JP7452166B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関するものであり、例えば、温度検出部を備えた定着装置及びこのような定着装置を備える画像形成装置に適用して好適なものである。
電子写真方式の画像形成装置は、現像剤で形成した画像(現像剤像とも呼ぶ)を用紙などの媒体に転写した後、媒体に転写した画像(現像剤像)を、定着装置としての定着器により媒体に定着させるようになっている。
このような画像形成装置が備える定着器は、例えば、筒状のベルトで形成された定着部材と、円柱状のローラで形成された加圧部材とを当接させながら回転させ、搬送されてくる媒体を、定着部材と加圧部材とが当接する部分(ニップ部)で挟んで加熱及び加圧することにより、媒体上に形成された画像(現像剤像)を加熱溶融して媒体上に定着させるようになっている。
従来、このような定着器として、例えば、定着部材のニップ部(つまり加圧部材と当接する部分)の内側に、定着部材を加熱する加熱部材が設けられ、さらにこの加熱部材の内側に、加熱部材の温度を検出する温度検出部が設けられたものがある(例えば特許文献1参照)。この温度検出部は、加熱部材と接触するように設けられた温度検出素子を有していて、この温度検出素子により、加熱部材の温度を検出するようになっている。
特開2002-181630号公報
また従来、画像形成装置が備える定着器として、定着部材と加圧部材とを当接させるニップ状態と、定着部材と加圧部材とを離間させるリリース状態とに遷移可能な構造を有するものがある。このような定着器では、正確に加熱部材の温度を検出することが難しかった。
本発明は以上の点を考慮したものであり、加熱部材の温度を検出する精度を向上させることができる定着装置及び画像形成装置を提案しようとするものである。
本発明は、定着部材と加圧部材とを備え、前記定着部材と前記加圧部材とを当接させるニップ状態と、前記定着部材と前記加圧部材とを離間させるリリース状態とに遷移可能な定着装置であり、前記定着部材の内側に設けられ、当該定着部材を加熱する加熱部材と、前記加熱部材よりも前記定着部材の内側に設けられ、当該加熱部材の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部を前記加熱部材に近づける方向に付勢する付勢部材とを備え、前記温度検出部は、前記付勢部材により前記加熱部材に近づく方向に付勢される本体部と、前記本体部に設けられ、当該本体部と前記加熱部材との間に位置する弾性部材と、前記弾性部材の前記加熱部材側と接触する接触部分に設けられた温度検出素子とを有し、前記付勢部材の付勢力が、前記弾性部材の弾性力よりも大きく、前記ニップ状態及び前記リリース状態のときに、前記付勢部材の付勢力により前記温度検出素子を前記加熱部材に接触させた状態を維持する。
これにより、定着部材と加圧部材とが当接するニップ状態と、定着部材と加圧部材とが離間するリリース状態とのどちらの状態であろうと、常に付勢部材の付勢力により温度検出部の本体部を加熱部材に近づける方向に付勢して、弾性部材とともに温度検出素子を確実に加熱部材に押し付けることができる。
本発明は、加熱部材の温度検出精度を向上させることができる定着装置及び画像形成装置を実現できる。
画像形成装置の全体構成を示す側断面図である。 定着器の全体構成を示す側断面図である。 ヒータ保持部材及びベルト支持部の構成を示す斜視図及び断面図である。 ニップ状態及びリリース状態のときの定着ベルトと加圧ローラを示す側断面図である。 ニップ状態及びリリース状態のときのニップ部周辺を拡大した側断面図である。 ヒータ保持部材の外観構成を示す斜視図である。 サーミスタの構成を示す斜視図及び断面図である。 ニップ状態及びリリース状態のときにサーミスタと加熱部材とが接触する様子を示す断面図である。 比較対象となる定着器の一部を拡大した側断面図である。 比較対象となる定着器がニップ状態からリリース状態へと遷移したときにサーミスタと加熱部材とが離れる様子を示す断面図である。 ヒータ保持部材からストッパの機能を省略した構成を示す断面図である。
以下、発明を実施するための形態(以下、これを実施の形態と呼ぶ)について、図面を用いて詳細に説明する。
[1.画像形成装置の全体構成]
図1に、第1の実施の形態による画像形成装置1の全体構成の概略を示す。尚、図1は、画像形成装置1の全体構成の概略を示す側断面図となっている。この図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタであり、略箱型の装置筐体2を有している。ここで、装置筐体2の図中右側を前面、図中左側を後面として、装置筐体2の前面から後面への方向を後方向、後面から前面への方向を前方向、装置筐体2の下側から上側への方向を上方向、装置筐体2の上側から下側への方向を下方向、装置筐体2の図中手前側から奥側への方向を右方向、装置筐体2の図中奥側から手前側への方向を左方向とする。
装置筐体2の内部には、その上部に、画像形成装置1で扱う複数色の現像剤(例えばブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色のトナー)の各々に対応する4個の画像形成ユニット3(3K、3Y、3M、3C)が、記録媒体としての用紙Pの搬送路Rに沿って前後方向に並べて設けられている。
各画像形成ユニット3(3K、3Y、3M、3C)は、感光体ドラム4(4K、4Y、4M、4C)と、トナーカートリッジ5(5K、5Y、5M、5C)と、LEDヘッド6(6K、6Y、6M、6C)とを有している。各画像形成ユニット3は、LEDヘッド6により感光体ドラム4の表面に光を照射して露光することで、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成した後、この静電潜像にトナーカートリッジ5から供給されるトナーを付着させることで、感光体ドラム4の表面にトナー像を形成する装置である。
