を結んだ線が、伝熱プレート3の長手方向に平行な中心線に対称に形成されている。また、凹凸10の頂点を結んだ線が、この中心線に対して所定の角度をなすように凹凸10は形成されている。
この伝熱プレート3には、図1(d)に示すように、平面視したときに、略V字形状の凹凸10の波が複数列形成されている。そして、凹凸10の頂点(底点)を結んだ線が、伝熱プレート3の長手方向に平行な中心線に対称に形成されている。また、凹凸10の頂点を結んだ線が、この中心線に対して所定の角度をなすように凹凸10は形成されている。
伝熱プレート2に形成された凹凸9及び伝熱プレート3に形成された凹凸10は、第1冷媒及び第2冷媒の温熱(又は冷熱)が放出される面積を増加させ、熱交換効率を高める等の理由により形成されている。ここで、伝熱プレート2及び伝熱プレート3は、図1(f)に示されるように対向配置された状態で見たとき、伝熱プレート2の凹凸9の頂点を結んだ線と、伝熱プレート3の凹凸10の頂点を結んだ線とが交差するように設けられている。なお、伝熱プレート2、3に形成された凹凸9、10の断面は、たとえば、のこぎり状でもよいし波状(曲面)でもよい。この凹凸9、10については、図3で詳しく説明する。
伝熱プレート2及び伝熱プレート3には、図1(c)及び図1(d)に示すように、プレート式熱交換器100に流入する第1冷媒が流れる第1開口部11、及びプレート式熱交換器100から流出する第1冷媒が流れる第2開口部13が形成されている。また、伝熱プレート2及び伝熱プレート3には、プレート式熱交換器100に流入する第2冷媒が流れる第3開口部12、及びプレート式熱交換器100から流出する第2冷媒が流れる第4開口部14が形成されている。
すなわち、伝熱プレート2に形成された第1開口部11は、伝熱プレート2、3との間に形成される第1冷媒流路Xに流入する第1冷媒の流入口に対応し、伝熱プレート2に形成された第2開口部13は、その第1冷媒流路Xに流入した第1冷媒の流出口に対応する。なお、伝熱プレート2に形成された第3開口部12及び第4開口部14からは第2冷媒が第1冷媒流路Xに流入せずに通過する。
また、伝熱プレート3に形成された第3開口部12は、伝熱プレート3、2との間に形成される第2冷媒流路Yに流入する第2冷媒の流入口に対応し、伝熱プレート3に形成された第4開口部14は、その第2冷媒流路Yに流入した第2冷媒の流出口に対応する。なお、伝熱プレート2に形成された第1開口部11及び第2開口部13からは第1冷媒が第2冷媒流路Yに流入せずに通過する。
なお、伝熱プレート2、3の第1開口部11同士は、互いに連通している。第2開口部13、第3開口部12、及び第4開口部14についても同様である。
すなわち、伝熱プレート2に形成された第1開口部11は、伝熱プレート2、3との間に形成される第1冷媒流路Xに流入する第1冷媒の流入口に対応し、伝熱プレート2に形成された第2開口部13は、その第1冷媒流路Xに流入した第1冷媒の流出口に対応する。なお、伝熱プレート2に形成された第3開口部12及び第4開口部14からは第2冷媒が第1冷媒流路Xに流入せずに通過する。
また、伝熱プレート3に形成された第3開口部12は、伝熱プレート3、2との間に形成される第2冷媒流路Yに流入する第2冷媒の流入口に対応し、伝熱プレート3に形成された第4開口部14は、その第2冷媒流路Yに流入した第2冷媒の流出口に対応する。なお、伝熱プレート2に形成された第1開口部11及び第2開口部13からは第1冷媒が第2冷媒流路Yに流入せずに通過する。
なお、伝熱プレート2、3の第1開口部11同士は、互いに連通している。第2開口部13、第3開口部12、及び第4開口部14についても同様である。
また、伝熱プレート2及び伝熱プレート3は、図2に示すように、伝熱プレート2の後面と伝熱プレート3の前面とによって第1冷媒が流れる第1冷媒流路Xを形成し、伝熱プレート3の後面と伝熱プレート2の前面とによって第2冷媒が流れる第2冷媒流路Yを形成する。なお、この例では、「前」とは、図2の「紙面右」に対応し、「後」とは「紙面左」に対応している。
(サイドプレート1、4)
サイドプレート1、4は、プレート式熱交換器100を補強するものである。
サイドプレート1は、伝熱プレート20及びサイドプレート4に対し平行に設けられるものであって、図1(a)に示すように一番前の伝熱プレート2に対向配置されているものである。また、サイドプレート4は、伝熱プレート20及びサイドプレート1に対し平行に設けられるものであって、図1(a)に示すように一番後ろの伝熱プレート3に対向配置されているものである。
