JP7453909B2 - テラヘルツ波を用いて画像を構成するための多画素センサを備えたイメージング装置 - Google Patents

テラヘルツ波を用いて画像を構成するための多画素センサを備えたイメージング装置 Download PDF

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Description

本発明は、テラヘルツ波を用いて画像を構成するための多画素センサを備えたイメージング装置に関する。本発明は、特に、例えば製造部品の品質管理のための、イメージングの分野に関するものである。
テラヘルツ(THz)領域とは、0.075THz~10THzの間の周波数の電磁波、すなわち波長で4mm~30μmの電磁波を指す。これらは、ミリ波と呼ばれ、遠赤外線(FIR)波とレーダ波(マイクロ波)との間にある。本発明は、より具体的には、75~700GHzの範囲に関する。非導電性複合材料およびプラスチック材料の大部分は、この周波数範囲の放射線を透過させる。さらに、その放射源は、得られる光パワーに対する放射源の価格の比率の観点から、比較的手頃な価格である。
可視光学系または赤外線光学系の設計で用いられるすべての光学原理は、波長に対する現象の同じ割合比率で、THz波に適用される。例えば、回折限界は、エアリー関数 Rdiff = 1.22 λ F/#で与えられ、ただし、λは波長、F/#は開口数(Fナンバーとも呼ばれる)である。従って、FナンバーF/#が2、波長が1mmの場合、回折限界は2.44mmである。このミリメートルのオーダの回折限界は、THzイメージングシステムの平均空間分解能に相当する。
しかしながら、周知のシステムは、最適な性能レベルの実現を可能とし得るこの分解能に達していない。
既存のTHzシステムは、ビームを伝搬する手段として軸外し放物面鏡を使用している。これは、多くの用途で、各レンズで導入される損失(吸収損失、および特に界面での反射損失)を許容できないほど、光源のパワーレベルが低いからである。
ところが、これらの鏡の使用には多くの問題がある。
- 多くの基準角度でアライメントが難しいこと;
- レンズユニットが非常に高価であること;
- 特に高開口で焦点距離範囲が制限されること;および、
- フラットな波面で、かつ光軸上で作動させなければならないこと。
さらに、THzビームは、肉眼では見えず、かつ近赤外線とは違って、その電磁波を肉眼で見える波長に変換できる感光基板はない。この側面は、システムの設定およびアライメントに影響を及ぼす。
THz領域で利用できる光源のタイプについて以下で説明する。例えば、以下のような、本発明の対象となる装置で用いることが可能な、連続THz波からTHz波を生成するいくつかの方法がある。
- 周波数逓倍器と組み合わせて0.2THzを超える、インパットダイオード;または、
- 周波数逓倍器と組み合わせて、0~0.02THzの間の固定または可変の発振器。
THz領域で通常使用される光源によって生成される信号は、非常に純粋なコヒーレンスを示し、輝線幅は非常に狭い。コヒーレント放射は、これが可能な各システムで非常に大きな振幅で干渉縞が発生するので、画像形成には好ましくない。
観察対象のシーンがフィールド内のすべてのポイントで垂直ではないときに、イメージングシステムにおいてコヒーレント光源を用いると、λ/4を法とした高度の変動に比例した振幅変調が発生する。これは、形成される画像の品質に悪影響を及ぼす。
本発明は、これらの欠点のすべてまたは一部を解消することを目的とする。
この目的のため、本発明は、請求項1に記載のイメージング装置に関するものである。
これらの規定により、イメージング装置は、線源のインコヒーレンス性によって、定在波の存在による影響を受けない。本発明者は、光学的手段と電子的手段のこの組み合わせによって、最大分解能かつ低雑音レベルで画像取得を実現することが可能となり、これらの手段と物体の相対的な動きによって、ラスタ画像の生成が可能になる、と判断した。
いくつかの実施形態では、中心波長に対するスペクトル幅の比率は、1%よりも高く、好ましくは2.5%よりも高い。この比率により、最も関心のある装置および光学ジオメトリについて、定在波の影響を排除することが可能となる。
いくつかの実施形態では、インコヒーレント線源は、周波数逓倍器が後に続く白色雑音源である。この組み合わせによって、定在波の影響を排除することが可能となる、中心波長に対するスペクトル幅の比率を生成することが可能となる。
いくつかの実施形態では、白色雑音源は、20GHz未満の中心波長の場合に、200MHz~500MHzの間の帯域幅にわたって放射する。
いくつかの実施形態では、白色雑音源は、フィルタ周波数シンセサイザである。
いくつかの実施形態では、光学系は2つのレンズグループで構成され、第1のグループは、無限遠の入射瞳で、シーンの光を収集するとともに、この光を、光フィールドのすべてのポイントからの光線が開口を完全に満たすように、第2のグループの上流に位置するレンズユニットの開口を通して投影することを確保し、第2のグループは、倍率および像側開口数を確保して、開口からの光をセンサの表面に集束させるとともに、第2のグループは、第1のグループによって生じる球面収差の補正も確保する。
いくつかの実施形態では、第1のグループは、光フィールド補正器を形成するように構成されたメニスカスレンズを含む。
いくつかの実施形態では、射出瞳は無限遠にある。
いくつかの実施形態では、最大レンズ直径が100mmの場合に、光フィールドは40mmである。
いくつかの実施形態では、センサは、ビアを有する多層プリント回路基板を含み、これには、その裏面に、横接続を有しない、個々の感光領域のポイントセンサが半田付けされている。
いくつかの実施形態では、回路基板のビアは、レーザで形成される。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポイントセンサは、ボールグリッドアレイを備えるハウジング内にある。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのポイントセンサは、ウェハレベルパッケージ型またはボードレベルパッケージ型のものである。
いくつかの実施形態では、個々の感光領域の少なくとも1つのポイントセンサは、ホットビアで配線されたトランジスタを含む。
いくつかの実施形態では、個々の感光領域の少なくとも1つのポイントセンサは、少なくとも3dBの信号対雑音比の利得を得るために、トランジスタのゲート電圧を生成してチャネルに微小電流を発生させる回路によって分極される。
特徴のこの組み合わせによって、センサの製造ばらつきが抑制されて、個々のポイントセンサの応答がより良好に正規化される。
いくつかの実施形態では、放射線センサの感光領域はそれぞれ、「ウェハレベルパッケージング」すなわちWLPの技術によって形成される。
なお、これは、パッケージングの前にウェハを個々の回路に切断する従来の方法とは異なり、ウェハの一部であるときに集積回路をパッケージングする技術であることに留意すべきである。この技術によって、従来の方法で得られたものよりもはるかに小さい部品寸法を実現することが可能になるとともに、より高密度の感光領域を得ることが可能となる。
いくつかの実施形態では、放射線センサの感光領域の間の画素間(中心間距離)は、1mm未満である。
いくつかの実施形態では、本発明の対象となる装置は、少なくとも1つの非回転対称レンズ、例えば、シリンドリカルレンズまたはXY多項式面を有するレンズを備える。
これらの規定によって、物体の照射は、リニアセンサで撮像されるシーンの領域に集中する。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの光学系は、非球面光学レンズを含む。
1つ以上の非球面レンズを使用することによって、放物面鏡または球面レンズを使用する場合と比較して、光学設計が単純化される。
