JP3561164B2 - 打ち抜き加工装置および打ち抜き加工方法 - Google Patents

打ち抜き加工装置および打ち抜き加工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板等の被加工素材をプレス等のパンチにより打ち抜き加工するための打ち抜き加工装置、および打ち抜き加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属板をダイとパンチにより所定形状に打ち抜いてプレス製品を作製すると、通常、プレス製品の上部外周縁にダレが、中間部に剪断面が、下部に破断面が現れる。これは、金属板が靱性を備えていることに起因する。このようなダレの発生を防止するためには、ダイとパンチとの間隔を10μm以下とした所謂ファインブランキング加工といわれるプレス加工を行うことにより、切断面の表面を均一な剪断面として、精度が良好なプレス製品を得るとことができることが知られている。ところが、ファインブランキング加工は、大きな加圧力を必要とするため、プレス装置全体が大型化するとともに、パンチ及びダイの寿命が短くなる欠点があった。
【0003】
そこで、予め僅少の切断代(シェービング代)を残して1回目の粗抜き加工を行い、しかる後、2回目の仕上げ抜き加工によってシェービング加工を施すプレス加工が提案されている。かかる加工方法によれば、加圧力を2回に分散することから小さな加圧力で良くなり、しかも上部周縁のダレを無くすと共に、切断面の精度が良好なプレス部品を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のシェービング加工を施す方法では、1回目の打抜き加工の後に2回目のシェービング加工を施す際に、全周にわたって均一にシェービングするためには、一次加工品をシェービング加工用のダイに正確に位置決めする必要がある。ところが、シェービング代が少ないため、実質的には正確な位置決めが困難であり、切断面の精度にバラツキが生じてしまう問題がある。
【0005】
一方、シェービング加工する方法として、順送プレス装置を利用した方法が知られている。すなわち、先ず、金属板等の連続した条材に予めパイロット孔を穿設し、この条材をパイロット孔を基準にして順次順送金型内に搬送する。次に、条材に対してシェービング代を設けて所定形状の打抜き加工を行い、しかる後、打抜き加工部分を僅かにずらしてシェービング代をパンチとダイでシェービングしながら全抜きを行いプレス製品を完成させている。ところが、このような順送プレス装置を利用した加工方法によれば、パイロット孔によって位置決め精度は高くなるが、パイロット孔を穿設する領域が必要になる、この領域は後にスクラップとして廃棄される部分であり、パイロット孔を設けることは必然的に材料取りが悪くなり、コストアップに繋がる問題がある。特に、高価な条材を使用する場合はコストに与える影響が顕著になる。
【0006】
以上のような実状に鑑みて、本発明は、粗抜き加工に連続してシェービング加工を施すことにより、素材の位置決めを簡略化して切断面を高精度に加工すると共に、スクラップ量を最小限に抑止することができる打ち抜き加工装置、および打ち抜き加工方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明における請求項1に係る発明は、相対的に移動する第1金型と第2金型との間に被加工素材を挟持し、上記第1金型に設けたパンチにより上記被加工板材を打抜く加工装置であって、前記第2金型は、一端側が仕上げ予定寸法よりも数十μm〜数百μm大きく、パンチの打ち抜き方向に向けて徐々に小径となるように形成され前記仕上げ予定寸法よりも大径の粗抜き用開口部を有する第1のダイと、少なくとも一部が前記仕上げ予定寸法に等しい寸法の仕上げ用開口部を有する第2のダイとを備え、前記第1のダイと前記第2のダイは、前記パンチの移動方向と同一方向に重設され、前記パンチを移動させて前記被加工素材を前記第1のダイの粗抜き用開口部で所定形状に打抜いた後、外周縁を前記第2のダイの仕上げ用開口部により仕上げ寸法にシェービングするように構成したことを特徴としている。
【0008】