サイドプレート1には、第1冷媒をプレート式熱交換器100に流入させるための第1冷媒流入管5、及び第1冷媒をプレート式熱交換器100から流出させるための第1冷媒流出管7が設けられている。また、サイドプレート1には、第2冷媒をプレート式熱交換器100に流入させるための第2冷媒流入管6、及び第2冷媒をプレート式熱交換器100から流出させるための第2冷媒流出管8が設けられている。
サイドプレート1、4は、プレート式熱交換器100を補強するものである。
サイドプレート1は、伝熱プレート20及びサイドプレート4に対し平行に設けられるものであって、図1(a)に示すように一番前の伝熱プレート2に対向配置されているものである。また、サイドプレート4は、伝熱プレート20及びサイドプレート1に対し平行に設けられるものであって、図1(a)に示すように一番後ろの伝熱プレート3に対向配置されているものである。
サイドプレート1には、第1冷媒をプレート式熱交換器100に流入させるための第1冷媒流入管5、及び第1冷媒をプレート式熱交換器100から流出させるための第1冷媒流出管7が設けられている。また、サイドプレート1には、第2冷媒をプレート式熱交換器100に流入させるための第2冷媒流入管6、及び第2冷媒をプレート式熱交換器100から流出させるための第2冷媒流出管8が設けられている。
[伝熱プレート20の寸法]
図3は、図1に示すプレート式熱交換器100の伝熱プレート20の各種寸法の説明図である。なお、図3(a)は、伝熱プレート20のうち、伝熱プレート2を一例として平面視した図である。また、図3(b)は、図3(a)の伝熱プレート2の凹凸9の頂点(底点)を結んだ線に対して直交する面における断面図である。図4は、図1に示すプレート式熱交換器100の面積拡大率Φと波ピッチΛとの関係の説明図である。図4では、板厚tを0.2mmとし、波高さhを1.4mmとしている。
図3は、図1に示すプレート式熱交換器100の伝熱プレート20の各種寸法の説明図である。なお、図3(a)は、伝熱プレート20のうち、伝熱プレート2を一例として平面視した図である。また、図3(b)は、図3(a)の伝熱プレート2の凹凸9の頂点(底点)を結んだ線に対して直交する面における断面図である。図4は、図1に示すプレート式熱交換器100の面積拡大率Φと波ピッチΛとの関係の説明図である。図4では、板厚tを0.2mmとし、波高さhを1.4mmとしている。
本実施の形態1では、伝熱プレート20に形成される凹凸9、10の波の形状の特定において、波角度θ、波ピッチΛ、波高さh、波長さs、面積拡大率Φ及び板厚tという変数を採用している。
波角度θは、略V字形状の凹凸9、10の波の配列方向に対する波の広がり角度に対応するものである。すなわち、図3に示す宇ように、波角度θは、伝熱プレート20の長手方向に対する、伝熱プレート20の凹凸の頂点(又は底点)を結んだ線がなす角度である。
波ピッチΛは、図3(b)に示すように、隣接する頂点間の長さに対応するものである。
波高さhは、図3(b)に示すように、凹凸の底点と頂点との長さに対応するものである。
波ピッチΛは、図3(b)に示すように、隣接する頂点間の長さに対応するものである。
波高さhは、図3(b)に示すように、凹凸の底点と頂点との長さに対応するものである。
波長さsは、図3(b)に示すように、隣接する頂点間における伝熱プレート20の長さに対応するものである。この波長さsは、以下に示す(式1)によって表されるものである。なお、以下の式のR1は、図3(b)に示す曲率中心Oから凹凸9、10の波までの鉛直方向の距離に対応する曲率半径である。また、Θは、曲率中心Oから凹凸9、10の波までの距離が同じ曲率半径R1となる範囲を表している。
板厚tは、伝熱プレート20の厚みに対応するものである。
面積拡大率Φは、図3(b)に図示されるように、所定の波高さhにおける波長さsを波ピッチΛで割って得られるものである。また、面積拡大率Φは、波長さsが上記の(式1)で表されるため、波高さh及び波ピッチΛによって表すこともできる。この面積拡大率Φが小さいと板材の伸びが小さくなり、面積拡大率Φが大きいと、板材の伸びが大きくなる。図4には、板厚tを0.2mmとし、波高さhを1.4mmとしたときの面積拡大率Φの値ついて示す。
面積拡大率Φは、図3(b)に図示されるように、所定の波高さhにおける波長さsを波ピッチΛで割って得られるものである。また、面積拡大率Φは、波長さsが上記の(式1)で表されるため、波高さh及び波ピッチΛによって表すこともできる。この面積拡大率Φが小さいと板材の伸びが小さくなり、面積拡大率Φが大きいと、板材の伸びが大きくなる。図4には、板厚tを0.2mmとし、波高さhを1.4mmとしたときの面積拡大率Φの値ついて示す。
