JP2020098311A - 温度検知手段、加熱装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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祐介 古市
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洋 瀬尾
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Abstract

【課題】加熱部材を保持するホルダ部材の変形に関わらず、加熱部材に対する温度検知部材の当接状態を安定化し、温度検知部材の検知精度が低下するのを防止する。【解決手段】加熱部材(ヒータ22)を保持するホルダ部材(ヒータホルダ23)と、加熱部材の温度を検知する温度検知部材25と、温度検知部材をホルダ部材に向けて付勢する付勢部材40と、ホルダ部材に設けられた係合部(凸係合部23b)と、温度検知部材に設けられた被係合部(凹係合部32a)とを有し、係合部と被係合部の係合により加熱部材の所定位置に温度検知部材を位置決めする位置決め機構とを有する温度検知手段である。ホルダ部材の長手方向と直角な短手方向において、温度検知部材を加熱部材の幅方向中央から離間して配置する。付勢部材の付勢方向における係合部と被係合部の係合幅を、付勢方向における温度検知部材の厚みよりも短くした。【選択図】図11C

Description

本発明は、温度検知手段、温度検知手段を備える加熱装置、定着装置及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタなどの画像形成装置においては、用紙上のトナーを熱により定着させる定着装置や、用紙上のインクを乾燥させる乾燥装置など、発熱部を有する加熱部材が搭載されているものが知られている。このような加熱部材を備える装置においては、加熱部材の温度、又は加熱部材によって加熱される部材の温度を検知するために、サーミスタなどの温度検知部材が設けられる。
温度検知部材の取付方法や取付位置は多種多様であるが、例えば特許文献1(特許第4684449号公報)や特許文献2(特許第4497735号公報)のように、定着ベルトのガイド部材を兼ねたヒータ用ホルダ部材に温度検知部材を取付けたものがある。ホルダ部材にはPPSや液晶ポリマー(LCP)などの耐熱樹脂製が一般に使用される。
ホルダ部材の熱容量が大きいと加熱部材の熱ロスも多くなり、それにより定着品質の低下を招いたり画像形成装置の高速化に支障が出たりする。一方、耐熱性樹脂は一般に高価であり、低コスト化と軽量化のため必要強度を維持しつつホルダ部材の樹脂使用量を低減する必要性がある。
熱容量低減や樹脂使用量低減のためホルダ部材を薄肉化すると、特許文献1(特許第4684449号公報)のように加熱部材と温度検知部材をホルダ部材に一体保持することが困難になる。そこで特許文献2(特許第4497735号公報)の定着装置では温度検知部材を薄肉のホルダ部材とは別体にし、ステーをバネ受にして圧縮バネによって温度検知部材を付勢することで加熱部材に当接させる構成を採用している。加熱部材に対する温度検知部材の位置決めは、ホルダ部材の係合部と温度検知部材の被係合部の相互係合で行う。
しかしながら、ホルダ部材はニップ圧によってその長手方向中央部と短手方向中央部で撓みやすい傾向があり、ホルダ部材の軽量化と薄肉化によりその傾向が顕著になる。さらに加熱部材の熱によるホルダ部材の変形も薄肉化で大きくなりやすい。
圧力や熱でホルダ部材が変形すると、特許文献2(特許第4497735号公報)のように温度検知部材をホルダ部材とは別体にした構成では温度検知部材の位置決め精度が低下する。そうすると加熱部材に対する温度検知部材の当接状態が変化し、温度検知部材の検出精度に影響が出る。
そこで本発明の目的は、ホルダ部材の変形に関わらず、加熱部材に対する温度検知部材の当接状態を安定化し、温度検知部材の検知精度が低下するのを防止することにある。
前記課題を解決するため、本発明の温度検知手段は、長手方向に伸びた加熱部材を保持するホルダ部材と、前記加熱部材の温度を検知する温度検知部材と、前記温度検知部材を前記ホルダ部材に向けて付勢する付勢部材と、前記ホルダ部材に設けられた係合部と、前記温度検知部材に設けられた被係合部とを有し、前記係合部と前記被係合部の嵌合により前記加熱部材の所定位置に前記温度検知部材を位置決めする位置決め機構とを有し、前記ホルダ部材の長手方向と直角な短手方向において、前記温度検知部材を前記加熱部材の幅方向中央から離間して配置すると共に、前記付勢部材の付勢方向における前記係合部と前記被係合部の係合幅を、前記付勢方向における前記温度検知部材の厚みよりも短くしたことを特徴とする。
本発明によれば、係合部と被係合部の係合幅を付勢方向における温度検知部材の厚みよりも短くしたので、ホルダ部材の変形に関わらず、加熱部材に対する温度検知部材の当接状態を安定化し、温度検知部材の検知精度が低下するのを防止することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 ヒータの平面図である。 ヒータの分解斜視図である。 ヒータホルダにコネクタを装着した状態を示す図である。 温度検知部材、発熱部および通紙領域の位置関係を示す図である。 温度検知部材の平面図である。 温度検知部材の取付状態を示す側面図である。 温度検知部材の取付状態を示す平面図である。 温度検知部材の別の取付状態を示す側面図である。 図4Cの(a)x−x断面図、(b)y−y断面図、(c)z−z断面図である。 (a)温度検知部材の凸係合部を幅方向に突出させた例を示す平面図と(b)同平面図のb−b断面図である。 温度検知部材の凸係合部を幅方向に突出させた他の例を示す平面図である。 温度検知部材の凸係合部を長手方向に突出させた例を示す平面図である。 温度検知部材の凹係合部を幅方向両側に形成した例を示す平面図である。 温度検知部材の凸係合部を厚さ方向ヒータ側に突出させた例を示す(a)平面図と(b)断面図である。 ステーの他の種類1を示す断面図である。 ステーの他の種類2を示す断面図である。 ステーの他の種類3を示す断面図である。 温度検知素子とコイルばねの作用点の同軸配置を示す(a)平面図と(b)B−B断面図である。 ヒータの他の例を示す図である。 ヒータの別の例を示す図である。 ヒータのさらに別の例を示す図である。 サーモスタットを備える構成を示す図である。 他の定着装置の構成を示す図である。 別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。 温度検知部材が偏心配置されたヒータホルダを有する従来の定着装置の概略構成図である。 図11Aの温度検知部材の取付状態を示す拡大断面図である。 温度検知部材の(a)従来の位置決め機構、(b)改良案に係る位置決め機構、(c)本実施形態の位置決め機構を示す図である。 ヒータに対する温度検知部材の正常な当接状態を示す図である。 温度検知素子の圧力と緩衝部材の圧縮率の相関関係を示す図である。 温度検知部材の位置決め機構の概念図である。 温度検知部材の許容範囲内の傾斜による緩衝部材の圧力分布を示す図である。 温度検知部材の許容範囲外の傾斜による緩衝部材の圧力分布を示す図である。 温度検知部材の保持体の凹係合部に半球形状の突起を形成した図である。 ヒータホルダの凸係合部に半球形状の突起を形成した図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
(画像形成装置の概略)
