JP4230583B2 - 荷電粒子搬送式イオン化装置及び方法 - Google Patents

荷電粒子搬送式イオン化装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にクリーンルーム内で発生する静電気を除去するための荷電粒子搬送式イオン化装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体や液晶ディスプレイ(以下、LCD)等を製造するクリーンルームでは、静電気の発生が問題となっている。半導体製造のクリーンルームの場合は、低湿度環境であることや、ウエハ及び半導体素子を運搬するプラスチック容器が帯電しやすいこと等が静電気の発生の原因となっている。この静電気は、ウエハ表面上に塵埃を付着させたり、ウエハ上のICや半導体素子を破壊してしまい、製品の歩留りを低下させている。
【0003】
また、LCDの場合は、処理工程で異なる材質等と接触し、摩擦帯電による静電気が発生する。特に、このLCDに使用するガラス基板は、大面積で絶縁性が高く静電気が発生しやすいため、大量の静電気による静電破壊が製品の歩留りに影響を与えている。
【0004】
そこで、従来より、このようなクリーンルーム等の生産環境における静電気を除去する装置として、イオンにより帯電体の電荷を中和するイオン化装置が知られている。このイオン化装置は、正または負の電極に正または負の高電圧をそれぞれ印加することにより、コロナ放電を発生させる。そして、上記電極先端の周囲の空気を正と負とにイオン化し、このイオンを気流によって搬送して帯電体上の電荷を逆極性のイオンで中和する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなコロナ放電を利用したイオン化装置では、イオンの発生を容易にし、且つ発生したイオンの消耗を防止するために、電極は露出した状態で除電対象物の近傍に配設されている。このため、空気中の酸素がオゾン化し、シリコンウエハの表面が酸化される場合や、放電時に放電極から発生する電磁波により、精密機器やコンピュータ等の誤動作を引き起こす場合があった。また、コロナ放電により摩耗した電極から電極材が飛散したり、空気中の微量ガス成分がコロナ放電により粒子化して電極上に析出し、再飛散したりする場合があった。
【0006】
また、近年、半導体やLCD等の製造装置は年々小型化が進んでおり、従来のイオン化装置では製造装置内に最適な設置スペースを確保することが困難となってきている。すなわち、イオン化装置によって有効な除電を行うためには、イオンを発生させるための電極と除電対象物との間に適当なサイズの空間が必要であったが、近年の製造装置の小型化に伴い、イオン化装置のためにこのような設置スペースを取ることが困難になっている。
【0007】
更に、例えばLCDの製造工程においては、ガラス基板は接触・剥離により著しく帯電する。そのため、従来から、上述したようなイオン化装置により除電が行われている。しかし、生産装置の処理速度が速いために、ガラス基板は、完全には除電されずにカセットに収納されることが多い。このようなカセット内では、収納されたガラス基板とガラス基板との間が狭いため、従来のイオン化装置を使用した場合、イオン化した空気の流れが入っていかず、ガラス基板を除電することが困難であった。従って、そのような狭いスペースにおける静電気対策に対する要求も高まってきている。
【0008】
以上のような問題を解決するために、帯電体から離れた場所に設置されたイオン発生ユニット内でイオンを発生させ、そのイオンをチューブ等の搬送手段で搬送し、帯電体を除電する方式のイオン化装置が検討されている。この場合、イオン発生ユニットとしては、例えば軟X線を用いたものが知られている。この軟X線を用いた場合、空気又は非反応性ガスのいずれをイオン化してもオゾンが発生することが無く、電極材の飛散や空気中の不純物の堆積及び再飛散のような発塵も無く、且つ、電磁ノイズの発生も起こらない。
【0009】
また、イオン発生ユニットを帯電体から離れた場所に設置するため、製造装置内にイオン化装置のための設置スペースを取る必要が無く、また、イオンをチューブによって搬送することにより、帯電体近傍でイオンを発生させる従来のイオン化装置に比べて、狭いスペースに対しても除電を行うことができる。
【0010】
しかしながら、このようなチューブによりイオンを搬送するイオン化装置においては、発生したイオンの拡散速度が速いため、搬送中にイオンの一部がチューブの内壁に付着する場合があった。すなわち、付着することによってイオンが減少するため、チューブを長くすることが困難であり、イオンの搬送距離に限界があるという問題があった。
【0011】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、オゾンや電磁ノイズの発生及び発塵等を起こすことなく、狭いスペースに対しても除電を行うことのでき、且つ、イオンの搬送距離を長くすることできる荷電粒子搬送式イオン化装置及び方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、静電気を除去するために帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給するチューブと、前記チューブ内に供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化して正負イオンとするイオン化手段とを備えた荷電粒子搬送式イオン化装置、又は、静電気を除去するために、チューブにより帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給すると共に、前記チューブに供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化手段によってイオン化する荷電粒子搬送式イオン化方法において、次のような構成を有することを特徴としている。
【0013】
請求項1記載の発明は、前記チューブ内に供給するイオン搬送ガスを加湿する加湿手段と、前記加湿されたイオン搬送ガスを冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気を過飽和状態にして微小ミストを発生させる冷却手段と、前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備することを特徴としている。
【0014】
請求項12記載の発明は、請求項1記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、前記チューブ内に供給するイオン搬送ガスを加湿し、前記加湿したイオン搬送ガスを冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気を過飽和状態にして微小ミストを発生させ、前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給することを特徴としている。