[熱交換量が15kWの場合の波高さh及び波角度θの設定]
図5は、プレート式熱交換器100の熱交換量を15kWとしたときに、波高さh及び波角度θをパラメータとして変化させた際のプレート式熱交換器100の重量低減量を示すグラフである。図5では、板厚tを0.2mmとしている。
図5に示すように、波高さhを1.0〜1.2mmとすると好ましい。この波高さhの範囲の場合には、面積拡大率Φが小さくなり板材の伸びが小さくて済むため、波角度θを調整することで重量低減率を20%以上或いはそれに近い値にすることができるためである。
なお、波高さhを1.0〜1.2mmとしたときには、波角度θを40度〜50度の範囲内に設定するとよい。この波角度θの範囲では、重量低減率を確保しながら、伝熱プレート20の短軸方向の冷媒流れが不均一になってしまうことを抑制することができるためである。また、この波角度θの範囲では、伝熱プレート20の幅側における冷媒の流れが滞留してしまい、有効伝熱面積の低下や、ゴミ詰まりが発生することを抑制し、圧力損失を低減することができるためである。
さらに、波高さhが1.0〜1.2mmであると、板材の伸びが小さくて済む分、伝熱プレート20の割れや板厚tの偏りなどが発生してしまうことを抑制することもできる。
図5は、プレート式熱交換器100の熱交換量を15kWとしたときに、波高さh及び波角度θをパラメータとして変化させた際のプレート式熱交換器100の重量低減量を示すグラフである。図5では、板厚tを0.2mmとしている。
図5に示すように、波高さhを1.0〜1.2mmとすると好ましい。この波高さhの範囲の場合には、面積拡大率Φが小さくなり板材の伸びが小さくて済むため、波角度θを調整することで重量低減率を20%以上或いはそれに近い値にすることができるためである。
なお、波高さhを1.0〜1.2mmとしたときには、波角度θを40度〜50度の範囲内に設定するとよい。この波角度θの範囲では、重量低減率を確保しながら、伝熱プレート20の短軸方向の冷媒流れが不均一になってしまうことを抑制することができるためである。また、この波角度θの範囲では、伝熱プレート20の幅側における冷媒の流れが滞留してしまい、有効伝熱面積の低下や、ゴミ詰まりが発生することを抑制し、圧力損失を低減することができるためである。
さらに、波高さhが1.0〜1.2mmであると、板材の伸びが小さくて済む分、伝熱プレート20の割れや板厚tの偏りなどが発生してしまうことを抑制することもできる。
ここで、波高さhが1.2mmより大きい場合には、波高さhが1.0〜1.2mmである場合と比較すると、面積拡大率Φが大きくなって板材の伸びが大きくなるため、伝熱プレート20の割れや板厚tの偏りなどが発生してしまう可能性がある。
波高さhが1.0mm未満の場合には、波高さhが1.0〜1.2mmである場合と比較すると、面積拡大率Φが小さくなって板材の伸びが小さくなる。しかし、この波高さhの範囲では、冷媒流路が小さいため、圧力損失が大きくなっている。すなわち、波高さhが1.0mm未満の場合に熱交換量を15kWとするには、当該圧力損失分を低減するために伝熱プレート20の積層枚数を増加させる必要があることから、プレート式熱交換器100の重量を低減することはできない。
[熱交換量が15kW及び9kWの場合の面積拡大率Φ及び波角度θの設定]
図6は、面積拡大率Φ及び波角度θをパラメータとして変化させた際のプレート式熱交換器100の重量低減量を示すグラフである。なお、図6では、板厚tを0.2mmとしている。なお、図6の実線が熱交換量が15kWのプレート式熱交換における結果であり、点線が熱交換量が9kWにおけるプレート式熱交換器における結果である。
図6は、面積拡大率Φ及び波角度θをパラメータとして変化させた際のプレート式熱交換器100の重量低減量を示すグラフである。なお、図6では、板厚tを0.2mmとしている。なお、図6の実線が熱交換量が15kWのプレート式熱交換における結果であり、点線が熱交換量が9kWにおけるプレート式熱交換器における結果である。
図6に示すように、いずれの熱交換量においても、面積拡大率Φを1.05〜1.15とするとよい。この面積拡大率Φの場合には、波角度θを調整することで重量低減率を20%以上或いはそれに近い値にすることができるためである。