さらに装置筐体2の内部には、画像形成ユニット3(3K、3Y、3M、3C)の下方に、転写ユニット7が設けられている。転写ユニット7は、搬送路Rに沿って前後方向に走行自在に配設された環状の搬送ベルト8と、搬送ベルト8の上側の直線部分を間に挟んで感光体ドラム4(4K、4Y、4M、4C)の下方に対向配置された転写ローラ9(9K、9Y、9M、9C)とを有している。
転写ローラ9(9K、9Y、9M、9C)は、用紙Pが、感光体ドラム4(4K、4Y、4M、4C)と搬送ベルト8の上側の直線部分との間を通過する際に、用紙Pをトナーとは逆極性に帯電させることで、感光体ドラム4(4K、4Y、4M、4C)上に形成された各色のトナー像を用紙Pに転写する部材である。
さらに装置筐体2の内部には、転写ユニット7の下方(つまり装置筐体2の下部)に、用紙Pを収容するトレイ10が設けられている。さらにこのトレイ10の近傍には、トレイ10に収容された用紙Pを1枚ずつ搬送路Rへと繰り出すホッピングローラ11が設けられている。さらに装置筐体2の内部には、トレイ10と転写ユニット7との間の搬送路R上に、用紙Pを搬送する搬送ローラ対などが設けられている。
さらに装置筐体2の内部には、転写ユニット7の用紙搬送方向下流側(つまり後方)に、定着装置としての定着器12が設けられている。定着器12は、上側の定着ベルト13と下側の加圧ローラ14とを備え、定着ベルト13と加圧ローラ14との間に形成されるニップ部を用紙Pが通過する際に、用紙Pを加熱及び加圧することで、用紙Pにトナー像を定着させる装置である。
さらに装置筐体2の上端部には、用紙Pが排出されるスタッカ15が設けられている。さらに装置筐体2の内部には、定着器12とスタッカ15との間の搬送路R上に、用紙Pをスタッカ15へと排出する排出ローラ対などが設けられている。画像形成装置1の全体構成は、以上のようになっている。尚、図1では省略しているが、装置筐体2の内部には、CPUなどで構成される制御基板などが設けられている。また装置筐体2の外部には、ユーザによる操作を受け付ける操作部などが設けられている。
ここで、画像形成装置1の動作について簡単に説明する。画像形成装置1は、トレイ10に収容されている用紙Pを、ホッピングローラ11により1枚ずつ搬送路Rへと繰り出す。搬送路Rへと繰り出された用紙Pは、転写ユニット7へと搬送され、転写ユニット7の搬送ベルト8により画像形成ユニット3K、3Y、3M、3Cへと順に搬送される。ここで、各画像形成ユニット3K、3Y、3M、3Cは、感光体ドラム4K、4Y、4M、4Cの表面上に各色のトナー像を形成する。このようにして感光体ドラム4K、4Y、4M、4Cの表面上に形成されたトナー像は、転写ローラ9K、9Y、9M、9Cにより、用紙P上に転写され、これにより用紙P上にカラーのトナー像が形成される。
カラーのトナー像が形成された用紙Pは、転写ユニット7から定着器12へと搬送される。定着器12は、カラーのトナー像を用紙Pに定着させる。これにより、用紙P上にカラー画像が印刷されたことになる。その後、この用紙Pは、スタッカ15へと搬送され、スタッカ15上に排出される。画像形成装置1の動作は、以上のようになっている。
[2.定着器の構成]
次に、定着器12の構成について、図2などを用いて説明する。尚、図2は定着器12全体の側断面図(定着器12の左右方向に直交する断面を示す断面図)であり、一部を簡略化したり省略したりした図となっている。
図2に示すように、定着器12は、外装フレーム20を備え、この外装フレーム20の内部に、定着ベルト13と加圧ローラ14とを保持する構成となっている。この定着器12は、外装フレーム20の前面に設けられた開口部20fと後面に設けられた開口部20bとの間に、定着ベルト13と加圧ローラ14の当接部分であるニップ部Npが位置するようになっていて、用紙Pが、前側の開口部20fから入ってきて、ニップ部Npを通過し、後側の開口部20bから出ていくようになっている。
加圧ローラ14は、左右方向に長い円筒状のローラであり、外装フレーム20によって回転自在に支持されている左右方向に延びる加圧ローラシャフト21に固定されている。
一方、定着ベルト13は、左右方向に長い筒状であり、内側にヒータ保持部材22などが設けられている。ヒータ保持部材22は、図2にくわえて図3(A)に上側から見た斜視図を示すように、左右方向に長い断面略コの字型の部材であり、コの字の開口を上側(加圧ローラ14側とは反対側)に向けた状態で、左右両端部(長手方向の両端部)が略フランジ状のベルト支持部23L、23R(図2では省略)に固定されている。定着ベルト13は、ヒータ保持部材22などが内側に挿通された状態で、左右両端部がベルト支持部23L、23Rにより回転自在に支持されている。
定着器12は、外装フレーム20によって、ベルト支持部23L、23Rを、加圧ローラ14から離れる方向及び加圧ローラ14に近づく方向に移動可能に支持している。そして定着器12は、図示しない駆動部からの駆動力によってベルト支持部23L、23Rを加圧ローラ14に近づく方向に移動させることで、図4(A)に定着ベルト13と加圧ローラ14を左側から見た側断面図を示すように、定着ベルト13を加圧ローラ14に押し付けたニップ状態となる。また定着器12は、図示しない駆動部からの駆動力によってベルト支持部23L、23Rを加圧ローラ14から遠ざかる方向に移動させることで、図4(B)に示すように、定着ベルト13を加圧ローラ14から離間させたリリース状態となる。このように、定着器12は、ニップ状態とリリース状態とに遷移可能となっていて、印刷時にはニップ状態で動作するようになっている。
