以下、実施の形態に係るプレート式熱交換器30及び伝熱装置100について図面を参照しながら説明する。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係及び形状などが実際のものとは異なる場合があり、明細書全文に示す構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。また、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」及び「後」など)を適宜用いるが、それらの表記は、説明の便宜上、そのように記載しているだけであって、装置あるいは部品の配置及び向きを限定するものではない。また、断面図の図面においては、視認性に鑑みて適宜ハッチングが省略されている。
実施の形態1.
<伝熱装置100の構成>
図1は、実施の形態1に係る伝熱装置100を示す概略構成図である。図1に示すように、伝熱装置100は、第1流体である熱媒体を冷却又は加熱する冷媒回路10と、熱媒体を家屋内に流通させる熱媒体回路20と、を備える。冷媒回路10は、屋外の室外機11に搭載されている。熱媒体回路20は、室外機11から家屋21内に熱媒体を循環させている。
<室外機11の構成>
室外機11は、圧縮機12、流路切替装置13、プレート式熱交換器30、減圧装置14、及び、室外熱交換器15を有する。室外機11は、圧縮機12、流路切替装置13、プレート式熱交換器30、減圧装置14、及び、室外熱交換器15が順に冷媒配管16で環状に接続されて冷媒回路10を構成する。室外機11は、ヒートポンプ装置である。冷媒回路10内には、第2流体である冷媒が流通する。
圧縮機101は、吸入した冷媒を高温高圧の状態に圧縮して吐出する流体機械である。圧縮機12としては、たとえば、スクロール圧縮機又はロータリ圧縮機など種々のタイプの圧縮機が用いられる。
流路切替装置13は、例えば四方弁であり、冷却運転時と加熱運転時とによって、冷媒回路10を流れる冷媒の流通方向を切り替える装置である。
プレート式熱交換器30は、蒸発器又は凝縮器として機能する。プレート式熱交換器30は、冷却運転では、熱媒体と減圧装置14を経て冷たくなった冷媒とを熱交換させる。これにより、プレート式熱交換器30では、熱媒体が冷却される。また、プレート式熱交換器30は、加熱運転では、熱媒体と圧縮機12で圧縮された高温高圧状態の冷媒とを熱交換させる。これにより、プレート式熱交換器30では、熱媒体が加熱される。
減圧装置14は、例えば膨張弁であり、冷媒を減圧させる装置である。減圧装置14は、プレート式熱交換器30と室外熱交換器15との間で絞り機構として機能する。減圧装置14としては、制御装置の制御により開度が調節される電子膨張弁を用いることができる。
室外熱交換器15は、内部を流通する冷媒と、冷媒と外気である空気とを熱交換させる空気熱交換器である。室外熱交換器15は、プレート式熱交換器30を蒸発器として機能させたときに凝縮器として機能する。また、室外熱交換器15は、プレート式熱交換器30を凝縮器として機能させたときに蒸発器として機能する。
室外機11の冷媒回路10には、第2流体である冷媒が流れる。第2流体である冷媒は、たとえば、低GWP冷媒であるR32又はR290といった可燃性冷媒などが用いられる。
<熱媒体回路20の構成>
熱媒体回路20は、プレート式熱交換器30、循環ポンプ22、及び、ラジエータ23を有する。熱媒体回路20は、プレート式熱交換器30、循環ポンプ22、及び、ラジエータ23が熱媒体配管24で環状に接続されて構成されている。
熱媒体回路20には、第1流体である熱媒体が流れる。第1流体である熱媒体は、水又はブラインである。熱媒体回路20は、熱媒体を貯留する図示しない貯留タンクを備えても良い。
循環ポンプ22は、熱媒体配管24内を流通する熱媒体に一定方向に流通させる搬送力を付与する。循環ポンプ22は、家屋21内の室内機25に搭載されている。なお、循環ポンプ22は、室外機11に搭載されても良い。
ラジエータ23は、熱媒体の冷熱によって家屋21の室内を冷やす。または、ラジエータ23は、熱媒体の熱によって家屋21の室内を温める。なお、熱媒体回路20には、ラジエータ23以外の空調機などが設けられても良い。また、熱媒体回路20は熱媒体に水を用いることによって、温水を供給する給湯器に利用できても良い。
<その他>
伝熱装置100は、プレート式熱交換器30を搭載した多くの産業又は家庭用機器に利用可能である。たとえば、伝熱装置100は、空調、発電又は食品の加熱殺菌処理機器などに活用できる。
<プレート式熱交換器30の構成>
図2は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30を示す分解斜視図である。図2では、上方向Uと下方向Dと右方向Rと左方向Lと正面方向Fと背面方向Bとが示されている。プレート式熱交換器30は、複数の伝熱プレートが積層され、第1流体が流れる第1流路と第2流体が流れる第2流路とが、複数の伝熱プレートの各伝熱プレートを境にして交互に形成されている本体30Aを備えている。
図2に示すように、プレート式熱交換器30の本体30Aは、一対のサイドプレート31と、複数の第1伝熱プレート32と、複数の第1インナーフィン33と、複数の第2伝熱プレート34と、複数の第2インナーフィン35と、を備える。プレート式熱交換器30の各種構成部品の材料は、ステンレス、銅、アルミ若しくはチタンなどの金属又は合成樹脂が使用できる。また、第1伝熱プレート32又は第2伝熱プレート34は、クラッド材で形成されても良い。
一対のサイドプレート31は、それぞれ平坦な板状であり、複数の第1伝熱プレート32、複数の第1インナーフィン33、複数の第2伝熱プレート34及び複数の第2インナーフィン35を所定の順序に重ねた両側に配置され、補強の役割を果たす。一対のサイドプレート31の一方には、四隅に、熱媒体入口31a、熱媒体出口31b、冷媒入口31c及び冷媒出口31dの4つの通路孔が形成されている。なお、図2では、図面上の左右一方側の下隅に熱媒体入口31aが示され、上隅に熱媒体出口31bが示され、左右他方側の上隅に冷媒入口31cが示され、下隅に冷媒出口31dが示されている。また、図2では、熱媒体の流通方向が実線矢印の符号Xで示され、冷媒の流通方向が破線矢印の符号Yで示されている。
複数の第1伝熱プレート32及び複数の第2伝熱プレート34のそれぞれの四隅には、熱媒体入口31a、熱媒体出口31b、冷媒入口31c及び冷媒出口31dの4つの通路孔と連通するように、通路孔としての貫通孔が形成されている。具体的には、図2に示すように、第1伝熱プレート32には、通路孔として、熱媒体往路孔31a1、熱媒体復路孔31b1、冷媒往路孔31c1及び冷媒復路孔31d1が設けられている。同様に、第2伝熱プレート34には、通路孔として、熱媒体往路孔31a2、熱媒体復路孔31b2、冷媒往路孔31c2及び冷媒復路孔31d2が設けられている。
図3は、実施の形態1に係るプレート式熱交換器30の一部を横断面にて示す説明図である。複数の第1伝熱プレート32は、それぞれ平坦な伝熱面を形成するプレート32a及びプレート32bを有する。同様に、複数の第2伝熱プレート34は、それぞれ平坦な伝熱面を形成するプレート34a及びプレート34bを有する。プレート32a、プレート32b、プレート34a及びプレート34bは、金属プレートである。なお、プレート32a、プレート32b、プレート34a及びプレート34bは、金属プレートに限定されるものではない。プレート式熱交換器30は、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34とが交互に積層されている。
第1伝熱プレート32は、プレート32aとプレート32bとの2枚の金属プレートを重ね合わせてダブルウォールに構成されている。なお、ダブルウォールとは、2重壁の構造である。同様に、第2伝熱プレート34は、プレート34aとプレート34bとの2枚の金属プレートを重ね合わせてダブルウォールに構成されている。
第1伝熱プレート32は、互いに対向するプレート32a及びプレート32bの2枚のプレートと、この2枚のプレートの間に設けられ2枚のプレートを接続する複数のロウ付け部61と、を有する。第1伝熱プレート32内には、プレート32a及びプレート32bの2枚のプレートと複数のロウ付け部61とによって形成された空間である複数の空隙部60と、複数の空隙部60の空隙部60同士を接続する連通路200a(図6参照)と、が形成されている。
更に詳細に説明すると、図3に示すように、プレート32aとプレート32bとの2枚の金属プレートは、伝熱部材としてのロウ付け部61によってロウ付けされている。ロウ付け部61は、プレート32aとプレート32bとの2枚の金属プレートの間の空間において、隣り合うロウ付け部61の間に空隙部60を形成するように部分的に配置されている。これにより、プレート32aとプレート32bとの2枚の金属プレートは、伝熱部材であるロウ付け部61によって空隙部60を挟むダブルウォール構造を構成しながら伝熱効率を向上させている。
同様に、プレート34aとプレート34bとの2枚の金属プレートは、伝熱部材としてのロウ付け部61によってロウ付けされている。ロウ付け部61は、プレート34aとプレート34bとの2枚の金属プレートの間の空間において、隣り合うロウ付け部61の間に空隙部60を形成するように部分的に配置されている。プレート34aとプレート34bとの2枚の金属プレートは、伝熱部材であるロウ付け部61によって空隙部60を挟むダブルウォール構造を構成しながら伝熱効率を向上させている。
