JP2022189098A - 加熱装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2022189098000001
【課題】加熱部材の暴走時に加熱部材の通電を安定的に遮断する。
【解決手段】加熱部材としてのヒータ22と、ヒータ22の温度を検知する感熱面を有する安全装置25とを有し、感熱面の温度が所定温度以上になったときにヒータ22に対する給電を停止する加熱装置において、ヒータ22を裏側から保持する保持部材23を有し、保持部材23がヒータ22の裏側に続く貫通孔23dを有し、貫通孔23dに安全装置25を収容すると共に、貫通孔23dの内周に感熱面の外周部を保持する段部23kを形成し、段部23kによって安全装置25の感熱面の中央部とヒータ22とを非接触に維持することを特徴とする。
【選択図】図5B

Description

本発明は加熱装置、定着装置および画像形成装置に係り、特に加熱部材の過熱を防止する安全装置を有する加熱装置と、当該加熱装置を備えた定着装置および画像形成装置に関する。
複写機、プリンタなどの画像形成装置においては、用紙上のトナーを熱により定着させる定着装置や、用紙上のインクを乾燥させる乾燥装置など、加熱部材を有する加熱装置が搭載されている。このような加熱装置においては、電源回路を保護し加熱部材の過熱を防止するためにサーモスタットなどの安全装置が設けられる。
このような安全装置は、通常、応答性を高めるためにその感熱面全面が加熱部材に接触した状態で配設されることが多い。しかしながら、安全装置は一般的にその熱容量が比較的大きい。このため安全装置の感熱面全面が加熱部材に直接接触すると、当該接触領域の加熱部材温度が局所的に低下して画像の加熱ムラが生じやすい。また、加熱部材がオーバーシュートのため設定値をわずかに超えて昇温したときに安全装置が誤作動しやすい。
特許文献1(特許第4546233号公報)の発明は、図11Aのように、安全装置25と加熱部材であるヒータ22との間にスペーサ36を介在させている。当該スペーサ36は、図11Bのスペーサ36-1~36-4のように、開口部と枠部、及び枠部から内側に延びる脚部を有する。
前記開口部によってスペーサ36とヒータ22との接触面積を低減する。ヒータ22が異常昇温するとスペーサ36が軟化・溶融する。そして、安全装置25が溶融した脚部を介してヒータ22に接触することで安全装置25が作動し、ヒータ22への通電を遮断する。
しかしながら、特許文献1の発明は安全装置の感熱面の中央部と加熱部材との間に別部品としてのスペーサの脚部を介在させる構成である。このため、安全装置とスペーサの双方の部品形状のばらつきによって、図11C(a)に示すスペーサ36の非溶融状態において、安全装置25とスペーサ脚部との間の接触状態と、スペーサ脚部とヒータ22との間の接触状態がそれぞれバラつく。このような接触状態のばらつきがあると、ヒータ22の暴走時に図11C(b)のようにスペーサ脚部が溶融し始めるまでの時間にばらつきが生じ、ヒータ22の通電を安定的に遮断することができない。
そこで本発明の目的は、加熱部材の暴走時に加熱部材の通電を安定的に遮断することができる加熱装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明の加熱装置は、加熱部材と、前記加熱部材の温度を検知する感熱面を有する安全装置とを有し、前記感熱面の温度が所定温度以上になったときに前記加熱部材に対する給電を停止する加熱装置において、前記加熱部材を裏側から保持する保持部材を有し、当該保持部材が前記加熱部材の裏側に続く貫通孔を有し、当該貫通孔に前記安全装置を収容すると共に、当該貫通孔の内周に前記感熱面の外周部を保持する段部を形成し、当該段部によって前記安全装置の前記感熱面の中央部と前記加熱部材とを非接触に維持するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、加熱部材の暴走時に加熱部材の通電を安定的に遮断することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 定着ベルトやステーなどを省いて示す定着装置の斜視図である。 定着装置の保持部材に対するヒータの取付構造を示す斜視図である。 ヒータ、保持部材及びステーなどの分解斜視図である。 ヒータの平面図である。 保持部材にコネクタを装着した状態を示す図である。 安全装置の平面図である。 安全装置の取付構造を示す側面図である。 安全装置の取付構造を示す平面図である。 安全装置の別の取付構造を示す側面図である。 図4Cの(a)x-x断面図、(b)y-y断面図、(c)z-z断面図である。 保持部材に対する安全装置の取付構造を示す断面図であって、(a)第1実施形態、(b)第2実施形態、(c)第3実施形態、(d)第4実施形態の断面図である。 (a)安全装置の凸係合部を幅方向に突出させた例を示す平面図と(b)同平面図のb-b断面図である。 安全装置の凸係合部を幅方向に突出させた他の例を示す平面図である。 安全装置の凸係合部を長手方向に突出させた例を示す平面図である。 安全装置の凹係合部を幅方向両側に形成した例を示す平面図である。 安全装置の凸係合部を厚さ方向ヒータ側に突出させた例を示す(a)平面図と(b)断面図である。 ステーの他の種類1を示す断面図である。 ステーの他の種類2を示す断面図である。 ステーの他の種類3を示す断面図である。 温度検知素子とコイルばねの作用点の同軸配置を示す(a)平面図と(b)B-B断面図である。 他の定着装置の構成を示す図である。 別の定着装置の構成を示す図である。 さらに別の定着装置の構成を示す図である。 保持部材に対する従来の安全装置の取付構造を示す(a)第1の構成と(b)第2の構成の断面図である。 保持部材に対する従来の安全装置の取付構造を示す断面図である。 (a)~(d)はスペーサの種類を示す平面図である。 (a)(b)は保持部材と安全装置の間のスペーサが軟化した時の安全装置の動きを示す断面図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
(●画像形成装置の概略)