本発明の加工装置は、第1のダイと第2のダイをパンチの移動方向と同一方向に重設して、パンチを降下させて被加工素材を粗抜き用開口部で所定形状に打ち抜き、その後連続して当該所定形状の素材の外周縁を仕上げ用開口部で仕上げ予定寸法にシェービングするように構成したので、第1のダイで粗抜きした素材がパンチの移動によって第2のダイ側に移動し、当該第2のダイで外周縁をシェービングする。その結果、位置決めに要する手間が省け、しかも確実に素材の外周を高精度にシェービングすることができる。さらに、パンチの移動に伴い第1のダイで粗抜き加工された素材が、徐々に小径となる開口部の内壁面にガイドされながら、第2のダイの仕上げ用開口部側に移動することから、この素材が第2のダイの仕上げ用開口部に対して正確に位置決めされるため、位置決めのためのパイロット孔を不要にすることもできるので、スクラップの量を最小限に減少することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1において、仕上げ用開口部でシェービングする際に生じる切屑を収容する切屑収容部を、第1のダイと第2のダイとの間に形成したことを特徴としている。この構成により、素材の外周縁を仕上げ用開口部でシェービングする際に生じる切屑を切屑収容部に収納するので、パンチと粗抜き用開口部との間隙に切屑が侵入されず、パンチやダイを長寿命にすることができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2において、第2金型は、第1のダイと第2のダイとを分離可能に保持し、パンチが前記第1金型側に移動する際、第1のダイと前記第2のダイとが分離することを特徴としている。この構成により、第1のダイと第2のダイとが分離したとき、切屑収容部に収納された切屑を容易に除去することができ、切屑が切屑収容部に蓄積することがない。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1または2において、第2のダイの仕上げ用開口部は、上端側から下方端に至るに従って徐々に大径となるように形成されていることを特徴としている。この構成により、第2のダイのエッジが鋭角になり効率的にシェービング加工を施すことができると共に、第2のダイの下方から最終製品をスムーズに排出することができる。
【0012】
請求項5に係る発明は、相対的に移動する第1金型と第2金型との間に被加工素材を挟持した後、前記第2金型内に重設して設けた、一端側が仕上げ予定寸法よりも数十μm〜数百μm大きく、パンチの打ち抜き方向に向けて徐々に小径となるように形成され前記仕上げ予定寸法よりも大径の粗抜き用開口部を備えた第1のダイと、この第1のダイより下流に設けられ、少なくとも一部が前記仕上げ予定寸法に等しい寸法の仕上げ用開口部を備えた第2のダイにより、第1のダイによる前記被加工素材の粗抜き加工に続いて、徐々に小径となるように形成された前記粗抜き用開口部の内壁面に沿って粗抜き加工された素材を前記第2のダイに導くとともに、第2のダイによるシェービング加工を前記パンチの移動によって連続して施すことを特徴としている。このような加工方法により、粗抜き加工を施した素材を、徐々に小径となるように形成された粗抜き用開口部の内壁面に沿って第2のダイに導くとともに、連続して次のシェービング加工を施すので、位置決めが極めて容易になると共に、素材の外周縁を高精度にシェービングすることができ、しかも、スクラップ量を最小限に減少することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る打ち抜き加工装置、及び、打ち抜き加工方法の実施の形態を説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る打ち抜き加工装置の全体構成を示した断面図である。この図1に例示する加工装置は、上下動するプレス機に適用される。かかる加工装置は、第1金型に対応する上金型1と、第2金型に対応する下金型2を備え、これらの金型間に板状の被加工素材3を挟持して、被加工素材3を打抜き加工する装置である。上記下金型2は、ダイホルダ23の上面に固定的に保持された第2のダイ22と、ダイホルダ23及び第2のダイ22を貫通するスプリング24、及び、ショルダーボルト25によって上下移動可能に保持された第1のダイ21を備えている。図1の状態において、第1のダイ21は第2のダイ22から離間させてフローティング状態に構成しているが、第1のダイ21と第2のダイ22は、後述するパンチ16の移動方向、すなわち上下方向に重設されている。また、この下金型2の中央部にはパンチ16の挿入を許容する開口部20が形成されている。
