JP7450769B2 - 半導体装置の製造方法、半導体装置用基板の製造方法、半導体装置及び電力変換装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法、半導体装置用基板の製造方法、半導体装置及び電力変換装置 Download PDF

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Description

本開示は、半導体装置の製造方法、半導体装置用基板の製造方法、半導体装置及び電力変換装置に関する。
従来の半導体装置では、半導体素子を搭載するための配線基板及び配線基板に接合されたベース板を含む半導体装置用基板が設けられており、配線基板の導体層及びベース板はそれぞれCu(銅)又はAl(アルミニウム)等の金属によって形成される。そして、このような金属部材間の接合方法としては、Cu製の部材をAl製の部材で挟み、加熱しながら加圧することで固相拡散接合する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平9-298259号公報
しかしながら、半導体装置における配線基板の導体層とベース板との接合では、被接合部材である配線基板及びベース板に反りや歪みが生じることがあり、この場合には1枚のシート状又は板状の部材を挟んでも良好な接合をすることができないという課題があった。
本開示は、上記した課題を解決するためになされたものであり、部材の反りや歪みに追従して接合することができる半導体装置の製造方法を得ることを目的とするものである。
本開示に係る半導体装置の製造方法は、ベース板と、絶縁層、絶縁層の一方の面に設けられた第1導体層及び絶縁層の他方の面に設けられた第2導体層を有する配線基板の第1導体層と、の間に第1導体層と固相拡散接合が可能な金属材料で形成された金属部材として、複数の開口部が形成されたパンチング板、細線を編み込んで形成されたメッシュ、又はワイヤを配置する第1の工程と、ベース板と配線基板の第1導体層との間に金属部材を挟み、加圧しながら加熱する第2の工程と、配線基板の第2導体層と半導体素子とを接合する第3の工程と、を含む。
本開示に係る半導体装置の製造方法は、部材の反りや歪みに追従して接合することができるという効果を有する。
実施の形態1の半導体装置を示す断面図である。 実施の形態1の半導体装置の製造に用いる金属部材を示す斜視図である。 実施の形態1の半導体装置の製造方法の工程を説明するための断面図である。 実施の形態2の半導体装置を示す断面図である。 実施の形態2の半導体装置の製造に用いる金属部材を示す斜視図である。 実施の形態2の半導体装置の製造方法の工程を説明するための断面図である。 実施の形態3の半導体装置を示す断面図である。 実施の形態3の半導体装置の製造方法の工程を説明するための断面図である。 実施の形態3の半導体装置の製造方法の工程の変形例を説明するための断面図である。 実施の形態4の電力変換装置を説明するためのブロック図である。
以下、図面に基づいて実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一又は相当する部分には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。また、以下で説明する寸法や温度、時間等の数値は一例であり、他の数値であってもよい。さらに、以下の説明では、「上」又は「下」の特定の方向を意味する用語が用いられる場合があるが、これらの用語は便宜上用いられているものであり、実際に実施される際の方向とは関係しない。
また、本開示において、「~上」という場合、構成要素間に介在物が存在することを妨げるものではない。例えば、「A上に設けられたB」と記載している場合、AとBとの間に他の構成要素Cが設けられたものも設けられていないものも含む。
また、本開示では各部材について、Al(アルミニウム)製、又はCu(銅)製と説明することがあるが、Al製とは、Al又はAlを主成分とするAl合金で形成されたものを、Cu製とは、Cu又はCuを主成分とするCu合金で形成されたものを意味するものとする。
実施の形態1.
実施の形態1の半導体装置、半導体装置用基板、半導体装置の製造方法及び半導体装置用基板の製造方法について、図1から図3を用いて説明する。図1は、本実施の形態の半導体装置100を示す断面図、図2は、半導体装置100の製造に用いる金属部材としてのAl部材10を示す斜視図である。また、図3は、本実施の形態の半導体装置100の製造方法の工程を説明するための断面図である。
まず、本実施の形態の半導体装置100及び半導体装置用基板110の構成について説明する。
半導体装置100は、図1に示すように、平板状のベース板1、ベース板1上に拡散層11を介して接合された金属部材としてのAl部材10、Al部材10上に拡散層11を介して第1導体層2bが接合された配線基板2、配線基板2の第2導体層2c上に接合材としてのはんだ3を介して接合された半導体素子4、ベース板1の外周側面に接着剤5によって接着されたケース6、ケース6に取り付けられた信号端子7a及び主端子7b、信号端子7aと半導体素子4とを電気的に接続するワイヤ8a、主端子7bと半導体素子4とを電気的に接続するワイヤ8b、並びにベース板1とケース6とで囲まれた領域に充填される封止材9を備える。
また、半導体装置100の一部である半導体装置用基板110は、ベース板1、ベース板1上に拡散層11を介して接合されたAl部材10、及びAl部材10上に拡散層11を介して第1導体層2bが接合された配線基板2を備える。