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置100の概略構成図である。なお、画像形成装置100としては、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などであってもよい。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成部である4つの作像ユニット1Y、1M、1C、1Bkを備える。各作像ユニット1Y、1M、1C、1Bkは、画像形成装置本体103に対して着脱可能に構成され、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的には、各作像ユニット1Y、1M、1C、1Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体2と、感光体2の表面を帯電する帯電装置3と、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング装置5と、を備える。
また、画像形成装置100は、各感光体2の表面を露光し静電潜像を形成する露光装置6と、記録媒体としての用紙Pを供給する給紙装置7と、各感光体2に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する転写装置8と、用紙Pに転写されたトナー画像を定着する定着装置9と、用紙Pを装置外に排出する排紙装置10と、を備える。
転写装置8は、複数のローラによって張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト11と、各感光体2上のトナー画像を中間転写ベルト11へ転写する一次転写部材としての4つの一次転写ローラ12と、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像を用紙Pへ転写する二次転写部材としての二次転写ローラ13と、を有する。複数の一次転写ローラ12は、それぞれ、中間転写ベルト11を介して感光体2に接触している。
これにより、中間転写ベルト11と各感光体2とが互いに接触し、これらの間に一次転写ニップが形成されている。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架するローラの1つに接触している。これにより、二次転写ローラ13と中間転写ベルト11との間には二次転写ニップが形成されている。
また、画像形成装置100内には、給紙装置7から送り出された用紙Pが搬送される用紙搬送路14が形成されている。この用紙搬送路14における給紙装置7から二次転写ニップ(二次転写ローラ13)に至るまでの途中には、一対のタイミングローラ15が設けられている。
(●画像形成装置の印刷動作)
次に、図1を参照して前記画像形成装置の印刷動作について説明する。印刷動作開始の指示があると、各作像ユニット1Y、1M、1C、1Bkにおいては、感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電装置3によって感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。
次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6が各感光体2の表面を露光することで、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4からトナーが供給され、各感光体2上にトナー画像が形成される。
各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、図1の反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト11に順次重なり合うように転写される。そして、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、二次転写ニップにおいて搬送されてきた用紙Pに転写される。
この用紙Pは、給紙装置7から供給されたものである。給紙装置7から供給された用紙Pは、タイミングローラ15によって一旦停止された後、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに至るタイミングに合わせて二次転写ニップへ搬送される。
かくして、用紙P上にフルカラーのトナー画像が担持される。また、トナー画像が転写された後、各感光体2上に残留するトナーは各クリーニング装置5によって除去される。なお、中間転写ベルト11を使用せずに用紙Pを一次転写ニップに順次通過させることで、トナー画像を用紙Pに直接転写する直接転写方式も可能である。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、定着装置9によって用紙Pにトナー画像が定着される。その後、用紙Pは排紙装置10によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
(●定着装置)
続いて、定着装置9の構成について説明する。図2Aに示すように、本実施形態に係る定着装置9は、定着部材としての無端状のベルト部材から成る定着ベルト20と、定着ベルト20の外周面に対向して配置される対向部材としての加圧ローラ21と、定着ベルト20を加熱する加熱部材としての面状のヒータ22とを備えている。
ヒータ22を保持する保持部材23及びステー24は、定着ベルト20の内周側に配置されている。保持部材23は補強部材であるステー24によって長手方向に渡って補強・支持されている。
ヒータ22の裏側には、図2Bに示すように、長手方向複数箇所に複数の安全装置25、26、27、55が配設されている。このヒータ22の裏側が、図2C、図2Dのように保持部材23によって保持される。
ヒータ22の表側には図2Cのように、複数の発熱ブロック59が配設されている。なお、安全装置25、26、27、55の詳細は図3A、図4A-図8で後述する。
