JP2022141568A - 加熱装置、定着装置、画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転部材の、抵抗発熱体同士の分割領域に対応する部分を十分に加熱することを課題とする。【解決手段】定着ベルト20と、基材30および抵抗発熱体31を有する面状のヒータ22と、温度検知素子25aを有する、一または複数のサーミスタ25と、を備えた定着装置9であって、抵抗発熱体31は、基材30上に複数分割されて配列され、温度検知素子25aが、複数の抵抗発熱体31の配列方向において、抵抗発熱体31同士の分割領域Bに対応する位置に設けられることを特徴とする。【選択図】図11

Description

本発明は、加熱装置、定着装置および画像形成装置に関する。
定着装置には、回転部材としての定着ベルトを加熱する加熱部材として、基材上に抵抗発熱体を設けた面状のヒータが設けられる。このような定着装置では、定着ベルトの温度をその長手方向(複数の抵抗発熱体の配列方向)に均一化し、記録媒体上のトナーを均一に加熱させることが重要である。
例えば特許文献1(特開2019-164328号公報)では、基材上に、複数分割された抵抗発熱体が設けられる。
加熱装置では、抵抗発熱体同士の分割領域において、加熱部材による発熱量がその他の部分よりも小さくなってしまう。従って、分割領域に対応する位置で定着部材(回転部材)が十分に加熱されなくなるという問題があった。
回転部材の、抵抗発熱体同士の分割領域に対応する部分を十分に加熱することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、回転部材と、基材および複数の抵抗発熱体を有する面状の加熱部材と、温度検知素子を有する、一または複数の温度検知部材と、を備えた加熱装置であって、前記複数の抵抗発熱体は、前記基材上に間隔を置いて配列され、前記温度検知素子と前記抵抗発熱体同士の分割領域とが、前記複数の抵抗発熱体の配列方向において同じ位置に設けられることを特徴とする。
本発明の加熱装置によれば、回転部材の、抵抗発熱体同士の分割領域に対応する部分を十分に加熱できる。
画像形成装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の概略構成を示す側面断面図である。 ヒータの平面図である。 ヒータへの電力供給を示す図である。 図3と抵抗発熱体の形状が異なるヒータの平面図である。 図3、図5と抵抗発熱体の形状が異なるヒータの平面図である。 定着ベルトの配列方向の温度分布を示す図で、(a)図がヒータの平面図、(b)図が定着ベルトの温度分布を示す図である。 図5のヒータの分割領域を示す図である。 図8と異なる形状の分割領域を示す図である。 図6のヒータの分割領域を示す図である。 サーミスタおよびサーモスタットの配列方向の配置を示す図である。 サーミスタの配置の変形例を示す定着装置の側面断面図である。 上記と異なる定着装置の概略構成を示す側面断面図である。 上記と異なる定着装置の概略構成を示す側面断面図である。 上記と異なる定着装置の概略構成を示す側面断面図である。 図1と異なる画像形成装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の概略構成を示す側面断面図である。 図17の定着装置におけるヒータの平面図である。 ヒータおよびヒータホルダの斜視図である。 ヒータに対するコネクタの取付状態を示す斜視図である。 サーミスタとサーモスタットの配置を示す図である。 フランジの溝部を示す図である。 サーミスタの構成を示す斜視図である。 サーモスタットの構成を示す断面図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。以下の説明では、加熱装置の一例として、トナー画像を熱により定着させる定着装置を例示する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成装置本体に対して着脱可能な4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkを備える。各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。これらの色の現像剤は、カラー画像の色分解成分に対応する。各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体2と、帯電装置3と、現像装置4と、クリーニング装置5とを備える 。帯電装置3は感光体2の表面を帯電する。現像装置4は、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給してトナー画像を形成する。クリーニング装置5は感光体2の表面をクリーニングする。
また、画像形成装置100は、露光装置6と、給紙装置7と、転写装置8と、定着装置9と、排紙装置10とを備える。露光装置6は、各感光体2の表面を露光し、その表面に静電潜像を形成する。給紙装置7は、記録媒体としての用紙Pを用紙搬送路14に供給する。転写装置8は各感光体2に形成されたトナー画像を用紙Pに転写する。定着装置9は用紙Pに転写されたトナー画像を用紙P表面に定着させる。排紙装置10は用紙Pを装置外に排出する。各作像ユニット1、感光体2、帯電装置3、露光装置6、転写装置8などは、用紙に画像を形成するための画像形成手段を構成している。
転写装置8は、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト11と、一次転写部材としての4つの一次転写ローラ12と、二次転写部材としての二次転写ローラ13とを有する。中間転写ベルト11は複数のローラによって張架される。一次転写ローラ12は各感光体2上のトナー画像を中間転写ベルト11へ転写する。二次転写ローラ13は中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像を用紙Pへ転写する。複数の一次転写ローラ12は、それぞれ、中間転写ベルト11を介して感光体2に接触している。これにより、中間転写ベルト11と各感光体2とが互いに接触し、これらの間に一次転写ニップが形成される。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架するローラの1つに接触している。これにより、二次転写ローラ13と中間転写ベルト11との間には二次転写ニップが形成されている。
