JP7450184B2 - 熱交換器の付着物除去方法並びにその機構 - Google Patents
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Description
そして図1に示すように、この直接燃焼式の脱臭炉3には熱交換器4が併設され、乾燥機排ガスG0(200℃)は、熱交換器4において、脱臭炉3から排出された脱臭排ガスG1(650℃)と熱交換して排熱を回収し、昇温された状態(450℃)で脱臭炉3に吹き込まれる。
脱臭炉3に吹き込まれた乾燥機排ガスG0は、脱臭炉3に設けられたバーナ31により650℃(から700℃)程度に昇温され、脱臭炉3内で約0.3秒滞留した後に脱臭排ガスG1として排気され、前記熱交換器4において乾燥機排ガスG0と熱交換した後、外部に排気されることとなる(例えば特許文献1参照)。
なお前記珪素化合物等の固形物は、見掛密度が小さいため閉塞が早いのが特徴であり、一例として当該固形物の見掛密度は70g/lで一般的な固形物の見掛密度500g/lに比べ1/7であり、閉塞は7倍早くなる。このため清掃頻度が大きく増して、操業にさしつかえる事例も発生している。
更にこのような清掃作業は、ダイオキシン等暴露防止レベル2の作業となり、作業員への負担も決して軽いものではない。
また前記熱交換器4に付着した固形物は、平均粒子径100μ程度の鱗片状であることから、燃焼により生成した二酸化ケイ素微粒子(融点は1600℃程度)が、2000℃近い部分もあるバーナ31の火炎の高温部で溶融成長したものと推測される。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
また、垂直方向に流路が設定された放熱流路と、水平方向に流路が設定された受熱流路とが具えられたプレート式熱交換器において、放熱流路から粒状物が流下してしまわないため、脱臭炉等の運転中は長時間に亘って常時放熱流路への固形物の付着を防止することができる。
更にまた、熱交換器の放熱流路内における粒状物の終端速度を、熱交換器における放熱流路に流入する直前の粒状物の終端速度と、放熱流路から流出した直後の粒状物の終端速度との間の値とすることができる。
なおこの実施例では、乾燥機2から排出される乾燥機排ガスG0の温度を200℃とする。
なおこの実施例では、脱臭炉3から排出される脱臭排ガスG1の温度を650℃とする。
このような構成が採られることにより、流体は伝熱プレートと伝熱プレートとの間の複雑な形状の流路を通過するため乱れが大きくなり、伝熱プレート間を流れる流体の温度が均一になるとともに、伝熱プレートに接する流体に形成される、熱交換の妨げになる流れのない膜(境膜)が薄くなるため、熱交換の効率が良好なものとなる。
一方、伝熱プレートがこのような複雑な形状とされているため、特に脱臭排ガスG1の流路とされる放熱流路41内に付着物Sが付着し易くなってしまう。
そして前記脱臭炉3における給気口32、排気口33が、それぞれ管路43、管路34によって、熱交換器4における排気口42b、給気口41aに接続される。
なお図1、3では図示を省略しているが、排気口51bから煙突6にかけての排気経路に、サイクロンやバグフィルタ等の集塵装置、排気をより低臭気化等するためのガス洗浄塔や触媒脱臭装置が必要に応じて配されている。
なお給気口51aは、平面視において排気ダクト5の中心に指向するように形成され、且つ上下方向の位置としては、排気口41bよりも排気口51b側に近い位置に設けられるのが好ましい。
更に給気管路7の給気口51a寄りの部位に供給口72が形成され、ここに供給バルブ73が接続されるものであり、給気管路7を通じて排気ダクト5及び熱交換器4における放熱流路41内に、粒状物Pを至らせることができるように構成されている。
なお前記脱臭炉3における排気口33と熱交換器4における給気口41aとを結ぶ管路34には、給気口41aの直下の部位に取出バルブ74が具えられている。
なお図4に示すように、排気ダクト5内に衝突部材52を配置し、衝突部材52に粒状物Pを衝突させて、排気ダクト5内によりいっそう広がり易くさせることが好ましい。
前記衝突部材52は、一例として5cm角の格子状の金網が適用されるものであり、図4(a)に示す様に、粒状物Pが衝突する衝突部材52の面が下方を指向する様に、且つ鉛直方向に対して斜めになるように配置する。
なお金網の様に開口面積が広いものであれば、給気管路7からの外気の流れや、脱臭排ガスG1の流れを大きく偏流させてしまうことはない。
一方で、金網を形成する金属線材は、金網を斜めに配することにより、金属線材と粒状物Pの衝突が一定割合で生じることとなり、衝突した粒状物Pは、排気ダクト5内によりいっそう均一に広げられることとなる。
