JP7453042B2 - イオナイザー及び除電システム - Google Patents
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Description
(1)チャンバと、前記チャンバ内に常温のイオン搬送ガスを供給するエア供給路と、前記チャンバ内に高温蒸気を供給する蒸気供給部と、前記チャンバ内に軟X線を照射する軟X線生成装置と、前記チャンバ内で生成されたイオン化気流を搬送する搬送路と、を備え、前記チャンバは、前記軟X線を透過する照射窓と、前記チャンバ内に配置され、前記照射窓を囲うように設けられた照射窓カバーと、を有し、前記エア供給路は、前記照射窓カバーの内部に前記イオン搬送ガスを供給し、前記照射窓カバーは、前記照射窓と対向に配置された開口を有している。
(構成)
第1の実施形態に係るイオナイザー100について図面を参照しつつ説明する。図1は、第1の実施形態に係るイオナイザーの全体構成を示す図である。図2は、第1の実施形態に係る照射窓カバーを拡大した構成図である。
エア供給路1は、チャンバ2に対して気体を供給する気体供給管である。エア供給路1には、例えば、パイプやチューブ等、気体をチャンバに供給できるものであれば種々のものを使用できる。チャンバ2に対して供給される気体としては、空気、N2ガス、Arガス等の不活性ガスがある。以下、チャンバ2に対して供給される気体を、イオン搬送ガスと表現する。
チャンバ2は、荷電粒子の生成を行う直方体の室である。チャンバ2の形状は直方体に限定されず、筒状等、他の形状とすることができる。チャンバ2の上流側の側面には蒸気供給口22が設けられ、後述する蒸気供給部3によって生成された高温蒸気がチャンバ2内に供給される。また、チャンバ2の下流側の側面にはエア搬送口23が設けられ、イオン化気流はチャンバ2内から搬送路5へ排出される。
蒸気供給部3は、高温蒸気を生成し、高温蒸気をチャンバ2内に供給する装置である。チャンバ2内に供給された高温蒸気を常温のイオン搬送ガスで冷却することで、純水の微粒子が生成される。
軟X線生成装置4は、純水の微粒子の近傍に軟X線を照射して軟X線で発生した正負イオンを純水の微粒子に付着させ、純水の微粒子を粗大な荷電粒子にするイオン化装置である。軟X線とは、3~9.5keV程度のエネルギーを有し、厚さ2mm程度の塩化ビニル板で容易に遮蔽できる程度の微弱なX線である。軟X線生成装置4は、チャンバ2の上面に設けられた開口24の上方に、チャンバ2の外部に突出するように配置されている。
搬送路5は、チャンバ2にて生成された荷電粒子を含むイオン化気流を、帯電体Eに供給する気体搬送路である。搬送路5は、具体的にはチューブ状の搬送路であり、例えば、樹脂製のチューブを用いてもよい。搬送路5の一端はチャンバ2のエア搬送口23に接続され、イオン化気流を搬送路5の他端側に位置する帯電体Eに供給する。
制御装置は、上述のとおり、イオナイザー100の各構成要素に接続されている。制御装置は、CPUやメモリを含み所定のプログラムで動作するコンピューターや専用の電子回路で構成される。制御装置には、入力部および出力部を有していてもよい。オペレータは入力部を介して設定値の入力や変更を行うことが可能である。また、オペレータは出力部を介して設定値や選択させる画面等を確認することが可能である。
次に、本実施形態のイオナイザーにおける帯電体Eの除電方法について説明する。蒸気供給部3は、高温蒸気を生成し、供給路31を介して、高温蒸気を蒸気供給口22からチャンバ2内に供給する。一方、エア供給路1を介して常温のイオン搬送ガスがエア供給口21からチャンバ2が有するバッファ室251内に供給される。バッファ室251に貯留されたイオン搬送ガスは、スリット254を介してスリット流となり、小チャンバ252に流入し、照射窓24aに向かって噴射される。そして、照射窓24aに噴射されたイオン搬送ガスは、開口255からチャンバ2内に放出される。
