JP7450184B2 - 熱交換器の付着物除去方法並びにその機構 - Google Patents

熱交換器の付着物除去方法並びにその機構 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 令和元年7月14日~同年12月にかけて本願の出願人および発明者が掛川市生物循環パビリオンにて本願発明に関する公開実証試験を行い,その後,令和2年7月13日に本願発明の出願を行った。
本発明は、し尿処理場や下水処理場で発生する汚泥の乾燥施設に関するものであって、乾燥機から排出される排ガスを燃焼脱臭する際に、排熱回収のための熱交換器への固形物の付着を防止することのできる熱交換器の付着物除去方法並びにその機構に係るものである。
し尿処理場や下水処理場の汚泥乾燥施設において、乾燥機からの排気(以下、乾燥機排ガスと呼ぶ)の脱臭には、直接燃焼式の脱臭炉が多く用いられている。
そして図1に示すように、この直接燃焼式の脱臭炉3には熱交換器4が併設され、乾燥機排ガスG0(200℃)は、熱交換器4において、脱臭炉3から排出された脱臭排ガスG1(650℃)と熱交換して排熱を回収し、昇温された状態(450℃)で脱臭炉3に吹き込まれる。
脱臭炉3に吹き込まれた乾燥機排ガスG0は、脱臭炉3に設けられたバーナ31により650℃(から700℃)程度に昇温され、脱臭炉3内で約0.3秒滞留した後に脱臭排ガスG1として排気され、前記熱交換器4において乾燥機排ガスG0と熱交換した後、外部に排気されることとなる(例えば特許文献1参照)。
前記熱交換器4においては、特に高温側の流路に珪素化合物等の無機質の固形物が付着し、これが成長して徐々に閉塞が進行し、バーナ31の燃焼不良や逆火の原因となるため、定期的に装置を止めて専門業者による清掃作業が行われている。
なお前記珪素化合物等の固形物は、見掛密度が小さいため閉塞が早いのが特徴であり、一例として当該固形物の見掛密度は70g/lで一般的な固形物の見掛密度500g/lに比べ1/7であり、閉塞は7倍早くなる。このため清掃頻度が大きく増して、操業にさしつかえる事例も発生している。
更にこのような清掃作業は、ダイオキシン等暴露防止レベル2の作業となり、作業員への負担も決して軽いものではない。
なお乾燥機排ガスG0が、バグフィルタ等でろ過されている場合あっても熱交換器4への固形物の付着が発生すること、熱交換器4の低温側に固形物の付着は発生しないこと、付着した固形物の主成分は二酸化ケイ素である事などから、乾燥機排ガスG0に含まれる珪素成分が脱臭炉3内で燃焼し、その結果、固形物である二酸化ケイ素が生成されているものと考えられる。
また前記熱交換器4に付着した固形物は、平均粒子径100μ程度の鱗片状であることから、燃焼により生成した二酸化ケイ素微粒子(融点は1600℃程度)が、2000℃近い部分もあるバーナ31の火炎の高温部で溶融成長したものと推測される。
特開2019-2651公報
本発明はこのような背景からなされたものであって、直接燃焼式の脱臭炉等の運転を停止することなく、熱交換器への固形物の付着を防止することのできる新規な熱交換器の付着物除去方法並びにその機構の開発を技術課題としたものである。
すなわち請求項1記載の熱交換器の付着物除去方法は、乾燥機から排出される乾燥機排ガスを、脱臭炉を用いて脱臭処理して脱臭排ガスとした後、排出する施設の運転において、前記乾燥機排ガスは、脱臭炉から排出される脱臭排ガスとの間で熱交換を行って昇温された後、脱臭炉に供給されるものであり、前記熱交換を行う熱交換器における放熱流路に、粒状物を浮遊滞留させることにより、この放熱流路に付着した付着物を除去するものであり、前記熱交換器は、垂直方向に流路が設定された放熱流路と、水平方向に流路が設定された受熱流路とが具えられたプレート式熱交換器であり、前記放熱流路を、下部から上部に向かって脱臭排ガスが流れるように設定し、放熱流路を流れる脱臭排ガスの流速に応じた終端速度に適合する粒状物を選択することにより、放熱流路に供給された粒状物が放熱流路にて浮遊滞留するようにするものであり、前記熱交換器における放熱流路の給気口に接続される管路内における脱臭排ガスの流速V3と、熱交換器の放熱流路内における脱臭排ガスの流速V4と、この放熱流路の排気口に接続される排気ダクト内における脱臭排ガスの流速V5とを、V3>V4>V5となるように設定することを特徴として成るものである。
