JP7450950B2 - プレス加工装置、プレス加工方法、及びプレス加工用の加工具 - Google Patents

プレス加工装置、プレス加工方法、及びプレス加工用の加工具 Download PDF

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Description

本発明は、プレス加工装置、プレス加工方法、及びプレス加工用の加工具に関する。
従来、板状の被加工部材に対してプレス加工を施すプレス加工装置が広く用いられている。例えば、以下の特許文献1には、多数箇所を精密に構成せずともナノオーダーの加工ができ、精密な位置調整を容易に行えるプレス加工装置が開示されている。また、プレス加工装置では、加工の内容に応じて作成される金型を用いることで、せん断加工(抜き加工)や絞り加工(フォーミング加工)等の様々な加工を行うことができる。また、この場合、使用する金型又はプレス加工装置を順次変更することで、一つの被加工部材に対して複数種類の加工を行うことも可能である。
特開2015-178129号公報
金型を用いて被加工部材に対して複数種類の加工を行う場合、後の加工を行う工程では、既に加工がされている被加工部材を用いることになる。そして、この場合、後の工程では、通常、先の工程で加工がされた位置を考慮して、被加工部材と金型との位置合わせを高い精度で行うことが必要になる。また、その結果、例えば高い精度での位置合わせが可能なプレス加工装置を用いることや、時間をかけて位置合わせを行うこと等が必要になり、加工に要するコストや時間が増大することになる。そのため、従来、より適切な方法でプレス加工を行うことが望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できるプレス加工装置、プレス加工方法、及びプレス加工用の加工具を提供することを目的とする。
本願の発明者は、被加工部材に対して様々な加工を行うための好ましい構成について、鋭意研究を行った。そして、せん断加工と絞り加工とについて、異なる工程で行うのではなく、一つの工程で同時に行うことを考えた。このように構成すれば、例えば、先の工程で加工がされた位置を考慮して高い精度での位置合わせを行わなくても、被加工部材に対し、様々な加工を適切に行うことができる。また、本願の発明者は、更なる鋭意研究により、このような方法での加工を行うための好ましい特徴を見出し、本発明に至った。
上記の課題を解決するために、本発明は、板状の被加工部材に対してプレス加工を施すプレス加工装置であって、前記被加工部材の一方の側から前記被加工部材に押し当てられる金型である一方側金型と、前記被加工部材を挟んで前記一方側金型と対向する部材である対向部材と、前記一方側金型及び前記対向部材の少なくともいずれかを前記被加工部材へ向けて押圧する押圧機構とを備え、前記一方側金型は、前記被加工部材をせん断する切刃として機能する切刃部と、前記被加工部材に対して絞り加工を行うための凹部又は凸部である絞り加工部とを有し、前記押圧機構によって前記一方側金型及び前記対向部材の少なくともいずれかを前記被加工部材へ向けて押圧する押圧時に、前記切刃部によって前記被加工部材の一部をせん断するのと同時に、前記絞り加工部に対応する位置において、前記被加工部材に対して絞り加工を行う。
このように構成すれば、例えば、被加工部材に対し、せん断加工と絞り加工とを同時に適切に行うことができる。また、これにより、例えば、加工に要するコストや時間が増大することを適切に防止しつつ、被加工部材に対し、様々な加工を適切に行うことができる。
この構成において、対向部材としては、例えば、一方側金型に合わせた形状の金型を用いることが考えられる。この場合、金型については、例えば、被加工部材と接触する面が金属で形成された型部材等と考えることができる。また、対向部材としては、金型以外の部材を用いることもできる。このような対向部材としては、例えば、例えばゴムや粘体等のような、プレス加工の実行時に生じる外力に応じて変形する部材を用いることが考えられる。また、対向部材として、例えば、外力に応じて変形する部材で一部が形成され、他の部分が金属で形成された部材を用いること等も考えられる。より具体的に、プレス加工装置において、被加工部材を挟む上下の両方の部材として金型を用いる場合、せん断加工を行う位置でのクリアランスについて、例えば、被加工部材の厚さの10%未満(例えば、7%以下程度)になるように、高い精度で上下の金型の位置を合わせることが必要になる。これに対し、上下の金型の一方(例えば、下側の金型)の代わりにゴムや粘体等を用いる場合、このような高い精度での位置合わせを行わなくても、せん断加工を適切に行うことができる。しかし、このようなゴムや粘体等を用いる構成の場合、絞り加工について、高い品質での加工を行うことが難しくなる場合がある。これに対し、せん断加工と絞り加工とを同時に行う場合の対向部材において、せん断加工を行う位置についてはゴムや粘体等で形成し、絞り加工を行う位置については金属で形成すれば、せん断加工の位置での高い精度での位置合わせを不要にしつつ、高い品質での絞り加工を行うことが可能になる。
この場合、例えば、対向部材において、一方側金型の絞り加工部と被加工部材を挟んで対向する部分は、金属で形成される。この部分には、例えば、一方側金型の絞り加工部の凹部又は凸部に対応する凸部又は凹部が形成される。また、対向部材において、押圧時に被加工部材を挟んで一方側金型の切刃部と対向する部分は、例えば、押圧時に受ける圧力に応じて変形する部材で構成される。このように構成すれば、例えば、せん断加工と絞り加工とを同時に行う場合において、より容易かつ適切に加工を行うことができる。また、この場合、対向部材において、押圧時に受ける圧力に応じて変形する部材で形成される部分である変形可能部の周囲は、例えば、金属で形成される。そして、この場合、変形可能部について、例えば、周囲における金属で形成されている領域と比べて、被加工部材へ向かう側へ突出させることが考えられる。このように構成すれば、例えば、せん断加工をより適切に行うことができる。
また、一方側金型において、切刃部は、例えば、被加工部材における一部に対応する領域を囲む。このように構成すれば、例えば、切刃部で囲む範囲の形状での抜き加工を被加工部材に対して適切に行うことができる。また、この場合、抜き加工で抜きの対象となる部分について、加工後に製品になる部分にすることも考えられる。そして、このような場合、例えば、抜き加工で抜きの対象となる部分に対し、絞り加工を行うことも考えられる。この場合、一方側金型は、例えば、切刃部によって囲まれる範囲の中に、少なくとも一つの絞り加工部を有する。このように構成すれば、例えば、被加工部材に対し、多様な加工を適切に行うことができる。また、このような形状の一方型金型を用いる場合、例えば、切刃部で囲む範囲が大きくなることで、一方側金型のサイズが大きくなることも考えられる。これに対し、上下の金型を用いる構成で金型の位置合わせを行う場合、金型のサイズがより大きくなると、通常、高い精度での位置合わせがより困難になると考えることができる。そのため、このような形状の一方型金型を用いる場合には、対向部材においてせん断加工を行う部分について、上記のような変形可能な部材で形成することが特に好ましい。この場合、対向部材において、押圧時に被加工部材を挟んで一方側金型の切刃部と対向する部分は、例えば、押圧時に受ける圧力に応じて変形する部材で構成される。このように構成すれば、例えばサイズの大きな一方側金型を用いる場合等にも、せん断加工をより容易かつ適切に行うことができる。
また、この構成において、一方型金型としては、例えば、切刃部の位置に凹部を有する構成の金型を用いることが考えられる。より具体的に、この場合、一方側金型は、例えば、切刃部の位置において被加工部材から離れる方向へ凹む凹部であるせん断用凹部を有する。この場合、例えば、せん断用凹部の縁部の少なくとも一部が切刃部になると考えることができる。また、この場合、押圧時において、対向部材は、例えば、被加工部材の一部をせん断用凹部の中へ押し込むことで、切刃部から離れる方向の力を被加工部材の一部に加える。このように構成すれば、例えば、切刃部の位置で被加工部材をより適切に切り離すことができる。また、この場合、切刃部から離れる方向の力を被加工部材の一部に加えることで、例えば、厚さが小さな被加工部材を用いる場合等にも、せん断加工をより適切に行うことができる。
また、このようなせん断用凹部としては、例えば、第1の閉経路に沿った縁部である第1縁部と、第1縁部の外側を囲む第2の閉経路に沿った縁部である第2縁部とを縁部とする凹部を用いることが考えられる。また、この場合、例えば、第1縁部及び第2縁部のうちのいずれか一方を切刃部として用いることが考えられる。このように構成すれば、例えば、せん断用凹部の縁部を切刃部として適切に機能させることができる。また、このような構成の一方型金型を用いる場合、例えば、切刃部の先端が被加工部材の厚さの途中の位置にまで達した時点で、被加工部材を切り離すこと等も考えられる。より具体的に、この場合、押圧時において、対向部材は、例えば、切刃部から離れる方向の力を被加工部材の一部に加えることで、被加工部材の厚さの途中の位置にまで切刃部の先端が達した時点で、被加工部材を切り離す。このように構成すれば、例えば、切刃部での切断位置に問題となるバリを生じ難くすることができる。
また、この構成において、一方側金型及び対向部材は、例えば、一方が鉛直方向の上側になるように、被加工部材を挟んで重なる。また、押圧機構としては、例えば、一方側金型及び対向部材の上方から錘を落下させる構成の機構を用いることが考えられる。この場合、押圧機構は、例えば、一方側金型及び対向部材よりも鉛直方向の上側から、落下位置への衝突時の速度が3m/s以上になる条件で錘を落下させることで、一方側金型及び対向部材のいずれかを被加工部材へ向けて押し当てる。このように構成した場合、錘を落下させる衝撃を利用することで、例えば、高速なプレス速度でのプレス加工を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、厚さが小さな被加工部材を用いる場合等にも、せん断加工と絞り加工とを同時により適切に実行することができる。この場合、例えば、厚さが1mm未満(例えば、100μm以下等)の被加工部材に対してプレス加工を行うことが考えられる。また、一方側金型及び対向部材の位置への錘の衝突時に生じる衝撃力については、例えば、600000kgw以上程度にすることが好ましい。
また、本発明の構成として、上記と同様の特徴を有するプレス加工方法やプレス加工用の加工具等を用いることも考えられる。これらの場合も、例えば、上記と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、例えば、プレス加工装置において、被加工部材に対し、様々な加工を適切に行うことができる。