ベース板1は、Cu製であり、例えば外形寸法が55mm×55mm×厚さ3mmの平板状である。なお、ベース板1は、平板状に限られるものではなく、少なくとも平板状の基板部を有するものであればよく、例えば基板部及びピンフィン等のフィンが一体に形成された部材であってもよい。ベース板1の上面には、拡散層11を介してAl部材10が固相拡散接合されている。
Al部材10は、半導体装置100の製造に用いるAl製の金属部材であり、例えばJIS A1020等の純アルミ、又は、より拡散性に優れたJIS A4000系のアルミシリコン系の低融点の材料によって形成される。Al部材10は、図2に示すように、接合前の形状としては、例えばφ5mmの円形の複数の開口部10aが全面に規則的(マトリックス状)に形成され、外形寸法が例えば45mm×45mm×厚さ0.3mmのパンチングAl板である。このように開口部10aを有するパンチングAl板であるAl部材10は、例えばプレス加工で形成することができる。Al部材10を形成するために上記したJIS A4000系等の低融点の材料を用いることで、より低温での拡散接合が可能となる。
Al部材10は、図1に示す半導体装置100における拡散接合後の形状としては、図2に示すパンチングAl板であるAl部材10がベース板1と配線基板2の第1導体層2bとに挟まれ、圧力を加えることにより薄く延ばされたものの一部である。Al部材10は、加圧されるとともに加熱されることによってベース板1及び配線基板2の第1導体層2bとそれぞれ固相拡散接合し、拡散層11が形成される。
なお、本実施の形態では円形の開口部10aが形成されたAl部材10について説明するが、これに限られるものではなく、規則的に開口部が形成されたものであればよく、例えば正方形等の四角形や六角形等の開口部であっても同様の効果が得られる。開口部比率を上げて残存部分を減らすことによって、加圧時の面圧を上げて変形をより容易にすることが可能となるため、望ましい。
拡散層11は、Cu製のベース板1とAl製のAl部材10、及び、Cu製の第1導体層2bとAl製のAl部材10、のそれぞれの部材同士における固相拡散接合によって形成され、Cu及びAlを含む合金層である。より詳細には、CuとAlとは金属間化合物を生成しないため、拡散層11は、Cu及びAlの結晶が入り混じったマーブル模様状の合金組織として形成される。拡散層11の組成は一様ではなく、部材間の接合界面を中心として接合界面から離れるにつれて徐々に接合前の部材の組成に近づいていくグラデーション状となる。また、図1では、Al部材10と拡散層11との境界、ベース板1と拡散層11との境界、及び配線基板の2の第1導体層2bと拡散層11との境界は、それぞれ直線状に図示され明瞭に存在するが、実際にはその境界が不明瞭であってもよい。さらに、Al部材10は、接合後に図1のように残存せず、全て拡散層11となってもよいし、或いは接合後もAl部材10が一部残存し、開口部10aが判別可能となっていてもよい。この場合、開口部10aは隙間として残存してもよい。
配線基板2は、図1に示すように、絶縁層としてのSi3N4(窒化ケイ素)製のセラミック基材2a、セラミック基材2aの一方の面である下面に設けられたCu製の第1導体層2b、及びセラミック基材2aの他方の面である上面に設けられたCu製の第2導体層2cを有する。すなわち、第1導体層2b上に絶縁層としてのセラミック基材2aが設けられ、セラミック基材2a上に第2導体層2cが設けられる。配線基板2全体での外形寸法は例えば45mm×45mm×厚さ1.92mmである。また、セラミック基材2aの外形寸法は例えば45mm×45mm×厚さ0.32mmであり、第1導体層2b及び第2導体層2cの外形寸法は例えば41mm×41mm×厚さ0.8mmである。配線基板2の第1導体層2bは、拡散層11上に設けられ、拡散層11を介してAl部材10と接合されている。なお、第2導体層2cは、図1に示すように、2個以上に分割された導体パターンから構成されてもよい。
本実施の形態の配線基板2は、絶縁層としてSi3N4製のセラミック基材2aを有するため、抗折強度を大きくして割れを抑制することができる。なお、セラミック基材2aの材料はこれに限られるものではなく、Al2O3(アルミナ)製のセラミック基材を用いることで、熱膨張係数を大きくして熱応力を低減し、信頼性を向上することができる。その他、AlN(窒化アルミニウム)製、又はジルコニアアルミナ製等のセラミック基材を用いることもできる。
配線基板2の第2導体層2c上には、図1に示すように、はんだ3を介して複数個の半導体素子4が接合されて設けられる。第2導体層2c上に設けられる半導体素子4は、例えば外形寸法が12mm×12mm×0.2mmのSi(シリコン)製のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。
なお、本実施の形態では、半導体素子4としてSi製のIGBTが設けられる場合について説明するが、これに限られるものではなく、例えばダイオード、IC(Integrated Circuit)又はMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等の半導体素子が設けられてもよい。また、半導体素子はSi製に限られず、例えばSiC(炭化ケイ素)製又はGaN(窒化ガリウム)製であってもよい。また、半導体素子は複数個搭載されるものに限られず、1個以上設けられればよく、その種類及び材料の組み合わせも適宜変更できる。
接合材としてのはんだ3の材料としては、例えば組成比が96.5wt%Sn-3.0wt%Ag-0.5wt%Cuであり、融点が219℃である板状はんだ材を用いることができる。はんだ3の接合前の外形寸法は、例えば12mm×12mm×厚さ0.1mmである。