また、用紙搬送路14における給紙装置7から二次転写ニップ(二次転写ローラ13)に至るまでの途中には、一対のタイミングローラ15が設けられている。
次に、図1を参照して上記画像形成装置の印刷動作について説明する。
印刷動作開始の指示があると、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、感光体2が図1の時計回りに回転駆動され、帯電装置3によって感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置6が各感光体2の表面を露光する。これにより、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4からトナーが供給され、各感光体2上にトナー画像が形成される。
各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って回転し、一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達する。そしてトナー画像は、図1の反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト11に順次重なり合うように転写される。そして、中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送される。トナー画像は、二次転写ニップにおいて搬送されてきた用紙Pに転写される。この用紙Pは、給紙装置7から供給されたものである。給紙装置7から供給された用紙Pは、タイミングローラ15によって一旦停止された後、中間転写ベルト11上のトナー画像が二次転写ニップに至るタイミングに合わせて二次転写ニップへ搬送される。かくして、用紙P上にフルカラーのトナー画像が担持される。また、トナー画像が転写された後、各感光体2上に残留するトナーは各クリーニング装置5によって除去される。
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、定着装置9によって用紙Pにトナー画像が定着される。その後、用紙Pは排紙装置10によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
続いて、定着装置の構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、回転部材あるいは定着部材としての定着ベルト20と、対向回転部材あるいは加圧部材としての加圧ローラ21と、加熱部材としてのヒータ22と、保持部材としてのヒータホルダ23と、支持部材としてのステー24と、サーミスタ25等を備えている。定着ベルト20は無端状のベルトからなる。加圧ローラ21は定着ベルト20の外周面に接触して、定着ベルト20との間に定着ニップNを形成する。ヒータ22は定着ベルト20を加熱する。ヒータホルダ23はヒータ22を保持する。ステー24はヒータホルダ23を支持する。サーミスタ25は基材30の裏面(図2の左側の面)に接触し、基材30の温度を検知する。図2の紙面に直交する方向は定着ベルト20、加圧ローラ21、ヒータ22、ヒータホルダ23、ステー24等の長手方向であり、以下、この方向を単に長手方向と呼ぶ。なお、この長手方向は搬送される用紙の幅方向、定着ベルト20のベルト幅方向、そして、加圧ローラ21の軸方向でもある。
定着ベルト20は、例えば外径が25mmで厚みが40~120μmのポリイミド(PI)製の筒状基体を有している。定着ベルト20の最表層には、耐久性を高めて離型性を確保するために、PFAやPTFE等のフッ素系樹脂による厚みが5~50μmの離型層が形成される。基体と離型層の間に厚さ50~500μmのゴム等からなる弾性層を設けてもよい。また、定着ベルト20の基体はポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル(Ni)、SUSなどの金属基体であってもよい。定着ベルト20の内周面に摺動層としてポリイミドやPTFEなどをコートしてもよい。
加圧ローラ21は、例えば外径が25mmであり、中実の鉄製芯金21aと、この芯金21aの表面に形成された弾性層21bと、弾性層21bの外側に形成された離型層21cとで構成されている。弾性層21bはシリコーンゴムで形成されており、厚みは例えば3.5mmである。弾性層21bの表面には、離型性を高めるために、厚みが例えば40μm程度のフッ素樹脂層による離型層21cを形成するのが望ましい。
加圧ローラ21が付勢手段によって定着ベルト20側へ付勢されることで、加圧ローラ21は定着ベルト20を介してヒータ22に圧接される。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間に定着ニップNが形成される。また、加圧ローラ21は駆動手段によって回転駆動されるように構成されており、加圧ローラ21が図2の矢印方向に回転すると、これに伴って定着ベルト20が従動回転する。
ヒータ22は、定着ベルト20の幅方向に渡って長手状に設けられた面状の加熱部材である。ヒータ22は、板状の基材30と、基材30上に設けられた抵抗発熱体31と、抵抗発熱体31を被覆する絶縁層32等で構成されている。また、ヒータ22は、絶縁層32側で定着ベルト20の内周面に対して接触しており、抵抗発熱体31から発された熱は、絶縁層32を介して定着ベルト20へと伝達される。本実施形態では、抵抗発熱体31や絶縁層32が基材30の定着ベルト20側(定着ニップN側)に設けられているが、反対に、抵抗発熱体31や絶縁層32を基材30のヒータホルダ23側に設けてもよい。その場合、抵抗発熱体31の熱が基材30を介して定着ベルト20に伝達されることになるため、基材30は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で構成されることが望ましい。また、基材30を熱伝導率の高い材料で構成することで、抵抗発熱体31を基材30の定着ベルト20側とは反対側に配置しても、定着ベルト20を十分に加熱することが可能である。
ヒータホルダ23およびステー24は、定着ベルト20の内周側に配置されている。ステー24は、金属製のチャンネル材で構成され、その両端部分が定着装置9の両側板に支持されている。ステー24によってヒータホルダ23およびヒータ22が支持されることで、加圧ローラ21が定着ベルト20に加圧された状態で、ヒータ22が加圧ローラ21の押圧力を確実に受けとめることができる。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間に定着ニップNを安定的に形成される。本実施形態では、ヒータホルダ23の熱伝導率は基材30よりも小さく設けられる。