(1)以上に示したとおり、本実施形態に係るイオナイザー100は、チャンバ2と、チャンバ2内に常温のイオン搬送ガスを供給するエア供給路1と、チャンバ2内に高温蒸気を供給する蒸気供給部3と、チャンバ2内に軟X線を照射する軟X線生成装置4と、チャンバ2内で生成されたイオン化気流を搬送する搬送路と、を備える。
第2の実施形態に係るイオナイザーについて図面を参照しつつ説明する。なお、第1の実施形態のイオナイザーと同一の構成、機能については同一の符号を付してその説明は省略する。図3は、第2の実施形態に係るイオナイザーを示す構成図である。図3に示すように、本実施形態に係るイオナイザー100は、チャンバ2として微粒子生成チャンバ2a及び軟X線照射チャンバ2bを有する。また、微粒子生成チャンバ2aには、エア供給部1aが設けられている。軟X線照射チャンバ2bには、エア供給部1bが設けられている。
次に、本実施形態のイオナイザーにおける帯電体Eの除電方法について説明する。まず、エア供給口21aからイオン搬送ガスが微粒子生成チャンバ2a内に供給される。また、蒸気供給口22から高温蒸気が微粒子生成チャンバ2a内に供給される。そして、微粒子生成チャンバ2a内において高温蒸気がイオン搬送ガスによって冷やされ、純水の微粒子が生成される。この純水の微粒子は、高温蒸気及びイオン搬送ガスとともに、連絡口26から排出され、連絡管27を通って、連絡口28から軟X線照射チャンバ2b内に供給される。
(1)チャンバ2は、蒸気供給部3と接続する微粒子生成チャンバ2aと、微粒子生成チャンバ2aの下流側に配置され、軟X線が照射される軟X線照射チャンバ2bと、を有する。エア供給路1は、微粒子生成チャンバ2a内に常温の前記イオン搬送ガスを供給する第1のエア供給路1aと、軟X線照射チャンバ2b内に常温のイオン搬送ガスを供給する第2のエア供給路1bと、を有する。
第1の実施形態のチャンバ2及び第2の実施形態の軟X線照射チャンバ2bの周囲には、何も設けていなかった。しかし、チャンバ2及び軟X線照射チャンバ2bに保温部を設けてもよい。保温部は、チャンバ2及び軟X線照射チャンバ2bの外周囲を覆っていてもよいし、内周囲を覆っていてもよい。また、保温部が外周囲又は内周囲を覆う態様としては、外周囲又は内周囲全体を覆っていてもよいし、外周囲又は内周囲の一部を覆っていてよい。保温部は、発泡ウレタン等の断熱材を用いることができる。
次に、蒸気供給部3を備えるイオナイザー100の除電性能の検証実験について説明する。実施例の実験装置を図4に示す。また、比較例の実験装置を図5に示す。図4と図5を比較するとわかるように、実施例と比較例では、蒸気供給部3によって純水の微粒子を生成するか否かが異なる。なお、エア供給路1aから供給されたイオン搬送ガスをバイパスエアと称し、エア供給路1bから供給されたイオン搬送ガスをメインエアと称する。
・軟X線生成装置:浜松ホトニクス製 L6941
・搬送路:塩化ビニルチューブ(内径19mm、長さ約31cm)
・バイパスエア及びメインエアの温度:22.3℃
なお、表1に記載の搬送エアとは、バイパスエア及びメインエアの合計流量で、エアポンプ11から供給されたイオン搬送ガスの流量を示す。また、条件(a)で行ったものを実施例1及び比較例1とし、条件(b)で行ったものを実施例2及び比較例2とし、条件(c)で行ったものを実施例3及び比較例3とする。
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 エア供給路
1a エア供給路
1b エア供給路
11 エアポンプ
12 流量調整バルブ
13 流量計
14 フィルタ
2 チャンバ
2a 微粒子生成チャンバ
2b 軟X線照射チャンバ
21 エア供給口
21a エア供給口
21b エア供給口
22 蒸気供給口
23 エア搬送口
24 開口
24a 照射窓
25 照射窓カバー
251 バッファ室
252 小チャンバ
254 スリット
255 開口
26 連絡口
27 連絡管
28 連絡口
3 蒸気供給部
31 供給路
32 流量調整バルブ
4 軟X線生成装置
5 搬送路
51 粒径計測器