【0015】
一方、上金型1は、プレートホルダ13の下面側に固定されたポンチプレート12と、プレートホルダ13並びにポンチプレート12を貫通するスプリング14、及び、案内支持ボルト15によって上下移動可能に保持されたストリッパープレート11と、ポンチプレート12並びにストリッパープレート11の内部を通過すると共に、下金型2の開口部20の対応位置に設けられたパンチ16とを備えている。
【0016】
なお、下金型2のダイホルダ23にはガイドピン28が固定されている。このガイドピン28は、第1のダイ21と第2のダイ22の案内孔21e、22e、さらには後述するストリッパープレート11及びポンチプレート12の案内孔11e,12eに対して挿入可能に立設しているため、上金型1と下金型2が互いに接近したとき、第1のダイ21、第2のダイ22、ストリッパープレート11及びポンチプレート12は水平方向において一義的に位置決めされる。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態における上金型1および下金型2の主要部分を拡大した部分断面図である。下金型2を構成する第1のダイ21は、最終製品30の仕上げ予定寸法wよりも数十μm〜数百μm程度大きく形成した粗抜き用開口部21aを形成している。この粗抜き用開口部21aは、その内径が下方に至るに従って徐々に小径となるように形成されている。さらに、粗抜き用開口部21aの上部開口端の全周には、ダレの発生を抑止するための鋭角に形成された楔部21cが形成され、上金型1のストリッパプレート11と共に被加工素材3を挟持したとき、この楔部21cを被加工素材3にくい込ませるようにしている。また、第1のダイ21は、粗抜き用開口部21aの下部開口端の全周にわたって第2のダイ22との間に空隙を形成する切屑収容部21bを備えている。この切屑収容部21bは、後述する打抜き加工工程において生じる切屑が収容される。
【0018】
第2のダイ22は、上部に上記仕上げ予定寸法wと等しい寸法に設定した仕上げ用開口部としての開口端22aを形成している。この開口端22aの内径とパンチ16の外径とをほぼ等しくすることが望ましいが、本形態では、両者の間隙をほぼ10μm以下に設定している。さらに、開口端22aの内周縁は全周にわたって鋭角に形成され、その内径は下方に至るに従って徐々に大径となるテーパー状に形成している。
【0019】
また、図2において上金型1を構成するストリッパープレート11は、その下部開口端が第1のダイ21の粗抜き用開口部21aの上部開口端とほぼ同径に形成された開口部11aと、第1のダイ21の楔部21cと対向する箇所に設けられた楔部11bを有している。なお、本実施形態においては、ストリッパプレート11の開口部11aの内径を下方に至るに従って徐々に大径となるテーパー状に形成しているが、ストレート状に形成してもよい。
【0020】
次に、このように構成された打抜き加工装置を用いて被加工素材を加工する工程について説明する。
【0021】
図1に戻り、図1に示す、上金型1全体が上死点の位置にある状態において、プレートホルダ13とポンチプレート12は、上金型1のストローク長だけ持ち上げられている。また、スプリング14と案内支持ボルト15によって下向きに付勢されたストリッパープレート11の下端面とパンチ16の端面はほぼ同じ高さで保持されている。一方、下金型2の第1のダイ21はフローティング状態で保持されており、この第1のダイとストリッパプレート11との間に帯板状の被加工素材3が挿入される。被加工素材3としては、例えば、鉄、銅、ステンレス等の単体もしくはパーマロイ等の合金からなる金属板、または樹脂、プラスチック等である。
【0022】
次に、上金型1が上死点から下死点に向かって降下する途中で、図2に示すように、ストリッパープレート11と第1のダイ21との間に被加工素材3が挟持される。この時、ストリッパープレート11に設けた楔部11bと第1のダイ21に設けた楔部21cが、仕上げ予定寸法wよりも僅かに大きめの位置で被加工素材3にくい込ませている。この仕上げ予定寸法wと楔部21cの内周面まで寸法をシェービング代としている。なお、被加工素材3が挟持された状態では、上金型1側のスプリング14を収縮させることにより、ストリッパープレート11とポンチプレート12を互いに当接させている。一方、下金型2側のスプリング24も収縮して、第1のダイ21と第2のダイ22とが互いに当接している。この状態からさらにパンチ16が降下し、下金型2に設けられた開口部20に挿入する。