【0015】
請求項1及び12記載の発明によれば、以下のような作用が得られる。すなわち、イオン搬送ガスを正負イオンにイオン化すると共に、イオン搬送ガスを加湿及び冷却することによりイオン搬送ガス中の水蒸気を過飽和状態にし、微小ミストを発生させる。これら正負イオンと微小ミストを混合することにより、正負イオンが微小ミストに衝突等により付着して、正負の粗大荷電粒子が生成される。この粗大荷電粒子がチューブによって帯電体の近傍に向かって搬送され、帯電体を中和して静電気を除去する。
【0016】
このように、正負イオンを粗大荷電粒子とすることにより、チューブ内において荷電粒子雲が自ら形成する電界によって、粗大荷電粒子のチューブの中央から内壁に移動する速度、すなわち拡散速度が著しく低下する。このため、搬送中にチューブの内壁に付着するイオンの量を減少させることができ、最終的に帯電体に供給するイオンの量が減少するのを防止することができる。従って、チューブを十分に長くすることが可能となり、従来に比較してイオンの搬送距離を延ばすことができる。
【0017】
請求項2記載の発明は、前記イオン搬送ガスとして空気を使用し、前記チューブ内に供給する前記空気を冷却することにより、該空気中の水蒸気を過飽和状態にして微小ミストを発生させる冷却手段と、前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備することを特徴としている。
【0018】
請求項13記載の発明は、請求項2記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、前記イオン搬送ガスとして空気を使用し、前記チューブ内に供給する前記空気を冷却することにより、該空気中の水蒸気を過飽和状態にして微小ミストを発生させ、前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給することを特徴としている。
【0019】
請求項2又は13記載の発明によれば、イオン搬送ガスとして空気を使用するため、請求項1又は12の加湿手段が不要である。すなわち、空気中の水蒸気が冷却されることによって過飽和状態となり、微小ミストが発生する。この微小ミストと正負イオンが混合することにより粗大荷電粒子が生成され、この粗大荷電粒子がチューブによって帯電体の近傍に搬送される。このため、請求項1又は12記載の発明と同様に、搬送中にチューブの内壁に付着するイオンの量を減少させることができ、イオンの搬送距離を長くすることができる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記水蒸気を含む前記イオン搬送ガスを零度以下に冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気から氷の微粒子を発生させる冷却手段と、前記正負イオンと前記氷の微粒子とを混合させて電荷を有する氷の微粒子である粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備し、前記チューブが、前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記氷の微粒子の有する電荷によって前記帯電体を除電し、同時に前記氷の微粒子によって前記帯電体の表面の微粒子を弾き飛ばすことにより前記帯電体表面を洗浄することを特徴としている。
【0021】
請求項14記載の発明は、請求項3記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、請求項12又は13記載の発明において、前記水蒸気を含む前記イオン搬送ガスを零度以下に冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気から氷の微粒子を発生させ、前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて電荷を有する氷の微粒子である粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給し、前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記氷の微粒子の有する電荷によって前記帯電体を除電し、同時に前記氷の微粒子によって前記帯電体表面の微粒子を弾き飛ばすことにより前記帯電体表面を洗浄することを特徴としている。
【0022】
請求項3又は14記載の発明によれば、イオン搬送ガス中の水蒸気が零度以下に冷却されることにより、氷の微粒子が発生する。この氷の微粒子が正負イオンによって荷電されることにより粗大荷電粒子となり、チューブによって帯電体の近傍に搬送される。このとき、氷の微粒子の有する電荷によって帯電体が除電されると同時に、氷の微粒子によって帯電体上の微粒子が弾き飛ばされる。このため、帯電体表面を洗浄することが可能となる。このように、質量の大きい固体の微粒子を物体表面に吹き付けて洗浄するため、水や空気等の流体を吹き付けて洗浄する場合に比べて、高い洗浄効果を得ることができる。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記イオン搬送ガスにオゾンを供給するオゾン発生装置を具備し、前記冷却手段が、前記水蒸気及び前記オゾンを含む前記搬送ガスを−80度以下に冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気から氷の微粒子を発生させると共に該イオン搬送ガス中のオゾンからオゾンの微小ミストを生成し、前記チューブが、前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記氷の微粒子及び前記オゾンの微小ミストの有する電荷によって前記帯電体を除電し、同時に前記氷の微粒子によって前記帯電体表面の微粒子を弾き飛ばすと共に、前記オゾンの微小ミストによって前記帯電体上の有機物を二酸化炭素と水とに分解して除去することにより、前記帯電体表面を洗浄することを特徴としている。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、イオン搬送ガス中にオゾンが供給され、そのイオン搬送ガスが−80度以下に冷却されることにより、氷の微粒子及びオゾンの微小ミストが生成され、粗大荷電粒子となり、チューブによって帯電体の近傍に搬送される。このとき、氷の微粒子及びオゾンの微小ミストの有する電荷によって帯電体が除電されると同時に、氷の微粒子によって帯電体上の微粒子が弾き飛ばされると共に、オゾンの微小ミストによって帯電体上の有機物が二酸化炭素と水とに分解され、除去される。このため、帯電体表面を効率よく洗浄することができる。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項1、2、3又は4記載の発明において、前記冷却手段が、低温窒素ガスを発生するガス発生手段であることを特徴としている。
