JP2011199241A - テラヘルツ波受信素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】テラヘルツ波を効率よく受信し、信号/雑音比を向上したテラヘルツ波受信素子を提供する。
【解決手段】第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するテラヘルツ波受信素子100であ
って、2以上の半導体層(バッファ層102aおよび電子供給層104a)のヘテロ接合により形成される2次元電子チャネル層103a、ゲート幅方向にλ1/2の長さを有するゲート電極111a、ドレイン電極113aおよびソース電極112aを有する第1のFET100aと、第1のFET100aのゲート電極111aのゲート幅方向における中央部と接続され、かつ、ゲート電極111aと直交するように配置されたゲート配線114aとを備える。
【選択図】図1A

Description

本発明は、テラヘルツ(THz)帯の電磁波を受信する素子に関し、特に、信号/雑音比を向上した電界効果トランジスタを備えるテラヘルツ波受信素子に関するものである。
テラヘルツ電磁波(以下、単に「テラヘルツ波」という。)は近年注目されている新しい電磁波領域であり、多岐にわたる応用の可能性が提案されている。現在、テラヘルツ波の室温受信は、テラヘルツ時間領域分光法(THz−TDS:Terahertz Time Domain Spectroscopy)を用いることによりテラヘルツ波の高感度受信を行うことが一般的であるが、高精度な光学系の調整を必要とするだけでなく大規模な設備構成にならざるを得ず、現状では様々な分野への技術応用、商品展開は困難である。
従来、設備を小型化し、簡便で高感度なテラヘルツ受信技術として、電子デバイスを用いたテラヘルツ波の受信が新たに検討されており、電界効果トランジスタを用いてチャネル電子のプラズマ共鳴を利用したテラヘルツ波の室温受信が報告されている。これは、108cm/sオーダの群速度を持つプラズマ波を利用することにより、室温でのテラヘルツ波受信を可能とするものである。中でも2次元電子システムを有する高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)において、2次元電子プラズモン共鳴を利用したデバイスをM.Shurらが提案している(非特許文献1および2参照)。この共鳴周波数はゲートに印加される電圧によって定まる電子濃度の平方根に比例するため、ゲート電圧により周波数可変なテラヘルツ波受信素子、或いは広帯域なテラヘルツ波受信素子の実現が期待できる。
このように、トランジスタを用いてテラヘルツ帯の電磁波を検波することが可能であることから、トランジスタを2次元並列化することによってイメージングが可能となりテラヘルツイメージングシステム等の小型化、低コスト化が可能となるなどのメリットがある。
また、TaukらはMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field Effect Transistor)においても、テラヘルツ波の受信が可能であることを報告している(非特許文献3参照)。この報告ではテラヘルツ波はゲートワイヤにて受信されるとしており、ゲートワイヤで受信したテラヘルツ帯の変調信号をゲートワイヤと通じてゲート直下のチャネルへ伝送され、プラズマ共鳴にてテラヘルツ光を室温受信していることになる。その構造とテラヘルツ受信特性を、それぞれ、図17(a)および図17(b)に示す。このように電界効果トランジスタにおいて、外部アンテナを用いることによりテラヘルツ帯の電磁波を受信することが可能である。
Physical Review Letters,71,2465(1993) IEEE TRANS.ON ELECTRON DEVICES,VOL.43,NO.3,pp.380(1996) APPLIED PHYSICS LETTERS,89,253511(2006)
しかしながら、従来のテラヘルツ波受信素子には下記のような課題がある。
(1)複数の周波数成分を同時に受信してしまう
従来のテラヘルツ波受信素子では電界効果トランジスタに接続された給電用のワイヤを線状アンテナとして利用している。このような構成のため、テラヘルツ波の受信に不必要な配線部および接続部がワイヤ周辺に存在するため、受信感度および伝送効率を高めることは困難である。また、ワイヤ、配線等の寸法がテラヘルツ波の波長と非常に近いため、素子の様々な部分でそれぞれ異なる周波数のテラヘルツ波と結合してしまう。そのため単一波長のみを効率よく受信することが非常に困難である。
(2)不要な周波数成分が含まれるため信号/雑音比が低い
従来のテラヘルツ波受信素子では上記のように複数の周波数成分を同時に受信してしまうため、雑音成分が多く、信号/雑音比を高めることが困難である。そのため、テラヘルツ波の応用として期待されている含有成分検査装置、イメージング装置などを実現する上で必要となる周波数分光測定を行うことが困難である。
(3)テラヘルツ波は導体損が大きいため、伝搬損失が大きい
テラヘルツ波の特徴として、金属内を伝搬するときの導体損が非常に大きい。そのため、従来の構成では伝送線路が長くなり、損失の増大が避けられない。また、ミリ波帯と比較して電磁波の波長が数十μm〜数百μmと短いため、回路設計が困難である。
そこで、本発明は、テラヘルツ波を効率よく受信し、信号/雑音比を向上したテラヘルツ波受信素子を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記課題を解決することが可能なテラヘルツ波受信素子の構成について検討を行った。その結果、2次元電子チャネル層を有する電界効果型トランジスタのゲート電極をテラヘルツ波が高効率で受信できるダイポールアンテナとして機能させることで課題を解決できることが判明した。このとき、2つの電界効果型トランジスタで得られた信号の差を検出する構成とすることが好ましいことも判明した。このような構成とすることにより、設計自由度が高く、且つ、単純な構成で、テラヘルツ波を効率的にゲート電極下の2次元電子チャネル層に伝達することができると共に、配線部やワイヤ部などで受信した不要なテラヘルツ波の成分を除去し、高い信号/雑音比のテラヘルツ波受信が実現可能となる。
つまり、上記目的を達成するために、本願発明に係るテラヘルツ波受信素子の一態様は、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するテラヘルツ波受信素子であって、2以上の半導体層のヘテロ接合により形成される2次元電子チャネル層、ゲート幅方向にλ1/2の長さを有するゲート電極、ドレイン電極およびソース電極を有する第1の電界効果トランジスタと、前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート幅方向における中央部と接続され、かつ、当該ゲート電極と直交するように配置された第1のゲート配線とを備える。
このような構成とすることにより、ゲート電極そのものがテラヘルツ波に対応したダイポールアンテナとして機能し、効率よくテラヘルツ波を受信すると共に、電送線路を介することなく2次元電子チャネルに直接テラヘルツ波を伝えることが可能なテラヘルツ波受信素子を実現することができる。よって、テラヘルツ波が金属内を伝搬することに起因する導体損の発生が回避され、上記(3)の課題が解決される。
さらに、ゲート電極には、そのゲート幅方向における中央部(例えば、中点)に、当該ゲート電極と直交するように配置された第1のゲート配線が設けられているので、信号光として直線偏波を用いた場合にゲート配線で受信されてしまう不要なテラヘルツ波による影響が除去されるので、ゲート配線を介して複数の周波数を同時に受信してしまう不具合、および、そのために生じる信号/雑音比の劣化が回避され、上記(1)および(2)の課題が解決される。
なお、「ゲート幅方向」とは、ソース電極とドレイン電極とを結ぶ線(チャネルをキャリアが流れる方向、つまり、「ゲート長方向」)と直交する方向である。本願発明では、ゲート電極は、ゲート長方向よりもゲート幅方向に長い形状を有するので、ゲート電極の「長さ」とは、ゲート幅方向における長さを意味し、ゲート電極の「幅」とは、ゲート長方向における長さを意味する。
ここで、さらに、2以上の半導体層のヘテロ接合により形成される2次元電子チャネル層、ゲート幅方向に前記第1の波長λ1と異なる第2の波長λ2の1/2であるλ2/2の長さを有するゲート電極、ドレイン電極およびソース電極を有する第2の電界効果トランジスタと、前記第2の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート幅方向における中央部と接続され、かつ、当該ゲート電極と直交するように配置された第2のゲート配線とを備えるのが好ましい。
このような構成とすることにより、ゲート電極の長さ(ゲート幅方向の長さ)を調整するだけで複数のテラヘルツ波を同時に受信することができる。
また、さらに、前記第1の電界効果トランジスタのドレイン電極からの出力信号と、前記第2の電界効果トランジスタのドレイン電極からの出力信号との差分を検出する回路を備えてもよい。
このような構成とすることにより、第1の電界効果トランジスタおよび第2の電界効果トランジスタに共通に生じる雑音(ゲート電極以外の部分で結合した不要な周波数成分、および、2次元電子プラズモンの非共鳴モードにおける周波数成分)を打ち消すことが可能となり、信号/雑音比を飛躍的に向上することが可能となる。
また、前記第1の電界効果トランジスタのドレイン電極およびソース電極は、それぞれ、前記第2の電界効果トランジスタのドレイン電極およびソース電極と同一形状であるのが好ましい。
このような構成とすることにより、第1の電界効果トランジスタと第2の電界効果トランジスタそれぞれで発生するゲート電極以外の部分で結合した不要な周波数成分(雑音)が等しくなり、これによって、上述の打ち消しが効果的に行われることとなり、信号/雑音比を飛躍的に向上することが可能となる。
また、前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート幅方向における長さは前記第2の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート幅方向における長さの奇数倍であってもよい。
このような構成とすることにより、プラズマ共鳴受信において必ず発生してしまう奇数倍の高次モード受信を打ち消すことが可能となり、信号/雑音比を飛躍的に向上することが可能となる。
前記第1の電界効果トランジスタは、2つのフィンガーをもつマルチフィンガー構造を有し、前記第1の電界効果トランジスタの2つのフィンガーにおけるゲート電極は、ゲート幅方向における長さがλ1/4であり、前記λ1/2の長さを有するゲート電極を構成するようにゲート幅方向に接続されているのが好ましい。
このような構成とすることにより、マルチフィンガー構造の電界効果トランジスタによるテラヘルツ波受信素子が実現されるので、フィンガーを増加することによって受信感度を上げることが可能になる。