前述したステー24は金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が図2B、図2Dのキャップ部材24eを介して定着装置9の両側壁部に支持されている。ステー24によって保持部材23のヒータ22側とは反対側の面が支持されることで、ヒータ22及び保持部材23は加圧ローラ21の加圧力に対して大きく撓むことなく直線状に保たれる。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間に幅方向で一定圧を保持するニップ部Nが形成される。
保持部材23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成するのが望ましい。例えば、保持部材23をLCPやPEEKなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22から保持部材23への伝熱が抑制され効率的に定着ベルト20を加熱することが可能である。
前記耐熱性樹脂は、LCP樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂から選択することができる。これら耐熱性樹脂で保持部材23を成形する場合、耐熱性樹脂をホルダ長手方向に押し出した押出成形品とすることができる。
定着ベルト20は、例えば外径が24mmで厚みが40~120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFEなどのフッ素系樹脂による厚みが5~50μmの離型層が形成される。
基体と離型層の間に厚さ50~500μmのゴムなどからなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
加圧ローラ21は、例えば外径が24mmから30mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3mmから4mmである。
弾性層21bの表面は離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。なお、定着ベルト20の外周面に対向する対向部材として、加圧ローラ21に代えて無端状の加圧ベルトなどの部材を適用することも可能である。
ヒータ22は、定着ベルト20の幅方向に渡って長手状に設けられ、定着ベルト20の内周面に接触するように配置されている。ヒータ22は、定着ベルト20に対して非接触、あるいは低摩擦シートなどを介して間接的に接触する場合であってもよいが、ヒータ22を定着ベルト20に対して直接接触させる方が定着ベルト20への熱伝達効率がよくなる。
ヒータ22は定着ベルト20の外周面に接触させることも可能である。しかし、そうすると定着ベルト20の外周面がヒータ22との接触により傷付くと定着品質が低下する虞がある。このため、ヒータ22を定着ベルト20の内周面に接触させる方がよい。
加圧ローラ21と定着ベルト20は、加圧手段としてのバネによって互いに圧接されている。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ21は、画像形成装置本体103に設けられた駆動手段から駆動力が伝達されて回転駆動する駆動ローラとして機能する。
一方、定着ベルト20は、加圧ローラ21の回転に伴って従動回転するように構成されている。回転時、定着ベルト20はヒータ22に対して摺動するので、定着ベルト20の摺動性を高めるため、ヒータ22と定着ベルト20との間にオイルやグリスなどの潤滑剤を介在させてもよい。
印刷動作が開始されると、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。また、ヒータ22に電力が供給されることで、定着ベルト20が加熱される。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2Aに示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に搬送されることで、未定着トナー画像が加熱及び加圧されて用紙Pに定着される。
(●ヒータの構成)
図3Aはヒータ22の平面図、図3Bはヒータ22及び保持部材23にコネクタ70を装着した状態を示す斜視図である。ヒータ22は、基材50と、断熱層と、コート層を有する。ヒータ22は定着ベルト20の軸方向を長手方向とする概ね矩形の板状に形成されている。ヒータ22の用紙搬送方向の幅は例えば13mmである。
ヒータ22の基材50の上に、図3Aに示すように、長手方向に渡って3つの発熱部60B、60A、60Bが設けられている。基材50の長手方向中央が第1発熱部としての中央発熱部60Aであり、残りの2つは、中央発熱部60Aの長手方向両側に配置された第2発熱部としての端部発熱部60Bである。
基材50の一端部に、各発熱部に対して電力を供給するための複数の電極部61が配設されている。ここでは、図3Aで右から順に、第1電極部61A、第2電極部61B、第3電極部61Cの3つの電極部61が配設されている。
各発熱部60A、60Bは、並列接続の複数の発熱ブロック59で構成されている。そして全発熱ブロック59が共通の給電線62Aで第3電極部61Cに接続されている。
一方、中央発熱部60Aの発熱ブロック59と第1電極部61Aが給電線62Bで接続され、両端の端部発熱部60Bの発熱ブロック59と第2電極部61Bが給電線62C、62Dで接続されている。このように中央発熱部60Aと端部発熱部60Bが電極部61A~61Cに並列接続されることで、互いに独立して発熱制御可能に構成されている。
図3A中のW1で示される通紙領域は、中央発熱部60Aの幅L1よりも小さい幅サイズの用紙P1がニップ部Nを通過する際の幅方向の通過領域である。同図中のW2で示される通紙領域は、中央発熱部60Aの幅L1よりも大きい幅サイズの用紙P2がニップ部Nを通過する際の幅方向の通過領域である。
通紙する用紙の幅が、図3Aの中央発熱部60Aの幅L1以下である場合は、中央発熱部60Aのみ発熱させる。また、通紙する用紙の幅が、中央発熱部60Aの幅L1よりも大きい幅である場合は、中央発熱部60Aに加えて各端部発熱部60Bをそれぞれ発熱させる。こうすることで、通紙領域の大きさに応じて発熱領域の大きさを変更することができる。