また請求項2記載の熱交換器の付着物除去方法は、前記要件に加え、前記脱臭炉は直接燃焼式のものであることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の熱交換器の付着物除去方法は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記粒状物は珪砂であることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の熱交換器の付着物除去方法は、前記請求項1または3いずれか記載の要件に加え、前記粒状物を、排気ダクト内に具えられた開口部を有する衝突部材に衝突させて均一に分散させた後、前記放熱流路に導入することを特徴として成るものである。
また請求項記載の付着物除去機構は、乾燥機から排出される乾燥機排ガスを、脱臭炉を用いて脱臭処理して脱臭排ガスとした後、排出する施設に具えられる装置の機構であって、前記乾燥機排ガスは、脱臭炉から排出される脱臭排ガスとの間で熱交換を行って昇温された後、脱臭炉に供給されるものであり、前記熱交換を行う熱交換器における放熱流路に、粒状物を浮遊滞留させることにより、この放熱流路に付着した付着物を除去することができるように構成されて成り、前記熱交換器は、垂直方向に流路が設定された放熱流路と、水平方向に流路が設定された受熱流路とが具えられたプレート式熱交換器であり、前記放熱流路は、下部から上部に向かって脱臭排ガスが流れるように設定され、放熱流路を流れる脱臭排ガスの流速に応じて、粒状物の終端速度を設定することにより、放熱流路に供給された粒状物が放熱流路の下端部から流下しないように構成されて成り、前記熱交換器における放熱流路の給気口に接続される管路内における脱臭排ガスの流速V3と、熱交換器の放熱流路内における脱臭排ガスの流速V4と、この放熱流路の排気口に接続される排気ダクト内における脱臭排ガスの流速V5とが、V3>V4>V5となるように設定されていることを特徴として成るものである。
また請求項記載の付着物除去機構は、前記請求項記載の要件に加え、前記脱臭炉は直接燃焼式のものであることを特徴として成るものである。
また請求項記載の付着物除去機構は、前記請求項5または6記載の要件に加え、前記粒状物は珪砂であることを特徴として成るものである。
また請求項記載の付着物除去機構は、前記請求項5または7記載の要件に加え、前記排気ダクト内には、開口部を有する衝突部材が具えられていることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1及び記載の発明によれば、脱臭炉等の運転を停止することなく、熱交換器における放熱流路への固形物の付着を防止することができる。
また、垂直方向に流路が設定された放熱流路と、水平方向に流路が設定された受熱流路とが具えられたプレート式熱交換器において、放熱流路から粒状物が流下してしまわないため、脱臭炉等の運転中は長時間に亘って常時放熱流路への固形物の付着を防止することができる。
更にまた、熱交換器の放熱流路内における粒状物の終端速度を、熱交換器における放熱流路に流入する直前の粒状物の終端速度と、放熱流路から流出した直後の粒状物の終端速度との間の値とすることができる。
また請求項2及び記載の発明によれば、特に固形物の付着が顕著に現れる、直接燃焼式脱臭炉の次段に具えられる熱交換器における放熱流路への固形物の付着を防止することができる。
更にまた請求項及び記載の発明によれば、従来、熱交換器に付着していた平均粒子径100μ程度の鱗片状の固形物を、凝集成長する前に除去することができる。