具体的には、まず前記熱交換器4における放熱流路41の給気口41aに接続される管路34内における脱臭排ガスG1の流速V3と、熱交換器4の放熱流路41内における脱臭排ガスG1の流速V4と、この放熱流路41の排気口41bに接続される排気ダクト5内における脱臭排ガスG1の流速V5とが、V3>V4>V5となるように設定されるものである。
これら流速V3、V4、V5の値は、管路34、放熱流路41、排気ダクト5それぞれの横断面積を選択することにより、設定することができる。
前記横断面積とは、管路34と放熱流路41に関しては、脱臭排ガスG1の流れ方向に直交する方向の断面積を意味するものである。
また排気ダクト5に関して横断面積とは、放熱流路41から流入する脱臭排ガスG1の流れ方向に直交する方向の直筒部の断面積を意味するものである。そして放熱流路41から流入した直後の脱臭排ガスG1の温度と物質量に基づき、前記横断面積から算出される流速V5が設定されるものである。
具体的には、排気ダクト5では、ブロワ71からの外気と、脱臭排ガスG1とが混合されることとなるが、前記流速V5は、この外気が混合される前の脱臭排ガスG1の状態を表したものであり、例えばより具体的には排気口41bの横断面積に対する流速である。
加えて、管路34(または給気口51a)における脱臭排ガスG1の流速V3は、粒状物Pの終端速度Vpより大きい必要があり、この場合の終端速度Vpを終端速度Vp3と表現すればV3>Vp3となる様に設定する必要がある。
また放熱流路41における脱臭排ガスG1の流速V4は、放熱流路41内において粒状物Pが浮遊滞留するようにVp5<V4<Vp3と設定すればよく、V3とV5との関係で示せばV5<V4<V3の関係となるように設定すればよい。
放熱流路41における脱臭排ガスG1の流速V4に対応する粒状物Pの終端速度Vpは終端速度Vp4と表現する。
なお放熱流路41における脱臭排ガスG1の流速V4は、放熱流路41の給気口41a側の温度と排気口41b側の温度それぞれに基づく平均温度と、放熱流路41を通過する物質量と、横断面積とから算出されるものである。より詳しく述べれば、放熱流路41における脱臭排ガスG1の流速V4は、上述の平均温度に基づく放熱流路41内における脱臭排ガスG1の平均流速であり、給気口41a側は高温であることから、実際の給気口41a側の脱臭排ガスG1の流速は、流速V4よりも高速であり、逆に排気口41b側の脱臭排ガスG1の流速は、流速V4よりも低速である。
なお図5中には、脱臭排ガスG1の流速を16.2m/s(V3)、13m/s(V4)、6.5m/s(V5)とした場合のグラフをそれぞれ示している。
図5からは、V5=6.5m/sのときに、Vp5 >6.5m/sとなる粒子径は0.5mm以上であることが読み取られる。またV4=13m/sのときに、Vp4 <13m/sとなる粒子径は1.7mm以下であることが読み取られる。
もちろん珪砂等の実際の資材には、粒子径が0.5mmに満たないものや、1.7mmを超えるものが含まれているが、粒子径が小さいものに関しては煙突6側に飛散し、前述の集塵装置にて捕集される。一方、粒子径が大きいものに関しては管路34に降下し、排出バルブ74から排出される。
また、終端速度との関係で述べれば、終端速度には粒子の密度や形状などが影響するので、粒子径0.5mmや1.7mmが厳密な境界値を表すわけではない。
なお3号や5号等の資材の表示は、実際の現場においての利用の可否を簡易的に判断できる目安の号数である。
好ましくは篩を用いて資材を篩い分けし、適切な粒径の粒状物Pを選別して用いるものとする。
し尿処理場や下水処理施設において、汚泥等を乾燥処理する乾燥機2から排出された乾燥機排ガスG0(200℃)は、熱交換器4における給気口42aから受熱流路42内に至り、ここで放熱流路41内を通過する脱臭排ガスG1(650℃)との間で熱交換を行って昇温される(450℃)。
熱交換器4において昇温された乾燥機排ガスG0は、脱臭炉3における給気口32から炉本体30内に至り、ここでバーナ31の火炎(最高2000℃)に触れさせられて加熱されるものであり、炉本体30内に0.3秒程度滞留する際に有機物が燃焼して脱臭処理が施され、脱臭排ガスG1(650℃)として排気口33から排出される。
そこでこの付着物Sを除去するために供給バルブ73を操作して、図3に示すように供給口72を通じて給気管路7内に粒状物P(3号~5号の硅砂)が投入される。
給気管路7内に投入された粒状物Pは、ブロワ71からの送風によって排気ダクト5内に至るが、排気ダクト5内における脱臭排ガスG1の流速V5=6.5m/sであるため、終端速度Vp5 >6.5m/sである粒状物Pは下降して、やがて熱交換器4における放熱流路41内に至ることとなる。
なお先に述べた様に、放熱流路41の給気口41a側は流速V4よりも高速であることから、粒径の大きな粒状物Pが浮遊滞留し易い傾向にあり、排気口41b側は流速V4よりも低速であることから粒径の小さな粒状物Pが浮遊滞留し易い傾向にある。