なお、ステー24がヒータホルダ23を支持するとは、加圧ローラ21の加圧方向(図の左右方向)に延在した部分、あるいは、厚みを持った部分を有するステー24が、ヒータホルダ23に対して、加圧ローラ21と反対側(図の左側)から当接することをいう。これにより、加圧ローラ21からの加圧力によるヒータホルダ23の撓み(本実施形態では、特に長手方向の撓み)を抑制できる。ただし、上記の当接には、ステー24がヒータホルダ23に直接当接している場合に限らず、他の部材を介して当接する場合も含む。「他の部材を介した当接」とは、図の左右方向において、ステー24とヒータホルダ23との間に他の部材が挟まれ、かつ、少なくともその一部が対応する位置で、ステー24が他の部材に当接し、他の部材がヒータホルダ23に当接する状態を指す。また、上記の加圧方向に延在する、とは、加圧ローラ21の加圧方向と同一の方向に限らず、加圧ローラ21の加圧方向から、ある程度の角度をもった方向へ延在する場合も含む。これらの場合でも、ステー24が、加圧ローラ21からの加圧力に抗してヒータホルダ23の撓みを抑制できることはもちろんである。
次に、上記の熱伝導率の算出方法について説明する。熱伝導率を算出する際には、まず、対象の物体の熱拡散率を測定し、この熱拡散率を用いて熱伝導率を算出する。
熱拡散率の計測は、熱拡散率・熱伝導率測定装置(商品名:ai-Phase Mobile 1u、株式会社アイフェイズ性)を用いた。
上記熱拡散率を熱伝導率に換算するためには、密度と比熱容量の値が必要である。 密度の計測には、乾式自動密度計(商品名:Accupyc 1330、株式会社島津製作所製)を用いた。 また、比熱容量の計は、示差走査型熱量測定装置(商品名:商品名:DSC-60 株式会社島津製作所製)を用い、比熱容量が既知の基準物質としてサファイアを用いて測定した。本実施例では比熱容量測定を5回行い、50℃における平均値を用いた。密度および比熱容量をそれぞれρ、Cとすると、上記熱拡散率測定で得られた熱拡散率αとから、熱伝導率λは、以下の式(1)により得ることができる。
Figure 2022141568000002
ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で形成されることが望ましい。例えば、ヒータホルダ23をLCPなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で形成した場合は、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制される。これにより、ヒータ22が効率的に定着ベルト20を加熱することができる。
また、ヒータホルダ23には、定着ベルト20をガイドするガイド部26が設けられている。ガイド部26は、ヒータ22のベルト回転方向の上流側(図2におけるヒータ22の下側)と下流側(図2におけるヒータ22の上側)とにそれぞれ設けられている。また、上流側と下流側のガイド部26は、ヒータ22の長手方向に渡って間隔をあけて複数配置されている。各ガイド部26は、略扇型に形成されており、定着ベルト20の内周面に対向するようにベルト周方向に延在する円弧状又は凸曲面状のベルト対向面260を有する。
ヒータホルダ23は長手方向に複数の開口部23aを有する。開口部23aはヒータホルダ23の厚み方向に貫通した開口部である。この開口部23aに、サーミスタ25や後述するサーモスタットが設けられる。これらのサーミスタ25やサーモスタットは、バネ29により加圧されて基材30の裏面に押し当てられている。
本実施形態に係る定着装置9において、印刷動作が開始されると、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。このとき、定着ベルト20の内周面がガイド部26のベルト対向面260に接触してガイドされることで、定着ベルト20は安定かつ円滑に回転する。また、ヒータ22の抵抗発熱体31に電力が供給されることで、定着ベルト20が加熱される。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、図2に示すように、未定着トナー画像が担持された用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(定着ニップN)に搬送されることで、未定着トナー画像が加熱および加圧されて用紙Pに定着される。定着ベルト20はヒータ22に加熱される被加熱部材である。
図3は、本実施形態に係るヒータの平面図である。
図3に示すように、板状の基材30の表面には、複数(4つ)の抵抗発熱体31と、導電体としての給電線33A、33Bと、第1電極部34Aおよび第2電極部34Bとが設けられる。ただし、抵抗発熱体31の数は本実施形態に限らない。
なお、ヒータ22等の長手方向(図2の紙面に直交する方向)は、本実施形態では、図3に示すように、複数の抵抗発熱体31の配列方向Xでもある。以下、この方向を単に配列方向とも呼ぶ。また、配列方向に交差する方向(本実施形態では垂直な方向)で、基材30の厚み方向と異なる方向である図3の上下方向Yを複数の抵抗発熱体31の配列方向に交差する方向、あるいは、単に配列交差方向とも呼ぶ。配列交差方向Yは、基材30の抵抗発熱体31を設けた面に沿う方向であり、ヒータ22の短手方向、あるいは、定着装置9に通紙される用紙の搬送方向でもある。
複数の抵抗発熱体31によって、配列方向に複数に分割された発熱部35が構成されている。各抵抗発熱体31は、基材30の配列方向一方側端部(図3の左端)に設けられた一対の電極部34A、34Bに対して、給電線33A,33Bを介して電気的に並列に接続されている。給電線33A,33Bは、抵抗発熱体31よりも抵抗値の小さい導体で構成されている。互いに隣り合う抵抗発熱体31同士の隙間は、抵抗発熱体31間の絶縁性を確保する観点から、0.2mm以上が好ましく、0.4mm以上がさらに好ましい。また、互いに隣り合う抵抗発熱体31同士の隙間は、大きすぎると、その隙間の部分で温度低下が生じやすくなる。このため、配列方向に渡る温度ムラを抑制する観点から、上記隙間は5mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましい。