また請求項及び記載の発明によれば、排気ダクト内に粒状物をより均一に分散させることができる。
本発明の付着物除去機構が適用された脱臭炉の周辺機器を示す骨格図である。 熱交換器を透視して示す斜視図である。 各排気系機器における脱臭排ガスの流速並びに粒状物の終端速度を示す骨格図である。 排気ダクト内に配置される衝突部材を示す側面図(a)及び平面図(b)である。 粒子径-終端速度特性を示すグラフである。
本発明の熱交換器の付着物除去方法並びにその機構の最良の形態は以下の実施例に示すとおりであるが、これらの実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
本発明の熱交換器の付着物除去機構1(以下、付着物除去機構1と呼ぶ)は、一例として図1~3に示すように、し尿処理場や下水処理場で発生する汚泥等を乾燥するための乾燥機2から排出される乾燥機排ガスG0を、脱臭炉3を用いて脱臭処理して脱臭排ガスG1とした後、外部に排出する施設に具えられる装置の機構であって、粒状物Pによって、熱交換器4へ付着する珪素化合物等の付着物Sを除去するための機構である。
なお前記熱交換器4は、脱臭炉3に供給される前の乾燥機排ガスG0と、脱臭炉3から排出された脱臭排ガスG1との間で熱交換を行い、乾燥機排ガスG0を昇温した後、脱臭炉3に供給するようにするために設けられるものであり、これにより脱臭炉3の省エネルギー化が図られている。
まず前記乾燥機2は一例として、し尿処理場や下水処理施設で広く用いられている、汚泥を粒状乾燥する回転ドラム式の装置が適用される。
なおこの実施例では、乾燥機2から排出される乾燥機排ガスG0の温度を200℃とする。
また前記脱臭炉3は、炉本体30とバーナ31とを具えて成るものであり、給気口32から炉本体30内に供給された被処理ガスたる乾燥機排ガスG0をバーナ31の火炎に触れさせ、あるいは火炎で加熱されることにより、有機物を燃焼させて脱臭した後、排気口33から排出させる、直接燃焼式の機器である。
なおこの実施例では、脱臭炉3から排出される脱臭排ガスG1の温度を650℃とする。
また前記熱交換器4は、一例としてプレート式熱交換器が採用されるものであり、このものは、ステンレス、チタン等の耐食金属の薄板をプレス成型して、ヘリングボーンパターン等の波形状の伝熱プレートを形成し、これを用いて構成されるものである。そして多数の伝熱プレートを、伝熱プレート間に流体が流れるように間隙を設けて積層し、高温流体が流れる放熱流路41と、低温流体が流れる受熱流路42とが交互に対向して流れるように組み合わせることにより、熱交換器4が構成される。
このような構成が採られることにより、流体は伝熱プレートと伝熱プレートとの間の複雑な形状の流路を通過するため乱れが大きくなり、伝熱プレート間を流れる流体の温度が均一になるとともに、伝熱プレートに接する流体に形成される、熱交換の妨げになる流れのない膜(境膜)が薄くなるため、熱交換の効率が良好なものとなる。
一方、伝熱プレートがこのような複雑な形状とされているため、特に脱臭排ガスG1の流路とされる放熱流路41内に付着物Sが付着し易くなってしまう。
そして前記伝熱プレートが組み合わせて構成された放熱流路41及び受熱流路42は筐体40内に収容されるとともに、放熱流路41における給気口41a、排気口41b並びに受熱流路42における給気口42a、排気口42bが筐体40から突出した状態とされている。なお前記放熱流路41は、垂直方向に流れるように設定され、下部から上部に向かって脱臭排ガスG1が流れるように設定される。
そして前記脱臭炉3における給気口32、排気口33が、それぞれ管路43、管路34によって、熱交換器4における排気口42b、給気口41aに接続される。
また前記排気ダクト5は、熱交換器4における排気口41bを覆うようにその上方に配される部材であり、その側周部に給気口51aが形成されるとともに、上部に排気口51bが形成される。
なお図1、3では図示を省略しているが、排気口51bから煙突6にかけての排気経路に、サイクロンやバグフィルタ等の集塵装置、排気をより低臭気化等するためのガス洗浄塔や触媒脱臭装置が必要に応じて配されている。