さらに、中央発熱部60Aの幅L1を、小サイズの用紙幅(例えば、A4紙幅:215mm)に合わせ、一方の端部発熱部60Bから他方の端部発熱部60Bまでを含む発熱領域の幅L2を、大サイズの用紙幅(例えば、A3紙幅:301mm)に合わせる。こうすることで、これら用紙を通紙する際の非通紙領域の大きさを限定することができるから、過度な温度上昇が生じにくくなる。したがって、印刷生産性を高めることができる。
前述した3つの電極部61に対して、図3Bのように保持部材23の短手方向からコネクタ70が挿入・接続される。当該コネクタ70は、樹脂製のハウジング71と、ハウジング71に固定された板バネのコンタクト端子72とを有する。
コンタクト端子72はヒータ22の各電極部61に接触する3つの接点部72aを有する。また、コネクタ70(コンタクト端子72)には、給電用のハーネス(導線)73が接続されている。
コネクタ70は、ヒータ22と保持部材23とを表側と裏側とから一緒に挟むようにして取り付けられる。これにより、コンタクト端子72の各接点部72aがヒータ22の電極部61に対して弾性的に接触(圧接)する。このようにして、コネクタ70を介して中央発熱部60A、端部発熱部60Bと、画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続され、電源から中央発熱部60A、端部発熱部60Bへ電力が供給可能な状態となる。
また、本実施形態のように、給電部材としてのコネクタ70が、ヒータ22と保持部材23とを一緒に挟んで保持する挟持部材としての機能も兼ねることで、挟持部材を別途設ける必要が無くなり、部品点数を少なくすることが可能である。
(●安全装置の配置)
次に、前述した安全装置25~27、55の配置について図3Aを参照して説明する。以下、必要に応じて、第1安全装置25、第2安全装置26、第3安全装置27、第4安全装置55と称する。これら安全装置は、例えばサーモカット、サーモスタット、サーミスタなどで構成することができる。
サーモカットはサーマルカットオフ機能を有するワンショット型の保護素子である。ヒータの温度が閾値以上になるとサーモカットによってヒータの電力供給を復帰不能に遮断する。サーモスタットはヒータ温度が閾値以上になるとヒータの電力供給を遮断し、ヒータ温度が閾値未満になるとヒータの電力供給を復帰させる。
サーミスタはヒータ温度を計測する半導体素子である。画像形成装置100はサーミスタで計測した温度に基づいてヒータを制御する。ここでは第1から第3安全装置25~27をサーミスタで構成し、第4安全装置55をサーモスタットで構成するものとする。
第1安全装置25の温度検知部25aは、中央発熱部60Aの幅L1内であって、さらに、小サイズ通紙領域W1内に配置されている。このように、図3Aの第1安全装置25の温度検知部25aが、中央発熱部60Aの幅L1内で、さらに、小サイズ通紙領域W1内に配置されていることで、小サイズの用紙P1やこれより幅の大きい各幅の用紙を通紙した際の、中央発熱部60Aにおける通紙領域の温度を第1安全装置25によって検知することができる。
また、中央発熱部60Aの幅L1よりも小さい幅サイズの用紙が複数種類ある場合は、その中でも最小幅用紙の通紙領域内に、第1安全装置25の温度検知部25aを配置することで、中央発熱部60A上を通過するあらゆるサイズの通紙領域の温度を第1安全装置25によって検知することができるようになる。
第2安全装置26の温度検知部26aは、中央発熱部60Aの幅L1よりも外側で、大サイズ通紙領域W2内に配置されている。すなわち、第2安全装置26の温度検知部26aは、大サイズの用紙P2を通紙する際に、当該用紙P2が端部発熱部60B上を通過する通紙領域に対応して配置されている。
このように、第2安全装置26の温度検知部26aが、中央発熱部60Aの幅L1よりも外側で、大サイズ通紙領域W2内に配置されていることで、大サイズの用紙P2を通紙した際の、端部発熱部60Bにおける通紙領域の温度を第2安全装置26によって検知することができる。
また、端部発熱部60B上を通過する用紙が複数種類ある場合は、その中でも最小幅用紙の通紙領域内に、第2安全装置26の温度検知部26aを配置する。こうすることで、端部発熱部60B上を通過するあらゆるサイズの通紙領域の温度を第2安全装置26によって検知することができるようになる。
第3安全装置27の温度検知部27aは、小サイズ通紙領域W1の外側で、中央発熱部60Aの幅L1内に配置されている。すなわち、第3安全装置27の温度検知部27aは、小サイズの用紙P1を通紙する際に、当該用紙P1が中央発熱部60A上を通過しない非通紙領域(非通過領域)に対応して配置されている。
このように、第3安全装置27の温度検知部27aが、小サイズ通紙領域W1の外側で、中央発熱部60Aの幅L1内に配置されていることで、小サイズの用紙P1を通紙した際の、中央発熱部60Aにおける非通紙領域の温度を第3安全装置27によって検知することが可能である。
第4安全装置55の温度検知部55aは、中央発熱部60Aの幅L1のほぼ中央部に配置されている。そしてヒータ22が暴走して中央発熱部60Aの温度が閾値以上になったときに、温度検知部55aが当該温度を検知してヒータ22の通電を遮断する。またヒータ22の(中央発熱部60Aの)温度が閾値未満に低下すると、温度検知部55aが当該温度低下を検知してヒータ22の電力供給を復帰させる。
第4安全装置55は第1安全装置25に隣接して配置されている。このように、第4安全装置55と第1安全装置25を隣接配置することで、万が一、第4安全装置55で過昇温を検知することができない状況になっても、第1安全装置25が断線に起因する異常な温度低下を検知することで、ヒータ22の故障を把握することができる。また、第4安全装置55はサーモスタットに代えてヒューズを用いることも可能である。
各安全装置25、26、27によって検知された温度情報は、各発熱部60A、60Bの発熱を制御する制御部へ送られ、送られた温度情報に基づき各発熱部60A、60Bが個別に制御される。これにより、ニップ部Nの温度が予め設定された目標の温度(定着温度)となるように制御される。