いくつかの実施形態では、光学系の少なくとも1つの光学素子は、コーンまたはクレータの形態の微細構造を含む反射防止処理を有する。
この方法の利点は、広い帯域幅で、かつ表面配向の影響をあまり受けない反射防止処理を実現できることである。
いくつかの実施形態では、インコヒーレント線源の放射周波数は変調される。
いくつかの実施形態では、インコヒーレント線源は、インパットダイオードまたは抵抗器に熱雑音型の雑音源を含む。
いくつかの実施形態では、それぞれの感光領域はナノトランジスタであり、THz波によって生成される信号は、コモンモードまたはディファレンシャルモードで測定されるナノトランジスタのドレインとソースの間の連続的な電位差である。
いくつかの実施形態では、本装置は、それぞれのナノトランジスタを、そのトランジスタの標準動作の非線形性が最も強い場合の、そのスイング電圧に近いゲート電圧によって分極させるための近接電子装置を備える。
いくつかの実施形態では、それぞれのナノトランジスタからの整流信号は、トランジスタのドレインとソースの間のチャネルに電流を注入することによってナノトランジスタのチャネルにおける電荷の非対称性を強いることにより、および/またはアンテナとして機能する金属パターンを用いることにより、増幅される。
いくつかの実施形態では、近接電子装置は、それぞれのナノトランジスタのドレインとソースの間に電流を注入することにより発生するオフセットを、例えば減算器アセンブリを用いて調整するための補償回路を含む。
これにより、本装置の感度を向上させる。
いくつかの実施形態では、本装置は、アナログ・デジタル変換器のダイナミクスにわたって信号を増幅する、少なくとも1つの低ドリフトかつ低雑音の増幅器を備える。
いくつかの実施形態では、本装置は、信号の復調を線源の振幅変調信号と同期させるための手段を備える。
これにより、線源の変調周波数以外の周波数の加法性雑音をすべて除去することによって、最大限の信号対雑音比が確保される。
センサと線源を、デジタルクロック信号によって同期させる。このクロック信号で、線源が振幅変調されることにより、THzがない場合にセンサの端子に現れる残差信号(オフセット)を測定および補償することが可能となる。補償は、THz有りおよびTHz無しで測定される信号の高周波数減算によるデジタルと、特定の電圧範囲内に全体レベルを維持するためにセンサ信号から減算される電圧を調整することによるアナログと、その両方である。
このアーキテクチャによって、より高い感度、および向上した信号対雑音比を確保する。
いくつかの実施形態では、本装置は、例えばエンコーダを用いることによる、撮像対象の物体の位置のセンサを備える。これらの測定位置データを、センサからのデータと同期させることで、物体の移動の加速領域およびラインに沿わない動きまたは系の自然軸に沿わない動きの領域を含む全行程にわたって用いる。
時間ではなく絶対位置について確立されたデータを平均化することにより、あらゆる移動速度に適応することが可能となる。
いくつかの実施形態では、本発明の対象となる装置は、ビームスプリッタを備え、ビームスプリッタでの入射偏光は、フィールドが入射面に平行であるTMモード(Transverse Mode(横モード)の頭字語)の偏光である。
ビームスプリッタは、例えば、HRFZ-Siで構成された板であり、その厚さは、最適な分離を確保するために計算されている。これらの規定によって、反射率測定を行うことが可能である。TMモードの偏光によって、ビームスプリッタの厚さが製造公差内で変動する場合の分離効率の向上した安定性が確保される。
いくつかの実施形態では、本装置は、物体からの放射線の強度、および/または物体からの光線の偏光、を測定するための手段を備える。
本発明の対象となる装置によって、このように、いくつかのタイプの測定が可能となる。
本発明の他の効果、目的、および特徴は、添付の図面を参照して、決して限定するものではない例示目的で提示される以下の説明から明らかになるであろう。
図1は、インコヒーレントテラヘルツ源の第1の実施例を概略的に断面で示している。 図2は、インコヒーレントテラヘルツ源の第2の実施例を概略的に断面で示している。 図3は、本発明の対象となる装置で使用される撮像レンズユニットの第1の実施形態を概略的に断面で示している。 図4は、本発明の対象となる装置で使用される撮像レンズユニットの第2の実施形態を概略的に断面で示している。 図5は、本発明の対象となる装置で使用される撮像レンズユニットの第3の実施形態を概略的に断面で示している。 図6は、本発明の対象となる装置で使用される撮像レンズユニットの第4の実施形態を概略的に断面で示している。 図7は、本発明の対象となる装置で使用される、物体を照射する第1の線形照射手段を概略的に斜視で示している。 図8は、不均一な照度曲線を示している。 図9は、図8に示す不均一な照度を補償するための、光源の発光曲線を示している。 図10は、図9に示す発光曲線を概ね与える光学系を示している。 図11は、図7に示す線形照射手段を用いて、図10に示す光学系により与えられる略均一な照度曲線を示している。 図12は、回転対称性のない面を有する第2の線形照射手段を概略的に斜視で示している。 図13は、本発明の対象となる装置の第1の具体的な実施形態を概略的に断面で示している。 図14は、本発明の対象となる装置の第2の具体的な実施形態を概略的に断面で示している。 図15は、本発明の対象となる装置の第3の具体的な実施形態を概略的に断面で示している。 図16は、多画素センサを概略的に示している。 図17は、THz顕微鏡の電子回路図を示している。
ここで、図面は縮尺通りではないことに留意すべきである。
本発明の対象となる画像取得システムでは、鏡よりもモジュール性が高い屈折光学系(レンズ)を利用し、これにより、コンピュータ支援による強力な光学設計ツールを使用しやすくなる。
本発明の好ましい使用領域である100~700GHzの周波数領域では、材料(高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリカーボネート(PC)、HRFZシリコン(Si))の屈折率は、数パーセントの範囲内で一定である。従って、本発明の対象となるシステムは、色度の問題が生じない、すなわち、波長が変化したときのジオプトリの光学的挙動に変化がない。
好ましくは、本発明の対象となるイメージング装置は、インコヒーレントテラヘルツ(THz)源100を使用する。
インコヒーレントTHz源100は、第1の例によれば、図1に示すように、以下のもので構成される。
- df/f比が1%よりも高く、好ましくは2.5%よりも高いような、帯域幅dfのテラヘルツエミッタ105(f<200GHz);
- 1%よりも高く、好ましくは2.5%よりも高いdf/f比を維持しつつ、発光帯域を制限するためのフィルタ110;
- 増幅器または減衰器115;
- 周波数逓倍器120;および、
- 伝送アンテナ125。
インコヒーレントTHz源100は、第2の例によれば、図2に示すように、以下のもので構成される。
- 狭帯域で発光するローバンドエミッタ130(f<1GHz)(0.1GHz~40GHzの周波数範囲);
- 0.1GHz<Δf<40GHzの帯域の変調器135;
- 増幅器または減衰器140;
- 周波数逓倍器145;および、
- 伝送アンテナ150。
エミッタが、センサの取得時間よりも短い時間で定在波を走査するのに十分に広い発光スペクトルを放射するように、エミッタ110または130は、インコヒーレント信号を生成する。
いくつかの実施形態では、エミッタ110または130は、インパットダイオードまたは抵抗器の熱雑音型の雑音源である。
いくつかの実施形態では、エミッタ110または130は、可変周波数発振器またはジグのようなチューナブル源である。