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。なお、画像形成装置としては、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などであってもよい。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成部である4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkを備える。各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、画像形成装置本体103に対して着脱可能に構成され、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的には、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電する帯電装置3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング装置5と、を備える。
また、画像形成装置100は、各感光体2の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体としての用紙Pを供給する給紙装置7と、各感光体2に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する転写装置8と、用紙Pに転写されたトナー画像を定着する定着装置9と、用紙Pを装置外に排出する排紙装置10と、を備える。
転写装置8は、複数のローラによって張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト11と、各感光体2上のトナー画像を中間転写ベルト11へ転写する一次転写部材としての4つの一次転写ローラ12と、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像を用紙Pへ転写する二次転写部材としての二次転写ローラ13と、を有する。複数の一次転写ローラ12は、それぞれ、中間転写ベルト11を介して感光体2に接触している。
これにより、中間転写ベルト11と各感光体2とが互いに接触し、これらの間に一次転写ニップが形成されている。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架するローラの1つに接触している。これにより、二次転写ローラ13と中間転写ベルト11との間には二次転写ニップが形成されている。
また、画像形成装置100内には、給紙装置7から送り出された用紙Pが搬送される用紙搬送路14が形成されている。この用紙搬送路14における給紙装置7から二次転写ニップ(二次転写ローラ13)に至るまでの途中には、一対のタイミングローラ15が設けられている。
(画像形成装置の印刷動作)
次に、図1を参照して前記画像形成装置の印刷動作について説明する。印刷動作開始の指示があると、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電装置3によって感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。
次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6が各感光体2の表面を露光することで、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4からトナーが供給され、各感光体2上にトナー画像が形成される。
各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、図1の反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト11に順次重なり合うように転写される。そして、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、二次転写ニップにおいて搬送されてきた用紙Pに転写される。
この用紙Pは、給紙装置7から供給されたものである。給紙装置7から供給された用紙Pは、タイミングローラ15によって一旦停止された後、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに至るタイミングに合わせて二次転写ニップへ搬送される。
かくして、用紙P上にフルカラーのトナー画像が担持される。また、トナー画像が転写された後、各感光体2上に残留するトナーは各クリーニング装置5によって除去される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、定着装置9によって用紙Pにトナー画像が定着される。その後、用紙Pは排紙装置10によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
(定着装置)
続いて、定着装置9の構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、定着部材としての無端状のベルト部材から成る定着ベルト20と、定着ベルト20の外周面に対向して配置される対向部材としての加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する加熱装置19と、を備えている。加熱装置19は、加熱部材としての面状のヒータ22と、ヒータ22を保持するホルダ部材としてのヒータホルダ23と、ヒータホルダ23を長手方向に渡って補強する補強部材としてのステー24と、複数の温度検知部材25,26,27と、を備えている。
定着ベルト20は、例えば外径が25mmで厚みが40〜120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFEなどのフッ素系樹脂による厚みが5〜50μmの離型層が形成される。
基体と離型層の間に厚さ50〜500μmのゴムなどからなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。
弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。なお、定着ベルト20の外周面に対向する対向部材として、加圧ローラ21に代えて無端状の加圧ベルトなどの部材を適用することも可能である。
ヒータ22は、定着ベルト20の幅方向に渡って長手状に設けられ、定着ベルト20の内周面に接触するように配置されている。ヒータ22は、定着ベルト20に対して非接触、あるいは低摩擦シートなどを介して間接的に接触する場合であってもよいが、ヒータ22を定着ベルト20に対して直接接触させる方が定着ベルト20への熱伝達効率がよくなる。
また、ヒータ22を定着ベルト20の外周面に接触させることもできるが、定着ベルト20の外周面がヒータ22との接触により傷付くと定着品質が低下する虞があるため、ヒータ22は定着ベルト20の内周面に接触している方がよい。ヒータ22は、基材層50と、発熱部60を有する導体層51と、絶縁層52と、がヒータホルダ23側からニップ部N側に向かって順次積層されて構成されている。
ヒータホルダ23及びステー24は、定着ベルト20の内周側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置9の両側壁部に支持されている。ステー24によってヒータホルダ23のヒータ22側とは反対側の面が支持されていることで、ヒータ22及びヒータホルダ23は加圧ローラ21の加圧力に対して大きく撓むことなく保たれ、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPやPEEKなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制され効率的に定着ベルト20を加熱することが可能である。
前記耐熱性樹脂は、LCP樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂から選択することができる。これら耐熱性樹脂でヒータホルダ23を成形する場合、耐熱性樹脂をホルダ長手方向に押し出した押出成形品とすることができる。