請求項5記載の発明によれば、イオン搬送ガスが低温窒素ガスによって冷却され、イオン搬送ガス中の水蒸気が過飽和状態になって微小ミストが発生するか、あるいは水蒸気が氷の微粒子となる。そのため、簡単な構成で粗大荷電粒子を生成することができる。
【0026】
請求項6記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記チューブの出口近傍において該チューブ内の前記イオン搬送ガスを加熱して前記微小ミストを気化する再熱手段を具備することを特徴としている。
請求項6記載の発明によれば、例えば電気ヒータ等でチューブの出口近傍を加熱することにより、微小ミストが気化して正負イオンとなり、それらが帯電体に供給される。
【0027】
請求項7記載の発明は、ドライアイスの微小な粒子を含む低温の二酸化炭素ガスを発生する二酸化炭素発生手段と、前記正負イオンと前記ドライアイスの微小な粒子とを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備することを特徴としている。
【0028】
請求項15記載の発明は、請求項6記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、ドライアイスの微小な粒子を含む低温の二酸化炭素ガスを発生し、前記正負イオンと前記ドライアイスの微小な粒子とを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給することを特徴としている。
【0029】
請求項7又は15記載の発明によれば、以下のような作用が得られる。すなわち、二酸化炭素の微小な粒子、すなわちドライアイスの粒子を発生し、それと正負イオンとを混合させることにより、正負の粗大荷電粒子が生成される。この粗大荷電粒子をチューブによって搬送することにより、上述した請求項1、2、12又は13記載の発明と同様に、搬送中にチューブの内壁に付着するイオンの量を減少させることができ、イオンの搬送距離を長くすることができる。
【0030】
請求項8記載の発明は、ドライアイスの微小な粒子を含む低温の二酸化炭素ガスを発生する二酸化炭素発生手段と、前記正負イオンと前記ドライアイスの微小な粒子とを混合させて電荷を有するドライアイスの微小な粒子である粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備し、前記チューブが、前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記ドライアイスの微小な粒子の有する電荷によって前記帯電体を除電し、同時に前記ドライアイスの微小な粒子によって前記帯電体の表面の微粒子を弾き飛ばすことにより前記帯電体表面を洗浄することを特徴としている。
【0031】
請求項16記載の発明は、請求項8記載の発明を方法の観点から捉えたものであり、ドライアイスの微小な粒子を含む低温の二酸化炭素ガスを発生し、前記正負イオンと前記ドライアイスの微小な粒子とを混合させて電荷を有するドライアイスの微小な粒子である粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給し、前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記ドライアイスの微小な粒子を有する電荷によって前記帯電体を除電し、同時に前記ドライアイスの微小な粒子によって前記帯電体の表面の微粒子を弾き飛ばすことにより前記帯電体表面を洗浄することを特徴としている。
【0032】
請求項8又は16記載の発明によれば、ドライアイスの粒子を荷電した粗大荷電粒子を帯電体に供給するため、その電荷により帯電体が除電されると同時に、ドライアイスの粒子によって帯電体上の微粒子が弾き飛ばされ、帯電体表面を洗浄することができる。このように、質量の大きい固体の微粒子を物体の表面に吹き付けて洗浄することにより、水や空気等の流体を吹き付けて洗浄する場合に比べて、高い洗浄効果を得ることができる。
【0033】
請求項9記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記チューブの出口近傍において該チューブ内の前記イオン搬送ガスを加熱して前記ドライアイスの微小な粒子を昇華する再熱手段を具備することを特徴としている。
請求項9記載の発明によれば、例えば電気ヒータ等でチューブの出口近傍を加熱することにより、ドライアイスが昇華して正負イオンとなり、それらが帯電体に供給される。
【0034】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項記載の発明において、前記イオン化手段が、軟X線発生装置又は密封放射性同位元素であることを特徴としている。
請求項10記載の発明によれば、イオン化の際に、オゾン及び電磁ノイズの発生、及び発塵を無くすことができる。
【0035】
請求項11記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記イオン搬送ガスが、高純度の非反応性ガスであり、前記イオン化手段が、低エネルギー電子線発生手段、紫外線発生手段、あるいは、沿面放電又はコロナ放電発生手段であることを特徴としている。請求項11記載の発明によれば、ガスとして高純度N2 ガス等のオゾンを発生しない程度に酸素を含む非反応性ガスを使用することにより、オゾン及び電磁ノイズの発生、及び発塵を無くすことができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0037】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態によるイオン化装置の構成を示す模式図である。同図に示すように、イオン化装置は、粗大荷電粒子発生部10と、搬送部20と、再熱部30と、ミキシング部40とから構成されている。粗大荷電粒子発生部10には、クリーンルーム内等の空気、又は高純度N2 ガス等の非反応性ガスを(以下、イオン搬送ガスという)供給するガス供給手段である供給管4が設けられており、分岐管により2方向に配設されている。それぞれの供給管4a,4bは、バルブ5a,5b、流量計6a,6b及びメンブレン・フィルタ7a,7bを介して、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bの入口側に接続されている。