変調器135は、それぞれの周波数逓倍器145で逓倍されてから生成される信号の発光帯域幅が好ましくは0.1GHz<Δf<10GHzの範囲内であるように、チューニングされる。変調器135は、(例えば200MHzの)非常に狭い帯域にわたって変調可能であることに留意すべきである。
増幅器115、140または減衰器は、それぞれの周波数逓倍器120または145の前に、信号の入力パワーを調整するために使用される。逓倍器、増幅器、および減衰器は、PCB(「Printed Circuit Board(プリント回路基板)」の頭字語)上の構造、または適切に誘導される(考慮される周波数で、金属導波管内に閉じ込められるこれらの電磁波を操作することができる)構造を用いることができる。
アンテナ125または150を選択することにより、最後の逓倍器120または145から出力されるビームの光学特性、すなわち、偏光、TEMモード(横電磁モード)、発散、および発光点のサイズを、パラメータ化することが可能となる。
図1および2に示す線源は、少なくともλ/4での走査が確保される発光スペクトルを使用し、これにより、動作周波数および偏光の選択を可能としつつ、画像の定在波の影響を軽減することが可能となる。
撮像光学系に関して、空間分解能は、その系で集光させることができる最小スポットのサイズに関係している。そのスポットの半径は、エアリー関数 Rdiff = 1.22 λ F/#で与えられ、ただし、λは波長、F/#はFナンバーである。
このように、空間分解能は、波長λと、集束系で用いられるFナンバーF/#と、に比例する。このFナンバーF/#は、集束光学系の直径Dと、この光学系の焦点距離fと、を用いて計算される:F/#=f/D。
従って、固定波長λの場合、光学系のより大きい直径D、または光学系のより短い焦点距離fを選択することにより、系の分解能を最適化することが可能である。
FナンバーF/#は、物理的に0.5の値に制限されるが、実際の現実的な光学指数(例えば1.5の値)では、0.7未満のFナンバーを得ることは非常に難しい。
ビームの直径Dを最大化するために、線源の発散を考慮することで、第1のレンズの焦点距離fは、この第1のレンズをビームが完全に満たすように選択される。このように、ビームの直径Dは第1のレンズの直径に等しくなり、これにより、Fナンバー・パラメータF/#が最適化される。
好ましくは、本発明の対象となるイメージング装置では、非球面レンズを使用する(図3~6および13~15)。
ここで、球面レンズとは、その各面の形状が球形に沿ったレンズであることに留意すべきである。大口径の球面レンズを使用すると、レンズの曲率に関係した「球面収差」として知られる収差が現れる。(レンズの周縁付近を通過する)周辺光線は、(レンズの中心を通過する)近軸光線と同じ場所には集束しない。この効果により、球面収差を伴って集束するビームは上記のエアリー関数に従わなくなるので、ビームの直径を増加させることで、分解能の増加を相殺する。さらに、この球面収差が導入されることにより、THzビームの全伝搬は妨げられて、十分に円状の焦点(スポット)ではなく、光の環が形成される。情報の損失だけではなく、エネルギーの損失がある。
この現象を解決するには、いくつかのソリューションがあり、最も簡単なのは、いわゆる非球面レンズを使用することである。非球面レンズの場合、その曲面形状は、中心では球形に沿っているが、中心外では、球面収差を打ち消すように曲率が補正されている。可視光学系および赤外線光学系では、これらのレンズは、その複雑な形状のため、製造するのに非常にコストがかかる。
THzでは、使用する製造方法を考えると、非球面レンズは、球面レンズを製造するのと同程度に簡単である。
0.02~0.1mmの間の粗さを残して、3D印刷および/またはマイクロマシニングを実施する。線源の伝搬パラメータを測定することにより、系の入力における照射、すなわち、発散、エネルギー分布、を定義することが可能となる。
この系は、光学素子間の距離、表面の曲率半径、および円錐係数(非球面性)を変更することにより最適化される。
システムの最適化基準は、例えば、フィールド内のいくつかのポイントでのスポットサイズを最小化するように、またはフィールド内のいくつかのポイントでの波面差を最小化するように、設定できる。
ビームのミリメートルである波長、1/100の粗さは、良好な伝送効率を確保するのに十分である。この粗さは、最近の旋盤およびフライス盤で使用されるマイクロミル、ならびにワイヤ蒸着による3D印刷に適合する。
従って、このイメージング装置の設計では、球面収差に関して最大限の光学性能を実現するとともに、使用するレンズの数を制限するために、すべてのレンズは、非球面として設計される。
レンズの反射防止処理、さらに必要に応じてビームスプリッタの反射防止処理に関して、それらの構造は、屈折光学系の表面構造で構成され、それは、レンズの表面における光学指数に作用することにより各ジオプトリの反射を低減する効果を有する。
第1の方法は、処理対象のレンズの光学指数よりも低い光学指数を有する誘電材料の1つ以上の層を堆積させることであり、例えば、処理材料の光学指数は、レンズの光学指数の平方根に近い。堆積される層の厚さは、使用される平均波長の4分の1のオーダである。処理材料のこの厚さは、赤外線と比較してTHzでは比較的大きく、これにより堆積技術に問題が生じる。
本発明の対象となるイメージング装置で好ましくは用いられる第2の方法は、例えばフェムト秒レーザを用いたレーザドリル加工であるマイクロマシニング法を用いて、コーンまたはクレータの形態の微細構造を形成することである。波長よりも小さい寸法のこれらの微細構造は、ジオプトリの表面で見かけの屈折率勾配を形成し、これにより、反射を引き起こす屈折率の不連続性がなくなるので、表面での反射は解消される。この方法の利点は、層堆積法の場合とは異なり、非常に広い帯域幅で、かつ表面配向の影響をあまり受けない反射防止処理を実現できることである。
この種の処理を用いると、各光学ジオプトリの透過率が増加することで、複数のレンズを備えた光学系のエネルギー効率が向上する。この反射防止処理によって、センサに投射されるエネルギーは数十パーセント増加する。また、反射防止処理は、ゴースト像および定在波を除去することにも関与する。
多画素センサの電子装置に関して、アナログ回路の場合、トランジスタのチャネルに電流を注入する。
HEMTベースのTHzセンサの感度を向上させるために、数十μAのオーダの電流をトランジスタのチャネルに注入する。これにより、THz波が存在する場合の電気的応答が数桁増加する。注入は、トランジスタにドレインで直接接続された電流発生器コンポーネントによって行われ、このコンポーネントは、例えば、抵抗器と組み合わせたLM334とすることができ、その抵抗値を選択することによって、注入される電流量をパラメータ化することが可能となる。
THz波が存在するときのトランジスタの端子における有効な信号は、ドレインとソースの間の電圧であるため、トランジスタおよび電流を注入するコンポーネントを、増幅チェインの残り部分から、非常に高いインピーダンスを有するフォロワアセンブリによって絶縁する必要がある。これにより、注入された電流は、増幅チェインに伝搬することなく、トランジスタ内でのみ伝搬することができる。
[電流によって発生するオフセットのアナログ補正]
トランジスタのチャネルの抵抗は、1kΩのオーダであるため、チャネルに電流を注入すると、その端子間に連続的なオフセットが発生する。このオフセットは、THzの有無に関係なく現れる。このオフセットは、数百mVのオーダである可能性があり、これは増幅チェインにとって問題である。なぜなら、増幅器は、THzによって生成された有効な信号と、連続的なオフセットを、同じように増幅するからである。オフセットは、特定のレベルを超えると、個々の増幅器の入力の飽和を引き起こす。従って、増幅チェインが入力においてその動作範囲内に留まることができるように、トランジスタによって生成される信号から、オフセット電圧と同程度の大きさのDC電圧を減算する必要がある。