Claims (9)
- チャンバと、
前記チャンバ内に常温のイオン搬送ガスを供給するエア供給路と、
前記チャンバ内に高温蒸気を供給する蒸気供給部と、
前記チャンバ内に軟X線を照射する軟X線生成装置と、
前記チャンバ内で生成されたイオン化気流を搬送する搬送路と、
を備え、
前記チャンバは、
前記軟X線を透過する照射窓と、
前記チャンバ内に配置され、前記照射窓を囲うように設けられた照射窓カバーと、
を有し、
前記エア供給路は、前記照射窓カバーの内部に前記イオン搬送ガスを供給し、
前記照射窓カバーは、前記照射窓と対向に配置された開口を有していること、
を特徴とするイオナイザー。 - チャンバと、
前記チャンバ内に常温のイオン搬送ガスを供給するエア供給路と、
前記チャンバ内に高温蒸気を供給する蒸気供給部と、
前記チャンバ内に軟X線を照射する軟X線生成装置と、
前記チャンバ内で生成されたイオン化気流を搬送する搬送路と、
を備え、
前記チャンバは、
前記蒸気供給部と接続される微粒子生成チャンバと、
前記微粒子生成チャンバの下流側に配置され、前記軟X線生成装置が設けられた軟X線照射チャンバと、
を有し、
前記エア供給路は、
前記微粒子生成チャンバ内に常温の前記イオン搬送ガスを供給する第1のエア供給路と、
前記軟X線照射チャンバ内に常温の前記イオン搬送ガスを供給する第2のエア供給路と、
を有すること、
を特徴とするイオナイザー。 - 前記第1のエア供給路が前記微粒子生成チャンバ内に供給する前記イオン搬送ガスの流量は、前記第2のエア供給路が前記軟X線照射チャンバ内に供給する前記イオン搬送ガスの流量より多いこと、
を特徴とする請求項2に記載のイオナイザー。 - チャンバと、
前記チャンバ内に常温のイオン搬送ガスを供給するエア供給路と、
前記チャンバ内に高温蒸気を供給する蒸気供給部と、
前記チャンバ内に軟X線を照射する軟X線生成装置と、
前記チャンバ内で生成されたイオン化気流を搬送する搬送路と、
前記チャンバの周囲に設けられた保温部と、
を備えること、
を特徴とするイオナイザー。 - 前記照射窓カバーは、
供給された前記イオン搬送ガスを貯留し、一側面にスリットを有するバッファ室と、
前記バッファ室と前記スリットを介して接続され、内部に前記照射窓が配置された、前記開口を有する小チャンバと、
を有すること、
を特徴とする請求項1に記載のイオナイザー。 - 前記小チャンバは、前記スリットを延長するように設けられた、前記バッファ室より高さの低い室であること、
を特徴とする請求項5に記載のイオナイザー。 - 前記搬送路には、前記搬送路を流れる前記イオン化気流に含まれる荷電粒子の粒径を計測する粒径計測器が設けられていること、
を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のイオナイザー。 - イオナイザーと、前記イオナイザーに接続された制御装置と、を有する除電システムであって、
前記イオナイザーは、
チャンバと、
前記チャンバ内に常温のイオン搬送ガスを供給するエア供給路と、
前記チャンバ内に高温蒸気を供給する蒸気供給部と、
前記チャンバ内に軟X線を照射する軟X線生成装置と、
前記チャンバ内で生成されたイオン化気流を搬送する搬送路と、
を有し、
前記搬送路には、前記搬送路を流れる前記イオン化気流に含まれる荷電粒子の粒径を計測する粒径計測器が設けられ、
前記制御装置は、前記粒径計測器が計測した前記荷電粒子の粒径に基づいて前記蒸気供給部の加熱ヒータの制御を行うこと、
を特徴とする除電システム。 - 前記チャンバは、
前記軟X線を透過する照射窓と、
前記チャンバ内に配置され、前記照射窓を囲うように設けられた照射窓カバーと、
を有し、
前記エア供給路は、前記照射窓カバーの内部に前記イオン搬送ガスを供給し、
前記照射窓カバーは、前記照射窓と対向に配置された開口を有していること、
を特徴とする請求項8に記載の除電システム。
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