なお、はんだ3の組成比は、96.5wt%Sn-3.0wt%Ag-0.5wt%Cuに限られず、例えば99.3wt%Sn-0.7wt%Cu(融点217℃)、又は、95wt%Sn-5wt%Sb(融点240℃)等の組成比のはんだ材を用いてもよい。さらに、接合材としては、はんだに代えて、銅粉を分散させて等温凝固することにより得られる高耐熱性のCu-Snペースト、又は、ナノ銀粒子の低温焼成を用いて接合するナノ銀ペースト等を用いてもよい。
ケース6は、PPS(Poly Phenylene Sulfide)樹脂によって形成され、配線基板2の外周を取り囲む複数の面を有する枠状の形状であり、ベース板1にシリコーン樹脂製の接着剤5によって接着されている。また、ケース6の外形寸法は、例えば65mm×65mm×高さ22mmである。
なお、ケース6は、PPS樹脂製であるものに限られず、例えばLCP(LiquidCrystal Polymer/液晶ポリマー)樹脂等を用いて形成されてもよい。また、ケース6は、必ずしもベース板1に接着されなくてもよく、ベース板1又は配線基板2等に接着されることで、封止材9の材料を注入した際に漏れ出ない構造であればよい。
また、ケース6には、外部端子として、信号端子7a及び主端子7bがインサートモールド成形により取り付けられている。信号端子7a及び主端子7bは、Cu製でNiめっきされており、信号端子7aの厚さが例えば0.4mm、主端子7bの厚さが例えば0.64mmである。
ワイヤ8a、8bは、Al製である。このうち、半導体素子4の信号パッド(図示せず)と信号端子7aとを接続するワイヤ8aは、信号回路(制御回路)を形成し、例えば直径0.15mmである。一方、半導体素子4の主端子パッド(図示せず)と主端子7bとを電気的に接続するワイヤ8bは、主電力回路を形成しており、例えば直径0.4mmである。なお、ワイヤ8a、8bは、Al製に限られず、例えば、信号端子7aに接続されるワイヤ8a用にAg(銀)製ワイヤ又はAu(金)製ワイヤを用いてもよいし、主端子7bに接合されるワイヤ8bにAl製のリボンボンド又はCu製ワイヤを用いてもよい。
封止材9は、ベース板1とケース6とで囲まれた領域に充填され、半導体素子4及びワイヤ8a、8bを絶縁封止する。封止材9は、例えば熱硬化性のシリコーンゲルによって形成される。なお、封止材9の材料はシリコーンゲルに限られず、例えばシリカフィラー等を含有したエポキシ樹脂等を用いて形成されてもよい。
次に、本実施の形態の半導体装置100の製造方法及び半導体装置用基板110の製造方法について説明する。
まず、第1の工程が実施される。図3(A)に示すように、ベース板1の上面に、図2に示すパンチングAl板であるAl部材10を位置決めして載置し、Al部材10上に配線基板2を第1導体層2bがAl部材10に対向するように位置決めする。つまり、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとの間に、パンチングAl板であるAl部材10を配置する。
次に、第2の工程が実施される。図3(B)に示すように、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとの間にAl部材10を挟み、ヒータプレス装置(図示せず)によって、窒素雰囲気下等の還元ガス雰囲気下で、5MPaの圧力を加えながら350℃で30分間加熱する。このようにすることで、図3(B)に示すようにパンチングAl板であるAl部材10が潰れて押し拡げられるとともに、配線基板2の第1導体層2bとベース板1との間で拡散する。そうすると、図3(C)に示すように、Al部材10とベース板1との間、及びAl部材10と第1導体層2bとの間で、それぞれ拡散層11が形成され、拡散層11を介してベース板1とAl部材10とが拡散接合され、配線基板2の第1導体層2bとAl部材10とが拡散接合される。言い換えれば、Al部材10及び拡散層11を介してベース板1と配線基板2の第1導体層2bとが接合される。図3(C)に示されるAl部材10の厚みは、図3(B)に示されるAl部材10の厚みよりも減少している。なお、図3(C)では接合後にAl部材10の一部が残存する場合を示すが、Al部材10は全て拡散層11になっていてもよい。本第2の工程においてAl部材10の厚みを減少させるとは、第2工程が、Al部材10の一部を残存させるプロセス条件、または第2工程がAl部材10の厚みをゼロとするプロセス条件(すなわちAl部材10の全部を拡散層11に置き換えるプロセス条件)によって実施され得ることを意味する。
一般的に、金属は、融点(K)の1/2以上の温度に加熱されると、クリープ変形しやすい。そこで固相拡散接合の接合プロセス条件として、一旦金属部材の融点(K)の1/2以上かつ融点以下の温度で加圧することで良好な接合性を示す。例えば、Alの融点は660℃なので933Kの1/2=467K=194℃以上でAl部材10を一旦加圧し、十分に塑性変形したAl部材10を固相拡散接合が可能な温度(320℃以上)に加熱する。これにより、高品質な拡散層11を得ることができる。
このようにして、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとがAl部材10を用いて接合されることにより、図3(C)に示すように、半導体装置用基板110が完成する。
その後、図3(C)に示すように、配線基板2の第2導体層2c上に板状のはんだ3を配置し、各はんだ3上に半導体素子4を配置する。そして、リフロー炉を用いて加熱してはんだ3を溶融させることで、配線基板2の第2導体層2cと半導体素子4とをはんだ3を介して接合する。このようにして、半導体素子4が配線基板2上に搭載される。
次に、図3(D)に示すように、信号端子7a及び主端子7bがインサートモールド成形されたケース6を、シリコーン樹脂製の接着剤5を用いて、ベース板1に接着する。なお、ここでは、後述するケース6の内部に注入されるシリコーンゲルが漏れ出ないように接着されればよい。