【0023】
図3は、図2に示す状態からパンチ13が降下する状態を示した部分拡大図である。すなわち、パンチ16を降下させ、被加工素材3を押圧することにより、被加工素材3が第1のダイ21の粗抜き用開口部21a内に押し込まれる。このとき、第1のダイ21に形成した楔部21cによって被加工素材3にクラックを発生させて剪断が始める。その後、さらにパンチ16が降下すると、粗抜き用開口部21aの形状に倣って、一次加工品31が被加工素材3から切断する。この一次加工品31の周縁には僅かなダレ31aが生じ、ダレ31aから中間部付近にかけて剪断面31bが形成される。また、剪断面31bよりも上方は破断面31cとなり、この一次加工品31は、外周部に仕上げ予定寸法wよりも大きめの寸法をなすシェービング代が残されている。
【0024】
また、本実施形態は、図3のように第1のダイ21の粗抜き用開口部21aが下方に至るに従って徐々に小径になるように形成されているので、一次加工品31は、外周面が第1のダイ21の内周面に摺接しながら押し下げられ、第1のダイ21の下方に用意された第2のダイ22の仕上げ用開口部22aに対して必然的に位置決めされていく。
【0025】
図4は、一次加工品31を第2のダイ22によりシェービングする工程を示した部分拡大図である。第2のダイ22の仕上げ用開口部22aの上部開口端の内径寸法は仕上げ予定寸法wに一致するように形成され、パンチ16の外周面との間隙をほぼ10μm以下に設定している。そのため、一次加工品31が第2のダイ22を通過しながらパンチ16によって押し下げられると、一次加工品31の外周部に設けられたシェービング代が、仕上げ用開口部22aのエッジにより切除される。しかも、このシェービング加工の際はシェービング代が小さいので、新たなダレは殆ど発生しない。なお、仕上げ用開口部22aは、上端側から下方端に至るに従って徐々に大径となるように形成されているので、エッジが鋭角になり効率的にシェービング加工を施すことができると共に、第2のダイ22の下方から最終製品をスムーズに排出することができる。このように最終製品が仕上げ用開口部22aから排出された時点でパンチ16が下死点に達する。
【0026】
また、第1のダイ21の下部開口端には予め切欠きが設けられ、第2のダイ22の上端面との間に環状の空隙を形成している。この空隙は、第2のダイ22でシェービング加工する際に発生した切屑31aを収容するための切屑収容部21bである。切屑収容部21bの大きさは、1回のシェービング加工で生じる切屑31aを収容できる大きさであれば良く、適宜の大きさにに設定可能である。なお、この切屑収容部21bを設けることにより、切屑31aがパンチ16と第1のダイ21との間に進入することを未然に防止するものである。
【0027】
図5は、以上説明した打抜き加工が終了した後、上金型1が再び上死点に向かう状態を示した断面図である。図5において、スプリング24の付勢力により、第1のダイ21と第2のダイ22とが離間するとき、切屑収容部21bに収容されていた切屑31aが当該切屑収容部21bから開放される。この時点で例えばエアを吹き付ける等の手段で切屑31aが取り除かれる。従って、次の打抜き加工時には、切屑収容部21bには切屑31aが排除され、パンチ16と第1のダイ21との間に進入することはない。
【0028】
以上のように、打抜き用のパンチ16を1回降下させる動作によって、第1のダイ21で粗抜き加工した素材は開口部21aを経て正確に位置決めされながら第2のダイ22側に移動し、続けて第2のダイ22の仕上げ用開口部22aでこの素材にシェービング加工が施される。その結果、特別な位置決め手段を設けなくとも、正確に位置決めされた状態で連続して素材に対する加工が施され、しかも、切断面にダレが生じることなく高精度に仕上げることができる。さらには、位置決めのためのパイロット孔が不要になるので、その分スクラップの量を最小限に抑止することができる。
【0029】