[増幅]
増幅は、これによって発生する雑音が少ないように、かつ、可能な限り低ドリフトであるとともに、動作周波数のための十分な帯域幅を有するように、選択される。例えば、Texas Instruments社の増幅器OPA735は、必要な性能レベルを有する。従来、2つの増幅段階が選択される。第1は、感光面に近く、10または100の固定利得であって、これにより、回路によって誘導される雑音レベルよりも数桁強い信号の伝送が確保される。次は、アナログ・デジタル変換器(ADC)に近く、(例えば1~10の間の)可変利得の第2の増幅器である。これにより、ADC変換レンジを満たすように増幅を適応させつつ、全体として1000の最大増幅率を達成することが可能となる。
図17に、ゲート電圧805を受けるとともに、ドレインに電流注入810を受けるトランジスタ815を示しており、ドレインにおける電圧は、フォロワ820に供給される。フォロワ820の出力において、減算器830で電圧825を減算し、次に2つの増幅器835および840で信号を増幅する。
[信号の変調/復調]
トランジスタで発生する雑音は、電流が注入されると、大幅に増加する。雑音レベルが高すぎるため、連続(DC)モードで動作させることは、もはや有効ではなく、特に低周波雑音は、オフセット電圧に関係している。しかしながら、有効な信号を1kHzのオーダの周波数にすると、60dBよりも高い信号対雑音比が得られ、これに対して、注入電流がないときの連続モードでは約45dBである。電流を注入することの利点は、この信号対雑音比にあり、100Hz~100kHzの間の動作周波数では、電流によって信号対雑音比はより良好となる。
信号を変調および復調するためのいくつかの方法があり、特に同期検出による方法は、THzシステムで広く用いられている。この方法には1つの欠点があり、それは、取得速度を大幅に低下させる長い積分時間を要することである。
この場合の手順は、以下の通りである。線源は、無線周波数振幅変調器を制御するプログラマブル電子素子(例えばFPGA)によって外部で変調される。プログラマブル素子は、変調のハイ状態とロー状態を制御し、一方の状態では、線源はTHzを放射し、他方の状態では、信号は放射されない。あるいは、センサが受信する信号は、THz波の存在に関係した有効な信号であるか、またはTHzがない場合の背景雑音であるか、いずれかである。プログラマブル素子は、ハイ状態とロー状態の間に、センサからの信号をサンプリングして、2つの平均を生成し、その1つは、ハイ状態での平均信号レベルに相当し、もう1つはロー状態での平均信号レベルに相当する。これらの2つの平均値で差し引くことにより、その低周波成分をハイとローの差によってフィルタリング除去するとともに、その高周波成分をハイ状態とロー状態のそれぞれの平均によってフィルタリング除去して、THzのみに対応した信号を得る。センサの出力に生成されるのは、この平均差分信号である。
この方法の利点は、適切な増幅帯域幅の高速ADC(例えば、200,000サンプル/秒)があれば、高い取得速度を維持できることである。また、この方法は、計算コストがあまりかからないので、検出器マトリクス全体に実装することが可能となり、計算は各センサで独立に実行される。
このアーキテクチャによって、向上した感度、低減した信号雑音、信号と物体の最適位置との同期、が確保される。
フォトサイト(または画素)のラインを1つ以上有するリニアセンサを使用する場合、この多画素センサ700は、図16に示すように、以下のもので構成される。
- THz検出器710の1つ以上の列705。各THz検出器は、0.25μm未満の技術によるGaAs、GaN、またはInPのRFナノトランジスタであり、これは、そのチャネルにおけるプラズマ効果によって、0.1THz~2.5THzの帯域のTHz波を整流する。各ナノトランジスタは、表面積が0.5mm2未満のマイクロパッケージにパッケージ化されている;
- 各検出器を分極させるための近接電子装置715。ナノトランジスタは、効果的な整流器であるためには、そのトランジスタの標準動作の非線形性が最も強い場合の、そのスイング電圧に近いゲート電圧によって分極される。その整流信号は、ドレインとソースの間に電流を注入することによってチャネルにおける電荷の非対称性を強いることにより、増幅される;
- THz信号を整形するための近接電子装置720。整流信号は、コモンモードまたはディファレンシャルモードで測定されるナノトランジスタのドレインとソースの間の連続的な電位差である。近接電子装置720は、信号の振幅を減衰させないように、さらには分極電流が増幅回路にではなくトランジスタに注入されることを強いるために、高インピーダンスである。減算器アセンブリは、ドレインとソースの間に電流を注入することにより発生するオフセットを補償する。1つ以上の低ドリフトかつ低雑音の増幅器により、アナログ・デジタル変換器(ADC)725のダイナミクスにわたって信号を増幅する;
- 並行して信号をデジタル化するための電子装置725。このアナログ・デジタル変換器725は、振幅の広いダイナミックレンジ(>12ビット)を有するとともに、高速(>100kサンプル/秒、すなわち>数千サンプル/秒)である;
- 雑音を低減するための信号取得・処理システム730。ポイントセンサの場合と同じように、THz源が振幅変調されることによって、平均差分測定を行うことが可能となる;
- イーサネット、USB、またはCameraLink(登録商標)通信プロトコルによる高速通信システム735。
センサと線源を、デジタルクロック信号によって同期させる。このクロック信号で、線源が振幅変調されることにより、THzがない場合にセンサの端子に現れる残差信号(オフセット)を測定および補償することが可能となる。補償は、THz有りおよびTHz無しで測定される信号の高周波数減算によるデジタルと、特定の電圧範囲内に全体レベルを維持するためにセンサ信号から減算される電圧を調整することによるアナログと、その両方である。
多画素センサの場合は、撮像対象の物体の絶対位置をエンコーダで測定する。次に、これらの位置データを、THzセンサからのデータと同期させることで、移動の加速領域を含む全行程にわたって用いる。最後に、時間ではなく絶対位置について確立されたデータを平均化することにより、あらゆる移動速度に適応することが可能となる。
このアーキテクチャによって、向上した感度、低減した信号雑音、信号と物体の最適位置との同期、が確保される。
多画素センサ700は、「ウェハレベルパッケージング」(すなわちWLP)の技術によって形成される。これは、パッケージングの前にウェハを個々の回路に切断する従来の方法とは異なり、ウェハの一部であるときに集積回路をパッケージングする技術である。この技術によって、従来の方法で得られたものよりもはるかに優れた部品の寸法および近接度を実現することが可能となる。
多画素センサ700により、視野を空間的に拡張することが可能となることで、高リフレッシュレート(ライン周波数>1kHz)で高分解能画像を生成することが可能となる。近接電子装置を含む各センサ700は、局所的に受信するTHz波を整流することを担うとともに、後続の電子装置段階に対してインピーダンス整合信号を供給することを担う。電子装置720では、増幅器が後に続く各減算回路、または差動増幅器によって、有効な信号を増幅することが可能となる。
信号は、アナログ出力に可能な限り近い高速(取得周波数>1kHz)でデジタル化される。
信号の復調は、各画素からの信号に対して、線源の変調信号と同期的に行われ、これにより、線源の変調周波数以外の周波数の加法性雑音をすべて除去することによって、最大限の信号対雑音比が確保される。
多画素センサ700は、撮像光学系の焦点面に配置される。各ポイントセンサは、THz波を整流することを担うとともに、有効な信号を増幅することを担う。信号は、アナログ出力に可能な限り近い高速(取得周波数>1kHz)でデジタル化される。