そして前記排気ダクト5における給気口51aに給気管路7の一端が接続され、この給気管路7の他端にブロワ71が接続されており、排気ダクト5内において脱臭排ガスG1に外気を混合し、希釈することができるように構成されている。
なお給気口51aは、平面視において排気ダクト5の中心に指向するように形成され、且つ上下方向の位置としては、排気口41bよりも排気口51b側に近い位置に設けられるのが好ましい。
更に給気管路7の給気口51a寄りの部位に供給口72が形成され、ここに供給バルブ73が接続されるものであり、給気管路7を通じて排気ダクト5及び熱交換器4における放熱流路41内に、粒状物Pを至らせることができるように構成されている。
なお前記脱臭炉3における排気口33と熱交換器4における給気口41aとを結ぶ管路34には、給気口41aの直下の部位に取出バルブ74が具えられている。
このような構成が採られることにより、供給バルブ73と供給口72を通過して給気管路7内に至った粒状物Pは、ブロワ71から送られてくる外気の流れに同伴されて排気ダクト5に吹き込まれることとなる。そして排気ダクト5に吹き込まれた粒状物Pは、外気と、上昇する脱臭排ガスG1とにより分散されて排気ダクト5内に広がることとなる。
なお図4に示すように、排気ダクト5内に衝突部材52を配置し、衝突部材52に粒状物Pを衝突させて、排気ダクト5内によりいっそう広がり易くさせることが好ましい。
前記衝突部材52は、一例として5cm角の格子状の金網が適用されるものであり、図4(a)に示す様に、粒状物Pが衝突する衝突部材52の面が下方を指向する様に、且つ鉛直方向に対して斜めになるように配置する。
なお金網の様に開口面積が広いものであれば、給気管路7からの外気の流れや、脱臭排ガスG1の流れを大きく偏流させてしまうことはない。
一方で、金網を形成する金属線材は、金網を斜めに配することにより、金属線材と粒状物Pの衝突が一定割合で生じることとなり、衝突した粒状物Pは、排気ダクト5内によりいっそう均一に広げられることとなる。
ここで前記粒状物Pについて説明する。このものは脱臭炉3が稼働中の状態で、熱交換器4における放熱流路41中に浮遊滞留させられるものであり、以下の条件に適合した終端速度Vpを有するものが選択される。
具体的には、まず前記熱交換器4における放熱流路41の給気口41aに接続される管路34内における脱臭排ガスG1の流速V3と、熱交換器4の放熱流路41内における脱臭排ガスG1の流速V4と、この放熱流路41の排気口41bに接続される排気ダクト5内における脱臭排ガスG1の流速V5とが、V3>V4>V5となるように設定されるものである。
これら流速V3、V4、V5の値は、管路34、放熱流路41、排気ダクト5それぞれの横断面積を選択することにより、設定することができる。
前記横断面積とは、管路34と放熱流路41に関しては、脱臭排ガスG1の流れ方向に直交する方向の断面積を意味するものである。
また排気ダクト5に関して横断面積とは、放熱流路41から流入する脱臭排ガスG1の流れ方向に直交する方向の直筒部の断面積を意味するものである。そして放熱流路41から流入した直後の脱臭排ガスG1の温度と物質量に基づき、前記横断面積から算出される流速V5が設定されるものである。
具体的には、排気ダクト5では、ブロワ71からの外気と、脱臭排ガスG1とが混合されることとなるが、前記流速V5は、この外気が混合される前の脱臭排ガスG1の状態を表したものであり、例えばより具体的には排気口41bの横断面積に対する流速である。
そして脱臭炉3が稼働中の状態で、粒状物Pが排気ダクト5内で浮遊滞留したり、ダクト34内で浮遊滞留することなく、これらの間に位置する放熱流路41中に浮遊滞留するためには、排気ダクト5における脱臭排ガスG1の流速V5は、粒状物Pの終端速度Vp(詳終端速度の詳細説明は後述)より小さい必要があり、この場合の終端速度Vpを終端速度Vp5と表現すればV5<Vp5となる様に設定する必要がある。