複数の第1伝熱プレート32及び複数の第2伝熱プレート34は、肉厚がほぼ均一な板状の部材をプレスなどによって凹凸加工されたものである。第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34は、フラットな伝熱面である主要部の周囲に、凹凸加工によってプレート間を相互に接続するためのフランジ部が立ち上がるように形成される。なお、複数の第1伝熱プレート32及び複数の第2伝熱プレート34は、適宜板厚を異寸法にしても良い。複数の第1伝熱プレート32及び複数の第2伝熱プレート34の板厚が厚くなると、プレート式熱交換器30の腐食の進行防止及び強度向上に有効である。一方、複数の第1伝熱プレート32及び複数の第2伝熱プレート34の板厚が薄くなると、熱抵抗が低減でき、熱交換性能の低下を抑制でき、材料費を低減できる。このように、複数の第1伝熱プレート32及び複数の第2伝熱プレート34の板厚は、所望の条件に合わせて選定すると良い。
プレート式熱交換器30は、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との間に形成された、熱媒体流路38と冷媒流路39とを有する。熱媒体流路38は、熱媒体を流通させる第1流路であり、冷媒流路39は、冷媒を流通させる第2流路である。
プレート式熱交換器30の本体30Aは、複数の伝熱プレートのうち、互いに対向して配置されている第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との間に第1流路である熱媒体流路38を形成している。ここで、第1伝熱プレート32は、複数の伝熱プレートの積層方向FBにおける第1の伝熱プレートであり、第2伝熱プレート34は第2の伝熱プレートである。
プレート式熱交換器30の本体30Aは、複数の伝熱プレートのうち、互いに対向して配置されている第1伝熱プレート32と他の第2伝熱プレート34との間に第2流路である冷媒流路39を形成している。ここで、第1伝熱プレート32は、複数の伝熱プレートの積層方向FBにおける第1の伝熱プレートであり、他の第2伝熱プレート34は第3の伝熱プレートである。
プレート式熱交換器30の本体30Aは、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにおいて、熱媒体流路38と冷媒流路39とが交互に形成されている。プレート式熱交換器30は、熱媒体流路38を流通する熱媒体と冷媒流路39を流通する冷媒との間で熱交換を行わせる。
熱媒体流路38は、図2に示すように、上方向Uと下方向Dとにわたる高さ方向の上向きに熱媒体を流通させる。熱媒体流路38は、プレート式熱交換器30の右方向Rの下側に位置する熱媒体入口31aから、プレート式熱交換器30の右方向Rの上側に位置する熱媒体出口31bに向かうように、高さ方向の上向きに熱媒体を流通させる。なお、熱媒体流路38は、たとえば、熱媒体入口31aが位置するプレート式熱交換器30の右方向Rの下側から、冷媒入口31cが位置するプレート式熱交換器30の左方向Lの上側に向かうように、高さ方向から傾斜して熱媒体を流通させても良い。
冷媒流路39は、図2に示すように、上方向Uと下方向Dとにわたる高さ方向の下向きに冷媒を流通させる。冷媒流路39は、プレート式熱交換器30の左方向Lの上側に位置する冷媒入口31cから、プレート式熱交換器30の左方向Lの下側に位置する冷媒出口31dに向かうように、高さ方向の下向きに冷媒を流通させる。なお、冷媒流路39は、たとえば、熱媒体出口31bが位置するプレート式熱交換器30の右方向Rの上側から、冷媒出口31dが位置するプレート式熱交換器30の左方向Lの下側に向かうように、高さ方向から傾斜して冷媒を流通させても良い。
プレート式熱交換器30の本体30A内に形成された第1流路である熱媒体流路38には、複数の凹凸状に屈曲した部分が形成された板状の第1インナーフィン33を有している。すなわち、熱媒体流路38には、第1インナーフィン33が配置されている。
第1インナーフィン33は、熱媒体流路38のそれぞれに配置され、第1インナーフィン33には、凹凸ピッチ40が繰り返して形成されている。冷媒流路39には、複数の第2インナーフィン35が配置されている。複数の第2インナーフィン35は、冷媒流路39にそれぞれ配置され、複数の第2インナーフィン35には、凹凸ピッチ50が繰り返して形成されている。
図4は、実施の形態1に係る2つの第1インナーフィン33の間の構成を示す部分斜視図である。図5は、実施の形態1に係る第1インナーフィン33を示す斜視図である。図3~図5を用いて、第1インナーフィン33及び第2インナーフィン35について説明する。
複数の第1インナーフィン33は、それぞれ対応する第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との間に配置された伝熱を促進するためのオフセットフィンである。複数の第1インナーフィン33のそれぞれは、幅方向及び高さ方向が厚み方向に比べて大きい概ねプレート状の形態である。
複数の第1インナーフィン33のそれぞれは、薄肉要素が幅方向である右方向Rと左方向Lとに渡ってほぼ直角で構成される凹凸ピッチ40が繰り返された構造を含む。凹凸ピッチ40のうち第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34のそれぞれに対向する頂部40c1あるいは底部40c2は、平坦面に形成されている。これにより、複数の第1インナーフィン33は、それぞれ対応する第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の双方に対し、頂部40c1あるいは底部40c2の平坦面にて面接触する。
複数の第2インナーフィン35は、それぞれ対応する第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との間に配置された伝熱を促進するためのオフセットフィンである。複数の第2インナーフィン35のそれぞれは、幅方向及び高さ方向が厚み方向に比べて大きい概ねプレート状の形態である。複数の第2インナーフィン35は、第1伝熱プレート32を介して複数の第1インナーフィン33と反対側に配置されている。また、複数の第2インナーフィン35は、第2伝熱プレート34を介して複数の第1インナーフィン33と反対側に配置されている。すなわち、プレート式熱交換器30は、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにおいて、第1インナーフィン33と第2インナーフィン35が交互に配置されている。
複数の第2インナーフィン35のそれぞれは、薄肉要素が幅方向である右方向Rと左方向Lとに渡ってほぼ直角で構成される凹凸ピッチ50が繰り返された構造を含む。凹凸ピッチ50のうち第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34のそれぞれに対向する頂部50c1あるいは底部50c2は、平坦面に形成されている。これにより、複数の第2インナーフィン35は、それぞれ対応する第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の双方に対し、頂部50c1あるいは底部50c2の平坦面にて面接触する。
第2インナーフィン35に形成された凹凸ピッチ50は、冷媒流路39を流通する冷媒の流通方向DUに対する交差方向LRに対して、直交する部分と平行に伸びている部分とを有し、直角に屈曲する部分が連続するように形成されている。
第2インナーフィン35に形成された凹凸ピッチ50は、第1伝熱プレート32のプレート32bと第2伝熱プレート34のプレート34aとの双方を繋げるように伸びる直交部51を有する。直交部51は、第1伝熱プレート32のプレート32bと第2伝熱プレート34のプレート34aとの間に設けられている。直交部51は、凹凸ピッチ50において、冷媒流路39を流通する冷媒の流通方向DUに対する交差方向LRに対して直交する部分である。
直交部51は、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBに延びる壁である。直交部51は、プレート32b及びプレート34aの板面に対して直交する方向に延びるように形成されている。直交部51は、頂部50c1及び底部50c2と連続して頂部50c1と底部50c2との間に延びており、頂部50c1及び底部50c2と共に凹凸ピッチ50の凹凸形状を形成する。第2インナーフィン35は、冷媒流路39を流通する冷媒の流通方向DUに対する交差方向LRにおいて、底部50c2、直交部51、頂部50c1が繰り返す凹凸形状を形成している。
第1インナーフィン33と第2インナーフィン35とは、伝熱面積が異なる。具体的には、第1インナーフィン33と第2インナーフィン35とは、詳細は後述するが図3及び図4に示すように、凹凸ピッチ40又は凹凸ピッチ50の寸法が相互に異なる。なお、図2では、図面上の明瞭性を優先し、第1インナーフィン33と第2インナーフィン35とが同様に示されている。
第1インナーフィン33を挟む第1伝熱プレート32のプレート32a及び第2伝熱プレート34のプレート34bは、それぞれ第1インナーフィン33とロウ付けされている。第2インナーフィン35を挟む第2伝熱プレート34のプレート34a及び第1伝熱プレート32のプレート32bは、それぞれ第2インナーフィン35とロウ付けされている。
プレート式熱交換器30は、一方のサイドプレート31と他方のサイドプレート31との間に積層構造を有している。積層構造は、第1インナーフィン33、第1伝熱プレート32、第2インナーフィン35及び第2伝熱プレート34という順番で必要に応じた積層要素が繰り返して配置されている。
<プレート式熱交換器30の詳細>
図3~図5に示すように、第1インナーフィン33は、凹凸ピッチ40を有する。具体的には、第1インナーフィン33は、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに凹凸ピッチ40を複数有している。第1インナーフィン33は、第1流体の流通方向DUに垂直な第1インナーフィン33の断面において矩形波状に形成された凹凸ピッチ40を、流通方向DUに複数有している。
