JP7451813B1 - 洋上風力基礎 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1では、海底地盤に打設される鋼管杭や、鋼管杭に取り付けられる鋼管柱に、既製鋼管あるいは鋼板を管状に曲げ加工し、その継目を溶接した加工鋼管が用いられた海洋構造が開示されている。
特許文献2では、海底地盤に打設するモノパイルとして、湾曲した半円筒鋼材を接合して構成された鋼管が用いられた洋上風力発電塔が開示されている。
これを抑える為に、鋼管の周方向において、互いに接続された鋼管の溶接シームをずらす方法が執られる。しかしながら、洋上風力基礎を設計する際、溶接シームの位置を考慮することで、設計の負担が増加する課題がある。
図1は、第1実施形態に係る洋上風力基礎100の斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る洋上風力基礎100の正面図である。
図1及び図2に示す洋上風力基礎100は、トランジションピース10と、第1鋼管P1と、第2鋼管P2と、第3鋼管P3と、第4鋼管P4と、を備える。
本実施形態において、ストレートシームとは、洋上風力基礎100における管状の各部材に形成される、管軸の方向に沿った溶接シームをいう。
本実施形態において、スパイラルシームとは、洋上風力基礎100における管状の各部材に形成される、管軸まわりに螺旋状に形成された溶接シームをいう。
互いに端部同士が接続される2つの鋼管における溶接シームSは、例えば、両方がストレートシームであってもよい。又は、互いに端部同士が接続される2つの溶接シームSは、両方がスパイラルシームであってもよい。あるいは、互いに端部同士が接続される2つの溶接シームSは、一方がストレートシームであって、他方がスパイラルシームであってもよい。
以下、本実施形態では、溶接シームSは全てストレートシームであるとして説明する。
図3は、実施形態に係る第1鋼管と第2鋼管との接続部の模式図である。
図3に示すように、第1鋼管P1及び第2鋼管P2は、円筒状の鋼管である。第1鋼管P1及び第2鋼管P2の前記円筒状は、円弧状に曲げ加工された1つ又は複数の鋼板の端部同士を、前記円筒状の長手方向に沿って溶接することにより形成される。このため、第1鋼管P1及び第2鋼管P2には、それぞれ、長手方向に沿った溶接シームSが形成されている。
しかしながら、溶接シームSの配置を考慮して設計することは、洋上風力基礎100の設計の負担が増大する原因となる。
なお、本実施形態において、溶接シームSと溶接シームSとがずらされているとは、特に溶接シームSの端部同士が一連に繋がっておらず、互いに離れていることをいう。
本実施形態において、当接部材Cは、例えば、トランジションピース10等である(詳細は後述する)。
図4は、実施形態に係る第3鋼管と第4鋼管との接続部の模式図である。
図4に示すように、第3鋼管P3及び第4鋼管P4は、円筒状の鋼管である。第3鋼管P3及び第4鋼管P4の前記円筒状は、円弧状に曲げ加工された1つ又は複数の鋼板の端部同士を、前記円筒状の長手方向に沿って溶接することにより形成される。このため、第3鋼管P3及び第4鋼管P4には、それぞれ、長手方向に沿った溶接シームSが形成されている。
次に、本実施形態に係る洋上風力基礎100について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る洋上風力基礎100は、ジャケット構造体である。ジャケット構造体である洋上風力基礎100は、トランジションピース10と、レグ20と、杭30(鋼管杭)と、接続部材40と、ブレース50と、を備える。
複数設けられたレグ20のそれぞれの上端は、トランジションピース10に接続される。レグ20のそれぞれの下端は、海底地盤に打設される杭30の上端に接続される。このことで、複数のレグ20は、海上においてトランジションピース10を支持する。
上述のように複数設けられた杭30のそれぞれは、下端が海底地盤に打設される。杭30のそれぞれの上端は、レグ20に接続される。このことで、杭30は、海上においてレグ20を支持する。
スリーブ41は、円筒状の部材である。スリーブ41の内部には、杭30の上端が挿入される。上述のように、杭30は1つのレグ20に対して2つ設けられる。したがって、スリーブ41は、1つのレグ20に対して2つ設けられる。
下フランジ43は、スリーブ41の下部とレグ20とを接続する板状の部材である。下フランジ43と、スリーブ41及びレグ20とは、例えば、溶接により接続される。
ウェブ44は、レグ20、スリーブ41、上フランジ42、及び下フランジ43の接続を補強する板状の部材である。すなわち、ウェブ44は、例えば、上端が上フランジ42、下端が下フランジ43に接続される。ウェブ44は、水平方向の両端部が、スリーブ41又はレグ20にそれぞれ接続される。ウェブ44は、例えば、上述の各部材に対して、溶接により接続される。
次に、洋上風力基礎100における、第1鋼管P1及び第2鋼管P2の配置例について説明する。