また、さらに、前記第1のゲート配線に接続され、かつ、前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極と直交するように配置されたワイヤを有してもよい。
このような構成とすることにより、ゲート電極で受信するテラヘルツ波とワイヤで受信する不要なテラヘルツ波が直交することになり、信号光として直線偏波を用いた場合にはワイヤ部で受信する不要なテラヘルツ波による影響を完全に除去することが可能となる。
また、さらに、前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極の周辺部に、金属により形成された周期構造体を有してもよい。
このような構成とすることにより、金属により形成されたグレーティング構造の集光効果によりゲート電極に照射されるテラヘルツ波の強度が増強され、高効率にテラヘルツ波を受信することが可能となる。
また、前記第1のゲート配線は、直流バイアスを透過させ、テラヘルツ波を透過させないインピーダンスを有するのが好ましい。
このような構成とすることにより、ゲート電極で受信したテラヘルツ波が直流バイアスを印加する電源部に無駄に伝達することを抑制し、テラヘルツ波を効率よく2次元電子チャネル層に伝達する構造を実現することができる。
また、前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート長方向における幅は、前記第1の電界効果トランジスタの2次元電子チャネル層におけるプラズマ共鳴周波数が前記第1の波長λ1に対応する値となるのに適した値であるのが好ましい。
このような構成とすることにより、ゲート電極の長さと幅が、第1の電界効果トランジスタの2次元電子チャネル層におけるプラズマ共鳴周波数に対応する寸法となるので、第1の波長λ1のテラヘルツ波が効率よく受信される。
また、前記第1の電界効果トランジスタのドレイン電極およびソース電極は、前記ゲート電極との間隔がλ1/100以下であるのが好ましい。
このような構成とすることにより、ドレイン電極およびソース電極が無給電素子として機能し、ダイポールアンテナとして機能するテラヘルツ波受信素子のテラヘルツ波受信効率を飛躍的に向上することが可能となる。
また、前記第1の電界効果トランジスタの2次元電子チャネル層の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さに対して1/2以下であることが好ましい。
このような構成とすることにより、2次元電子チャネルの影響によるアンテナ利得の低減を抑制することが可能となりテラヘルツ波受信効率を飛躍的に向上することが可能となる。
また、前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、前記ゲート電極の幅方向の長さが異なることが好ましい。
このような構成とすることにより、ドレイン電極およびソース電極が無給電素子として機能し、ダイポールアンテナの放射パターンを任意に制御可能となりテラヘルツ波受信効率を飛躍的に向上することが可能となる。
また、前記ソース電極の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さよりも小さく、前記ドレイン電極の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さよりも大きくしてもよい。
このような構成とすることにより、ソース電極が導波器、ドレイン電極が反射器として機能することにより、ダイポールアンテナの指向性利得が向上しテラヘルツ波受信効率を飛躍的に向上することが可能となる。
また、前記ソース電極の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さよりも大きく、前記ドレイン電極の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さよりも小さくしてもよい。
このような構成とすることにより、ソース電極が反射器、ドレイン電極が導波器として機能することにより、ダイポールアンテナの指向性利得が向上しテラヘルツ波受信効率を飛躍的に向上することが可能となる。
また、前記ソース電極または前記ドレイン電極が、ゲート長方向に並んで複数個配置されていてもよい。
このような構成とすることにより、ソース電極およびドレイン電極の無給電素子としての効果が向上し、ダイポールアンテナの指向性利得が向上しテラヘルツ波受信効率を飛躍的に向上することが可能となる。
また、前記ソース電極または前記ドレイン電極に対しゲート長方向に並ぶ、給電しない電極を有していてもよい。
このような構成とすることにより、電界効果トランジスタの性能を犠牲にすることなく、ダイポールアンテナの指向性利得を最大限に向上させることが可能となり、テラヘルツ波受信効率を飛躍的に向上することが可能となる。
本発明のテラヘルツ波受信素子は上記構成を有し、高効率なテラヘルツ受信を実現可能とする。すなわち本発明によるテラヘルツ波受信素子のゲート電極がテラヘルツ波の波長に応じて設計されたアンテナとして機能するために、受信したテラヘルツ波の信号を効率よく2次元電子チャネル層に伝送することができる。
本発明により、テラヘルツ波を用いたセンシング、或いはイメージングに必要なテラヘルツ波に対して感度があり、高感度でテラヘルツ信号を検出することが可能なテラヘルツ波受信素子を提供することが可能になり、本発明の実用的価値は極めて高い。
本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の構成(レイアウト)を示す図 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の断面図 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の使用方法を説明する回路図 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子ゲート電極をダイポールアンテナとして設計した場合のアンテナ特性についてのシミュレーション結果の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の受信周波数特性の計算結果を示す図 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の受信特性(実験結果)の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の応用例を説明する回路図 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の応用例の動作原理を説明する図 本発明の第2の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の構成(レイアウト)を示す図 本発明の第2の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の断面図 本発明の第3の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の構成(レイアウト)を示す図 本発明の第3の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の断面図 本発明の第3の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の応用例に係るテラヘルツ波受信素子の位置関係とテラヘルツ波のスペクトルの変化とを示す図 本発明の第3の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の応用例に係るテラヘルツ波受信素子の動作を説明する図 本発明の第4の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の構成(レイアウト)を示す図 本発明の第4の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の断面図 本発明の第5の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の構成(レイアウト)を示す図 本発明の第5の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の断面図 本発明の第6の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の構成(レイアウト)を示す図 本発明の第6の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の断面図 本発明の第7の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の構成(レイアウト)を示す図 本発明の第7の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の断面図 本発明の第8の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の構成(レイアウト)を示す図 本発明の第9の実施の形態に係るテラヘルツ波受信素子の構成(レイアウト)を示す図 従来のテラヘルツ波受信素子の構成を示す図
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。図面の説明において、同一の名称を有する同一要素に関しては重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致しない。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子を説明する。図1A(a)および(b)は、本発明の第1の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子100の構成(レイアウト)を示す図である。図1B(a)および(b)は、それぞれ、図1A(a)のA−A’断面および図1A(b)のB−B’断面を示す図である。
このテラヘルツ波受信素子100は、主に2つの電界効果トランジスタ(第1の電界効果トランジスタ100aおよび第2の電界効果トランジスタ100b、以下、「電界効果トランジスタ」を単に「FET」という。)により構成される。それら2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)の周辺には、それぞれ、各ゲート電極に接続された配線部(ゲート配線114aおよび114b、ゲートパッド115aおよび115b、並びに、ゲートワイヤ116aおよび116b)が付加されている。