その後、図3(E)に示すように、信号端子7aと半導体素子4の信号パッド(図示せず)とを、ワイヤボンダーを用いてワイヤ8aで配線し、ワイヤボンドにより信号回路を形成する。また、主端子7bと半導体素子4の主端子パッド(図示せず)とを、ワイヤボンダーを用いてワイヤ8bで配線し、ワイヤボンドにより主電力回路を形成する。
最後に、図3(E)に示すように、シリコーンゲルをケース6の内部に注入し、130℃で1時間加熱キュアして硬化することで封止材9として絶縁封止を行い、半導体装置100が完成する。
以上のように構成された半導体装置100、半導体装置用基板110、半導体装置100の製造方法及び半導体装置用基板110の製造方法の効果について説明する。
本実施の形態の半導体装置100及び半導体装置用基板110では、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとの間に挟んで固相拡散接合するための金属部材としてパンチングAl板であるAl部材10を用いる。したがって、1枚のシート状又は板状のAl部材を用いる場合と比較して、接触面積が小さくなるため面圧が上がり、ベース板1及び配線基板2の反りや歪みに追従して変形することができるという効果を奏する。これにより、接合できる割合が上がり、良好な接合をすることができる。特に、半導体装置の放熱性を確保するために接合性が重要となるため、良好な接合をすることで信頼性が向上する。
より詳細には、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとの間に挟んで固相拡散接合するための金属部材として仮に開口部10aを有しないシート状又は板状のAl部材を用いた場合、ベース板1及び配線基板2の反りや歪みに追従することができず、接合できない箇所がある部分に集中することで接合性が下がることが考えられる。一方、本願発明であればパンチングAl板であるAl部材10を用いることでベース板1及び配線基板2の反りや歪みに追従することができるため、仮に接合できない箇所があったとしても一箇所に集中することを避けることができる。
さらに、半導体装置は例えば本実施の形態のように例えば45mm角の比較的大面積での接合や、或いはさらに大面積となる70mm角での接合が必要となる。この場合、反りや歪みを研磨等で全て除去することは難しく、固相拡散接合による接合性が下がる要因となってしまう。そこで、本願発明であれば、反りや歪みがあったとしても面圧により追従して変形することができるため、大面積であっても良好な接合をすることができる効果を奏する。
また、半導体装置100及び半導体装置用基板110は、上記したように金属部材としてパンチングAl板であるAl部材10を用いることにより、接触面積が小さくなるため面圧が上がり、Al表面を変形して酸化膜を破り、塑性変形しやすくなるため、Cu製のベース板1及び配線基板2の第1導体層2bとの固相拡散接合による接合性が向上する効果を奏する。特に、Al製のAl部材10では表面に緻密な酸化膜が形成されることで固相拡散接合の妨げとなることが考えられるが、酸化膜が形成されていない純粋な金属面である新生面が露出することで、露出した新生面を起点に接合が広がり、接合が加速し、接合性が向上する効果を奏する。
さらに、窒素雰囲気下等の還元ガス雰囲気下で接合を行う場合、還元ガスを接合面に行き渡らせる必要があるが、Al部材10が開口部10aを有するパンチングAl板であることで、還元ガスが回り込みやすくなり、接合性がさらに向上する効果を奏する。また、Al部材10では開口部10aから空気が抜けることができるため、空気の噛み込みによる未接合部の形成を抑制することができるという効果を奏する。
また、ここで、別の接合方法としてろう付も考えられるが、ろう付では600℃の加熱を行う必要があり、大きな反りが発生する懸念があり、また温度サイクル性等の信頼性に乏しい。そこで、本実施の形態の半導体装置100の製造方法では、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとをAl部材10を挟んで固相拡散接合することで、ろう付よりも低温の350℃の加熱で接合でき、信頼性が向上できるという効果を奏する。
なお、本実施の形態では、固相拡散接合の工程において窒素雰囲気下で行う場合を例として説明したが、これに限られるものではなく、水素やギ酸等の還元ガス雰囲気下で行うこともできる。還元ガス雰囲気下で接合することで、金属部材表面の酸化を抑制して良好な接合品質を得ることが可能となる。また、固相拡散接合は、大気中で行うこともできる。
また、本実施の形態では、ベース板1及び配線基板2の第1導体層2bがいずれもCu製である場合について説明したが、これに限られるものではなく、ベース板1及び配線基板2の第1導体層2bがAl製であり、間に挟む金属部材としてのAl部材10の代わりにCu製のパンチングCu板であるCu部材を用いるものとしてもよい。この場合であっても、上記と同様の効果を奏する。なお、面圧が大きくなることで塑性変形しやすくなり接合性が向上するという効果は、特に間に挟まれる金属部材がAl部材10である場合に顕著となると考えられるため、金属部材はAl部材10であるほうが望ましい。
また、ベース板1及び配線基板2の第1導体層2bの材料がCu製又はAl製であるかを問わず、これらの間に挟んで接合するための金属部材として、例えばZn(亜鉛)又はSn(スズ)等の幅広い組成比率で化合物を生成する金属を用いることもできる。
また、本実施の形態では、ケース6を備える半導体装置100を例として説明したが、これに限られるものではなく、ケースを備えず、封止材によってトランスファーモールド成型された構造を有するものであってもよい。この場合であっても、上記と同様の効果を奏する。以下で説明する実施の形態でも同様である。
実施の形態2.