加圧ローラ21と定着ベルト20は、加圧手段としてのバネによって互いに圧接されている。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ21は、画像形成装置本体103に設けられた駆動手段から駆動力が伝達されて回転駆動する駆動ローラとして機能する。
一方、定着ベルト20は、加圧ローラ21の回転に伴って従動回転するように構成されている。回転時、定着ベルト20はヒータ22に対して摺動するので、定着ベルト20の摺動性を高めるため、ヒータ22と定着ベルト20との間にオイルやグリースなどの潤滑剤を介在させてもよい。
印刷動作が開始されると、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。また、ヒータ22に電力が供給されることで、定着ベルト20が加熱される。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に搬送されることで、未定着トナー画像が加熱及び加圧されて用紙Pに定着される。
(ヒータの構成)
図3Aは、ヒータ22の平面図、図3Bは、その分解斜視図である。なお、以下の説明において、ヒータ22に対する、定着ベルト20側(ニップ部N側)を「表側」と称し、ヒータホルダ23側を「裏側」と称して説明する。
図3Bに示すように、ヒータ22は、板状の基材層50と、基材層50の表側に設けられた導体層51と、導体層51の表側を被覆する絶縁層52との、複数の構成層が積層されて構成されている。導体層51は、面状の抵抗発熱体で構成された複数の発熱部60と、基材層50の長手方向両端部側に設けられた複数の電極部61と、電極部61と発熱部60とを接続する複数の給電線62と、で構成されている。また、図3Aに示すように、各電極部61は、後述のコネクタとの接続を確保するため、少なくとも一部が絶縁層52によって被覆されておらず露出した状態となっている。
基材層50は、アルミナや窒化アルミナなどのセラミック、ガラスなど絶縁材料で構成されている。また、基材層50を、ステンレス(SUS)や鉄、銅、アルミニウムなどの金属材料で構成し、基材層50と導体層51との間に別途絶縁層を設けて絶縁性を確保してもよい。
金属材料は、急速加熱に対する耐久性に優れ、加工もしやすいため、低コスト化を図るのに好適である。中でも、アルミニウムや銅は熱伝導性が高く、温度ムラが発生しにくい点で好ましい。また、ステンレスはこれらに比べて安価に製造できる利点がある。
絶縁層52は、耐熱性ガラスで構成されている。その他に、絶縁層52の材料として、セラミックあるいはポリイミド(PI)などを用いることも可能である。
各発熱部60は、例えば、銀パラジウム(AgPd)やガラス粉末などを調合したペーストをスクリーン印刷などにより基材層50に塗工し、その後、当該基材層50を焼成することによって形成することができる。発熱部60の材料として、これら以外に、銀合金(AgPt)や酸化ルテニウム(RuO2)の抵抗材料を用いてもよい。
給電線62は、発熱部60よりも小さい抵抗値の導体で構成されている。給電線62や電極部61の材料としては、銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)などを用いることができる。このような材料をスクリーン印刷するなどによって給電線62や電極部61を形成することが可能である。
本実施形態では、発熱部60が基材層50の表側に設けられているが、反対に、発熱部60を基材層50の裏側に設けてもよい。その場合、発熱部60の熱が基材層50を介して定着ベルト20に伝達されることになるため、基材層50は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で構成されることが望ましい。また、基材層50を熱伝導率の良い材料で構成することで、発熱部60を基材層50の裏側に配置しても、定着ベルト20を十分に加熱することが可能である。
また、本実施形態では、発熱部60や電極部61及び給電線62に銀やパラジウムなどの合金を用い、PTC特性(正の抵抗温度係数)を有するものとした。PTC特性とは、温度が高くなると抵抗値が高くなる(一定電圧をかけた場合に、ヒータ出力が下がる)特性である。
PTC特性を有する発熱部60とすることで、低温では高出力によって高速で立ち上がり、高温では低出力により過昇温を抑制することができる。例えば、PTC特性のTCR係数を300〜4000ppm/度程度にすれば、ヒータに必要な抵抗値を確保しながら、低コスト化を図れる。
より好ましくは、TCR係数を500〜2000ppm/度とするのがよい。TCR係数は、25度と125度とで抵抗値を測定することにより算出することができる。例えば、100度温度上昇して抵抗値が10%上昇していれば、TCR係数は1000ppm/度である。
また、本実施形態では、発熱部60が、基材層50の長手方向に渡って3つ設けられている。3つの発熱部60のうちの1つは、基材層50の長手方向中央に配置された第1発熱部としての中央発熱部60Aであり、残りの2つは、中央発熱部60Aの長手方向両側に配置された第2発熱部としての端部発熱部60Bである。中央発熱部60Aと端部発熱部60Bとは、互いに独立して発熱制御可能に構成されている。
図3Aにおいて、複数の電極部61を、左から順に、第1電極部61A、第2電極部61B、第3電極部61C、第4電極部61Dとすると、第2電極部61B及び第4電極部61Dに電圧を印加した場合、中央発熱部60Aのみが発熱する。また、第1電極部61A及び第2電極部61Bに電圧を印加した場合は、図3Aの左側の端部発熱部60Bのみが発熱し、第2電極部61Bと第3電極部61Cに電圧を印加した場合は、図3Aの右側の端部発熱部60Bのみが発熱する。
また、第1電極部61Aと第3電極部61Cとを外部で並列に接続し同時に電圧を印加できるようにしておけば、これらの電極部61A,61Cと第2電極部61Bとに電圧を印加することで、両方の端部発熱部60Bを同時に発熱させることが可能である。なお、図3A中の矢印は、各発熱部60A,60Bの長手方向に流れる電流の方向を示す。
通紙する用紙の幅が、中央発熱部60Aの幅L1以下である場合は、中央発熱部60Aのみ発熱させ、また、通紙する用紙の幅が、中央発熱部60Aの幅L1よりも大きい幅である場合は、中央発熱部60Aに加えて各端部発熱部60Bをそれぞれ発熱させることで、通紙領域の大きさに応じて発熱領域の大きさを変更することができる。さらに、中央発熱部60Aの幅L1を、小サイズの用紙幅(例えば、A4紙幅:215mm)に合わせ、一方の端部発熱部60Bから他方の端部発熱部60Bまでを含む発熱領域の幅L2を、大サイズの用紙幅(例えば、A3紙幅:301mm)に合わせることで、これらの用紙を通紙する際は、非通紙領域における過度な温度上昇が生じにくくなるので(発熱部60A,60B上の非通紙領域がほとんど生じないので)、印刷生産性を高めることができる。
また、図3Aに示すように、本実施形態において、各発熱部60A,60Bは、それぞれの両端部において、通紙方向(図3Aの上下方向)に対して傾斜する傾斜部601を有している。また、互いに隣り合う傾斜部601の少なくとも一部は、ヒータ22の長手方向(図3Aの左右方向)に渡って互いにオーバーラップしており、長手方向の同じ領域G(図3Aの拡大図参照)内に配置されている。このように、傾斜部601同士がオーバーラップして配置されていることで、発熱部60A,60B同士の間での温度の低下を抑制でき、紙幅方向の定着ムラを低減できる。
(ヒータの接続)
図3Cは、ヒータ22及びヒータホルダ23にコネクタ70を装着した状態を示す斜視図である。
図3Cに示すように、コネクタ70は、樹脂製のハウジング71と、ハウジング71に固定された板バネのコンタクト端子72と、を有している。コンタクト端子72はヒータ22の各電極部61に接触する一対の接点部72aを有する。また、コネクタ70(コンタクト端子72)には、給電用のハーネス(導線)73が接続されている。