【0038】
なお、ここで「高純度N2 ガス」とは、負イオンを形成する程度の酸素や水蒸気を含み、且つ、その酸素濃度はオゾンを発生しない程度(5%程度以下)であるN2 ガスであるものとする。
【0039】
また、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bには、上記入口側に対向する出口側が搬送部20との接続部となっている。更に、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bの側面(又は上面)には、イオン化手段としてそれぞれ軟X線発生装置9a,9bが設けられている。これら軟X線発生装置9a,9bは、上記供給管4a,4bから供給されるイオン搬送ガスを、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8b内でそれぞれイオン化するように構成されている。ここで、軟X線発生部9a,9bのイオン発生チャンバ8a,8bとの接続部分には、軟X線照射窓11a,11bが設けられており、ここから第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8b内に軟X線が照射される。
【0040】
また、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bの側面(又は上面)には、加湿手段である水蒸気供給部12a,12bと、冷却手段である液体N2 ガスボンベ等を利用した低温ガス供給部13a,13bとが設けられている。すなわち、図示しない水蒸気発生装置及び低温ガス発生装置から、それぞれフィルタ14a,14b及び15a,15bを介して、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8b内に水蒸気とN2 ガス等の低温ガスとが供給される。なお、イオン搬送ガスとして空気を使用する場合、上記水蒸気供給部12a,12bを省略してもよい。
【0041】
この水蒸気供給部12a,12bから供給する水蒸気が、低温ガス供給部13a,13bから供給される低温ガスで冷却されることによって過飽和状態となり、微小ミストが発生する。そして、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8b内において、供給されるイオン搬送ガスに軟X線を照射することによって発生した正負のイオン(すなわち、微小荷電粒子)が、上記微小ミストに付着することにより正又は負のイオンを核とする粗大荷電粒子が生成される。なお、上記第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bは、請求項1、2及び7記載の粗大荷電粒子発生手段に対応している。
【0042】
更に、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8b内において、軟X線照射窓11a,11bより出口寄り、すなわち上記粗大荷電粒子の通る空間内に、ハニカム状のフィルタ電極16a,16bがそれぞれ設けられている。フィルタ電極16aには正極のDC高電圧電源17a、フィルタ電極16bには負極の高電圧電源17bがそれぞれ接続されている。すなわち、フィルタ電極16a,16bは、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bから取り出したい粗大荷電粒子と同極性の電圧が印加されることによって、反対極の粗大荷電粒子が吸収される。これにより、第1のイオン発生チャンバ8aでは正極の粗大荷電粒子、第2のイオン発生チャンバ8bでは負極の粗大荷電粒子が単極分離され、フィルタ電極16a,16bを通って第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bの出口側から搬送部20に供給される。
【0043】
また、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bの上記出口側には、搬送部20の搬送チューブ18a,18bが接続されている。この搬送チューブ18a,18bの材質としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン又は塩化ビニル等が使用される。
【0044】
また、再熱部30は、搬送チューブ18a,18bの出口手前に位置しており、電気ヒータ19a,19bによって搬送チューブ18a,18bの内部を加熱する構成となっている。すなわち、搬送チューブ18a,18b内の粗大荷電粒子を加熱することにより微小ミストが気化され、正又は負のイオンとなる。
【0045】
更に、再熱部30に接続されたミキシング部40では、上記搬送チューブ18aによって搬送され、再熱部30で取り出された正イオンと、搬送チューブ18bによって搬送され、再熱部30で取り出された負イオンと混合される。すなわち、搬送チューブ18a,18bの出口付近で正負のイオンが混合され、その出口の近傍に配置された帯電体Sに向けて供給される。
【0046】
[1−2.作用効果]
次に、上述した構成を有する本実施の形態の作用効果について説明する。すなわち、本実施の形態では、以下のようにして帯電体S上の電荷が除電される。まず、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bにおいて、供給管4a,4bから供給された空気もしくは非反応性ガスが、軟X線発生部9a,9bによって軟X線が照射されることにより、正負のイオンとなる。
【0047】
また、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8b内に、それぞれ、水蒸気供給部12a,12bから水蒸気が供給され、低温ガス供給部13a,13bから低温N2 ガス等の低温ガスが供給される。これにより、水蒸気供給部12a,12bから供給される水蒸気が低温ガスによって冷却され、過飽和状態となり、微小ミストが発生する。このため、発生した正負のイオン、すなわち微小荷電粒子が、微小ミストに付着することによって正負の粗大荷電粒子が生成される。
【0048】
そして、第1のイオン発生チャンバ8aにおいては、フィルタ電極16aに正極の電圧が印加されているため、フィルタ電極16aに負イオンから生成された粗大荷電粒子が吸収される。これにより、正イオンから生成された粗大荷電粒子がフィルタ電極16aを通って搬送部20に供給される。一方、第2のイオン発生チャンバ8bにおいては、フィルタ電極16bに負極の電圧が印加されているため、フィルタ電極16bに正イオンから生成された粗大荷電粒子が吸収される。これにより、負イオンから生成された粗大荷電粒子がフィルタ電極16bを通って搬送部20に供給される。