なお、面積拡大率Φを1.05〜1.15としたときには、波角度θを40度〜50度の範囲内に設定するとよい。この波角度θの範囲では、重量低減率を確保しながら、伝熱プレート20の短軸方向の冷媒流れが不均一になってしまうことを抑制することができるためである。また、この波角度θの範囲では、伝熱プレート20の幅側における冷媒の流れが滞留してしまい、有効伝熱面積の低下や、ゴミ詰まりが発生することを抑制し、圧力損失を低減することができるためである。
上記の図5及び図6の説明より、伝熱プレート20の板厚tを0.2mm以下に薄肉化した場合に、プレート式熱交換器100の熱交換量に因らずプレート式熱交換器100の重量を低減するには、以下の波高さh、面積拡大率Φ及び波角度θに設定するとよい。すなわち、波高さhを1.0〜1.2mmに設定し、波角度θを40度〜50度の範囲内に設定し、面積拡大率Φを1.05〜1.15とに設定するとよい。これにより、板厚tを0.2mm以下に薄肉化にする場合における、最適な重量低減効果を得ることができる。
なお、図5及び図6では、板厚tを0.2mmにした場合を例に説明したが、板厚tが0.2mm未満である場合においても、波ピッチΛ及び波高さhを上記の範囲(値)に設定することで、重量低減率を大きくすること、伝熱プレート20の短軸方向の冷媒流れが不均一になることの抑制、及び伝熱プレート20の割れや板厚tの偏り抑制を実現することができる。
[波ピッチΛの設定]
上記の図5及び図6の説明では、波角度θは40度〜50度に設定し、波高さhを1.0〜1.2mmに設定することで、プレート式熱交換器100の熱交換量に因らず、板厚tの薄肉化により、最適な重量低減効果を得ることができることを説明した。これに加え、波ピッチΛについては、4mm以上とすることが好ましいので、それについて、図7を参照して以下に説明する。
上記の図5及び図6の説明では、波角度θは40度〜50度に設定し、波高さhを1.0〜1.2mmに設定することで、プレート式熱交換器100の熱交換量に因らず、板厚tの薄肉化により、最適な重量低減効果を得ることができることを説明した。これに加え、波ピッチΛについては、4mm以上とすることが好ましいので、それについて、図7を参照して以下に説明する。
図7は、隣接する伝熱プレート2、3の接合点間距離を、波角度θごとに説明する図である。なお、図7(a)は波角度θが65度であり、図7(b)は波角度θが45度である。また、接合点とは、伝熱プレート2の凹凸の頂点を結んだ線と、伝熱プレート3の凹凸の頂点を結んだ線とが交わる点の位置に対応している。また、図7(a)及び図7(b)に図示される点線は、隣接する伝熱プレート2、3に形成された凹凸の頂点を結んだ線を表している。また、図7に記載された点a及び点bは、伝熱プレート2、3の接合点であり、接合点のうち短軸方向において最近接するものである。さらに、L1は波角度θが65度の場合における点aと点bとの間の距離であり、L2は波角度θが45度の場合における点aと点bとの間の距離である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、波角度θを65度から45度に小さくすると、冷媒が伝熱プレート2、3の短軸方向の冷媒流れが不均一になってしまうことが抑制され、伝熱プレート2、3の幅側における冷媒の流れが滞留してしまい、有効伝熱面積の低下や、ゴミ詰まりが発生することを抑制することができる。
その一方で、波角度θを65度から45度に小さくすると、距離L1>距離L2となる。すなわち、短軸方向において最近接する接合点間距離が小さくなる。
その一方で、波角度θを65度から45度に小さくすると、距離L1>距離L2となる。すなわち、短軸方向において最近接する接合点間距離が小さくなる。
したがって、波角度θを45度に設定する場合には、波ピッチΛを狭めすぎると、距離L2がさらに小さくなってしまうため、接合点がろう材で埋まってしまい、冷媒流路の閉塞(圧力損失の増大)を発生させてしまう可能性がある。そこで、波ピッチΛは、4〜7mmと設定するとよい。これにより、最小フィレットの半径は、1.5mm程度となり、約50%以上が冷媒流路として確保されるため、冷媒流路の閉塞が抑制される。
なお、波ピッチΛを広げすぎてしまうと、隣接する伝熱プレート2と伝熱プレート3との接合点の数が減少してしまうため熱伝達効率が低下してしまう。しかし、波ピッチΛを4〜7mmに設定することで、熱伝達効率の低下を抑制することができる。
なお、波ピッチΛを広げすぎてしまうと、隣接する伝熱プレート2と伝熱プレート3との接合点の数が減少してしまうため熱伝達効率が低下してしまう。しかし、波ピッチΛを4〜7mmに設定することで、熱伝達効率の低下を抑制することができる。