凹凸ピッチ40は、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUである上方向Uと下方向Dとにわたる高さ方向に対して交差方向LRに設けられている。ここでは、凹凸ピッチ40は、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対して直交する方向である右方向Rと左方向Lとにわたる幅方向に設けられている。
凹凸ピッチ40は、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに延びる流路孔を形成する。凹凸ピッチ40は、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対して交差方向LRに凹凸が繰り返された形状である。凹凸ピッチ40は、板面を第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに沿わせ、熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通を遮らない。
第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体が流通する方向に対して交差する方向において、凹凸ピッチ40の一部は、第1ピッチ40aと、第1ピッチ40aよりもピッチ幅の広い第2ピッチ40bと、を有する。また、熱媒体の流通方向DUに設けられた複数の凹凸ピッチ40のうち、一部の凹凸ピッチ40は、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対して交差する方向において第1ピッチ40aのみを有する。第1インナーフィン33の少なくとも1つ以上の凹凸ピッチ40は、第1ピッチ40aと、第2ピッチ40bとを有する。
頂部40c1を構成する部分の第1ピッチ40aは、第2伝熱プレート34のプレート34bと当接する。また、底部40c2を構成する部分の第1ピッチ40aは、第1伝熱プレート32のプレート32aと当接する。頂部40c1を構成する部分の第2ピッチ40bは、第2伝熱プレート34のプレート34bと当接する。第2ピッチ40bは、複数の伝熱プレートの積層方向FBと流通方向DUとに垂直な交差方向LRにおいて、交差方向LRの幅が、第1ピッチ40aの交差方向LRの幅よりも大きい。
第1インナーフィン33に形成された凹凸ピッチ40は、熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対する交差方向LRに対して、直交する部分と平行に伸びている部分とを有し、直角に屈曲する部分が連続するように形成されている。
第1インナーフィン33に形成された凹凸ピッチ40は、第1伝熱プレート32のプレート32aと第2伝熱プレート34のプレート34bとの双方を繋げるように伸びる直交部41を有する。直交部41は、第1伝熱プレート32のプレート32aと第2伝熱プレート34のプレート34bとの間に設けられている。直交部41は、凹凸ピッチ40において、熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対する交差方向LRに対して直交する部分である。
直交部41は、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBに延びる壁である。直交部41は、プレート32a及びプレート34bの板面に対して直交する方向に延びるように形成されている。直交部41は、頂部40c1及び底部40c2と連続して頂部40c1と底部40c2との間に延びており、頂部40c1及び底部40c2と共に凹凸ピッチ40の凹凸形状を形成する。第1インナーフィン33は、熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対する交差方向LRにおいて、底部40c2、直交部41、頂部40c1が繰り返す凹凸形状を形成している。
直交部41は、図3に示すように、熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUにおける隣接する凹凸ピッチ40との関係において、当該凹凸ピッチ40の直交部41に対して、熱媒体の流通方向DUに対する交差方向LRにずれて設けられている。したがって、直交部41は、第1インナーフィン33を熱媒体の流通方向DUに見た場合に、熱媒体の流通方向DUに隣接する凹凸ピッチ40の2つの直交部41の間に位置するように設けられている。特に、第1インナーフィン33を熱媒体の流通方向DUに見た場合に、直交部41は、熱媒体の流通方向DUにおいて隣接する凹凸ピッチ40に対して、当該凹凸ピッチ40に形成されている隣り合う直交部41の間の中央に位置するように設けられていると良い。
第2ピッチ40bは、複数の第1インナーフィン33での熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対して交差方向LRにおいて少なくとも1以上の第1ピッチ40aを挟んで1ピッチに1以上設けられている。
例えば、図4及び図5に示すように、第2ピッチ40bが形成されている凹凸ピッチ40の内最上部では、第2ピッチ40bは、複数の第1インナーフィン33での熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対して交差方向LRにおいて9つの第1ピッチ40aを挟んで1ピッチに2つ設けられている。なお、2つの第2ピッチ40bの間に形成される第1ピッチ40aの数は、9つに限定されるものではない。2つの第2ピッチ40bの間に形成される第1ピッチ40aの数は、8つ以下でもよく、10以上でもよい。なお、凹凸ピッチ40の内最上部とは、図4及び図5に示す第1インナーフィン33において、熱媒体の流通方向DUにおける最も上方向U側に位置している凹凸ピッチ40を表している。また、1ピッチとは、熱媒体の流通方向DUにおいて複数形成された凹凸ピッチ40の中の1つを示している。
また、図4及び図5に示すように、最上部以外の凹凸ピッチ40では、第2ピッチ40bは、複数の第1インナーフィン33での熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対して交差方向LRにおいて1ピッチに1つ設けられている。
図4及び図5に示すように、凹凸ピッチ40に形成された第2ピッチ40bは、熱媒体の流通方向DUにおいて当該凹凸ピッチ40の直前及び直後に位置する他の凹凸ピッチ40に形成された第2ピッチ40bに対して、交差方向LRにずれて設けられている。図4及び図5に示すように、第1インナーフィン33において、第2ピッチ40bは、千鳥状に配置されているが、第2ピッチ40bは、千鳥状に配置されている構成に限定されるものではなく、例えば碁盤目状に配置されてもよい。
図4に示すように、熱媒体の流通方向DUにおいて、第2ピッチ40bを有する凹凸ピッチ40と、当該第2ピッチ40bと形成位置が異なる第2ピッチ40bを有する凹凸ピッチ40と、の間には、第1ピッチ40aのみを有する凹凸ピッチ40が設けられている。すなわち、第1インナーフィン33は、流通方向DUにおいて、第1ピッチ40aと第2ピッチ40bとを有する第1の凹凸ピッチ40と、第1ピッチ40aと第2ピッチ40bとを有する第2の凹凸ピッチ40と、を有する。そして、第1インナーフィン33は、第1の凹凸ピッチ40と第2の凹凸ピッチ40との間に、第1ピッチ40aのみを有する第3の凹凸ピッチ40を有する。
なお、図4及び図5に示すように、第1ピッチ40aのみで形成されている凹凸ピッチ40は、流通方向DUにおいて、第2ピッチ40bを有する凹凸ピッチ40同士の間に1列形成されている。しかし、第2ピッチ40bを有する凹凸ピッチ40同士の間において、第1ピッチ40aのみで形成されている凹凸ピッチ40の数は1列に限定されるものではなく2列以上でもよい。また、第2ピッチ40bを有する凹凸ピッチ40同士の間において、第1ピッチ40aのみで形成されている凹凸ピッチ40の数は、流通方向DUにおける異なる位置によって同じ数でもよいし、異なる数でもよい。
また、流通方向DUにおいて第1ピッチ40aのみで形成されている列は、流通方向DUにおいて第2ピッチ40bを有する列同士の間に1列形成されていてもよく、複数形成されていてもよい。
図3及び図4に示すように、第2ピッチ40bを有する凹凸ピッチ40は、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBにおいて、隣に配置された第1インナーフィン33の第1ピッチ40aのみを有する凹凸ピッチ40と向かい合っている。当該構成は、プレート式熱交換器30において、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUにおいて、いずれの部分においても適用されている。
図4及び図5に示すように、第1インナーフィン33に設けられた複数の第2ピッチ40bは、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBにて同じ側を開口している。
図3に示す第1ピッチ40aのピッチ幅P1を第2ピッチ40bのピッチ幅P2で割った値は、1よりも小さい。より好ましくは、第1ピッチ40aのピッチ幅P1を第2ピッチ40bのピッチ幅P2で割った値は、1よりも小さく、かつ、0.5よりも大きい。
<ロウ付け部61の詳細>
図3に示すように、プレート32a及びプレート32bの2枚の金属プレートの間には、伝熱部材であるロウ付け部61が設けられている。プレート32aとプレート32bとの2枚の金属プレートは、伝熱部材としてのロウ付け部61によってロウ付けされている。同様に、プレート34a及びプレート34bの2枚の金属プレートの間には、伝熱部材であるロウ付け部61が設けられている。プレート34aとプレート34bとの2枚の金属プレートは、伝熱部材としてのロウ付け部61によってロウ付けされている。