センサは、その表面積が小さいことによって、非常にコンパクトであることが可能となり、ひいては高い空間分解能が可能となる。感光素子は、例えば、素子の2つの感光面間の間隔が300μmのオーダで、かつ画素間の間隔である中心間距離が好ましくは800μmである1mm未満で、ラインに配列され、各素子は、500μm×1mmの寸法を有する。各センサを個別に分極させることによって、高感度を維持しつつ、センサ間の感度の均一性を確保することが可能となる。すべての信号を並列管理することによって、非常に高い取得速度を確保することが可能となる。組み込まれた信号処理によって、最良の信号対雑音比を得るための、リアルタイムフィルタリングが可能となる。イーサネット、USB、またはCameraLink通信プロトコルによる通信によって、パッケト管理により、データの損失なく複数の多画素センサをチェイン接続するための高速のライン送信が可能となる。
リニアセンサのイメージングシステムの設計の出発点は、センサによって課せられる空間分解能である。本発明の対象となるイメージング装置は、その多画素の実施形態では、画素間が800μmであり、モデルに応じて、64、128、または192画素のラインを有する。撮像対象の物体の側で視野を選択することによって、センサ・レンズユニットアセンブリの最適な空間分解能が課せられる。
例えば、物体側の視野が30mmの場合、シャノン基準(最大分解能で1ラインペアあたり4画素)に従ってシーンの正確なサンプリングを確保する必要がある。従って、カメラ(センサおよびレンズユニット)の最適な空間分解能は、周波数で0.53lp/mm(ラインペア/ミリメートル)である。システムの光学分解能が高いほど、カメラで正確にサンプリングできなくなり、光学分解能が低いほど、過剰な画素数/mmにつながることで、利用できるすべてのリソースの恩恵を受けられない可能性がある。また、このアプローチは、この光学系に必要な倍率を直接示しており、この場合は1.71×である。
この準備に続いて、光学系に性能目標を与えることができる。例えば255GHzである動作周波数が分かれば、エアリー関数を用いて、設計するレンズユニットは、物体側のFナンバーが1.31、像側のFナンバーが2.23でなければならないことを計算する。さらに、このFナンバーを得るために必要なレンズユニットの直径サイズを推定することもでき、この場合は75mmである。
上記で決定された光学パラメータを考慮すると、問題に対処するために設計されるレンズユニットは、顕微鏡タイプのレンズユニットであること、すなわち、そのディテールの分離を確保しつつシーンの拡大を可能とするレンズユニットであること、が分かる。この「顕微鏡」レンズユニットは、1よりも高い倍率を有するとともに、画素間を倍率で除算した値の4倍よりも高い分解能を有する。この光学系は、線源から放出された光線が線源から物体を通過して光線センサに達する光路に配置される。
これは、顕微鏡レンズが、写真用または望遠鏡用のレンズとは異なり、以下の全体的な特徴を有するからである。撮像対象のシーンは、センサのサイズよりも小さく、センサの画素は、シーンの平均的なディテールと同じオーダの大きさである。再現率は、1よりもはるかに高い(100μm×100μmのシーンは、10mm×10mmのセンサで、すなわち100×の倍率で再現される)。レンズユニットは物体から短距離で機能し、その物体側開口数は、0.7などの値を得ることができる。
顕微鏡レンズユニットの使用に関して、顕微鏡光学系により、観察対象の物体を拡大することと、この物体のディテールを観察できるように分離することと、その両方が可能になることに留意すべきである。このような光学系は、倍率と分解能の組み合わせによって特徴付けられる。
THzイメージング用の顕微鏡レンズユニットを備えたイメージングシステムの文脈では、第1に、シーンは一般に検出器マトリクスのサイズよりも小さく、検出器はシーンのディテールの大きさのオーダのものであるため、シーンとそのディテールを画像化するためには拡大する必要がある。第2に、シーンの画像は、そのディテールを観察できるように十分な物体の分解能を確保して形成されなければならず、これは一般に、高開口で、すなわち物体の近くで、かつシーンと比較して大きい直径の光学系を用いて機能することを伴う。
顕微鏡レンズユニットは、THzフィールドイメージングの問題に対処するのに最適である。
- センサの画素は、形成される画像のディテールと比較して大きい;
- センサは大きく、192画素で、>150mmである;および、
- 実現すべき分解能には、非常に高いFナンバーが必要である。
この選択の結果として、レンズユニットは、嵩高で、撮像対象の物体と同様の寸法またはそれよりも大きくなる。
その結果は、光学系のレンズの数、形状、および寸法に関して、想定される倍率、期待される分解能、およびレンズユニットの物体距離(物体と第1のレンズの間の距離)に大きく依存する。
レンズユニットには、少なくとも2つのレンズグループがある。
- 第1のグループ:物体に近く、開口絞りで物体からの光の収集を可能とする;および、
- 第2のグループ:像に近く、結像開口絞りで物体の像の形成を可能とする。
制約の少ないレンズユニット(例えば、2倍の倍率で、低波長)の場合、この原理に基づいて、グループごとに1つのみのレンズで、従って全部で2つのみのレンズで、レンズユニットを設計することが可能である。これは、特に非球面レンズの製造が可能であることによって可能となる。
より制約の大きいレンズユニット(例えば、1倍の倍率で、高波長)の場合、グループごとに複数のレンズを用いる必要がある。
- 像面湾曲を制限するための、第1のグループの像面補償器;および、
- 厚さおよび収差を制限するための、第2のグループの2つまたは3つのレンズ。
いくつかの実施形態では、レンズユニットは、実際には、3つのレンズグループを有し、第2のグループが、大きな空隙で分離された2つのサブグループに分割される。これは、特に、レンズユニットが像側でテレセントリックである場合である。
[実施例]
例1(図3):被写界40mm、倍率1.3×、235GHz
レンズユニット200は、それぞれ1つのレンズの2つのグループ205および210を有し、像側でテレセントリックではない。このレンズユニット200は、50mm超の物体距離という制約で設計されている。MTF(Modulation Transfer Function(変調伝達関数)の頭字語)は、0.4 lp/mmの分解能、すなわち物体に対する1.92mmの分解能、を示している。スポット図は、この系がフィールド全体の回折によって制限されることを示しており、収差によって像が歪められることはない。
例2(図4):被写界30mm、倍率1.7×、235GHz
レンズユニット215は、3つのレンズ220、225、230を有し、第2のグループは、1つのレンズの2つのサブグループに分割される。像側は、テレセントリックレンズユニットである。像側のMTFは、0.45 lp/mmの分解能、すなわち物体に対する1.3mmの分解能、を示している。スポット図は、この系がフィールド全体の回折によって制限されることを示しており、収差によって像が歪められることはない。
例3(図5):被写界52mm、倍率1×、140GHz
レンズユニット235は、2つのサブグループに分割された第2のグループを有する。倍率1×と像側のテレセントリック性を得るには、4つのレンズ240、245、250、255が必要である。像側のMTFは、0.40 lp/mmの分解能、すなわち物体に対する2.5mmの分解能、を示している。スポット図は、この系が、フィールドのエッジを除いて、回折によって制限されることを示している(わずかな欠陥)。
例4(図6):被写界50mm、倍率3.1×、235GHz