【0049】
このようにして搬送部20に供給される正負の粗大荷電粒子は、それぞれ搬送チューブ18a,18bによって再熱部30まで搬送される。そして、再熱部30において電気ヒータ19a,19bによって加熱されることにより、微小ミストが気化し、搬送チューブ18aでは正イオンとなり、搬送チューブ18bでは負イオンとなる。これらはミキシング部40において混合され、帯電体Sに供給されて帯電体Sの正負の電荷をそれぞれ中和する。
【0050】
上述したようなイオン発生チャンバ8a,8bにおいて発生する空気イオン、すなわち微小荷電粒子の直径は、正イオンの場合は1nm程度であり、負イオンの場合は正イオンより2〜3割程度小さい。これら正負のイオンの電気移動度は、それぞれ1.26×10-42 /Vs、1.56×10-42 /Vsである。
【0051】
ここで、図2に、荷電粒子の大きさに対する電気移動度を示す。このグラフに示すように、イオンが微小ミストに付着して生成される粗大荷電粒子の直径が0.1μmである場合、電気移動度は10-4cm2 /Vs(10-82 /Vs)まで低下する。この結果、搬送チューブ18a,18b内において荷電粒子雲が自ら形成する電界により、搬送チューブ18a,18bの中央から内壁に移動する荷電粒子の速度が著しく遅くなる。このため、搬送中に搬送チューブ18a,18bの内壁に付着するイオンの数を減少させることができ、最終的に帯電体Sに供給するイオンの数が減少するのを防止することができる。従って、搬送チューブ18a,18bを十分に長くすることが可能となり、イオンの搬送距離を従来に比べて延ばすことができる。
【0052】
また、本実施の形態では、イオン化源として軟X線を用いているため、空気もしくは非反応性ガスのいずれをイオン化してもオゾンが発生することが無い。また、電極材の飛散や空気中の不純物の堆積及び再飛散のような発塵が無く、且つ、電磁ノイズも発生しない。更に、別個に配置されたイオン発生チャンバ8a,8b内で発生した正負の粗大荷電粒子を、搬送チューブ18a,18bで帯電体S近傍まで搬送する構成であるため、例えばカセット内に収納したガラス基板の隙間等、狭いスペースに対しても除電を行うことができる。
【0053】
[2.第2の実施の形態]
[2−1.構成]
図3は、本発明の第2の実施の形態によるイオン化装置の構成を示す模式図である。同図において、上述した図1に示す第1の実施の形態と同様の部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
上述した第1の実施の形態では、粗大荷電粒子発生部10として、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8b内で正負イオンの発生と粗大荷電粒子の発生とを行っていたが、本実施の形態では、イオン発生部101と粒子発生部102とが別個に設けられている。すなわち、粗大荷電粒子発生部10は、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bから構成されるイオン発生部101と、イオンから粗大荷電粒子を生成する粒子発生部102とからなる。
【0055】
従って、第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bにおいて、軟X線発生部9a,9bにより、供給管4a,4bから供給される空気又は非反応性ガスがイオン化される。そして、第1のイオン発生チャンバ8aでは、フィルタ電極16aに負イオンが吸収されることにより、正イオンが単極分離され、第2のイオン発生チャンバ8bでは、フィルタ電極16bに正イオンが吸収されることにより、負イオンが単極分離されるようになっている。
【0056】
また、粒子発生部102には、ケーシング21a,21bが設けられており、それぞれ第1及び第2のイオン発生チャンバ8a,8bから発生する正負のイオンが供給されるようになっている。更に、ケーシング21a,21bの側面(又は上面)には、水蒸気供給部12a,12bと低温ガス供給部13a,13bとが設けられており、それぞれケーシング21a,21b内部に水蒸気とN2 ガス等の低温ガスとを供給するようになっている。すなわち、ケーシング21a,21b内部において、第1の実施の形態と同様に、水蒸気を低温ガスで冷却することにより過飽和状態にし、微小ミストを発生させる構成となっている。そして、これらケーシング21a,21b内部に供給される正負のイオンが、上記微小ミストに付着することによって、粗大荷電粒子が生成されるようになっている。
【0057】
また、上記粒子発生部102は搬送部20に接続されており、各ケーシング21a,21bから発生する正負の粗大荷電粒子が、搬送チューブ18a,18bに供給される。
【0058】
[2−2.作用効果]
次に、上述した構成を有する本実施の形態の作用効果について説明する。すなわち、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同様に帯電体S上の電荷が除電される。すなわち、イオン発生部101の第1のイオン発生チャンバ8aで発生した正負のイオンのうち、負イオンがフィルタ電極16aに吸収され、正イオンがフィルタ電極16bを通って粒子発生部102のケーシング21aに供給される。一方、第2のイオン発生チャンバ8bでは、正イオンがフィルタ電極16bに吸収され、負イオンがフィルタ電極16bを通ってケーシング21bに供給される。
【0059】
このとき、ケーシング21a,21b内部に、水蒸気供給部12a,12bから水蒸気が供給されると共に、低温ガス供給部13a,13bからN2 ガス等の低温ガスが供給される。これにより、水蒸気供給部12a,12bから供給される水蒸気が低温ガスによって冷却され、過飽和状態となり、微小ミストが発生する。このため、発生した正負のイオン、すなわち微小荷電粒子が、微小ミストに付着することによってイオンを核とする粗大荷電粒子が生成される。
【0060】
これら正負の粗大荷電粒子は、第1の実施の形態と同様に、それぞれ搬送チューブ18a,18bによって搬送され、再熱部30において電気ヒータ19a,19bによって加熱することにより、微小ミストが気化して正負のイオンとなる。そして、ミキシング部40において混合され、帯電体Sに供給されて帯電体Sの正負の電荷をそれぞれ中和する。
【0061】
以上のように、本実施の形態により、第1の実施の形態と同様に、搬送チューブ18a,18b内において荷電粒子雲が自ら形成する電界により、荷電粒子の搬送チューブ18a,l8bの中央から内壁に移動する速度が著しく遅くなる。このため、搬送中に搬送チューブ18a,18bに付着するイオンの量を減少させることができ、イオンの搬送距離を長くすることが可能となる。
【0062】
[3.他の実施の形態]