第1のFET100aは、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するFETであり、図1A(a)に示されるように、2つのフィンガーからなるマルチフィンガー構造を有する。具体的には、第1のFET100aは、平面的には、高抵抗基板101a、絶縁層122a、ゲート電極111a、ソース電極112a、ドレイン電極113a、ソース配線118a、ソースパッド119a、ドレイン配線120a、および、ドレインパッド121aを備える。また、ゲート配線114aは、第1のFET100aのゲート電極111aのゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極111aと直交するように配置されている。ゲートワイヤ116aは、ゲート配線114aと接続されたゲートパッド115aに、ゲート電極111aと直交する方向に接続されている。
第2のFET100bは、第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2のテラヘルツ波を受信するFETであり、図1A(b)に示されるように、2つのフィンガーからなるマルチフィンガー構造を有する。具体的には、第2のFET100bは、平面的には、高抵抗基板101b、絶縁層122b、ゲート電極111b、ソース電極112b、ドレイン電極113b、ソース配線118b、ソースパッド119b、ドレイン配線120b、および、ドレインパッド121bを備える。また、ゲート配線114bは、第2のFET100bのゲート電極111bのゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極111bと直交するように配置されている。ゲートワイヤ116bは、ゲート配線114bと接続されたゲートパッド115bに、ゲート電極111bと直交する方向に接続されている。なお、第1のFET100aと第2のFET100bとは、相似的に同一形状を有する。
図1B(a)および(b)に示されるように、第1のFET100aおよび第2のFET100bでは、それぞれ、接地面125aおよび125b、高抵抗基板101aおよび101b上に、バッファ層102aおよび102b、2次元電子チャネル層103aおよび103b、電子供給層104aおよび104bが形成されている。第1のFET100aおよび第2のFET100bをGaN系材料で構成する場合、高抵抗基板101aおよび101bとしてサファイア基板、バッファ層102aおよび102bとしてGaN、電子供給層104aおよび104bとしてAl0.40Ga0.60Nを用いることにより、バッファ層102aおよび102bと電子供給層104aおよび104bの界面に2次元電子チャネル層103aおよび103bが形成される。また、2次元電子チャネル層103aおよび103bは、エピタキシャル成長した状態では素子の全域に存在しているが、イオン注入処理により部分的に不活性することにより、2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)(図1A(a)および(b)における点線枠)のみに存在する状態になっている。なお、バッファ層102a(または102b)と電子供給層104a(または104b)は、それらのヘテロ接合により2次元電子チャネル層103a(または103b)を形成する2以上の半導体層の一例である。
また、図1B(a)および(b)に示されるように、第1のFET100aおよび第2のFET100bについて、それぞれ、ゲート電極111aと111b、ソース電極112aと112b、ドレイン電極113aと113b、ゲート絶縁膜117aおよび117bが形成されている。ソース電極112aおよび112b、並びに、ドレイン電極113aおよび113bは、Ti/Al/Tiを形成後、水素雰囲気中で熱処理を行いオーミック接合を形成している。ゲート絶縁膜117aおよび117bはAl23膜で形成されている。ゲート電極111aおよび111bは、Ti/Al/Tiで形成され、MIS(Metal−Insulator−Semiconductor)構造を形成している。ゲート電極111aおよび111bのゲート長方向の幅は、後述するように、テラヘルツ波帯でプラズマ共鳴を発生するのに適したサイズで形成されている。
ここで、第1のFET100aおよび第2のFET100bにおける2次元電子チャネルの電子濃度nsは、ゲート−ソース間の電圧Vgs、閾値電圧Vth、電子供給層の誘電率ε、電子の電荷量をe、膜厚dを用いて、以下の式で与えられる。
ゲート電極111aおよび111bにテラヘルツ波が入射すると、その信号がゲート電極111aおよび111b直下に存在する2次元電子チャネル層103aおよび103bに伝わり、電子濃度が変調を受ける。ここで、ゲート電極111aおよび111bがアンテナとして機能することにより、伝送線路が不要となることで損失が最小限に抑えることができ、高効率に信号を伝送することができる。
テラヘルツ波の受信感度向上のためには、このようなアンテナのサイズとFETのプラズマ共鳴周波数が一致するように構造設計する必要がある。その設計の一例を以下に記す。ここでは、第1のFET100aが第1の波長λ1(ここでは、周波数が1THz)のテラヘルツ波に対して受信感度が高くなるように設計する例を説明する。なお、第2のFET100bが第2の波長λ2のテラヘルツ波に対して受信感度が高くなるように設計することについても同様の手法で実現できるので、その説明を省略する。
まず、ゲート電極111aの長さ(ゲート幅方向における長さ、つまり、長手方向の長さ)に関しては、以下の点を考慮して決定する。つまり、テラヘルツ受信アンテナとして作用するゲート電極111aの長さであるが、1THzのテラヘルツ波に対して受信感度が高い設計となるようにフィンガー1つあたりのゲート電極111aの長さを1THzのテラヘルツ波の波長の1/4となる75μmとし、合計の長さ(2つのフィンガー分のゲート電極111a全体の長さ)をテラヘルツ波の波長の1/2となる150μmとする。
また、ゲート電極111aの幅(ゲート長方向の長さ、つまり、短手方向の長さ)に関しては、以下の点を考慮して決定する。つまり、FETのプラズマ共鳴周波数fは、ゲート電極111aの幅をL、ゲート補正係数をβ、プラズマ波速度をs、2次元電子チャネル層103aおよび103bにおける電子の有効質量をm*、スイング電圧をVs(=Vgs−Vth)とすると、以下の式で与えられる。
よって、ゲート電極111aの幅を、上記プラズマ共鳴周波数f等によって決定される値に設計する。
さらに、ゲート配線114aに関しては、以下の点を考慮して作製する。つまり、ゲート配線114aは、2つのフィンガーのそれぞれにおけるゲート電極の長さが等しくなるように、ゲート電極111aのゲート幅方向(長手方向)における中央部に接続されるようにレイアウトパターンを決定する。
さらに、接地面125aおよび125bに関しては、以下の点を考慮して作製する。接地面125aおよび125bは例えばTi/Auなどの金属材料などにより形成される。接地面125aおよび125bは、アンテナとして機能するゲート電極111aおよび111bの反射面として機能する。
また、接地面125aおよび125bは必ずしも高抵抗基板101aおよび101bの裏面に金属を形成しなくてもよい。例えば、第1のFET100aおよび第2のFET100bを表面が金属で覆われたパッケージなどに実装することで、高抵抗基板101aおよび101bと接しているパッケージ表面を接地面125aおよび125bとして機能させることもできる。
また、高抵抗基板101aおよび101b上に高い導電性を有する半導体層を形成することで接地面125aおよび125bと等価の機能を与えることもできる。
次に、以上のようにして設計された第1の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子100の使用方法を説明する。図2は、第1の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子100を構成する第1のFET100aの使用方法を示す回路である。なお、第2のFET100bについても同様の回路を用いて使用することができるので、その説明を省略する。
この図2に示されるように、第1のFET100aのドレイン電極113aおよびゲート電極111aに、それぞれ、外部抵抗RDを介したバイアス電圧Vdsおよびバイアス電圧Vgsを印加しておき、ドレイン電極113aに現れる信号を増幅器132で増幅することにより、第1のFET100aが受信したテラヘルツ波に対応する信号出力を得ることができる。
次に、第1の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子100の評価結果について説明する。以下では、第1のFET100aの評価結果について説明するが、受信周波数が異なる点を除いて第2のFET100bについても同様である。
ゲート電極111aをダイポールアンテナとして設計した場合のアンテナ特性についてのシミュレーション結果の一例を図3に示す。縦軸は、ゲート電極111aに供給したテラヘルツ波のリターンロスS11(dB)を示し、横軸は、ゲート電極111aに供給したテラヘルツ波の周波数(THz)を示す。本図から分かるように、上述のように設計された第1の実施の形態における第1のFET100aは、1THzにピークを持つ良好なダイポールアンテナとしての受信特性を示すことが分かる。
図4(a)および(b)は、GaN系材料により構成される第1のFET100aにおけるプラズマ共鳴周波数とソース−ドレイン間にDC的に出力される受信信号の関係の計算結果を示す図である(計算周波数は、図4(a)では1THz、図4(b)では0.2THz)。ここで、図4(a)および(b)における縦軸は、第1のFET100aのソース電極112a−ドレイン電極113a間に出力された信号のレベル(a.u.)を示し、横軸は、ゲート電極111aに印加された実効電圧(上述のスイング電圧)を示す。
図4(a)および(b)を比較して分かるように、第1のFET100aが受信する周波数によって出力される電圧が大きく異なることがわかる。図4(a)からは、ゲート電極111aを共鳴周波数1THzのダイポールアンテナとして設計することにより、1THzのテラヘルツ波との結合効率が向上し、図4(a)に示されるテラヘルツ受信特性をもつ第1のFET100aを得ることができることがわかる。一方、低い共鳴周波数(0.2THz)については、その低い共鳴周波数が、ゲートワイヤ116a等がテラヘルツ波を受信し得る周波数であることから、図4(b)に示されるように、非共鳴モードにおける受信特性が得られ、信号出力が負になってしまうことが分かる。
第1の実施の形態における第1のFET100aで実際に1THzのテラヘルツ波を受信したときの特性の一例を図5(a)および(b)に示す。図5(a)は、第1のFET100aの受信特性のゲート電圧依存性を示す。ここには、1THzのテラヘルツ波が入射された場合の信号出力と、テラヘルツ波が入射されない場合の信号出力とが示されている。ここで、縦軸は、第1のFET100aからの出力信号のレベル(a.u.)を示し、横軸は、第1のFET100aのゲート電極111aに印加した実効電圧(スイング電圧)を示す。1THzのテラヘルツ波が入射された場合、つまり、入射したテラヘルツ波の電界方向と、ダイポールアンテナ(ゲート電極111a)の設計電界方向が一致した条件にて、図5(a)の特性が図4(a)に似ていることから分かるように、1THzのプラズマ共鳴受信特性が得られた。