本発明の一実施形態に係るプレス加工装置10の構成の一例を示す図である。 上側加工具22の特徴について更に詳しく説明をする図である。図2(a)、(b)は、上側加工具22の構成の一例を示す下面図及び断面図である。図2(c)は、プレス加工装置10で実行するプレス加工によって製造される製品の一例を示す。 下側加工具24の特徴について更に詳しく説明をする図である。 上側加工具22におけるせん断加工部102の形状について説明をする図である。図4(a)は、せん断加工部102の形状の一例を示す。図4(b)は、せん断加工部102の形状の変形例を示す。 せん断加工部102の形状の更なる変形例を示す図である。図5(a)は、凸部がない底面306を有するせん断加工部102の形状の例を示す。図5(b)は、複数の縁部が切刃部になるせん断加工部102の形状の例を示す。 下側加工具24の構成の変形例について説明をする図である。図6(a)は、本変形例の下側加工具24の構成を示す断面図である。図6(b)は、下側加工具24の構成の更なる変形例を示す。 上側加工具22及び下側加工具24の更なる変形例の構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係るプレス加工装置10について、図面を参照しながら説明する。以下において説明をする各図面は、本発明の特徴を理解しやすくするために適宜縮尺等を変更した模式図であり、必ずしも実際の寸法を厳密に反映したものではない。図1は、本発明の一実施形態に係るプレス加工装置10の構成の一例を示す。以下に説明をする点を除き、プレス加工装置10は、公知のプレス加工装置と同一又は同様の特徴を有してよい。例えば、プレス加工装置10は、図示した構成以外に、公知のプレス加工装置10と同一又は同様の構成を更に備えてもよい。
本例において、板状の被加工部材である板状部材50に対してプレス加工を施すプレス加工装置であり、基台12、衝撃吸収部14、加工具セット16、及び押圧機構18を備える。基台12は、プレス加工装置10における他の構成要素を支える土台となる部分である。また、本例において、基台12は、加工具セット16及び押圧機構18よりも鉛直方向(重力方向)の下側にあり、内部に衝撃吸収部14を収容している。衝撃吸収部14は、プレス加工での加圧時に生じる衝撃力が直接地面に伝播することを防ぐカウンターウエイトである。この場合、プレス加工での加圧時に生じる衝撃力とは、例えば、後に説明をする押圧機構18における錘32の落下時生じる衝撃力である。衝撃吸収部14としては、例えば、錘32の30倍以上の重量を有する構成を用いることが好ましい。
加工具セット16は、板状部材50に対して接する加工具等を有する部分である。加工具セット16については、例えば、プレス加工装置10におけるダイセットに対応する構成等と考えることもできる。また、本例において、加工具セット16は、プレス加工用の加工具の一例であり、上側加工具22、下側加工具24、及び押さえ板26を有する。上側加工具22は、鉛直方向における上側から板状部材50へ押し当てられる加工具である。下側加工具24は、鉛直方向における下側から板状部材50へ押し当てられる加工具である。上側加工具22及び下側加工具24のより具体的な構成については、後に更に詳しく説明をする。押さえ板26は、鉛直方向における上側加工具22の上側から上側加工具22を押さえる部材であり、押圧機構18における錘32の落下時において、錘32から直接打撃を受けるとともに、この打撃による衝撃力を上側加工具22へ伝達する。
押圧機構18は、上側加工具22及び下側加工具24の少なくともいずれかを板状部材50へ向けて押圧する機構である。本例において、押圧機構18は、錘32を落下させることで押さえ板26を介して上側加工具22へ衝撃力を加える構成の機構であり、錘32、チャック部34、ガイド部36、及びワイヤ38を有する。錘32は、プレス加工の実行時に鉛直方向の上側から加工具セット16へ向けて落下するウエイト部材であり、加工具セット16における押さえ板26を介して上側加工具22へ落下の衝撃力を伝達することで、プレス加工に必要な圧力で板状部材50へ向けて上側加工具22を押圧する。錘32としては、例えば、100kg程度(例えば、50~150kg程度)の所定の重量のウエイト部材を用いることが考えられる。また、錘32における鉛直下方の面である下面の面積は、例えば、板状部材50においてプレス加工が施される領域の面積よりも大きくなっている。このように構成すれば、例えば、プレス加工の実行時において、プレス加工が施される領域に対してより均一に圧力を加えることができる。また、錘32における鉛直下方の面の面積については、例えば、上側加工具22において衝突面になる鉛直上側の面である上面の面積よりも大きいことが好ましい。また、本例において、錘32は、ガイド部36が貫通する貫通孔が角部に設けられている略矩形形状の部材である。
チャック部34は、錘32を所定の高さまで持ち上げる動作の実行時に錘32を吸着する部材である。チャック部34としては、例えば、磁気力によって錘32を吸着するマグネットチャックや、機械的に錘32を吸着するメカチャック等を好適に用いることができる。また、本例において、チャック部34は、吸着のオンオフの切り替えが可能な部材であり、所定の高さの位置で錘32の吸着を解除することで、錘32を落下させる。ガイド部36は、落下時の錘32の移動をガイドする部材である。本例において、ガイド部36は、錘32の角部における貫通孔をそれぞれが貫通する4本の柱状部を有し、これらの4本の柱状部により、錘32の移動をガイドする。また、これらの4本の柱状部は、加工具セット16の周囲を囲むように配置されている。これにより、ガイド部36は、錘32の下面と上側加工具22の上面とを平行にした状態で、錘32を押さえ板26に衝突させる。ワイヤ38は、チャック部34を移動させるための部材であり、チャック部34と連結されており、図示を省略している動力に応じて移動することで、チャック部34を昇降させる。より具体的に、本例において、ワイヤ38は、錘32を吸着しているチャック部34を鉛直方向の上方へ移動させることで、所定の高さ位置まで、錘32と共にチャック部34を移動させる。また、錘32を落下させる直前において、ワイヤ38は、この高さ位置にチャック部34を維持する。そして、チャック部34が錘32を解放し、錘32が落下した後、ワイヤ38は、錘32の位置までチャック部34を降下させる。このように構成すれば、例えば、錘32の落下によって生じる衝撃力を利用して、プレス加工を適切に実行することができる。
ここで、本例のプレス加工装置10において、押圧機構18は、意図的な加速や減速を行うことなく、錘32を落下させる。この場合、錘32の落下について、自由落下と考えることができる。この場合、押圧機構18については、例えば、所定の高さ位置から錘32を自由落下させる落下機構等と考えることができる。押圧機構18については、例えば、落下した錘32を所定の高さ位置まで持ち上げる持ち上げ機構を兼ねていると考えることもできる。また、押圧機構18について、例えば、錘32を昇降させる昇降機構等と考えることもできる。
また、本例のプレス加工装置10では、例えば、錘配置工程、加工工程、及び錘持ち上げ工程を含む工程でプレス加工を実行することが考えられる。この場合、錘配置工程については、例えば、所定の高さ位置に錘32を配置する工程等と考えることができる。錘配置工程では、例えば、チャック部34によって錘32を吸着し、ワイヤ38でチャック部34を引き上げることで、加工具セット16の上方の所定の高さ位置に錘32を配置する。加工工程については、例えば、錘32を落下させることで板状部材50に対するプレス加工を実行する工程等と考えることができる。加工工程では、例えば、上側加工具22と下側加工具24との間に板状部材50を配置した後に、チャック部34での錘32の吸着をオフにすることで、所定の高さ位置から錘32を重力で落下させる。この場合、錘32は、自由落下し、重力によって加速された状態で、押さえ板26に衝突する。また、この場合、この落下時生じる衝撃力により、板状部材50へ向けて上側加工具22が押し当てられ、プレス加工が実行される。この場合、例えば、錘32によって上側加工具22に打撃を与えることで、上側加工具22を下降させ、上側加工具22と下側加工具24とをかみ合わせていると考えることもできる。また、錘持ち上げ工程については、例えば、落下後の錘32を持ち上げる工程等と考えることができる。錘持ち上げ工程では、例えば、落下後の錘32の位置までチャック部34を降下させ、チャック部34に錘32を吸着させる。そして、ワイヤ38を用いて錘32を引き上げることで、所定の高さ位置まで錘32を持ち上げる。また、プレス加工装置10においては、これらの工程を繰り返して実行することが考えられる。この場合、錘持ち上げ工程について、例えば、次の加工工程の前に行う錘配置工程を兼ねていると考えることもできる。
本例によれば、例えば、板状部材50に対し、適切にプレス加工を実行することができる。また、上記においても説明をしたように、プレス加工装置10は、図示した構成以外に、公知のプレス加工装置10と同一又は同様の構成を更に備えてもよい。より具体的に、プレス加工装置10は、例えば、板状部材50を搬送する搬送機構や、加工具の位置合わせ機構等を更に備えてもよい。この場合、搬送機構は、例えば、上側加工具22と下側加工具24との間を通って間欠的に板状部材50が移動するように、板状部材50を搬送する。また、これにより、搬送機構は、例えば、各回の加工工程で加工の対象となる領域を順次変更する。また、加工具の位置合わせ機構としては、例えば、上側加工具22と下側加工具24との間での位置合わせを行うためのガイドピン等を用いることが考えられる。この場合、例えば、錘32に落下時に生じる衝撃力が必要以上に下側加工具24へ伝わることを防止する緩衝機構を有するガイドピン等を好適に用いることができる。また、このような緩衝機構としては、例えば、シリンダや、バネ等の弾性部材を用いることが考えられる。
続いて、加工具セット16における上側加工具22及び下側加工具24のより具体的な構成について、更に詳しく説明をする。先ず、上側加工具22の構成等について、説明をする。図2は、上側加工具22の特徴について更に詳しく説明をする図である。図2(a)、(b)は、上側加工具22の構成の一例を示す下面図及び断面図である。この場合、下面図については、例えば、プレス加工装置10(図1参照)において重力方向の下側になる側から見た図等と考えることができる。また、図2(b)に示す断面図は、図2(a)における一点鎖線AAの位置での断面図である。
本例において、上側加工具22は、被加工部材として用いる板状部材50(図1参照)に対して一方の側から押し当てられる一方側金型の一例である。また、本例において、上側加工具22は、せん断加工と絞り加工とを同時に行うための金型であり、複数のせん断加工部102及び複数の絞り加工部104を有する。この場合、金型については、例えば、被加工部材と接触する面が金属で形成された型部材等と考えることができる。より具体的に、本例において、上側加工具22は、板状部材50に対して鉛直方向の上側から押し当てられる金型であり、符号102a、bを付して区別して示している複数のせん断加工部102a、bと、符号104a、bを付して区別して示している複数の絞り加工部104a、bとを有している。