実施の形態2の半導体装置、及び半導体装置用基板、半導体装置の製造方法及び半導体装置用基板の製造方法について、図4から図6を用いて説明する。図4は、本実施の形態の半導体装置200を示す断面図、図5は、半導体装置200の製造に用いる金属部材としてのAl部材20を示す斜視図である。また、図6は、本実施の形態の半導体装置200の製造方法の工程を説明するための断面図である。
本実施の形態の半導体装置200及び半導体装置用基板210は、図4及び図5に示すように、金属部材としてAl部材10の代わりにAl製の細線を編み込んだAlメッシュであるAl部材20が用いられる点で、実施の形態1の半導体装置100及び半導体装置用基板110と異なる。半導体装置200及び半導体装置用基板210のその他の構成は、半導体装置100及び半導体装置用基板110と同様であるため、以下では半導体装置100及び半導体装置用基板110と異なる点を中心に説明する。
Al部材20は、半導体装置200及び半導体装置用基板210の製造に用いるAl製の金属部材であり、例えばJIS A1020等の純アルミ、又は、より拡散性に優れたJIS A4000系のアルミシリコン系の低融点の材料によって形成される。JIS A4000系等の低融点の材料を用いることで、より低温での拡散接合が可能となる。
Al部材20は、図5に示すように、接合前の形状としては、例えばφ0.15mmのAl製の複数の細線を編み込んで形成され、外形寸法が例えば45mm×45mm×厚さ0.3mmのAlメッシュである。AlメッシュであるAl部材20は上述の通りメッシュ構造を有し、例えば細線のピッチが1mmの場合、細線が存在しない部分の0.85mmを目開きと呼ぶが、細線の密度(ピッチに対する線形の比率)は5%から80%まで広い範囲で適用可能である。
Al部材20は、図4に示す半導体装置200及び半導体装置用基板210における拡散接合後の形状としては、Al部材20がベース板1と配線基板2の第1導体層2bとに挟まれ、圧力を加えることにより薄く延ばされたものの一部である。Al部材20は、加圧されるとともに加熱されることによってベース板1及び配線基板2の第1導体層2bとそれぞれ固相拡散接合し、拡散層21が形成される。なお、拡散層21の組成については実施の形態1の拡散層11と同様である。また、図4では、Al部材20と拡散層21との境界、ベース板1と拡散層21との境界、及び配線基板の2の第1導体層2bと拡散層21との境界は、それぞれ明瞭に図示されているが、実際にはその境界が不明瞭であってもよい。さらに、Al部材20は、接合後に図4のように残存せず、全て拡散層21となってもよい。
次に、半導体装置200の製造方法及び半導体装置用基板210の製造方法について、実施の形態1の半導体装置100の製造方法及び半導体装置用基板110の製造方法と異なる点を中心に説明する。
まず、図6(A)に示すように、ベース板1の上面に、AlメッシュであるAl部材20を位置決めして載置し、Al部材20上に配線基板2を第1導体層2bがAl部材20側に対向するように位置決めする。つまり、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとの間に、AlメッシュであるAl部材20を配置する。
次に、図6(B)に示すように、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとの間にAl部材20を挟み、ヒータプレス装置(図示せず)によって、窒素雰囲気下等の還元ガス雰囲気下で、5MPaの圧力を加えながら350℃で30分間加熱する。このようにすることで、図6(B)に示すようにAlメッシュであるAl部材20が潰れて押し拡げられるとともに、配線基板2の第1導体層2bとベース板1との間で拡散する。そうすると、図6(C)に示すように、Al部材20とベース板1との間、及びAl部材20と第1導体層2bとの間で、それぞれ拡散層21が形成され、拡散層21を介してベース板1とAl部材20とが拡散接合され、配線基板2の第1導体層2bとAl部材20とが拡散接合される。言い換えれば、Al部材20及び拡散層21を介してベース板1と配線基板2の第1導体層2bとが接合される。なお、図6(C)では接合後にAl部材20の一部が残存する場合を示すが、Al部材20は全て拡散層21になっていてもよい。
このようにして、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとがAl部材20を用いて接合されることにより、図6(C)に示すように、半導体装置用基板210が完成する。
その後、後、図6(C)に示すように、配線基板2の第2導体層2c上にはんだ3を介して半導体素子4を接合する。
次に、図6(D)に示すように、信号端子7a及び主端子7bがインサートモールド成形されたケース6を、シリコーン樹脂製の接着剤5を用いて、ベース板1に接着する。その後、図6(E)に示すように、信号端子7aと半導体素子4の信号パッド(図示せず)とをワイヤ8aで配線し、主端子7bと半導体素子4の主端子パッド(図示せず)とをワイヤ8bで配線する。
最後に、図6(E)に示すように、シリコーンゲルをケース6の内部に注入し、加熱して硬化することで封止材9として絶縁封止を行い、半導体装置200が完成する。
このように構成された本実施の形態の半導体装置200、半導体装置用基板210、半導体装置200の製造方法及び半導体装置用基板210の製造方法にあっても、実施の形態1の半導体装置100、半導体装置用基板110、半導体装置100の製造方法及び半導体装置用基板110の製造方法と同様の効果を奏する。
なお、本実施の形態ではAl部材20がAl製の細線を編み込んだAlメッシュである場合について説明したが、例えばワイヤのような細線を、編み込まずに規則的に並べて挟み込んで接合しても同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態1で説明したのと同様に、水素やギ酸等の還元ガス雰囲気下で固相拡散接合を行うこともできるし、大気中で行うこともできる。さらに、実施の形態1と同様に、ベース板1及び配線基板2の第1導体層2bがAl製であり、間に挟む金属部材としてのAl部材20の代わりにCu製のCuメッシュであるCu部材を用いるものとしてもよい。また、ベース板1及び配線基板2の第1導体層2bの材料がCu製又はAl製であるかを問わず、これらの間に挟んで接合するための金属部材として、例えばZn(亜鉛)又はSn(スズ)等の幅広い組成比率で化合物を生成する金属を用いることもできる。
実施の形態3.