抵抗発熱体31は、PTC(正の温度抵抗係数)特性を有する材料で構成されており、温度が上昇すると抵抗値が上昇(ヒータ出力が低下)する特徴がある。
抵抗発熱体31がPTC特性を有すること、および、配列方向に分割された発熱部35の構成により、発熱部35による発熱領域かつ非通紙領域において、通紙領域に比べて温度が高くなってしまう現象(以下、非通紙部温度上昇という)を抑制できる。これは、発熱部35の長さよりも短い通紙幅の用紙(以下、小サイズ紙という)を通紙した場合に発生する。つまり、発熱部35の全体幅よりも幅の小さい用紙を通紙した場合、紙幅より外側の領域では用紙によって定着ベルト20の熱が奪われないため、その部分に相当する抵抗発熱体31の温度が上昇する。つまり、抵抗発熱体31にかかる電圧は一定なので、紙幅より外側の抵抗発熱体31の温度が上昇し、その抵抗値が上昇する。この際、抵抗発熱体31がPTC特性を有していると、紙幅より外側の抵抗発熱体31の出力(発熱量)が相対的に低下し、端部温度上昇が抑制される。また、複数の抵抗発熱体31が電気的に並列接続されていることで、印刷スピードを維持したまま非通紙部温度上昇を抑制することができる。なお、発熱部35を構成する発熱体は、PTC特性を有する抵抗発熱体以外のものであってもよい。また、抵抗発熱体は、ヒータ22の配列交差方向に複数列に配置されていてもよい。ここで、発熱部35は、最大通紙幅に対応した長さ、又は所定の紙種の幅に対応した適切な長さに設定されている。所定の紙種とは、例えばA4やB4といった定型の用紙である。
抵抗発熱体31は、例えば、銀パラジウム(AgPd)やガラス粉末などを調合したペーストをスクリーン印刷等により基材30に塗工し、その後、当該基材30を焼成することによって形成することができる。本実施形態では、抵抗発熱体31の抵抗値を常温で80Ωとしている。抵抗発熱体31の材料は、前述したもの以外に、銀合金(AgPt)や酸化ルテニウム(RuO)の抵抗材料を用いてもよい。給電線33や電極部34の材料は、銀(Ag)もしくは銀パラジウム(AgPd)をスクリーン印刷等で形成することができる。給電線33は、抵抗発熱体31よりも小さい抵抗値の導体で構成されている。
基材30の材料としては、耐熱性および絶縁性に優れるアルミナや窒化アルミニウムなどのセラミックや、ガラス、マイカなどの非金属材料が好ましい。本実施形態では、配列交差方向の幅8mm、配列方向の幅270mm、厚さ1.0mmのアルミナ基材を使用している。他に、金属などの導電材料に絶縁性材料を積層したもので、基材30を構成してもよい。基材30の金属材料としては、アルミニウムやステンレスなどが低コストで好ましい。基材30をステンレス板により構成することで、熱応力による割れを抑制できる。また、ヒータ22の均熱性を向上し画像品位を高めるために、基材30を銅、グラファイト、グラフェンなどの高熱伝導率の材料で構成してもよい。
絶縁層32は、例えば厚さ75μmの耐熱性ガラスで構成される。絶縁層32によって抵抗発熱体31と給電線33とを被覆し、これらを絶縁・保護すると共に、定着ベルト20との摺動性を維持する。
図4は、本実施形態に係るヒータへの電力供給回路を示す図である。
図4に示すように、本実施形態では、各抵抗発熱体31に電力を供給するための電力供給回路が、交流電源200とヒータ22の電極部34A,34Bとを電気的に接続することで構成されている。また、電力供給回路には、供給電力量を制御するトライアック210が設けられている。制御部220は、各抵抗発熱体31への供給電力量を、サーミスタ25の検知温度に基づいて、トライアック210を介して制御する。制御部220は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を包含するマイクロコンピュータで構成される。制御部220は、定着装置9に設けられていてもよいし、画像形成装置本体に設けられていてもよい。
図23にサーミスタの具体的な構成の一例を示す。
図23に示すように、サーミスタ25は、温度検知素子25aと、フレーム25bと、導線25cと、耐熱フィルム25d等を備える。
フレーム25bは、絶縁性材料によって構成され、本実施形態では樹脂材料によって構成される。フレーム25bには、フレーム25bを貫通する孔部である開口部25eが設けられる。
感熱素子25aは、フレーム25bの内側から延在する一対のリード線によって、開口部25eの幅方向の略中央の位置に保持されている。感熱素子25aは、その外周面を赤外線吸収性のガラスによって被覆されている。感熱素子の構成としては、本実施形の構成の他、ダイオード形のサーミスタやビード形サーミスタ、チップサーミスタ、薄膜サーミスタ等、適宜、公知のサーミスタを適用することができる。
外部からサーミスタ25に電源を供給するための2本の導線25cが、フレーム25bの一端側から、その外側へ延出している。導線25cは、フレーム25b内部に設けられた金属板、リード線を介して、感熱素子25aと電気的に接続されている。
耐熱フィルム25dは、フレーム25bの底面(図23の紙面裏側の面)に貼り付けられており、開口部25eの底面側を塞いでいる。耐熱フィルム25dは、例えばポリイミド樹脂により構成される。
また図4に示すように、定着装置9は、遮断装置としてのサーモスタット27を有する。図24に示すように、サーモスタット27は、熱変形部材としてのバイメタル27aと、第1蓋部材27bと、ベース部材27cと、押圧ピン27dと、第2蓋部材27fと、固定端子27gと、被押圧端子27hとを有する。図24の下側がヒータ22側(図2の右側)である。
第1蓋部材27bは絶縁性の部材である。第1蓋部材27bは、ベース部材27cのヒータ側の部分を覆うようにして、ベース部材27cに取り付けられている。第1蓋部材27bとベース部材27cとの間には第1空間27jが形成される。
バイメタル27aは、熱膨張率の異なる二つの金属材が重ね合わせされて構成される。ただし、熱膨張率の異なる素材を用いれば、必ずしも金属材に限るものではない。例えば、熱膨張率の異なる二つのプラスチック材や、プラスチック材と金属材をペアにして、バイメタル27aを構成してもよい。
バイメタル27aは第1空間27jに配置される。図24のように、バイメタル27aが所定温度以下の場合には、バイメタル27aはヒータ側に凸状をなしている。
ベース部材27cのヒータ側と反対側の部分を覆うようにして、第2蓋部材27fが設けられる。ベース部材27cと第2蓋部材27fとの間には、第2空間27kが形成される。