複数のせん断加工部102a、bのそれぞれは、板状部材50に対してせん断加工を行うための部分であり、板状部材50をせん断する切刃として機能する切刃部を有する。この場合、せん断加工については、例えば、板状部材50の一部を切り離す(せん断する)加工等と考えることができる。また、本例において、せん断加工部102a、bのそれぞれは、上側加工具22の下面に形成される凹部であり、凹部の縁部における少なくとも一部を切刃部として機能させることで、板状部材50に対してせん断加工を施す。この場合、せん断加工部102a、bのそれぞれに対応する凹部について、せん断用凹部の一例と考えることができる。また、せん断用凹部については、例えば、切刃部の位置において被加工部材(板状部材50)から離れる方向へ凹む凹部等と考えることができる。被加工部材から離れる方向については、例えば、プレス加工装置10に上側加工具22及び板状部材50が設置された状態において板状部材50から離れる方向等と考えることができる。
また、本例において、複数のせん断加工部102a、bのそれぞれは、一方が他方の外側を囲む複数の閉経路を縁部とする凹部である。より具体的に、せん断加工部102aは、図2(a)に実線で示す縁部112aと、点線で示す縁部114aとを縁部として凹む凹部である。せん断加工部102bは、実線で示す縁部112bと、点線で示す縁部114bとを縁部として凹む凹部である。この場合、縁部112aについては、例えば、縁部112a及び縁部114aに挟まれる溝状の部分等と考えることができる。縁部112bについては、例えば、縁部112b及び縁部114bに挟まれる溝状の部分等と考えることができる。また、せん断加工部102aにおいて、縁部114aは、縁部112aの外側を囲んでいる。せん断加工部102bにおいて、縁部112bは、縁部114bの外側を囲んでいる。この場合、せん断加工部102aにおける縁部112a及びせん断加工部102bにおける縁部114bのような、内側の縁部は、第1の閉経路に沿った縁部である第1縁部の一例である。また、せん断加工部102aにおける縁部114a及びせん断加工部102bにおける縁部112bのような、外側の縁部は、第1縁部の外側を囲む第2の閉経路に沿った縁部である第2縁部の一例である。
また、この場合、せん断加工部102a、bのそれぞれにおいて、第1縁部及び第2縁部のいずれかに対応する縁部を切刃部として用いることが考えられる。より具体的に、本例の場合、せん断加工部102aでは、縁部112a及び縁部114aのうち、縁部112aを切刃部として機能させる。また、せん断加工部102bでは、縁部112b及び縁部114bのうち、縁部112bを切刃部として機能させる。この場合、せん断加工部102a、bの縁部のうち、図2(a)において実線で示している縁部のみが、切刃部として機能することになる。また、この場合、例えば、せん断加工部102aにおける縁部112a側、及びせん断加工部102bにおける縁部112bの肩部が切刃部になると考えることもできる。また、本例の上側加工具22において、せん断加工部102a、bになる凹部は、図中に示すように、板状部材50における一部に対応する領域を囲むように形成されている。この場合、板状部材50における一部に対応する領域を囲むことについては、例えば、図中に示すように、上側加工具22の下面における一部を囲むこと等と考えることができる。また、この場合、せん断加工部102a、bのそれぞれにおける切り刃部についても、板状部材50における一部に対応する領域を囲むことになる。このように構成すれば、例えば、切刃部で囲む範囲の形状での抜き加工を板状部材50に対して適切に行うことができる。せん断加工部102a、bの具体的な構成については、後に更に詳しく説明をする。
複数の絞り加工部104a、bのそれぞれは、板状部材50に対して絞り加工を行うための凹部又は凸部である。より具体的に、図示した構成の場合、絞り加工部104aは、図2(a)において破線で示す縁部122aで囲まれる部分が突出する凸部である。また、絞り加工部104bは、破線で示す縁部122bで囲まれる部分が凹む凹部である。絞り加工部104a、bとして用いる凸部及び凹部としては、公知の絞り加工用の金型に形成される凸部及び凹部と同一又は同様の凹部を用いることができる。このような構成の上側加工具22を用いる場合、押圧機構18(図1参照)によって上側加工具22を板状部材50へ向けて押圧する押圧時には、せん断加工部102a、bにおける切刃部によって板状部材50の一部をせん断するのと同時に、絞り加工部104a、bに対応する位置において、板状部材50に対して絞り加工を行うことになる。そのため、本例によれば、例えば、板状部材50に対し、せん断加工と絞り加工とを同時に適切に行うことができる。また、これにより、例えば、加工に要するコストや時間が増大することを適切に防止しつつ、板状部材50に対し、様々な加工を適切に行うことができる。また、この場合、せん断加工と絞り加工とを同時に行うことについては、例えば、プレス加工での一度の押圧(加圧)でせん断加工と絞り加工とを並行して板状部材50に施すこと等と考えることができる。更に、本例のように、せん断加工部102a、b及び絞り加工部104a、bを有する上側加工具22を用いて、せん断加工と絞り加工とを同時に行う場合、例えばせん断加工用の金型と絞り加工用の金型とを個別に用いる場合と比べて、必要な金型の個数を少なくすることができる。また、これにより、例えば、金型の製造コストを低減することや、金型の管理の手間を削減すること等が可能になる。また、この場合、金型の製造時においては、上側加工具22におけるせん断加工部102a、b及び絞り加工部104a、bについて、例えば、一つの工程の中で形成することが可能である。そのため、この点でも、金型の製造コストを低減することが可能である。
また、上記のように、本例の上側加工具22において、せん断加工部102a、bにおける切刃部は、板状部材50における一部に対応する領域を囲んでいる。このように構成すれば、例えば、切刃部で囲む範囲の形状での抜き加工を板状部材50に対して適切に行うことができる。また、この場合、例えば、抜き加工で抜きの対象となる部分について、加工後に製品になる部分にすることも考えられる。また、このような場合、例えば、上側加工具22を用いて、抜き加工で抜きの対象となる部分に対し、絞り加工を行うことも考えられる。より具体的に、本例において、上側加工具22は、せん断加工部102aの切刃部となる縁部112aに囲まれる範囲の中に、絞り加工部104a、bを有している。また、このような特徴については、例えば、切刃部によって囲まれる範囲の中に、少なくとも一つの絞り加工部を有する構成等と考えることができる。このように構成すれば、例えば、板状部材50に対し、多様な加工を適切に行うことができる。また、より具体的に、本例において、板状部材50は、プレス加工によって、例えば、図2(c)に示すような製品150に加工される。
図2(c)は、本例のプレス加工装置10で実行するプレス加工によって製造される製品の一例を示す図であり、図2(a)、(b)に示す上側加工具22を用いてせん断加工と絞り加工とを同時に行うことで製造される製品150の例を示す。製品150については、例えば、プレス加工装置10において行うプレス加工の成果物等と考えることができる。また、上記のように、本例のプレス加工装置10では、せん断加工部102a、b及び絞り加工部104a、bを有する上側加工具22を用いて、板状部材50に対し、せん断加工と絞り加工とを同時に行う。そして、この場合、製品150について、例えば、せん断加工部102a、bの位置で切り離しが行われ、絞り加工によって変形が生じた変形部154a、bが絞り加工部104b、cの位置に形成されると考えることができる。より具体的に、図2(a)、(b)に示す形状の上側加工具22を用いる場合、上側加工具22におけるせん断加工部102a、bの縁部112a、bに対応する位置を示す実線162a、bに沿って、せん断加工による切り離しが行われる。また、この場合、実線162aの位置は、製品150の外周を構成する位置になる。そして、実線162bで囲まれる部分は、製品の範囲内に形成される穴152になる。また、上側加工具22における絞り加工部104a、bの縁部122a、bに対応する位置を示す破線172a、bに囲まれる部分は、絞り加工が施されることで、変形部154a、bになる。この場合、製品150について、例えば、実線162aが示す閉経路に沿って抜き加工がされ、かつ、実線162aが示す閉経路に囲まれる領域の中に対し、更に絞り加工及び抜き加工を行っていると考えることができる。
続いて、上側加工具22と共に用いる下側加工具24(図1参照)の特徴について、更に詳しく説明をする。本例のプレス加工装置10では、上側加工具22と共に、上側加工具22に合わせた形状の下側加工具24を用いて、板状部材50に対してプレス加工を行う。この場合、下側加工具24について、対向部材の一例と考えることができる。対向部材については、例えば、被加工部材を挟んで一方側金型と対向する部材等と考えることができる。また、下側加工具24としては、例えば、図3に示す構成の加工具を用いることが考えられる。
図3は、下側加工具24の特徴について更に詳しく説明をする図である。図3において、上側の図は、上側加工具22及び板状部材50と共に下側加工具24の構成の一例を示す断面図である。また、下側の図は、板状部材50においてせん断加工及び絞り加工が行われる位置の例を示す板状部材50の上面図である。
本例のように、板状部材50に対してせん断加工と絞り加工とを同時に行う場合、下側加工具24についても、せん断加工用の部分と絞り加工用の部分とを有する構成の加工具を用いることが考えられる。そして、この場合、単純に考えるのであれば、例えば、上側加工具22におけるせん断加工部102a、b及び絞り加工部104a、bに対応する形状(例えば凹凸等)を有する金型を下側加工具24として用いることが考えられる。しかし、プレス加工装置10(図1参照)において、板状部材50を挟む上下の両方の部材として金型を用いる場合、せん断加工を行う位置でのクリアランスについて、通常、板状部材50の厚さの10%未満程度(例えば、7%以下程度)になるように、高い精度で上下の金型の位置を合わせることが必要になる。そして、この場合、厚さが小さな板状部材50を用いると、必要な精度での位置合わせを行うためのコストが増大することが考えられる。また、板状部材50の厚さによっては、必要な精度での位置合わせを行うこと自体が困難になる場合もある。例えば、厚さが1mm未満(例えば、100μm以下等)の板状部材50を用いる場合、適切に位置合わせを行うことが難しくなることが考えられる。また、上下の金型を用いる構成で金型の位置合わせを行う場合、金型のサイズがより大きくなると、通常、高い精度での位置合わせがより困難になる。そして、この点に関し、上記においても説明をしたように、本例において、上側加工具22は、せん断加工部102aにおける切刃部によって囲まれる範囲の中に、絞り加工部104a、bを有している。そして、このような場合、切刃部で囲む範囲が大きくなることで、上側加工具22のサイズが大きくなることが考えられる。また、その結果、下側加工具24として通常の金型を用いると、上側加工具22及び下側加工具24の位置合わせを必要な精度で行うことが特に難しくなることが考えられる。