小サイズの用紙を続けて通紙した場合など、非通紙領域におけるヒータ22の熱があまり消費されない場合は、温度が過剰に上昇することがある。このような場合、非通紙領域における温度が所定の温度以上となったことを第3安全装置27が検知することで、ヒータ22の発熱量を低下させる制御がなされる。さらに、用紙の搬送速度を下げる、用紙の搬送間隔を広げる、あるいは画像形成を停止することで、非通紙領域における温度上昇が抑制される。
本実施形態では、第2安全装置26が一方の端部発熱部60B側だけに配置されているが、他方の端部発熱部60B側にも第2安全装置26を配置してもよい。ただし、本実施形態のように、各サイズの用紙P1、P2がそれぞれの幅方向中央位置Mを揃えて搬送される、いわゆる中央搬送基準方式の画像形成装置の場合は、定着ベルトの温度分布が基本的に用紙の幅方向中央位置Mを基準に左右対称になる。したがって、一方の端部発熱部60B側だけに第2安全装置26を配置すれば、他方の端部発熱部60Bの制御も同様に行うことができる。
上述の各実施形態においては、ヒータとして互いに独立して制御される複数の発熱部(中央発熱部60A及び端部発熱部60B)を有する構成を例に挙げているが、本発明は、複数の発熱部を有するヒータに限らず、発熱部を1つのみ有するヒータにも適用可能である。また、上述の実施形態においては、安全装置25~27、55が位置決めされる保持部材23を相手部材としているが、相手部材はこれに限らず、ステー24、あるいはその他の部材であってもよい。
(●安全装置の構成)
続いて、各安全装置25~27、55の構成について説明する。各安全装置25~27、55は同様に構成可能であるので、1つの安全装置25の構成について説明することとする。
図4Aは安全装置25の平面図、図4Bは安全装置25を保持部材23に取付けた状態の側面図、図4Cは同平面図である。安全装置25は、前記温度検知部25aとして機能する温度検知素子31と、温度検知素子31を保持する保持体32と、温度検知素子31と保持体32との間に設けられた緩衝部材33と、温度検知素子31を保持体32と共に包括的に被覆する絶縁シート34と、温度検知素子31に電気的に接続された2本の導電体であるリード線35と、を備えている。
保持体32は、耐熱性に優れるLCP(液晶ポリマー)などの樹脂材料で構成さている。緩衝部材33としては、高い耐熱性が求められる場合、シート状のセラミックファイバーで構成された無機繊維紙又は耐熱性不織布を用いることが望ましい。また、高い耐熱性が要求されない場合は、緩衝部材33として、シリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂から成るゴムやスポンジなどを用いることができる。
温度検知素子31は、2本のリード線35を介して、ヒータ22の発熱を制御する制御部に対して電気的に接続されている。温度検知素子31及び緩衝部材33は、図4Bの保持体32の下面に設けられている。
本実施形態においては、保持体32が、一方向(図4A~図4Cの左右方向)に長く形成された長手状の部材であり、その長手方向における保持体32の中央側に温度検知素子31及び緩衝部材33が設けられている。また、本実施形態に係る保持体32は、その長手方向の端部側よりも中央側の部分で幅狭に形成されており、幅が狭く形成された中央側の部分に、温度検知素子31及び緩衝部材33が設けられている。
図4Bの保持体32の上面には、コイルばね40を位置決めするための突起32bが設けられている。これら突起32bは、保持体32の長手方向両端部側にそれぞれ1つずつ設けられている。
絶縁シート34は、温度検知素子31、保持体32、及び緩衝部材33を包括的に包み込むようにして取り付けられている。絶縁シート34は、ポリイミドなどの絶縁性、耐熱性、耐摩耗性、熱伝導性の良好な樹脂で形成されている。
(●安全装置の取付状態)
図4B、図4C、図5Aに、安全装置25が相手部材である保持部材23に対して取り付けられた状態を示す。図4Bは安全装置25の取付構造を示す側面図、図4Cは安全装置25の取付構造を示す平面図、図5A(a)(b)(c)は、順に図4Cにおけるx-x断面図、y-y断面図、z-z断面図である。なお、各安全装置25、26、27、55の取付構造はそれぞれ同様の構成であるので、1つの第1安全装置25の取付構成について説明する。
図4Cに示すように、安全装置25は、保持部材23に設けられた枠状又は溝状の収容部23a内に収容される。このとき、図4B及び図5A(c)に示すように、安全装置25に設けられた凹係合部32aに、保持部材23に設けられた凸係合部23bが挿入されることにより、保持部材23に対する安全装置25の位置が規制される(位置決め機構)。すなわち、凹係合部32aと凸係合部23bとが係合することにより、凸係合部23bの軸方向と交差する方向の安全装置25の移動が規制される。この位置決め機構の詳細についてはさらに後述するものとする。
安全装置25は、図4B、図4Cに示すように、収容部23a内に収容された状態で、保持体32の凹係合部32aが設けられた端部側とは反対側の端部が、収容部23aの対向する側壁面23cに係合している。これにより凸係合部23bを中心とする保持体32の回転が規制される。このように、保持部材23に対する保持体32の移動及び回転が規制されることで、安全装置25が位置決めされる。
なお、凹係合部32aと凸係合部23bの各断面形状は、円形のほか、三角形や四角形、その他の多角形であってもよい。これらの断面形状を多角形にした場合は、凸係合部23bを中心とする保持部材23の回転を規制することが可能である。
図4Bに示すように、本発明の実施形態では、凹係合部32aが、保持体32のリード線35が伸びる方向の端部側(図4Bの右側)に設けられているため、作業者がリード線35の露出部分を把持して安全装置25を組み付ける際に、その組付け作業が行いやすくなる。すなわち、作業者がリード線35を把持する位置に対して近い位置に凹係合部32aが設けられているため、凹係合部32aを凸係合部23bに一致させて挿入しやすく、組付け作業を行いやすい。