ここで、定着器12のヒータ保持部材22についてさらに詳しく説明する。図2に示すように、ヒータ保持部材22は、加圧ローラ14側となる面に、ヒータ保持部材22の長手方向に沿って延びる凹部22dが設けられていて、この凹部22dに、凹部22dの長手方向に沿って延びる薄板状のヒータ24が収容されている。より詳しく説明すると、図2の一部(凹部22dの周辺部)を拡大した側断面図である図5(A)、(B)に示すように、ヒータ保持部材22の下面に設けられた凹部22dには、加圧ローラ14側(下側)から順に重なるようにして、熱拡散板25と、ヒータ24と、保熱板26とが収容されている。尚、図5(A)は、ニップ状態、図5(B)は、リリース状態を示している。また、ヒータ24と、熱拡散板25と、保熱板26を、まとめて加熱部材Hmとも呼ぶ。ヒータ保持部材22は、加熱部材Hmを、凹部22dを覆う定着ベルト13とともに保持するようになっている。換言すると、ヒータ24を有する加熱部材Hmは、ヒータ保持部材22の下面に設けられた凹部22dに収容され、さらに凹部22dを覆う定着ベルト13により凹部22dから脱落しないように保持されている。
さらに図3(A)に示すC-C切断線によりヒータ保持部材22を切断した場合の断面図(ヒータ保持部材22の短手方向に直交する断面を示す断面図)である図3(B)、及びヒータ保持部材22を下面側から見た斜視図である図6(A)にも示すように、ヒータ保持部材22は、長手方向の両端部分と中央部分の計3カ所にヒータ24の温度を検出する為のサーミスタ27が設けられている。
具体的には、ヒータ保持部材22は、図2、図3(B)に示すように、コの字の内側の3カ所に、ヒータ保持部材22の長手方向に長い略直方体形状のサーミスタ27を保持している。またヒータ保持部材22は、図6(A)にくわえて、図6(A)の一部(サーミスタ27の周辺部)を拡大した図6(B)に示すように、凹部22dの上面を形成する底板部22pの長手方向の両端部分と中央部分の計3カ所に、ヒータ保持部材22の長手方向に長い略長方形状の貫通孔22hが設けられていて、各貫通孔22hから、凹部22d側(つまりコの字の外側)に、各サーミスタ27の一部が露出するようになっている。
各サーミスタ27は、図5(A)、(B)、及び図6(B)に示すように、温度変化にともなって抵抗値が変化する温度検出素子30を有していて、この温度検出素子30が、貫通孔22hから凹部22d側に露出するようにして、ヒータ保持部材22に取り付けられている。
また図3(A)、(B)、図5(A)、(B)に示すように、ヒータ保持部材22に取り付けられた各サーミスタ27は、各サーミスタ27の上側を覆うようにしてヒータ保持部材22の内側に嵌合されるサーミスタ押さえ付け部28により、下方(つまり加熱部材Hm側)に押さえ付けられるようになっている。具体的には、サーミスタ押さえ付け部28は、サーミスタ27を、凹部22dに収容されている加熱部材Hmに近づく方向に付勢する付勢部材(例えばスプリングバネ)29を有していて、この付勢部材29により、サーミスタ27を、加熱部材Hmに近づける方向に付勢する。
ヒータ保持部材22に保持されているサーミスタ27は、付勢部材29により加熱部材Hmに近づく方向に付勢されていることにより、温度検出素子30を加熱部材Hm(具体的には加熱部材Hmの1番上に位置する保熱板26)に接触させるようになっている。
[3.サーミスタの構成]
ここで、サーミスタ27の構成について、図7(A)~(C)を用いてさらに詳しく説明する。尚、3個のサーミスタ27は、それぞれ同一構成の為、図7(A)~(C)には、3個のうちの1個を示している。また図7(A)は、サーミスタ27を、温度検出素子30側とは反対側から見た斜視図であり、図7(B)は、サーミスタ27を、温度検出素子30側から見た斜視図であり、図7(C)は、図7(B)に示すD-D切断線によりサーミスタ27を切断した断面図である。
図7(A)~(C)に示すように、各サーミスタ27は、略直方体形状の本体部31と、本体部31の温度検出素子30側となる底部としての長方形の底面31Lに設けられた、本体部31よりも小さい略直方体形状の素子保持部材32と、素子保持部材32の本体部31側とは反対側となる底部としての長方形の底面32Lの中央に設けられた温度検出素子30とを有している。
尚、図7(A)に矢印Ar1で示す、本体部31の天面31U及び底面31Lの長辺方向を、本体部31の長手方向とする。また矢印Ar2で示す、本体部31の天面31U及び底面31Lの短辺方向を、本体部31の短手方向とする。さらに矢印Ar3で示す本体部31の天面31U及び底面31Lと垂直な方向を、本体部31の高さ方向とする。素子保持部材32についても同様に、矢印Ar1、Ar2、Ar3で示す方向を、それぞれ長手方向、短手方向、高さ方向とする。またサーミスタ27全体についても同様に、矢印Ar1、Ar2、Ar3で示す方向を、それぞれ長手方向、短手方向、高さ方向とする。
素子保持部材32は、例えばスポンジなどの弾性部材であり、長手方向(矢印Ar1)の長さが本体部31より十分短く(1/3程度)、短手方向(矢印Ar2)の長さが本体部31よりわずかに短いサイズとなっている。この素子保持部材32の底面32L側に設けられた温度検出素子30からは2本の配線33が延びている。2本の配線33は、温度検出素子30から、素子保持部材32の底面32Lと側面32Sを伝って、本体部31の側面31Sへと延び、本体部31の側面31Sから天面31Uに架けて設けられた2本の溝34内を通って、2本の溝34内の天面31U側に設けられた2個の端子35に接続されている。