[実施の形態1に係るプレート式熱交換器100の効果]
本実施の形態1に係るプレート式熱交換器100は、伝熱プレート20の板厚tを0.2mm以下に設定し、波高さhを1.0〜1.2に設定し、波角度θを40度〜50度に設定し、波ピッチΛを4〜7mmに設定することで、熱伝達効率と、圧力損失の低減と、短軸方向の冷媒流れの均一化と、冷媒流路の閉塞と、コストアップ抑制及び軽量化と、を図ることができる。
本実施の形態1に係るプレート式熱交換器100は、伝熱プレート20の板厚tを0.2mm以下に設定し、波高さhを1.0〜1.2に設定し、波角度θを40度〜50度に設定し、波ピッチΛを4〜7mmに設定することで、熱伝達効率と、圧力損失の低減と、短軸方向の冷媒流れの均一化と、冷媒流路の閉塞と、コストアップ抑制及び軽量化と、を図ることができる。
具体的には、伝熱プレート20は、波高さhが1.0〜1.2mmに設定され、波角度θが40度〜50度に設定され、面積拡大率Φが1.05〜1.15に設定される(図5及び図6参照)。この波高さhの範囲の場合には、面積拡大率Φが小さくなり板材の伸びが小さくて済むこと、冷媒が伝熱プレート20の短軸方向の冷媒流れが不均一になってしまうこと、伝熱プレート20の割れや板厚tの偏りなどが発生してしまうこと、及び冷媒流路の細径化が図られているため、冷媒の流速が増加し、熱伝達効率を向上させることを実現することができる。
また、プレート式熱交換器100の伝熱プレート20は、波角度θが40度〜50度に設定され、波ピッチΛが4〜7mmに設定される(図7参照)。
これにより、波ピッチΛを狭めすぎることによって接合点がろう材で埋まってしまい、冷媒流路の閉塞が抑制される。また、波ピッチΛを広げすぎてしまうことによって、伝熱プレート2と伝熱プレート3との接合点の数が減少し、熱伝達効率が低下してしまうことが抑制される。
これにより、波ピッチΛを狭めすぎることによって接合点がろう材で埋まってしまい、冷媒流路の閉塞が抑制される。また、波ピッチΛを広げすぎてしまうことによって、伝熱プレート2と伝熱プレート3との接合点の数が減少し、熱伝達効率が低下してしまうことが抑制される。
さらに、プレート式熱交換器100の伝熱プレート20は、波高さhが1.0mm〜1.2mmに設定され、波ピッチΛが4〜7mmに設定されるため、面積拡大率Φが1.05〜1.15を満たしうる。これにより、冷媒流路の細径化が図られているため、冷媒の流速が増加し、熱伝達効率を向上させることができる。
また、板材から伝熱プレート20を形成する際の板材の伸びを小さくすることができ、伝熱プレート20の割れや板厚tの偏りなどが発生を抑制することができる。すなわち、プレート式熱交換器100の強度が損なわれにくくなっている(高強度)。これにより、板材の薄肉化が可能であり、材料コスト及び重量を低減することができる。そして、薄肉化できる分、プレス加工時の設定荷重を小さく設定することができるため、加工コストを低減することができる。
また、板材から伝熱プレート20を形成する際の板材の伸びを小さくすることができ、伝熱プレート20の割れや板厚tの偏りなどが発生を抑制することができる。すなわち、プレート式熱交換器100の強度が損なわれにくくなっている(高強度)。これにより、板材の薄肉化が可能であり、材料コスト及び重量を低減することができる。そして、薄肉化できる分、プレス加工時の設定荷重を小さく設定することができるため、加工コストを低減することができる。
なお、伝熱プレート20の板厚t、波高さh、波角度θ、波ピッチΛが本実施の形態1で説明した範囲から外れると以下の悪影響がある。
まず、板厚tが範囲から外れると、そもそも、プレート式熱交換器100の重量増大となってしまう。
また、波高さh及び波角度θが範囲から外れると、プレート式熱交換器100の重量増大及び伝熱プレート20の割れや板厚tの偏りなどの発生、又は、圧力損失の増大に伴って伝熱プレート20の積層枚数を増加させることによるプレート式熱交換器100の重量増大となってしまう。
さらに、波ピッチΛが範囲から外れると、冷媒流路の閉塞、又は、隣接する伝熱プレート2と伝熱プレート3との接合点の減少による熱伝達効率の低下となってしまう。
まず、板厚tが範囲から外れると、そもそも、プレート式熱交換器100の重量増大となってしまう。
また、波高さh及び波角度θが範囲から外れると、プレート式熱交換器100の重量増大及び伝熱プレート20の割れや板厚tの偏りなどの発生、又は、圧力損失の増大に伴って伝熱プレート20の積層枚数を増加させることによるプレート式熱交換器100の重量増大となってしまう。