ロウ付け部61は、プレート32aとプレート32bとの2枚の金属プレートの間の空間において、隣り合うロウ付け部61の間に空隙部60を形成するように部分的に配置されている。そのため、図3に示すように、プレート32a及びプレート32bの2枚の金属プレートの間には、空隙部60が形成されている。同様に、ロウ付け部61は、プレート34aとプレート34bとの2枚の金属プレートの間の空間において、隣り合うロウ付け部61の間に空隙部60を形成するように部分的に配置されている。そのため、プレート34a及びプレート34bの2枚の金属プレートの間には、空隙部60が形成されている。
なお、ロウ付け部61のロウ材には、銅ロウ、銀ロウ又は、リン脱酸銅などの金属ロウといった、空気より伝熱性の高い材料であればどのロウ材が用いられても良い。また、伝熱部材は、ロウ付け部61以外にも、金属などの伝熱部材を接着などで設けても良い。さらに、伝熱部材は、グリースのような密着性の高い液体又は個体材料でも良い。
伝熱部材は、別部品を介在せず、スポット溶接又は圧力接合などによりプレート32aとプレート32bとの2枚の金属プレートを直接接合して一体化しても良い。同様に、伝熱部材は、別部品を介在せず、スポット溶接又は圧力接合などによりプレート34aとプレート34bとの2枚の金属プレートを直接接合して一体化しても良い。ただし、2枚の金属プレートを直接接合する場合には、必ず空隙部60を設ける必要がある。
第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにロウ付け部61を投影した場合に、ロウ付け部61は、第1ピッチ40aの領域に設けられている。言い換えれば、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにロウ付け部61を投影した場合に、ロウ付け部61は、第2ピッチ40bの領域に存在しない。
図7は、実施の形態1に係る第1インナーフィン33の平面図であり、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBに投影したときの透視図のうち、第1インナーフィン33のみを示した図である。図8は、実施の形態1に係る第1インナーフィン33の平面図であり、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBに投影したときの透視図のうち、伝熱部材及び空隙部60の層のみ示した図である。なお、図8は、ロウ付け部61などの伝熱部材の図示は省略している。また、図7及び図8は、第1インナーフィン33の流通方向DUの一部を表している。
第1伝熱プレート32、第2伝熱プレート34、第1インナーフィン33の凹凸ピッチ40及び第2インナーフィン35の凹凸ピッチ50と、伝熱部材及び空隙部60の層の位置とには特定の関係がある。図4及び図6は、第1インナーフィン33が第1伝熱プレート32を構成するプレート32aの手前にあり、伝熱部材及び空隙部60の層が第1伝熱プレート32を構成するプレート32aの奥に有ることを示している。図6は、プレート式熱交換器30を第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBに透視した場合において、第1インナーフィン33と、伝熱部材及び空隙部60が形成された層との位置関係を示している。このように、プレート式熱交換器30を第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBに透視した場合に、第1伝熱プレート32の板面と第2伝熱プレート34の板面との位置関係を「積層方向FBに投影した場合」として説明する。
図3及び図4に示すように、第1伝熱プレート32を構成するプレート32aの一方の面に第1インナーフィン33が当接し、第1伝熱プレート32を構成するプレート32aの他方の面側に伝熱部材及び空隙部60の層が存在している。図6では、第1インナーフィン33とプレート32aとの接合が示されていない。しかし、基本的には、図3に示されるように、第1インナーフィン33と、第1伝熱プレート32を構成するプレート32aとが接合されてない部分において、プレート32aを介して第1インナーフィン33の配置側とは反対側に空隙部60が形成されている。
ただし、図3に示すように、空隙部60の大きさが第1インナーフィン33の凹凸ピッチ40よりも大きい場合には、空隙部60が形成されている位置の反対側のプレート32aの一部に第1インナーフィン33が接合されていても良い。なお、この場合の空隙部60の大きさと、第1インナーフィン33の凹凸ピッチ40の大きさとは、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の板面が延びる方向の大きさである。
第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにおいて、第2ピッチ40bの前後の領域はロウ付け部61がないことが望ましい。そして、少なくとも第2ピッチ40bの全体が、プレート32aを介して空隙部60と対向する位置に形成されている。換言すれば、図6に示すように、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにおいてプレート式熱交換器30を透視した場合に、空隙部60の形成範囲内に第2ピッチ40bが形成されている。
なお、図3に示すように、積層方向FBにおいて、第2ピッチ40bの平坦面40b1は、第2伝熱プレート34のプレート34bと当接している。図3に示すように、積層方向FBにおいて、第2ピッチ40bの平坦面40b1は、第1伝熱プレート32のプレート32aと当接していない。プレート34bとプレート32aとの間の積層方向FBにおいて、第2ピッチ40bの開口部40b2は、プレート32a側に位置している。第2ピッチ40bの平坦面40b1は、熱媒体流路38を介して、プレート32aと対向している。
図6~図8に示すように、空隙部60が形成されている層には、空隙部60同士を接続する連通路200aが形成されている。この連通路200aは、プレート式熱交換器30の外部に位置する外気と連通するように構成されている。
図8に示すように、連通路200aは、第1流体の流通方向DUに最も近い前後の空隙部60とは最短経路で接続するように接続されている。なお、図6は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の左方向Lの上隅と、第1流体の流通方向において左斜め上に位置する第2の空隙部60の右方向Rの下隅とが、連通路200aによって接続されている構成を示している。また、図6は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の左方向Lの下隅と、第1流体の流通方向において左斜め下に位置する第3の空隙部60の右方向Rの上隅とが、連通路200aによって接続されている構成を示している。連通路200aは、第1流体の流通方向DUにおいて、左右に交互に形成された空隙部60を接続するように形成されている。
連通路200aの通路幅は、空隙部60の短手寸法よりも小さい寸法で構成されている。また、連通路200aの流路断面積は、複数の空隙部60のうちの1つの空隙部60の流路断面積よりも小さい。
第1の空隙部60に対する第2の空隙部60は、第1流体の流通方向DUにおいて、第1の空隙部60の1つ後ろに位置する第1の空隙部60に対する第3の空隙部60となる。同様に、第1の空隙部60に対する第3の空隙部60は、第1流体の流通方向DUにおいて、第1の空隙部60の1つ前に位置する第1の空隙部60に対する第2の空隙部60となる。プレート式熱交換器30は、空隙部60と連通路200aとが接続されて排出流路200a1を形成している。
排出流路200a1は、流通方向DUに配置された第1列の空隙部60と、交差方向LRにおいて第1の列の空隙部60の隣に形成された第2列の空隙部60と、第1列の空隙部60と第2列の空隙部60とを接続する連通路200aと、によって形成されている。
排出流路200a1は、第1流体の流通方向DUにおいて、複数の空隙部60のうち最も近い前後の空隙部60が連通路200aによって接続されて、流通方向DUに延びるように形成されており、排出流路200a1の端部が本体30Aの外部と連通している。空隙部60と連通路200aとが接続されて形成された排出流路200a1は、その通路方向が第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUと同じ方向となるように形成されている。
プレート式熱交換器30は、本体30Aの内部を、積層方向FBに投影した場合に、複数の空隙部60が、第2ピッチ40bの領域に形成されている。また、プレート式熱交換器30は、複数の空隙部60と連通路200aとによって形成される排出流路200a1が本体30Aの外部と連通している。
<ロウ付け部61の作用>
第1伝熱プレート32の、プレート32a及びプレート32bの2枚の金属プレートの間に設けられたロウ付け部61の作用について説明する。同様に、第2伝熱プレート34の、プレート34a及びプレート34bの2枚の金属プレートの間に設けられたロウ付け部61の作用について説明する。
プレート32a及びプレート32bの2枚の金属プレートの間のロウ付け部61、並びに、プレート34a及びプレート34bの2枚の金属プレートの間のロウ付け部61は、熱伝導率が高い。そのため、プレート式熱交換器30は、プレート32a及びプレート32bの2枚の金属プレートの間の接触熱抵抗を低減でき、また、プレート34a及びプレート34bの2枚の金属プレートの間の接触熱抵抗を低減できる。そのため、プレート式熱交換器30は、ロウ付け部61を設けない場合と比較して、熱交換性能の低下を抑制できる。