実施の形態3の半導体装置、半導体装置用基板、半導体装置の製造方法及び半導体装置用基板の製造方法について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、本実施の形態の半導体装置300を示す断面図である。また、図8は、本実施の形態の半導体装置300の製造方法の工程を説明するための断面図である。
本実施の形態の半導体装置300及び半導体装置用基板310は、図7及び図8に示すように、Al製のベース板1上にワイヤボンドとして設けられたAl部材30を用いて配線基板2の第1導体層2bと固相拡散接合される点で、実施の形態1の半導体装置100及び半導体装置用基板110と異なる。半導体装置300及び半導体装置用基板310のその他の構成は、半導体装置100及び半導体装置用基板110と同様であるため、以下では半導体装置100及び半導体装置用基板110と異なる点を中心に説明する。
ベース板1は、Al製であり、例えば外形寸法が55mm×55mm×厚さ3mmの平板状である。なお、ベース板1は、平板状に限られるものではなく、少なくとも平板状の基板部を有するものであればよく、例えば基板部及びピンフィン等のフィンが一体に形成された部材であってもよい。ベース板1の上面には、ワイヤボンドであるAl部材30が超音波接合により設けられ、拡散層31を介して配線基板2の第1導体層2bが固相拡散接合されている。
Al部材30は、半導体装置300及び半導体装置用基板310の製造に用いるAl製の金属部材であり、例えばJIS A1020等の純アルミ、又は、より拡散性に優れたJIS A4000系のアルミシリコン系の低融点の材料によって形成される。Al部材30は、接合前の形状としては、例えばφ0.15mmのアルミワイヤであり、ベース板1上に超音波接合される。
Al部材30は、図7に示す半導体装置300及び半導体装置用基板310における拡散接合後の形状としては、超音波接合されたワイヤボンドであるAl部材30がベース板1と配線基板2の第1導体層2bとに挟まれ、圧力を加えることにより薄く延ばされたものの一部である。Al部材30は、加圧されるとともに加熱されることによってCu製の配線基板2の第1導体層2bと固相拡散接合し、拡散層31が形成される。なお、このときAl製のベース板1とCu製の第1導体層2bとの間でも固相拡散接合が進行して拡散層31が形成される。
なお、拡散層31の組成については実施の形態1の拡散層11と同様である。また、図7では、Al部材30と拡散層31との境界、ベース板1と拡散層31との境界、及び配線基板の2の第1導体層2bと拡散層31との境界は、それぞれ明瞭に図示されているが、実際にはその境界が不明瞭であってもよい。さらに、Al部材30は、接合後に図7のように残存せず、全て拡散層31となってもよい。
次に、半導体装置300の製造方法及び半導体装置用基板310の製造方法について、実施の形態1の半導体装置100及び半導体装置用基板110の製造方法と異なる点を中心に説明する。
まず、図8(A)に示すように、ベース板1の上面に、ワイヤボンダーを用いてAl製のワイヤを超音波接合することによりAl部材30を設ける。その後、Al部材30が設けられたベース板1上に配線基板2を第1導体層2bがAl部材30側に対向するように位置決めする。つまり、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとの間に、ワイヤボンドであるAl部材30を配置する。
次に、図8(B)に示すように、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとの間にAl部材30を挟み、ヒータプレス装置(図示せず)によって、窒素雰囲気下等の還元ガス雰囲気下で、5MPaの圧力を加えながら350℃で30分間加熱する。このようにすることで、図8(B)に示すようにワイヤボンドであるAl部材30が潰れて押し拡げられるとともに、配線基板2の第1導体層2bとの間で拡散する。そうすると、図8(C)に示すように、Al部材30と第1導体層2bとの間で拡散層31が形成され、拡散層31を介して配線基板2の第1導体層2bとAl部材30とが拡散接合される。言い換えれば、Al部材30及び拡散層31を介してベース板1と配線基板2の第1導体層2bとが接合される。なお、図8(C)では接合後にAl部材30の一部が残存する場合を示すが、Al部材30は全て拡散層31になっていてもよい。
このようにして、ベース板1と配線基板2の第1導体層2bとがAl部材30を用いて接合されることにより、図8(C)に示すように、半導体装置用基板310が完成する。
その後、後、図8(C)に示すように、配線基板2の第2導体層2c上にはんだ3を介して半導体素子4を接合する。
次に、図8(D)に示すように、信号端子7a及び主端子7bがインサートモールド成形されたケース6を、シリコーン樹脂製の接着剤5を用いて、ベース板1に接着する。その後、図8(E)に示すように、信号端子7aと半導体素子4の信号パッド(図示せず)とをワイヤ8aで配線し、主端子7bと半導体素子4の主端子パッド(図示せず)とをワイヤ8bで配線する。
最後に、図8(E)に示すように、シリコーンゲルをケース6の内部に注入し、加熱して硬化することで封止材9として絶縁封止を行い、半導体装置300が完成する。
このように構成された本実施の形態の半導体装置300、半導体装置用基板310、半導体装置300の製造方法及び半導体装置用基板310の製造方法にあっても、実施の形態1の半導体装置100、半導体装置用基板110、半導体装置100の製造方法及び半導体装置用基板110の製造方法と同様に、ワイヤボンドであるAl部材30を用いることで接触面積が小さくなるため面圧が上がり、ベース板1及び配線基板2の反りや歪みに追従して変形することができるという効果を奏する。これにより、良好な接合をすることができる。
また、ここで、半導体装置300及び半導体装置用基板310は、Al製のベース板1とCu製の第1導体層2bとの間で固相拡散接合しているため、仮にAl部材30を用いることなく接合する場合には両面の面精度が極めて高い必要がある。また、実施の形態1のパンチングAl板であるAl部材10、又は実施の形態2のAlメッシュであるAl部材20を用いても、Al製の部材同士では拡散接合に長時間を要する。そこで、本実施の形態では、Al製のベース板1とAl製のワイヤとの間は予め超音波接合により接合しておくことで、良好な界面接合を実現することができる効果を奏する。