高倍率用のレンズユニット260は、2つのグループを有し、第1のグループに像面補償器を有する。3つのレンズ265、270、275を有するこのレンズユニットによって、波長未満の分解能を実現することが可能となる。像側のMTFは、0.41 lp/mmの分解能、すなわち物体に対する780μmの分解能、を示している。スポット図は、この系が、フィールドのエッジを除いて、回折によって制限されることを示している(わずかな欠陥)。
THzイメージングレンズユニットは、フィールド内にある物体を、レンズユニットの反対側に位置する像面に向けて結像させるために使用される。仕様内で機能するための条件は、像面での検出感度に対して十分な強度のTHz入力信号を有することである。従来の実現形態では、このレンズユニットは、線源と、線源の照射を投影するための系と、レンズユニット自体と、多画素センサと、コンピュータ化された解析システム(図示せず)と、を含むチェインに組み込まれる。
このとき、撮像対象の物体に対する光学的空間分解能を確保するのはレンズユニットであるため、レンズユニットは、上記のチェインにおける重要な要素である。レンズユニットの寸法は、その性能に本質的に関連しており、所望の分解能が高いほど、レンズが大きくなるとともに、レンズユニットは長尺になる。
センサとして画素ラインを用いるには、リニアセンサで観察される物体の一部に線源のエネルギーを集中させるために、シーンのラインに対して照射を用いる必要がある。線源は、そのホーンで決まる放射コーン内に放射線を放出する。放射コーンにおけるエネルギー分布は、一般にガウス分布であるとともに回転対称性を有するので、不均一な円周のエネルギー分布である。線源を線形化する系には2つの目的がある。
- 線源の照射を線形にすること;および、
- 線源の照射をシーンにわたって均一にすること。
いくつかの実施形態では、シーンの照射は、一方向に平行であって、垂直方向に集束されるように設計される。シリンドリカルレンズ290を使用することは、この目的を達成するための1つのソリューションである。線源からのビーム285は、撮像対象のシーンと同じ直径に広がってから、シリンドリカルジオメトリであって(かつ回転ジオメトリではない)非球面曲率を有するレンズによって、その放射は、図7に示すように空間の単一方向に集束される。
上記の方法による線形化280は、線源の照射の分布が均一ではないため、不均一な照度を示す。線源のエネルギー分布を空間の単一方向に集束させることによって、照射ラインに沿って伝送される同じ不均一な分布が維持される。
図8は、線源100の出力におけるエネルギー分布300を示している。
光学設計ソフトウェアを用いて、シリンドリカルレンズによる変換後に均一な照度を確保するための最適な回転ジオメトリによる分布を計算することが可能である。この分布が分かれば、これを、このソフトウェアで、線源100の出力においてビームを整形するレンズを最適化するための目標として用いる。例えば、図9に示す分布305の照射は、シリンドリカルレンズの後に均一な分布を形成する。
リニアイメージセンサで観察されるラインへの照射の均一性を実現するために、2つの設計ステップで、図10に示すように、3つのレンズ315、320、325を有する系310を形成する。
- 第1のステップでは、シリンドリカルレンズ325の入力において必要な分布305を計算する;
- 第2のステップでは、この分布305を形成するために、2つの非球面レンズ315、320を有する系を最適化する。
図11は、光学系310を実装した結果としての分布330を示している。
他の線形化方法では、ビームを整形するための2つのレンズ315および320を、回転対称(球面、非球面)ではないがスプラインまたは多項式を表す少なくとも1つの面を有する単一のレンズで置き換える。この場合、図12に示すように、2つのレンズ335、340のアセンブリによって、照射を線形かつ均一にすることが可能となる。
- エネルギー分布を準備するためのビーム整形に、レンズ335を用いる(例えば、XY多項式面を有するレンズ);
- 非球面シリンドリカルレンズ340によって、単一方向へのビームの集束を実現する。
この方法の利点は、より簡単に計算ソフトウェアで実施できることであり、ガウス円周照射から均一な線形照射への移行のためのマクロは、シリンドリカルレンズ340の入力において必要な照射を計算する中間ステップを経ることなく、最適化レベルで直接的に実行される。このマクロの計算は、回転対称の系の場合に複雑であり、この対称性を第1のレンズから排除する。これは、必要なレンズの数を減らすという利点がある。
照射の設計では、使用される線源(波長、発散)を考慮する。この照射系によって、その後に集光レンズユニットおよびセンサを使用するための空間の平面に、十分なTHzエネルギーを投射して、この空間平面に配置された物体の像を形成することが可能となる。
この線形化系によって、最も効果的にシーンに照射するために、線源からのエネルギーをいかに分散させるのかを選択することが可能となる。この種の照射が有効である系は、最大のエネルギー効率を有し、これにより、より低感度のセンサを使用すること、または非常に不透明な物体もしくは反射性の低い物体を結像させること、が可能となる。
他の実施形態では、照射を、その高さおよび幅を設計者が選択できる矩形にすることができる。この場合、照射が、検査対象の物体上にコリメートされることで、第1に、照射が最適である深度をより深くすることが可能となり、第2に、線源の像の一部が物体の像に重なることを避けるために、照射系の射出瞳を無限遠することが可能となる。
矩形の照射を実現するために、上記の第2の方法に従って進める。測光計算によって、回転ガウス照射から均一な矩形(または特定の強度プロファイルを有する矩形)照射への移行のためのマクロを決定することが可能となる。さらに、コリメートされた照射にするための、物体への光線のゼロ点入射角を与える。このマクロは、設計者によって規定される矩形照射を物体レベルで生成する非回転対称の面を有する2つのレンズを最適化するために、設計ソフトウェアに実装される。
例えば図14および15に示す板435および455であるビーム分離機に関して、光学窓、ビームスプリッタ、または半球状集光レンズを製造するために、THz領域では、高抵抗シリコンが非常に一般的に使用される。好ましくは、本発明の対象となる画像取得システムは、この材料を半反射板に用いる。なぜなら、3.41という非常に高い屈折率によって、材料の1つの面で、ビームの反射成分と透過成分の2つの成分へのそれぞれ45%と55%の分離を得ることが可能となるからである。
ビームスプリッタの機能(理想的には50%の透過と50%の反射)を確保するためには、その板を慎重に設計しなければならず、板の2つの面を通過することによってビームがそれ自体と干渉すると、これにより、この素子の性能レベルが大きく変化する。
好ましくは、ビームスプリッタは、その材料の1つの面に反射防止処理を施される。これにより、この面では反射が生じず、干渉は発生しない。この処理には、好ましくは、屈折率が1.8に近い材料を選択するとともに、その厚さを波長の約数に合わせて調整する。
いくつかの実施形態では、板の厚さを選択することにより、50%の分離効率が得られる。干渉する波の成分を計算することにより、50%の効率レベルを得られる厚さを特定することができる。
ビームスプリッタでの入射偏光に関して、好ましくは、フィールドが入射面に平行であるTMモード(横モードの頭字語)の偏光が用いられる。これは、本発明者が、TMモードの偏光によって、ビームスプリッタの厚さが製造公差内で変動する場合の分離効率の向上した安定性が確保されることを確認したからである。
最大限の効率を得るために、ビームスプリッタは、わずかに発散するビームで使用される。好ましくは、それを、コリメートされたビームに差し込む。光ビームは、ビームスプリッタを2回通過し、その1回目は線源から発せられるときであり、その2回目は、物体から検出器に向かって戻るときである。