図5(b)は、第1のFET100aの受信特性の角度依存性を示す。ここで、縦軸は、第1のFET100aからの出力信号のレベル(a.u.)を示し、横軸は、第1のFET100aのゲート電極111aの長さ方向に対して入射されたテラヘルツ波の電界方向の角度(度)を示す。テラヘルツ波の電界方向と、ダイポールアンテナ(ゲート電極111a)の設計電界方向が一致した角度(図5(b)の横軸における0°、180°)にて、図4(a)とよく一致した強いピークを確認した。このことからゲート電極111aがダイポールアンテナとして機能し、1THzのテラヘルツ波をプラズマ共鳴受信していることが明確に実証された。また、テラヘルツ波の電界方向と、ゲートワイヤ116aがアンテナとして機能した場合の電界方向とが一致した角度(図5(b)の横軸における90°、270°)にて、図4(b)とよく一致した負の信号を確認した。このことからゲートワイヤ116aが線状アンテナとして機能し、0.2THzのテラヘルツ波を非共鳴受信していることを確認した。この実験例から分かるように、異なる周波数のテラヘルツ波がテラヘルツ波受信素子(ここでは、第1のFET100a)の様々な部分で結合し、信号出力として得られるが、偏波方向を直交させることにより周波数成分を分離可能なことが明確に実証された。
以上、第1の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子100を構成する第1のFET100aについて、好ましい設計例、受信特性の計算結果、および、受信特性の実験結果を説明したが、これらのことは、テラヘルツ波受信素子100を構成する第2のFET100bについても、ゲート電極111bの長さと幅が第1のFET100aのゲート電極111aと異なる点(つまり、共鳴周波数が異なる点)を除いて、同様である。よって、受信周波数が異なる2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)を備えることで、第1の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子100は、2つの異なる周波数のテラヘルツ波を受信する装置のためのセンサーとして利用することができる。
ところで、上記のような構成を有し、ゲート電極の設計周波数のみが異なる2つFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)を利用し、受信信号の差分を検出することにより、特定の周波数のテラヘルツ波を高い信号/雑音比で受信することが可能となる。そこで、次に、受信周波数が異なる2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)からの出力信号の差分をとることで、受信するテラヘルツ波の信号/雑音比を向上させた第1の実施の形態の応用例について説明する。
図6は、本発明に係るテラヘルツ波受信素子150の構成を示す回路ブロック図である。このテラヘルツ波受信素子150は、受信周波数が異なる2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)からの出力信号の差分をとることで、受信するテラヘルツ波の信号/雑音比を向上させることができる差分検出回路であり、第1の実施の形態における2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)、それら2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)のドレイン電極113aおよび113bのそれぞれにバイアス電圧を供給する直流電源151aおよび151b、それら2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)のゲート電極111aおよび111bのそれぞれにバイアス電圧を供給する直流電源152aおよび152b、それら2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)からの出力信号を増幅する2つの増幅器153aおよび153b、および、それら2つの増幅器153aおよび153bからの差分をとって出力する差動増幅器154を備える。
このような構成を有するテラヘルツ波受信素子150の動作原理、つまり、2つの電界効果トランジスタ(第1のFET100aおよび第2のFET100b)を用いて雑音成分を除去する動作例を図7(a)〜(c)に示す。図7(a)は第1のFET100aの受信特性を示し、図7(b)は第2のFET100bの受信特性を示し、図7(c)は差動増幅器154の出力信号を示す。
図7(a)に示されるように、第1のFET100aで得られる信号成分として、ゲート電極111aにおけるプラズマ共鳴受信による成分(図中の点線)と、配線および非共鳴モードによる成分(図中の一点鎖線)とがあり、第1のFET100aからは、それらを合計した信号(図中の実線)が出力される。第2のFET100bについても、図7(b)に示されるように、定性的には、第1のFET100aと同様の受信特性となる。ただし、第2のFET100bのゲート電極111bにおけるプラズマ共鳴受信による成分(図中の点線)は、意図的に、その設計周波数が第1のFET100aからずらされ、かつ、その成分に対する感度も下げられている。よって、図7(b)に示されるように、第2のFET100bで得られる成分は配線および非共鳴モードによる成分(図中の一点鎖線)が支配的となる。このような2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)からの出力信号が増幅器153aおよび153bで増幅され、差動増幅器154で差分がとられることにより、2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)からの出力信号に共通して含まれていた不要な成分(配線および非共鳴モードによる成分)が打ち消され、図7(c)に示されるように、第1のFET100aのゲート電極111aにおけるプラズマ共鳴受信の成分のみが選択的に取り出され、高い信号/雑音比が実現される。なお、この応用例では、第2のFET100bは、第1のFET100aからの出力信号に含まれる不要な成分(配線および非共鳴モードによる成分)を打ち消すためにだけ使用されているので、その受信周波数は、第1のFET100aの受信周波数と異なる値であれば、任意の値でよい。
以上のように、第1の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子100および150によれば、第1のFET100aおよび第2のFET100bのゲート電極111aおよび111bそのものがテラヘルツ波に対応したダイポールアンテナとして機能し、効率よくテラヘルツ波を受信すると共に、電送線路を介することなく第1のFET100aおよび第2のFET100bの2次元電子チャネル層103aおよび103bに直接テラヘルツ波が伝えられ、これにより、テラヘルツ波が金属内を伝搬することに起因する導体損の発生が回避される。
また、ゲート電極111aおよび111bには、そのゲート幅方向(長手方向)における中央部に、ゲート電極111aおよび111bと直交するように配置されたゲート配線114aおよび114b並びにゲートワイヤ116aおよび116bが設けられているので、信号光として直線偏波を用いた場合にゲート配線114aおよび114b並びにゲートワイヤ116aおよび116bで受信されてしまう不要なテラヘルツ波による影響が除去されるので、ゲート配線114aおよび114b並びにゲートワイヤ116aおよび116bを介して複数の周波数を同時に受信してしまう不具合、および、そのために生じる受信特性における信号/雑音比の劣化が回避される。
また、第1の実施の形態における、差分検出の機能を有するテラヘルツ波受信素子150によれば、第1のFET100aおよび第2のFET100bに共通に生じる雑音(ゲート電極以外の部分で結合した不要な周波数成分、および、2次元電子プラズモンの非共鳴モードにおける周波数成分)が打ち消され、さらに、信号/雑音比が向上される。
なお、第1の実施の形態においては、2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)を構成する材料として、GaN系材料を取り上げたが、InGaAs系材料やInP系材料で構成しても同様の効果が得られる。また、2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)の構造としてMISFET(Metal−Insulator−Semiconductor Field Effect Transistor)を取り上げたが、MESFET(Metal−Semiconductor Field Effect Transistor)で構成しても同様の効果が得られる。
また、第1の実施の形態においては、テラヘルツ受信のアンテナとしてゲート電極を半波長ダイポールアンテナとして利用する方法を取り上げたが、パッチアンテナ、スロットアンテナ、スパイラルアンテナ、あるいはフェルミアンテナをゲート電極に隣接して形成しても同様の効果が得られる。また、半波長ダイポールアンテナの設計を基本共鳴モードで設計したが、高次共鳴モードで設計を行っても同様の効果が得られる。第1のFET100aおよび第2のFET100bの共鳴周波数については、所望のプラズマ共鳴周波数に応じた設計が可能であり、第1の実施の形態ではその一例を示したのみである。
なお、第1の実施の形態においては2つのFET(第1のFET100aおよび第2のFET100b)を用いたテラヘルツ波受信素子を示したが、本発明は、1つのFETで構成されるテラヘルツ波受信素子も含まれる。雑音などが無視できるような応用では、一つのFETのみでTHz波をゲート電極で直接検出できるテラヘルツ波受信素子として本発明に係るテラヘルツ波受信素子を実現してもよいことは言うまでも無い。
また、第1の実施の形態では、第1のFET100aおよび第2のFET100bは、異なる半導体基板(それぞれ、高抵抗基板101aおよび101b)に独立して形成されたが、同一の基板に形成されてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子を説明する。図8Aは、本発明の第2の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子200の構成(レイアウト)を示す表面図である。図8Bは、図8AのC−C’断面図である。第1の実施の形態と共通する部分については説明を省略する。
第2の実施の形態においては、テラヘルツ波受信素子200は、第1の実施の形態と同様に、主に2つのFET(第1のFET200aおよび第2のFET200b)で構成されている。それら2つのFET(第1のFET200aおよび第2のFET200b)の周辺に、それぞれ、各ゲート電極に接続された配線部(ゲート配線214aおよび214b、ゲートパッド215aおよび215b、並びに、ゲートワイヤ216aおよび216b)が付加されている点、および、その配線部の特徴は、第1の実施の形態と同様である。