これに対し、プレス加工の方法としては、必ずしも上下の金型を用いるのではなく、上下の金型の一方の代わりにゴムや粘体等を用いること等も考えられる。そのため、下側加工具24としては、通常の金型ではなく、板状部材50に接触する部分がゴムや粘体等で構成された加工具を用いること等も考えられる。そして、このような下側加工具24を用いる場合、通常、上下の金型を用いる場合に必要となるレベルでの高い精度での位置合わせを行わなくても、せん断加工を適切に行うことができると考える。しかし、せん断加工を行う場合と異なり、絞り加工の場合、高い精度での加工を行うためには、通常、上下の両方の加工具として、金型を用いることが好ましい。そのため、このような構成の下側加工具24を用いると、絞り加工について、高い品質での加工を行うことが難しくなる場合がある。そして、この場合、本例のように、せん断加工と絞り加工とを同時に行おうとすると、せん断加工及び絞り加工の両方を高い精度で適切に行うことが難しくなることが考えられる。
これに対し、本例においては、下側加工具24として、せん断加工を行うための部分と絞り加工を行う部分とで素材を変えた構成の加工具を用いる。この場合、下側加工具24として、例えば、せん断加工を行う位置についてはゴムや粘体等で形成し、絞り加工を行う位置については金属で形成することが考えられる。また、絞り加工については、通常、せん断加工を行う場合のような高い精度での位置合わせを行わなくても、適切に加工を行うことができる。そのため、このように構成すれば、例えば、せん断加工の位置での高い精度での位置合わせを不要にしつつ、高い品質での絞り加工を行うことが可能になる。
また、より具体的に、本例において、下側加工具24は、ベース部202及び複数の可変部204204a、bを有する。ベース部202は、下側加工具24の基本形状となる部分である。本例において、ベース部202は、金属で形成されており、少なくとも、下側加工具24において絞り加工を行うための部分である絞り加工部212a、bを含んでいる。この場合、ベース部202については、例えば、絞り加工を行うための金型部分等と考えることもできる。絞り加工部212a、bについては、例えば、下側加工具24の上面のうち、プレス加工の実行時に板状部材50を挟んで上側加工具22の絞り加工部104a、bと対向する部分等と考えることができる。また、この場合、下側加工具24について、例えば、上側加工具22の絞り加工部104a、bと対向する部分が金属で形成されていると考えることもできる。また、本例において、下側加工具24における絞り加工部212a、bには、上側加工具22における絞り加工部104a、bの凹部又は凸部に対応する凸部又は凹部が形成される。より具体的に、下側加工具24に絞り加工部212aには、上側加工具22の絞り加工部104aにおける凸部に対応する凹部が形成される。また、下側加工具24に絞り加工部212bには、上側加工具22の絞り加工部104bにおける凹部に対応する凸部が形成される。このように構成すれば、例えば、上側加工具22の絞り加工部104a、bに対応する位置において板状部材50に対して絞り加工を適切に行うことができる。
また、本例において、下側加工具24は、上側加工具22におけるせん断加工部102a、bに対応する位置に、可変部204a、bを有する。可変部204a、bについては、例えば、プレス加工の実行時に生じる外力に応じて変形する素材で形成される部分等と考えることができる。この場合、下側加工具24について、例えば、プレス加工での押圧時に板状部材50を挟んで上側加工具22の切刃部と対向する部分が押圧時に受ける圧力に応じて変形する部材で形成されていると考えることができる。また、下側加工具24について、例えば、外力に応じて変形する部材で一部が形成され、他の部分が金属で形成された部材等と考えることもできる。可変部204a、bの素材としては、例えばゴム等を好適に用いることができる。この場合、ゴムについて、例えば、弾性部材の一例等と考えることができる。また、このような可変部204a、bの素材としては、例えばゲーリン法で用いられる公知の素材を用いることが可能である。また、可変部204a、bの素材として、ゴム等以外に、粘体、ジェル状、スライム状、又はジャム状の物質を用いること等も考えられる。この場合、例えば、これらの素材を袋状体に収容した構成の可変部204a、bを用いてもよい。また、本例において、可変部204a、bは、プレス加工での押圧時に受ける圧力に応じて変形する部材で形成される変形可能部の一例である。また、本例において、下側加工具24の上面での可変部204a、bの周囲は、ベース部202を構成する金属で形成されている。そして、可変部204a、bは、例えば図中に示すように、周囲における金属で形成されている領域と比べて、板状部材50へ向かう側へ突出している。そのため、プレス加工の実行時において、可変部204a、bは、周囲の金属の部分よりも先に、板状部材50に接触する。
このように構成した場合、プレス加工の実行時に押圧機構18(図1参照)によって上側加工具22を板状部材50へ向けて押圧すると、板状部材50が下側加工具24へ押し当てられる。そして、この場合、その押圧力に応じて、可変部204a、bは、適宜変形しつつ、上側加工具22のせん断加工部102a、bにおける切刃部と対向する位置において、板状部材50を上側加工具22へ向けて押し返す。また、これにより、上側加工具22のせん断加工部102a、bにおける切刃部の位置で、板状部材50が切り離されることになる。そのため、このように構成すれば、上側加工具22におけるせん断加工部102a、bの位置において板状部材50に対してせん断加工を適切に行うことができる。また、この点に関し、プレス加工の実行時には、パスカルの原理によって、可変部204a、b内の各位置での圧力が一定になると考えることができる。また、その結果、上側加工具22においてせん断加工部102a、bの各位置に加わる圧力についても、均一になると考えることができる。そのため、本例によれば、例えば、下側加工具24におけるせん可変部204a、bの位置において、板状部材50に均一な圧力を加えることが可能になる。また、これにより、例えば、板状部材50に対する加工を高い精度でより適切に行うことができる。
また、この場合、上側加工具22におけるせん断加工部102a、bと下側加工具24における可変部204a、bとの位置関係について、少なくとも、上側加工具22のせん断加工部102aにおける切刃部と下側加工具24における可変部204a、bとが対向するように合わせれば、せん断加工を実行することができる。そのため、本例によれば、例えば、全体が金属で形成される金型を下側加工具24として用いる場合と比べ、上側加工具22と下側加工具24との位置合わせをより容易に行うことができる。また、上側加工具22における可変部204a、bについては、例えば上側加工具22においてせん断加工部102a、bになる凹部よりも広い範囲に、余裕をもって形成することが好ましい。このように構成すれば、例えば、せん断加工を行うために必要な精度での位置合わせをより容易かつ適切に行うことができる。また、上記においても説明をしたように、本例においては、下側加工具24における絞り加工部212a、bの部分を金属で形成することで、高い品質での絞り加工を行うことも可能になる。そのため、本例によれば、例えば、せん断加工と絞り加工とを同時に行う場合に適した構成の下側加工具24を適切に用いることができる。また、これにより、例えば、プレス加工装置10において、せん断加工と絞り加工とを同時により適切に行うことができる。
また、上記においても説明をしたように、上下の金型を用いてプレス加工を行う場合には、被加工部材として用いる板状部材50の厚さが小さいほど、高い精度での位置合わせを行うことが必要になる。また、サイズが大きな上側加工具22及び下側加工具24を用いる場合には、通常、高い精度での位置合わせを行うことがより難しくなる。これに対し、本例によれば、例えば、厚さが小さな板状部材50を用いる場合や、サイズが大きな上側加工具22及び下側加工具24を用いる場合にも、せん断加工と絞り加工とを同時に、高い精度でより適切に行うことができる。また、これにより、例えば、高品質で多様なプレス加工をより適切に行うことが可能になる。厚さが小さな板状部材50としては、例えば、厚さが1mm未満の板状体等を用いることが考えられる。板状部材50の厚さは、例えば100μm以下(例えば、50~100μm程度)であってもよい。また、サイズの大きな上側加工具22及び下側加工具24としては、例えば厚さが1mm以下の板状部材50を用いる場合において、せん断加工での切り離しを行う範囲の長手方向の長さが10cm以上程度(例えば、8~50cm程度)になる上側加工具22及び下側加工具24を用いることが考えられる。
ここで、本例において、上側加工具22におけるせん断加工部102aと下側加工具24における可変部204aとの位置関係に関し、可変部204aについては、例えば、せん断加工部102aとなる凹部の縁部112a、114a(図2参照)及びこの凹部と対向する位置を含む領域に形成することが考えられる。この場合、例えば、せん断加工部102aの内縁である縁部112aに対応する位置よりも可変部204aの内縁が内側になり、かつ、せん断加工部102aの外縁である縁部114aに対応する位置よりも可変部204aの外縁が外側になるように、可変部204aを形成することが考えられる。また、本例においては、上側加工具22における絞り加工部104a、bに対応する絞り加工部212a、bの位置を含まないように、可変部204aを形成する。この場合、可変部204aについて、例えば、下側加工具24の上面において、絞り加工部212a、bの周囲を囲む閉経路に沿って形成すると考えることができる。この場合、可変部204aの上面視形状について、例えば、絞り加工部212a、bを含む環状になっていると考えることもできる。また、可変部204aの上面視形状については、例えば、穴あき平面状(非単連結状)になっていると考えることもできる。これに対し、上側加工具22のせん断加工部102bに対応する可変部204bについては、例えば、上側加工具22における絞り加工部104a、bや下側加工具24における絞り加工部212a、bの位置を考慮せずに形成することができる。そのため、可変部204bについては、例えば、上側加工具22におけるせん断加工部102bの全体に対応する領域を含む連続した範囲に形成することが考えられる。この場合、可変部204bの上面視形状について、例えば、穴なし平面状(単連結状)になっていると考えることもできる。また、せん断加工部102bの形状等によっては、可変部204bについても、可変部204aと同様に、所定の閉経路に沿った形状で形成してもよい。