また、本実施の形態の半導体装置300及び半導体装置用基板310では、Al部材30を用いることでAl製のベース板1とCu製の第1導体層2bとを直接接合する場合と比較して接触面積が小さくなるため面圧が上がり、Al表面を変形して酸化膜を破り、塑性変形しやすくなるため、配線基板2の第1導体層2bとの固相拡散接合による接合性が向上する効果を奏する。特に、Al製のAl部材30及びベース板1では表面に緻密な酸化膜が形成されることで固相拡散接合の妨げとなることが考えられるが、Al部材30が押し潰されることにより酸化膜が形成されていない純粋な金属面である新生面が露出することで、露出した新生面を起点に接合が広がり、接合が加速し、接合性が向上する効果を奏する。
なお、本実施の形態ではAl製のワイヤをベース板1に超音波接合する場合について説明したが、例えば幅0.3mm、厚さ0.1mmのアルミリボンを超音波接合しても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、ベース板1及びワイヤがAl製であり、配線基板2の第1導体層2bがCu製である場合について説明したが、ベース板1及びワイヤをCu製、配線基板2の第1導体層2bをAl製として構成することもできる。ただし、Al製の部材が押し潰されて新生面が露出することにより接合性を向上させるという点では、ワイヤがAl製であるほうが望ましい。
また、実施の形態1で説明したのと同様に、水素やギ酸等の還元ガス雰囲気下で固相拡散接合を行うこともできるし、大気中で行うこともできる。さらに、実施の形態1と同様に、ベース板1及び配線基板2の第1導体層2bがAl製であり、間に挟む金属部材としてのAl部材20の代わりにCu製のCuメッシュであるCu部材を用いるものとしてもよい。また、ベース板1及び配線基板2の第1導体層2bの材料がCu製又はAl製であるかを問わず、これらの間に挟んで接合するための金属部材として、例えばZn(亜鉛)又はSn(スズ)等の幅広い組成比率で化合物を生成する金属を用いることもできる。
本実施の形態は、以下のように変形され得る。
図9(A)、(B)、(C)に示すように、ベース板1及び配線基板2の第1導体層2bがAl製である場合に、ベース板1及び配線基板2の間に挟む金属部材として、Al製ワイヤ302をCu層303で被覆したワイヤ301を用いることも可能である。このようなワイヤ301は、Al製の部材と拡散接合が可能なCuの特性と、加圧時の変形が容易なAlの特性を併せ持つ。そのため、このようなワイヤ301を用いることで、高品質な拡散層31を形成できる。Cu層303は無電解めっきなどによって形成が可能である。また、上記金属部材は、Al又はAl合金で構成されている芯部と、芯部の表面を被覆しておりCu又はCu合金で構成されている被覆部とを含んでいる限りにおいて、ワイヤに制限されるものではんく、パンチング板またはメッシュであってもよい。言い換えると、実施の形態1におけるAl部材10及び実施の形態2におけるAl部材20も、Al又はAl合金で構成されている芯部と、芯部の表面を被覆しておりCu又はCu合金で構成されている被覆部とを含んでいてもよい。
実施の形態4.
上述した実施の形態1から3のいずれかに係る半導体装置が搭載された、実施の形態4の電力変換装置について図10を用いて説明する。図10は、本実施の形態の電力変換装置を説明するためのブロック図であり、図10の全体は本実施の形態の電力変換装置が適用された電力変換システムを示している。以下、実施の形態4が三相のインバータである場合について具体的に説明する。
図10に示す電力変換システムは、本実施の形態の電力変換装置600、電源610、負荷620から構成される。電源610は、直流電源であり、電力変換装置600に直流電力を供給する。電源610は種々のもので構成することが可能であり、例えば、直流系統、太陽電池、蓄電池で構成することができるし、交流系統に接続された整流回路やAC/DCコンバータで構成することとしてもよい。また、電源610を、直流系統から出力される直流電力を所定の電力に変換するDC/DCコンバータによって構成することとしてもよい。
電力変換装置600は、電源610と負荷620との間に接続された三相のインバータであり、電源610から供給された直流電力を交流電力に変換し、負荷620に交流電力を供給する。電力変換装置600は、図10に示すように、入力される直流電力を交流電力に変換して出力する主変換回路601と、主変換回路601を制御する制御信号を主変換回路601に出力する制御回路603とを備えている。
負荷620は、電力変換装置600から供給された交流電力によって駆動される三相の電動機である。なお、負荷620は特定の用途に限られるものではなく、各種電気機器に搭載された電動機であり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、鉄道車両、エレベーター、又は、空調機器向けの電動機として用いられる。
以下、本実施の形態の電力変換装置600の詳細を説明する。主変換回路601は、スイッチング素子と還流ダイオードとを備えており(図示せず)、スイッチング素子がスイッチングすることによって、電源610から供給される直流電力を交流電力に変換し、負荷620に供給する。主変換回路601の具体的な回路構成は種々のものがあるが、本実施の形態に係る主変換回路601は2レベルの三相フルブリッジ回路であり、6つのスイッチング素子とそれぞれのスイッチング素子に逆並列された6つの還流ダイオードから構成することができる。主変換回路601の各スイッチング素子と各還流ダイオードの少なくともいずれかに、上記した実施の形態1から5のいずれかに係る半導体装置を適用する。6つのスイッチング素子は2つのスイッチング素子ごとに直列接続され上下アームを構成し、各上下アームはフルブリッジ回路の各相(U相、V相、W相)を構成する。そして、各上下アームの出力端子、すなわち主変換回路601の3つの出力端子は、負荷620に接続される。
また、主変換回路601は、各スイッチング素子を駆動する駆動回路(図示なし)を備えているが、駆動回路は半導体装置602に内蔵されていてもよいし、半導体装置602とは別に駆動回路を備える構成であってもよい。駆動回路は、主変換回路601のスイッチング素子を駆動する駆動信号を生成し、主変換回路601のスイッチング素子の制御電極に供給する。具体的には、後述する制御回路603からの制御信号に従い、スイッチング素子をオン状態にする駆動信号とスイッチング素子をオフ状態にする駆動信号とを各スイッチング素子の制御電極に出力する。スイッチング素子をオン状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以上の電圧信号(オン信号)であり、スイッチング素子をオフ状態に維持する場合、駆動信号はスイッチング素子の閾値電圧以下の電圧信号(オフ信号)となる。