ベース部材27cの内側には、第1空間27jと第2空間27kとを連通させる貫通孔27eが設けられる。押圧ピン27dは、貫通孔27e内を上下動可能なようにベース部材27cに保持される。
第2空間27kに固定端子27gと被押圧端子27hとが設けられる。被押圧端子27hは、支点27h1を支点にして、図24の両矢印方向に開閉可能である。図24のように、被押圧端子27hの一端が固定端子27gに接触し、両者が導通している。
第1蓋部材27bの図24の下側の面27b1が感熱面であり、ヒータに対向している。バイメタル27aは第1蓋部材27bを介してヒータから伝熱される。
ヒータの故障などにより過剰な発熱がなされると、バイメタル27aの温度が上昇して前述した所定温度を超える。これにより、バイメタル27aは図24の上側へ凸状に熱変形する。これにより、バイメタル27aが押圧ピン27dの一端側を図24の上方向へ押圧する。そして、押圧ピン27dの他端側が第2空間27k側へさらに突出し、被押圧端子27hを押圧する。これにより、被押圧端子27hが支点27h1を支点にして回転し、被押圧端子27hと固定端子27gとが離間する。これにより、被押圧端子27hと固定端子27gとの導通状態が解除される。
被押圧端子27hと固定端子27gとの導通状態が解除されると、定着装置9はヒータ22への通電を遮断する。これにより、ヒータによる過剰な加熱を停止させることができる。
本実施形態では、第1電極部34Aおよび第2電極部34Bが配列方向の同じ側に設けられるが、それぞれ異なる側に設けられていてもよい。また抵抗発熱体31は、本実施形態の形状に限らない。例えば図5に示すように、抵抗発熱体31は長方形状であってもよいし、図6に示すように、抵抗発熱体31が線状部からなり、この線状部を折り返して略平行四辺形状をなす構成であってもよい。また図5に示すように、ブロック状の抵抗発熱体31の部分から給電線33の側に伸びる部分、つまり、配列交差方向に伸びる部分は、抵抗発熱体31の一部であってもよいし、給電線33と同じ材料により構成されていてもよい。
図7は定着ベルト20の配列方向の温度分布を示す図である。(a)図がヒータ22の配置を示す図である。(b)図は縦軸が定着ベルト20の温度Tを示し、横軸が定着ベルト20の配列方向の各位置を表している。
図7(a)および図7(b)に示すように、ヒータ22に設けられる複数の抵抗発熱体31は間隔を置いて配列される。別の言い方をすると、複数の抵抗発熱体31は配列方向に分割されている。そして、抵抗発熱体31同士の間の部分である分割領域Bでは、抵抗発熱体31が占める面積がその他の部分よりも小さくなり、発熱量が小さくなる。これにより、分割領域Bにおける定着ベルト20の温度がその他の部分よりも小さくなり、定着ベルト20の配列方向の温度ムラの原因となる。また、分割領域Bの周辺の領域を含む拡大分割領域Cにおいても、ヒータ22や定着ベルト20の温度が小さくなる。なお、ヒータ22の温度も、同様に分割領域Bでの温度が小さくなる。ここで、図7(a)の拡大図に示すように、分割領域Bは、ヒータ22の主たる発熱部分である抵抗発熱体31が配列方向に分割された部分全体を含む配列方向領域を意味する。また、分割領域Bに加えて、抵抗発熱体31の接続部311に対応する範囲を含む領域を拡大分割領域Cとする。この接続部311は、抵抗発熱体31のうち、配列交差方向に延在し、各給電線33A、33Bに接続される部分を指す。
図8に示すように、図5に示した長方形状の抵抗発熱体31を有するヒータ22においても、分割領域Bの温度がその他の部分よりも小さくなる。また図9に示す形状の抵抗発熱体31を有するヒータ22においても、分割領域Bの温度がその他の部分よりも小さくなる。さらに、図10に示すように、図6に示す形状の抵抗発熱体31を有するヒータ22においても、分割領域Bの温度がその他の部分よりも小さくなる。ただし、図7や図9、図10のように、隣り合う抵抗発熱体31同士を配列方向にオーバーラップさせることで、分割領域Bのその他の部分に対する温度落ち込みを抑制できる。
このように、配列方向の分割領域Bに対応する位置では、その他の部分に比べて定着ベルト20の温度が落ち込む。従って、その他の部分で定着ベルト20が定着温度に達して定着動作が開始された場合でも、分割領域Bに対応する位置で定着ベルト20の温度が定着温度に達しておらず、分割領域Bに対応する位置で用紙P上のトナー画像を十分に加熱できなくなるおそれがある。またこれにより、定着オフセットを生じてしまうおそれがある。
そこで本実施形態では、図11に示すように、配列方向において、温度検知部材としてのサーミスタ25Aの有する温度検知素子25aが、分割領域Bに対応する位置に設けられる。また、他の温度検知部材としてのサーミスタ25Bの有する温度検知素子25aが、分割領域の外側に配置される。より詳細には、それぞれの温度検知素子25aは、その全部が分割領域Bに対応する位置に配置されている。なお、対応する位置に配置する、とは、複数の抵抗発熱体の配列方向Xの同じ位置に配置することである。
このように、サーミスタ25Aの温度検知素子25aを分割領域に対応する位置に配置することで、ヒータ22において特に温度が小さくなる部分の温度を検知できる。従って、サーミスタ25Aの検知結果に基づいて制御部がヒータ22の通電制御を行うことで、ヒータ22の分割領域Bが十分な温度になるまで、つまり、定着ベルト20の分割領域Bが定着温度になるまでヒータ22による加熱を継続できる。このように本実施形態では、ヒータ22の配列方向において、抵抗発熱体31の面積がその他の部分より小さい分割領域Bに対応する位置に、あえて、サーミスタ25Aの温度検知素子25aを配置することにより、分割領域Bにおいて定着ベルト20を十分な温度まで加熱できる。従って、上記の定着オフセットを防止できる。
特に本実施形態では、サーミスタ25Aの温度検知素子25aは、3つの分割領域Bのうちの真ん中である配列方向中央側の分割領域Bに対応する位置に配置する。またサーミスタ25Aとは別に、サーミスタ25Bの温度検知素子25aを、配列方向において、分割領域Bの外側に配置している。言い換えると、サーミスタ25Bの温度検知素子25aを配列方向の分割領域Bと違う位置に配置している。サーミスタ25Bの温度検知素子25aは、配列方向端部側の抵抗発熱体31に対向する位置に設けている。別の言い方をすると、サーミスタ25Bの温度検知素子25aは、サーミスタ25Aの温度検知素子25aよりも、ヒータ22の発熱領域Dの中央位置D0に対して端部側に配置される。なお、ヒータ22の発熱領域Dとは、ヒータ22の主たる発熱領域であり、配列方向の抵抗発熱体35が配置される領域のことである。ただしこの発熱領域Dには、分割領域Bも含まれる。