つまり、第1のFET200aは、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するFETで
あり、図8Aの左側に示されるように、2つのフィンガーからなるマルチフィンガー構造を有する。具体的には、第1のFET200aは、平面的には、ゲート電極211a、ソース電極212a、ドレイン電極213a、第2のFET200bと共用のソース配線218、第2のFET200bと共用のソースパッド219、ドレイン配線220a、および、ドレインパッド221aを備える。また、ゲート配線214aは、第1のFET200aのゲート電極211aのゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極211aと直交するように配置されている。ゲートワイヤ216aは、ゲート配線214aと接続されたゲートパッド215aに、ゲート電極211aと直交する方向に接続されている。
第2のFET200bは、第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2のテラヘルツ波を受信するFETであり、図8Aの右側に示されるように、2つのフィンガーからなるマルチフィンガー構造を有する。具体的には、第2のFET200bは、平面的には、ゲート電極211b、ソース電極212b、ドレイン電極213b、第1のFET200aと共用のソース配線218、第1のFET200aと共用のソースパッド219、ドレイン配線220b、および、ドレインパッド221bを備える。また、ゲート配線214bは、第2のFET200bのゲート電極211bのゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極211bと直交するように配置されている。ゲートワイヤ216bは、ゲート配線214bと接続されたゲートパッド215bに、ゲート電極211bと直交する方向に接続されている。なお、第1のFET200aと第2のFET200bとは、相似的に同一形状を有する。
ここで、2つのFET(第1のFET200aおよび第2のFET200b)は、第1の実施の形態と異なり、同一の半導体基板(より厳密には、高抵抗基板201の上に形成された絶縁層222)上に形成されている。さらに、2つのFET(第1のFET200aおよび第2のFET200b)について、ソース配線218およびソースパッド219が共通化され、ゲート配線214aおよび214b、ゲートパッド215aおよび215b、ドレイン配線220aおよび220b、並びに、ドレインパッド221aおよび221bが、それぞれ、線対称に配置される構成となっている。なお、2つのFET(第1のFET200aおよび第2のFET200b)の断面構造については、図8Bに示されるように、第1のFET200aおよび第2のFET200bは、共通の接地面225、高抵抗基板201、バッファ層202、電子供給層204、および、ゲート絶縁膜217aおよび217bを有し、それぞれ、別個の2次元電子チャネル層203aおよび203bを有する。
このような構成とすることにより、第2の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子200は、1つの素子で2つの設計周波数のテラヘルツ波を受信することができる。なお、第2の実施の形態では、テラヘルツ波受信素子200が1THzと1.8THzを受信できるよう、第1のFET200aのゲート電極211aの長さ(ゲート幅方向の長さ)については、フィンガー1つあたりの長さを75μm、合計の長さ(2つのフィンガー分のゲート電極211a全体の長さ)を150μmとしている。一方、第2のFET200bのゲート電極211bの長さ(ゲート幅方向の長さ)については、フィンガー1つあたりの長さを43μm、合計の長さを86μmとしている。これにより、第2の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子200は、1つの素子で1THzと1.8THzの2つの周波数のテラヘルツ波を受信することができる。
さらに、ゲート電極211aおよび211bと、ゲート配線214aおよび214b並びにゲートワイヤ216aおよび216bとが直交するように配置されている点については第1の実施の形態と同様であるので、配線部などで受信した不要なテラヘルツ波を高い精度で無効化することが可能となる。
また、第2の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子200では、第1のFET200aおよび第2のFET200bが単一の高抵抗基板201に形成されるとともに、ソース配線218およびソースパッド219が第1のFET200aおよび第2のFET200bで共通化されているので、第1の実施の形態に比べ、より接近した位置において2つの周波数のテラヘルツ波を受信することができるとともに、ソース電極の配線が簡素化される。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子を説明する。図9Aは、本発明の第3の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子300の構成(レイアウト)を示す表面図である。図9Bは、図9AのD−D’断面図である。第1の実施の形態および第2の実施の形態と共通する部分については説明を省略する。
第3の実施の形態においては、テラヘルツ波受信素子300は、第1の実施の形態と同様に、主に2つのFET(第1のFET300aおよび第2のFET300b)で構成されている。それら2つのFET(第1のFET300aおよび第2のFET300b)の周辺に、それぞれ、各ゲート電極に接続された配線部(ゲート配線314aおよび314b、ゲートパッド315aおよび315b、並びに、ゲートワイヤ316)が付加されている点、および、その配線部の特徴は、第1の実施の形態と同様である。
つまり、第1のFET300aは、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するFETであり、図9Aの左側に示されるように、2つのフィンガーからなるマルチフィンガー構造を有する。具体的には、第1のFET300aは、平面的には、ゲート電極311a、ソース電極312a、ドレイン電極313a、第2のFET300bと共用のソース配線318、第2のFET300bと共用のソースパッド319、ドレイン配線320a、および、ドレインパッド321aを備える。また、ゲート配線314aは、第1のFET300aのゲート電極311aのゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極311aと直交するように配置されている。ゲートワイヤ316は、ゲート配線314aと接続されたゲートパッド315aに、ゲート電極311aと直交する方向に接続されている。
第2のFET300bは、第1の波長λ1の3分の1である第2の波長λ2(=λ1/3)のテラヘルツ波を受信するFETであり、図9Aの右側に示されるように、2つのフィンガーからなるマルチフィンガー構造を有する。具体的には、第2のFET300bは、平面的には、ゲート電極311b、ソース電極312b、ドレイン電極313b、第1のFET300aと共用のソース配線318、第1のFET300aと共用のソースパッド319、ドレイン配線320b、および、ドレインパッド321bを備える。また、ゲート配線314bは、第2のFET300bのゲート電極311bのゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極311bと直交するように配置されている。なお、第1のFET300aと第2のFET300bとは、相似的に同一形状を有する。
ここで、2つのFET(第1のFET300aおよび第2のFET300b)は、第2の実施の形態と同様に、同一の半導体基板(より厳密には、高抵抗基板301の上に形成された絶縁層322)上に形成されている。また、第3の実施の形態では、ゲート配線314aとゲート配線314bとは、直線状に(一本の配線パターンとして)接続されている。そのために、2つのFET(第1のFET300aおよび第2のFET300b)のゲート電極311aおよび311bに対して共通にバイアス電圧を供給する一本のゲートワイヤ316だけが配置されている。
なお、2つのFET(第1のFET300aおよび第2のFET300b)の断面構造については、第2の実施の形態と同様であり、図9Bに示されるように、第1のFET300aおよび第2のFET300bは、共通の接地面325、高抵抗基板301、バッファ層302、電子供給層304、および、ゲート絶縁膜317aおよび317bを有し、それぞれ、別個の2次元電子チャネル層303aおよび303bを有する。
ここで、本実施の形態の特徴として、第2のFET300bのゲート電極311bにより構成されるダイポールアンテナの設計周波数が第1のFET300aのゲート電極311aにより構成されるダイポールアンテナの設計周波数の奇数倍(ここでは、3倍)の周波数になるように、テラヘルツ波受信素子300が構成されている。
具体的には、第1のFET300aのゲート電極311aの長さ(ゲート幅方向の長さ)については、1THzのテラヘルツ波に対して受信感度が高い設計となるように、フィンガー1つあたりの長さを1THzのテラヘルツ波の波長の1/4となる75μmとし、合計の長さ(2つのフィンガー分のゲート電極311a全体の長さ)をテラヘルツ波の波長の1/2となる150μmとしている。一方、第2のFET300bのゲート電極の長さ(ゲート幅方向の長さ)については、3THzのテラヘルツ波に対して受信感度が高い設計となるように、フィンガー1つあたりの長さを25μmとし、合計の長さを50μmとしており、その結果、第1のFET300aのゲート電極311aに対して電極長が1/3倍になっている。
このような構成とすることにより、第3の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子300は、プラズマ共鳴受信で必ず発生する奇数倍の高次モード成分の影響を除去することに利用することが可能となる。具体的には、このような2つのFETを用いて図6に示される差分検出回路を構成することで、高次モード成分(基本周波数の奇数倍の周波数のテラヘルツ波に対しても受信してしまう特性)を除去することができる。そのような第3の実施の形態の応用例に係るテラヘルツ波受信素子350を、図10Aおよび図10Bを用いて説明する。
図10Aは、テラヘルツ波の光源351、材料352、および、その応用例に係るテラヘルツ波受信素子350の位置関係と、テラヘルツ波のスペクトルの変化を示す図である。なお、この応用例に係るテラヘルツ波受信素子350は、図6に示される差分検出回路と同様の構成を有する。つまり、この応用例に係るテラヘルツ波受信素子350は、図6における第1のFET100aおよび第2のFET100bが、それぞれ、第3の実施の形態における第1のFET300aおよび第2のFET300bに置き換えられたものに相当する構成を有する。