加えて、管路34(または給気口51a)における脱臭排ガスG1の流速V3は、粒状物Pの終端速度Vpより大きい必要があり、この場合の終端速度Vpを終端速度Vp3と表現すればV3>Vp3となる様に設定する必要がある。
また放熱流路41における脱臭排ガスG1の流速V4は、放熱流路41内において粒状物Pが浮遊滞留するようにVp5<V4<Vp3と設定すればよく、V3とV5との関係で示せばV5<V4<V3の関係となるように設定すればよい。
放熱流路41における脱臭排ガスG1の流速V4に対応する粒状物Pの終端速度Vpは終端速度Vp4と表現する。
この実施例では一例としてV3=16.2m/s、V4=13m/s、V5=6.5m/sとして設定した。したがって6.5m/s<Vp5 且つ Vp4 <13m/sとなるような粒状物Pが採用される。
なお放熱流路41における脱臭排ガスG1の流速V4は、放熱流路41の給気口41a側の温度と排気口41b側の温度それぞれに基づく平均温度と、放熱流路41を通過する物質量と、横断面積とから算出されるものである。より詳しく述べれば、放熱流路41における脱臭排ガスG1の流速V4は、上述の平均温度に基づく放熱流路41内における脱臭排ガスG1の平均流速であり、給気口41a側は高温であることから、実際の給気口41a側の脱臭排ガスG1の流速は、流速V4よりも高速であり、逆に排気口41b側の脱臭排ガスG1の流速は、流速V4よりも低速である。
すなわち落下する粒体(粒状物P)の終端速度は、粒体(粒状物P)にかかる重力と、流体(ガス)の流れに基づき生ずる浮力つまり抵抗力とが釣り合った状態での速度であり、粒体性状と、風速とに応じて変化するものであって、一例として粒状物Pとして珪砂を採用した場合の、粒子径-終端速度特性を図4に示す。
なお図5中には、脱臭排ガスG1の流速を16.2m/s(V3)、13m/s(V4)、6.5m/s(V5)とした場合のグラフをそれぞれ示している。
図5からは、V5=6.5m/sのときに、Vp5 >6.5m/sとなる粒子径は0.5mm以上であることが読み取られる。またV4=13m/sのときに、Vp4 <13m/sとなる粒子径は1.7mm以下であることが読み取られる。
したがって粒状物Pとして珪砂を採用した場合には、粒子径0.5mm~1.7mmのもの(3号~5号)を使用することにより、脱臭炉3が稼働中の状態で、粒状物Pを、排気ダクト5内で浮遊滞留したり、ダクト34内で浮遊滞留することなく、これらの間に位置する放熱流路41内に浮遊滞留させることが可能となるものである。
もちろん珪砂等の実際の資材には、粒子径が0.5mmに満たないものや、1.7mmを超えるものが含まれているが、粒子径が小さいものに関しては煙突6側に飛散し、前述の集塵装置にて捕集される。一方、粒子径が大きいものに関しては管路34に降下し、排出バルブ74から排出される。
また、終端速度との関係で述べれば、終端速度には粒子の密度や形状などが影響するので、粒子径0.5mmや1.7mmが厳密な境界値を表すわけではない。
なお3号や5号等の資材の表示は、実際の現場においての利用の可否を簡易的に判断できる目安の号数である。
好ましくは篩を用いて資材を篩い分けし、適切な粒径の粒状物Pを選別して用いるものとする。
続いて上述した本発明の付着物除去機構1を用いて実施される、熱交換器4の付着物除去方法について、図1~3を参照しながら説明する。
し尿処理場や下水処理施設において、汚泥等を乾燥処理する乾燥機2から排出された乾燥機排ガスG0(200℃)は、熱交換器4における給気口42aから受熱流路42内に至り、ここで放熱流路41内を通過する脱臭排ガスG1(650℃)との間で熱交換を行って昇温される(450℃)。
熱交換器4において昇温された乾燥機排ガスG0は、脱臭炉3における給気口32から炉本体30内に至り、ここでバーナ31の火炎(最高2000℃)に触れさせられて加熱されるものであり、炉本体30内に0.3秒程度滞留する際に有機物が燃焼して脱臭処理が施され、脱臭排ガスG1(650℃)として排気口33から排出される。