2個の端子35は、本体部31の内部で、本体部31の長手方向の一端側から延びる2本のリード線36と接続されている。2本のリード線36は、図示しないコントローラに接続されている。コントローラは、2本のリード線36間の抵抗値を読み取ることで温度検出素子30の温度(つまり温度検出素子30と接触している加熱部材Hmの温度でありヒータ24の温度)を測定するようになっている。
また本体部31には、底面31Lから突出する2個の下駄歯部37、38が設けられている。下駄歯部37は、素子保持部材32よりも本体部31の長手方向の他端(リード線36側とは反対側)に近い位置に設けられ、下駄歯部38は、素子保持部材32よりも本体部31の長手方向の一端(リード線36側)に近い位置に設けられている。換言すると、本体部31の底面31L側には、下駄歯部37と下駄歯部38との間に、素子保持部材32が設けられている。さらにサーミスタ27は、図6(B)に示すように、下駄歯部37と下駄歯部38との間に位置する部分が、耐熱性及び絶縁性を有するシート部材39により包囲されている。
尚、温度検出素子30は、素子保持部材32とともにシート部材39により覆われていることから、厳密に言えば、加熱部材Hmと接触しているわけではないが、本実施の形態では説明を簡単にする為、加熱部材Hmと接触していると説明している。換言すると、本実施の形態では、温度検出素子30が間に薄いシート部材39を挟んで加熱部材Hmに押し付けられている状態を、温度検出素子30が加熱部材Hmと接触している状態として説明している。
さらにサーミスタ27の短手方向に直交する断面を示す断面図である図8(A)に示すように、サーミスタ27の下駄歯部37、38は、本体部31の底面31Lから距離L1だけ突出するようになっている。尚、図8(A)は、ニップ状態のときの断面図である。この距離L1は、本体部31の底面31Lから、加熱部材Hmと接触している素子保持部材32の底面32Lまでの距離L2より短くなっている。つまり、サーミスタ27は、素子保持部材32の底面32Lに設けられた温度検出素子30が加熱部材Hmに接触することを、下駄歯部37、38が妨げないようになっている。また下駄歯部38は、下駄歯部37よりも本体部31の短手方向(矢印Ar2方向)に大きく、本体部31の底面31Lからだけでなく側面31Sからも突出している。サーミスタ27の構成は、以上のようになっている。
このサーミスタ27は、図6(B)に示すように、ヒータ保持部材22に設けられた貫通孔22hから、下駄歯部37の先端と下駄歯部38の先端とこれらの間に位置する素子保持部材32の底面32Lとが露出するようにしてヒータ保持部材22に取り付けられる。別の言い方をすると、ヒータ保持部材22の貫通孔22hは、サーミスタ27の下駄歯部37の先端と下駄歯部38の先端とこれらの間に位置する部分の外周形状に沿った略T字形状であり、サーミスタ27は、下駄歯部37、38とこれらの間に位置する素子保持部材32とが略T字形状の貫通孔22hに嵌入されるようにしてヒータ保持部材22に取り付けられる。
このとき、サーミスタ27は、下駄歯部37、38の位置関係が、図6(B)に示す位置関係でないと、下駄歯部37よりも大きい下駄歯部38がヒータ保持部材22の底板部22pに引っ掛かって貫通孔22hに嵌入できないようになっている。つまり、ヒータ保持部材22は、サーミスタ27の向きが正しい向きである場合にのみ取り付けることができるようになっている。つまり、サーミスタ27の下駄歯部37、38は、サーミスタ27をヒータ保持部材22に取り付ける際にサーミスタ27の位置及び向きを指定する部材となっている。
またサーミスタ27は、下駄歯部37、38とこれらの間(つまり内側)に位置する素子保持部材32とが貫通孔22hに嵌入された際に、本体部31の底面31Lのうち、下駄歯部37、38の外側に位置する部分が、ヒータ保持部材22の底板部22pと接触することで、ヒータ保持部材22から抜け落ちないようになっている。別の言い方をすると、ヒータ保持部材22の底板部22pは、サーミスタ27の取り付け時にサーミスタ27の上下方向(高さ方向)の位置を規制する為のストッパとして機能するようにもなっている。
さらにサーミスタ27は、図8(A)に示すように、ヒータ保持部材22に、サーミスタ押さえ付け部28が取り付けられると、サーミスタ押さえ付け部28に設けられた付勢部材29の一端が、本体部31の天面31U(具体的には素子保持部材32の反対側)に接触して、この付勢部材29によりヒータ保持部材22の底板部22p側に押し付けられる。これにより、サーミスタ27は、下駄歯部37の先端と下駄歯部38の先端とこれらの間に位置する素子保持部材32の底面32Lとが、ヒータ保持部材22の貫通孔22hから露出した状態で、ヒータ保持部材22に保持される。
その後、ヒータ保持部材22の凹部22dに加熱部材Hmが収容され、さらにヒータ保持部材22が定着ベルト13の内側に挿通されて凹部22dが定着ベルト13で覆われると、ヒータ保持部材22の凹部22dに収容されている加熱部材Hmが定着ベルト13によって凹部22d内に保持される。このとき、サーミスタ27は、ヒータ保持部材22の貫通孔22hから凹部22d側に露出している温度検出素子30が、凹部22dに収容されている加熱部材Hmと接触する。
本実施の形態では、定着器12の状態(ニップ状態とリリース状態)によらず、常にサーミスタ27の温度検出素子30が加熱部材Hmに接触するようになっている。
[4.サーミスタの温度検出素子と加熱部材との接触]