図10B(a)〜(c)は、この応用例に係るテラヘルツ波受信素子350の動作を説明する図である。具体的には、図10B(a)は入射してくるテラヘルツ波(点線)と第1のFET300aの受信特性(実線)を示し、図10B(b)は入射してくるテラヘルツ波(点線)と第2のFET300bの受信特性(実線)を示し、図10B(c)は入射してくるテラヘルツ波(点線)とテラヘルツ波受信素子350全体(差分検出回路として)の受信特性(実線)を示す。
図10Aに示される光源351として、広い周波数成分を有する黒体炉などが利用できる。ある特定の吸収スペクトルを有する材料352に、光源351から放射されるテラヘルツ波を照射すると、その材料352に固有の吸収スペクトルの特性に応じた透過光が得られる。このような透過光は、図10Aに示されるように、複数の周波数(ここでは、周波数fと周波数2.7f)に吸収ピークを有する場合がほとんどである。もし、このような透過光を1つのFETで受信する場合、FETの受信特性における高次モードの存在により、複数の周波数成分を同時に受信してしまう不具合が生じる。そこで、この応用例に係るテラヘルツ波受信素子350では、第2のFET300bの受信周波数を第1のFET300aの受信周波数の3倍に設計し、それら2つのFET(第1のFET300aおよび第2のFET300b)からの出力信号の差分をとることにより、特定の周波数成分のみを選択的に受信することができる。
図10B(a)に示されるように、第1のFET300aは、基本周波数fとその高調波である周波数3fにピークをもつ受信特性(実線)を有するので、透過光(点線)における2箇所の周波数(fと2.7f)の成分に対応する信号を出力する。一方、図10B(b)に示されるように、第2のFET300bは、基本周波数3fとその高調波(図示されず)にピークをもつ受信特性(実線)を有するので、透過光(点線)における高い周波数(2.7f)の成分だけに対応する信号を出力する。よって、図10B(c)に示されるように、テラヘルツ波受信素子350からの出力信号は、第1のFET300aからの出力信号と第2のFET300bからの出力信号の差分、つまり、透過光(点線)における基本周波数(f)の成分だけに対応する信号を出力する。
このように、第3の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子を用いて差分検出回路を構成することで、1つのFETがもつ不要な高次モード成分が除去され、注目する一つの周波数成分だけを受信するテラヘルツ波受信素子が実現される。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子を説明する。図11Aは、本発明の第4の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子400の構成(レイアウト)を示す表面図である。図11B(a)および(b)は、それぞれ、図11AのE−E’断面、図11AのF−F’断面を示す図である。第1の実施の形態と共通する部分については説明を省略する。
第4の実施の形態においては、テラヘルツ波受信素子400は、主に1つのFET400aで構成されている。ただし、そのFET400aの周辺に、そのゲート電極411に接続された配線部(ゲート配線414、ゲートパッド415、および、ゲートワイヤ416)が付加されている点、および、その配線部の特徴は、第1の実施の形態と同様である。
つまり、FET400aは、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するFETであり、図11Aに示されるように、一つの半導体基板(より厳密には、高抵抗基板401の上に形成された絶縁層422)上に形成された2つのフィンガーからなるマルチフィンガー構造を有する。具体的には、FET400aは、平面的には、ゲート電極411、ソース電極412、ドレイン電極413、ソース配線418、ソースパッド419、ドレイン配線420、および、ドレインパッド421を備える。また、ゲート配線414は、FET400aのゲート電極411のゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極411と直交するように配置されている。ゲートワイヤ416は、ゲート配線414と接続されたゲートパッド415に、ゲート電極411と直交する方向に接続されている。
ここで、ゲート電極411により構成されるダイポールアンテナの周辺部には、金属からなる周期構造体423が配置されている。ここでは、周期構造体423は、平面的には、ゲート電極411の幅方向における両側に、ゲート電極411に近づくに従って長さが短くなるような複数の長方形状の配線パターンが短冊状に一定の間隔を置いて並べられている。なお、図11Bに示されるように、周期構造体423のうち、ゲート電極411の片側(右側および左側)に配置された部分において、複数の配線パターンは共通の金属層によって電気的に接続されている。
なお、FET400aの断面構造については、図11B(a)および(b)に示されるように、FET400aは、接地面425、高抵抗基板401、バッファ層402、電子供給層404、ゲート絶縁膜417、および、2次元電子チャネル層403を有する。また、周期構造体423は、図11B(b)に示されるように、FET400aの左右の両側のそれぞれにおいて、絶縁膜22上に形成され、共通の層上に複数の配線パターンが接続された断面構造を有する。
さらに、接地面425に関しては、以下の点を考慮して作製する。接地面425は例えばTi/Auなどの金属材料などにより形成される。接地面425は、アンテナとして機能するゲート電極411の反射面として機能する。本来、接地面425を有しない線状アンテナはゲート幅方向(長手方向)に直交する面内にて円状の指向性を示す。しかしながら、接地面425を配置することによって、線状アンテナの指向性を接地面425と直交する方向(素子の表面側)に単峰性の指向性を持たせる効果がある。つまり、素子の表面側における指向性利得が向上し、高効率にテラヘルツ波を受信することが可能となる。ゲート電極411から接地面425までの距離はどのような値であっても素子の表面側に単峰性の指向性を持たせる効果があるが、ゲート電極411から接地面425までの距離を高抵抗基板401の屈折率をnとした場合、λ1/4nに設定することでアンテナの利得が最大化される。
また、接地面425は必ずしも高抵抗基板401の裏面に金属を形成しなくてもよい。例えば、FET400aを表面が金属で覆われたパッケージなどに実装することで、高抵抗基板401と接しているパッケージ表面を接地面425として機能させることもできる。
また、高抵抗基板401上に高い導電性を有する半導体層を形成することで接地面425と等価の機能を与えることもできる。
このような構成とすることにより、周期構造体423がもつ集光機能によって、ダイポールアンテナに効率的にテラヘルツ波が集光され、FET400aは、高効率にテラヘルツ波を受信することが可能となる。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子を説明する。図12Aは、本発明の第5の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子500の構成(レイアウト)を示す表面図である。図12B(a)および(b)は、それぞれ、図12AのG−G’断面、図12AのH−H’断面を示す図である。第1の実施の形態および第4の実施の形態と共通する部分については説明を省略する。
第5の実施の形態においては、テラヘルツ波受信素子500は、基本的に第4の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子400と同様の構成を有し、主に1つのFET500aで構成されている。ただし、第4の実施の形態と異なり、ゲート配線514にキャパシタ524が接続されている。このキャパシタ524は、ゲート配線514のインピーダンスが、直流バイアスを透過させ、テラヘルツ波を透過させないインピーダンスとなる値に調整されている。
つまり、FET500aは、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するFETであり、図12Aに示されるように、一つの半導体基板(より厳密には、高抵抗基板501の上に形成された絶縁層522)上に形成された2つのフィンガーからなるマルチフィンガー構造を有する。具体的には、FET500aは、平面的には、ゲート電極511、ソース電極512、ドレイン電極513、ソース配線518、ソースパッド519、ドレイン配線520、および、ドレインパッド521を備える。また、ゲート配線514は、FET500aのゲート電極511のゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極511と直交するように配置されている。ゲートワイヤ516は、ゲート配線514と接続されたゲートパッド515に、ゲート電極511と直交する方向に接続されている。
また、FET500aの断面構造については、図12B(a)および(b)に示されるように、FET500aは、接地面525、高抵抗基板501、バッファ層502、電子供給層504、ゲート絶縁膜517、および、2次元電子チャネル層503を有する。また、周期構造体523は、図11B(b)に示されるように、FET500aの左右の両側のそれぞれにおいて、絶縁膜22上に形成され、共通の層上に複数の配線パターンが接続された断面構造を有する。
このような構成とすることにより、ゲートワイヤ516やゲート配線514等の配線部で受信してしまう不要なテラヘルツ波がゲート電極511に伝搬することなくキャパシタ524を通して接地部(図示されていないGND)に逃がすことが可能となり、ゲート電極411で受信した任意のテラヘルツ波のみを2次元電子チャネル層に高効率に伝搬することが可能となる。
以上のように、本発明に係るテラヘルツ波受信素子によれば、テラヘルツ波受信素子を構成するFETのゲート電極がテラヘルツ波に対応したダイポールアンテナとして機能し、効率よくテラヘルツ波を受信すると共に、電送線路を介することなくFETの2次元電子チャネル層に直接テラヘルツ波が伝えられ、これにより、テラヘルツ波が金属内を伝搬することに起因する導体損の発生が回避される。また、FETのゲート電極には、そのゲート幅方向(長手方向)における中央部に、ゲート電極と直交するように配置されたゲート配線およびゲートワイヤが設けられているので、ゲート配線およびゲートワイヤで受信されてしまう不要なテラヘルツ波による影響が除去される、受信特性における信号/雑音比の劣化が回避される。
(第6の実施の形態)