分割領域Bの外側を検知するサーミスタ25Bを設けることで、ヒータ22の温度が相対的に高い部分の温度を検知できる。従って、サーミスタ25Bの検知結果に基づいて、ヒータ22への通電制御を行うことで、定着ベルト20の過昇温を抑制できる。
また、特に本実施形態では、サーミスタ25Aの温度検知素子25aを、配列方向中央側の分割領域Bに対応する位置に配置する。言い換えると、サーミスタ25Aの温度検知素子25aを、サーミスタ25Bの温度検知素子25aよりも配列方向の発熱領域Dの中央側に配置する。これにより、特に画像の定着性に重要な中央側で、温度が小さくなる領域の温度を検知できるため、定着装置9の定着性確保の観点から好適である。またサーミスタ25Bにより、配列方向端部側の抵抗発熱体31の分割領域B外の温度を検知することで、小サイズ用紙通紙時の定着ベルト20の配列方向端部側の過昇温を効果的に抑制できる。
また本実施形態のように、抵抗発熱体31を偶数個(本実施形態では4個)有するヒータ22において、奇数個(本実施形態では3個)の分割領域Bのうち、その中央の分割領域Bに対応する位置にサーミスタ25Aの温度検知素子25aを設けることで、特に、画像の定着性に重要な中央側で、温度が小さくなる領域の温度を検知できるため、定着装置9の定着性確保の観点から好適である。また、この中央の分割領域Bを間に挟む2個の抵抗発熱体35、つまり、4個のうちの内側の2個の抵抗発熱体35以外の抵抗発熱体35に対応する位置にサーミスタ25Bの温度検知素子25aを設けることで、小サイズ用紙通紙時の定着ベルト20の配列方向端部側の過昇温を効果的に抑制できる。
また本実施形態では、サーモスタット27が、配列方向において、図11の右から二番目の抵抗発熱体31に対応する位置に設けられる。つまり、サーミスタ25Aの温度検知素子25aが配置された分割領域Bを間に挟む両側の抵抗発熱体31(図11の右から二番目と三番目の抵抗発熱体31)のいずれか一方の(本実施形態では右から二番目の)抵抗発熱体31に対応する位置であって、分割領域Bの外側に対応する位置に、サーモスタット27が配置される。このように、分割領域Bに対応する位置にサーミスタ25Aを配置することで、分割領域Bの外側でスペースに余裕ができるため、同じ抵抗発熱体31(本実施形態では、図11の右から二番目の抵抗発熱体31)に対応してサーミスタ25Aとサーモスタット27とを配置することが可能になる。従って、スペースの都合や温度検知上の理由から、同じ抵抗発熱体31に対応してサーミスタとサーモスタットを配置したい場合に、本実施形態のサーミスタ25Aの配置がサーモスタット27を配置する上で有利である。
ただし、以上のサーミスタ25Aおよびサーミスタ25Bやサーモスタット27の配置は一例であり、その数や配置はこれに限らない。例えば図11とは逆に、サーミスタ25Aの温度検知素子25aを、配列方向端部側の分割領域Bに対応する位置に配置し、サーミスタ25Bの温度検知素子25aは、配列方向中央側の抵抗発熱体31に対応する位置に設けることもできる。大サイズ紙などの用紙(例えばA4用紙等以外の用紙)を通紙する場合には、定着ベルト20の配列方向端部側の方が温度が低くなりやすいため、温度検知素子25aを、配列方向端部側の分割領域Bに対応する位置に配置することで、大サイズ紙など通紙時に定着ベルト20の配列方向端部側を十分に加熱できる。従って、配列方向端部側のホットオフセットを効果的に抑制できる。また、温度検知素子25aを、配列方向中央側の抵抗発熱体31に対応する位置に設けることで、より温度の高くなりやすい中央側の分割領域外の温度を検知できるため、定着装置9の安全性の観点で有利である。また、分割領域に対応する位置に温度検知素子を配置した温度検知部材のみを設けてもよいし、あるいは、三つ以上の温度検知部材を設けてもよい。また、配列方向端部側の分割領域Bに対応する位置に温度検知部材の温度検知素子を配置してもよいし、配列方向中央側の抵抗発熱体31の分割領域Bの外側に対応する位置に他の温度検知部材の温度検知素子を配置してもよい。また、遮断装置を複数設けてもよいし、上記小サイズ通紙時の端部温度上昇による定着ベルト20の過昇温を抑制する観点から、配列方向端部側に遮断装置を設けてもよい。
また、サーミスタの配列交差方向の配置はこれに限らない。例えば図12に示すように、本実施形態では、サーミスタ25が、配列交差方向において、定着ニップNの中央位置NAよりも定着ベルト20の回転方向上流側、言い換えると、定着ニップNの入口側に設けられる。定着ニップNの入口側は特に用紙Pによって熱を奪われやすい領域であるため、サーミスタ25がこの部分の温度を検知することで、定着装置9の定着性を確保し、上記定着オフセットを効果的に抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
また、本発明は、前述の定着装置のほか、図13~図15に示すような定着装置にも適用可能である。以下、図13~図15に示す各定着装置の構成について簡単に説明する。
まず、図13に示す定着装置9は、定着ベルト20に対して加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ44が配置されている。押圧ローラ44は、回転部材としての定着ベルト20に対向して回転する対向回転部材である。この押圧ローラ44とヒータ22とが定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材45が配置されている。ニップ形成部材45は、ステー24によって支持されている。ニップ形成部材45と加圧ローラ21とによって、定着ベルト20を挟んで定着ニップNを形成している。
次に、図14に示す定着装置9では、前述の押圧ローラ44が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、図13に示す定着装置9と同じ構成である。