一方、プレート式熱交換器30は、プレート32a及びプレート32bの2枚の金属プレートの間にロウ付けされていない空隙部60を有し、プレート34a及びプレート34bの2枚の金属プレートの間にロウ付けされていない空隙部60を有している。プレート式熱交換器30は、その空隙部60同士が連通路200aで接続されており、空隙部60と連通路200aとにより形成される排出流路200a1が外気と連通するように構成されている。
そのため、第1伝熱プレート32のプレート32aが傷ついた場合には、排出流路200a1を介して熱媒体が外気に放出される。また、外部に流出した漏洩流体を検知センサー(図示は省略)で検知することによって、制御装置(図示は省略)は、プレート式熱交換器30を備えた伝熱装置100を停止させることができる。
ここで、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにプレート式熱交換器30の各構成要素を投影した場合に、第2ピッチ40bの位置には、プレート32aとプレート34bとの間に形成された空隙部60が、必ず形成されている。
また、連通路200aは、第1流体の流通方向DUに最も近い前後の空隙部60と最短経路で接続するように接続され、通路幅が空隙部60の短手寸法よりも小さい寸法で構成されている。そのため、プレート式熱交換器30は、ロウ付け部61の面積割合の低下による性能低下を抑制することができる。
第1インナーフィン33は、第2ピッチ40bのピッチ幅が第1ピッチ40aのピッチ幅よりも長い。そのため、例えば熱媒体が水である場合に、凍結又は内圧上昇などを原因として熱媒体流路38内に通常よりも高い圧力が生じると、第2ピッチ40bと対向する位置でのプレート32aの発生応力が周辺箇所よりも高くなる。これにより、プレート式熱交換器30において第1伝熱プレート32が万が一傷ついたとしても、第1伝熱プレート32の傷つく個所が第2ピッチ40bの位置となるように設定できる。
プレート式熱交換器30は、熱媒体流路38に過剰な圧力上昇が生じても、複数の第2ピッチ40bが設けられることによって、第1伝熱プレート32が万が一傷ついたとしても、第1伝熱プレート32の傷つく箇所が予定できる。そして、プレート式熱交換器30は、漏洩熱媒体を外部に排出させることができる。また、プレート式熱交換器30は、当該構成により、第1伝熱プレート32のプレート32aと第2伝熱プレート34のプレート34bとの接合箇所が傷つくことにより漏洩冷媒が熱媒体回路20を通じて家屋21内へ流入することを防止できる。
<第2インナーフィン35の凹凸ピッチ50の詳細>
図3及び図4に示すように、第2インナーフィン35の凹凸ピッチ50は、一定のピッチ幅で凹凸が繰り返して形成されている。第2インナーフィン35の凹凸ピッチ50には、第1インナーフィン33の凹凸ピッチ40のような第2ピッチ40bが設けられていない。プレート式熱交換器30の幅方向である交差方向LRにおいて、第2インナーフィン35に形成された凹凸ピッチ50のピッチ幅P3は、第1インナーフィン33に形成された凹凸ピッチ40のピッチ幅P1及びピッチ幅P2よりも小さく、凹凸が細かい。
ここで、第1インナーフィン33と、第1伝熱プレート32を構成するプレート32aの平坦な伝熱面及び第2伝熱プレート34を構成するプレート34bの平坦な伝熱面とは、面同士で接合されている。また、第2インナーフィン35と、第1伝熱プレート32を構成するプレート32bの平坦な伝熱面及び第2伝熱プレート34を構成するプレート34aの平坦な伝熱面とは、面同士で接合されている。
このため、熱媒体が圧力の高い流体であり、冷媒が圧力の低い流体である場合には、プレート式熱交換器30に用いられる第1インナーフィン33及び第2インナーフィン35は次のように構成されると良い。プレート式熱交換器30は、熱媒体の流通する熱媒体流路38には凹凸ピッチ50と比較して、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34との接触面積が大きい凹凸ピッチ40が形成された第1インナーフィン33が用いられると良い。そして、プレート式熱交換器30は、冷媒の流通する冷媒流路39には凹凸ピッチ40と比較して、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34との接触面積が小さい凹凸ピッチ50が形成された第2インナーフィン35が用いられると良い。これにより、プレート式熱交換器30は、各部分毎に必要で十分な強度が得られ、全体で無駄のない強度確保が実現できる。
このように、プレート式熱交換器30は、熱媒体側の流路に対して圧力損失の影響の大きい冷媒側の流路には、熱伝達の良い小さいピッチ寸法で凹凸が細かいフィンが用いられる。そして、プレート式熱交換器30は、冷媒側の流路に対して熱媒体側の流路には、熱伝達が良くはないが圧力損失が小さくなる大きいピッチ寸法のフィンが用いられる。その結果、プレート式熱交換器30は、冷媒と水との熱抵抗比率を同等にできる。このように、プレート式熱交換器30は、流通する流体の物性に応じて第1流体である熱媒体と第2流体である冷媒との熱抵抗比率が調整でき、熱交換効率を高めることができる。
<作用>
以上、説明したように、プレート式熱交換器30及び伝熱装置100は、熱交換する熱媒体と冷媒との間で熱抵抗比率を同等に保つことができる。また、プレート式熱交換器30及び伝熱装置100は、熱交換する熱媒体と冷媒との間で熱交換効率を良好に保つことができる。そして、プレート式熱交換器30は、構造が簡単で安価に製造可能でありながら、冷媒が熱媒体回路20を介して家屋21内へ浸入すること防止することができ、伝熱装置100の長期の信頼性を向上させることができる。よって、プレート式熱交換器30及び伝熱装置100は、これまで冷媒の浸入防止機能が無いために使用できなかったCO2などの自然冷媒、可燃性の炭化水素又は低GWP冷媒などを使用できる。また、プレート式熱交換器30及び伝熱装置100は、使用流体の選定範囲が増えるため、潜熱の大きい冷媒を選定でき、熱交換性能も向上させることができる。
<実施の形態1の効果>
実施の形態1によれば、プレート式熱交換器30は、それぞれ平坦な伝熱面を有する、複数の第1伝熱プレート32と複数の第2伝熱プレート34とを、交互に積層している。そして、プレート式熱交換器30は、熱媒体を流通させる第1流路としての熱媒体流路38と、冷媒を流通させる第2流路としての冷媒流路39とが交互に形成されている。また、プレート式熱交換器30は、複数の熱媒体流路38にそれぞれ配置される第1インナーフィン33と、複数の冷媒流路39にそれぞれ配置される第2インナーフィン35とを備えている。また、第1インナーフィン33には、複数の凹凸ピッチ40が繰り返して形成されており、第2インナーフィン35には、複数の凹凸ピッチ50が繰り返して形成されている。
第1伝熱プレート32は、プレート32aとプレート32bとの2枚の金属プレートを重ね合わせてダブルウォールに構成されている。第2伝熱プレート34は、プレート34aとプレート34bとの2枚の金属プレートを重ね合わせてダブルウォールに構成されている。プレート式熱交換器30は、プレート32aとプレート32bとの2枚の金属プレートの間に空隙部60と、部分的に配置された伝熱部材としてのロウ付け部61とを有している。また、プレート式熱交換器30は、プレート34aとプレート34bとの2枚の金属プレートの間に空隙部60と、部分的に配置された伝熱部材としてのロウ付け部61とを有している。その空隙部60同士は、連通路200aで接続され、空隙部60と連通路200aとによって形成された排出流路200a1は、外気と連通するように構成されている。
第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する第1流体としての熱媒体の流通方向DUに対して交差方向LRに延びる凹凸ピッチ40は、第1ピッチ40aと、第1ピッチ40aよりもピッチ幅の広い第2ピッチ40bと、を有する。第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにロウ付け部61を投影した場合に、ロウ付け部61は、第1ピッチ40aの領域に設けられている。
この構成によれば、第1伝熱プレート32のプレート32aと第2伝熱プレート34のプレート34bとは、積層方向FBにてロウ付け部61が存在する位置では、ピッチ幅が狭く強固な第1ピッチ40aと接続されている。
ピッチ幅が広い第2ピッチ40bの位置は、積層方向FBにて第1インナーフィン33が第1伝熱プレート32のプレート32aと接触しない。そして、プレート式熱交換器30は、第1伝熱プレート32のプレート32aとプレート32bとの間に形成された空隙部60が、プレート32aを介して、第2ピッチ40bが配置された位置の熱媒体流路38と対向するように構成されている。換言すれば、プレート式熱交換器30は、本体30Aの内部を、積層方向FBに投影した場合に、複数の空隙部60は、第2ピッチ40bの領域に形成されている。このため、熱媒体流路38を構成する第1伝熱プレート32のプレート32aは、第2ピッチ40bと対向している位置が、第1ピッチ40aと対向している位置と比較して強度が低くなっている。
そのため、第1伝熱プレート32に万が一傷つく要因が生じたとしても、第1伝熱プレート32のプレート32aは、第1ピッチ40aと対向している位置よりも、第2ピッチ40bと対向している位置が傷つきやすくなる。したがって、プレート式熱交換器30は万が一傷つく要因が生じたとしても、製造条件あるいは環境条件といった誤差因子によらず、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34とを接触させていない領域に傷が生ずるようにできる。
また、プレート式熱交換器30は、複数の空隙部60と連通路200aとによって形成される排出流路200a1が本体30Aの外部と連通している。すなわち、空隙部60同士は連通路200aで接続され、外気と連通するように構成されている。そのため、プレート式熱交換器30は、熱媒体が大気に放出され、また、プレート式熱交換器30を備えた伝熱装置100は、外部に流出した漏洩流体を検知センサーで検知し、検知センサーの検知に基づき伝熱装置100を停止させることができる。