また、このような上側加工具22及び下側加工具24を用いて板状部材50に対してプレス加工を行う場合、図3の上側に示す上側加工具22及び下側加工具24と下側に示す板状部材50とに対して一点鎖線で対応付けて示すように、上側加工具22のせん断加工部102a、b及び絞り加工部104a、bに対応する板状部材50の各位置に対し、せん断加工及び絞り加工が行われる。この場合、上記においても説明をしたように、上側加工具22のせん断加工部102a、bにおいて切刃部になる側の縁部に対応する位置を示す実線162a、bに沿って、せん断加工による切り離しが行われ、上側加工具22における絞り加工部104a、bの縁部に対応する破線172a、bに囲まれる部分に対して、絞り加工が施される。また、本例において、上側加工具22におけるせん断加工部102a、bの縁部のうち、切刃部にならない側の縁部に対応する位置は、図中に点線164a、bで示すように、せん断加工で切り離されて、製品に残らない位置になる。また、この場合、上側加工具22においてせん断加工部102a、bになる凹部について、製品として残る位置の外側に形成されると考えることもできる。このように構成すれば、例えば、せん断加工部102a、bにおける切刃部以外の部分の影響が製品に残ることを適切に防止することができる。
続いて、本例の上側加工具22におけるせん断加工部102a、bの形状について、更に詳しく説明をする。図4は、上側加工具22におけるせん断加工部102の形状について説明をする図である。本例において、せん断加工部102a、bのそれぞれとしては、例えば、断面形状が同じになる構成を用いることが考えられる。そのため、以下において説明をする図面においては、図示及び説明の便宜上、せん断加工部102a、bについて、単に、せん断加工部102として図示をしている。また、せん断加工部102a、bの縁部112a、b、縁部114a、bについても、単に、縁部112及び縁部114として図示をしている。
図4(a)は、せん断加工部102の形状の一例を示す断面図である。本例において、せん断加工部102は、縁部112及び縁部114を縁部とする凹部であり、複数の側面302、304及び底面306を有する。側面302は、せん断加工部102になる凹部の一方の縁部である縁部112側の側面である。上記においても説明をしたように、本例において、せん断加工部102における縁部112は、切刃部として機能する。そのため、側面302は、例えば図中に示すように、上側加工具22において板状部材50(図3参照)と対向する面である下面に対し、縁部112が切刃部になるように、切り立った面になっている。また、側面304は、せん断加工部102になる凹部の他方の縁部である縁部114側の側面である。また、本例のせん断加工部102において、縁部114は、切刃部にならない縁部である。この場合、縁部114が切刃部にならないことについては、例えば、プレス加工の実行時に縁部114に対応する位置でせん断加工が行われないこと等と考えることができる。プレス加工の実行時にせん断加工が行われない位置については、例えば、設計上の意図としてせん断加工が行われない位置等と考えることができる。また、より具体的に、本例において、側面304は、例えば図中に示すように、上側加工具22の下面に対し、縁部114が切刃部にならないように、傾斜した面になっている。この場合、例えば、縁部114と直交する面での上側加工具22の断面で縁部114の形状が鈍角になるように、側面304を傾斜させることが考えられる。側面304については、例えば、縁部114の付近が丸められた曲面部分を有する面にすること等も考えられる。また、底面306は、側面302と側面304とをつなぐ面である。底面306については、例えば、せん断加工部102になる凹部の底面等と考えることもできる。また、本例において、底面306は、例えば図中に示すように、凸部312を有する。凸部312については、例えば、底面306において凹部内の空間側へ突出する部分等を考えることができる。
このような構成のせん断加工部102を用いる場合、プレス加工での押圧時において、せん断加工部102となる凹部について、例えば、切断される板状部材50の一部を引き込むと考えることができる。そして、この場合、板状部材50においてせん断加工部102となる凹部に引き込まれた部分については、例えば、凹部の中で湾曲すると考えることができる。また、凹部内にある板状部材50においては、例えば、この湾曲により、せん断加工部102の縁部から離れる方向の力が生じると考えることができる。そして、この力について、切刃部として機能する縁部112の側では、例えば、切刃部から離れる方向の力になると考えることができる。また、本例においては、例えば、このような力を利用することで、せん断加工部102における切刃部の位置で、板状部材50を適切に切り離すことができる。また、この場合、板状部材50を挟んで上側加工具22と対向する下側加工具24(図3参照)の動作に着目すると、例えば、押圧時において、下側加工具24について、せん断加工部102になる凹部の中へ板状部材50を押し込み、切刃部から離れる方向の力を板状部材50の一部に加えていると考えることができる。また、この場合、上側加工具22のせん断加工部102における切刃部が板状部材50に入った状態で、せん断加工部102となる凹部の中で板状部材50が湾曲するように、下側加工具24が板状部材50をこの凹部に向けて押し込んでいると考えることもできる。また、切刃部から離れる方向の力について、例えば、上側加工具22の下面と直交する横方向の力等と考えることもできる。
また、本例においては、このような切刃部から離れる方向の力を発生させることで、例えば、単に切刃部を板状部材50に押し当てるのみではせん断加工を行うことが難しい条件でも、板状部材50に対するせん断加工を適切に行うことができる。この場合、切刃部から離れる方向の力を板状部材50の一部に加えることで、例えば、厚さが小さな板状部材50を用いる場合等にも、せん断加工をより適切に実行することができる。より具体的に、板状部材50の厚さが小さい場合、板状部材50に変形や伸びが生じやすくなることが考えられる。そして、この場合、例えば単に切刃部を押し当てることでせん断加工を行おうとすると、切刃部が押し当てられる力に応じて、板状部材50に変形や伸びが生じて、切刃部の位置で板状部材50が切れ難くなること等も考えられる。これに対し、本例においては、上記のように、切刃部から離れる方向の力を板状部材50の一部に加えることで、単に切刃部を押し当てる方法を用いる場合等と比べて、切刃部の位置で板状部材50をより適切に切り離すことができる。また、この場合、例えば、板状部材50の厚さが50μm程度(例えば、40~80μm程度)であっても、切刃部の位置で板状部材50を適切に切り離すことができる。また、このような構成のせん断加工部102については、例えば、せん断した板状部材50の一部を引き込むことで切断端部を切刃部から引き離すための凹構造を有する構成等と考えることもできる。
また、本例において、せん断加工部102の底面306は、上記のように、凸部312を有している。このような形状のせん断加工部102を用いることで、例えば、切断端部を切刃部から引き離すための力をより適切に生じさせることができる。また、この場合、凸部312について、例えば、せん断加工部102における縁部112と縁部114との間の領域のうち、中央部よりも縁部112に近い位置で突出させることが考えられる。このように構成すれば、例えば、切断端部を切刃部から引き離すための力をより適切に生じさせることができる。また、この場合、例えば、底面306において凸部312よりも縁部114に近い側について、底面306における凹構造になっていると考えることもできる。そして、この場合、せん断加工部102について、例えば、縁部112及び縁部114に囲まれる範囲にある第1の凹部の底に第2の凹部がある2重の凹構造になっていると考えることもできる。また、この場合、この第1の凹部について、例えば、せん断加工部102の切刃部となる段差をつくるための凹構造等と考えることもできる。また、この第2の凹部について、例えば、切断端部を切刃部からより確実に引き離すための凹構造等と考えることもできる。
尚、このような形状のせん断加工部102を用いてせん断加工を行う場合、せん断加工部102となる凹部の中に板状部材50の一部が引き込まれることで、この部分に変形が生じることが考えられる。例えば、図4(a)に示す形状のせん断加工部102を用いる場合、縁部112と縁部114とに挟まれる部分により、板状部材50に対し、絞り加工のような加工がされることになる。しかし、上記においても説明をした事項等から理解できるように、本例において、このような加工がされる部分は、せん断加工で切り離されて、製品に残らない部分である。そのため、このような加工がされたとしても、問題にはならないと考えることができる。
また、上記においても説明をしたように、せん断加工部102において、縁部114は、切刃部にならない縁部である。この点に関し、せん断加工部102となる凹部の中に板状部材50が引き込まれることで生じる力については、例えば、切刃部となる縁部112の位置で板状部材50が切り離された時点で板状部材50の切断端部が適宜移動することで、大幅に低下すると考えることができる。そのため、縁部114について、例えば、縁部112よりも板状部材50を切断し難い形状になっていれば、切刃部にならないと考えることができる。また、この場合、縁部114の位置で板状部材50が切断されないことで、例えば、せん断加工部102となる凹部の中に切断された板状部材50が残ること等を適切に防止することもできる。また、この場合、凹部の中に切断された板状部材50が残ることがないため、例えば、いわゆるストリッパプレート等を用いることも不要になる。そのため、本例のプレス加工装置10や上側加工具22及び下側加工具24等について、例えば、ストリッパプレート等を有さない構成等と考えることもできる。また、本例のプレス加工装置10については、例えば、一般的なパンチに対応する構成を用いずに、金型をプレスすることで抜き加工を行う構成等と考えることもできる。この場合、本例のプレス加工装置10について、例えば、ストリッパプレートやパンチを用いない比較的簡便な構成で板状部材50に対して抜き加工を行うと考えることもできる。
また、せん断加工部102の具体的な形状については、図4(a)に示した形状に限らず、様々に変更が可能である。例えば、せん断加工部102の底面306の形状については、図4(b)に示すようにしてもよい。図4(b)は、せん断加工部102の形状の変形例を示す。図4(b)に示す構成については、例えば、上記において第2の凹部と説明をしたせん断加工部102の底面306における凹構造の形状を図4(a)と異ならせていると考えることができる。また、せん断加工部102の側面302、304等の形状についても、図示した形状に限らず、様々に変更することが可能である。また、せん断加工部102の形状について、例えば、底面306の凸部312がない形状にすること等も考えられる。