第1鋼管P1及び第2鋼管P2は、例えば、第1レグ21の少なくとも一部であり、当接部材Cは、トランジションピース10の下側板13である。すなわち、図2に示すように、第1レグ21は、トランジションピース10の下側板13を境に、第1鋼管P1と第2鋼管P2とに分けられる。換言すれば、トランジションピース10の下側板13が通し部材である。このような配置とすることで、第1レグ21におけるトランジションピース10の下側板13の周辺の部分において、第1鋼管P1又は第2鋼管P2の溶接シームSに生じた亀裂が、第2鋼管P2又は第1鋼管P1の溶接シームSに伝播することを抑える。
なお、第1レグ21に限らず、第2レグ22、第3レグ23、第4レグ24において同様の構成を適用してもよい。
なお、上述の構成は、第1レグ21に限らず、第2レグ22、第3レグ23、第4レグ24に適用してもよい。
次に、洋上風力基礎100における、第3鋼管P3及び第4鋼管P4の配置例について説明する。
第3鋼管P3及び第4鋼管P4は、例えば、第1レグ21の少なくとも一部である。具体的には、第3鋼管P3と第4鋼管P4との接続部は、第1レグ21のうち、当接部材Cが配置されない部分に位置する。
すなわち、例えば、図2に示すように、第3鋼管P3は、第1レグ21のうち、ブレース50が接続される部分であるレグキャン以外の部分である。第4鋼管P4は、第1レグ21のレグキャンである。換言すれば、第1レグ21において、レグキャン以外の部分の溶接シームSと、レグキャンの溶接シームSとは、第1レグ21の周方向において、所定距離以上、ずらされている。
このような配置とすることで、第1レグ21においてレグキャン以外の部分とレグキャンとが部材が介することなく接続されていても、第3鋼管P3又は第4鋼管P4の溶接シームSに生じた亀裂が、第4鋼管P4又は第3鋼管P3の溶接シームSに伝播することを抑える。
ここで、第1レグ21の長さが、第1レグ21を形成する鋼管の製造可能な長さを超える場合、複数の前記鋼管同士を繋ぎ合わせることで第1レグ21を形成する。第3鋼管P3及び第4鋼管P4は、それぞれ、前述の場合における複数の鋼管であってもよい。
なお、上述の構成は、第1レグ21に限らず、第2レグ22、第3レグ23、第4レグ24に適用してもよい。
すなわち、例えば、第3鋼管P3は、下側に位置する第1ブレース51のうち、第2ブレース52が接続される部分であるブレースキャン以外の部分である。第4鋼管P4は、下側に位置する第1ブレース51のブレースキャンである。換言すれば、第1ブレース51において、ブレースキャン以外の部分の溶接シームSと、ブレースキャンの溶接シームSとは、第1ブレース51の周方向において、所定距離以上、ずらされている。
このような配置は、例えば、図2に示す洋上風力基礎100において上下に2段設けられたブレース50のうち、上側に位置するブレース50の備える第1ブレース51のように、第1ブレース51が第2ブレース52によって第1鋼管P1と第2鋼管P2とに分けられる場合に用いられてもよい。あるいは、洋上風力基礎100のうち、下側に位置するブレース50の備える第1ブレース51のように、第1ブレース51が通し部材であって、第2ブレース52が第1ブレース51を境に第1鋼管P1と第2鋼管P2とに分けられる場合に用いられてもよい。
次に、本発明に係る第2実施形態の第2洋上風力基礎200(洋上風力基礎)を、図5及び図6を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5は、第2実施形態に係る洋上風力基礎の斜視図である。
図6は、第2実施形態に係る洋上風力基礎の正面視の断面図である。
第2洋上風力基礎200は、図5及び図6に示すように、モノパイル式基礎である。モノパイル式基礎である第2洋上風力基礎200は、モノパイル210(鋼管杭)と、第2トランジションピース220と、を備える。
モノパイル210は、上部がテーパー状の円筒状の部材である。すなわち、図6に示すように、モノパイル210の下部は円筒状であり、モノパイル210上部は、管軸方向における任意の位置から上端に向かうにつれて縮径している。
モノパイル210は、円弧状に曲げ加工された1つ又は複数の鋼板の端部同士を、前記円筒状の長手方向に沿って溶接することにより形成される。このため、モノパイル210には、長手方向に沿った溶接シームSが形成されている。
本体部221は、下部がテーパー状の円筒状の部材である。すなわち、図6に示すように、本体部221の上部は円筒状であり、本体部221の下部は、下端から上方に向かうにつれて縮径している。
本体部221の内部には、モノパイル210が挿入される。このことで、第2トランジションピース220とモノパイル210とが接続される。また、本体部221とモノパイル210とは、不図示のグラウトにより固定される。このため、本体部221のテーパー状の部分とモノパイル210のテーパー状の部分とは、同じテーパー角であることが好ましい。
第2上側板222は、本体部221の上端に設けられる。第2上側板222の上面には、洋上風車WMのタワーTが当接する。