図6は、本発明に係る他の実施形態を示した打抜き装置の半断面図である。この実施態様において図1に示した実施形態とが相違する点は、第1のダイの機能を果たすをダイが2台重設されている点である。便宜上、符号210を第1のダイ、符号230を第3のダイとし、その他の構造については同一の構造であるので、同一記号を付しその説明は省略する。
【0030】
図6において、第1のダイ210と第3のダイ230は、それぞれ仕上げ予定寸法よりもやや大きい寸法に形成された粗抜き用開口部211,231が形成されている。さらに、第3のダイ230粗抜き用開口部231は、第1のダイ210粗抜き用開口部211よりも若干小さい寸法に形成されている。また、第1のダイ210の出口側には第1の切屑収納部212が設けられ、第3のダイ230のは出口側には第2の切屑収納部232が設けられている。一方、第1のダイ210と第3のダイ230は、それぞれスプリングとショルダーボルトからなる第1の付勢手段26および第2の付勢手段27によって、互いに独立して第2のダイ22から離間可能に保持されている。
【0031】
次に、このように構成された打抜き加工装置を用いて被加工素材3を加工する工程を説明する。
【0032】
パンチ16の降下に伴って、先ず最初に、被加工素材3は第1のダイ210の粗抜き用開口部211によって、仕上げ予定寸法よりもやや大きい寸法に打ち抜き加工が施される。このとき打ち抜かれた一次加工品(図示せず)の外周縁にはダレ、および剪断面、破断面を有している。次に、一次加工品がパンチ16に押されて第3のダイ230の粗抜き用開口部231を通過する際、粗抜き用開口部231のエッジで外周部が切除されて、二次加工品(図示せず)が形成される。このときの切除量は僅かであるため、二次加工品の外周縁にはダレが殆ど発生せず、外周面の大半が剪断面となる。なお、このとき生じる切屑は切屑収納部212に収容される。
【0033】
さらに、パンチ16が降下し続けると、第2のダイ22の仕上げ用開口部22aにおいて二次加工品の外周部にシェービング加工が施されて最終製品30が完成する。その際、二次加工品は第3のダイ230により、ある程度高精度に加工されていることから、シェービング加工時には極めて精度良く加工される。従って、最終製品30の外側面は両端面に対してほぼ垂直な側面となり、周縁にダレが生じることはない。なお、シェービング加工時に生じる切屑は切屑収納部232に収容される。そして、パンチ16および上金型1が上昇するのに伴って、第1のダイ210,第3のダイ230,第2のダイ22がそれぞれ付勢手段26,27によって離間する。この時点で、切屑収納部212,232に溜まった切屑をエア等で除去する。これにより、高精度の打抜き加工を繰り返し行うことができる。
【0034】以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施形態において、第1のダイ21の粗抜き用開口部21aの入口側、及びストリッパプレート11の開口部出口側にそれぞれ楔部21c,11bを設けた形態を示したが、これらの楔部21c,11bは必ずしも設ける必要はない。また、何れか一方側のみに設けておいても良い。さらに、ストリッパプレート11の開口部11aをストレート状の開口部としてもよい。
【0035】
また、上記実施形態において、上金型1のストリッパプレート11は、スプリング14と案内支持ボルト15によって下向きに付勢されるとともに、第1のダイ21との間に空隙を形成し、この空隙に帯板状の被加工素材3が移送される構造になっている。かかる構造に代えて、被加工素材3が移送方向に通過可能な凹部をストリッパプレート11に形成するとともに、このストリッパプレート11と第1のダイ21とを締結部材で固定し、上記凹部の一部をパンチ16が貫通して被加工素材3に打ち抜き加工を施すように構成してもよい。このような構成により、パンチ16が被加工素材3を打ち抜いて上記工程を経て最終製品を形成した後、パンチ16が上死転側に戻る際、被加工素材3の残留部分がパンチ16とともにわずかに浮上しても、上記凹部の底面に被加工素材3が突き当たってそれ以上の浮上を阻止するので、被加工素材3の位置ずれやばたつきを未然に防止できる。また、ストリッパプレート11と第1のダイ21を一体に固定するので、スプリング14や案内支持ボルト15が不要となり、装置全体を小型化できるという利点もある。
【0036】