図3Cに示すように、コネクタ70は、ヒータ22とヒータホルダ23とを表側と裏側とから一緒に挟むようにして取り付けられる。これにより、コンタクト端子72の各接点部72aがヒータ22の電極部61に対して弾性的に接触(圧接)することで、コネクタ70を介して発熱部60と画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続され、電源から発熱部60へ電力が供給可能な状態となる。
また、本実施形態のように、給電部材としてのコネクタ70が、ヒータ22とヒータホルダ23とを一緒に挟んで保持する挟持部材としての機能も兼ねることで、挟持部材を別途設ける必要が無くなり、部品点数を少なくすることが可能である。なお、図3Cに示すヒータ22の端部側とは反対の端部側にも、同様にコネクタ70が装着される。
図3Dは、温度検知部材25,26,27と、発熱部60A,60Bと、通紙領域W1,W2と、の位置関係を示す図である。図3D中の、W1で示される通紙領域は、中央発熱部60Aの幅L1よりも小さい幅サイズの用紙P1がニップ部Nを通過する際の幅方向の通過領域であり、同図中のW2で示される通紙領域は、中央発熱部60Aの幅L1よりも大きい幅サイズの用紙P2がニップ部Nを通過する際の幅方向の通過領域である。
(温度検知部材の配置)
次に、温度検知部材25〜27の配置について説明する。温度検知部材25、温度検知部材26、温度検知部材27を、以下便宜的に、第1温度検知部材25、第2温度検知部材26、第3温度検知部材27と称する。これら温度検知部材は例えばサーミスタなどで構成することができる。
第1温度検知部材25の温度検知部25aは、中央発熱部60Aの幅L1内であって、さらに、小サイズ通紙領域W1内に配置されている。このように、図3Dの第1温度検知部材25の温度検知部25aが、中央発熱部60Aの幅L1内で、さらに、小サイズ通紙領域W1内に配置されていることで、小サイズの用紙P1やこれより幅の大きい各幅の用紙を通紙した際の、中央発熱部60Aにおける通紙領域の温度を第1温度検知部材25によって検知することができる。
また、中央発熱部60Aの幅L1よりも小さい幅サイズの用紙が複数種類ある場合は、その中でも最小幅用紙の通紙領域内に、第1温度検知部材25の温度検知部25aを配置することで、中央発熱部60A上を通過するあらゆるサイズの通紙領域の温度を第1温度検知部材25によって検知することができるようになる。
図3Dの第2温度検知部材26の温度検知部26aは、中央発熱部60Aの幅L1よりも外側で、大サイズ通紙領域W2内に配置されている。すなわち、第2温度検知部材26の温度検知部26aは、大サイズの用紙P2を通紙する際に、当該用紙P2が端部発熱部60B上を通過する通紙領域に対応して配置されている。
このように、第2温度検知部材26の温度検知部26aが、中央発熱部60Aの幅L1よりも外側で、大サイズ通紙領域W2内に配置されていることで、大サイズの用紙P2を通紙した際の、端部発熱部60Bにおける通紙領域の温度を第2温度検知部材26によって検知することができる。
また、端部発熱部60B上を通過する用紙が複数種類ある場合は、その中でも最小幅用紙の通紙領域内に、第2温度検知部材26の温度検知部26aを配置することで、端部発熱部60B上を通過するあらゆるサイズの通紙領域の温度を第2温度検知部材26によって検知することができるようになる。
図3Dの第3温度検知部材27の温度検知部27aは、小サイズ通紙領域W1の外側で、中央発熱部60Aの幅L1内に配置されている。すなわち、第3温度検知部材27の温度検知部27aは、小サイズの用紙P1を通紙する際に、当該用紙P1が中央発熱部60A上を通過しない非通紙領域(非通過領域)に対応して配置されている。
このように、第3温度検知部材27の温度検知部27aが、小サイズ通紙領域W1の外側で、中央発熱部60Aの幅L1内に配置されていることで、小サイズの用紙P1を通紙した際の、中央発熱部60Aにおける非通紙領域の温度を第3温度検知部材27によって検知することが可能である。
各温度検知部材25,26,27によって検知された温度情報は、各発熱部60A,60Bの発熱を制御する制御部へ送られ、送られた温度情報に基づき各発熱部60A,60Bが個別に制御される。これにより、ニップ部Nの温度が予め設定された目標の温度(定着温度)となるように制御される。
しかしながら、小サイズの用紙を続けて通紙した場合など、非通紙領域におけるヒータ22の熱があまり消費されない場合は、温度が過剰に上昇することがある。このような場合、非通紙領域における温度が所定の温度以上となったことを第3温度検知部材27が検知することで、ヒータ22の発熱量を低下させる制御がなされる。さらに、用紙の搬送速度を下げる、用紙の搬送間隔を広げる、あるいは画像形成を停止することで、非通紙領域における温度上昇が抑制される。
本実施形態では、中央発熱部60A及び端部発熱部60Bが、それぞれの長手方向端部側に、傾斜部601を有しているが、傾斜部601では、それ以外の部分(各発熱部60A,60Bの長手方向中央側)に比べて発熱量が低下する。従って、傾斜部601に対応する領域に第2温度検知部材26や第3温度検知部材27の各温度検知部26a,27aが配置されていると、温度の検知精度が低下する可能性がある。
そのため、図3Dに示すように、第2温度検知部材26及び第3温度検知部材27の各温度検知部26a,27aは、中央発熱部60Aの傾斜部601又は端部発熱部60Bの傾斜部601以外の部分(例えば、発熱部60A,60Bの長手方向中央側)に配置されることが好ましい。これにより、第2温度検知部材26及び第3温度検知部材27の温度検知精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、第2温度検知部材26が一方の端部発熱部60B側だけに配置されているが、他方の端部発熱部60B側にも第2温度検知部材26を配置してもよい。ただし、本実施形態のように、各サイズの用紙P1,P2がそれぞれの幅方向中央位置Mを揃えて搬送される、いわゆる中央搬送基準方式の画像形成装置の場合は、定着ベルトの温度分布が基本的に用紙の幅方向中央位置Mを基準に左右対称になる。したがって、一方の端部発熱部60B側だけに第2温度検知部材26を配置すれば、他方の端部発熱部60Bの制御も同様に行うことができる。
(温度検知部材の構成)
続いて、各温度検知部材25,26,27の構成について説明する。なお、各温度検知部材25,26,27の構成は、それぞれ同様の構成であるので、1つの温度検知部材25の構成について説明する。
図4Aは温度検知部材25の平面図、図4Bは温度検知部材25をヒータホルダ23に取付けた状態の側面図、図4Cは同平面図である。温度検知部材25は、前記温度検知部25aとして機能する温度検知素子31と、温度検知素子31を保持する保持体32と、温度検知素子31と保持体32との間に設けられた緩衝部材33と、温度検知素子31を保持体32と共に包括的に被覆する絶縁シート34と、温度検知素子31に電気的に接続された2本の導電体であるリード線35と、を備えている。
保持体32は、耐熱性に優れるLCP(液晶ポリマー)などの樹脂材料で構成さている。緩衝部材33としては、高い耐熱性が求められる場合、シート状のセラミックファイバーで構成された無機繊維紙又は耐熱性不織布を用いることが望ましい。また、高い耐熱性が要求されない場合は、緩衝部材33として、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂から成るゴムやスポンジなどを用いることができる。
温度検知素子31は、2本のリード線35を介して、ヒータ22の発熱を制御する制御部に対して電気的に接続されている。温度検知素子31及び緩衝部材33は、図4Bの保持体32の下面に設けられている。