このように、プレート式熱交換器30及び伝熱装置100は、熱交換効率が良好であり、構造が簡単で安価に製造でき、熱媒体と冷媒との混合を防止でき、または冷媒漏洩の検出を容易とする。実施の形態1のプレート式熱交換器30によれば、第2流体が可燃性冷媒であって、伝熱装置100が第1流体を室内に流通させ、第2流体を室内に流通させない空調システムである場合、本来は室内に循環しないはずの可燃性冷媒が熱媒体回路20を介して家屋21内に流入することを防止でき、安全性を向上できる。
実施の形態1によれば、連通路200aは、第1流体の流通方向DUに最も近い前後の空隙部60とは最短経路で接続するように接続され、通路幅は、空隙部60の短手寸法よりも小さい寸法で構成される。そのため、プレート式熱交換器30は、ロウ付け部61の面積割合の低下による性能低下を抑制することができる。
また、連通路200aの流路断面積は、複数の空隙部60のうちの1つの空隙部60の流路断面積よりも小さい。そのため、プレート式熱交換器30は、ロウ付け部61の面積割合の低下による性能低下を抑制することができる。
また、排出流路200a1は、第1流体の流通方向DUにおいて複数の空隙部60のうち最も近い前後の空隙部60が連通路200aによって接続されて、流通方向DUに延びるように形成されており、排出流路200a1の端部が本体30Aの外部と連通している。そのため、プレート式熱交換器30は、熱媒体が大気に放出され、また、プレート式熱交換器30を備えた伝熱装置100は、外部に流出した漏洩流体を検知センサーで検知し、検知センサーの検知に基づき伝熱装置100を停止させることができる。
実施の形態1によれば、本体30Aの内部を積層方向FBに投影した場合に、複数の空隙部60は、第1ピッチ40aの領域には形成されていない。このため、熱媒体流路38を構成する第1伝熱プレート32のプレート32aは、第1ピッチ40aと対向している位置が、第2ピッチ40bと対向している位置と比較して強度が高くなっている。
そのため、第1伝熱プレート32に万が一傷つく要因が生じたとしても、第1伝熱プレート32のプレート32aは、第1ピッチ40aと対向している位置よりも、第2ピッチ40bと対向している位置が傷つきやすくなる。したがって、プレート式熱交換器30は万が一傷つく要因が生じたとしても、製造条件あるいは環境条件といった誤差因子によらず、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34とを接触させていない領域に傷が生じるようにできる。
実施の形態1によれば、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにロウ付け部61を投影した場合に、ロウ付け部61は、第2ピッチ40bの領域には存在しない。この構成によれば、第2ピッチ40bは第1ピッチ40aに対してピッチ幅が広く、かつ、第2ピッチ40bの位置は、第1伝熱プレート32のプレート32aを介して空隙部60と対向する位置に構成できる。なお、空隙部60は、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との間にロウ付け部61を介さない部分である。そのため、プレート式熱交換器30に万が一傷つく要因が生じたとしても、第1伝熱プレート32のプレート32aは、第1ピッチ40aと対向している位置よりも、第2ピッチ40bと対向している位置が傷つきやすくなる。
実施の形態1によれば、第2ピッチ40bは、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対して交差方向LRにおいて少なくとも1以上の第1ピッチ40aを挟んで1ピッチに1以上設けられている。この構成によれば、プレート式熱交換器30は、圧力上昇が生じる領域と対向する位置に、第2ピッチ40bと対向する位置のプレート32aが設けられるように、第1インナーフィン33に第2ピッチ40bが形成されている。なお、第2ピッチ40bと対向する位置のプレート32aは、第1ピッチ40aと対向する位置のプレート32aと比較して強度が低く、熱媒体流路38の圧力が過剰に上昇した場合に、第1ピッチ40aと対向する位置のプレート32aと比較して傷つきやすい。
また、凹凸ピッチ40に形成された第2ピッチ40bは、熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUにおいて、当該凹凸ピッチ40の直前及び直後に位置する他の凹凸ピッチ40に形成された第2ピッチ40bに対して、交差方向LRにずれて設けられている。この構成によれば、プレート式熱交換器30は、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUにおいて、複数の第2ピッチ40bが隣接して形成されず、また、複数の第2ピッチ40bが連続して形成されない。これにより、プレート式熱交換器30は、第2ピッチ40bと対向する位置のプレート32aが過度に脆弱にならずに済む。
また、熱媒体の流通方向DUにおいて、第2ピッチ40bを有する凹凸ピッチ40と、当該凹凸ピッチ40と異なる位置に形成された他の第2ピッチ40bを有する凹凸ピッチ40と、の間には、第1ピッチ40aのみを有する他の凹凸ピッチ40が設けられている。この構成によれば、プレート式熱交換器30は、第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUにおいて、複数の第2ピッチ40bが隣接して形成されず、また、複数の第2ピッチ40bが連続して形成されない。これにより、プレート式熱交換器30は、第2ピッチ40bと対向する位置のプレート32aが過度に脆弱にならずに済む。
実施の形態1によれば、第1ピッチ40aのピッチ幅P1を第2ピッチ40bのピッチ幅P2で割った値は、1よりも小さい。この構成によれば、プレート式熱交換器30は、第2ピッチ40bと対向する位置での第1伝熱プレート32の傷つきやすさの管理が容易である。実施の形態1によれば、第1ピッチ40aのピッチ幅P1を第2ピッチ40bのピッチ幅P2で割った値は、0.5よりも大きい。この構成によれば、プレート式熱交換器30は、第2ピッチ40bと対向する位置のプレート32aが過度に脆弱にならずにある程度の強度を有し、第2ピッチ40bと対向する位置のプレート32aの傷つきやすさの管理が容易である。
実施の形態1によれば、第1インナーフィン33の凹凸ピッチ40は、熱媒体流路38を流通する熱媒体の流通方向DUに対する交差方向LRに対して、直交する部分と平行に伸びている部分とを有し、直角に屈曲する部分が連続するように形成されている。この構成によれば、第1インナーフィン33の加工が容易であり製造し易い。
実施の形態1によれば、第1流体としての熱媒体は、水又はブラインである。ここで、熱媒体が凍結時などによって、堆積膨張あるいは熱媒体流路38の過剰な圧力上昇を引き起こした場合に、第1伝熱プレート32が傷つく場合を想定してみる。第2ピッチ40bと対向する位置のプレート32aは、第1ピッチ40aと対向する位置のプレート32aに対して強度が低いため、第1ピッチ40aと対向する位置のプレート32aよりも傷つきやすく構成されている。そして、第1伝熱プレート32のプレート32aが第2ピッチ40bと対向する位置で傷つくと、プレート式熱交換器30は、熱媒体を空隙部60に排出できる。
実施の形態1によれば、冷媒流路39を流通する第2流体は、冷媒である。プレート式熱交換器30は、第1伝熱プレート32のプレート32aが第2ピッチ40bと対向する位置で傷つくと、熱媒体を空隙部60に排出できる。このため、冷媒が可燃性冷媒などの冷媒であり、第1伝熱プレート32のプレート32aが第2ピッチ40bと対向する位置で破壊されても、熱媒体と冷媒とが混合されない。そのため、可燃性冷媒などの冷媒が、熱媒体の流れる熱媒体回路20を介しての家屋21内に流入することを防止でき、安全性を向上できる。
冷媒流路39に配置される第2インナーフィン35の凹凸ピッチ50は、一定のピッチ幅で凹凸が繰り返して形成されている。第2インナーフィン35の凹凸ピッチ50には、第1インナーフィン33の凹凸ピッチ40のような第2ピッチ40bが設けられていない。プレート式熱交換器30の幅方向である交差方向LRにおいて、第2インナーフィン35に形成された凹凸ピッチ50のピッチ幅P3は、第1インナーフィン33に形成された凹凸ピッチ40のピッチ幅P1及びピッチ幅P2よりも小さく、凹凸が細かい。そのため、可燃性冷媒などの冷媒が流れる冷媒流路39は、第2ピッチ40bを有する第1インナーフィン33が配置された熱媒体流路38と比較して強度が高く、熱媒体流路38と比較して傷つきにくい。そのため、プレート式熱交換器30は、冷媒流路39から空隙部60に冷媒が流れ込むことを防止できる。
実施の形態1によれば、交差方向LRにおいて、第2インナーフィン35に形成された凹凸ピッチ50のピッチ幅P3は、第1インナーフィン33に形成された凹凸ピッチ40のピッチ幅P1及びピッチ幅P2よりも小さく、凹凸が細かい。この構成によれば、プレート式熱交換器30は、熱媒体及び冷媒のぞれぞれの粘性などの物性に合わせて凹凸ピッチ40及び凹凸ピッチ50が最適に構成できる。
実施の形態1によれば、伝熱装置100は、上記のプレート式熱交換器30を備える。そのため、伝熱装置100は、プレート式熱交換器30の上述の効果を発揮させることができる。例えば、伝熱装置100は、プレート式熱交換器30に万が一傷つく要因が生じても、製造条件あるいは環境条件といった誤差因子によらず、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34とを接触させていない領域に傷が生じるようにできる。
実施の形態2.