最後に、図15に示す定着装置9について説明する。定着装置9は、加熱アセンブリ92、定着部材である定着ローラ93、対向部材である加圧アセンブリ94からなる。加熱アセンブリ92は、先の実施形態で説明したヒータ22、ヒータホルダ23、ステー24、回転部材としての加熱ベルト120等を有する。定着ローラ93は、回転部材としての加熱ベルト120に対向して回転する対向回転部材である。また、定着ローラ93は、中実の鉄製芯金93aと、この芯金93aの表面に形成された弾性層93bと、弾性層93bの外側に形成された離型層93cとで構成されている。また、定着ローラ93に対して加熱アセンブリ92側とは反対側に、加圧アセンブリ94が設けられている。加圧アセンブリ94は、ニップ形成部材95とステー96とを配置し、これらニップ形成部材95とステー96を内包するように加圧ベルト97を回転可能に配置している。そして、加圧ベルト97と定着ローラ93との間の定着ニップN2に用紙Pを通紙して加熱および加圧して画像を定着する。
以上の図13~図15の定着装置においても、ヒータ22の抵抗発熱体31同士の分割領域Bにおいてヒータ22の発熱量が小さくなる点は同様である。従って、前述した実施形態と同様に、ヒータ22の分割領域Bに対応する位置に温度検知部材の温度検知素子を設けることにより、回転部材の分割領域に対応する部分を十分に加熱することができる。これにより、画像の定着性を十分に確保し、定着オフセットなどの不具合の発生を防止できる。
また、本発明は、上記の実施形態で説明したような定着装置に限らず、用紙に塗布されたインクを乾燥させる乾燥装置、さらには、被覆部材としてのフィルムを用紙等のシートの表面に熱圧着するラミネータや、包材のシール部を熱圧着するヒートシーラーなどの熱圧着装置のような加熱装置にも適用可能である。このような装置にも本発明を適用することで、回転部材の分割領域に対応する部分を十分に加熱することができる。
本発明に係る画像形成装置は、図1に示すカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置や、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
例えば図16に示すように、本実施形態の画像形成装置100は、感光体ドラムなどからなる画像形成手段50と、一対のタイミングローラ15等からなる用紙搬送部と、給紙装置7と、定着装置9と、排紙装置10と、読取部51と、を備える。給紙装置7は複数の給紙トレイを備え、それぞれの給紙トレイが異なるサイズの用紙を収容する。
読取部51は原稿Qの画像を読み取る。読取部51は、読み取った画像から画像データを生成する。給紙装置7は、複数の用紙Pを収容し、搬送路へ用紙Pを送り出す。タイミングローラ15は搬送路上の用紙Pを画像形成手段50へ搬送する。
画像形成手段50は、用紙Pにトナー像を形成する。具体的には、画像形成手段50は、感光体ドラムと、帯電ローラと、露光装置と、現像装置と、補給装置と、転写ローラと、クリーニング装置と、除電装置とを含む。トナー像は、例えば、原稿Qの画像を示す。定着装置9は、トナー像を加熱および加圧して、用紙Pにトナー像を定着させる。トナー像の定着された用紙Pは、搬送ローラなどにより排紙装置10へ搬送される。排紙装置10は、画像形成装置100の外部に用紙Pを排出する。
次に、本実施形態の定着装置9について説明する。前述の実施形態の定着装置と共通する構成については、適宜その記載を省略する。
図17に示すように、定着装置9は、定着ベルト20と、加圧ローラ21と、ヒータ22と、ヒータホルダ23と、ステー24と、サーミスタ25等を備える。
定着ベルト20と加圧ローラ21との間に定着ニップNが形成される。定着ニップNのニップ幅は10mm、定着装置9の線速は240mm/sである。
定着ベルト20はポリイミドの基体と離型層とを備え、弾性層を有していない。離型層は、例えばフッ素樹脂からなる耐熱性のフィルム材からなる。定着ベルト20の外径は約24mmである。
加圧ローラ21は、芯金21aと弾性層21bと離型層21cとを含む。加圧ローラ21の外径は24~30mmで形成され、弾性層21bの厚みは3~4mmで形成される。
ヒータ22は、基材と、断熱層と、抵抗発熱体などを含む導体層と、絶縁層とを含み、全体の厚みが1mmで形成される。また、ヒータ22の配列交差方向の幅Yは13mmである。
図18に示すように、ヒータ22の導体層は、複数の抵抗発熱体31と、給電線33と、電極部34A~34Cとを備える。本実施形態においても、図18の拡大図に示すように、複数の抵抗発熱体31が配列方向に分割された分割領域Bが形成される。ただし、図18では拡大図の範囲のみで分割領域Bを図示しているが、実際は全ての抵抗発熱体31同士の間に分割領域が設けられる。抵抗発熱体31により、三つの発熱部35A~35Cが構成される。電極部34A,34Bに通電することにより、発熱部35A,35Cが発熱する。電極部34A,34Cに通電することにより、発熱部35Bが発熱する。例えば、小サイズ用紙に定着動作を行う場合には発熱部35Bを発熱させ、大サイズ用紙に定着動作を行う場合には全ての発熱部に発熱させることができる。
図19に示すように、ヒータホルダ23は、その凹部23bにヒータ22を保持する。凹部23bは、ヒータホルダ23のヒータ22側に設けられる。凹部23bは、ヒータ22のその他の面よりもステー24側に凹となった基材30に略平行な面23b1と、ヒータホルダ23の配列方向両側(一方側でもよい)でヒータホルダ23の内側に設けられた壁部23b2と、配列交差方向両側でヒータホルダ23の内側に設けられた壁部23b3とにより構成される。ヒータホルダ23はガイド部26を有する。ヒータホルダ23はLCP(液晶ポリマー)により形成される。
図20に示すように、コネクタ60は、樹脂製(例えばLCP)のハウジングと、ハウジング内に設けられた複数のコンタクト端子等を備える。
コネクタ60は、ヒータ22とヒータホルダ23とを表側と裏側から一緒に挟むようにして取り付けられる。この状態で、各コンタクト端子が、ヒータ22の各電極部に接触(圧接)することで、コネクタ60を介して発熱部35と画像形成装置に設けられた電源とが電気的に接続される。これにより、電源から発熱部35へ電力が供給可能な状態となる。なお、各電極部34は、コネクタ60との接続を確保するため、少なくとも一部が絶縁層に被覆されておらず露出した状態となっている。
フランジ53は、定着ベルト20の配列方向の両側に設けられ、定着ベルト20の両端をベルトの内側から保持する。フランジ53は定着装置9の筐体に固定される。フランジ53はステー24の両端に挿入される(図20のフランジ53からの矢印方向参照)。