図5は、せん断加工部102の形状の更なる変形例を示す。以下に説明をする点を除き、図5において、図1~4と同じ符号を付した構成は、図1~4における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。図5(a)は、凸部がない底面306を有するせん断加工部102の形状の例を示す。この場合も、せん断加工部102は、側面302、側面304、及び底面306を有する。また、側面302は、切刃部となる縁部112に対応する側面である。側面304は、切刃部にならない縁部114に対応する側面である。底面306は、側面302と側面304とをつなぐ面である。このように構成した場合も、切刃部となる縁部112によって、板状部材50に対してせん断加工を適切に行うことができる。
また、せん断加工部102としては、例えば図5(b)に示すように、縁部112及び縁部114の両方が切刃部になる構成を用いること等も考えられる。図5(b)は、複数の縁部が切刃部になるせん断加工部102の形状の例を示す。この場合、図示した構成等から理解できるように、せん断加工部102の位置では、せん断加工部102となる凹部に入り込む部分を抜き取るように、せん断加工を行うことになる。そのため、板状部材50において、せん断加工部102と対向する部分が抜きカスとなって、切断後にせん断加工部102の中に残ることが考えられる。そのため、この場合、せん断加工部102について、このような抜きカスを適切に除去できる構成にすることが好ましい。より具体的に、この場合、せん断加工部102となる凹部について、底面を有する穴ではなく、貫通孔状にすることが考えられる。この場合、せん断加工部102について、例えば、側面302及び側面304を有する貫通孔状の凹部になっていると考えることができる。また、この場合、せん断加工部102の側面302、304について、板状部材50から離れるに従って幅が大きくなるように、テーパー状にすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、せん断加工部102となる凹部に入った抜きカスを適切に除去することができる。また、このような形状のせん断加工部102については、例えば、抜き加工用の雌型になっていると考えることもできる。
また、上記においては、下側加工具24について、主に、ゴム等で形成される可変部204(図3参照)を上側加工具22におけるせん断加工部102と対向する位置に有する構成について、説明をした。しかし、例えばプレス加工を行う条件や、加工に求められる品質等に応じて、下側加工具24の構成の変形例においては、上側加工具22におけるせん断加工部102と対向する部分についても金属で形成した構成を用いてもよい。この場合、下側加工具24について、例えば、上側加工具22に合わせた形状の金型等と考えることもできる。また、この場合、例えば、上側加工具22におけるせん断加工部102と対向する位置の形状を図6に示すようにした金型を下側加工具24として用いることが考えられる。
図6は、下側加工具24の構成の変形例について説明をする図である。以下に説明をする点を除き、図6において、図1~5と同じ符号を付した構成は、図1~5における構成と、同一又は同様の特徴を有してよい。図6(a)は、本変形例の下側加工具24の構成を示す断面図であり、上側加工具22におけるせん断加工部102と対向する位置付近について、下側加工具24の形状の例を上側加工具22の一部と共に示す。図中に示すように、本変形例において、下側加工具24と共に用いる上側加工具22としては、図4(a)に示す構成のせん断加工部102を有する金型を用いる。また、下側加工具24において、上側加工具22のせん断加工部102に対応する部分以外は、図3に示す構成の下側加工具24と同一又は同様であってよい。この場合、下側加工具24において、上側加工具22のせん断加工部102に対応する部分については、例えば、プレス加工の実行時に板状部材50を挟んでせん断加工部102と対向する部分等と考えることができる。また、本変形例の下側加工具24については、例えば、少なくともせん断加工及び絞り加工を行うための部分が金属で形成された金型等と考えることができる。この場合、下側加工具24について、例えば、上側加工具22におけるせん断加工部102に対応する部分についても金属で形成されていると考えることができる。
また、より具体的に、本変形例において、下側加工具24は、上側加工具22におけるせん断加工部102に対応する部分に、凸部322及び段差324を有する。凸部322は、プレス加工での押圧時に被加工部材である板状部材50(図1参照)を上側加工具22へ向けて押し込むための突出部であり、せん断加工部102となる凹部と対向する範囲の少なくとも一部において上側加工具22へ向けて突出することで、この凹部に板状部材50の一部を押し込む。また、これにより、凸部322は、対向する位置にある上側加工具22の凹部の中で、板状部材50を湾曲させ、切刃部となる縁部112から離れる方向の力を発生させる。また、下側加工具24において、段差324は、上側加工具22のせん断加工部102において切刃部となる縁部112に対して噛み合うための構成であり、せん断加工部102となる凹部の中になる側で縁部112と隣接する位置に形成される。このように構成すれば、例えば、上側加工具22における縁部112と下側加工具24における段差324との噛み合いにより、板状部材50に対するせん断加工を適切に行うことができる。
ここで、本変形例において、上側加工具22のせん断加工部102における縁部112と下側加工具24における段差324との関係については、例えば、ダイとパンチとの関係になっていると考えることもできる。そのため、上側加工具22の下面と平行な面内での縁部112と段差324との間の距離(クリアランス)については、例えば、金型を用いた一般的なせん断加工を行う場合のダイとパンチとの間のクリアランスと同程度にすることが考えられる。この場合、縁部112と段差324との間のクリアランスについて、例えば、板状部材50の厚さの7%以下程度にすることが考えられる。また、上記のように、本変形例においては、下側加工具24の凸部322によって上側加工具22における凹部へ板状部材50を押し込み、上側加工具22において切刃部となる縁部112から離れる方向の力を発生させる。そして、この場合、縁部112と段差324との間のクリアランスが大きめであっても、より適切にせん断加工を行うことができる。そのため、縁部112と段差324との間のクリアランスについて、例えば、板状部材50の厚さの10%程度以上(例えば、8~12%程度)にすること等も考えられる。
また、図中において、文字Aは、上側加工具22においてせん断加工部102となる凹部で最も深い部分での凹部の深さを示している。凹部の深さについては、例えば、上側加工具22の下面と直交する方向における、凹部の縁部の位置を基準とした深さ等と考えることができる。また、文字Bは、せん断加工部102における凸部312の位置における凹部の深さを示している。文字Cは、下側加工具24における凸部322の高さを示している。凸部322の高さについては、例えば、凸部322の周囲におけるいずれかの部分を構成する面からの高さ等と考えることができる。より具体的に、図中に示す場合において、凸部322の高さCは、上側加工具22におけるせん断加工部102の縁部114と対向する部分の面からの高さになっている。また、文字Dは、下側加工具24における段差324の高さを示している。段差324の高さについては、例えば、下側加工具24の上面と直交する方向における段差324の下端から上端までの距離等と考えることができる。また、文字Eは、下側加工具24の上面における凸部322の外側での高さと段差324の外側での高さとの差等と考えることができる。この場合、凸部322の外側での高さについては、例えば、下側加工具24の上面において上側加工具22におけるせん断加工部102の縁部114と対向する部分の高さ等と考えることができる。段差324の外側での高さについては、例えば、上側加工具22におけるせん断加工部102の縁部112と対向する部分の高さ等と考えることができる。また、本変形例では、上側加工具22のせん断加工部102となる凹部において、深い部分での深さAについて、例えば、凸部312の位置における深さBよりも大きくなっていると考えることができる。また、下側加工具24の凸部322の高さCについて、例えば、上側加工具22のせん断加工部102における深さAよりも小さくなっていると考えることができる。また、この場合、凸部322の高さCについて、せん断加工部102での凸部312の位置における深さBよりも小さくすることが好ましい。このように構成すれば、例えば、せん断加工部102となる凹部の底面306と下側加工具24における凸部322とが衝突することを適切に防止することができる。
また、図中に示すように、本変形例の下側加工具24では、凸部322の外側での高さと段差324の外側での高さとの間に差が生じている。また、より具体的に、図示した構成では、凸部322の外側と比べて段差324の外側が低くなることで、差Eが0よりも大きな値になっている。この場合、差Eについて、例えば、上側加工具22における縁部112と下側加工具24における段差324との噛み合いの深さを調整するための距離等と考えることができる。また、差Eによって、例えば、上側加工具22のせん断加工部102における縁部114と対向する位置と、縁部112と対向する位置とで、上側加工具22と下側加工具24との当たり方を異ならせることができる。また、これにより、例えば、板状部材50の切れ方を調整することが可能になる。より具体的に、本変形例においては、上側加工具22における縁部114と対向する位置よりも縁部112と対向する位置の方が低くなる方向を正の方向として、差Eについて、例えば、0よりも大きく、かつ、板状部材50の厚さよりも小さい距離にすることが考えられる。このように構成すれば、例えば、板状部材50に対してより適切にせん断加工を行うことができる。
また、図6(a)に示す構成の場合、下側加工具24における凸部322について、例えば、せん断加工部102の底面306における凸部312と対向する位置にあると考えることができる。これに対し、下側加工具24の構成の更なる変形例において、下側加工具24における凸部322は、図6(a)に示す構成と異なる位置にあってもよい。図6(b)は、下側加工具24の構成の更なる変形例を示す。図6(b)に示す構成においても、下側加工具24は、凸部322及び段差324を有する。また、本変形例において、凸部322は、上側加工具22のせん断加工部102における凸部312と対向する位置の外側に形成される。より具体的に、図中に示す構成において、下側加工具24の凸部322は、上側加工具22のせん断加工部102において凸部312と縁部114との間になる部分と対向する位置に形成される。また、本変形例において、下側加工具24の凸部322については、例えば、上側加工具22のせん断加工部102における最も深い部分と対向する位置に形成されていると考えることもできる。本変形例の下側加工具24を用いる場合にも、プレス加工での押圧時において、例えば、下側加工具24の凸部322により、上側加工具22のせん断加工部102となる凹部へ、板状部材50の一部を適切に押し込むことができる。また、これにより、例えば、せん断加工部102において切刃部となる縁部112から離れる方向の力を発生させることができる。また、本変形例においても、上側加工具22における縁部112と下側加工具24における段差324との噛み合いにより、板状部材50に対するせん断加工を適切に行うことができる。