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すような各種態様も可能である。すなわち、具体的な各部材の形状、あるいは取付位置及び方法は適宜変更可能である。例えば、上述した各実施の形態のように単極の粗大荷電粒子を別々に搬送する構成ではなく、両極の粗大荷電粒子を搬送する構成であってもよい。
【0063】
また、水蒸気を含むイオン搬送ガスを冷却する手段としては、窒素に限らず、他の低温ガスであってもよい。更に、イオン発生チャンバの一部あるいは全体を液体窒素、水等の冷媒あるいは熱電冷凍素子等で冷却し、間接的にイオン搬送ガスを冷却する方法であってもよい。
【0064】
また、水蒸気と低温窒素ガスとにより微小ミストを発生するのではなく、微小ミストの大きさ(サブミクロンオーダー)に対応するドライアイスの粒子を生成するようにしてもよい。そして、そのような粒子を含む二酸化炭素ガスをノズルによってイオン発生チャンバ8a,8b又はケーシング21a,21b(図3)内に吹き込み、正負イオンで荷電する。この場合、二酸化炭素の発生手段として液化炭酸ガスを使用することができる。
【0065】
そして、水蒸気を用いた場合と同様に、ドライアイスの粒子を正負イオンで荷電した粗大荷電粒子を搬送チューブ18a,18bで搬送し、再熱部30で加熱してドライアイスの粒子を昇華し、残った正負イオンで帯電体Sを除電する。
【0066】
また、このようにドライアイスの粒子を搬送する方式の場合、再熱部30を設けずに、搬送チューブ18a,18bで搬送した粗大荷電粒子をそのまま帯電体Sに供給する構成としてもよい。これにより、帯電体Sを除電すると同時に、ドライアイスの粒子によって帯電体S上の微粒子を弾き飛ばし、帯電体Sの表面を洗浄することができる。
【0067】
更に、水蒸気を用いる場合でも、水蒸気を冷却する際に零度以下まで冷却することにより、氷の微粒子を発生するようにしてもよい。これにより、上記ドライアイスの粒子と同様に、氷の微粒子によって帯電体S上の微粒子を弾き飛ばしてその表面を洗浄することができる。このように、質量の大きな固体の微粒子を物体の表面に吹き付けて洗浄する方法は、水や空気等の流体を吹き付けて洗浄する方法に比べて洗浄効果が高い。
【0068】
また、イオン化手段としては、軟X線発生装置に限らず、低エネルギー電子線発生装置、密封放射性同位元素、紫外線発生装置、あるいは、沿面放電又はコロナ放電発生装置等でもよい。なお、低エネルギー電子線発生装置としては、例えばウシオ電機株式会社製の超小型電子ビーム照射管チューブを使用して、数10kVの低い動作電圧で電子ビーム(ソフトエレクトロン)を取り出すものを使用することができる。
【0069】
また、上記低エネルギー電子線発生装置、紫外線発生装置、あるいは、沿面放電又はコロナ放電発生装置によってイオン化する場合は、オゾンの発生を防止するために、高純度N2 ガス等のような非反応性ガスをイオン化する。更に、低エネルギー電子線発生装置、紫外線発生装置等を使用する場合は、軟X線発生装置の場合と同様に、イオン発生チャンバ8a,8bに設けられた照射窓を介して各線を照射させるが、密封放射性同位元素を使用する場合は、それ自体をイオン発生チャンバ内に設置する。また、沿面放電又はコロナ放電発生装置を使用する場合は、イオン発生部をイオン発生チャンバ8a,8b内に設置する。
【0070】
更に、上述した各実施の形態におけるイオン化装置において、オゾン発生装置を設けてイオン搬送ガスにオゾンを供給するようにしてもよい。この場合、オゾンは−80℃以下で液化するため、イオン搬送ガスを低温N2 ガス等で−80℃以下に冷却することによってオゾンの微小ミストと氷の微粒子とを生成し、再熱することなしに帯電体Sに供給する。これにより、氷の微粒子とオゾンの微小ミストの有する電荷によって帯電体Sが除電されると共に、帯電体S上の微粒子が氷の微粒子によって除去される。また、オゾンは強力な酸化作用で有機物を分解する性質を有するため、このオゾンの微小ミストにより、帯電体S上の有機物が二酸化炭素と水とに分解され、除去される。このように、氷の微粒子とオゾンの微小ミストにより、帯電体S表面を洗浄することが可能となる。
【0071】
[4.実験結果]
ここで、図4に、微小荷電粒子(イオン)を粗大化して搬送し、帯電体を除電する実験装置の概略図を示す。この実験装置では、正に帯電した金属プレートを負の粗大荷電粒子によって除電するようになっている。同図において、エアポンプ51、バルブ52及び流量計53を介して、空気を110L/minで取り込むようになっている。また、この空気を、T字継手54を介して、低温窒素ガス発生装置55から発生する低温窒素ガスと混合させる。
【0072】
低温窒素ガス発生装置55は、液体窒素(沸点:―196℃)を入れたポリエチレン製の容器56を、常温の水が入った水槽57内に配置した構成となっている。すなわち、容器56内の液体窒素を水槽57内の水によって気化することにより、低温窒素ガスを発生するようになっている。
このような低温窒素ガスと混合することにより、空気中の水蒸気が過飽和状態となる。そして、このような空気を、イオン発生チャンバ58内に吹き込む。
【0073】
イオン発生チャンバ58は、幅が約5cm、高さが約5cm、及び長さが約25cmとなっており、上面もしくは側面に照射窓59を介して軟X線発生装置60が設けられている。すなわち、この軟X線発生装置60から発生する軟X線が、照射窓59を通してイオン発生チャンバ58内に照射され、イオン発生チャンバ58内に正負のイオンが発生するようになっている。
【0074】
上述したように、イオン発生チャンバ58内に吹き込まれる空気は、水蒸気が過飽和状態となっているため、微小ミストを含んでいる。従って、イオン発生チャンバ58内では、軟X線によって発生した正負のイオンが上記微小ミストに付着することにより正負の粗大荷電粒子が発生する。
【0075】
また、イオン発生チャンバ58内において、出口近傍にはハニカム状のフィルタ電極61が設けられており、このフィルタ電極61より入口側の内壁面には背面電極62が形成されている。これらフィルタ電極61及び背面電極62には、負の高圧電源63により負の高電圧が印加されている。これにより、上述したように発生した正負の粗大荷電粒子のうち正の粗大荷電粒子が、フィルタ電極61及び背面電極62に吸収され、負の粗大荷電粒子のみが搬送チューブ64に流れ込む。この搬送チューブ64は、テフロン製であって、内径が約15mm、長さが約2mとなっている。
【0076】