ビームスプリッタは、物体への照射と、物体からの光束の回収と、が物体の同じ側で行われる場合である反射モードの光学系を設計するために使用される。
本発明の対象となる多画素イメージング装置は、以下の要素が組み込まれる。
- THz源;
- 線形照射を実現するためのレンズで構成される光学系;
- 物体を透過した後または物体で反射された後の照射の収集を実現するためのレンズで構成される光学系;
- 反射の場合のビームスプリッタ;
- 多画素センサ;および、
- センサから出力される信号を処理するユニット。
一般的に、透過モードを用いることは、物体の寸法が理由で、または産業環境の制約が理由で、複雑である。従って、反射モードが一般的に用いられる。このモードを設定するために、照射およびレンズユニットを配置構成する方法はいくつかある。
透過モードでは、光学系の全体で2つの別々の部分400と410を有し、一方は線形照射用であり、他方は撮像レンズユニット用である。例えば、図13に示す装置40の光学系では、左側の部分400の3つのレンズは照射用であり、右側の部分410の2つのレンズはレンズユニット用である。これらの2つの間の空きスペースによって、その像をセンサ415で取得しなければならない物体405を挿入することが可能となる。
レンズユニットの外へのエネルギー損失がないように、照射の開口数は、レンズユニットの開口数に合わせて調整される。
レンズユニット全体を通した反射を用いる、図14に示す装置42の実施形態では、右側の3つのレンズ420は、レンズユニット430の像面に投影される照射を形成する。照射は、その後、物体425に投影されるためにレンズユニット430を通過する。最後に、レンズユニット430によって物体425の像を形成し、これは、半反射板435によってセンサ415上に90°で投影される。
照射は、このとき、レンズユニット430を通して物体425に均一に照射するように設計される。
レンズユニットの内部での反射を用いる、図15に示す装置44の実施形態では、照射440は、シリンドリカルレンズ465の後の、レンズユニット450の最後のレンズである追加レンズ460を考慮に入れる。照射は、レンズユニット450の出口に直接差し込まれる。レンズユニット450は、反射された光を他の2つのレンズおよびリニアセンサ470に向けて90°で伝送する半反射板455によって機能する。
この設計の利点は、よりコンパクトであるとともに、線源とセンサの間でTHzビームが通過するレンズがより少数であることによって、導入される損失がより少ないことである。
この照射系によって、シーンの均一な照射が可能となり、多画素センサの画素が極めてコンパクトであることによって非常に高分解能の集光系が利用される。
本発明の対象となる装置の各種ユニットのいくつかの好ましい実施形態について、以下で説明する。
好ましくは、インコヒーレント線源100は、中心波長に対する発光帯域幅の比率df/fが一定である。この比率は、線源の放射周波数に関わりなく、ある特定の程度の時間的インコヒーレンス性に対応している。従って、線源が、「絶対的な」観点からインコヒーレントであるかどうか、すなわち市場のすべての線源の特定の分類に従ってインコヒーレントであるかどうかは、重要ではない。コヒーレンス性がより低い線源を使用することによって得られる効果は、本発明の光学系の特性寸法に関連した定在波の影響が排除されることである。好ましくは1%よりも高く、さらに好ましくは2.5%よりも高い、公表した典型的なdf/f比では、コヒーレンス長は、約10ミリメートルのオーダであり、これにより、本発明の対象となる装置のスケールで、定在波の影響が排除される。
これらのdf/f比を選択することにより、定在波を低減することが可能となる。スペクトル幅ではなくdf/f比を設定することによって、動作周波数とは無関係にすることができる。
多重化線源の技術は、この場合は、400MHz幅の白色雑音源(400MHzの範囲にフィルタリングされた0~18GHzの間の中心周波数の線源)と、さらに、狭帯域用に通常指定される従来のコンポーネントによる。例えば、400GHz/15000GHz=2.7%、または6.4GHz/240GHz=2.67のdf/f比を用いる。
屈折レンズユニットは、テラヘルツ領域で「顕微鏡」レンズユニットを製造することによる新規のものであり、これは、高開口と、数十ミリメートルであるレンズユニットのフィールド全体にわたって略一定の光学分解能と、を組み合わせたものである。さらに、このレンズユニットは、単一片で製造できる最大のレンズのサイズ以外に、フィールド幅の制限はない。
好ましくは、この光学系すなわちレンズユニットは、2つのレンズグループを含む。
- 第1のグループは、計算された物体側開口数を確保して、無限遠の入射瞳(テレセントリックレンズユニット)によって、シーンの光の収集を確保する。さらに、この光を、フィールドのすべてのポイントからの光線が開口を完全に満たすように、第2のグループの上流に位置するレンズユニットの開口を通して投影する。制約が厳しいレンズユニット(開口数<1、または倍率>>1)の場合には、フィールド補正器の役割を果たすメニスカスレンズを、第1のグループに追加する必要がある。
- 第2のグループは、倍率および計算された像側開口数を確保して、開口からの光をセンサの表面に集束させる。第2のグループは、第1のグループによって生じる収差(特に球面収差)の補正を確保し、これにより、レンズユニットは、フィールド全体の回折によって制限される。また、射出瞳も無限遠にすることができるが、これは像側では必須ではない。
開口数は、1のオーダである。レンズ直径が100mmの場合に、典型的には光フィールドは40mmである。フィールド幅の選択は、期待される光学特性に依存する基準によってではなく、工場で製造できる最大レンズの最大寸法によってのみ制限される。
限られた面積に読み出し回路を組み入れるために、小型部品、レーザビアを有する多層PCBを用いる。チップは裏面に半田付けされるので(BGA型)、コンパクト化が可能となる。これらのチップは横接続を有しないので、それらの横寸法は小さくなり、これにより、それらのチップを相互に非常に近接させて配置することが可能となる。ボールグリッドアレイすなわちBGAは、プリント回路基板に半田付けされるための集積回路ハウジングの一種である。
BGAハウジングは、半田ボールのグリッド状配列で構成される。これらのボールは、適切な直径の実装ランドを有するプリント回路基板に半田付けされる。さらに、BGA集積回路とプリント回路基板との間に電気的リンクを確立することを可能とするコネクタも設けられる。ボール間のピッチは、一般的にmmのオーダであるが、CSP(チップスケールパッケージ)部品の場合の数十mmまで縮小することができる。ビアを有する多層PCBを使用することにより、コンパクト性を最適化して、部品間のパスの長さを均一にし、これにより感光セルのそれぞれの応答を均等化することが可能となる。それらのチップは、ウェハスケールレベルパッケージ型またはチップスケールパッケージ型のものである。従来の技術では、チップを個々に切断してからパッケージに入れた後に、それらを、チップのコンタクトスタッドとパッケージのコンタクトとの間のワイヤと半田付けする。
チップスケールパッケージまたはウェハレベルパッケージは、ウェハ上に堆積させた樹脂であって、その後に切断されるのは樹脂を有するウェハであるため、半田ワイヤまたは外部パッケージはもはやない。ワイヤ/半田付けは多くの問題の原因であり、その最小サイズでは、チップよりも数十ミクロン大きいので、この場合のRFチップは、再現性がより高くなる。THz波はミリ波であるため、0.050mmの精度で配置されたサブミリメートルチップによって、高品質の画像が得られる。さらに、ロボット機械でチップを個々に半田付けすることによって、画素ラインに欠陥があり得るチップを修復および交換することが可能となる。THzの制約と、これらのマイクロチップおよびビアを有する多層プリント回路基板の可用性とを組み合わせることによって、優れた画像が得られる。この組み合わせは、2~3THz超では、その場合、波長が0.1mmであるため、あまり適していない。