本実施形態においては、保持体32が、一方向(図4A〜図4Cの左右方向)に長く形成された長手状の部材であり、その長手方向における保持体32の中央側に温度検知素子31及び緩衝部材33が設けられている。また、本実施形態に係る保持体32は、その長手方向の端部側よりも中央側の部分で幅狭に形成されており、幅が狭く形成された中央側の部分に、温度検知素子31及び緩衝部材33が設けられている。
図4Bの保持体32の上面には、後述のコイルばねを位置決めするための突起32bが設けられている。これら突起32bは、保持体32の長手方向両端部側にそれぞれ1つずつ設けられている。
絶縁シート34は、温度検知素子31、保持体32、及び緩衝部材33を包括的に包み込むようにして取り付けられている。絶縁シート34は、ポリイミドなどの絶縁性、耐熱性、耐摩耗性、熱伝導性の良好な樹脂で形成されている。
図4B、図4C、図5に、温度検知部材25が相手部材であるヒータホルダ23に対して取り付けられた状態を示す。図4Bは温度検知部材25の取付状態を示す側面図、図4Cは温度検知部材25の取付状態を示す平面図、図5(a)(b)(c)は、順に図4cにおけるx−x断面図、y−y断面図、z−z断面図である。なお、各温度検知部材25,26,27の取付構造は同様であるので、それぞれ同様の構成であるので、1つの温度検知部材25の取付構成について説明する。
図4Cに示すように、温度検知部材25は、ヒータホルダ23に設けられた枠状又は溝状の収容部23a内に収容される。このとき、図4B及び図5(c)に示すように、温度検知部材25に設けられた凹係合部32aに、ヒータホルダ23に設けられた凸係合部23bが挿入されることにより、ヒータホルダ23に対する温度検知部材25の位置が規制される(位置決め機構)。すなわち、凹係合部32aと凸係合部23bとが係合することにより、凸係合部23bの軸方向と交差する方向の温度検知部材25の移動が規制される。この位置決め機構の詳細についてはさらに後述するものとする。
温度検知部材25は、図4B、図4Cに示すように、収容部23a内に収容された状態で、保持体32の凹係合部32aが設けられた端部側とは反対側の端部が、収容部23aの対向する側壁面23cに係合している。これにより凸係合部23bを中心とする保持体32の回転が規制される。このように、ヒータホルダ23に対する保持体32の移動及び回転が規制されることで、温度検知部材25が位置決めされる。
なお、凹係合部32aと凸係合部23bの各断面形状は、円形のほか、三角形や四角形、その他の多角形であってもよい。これらの断面形状を多角形にした場合は、凸係合部23bを中心とするヒータホルダ23の回転を規制することが可能である。
図4Bに示すように、本発明の実施形態では、凹係合部32aが、保持体32のリード線35が伸びる方向の端部側(図4Bの右側)に設けられているため、作業者がリード線35の露出部分を把持して温度検知部材25を組み付ける際に、その組付け作業が行いやすくなる。すなわち、作業者がリード線35を把持する位置に対して近い位置に凹係合部32aが設けられているため、凹係合部32aを凸係合部23bに一致させて挿入しやすく、組付け作業を行いやすい。
なお、温度検知部材25を取り付ける相手部材の形状や周辺部材のレイアウトなどによっては、本発明の実施形態とは反対に、凹係合部32aを、保持体32のリード線35が露出しない端部側に(図4Bの左側)に設けてもよい。
ヒータホルダ23には、図4B及び図4Cに示すように、前記凸係合部23bの近くに、温度検知素子31やその周辺部分が配置される貫通孔23dが設けられている。この貫通孔23d内に温度検知素子31など(緩衝部材33や絶縁シート34も含む)が配置されることで、温度検知素子31が絶縁シート34を介してヒータ22に接触する。また、温度検知素子31とヒータ22との間にアルミニウムやグラファイトなどで構成される高熱伝導部材を配置し、この高熱伝導部材(及び絶縁シート34)を介して温度検知素子31がヒータ22に接触するように構成してもよい。
図4Bにおいて符号41で示される部材は、温度検知部材25を付勢する付勢部材としての一対のコイルばね40を支持する支持部材としてのステー24である。温度検知部材25が、一対のコイルばね40によりヒータ22やヒータホルダ23に向かって付勢されることで、温度検知素子31がヒータ22に対して所定の圧力で接触する。なお、温度検知素子31の好ましい接触圧力については図12A、図12Bで後述する。
各コイルばね40の一端部は、温度検知部材25に設けられた前記2つの突起32bによって位置決めされている。各突起32bがコイルばね40の端部に挿入されて位置決めされることで、コイルばね40の位置ずれや座屈が防止され、安定した接触圧を付与することができる。
また、温度検知素子31と保持体32との間に緩衝部材33があることで、ヒータ22対する温度検知素子31の接触を確実にすることができる。すなわち、温度検知部材25やヒータホルダ23などに図4Bの上下方向の寸法公差があったとしても、その寸法公差に応じて、緩衝部材33が弾性変形する(圧縮される)ことで、温度検知素子31をヒータ22に対して確実に接触させることができる。また、緩衝部材33の弾性変形(圧縮変形)を許容するために、ヒータホルダ23と温度検知部材25の保持体32との間には隙間Sが設けられている。
また、緩衝部材33は、保持体32よりも熱伝導率及び剛性の低い材料で構成されており、弾性を有すると共に断熱性も有する。このため、緩衝部材33は、ヒータ22から保持体32へ伝わる熱を低減する断熱部材としても機能する。
(温度検知部材の位置決め機構)
次に温度検知部材25の位置決め機構についてさらに説明する。図4Bに示すように、温度検知素子31及び緩衝部材33が設けられている側(ヒータ側)の保持体32の面には、保持体32を相手部材であるヒータホルダ23の凸係合部23bに係合するための凹係合部(被係合部)32aが設けられている。凹係合部32aは、リード線35が露出する保持体32の長手方向一端部側に設けられている。
凸係合部23bと凹係合部32aによって、温度検知部材25をヒータ22ないしヒータホルダ23の所定位置に位置決めする位置決め機構が構成される。この位置決め機構の凹凸係合構造は、温度検知部材25の保持体32とヒータホルダ23で反対にしてもよい。すなわち、図4Dのようにヒータホルダ23に係合部としての凹係合部23eを形成し、温度検知部材25の保持体32に当該凹係合部23eに係合する被係合部としての凸係合部32cを形成する。
また当該位置決め機構は、図4B、図4Dのように、ヒータホルダ23と保持体32の相互対向面に形成される凹凸係合構造に限定されない。例えば図4Cのように、ヒータホルダ23の収容部23aの対向する側壁面23cによっても位置決め機構の一部を構成可能である。
位置決め機構はさらに、図6A〜6Eの複数種類の係合構造によっても構成可能である。図6Aは保持体32の幅方向片側に凸係合部32dを形成したものである。この凸係合部32dがヒータホルダ23の凹係合部23fに係合する。
図6Bは保持体32の長手方向反対側の幅方向両側に凸係合部32eを形成したものである。この凸係合部32eがヒータホルダ23の凹係合部23gに係合する。保持体32の長手方向両側で図6Aの位置決め機構や図6Bの位置決を設けてもよい。
図6Cは保持体32の長手方向一端側に凸係合部32fを形成したものである。この凸係合部32eがヒータホルダ23の凹係合部23hに係合する。
図6Dは保持体32の長手方向一端側の幅方向両側に凹係合部32gを形成したものである。この凹係合部32gにヒータホルダ23の凸係合部23iが係合する。保持体32の長手方向両端側で当該位置決め機構を設けてもよい。
図6Eは、(a)のように保持体32の長手方向一端側で短手方向の両側面を収容部23aの対向する側壁面23cに係合させ、かつ(b)のように保持体32の長手方向他端側において保持体32のヒータ側に凸係合部32hを形成している。そして当該凸係合部32hをヒータホルダ23の凹係合部23jに係合させている。