次いで脱臭排ガスG1は、管路34を通じて熱交換器4における給気口41aから放熱流路41内に至り、ここで受熱流路42内を通過する乾燥機排ガスG0(200℃)との間で熱交換を行って降温される(400℃)。
次いで脱臭排ガスG1は排気口41bから排出されて排気ダクト5内に至り、ここで給気管路7から給気口51aを通じて供給される外気によって希釈され、更に温度が低下した状態で排気口51bから排出され、煙突6を通じて外部に放出される。
そしてこのような脱臭炉3による乾燥機排ガスG0の脱臭処理が継続されると、やがて熱交換器4における放熱流路41内に、二酸化ケイ素を主成分とする付着物Sが付着し始める。
そこでこの付着物Sを除去するために供給バルブ73を操作して、図3に示すように供給口72を通じて給気管路7内に粒状物P(3号~5号の硅砂)が投入される。
給気管路7内に投入された粒状物Pは、ブロワ71からの送風によって排気ダクト5内に至るが、排気ダクト5内における脱臭排ガスG1の流速V5=6.5m/sであるため、終端速度Vp5 >6.5m/sである粒状物Pは下降して、やがて熱交換器4における放熱流路41内に至ることとなる。
放熱流路41内に至った粒状物Pは、放熱流路41内における乾燥機排ガスG0の流速V4=13m/sであるため、終端速度Vp4 <13m/sである粒状物Pはこれ以上、下降することなく、放熱流路41内に浮遊して留まることとなり、放熱流路41の内壁に付着した付着物Sに衝突してこれを除去する。
なお先に述べた様に、放熱流路41の給気口41a側は流速V4よりも高速であることから、粒径の大きな粒状物Pが浮遊滞留し易い傾向にあり、排気口41b側は流速V4よりも低速であることから粒径の小さな粒状物Pが浮遊滞留し易い傾向にある。
このようにいったん放熱流路41内に至った粒状物Pは、ここに浮遊滞留することとなるため、脱臭炉3の運転中は常時、平均粒子径100μ程度の鱗片状の付着物Sが成長する前に除去することができ、付着物Sの付着による熱交換効率の低下や乾燥機排ガスG0の流速の変動が回避されることとなる。もちろん粒状物Pの衝突を免れた付着物Sが若干凝集して成長してしまうこともあるが、粒状物Pは放熱流路41内で浮遊滞留しているため、いずれは付着物Sに衝突して、これを除去することができるものである。
放熱流路41内において粒状物Pにより除去された付着物Sは、ほとんどが、脱臭排ガスG1に運ばれて前述の集塵装置において捕集されるか、あるいは取出バルブ74から排出される。
また、放熱流路41内で浮遊滞留している粒状物Pは、浮遊滞留時の相互の衝突等で微細化することもあり、終端速度Vp5を下回る程に微細化すれば、脱臭排ガスG1に運ばれて集塵装置において捕集される。
そして脱臭炉3の運転が停止すると、管路34への乾燥排ガスG1の供給が停止されるため粒状物Pは落下するものであり、取出バルブ74を開放することにより粒状物Pを排出することができる。
なお図1において脱臭炉3の排気口33から管路34は屈曲して熱交換器4に接続されて描かれているが、排気口33の直上に熱交換器4を配し、この間を直管の管路34で接続する配置構成であっても構わない。
この場合、脱臭炉3の運転の停止時には脱臭炉3内に粒状物Pが落下し堆積することになるので、脱臭炉3に設けられた点検口から炉本体30内の粒状物Pを取り出すことになる。
なお本出願人の検証によると、伝熱面積80m2 の熱交換器4が具えられた付着物除去機構1において、一回で用いる粒状物Pの量は3~5kgであり、1カ月に1回の頻度で補充投入すれば粒状物Pの除去性能が充分に維持されることが確認されている。
また粒状物Pを回収して新たな粒状物Pと入れ替える頻度は、年2回程度で済むため、脱臭炉3の長時間に亘る連続運転が可能である。
1 付着物除去機構
2 乾燥機
3 脱臭炉
30 炉本体
31 バーナ
32 給気口
33 排気口
34 管路
4 熱交換器
40 筐体
41 放熱流路
41a 給気口
41b 排気口