このパッケージによって、他の技術的効果が得られる:光応答のセンサ間での均一性が向上すること、偏光方位に対する感度がセンサ間で同じであること。パッケージは、0.5mm×1mmであって、接続端子は、感光領域の表面から突出していない(コンタクトパッドはパッケージの下にある)。トランジスタは、「ボンディング」によってではなく、ホットビア、裏面のフィードスルーで配線される。ホットビアに関して、読者は、Alexandre Bessemoulinによる「Design Data for Hot-via Interconnects in Chip Scale Packaged MMICs up to 110GHz(110GHzまでのチップスケールパッケージMMICにおけるホットビア相互接続の設計データ)」第12回GAASシンポジウム、アムステルダム、2004年、を参照することができる。
パッケージのサイズおよび内部のトランジスタの配線方法によって、非常に良好な、センサ間の位置決め再現性を得ることが可能となる。それでも、トランジスタの応答は、パッケージ内でのトランジスタの向きおよび配線の影響を強く受ける。より大きいパッケージでは、トランジスタの位置およびボンディングの形状のばらつきによって、センサ間で、応答に大きなばらつきが生じる。この0.5×1mmのパッケージを選択することによって、2つの機能が確保される:優れたコンパクト性が得られること、および応答の画素間での再現性が向上すること。
トランジスタは、その感度を高める(3dBの信号対雑音比の利得)ために、ゲート電圧を生成してトランジスタのチャネルに微小電流を発生させる回路によって分極される。これらの条件下でトランジスタを用いるためには、読み出し回路を、特にオフセットの減算に適応させる。また、低雑音かつ低温度ドリフトの増幅器を選択することも問題である。これらの素子はいずれも、面積に関しても、ルーティング複雑さに関しても、スペースを取るので、CMS 0201および0402素子、ならびにレーザビアを有する多層PCB、を使用する必要がある。
フィールド幅の選択は、期待される光学特性に依存する基準によってではなく、工場で製造できる最大レンズの最大寸法によってのみ制限される。

Claims (15)

  1. イメージング装置(40,42,44)であって、
    物体を照射するための、周波数が0.075THz~10THzの間のインコヒーレント線源(100)と、
    前記物体からの放射線のセンサ(415,470)であって、前記インコヒーレント線源からの放射線を感受する複数の領域を有するとともに、前記インコヒーレント線源から前記センサの前記領域のそれぞれに到達する光線の強度を表す電気信号を発するセンサと、
    少なくとも1つの光学系(235,260)であって、1よりも高い倍率を有するとともに、画素間を前記倍率で除算した値の4倍よりも高い分解能を有し、前記インコヒーレント線源から放出された光線が前記インコヒーレント線源から前記物体を通過して前記センサに達する光路に配置された光学系と、を備えることと、
    中心波長に対する帯域幅の比率は、1%よりも高いこと、を特徴とする装置であって、
    それぞれの前記領域はナノトランジスタであり、THz波によって生成される信号は、コモンモードまたはディファレンシャルモードで測定される前記ナノトランジスタのドレインとソースの間の連続的な電位差であり、
    前記装置は、それぞれの前記ナノトランジスタを、前記ナノトランジスタの標準動作の非線形性が最も強い場合の、そのスイング電圧に近いゲート電圧によって分極させるための近接電子装置を備え、
    それぞれの前記ナノトランジスタからの整流信号は、前記ナノトランジスタのドレインとソースの間のチャネルに電流を注入することによって前記ナノトランジスタの前記チャネルにおける電荷の非対称性を強いることにより増幅され、
    前記近接電子装置は、フォロワアセンブリを備え、前記フォロワアセンブリは、注入された前記電流を、前記ナノトランジスタ内でのみ伝搬させる、装置。
  2. 中心波長に対する帯域幅の前記比率は、2.5%よりも高い、請求項1に記載の装置。
  3. 前記インコヒーレント線源は、周波数逓倍器が後に続く白色雑音源である、請求項1または2のいずれか一項に記載の装置。
  4. 前記白色雑音源は、20GHz未満の中心波長の場合に、200MHz~500MHzの間の帯域幅にわたって放射する、請求項3に記載の装置。
  5. 前記白色雑音源は、フィルタ周波数シンセサイザである、請求項3または4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記光学系は2つのレンズグループで構成され、第1のグループは、無限遠の入射瞳で、シーンの光を収集するとともに、前記光を、光フィールドのすべてのポイントからの光線が開口を完全に満たすように、第2のグループの上流に位置するレンズユニットの開口を通して投影することを確保し、前記第2のグループは、前記倍率および像側開口数を確保して、前記開口からの光を前記センサの表面に集束させるとともに、前記第2のグループは、前記第1のグループによって生じる球面収差の補正も確保する、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記第1のグループは、光フィールド補正器を形成するように構成されたメニスカスレンズを含む、請求項6に記載の装置。
  8. 射出瞳は無限遠にある、請求項6または7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記センサは、ビアを有する多層プリント回路基板を含み、前記多層プリント回路基板の裏面に、横接続を有しない、個々の感光領域のポイントセンサが半田付けされており、
    個々の感光領域の少なくとも1つのポイントセンサは、ホットビアで配線された前記ナノトランジスタを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 個々の感光領域の少なくとも1つのポイントセンサは、少なくとも3dBの信号対雑音比の利得を得るために、前記ナノトランジスタのゲート電圧を生成してチャネルに微小電流を発生させる回路によって分極される、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記インコヒーレント線源の放射周波数は変調される、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記インコヒーレント線源は、インパットダイオードまたは抵抗器に熱雑音型の雑音源を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記近接電子装置は、それぞれの前記ナノトランジスタのドレインとソースの間に電流を注入することにより発生するオフセットを、減算器アセンブリを用いて調整するための補償回路を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記装置は、信号の復調を前記インコヒーレント線源の振幅変調信号と同期させるための手段を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記装置は、ビームスプリッタを備え、前記ビームスプリッタでの入射偏光は、フィールドが入射面に平行である横モードの偏光である、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
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