このように温度検知部材25の位置決め機構は種々の構成が可能である。いずれの位置決め機構でも、保持体32の厚み方向(コイルばね40の付勢方向)における係合幅は、図11Bの従来のものよりも大幅に短いことが特徴である。
図11Bの係合構造では、温度検知部材25の保持体32の厚み方向に貫通した断面円形の凹係合部32yに、ヒータホルダ23から立ち上がった円柱状の凸係合部23zが係合している。つまり図11Bの係合構造は保持体32の厚み方向全幅が係合幅になっているが、本発明の実施形態では係合幅が従来の数分の1の大きさである。このように係合幅を大幅に低減することで、ヒータホルダ23の変形に伴う温度検知部材25の傾斜を防止することができる。
係合幅が長い場合、ヒータホルダ23がニップ圧で撓むとその影響で温度検知部材25の姿勢が変化しやすい。すなわち、図11C(a)に示すように長い凸係合部23zが少ないガタで凹係合部32yに係合していると、ヒータホルダ23のアーチ状の撓みがそのまま温度検知部材25の姿勢に影響する。
温度検知部材25がアーチ状の撓みの中央部に配設されている場合、当該撓みの影響は比較的少ない。しかし、温度検知部材25が図11Aのようにヒータ22の幅方向中心位置から偏心配置されている場合、ヒータホルダ23の撓みの影響を受けやすい。温度検知部材25がこのように偏心配置された定着装置は、例えば特許文献3(特許第6415188号公報)などに記載されている。
すなわち、図11C(a)のように凸係合部23zと凹係合部32yが僅かな大きさのガタで係合している場合、温度検知部材25の偏心配置による凸係合部23zの傾斜の影響で温度検知部材25も傾斜する。温度検知部材25が傾くとその先端に保持している温度検知素子31とヒータ22の当接状態が変化し、ヒータ22の正確な温度検知ができなくなる。例えば、実際のヒータ22の温度よりも低い温度を温度検知部材25が検知することがある。
そこで改良案として、ヒータホルダ23の撓みの影響を避けるため、図11C(b)のように径を拡大した凹係合部32zにして凸係合部23zとの間のガタを大きくすることが考えられる。しかし、そうすると温度検知部材25の位置決め精度が甘くなり、ヒータ22と温度検知素子31との当接位置がズレることで正確な温度検知ができない。
そこで本発明の実施形態は、図11C(c)のように、凹係合部32aと凸係合部23bのガタを少なくすると共に、温度検知部材25の厚み方向における両者の係合長さを必要最小限にした。これにより、ヒータホルダ23がアーチ状に撓んでも、それによる凸係合部23bの回転でヒータホルダ23が傾斜するのが防止される。
すなわち、図11C(c)で凸係合部23bが右又は左方向に回転(傾動)しても、当該凸係合部23bが凹係合部32aの内面に干渉して保持体32ないし温度検知部材25を傾斜させることがない。したがって、ヒータ22と温度検知素子31との当接状態が安定化し、正確な温度検知ができる。
なお、ヒータホルダ23の変形に伴う温度検知部材25の傾斜を抑制するため、図15Aと図15Bに示すように、温度検知部材25の保持体32の凹係合部32a又はヒータホルダ23の凸係合部23bに、半球形状の突起32x、23xを形成してもよい。当該半球形状の突起32x、23xが相手部材に当接することで温度検知部材25の位置を規制し、またヒータホルダ23の変形に伴って温度検知部材25が傾斜するのを抑制することができる。
この場合、凸係合部23bと凹係合部32aの軸線方向の実質的な係合幅は、半球形状の突起32x、23xの接触部分になる。この凹凸係合構造は、保持体32とヒータホルダ23で反対にしてもよい。すなわち、図4Dにおいてヒータホルダ23の凹係合部23eに半球形状の突起を形成するか、或いは保持体32の凸係合部32cに半球形状の突起を形成することができる。
(ステーの種類)
前述したステー24は、図7A〜図7Cのように複数種類が可能である。図7Aのステー24はL字形のアングル材24a、24bを2枚加締めて溶接またはネジ止めしたものである。ヒータホルダ23の短手方向両端部のみをステー24に当接させることで、伝熱面積を低減して熱ロスを抑制している。
図7Bのステー24はL字形のアングル材24cを1枚使用したもので、ヒータホルダ23の短手方向片端部のみをステー24に当接させることで、伝熱面積をより低減して熱ロスを抑制している。ベルトガイド兼バネホルダ81をステー24に固定している。
図7Cのステー24はチャンネル形のアングル材24dを1枚使用したもので、ヒータホルダ23の短手方向両端部のみをステー24に当接させることで、伝熱面積を低減して熱ロスを抑制している。ベルトガイド兼バネホルダ82をステー24に固定している。
温度検知素子31は、図8(a)に示すように、コイルばね40を位置決めする前述の突起32bの位置と長手方向で同軸上に配置するとよい。これによりコイルばね40の付勢力を温度検知素子31に直接的に作用させることができ、正確な温度検知に必要な加圧力を安定的に維持することができる。また、凸係合部23bと凹係合部32aも突起32bの位置に合わせて図8で重なるように配置してもよい。
(ヒータの種類)
また、本発明が適用されるヒータ22は、上述の例のほか、図9A、図9B又は図9Cに示す構成のヒータであってもよい。図9Aに示す例では、中央発熱部60Aが、その長手方向に渡って複数の発熱ブロック59に分割されている。このように、中央発熱部60Aを、1つの長い発熱ブロックではなく、複数の短い発熱ブロック59に分割することで、発熱ブロック59と端部発熱部60Bとのそれぞれの幅がほぼ同じとなり、これらの抵抗値をほぼ同じにすることができる。
例えば、中央発熱部60Aの幅L1がA4紙幅(215mm)で、両端部発熱部60Bを含む発熱領域の幅L2がA3紙幅(301mm)である場合は、中央発熱部60Aを5つの発熱ブロック59に分割することで、発熱ブロック59と端部発熱部60Bとのそれぞれの幅を同じ幅(43mm)にすることができる。これにより、各発熱ブロック59と各端部発熱部60Bとのそれぞれの抵抗値がほぼ同じとなり、定着ベルト20を幅方向に渡って均一に加熱することができるようになる。
さらに、図9Bに示す例では、中央発熱部60Aの各発熱ブロック59と、各端部発熱部60Bとが、それぞれ折り返しパターンに形成されている。この場合、折り返しパターンに沿って電流が流れる。
また、図9Cに示す例では、各発熱部60A,60Bが、それぞれの短手方向の端部にて給電線62と接続されている。この場合、図9C中の矢印で示すように、各発熱部60A,60Bの長手方向及び短手方向(斜め方向)に電流が流れるようになる。
互いに隣り合う発熱部60A同士の間隔、又は互いに隣り合う発熱ブロック59同士の隙間は、これら間の絶縁性を確保する観点から、0.2mm以上が好ましく、0.4mm以上がさらに好ましい。また、これらの隙間は、大きすぎると、その隙間の部分で温度低下が生じやすくなるため、長手方向に渡る温度ムラを抑制する観点から、5mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましい。
また、図9Dに示す例のように、第1温度検知部材25、第2温度検知部材26、及び第3温度検知部材27に加えて、発熱部60への通電を遮断する通電遮断手段としてのサーモスタット55を設けてもよい。サーモスタット55は、発熱部60の温度が所定温度以上であることを検知した場合に発熱部60への通電を遮断する。
図9Dに示す例のように、中央発熱部60Aが互いに並列に接続された複数の発熱ブロック59で構成されている場合、中央発熱部60Aに配置されるサーモスタット55は、第1温度検知部材25が配置される発熱ブロック59と同じ発熱ブロック59に配置されることが望ましい。このように、同じ発熱ブロック59にサーモスタット55と第1温度検知部材25とを配置することで、万が一、この発熱ブロック59が断線して、サーモスタット55では過昇温を検知することができない状況になっても、第1温度検知部材25が断線に起因する異常な温度低下を検知することで、ヒータ22の故障を把握することができるようになる。また、通電遮断手段として、サーモスタットに代えて、ヒューズを用いることも可能である。