さらに、波ピッチΛが範囲から外れると、冷媒流路の閉塞、又は、隣接する伝熱プレート2と伝熱プレート3との接合点の減少による熱伝達効率の低下となってしまう。
[その他]
プレート式熱交換器100は、上述のように、圧力損失の抑制、及び高強度を実現している。したがって、プレート式熱交換器100は、たとえば、高圧で動作させられるCO2 冷媒、炭化水素冷媒、低密度であって可燃性である低GWP冷媒などが供給されても、圧力損失の抑制、及び伝熱プレート20などの変形の抑制が可能である。
また、プレート式熱交換器100は、上述のように、板材の伸び率を低減することができるため、伸び率が30%以上のステンレス(伸び率40%)、銅(伸び率40%)、工業用アルミ(伸び率30%)だけでなく、伸び率が20%以下と小さいチタン(伸び率14%)、耐食アルミ(伸び率16%)などの金属によって伝熱プレート20を構成してもよいし、合成樹脂などによって伝熱プレート20を構成してもよい。
プレート式熱交換器100は、上述のように、圧力損失の抑制、及び高強度を実現している。したがって、プレート式熱交換器100は、たとえば、高圧で動作させられるCO2 冷媒、炭化水素冷媒、低密度であって可燃性である低GWP冷媒などが供給されても、圧力損失の抑制、及び伝熱プレート20などの変形の抑制が可能である。
また、プレート式熱交換器100は、上述のように、板材の伸び率を低減することができるため、伸び率が30%以上のステンレス(伸び率40%)、銅(伸び率40%)、工業用アルミ(伸び率30%)だけでなく、伸び率が20%以下と小さいチタン(伸び率14%)、耐食アルミ(伸び率16%)などの金属によって伝熱プレート20を構成してもよいし、合成樹脂などによって伝熱プレート20を構成してもよい。
また、伝熱プレート2は、伝熱プレート3の上下を逆にしたものであり、構成が同一であるものとして説明したが、それに限定されるものではない。すなわち、伝熱プレート2及び伝熱プレート3は、板厚tが0.2mm以下、波高さhが1.0〜1.2mmの範囲、波角度θが40度〜50度の範囲、波ピッチΛが4〜7mmの範囲、面積拡大率Φが1.05〜1.15の範囲に設定されていればよい。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置(空気調和装置)の説明図である。本実施の形態2では、実施の形態1と同一部分には同一符号とし、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。なお、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置とは、プレート式熱交換器を搭載した、たとえば空調、発電、食品の加熱殺菌処理機器などといったものである。以下の説明では、冷凍サイクル装置が、空気調和装置200である場合を例に説明する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る冷凍サイクル装置(空気調和装置)の説明図である。本実施の形態2では、実施の形態1と同一部分には同一符号とし、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。なお、実施の形態2に係る冷凍サイクル装置とは、プレート式熱交換器を搭載した、たとえば空調、発電、食品の加熱殺菌処理機器などといったものである。以下の説明では、冷凍サイクル装置が、空気調和装置200である場合を例に説明する。
本実施の形態2に係る空気調和装置200は、熱源機である1台の室外機101、1台の室内機102、及び室外機101を流れる熱源側冷媒の冷熱を、室内機102を流れる熱媒体に伝達するための熱媒体変換機103を有している。
室外機101と熱媒体変換機103とは、熱源側冷媒(第1冷媒)を導通する冷媒配管120で接続され、冷媒循環回路Aを構成している。また、熱媒体変換機103と室内機102とは、熱媒体(第2冷媒)を導通する熱媒体配管121で接続され、熱媒体循環回路Bを構成している。
室外機101と熱媒体変換機103とは、熱源側冷媒(第1冷媒)を導通する冷媒配管120で接続され、冷媒循環回路Aを構成している。また、熱媒体変換機103と室内機102とは、熱媒体(第2冷媒)を導通する熱媒体配管121で接続され、熱媒体循環回路Bを構成している。
室外機101には、少なくとも熱源側熱交換器110、圧縮機118、及び絞り装置111が搭載されている。
室内機102には、少なくとも利用側熱交換器112が搭載されている。