また、上記搬送チューブ64の出口近傍に、例えば米国イオンシステムズ社製CPM210のような帯電プレートモニタ65の15cm×15cmの金属プレート66を配置する。そして、搬送チューブ64から、負の粗大荷電粒子雲を含む空気を金属プレート66に吹き付ける。ここで、金属プレート66は予め+1kVに帯電しており、帯電プレートモニタ65により、この金属プレート66が負の粗大荷電粒子によって中和され+0.1kVに電位が減衰するまでの時間を測定する。すなわち、この電位減衰時間が短い程、搬送チューブ64によって搬送されてくる負の粗大荷電粒子の数が多いことが分かる。
【0077】
また、予め、イオン発生チャンバ58内でイオンを粗大化させずに負のイオンをそのまま搬送チューブ64にて搬送し、金属プレート66に吹き付けた場合の時間を測定しておく。この結果、イオンを粗大化させない場合、電位減衰時間は約30秒であったのに対し、イオンを粗大化した場合、すなわち粗大荷電粒子を生成して搬送した場合は、電位減衰時間は1秒以下であった。
【0078】
以上のことから、微小荷電粒子であるイオンを粗大化して粗大荷電粒子とすることにより、チューブ内壁に付着するイオンの量を低減することができ、多くのイオンを搬送することが可能となる。
なお、上記実験装置では負の粗大荷電粒子を搬送する場合について示したが、正の粗大荷電粒子の場合も同様である。また、両極イオンを粗大化し搬送する場合も同様である。
【0079】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、微小荷電粒子である正負イオンを微小ミスト等と混合することによって粗大荷電粒子とし、この粗大荷電粒子をチューブによって搬送するため、搬送中にチューブの内壁に付着するイオンの量を減少させることができる。そのため、イオンの搬送距離を長くすることができる。また、そのため、狭いスペースに対しても十分に除電を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による荷電粒子搬送式イオン化装置の構成を示す模式図である。
【図2】荷電粒子の大きさに対する電気移動度を示すグラフである。
【図3】本発明の第2の実施の形態による荷電粒子搬送式イオン化装置の構成を示す模式図である。
【図4】微小荷電粒子を粗大化して搬送する実験装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
10…粗大荷電粒子発生部
20…搬送部
30…再熱部
40…ミキシング部
4,4a,4b…供給管
5a,5b…バルブ
6a,6b…流量計
7a,7b…メンブレン・フィルタ
8a…第1のイオン発生チャンバ
8b…第2のイオン発生チャンバ
9a,9b…軟X線発生装置
11a,11b…軟X線照射窓
12a,12b…水蒸気供給部
13a,13b…低温ガス供給部
14a,14b,15a,15b…フィルタ
16a,16b…フィルタ電極
17a,17b…DC高電圧電源
18a,18b…搬送チューブ
19a,19b…電気ヒータ
101…イオン発生部
102…粒子発生部
21a,21b…ケーシング

Claims (16)

  1. 静電気を除去するために帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給するチューブと、前記チューブ内に供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化して正負イオンとするイオン化手段とを備えた荷電粒子搬送式イオン化装置において、
    前記チューブ内に供給するイオン搬送ガスを加湿する加湿手段と、
    前記加湿されたイオン搬送ガスを冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気を過飽和状態にして微小ミストを発生させる冷却手段と、
    前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備することを特徴とする荷電粒子搬送式イオン化装置。
  2. 静電気を除去するために帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給するチューブと、前記チューブ内に供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化して正負イオンとするイオン化手段とを備えた荷電粒子搬送式イオン化装置において、
    前記イオン搬送ガスとして空気を使用し、前記チューブ内に供給する前記空気を冷却することにより、該空気中の水蒸気を過飽和状態にして微小ミストを発生させる冷却手段と、
    前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備することを特徴とする荷電粒子搬送式イオン化装置。
  3. 前記水蒸気を含む前記イオン搬送ガスを零度以下に冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気から氷の微粒子を発生させる冷却手段と、
    前記正負イオンと前記氷の微粒子とを混合させて電荷を有する氷の微粒子である粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備し、
    前記チューブは、前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記氷の微粒子の有する電荷によって前記帯電体を除電し、同時に前記氷の微粒子によって前記帯電体表面の微粒子を弾き飛ばすことにより前記帯電体表面を洗浄することを特徴とする請求項1又は2記載の荷電粒子搬送式イオン化装置。
  4. 前記イオン搬送ガスにオゾンを供給するオゾン発生装置を具備し、
    前記冷却手段は、前記水蒸気及び前記オゾンを含む前記搬送ガスを−80度以下に冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気から氷の微粒子を発生させると共に該イオン搬送ガス中のオゾンからオゾンの微小ミストを生成し、前記チューブは、前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記氷の微粒子及び前記オゾンの微小ミストの有する電荷によって前記帯電体を除電し、同時に前記氷の微粒子によって前記帯電体表面の微粒子を弾き飛ばすと共に、前記オゾンの微小ミストによって前記帯電体上の有機物を二酸化炭素と水とに分解して除去することにより、前記帯電体表面を洗浄することを特徴とする請求項3記載の荷電粒子搬送式イオン化装置。
  5. 前記冷却手段は、低温窒素ガスを発生するガス発生手段であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の荷電粒子搬送式イオン化装置。
  6. 前記チューブの出口近傍において該チューブ内の前記イオン搬送ガスを加熱して前記微小ミストを気化する再熱手段を具備することを特徴とする請求項1又は2記載の荷電粒子搬送式イオン化装置。