制御回路603は、負荷620に所望の電力が供給されるように主変換回路601のスイッチング素子を制御する。具体的には、負荷620に供給すべき電力に基づいて主変換回路601の各スイッチング素子がオン状態となるべき時間(オン時間)を算出する。例えば、出力すべき電圧に応じてスイッチング素子のオン時間を変調するPWM制御によって主変換回路601を制御することができる。そして、各時点においてオン状態となるべきスイッチング素子にはオン信号を、オフ状態となるべきスイッチング素子にはオフ信号が出力されるよう、主変換回路601が備える駆動回路に制御指令(制御信号)を出力する。駆動回路は、この制御信号に従い、各スイッチング素子の制御電極にオン信号又はオフ信号を駆動信号として出力する。
本実施の形態の電力変換装置では、主変換回路601のスイッチング素子と還流ダイオードの少なくともいずれかに実施の形態1から3のいずれかに係る半導体装置を適用するため、信頼性を向上することができるという効果を奏する。
なお、本実施の形態では、2レベルの三相インバータに適用する例を説明したが、これに限られるものではなく、種々の電力変換装置に適用することができる。本実施の形態では、2レベルの電力変換装置としたが、3レベルやマルチレベルの電力変換装置であっても構わないし、単相負荷に電力を供給する場合には単相のインバータに適用しても構わない。また、直流負荷等に電力を供給する場合にはDC/DCコンバータやAC/DCコンバータに本実施の形態を適用することも可能である。
また、本実施の形態の電力変換装置は、上述した負荷が電動機の場合に限定されるものではなく、例えば、放電加工機やレーザー加工機、又は誘導加熱調理器や非接触給電システムの電源装置として用いることもでき、さらには太陽光発電システムや蓄電システム等のパワーコンディショナーとして用いることも可能である。
なお、各実施の形態を、適宜、組み合わせたり、変形や省略することも、本開示の範囲に含まれる。
1 ベース板、2 配線基板、2a セラミック基材(絶縁層)、2b 第1導体層、2c 第2導体層、3 はんだ(接合材)、4 半導体素子、10、20、30 Al部材(金属部材)、10a 開口部、11、21、31 拡散層、100、200、300、602 半導体装置、110、210、310 半導体装置用基板、600 電力変換装置、601 主変換回路、603 制御回路。

Claims (12)

  1. ベース板と、絶縁層、前記絶縁層の一方の面に設けられた第1導体層及び前記絶縁層の他方の面に設けられた第2導体層を有する配線基板の前記第1導体層と、の間に前記第1導体層と固相拡散接合が可能な金属材料で形成された金属部材として、複数の開口部が形成されたパンチング板、細線を編み込んで形成されたメッシュ、又はワイヤを配置する第1の工程と、
    前記ベース板と前記配線基板の前記第1導体層との間に前記金属部材を挟み、加圧しながら加熱することで前記金属部材を塑性変形させて前記金属部材の厚みを減少させる第2の工程と、
    前記配線基板の前記第2導体層と半導体素子とを接合する第3の工程と、
    を含む半導体装置の製造方法。
  2. 前記金属部材は、Al又はAl合金で形成されること
    を特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記ベース板及び前記配線基板の前記第1導体層は、Cu又はCu合金で形成されること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記金属部材は、前記パンチング板であること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記金属部材は、前記メッシュであること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記金属部材は、前記ワイヤであり、
    前記第1の工程において、前記ベース板と前記配線基板の前記第1導体層との間に複数本の前記ワイヤが並べられること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記金属部材は、Al又はAl合金で形成され、表面をCu又はCu合金で被覆されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記ベース板は、Al又はAl合金で形成され、
    前記金属部材は、前記ワイヤであって、前記ベース板に超音波接合されること
    を特徴とする請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記配線基板の前記第1導体層は、Cu又はCu合金で形成されること
    を特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. ベース板と、絶縁層、前記絶縁層の一方の面に設けられた第1導体層及び前記絶縁層の他方の面に設けられた第2導体層を有する配線基板の前記第1導体層と、の間に前記第1導体層と固相拡散接合が可能な金属材料で形成された金属部材として、複数の開口部が形成されたパンチング板、細線を編み込んで形成されたメッシュ、又はワイヤを配置する第1の工程と、
    前記ベース板と前記配線基板の前記第1導体層との間に前記金属部材を挟み、加圧しながら加熱する第2の工程と、
    を含む半導体装置用基板の製造方法。
  11. ベース板と、
    前記ベース板上に設けられ、合金によって形成される拡散層と、
    絶縁層、前記絶縁層の一方の面に設けられた第1導体層及び前記絶縁層の他方の面に設けられた第2導体層を有し、前記拡散層を介して前記ベース板に前記第1導体層が接合された配線基板と、
    前記配線基板の前記第2導体層上に設けられた半導体素子と、を備え、
    前記拡散層中に前記第1導体層と固相拡散接合が可能な金属材料で形成された金属部材として、複数の開口部が形成されたパンチング板、細線を編み込んで形成されたメッシュ、又はワイヤを有すること
    を特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11に記載の半導体装置を有し、入力される電力を変換して出力する主変換回路と、
    前記主変換回路を制御する制御信号を前記主変換回路に出力する制御回路と、
    を備えた電力変換装置。
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