熱媒体変換機103には、少なくとも実施の形態1に係るプレート式熱交換器100及びポンプ119が搭載されている。
なお、熱媒体変換機103にプレート式熱交換器100が搭載されている例を説明するが、室外機101、室内機102、及び熱媒体変換機103の熱交換器のうちの、すくなくとも1つにプレート式熱交換器100が採用されていていればよい。
また、本実施の形態2では、冷凍サイクル装置として、冷房運転を実施する空気調和装置200を一例として説明するが、冷媒循環回路Aに四方弁などを設けて、暖房運転も実施可能としてもよいことはいうまでもない。
室内機102には、少なくとも利用側熱交換器112が搭載されている。
熱媒体変換機103には、少なくとも実施の形態1に係るプレート式熱交換器100及びポンプ119が搭載されている。
なお、熱媒体変換機103にプレート式熱交換器100が搭載されている例を説明するが、室外機101、室内機102、及び熱媒体変換機103の熱交換器のうちの、すくなくとも1つにプレート式熱交換器100が採用されていていればよい。
また、本実施の形態2では、冷凍サイクル装置として、冷房運転を実施する空気調和装置200を一例として説明するが、冷媒循環回路Aに四方弁などを設けて、暖房運転も実施可能としてもよいことはいうまでもない。
熱源側熱交換器110は、凝縮器として機能し、冷媒配管120を流れる熱源側冷媒と、室外空気との間で熱交換を行うものである。熱源側熱交換器110は、一方がプレート式熱交換器100に接続され、他方が圧縮機118の吐出側に接続される。
圧縮機118は、熱源側冷媒を圧縮し、冷媒循環回路Aに搬送させるものである。圧縮機118は、吐出側が熱源側熱交換器110に接続され、吸入側がプレート式熱交換器100に接続されている。
絞り装置111は、冷媒配管120を流れる熱源側冷媒を減圧して膨張させるものである。絞り装置111は、一方が熱源側熱交換器110に接続され、他方がプレート式熱交換器100に接続されている。絞り装置111は、たとえば毛細管や電磁弁で構成するとよい。
圧縮機118は、熱源側冷媒を圧縮し、冷媒循環回路Aに搬送させるものである。圧縮機118は、吐出側が熱源側熱交換器110に接続され、吸入側がプレート式熱交換器100に接続されている。
絞り装置111は、冷媒配管120を流れる熱源側冷媒を減圧して膨張させるものである。絞り装置111は、一方が熱源側熱交換器110に接続され、他方がプレート式熱交換器100に接続されている。絞り装置111は、たとえば毛細管や電磁弁で構成するとよい。
利用側熱交換器112は、熱媒体配管121を流れる熱媒体と、空調対象空間の空気との間で熱交換を行うものである。利用側熱交換器112は、一方がプレート式熱交換器100に接続され、他方がポンプ119の吸入側に接続される。
プレート式熱交換器100は、熱源側冷媒及び熱媒体とを熱交換させるものである。プレート式熱交換器100は、冷媒配管120を介して圧縮機118の吸入側及び絞り装置111に接続されている。また、プレート式熱交換器100は、熱媒体配管121を介して利用側熱交換器112及びポンプ119に接続されている。すなわち、プレート式熱交換器100は、冷媒循環回路A及び熱媒体循環回路Bにカスケード接続されている。
ポンプ119は、熱媒体を、熱媒体循環回路Bに搬送させるものである。ポンプ119は、吸入側が利用側熱交換器112に接続され、吐出側がプレート式熱交換器100に接続されている。
ポンプ119は、熱媒体を、熱媒体循環回路Bに搬送させるものである。ポンプ119は、吸入側が利用側熱交換器112に接続され、吐出側がプレート式熱交換器100に接続されている。
[動作説明]
冷媒循環回路Aにおける熱源側冷媒の流れについて説明する。
低温・低圧の熱源側冷媒が圧縮機118によって圧縮され、高温・高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機118から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器110に流入する。そして、熱源側熱交換器110で室外空気に放熱しながら高圧の液冷媒となる。熱源側熱交換器110から流出した高圧の液冷媒は、絞り装置111で膨張させられて、低温・低圧の二相冷媒となる。この低温・低圧の二相冷媒は、蒸発器として作用するプレート式熱交換器100に流入する。そして、低温・低圧の二相冷媒は、熱媒体循環回路Bを循環する熱媒体から吸熱することで、熱媒体を冷却しながら、低温・低圧のガス冷媒となる。プレート式熱交換器100から流出したガス冷媒は、圧縮機118へ再度吸入される。