  7. 静電気を除去するために帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給するチューブと、前記チューブ内に供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化して正負イオンとするイオン化手段とを備えた荷電粒子搬送式イオン化装置において、
    ドライアイスの微小な粒子を含む低温の二酸化炭素ガスを発生する二酸化炭素発生手段と、
    前記正負イオンと前記ドライアイスの微小な粒子とを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備することを特徴とする荷電粒子搬送式イオン化装置。
  8. 静電気を除去するために帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給するチューブと、前記チューブ内に供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化して正負イオンとするイオン化手段とを備えた荷電粒子搬送式イオン化装置において、
    ドライアイスの微小な粒子を含む低温の二酸化炭素ガスを発生する二酸化炭素発生手段と、
    前記正負イオンと前記ドライアイスの微小な粒子とを混合させて電荷を有するドライアイスの微小な粒子である粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給する粗大荷電粒子発生手段とを具備し、
    前記チューブは、前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記ドライアイスの微小な粒子の有する電荷によって前記帯電体を除電し、同時に前記ドライアイスの微小な粒子によって前記帯電体の表面の微粒子を弾き飛ばすことにより前記帯電体表面を洗浄することを特徴とする荷電粒子搬送式イオン化装置。
  9. 前記チューブの出口近傍において該チューブ内の前記イオン搬送ガスを加熱して前記ドライアイスの微小な粒子を昇華する再熱手段を具備することを特徴とする請求項7記載の荷電粒子搬送式イオン化装置。
  10. 前記イオン化手段は、軟X線発生装置又は密封放射性同位元素であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の荷電粒子搬送式イオン化装置。
  11. 前記イオン搬送ガスは、高純度の非反応性ガスであり、前記イオン化手段は、低エネルギー電子線発生手段、紫外線発生手段、あるいは、沿面放電又はコロナ放電発生手段であることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子搬送式イオン化装置。
  12. 静電気を除去するために、チューブにより帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給すると共に、前記チューブに供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化手段によってイオン化する荷電粒子搬送式イオン化方法において、
    前記チューブ内に供給するイオン搬送ガスを加湿し、
    前記加湿したイオン搬送ガスを冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気を過飽和状態にして微小ミストを発生させ、
    前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給することを特徴とする荷電粒子搬送式イオン化方法。
  13. 静電気を除去するために、チューブにより帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給すると共に、前記チューブに供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化手段によってイオン化する荷電粒子搬送式イオン化方法において、
    前記イオン搬送ガスとして空気を使用し、
    前記チューブ内に供給する前記空気を冷却することにより、該空気中の水蒸気を過飽和状態にして微小ミストを発生させ、
    前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給することを特徴とする荷電粒子搬送式イオン化方法。
  14. 前記水蒸気を含む前記イオン搬送ガスを零度以下に冷却することにより、該イオン搬送ガス中の水蒸気から氷の微粒子を発生させ、
    前記正負イオンと前記微小ミストとを混合させて電荷を有する氷の微粒子である粗大荷電粒子とし、
    該粗大荷電粒子を前記チューブに供給し、
    前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記氷の微粒子の有する電荷によって前記帯電体を除電し、同時に前記氷の微粒子によって前記帯電体表面の微粒子を弾き飛ばすことにより前記帯電体表面を洗浄することを特徴とする請求項12又は13記載の荷電粒子搬送式イオン化方法。
  15. 静電気を除去するために、チューブにより帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給すると共に、前記チューブに供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化手段によってイオン化する荷電粒子搬送式イオン化方法において、
    ドライアイスの微小な粒子を含む低温の二酸化炭素ガスを発生し、
    前記正負イオンと前記ドライアイスの微小な粒子とを混合させて粗大荷電粒子とし、
    該粗大荷電粒子を前記チューブに供給することを特徴とする荷電粒子搬送式イオン化方法。
  16. 静電気を除去するために、チューブにより帯電体の近傍に向かってイオン搬送ガスを供給すると共に、前記チューブに供給するイオン搬送ガスの一部をイオン化手段によってイオン化する荷電粒子搬送式イオン化方法において、
    ドライアイスの微小な粒子を含む低温の二酸化炭素ガスを発生し、
    前記正負イオンと前記ドライアイスの微小な粒子とを混合させて電荷を有するドライアイスの微小な粒子である粗大荷電粒子とし、該粗大荷電粒子を前記チューブに供給し、
    前記粗大荷電粒子を前記帯電体の近傍に供給することにより、前記ドライアイスの微小な粒子を有する電荷によって前記帯電体を除電し、
    同時に前記ドライアイスの微小な粒子によって前記帯電体の表面の微粒子を弾き飛ばすことにより前記帯電体表面を洗浄することを特徴とする荷電粒子搬送式イオン化方法。
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