図9は、実施の形態2に係る第1インナーフィン33の平面図であり、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBに投影したときの透視図のうち、伝熱部材及び空隙部60の層のみ示した図である。なお、図9は、ロウ付け部61などの伝熱部材の図示は省略している。また、図9は、第1インナーフィン33の流通方向DUの一部を表している。実施の形態2では、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略し、その特徴部分のみを説明する。
図9に示すように、連通路200bは、第1流体の流通方向DUにおいて、最も近い前後の空隙部60が最短経路で接続されるように、空隙部60同士を接続する。連通路200bは、流通方向DUにおいて左右に交互に配置された空隙部60の組み合わせにおいて、空隙部60を斜めに接続するように形成されている。
連通路200bの通路幅は、空隙部60の短手寸法よりも小さい寸法で構成される。また、連通路200bの流路断面積は、複数の空隙部60のうちの1つの空隙部60の流路断面積よりも小さい。プレート式熱交換器30は、空隙部60と連通路200bとが接続されて排出流路200b1が形成されている。
排出流路200b1は、その通路方向が、第1インナーフィン33が配置された第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUと、流通方向DUに対して交差方向LRとの間に位置する斜め方向TIとなるように形成されている。
排出流路200b1は、第1流体の流通方向DUにおいて、複数の空隙部60のうち最も近い前後の空隙部60が連通路200bによって接続されて、流通方向DUと交差方向LRとの間の斜め方向TIに延びるように形成されている。また、排出流路200b1は、排出流路200b1の端部が本体30Aの外部と連通している。
また、熱媒体を流通させる第1流路としての熱媒体流路38と、冷媒を流通させる第2流路としての冷媒流路39とにおいて、第1流体及び第2流体の流通方向DUの流路長さは、その交差方向LRの流路幅よりも長い。
実施の形態2によれば、常に第1流体の流通方向DUの流路長さは、その交差方向LRの流路幅より長いため、その間の方向に沿って形成されて外気と連通した排出流路200b1は、流通方向DUに沿って構成された排出流路200a1よりも短い。このため、排出流路200b1では、プレート32aの傷ついた箇所から外気までの距離が短く、漏洩流体の流路抵抗を小さくすることができる。そのため、実施の形態2に係るプレート式熱交換器30は、外部で検知するのに十分な漏洩流体の流出流量を確保することができる。
図9は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の左方向Lの上隅と、第1流体の流通方向において左斜め上に位置する第2の空隙部60の右方向Rの下隅とが、連通路200bによって接続されている構成を示している。また、図9は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の右方向Rの下隅と、第1流体の流通方向において右斜め下に位置する第3の空隙部60の左方向Lの上隅とが、連通路200bによって接続されている構成を示している。
図10は、実施の形態2の変形例1に係る第1インナーフィン33の平面図であり、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBに投影したときの透視図のうち、伝熱部材及び空隙部60の層のみ示した図である。なお、図10は、ロウ付け部61などの伝熱部材の図示は省略している。また、図10は、第1インナーフィン33の流通方向DUの一部を表している。
図10に示すように、連通路200cは、第1流体の流通方向DUにおいて、最も近い前後の空隙部60が最短経路で接続されるように、空隙部60同士を接続する。連通路200cは、流通方向DUにおいて左右に交互に配置された空隙部60の組み合わせにおいて、空隙部60を交差方向LRに接続するように形成されている。すなわち、連通路200cは、千鳥状に配置された空隙部60のうち、任意の2列を交差方向LRに連結するように形成されている。
連通路200cの通路幅は、空隙部60の短手寸法よりも小さい寸法で構成される。また、連通路200cの流路断面積は、複数の空隙部60のうちの1つの空隙部60の流路断面積よりも小さい。プレート式熱交換器30は、空隙部60と連通路200cとが接続されて排出流路200c1が形成されている。プレート式熱交換器30は、複数の空隙部60と連通路200とによって形成される排出流路200c1が本体30Aの外部と連通している。
排出流路200c1は、その通路方向が、第1インナーフィン33が配置された第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUに対して交差する交差方向LRとなるように形成されている。
このため、プレート式熱交換器30は、漏洩流体の流体抵抗をさらに抑制でき、第1流体と第2流体との混合を防止し、検知するのに十分な量の漏洩流体を外部に流出させることができる。そして、伝熱装置100は、プレート式熱交換器30から漏洩した漏洩流体を検知することによって、伝熱装置100を停止させることができ、空調機の破損などを防止することができる。
なお、図10は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の左方向Lの上隅と、第1流体の流通方向において左斜め上に位置する第2の空隙部60の右方向Rの下隅とが、連通路200cによって接続されている構成を示している。また、図10は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の右方向Rの上隅と、第1流体の流通方向において右斜め上に位置する第3の空隙部60の左方向Lの下隅とが、連通路200cによって接続されている構成を示している。連通路200cは、第1流体の流通方向DUに交差する交差方向LRにおいて、上下に交互に形成された空隙部60を接続するように形成されている。
図11は、実施の形態2の変形例2に係る第1インナーフィン33の平面図であり、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の重なり方向に投影したときの透視図のうち、伝熱部材及び空隙部60の層のみ示した図である。なお、図11は、ロウ付け部61などの伝熱部材の図示は省略している。また、図11は、第1インナーフィン33の流通方向DUの一部を表している。
図11に示すように、連通路200aは、第1流体の流通方向DUにおいて、最も近い前後の空隙部60が最短経路で接続されるように、空隙部60同士を接続する。連通路200aは、流通方向DUにおいて左右に交互に配置された空隙部60の組み合わせにおいて、交差方向LRに隣接する2列に形成された空隙部60を、流通方向DUに接続するように形成されている。
連通路200aは、流通方向DUに延びるように直線状に形成されている。プレート式熱交換器30は、空隙部60と直線状に形成された連通路200aとが接続されて排出流路200a2が形成されている。プレート式熱交換器30は、複数の空隙部60と連通路200とによって形成される排出流路200a2が本体30Aの外部と連通している。
排出流路200a2は、その通路方向が、第1インナーフィン33が配置された第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUであるとともに、排出流路200a2が直線状で形成されている。
また、排出流路200a2は、その通路方向が、第1インナーフィン33が配置された第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUであるとともに、排出流路200a2が直線状で形成されている。そのため、プレート式熱交換器30は、漏洩流体の通路抵抗がさらに小さくなり、プレート式熱交換器30の外部で検知するのに十分な量の漏洩流体をプレート式熱交換器30の外部に流出させることができる。
実施の形態3.
図12は、実施の形態3に係る第1インナーフィン33の平面図であり、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の積層方向FBに投影したときの透視図のうち、伝熱部材及び空隙部60の層のみ示した図である。なお、図12は、ロウ付け部61などの伝熱部材の図示は省略している。また、図12は、第1インナーフィン33の流通方向DUの一部を表している。実施の形態3では、実施の形態1又は実施の形態2と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略し、その特徴部分のみを説明する。
図12に示すように、連通路200dは、第1流体の流通方向DUにおいて、最も近い前後の空隙部60が最短経路で接続されるように、空隙部60同士を接続する。連通路200dは、流通方向DUにおいて左右に交互に配置された空隙部60を斜めに接続するように形成されている。
連通路200dの通路幅は、空隙部60の短手寸法よりも小さい寸法で構成される。また、連通路200dの流路断面積は、複数の空隙部60のうちの1つの空隙部60の流路断面積よりも小さい。プレート式熱交換器30は、空隙部60と連通路200dとが接続されて排出流路200d1が形成されている。プレート式熱交換器30は、複数の空隙部60と連通路200とによって形成される排出流路200d1が本体30Aの外部と連通している。
排出流路200d1は、その通路方向が、第1インナーフィン33が配置された第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUと、流通方向DUに対して交差方向LRとのいずれの方向にも形成されている。そのため、プレート式熱交換器30は、第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUと、流通方向DUに対して交差方向LRとのいずれの方向にも漏洩流体を排出できる構造に形成されている。
また、熱媒体を流通させる第1流路としての熱媒体流路38と、冷媒を流通させる第2流路としての冷媒流路39において、第1流体及び第2流体の流通方向DUの流路長さは、その交差方向LRの流路幅よりも長い。
実施の形態3によれば、排出流路200d1が、第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUと、流通方向DUに対して交差する交差方向LRとの、いずれの方向にも形成されている。すなわち、排出流路200d1は、流通方向DUと交差方向LRとの縦横に形成されており、格子状に形成されている。このため、漏洩流体がプレート式熱交換器30の内部から外部へ流出する際、漏洩流体は、流出開始位置の空隙部60から格子状に分流しながら流出できる。そのため、プレート式熱交換器30は、漏洩流体の通路抵抗を小さくすることができ、プレート式熱交換器30の外部で検知するのに十分な漏洩流体の流出流量を確保することができる。