なお、前述した各実施形態は、上下動するプレス機に適用した例を示したが、パンチ等の可動部が左右に移動する等、他の形式に適用しても良く、姿勢差、移動方法について限定されるものではないことは勿論である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る打抜き加工装置は、一端側が仕上げ予定寸法よりも数十μm〜数百μm大きく、パンチの打ち抜き方向に向けて徐々に小径となるように形成され前記仕上げ予定寸法よりも大径の粗抜き用開口部を有する第1のダイと第2のダイをパンチの移動方向と同一方向に重設すると共に、パンチを移動させて被加工素材に対して粗抜き加工とシェービング加工を連続して施すので、位置決めを確実かつ容易に行うことができ、しかも、高精度にシェービング加工することができる。従って、従来必要とされた素材の位置決めを行うためのパイロット孔を不要にできるので、スクラップの量が最小限に抑止でき、コストを低減できる。また、仕上げ用開口部でシェービングする際に生じる切屑を収容する切屑収容部を第1のダイと第2のダイとの間に形成したので、切屑がパンチと第1のダイとの間隙に侵入することが防止され、パンチやダイを長寿命にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる打抜き加工装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態における主要部分を拡大した断面図である。
【図3】本発明にかかる打抜き加工装置の動作途中を示す部分断面図である。
【図4】本発明にかかる打抜き加工装置の動作途中を示す部分断面図である。
【図5】本発明にかかる打抜き加工装置の動作途中を示す部分断面図である。
【図6】本発明にかかる打抜き加工装置の別の実施形態を示す半断面図である。
【符号の説明】
1 上金型(第1金型)
2 下金型(第2金型)
3 被加工素材
16 パンチ
21 第1のダイ
21a 粗抜き開口部
21b 切屑収納部
21c 楔部
22 第2のダイ
22a 仕上げ用開口部(開口端)
w 仕上げ予定寸法

Claims (5)

  1. 相対的に移動する第1金型と第2金型との間に被加工素材を挟持し、上記第1金型に設けたパンチにより上記被加工板材を打抜く加工装置であって、前記第2金型は、一端側が仕上げ予定寸法よりも数十μm〜数百μm大きく、パンチの打ち抜き方向に向けて徐々に小径となるように形成され前記仕上げ予定寸法よりも大径の粗抜き用開口部を有する第1のダイと、少なくとも一部が前記仕上げ予定寸法に等しい寸法の仕上げ用開口部を有する第2のダイとを備え、前記第1のダイと前記第2のダイは、前記パンチの移動方向と同一方向に重設され、前記パンチを移動させて前記被加工素材を前記第1のダイの粗抜き用開口部で所定形状に打抜いた後、外周縁を前記第2のダイの仕上げ用開口部により仕上げ寸法にシェービングするように構成したことを特徴とする打ち抜き加工装置。
  2. 仕上げ用開口部でシェービングする際に生じる切屑を収容する切屑収容部を、第1のダイと前記第2のダイとの間に形成したことを特徴とする請求項1記載の打ち抜き加工装置。
  3. 第2金型は、第1のダイと前記第2のダイとを分離可能に保持し、前記パンチが前記第1金型側に移動する際、前記第1のダイと前記第2のダイとが分離することを特徴とする請求項2記載の打ち抜き加工装置。
  4. 第2のダイの仕上げ用開口部は、上端側から下方端に至るに従って徐々に大径となるように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の打ち抜き加工装置。
  5. 相対的に移動する第1金型と第2金型との間に被加工素材を挟持した後、前記第2金型内に重設して設けた、一端側が仕上げ予定寸法よりも数十μm〜数百μm大きく、パンチの打ち抜き方向に向けて徐々に小径となるように形成され前記仕上げ予定寸法よりも大径の粗抜き用開口部を備えた第1のダイと、この第1のダイより下流に設けられ、少なくとも一部が前記仕上げ予定寸法に等しい寸法の仕上げ用開口部を備えた第2のダイにより、第1のダイによる前記被加工素材の粗抜き加工に続いて、徐々に小径となるように形成された前記粗抜き用開口部の内壁面に沿って粗抜き加工された素材を前記第2のダイに導くとともに、第2のダイによるシェービング加工を前記パンチの移動によって連続して施すことを特徴とする打ち抜き加工方法。
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