なお、安全装置25を取り付ける相手部材の形状や周辺部材のレイアウトなどによっては、本発明の実施形態とは反対に、凹係合部32aを、保持体32のリード線35が露出しない端部側に(図4Bの左側)に設けてもよい。
保持部材23には、図4B及び図4Cに示すように、前記凸係合部23bの近くに、温度検知素子31やその周辺部分が配置される貫通孔23dが設けられている。この貫通孔23d内に温度検知素子31など(緩衝部材33や絶縁シート34も含む)が配置されることで、温度検知素子31が絶縁シート34を介してヒータ22に接触する。また、温度検知素子31とヒータ22との間にアルミニウムやグラファイトなどで構成される高熱伝導部材(均熱部材)を配置し、この高熱伝導部材(及び絶縁シート34)を介して温度検知素子31がヒータ22に接触するように構成してもよい。
(●貫通孔の段部)
貫通孔23dのヒータ22側内周縁の複数箇所に段部23kが形成されている。ここでは、図4B及び図4Cに示すように、保持部材23の長手方向で対向する2箇所に段部23kが一対で形成されている。
この一対の段部23kは、保持部材23の長手方向で相手側段部23kに向かって所定長さで延びている。そして一対の段部23kによって、安全装置25の絶縁シート34の両端部分が支持されている。温度検知素子31は、一対の段部23kの中間位置でヒータ22の裏面に当接している。
図4Bにおいて符号41で示される部材は、安全装置25を付勢する付勢部材としての一対のコイルばね40を支持する支持部材としてのステー24である。安全装置25が、一対のコイルばね40によりヒータ22や保持部材23に向かって付勢されることで、その絶縁シート34の両端部分と温度検知素子31が、ヒータ22の裏面に対して所定の圧力で接触する。
各コイルばね40の一端部は、安全装置25に設けられた前記2つの突起32bによって位置決めされている。各突起32bがコイルばね40の端部に挿入されて位置決めされることで、コイルばね40の位置ずれや座屈が防止され、安定した接触圧を付与することができる。
また、温度検知素子31と保持体32との間に緩衝部材33があることで、ヒータ22対する温度検知素子31の接触を確実にすることができる。すなわち、安全装置25や保持部材23などに図4Bの上下方向の寸法公差があったとしても、その寸法公差に応じて、緩衝部材33が弾性変形する(圧縮される)ことで、温度検知素子31をヒータ22に対して確実に接触させることができる。また、緩衝部材33の弾性変形(圧縮変形)を許容するために、保持部材23と安全装置25の保持体32との間には隙間S1が設けられている。
また、緩衝部材33は、保持体32よりも熱伝導率及び剛性の低い材料で構成されており、弾性を有すると共に断熱性も有する。このため、緩衝部材33は、ヒータ22から保持体32へ伝わる熱を低減する断熱部材としても機能する。
(●安全装置の位置決め機構)
次に安全装置25の位置決め機構についてさらに説明する。図4Bに示すように、温度検知素子31及び緩衝部材33が設けられている側(ヒータ側)の保持体32の面には、保持体32を相手部材である保持部材23の凸係合部23bに係合するための凹係合部(被係合部)32aが設けられている。凹係合部32aは、リード線35が露出する保持体32の長手方向一端部側に設けられている。
凸係合部23bと凹係合部32aによって、安全装置25をヒータ22ないし保持部材23の所定位置に位置決めする位置決め機構が構成される。この位置決め機構の凹凸係合構造は、安全装置25の保持体32と保持部材23で反対にしてもよい。すなわち、図4Dのように保持部材23に係合部としての凹係合部23eを形成し、安全装置25の保持体32に当該凹係合部23eに係合する被係合部としての凸係合部32cを形成する。
また当該位置決め機構は、図4B、図4Dのように、保持部材23と保持体32の相互対向面に形成される凹凸係合構造に限定されない。例えば図4Cのように、保持部材23の収容部23aの対向する側壁面23cによっても位置決め機構の一部を構成可能である。
(●安全装置の取付構造)
図5Bは保持部材23に対する安全装置25の取付構造を示す断面図である。(a)が第1実施形態の断面図、(b)が第2実施形態の断面図、(c)が第3実施形態の断面図、(d)が第4実施形態の断面図である。図5B(c)は安全装置25をヒータ22裏面側から見た図である。
図5B(a)~(d)の取付構造は、いずれも、安全装置25の感熱面があるヒータ側中央部とヒータ22裏面との間に、わずかな隙間S2を形成したものである。当該隙間S2によって、安全装置25の感熱面の中央部とヒータ22とが非接触になっている。このような隙間S2を形成するために、隙間S2の周囲複数個所に段部23kが形成されている。
当該段部23kは保持部材23の貫通孔23dのヒータ22側内周に一体成形したものである。段部23kは図5B(a)(b)(d)のように、保持部材23の長手方向2個所に対向して形成することができる。
図5B(b)はヒータ22と保持部材23との間に均熱部材28を配設した実施形態である。ヒータ22の温度が均熱部材28を介して安全装置25の感熱面に伝わるので、安全装置25の検知精度を安定化することができる。
図5B(c)は貫通孔23dが円形の場合に前記段部23kを貫通孔23dの周方向等間隔に3個所形成した実施例である。段部23kを周方向等間隔に3個所に形成することで、安全装置25の取付姿勢が安定化し、ヒータ22裏面との間の隙間が偏りなく均一化する。したがって、ヒータ22から安全装置25の感熱面への伝熱性を向上することができ、安全装置25の応答性を向上することができる。
安全装置25の感熱面のうち、段部23kに接触しない面積Saと、段部23kに接触する面積Sbの比Sa/Sbは、5以上とするのが望ましい(5≦Sa/Sb)。比Sa/Sbが5未満では、段部23kに接触する面積Sbの比率が大きいためヒータ22から安全装置25に逃げる熱量が増大し、定着不良となるおそれがある。
また、安全装置25の感熱面の外周部から内側に2mm以内の領域が段部23kに当接するのが望ましい。安全装置25の感熱面の外周縁部から内側に2mmを超える領域が段部23kに当接すると、ヒータ22から安全装置25に逃げる熱量が増大して定着不良となったり、温度検知素子31の検知精度が低下したりするおそれがある。