また、上側加工具22及び下側加工具24の構成に関し、上記においては、主に、上側加工具22におけるせん断加工部102として凹部を用いる構成について、説明をした。しかし、上側加工具22及び下側加工具24の構成の変形例においては、上側加工具22におけるせん断加工部102について、例えば図7に示すように、凹部ではなく、凸状に形成してもよい。図7は、上側加工具22及び下側加工具24の更なる変形例の構成を示す。本変形例において、上側加工具22は、せん断加工部102として、パンチ部332を有する。また、下側加工具24は、上側加工具22におけるせん断加工部102と対向する位置に、ダイ部334を有する。この場合、上側加工具22においてせん断加工部102になるパンチ部332については、例えば、下側加工具24におけるダイ部334との組み合わせで抜き加工用のパンチとして機能する凸部等と考えることができる。また、パンチ部332について、例えば、抜き加工用の雄型に対応する部分等と考えることもできる。また、本変形例の場合、例えば、パンチ部332において下側加工具24と対向する面の縁部について、せん断加工部102の切刃部として機能すると考えることができる。また、この場合、例えば、パンチ部332の縁部の全体について、切刃部になると考えることができる。
また、下側加工具24におけるダイ部334については、例えば、上側加工具22におけるパンチ部332との組み合わせで抜き加工用のダイとして機能する凹部等と考えることができる。また、ダイ部334について、例えば、抜き加工用の雌型に対応する部分等と考えることもできる。このような構成の上側加工具22及び下側加工具24を用いる場合にも、板状部材50に対し、せん断加工を適切に行うことができる。また、この場合も、絞り加工部を更に有する上側加工具22を用い、上側加工具22に合わせた形状の下側加工具24を用いることで、せん断加工と絞り加工とを同時に適切に行うことができる。
続いて、上記において説明をした各構成に関する補足説明や、更なる変形例の説明等を行う。また、以下においては、説明の便宜上、上記及び以下において説明をする変形例を含めた構成について、適宜、本例という。上記においても説明をしたように、本例において、上側加工具22は、一方側金型の一例である。また、下側加工具24は、対向部材の一例である。しかし、上側加工具22や下側加工具24の構成によっては、例えば、下側加工具24の側を一方側金型の一例と考え、下側加工具24の側を対向部材の一例と考えることもできる。より具体的に、一方側金型及び対向部材について、より一般化して考えた場合、例えば、一方が鉛直方向の上側になるように、板状部材50を挟んで重なると考えることができる。そして、プレス加工装置10の構成の変形例によっては、例えば、上記において説明をした上側加工具22及び下側加工具24について、上下を入れ替えて用いること等も考えられる。そして、この場合、鉛直方向の下側になる加工具について、一方側金型の一例と考えることができる。また、鉛直方向の上側になる加工具について、対向部材の一例と考えることができる。
また、上側加工具22に関し、せん断加工部102となる凹部を用いる構成では、上記においても説明をしたように、下側加工具24によってこの凹部の中へ板状部材50を押し込むことで、せん断加工部102における切刃部から離れる方向の力を板状部材50に加えることができる。そして、この場合、例えば、せん断加工部102における切刃部の先端が板状部材50の厚さの途中の位置にまで達した時点で、板状部材50を切り離すこと等も考えられる。より具体的に、この場合、プレス加工での押圧時において、下側加工具24は、例えば、上側加工具22のせん断加工部102における切刃部から離れる方向の力を板状部材50の一部に加えることで、板状部材50の厚さの途中の位置にまで切刃部の先端が達した時点で、板状部材50を切り離す。
この点に関し、板状部材50に対するせん断加工について、例えば一般的なパンチ及びダイを用いる場合のように、切刃部が板状部材50の厚さの全体に達した時点で板状部材50が切れる場合、通常、板状部材50の切り離し位置において、加工時の切刃部の移動の向きにおいて板状部材50の厚さの外側へ向けて、いわゆるバリ(カエリ)が発生しやすくなる。そして、この場合、例えば、プレス加工の後で行う後工程において、バリを除去する作業が必要になる場合がある。これに対し、板状部材50の厚さの途中の位置まで切刃部が達した時点で板状部材50が切り離される場合、このような問題となるバリは、発生しない。より具体的に、この場合、例えば、バリが発生するとしても、板状部材50の厚さの途中の位置に、板状部材50の厚さ方向の外側には達しない小さなバリが生じるのみになると考えることができる。そして、この場合、後工程でのバリの除去等を行わなくても、通常、問題にならないと考えることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、せん断加工部102における切刃部での切断位置に問題となるバリを生じ難くすることができる。
尚、板状部材50の厚さの途中の位置まで切刃部が達した時点で板状部材50が切り離されたか否かについては、例えば、せん断加工での切断面の状態を観察することで判断することができる。より具体的に、この場合、切断面に生じるバリの状態等に基づき、板状部材50が切り離されたタイミングを判断することができる。また、上側加工具22及び下側加工具24の構成によっては、例えば、板状部材50に対してせん断加工部102の切刃部が入り込む量を調整するためのストッパー等を用いることも考えられる。この場合、ストッパーとしては、例えば、板状部材50の厚さよりも高さが低い凸部等を用いることが考えられる。また、この場合、凸部の高さについて、例えば、板状部材50の厚さの1~25%程度にすることが考えられる。
また、被加工部材の厚さの全体にまで切刃部を入れずに被加工部材を切り離す方法としては、いわゆる半抜き加工の方法等も知られている。しかし、一般的な半抜き加工の場合、通常、プレス加工を行った後に更に平押し工程を行うことで、被加工部材の切り離しが完了する。そのため、一般的な半抜き加工については、本例における上記のせん断加工と、異なっていると考えることができる。また、後工程での平押し工程等が必要になる一般的な半抜き加工を行う場合、被加工部材の厚さが小さいと、平押し工程において、被加工部材が変形することで、被加工部材の切り離しを行うことが難しくなる。そのため、この場合、通常、ある程度以上の厚さ(例えば、1mm以上程度)がある被加工部材を用いることが必要になる。これに対し、本例においては、厚さが1mm未満や100μm以下等の板状部材50を被加工部材として用いる場合にも、適切にせん断加工等を行うことができる。また、例えば一般的な半抜き加工が可能な厚さの板状部材50を用いる場合等には、上側加工具22及び下側加工具24の構成の更なる変形例において、上側加工具22及び下側加工具24は、一般的な半抜き加工を行うための部分である半抜き加工部等を更に有してもよい。
また、上記においては、主に、上側加工具22における複数のせん断加工部102(せん断加工部102a、b)として同じ形状の構成を用いる場合について、説明をした。しかし、上側加工具22が複数のせん断加工部102を有する場合、形状が互いに異なる複数種類のせん断加工部102を用いること等も考えられる。この場合、例えば、縁部の一部のみが切刃部になるせん断加工部102と、縁部の全体が切刃部になるせん断加工部102とを有する上側加工具22を用いることが考えられる。また、この場合、縁部の一部のみが切刃部になるせん断加工部102としては、例えば、図4や図5(a)に示す構成のように、一方が他方の外側を囲む複数の閉経路を縁部とし、いずれかの閉経路に対応する縁部のみが切刃部になる凹部等を用いることが考えられる。また、縁部の全体が切刃部になるせん断加工部102としては、例えば、図5(b)や図7に示す構成を用いることが考えられる。また、縁部の全体が切刃部になるせん断加工部102として、例えば、一つの閉経路に沿った縁部のみを有し、その全体が切刃部になる構成等を用いてもよい。
また、下側加工具24の構成に関し、上記においては、主に、プレス加工の実行時に生じる外力に応じて変形する素材で形成される可変部が下側加工具24の一部のみに形成されている構成について、説明をした。しかし、プレス加工に求められる精度や品質等によっては、例えば、全体が可変部になる構成の下側加工具24を用いること等も考えられる。この場合、下側加工具24の全体が可変部になることについては、例えば、プレス加工の実行時に板状部材50を加工するために板状部材50に接する部分の全体が可変部になること等と考えることができる。また、この場合、例えば、全体がゴムで形成された下側加工具24を用いること等が考えられる。また、下側加工具24として、例えば、液体や粘体等を袋体に封入した袋体状の構成を用いること等も考えられる。この場合、袋体としては、例えば、プレス加工の実行時に生じる衝撃に耐え得る引っ張り強度を有する素材(例えば、ゴム等)で形成された構成を用いることが考えられる。また、袋体に封入する物質として、例えば、粉体や半凝固体を用いること等も考えられる。
また、上記においては、プレス加工装置10における押圧機構18(図1参照)の構成に関し、主に、錘32(図1参照)の落下時生じる衝撃力を利用する構成について、説明をした。この場合、押圧機構18について、例えば、上側加工具22及び下側加工具24の上方から錘32を落下させる構成の機構等と考えることができる。このような構成の押圧機構18を用いることで、例えば、強い押圧力及び高速なプレス速度での加圧を適切に行うことができる。また、これにより、例えば、板状部材50の対するせん断加工と絞り加工とを同時に適切に行うことができる。
また、この点に関し、上記において説明をした本例の構成でプレス加工を実行する場合、プレス速度が遅いと、せん断加工を適切に行うことが難しくなる場合がある。例えば、図3を用いて説明をした下側加工具24のような、可変部204(図3参照)を有する下側加工具24を用いる場合、プレス速度が低速であると、板状部材50にかかる圧力が低い状態で可変部204が変形することで、せん断加工を適切に行うことが難しくなる場合がある。また、例えば厚さが1mm未満(特に、100μm以下等)の板状部材50に対して本例の構成でせん断加工を行う場合、プレス速度が低速であると、切刃部の位置で板状部材50が切り離されない状態で板状部材50が変形して、せん断加工を適切に行うことが難しくなること等も考えられる。これに対し、錘32を落下させる構成の押圧機構18を用いる場合、例えば、簡易な構成により、高速なプレス速度でのプレス加工を適切に実行することができる。また、この場合、押圧機構18の動作について、例えば、絞り加工を行う位置で板状部材50が切れずに変形し、かつ、せん断加工を行う位置において切刃部が入り込んだ位置では板状部材50が切り離されるプレス速度でのプレス加工が行われるように、上側加工具22及び下側加工具24の少なくともいずれかを板状部材50へ向けて押し当てる動作等と考えることができる。