次に、第2洋上風力基礎200における、第1鋼管P1及び第2鋼管P2の配置例について説明する。
図6に示すように、第2洋上風力基礎200において、第1鋼管P1は、洋上風車WMのタワーTであり、第2鋼管P2は、モノパイル式基礎のモノパイル210である。第2洋上風力基礎200において、当接部材Cは、第2トランジションピース220の第2上側板222である。すなわち、洋上風車WMのタワーTとモノパイル210との間に、トランジションピース10が配置される。そして、洋上風車WMのタワーTの溶接シームSと、モノパイル210との溶接シームSとは、洋上風車WMのタワーT又はモノパイル210の周方向において、所定距離以上、ずらされていない。このような配置とすることで、洋上風車WMのタワーT又はモノパイル210の溶接シームSに生じた亀裂が、モノパイル210又は洋上風車WMのタワーTの溶接シームSに伝播することを抑える。
例えば、第1鋼管P1又は第2鋼管P2が、第1鋼管P1又は第2鋼管P2を形成する鋼管の製造可能な長さを超える場合、複数の前記鋼管同士を繋ぎ合わせることで第1鋼管P1又は第2鋼管P2を形成してもよい。この場合、前記複数の鋼管の溶接シームS同士は、前記複数の鋼管の周方向において、所定距離以上、ずらされていることが好ましい。換言すれば、第1鋼管P1又は第2鋼管P2が、第3鋼管P3及び第4鋼管P4を含んでいてもよい。
11 センターパイプ
12 上側板
13 下側板
14 補強板
20 レグ
21 第1レグ
22 第2レグ
23 第3レグ
24 第4レグ
30 杭
40 接続部材
41 スリーブ
42 上フランジ
43 下フランジ
44 ウェブ
50 ブレース
51 第1ブレース
52 第2ブレース
100 洋上風力基礎
200 第2洋上風力基礎
210 モノパイル
220 第2トランジションピース
221 本体部
222 第2上側板
C 当接部材
P1 第1鋼管
P2 第2鋼管
P3 第3鋼管
P4 第4鋼管
S 溶接シーム
T タワー
WM 洋上風車
Claims (7)
- 洋上風車を支持する洋上風力基礎であって、
円筒状の第1鋼管と、
前記第1鋼管と当接部材を介し接続される、円筒状の第2鋼管と、
を備え、
前記第1鋼管の中心軸と前記第2鋼管の中心軸とは、前記第1鋼管及び前記第2鋼管それぞれの長手方向に沿って見て略一致し、
前記当接部材は、前記第1鋼管の端部と、前記第2鋼管の端部と、の間に挟まれ、
前記第1鋼管の端部であって、前記当接部材と接する端部のストレートシーム及びスパイラルシームのいずれかである溶接シームと、前記第2鋼管の端部であって、前記当接部材と接する端部の前記溶接シームとは、前記第1鋼管又は前記第2鋼管の周方向において、所定距離以上、ずらされておらず、
円筒状の第3鋼管と、
前記第3鋼管と接続される、円筒状の第4鋼管と、
を更に備え、
前記第3鋼管の中心軸と前記第4鋼管の中心軸とは、前記第3鋼管及び前記第4鋼管の長手方向に沿って見て略一致し、
前記第3鋼管の端部と前記第4鋼管の端部とは、部材を介することなく接続され、
前記第3鋼管の前記溶接シームと、前記第4鋼管の前記溶接シームとは、前記第3鋼管又は前記第4鋼管の周方向において、前記所定距離以上、ずらされている、
ことを特徴とする洋上風力基礎。 - 前記当接部材は、トランジションピースである、
ことを特徴とする請求項1に記載の洋上風力基礎。 - 前記洋上風力基礎は、ジャケット構造体であり、
前記洋上風力基礎は、第1レグを更に備え、
前記第1鋼管及び前記第2鋼管は、前記第1レグの少なくとも一部であり、
前記当接部材は、前記トランジションピースのフランジである、
ことを特徴とする請求項2に記載の洋上風力基礎。 - 前記洋上風力基礎は、モノパイル式基礎であり、
前記第1鋼管は、前記洋上風車のタワーであり、
前記第2鋼管は、前記モノパイル式基礎の鋼管杭である、
ことを特徴とする請求項2に記載の洋上風力基礎。 - 前記洋上風力基礎は、ジャケット構造体であり、
前記洋上風力基礎は、第2レグ、又は、第1ブレースを更に備え、
前記第3鋼管及び前記第4鋼管は、前記第2レグ又は前記第1ブレースの少なくとも一部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の洋上風力基礎。 - 前記洋上風力基礎は、ジャケット構造体であり、
前記洋上風力基礎は、第3レグと、海底地盤に打設される鋼管杭と前記第3レグとを接続する接続部材と、を更に備え、
前記第1鋼管及び前記第2鋼管は、前記第3レグの少なくとも一部であり、
前記当接部材は、前記接続部材のフランジである、
ことを特徴とする請求項1に記載の洋上風力基礎。 - 前記洋上風力基礎は、ジャケット構造体であり、
前記洋上風力基礎は、第1ブレースと、第2ブレースと、を更に備え、
前記第1鋼管及び前記第2鋼管は、前記第1ブレースの少なくとも一部であり、
前記当接部材は、前記第2ブレースである、
ことを特徴とする請求項1に記載の洋上風力基礎。
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