図5B(d)は、ヒータ22と安全装置25の間の隙間S2に流動性を有する物質29を介在させたものである。すなわち、隙間S2は図5B(a)(b)のように空気層であってもよいし、図5B(d)のように隙間S2に流動性を有する物質29を満たしてもよい。どちらも固体間の接触状態による伝熱ばらつきをなくすことができる。
また、一般的に定着ベルト20との摩擦を低減するためヒータ22表面に潤滑剤を塗布するが、この潤滑剤が安全装置25側に回り込んで来る可能性がある。図5B(a)(b)の隙間S2に潤滑剤が回り込んで来ると安全装置25の伝熱状態が変化してしまう。
最初からヒータ22と安全装置25との間に流動性を有する物質29を満たしておくことで、前記伝熱状態の変化を防止し、延いては温度検知素子31の検知精度低下を抑制することができる。流動性を有する物質29にはグリスのような半固体状のものも含まれる。
図10に、従来のサーモスタットの取付構造を示す。図10(a)の安全装置25は感熱面を含む全面がヒータ22裏面に直接接触している。図10(b)の安全装置25は感熱面を含む全面が保持部材23の薄肉部23lを介してヒータ裏面に接触している。
図10(a)に示すように、安全装置25の感熱面を含む全面がヒータ22裏面に直接接触すると、安全装置25の応答性は向上するが、ヒータ22から安全装置25に逃げる熱量が増大する。また、ヒータ22と安全装置25の固体間接触状態に不可避的にばらつきが発生し、この接触状態のばらつきに起因する伝熱ばらつきで安全装置25の応答性のばらつきが発生する。
また、図10(b)に示すように、安全装置25の感熱面を含む全面が保持部材23の薄肉部23lを介してヒータ22と接触する構造では、前述の応答性のばらつきの他に、保持部材23の射出成型時に当該薄肉部23lに対して樹脂が均等に行き渡りにくいという問題がある(樹脂ショート)。このため、薄肉部23lの厚さを薄くするのに限界があり、サーモスタットの応答性が犠牲になっていた。
図5Bの本実施形態のように、ヒータ22と安全装置25の感熱面を接触させず、両者の間に空気層が存在する構成にすると、安全装置25の応答性を向上しつつ、ヒータ22から安全装置25への固体間接触状態による伝熱ばらつきと応答性ばらつきの問題を解決することができる。
空気層を設ける手段として、図5Bの保持部材23の段部23kで安全装置25の感熱面の外周部のみを保持する。段部23kは長さが短く面積も狭いので薄肉化が容易である。したがって、薄肉化した段部23kで安全装置25をヒータ22により接近させることができ、安全装置25の応答性を向上することができる。
(●安全装置の他の位置決め機構)
図4A~図4Dで前述した安全装置の位置決め機構は、図6A~6Eの複数種類の係合構造によっても構成可能である。図6Aは保持体32の幅方向片側に凸係合部32dを形成したものである。この凸係合部32dが保持部材23の凹係合部23fに係合する。
図6Bは保持体32の長手方向反対側の幅方向両側に凸係合部32eを形成したものである。この凸係合部32eが保持部材23の凹係合部23gに係合する。保持体32の長手方向両側で図6Aの位置決め機構や図6Bの位置決を設けてもよい。
図6Cは保持体32の長手方向一端側に凸係合部32fを形成したものである。この凸係合部32eが保持部材23の凹係合部23hに係合する。
図6Dは保持体32の長手方向一端側の幅方向両側に凹係合部32gを形成したものである。この凹係合部32gに保持部材23の凸係合部23iが係合する。保持体32の長手方向両端側で当該位置決め機構を設けてもよい。
図6Eは、(a)のように保持体32の長手方向一端側で短手方向の両側面を収容部23aの対向する側壁面23cに係合させ、かつ(b)のように保持体32の長手方向他端側において保持体32のヒータ側に凸係合部32hを形成している。そして当該凸係合部32hを保持部材23の凹係合部23jに係合させている。
このように安全装置25の位置決め機構は種々の構成が可能である。いずれの位置決め機構でも、保持体32の厚み方向(コイルばね40の付勢方向)における係合幅は従来より大幅に短いことが特徴である。
(●ステーの種類)
前述したステー24は、図7A~図7Cのように複数種類が可能である。図7Aのステー24はL字形のアングル材24a、24bを2枚加締めて溶接またはネジ止めしたものである。保持部材23の短手方向両端部のみをステー24に当接させることで、伝熱面積を低減して熱ロスを抑制している。
図7Bのステー24はL字形のアングル材24cを1枚使用したもので、保持部材23の短手方向片端部のみをステー24に当接させることで、伝熱面積をより低減して熱ロスを抑制している。ベルトガイド兼バネホルダ81をステー24に固定している。
図7Cのステー24はチャンネル形のアングル材24dを1枚使用したもので、保持部材23の短手方向両端部のみをステー24に当接させることで、伝熱面積を低減して熱ロスを抑制している。ベルトガイド兼バネホルダ82をステー24に固定している。
温度検知素子31は、図8(a)に示すように、コイルばね40を位置決めする前述の突起32bの位置と長手方向で同軸上に配置するとよい。これによりコイルばね40の付勢力を温度検知素子31に直接的に作用させることができ、正確な温度検知に必要な加圧力を安定的に維持することができる。また、図7A~図7Cの凸係合部23bと凹係合部32aも、図8の突起32bの位置に合わせて図8(a)で長手方向で重なるように配置してもよい。
図8(b)のように、温度検知素子31と緩衝部材33は絶縁シート34で覆われている。そして温度検知素子31は緩衝部材33の上に配設されている。ここで安全装置25の厚みを4mm、自然状態での絶縁シート34を含む緩衝部材33の厚みを1mm、幅を4mmとする。
安全装置25が傾斜せず安全装置25の正面にニップ圧が作用すると、緩衝部材33の厚みが幅方向均等に0.4mmに縮まる。そして緩衝部材33の均一な圧縮力(6kPa)が温度検知素子31に作用することで、温度検知素子31でヒータ22の温度を正確に検知することができる。
(●定着装置の他の型式)