ここで、定着器12がニップ状態のときとリリース状態のときのサーミスタ27の温度検出素子30と加熱部材Hmとの接触について、図5(A)、(B)、図8(A)、(B)を用いて詳しく説明する。
まず図5(A)、図8(A)を用いて、定着器12がニップ状態のときのサーミスタ27と加熱部材Hmの接触について説明する。定着器12がニップ状態のとき、ヒータ保持部材22の凹部22d側(つまり下側)で、定着ベルト13と加圧ローラ14とが当接する。
このとき、図5(A)に示すように、定着ベルト13と加圧ローラ14とが当接するニップ部Npでは、加圧ローラ14によって定着ベルト13が上方に押し上げられ、これにともなって、ヒータ保持部材22の凹部22d内に収容されている加熱部材Hmも上方(つまり凹部22dの上面を形成する底板部22pに近づく方向)に押し上げられる。
一方で、このとき、サーミスタ27は、付勢部材29により下方(つまり加熱部材Hmに近づく方向)に付勢され、ヒータ保持部材22の貫通孔22hから凹部22d側に、素子保持部材32の底面32Lに設けられた温度検出素子30を露出している。これにより、サーミスタ27の温度検出素子30と加熱部材Hmとが接触する。尚、温度検出素子30は、素子保持部材32の底面32Lに設けられている為、温度検出素子30が加熱部材Hmと接触するときには、素子保持部材32の底面32Lも加熱部材Hmと接触する。
ここで、定着器12では、素子保持部材32の弾性力よりも付勢部材29の付勢力の方が大きくなるように、付勢部材29及び素子保持部材32が選定されている。この為、図8(A)に示すように、サーミスタ27は、素子保持部材32が図中点線で示す量だけ圧縮された状態となる。このとき、サーミスタ27の素子保持部材32には、元の形状に戻ろうとする弾性力が下方(つまり加熱部材Hm側)に働く。この為、ニップ状態の定着器12では、サーミスタ27の素子保持部材32に設けられた温度検出素子30を、加熱部材Hmに確実に接触させることができる。この結果、画像形成装置1では、定着器12がニップ状態のとき、サーミスタ27により、加熱部材Hmの温度(つまりヒータ24の温度)を正確に検出することができる。
またこのとき、定着器12では、サーミスタ27の本体部31の底面31Lと、ヒータ保持部材22の底板部22pとが距離G1だけ離れるようになっている。つまり、定着器12がニップ状態のとき、サーミスタ27は、ヒータ保持部材22の底板部22pから距離G1だけ上方の位置で、温度検出素子30を加熱部材Hmに接触させた状態でヒータ保持部材22に保持されるようになっている。別の言い方をすると、定着器12がニップ状態のとき、サーミスタ27は、下方に距離G1分移動可能なスペースを有する状態で、素子保持部材32を加熱部材Hmに圧接させて温度検出素子30を加熱部材Hmに接触させるようになっている。以下、この距離G1を、離間距離G1と呼ぶ。
つづけて図5(B)、図8(B)を用いて、定着器12がニップ状態からリリース状態に遷移したときのサーミスタ27と加熱部材Hmの接触について説明する。定着器12がニップ状態からリリース状態へと遷移すると、ヒータ保持部材22の凹部22d側(つまり下側)で、定着ベルト13と加圧ローラ14とが離間する。
このとき、図5(B)に示すように、定着ベルト13は、加圧ローラ14が離間することにともなって、加圧ローラ14による押し上げがなくなる。この結果、定着ベルト13は、加圧ローラ14と当接していた部分(つまりニップ部Npを形成していた部分)が、下方(加圧ローラ14側)に撓み、これにともなって、加熱部材Hmが下方(つまり凹部22dの上面を形成する底板部22pから離れる方向)に距離G2だけ移動する。以下、この距離G2を、移動距離G2と呼ぶ。
一方で、このとき、サーミスタ27は、加熱部材Hmが下方に移動することにともなって、付勢部材29による付勢力により、素子保持部材32を加熱部材Hmに圧接させて温度検出素子30を加熱部材Hmに接触させたまま、下方に移動する。つまり、サーミスタ27は、付勢部材29による付勢力により、加熱部材Hmの移動に追従する。ここで、ニップ状態のときのサーミスタ27の本体部31の底面31Lと、ヒータ保持部材22の底板部22pとの離間距離G1(図8(A)参照)は、加熱部材Hmの移動距離G2より大きな距離に選定されている。この為、サーミスタ27は、ヒータ保持部材22の底板部22pと接触することなく、温度検出素子30を加熱部材Hmに接触させたまま、加熱部材Hmとともに下方に移動する。そして、サーミスタ27は、ヒータ保持部材22の底板部22pから離間距離G3だけ上方の位置で、温度検出素子30を加熱部材Hmに接触させた状態でヒータ保持部材22に保持されるようになっている。尚、このときの離間距離G3は、離間距離G1から移動距離G2を減算した距離と同程度となる。このように、定着器12は、リリース状態のときも、サーミスタ27の温度検出素子30を加熱部材Hmに接触させることができるようになっている。
またこのとき、素子保持部材32の弾性力よりも付勢部材29の付勢力の方が大きいことから、図8(B)に示すように、サーミスタ27は、素子保持部材32が図中点線で示す量だけ圧縮された状態となる。尚、このとき(つまりリリース状態のとき)の素子保持部材32の圧縮量は、ニップ状態のときと同程度となる。この為、定着器12では、リリース状態のときでも、ニップ状態のときと同様、サーミスタ27の素子保持部材32に設けられた温度検出素子30を、加熱部材Hmに確実に接触させることができる。この結果、画像形成装置1では、定着器12がリリース状態のときも、サーミスタ27により、加熱部材Hmの温度(つまりヒータ24の温度)を正確に検出することができる。