なお、図12は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の左方向Lの上隅と、第1流体の流通方向において左斜め上に位置する第2の空隙部60の右方向Rの下隅とが、連通路200dによって接続されている構成を示している。また、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の左方向Lの下隅と、第1流体の流通方向において左斜め下に位置する第3の空隙部60の右方向Rの上隅とが、連通路200dによって接続されている構成を示している。
また、図12は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の右方向Rの上隅と、第1流体の流通方向において右斜め上に位置する第4の空隙部60の左方向Lの下隅とが、連通路200dによって接続されている構成を示している。また、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の右方向Rの下隅と、第1流体の流通方向において右斜め下に位置する第5の空隙部60の左方向Lの上隅とが、連通路200dによって接続されている構成を示している。
図13は、実施の形態3に変形例1に係る第1インナーフィン33の平面図であり、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の重なり方向に投影したときの透視図のうち、伝熱部材及び空隙部60の層のみ示した図である。なお、図13は、ロウ付け部61などの伝熱部材の図示は省略している。また、図13は、第1インナーフィン33の流通方向DUの一部を表している。
プレート式熱交換器30は、連通路200a及び連通路200cを有する。連通路200aは、第1流体の流通方向DUにおいて、最も近い前後の空隙部60が最短経路で接続されるように、空隙部60同士を接続する。連通路200aは、流通方向DUにおいて左右に交互に配置された空隙部60を接続するように形成されている。
連通路200cは、第1流体の流通方向DUにおいて、最も近い前後の空隙部60が最短経路で接続されるように、空隙部60同士を接続する。連通路200cは、流通方向DUにおいて左右に交互に配置された空隙部60の組み合わせにおいて、空隙部60を交差方向LRに接続するように形成されている。
連通路200aの通路幅は、空隙部60の短手寸法よりも小さい寸法で構成される。また、連通路200aの流路断面積は、複数の空隙部60のうちの1つの空隙部60の流路断面積よりも小さい。また、連通路200cの通路幅は、空隙部60の短手寸法よりも小さい寸法で構成される。また、連通路200cの流路断面積は、複数の空隙部60のうちの1つの空隙部60の流路断面積よりも小さい。プレート式熱交換器30は、空隙部60と連通路200a及び連通路200cとが接続されて排出流路200eが形成されている。プレート式熱交換器30は、複数の空隙部60と連通路200とによって形成される排出流路200eが本体30Aの外部と連通している。
排出流路200eは、その通路方向が、第1インナーフィン33が配置された第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUと、流通方向DUに対して交差方向LRとのいずれの方向にも形成されている。そのため、プレート式熱交換器30は、第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUと、流通方向DUに対して交差方向LRとのいずれの方向にも漏洩流体を排出できる構造に形成されている。
排出流路200eは、空隙部60と連通路200aとを接続して流通方向DUに形成される通路の数と、空隙部60と連通路200cとを接続して交差方向LRに形成される通路の数とが異なる。図13では、空隙部60と連通路200aとを接続して流通方向DUに形成される通路の数が、空隙部60と連通路200cとを接続して交差方向LRに形成される通路の数よりも多い。なお、排出流路200eは、空隙部60と連通路200aとを接続して流通方向DUに形成される通路の数が、空隙部60と連通路200cとを接続して交差方向LRに形成される通路の数よりも多い構成に限定されるものではない。
実施の形態3によれば、排出流路200eは、第1流路である熱媒体流路38を流通する第1流体の流通方向DUと、流通方向DUに対して交差する交差方向LRとの、いずれの方向にも流路を形成している。すなわち、排出流路200eは、流通方向DUと交差方向LRとの縦横に形成されており、格子状に形成されている。また、排出流路200eにおいて、第1流体及び第2流体の流通方向となる流通方向DUに形成される流路の長さは、流通方向DUに交差する交差方向LRに形成される流路の長さよりも長い。そのため、流通方向DUに形成される流路は、交差方向LRに形成される流路よりも流路の長さが長く流体抵抗の大きい。
上述したように、図13で示す排出流路200eは、空隙部60と連通路200aとを接続して流通方向DUに形成される通路の数が、空隙部60と連通路200cとを接続して交差方向LRに形成される通路の数よりも多い。すなわち、プレート式熱交換器30は、交差方向LRの流路よりも流体抵抗の大きい流通方向DUの流路の数が、交差方向LRの流路の数よりも多くなるように形成されている。
プレート式熱交換器30は、流通方向DUの流路の数が、交差方向LRの流路の数よりも多くなるように形成されていることで、プレート式熱交換器30の外部で検知するのに十分な漏洩流体の流出流量を確保するために必要な最小限の通路の数で構成できる。そのため、プレート式熱交換器30は、排出流路200eの形成によるロウ付け部61の面積割合の低下を抑制することができ、ひいてはロウ付け部61の面積割合の低下に基づくプレート式熱交換器30の性能低下を抑制することができる。
このため、プレート式熱交換器30は、漏洩流体の流体抵抗をさらに抑制でき、第1流体と第2流体との混合を防止し、検知するのに十分な量の漏洩流体を外部に流出させることができる。そして、伝熱装置100は、プレート式熱交換器30から漏洩した漏洩流体を検知することによって、伝熱装置100を停止させることができ、空調機の破損などを防止することができる。
なお、図13は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の左方向Lの上隅と、第1流体の流通方向において左斜め上に位置する第2の空隙部60の右方向Rの下隅とが、連通路200aによって接続されている構成を示している。また、図6は、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の左方向Lの下隅と、第1流体の流通方向において左斜め下に位置する第3の空隙部60の右方向Rの上隅とが、連通路200aによって接続されている構成を示している。連通路200aは、第1流体の流通方向DUにおいて、左右に交互に形成された空隙部60を接続するように形成されている。
図13は、複数の空隙部60のうち一部の空隙部60は、以下に説明するように空隙部60同士が連通路200cによって接続されている。第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の左方向Lの上隅と、第1流体の流通方向において左斜め上に位置する第2の空隙部60の右方向Rの下隅とが、連通路200cによって接続されている構成を示している。また、第1流体の流通方向を上方向Uとした場合に、第1の空隙部60の右方向Rの上隅と、第1流体の流通方向において右斜め上に位置する第3の空隙部60の左方向Lの下隅とが、連通路200cによって接続されている構成を示している。連通路200cは、第1流体の流通方向DUに交差する交差方向LRにおいて、上下に交互に形成された空隙部60を接続するように形成されている。
実施の形態4.
図14は、実施の形態4に係るプレート式熱交換器30を横断面にて示す説明図である。実施の形態4では、実施の形態1、実施の形態2又は実施の形態3と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略し、その特徴部分のみを説明する。
図14に示すように、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34のうち、第1伝熱プレート32のみが、プレート32a及びとプレート32bの2枚の金属プレートを重ね合わせたダブルウォールに構成されている。
また、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにおいて、第1インナーフィン33の長さは、第2インナーフィン35の長さとほぼ同じ長さである。すなわち、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにおいて、第1インナーフィン33の直交部41の長さは、第2インナーフィン35の直交部51の長さとほぼ同じ長さである。
実施の形態4によれば、第1伝熱プレート32及び第2伝熱プレート34の重なり方向にロウ付け部61を投影した場合に、ロウ付け部61は、第2ピッチ40bの領域には存在しない。この構成によれば、第2ピッチ40bは第1ピッチ40aに対してピッチ幅が広く、かつ、第2ピッチ40bの位置は、第1伝熱プレート32のプレート32aを介して空隙部60と対向する位置に構成できる。そのため、プレート式熱交換器30に万が一傷つく要因が生じたとしても、第1伝熱プレート32のプレート32aは、第1ピッチ40aと対向している位置よりも、第2ピッチ40bと対向している位置が傷つきやすくなる。
なお、実施の形態4では、プレート式熱交換器30は、第1伝熱プレート32のみがダブルウォール構造となっている。そのためプレート式熱交換器30は、第1ピッチ40aと対向している位置のプレート32aとの比較において第2ピッチ40bと対向している位置のプレート32aが傷つきやすいという機能を有しつつ、熱抵抗を更に抑制し熱交換性能を向上させることができる。
第2ピッチ40bと空隙部60との間のプレート32aの部分をプレート32b及び第2伝熱プレート34よりも傷つきやすくするために、プレート32aの板厚は、プレート32b及び第2伝熱プレート34の板厚よりも小さくすることが望ましい。
また、実施の形態4では、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにおいて、第2インナーフィン35の長さは、第1インナーフィン33の長さと同等とした。しかし、プレート式熱交換器30は、第2インナーフィン35の長さが大きいほど、第2インナーフィン35の表面積が大きくなり、熱交換の性能を向上させることができる。したがって、プレート式熱交換器30は、第1伝熱プレート32と第2伝熱プレート34との積層方向FBにおいて、第2インナーフィン35の長さを、第1インナーフィン33の長さよりも大きくしても良い。この場合でもプレート式熱交換器30は、第1ピッチ40aと対向している位置のプレート32aとの比較において第2ピッチ40bと対向している位置のプレート32aが傷つきやすいという機能に大きく影響を与えることはない。
上記で説明した伝熱装置100は、実施の形態1~4のいずれかに係るプレート式熱交換器30を備えたものである。そのため、伝熱装置100において、実施の形態1~4のいずれかと同様の効果が得られる。
上記の各実施の形態1~4は、互いに組み合わせて実施することが可能である。また、以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。