また、上述の各実施形態においては、ヒータとして互いに独立して制御される複数の発熱部(中央発熱部60A及び端部発熱部60B)を有する構成を例に挙げているが、本発明は、複数の発熱部を有するヒータに限らず、発熱部を1つのみ有するヒータにも適用可能である。また、上述の実施形態においては、温度検知部材25が位置決めされるヒータホルダ23を相手部材としているが、相手部材はこれに限らず、ステー24、あるいはその他の部材であってもよい。
さらに、本発明に係る温度検知部材は、ヒータ22の温度を検知するものに限らない。本発明は、定着ベルト20など、ヒータ22以外の検知対象部材の温度を検知する温度検知部材にも適用可能である。
(定着装置の他の型式)
また本発明は、上述の定着装置のほか、図10A〜図10Cに示すような定着装置にも適用可能である。以下、図10A〜図10Cに示す各定着装置について簡単に説明する。
まず、図10Aに示す定着装置9は、定着ベルト20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ90が配置されており、この押圧ローラ90とヒータ22とによって定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材91が配置されている。ニップ形成部材91は、ステー24によって支持されており、ニップ形成部材91と加圧ローラ21とによって定着ベルト20を挟んでニップ部Nを形成している。
次に、図10Bに示す定着装置9では、前述の押圧ローラ90が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図10Aに示す定着装置9と同じ構成である。
最後に、図10Cに示す定着装置9では、定着ベルト20のほかに加圧ベルト92が設けられ、加熱ニップ(第1ニップ部)N1と定着ニップ(第2ニップ部)N2とを分けて構成している。すなわち、加圧ローラ21に対して定着ベルト20側とは反対側に、ニップ形成部材91とステー93とを配置し、これらニップ形成部材91とステー93を内包するように加圧ベルト92を回転可能に配置している。
そして、加圧ベルト92と加圧ローラ21との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱及び加圧して画像を定着する。その他は、図2に示す定着装置9と同じ構成である。
(温度検知素子の荷重と緩衝部材の圧縮率の関係)
次に、温度検知素子31の荷重と緩衝部材33の圧縮率の関係について説明する。前述したように温度検知素子31は図8(b)のように緩衝部材33の上に配設されている。温度検知素子31と緩衝部材33は絶縁シート34で覆われている。
ここで温度検知部材25の厚みを4mm、自然状態での絶縁シート34を含む緩衝部材33の厚みを1mm、幅を4mmとする。温度検知部材25が傾斜せず温度検知部材25の正面にニップ圧が作用すると、緩衝部材33の厚みが幅方向均等に0.4mmに縮まる。
そして図示するように緩衝部材33の均一な圧縮力(6kPa)が温度検知素子31に作用する。これが温度検知素子31の理想的な加圧状態であり、温度検知素子31でヒータ22の温度を正確に検知することができる。
ここで、緩衝部材33の変位(圧縮量)と圧力の関係を図12Bで説明する。温度検知素子31は圧力が小さすぎると正しい温度を検知できないし、圧力が大きすぎてもコイルばね40が大きくなりサイズアップするので、適切な範囲がある。本例では6±1kPaとしている。
緩衝部材33としてセラミックファイバーやスポンジ、ゴムなど、完全なバネでないものを使用すると、図12Aのように緩衝部材33を圧縮したときにその圧縮率(横軸)に対して荷重(縦軸)が非線形、かつ加速度的に上昇する。
緩衝部材33の圧縮率−圧力の特性は、図12Bの横長矩形の破線の範囲内が望ましい。当該破線範囲から外れると、適正な圧縮圧力の6±1kPaに収まる圧縮率の範囲が狭くなるからである。圧縮圧力に対する圧縮率は、より好ましくは4kPaに到達するのが50〜70%がより好ましい。
次に、4kPa到達時の圧縮率が50〜70%の緩衝部材33を用いて、温度検知素子31に作用する荷重が温度検知部材25の傾斜によってどのように変化するかを検証した。図13は当該検証に使用した温度検知部材25の略図である。温度検知部材25の凹係合部32yの係合長E(4mm)、ボス長L1(凸係合部23z長さL1=4mm)、凸係合部23z回りのクリアランスC、係合部傾きδ、凸係合部23z傾きL2である。
図14Aのように傾きF(=0.15mm=0.6mm−0.45mm)が小さければ、温度検知素子31の圧力が6kPaになる。特に、傾きFが0.15mm以下であれば、圧力のグラフより短手方向全域に渡って温度検知素子31の圧力が6±1kPaになる。
しかし図14Bのように例えば温度検知部材25が傾きF=0.5mm(=0.7mm−0.2mm)で傾いた状態でヒータ22に当接した場合、傾いた側の緩衝部材33の変位が大きな部位に荷重が集中する。このため温度検知素子31の位置での圧力は2kPaと小さくなってしまい必要な圧力を満たせない。
ここで、図13のようにボス(凸係合部23z)が荷重や部品バラツキによって高さ4mmあたり0.5mm傾いたとする。ボスの傾きによって温度検知部材25が傾かないようにするには、係合部にガタを設ける必要がある。ガタ(クリアランスC)は小さすぎると組み立て性が悪くなるし、大きすぎると温度検知部材25の位置精度が低下する。このためクリアランスC=0.01〜0.5mmにする必要がある。ガタはマイクロメータやピンゲージ、投影機で測定する。荷重はロードセルやバネ試験機で測定する。
一方、温度検知部材25の傾きを小さくするには、係合長Eが長ければ長いほどガタを大きくする必要がある。温度検知部材25の傾きFを0.15mm以下にするには図13から、
温度検知部材の傾きF<0.15mm
δ×E/ボス長<0.15
δ=E×ボス傾き/ボス長
ボス傾き=0.5、ボス長=4mmを代入て整理すると、E<11.4×Cが導かれる。
現行温度検知部材25の実測結果を参考に前述のガタ、傾斜角度及び係合長の大きさを検証した。緩衝部材33の幅(図12Aの上下方向の幅)が大きいと定着ユニットがサイズアップし、小さいとヒータ側に傾いて当接する恐れがある。そこで緩衝部材33の幅は1〜6mmが望ましく、2〜4mmがさらに望ましい。
緩衝部材33の厚みは、薄すぎると弾性が確保できず、厚すぎると温度検知部材がヒータに傾いて当接しやすくなる。したがって緩衝部材33の厚みは0.2〜6mmがよく、0.5〜2mmがより好ましい。
また、緩衝部材33の厚みを幅よりさらに小さくすることで温度検知部材がヒータに傾いて当接するのを防止できる。より好ましくは、緩衝部材33の幅を厚みの1.5倍以上取るのがよい。
(特許請求の範囲に不記載の本発明の他の特徴)
以上の説明から、特許請求の範囲に不記載の本発明の他の特徴をまとめると以下のようになる。
[特徴1]
温度検知部材とヒータホルダの係合部のガタをC、係合長さをEとしたとき、
0.01mm<C<0.5mm、かつ、1<E/C<40とした温度検知手段。
ガタCと係合長さEが当該範囲から外れると温度検知部材の検知精度が低下する。
[特徴2]
1<E/C<20とした特徴1の温度検知手段。
ガタCと係合長さEが当該範囲から外れると温度検知部材の検知精度が低下する。
[特徴3]
1<E/C<11.4とした特徴1の温度検知手段。
ガタCと係合長さEが当該範囲から外れると温度検知部材の検知精度が低下する。
[特徴4]
温度検知部材が温度検知素子を支える緩衝部材を有し、当該緩衝部材の圧縮率と圧力の関係が非線形である特徴1の温度検知手段。