また本発明は、上述の定着装置のほか、図9A~図9Cに示すような定着装置にも適用可能である。以下、図9A~図9Cに示す各定着装置について簡単に説明する。
まず、図9Aに示す定着装置9は、定着ベルト20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ90が配置されており、この押圧ローラ90とヒータ22とによって定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材91が配置されている。ニップ形成部材91は、ステー24によって支持されており、ニップ形成部材91と加圧ローラ21とによって定着ベルト20を挟んでニップ部Nを形成している。
次に、図9Bに示す定着装置9では、前述の押圧ローラ90が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図9Aに示す定着装置9と同じ構成である。
最後に、図9Cに示す定着装置9では、定着ベルト20のほかに加圧ベルト92が設けられ、加熱ニップ(第1ニップ部)N1と定着ニップ(第2ニップ部)N2とを分けて構成している。すなわち、加圧ローラ21に対して定着ベルト20側とは反対側に、ニップ形成部材91とステー93とを配置し、これらニップ形成部材91とステー93を内包するように加圧ベルト92を回転可能に配置している。
そして、加圧ベルト92と加圧ローラ21との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱及び加圧して画像を定着する。その他は、図2Aに示す定着装置9と同じ構成である。
以上、本発明を適用可能な種々の定着装置の構成について説明したが、本発明に係る加熱装置は、定着装置に適用される場合に限らない。例えば、本発明に係る加熱装置は、用紙に塗布されたインクを乾燥させるために、インクジェット方式の画像形成装置に搭載される乾燥装置にも適用可能である。さらに、本発明に係る加熱装置は、用紙を加熱対象部材として加熱する加熱装置のほか、シートの表面に被覆部材としてのフィルムを重ねて、これらを加熱して圧着する被覆装置(ラミネータ)などにも適用可能である。
1Y,1M,1C,1Bk:作像ユニット 2:感光体
3:帯電装置 4:現像装置
5:クリーニング装置 6:露光装置
7:給紙装置 8:転写装置
9:定着装置 10:排紙装置
11:中間転写ベルト 12:一次転写ローラ
13:二次転写ローラ 14:用紙搬送路
15:タイミングローラ 19:加熱装置
20:定着ベルト 21:加圧ローラ
21a:鉄製芯金 21b:弾性層
21c:離型層 22:ヒータ
23:保持部材 23a:収容部
23b:凸係合部 23c:側壁面
23d:貫通孔 23e~23h,23j:凹係合部
23i、23z:凸係合部 23k:段部
24、41、93:ステー 24a~24d:アングル材
25~27、55:安全装置 25a,26a,27a,55a:温度検知部
31:温度検知素子 32:保持体
32a,32g,32y,32z:凹係合部 32b:突起
32c~32f,32h:凸係合部 33:緩衝部材
34:絶縁シート 35:リード線
36:スペーサ 40:付勢部材
59:発熱ブロック 60A:中央発熱部
60B:端部発熱部 61、61A~61D:電極部
62:給電線 70:コネクタ
71:ハウジング 72:コンタクト端子
72a:接点部 81、82:ベルトガイド兼バネホルダ
90:押圧ローラ 91:ニップ形成部材
92:加圧ベルト 100:画像形成装置
103:画像形成装置本体 N:ニップ部
P、P1、P2:用紙 S1、S2:隙間
W1:小サイズ通紙領域 W2:大サイズ通紙領域
特許第4546233号公報 特開平8-305191号公報 特開2002-110313号公報

Claims (10)

  1. 加熱部材と、前記加熱部材の温度を検知する感熱面を有する安全装置とを有し、前記感熱面の温度が所定温度以上になったときに前記加熱部材に対する給電を停止する加熱装置において、
    前記加熱部材を裏側から保持する保持部材を有し、当該保持部材が前記加熱部材の裏側に続く貫通孔を有し、当該貫通孔に前記安全装置を収容すると共に、当該貫通孔の内周に前記感熱面の外周部を保持する段部を形成し、当該段部によって前記安全装置の前記感熱面の中央部と前記加熱部材とを非接触に維持するようにしたことを特徴とする加熱装置。
  2. 前記感熱面の外周部から内側に2mm以内の領域を前記段部に当接させたことを特徴とする請求項1の加熱装置。
  3. 前記貫通孔の内周の周方向3箇所に前記段部を形成したことを特徴とする請求項1又は2の加熱装置。
  4. 前記感熱面のうち、前記段部に接触しない面積Saと接触する面積Sbの比Sa/Sbを5以上にしたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の加熱装置。
  5. 前記安全装置を前記加熱部材に向けて付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の加熱装置。
  6. 前記加熱部材と前記安全装置との間に均熱部材を配設したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項の加熱装置。
  7. 前記加熱部材と前記安全装置との間に、流動性を有する物質を配置したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項の加熱装置。
  8. 前記安全装置の外周部と前記貫通孔の内面との間の隙間を2mm未満にしたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の加熱装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項の加熱装置を備えたことを特徴とする定着装置。
  10. 請求項9の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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