また定着器12では、ニップ状態からリリース状態へと遷移するときに、付勢部材29の付勢力により、サーミスタ27の素子保持部材32を加熱部材Hmに圧接させたまま、素子保持部材32の形状をほぼ一定に保った状態で、サーミスタ27を加熱部材Hmの移動に追従させるようになっている。
尚、ここでは、定着器12がニップ状態からリリース状態へと遷移するときのサーミスタ27と加熱部材Hmの接触について説明したが、リリース状態からニップ状態へと遷移する場合、サーミスタ27は、温度検出素子30を加熱部材Hmに接触させたまま、加熱部材Hmとともに上方に押し上げられ、図5(A)に示す位置で保持されるようになっている。
[5.まとめと効果]
ここまで説明したように、本実施の形態の定着器12については、定着ベルト13の内側に、定着ベルト13を加熱する加熱部材Hmを設け、さらにこの加熱部材Hmよりも定着ベルト13の内側に、加熱部材Hmの温度を検出するサーミスタ27を設け、さらにこのサーミスタ27を加熱部材Hmに近づける方向に付勢する付勢部材29を設けた。
さらにサーミスタ27については、付勢部材29により加熱部材Hmに近づく方向に付勢される本体部31と、本体部31の加熱部材Hm側となる底部としての底面31Lに設けられ、本体部31と加熱部材Hmとの間に位置する弾性部材である素子保持部材32と、素子保持部材32の加熱部材Hm側となる底部としての底面32Lに設けられた温度検出素子30とを設けた。さらに定着器12については、付勢部材29の付勢力を、素子保持部材32の弾性力よりも大きくした。
これにより、本実施の形態の定着器12では、ニップ状態とリリース状態のどちらの状態であろうと、常に付勢部材29によりサーミスタ27の本体部31を加熱部材Hmに近づける方向に付勢して、素子保持部材32とともに温度検出素子30を確実に加熱部材Hmに押し付けることができる。かくして、本実施の形態の定着器12では、加熱部材Hmの温度を検出する精度を向上させることができる。
また本実施の形態の定着器12では、ヒータ保持部材22に、本体部31の底面31Lの一部と対向するストッパとしての底板部22pを設けた。さらに定着器12がニップ状態のときの、本体部31の底面31Lと底板部22pとの離間距離G1を、ニップ状態からリリース状態へと遷移するときの加熱部材Hmの移動距離G2より大きくした。こうすることで、本実施の形態の定着器12では、ヒータ保持部材22の底板部22pを、サーミスタ27の取り付け時にサーミスタ27の位置を規制する為のストッパとして機能させつつ、サーミスタ27の素子保持部材32の底面32L側を加熱部材Hmに圧接させて温度検出素子30を加熱部材Hmに接触させたまま、加熱部材Hmの移動に追従させることができる。
ここで、本実施の形態の定着器12の効果を明確にする為の比較対象として、図9(A)、(B)、図10(A)、(B)に、ニップ状態のときに、サーミスタ27の底面31Lと、ヒータ保持部材22の底板部22pとが接触するように構成された定着器12Xについて説明する。尚、図9(A)、(B)は、図5(A)、(B)に対応する図であり、図10(A)、(B)は、図8(A)、(B)に対応する図である。
図9(A)、図10(A)に示すように、この定着器12Xは、ニップ状態のときに、サーミスタ27の本体部31の底面31Lと、ヒータ保持部材22の底板部22pとが接触するようになっている。この為、サーミスタ27は、ニップ状態のときの位置からさらに下方に移動することはできない。
このような構成の定着器12Xの場合、ニップ状態からリリース状態へと遷移したときに、サーミスタ27の本体部31の底面31Lと、ヒータ保持部材22の底板部22pとが接触している為、サーミスタ27を加熱部材Hmの移動に追従させることができない。このことから、図9(B)、図10(B)に示すように、定着器12Xは、リリース状態のときに、サーミスタ27の素子保持部材32の底面32Lと、加熱部材Hmとの間に隙間Spが形成され、底面32Lに設けられた温度検出素子30が加熱部材Hmから離れてしまう。この為、定着器12Xでは、リリース状態のときに、正確に加熱部材Hmの温度を検出することができない。
これに対して、本実施の形態の定着器12では、ニップ状態とリリース状態のどちらの状態であろうと、常に素子保持部材32を加熱部材Hmに圧接させて温度検出素子30を加熱部材Hmに接触させることができるので、定着器12Xと比較して、正確に加熱部材Hmの温度を検出することができる。
また定着器12Xでは、リリース状態のときに、素子保持部材32が加熱部材Hmから離れることから、ニップ状態のときに圧縮されていた素子保持部材32が、リリース状態のときには元の形状に戻ることになる。つまり、定着器12Xでは、状態(ニップ状態とリリース状態)が遷移するたびに、素子保持部材32の形状が変化するようになっている。このようにして素子保持部材32の形状が繰り返し変化すると、素子保持部材32の底面32L、側面32Sを伝って本体部31の側面31Sへと延びている配線33が撓んだり延びたりを繰り返すことで、配線33に負荷がかかり、配線33が断線したり端子35から外れる可能性が出てくる。
これに対して、本実施の形態の定着器12では、ニップ状態とリリース状態のどちらの状態であろうと、常にサーミスタ27の素子保持部材32を加熱部材Hmに圧接させて、素子保持部材32の形状をほぼ一定に保つことができるので、配線33が断線したり端子35から外れたりしてしまうことを防ぐことができる。
このように、本実施の形態の定着器12は、定着器12Xと比較して、状態によらず正確に加熱部材Hmの温度を検出することができ、また配線33の断線などによる故障を防ぐことができる。
[6.他の実施の形態]
[6-1.他の実施の形態1]