[特徴5]
前記緩衝部材の圧力が4kPa以上となるときの圧縮率が30〜90%である特徴4の温度検知手段。
当該圧力と圧縮率の範囲で温度検知部材の検知精度が良好となる。
[特徴6]
前記緩衝部材が無機繊維紙、耐熱性不織布からなる特徴4の温度検知手段。
以上、本発明を適用可能な種々の定着装置の構成について説明したが、本発明に係る加熱装置は、定着装置に適用される場合に限らない。例えば、本発明に係る加熱装置は、用紙に塗布されたインクを乾燥させるために、インクジェット方式の画像形成装置に搭載される乾燥装置にも適用可能である。さらに、本発明に係る加熱装置は、用紙を加熱対象部材として加熱する加熱装置のほか、シートの表面に被覆部材としてのフィルムを重ねて、これらを加熱して圧着する被覆装置(ラミネータ)などにも適用可能である。
1Y,1M,1C,1Bk:作像ユニット 2:感光体
3:帯電装置 4:現像装置
5:クリーニング装置 6:露光装置
7:給紙装置 8:転写装置
9:定着装置 10:排紙装置
11:中間転写ベルト 12:一次転写ローラ
13:二次転写ローラ 14:用紙搬送路
15:タイミングローラ 19:加熱装置
20:定着ベルト 21:加圧ローラ
21a:鉄製芯金 21b:弾性層
21c:離型層 22:ヒータ
23:ヒータホルダ 23a:収容部
23b:凸係合部 23c:側壁面
23d:貫通孔 23e~23h,23j:凹係合部
23i,23z:凸係合部 24,41,93:ステー
24a〜24d:アングル材 25〜27:温度検知部材
25a,26a,27a:温度検知部 31:温度検知素子
32:保持体 32a,32g,32y,32z:凹係合部
32b:突起 32c~32f,32h:凸係合部
33:緩衝部材 34:絶縁シート
35:リード線 40:付勢部材
50:基材層 51:導体層
52:絶縁層 55:サーモスタット
59:発熱ブロック 60:発熱部
60A:中央発熱部 60B:端部発熱部
61,61A〜61D:電極部 62:給電線
70:コネクタ 71:ハウジング
72:コンタクト端子 72a:接点部
81,82:ベルトガイド兼バネホルダ 90:押圧ローラ
91:ニップ形成部材 92:加圧ベルト
100:画像形成装置 103:画像形成装置本体
601:傾斜部 N:ニップ部
P,P1,P2:用紙 S:隙間
W1:小サイズ通紙領域 W2:大サイズ通紙領域
Wmax:最大幅
特許第4684449号公報 特許第4497735号公報 特許第6415188号公報

Claims (20)

  1. 長手方向に伸びた加熱部材を保持するホルダ部材と、
    前記加熱部材の温度を検知する温度検知部材と、
    前記温度検知部材を前記ホルダ部材に向けて付勢する付勢部材と、
    前記ホルダ部材に設けられた係合部と、前記温度検知部材に設けられた被係合部とを有し、前記係合部と前記被係合部の嵌合により前記加熱部材の所定位置に前記温度検知部材を位置決めする位置決め機構とを有し、
    前記ホルダ部材の長手方向と直角な短手方向において、前記温度検知部材を前記加熱部材の幅方向中央から離間して配置すると共に、前記付勢部材の付勢方向における前記係合部と前記被係合部の係合幅を、前記付勢方向における前記温度検知部材の厚みよりも短くしたことを特徴とする温度検知手段。
  2. 加熱部材を保持するホルダ部材と、
    前記加熱部材の温度を検知する温度検知部材と、
    前記温度検知部材を前記ホルダ部材に向けて付勢する付勢部材と、
    前記ホルダ部材に設けられた係合部と、前記温度検知部材に設けられた被係合部とを有し、前記係合部と前記被係合部の係合により前記加熱部材の所定位置に前記温度検知部材を位置決めする位置決め機構とを有し、
    前記係合部と前記被係合部の係合幅を、前記付勢部材の付勢方向における前記温度検知部材の厚みよりも短くしたことを特徴とする温度検知手段。
  3. 前記係合部と前記被係合部の前記係合幅を、前記付勢方向における前記温度検知部材の厚みの半分以下にしたことを特徴とする請求項1又は2の温度検知手段。
  4. 前記位置決め機構を前記ホルダ部材の厚みの範囲内に配設したことを特徴とする請求項1又は2の温度検知手段。
  5. 前記位置決め機構が前記ホルダ部材の長手方向の少なくとも2箇所に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の温度検知手段。
  6. 前記ホルダ部材が耐熱性樹脂を前記長手方向に押し出して成形された押出成形品であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項の温度検知手段。
  7. 前記耐熱性樹脂が、LCP樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂、のいずれか1つであることを特徴とする請求項6の加熱装置。
  8. 前記温度検知部材が絶縁フィルムで被覆されると共に、当該絶縁フィルムの外側に前記位置決め機構が配設されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項の温度検知手段。
  9. 前記温度検知部材が温度検知素子を保持する保持体を有し、当該温度検知素子と前記絶縁フィルムとの間に弾性部材が配設されていることを特徴とする請求項8の温度検知手段。
  10. 前記弾性部材の非圧縮状態における前記弾性部材の厚みtが、短手方向幅Hよりも小さいことを特徴とする請求項9の温度検知手段。
  11. 前記温度検知部材の長手方向において前記位置決め機構と前記温度検知素子が同軸上に配設されていることを特徴とする請求項9又は10の温度検知手段。
  12. 前記温度検知素子と前記保持体の間に断熱部材が設けられていることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項の温度検知手段。
  13. 前記付勢部材が当接する前記保持体の面に、前記付勢部材を当接位置を位置決めする突起部が設けられていることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項の温度検知手段。
  14. 発熱部を有する加熱部材と、
    前記加熱部材又は前記加熱部材によって加熱される部材の温度を検知する温度検知部材と、
    前記温度検知部材を前記加熱部材側又は前記加熱部材によって加熱される部材側へ付勢する付勢部材と、
    前記温度検知部材が位置決めされる相手部材と、
    を備える加熱装置であって、
    前記温度検知部材として、請求項1から13のいずれか1項の温度検知手段を備えることを特徴とする加熱装置。
  15. 前記加熱部材は、互いに間隔をあけて配置された複数の発熱部を有し、
    1つの前記発熱部に対して、複数の前記温度検知部材が配置されている請求項14の加熱装置。
  16. 前記加熱部材は、互いに間隔をあけて配置された複数の発熱部を有し、
    前記発熱部の温度が所定温度以上である場合に前記発熱部への通電を遮断する通電遮断手段を備え、
    前記通電遮断手段及び前記温度検知部材は、同じ前記発熱部に対応して配置されている請求項15の加熱装置。
  17. 請求項14から16のいずれか1項の加熱装置を有することを特徴とする乾燥装置。
  18. 請求項14から16のいずれか1項の加熱装置を用いて、前記加熱対象部材としての記録媒体上の画像を定着することを特徴とする定着装置。
  19. 請求項18の定着装置と、画像を形成する画像形成部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項14から16のいずれか1項の加熱装置を有することを特徴とするインクジェット方式の画像形成装置。
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