また、放熱流路41内で浮遊滞留している粒状物Pは、浮遊滞留時の相互の衝突等で微細化することもあり、終端速度Vp5を下回る程に微細化すれば、脱臭排ガスG1に運ばれて集塵装置において捕集される。
そして脱臭炉3の運転が停止すると、管路34への乾燥排ガスG1の供給が停止されるため粒状物Pは落下するものであり、取出バルブ74を開放することにより粒状物Pを排出することができる。
なお図1において脱臭炉3の排気口33から管路34は屈曲して熱交換器4に接続されて描かれているが、排気口33の直上に熱交換器4を配し、この間を直管の管路34で接続する配置構成であっても構わない。
この場合、脱臭炉3の運転の停止時には脱臭炉3内に粒状物Pが落下し堆積することになるので、脱臭炉3に設けられた点検口から炉本体30内の粒状物Pを取り出すことになる。
また粒状物Pを回収して新たな粒状物Pと入れ替える頻度は、年2回程度で済むため、脱臭炉3の長時間に亘る連続運転が可能である。
2 乾燥機
3 脱臭炉
30 炉本体
31 バーナ
32 給気口
33 排気口
34 管路
4 熱交換器
40 筐体
41 放熱流路
41a 給気口
41b 排気口
42 受熱流路
42a 給気口
42b 排気口
43 管路
5 排気ダクト
51a 給気口
51b 排気口
52 衝突部材
6 煙突
7 給気管路
71 ブロワ
72 供給口
73 供給バルブ
74 取出バルブ
G0 乾燥機排ガス
G1 脱臭排ガス
P 粒状物
S 付着物
Claims (8)
- 乾燥機から排出される乾燥機排ガスを、脱臭炉を用いて脱臭処理して脱臭排ガスとした後、排出する施設の運転において、
前記乾燥機排ガスは、脱臭炉から排出される脱臭排ガスとの間で熱交換を行って昇温された後、脱臭炉に供給されるものであり、
前記熱交換を行う熱交換器における放熱流路に、粒状物を浮遊滞留させることにより、この放熱流路に付着した付着物を除去するものであり、
前記熱交換器は、垂直方向に流路が設定された放熱流路と、水平方向に流路が設定された受熱流路とが具えられたプレート式熱交換器であり、
前記放熱流路を、下部から上部に向かって脱臭排ガスが流れるように設定し、
放熱流路を流れる脱臭排ガスの流速に応じた終端速度に適合する粒状物を選択することにより、
放熱流路に供給された粒状物が放熱流路にて浮遊滞留するようにするものであり、
前記熱交換器における放熱流路の給気口に接続される管路内における脱臭排ガスの流速V3と、
熱交換器の放熱流路内における脱臭排ガスの流速V4と、
この放熱流路の排気口に接続される排気ダクト内における脱臭排ガスの流速V5とを、
V3>V4>V5となるように設定することを特徴とする熱交換器の付着物除去方法。
- 前記脱臭炉は直接燃焼式のものであることを特徴とする請求項1記載の熱交換器の付着物除去方法。
- 前記粒状物は珪砂であることを特徴とする請求項1または2いずれか記載の熱交換器の付着物除去方法。
- 前記粒状物を、排気ダクト内に具えられた開口部を有する衝突部材に衝突させて均一に分散させた後、前記放熱流路に導入することを特徴とする請求項1または3いずれか記載の熱交換器の付着物除去方法。
- 乾燥機から排出される乾燥機排ガスを、脱臭炉を用いて脱臭処理して脱臭排ガスとした後、排出する施設に具えられる装置の機構であって、
前記乾燥機排ガスは、脱臭炉から排出される脱臭排ガスとの間で熱交換を行って昇温された後、脱臭炉に供給されるものであり、
前記熱交換を行う熱交換器における放熱流路に、粒状物を浮遊滞留させることにより、この放熱流路に付着した付着物を除去することができるように構成されて成り、
前記熱交換器は、垂直方向に流路が設定された放熱流路と、水平方向に流路が設定された受熱流路とが具えられたプレート式熱交換器であり、
前記放熱流路は、下部から上部に向かって脱臭排ガスが流れるように設定され、
放熱流路を流れる脱臭排ガスの流速に応じて、粒状物の終端速度を設定することにより、
放熱流路に供給された粒状物が放熱流路の下端部から流下しないように構成されて成り、
前記熱交換器における放熱流路の給気口に接続される管路内における脱臭排ガスの流速V3と、
熱交換器の放熱流路内における脱臭排ガスの流速V4と、
この放熱流路の排気口に接続される排気ダクト内における脱臭排ガスの流速V5とが、
V3>V4>V5となるように設定されていることを特徴とする熱交換器の付着物除去機構。
- 前記脱臭炉は直接燃焼式のものであることを特徴とする請求項5記載の熱交換器の付着物除去機構。
- 前記粒状物は珪砂であることを特徴とする請求項5または6いずれか記載の熱交換器の付着物除去機構。
- 前記排気ダクト内には、開口部を有する衝突部材が具えられていることを特徴とする請求項5または7いずれか記載の熱交換器の付着物除去機構。
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