また、本発明に係るテラヘルツ波受信素子は、必ずしも、マルチフィンガー構造を有しなくてもよい。たとえば、図13Aのレイアウト図および図13Bの断面図に示されるような、マルチフィンガー構造を有していないテラヘルツ波受信素子600も、本発明に含まれる。このテラヘルツ波受信素子600は、1つのFET600aと、そのFET600aのゲート電極に接続された配線部(ゲート配線614、ゲートパッド615)により構成される。このFET600aは、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するFETであり、平面的には、図13Aに示されるように、高抵抗基板601、絶縁層622、ゲート電極611、ソース電極612、ドレイン電極613、ソース配線618、および、ドレイン配線620を備える。また、図13Bに示されるように、断面的には、接地面625、高抵抗基板601上に、バッファ層602、2次元電子チャネル層603、および、電子供給層604が形成されている。
このテラヘルツ波受信素子600では、ゲート配線614は、図13Aおよび図13Bに示されるように、FET600aのゲート電極611のゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極611と直交するように配置されている。よって、このような構造を有するテラヘルツ波受信素子600は、マルチフィンガー構造でない点を除いて、第1〜第5の実施の形態における一つのFETと同様の特徴を有するので、これらと同様の効果が奏される。
なお、図13Bに示される断面図では、ゲート配線614は、ソース電極612と立体的に交差しているが、本発明に係るテラヘルツ波受信素子におけるゲート配線の引き出し方法は、このような立体交差に限られず、たとえば、ソース電極612およびドレイン電極613との立体交差を避けるパスで形成されてもよい。
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子を説明する。図14Aは、本発明の第7の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子700の構成(レイアウト)を示す表面図である。図14Bは、図14Aの断面を示す図である。第1の実施の形態と共通する部分については説明を省略する。
第7の実施の形態においては、テラヘルツ波受信素子700は、主に1つのFET700aで構成されている。ただし、そのFET700aの周辺に、そのゲート電極711に接続された配線部(ゲート配線714、ゲートパッド715、および、ゲートワイヤ716)が付加されている点、および、その配線部の特徴は、第1の実施の形態と同様である。
つまり、FET700aは、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するFETであり、図14Aに示されるように、一つの半導体基板(より厳密には、高抵抗基板701の上に形成された絶縁層722)上に形成されている。具体的には、FET700aは、平面的には、ゲート電極711、ソース電極712、ドレイン電極713、ソース配線718、および、ドレイン配線720を備える。また、ゲート配線714は、FET700aのゲート電極711のゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極711と直交するように配置されている。ゲートワイヤ716は、ゲート配線714と接続されたゲートパッド715に、ゲート電極711と直交する方向に接続されている。
FET700aの断面構造については、図14Bに示されるように、FET700aは、接地面725、高抵抗基板701、バッファ層702、電子供給層704、ゲート絶縁膜717、および、2次元電子チャネル層703を有する。図14A(a)では、2次元電子チャネル層703の幅方向の長さがゲート電極711の幅方向の長さに対して1/2以下となる構成となっている。テラヘルツ帯においては2次元電子チャネル層のように電子濃度の高い物質は近似的に金属に近い振る舞いを示す。よって2次元電子チャネル層の形状や電子濃度によっては金属膜がゲートダイポールアンテナの直下に存在するのと等価の状態になり、配置や寸法によってはダイポールアンテナの利得を低下させる要因となる。また、2次元電子チャネル層の幅方向の長さがゲートダイポールアンテナの長さに近づくと、利得低下の影響が顕著になる。2次元電子チャネル層の幅方向の長さがゲートダイポールアンテナの長さの1/2以下になると、利得低下の影響がほぼ無視出来る程度にまで低減されることを確認した。このような構成とすることにより、2次元電子チャネル層がダイポールアンテナの利得を低下させることを抑制することが可能となり、高効率にテラヘルツ波を受信することが可能となる。
なお、図14A(b)に示すように、幅方向の長さの合計値がゲート電極711の幅方向の長さに対して1/2以下となるようにm個に分割された2次元電子チャネル層703を並列に並べることで、任意の2次元電子チャネル層の幅方向の長さの合計値を得ることが出来ると同時に、出力がm倍になり、高効率にテラヘルツ波を受信することが可能となる。
なお、これまで述べた第1〜第6の実施の形態、および、以下に述べる第8〜第10の実施の形態においても、2次元電子チャネル層の幅方向の長さがゲート電極の幅方向の長さに対して1/2以下となる構成とすることにより、同様の効果を得ることができる。ただし、第1の波長λ1が小さい(受信周波数が高い)場合、すなわち、対応するゲート電極の幅方向の長さが短い場合は、2次元電子チャネル層の幅方向の長さがゲート電極の幅方向の長さに対して1/2以下となる構成とすると、2次元電子チャネル層の幅方向の長さが極端に小さくなり、ソース電極、およびドレイン電極とのコンタクト抵抗が増加してしまう恐れがある。例えば、受信周波数が30THzのとき、2次元電子チャネル層の幅方向の長さが2.5μmとなり、ダイポールアンテナの利得の低下を抑制する効果を期待できる一方で、コンタクト抵抗の増加が懸念される。よって、本実施の形態の構成は、受信周波数が10THz以下の場合に適用することが好ましい。
(第8の実施の形態)
次に、本発明の第8の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子を説明する。図15は、本発明の第8の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子800の構成(レイアウト)を示す表面図である。第1の実施の形態と共通する部分については説明を省略する。
第8の実施の形態においては、テラヘルツ波受信素子800は、主に1つのFET800aで構成されている。ただし、そのFET800aの周辺に、そのゲート電極811に接続された配線部(ゲート配線814、ゲートパッド815、および、ゲートワイヤ816)が付加されている点、および、その配線部の特徴は、第1の実施の形態と同様である。
つまり、FET800aは、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するFETであり、図15に示されるように、一つの半導体基板(より厳密には、高抵抗基板801の上に形成された絶縁層822)上に形成されている。具体的には、FET800aは、平面的には、ゲート電極811、ソース電極812、ドレイン電極813、ソース配線818、ソースパッド819、ドレイン配線820、および、ドレインパッド821を備える。また、ゲート配線814は、FET800aのゲート電極811のゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極811と直交するように配置されている。ゲートワイヤ816は、ゲート配線814と接続されたゲートパッド815に、ゲート電極811と直交する方向に接続されている。ここで、図15においてはソース電極812の幅方向の長さがゲート電極811の幅方向の長さよりも大きく、ドレイン電極813の幅方向の長さがゲート電極811の幅方向の長さよりも小さくなる構成としている。さらにドレイン電極813を複数個配置する構成としている。
このような構成とすることにより、ソース電極812が反射器、ドレイン電極813が導波器として機能することにより、ダイポールアンテナの指向性利得が向上しテラヘルツ波受信効率を飛躍的に向上することが可能となる。
なお、図15においてはソース電極812を1つ、ドレイン電極813を複数配置する構成としたが、同様にソース電極812とドレイン電極813を入れ替えて配置した場合にも同様な効果が得られる。
(第9の実施の形態)
次に、本発明の第9の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子を説明する。図16は、本発明の第9の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子900の構成(レイアウト)を示す表面図である。第1の実施の形態と共通する部分については説明を省略する。
第9の実施の形態においては、テラヘルツ波受信素子900は、主に1つのFET900aで構成されている。ただし、そのFET900aの周辺に、そのゲート電極911に接続された配線部(ゲート配線914、ゲートパッド915、および、ゲートワイヤ916)が付加されている点、および、その配線部の特徴は、第1の実施の形態と同様である。
つまり、FET900aは、第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するFETであり、図16に示されるように、一つの半導体基板(より厳密には、高抵抗基板901の上に形成された絶縁層922)上に形成されている。具体的には、FET900aは、平面的には、ゲート電極911、ソース電極912、ドレイン電極913、ソース配線918、ソースパッド919、ドレイン配線920、ドレインパッド921、ダミー電極であるドレイン電極側無給電素子923、および、ソース電極側無給電素子924を備える。また、ゲート配線914は、FET900aのゲート電極911のゲート幅方向(長手方向)における中央部と接続され、かつ、ゲート電極911と直交するように配置されている。ゲートワイヤ916は、ゲート配線914と接続されたゲートパッド915に、ゲート電極911と直交する方向に接続されている。ここで、図16においてはゲート電極911からドレイン電極側無給電素子923およびソース電極側無給電素子924までの距離が第1の波長λ1の1/4になるように配置する構成としている。
このような構成とすることにより、ドレイン電極側無給電素子923が反射器、ソース電極側無給電素子924が導波器として機能することにより、ダイポールアンテナの指向性利得が向上しテラヘルツ波受信効率を飛躍的に向上することが可能となる。
なお、図16においてはソース電極912側に無給電素子(ソース電極側無給電素子924)を1つ、ドレイン電極913側に無給電素子(ドレイン電極側無給電素子923)を1つ配置する構成としたが、同様に無給電素子を複数個配置した場合にも同様な効果が得られる。