コネクタ60のヒータ22およびヒータホルダ23に対する取り付け方向はヒータの配列交差方向である。この配列交差方向は、図20のコネクタ60からの矢印方向である。コネクタ60のヒータホルダ23に対する取り付け時に、コネクタ60とヒータホルダ23との一方に設けた凸部が、他方に設けた凹部に係合し、凸部が凹部内を相対移動する構成としてもよい。またコネクタ60は、配列方向のいずれか一方側であって、加圧ローラ21の駆動モータが設けられる側とは反対側で、ヒータ22およびヒータホルダ23に取り付けられる。
図21に示すように、定着ベルト20の内周面に対向して、定着ベルト20の配列方向中央側と端部側にそれぞれサーミスタ25が設けられる。サーミスタ25により検知された定着ベルト20の配列方向中央側と端部側のそれぞれの温度に基づいて、ヒータ22を制御する。なお、これらのサーミスタ25のうちいずれか一方は、前述の実施形態と同様、ヒータ22の抵抗発熱体同士の分割領域に対応する位置に設けられる。
定着ベルト20の内周面に対向して、定着ベルト20の配列方向中央側と端部側にそれぞれサーモスタット27が設けられる。サーモスタット27により検知された定着ベルト20の温度が定められた閾値を超えた場合には、ヒータ22への通電を停止する。
定着ベルト20の配列方向両端には、定着ベルト20の各端部を保持するフランジ53が設けられる。フランジ53はLCP(液晶ポリマー)により形成される。
図22に示すように、フランジ53にはスライド溝53aが設けられる。スライド溝53aは、定着ベルト20の加圧ローラ21に対する接離方向に延在する。スライド溝53aには定着装置9の筐体の係合部が係合する。この係合部がスライド溝53a内を相対移動することにより、定着ベルト20は加圧ローラ21に対する接離方向へ移動できる。
以上の定着装置9においても、ヒータ22の分割領域Bに対応する位置にサーミスタ25の温度検知素子を設けることにより、定着ベルト20の分割領域に対応する部分を十分に加熱することができる。これにより、画像の定着性を十分に確保し、定着オフセットなどの不具合の発生を防止できる。
特に単色のトナーにより画像形成動作を行う画像形成装置の場合、複数色のトナーにより画像形成動作を行う画像形成装置と比較して、ホットオフセットが生じにくい。従って、本発明のように、分割領域に対応する位置に配置した温度検知素子の検知結果に基づいて加熱部材の制御を実施しても、単色のトナーを使用する画像形成装置ではホットオフセットが生じにくいという利点がある。
記録媒体としては、用紙P(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
1 画像形成装置
9 定着装置(加熱装置)
20 定着ベルト(回転部材あるいは定着部材)
21 加圧ローラ(対向回転部材あるいは加圧部材)
22 ヒータ(加熱部材)
23 ヒータホルダ(保持部材)
24 ステー(支持部材)
25A サーミスタ(温度検知部材)
25B サーミスタ(他の温度検知部材)
25a 温度検知素子
27 サーモスタット(遮断装置)
30 基材
31 抵抗発熱体
35 発熱部
220 制御部
B 分割領域
D ヒータの発熱領域
N 定着ニップ(ニップ部)
X 複数の抵抗発熱体の配列方向
Y 配列交差方向
特開2019-164328号公報

Claims (11)

  1. 回転部材と、
    基材および複数の抵抗発熱体を有する面状の加熱部材と、
    温度検知素子を有する、一または複数の温度検知部材と、を備えた加熱装置であって、
    前記複数の抵抗発熱体は、前記基材上に間隔を置いて配列され、
    前記温度検知素子と前記抵抗発熱体同士の分割領域とが、前記複数の抵抗発熱体の配列方向において同じ位置に設けられることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記回転部材に接触して前記回転部材との間にニップ部を形成する対向回転部材をさらに備えた請求項1記載の加熱装置であって、
    前記複数の抵抗発熱体の配列方向に交差する方向であって、前記基材の前記抵抗発熱体を設けた面に沿う方向を配列交差方向とすると、
    前記ニップ部における前記回転部材の回転方向上流側をニップ入口側としたときに、前記ニップ部の中央位置よりも入口側に設けられる加熱装置。
  3. 熱変形部材を有する遮断装置をさらに備えた請求項1または2記載の加熱装置であって、
    前記熱変形部材の変形により前記加熱部材への通電を遮断し、
    前記遮断装置が、前記複数の抵抗発熱体の配列方向において、前記温度検知部材が配置された前記分割領域を間に挟む両側の抵抗発熱体のうち、いずれか一方の抵抗発熱体の前記分割領域の外側に対応する位置に設けられる加熱装置。
  4. 前記熱変形部材がバイメタルである請求項3記載の加熱装置。
  5. 温度検知素子を有する他の温度検知部材をさらに備えた請求項1から4いずれか1項に記載の加熱装置であって、
    前記他の温度検知部材の前記温度検知素子は、前記複数の抵抗発熱体の配列方向の前記抵抗発熱体に対向する位置で、前記抵抗発熱体同士の分割領域とは違う位置に設けられる加熱装置。
  6. 前記他の温度検知部材の前記温度検知素子を、前記温度検知部材の前記温度検知素子よりも、前記複数の抵抗発熱体の配列方向の前記加熱部材の発熱領域の端部側に配置する請求項5記載の加熱装置。
  7. 前記抵抗発熱体を前記複数の抵抗発熱体の配列方向に偶数個有する場合に、前記温度検知部材の前記温度検知素子を、複数の分割領域のうち前記複数の抵抗発熱体の配列方向の中央の分割領域と同じ位置に配置する請求項1から6いずれか1項に記載の加熱装置。
  8. 温度検知素子を有する他の温度検知部材を備え、
    前記他の温度検知部材の温度検知素子は、前記複数の抵抗発熱体の配列方向の前記抵抗発熱体に対向する位置で、前記抵抗発熱体同士の分割領域とは違う位置に設けられる請求項7記載の加熱装置であって、
    前記他の温度検知部材の温度検知素子を、前記中央の分割領域を間に挟む2つの抵抗発熱体以外のいずれかの前記抵抗発熱体と同じ位置に配置する加熱装置。
  9. 請求項1から8いずれか1項に記載の加熱装置により、記録媒体上の熱を加熱して定着させる定着装置。
  10. 請求項9記載の定着装置を備えた画像形成装置。
  11. 単色のトナーのみによる画像形成を行う請求項10記載の画像形成装置。
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