42 受熱流路
42a 給気口
42b 排気口
43 管路
5 排気ダクト
51a 給気口
51b 排気口
52 衝突部材
6 煙突
7 給気管路
71 ブロワ
72 供給口
73 供給バルブ
74 取出バルブ
G0 乾燥機排ガス
G1 脱臭排ガス
P 粒状物
S 付着物

Claims (8)

  1. 乾燥機から排出される乾燥機排ガスを、脱臭炉を用いて脱臭処理して脱臭排ガスとした後、排出する施設の運転において、
    前記乾燥機排ガスは、脱臭炉から排出される脱臭排ガスとの間で熱交換を行って昇温された後、脱臭炉に供給されるものであり、
    前記熱交換を行う熱交換器における放熱流路に、粒状物を浮遊滞留させることにより、この放熱流路に付着した付着物を除去するものであり、
    前記熱交換器は、垂直方向に流路が設定された放熱流路と、水平方向に流路が設定された受熱流路とが具えられたプレート式熱交換器であり、
    前記放熱流路を、下部から上部に向かって脱臭排ガスが流れるように設定し、
    放熱流路を流れる脱臭排ガスの流速に応じた終端速度に適合する粒状物を選択することにより、
    放熱流路に供給された粒状物が放熱流路にて浮遊滞留するようにするものであり、
    前記熱交換器における放熱流路の給気口に接続される管路内における脱臭排ガスの流速V3と、
    熱交換器の放熱流路内における脱臭排ガスの流速V4と、
    この放熱流路の排気口に接続される排気ダクト内における脱臭排ガスの流速V5とを、
    V3>V4>V5となるように設定することを特徴とする熱交換器の付着物除去方法。
  2. 前記脱臭炉は直接燃焼式のものであることを特徴とする請求項1記載の熱交換器の付着物除去方法。
  3. 前記粒状物は珪砂であることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の熱交換器の付着物除去方法。
  4. 前記粒状物を、排気ダクト内に具えられた開口部を有する衝突部材に衝突させて均一に分散させた後、前記放熱流路に導入することを特徴とする請求項1または3いずれか記載の熱交換器の付着物除去方法。
  5. 乾燥機から排出される乾燥機排ガスを、脱臭炉を用いて脱臭処理して脱臭排ガスとした後、排出する施設に具えられる装置の機構であって、
    前記乾燥機排ガスは、脱臭炉から排出される脱臭排ガスとの間で熱交換を行って昇温された後、脱臭炉に供給されるものであり、
    前記熱交換を行う熱交換器における放熱流路に、粒状物を浮遊滞留させることにより、この放熱流路に付着した付着物を除去することができるように構成されて成り、
    前記熱交換器は、垂直方向に流路が設定された放熱流路と、水平方向に流路が設定された受熱流路とが具えられたプレート式熱交換器であり、
    前記放熱流路は、下部から上部に向かって脱臭排ガスが流れるように設定され、
    放熱流路を流れる脱臭排ガスの流速に応じて、粒状物の終端速度を設定することにより、
    放熱流路に供給された粒状物が放熱流路の下端部から流下しないように構成されて成り、
    前記熱交換器における放熱流路の給気口に接続される管路内における脱臭排ガスの流速V3と、
    熱交換器の放熱流路内における脱臭排ガスの流速V4と、
    この放熱流路の排気口に接続される排気ダクト内における脱臭排ガスの流速V5とが、
    V3>V4>V5となるように設定されていることを特徴とする熱交換器の付着物除去機構。
  6. 前記脱臭炉は直接燃焼式のものであることを特徴とする請求項記載の熱交換器の付着物除去機構。
  7. 前記粒状物は珪砂であることを特徴とする請求項5または6いずれか記載の熱交換器の付着物除去機構。
  8. 前記排気ダクト内には、開口部を有する衝突部材が具えられていることを特徴とする請求項5または7いずれか記載の熱交換器の付着物除去機構。
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