より具体的に、押圧機構18では、例えば、上側加工具22及び下側加工具24よりも鉛直方向の上側から、落下位置への衝突時の速度が3m/s以上になる条件で錘32を落下させることで、上側加工具22を板状部材50へ向けて押し当てる。また、この場合、上側加工具22及び下側加工具24の位置への錘32の衝突時に生じる衝撃力については、例えば、600000kgw以上程度にすることが好ましい。このように構成すれば、例えば、厚さが小さな板状部材50を用いる場合等にも、せん断加工と絞り加工とを同時により適切に実行することができる。また、更に具体的に、例えば、錘32の重量を100kgとし、押圧機構18において、押さえ板26(図1参照)から60cmの高さ位置から錘32を落下させる場合、衝撃力について、約640000kgw(約640トン)になると考えることができる。また、衝突時の錘32の速度について、約3.4m/秒程度になると考えることができる。そのため、錘32の重量については、例えば、50~200kg程度(好ましくは、80~150kg程度)にすることが考えられる。また、錘32を落下させる高さ(押さえ板26からの高さ)については、例えば、30~120cm程度(好ましくは、40~80cm程度)にすることが考えられる。
また、上記においては、押圧機構18での錘32の落下のさせ方について、主に、静止状態から錘32を自由落下させる構成について、説明をした。しかし、押圧機構18の構成の変形例では、例えば、上記と異なる方法で錘32を落下させてもよい。この場合、例えば、鉛直下方へ向かう初速度を与えて、錘32を落下させることが考えられる。また、錘32の落下時において、重力以外の力を更に加えて錘32を加速してもよい。また、上記においては、押圧機構18の構成に関し、主に、チャック部34及びワイヤ38(図1参照)等を用いて錘32を昇降させる構成について、説明をした。しかし、押圧機構18の構成の更なる変形例では、上記と異なる構成で錘32を昇降させてもよい。この場合、例えば、エアシリンダ方式の昇降機構や、巻き上げ機による巻き上げ方式の昇降機構等を用いることが考えられる。また、押圧機構18の構成として、例えば、錘32を落下させる構成以外の構成を用いてもよい。例えば、板状部材50の厚さに応じたプレス速度でのプレス加工ができる場合、プレス加工時の加圧について、サーボ方式(サーボプレス方式)や油圧方式(油圧プレス方式)等で行うこと等も考えられる。
本発明は、例えばプレス加工装置等に好適に用いることができる。
10・・・プレス加工装置、102・・・せん断加工部、104・・・絞り加工部、112・・・縁部、114・・・縁部、12・・・基台、122・・・縁部、14・・・衝撃吸収部、150・・・製品、152・・・穴、154・・・変形部、16・・・加工具セット、162・・・実線、164・・・点線、172・・・破線、18・・・押圧機構、202・・・ベース部、204・・・可変部、212・・・絞り加工部、22・・・上側加工具、24・・・下側加工具、26・・・押さえ板、302・・・側面、304・・・側面、306・・・底面、312・・・凸部、32・・・錘、322・・・凸部、324・・・段差、332・・・パンチ部、334・・・ダイ部、34・・・チャック部、36・・・ガイド部、38・・・ワイヤ、50・・・板状部材

Claims (8)

  1. 板状の被加工部材に対してプレス加工を施すプレス加工装置であって、
    前記被加工部材の一方の側から前記被加工部材に押し当てられる金型である一方側金型と、
    前記被加工部材を挟んで前記一方側金型と対向する部材である対向部材と、
    前記一方側金型及び前記対向部材の少なくともいずれかを前記被加工部材へ向けて押圧する押圧機構と
    を備え、
    前記一方側金型は、
    前記被加工部材をせん断する切刃として機能する切刃部と、
    前記被加工部材に対して絞り加工を行うための凹部又は凸部である絞り加工部と
    を有し、
    前記押圧機構によって前記一方側金型及び前記対向部材の少なくともいずれかを前記被加工部材へ向けて押圧する押圧時に、前記切刃部によって前記被加工部材の一部をせん断するのと同時に、前記絞り加工部に対応する位置において、前記被加工部材に対して絞り加工を行い、
    前記一方側金型は、前記切刃部の位置において前記被加工部材から離れる方向へ凹む凹部であるせん断用凹部を有し、
    前記切刃部は、前記せん断用凹部の縁部の少なくとも一部であり、
    前記押圧時において、前記対向部材は、前記被加工部材の一部を前記せん断用凹部の中へ押し込むことで、前記切刃部から離れる方向の力を前記被加工部材の一部に加え、
    前記せん断用凹部は、
    第1の閉経路に沿った縁部である第1縁部と、
    前記第1縁部の外側を囲む第2の閉経路に沿った縁部である第2縁部と
    を縁部とする凹部であり、
    前記切刃部は、前記第1縁部及び前記第2縁部のうちのいずれか一方であることを特徴とするプレス加工装置。
  2. 前記対向部材において、
    前記一方側金型の前記絞り加工部と前記被加工部材を挟んで対向する部分は、金属で形成されており、かつ、当該部分には、前記一方側金型の前記絞り加工部の凹部又は凸部に対応する凸部又は凹部が形成されており、
    前記押圧時に前記被加工部材を挟んで前記一方側金型の前記切刃部と対向する部分は、前記押圧時に受ける圧力に応じて変形する部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプレス加工装置。
  3. 前記対向部材において、前記押圧時に受ける圧力に応じて変形する部材で形成される部分である変形可能部の周囲は、金属で形成されており、
    前記変形可能部は、周囲における金属で形成されている領域と比べて、前記被加工部材へ向かう側へ突出していることを特徴とする請求項2に記載のプレス加工装置。
  4. 前記一方側金型において、前記切刃部は、前記被加工部材における一部に対応する領域を囲み、
    前記一方側金型は、前記切刃部によって囲まれる範囲の中に、少なくとも一つの前記絞り加工部を有し、
    前記対向部材において、前記押圧時に前記被加工部材を挟んで前記一方側金型の前記切刃部と対向する部分は、前記押圧時に受ける圧力に応じて変形する部材で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプレス加工装置。
  5. 前記押圧時において、前記対向部材は、前記切刃部から離れる方向の力を前記被加工部材の一部に加えることで、前記被加工部材の厚さの途中の位置にまで前記切刃部の先端が達した時点で、前記被加工部材を切り離すことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプレス加工装置。
  6. 前記一方側金型及び前記対向部材は、一方が鉛直方向の上側になるように、前記被加工部材を挟んで重なり、
    前記押圧機構は、前記一方側金型及び前記対向部材よりも鉛直方向の上側から、落下位置への衝突時の速度が3m/s以上になる条件で錘を落下させることで、前記一方側金型及び前記対向部材のいずれかを前記被加工部材へ向けて押し当てることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のプレス加工装置。
  7. 板状の被加工部材に対してプレス加工を施すプレス加工方法であって、
    前記被加工部材の一方の側から前記被加工部材に押し当てられる金型である一方側金型と、
    前記被加工部材を挟んで前記一方側金型と対向する部材である対向部材と
    を用い、
    前記一方側金型及び前記対向部材の少なくともいずれかを前記被加工部材へ向けて押圧し、
    前記一方側金型は、
    前記被加工部材をせん断する切刃として機能する切刃部と、
    前記被加工部材に対して絞り加工を行うための凹部又は凸部である絞り加工部と
    を有し、
    前記一方側金型及び前記対向部材の少なくともいずれかを前記被加工部材へ向けて押圧する押圧時に、前記切刃部によって前記被加工部材の一部をせん断するのと同時に、前記絞り加工部に対応する位置において、前記被加工部材に対して絞り加工を行い、
    前記一方側金型は、前記切刃部の位置において前記被加工部材から離れる方向へ凹む凹部であるせん断用凹部を有し、
    前記切刃部は、前記せん断用凹部の縁部の少なくとも一部であり、
    前記押圧時において、前記対向部材は、前記被加工部材の一部を前記せん断用凹部の中へ押し込むことで、前記切刃部から離れる方向の力を前記被加工部材の一部に加え、
    前記せん断用凹部は、
    第1の閉経路に沿った縁部である第1縁部と、
    前記第1縁部の外側を囲む第2の閉経路に沿った縁部である第2縁部と
    を縁部とする凹部であり、
    前記切刃部は、前記第1縁部及び前記第2縁部のうちのいずれか一方であることを特徴とするプレス加工方法。
  8. 板状の被加工部材に対してプレス加工を施すプレス加工装置で用いるプレス加工用の加工具であって、
    前記被加工部材の一方の側から前記被加工部材に押し当てられる金型である一方側金型と、
    前記被加工部材を挟んで前記一方側金型と対向する部材である対向部材と
    を備え、
    前記一方側金型は、
    前記被加工部材をせん断する切刃として機能する切刃部と、
    前記被加工部材に対して絞り加工を行うための凹部又は凸部である絞り加工部と
    を有し、
    前記一方側金型及び前記対向部材の少なくともいずれかを前記被加工部材へ向けて押圧することで、前記切刃部によって前記被加工部材の一部にせん断加工が行われるのと同時に、前記絞り加工部に対応する位置において、前記被加工部材に対して絞り加工が行われ
    前記一方側金型は、前記切刃部の位置において前記被加工部材から離れる方向へ凹む凹部であるせん断用凹部を有し、
    前記切刃部は、前記せん断用凹部の縁部の少なくとも一部であり、
    前記一方側金型及び前記対向部材の少なくともいずれかを前記被加工部材へ向けて押圧する押圧時において、前記対向部材は、前記被加工部材の一部を前記せん断用凹部の中へ押し込むことで、前記切刃部から離れる方向の力を前記被加工部材の一部に加え、
    前記せん断用凹部は、
    第1の閉経路に沿った縁部である第1縁部と、
    前記第1縁部の外側を囲む第2の閉経路に沿った縁部である第2縁部と
    を縁部とする凹部であり、
    前記切刃部は、前記第1縁部及び前記第2縁部のうちのいずれか一方であることを特徴とするプレス加工用の加工具。
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