尚、上述した実施の形態では、定着器12のヒータ保持部材22に、サーミスタ27の取り付け時にサーミスタ27の位置を規制する為のストッパとして機能する底板部22pを設けた。ここで、例えば、図11に示すように、底板部22pから、サーミスタ27の本体部31の底面31Lと対向する部分(つまりストッパとして機能する部分)を省略するようにしてもよい。この場合、底板部22pがストッパとして機能しない為、サーミスタ27をヒータ保持部材22に取り付ける際に、サーミスタ27の上下方向の位置を規制することはできないが、最終的にサーミスタ27は、サーミスタ押さえ付け部28と加熱部材Hmとの間に挟み込まれることで上下方向の位置が規制されることになる。
またこの図11に示すように、底板部22pから、サーミスタ27の本体部31の底面31Lと対向する部分(つまりストッパとして機能する部分)を省略した場合、本体部31に設けられる下駄歯部37、38の位置を、上述した実施の形態で示した位置から変更する(例えば下駄歯部37を本体部31の長手方向の他端、下駄歯部38を本体部31の長手方向の一端に設ける)ようにしてもよい。つまり下駄歯部の位置については、適宜変更してもよい。
[6-2.他の実施の形態2]
また、上述した実施の形態では、定着器12がニップ状態からリリース状態へと遷移する際に、サーミスタ27が、ヒータ保持部材22の底板部22pと接触することなく、加熱部材Hmの移動に追従できるようにする為に、ニップ状態のときのサーミスタ27の本体部31とヒータ保持部材22の底板部22pとの離間距離G1を、加熱部材Hmの移動距離G2より大きくするようにした。
ところで、図8(A)、(B)に示すように、サーミスタ27を付勢する付勢部材29は、定着器12がニップ状態からリリース状態へと遷移することにともなって下方に延びる為、ニップ状態のときよりもリリース状態のときの方がわずかではあるが付勢力が弱まる。このように付勢部材29の付勢力が弱まると、図中点線で示す素子保持部材32の変形量も小さくなる。この為、リリース状態のときの素子保持部材32は、高さ方向(つまり付勢方向)の長さL5が、ニップ状態のときの高さ方向の長さL4よりもわずかに大きくなる。つまり、定着器12がニップ状態からリリース状態へと遷移することにともなって、サーミスタ27の素子保持部材32は、付勢部材29の付勢方向に、長さL5-長さL4の分だけ延びることになる。ゆえに、ここでは、長さL5-長さL4を、素子保持部材32の延び量とする。
この為、加熱部材Hmが移動距離G2だけ移動する際に、サーミスタ27の本体部31が移動する移動距離は、厳密に言うと、移動距離G2ではなく、移動距離G2-素子保持部材32の延び量となる。このことから、ニップ状態のときのサーミスタ27の本体部31とヒータ保持部材22の底板部22pとの離間距離G1については、より厳密にいえば、加熱部材Hmの移動距離G2から素子保持部材32の延び量(つまり長さL5-長さL4)を減算した値より大きくすればよい。
[6-3.他の実施の形態3]
さらに上述した実施の形態では、ヒータ保持部材22の長手方向の両端部と中央部の計3カ所にサーミスタ27を設けたが、サーミスタ27の数と位置については、上述した実施の形態とは異なるようにしてもよい。さらに上述した実施の形態では、サーミスタ27の本体部31に2個の下駄歯部37、38を設けたが、下駄歯部37、38を省略したり、下駄歯部を3個以上設けたりしてもよい。
[6-4.他の実施の形態4]
さらに上述した実施の形態では、定着部材としての定着ベルト13の内側に加熱部材Hmと温度検出部としてのサーミスタ27とを有する定着装置としての定着器12に本発明を適用したが、これに限らず、例えば、定着部材の内側に加熱部材と温度検出部を有するものであれば、定着器12とは異なる構成の定着装置に適用してもよい。さらに上述した実施の形態では、定着器12を備えた画像形成装置1に本発明を適用したが、これに限らず、例えば、定着部材の内側に加熱部材と温度検出部を有する定着装置を備えた画像形成装置であれば、画像形成装置1とは異なる構成の画像形成装置に適用してもよい。例えば、5色以上もしくは3色未満のカラーに対応する画像形成装置や、中間転写ベルトを備える構成の画像形成装置などに適用してもよく、またプリンタに限らず、コピー機、ファクシミリ、複合機などの画像形成装置に適用してもよい。
[6-5.他の実施の形態5]
さらに上述した各実施の形態では、定着部材の具体例として筒状の定着ベルト13を用いたが、これに限らず、例えば、定着ベルト13と同等に機能するものであれば、定着ベルト13とは異なる定着部材を用いてもよい。さらに上述した各実施の形態では、加圧部材の具体例として加圧ローラ14を用いたが、これに限らず、例えば、加圧ローラ14と同等に機能するものであれば、加圧ローラ14とは異なる加圧部材を用いてもよい。さらに上述した各実施の形態では、加熱部材の具体例として、ヒータ24と、熱拡散板25と、保熱板26とで構成される加熱部材Hmを用いたが、これに限らず、定着部材を加熱できるものであれば、加熱部材Hmとは異なる構成の加熱部材を用いてもよい。さらに上述した各実施の形態では、付勢部材の具体例としてスプリングバネである付勢部材29を用いたが、これに限らず、例えば、付勢部材29と同等に機能するものであれば、付勢部材29とは異なる付勢部材を用いてもよい。さらに上述した各実施の形態では、温度検出部の具体例として、本体部31と、弾性部材としての素子保持部材32と、温度検出素子30とを有するサーミスタ27を用いたが、これに限らず、例えば、本体部と弾性部材と温度検出素子を有するものであれば、サーミスタ27とは一部構成が異なる温度検出部を用いてもよい。さらに上述した各実施の形態では、加熱部材と温度検出部を保持する保持部材の具体例として、ヒータ保持部材22を用いたが、これに限らず、加熱部材と温度検出部を保持できるものであれば、ヒータ保持部材22とは異なる構成の保持部材を用いてもよい。