なお、図16においてはゲート電極911からドレイン電極側無給電素子923およびソース電極側無給電素子924までの距離が第1の波長λ1の1/4になるように配置する構成としたが、形状の最適化などを行うことにより距離を任意に変更しても同様の効果が得られる。ドレイン電極側無給電素子923およびソース電極側無給電素子924は、ダイポールアンテナから距離を離した方が、反射器および導波器としての効果が高い。本実施の形態のように、無給電素子をソース電極およびドレイン電極とは電気的に独立したダミー電極として設けることにより、無給電素子距離の自由度が高まる。無給電素子はダイポールアンテナであるゲート電極から、波長λ1の1/4の奇数倍の位置に形成することが好ましい。
以上、本発明のテラヘルツ波受信素子について、第1〜第9の実施の形態およびその応用例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態および応用例に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したもの、および、これらの実施の形態および応用例における構成要素を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明の範囲内に含まれる。
たとえば、第4〜第9の実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子は、1つのFETだけを備えたが、第1〜第3の実施の形態のように、異なる周波数の受信特性をもつ2つのFETを備えてもよい。さらに、それら2つのFETからの出力信号の差分を検出する差分検出回路として構成してもよい。
また、一般にダイポールアンテナの周囲に無給電素子を配置することにより、ダイポールアンテナの特性が変化することが知られている。よって、上記実施の形態におけるテラヘルツ波受信素子において、ソース電極およびドレイン電極を無給電素子として働くような配置および寸法としてもよい。たとえば、テラヘルツ波受信素子を構成するドレイン電極とゲート電極との間隔、および、ソース電極とゲート電極との間隔として、λ1/100以下にする。なお、無給電素子とは、0バイアスもしくは直流バイアスを与え、設計周波数の信号(本実施の形態では、波長λ1のテラヘルツ波)を与えない導体などで構成される素子のことである。これにより、ダイポールアンテナとして機能するテラヘルツ波受信素子のテラヘルツ波受信効率が飛躍的に向上される。
本発明は、高効率にテラヘルツ波を受信する装置として、特に、テラヘルツ波受信素子を用いた残留物質分析装置、非破壊検査装置、イメージング装置、通信装置などに利用可能であり、産業上の利用価値は高い。
100、150、200、300、350、400、500、600、700、800、900 テラヘルツ波受信素子
100a、100b、200a、200b、300a、300b、400a、500a、600a、700a、800a、900a 電界効果トランジスタ(FET)
101a、101b、201、301、401、501、601、701、801、901 高抵抗基板
102a、102b、202、302、402、502、602、702 バッファ層
103a、103b、203a、203b、303a、303b、403、503、603、703、803、903 2次元電子チャネル層
104a、104b、204、304、404、504、604、704 電子供給層
111a、111b、211a、211b、311a、311b、411、511、611、711、811、911 ゲート電極
112a、112b、212a、212b、312a、312b、412、512、612、712、812、912 ソース電極
113a、113b、213a、213b、313a、313b、413、513、613、713、813、913 ドレイン電極
114a、114b、214a、214b、314a、314b、414、514、614、714、814、914 ゲート配線
115a、115b、215a、215b、315a、315b、415、515、615、715、815、915 ゲートパッド
116a、116b、216a、216b、316、416、516、716、816、916 ゲートワイヤ
117a、117b、217a、217b、317a、317b、417、517、617、717 ゲート絶縁膜
118a、118b、218、318、418、518、618、718、818、918 ソース配線
119a、119b、219、319、419、519 ソースパッド
120a、120b、220a、220b、320a、320b、420、520、620、720、820、920 ドレイン配線
121a、121b、221a、221b、321a、321b、421、521 ドレインパッド
122a、122b、222、322、422、522、622、722、822、922 絶縁層
132、153a、153b 増幅器
151a、151b、152a、152b 直流電源
154 差動増幅器
351 光源
352 材料
423、523 周期構造体
524 キャパシタ
125a、125b、225、325、425、525、625、725 接地面
923 ドレイン電極側無給電素子
924 ソース電極側無給電素子

Claims (17)

  1. 第1の波長λ1のテラヘルツ波を受信するテラヘルツ波受信素子であって、
    2以上の半導体層のヘテロ接合により形成される2次元電子チャネル層、ゲート幅方向にλ1/2の長さを有するゲート電極、ドレイン電極およびソース電極を有する第1の電界効果トランジスタと、
    前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート幅方向における中央部と接続され、かつ、当該ゲート電極と直交するように配置された第1のゲート配線と
    を備えるテラヘルツ波受信素子。
  2. さらに、
    2以上の半導体層のヘテロ接合により形成される2次元電子チャネル層、ゲート幅方向に前記第1の波長λ1と異なる第2の波長λ2の1/2であるλ2/2の長さを有するゲート電極、ドレイン電極およびソース電極を有する第2の電界効果トランジスタと、
    前記第2の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート幅方向における中央部と接続され、かつ、当該ゲート電極と直交するように配置された第2のゲート配線と
    を備える請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  3. さらに、前記第1の電界効果トランジスタのドレイン電極からの出力信号と、前記第2の電界効果トランジスタのドレイン電極からの出力信号との差分を検出する回路を備える
    請求項2に記載のテラヘルツ波受信素子。
  4. 前記第1の電界効果トランジスタのドレイン電極およびソース電極は、それぞれ、前記第2の電界効果トランジスタのドレイン電極およびソース電極と同一形状である
    請求項3に記載のテラヘルツ波受信素子。
  5. 前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート幅方向における長さは前記第2の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート幅方向における長さの奇数倍である
    請求項4に記載のテラヘルツ波受信素子。
  6. 前記第1の電界効果トランジスタは、2つのフィンガーをもつマルチフィンガー構造を有し、
    前記第1の電界効果トランジスタの2つのフィンガーにおけるゲート電極は、ゲート幅方向における長さがλ1/4であり、前記λ1/2の長さを有するゲート電極を構成するようにゲート幅方向に接続されている
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  7. さらに、前記第1のゲート配線に接続され、かつ、前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極と直交するように配置されたワイヤを有する
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  8. さらに、前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極の周辺部に、金属により形成された周期構造体を有する
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  9. 前記第1のゲート配線は、直流バイアスを透過させ、テラヘルツ波を透過させないインピーダンスを有する
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  10. 前記第1の電界効果トランジスタのゲート電極のゲート長方向における幅は、前記第1の電界効果トランジスタの2次元電子チャネル層におけるプラズマ共鳴周波数が前記第1の波長λ1に対応する値となるのに適した値である
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  11. 前記第1の電界効果トランジスタのドレイン電極およびソース電極は、前記ゲート電極との間隔がλ1/100以下である
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  12. 前記第1の電界効果トランジスタの2次元電子チャネル層の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さに対して1/2以下である
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  13. 前記ソース電極と前記ドレイン電極とは、前記ゲート電極の幅方向の長さが異なる
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  14. 前記ソース電極の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さよりも小さく、
    前記ドレイン電極の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さよりも大きい
    請求項13に記載のテラヘルツ波受信素子。
  15. 前記ソース電極の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さよりも大きく、
    前記ドレイン電極の幅方向の長さが前記ゲート電極の幅方向の長さよりも小さい
    請求項13に記載のテラヘルツ波受信素子。
  16. 前記ソース電極または前記ドレイン電極が、ゲート長方向に並んで複数個配置されている
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
  17. 前記ソース電極または前記ドレイン電極に対しゲート長方向に並ぶ、給電しない電極を有する
    請求項1に記載のテラヘルツ波受信素子。
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