冷媒循環回路Aにおける熱源側冷媒の流れについて説明する。
低温・低圧の熱源側冷媒が圧縮機118によって圧縮され、高温・高圧のガス冷媒となって吐出される。圧縮機118から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、熱源側熱交換器110に流入する。そして、熱源側熱交換器110で室外空気に放熱しながら高圧の液冷媒となる。熱源側熱交換器110から流出した高圧の液冷媒は、絞り装置111で膨張させられて、低温・低圧の二相冷媒となる。この低温・低圧の二相冷媒は、蒸発器として作用するプレート式熱交換器100に流入する。そして、低温・低圧の二相冷媒は、熱媒体循環回路Bを循環する熱媒体から吸熱することで、熱媒体を冷却しながら、低温・低圧のガス冷媒となる。プレート式熱交換器100から流出したガス冷媒は、圧縮機118へ再度吸入される。
次に、熱媒体循環回路Bにおける熱媒体の流れについて説明する。
ポンプ119で加圧されて流出した熱媒体は、プレート式熱交換器100に流入し、プレート式熱交換器100の熱源側冷媒の冷熱が熱媒体に伝達される。この熱媒体は、プレート式熱交換器100から流出すると、利用側熱交換器112に流入する。そして、熱媒体が利用側熱交換器112で室内空気から吸熱することで、空調対象空間の冷房を行なう。利用側熱交換器112から流出した熱媒体は、ポンプ119に再度吸入される。
ポンプ119で加圧されて流出した熱媒体は、プレート式熱交換器100に流入し、プレート式熱交換器100の熱源側冷媒の冷熱が熱媒体に伝達される。この熱媒体は、プレート式熱交換器100から流出すると、利用側熱交換器112に流入する。そして、熱媒体が利用側熱交換器112で室内空気から吸熱することで、空調対象空間の冷房を行なう。利用側熱交換器112から流出した熱媒体は、ポンプ119に再度吸入される。
1、4 サイドプレート、2、3、20 伝熱プレート、5 第1冷媒流入管、6 第2冷媒流入管、7 第1冷媒流出管、8 第2冷媒流出管、9 凹凸、10 凹凸、11 第1開口部、12 第3開口部、13 第2開口部、14 第4開口部、100 プレート式熱交換器、101 室外機、102 室内機、103 熱媒体変換機、110 熱源側熱交換器、111 絞り装置、112 利用側熱交換器、118 圧縮機、119 ポンプ、120 冷媒配管、121 熱媒体配管、200 空気調和装置、A 冷媒循環回路、B 熱媒体循環回路、X 第1冷媒流路、Y 第2冷媒流路。
Claims (5)
- 流体を流入させる流入口、前記流入口から流入した流体を流出する流出口、及び、前記流入口から前記流出口に向かって複数配列された略V字形状の凹凸の波が形成された伝熱プレートを交互に上下反転して複数積層し、隣接する前記伝熱プレートの凹凸の波によって形成された空間に前記流入口と前記流出口とを結ぶ流路が形成されたプレート式熱交換器であって、
前記伝熱プレートの板厚tが0.2mm以下、
前記凹凸のピッチΛが4〜7mm、
前記凹凸の頂点間の距離hが1.0〜1.2mm、
前記伝熱プレートの凹凸の波の頂点間における前記伝熱プレートの長さに対応する波長さsを、前記凹凸のピッチΛで割った値を面積拡大率Φと定義するとき、前記面積拡大率Φが1.05〜1.15である
ことを特徴とするプレート式熱交換器。 - 前記略V字形状の凹凸の波の前記配列方向に対する前記波の広がり角度θが40度〜50度である
ことを特徴とする請求項1に記載のプレート式熱交換器。 - 全ての前記伝熱プレートは、
前記波の広がり角度θ、前記板厚t、前記ピッチΛ、及び前記距離hをそれぞれ同じ値としている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプレート式熱交換器。 - 前記伝熱プレートは、
チタン、耐食アルミ、又は合成樹脂によって構成された
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプレート式熱交換器。 - 2つの冷媒回路を、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記プレート式熱交換器を介してカスケード接続している
ことを特徴とする冷凍サイクル装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150317 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160712 |