[6-6.他の実施の形態6]
さらに本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態の一部または全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
本発明は、例えば、電子写真方式のカラープリンタなどに利用することができる。
1……画像形成装置、12、12X……定着器、22……ヒータ保持部材、22d……凹部、22p……底板部、22h……貫通孔、24……ヒータ、25……熱拡散板、26……保熱板、27……サーミスタ、28……サーミスタ押さえ付け部、29……付勢部材、30……温度検出素子、31……本体部、31L、32L……底面、32……素子保持部材、33……配線、37、38……下駄歯部、Hm……加熱部材。

Claims (9)

  1. 定着部材と加圧部材とを備え、前記定着部材と前記加圧部材とを当接させるニップ状態と、前記定着部材と前記加圧部材とを離間させるリリース状態とに遷移可能な定着装置であり
    記定着部材の内側に設けられ、当該定着部材を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材よりも前記定着部材の内側に設けられ、当該加熱部材の温度を検出する温度検出部と、
    前記温度検出部を前記加熱部材に近づける方向に付勢する付勢部材と
    を備え、
    前記温度検出部は、
    前記付勢部材により前記加熱部材に近づく方向に付勢される本体部と、
    前記本体部に設けられ、当該本体部と前記加熱部材との間に位置する弾性部材と、
    前記弾性部材の前記加熱部材と接触する接触部分に設けられた温度検出素子と
    を有し、
    前記付勢部材の付勢力が、前記弾性部材の弾性力よりも大きく、
    前記ニップ状態及び前記リリース状態のときに、前記付勢部材の付勢力により前記温度検出素子を前記加熱部材に接触させた状態を維持する
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記加熱部材は、
    前記ニップ状態から前記リリース状態へと遷移する際に、前記定着部材のうちの、前記加圧部材と当接していた部分が、前記加圧部材に近づくことにともなって、前記加圧部材に近づく方向に移動し、
    前記温度検出部は、
    前記付勢部材の付勢力により、前記弾性部材の前記接触部分を前記加熱部材に圧接させて前記温度検出素子を前記加熱部材に接触させたまま、前記加熱部材の移動に追従する
    ことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着部材の内側に設けられ、前記加熱部材と前記温度検出部を保持する保持部材をさらに備え、
    前記保持部材は、
    前記温度検出部が有する前記本体部の前記加熱部材側となる端部の一部と対向するストッパを有し、
    前記温度検出部は、
    前記付勢部材の付勢力により前記弾性部材の前記接触部分を前記加熱部材に圧接させた状態で、且つ前記本体部の前記端部の一部と前記ストッパとの間に隙間が形成された状態で、前記保持部材に保持される
    ことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記ニップ状態のときの、前記本体部の前記端部の一部と前記ストッパとの距離が、前記ニップ状態から前記リリース状態へと遷移する際に前記加熱部材が移動する移動距離よりも大きい
    ことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記ニップ状態のときの、前記本体部の前記端部の一部と前記ストッパとの距離が、前記ニップ状態から前記リリース状態へと遷移する際に前記加熱部材が移動する移動距離から、前記ニップ状態から前記リリース状態へと遷移したときの前記弾性部材の延び量を減算した値よりも大きい
    ことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記保持部材は、
    前記温度検出部を取り付ける位置に、前記温度検出部の前記弾性部材を前記加熱部材側に露出させる貫通孔を有し、
    前記温度検出部は、
    前記貫通孔から前記加熱部材側に前記弾性部材を露出させ、前記弾性部材の前記接触部分を前記加熱部材に圧接させた状態で、且つ前記本体部の前記端部の一部と前記ストッパとの間に隙間が形成された状態で、前記保持部材に保持される
    ことを特徴とする請求項3~5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記本体部の前記端部には、前記加熱部材側に突出する下駄歯部が2個設けられていて、当該2個の下駄歯部の間に、前記弾性部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 前記貫通孔は、
    前記2個の下駄歯部と当該2個の下駄歯部の間に位置する前記弾性部材とが嵌入される孔となっている
    ことを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載の前記定着装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
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